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教員養成部会(第92回) 議事録

1.日時

平成28年2月18日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

全国都市会館3階第2会議室

3.議題

  1. 平成27年度教職課程認定大学等実地視察報告書(案)ついて
  2. 平成28年度予算案について(教員関係)(報告)
  3. 「次世代の学校・地域」創生プランについて(報告)
  4. これからの学校教育を担う教員の在り方について
  5. その他

4.議事録

【小原部会長】 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第92回中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会を開催させていただきます。本日は御多忙の中、御出席いただきありがとうございます。
また、昨年中は、教員養成部会の御議論に御尽力いただきましてありがとうございました。昨年12月の中教審総会にて、答申として取りまとめることができましたので、改めて報告いたします。
それでは、事務局より本日の配布資料の確認をお願いします。
【大江教職員課補佐】 失礼いたします。資料の確認をさせていただきます。
まず、1枚目に座席表がございます。それから続きまして議事次第が1枚。資料1といたしまして、課程認定大学等実地視察についてという資料のつづりが1つ、資料2といたしまして、予算の関係の資料でございますけれども、時代の変化に対応した新しい教育や学校が抱える喫緊の課題等に対応する云々(うんぬん)という資料が1セットでございます。資料3といたしまして、「次世代の学校・地域」創生プラン(馳プラン)となっている資料が1つでございます。資料4-1といたしまして、教員に求められる資質能力等についてという資料が、資料4-2として、教員育成指標の例という資料が、資料4-3といたしまして、モデル・コアカリキュラムの例という資料が、資料4-4として、育成指標及び教職課程コアカリキュラムに関する論点(例)という資料が1枚ございます。参考資料1としまして、教員の資質能力の向上に関する調査の結果、参考資料2といたしまして、現行の学習指導要領等の抜粋でございます。また、委員の机上に配付をさせていただいております資料が2部ございます。1つは、平成27年度の教職課程認定大学実地視察報告について大学別の資料でございます。それからもう一つは、昨年8月に論点整理としてまとめられました教育課程部会の資料でございます。
以上、過不足等ございましたら、お近くの事務局員までお申し付けください。以上でございます。
【小原部会長】 それでは、初めに、本日の議題について確認いたします。本日は、まず、議事の(1)について課程認定委員会より報告を受けた後、議事の(2)と議事の(3)について事務局より御報告いただき、最後に議事の(4)において、これからの学校教育を担う教員の在り方について御討議いただきます。
それでは、議事に入ります。議事の(1)平成27年度の教職課程認定大学実地視察について、渋谷委員より報告をお願いいたします。
【渋谷委員】 それでは、私の方から、今年度の実地視察につきまして御報告をいたします。この教員養成部会の下に課程認定委員会というものがございますが、その任務は2つございまして、1つ目が、年度ごとに新たな教員養成課程設置を申請してきた大学等につきまして、厳格な審査をするということです。2つ目が、本日御報告いたします実施視察です。
前者につきましては、昨年12月に既に報告し、御承認いただいております。後者につきましては例年、30大学前後の実地視察をするのでございますが、今年度は大学、短大含めた教職課程認定大学が26か所と、指定教員養成機関が1か所の、合計27か所視察してまいりました。
全体としましては、大体問題なく実施されているように私どもは判断いたしまして、中には極めて積極的な取組をしている事例もございました。他方で、必要な専任教員数を確保できていない事例や、あるいは教科に関する科目、教職に関する科目について、法令に定める内容が適切に扱われていない事例も確認されました。これらについてはきちっとした指導をしたところでございます。
以下、幾つか具体的な事例を御紹介して認識を共有させていただければと思います。まず第1点でございますが、私どもがまいりまして最初に強調しますのは、その大学あるいは学部ごとの教員養成に対する理念・構想が明確になっているかどうかでございます。理念・構想が明確になっていない場合にはもちろん指導いたしますが、なっていたとしても、それに基づいて全学的あるいは全学部的な責任を持った機関がしっかり確立されているかどうかについて問いただしております。ざっくばらんな申し上げ方をしますと、近年、この全学的な組織は大体整ってきているように思いますが、まだ、それが単に形式的なものにすぎないと思われる事例がございまして、その辺を更に一層質的に高めるのが私どもの任務だと思っております。あと、授業内容等が個々の教員に委ねられているという事例がまだまだ見られます。前主査でいらした横須賀薫先生が日頃おっしゃっていました「無責任予定調和論」という表現が当たるような事例がございました。これが個別事例の第1点でございます。
