教員養成部会(第98回) 議事録

1.日時

平成29年7月3日(月曜日)10時00分~12時00分

2.場所

三田共用会議所第四特別会議室

東京都港区三田2-1-8

3.議題

  1. 「平成29年度教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定」について(諮問)
  2. 平成28年度教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定後に計画を変更した教職課程について(報告)
  3. 教育職員免許法施行規則の改正について(審議)
  4. 教職課程認定基準の改正について(審議)
  5. 教職課程コアカリキュラムについて(報告)
  6. 外国語(英語)コアカリキュラムについて(報告)
  7. 教育職員免許法等の改正に伴う再課程認定について(報告)
  8. 教員の働き方改革について(報告)

4.議事録

【無藤部会長】  それでは、定刻になりましたので、ただいまから第98回中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会を開催させていただきます。本日は、御多忙の中、御出席を頂きましてまことにありがとうございます。

 それでは初めに、文部科学省におきまして人事異動がありましたので、事務局から御紹介をお願いいたします。

【大江教職員課長補佐】  失礼いたします。このたび事務局の異動がございましたので、御紹介をさせていただきます。

 まず、初等中等教育局教職員課免許企画室長の長谷浩之でございます。OECD事務局からの就任でございます。

【長谷教職員課教育免許企画室長】  長谷でございます。よろしくお願いいたします。

【大江教職員課長補佐】  次に、初等中等教育局教職員課教員免許企画室専門官の尾白泰次でございます。産業教育振興室産業教育調査官からの就任でございます。

【尾白教職員課専門官】  よろしくお願いいたします。

【大江教職員課長補佐】  以上でございます。

【無藤部会長】  ありがとうございました。

 それでは、事務局より本日の配付資料の確認をお願いいたします。

【大江教職員課長補佐】  失礼いたします。

 本日、資料が大部になっておりまして恐縮でございます。確認をさせていただきます。

 上から座席表、それから議事次第がございまして、資料1-1といたしまして課程認定についての諮問でございます。それから資料1-2でございますが、課程認定申請大学数についてでございます。続きまして、資料2でございますが、課程認定の後に計画を変更した教職課程についての報告の資料でございます。続きまして、資料3でございますが、免許法施行規則の一部を改正する省令案についての概要の暫定版でございます。それから、資料4-1、4-2、4-3で教職課程認定基準に関する資料が3部続いてございます。それから、資料5でございますが、教職課程コアカリキュラム案の資料でございます。それから資料6-1、6-2、6-3でございますけれども、外国語のコアカリキュラム案に関する関連資料でございます。資料7-1といたしまして教職課程認定審査の確認事項の資料がございます。資料7-2といたしまして、平成31年度教職課程認定審査要領についてという資料でございます。それから、8-1から8-2、8-3、8-4、8-5、8-6まででございますけれども、教員の働き方改革に関する資料でございます。最後に参考資料が1枚ございまして、再課程認定のスケジュールでございます。以上、非常に大部になっておりまして恐縮でございますが、過不足等ございましたら、お近くの事務局員までお声掛けを頂ければ恐縮でございます。以上でございます。

【無藤部会長】  よろしゅうございますか。

 それでは、本日でございますけれども、議事がたくさんございますが、まずは議事の1につきましては諮問でございますので、それをお受けしたいと思います。

 次に、議事の2につきましては、事務局から御報告を頂きまして、さらに議事の3及び4は御審議を頂きます。議事の5から8につきまして、再度事務局から御報告を頂くという予定にしたいと思います。

 それでは、議事の1に入りますけれども、「平成29年度教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定」について、諮問を受けることといたします。

【藤原初等中等教育局長】  教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について、別紙のとおり申請がありましたので、教育職員免許法別表第1備考第5号イの規定により諮問します。平成29年7月3日、文部科学大臣松野博一。

 よろしくお願いいたします。

(諮問文手交)

【無藤部会長】  それでは、諮問を頂戴いたしましたけれども、この概要につきまして、事務局より御説明お願いいたします。

【長谷教職員課教育免許企画室長】  お手元の資料の1-1と1-2の内容につきまして、概略を御説明申し上げます。教育職員の免許状授与の所要資格を得させるための課程、すなわち大学の教職課程につきましては、教育職員免許法の規定に基づきまして、文部科学大臣の認定が必要とされております。また、文部科学大臣の教職課程の審査に当たりましては、中央教育審議会に諮問することとされておりまして、文部科学大臣は中央教育審議会の答申を踏まえて認定等を行うということとされております。

 諮問につきましては、中央教育審議会の会議の運営に係る申し合わせに基づきまして、中央教育審議会の総会の会議を経ないで諮問する場合には、あらかじめ会長にその諮問の内容を報告するとともに、諮問した場合には事後に審議会にその諮問の内容を報告することとされております。

 平成29年度に申請のありました大学につきましては、資料1-1、それから資料2のとおりとなっておりますが、平成29年度は105大学、203学科と530課程の申請がございました。この数は平成27年度、平成28年度と比べますと少なくなっておりますけれども、27年、28年におきましては国立大学を中心としまして教職大学院の申請がかなり多うございましたので、平成26年度以前の水準とほぼ同程度に平成29年度はなっているところでございます。

 この後の流れにつきましては、具体的には教員養成部会の下に設置されております課程認定委員会におきまして、認定を受けようとする学科等の目的、性格と免許状との相当関係、教育課程及びその履修方法、教員組織、施設設備、教育実習の実施計画等について審査がなされます。特に、最近学際的な学科等の増加に伴いまして、認定を受けようとする学科等の目的、性格と免許状との相当関係が薄い申請が増えてきてございまして、そのような申請に対しては慎重に審査を行っているところでございます。

 審査の結果につきましては、本年11月から12月頃開催を予定しております教員養成部会におきまして答申の予定となっております。

 以上、御報告をさせていただきます。

【無藤部会長】  ありがとうございました。

 ただいまの事務局からの御説明につきまして、何か御質問があればお願いしたいと思いますが、いかがですか。

 特段御質問がなければ、それではそのようなことで今後は課程認定委員会の委員の方々におかれまして、審査のほどよろしくお願いいたします。

 それでは、議事の2に入りたいと思います。

 事務局から平成28年度教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定後に計画を変更した教職課程について、御報告をお願いいたします。

【尾白教職員課専門官】  失礼いたします。

 資料2をごらんください。本件につきましては、昨年度教員養成部会決定でございます教職課程認定審査運営内規を改正いたしまして、課程認定後に当該年度内に専任教員の変更が生じた教職課程について、再度課程認定委員会において審査を行い、認定を行った件についての御報告でございます。

 1枚おめくりいただきますと、昨年度教員養成部会でお諮りさせていただきましたときの改正の資料でございますが、従前の取扱いとしましては、認定後から翌年度の教職課程の開始までの間に専任教員が死亡、入院などやむを得ない事由により教職課程の内容を変更せざるを得ない場合、従前は当該教員の担当科目の取下げ、あるいは認定課程そのものを取り下げることとなっておりました。平成28年度の課程認定審査以降は、教職課程の変更の可否について、課程認定委員会での審査を行った上で、その変更を認めることとしております。具体的な基準の改正については、その次のページの真ん中ほどにございます。4番というところでございます。

 資料2の1ページ目に戻っていただきまして、こちらは平成29年度開設する教職課程につきまして、平成28年度に課程認定委員会で審査を行い、平成28年11月下旬に答申を得て課程認定を行ったところ、その後専任教員が変更となり、やむを得ない事由により教職課程の内容を変更せざるを得ない大学がこの資料2のとおり10校ございました。これらの大学について、平成29年3月28日に再度課程認定委員会で審査を行ったところ、これらの全ての大学について教職課程の変更が認められましたので御報告させていただきます。以上でございます。

【無藤部会長】  ありがとうございました。

 なお、これにつきましての質疑等々は、後ほどまとめてお願いいたします。

 それでは、議事の3に入りたいと思います。

 事務局から、教育職員免許法施行規則の改正についての御説明をお願いいたします。

【長谷教職員課教育免許企画室長】  失礼いたします。

 教育職員免許法施行規則の御説明に先立ちまして、本日は施行規則のほかコアカリキュラム、あるいは課程認定基準等の相互に関連がございます幾つかの文書について御審議をお願いし、あるいは御報告をさせていただきますので、まずは全体を整理させていただくために全体像について御説明を申し上げたいと思います。資料の一番最後に添付されてございます参考資料をお手元にごらんいただきながらお聞きいただければと思います。

 まず、今回の一連の改正等の大元としまして平成27年12月の中央教育審議会の答申、「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」が出されております。この答申を受けまして、平成28年11月には教職課程に係る科目区分の大くくり化等を内容とします教育職員免許法の改正が行われております。本日は教育職員免許法改正及び先ほどの中央教育審議会答申を受けました教育職員免許法施行規則の改正につきまして御審議を頂くようお諮りをしているところでございます。

 本日の御審議と今後のパブリックコメントを踏まえまして改正する規則を策定していくことになります。また、教育中央審議会の答申を受けまして、教職課程コアカリキュラム、それから外国語(英語)コアカリキュラムの検討が行われてきております。教職課程コアカリキュラムにつきましては、6月29日の教職課程コアカリキュラムの在り方に関する検討会において座長に一任をされているところでございます。今後、同日の会議において出されました御意見等を踏まえまして座長に取りまとめいただくということになっております。

 それから、外国語(英語)コアカリキュラムにつきましては、平成27年度、28年度の文部科学省委託研究によりまして英語教員の英語力、指導力強化のための調査研究が取りまとめられたところでございます。同調査研究の成果は、パブリックコメント等を踏まえまして最終的に取りまとめられることとなります。本日は後ほど6月29日の検討会で御審議いただきました教職課程コアカリキュラム案及びパブリックコメントを掛けました外国語(英語)コアカリキュラムの案につきまして御報告をさせていただくこととなっております。

 次に、課程認定につきまして、教育職員免許法及びその施行規則の改正によりまして、教職課程の科目の名称及び当該科目に含むべき事項が改まりますので、既存の教職課程につきましても改正法等が施行される平成31年4月1日までに認定指定を受ける必要がございます。本日は課程認定基準につきまして、教育職員免許法及び同施行規則の改正を受けました改正、その他所要の改正事項につきまして御審議を頂くようお諮りをする予定でございます。

 また、中央教育審議会の答申を受けまして、課程認定委員会におきましては、教職課程コアカリキュラムの在り方に関する検討会が決定する教職課程コアカリキュラム及び英語教員の英語力、指導力強化のための調査研究の成果として取りまとめられました外国語(英語)コアカリキュラムを課程認定において審査の確認事項として活用することとしております。この点も含めまして、教職課程認定審査の確認事項の改正等につきまして、後ほど御報告をさせていただくこととなっております。

 以上の文章の内容ですとか趣旨、それから手続につきましては、お手元に資料をお配りしてございますように、7月10日以降の再課程認定の説明会におきまして、趣旨、内容につきまして丁寧に御説明をさせていただきたいと考えております。

 では、担当の方からまず教育職員免許法施行規則の改正につきまして、御説明申し上げます。

【若林教職員課専門官】  失礼いたします。

 資料の3を御覧いただければと思います。教育職員免許法施行規則の一部を改正する省令案について(概要)で、暫定版とさせていただいております。用語の精査等詳細な検討がまだ必要ですので、現在は暫定版ということで本日お配りさせていただきます。

