資料6-1 「教員の養成・採用・研修の改善に関するワーキンググループ(第1回)」における主な意見

1.教員免許状の在り方について

○義務教育免許状を創設する必要があるのではないか。そうすることにより、小学校の先生が中学校での得意分野や特別支援などをバックグラウンドに持つこととなり、小学校で専科を十分担えるようになる。

○幼保連携に対応した免許状が必要。

○小中一貫教育の制度はかなり現実的であり、免許もそれに対応する必要がある。小中の免許をある程度維持しながら、相互に乗り入れられるようにするのが現実的ではないか。

○小学校の専科制を小学1年生から導入することは無理がある。小学校のどの段階から専科制を導入するべきか、子供の発達段階を踏まえて検討すべきである。

2.教職課程の在り方について

○「教科又は教職に関する科目」について、実態がどのようになされており、狙い通りの実質的な中身になっているのか、きちんと把握する必要があるのではないか。

○中学校の新規採用教員を見ていて感じるのは、専門性、実践力、指導力のなさである。特に教材研究ができない教員が非常に多く、このため大学の教職課程の中身を見直す必要があると考える。

○教材研究については中学校に教科ごとの教育研究会という組織があるので、学生にそういったところに実習や現場体験などをさせて、専門の先生とつながりを持たせることも必要ではないか。

○学生や院生が学校現場で実習を行う機会を増やし、その学校での評価を大学側で重視してもらえるような仕組みが必要。

○小学校においては教科の枠で捉えられない新しい課題がかなり出てきている。そういった課題を教員養成の中身としてどのように入れていくのかを考えていく必要がある。

○体験的な学習は学生に人気があり、そういうカリキュラムは養成系の大学ではやっているが、一般大学ではほとんどできていないため、財政支援やカリキュラムの規定に含めるなど、何らかの仕掛けが必要なのではないか。

○これまで学校は教育サービスを提供する場であったが、これからの時代は外部の教育力を活用していく必要があることを考えると、学校は教育サービスが展開されるフィールドになる。そうなったときに、教員に求められる資質もおのずと変わってくるのではないか。

○単位の実質化の枠の中でいかに効率的に教員を養成していくかを考えていただきたい。全国どの大学でも共通性のある養成となるように議論してほしい。

○教職課程を担う教員の研修の必要性も喚起していく必要があるのではないか。

3.教職課程の質保証について

○教職課程の実地視察はある程度効果をあげているが、全ての大学で行うことは難しい。教職課程の認証評価のような制度があってもよいし、毎年年次報告をさせるだけでも、大学が組織的に教職課程を充実させるモチベーションになるのではないか。

○教職課程については大学として責任を持つ体制が必要。

4.大学と教育委員会の連携について

○初任段階のカリキュラムと学部段階のカリキュラムに系統性をきちんと持たせ、学部段階でやるべきことと初任段階で身に付けるべきことを棲み分ける必要がある。そうしないと学部段階の教育課程は膨らんでいかざるを得なくなる。

○大学における教員養成と学校現場に出てから教育委員会で行う研修を連続性を持った形にして行く必要がある。大学における養成だけでは限界がくるだろう。

○大学と教育委員会の連携については、ある程度任せるのではなく緩やかな規定も必要になるのではないか。国公立大学と教育委員会の連携は進んでいるが、私立大学などはなかなか進んでいない。コンソーシアムを形成するなど、どのように連携するのかを検討しなければ、連携に地域格差が起こる。

○「教師塾」などの取組が増えてきているが、こういったものに大学も関わって、地域で教員を育てるというやり方も考えられるのではないか。

○養成と研修は切り離せなくなる。最初の数年間の研修は文部科学省として義務づけや大枠を示すことなどが必要ではないか。

5.その他

○教員養成の危機の根幹は、現在、大学進学率が今定年を迎えている先生方の時代に比して約3倍になっているということ。これを直視しなければ、教員養成の質の低下は防げない。

○入り口でいっぱい与えても駄目。やはりある程度体験させて、現場とはこういうものだと実感した上でもう一度大学に行かせることが必要だが、教員が非常に忙しすぎて研修に携わるゆとりがないのが現状。教員にゆとりを持たせれば、大学との連携、教員自身の研修というのは一気に進むと思う。

○非常勤の教員の数が増えており、学校教育はその力に負っている部分がある。非常勤教員の指導力向上についてもきちんと検討しなければならない。

○今後一般大学で免許状を取得する上では、通信制の活用も必要になってくるのではないか。

○世の中は教員にゼネラリストとスペシャリストの双方を求めている。英語や道徳など時代の要請に応じた課題に対応するためには、ゼネラリストの側面が要求されるが、それに具体的に対応できるのは教育委員会をおいてほかはない。

○部会に案を出す際は、複数案を提示していただきたい。

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