第2点としまして、具体的な教職に関する科目、教科に関する科目等の内容です。例えばシラバスがきちっと書かれているかという点でございますが、これらにつきましても是正するべき点が確認された大学等が少なくなく、速やかに是正するよう求めてきました。あと、教科に関する科目につきましては、御承知のように最低20単位必要なのですけれども、これらが、例えばある1つの同じコースの中で複数の免許状が取れるような場合に、いわばダブルカウントしているような場合がありまして、これらについて私どもは、それぞれ免許種に異なったカリキュラム体系を設置しましょうということで指導してきているところでございます。数は少ないのですけれども、必要とされる専任教員数が満ちていないという状況もございまして、これは厳しく指導してきました。
3点目でございますが、教育実習でございます。御承知のように母校実習は原則として避けるということで、この10年ぐらい指導してきました。大分浸透してきているようでございますが、まだ依然として母校実習に重点を掛けている大学もございましたので、これらについては地元の教育委員会としっかりとタイアップして、地元で教育実習を引き受けていただけるようにお願いしてくださいと指導いたしました。
4点目でございますが、大変大事なところでございまして、教員になりたいという希望を持った学生に対する支援です。教職支援ですけれども、この10年の呼び掛けによりまして、多くの大学で教職支援センター等が設置されてきておりましたが、中には一部の教員とか事務方に、委ね切りというところもございます。それらについても指導いたしました。それからちょっと由々(ゆゆ)しき事態なのですけれども、課程認定を受けていないにもかかわらず、大学案内等で、ここの学科に入ればこういう教員免許状が取れますという宣伝をしているところが見つかりました。これらについては厳しく指導してまいりました。大体が通信課程を持つ大学とタイアップしており、そちらへ行きお金を払って単位を取れば、うちの大学でも免許状が取れますという書きぶりなので、ここはこれから考えていかなければならないと私どもも思っております。
5点目ですけれども、学生が地元の小学校・中学校等に学校支援ボランティアで出掛ける活動が最近広まり、定着してきております。当然それは教育委員会との連携の密度が濃くなっているからこそなんですけれども、これらについては大体順調に拡大・浸透してきているように思われます。これは大変大事な活動だと思います。
次に施設・設備についてですけれども、大体整備されてはおったのですが、一部の大学等については、図書が非常に貧弱であったり、それから、例えば理科教育ですけれども、実験室がほとんど整備されていなかったりというようなこともありました。これらは引き続きしっかり指導していきたいと思います。
具体事例の最後ですけれども、ある1つの実地視察校で、変更届というものがほとんどおろそかにされていまして、未提出・不備というものが判明いたしました。これは基本的に制度・規定の理解ができていないということもあるのですが、事務体制が貧弱だというところに原因が多くあるように思われますので、そういう意味でも、事務の方についても指導していく必要があると認識しました。
最後に、全体のまとめでございますけれども、先ほども少し触れましたが、肝心なのは全学的に教員養成について責任を負う、そういう組織をしっかり確立しているかどうか、これが大変重要になっております。具体的に言いますと、学長自身が教員養成とは何であるか、いかに今、教育と教員養成が重要な局面にあるかということについて認識があれば、その大学はかなり見込みがあるんですけれども、そうでない場合には非常におざなりになっているというのが現状でございます。
こういう実地視察をいたしますと、1つ大きな効果がございまして、これを機会に大学の教員養成の在り方について非常に真剣に自己点検・自己検証する、そういう大学等も見られました。ということで、更に一歩進めて考えますと、課程認定及び教員養成に関しては、評価機構のようなものがございません。東京学芸大学では独自に作っていらっしゃるんですけれども、全体としてはまだ定着していないということで、そういう方向性というものを必要と感じております。
それと、指定教員養成機関にも1校行ってまいりましたが、ここが思っていた以上に問題点を抱えておりました。御承知のように指定教員養成機関というのは歴史的な産物だと思うのですけれども、これについては、根本的な議論があってもよろしいかと思っております。そもそも、いつまでも必要かどうかということです。ということで最後に少し問題提起をさせていただきました。