 まず教育職員免許法、昨年の28年11月の法改正を受けた省令改正でございます。まず法律上は、例えば教諭の場合、教科に関する科目、教職に関する科目、教科又は教職に関する科目、こういった科目区分ごとにそれぞれ単位数が設定されていたところ、全て教科及び教職に関する科目というふうに区分が1つになりまして、合計単位数が規定されるような形になりました。これは養護教諭、栄養教諭においてもそれぞれ養護及び教職に関する科目、栄養に係る教育及び教職に関する科目、このような名称とさせていただいたところです。

 今回、法改正を受けた施行規則の改正ではございますが、施行規則改正の基本的な考え方といたしまして、2枚おめくりいただいてもよろしいでしょうか。教職課程の見直しのイメージというものが、これは昨年の平成27年12月21日に頂いた答申、「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」、こちらで示された見直しのイメージがございます。こちらのイメージに基づきまして、必要な省令上の科目、あるいは科目に含むことが必要な事項について改める、このような改正でございます。なお、養護教諭、栄養教諭につきましても、今回教諭の見直しのイメージが示されたものの、このイメージを準用するような形での改正を考えているところです。

 施行規則上の科目区分の大くくり化といたしまして、これも見直しのイメージを左右で見比べていただければ分かるとは思いますが、現行の科目区分、法律上の科目区分は統合されましたが、省令上にも幾つか科目区分がございます。科目区分ごとに単位数が割り当てられているところでございますが、改正前につきましては、教科に関する科目等の法律上の科目区分を含めて8つの科目区分がございました。それぞれごとに単位数が設定されておりまして、少ないものであれば2単位というような単位設定がございました。それをまず大くくり化させていただき、教諭の場合ですと教科及び教科の指導法に関する科目、教育の基礎的理解に関する科目、道徳、総合的な学習の時間等の指導法及び生徒指導、教育相談等に関する科目、教育実践に関する科目、大学が独自に設定する科目といった5つの区分にさせていただきます。その上で、特に丸の1番、教科及び教科の指導法に関する科目につきましては、従来の教科に関する科目と教職に関する科目の中に含まれておりました事項である各教科の指導法が1つの科目区分になりましたので、これらを併せて取り扱う大学での授業科目の開設が可能となるところでございます。

 また、養護教諭、栄養教諭につきましても同じ旨の改正を予定しております。

 次に、施行規則上の事項の改正でございます。事項というのは、それぞれ科目区分に含まれているものでありまして、単位数というものが必ずしも明記されていないものもございますが、こういった内容について教職課程で学んでいただく必要があると、そのようなものでございます。3つに分けております。まず1つ目に、新たに独立した事項を設けるものといたしまして、1つ目が特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒に対する理解。こちらは省令上見直しのイメージ上1単位以上習得というふうにさせていただいておりますので、省令上も同じように1単位以上習得ということを規定させていただくことを考えております。さらに、総合的な学習の指導法。これらはそれぞれ独立した事項として設けることを考えているところでございます。

 次に、事項の内容として追加するもの。例えば括弧書き等で既存の事項にぶら下がるようなものとして、チーム学校への対応、学校と地域との連携、学校安全への対応、カリキュラム・マネジメント、キャリア教育、さらに各教科の指導法、あるいは保育内容の指導法については、それぞれ情報機器及び教材の活用を含むこととする、このような改正を検討しております。さらに、大学が独自に大学の判断により事項に加えることを可能とした内容といたしまして、教育実習の中に学校インターンシップ(学校体験活動)をそれぞれ幼稚園・小学校・中学校・養護教諭の場合は2単位まで、高等学校教員の場合は1単位まで含むことができる。これは大学の判断でできることとする、このような改正を検討しております。

 1枚おめくりいただきまして、これは免許状ごとにそれぞれどういった特徴があるかということを今後規定しております。まず、幼稚園教諭につきましては、従来教科に関する科目として幼稚園の免許を取る場合であっても小学校の国語、算数、生活、音楽、図画工作、体育について学習することとされておりましたが、今後は見直しのイメージを踏まえまして、領域に関する専門的事項――名称は若干変わりますが、専門的事項において、幼稚園教育要領に定める健康、人間関係、環境、言葉、表現の5領域について学ぶこととさせていただく、このような改正を考えております。なお、現在も既に認定されている大学において、小学校の内容で授業を行っている、あるいは小学校の免許を取ろうとする学生と合同で授業を行っているようなケースもございますので、平成34年度まではこういった現行の、従来の小学校教科による開設も可能とする、このような経過措置を設けております。

 続きまして、小学校教諭については、教科に関する専門的事項に外国語を追加するとともに、各教科の指導法にそれぞれ情報機器及び教材の活用を含む、さらに指導法の中でも外国語の指導法についてもそれぞれ1単位以上習得することとする予定でございます。

 中学校教諭につきましては、教科に関する専門的事項のうち、特に英語に関する専門的事項において、従来「英米文学」というふうに規定させていただいておりましたところ、英語で書かれた文学というものがイギリス、アメリカ以外にも多くの国、例えばオーストラリアであったりカナダであったり様々な国の文学が発展している状況を踏まえまして、「英語文学」に改めるという改正を予定しております。さらに、小学校と同様に各教科の指導法に情報機器及び教材の活用を含み、各教科の指導法の必要習得単位数、こちらの見直しのイメージについて、一定単位数以上規定するというふうに書かれていたところでございますが、現行大学において開設されている単位数、中学校の一種免許状、専修免許状であれば8単位、二種免許状であれば2単位、これを下回らないようにということで、それぞれこの単位数以上習得することとさせていただきます。

 高等学校教諭につきましても、同じ旨の改正を予定しており、指導法につきましては4単位以上の習得ということで規定させていただいております。

 8番、大学が独自に設定する科目。こちらは従来の教科又は教職に関する科目に相当する科目でございます。この中で下にある一種免許状、二種免許状の丸の3番、下線部分については、今回新たに新設を予定しております。具体的には、教科横断的に、例えば高等学校の免許を取る際に数学と理科といった教科横断的に、あるいは教科に関する科目のそれぞれの科目間での横断的な内容、こういったものが従来は規定がありませんでしたので、こういったものについても新たに学び、教職課程に位置付けることができる旨を予定しております。

 次のページになりますが、養護教諭についても同じように用語に関する科目に準ずる科目についての教諭と同じような改正を予定しております。

 その他の改正事項といたしまして、特に大きなこととしては各大学等が発行する証明書等の別記の様式についても法改正、省令改正を踏まえた形に改めることを予定しております。

 なお、附則についてでございますが、今回の省令については免許法の施行日に合わせて平成31年4月1日の施行を予定しております。経過措置といたしまして、まず旧課程で習得した科目・教科に関する専門的事項については、新課程を有する大学の判断により、新課程で習得したそれぞれの単位とみなすことができる、このような措置を設けることを予定しております。旧課程で習得した現在の教職に関する科目の単位につきましては、省令上それぞれ対応表のようなものを設けまして、それぞれ対応する科目の単位としてみなすことができる旨を予定しております。これらにつきましては、従来の改正から同じような経過措置が設けられているところでございます。なお、旧課程で習得した単位の中で、教科又は教職に関する科目、養護に関する科目、養護又は教職に関する科目、栄養に係る教育に関する科目、栄養に係る教育又は教職に関する科目につきましては、新課程で習得したそれぞれの単位としてみなすことができる。このような規定も予定しております。

 なお、こちら、丸の4番になりますが、平成31年4月1日前、つまり旧課程に在学した者については、その者が大学を卒業するまではこの省令、あるいは法律の規定にかかわらず従来の法令に基づく旧課程において免許状授与の所要資格を得ることができることとさせていただきます。

 5番につきまして、先ほど少し御説明させていただきましたとおり、旧課程として幼稚園教諭の免許状の所要資格を得させるための課程として、認定を受けた課程につきましては、平成34年度まではこの省令にかかわらず、従来の小学校の教科に関する科目、改正後は教科に関する専門的事項に係る単位の修得を引き続きさせることができる、このようなことを考えております。

 なお、見直しのイメージの後ろに細かい、具体的な規定が書いてあります概要を掲載させていただいております。かなり条文に近いような形の概要にはなりますが、一部用語の精査等々がございますので、具体的な条文ではなくこのような詳しい概要で近日中、できれば今週中にパブリックコメントを掛けさせていただくことを考えております。

 ただ、この中でも、例えばチーム学校であったりカリキュラム・マネジメント、このような用語については、見直しのイメージから法令用語に変更することが必要な状況でございますので、この点につきましては今後更に精査を続けたいと思います。

 施行規則については、以上でございます。

【無藤部会長】  ありがとうございました。

 それでは、ただいま教育職員免許法施行規則(案)につきましての御説明を頂きましたから、御意見、御質問がある方につきましては、いかがでしょうか。もしあれば挙手などをお願いしたいと思います。

 どうぞ。

【吉田委員】  済みません、ありがとうございます。

 1つだけお尋ねなんですけれども、今の資料3の施行規則上の事項の改正の中で、その後各教科の各学習の文面というのが出てきますが、情報機器及び教材の活用を含むこととするということで、一番気になるんですけれども、これは各大学でそういった機器その他は、例えばの話、小学校とか中学校に置かれるような設備と同じようなものが置かれるのか。また、各学校がそういった整備を各校――高・中・小・幼ですね――等において、そういう設備が置かれるようなことも確認できているのかどうか、その辺でお尋ねしたいんですけれども。

【無藤部会長】  お願いします。

【若林教職員課専門官】  お答えいたします。

 まず、現行の規定におきましても、実は教育の方法及び技術、別の事項について括弧書きで情報機器及び教材の活用を含むというような規定がございますので、各大学においても授業においてICTの機器を用いるために最低限必要な設備、施設というものは既に置かれているものと認識しております。その上で、情報機器の活用につきましては、様々な形がありますので、例えば必ずしも電子黒板がなければいけないだとか、必ずしもこういう機器がなければいけないというようなことは定められておりませんので、それぞれの大学に置かれた施設・設備において適切にやっていただきたいと考えております。

 これはあくまで大学における教職課程の規定でございますので、高校以下についてはまた別の判断があるとは考えております。

【吉田委員】  そうすると、学習指導要領で変わってきますよね、情報というかAI絡みでデジタル教科書も含めていろいろ変わってくるわけですけれども、それとはまた別だということでいいわけですか。

【若林教職員課専門官】  一応学習指導要領の動きも受けた当然免許法等の改正というか、それは全くつながりがない部分ではございませんが、例えばAIであったり具体的にプログラミングであったり、そういった用語がこの中に入るわけではございませんので、それは各大学においてそれぞれ御判断いただく。更に言うなら、各教科においてもまた活用の仕方が様々だと思いますので、小学校における、例えば国語における活用と算数における活用であればまた違った形があると思いますので、それは全く関係ないわけではございませんが、具体的な活用の方法、あるいは授業内容についてはそれぞれの大学の御判断ということになると考えております。

【吉田委員】  しつこくて済みませんけれども、今、私心配していますのは、現実に今度は教育課程で小学校でもプログラミング云々まで入ってきていますよね。それが各大学の判断でその必要はないとされればそれでもいいということなんですか、その教職の中で学ぶ必要はないと。それから、小学校の教員免許に対しては、特に英語も加わって負担がすごく大きくなっていると思うんですけれども、その辺のところで教員の資格というか免許状にどこまでが負担させられるのか、それから今度はその人たちが着任した後にどこまでのことを求められるようになっているかという、そのバランスというのはすごく大事なんじゃないかなと思うんでお尋ねしているんです。済みません。