以上、27機関についての実地視察の概要でございます。
【小原部会長】 ありがとうございました。
ただいまの御報告に関し、質問等がございましたらお願いいたします。
【岸田委員】 ありがとうございました。私も過去に何度か行かせていただいておりました。もちろん課題のある大学に行き、指摘していくということも大事だけれども、一方で良い取組を行っている大学なんかも、きちっと把握しながら共有することの大事さということもあったと思います。渋谷先生の御説明で、良い取組を行っている大学も少しあるとのことでしたが、御紹介していただけるようなものがありますか。
【渋谷委員】 大変良い御指摘、ありがとうございます。まず、この実地視察についての広報をホームページ上にも公開します。この中で27機関について個別に全部公開するのですが、その中でも評価するべきところについて幾つか取り上げて、概況として一番冒頭に述べますので、多くの大学はそれを見ているのではないかと期待しております。
さて、私自身は今年度の実地視察に6か所行ったのですけれども、残念ながらその中には全国に紹介するようなすばらしい取組というのはなかったのですが、次に紹介する取組は、非常に注目するべきだと思っております。それは、現職の先生方、実務家、そういう方たちを教員養成にどんどん取り込んでいます。そのときに、他方問題になるのが、そういう校長先生とか教育委員会できちっと仕事をされてきた方は、学術的な業績は数が少ないしゼロだったりする場合があります。それがちょっと二律背反になっているんですけれども、そこをしっかりと見定めた大学がございます。まず、そういう力のある実務家の先生をお呼びして、最初は授業に就かせない。教職指導に専念していただきながら、その1年間の間に2本なら2本、御自分の体験を学術論文風にまとめてくださいと。それを紀要に載せましょうということで、ちゃんとそういう期間を設けている大学があります。そうしますと、その1年後に研究業績として評価された上で、教職課程についてのカリキュラムに教員として携わることができる。そういうふうな取組を学長自ら認識してやっていたところがございました。そういうあたりは是非広げていきたいなと思っております。
【小原部会長】 そのほか、特に意見がないようなので、この報告案は本部会の了承を得た後、公表し、教育課程を有する全大学に送付されることになっております。
それでは、この御報告を了承したいと思いますけれどもよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【小原部会長】 ありがとうございました。
それでは、議事の(2)に入ります。事務局から、来年度の教員養成関係の予算等について、御報告をお願いいたします。
【粟井財務課教職員配置計画専門官】 失礼いたします。小中局財務課でございます。よろしくお願いいたします。
お手元の資料の資料2でございます。右上に資料2と記載されている資料を御覧いただければと思います。私の方から主に教職員定数に関しての平成28年度の予算について説明をさせていただきます。
昨年来、教職員定数につきましては、財政制度等審議会、財政審や経済財政諮問会議等でその定数の在り方、主に加配定数の在り方等について厳しい指摘がなされたところでございますが、この資料2のところにございますとおり、全体といたしまして教職員定数の改善は525人の改善をとることができました。これは昨年10月28日にも中央教育審議会総会での緊急提言等も頂きまして、おかげさまで、地方自治体、全国知事会や全国市長会、町村長会等、6団体からもいろいろな御要望等、御提言等を頂きまして、何とか加配の減を避けることができたところでございます。
平成28年度の予算案につきまして、義務教育国庫負担金といたしましては全体として13億円の減でございます。その内訳が上段の方にございますが、教職員定数の改善等は、先ほど申し上げたとおり525人の増でございます。一方、少子化に伴う定数減ということで、子供の少子化による自然減や学校統合の進展等に伴う減が4,000人でございますので、予算人員といたしましては、この4,000人と525人を足し合わせて、対前年度3,475人の減となります。また、教職員の若返りということで、ベテラン教員が退職し、若い先生が入ってくることによる給与減、単価減が170億円の減、それから人事院勧告に伴う給与改定による増が231億円ということで、これらを全部足し合わせまして13億円の減となるところでございます。
525人の内訳といたしましては、下段の方になりますけれども、プラス525人となっております。1ぽつといたしまして、創造性を育む学校教育の推進ということで190人でございます。まず1つは、小学校における専科指導の充実ということで、小学校の英語や理科、体育等の専科指導を、例えば小学校高学年で導入するとか、また中高一貫校、義務教育学校等における専科指導の充実のための加配定数増が140人、またアクティブ・ラーニングの推進ということで次の学習指導要領、また次の効果的な指導方法や、またカリキュラム開発等を進めていただく学校に対しての加配措置を50人拡充させていただくこととしました。
また、2ぽつになりますけれども、学校現場が抱える課題への対応ということで、通級指導などの特別支援教育の充実、いじめ・不登校等への対応、貧困による教育格差の解消、外国人児童生徒等への日本語指導、また学校統合校への支援や小規模校の支援といったものを合わせて235人の加配の定数増を図ることといたしました。
また、3ぽつになりますけれども、チーム学校の推進による学校の組織的な教育力の充実ということで、マネジメント機能の強化として主幹教諭、事務職員の拡充をバックアップ、また養護教諭や栄養教諭等の充実を図らせていただくということで、合わせて100人の増をさせていただくことといたしました。
裏のページになりますけれども、その加配定数525人の事項別の内訳でございます。説明は割愛させていただきますけれども、加配事項は、この左側の条文のとおりになってございます。それに伴って各事項改善等が図られているという内訳でございます。
それからその隣のページになりまして、チーム学校関連予算ということで横長の資料になります。丸1につきましては、定数改善の525人の内訳でございますが、丸2の中で、資格等を有する専門スタッフということで、補助金等により引き続き拡充が図られているというものでございまして、スクールカウンセラー、それからスクールソーシャルワーカー、特別支援教育の専門家の方々の充実化も図られているということでございます。特にスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーについては、学校において必要とされる標準的な職として、職務内容また法令上明確化するような検討も今後行われるとともに、将来的には正規職員として、標準法において定数算定又は国庫負担の対象とするということも併せて検討される予定でございます。
それから丸3になりますけれども、サポートスタッフということで、これは正規教員ではなく非常勤の方々になりますが、補助金等による拡充が図られるということになっております。その詳細が、もう1枚裏のページになりますけれども、多彩な人材の参画による学校の教育力向上というものでございまして、これは教職員の正規職員の定数改善が図られる代わりに、正規の拡充のバーターといたしまして、非常勤の増が財政当局から認められたところでございまして、平成25年度から始まったものでございます。例えば退職教職員の方々や、教員志望の大学生、免許の有無にかかわらずサポートスタッフとして学校に入っていただくということで、主に学力向上のための支援として使っていただいているところでございますが、平成28年度も、これが1万人から1万1,500人ということで、1,500人分の非常勤の方々の増が図られているということと、それから今回から新たに追加いたしました、中学校における部活動指導支援ということで、中学校の部活動のためのサポートスタッフとして活用していただくということも、その対象と含めたところでございます。
以上でございます。
【大江教職員課補佐】 私の方から、次ページにおけるこれからの学校教育を担う教員の資質向上についての予算について御説明を差し上げたいと思います。先ほど財務課の方から御説明申し上げました定数の中に、1枚目の裏面になります。こちらの方に当然、研修等定数という形で5,033名入っておるわけですが、これとは別の予算でございまして、3枚目の資料でございますが、大きく4つのカテゴリーに分けられてございます。
1つ目は、総合的な教師力向上のための調査研究でございまして、1億2,400万円でございますけれども、昨年、この教員養成部会で御議論いただきました養成・採用・研修の一体改革に向けた取組を推進していくための予算として計上しておるところでございます。(1)といたしまして、この後、御議論いただく予定でございますけれども、国において示していくことになります国の大綱的な指針についての必要な経費、それから(2)といたしまして、都道府県あるいは大学等に実験的に研究を委託するような経費として計上しておるところでございます。例えば、これも昨年度のこの教員養成部会で御議論になりました育成指標の整備であるとか教師塾、あるいはメンター制による調査研究等を計上しているところでございます。