【若林教職員課専門官】  各教科の指導法については、従来から学習指導要領に掲げられている内容に即し、包括的な内容を含むものでなければいけないということは省令上規定はございますが、ただ、とはいっても、限られた単位数ではございますので、その中で具体的に特定のこの事項を必ずやらなければいけないというところまではされていないところでございます。ですので、学習指導要領の内容を踏まえて、そこは特にこの事項をする、取り扱うんだというものについては各大学、あるいは教員の御判断ということになると考えております。

【無藤部会長】  よろしいですか。

 それではほかに御質問など。

 どうぞ、お願いします。

【酒井委員】  済みません、1つ確認をさせていただきたいんですが。2ページの中学校教諭のところで、各教科の指導法の単位数なんですけれども、専修免許状と一種免許状は各教科の指導法が8単位以上になっていますね。これまでは6単位程度が最低限だったような気がするんですが、それが8単位以上になるという理解でよろしいですか。

【若林教職員課専門官】  失礼します。これまでは各教科の指導法の修得単位数というものは特に省令上規定はございませんでしたので、それぞれの大学の御判断において実施されていると思うんですが、現在見直しのイメージにおいて、例えば中学校の場合教科に関する科目が20単位あって、各教科の指導法が何単位かあるでしょうと。今後教科及び教科の指導法に関する科目の単位数が、例えば中学校一種免許状の場合28単位になりますので、ここは現状8単位程度が行われているんだろうという前提を持ってこの見直しのイメージができているだろうという想定があります。その現状の指導法の単位数よりも下回らないような基準を設けるという趣旨で8単位を予定しているところでございます。

【酒井委員】  恐らく各大学で必修単位で何単位設けるのか、多分いろいろ、8もあると思いますし、6もあったと思うんですけれども、ですのでここで8を省令で決めますと、ある意味その部分で水準が少し高めでそろう形での設定になるかなという確認なんです。

【若林教職員課専門官】  今おっしゃるとおり大学において現行の規定であれば単位設定が例えば2単位でも、各教科の指導法が2単位ということも省令上はあり得るところでございますので、そういう意味では現在少ない単位数で開設されている一部の大学にとっては、現在の単位数よりも多くなることはあり得ると考えております。

【無藤部会長】  よろしいですか。

 ほかに御質問、御意見などありますでしょうか。

 すぐ今ということはないようでございますので、それではありがとうございました。

 それでは次、議事の4に入りたいと存じます。

 事務局から教職課程認定基準の改正についての御説明をお願いいたします。

【尾白教職員課専門官】  失礼いたします。

 資料の4-1、4-2、4-3が教職課程認定基準の関係の資料になってございます。このうち資料の4-1については、改正のポイントをまとめたような資料でございまして、4-2が認定基準を改正したものを反映させたもの、それから4-3が新旧対照表になってございます。ちょっと大部の資料になりますので、4-1の改正のポイントをまとめた資料で御説明させていただきたいと思います。

 この教職課程認定基準につきましては、本教員養成部会決定でございまして、6月中に課程認定委員会でも御審議を頂いた上で今回御提案をさせていただくというものでございます。おおよそこの基準の中では、教職課程の大学の専任教員の配置であるとか、あと科目の開設の学科間の共通開設、その開設の仕方等について定めているという基準でございます。

 まず、資料4-1の上から順番に御説明をさせていただきますが、(1)のところをごらんいただきますと、基本的に今回の改正につきましては、省令で改正を予定している科目名や事項名の改正に伴って、それを同じく教職課程認定基準においても反映させる改正を行うというところでございます。それから、そこの下のところでございますけれども、専任教員の配置であるとか科目の共通の開設、学科間での共通の開設につきましては、現行とほぼ同様の基準とした改正をしてございます。

 続いて、そこの(2)番をごらんいただきますと、こちらに教科及び教科の指導法に関する科目の創設に伴う改正としまして、「教科に関する専門的事項」と、「各教科の指導法」の両方を含めた開設、「複合科目」と課程認定基準上呼んでおりますけれども、こういった科目の開設が可能となってございますので、この科目の取扱いについて改正をしております。

 丸1としまして、こうした複合科目を担当する専任教員につきましては、「教科に関する専門的事項」の専任教員数に含めることができるとしております。それから、丸2のところでございますけれども、丸2は複合科目につきましても「各教科の指導法」と同様の基準によりまして、学科間の共通開設をすることができるとしてございます。続いて、そこの下のポツのところでございますが、「教科に関する専門的事項」につきまして、中学校教諭一種免許状及び高等学校教諭一種免許状の教職課程につきましては、20単位以上を大学として開設をしていただくということ、それから中学校教諭二種免許状につきましては、10単位以上を大学として開設をしていただくということを必須としております。

 続いて、(3)番の事項の追加・変更に伴う改正というところでございます。「特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒に対する理解」、あるいは「総合的な学習の時間の指導法」、「道徳の理論及び指導法」につきましては、今回省令改正で新たに追加改正される事項でございますけれども、こちらに関しましても、学科間の共通開設を可能とするという扱いにしてございます。なお、これらの新たな事項・科目の追加に伴って必要専任教員数については変更をしておりません。続きまして、それの下のポツのところでございますが、「学校体験活動」、こちらにつきましては、教育実習と同様の共通開設を可能としております。

 続いて、(4)番の幼稚園教諭免許状の区分の変更に伴う改正です。次のページに掛けて記載させていただいております。まず1番上のところでございますけれども、幼稚園教諭免許状が教科に関する科目が領域に関する専門的事項に変更されたことに伴いまして、幼稚園教諭の一種免許状を設置する際には、従前は6教科中5教科という開設をしておりましたが、5領域中5領域の科目の開設を大学として必須とすると。それから、括弧書きのところですが、二種免許状につきましては、4領域の開設を必須とするとしております。

 続いて、その下のポツでございますけれども、同一学科等において領域に関する専門的事項と小学校教諭免許状の評価に関する専門的事項の両方を担当する専任教員につきましては、それぞれの課程において専任教員とすることができるといった基準を新たに設けております。こちらにつきましては、現行では幼稚園教諭免許状を取得する際には、小学校の教科に関する科目で取得できるということになっていたことから、教職課程につきましても幼稚園と小学校の両方の課程を有する大学については、専任科目を共通開設できるというふうになってございました。さらには、その科目を担当する教員につきましては、専任教員につきましては小学校、幼稚園両方の教職課程の専任教員としてカウントできるというような取扱いになってございましたが。幼稚園の方が領域に関する専門的事項の変更をされたことに伴いまして、当然その科目が変わりますので、科目の共通開設することは不可能になってございますけれども、専任教員の基準のところで、この幼稚園のところだけが非常に厳しくなってしまうといったこともございまして、今回従前どおり小学校の教科に関する専門的事項を担当する専任教員と、幼稚園の領域に関する専門的事項を担当される専任教員、それぞれ専門性を当然有する方につきましては、両者の専任教員としてカウントすることができるといった規定を新たに設けてございます。

 続きまして、資料の3つ目のポツでございますけれども、領域に関する専門的事項を改正前の施行規則第2条の規定による場合の教育課程及び教員組織につきましては、平成30年度までの教職課程認定基準によるとしております。こちらに関しては、改正前といいますと、小学校の教科に関する科目として大学として開設する場合、それも可能しておるんですが、そういった場合の教職課程認定基準の適用に関しては、現行の課程認定基準によるという規定を設けてございます。

 続いて、(5)番のところでございますが、小学校教員免許状に教科「外国語」を追加することに伴う改正でございます。小学校に外国語が新設されたことに伴いまして、教科に関する専門的事項及び各教科の指導法の科目につきましては、従前の9教科中9教科の開設を必須とするということから、10教科中10教科の開設を必須ということに改正してございます。

 (6)その他の改正につきましては、この課程認定基準の中で記載の位置が非常に分かりにくい場所に書いてあったりとか、説明がちょっと基準を引っ張ってくるようなところがちょっと正確に書いていないというようなところがございましたので、用語の整理というところとかそういった整理をさせていただいている改正を(6)番でしております。

 資料の3ページにつきましては、参考として課程認定委員会決定の教職課程認定審査の確認事項の改正とか、31年度教職課程認定審査要領の制定につきまして掲載しておりますが、こちらに関しては後ほど説明をさせていただきます。

 資料の説明については以上でございます。

【無藤部会長】  ありがとうございました。

 ただいま認定基準案についての御説明を頂きましたけれども、いかがでしょうか、御質問等、お願いいたします。

 特にございませんでしょうか。

 どうぞ、お願いします。

【松木委員】  教科及び教科の指導法に関する科目の創設に伴う改正に関わってなんですが、そこのところで、新たに複合科目として出す場合にはいろいろな規定があるかなと思うんですが、これまでの説明の中で従来どおりの科目の場合には教員の個人調書なんかは提出する必要がないというような説明がこれまであったかなと思うんですが、そうすると、新しく改正に伴って意図として複合科目を出すような大学にとってはかなり負担になって、今までどおりのものを出していればそのまま通過するようにも見えちゃうのですが、それでいいのだろうかというふうな危惧があるんですが、いかがでしょうか。

【無藤部会長】  お願いします。

【尾白教職員課専門官】  失礼いたします。

 新設される科目でございますので、どういった内容になっておるかとかどういった業績の方が担当されるのかということは再課程認定の際に御確認させていただく予定でございます。

 こちらに関しましては、済みません、後ほど資料7-2の報告事項のところで御報告をさせていただく予定でございました。基本的には後ほども御説明させていただきますが、コアカリキュラムを策定させていただきますので、そういった科目について中心に内容の確認をさせていただくというような予定でおります。

【佐藤教職員課長】  改めて後でお答えいたします。

【無藤部会長】  大ざっぱに言えばコアカリキュラム等が規定されたものはシラバスのチェックが必要になりますけれども、従来の科目と同じであれば教員審査はまた別、特に新たに要らないということだけですということで、これはそれで十分だというのは既に前もって部会で了解されていると思いますけれども、実務的にももちろんあらゆるものを審査するというのは正しいかもしれませんが膨大な手間ですので、現実的にかないませんということで御提案してきたと思います。

 それでは、ほかにいかがでしょうか。特によろしゅうございますか。

 それでは、この教職課程認定基準につきましては、当教職課程部会の審議事項ということでございますので、ここで当部会としての決定ということにさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

 ありがとうございました。

 それでは、議事の5に入りたいと思います。教職課程コアカリキュラムについての御報告をお願いいたします。

【若林教職員課専門官】  失礼いたします。

 資料5をごらんいただければと思います。先週6月29日に教職課程コアカリキュラムの在り方に関する検討会の第5回が開催されました。そこで教職課程コアカリキュラム(案)を御審議いただき、座長預かりとなったところでございます。本日は、その座長預かりになった29日の配付資料によって御報告をさせていただければと考えております。

 まず、1枚おめくりいただきまして、目次がございます。目次の冒頭の部分で教職課程コアカリキュラム作成の背景と考え方についておまとめいただき、6ページ以降についてはそれぞれの事項に関する到達目標等々をお示ししたもの、最後に26ページ以降に参考資料という構成になっております。本日、時間の関係もございますので、教職課程コアカリキュラムの作成の背景と考え方の部分について御説明させていただきますので、6ページ以降は適宜御参照いただければと考えております。