それから大きい2ぽつでございます。独立行政法人教員研修センターの機能強化といたしまして、11億6,900万円の運営費交付金と、施設整備費補助金といたしまして1億600万円を計上しているところでございます。目新しいところのみ御説明を差し上げたいと思いますけれども、教員研修センターにおいてこのアクティブ・ラーニングセミナーの丸1でございます。現在、教育課程部会の方で御議論していただいておりますアクティブ・ラーニングの視点に立った授業改善、こうしたものを進めていくために、セミナーという形で研修をしていく中で、各地の学校教育関係者の皆様と一緒になっていろいろなことを考えていくといったものを開催する予定でございます。それから丸4になりますけれども、オンラインの研修事業についても、近年このICT等の技術の発達には目覚ましいものがございます。こうしたものを教員研修なり、資質向上なりにもっと活用できないかということで、計上しているものでございます。
それから大きい3ぽつでございます。これは国際的な教員調査、いわゆるTALISと言われておりますが、前回2013年に我が国が初めてOECDが行っている国際教員指導環境調査TALIS2013年に参加したところでございます。次の調査が2018年になりまして、その調査のための準備経費といたしまして1億4,000万円程度計上しているところでございます。具体的に申し上げますと、従来の勤務時間でありますとか、学校での指導に関する教員の調査にプラスいたしまして、今回ビデオ調査というものが新しく入る予定でございます。これはどういうものかと申し上げますと、データとか数値ではいろいろな各国比較って出てくるわけですけれども、実際に、教員が各国でどういった授業をしているのかというようなものを一度ビデオに撮ってみて、それが各国でどんな特徴があるかというのを調べてみようといったような調査でございます。かつてTIMSSでもこういった調査をやられていたところでございますけれども、そのときには日独米だったと思いますが、今回、このTALISという枠組みで多くの国が参加する下での調査ということで計上しているところでございます。
それから4ぽつでございますけれども、現職教員の新たな免許状取得や更新のための予算といたしまして2億8,200万円計上しているところでございます。
その後、若干細かい資料が付いておりますけれども、こちらの方は割愛させていただきたいと思います。以上でございます。
【小原部会長】 それでは、議事の(3)に入ります。事務局から「次世代の学校・地域」創生プランについて報告をお願いします。
【大江教職員課補佐】 引き続きまして失礼いたします。資料3でございます。「次世代の学校・地域」創生プラン(馳プラン)となっている資料でございます。1枚紙と、それから横長のポンチ絵でございます。それから最後に文章でA4縦の資料がございます。「次世代の学校・地域」創生プランという本体は、この文章のものになりますけれども、本日の説明は、この1枚目と2つ目の資料で御説明を差し上げたいと思います。
この馳プランでございますけれども、1枚目を御覧ください。真ん中に学校の組織運営改革チーム学校、こちらは、昨年、チーム学校の答申で御議論いただいた部分でございます。こちらと左の本教員養成部会で御議論いただきました教員の資質向上について、それから右端の、これも同日に中教審の答申が出されました学校と地域の協働・連携に関する答申、こうした3つの答申を文科省として、中教審から御答申を頂いたことを踏まえまして、一体的に進めていくといったものを行動計画的にプラン化したものでございます。今年1月25日に馳文部科学大臣から公表させていただいたところでございます。
この真ん中のチーム学校というところに書かれておりますけれども、社会に開かれた教育課程、こちら、教育課程部会で現在、御審議を頂いております新しい教育課程でございます。よりよい社会を作るという目標の下で、教育課程を介して地域社会とつながる学校、こうした新しい学校のビジョンを見据えつつ、こういったことを実際に実現化していくためのプランでございます。この真ん中の組織運営改革のところにつきましては、チーム学校ということで、校長のリーダーシップの下で事務職員のサポートは当然のこととしながら、下の方にございます教員をバックアップする多様なスタッフということで、例えばスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、こうしたスタッフがしっかりと管理職等をサポートしながら、チームとしての学校の運営を進めていくということを踏まえまして、左側でございます。まさにこの教員養成部会で御議論いただきました教員の資質向上、そういったサポートの中で教員がしっかり教員としてやるべき仕事を進めていく中でしっかり資質向上を図っていくための施策を掲げております。それから右側でございますけれども、やはり地域と学校が協働して、車の両輪として一体的にこの学校改革を進めていかなければいけないということでコミュニティー・スクールでありますとか、地域学校協働本部ということで、これは新たな制度として今後、制度改正を考えているものでございますけれども、こうしたものと一体的に進めていくというプランでございます。