 まず、1ページ目でございます。教職課程コアカリキュラムの作成の背景と考え方でございます。作成の背景につきましては、作成に至るこれまでの様々な御議論、特に一番下の段落でございますが、まず平成13年に「国立の教員養成系大学・学部の在り方に関する懇談会」の報告において教職課程コアカリキュラムの作成というものが提言されて以降、幾度となく同種の提言であったり試案がそれぞれなされたところでございます。直近この教員養成部会で御審議いただきました平成27年の答申、「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」において「大学が教職課程を編成するに当たり参考とする指針(教職課程コアカリキュラム)を関係者が共同で作成することで、教員の養成、研修を通じた教員育成における全国的な水準の確保を行っていくことが必要である」との答申を受け、この提言を機に「教職課程コアカリキュラムの在り方に関する検討会」というものが昨年の8月に開催されたところでございます。

 1枚おめくりいただきまして、教職課程コアカリキュラムの作成の目的でございます。教職課程コアカリキュラムは、全国全ての大学の教職課程で共通的に習得すべき資質能力を示すものであります。各大学においては、これに加えて地域や学校現場のニーズに対応した教育内容や、大学の自主性や独自性を発揮した教育内容を習得させることが当然であるという考えをまとめさせていただいております。こうした地域のニーズであったり大学の自主性というものを尊重した上で、各大学が責任を持って教員養成に取り組み教師を育成する仕組みを構築することで、教職課程全体の質保証を目指すのがこの教職課程コアカリキュラム作成の目的でございます。

 3番、教職課程コアカリキュラムの作成の方針とその留意点でございます。教員の免許については非常に多岐にわたりますので、今回現行の教職に関する科目についてそれぞれ到達目標等々を策定させていただいたところでございますが、一番下のパラグラフになりますが、このコアカリキュラムでは対象としていなかった現行の教科に関する科目について、この後御説明がありますが、英語教育については「英語教育コア・カリキュラム」、幼稚園、これはコアカリキュラムではございませんが、今回新たに領域に関する専門的事項というものができることを踏まえてモデルカリキュラムという形での調査研究が行われております。こういった動きも踏まえつつ、今回策定をしなかった学校種であったり職種、あるいは教科におけるコアカリキュラムについても今後順次整備されることを求めたいとさせていただいております。

 3ページ目の「なお」の段落の下の方でございますが、コアカリキュラムについて「全体目標」、「一般目標」、「到達目標」というものがそれぞれ規定されておりますが、これらの目標については、教職課程における教育内容について規定したものであって、目標の数が大学における授業の単位数であったり授業回数等を縛るものではないとさせていただいております。29日の検討会においても、こういった誤解というものがあるんじゃないかというような御議論がありましたので、この点については重ねて周知させていただきます。

 「さらに」というところでございますが、教職課程で習得すべき資質能力については、固定されているものではございませんので、今回作成する教職課程コアカリキュラムについては、今後も必要に応じて改定を行っていくことが望まれる。

 次のパラグラフでございますが、あくまで今回教職課程コアカリキュラムというのは免許法の施行規則に規定する各事項についての習得すべき資質能力を示したものでございますが、教員というものを考えたときに使命感、責任感、教育的愛情、総合的人間力、コミュニケーション能力等、施行規則で規定する各事項には納まらないような総合的な資質能力というものが求められているところでございますので、こういったものについては、当然教員を養成する大学、教員を採用・研修する教育委員会や学校法人等の関係者が相互に連携をしながらそうしたものを生涯にわたって習得させられるようなことが望まれるとさせていただいております。

 (4)でございます。教職課程コアカリキュラム、これをどのように活用して教職課程の水準向上に結び付けていくかということにつきまして、議論を整理したところでございます。まず大学関係者においては、各大学において教職課程を編成する際に、教職課程コアカリキュラムの内容や指標の内容を踏まえるとともに、大学や担当教員による創意工夫を加え、さらにそれらが体系性を持った教職課程になるように留意をしていただきたいと。

 1枚おめくりいただきまして、じゃあ具体的に教職課程の各担当教員に対してのお願いでございますが、教職課程担当教員一人一人が担当科目のシラバスを編成する際や授業を実施する際に、学生がこの教職課程コアカリキュラムに規定されたような内容を習得できるよう授業を設計・実施し、当然それに更にいろいろなプラスアルファを加えていただき、それが大学としてきちっと責任を持った単位認定を行うことをお願いしております。

 続いて採用者、教育委員会であったり学校法人に対してでございますが、教員養成を担う全国の大学で教職課程コアカリキュラムの内容を反映させた教育が行われるようになることを前提とし、これを踏まえた教員採用選考の実施や指標の検討を行っていただきたいと。

 国(文部科学省)に対してでございますが、まず1番目として教職課程コアカリキュラムの内容や活用方法が様々な誤解、懸念もあると思いますので、これらが正しく理解されるよう、広く周知を行うこと、続いて教職課程コアカリキュラムが各大学の教職課程の質保証につながるよう、教職課程の審査・認定及び実施視察において、教職課程コアカリキュラムを活用すること。このようにさせていただいております。

 教職課程コアカリキュラムが各関係者において、広く、効果的に活用され、教職課程の質保証や教員の資質能力、ひいては我が国の学校教育の質の向上に寄与することを検討会として期待するものでございます。

 それぞれの事項につきましては、6ページ以降になりますので、御参照いただければと思います。なお、現状この形で座長預かりになってはございますが、今後整理をした上で各大学、教育委員会等々の関係者に幅広く周知させていただくことを予定しております。

 以上でございます。

【無藤部会長】  ありがとうございました。

 ただいまの質疑応答につきましては、後ほど議事の、今のが5ですけれども、6と7と行った後にお願いしたいと存じます。

 それでは、議事の6に入りたいと思います。

 外国語(英語)コアカリキュラムについての御報告をお願いいたします。

【佐藤国際教育課外国語教育推進室長】  失礼いたします。国際教育課でございます。外国語(英語)コアカリキュラムについて、報告をさせていただきます。

 資料ですけれども、まず資料の6-1と策定経緯等についてまとめさせていただきました資料6-2、そして薄い冊子の形で配らせていただいております教員養成・研修外国語コア・カリキュラム(ダイジェスト版)というのが資料6-3でございます。これらに基づいて御説明をさせていただきます。

 まず、策定の経緯でございます。先ほどの教職課程のコアカリキュラムの方の説明にもございましたけれども、基本的に現行の教科に関する科目につきましても、今後順次コアカリキュラムを策定するとなっております。ただ、外国語(英語)につきましては、これらに先駆けて今回策定をしたという経緯がございます。その経緯についてでございます。資料の6-2の方で御説明をさせていただきます。

 外国語(英語)でございます。今回学習指導要領の改訂に伴いまして、小学校の中学年で外国語活動、そして高学年では教科外国語科ということで、新たに週2コマ外国語について学ぶという改訂をしてございます。このカリキュラムの策定の経緯といたしましては、主に2点ございます。1つは今申し上げましたように、新しい学習指導要領の中で小学校の高学年において外国語が教科として入るということへの対応という部分、そしてもう一点は、既に中学校・高等学校の外国語科におきましてもこれまで指導がなされておったんですけれども、特に話すあるいは書くといった表現活動の部分についての教員の指導力の向上ということが課題として指摘をされておりました。そういったことにつきまして、そこの経緯のところにも書いてございます平成26年の9月、英語教育の在り方に関する有識者会議の方の報告で指摘をされております。こちらの有識者会議でございますけれども、この前年の平成25年5月に教育再生実行会議の第3次提言が出されております。その中で、グローバル化に対応した教育環境づくりということで、小学校の英語の教科化・数値化等の対応の必要性が言われております。同年の12月に文科省でグローバル化に対応した英語教育改革実施計画というものを策定してございます。それの具体化のために設けられました有識者会議の方で、ここにございますように、各大学におけるカリキュラムの見直しに活用することについて、中教審における教員養成見直しの審議全体の中で検討を行うということが提言をされております。この提言を受けまして、平成27年の4月から文科省の方の委託事業、「英語教員の英語力・指導力強化のための調査研究」ということで、東京学芸大学に委託をしまして調査研究を実施していただいております。それと並行いたしまして、先ほど申し上げました平成27年の12月の中教審の「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上についての答申」、あるいは平成28年12月に出されました「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領の改善及び必要な方策等についての答申」という中におきまして、小・中・高等学校のコアカリキュラム開発・普及を行って、課程認定や各大学による教職課程の改善・充実の取組に活用できるようにする必要があるという提言を頂いております。これを受けまして、今年の3月に調査研究の報告書の方をまとめていただいて、それを頂く形で文科省の方から今年の5月・6月に掛けましてパブリックコメントを実施させていただいております。パブリックコメントについては終了させていただいておりますが、全体で件数としては35件、個人からの重複等を含めますと、延べ70件の意見を頂いております。現在精査中でございますので、これについて必要な反映を行った上で今後公表して来年度以降の再課程認定の審査で活用するというふうなことを考えているところでございます。

 具体的な内容につきましては、こちらの教員養成・研修の外国語のコア・カリキュラムのダイジェスト版の方の2ページを見ていただければと思います。こちらの2ページの概要図でございます。これは小学校の方の外国語のコアカリキュラムの全体像ということでございます。こちらの全ての小学校教員養成課程での活用が想定をされております。新しい学習指導要領におきましては、一番左にございますように、全ての教科につきまして知識・技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性等ということで、育成すべき資質能力をこの3つということで整理をさせていただいております。こういった3つの資質能力を小学校の外国語指導の中できちんと育成するという観点からコアカリキュラムを設定しております。

 まず、真ん中にございます外国語の指導法ということで、こちらは2単位程度を想定をしております。中身としては、授業実践に必要な知識と理解ということ、あるいは授業実践に具体的に関する指導技術、授業づくりといった部分、そういったものにつきましては、そこの右側の緑の部分にございますように、授業観察や体験、模擬授業というふうな学習形態によって行うということでございます。そして、一番右にございますこちらの外国語に関する専門的事項ということで1単位程度を想定しております。こちらは授業実践に必要な英語力と知識ということで、授業実践に必要な英語力、そして英語に関する背景的な知識を学ぶというふうな内容としてございます。

 1枚めくっていただきまして、4ページをごらんを頂ければと思います。4ページの方の概要図、こちらは中・高等学校の教員養成課程における外国語コアカリキュラムの全体図というふうなことになっております。こちらは中・高等学校の方の外国語教員免許の取得希望者全てが対象となるということにしております。

 小学校と同様に3つの資質能力を育成するという観点から中身について構成をしております。まず、真ん中にございます英語力の指導法、こちらは8単位程度を想定しております。中身としてはそこにございますカリキュラム/シラバス、あるいはその生徒の資質・能力を高める指導、そして授業づくり、学習評価、第二言語習得というふうな内容で、こちらについても小学校と同様に授業観察等の学習形態によって行うということをしております。

 そして、一番右側の黄色い部分でございます。こちらは、英語科に関する専門的事項ということで、20単位程度を想定しております。中身といたしましては、英語コミュニケーション、英語学、英語文学、そして異文化理解というふうな内容で構成をしているところでございます。これらにつきまして、先ほどの説明にありましたように、来年度以降の再課程認定に当たって活用させていただくということを想定しているところでございます。

 外国語(英語)コアカリキュラムについては、以上でございます。

【無藤部会長】  ありがとうございました。

 ただいまが外国語(英語)カリキュラムの御報告でございました。

 それでは、議事の7ということでございますけれども、教育職員免許法等の改正に伴う再課程認定についての御報告をお願いいたします。

【尾白教職員課専門官】  失礼いたします。再課程認定の関係のことにつきまして、御報告をさせていただきます。

 資料が資料7-1と資料7-2でございます。資料7-1が課程認定委員会決定でございます教職課程認定審査の確認事項で、こちらにつきまして課程認定委員会において御審議を頂いて改正を予定してございます。もう一つ、資料の7-2につきましては、こちらも課程認定委員会決定でございまして、平成31年度教職課程認定審査要領についてということで、こちらも課程認定委員会において御審議を頂いて、こういう形で制定をさせていただく予定のものでございます。

 まず、資料7-1の確認事項から御説明をさせていただきます。1枚目のところにつきましては、おおよそ説明の足りなかった条文を引いていたりとか、そういった改正をしてございます。

 1枚おめくりいただきますと、2の教育課程関係というところで(4)を新たに起こしてございます。こちらに関しましては、授業科目の審査に当たっては以下に定める事項の内容が含まれているか確認を行うこととするといたしまして、教職課程コアカリキュラム、外国語コアカリキュラム、こちらについて授業科目の審査で活用するという規定を新たに設けてございます。

 続いて、次のページになるんですが、3の教員組織関係というところで(2)でございます。次のページをごらんください。教員の審査に関する規定を改正をしてございます。担当教員の審査に当たりましては、単に著書や学術論文等の有無によるのではなく、担当教員の関連する職務上の実績、当該専攻分野に関連する職務経験の期間、関連する資格等を考慮し総合的に判断するものとすると。これも総合的に判断するという言葉を新たに追加しております。こちらの意図としましては、いわゆる学校現場を経験されているような実務家の先生方、実務家教員の先生方の業績に関してより評価しやすいような形で審査をしていこうということでこういった改正をしております。これは併せまして提出している様式につきましても、実務家の先生方の実務経験について記載しやすいような形での様式の見直しを予定しているというところでございます。

 こちらの資料に関しましては以上でございます。

 もう一つの資料7-2、平成31年度教職課程認定審査要領についてという資料をごらんください。こちらの資料のまず1番の基本的な考え方でございます。既に認定を受けている課程であることを前提として審査を行うために、再課程認定におきましては申請書類の一部を省略することとしてございます。2番の提出書類の(1)でございます。こちらに関しては、平成30年4月現在の教育課程及び教員組織と平成31年4月に引き続き認定を受けようとする教育課程及び教員組織の新旧対照表を提出していただく予定でございます。それから、(2)番、こちらがシラバスの関係のところでございます。平成30年4月において下の表にございます第1欄の事項を含む科目を担当する専任教員が、平成31年度以降も次の表の第2欄の事項を含む科目を引き続き担当する場合においては、授業計画(シラバス)の提出を省略するものとするといたしております。例えば、その第1欄のところで、「教科に関する科目」の各事項、第2欄では「教科に関する専門的事項」の同一名称の事項といった場合にはシラバスを省略すると。ただし、小学校の「外国語」、中学校・高等学校の「英語」を除くとしておりますので、こちらに関してはコアカリキュラムが定められますので、そちらに関しては除くとしてございます。

 続いて、(3)番のところです。これまた表が2ページに掛けて出てきますが、こちらも同じような見方をしまして、こちらは教員に関する履歴書、業績書等の関係の書類のことでございます。平成30年4月において以下の表の第1欄の事項を含む科目を担当する教員等が平成31年度以降も以下の表の第2段の事項を含む科目を引き続き担当する場合においては、履歴書、業績書、就任承諾書の提出を省略するものとするといたしております。2ページの表が第1欄、第2欄というふうに記載しているというところでございます。

 そして、同じく2ページの(4)番、下の方でございますけれども、特別支援学校教諭の教職課程につきましては、再課程認定につきましては今回の制度改正がございませんので不要とするとしておりますけれども、ただし「学校体験活動」を特別支援学校においても行うという場合には申請を行っていただく必要がございます。

 続いて、3ページをごらんください。3ページの一番上の(5)が通常の課程認定審査に比べて提出を省略するといった書類の一覧でございます。

 続いて、3番の審査方針のところでございまして、そこの(2)番をごらんいただきたいんですが、「総合的な学習の時間の指導法」を含む科目を担当する教員が、当該科目、「総合的な学習の時間の指導法」の研究業績等を有していない場合においては、以下の丸1又は丸2のいずれかを有していることをもって可能とするといった、いわゆる特別な取扱いをこの場合すると規定してございます。ただし、そうした場合におきましても、平成34年度末に追跡調査をする予定でございますので、それまでの間にそうした先生方については当該業績を積んでいただくということが必要になってきます。それで、丸1として、「総合的な学習の時間の指導法」に関する10年以上前の活字業績でも可能とすると。米印でございますとおり、通常は10年以内の活字業績が記載対象でございますけれども、10年以上前のものでも可能とするといった取扱いでございます。それから、丸2のところで、「各教科の指導法」、「道徳教育の指導法」、「特別活動の指導法」のいずれかに関する活字業績でも可能するということでございます。いずれにしましても、34年度末までには該当する「総合的な学習の時間の指導法」の業績を積んでいただくということが必要になってきます。

 続いて、(3)番、次は小学校教諭の「各教科の指導法」、外国語の指導法に関しての取扱いです。(2)の「総合的な学習の時間」とちょっと同様な取扱いをするということを記載してございます。丸1としまして、「外国語活動」に関する活字業績でも可能とするということ、丸2としまして、中学校又は高等学校の「外国語の指導法」に関する活字業績でも可能とするというところでございます。ただし、こちらにつきましても、丸2の場合につきましては、34年度末に追跡調査をする予定でございますので、それまでの間に該当する業績を積んでいただくということが必要になってきます。

 続いて、4番の幼稚園教諭の教職課程の取扱いに関して定めてあるところでございます。これに関しては、幼稚園教諭の教職課程の「領域に関する専門的事項」を改正前の施行規則第2条による場合の取扱いについて定めておるというものです。こちらに関しては、小学校の教科に関する科目で開設していくという大学の場合の取扱いになります。4ページをごらんいただきますと、(1)としまして、提出書類につきましては、当然でございますけれども、小学校の「教科に関する専門的事項」と同じような取扱いになるというところ。それから、(2)番のところでは、こちらも平成34年度末に「領域に関する専門的事項」に係る事後調査を行うという予定にしてございます。

 再課程認定の関係の資料の説明につきましては、以上になります。

【佐藤教職員課長】  失礼いたします。

 1点、先ほど松木先生の方から御質問いただいた件、今の説明にちょっと補足させていただければと存じますけれども、恐らく先ほどの御質問、今の資料の7-1と7-2、それぞれにまたがった御質問であろうかと思っております。特に、まず資料7-1の方では、今回のコアカリとの関係で先ほど少し御説明させていただきましたけれども、教育課程の関係の中で授業科目を審査するに当たって教職課程コアカリと外国語の英語のコアカリというものが含まれているかを確認するという大きな方針がございます。

 その一方で、先ほどの7-2の方の御説明の際には、当然同一のこれまでの教科に関する科目の事項等が同一の名称で行われるような場合というのは、これはその部分の審査というものを提出の部分においてもできるだけ簡略化していくというような方針を打ち出させていただいておりますが、多分先ほどの松木先生の御質問の趣旨というのは、そういった大きな取組をこれからコアカリなども意識しながらやっていこうとするモチベーションの足を引っ張るようなことになってはいけないだろうという観点からの御質問と受け止めさせていただきましたので、まだ細かい部分を議論する余地は残っておるかと思いますし、我々の整理もまだ不十分なところがあるかと思いますし、課程認定委員会の先生方にも少しその辺の御確認もさせていただきながら、大きな方針としてはコアカリをしっかり踏まえているかということや、あと今回どういう趣旨・目的で変更なさったのかということなどの点を踏まえ、それらのベストミックスでやっていく必要があるかと思いますので、その辺については我々の方で再度整理をさせていただいて、またお諮り申し上げたいと思っております。よろしくお願いいたします。

【無藤部会長】  ありがとうございました。

 よろしゅうございますか。

 それでは、ただいま7の部分についても御説明いただきました。ということで、先ほど申し上げましたけれども、5番から7番、連動しているものでございますが、それらにつきまして御報告を頂戴いたしましたので、御質問などあれば、どこでも。

 お願いします。

【中西委員】  ありがとうございます。

 前回欠席したこともありまして、資料5のコアカリキュラムの案なんですけれども、もう座長預かりということだとかなり固まっているということなんだと思うんですが、個別に入りますけれども、19ページの教育の方法及び技術のところの(3)の部分なんですが、情報機器及び教材の活用のくだりですけれども。よろしいでしょうか。

 一番最後に子供たちの情報活用能力を育成するための指導法を理解しているという到達目標2があると思うんですけれども、この情報活用能力というのは非常に重要だということはもう皆さん共通認識だと思うんですが、ここの部分がタイトルや一般目標のところを読むだけではちょっと2と連動しないんじゃないかという気がするんですね、読むと。つまり、情報機器がまず最初に出てきて、そこが強調されて「及び教材の活用」とあって、情報活用能力のことまで意味しているのかどうかという、その表現をならして読むとちょっと理解しづらいと思うんですね。なので、もし可能であるならば、ここの全体の表現をもう一回ちょっと見直していただけないかと思うんですが、いかがでしょうか。

【無藤部会長】  情報活用能力等の部分をきちっとやるためにも、むしろ一般目標においてそれを含むことを分かりやすくしてほしいという趣旨でしょうか。

【中西委員】  はい。

【無藤部会長】  ありがとうございます。

 そのあたりは事務局としてちょっと引き取っていただいて御検討ください。まだこれ案で、座長預かりですけれども、修正の余地はあります。

【堀田委員】  東北大学の堀田でございます。私も情報教育が専門の立場から、今、中西委員が御指摘いただいたところに意見を申し上げたいと思います。

 今回の教職のコアカリキュラムにおきましては、各教科の指導法のところにICT活用等について読み込めるような形で書かれておりまして、このことは私としては大変すばらしいことかと思っております。

 一方で、その各教科等の対応だけでは十分でない部分として、教育の方法及び技術のところに、教科に限らないICT教材の作成でありますとかあるいは情報活用能力の育成、とりわけ各教科等横断的に行われる部分について書かれているものと理解しておりますので、中西委員がおっしゃったように、情報活用能力の育成というのは、これは学習の基盤となる資質・能力として書かれておりますので、学習指導要領を受けてそのことが前に出るように書いていただきたいということが1点。

 もう一点は、吉田委員がさっきおっしゃったこととも関係するんですけれども、小学校の総則にプログラミング教育が入っております。これを各教科の指導法で受けるのは難しいと思うんです。ですから、教育の方法及び技術の(3)の部分では、情報活用能力の育成の一部としてプログラミング教育のことを是非書き込んでいただきたいと願っております。学校現場のニーズからいっても、若い先生たちにその部分を期待するというのは非常に大きゅうございます。したがいまして、この(3)の到達目標2のところに何か追記で、例えばプログラミングの体験や指導法の検討を行うことのようなことが書かれていると、恐らく、もしかしたら1コマかもしれませんけれども、そういうことを体験した学生さんたちが教員になっていくと。このことは学習指導要領の円滑な実施において非常に重要なことかと思っております。以上です。

【無藤部会長】  ありがとうございます。確かに指導要領との対応の中で大事なポイントだったと思いますので、御検討いただければと思います。

 ほかにはございますでしょうか。

【高岡委員】  よろしいですか。

【無藤部会長】  はい、お願いします。

【高岡委員】  済みません、ありがとうございます。

 ちょっと何か基礎的な話で恐縮なんですけれども、2つほどあります。1点目は、先ほど松木先生のお話、御質問の私なりの解釈、さっき教職員課長さんの整理のされ方とちょっと、あれっ、違うんだがなと思って気になったんですけれども。