2つ目の資料、「次世代の学校・地域」創生プランという馳プランの資料を御覧いただきたいんですけれども、1枚おめくりを頂きたいと思います。1ぽつでございますけれども、目指す方向でございますが、安倍政権の下で進められております一億総活躍社会の実現、それから地方創生の推進というものを教育の側面から進めていくというプランでもあるかと思っております。我が国が抱える様々な課題がございます。こうしたものを学校と地域が協働して解決していきます。繰り返しになりますけれども、右側は地域、左側は学校ということで、例えば学校で申し上げますと社会に開かれた教育課程の実現、それから「次世代の学校」創生に必要不可欠な指導体制の質と量の両面での充実というものが必ず必要になってくるだろう。それから「地域とともにある学校」へ転換していかなければいけないということ。右側でございますけれども、地域の方でも、次代の郷土を作る人材の育成が必要でございますし、地域コミュニティーの核としての学校を中心としたまちづくりを進めていく、あるいは地域で家庭を支援し、子育てできる環境づくり、また学び合いを通じた社会的包摂といったことも目指すべき方向として掲げているところでございます。
こうしたことを踏まえまして、馳プランとして、この3答申をまとめてプラン化したものでございますが、次のページでございます。この答申ごとに地域それからチーム学校、教員ということで、いわゆる3本の矢のような形で3つの矢を放つといったような形になっておりまして、この3つの矢で「次世代の学校・地域」創生を図っていくんだというプランでございます。
左側、上から、左側が学校から見た側面、右側が地域から見た側面でございます。具体的な施策でございますが、コミュニティー・スクールを推進・加速していくということで、学校運営協議会の設置の努力義務化でありますとか、コミュニティー・スクール等に伴う学校の体制の強化等を進めていくということを掲げております。また、2段目でございますけれども、チーム学校の関係でございますが、教職員の指導体制の充実、それから専門性に基づくチーム体制の構築、学校のマネジメント強化、それから一番下は、この教員養成部会で御議論いただいておりました養成・採用・研修の一体改革でございます。
それから地域の右側でございますけれども、上の段から、地域学校協働活動を地域創生の基盤にするということで、教育委員会による地域学校協働活動推進のための体制整備について制度改正を含めて図っていこうとしていくものでございます。また真ん中でございますけれども、地域が学校のパートナーとして子供の教育に関わるということで、地域コーディネーターと地域連携担当職員、これは仮称でございますが、こういった配置についても予算や法令の中で促進していくというものでございます。また、一番下でございますけれども、地域と連携・協働する教員の養成研修ということで、地域と連携・協働を円滑にするための養成・研修を図ってくといったものでございます。次のページから、こうしたプランを具体的に工程表という形でスケジュールをしっかり提示した上で進めていくといったものがございます。
詳細は割愛させていただきたいと思いますけれども、この白抜きになっておりますのが制度改正でございまして、例えば3ページ目で申し上げますと、上の段に社会教育法等の改正、それから地教行法等の改正がございます。これはコミュニティー・スクールの関係でございますし、次のページにまいりますと、指導体制、専門スタッフの配置ということで法令改正、それから事務機能の強化として学教法改正がございます。また、この養成部会で御議論いただきました制度改正といたしましては、免許法の改正といたしまして、教職課程の科目の大くくり化でありますとか、法定研修の見直し、教特法の改正、それからセンター法の改正ということを急ピッチで進めていきたいと考えております。また、学習指導要領の改訂のスケジュールと合わせて、しっかりこうしたスケジュール感で進めていくといったものをプラン化したものでございます。
以上、御報告をさせていただきました。
【吉田委員】 質問をよろしいですか。
【小原部会長】 どうぞ。
【吉田委員】 ありがとうございます。この創生プランですけれども、これは基本的に、公立学校が対象であって、国立学校・私立学校は含まれないということですか。それとも含まれるんですか。
【大江教職員課補佐】 失礼いたします。このチーム学校でありますとかコミュニティー・スクールの関係、これは教育委員会というものを念頭に置いたものでございますので、公立が中心になってまいるところでございますけれども、この教員養成部会でも度々吉田委員からも御指摘を頂きましたように、この教員の資質向上の部分につきましては、必ずしも教育委員会、公立学校というだけではなく、私立も含めた教員の資質向上ということで、私立・国立が除外されているということではないということでございます。
【吉田委員】 そうすると予算上の措置とかで、例えばスクールソーシャルワーカーとかサポーターとかいろいろ出てくるわけですけれども、それが予算上、今回プラスされているわけですが、私立学校でもそういうことを採用すれば、全額出てくるということになるんでしょうか。
【大江教職員課補佐】 今回の予算については公立のみでございます。
【吉田委員】 ということは私立学校は取り組まなくてよいということとでしょうか。
【大江教職員課補佐】 このプランは飽くまでも文部科学省が進めていくというものでございまして、文科省が今後こういったスケジュールに基づいてしっかりサポートしていくというものでございます。その中に当然、私立学校も含めており、例えば教員研修センターの資質向上の部分では私立学校も含めてもう少しサポートしていくなど、そういったものも入っているところでございます。
【吉田委員】 サポートスタッフとかそういうのはどうなのでしょうか。
【大江教職員課補佐】 サポートスタッフについては自治体ということでございます。
【吉田委員】 自治体ということは、私立学校は、入っていないということでしょうか。
【大江教職員課補佐】 スタッフのところについては入っていないところでございます。
【吉田委員】 そうすると私立学校がそういうことはやらないでいいということになるわけですね。お金を付けてもらえないのだからやれないでよいということでしょうか。
【大江教職員課補佐】 お答えになっているかどうか分からないんですけれども、文部科学省としてのサポートのプランでございますので、何かこのプランをもって、例えば、これは公立も私立もそうですが、このプランをもって何か学校にやってくれというものではなく、文部科学省がいろいろサポートをするものとして位置付けたものということで御理解いただければと思います。
【吉田委員】 そのサポートするものというのはどういう意味でしょうか。結局このプランに基づいて改革をしていこうということですよね。ということは逆に、スクールカウンセラーとかスクールソーシャルワーカーとかを積極的に置いて、教員たちの負担を減らしていこうという発想があるわけではないですか。今の発想でいくと、予算付けはされていないのだから、それは公立学校だけであって私立学校ではないということですよね。
【大江教職員課補佐】 基本的にこのプランにつきましては公立中心になっておりますけれども、このプランで何かをやってほしいというものではございません。飽くまで今回のこの馳プランにつきましては公立学校を中心としたサポート体制のプランということで、また文科省としては、私立学校に対しては別途しっかり考えていかなければいけないとは思っております。
【吉田委員】 ただ今回は、予算上は付いていないということですね。
【大江教職員課補佐】 今回につきましてはそういった区切りでございます。
【吉田委員】 はい、分かりました。
【小松初等中等教育局長】 御質問ありがとうございます。まず、この馳プランそのものは、基本的にはこれが独立に新しいプランを提唱しているというよりも、恐縮でございますが、予算とかはもう要求が終わっているところですので、12月の年末に今後に向けての答申3つが同じ日に、それぞれ今までの諮問に応じて中教審で積み重ねてきていただいたものが出ました。それをいわば受けた中で実行していく今後の政策プラン化をするというものですので、答申にどう対応するかということが年明けに出たという段階です。ですから、そういう意味では答申についてどういうふうに対応していくかという基本的な方向が書いてあります。次に、予算のお話につきましては、これからどのようにしていくかというのは国公私間の特色とかそういうことも考えながらやっていなければいけないんでしょうけれども、答申そのものをどう対応していくかということですので、先ほど事務方から申し上げましたように、例えば教職員で言いますと、答申の中に、公立が中心になっているように書いてあります。私学とかでも適宜利用してもらうような形でやりたいと書いてありますので、方向性としてはそういう形でやるのだと。予算そのものについて直ちに、今と連動しているというわけではなくて、方向性はそういうことですので、その後どのようにやっていくのか。事業費でやるのか、機関補助みたいなのでやるのか、個人補助みたいなのでやるのか、あるいはプログラム、コンテストものでやるのか。そういったことを含めて、今の答申に書いてあるような方向をどう実行していくかという手段については、このプランに基づいて、いろいろ検討していくというぐらいにお考えいただければと思います。
なお、1点だけ、長くなって申し訳ありませんが、付け加えさせていただきます。これを出すことになりましたのは、この資料3でございますが、連動性は非常に密接にございますけれども、片方でそれぞれ独立にもきちっとやっていかなければいけない次第であります。例えば教員の資質向上のところをどうするのかとか、それはそれで独立の課題を持っております。そこで従来の経緯から申しますと、一番上のところに書いてありますように、教育再生実行会議でも御議論があり、中教審でもそれぞれ部会などを構えて議論が行われてきました。それぞれはいいことかもしれませんけれども、非常に多岐にわたっておりますので、これを議論していく途中では、合同でやらないとできないこともありまして、中教審でも合同部会を作っていただき、いろいろな形で進めてまいりました。これが年末に3答申が出されて、そのままになっていると、非常に膨大な分野にわたっていろいろなことをやるらしいということだけが伝わってしまいます。そのため、この3答申についてどのように政府として受け止めるかということについては、なるべく早い機会に見えるようにしてお示しをしないと、かえって現場の方に不安や混乱を与える面もあるのではないかということがあり、大臣の方からこの3答申を受け取ったときに、プランを作って早急に示したいという趣旨のことを申し上げましたことから、それを年明けに示したというものでございます。