 複合科目という概念が入ってきたと。これはコアカリの議論あるいは中教審の免許法改正に踏み込んだ議論をやっていたときに出てきた教科と教科の指導法をつなぐ架橋領域、例えば教科内容構成というような表現で言われているような分野、ここをもっと積極的にやっていくべきだろうと。これはもう10年以上前に――15年ですか、既に指摘されていた教育内容学というような分野だという認識があるんですが、その担当教員はこれはそういう科目を出す場合には必要専任教員数にカウントする場合は教科専門の教員数にカウントするという話になりますね。課程認定基準、組織の基準をそう定めた瞬間に、この教科内容構成という領域は教科専門の人がやるというふうに基本的にはなっていくんですが、そのことについての決定的な議論を私は十分積み上げてきたとは思っていないんですね。そこは課程認定という制度運用の問題と、内容構成という新規の教育内容、ここをどうつないでいくかという議論はもうちょっとした方がいいんじゃないかということです。それと、さっき松木先生もおっしゃっていましたけれども、教科専門にカウントするということは、これは今回の再課程認定を別にして、基本的には研究業績は見ないという処理になるのかどうか。教科教育だと業績を全部見ますよね。教科専門の先生方の場合は、これは見ないんじゃなくて提出はさせるんでしたっけ、ちょっと随分昔のことなので私も余り覚えてないんですが。そこの整理がどうなるかということが1点目です。

 それから、もう一つは今のコアカリの話なんですが、大分このコアカリを巡ってはパブコメのデータが出たあたりからいろいろなところでいろいろな議論が起こっているというのは私も承知をしているんですけれども、誤解に基づく議論もたくさんありますが。この教職課程コアカリキュラムを授業科目の審査に当たってはということは、これはシラバスをチェックするときの視点ということになっていくんだろうと思いますが、その場合、コアカリの書きぶりは、「全体目標」、「一般目標」、「到達目標」という3段階に分けて、教師として必要な基礎的能力の全体のこの科目はこの部分を担います、担うということはその科目によって教師になろうとする免許を取得しようとする学生のこの理解力を上げておきますという、理解という言葉がたくさん出てきますよね。そうすると、理解を促す内容はどうあるかということの判断は、担当者か大学が考えて出してくるものだろうと思うんですよ。

 そうすると、その理解の中身がこのシラバスではこの項目の、例えば到達目標の2が理解されるはずがないというような判断をしてアウトというような言い方になっていくんだろうと思いますけれども、その意味では、到達目標をこの教職課程コアカリキュラムで出されている内容が授業科目の審査に当たって極めて重視されるというと、授業内容、シラバスの中身が非常に限定的、もうここにあることは全部使わなければ通じないというような話になってくる可能性があるんですが、それはどうなんですか。例えば一般目標を設定したその一般目標のレベルで、全体としてこのシラバスは例えば3つの一般目標をまんべんなく身に付けさせることができるだろうという判断をするのか。コアカリキュラムを課程の認定の授業科目の審査で使うということのレベルの問題ですね。やってみないと分からないということはあるし、少なくとも再課程認定に当たっては提出省略をということも想定されるとすれば、今すぐの課題ではないと思いますけれども、今何か外部でいろいろな誤解を基に議論されているようなことの中身にちゃんと答えておくという意味で、このコアカリを作っていただいた専門部会の先生方の御努力というか、そういうことにも応えるという意味で、説明責任はしっかり果たした方がいいと思うんですが、いかがでしょう。

【無藤部会長】  はい、お願いします。

【尾白教職員課専門官】  まず、1点目の御質問いただきました教科に関する専門的事項と各教科の指導法を合わせたような複合科目につきまして、教科に関する専門的事項の専任教員数に含めることができるという取扱いを、今回その課程認定委員会、教職課程認定基準に設けてはというところでございますが、こちらに関して、必ず教科に関する専門的事項の先生方に複合科目を担当していただきたいといった意味での規定を設けたところではなくて、むしろそういった複合科目を設けた際に、そういった担当の先生方に関しても専任教員としてどこかでカウントできるようにすることが、こういった科目をいわば開設しやすいような方策としてこういった基準を考えたというところでございます。

【高岡委員】  済みません。後でやってもいいんですけれども、何で専門ですか。教科の指導法に含めることを拒否していますよね、それだとね。何で教科専門ですか。だって、非常勤の非専任の方が担当するということが仮にあったとしても、それは二次的なことであって、当然教職課程の専任教員がその科目を担当するだろうという想定で専任教員にカウントできるという。その専任教員にカウントする領域が教科専門に限定されている。これはそうしか説明付かないでしょう。と同時に、その科目を担当するんであれば業績書を出してくださいということになるんですから。

【尾白教職員課専門官】  はい、そうです。業績書を出していただくということになります。

【高岡委員】  いや、だったら、そんな面倒なことをやる大学は出てこない。違いますかね。違うのかな。違わないか。どうですかね。

【長谷教職員課教育免許企画室長】  先ほど松木先生の御意見への回答といいますか、コメントとして申し上げましたように、基本的に教員の業績の審査に関しましては、従前どおりの科目を置いていて従前どおりの先生が担当される場合には業績の審査は、書類を出していただく必要はないんですけれども、今回新たに科目を新設をし、別の先生が担当されるような場合であれば、新しい先生に御担当いただくということになりますので、そこの業績は御確認させていただくということになってまいります。ただ、先ほどの御指摘を踏まえまして、複合科目の審査につきましては少し工夫を考えさせていただきたいと考えているところでございます。

 それからもう一点、高岡先生から御指摘のありましたコアカリキュラムの課程認定への活用でございますけれども、コアカリキュラムの方は中央教育審議会の答申にもございましたように、教職課程の編成に当たっての参照基準ということでございますので、今回の課程認定におきまして課程の開設の際に一つの確認する視点として活用させていただくということを考えてございます。ですので、一つ一つのコアカリキュラムに書かれておりますような、個々の要素につきまして一つ一つ見ていく、審査をしていくというようなものの性格ではないというふうに考えておりますけれども、そこの具体的な審査の在り方につきましても、引き続き課程認定委員会の方で御相談をさせていただければと考えてございます。

【無藤部会長】  よろしいですか。

 非常に微妙なところで、かつ再課程申請する学校側には非常にクリティカルなところですので、今のあたりも、7月……もう7月ですけれども、全体説明がいろいろなされるときに多分出そうな質問なので、明確なお答えを是非御用意いただければと思います。

【松木委員】  今ほどのお話しともちょっと関連するんですが、別な角度からもう一度確認をしたいと思うんですが。

 今回の話の原点は、平成27年の中教審答申で「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」ということが基になっているかなと思うんですが、その中で、例えば育成指標を作っていくという作業、教員の生涯にわたる研修の対象を構築していくという流れの中から見れば、例えば教員養成段階でも育成指標に代わるような何らかの目標を設けていくという意味では、今回の教職課程のコアカリキュラムの意味はあるなと考えています。

 一方、27年の答申は、並行して様々な答申との関係の中で出てきたようにも思うんですね。教育課程の部会の方から出てきているような、例えば学習指導要領の改訂なんかを踏まえて考えていくと、コンテンツベースだけではなくて、コンピテンシーも含めた総合的な視点で学習指導要領が改定されてきた、そういう指導要領を実行できる教員を養成するということを考えれば当然ですが、教員養成の段階からコンテンツベースだけではなくて、コンピテンシーも含めた形での総合的な視点で教育課程が組まれて、教員養成の過程が組まれていくという必要があるかなと思うんですね。そういう目で見たときに、今回の教職のコアカリキュラムを見ますと、確かに到達目標はそれぞれある意味ばらばらに出されているように思うんですね。それは逆にいうと、何かコンテンツにそれぞれの分野に縛られているようにも思います。それをもっと総合しながら教員自身のコンピテンシーを育成していくような、まさにコアカリキュラムが必要なのではないかなと思うんですが、その点で見たとき、これのコアって何なんだろう、一般目標がコアということなんだろうかというようなことが非常に気になってきます。

 その辺のことについて、むしろ作成されてきた委員の先生方からのお話も伺いたいなという気もするんですが、2つの意図がある、1つは育成指標との関係、もう一つは、なぜ大くくり化してきたのかというところに関わっての問題がここに含まれているように思うんですが、その辺をどのようにお考えになっていらっしゃるのかということをお伺いしたいなと思います。

【無藤部会長】  はい。これは……。

【佐藤教職員課長】  まず1点目でございます。先生から承りました育成指標との関係、これは先生が今おっしゃっていただいたように、中教審の答申がベースとしてありました。その上で、昨年の教特法とそれから免許法の改正と、あとつくばの教職員支援機構法ということで手当てされました。指標の考え方というのは、デマンドサイドとサプライサイドをうまくつないで、それまでの学校現場で起きている課題に対応できるような、しっかりした教員というものを大学サイドでも養成していただく。そのことの前提として、キャリアステージというものをイメージしながら、それぞれどういう形でどういう力を付けてほしいか、これを大学だけでもないし教育委員会サイドだけではなく一緒になって、一緒のフィールドで作っていきましょうと。これが大前提で1つ法のスキーム、若しくは制度のスキームというのがスタートしたわけでございます。

 これによって、従来の教職大学院でいろいろ行われていた内容というものが確実に担保されていく、その往還や架橋、これが確実に実効性を持つものになるということでの制度改正というものがやっぱり一番大前提でございました。ですから、先生がおっしゃっていただいたように、指標の設定という点というのは一番これは勘どころでございまして、デマンドサイドだけで勝手に決めるわけには当然いかない。そこにサプライサイドの方も一緒になってそれを構成していくことにこそ意味があり、それを担保するためにシラバスやコアカリというのが当然あると。そこは当然連動したものであるべきであると。これが中教審の底流にあったものだと思っておりますので、そういったものを踏まえて今回法改正もさせていただき、その実効性を持たせるためのコアカリでなければいけないというふうに我々も思ってございます。そういった御趣旨というものをしっかりと現場の方にお伝えすることが我々の使命だとも思いますので、そのことについてしっかりやらせていただければというのが1点目に対するお答えでございます。

 それから、2点目のお話というのは、いろいろコアカリの御議論というのはいろいろな角度でやっぱりあったのも事実でございますし、いろいろな形でおまとめいただくに当たって御意見を整理してさせていただきましたが、先ほどのコンピテンシーベースとあとコンテンツベースというお話というのも、実は大分「一般目標」、「到達目標」、そして「全体目標」を設定するに当たって幅広く御意見を頂戴し、どこにどういう形で求めていくかというのは御議論がかなり最初はなかなか収れんさせるのが難しい部分もあったんでございますけれども、それぞれのワーキングの中で御意見を集約していただいて、確かに一個一個見ていきますと、コンピテンシーとコンテンツというものをどういうふうに融合させるかというのが分かりづらくなっている部分があるのかもしれないですが、ここは課程認定委員会の方にもこれからいろいろと内容についてのお諮りをしていく中で、運用上どういった点で現場にそのことをメッセージをお伝えすればいいのかというのもちょっともう少しお聞きしながら決めていく必要があるかなと思ってございます。そのことについては、これからいろいろと本日のこういった御意見も踏まえながら説明責任というものをしっかり果たせるように我々としても準備をしてまいりたいと思ってございます。

【無藤部会長】  ありがとうございます。

 では、コアカリ委員会の方から少しということで。

【坂越副部会長】  済みません、コアカリの方に少し関わっていましたので、今の松木委員のお話に対して。

 松木委員の御指摘されるところ、本当に教員としてのコア、コンピテンシーをしっかりと作るためのカリキュラムじゃなきゃいけないということは御指摘のとおりなんですよね。さきほどの話にもありましたように、私たちの論議のスタートラインでコンテンツ、コンピテンシー、本当に目指すべきはどっちなんだと。コンピテンシーということを話し合いをした上で、しかしやっぱり今の状況を考えて、スタートラインというか、少なくともこういう部分はやった上で共通の質保証をしましょうよというふうに、ある意味どうしても全体的に必要なもの、最低限のものをという形で論議を進めていきました。当然、提供されるコンテンツからコンピテンシーのレベルへどうやって持っていくかということは、各大学の教職カリキュラムの中で是非工夫していただきたいことだと思っていますし、そこはいろいろな形での説明の中でもメッセージを出していければと思っています。まずはこういうところで。

 スタートラインということで、ここからやっぱり始まった上でいかにいい教員のコンピテンシーというものが明示化できるのか。それが育成手法みたいな形になっていくのか考えていくべきだろうなとは思っております。

【無藤部会長】  ありがとうございました。

 よろしいでしょうか。

 どうぞ、酒井さん。

【酒井委員】  意見というか。

【無藤部会長】  いいですよ。

【酒井委員】  ありがとうございました。

 幾つかございまして、まず今のところで御議論あったように、この話は基本的にコンピテンシーを育てるためにどういうカリキュラムが必要かというベースで多分動いていた話だと思いますので、余り各大学が独自にコンピテンシーを育成するために様々な工夫を凝らしながらできる余地といいますか自由度を確保しておきませんと、これは逆に、先ほど高岡先生が言われた、到達目標を一々細かく確認するような作業をしてしまいますと、それとは違う方向に収まってしまう可能性がありますので、この運用は非常に慎重に、これを用いて課程認定でどうやってやるのかというのはかなり慎重な議論が必要だというふうに思います。これがまず1点です。

 それから、ですので到達目標のところまで下りて確認するべきなのか、全体一般目標のところの確認でいいのかといったことも実は運用上非常に重要なことではないかと思います。これが1点です。

 それから、これは様々な方面からいろいろな懸念といいますかということがございまして、ですので改めてこれはこちらの方のこの最初の説明文に改訂と考え方にも書いてございますのが、この授業科目の単位数や授業回数を縛るものではないということ、どこかの時点で3分の2という数字が出まして、3分の2縛るのかというような懸念も聞こえまして、ですからそういうことではないんだという、各大学のあくまで自由度の中でこのカリキュラムの趣旨を進めていくんだというところがやはり確認されなければならないだろうというのが2点目です。

 それから、もう一つは、3点目でこれは御質問なんですが、教職課程コアカリキュラムは、ワーキング、検討会を通じて様々な検討を経て前回の先週の検討会でオーソライズされてここに出てきているんですけれども、英語のカリキュラムの方は、実は私もこちらの方は余りプロセスをよく知らなかったんですが、報告書が出まして報告書の次にパブリックコメントに掛けられてまして、今ここに報告として上がっているという状況の中で、この英語のコアカリはどういう形でオーソライズされて今ここで報告という形で出ているのかということが非常にちょっと、今改めて聞いていて疑問になりまして。実は英語のコアカリは、これも各方面からいろいろ聞くんですが、教科、学科の専門科目に対する要求になりますので、非常に広範囲な影響を及ぼすものであります。それがどういう形でオーソライズされていくのかということの基本のところがどうも私にはしっくりこないというのが次です。

 もう一つ、最後にこれは私が直接関わってきたところなので、教職コアカリの11ページの教育に関する社会的、制度的、経営的事項の中で、学校安全の対応の中で到達目標の2のところで、「生活安全・交通安全・災害安全の各領域や我が国の学校をとりまく新たな安全上の課題について」という文章がございます。これは3月の検討会で出た案では、「我が国の学校をとりまく新たな安全上の課題」という文言は入っていない形だったものが、パブコメの段階でこれが入っているという形。これは様々な経緯があってこういう文言が入ってきたということは分かるんですけれども、これも先ほどのことと同じで、検討会で出されたところではないところから、文言が追加されてくるという状況が実際に生じていまして、そういう形で目標設定がされていくということもやはり今後のことと考えますと様々な懸念を生むのではないかということがございます。

 以上です。

【無藤部会長】  ありがとうございます。

 幾つか御質問などありましたけれども、いかがですか。

【長谷教職員課教育免許企画室長】  幾つか御質問いただいておりましたけれども、まず、最初の運用の点につきましては、先ほど高岡先生、松木先生のコメントに対して申し上げましたように、基本的にこのコアカリキュラムというものが教育課程を編成する上での参照基準であるという中央教育審議会の答申の考え方にのっとりまして、課程認定の中で授業科目の開設が適切になされているのかどうかということを確認していく際の一つの視点、確認事項として活用させていただくと考えておりますので、一つ一つの個々の要素について有る・無いというものを見ていくような性格のものではないと考えてございます。具体的にどこまでの密度で見ていくかということにつきましては、委員会の中で御相談を申し上げていきたいと考えております。

 それから、英語のコアカリキュラムの扱いですけれども、教職課程のコアカリキュラムの方は、申し上げたとおり検討会の方で検討いただくということになっておりまして、こちらの英語のコアカリキュラムの方につきましても、文部科学省からの委託事業ということで調査研究の場を設定をさせていただきまして、その中で大学関係者、それから教育委員会関係者等がお集まりいただきましてその中で御議論いただいた成果であると考えておりまして、パブリックコメント等を踏まえまして、その成果として取りまとめていただくという性格のものだろうと考えているところでございます。

 それから、「我が国の学校をとりまく新たな安全上の課題」につきましては、3月末の第4回の検討会の後、事務局の方から各先生方、検討会の先生方に御相談申し上げまして、これ以外の事項につきましても幾つか全体の整合性ですとか概念の整理をしていく中で追記しないといけない、あるいは修正しないといけないという項目がございましたので、そういった中で御相談をさせていただきまして、パブリックコメントに掛けさせていただいたというところでございます。

 以上でございます。

【無藤部会長】  酒井さん、まずそちら。酒井さんからどうぞ。

【酒井委員】  済みません、じゃあ1つだけ。

 先ほどの英語のコアカリの件は、どうもやっぱり私には分からないといいますか。要するに、委託事業である大学、特定の大学の方に作っていただいたのがコアカリとして1つ出てきた。それが、要するに公開の場での検討がない――検討会は公開でされていますのでそういう形で分かるんですけれども、こちらの方はそういう手続のないところで作られて、報告で上がってきているので、何といいますか、プロセスとしては1つ欠けているんではないかというのが印象です。

 それから、もう一つ、先ほどの安全のところですけれども、あれは私が直接担当なので、私自身は文言が入ることについて了解していないことで、ただそれはやはりそういう形で出るという形で入った話でして、ですので、要するに手続論的に言いますと、様々なところでいろいろやはり今後のことを考えますと、こうしたカリキュラムの作成の手続の在り方というのはもう少し検討が必要なのではないかなと思います。

 以上です。

【無藤部会長】  分かりました。

【佐藤国際教育課外国語教育推進室長】  英語の方のコアカリキュラムの関係でちょっと補足させていただきますと、非常に酒井先生のおっしゃっておられる、形式的なところはおっしゃっておられるとおりだと思うんですけれども、先ほど教職員課の方から説明しましたけれども、東京学芸大学の方で委託をして実際に検討する中で東京学芸大学以外の幅広い大学の英語教育の関係者、あるいは教育委員会の方、そして文科省の方からも当然調査官等が入りまして、一緒に中身は作っていっていると。その都度いろいろ学会の方の先生とかとも意見交換をしながらまとめてきているものでございますので、中身的には学芸大学の方に投げてそれをそのまま使ってということじゃないということだけは申し上げておきます。

【無藤部会長】  ありがとうございます。

 じゃあ、高岡先生。

【高岡委員】  今の話に絡むつもりはないんですけれども、今の説明じゃやっぱり変ですよ。まあいいです。

 要は、コアカリの先ほど来話題になっているコンテンツとコンピテンシー。この両方はやはり教職科目の内容としてある一定の知識とそれを使うという教師としての力量。その両方は錯綜するわけです――錯綜というよりも横串で刺されていかないと、専門の知識だけ知っていればいいという話では教員という仕事は成り立ちませんよという大事なことが書いてあるわけですね。ですから、それを全体で丸め込むと、さっき松木先生がおっしゃった意味内容にまた私も近づいていくんですけれども、コンテンツとコンピテンシー、その両方を身に付けた教師というものをどう育てていくのかという問題、さっき坂越先生もそのことに腐心したとおっしゃっていましたけれども、それが私は大学の教職課程管理観だと思うんですよ。経営観だと思うんです。

 今まで大学はどのような教師を育てるかということをちゃんと外に言えということで、教職課程についても一緒のディプロマポリシーみたいなものを書かせる。目指すべき教師像というようなことを書かせていますね。しかしそれは実際のところは何か書いてあるんですが、これは私のレベルの低い見え方をして課程認定をやらせていただいたという力量不足のところもあるかもしれませんけれども、必ずしも課程認定のその認定審査の対象としてその大学が求めている教職観というのをしっかり見たかというと、それは書いてあるだけで余り見てないです。結局大事なことは、科目の中にどんな内容があって、誰が担当して、その教員にどんな業績があるか、そこのところをチェックしていくわけですよね。許認可というのはそういうものかもしれませんが、私は今回コアカリができて教職課程の認定というものに一定の枠組みあるいは武器が――許認可の武器という意味じゃないですよ、教職課程を質保証していく武器ができたという意味では格段の進歩だと思うんですが、その全体を一つ一つの科目の羅列、あるいは悪く言えば単位を取りさえすればその科目が求めているものをみんな身に付けたと、そう言い張れるような今までの教職科目の単位を拾っていくという学生の行動を変えていくところまでいかないと思うんですよね。つまり、大学がどう責任を持ってどんな教師を育てるかについて学生に絶えず説明をする。そういう世界を作ることを大学に求める。だから私は教職センターというものが絶対要るんじゃないかということを中教審の前の27年の答申の前のところでもずっと言っていました。教職センターを作って、その教職センターが教職課程をしっかり管理経営し、学生の指導をやっていくということが求められる。その答申は入っていたわけです。

 今回は、教職課程センターについては触れられていない。それは徐々にやっていくということになるのか、今すぐそれをやれといっても大学の負担は大き過ぎるだろうというふうにお考えになったのか、そこに一種の行政判断が働いていますよね。その意味では、課題は2つだと思うんです。1つは課程認定という許認可のプロセスをしっかり透明化すること、可視化すること。もう一つは、将来大学がどういう教師を育て、うちから出た力を持った教師はこんなことができますということをちゃんと言える教職センター、大学で一元的に管理する教職センターの設置に向かって、一定の政治日程というか政策日程を決めて次の課題を明示すること。その2つがやっぱり大事だろうと思います。よろしくお願いしたいと思います。

【無藤部会長】  ありがとうございました。

 じゃあ、岸田委員。

【岸田委員】  もう時間もありませんので、別の観点から1点だけお話したいと思います。

 コアカリと教員採用との関係なんですけれども、養成・採用・研修の3点セットで改革していくというのは、もうずいぶん昔から言われてきましたけれども、採用の部分はなかなか思うように手を付けられてこなかったというのが現状だと思います。もちろん各採用者の方でいろいろな工夫をしてきたのは事実ですけれども、今回の育成指標とコアカリが同時に出たということは、採用試験の質の向上という意味で極めて大きな意味を持つと思っているんですね。そういう意味で、このコアカリですけれども、先ほどの4ページのところに国としても大学や教育委員会の関係者に周知するとありますけれども、大学関係者は再課程認定申請がありますので随分興味を持ってコアカリについては見ていますけれども、教育委員会はコアカリについては余り興味、関心を持っていない。したがって、採用試験との関係の中でこれは大きな持つんですよということを育成指標とともに周知するということをもう少し考えていただいた方がいいんじゃないかということが一点です。

 関連して細かいことですけれども、その今言ったところの4ページの中ほどに採用者とありまして、このコアカリの内容を反映させた教育が行われるようになることを前提として、これを踏まえた教員採用選考の実施、そして育成指標の検討と、教育委員会がやるということで採用試験の実施とそれから育成指標の検討ということを並列的に書かれているんですけれども、正確に言うと、コアカリを前提として育成指標の検討を行い、そしてこのコアカリと育成指標の両者を踏まえて教員採用試験を実施する。この枠組みというか、書き方の方がより正確じゃないかと思います。

【無藤部会長】  ありがとうございました。

 幾つか御意見頂戴したので、是非事務局として取り入れながら御検討ください。

 それでは、ちょっと時間の関係もありまして、最後の議事の御報告に移りたいと思います。

 教員の働き方改革についての御報告をお願いいたします。

【樫原財務課長補佐】  財務課の樫原でございます。私の方から資料の8-1及び8-2にございます教員勤務実態調査の集計速報値、こちら4月に公表させていただきましたがこちらについて。続きまして、初中局企画官の吉田よりそれを受けた取組について御説明させていただきます。

 まずは資料8-1をごらんいただければと思います。教員勤務実態調査ですが、こちらにつきましては教育政策に関する実証研究の一環という形で28年、29年の2か年掛けて研究の一環として実施をしております。今回勤務実態調査のうち、教員の勤務時間に係る部分の速報値が取りまとまったことから公表をさせていただきました。

 実施の方法ですけれども、日程が平成28年の10月から11月のうち連続する7日間ということになっております。これ、10月から11月を設定したのは、過去の10年前の調査のときに10月から11月が一番平均的な勤務時間、忙し過ぎず暇でもないというところを取って10月から11月とさせていただいております。対象は公立の小学校・中学校400校ずつを対象にしております。

 項目については、下の方に書いておりますが、これらのうち米印の付いた部分につきましては、29年度末までに集計・分析をさせていただくところでございます。

 2ページ目をおめくりください。2ページ目ですが、調査結果の概要でございます。教員の1日当たりの学内勤務時間、下のところに書いているとおりでございますが、いずれの職種、そしていずれの学校種においても10年前に比べて勤務時間が増えているというところでございます。そしてそれを足し上げたものとして、教員の1週間当たりの学内総勤務時間、これはつまり持ち帰りを含まないということですけれども、この勤務時間につきましては、教諭につきましては1週間で小学校が大体4時間、中学校で5時間増加をしているというところでございます。

 3ページをおめくりください。3ページですけれども、これは1週間当たりの学内総勤務時間数の分布でございます。これは各1週間当たりの時間ですので、これから40を引いた時間というのがおよそいわゆる時間外勤務の時間というふうになっております。新聞などでもかなり報道されましたが、過労死ラインという言い方で報道されましたが、これは厚労省の基準におきまして健康障害リスクが高まる部分としまして、週20時間以上、そうすると4週で80時間ですね、80時間以上の時間外労働を2か月以上続けた場合にこうしたリスクが高まるということで、60時間のところに線を引いてそれより上の人ということでかなり報道されております。60時間より上の人というのは、小学校の教諭でいきますと33.5%、中学校の教諭でいきますと57.7%ということになっております。

 4ページ目をごらんいただきます。4ページ目ですが、学内勤務時間と持ち帰り勤務時間の比較ですけれども、総じて学内勤務時間は増えておりますが持ち帰りについては若干減っているというところでございます。この原因としましては、個人情報の管理などが厳しくなったことによって、どちらかというと持ち帰りをしにくくなってその分学内勤務が増えたのではないかと考えております。

 それから業務内容別の学内勤務時間でございます。詳しい業務内容につきましては7ページにございますが、平日につきましては小学校、中学校を通じまして授業の時間、そして授業準備の時間、そして成績処理の時間といった部分が増えているところでございます。それから、土日につきましては5ページになりますが、やはりこれは中学校の部活動が今まで10年前は1時間6分だったものが今回の調査では2時間10分ということで1時間4分増加しているというところでございます。

 調査については以上です。

【吉田初等中等教育局企画官】  それでは、続きまして8-3以降の資料につきまして御説明をいたします。

 今御説明いたしました勤務実態調査を受けまして、文部科学省といたしまして5月から6月に掛けまして関係団体27団体、それから有識者4名から教員の働き方改革に関するヒアリングを実施したところでございます。それの概要をまとめたものが資料の8-3でございます。中身を御紹介する時間がございませんので、後ほど御参照いただければと思います。

 8-4でございますけれども、このヒアリングを受けまして、先月22日に中央教育審議会に文部科学大臣から新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について諮問を行ったところでございます。

 時間がございましたら8-5も御説明したかったんですけれども、御説明する時間がございませんので、8-4の本文をごらんいただきながら、今回の理由につきまして御説明したいと思います。

 1ページめくっていただきまして2ページでございます。理由のところでございますが、3段落目でございますけれども、本中教審から昨年12月に頂きました答申を受けまして、3月31日に新しい幼稚園教育要領、小学校学習指導要領、中学校学習指導要領を公示いたしました。幼稚園は平成30年度から、小学校は移行期間を設けて平成32年度から、他校種についても随時本格実施をしていくことを予定しているというところでございます。

 特に、今回の指導要領の改訂におきましては、教員の方にも「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善、それから「カリキュラム・マネジメント」の確立などについて求められているところでございます。一方で、こうした学習指導のほかにも様々生徒指導、部活動、保護者や地域との連携など、学校や教員に対する多様な期待というものが一方で長時間勤務という形で表れているところでございます。先ほどの調査で御説明したとおりでございます看過できない深刻な状況であるということが改めて明らかになったものと受け止めているところでございます。

 文部科学省といたしましては、昨年12年に中央教育審議会に取りまとめていただきました3つの答申を踏まえまして、「次世代の学校・地域」創生プランを作成し、取組を進めているところでございます。また、学校の業務改善につきましては、学校現場における業務の適正化に向けてを公表いたしますとともに、今年度から業務改善の加速プロジェクトなどを新たにスタートさせ、適正化に向けた取組を進めているところでございます。しかしながら、こうした勤務実態調査の状況を見ますと、こうした取組自体まだまだスタートしたばかりで十分浸透していないような状況がございます。こうした状況を踏まえまして、更に具体的かつ実効性のある取組を進めていく必要があることから、今回具体的な3つの事項について審議を行うこととさせていただいたところでございます。

 3ページ真ん中以降が具体的な審議事項でございます。1つ目が、学校が担うべき業務の在り方でございます。まず学校がどういった業務を担うべきなのかということについて改めて議論をしていただこうというものでございます。諸外国に比べますと、我が国の学校に期待される役割が非常に多いということが調査で明らかになっております。その一方で、教育基本法では学校・家庭・地域・住民・その他の関係者においてはその役割と責任を自覚し、相互の連携・協力に努めるとされているところでございます。こうしたことを踏まえ、学校が担うべき業務は何であるか。それぞれの役割分担の在り方、連携・協働を進めるための条件整備などについて御検討いただきたいと考えております。

 4ページをおめくりいただきますと、第2番目のテーマといたしまして、教職員及び専門スタッフが担うべき業務の在り方、役割分担についてでございます。教員が本質的に担うべき業務は何かについて御検討いただきたいと考えております。また、今の学校では事務職員、それから様々な専門スタッフや支援人材が学校に関わっているわけでございますが、そうしたそれぞれの人材の役割分担や連携の在り方について御検討いただきたいと考えております。そのほかにも、新学習指導要領を円滑に実施していくためには学習指導や生徒指導等の体制の強化・充実の進め方、またICTの効果的な活用なども含めた更なる業務改善の在り方などについても併せて御検討いただきたいと考えております。

 大きなテーマ3つ目が、教員が子供の指導に使命感を持ってより専念できる学校の組織運営体制の在り方と勤務の在り方についてでございます。教員が限られた時間の中で子供の指導に使命感を持って専念できる体制を整えるためには、組織としての学校運営体制の強化・充実が必要でございます。現在学校に置かれている職は副校長、主幹教諭、指導教諭等ございますし、また主任などもございますけれども、そうしたそれぞれの職や体制の在り方、それから学校運営を支える事務職員なども含めた在り方について、また、効果的な学校マネジメント体制の構築の在り方などについても御検討いただきたいと考えております。

 併せて、教員は勤務態様の特殊性から一般行政職と同じような勤務時間の管理はなじまないということで、その特殊性を踏まえて超勤4項目という形で原則時間外勤務を命じないこととするというような特殊な勤務態様の評価を行っているところでございます。これを踏まえて給料月額4%に相当する教職調整額というものを支給しているわけでございますが、教員に支給する手当などにつきまして、この勤務時間の在り方や管理の在り方、勤務状況を踏まえた処遇の在り方についてどうあるべきかについて御検討いただきたいと考えております。

 以上が、検討項目の主な内容でございますが、こうした具体的な今後の検討を進めていくに当たりまして、先般6月27日に開かれました初等中等教育分科会におきまして、8-6にございますとおり、新たに学校における働き方改革特別部会を設置していただくことを決定いただきました。今後は、この特別部会を開きながら具体的な審議を進めていくこととしているところでございます。スケジュールといたしましては、年内に1度、それまでの議論を取りまとめていただきたいと考えておりまして、それを踏まえまして、文部科学省として緊急対策をまとめて講じていきたいと考えておるところでございます。

 簡単でございますが、説明は以上です。

【無藤部会長】  ありがとうございました。御報告、承りました。

 それでは、本日の審議はここまでなんですけれども、1つ失念しておりましたが、委員の交代に伴う御紹介をしていただけるということで。

【大江教職員課長補佐】  最後に、事務局からおわびを1点差し上げたいと思います。

 前回、3月28日の教員養成部会の後、2名の委員の方の変更がございました。本来であれば冒頭御紹介させていただき御挨拶を頂くところでございましたけれども、事務局の不手際でございました。申し訳ございませんでした。

 まず、お一人目でございますけれども、榎本委員に代わりまして東京都世田谷区立芦花中学校の校長先生であります、また全日本中学校長会の会長でございます直田委員が就任されておりますので、一言御挨拶を頂ければ恐縮でございます。

【直田委員】  皆さん、こんにちは。全日本中学校長会会長の直田益明と申します。昨年度までの榎本前会長に引き継ぎ会長をさせていただいております。こちらの部会におきましても、榎本委員に引き継ぎ私の方で出させていただきます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

【大江教職員課長補佐】  失礼いたします。

 本日御欠席でございますけれども、大橋委員に代わりまして新宿区立西戸山小学校の校長兼全国連合小学校長会の会長でございます種村委員が御就任されております。

 なお、本来であれば、更新されました委員名簿を本日お配りさせていただくところでございますけれども、こちらも不手際によりまして本日お配りできませんでしたので、後日改めて御送付をもって代えさせていただければと思います。大変申し訳ございませんでした。

 また、今後の日程でございますけれども、改めまして御連絡をさせていただきたいと存じます。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

【無藤部会長】  それでは、本日はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。

お問合せ先

総合教育政策局教育人材政策課

(総合教育政策局教育人材政策課)