そういう意味では先ほど申し上げましたように、これから手段としてどう肉付けしていくか、あるいは国公私の問題で言えば、それも含めてどういう立ち位置でどういう手段をしていけばいいのかは、これから検討していかなければいけないので、その段階でいろいろお知恵とか御意見も頂きながら取り組んでいきたいと考えております。
【小原部会長】 松木委員、お願いいたします。
【松木委員】 今後の地域の創生ということを考えると、学校と地域が密接に結び付いていく協働・連携というのは非常に重要だと思うのですが、残念ながらこの教員養成部会の中では地域との関係のことについては十分論議できてこなかったと思います。この地域学校協働本部のお話の中から、地域の連携の中核を担う教職員の配置というのが出ております。これなんかまさに3つの答申、あるいは地域学校協働本部の話とのはざまをうまく埋めていかないといけない話になるという気がいたします。地域連携の中核を担う教職員というのは、イメージとしては各学校に社教主事を配置するということなのでしょうか。それとも新たな免許の種類といいますか、そういったことも含めて地域との連携を担うような教員の在り方というのを今後検討していこうということなのか、このはざまの問題ではあるのですが、お伺いできると有り難いと思いました。
【徳田審議官】 生涯学習局担当の審議官の徳田です。
そこの面についてはきちんと学校で窓口となる、地域と窓口になる方を決めていただくということが決まっておりまして、特別なものを設けるとか、新たな職員の形を設けるとか、そういうことを検討しているわけではございません。
それと、最初に言われた教職員課程の問題としては、後で議論されると思いますけれども、今後の教員課程の科目の中で、そういう地域との連携の話についても入れてもらうということで、こちらの方も併せて進行しておりますので、連携して議論されております。
【小原部会長】 北條先生、お願いいたします。
【北條委員】 先ほどの小松局長の御説明でよく分かりました。工程表でも向こう5年間の非常に大きな枠組みでの話であり、それから中教審での3つの答申を念頭に置いた取組だということは分かりました。であるとすれば、先ほどの公立中心であり、私立も一部含むが、予算上は公立だけだというような御説明で、これを次へ進んでいただくというのはやっぱり受け入れにくい御説明でございます。ただいまの小松局長の御説明に沿った形で、例えば予算上の取扱いについては今後の検討課題であるというような形でまとめていただかないと、了承するわけにはいかなくなってしまいますので、よろしくお取り計らいください。
【小原部会長】 中西委員、お願いいたします。
【中西委員】 社会教育法の改正というのはどういうことを想定されているのか簡単に御説明いただきたいと思います。
【徳田審議官】 社会教育法の改正は、これまでいろいろな学校支援地域本部ですとか放課後子供教室とか、社会教育法の中の教育委員会の業務として、事務として位置付けられていたわけですが、今後こういうふうな学校支援ということであったのが協働・連携ということで、これは教育委員会のきちんとした業務である、それも社会教育法の、社会教育の立場からこういうふうな地域連携を自ら主体的なことで、地域側の主体的な観点から進めるということで体制整備、そしてそれを推進するためのコーディネーターの位置付けをはっきりさせていくということで検討していきたいと考えております。
【小松初等中等教育局長】 補足させていただきます。整理をいたしますと、この図でいきますと、チーム学校というのは、言ってみれば学校内部における今後の組織運営の在り方がメーンでございます。こういうチーム学校というような形でやろうとすれば、運営の形も、事実上いろいろありますので、地域的特性とかあってよろしいと思いますが、地教行法にありますコミュニティー・スクールといったような、言ってみれば正規の形での社会に開かれた教育課程をやるという意味でも、そういったものの普及が必要だろうとこの答申からは読めると思います。そういった全体のことも含めて、従来の学校支援地域本部というのでは、ちょっと力的にも足りないだろうということで、地域学校協働本部という形で、いわば地域における社会教育、家庭教育も含むと思いますけれども、基本的には地域における社会教育的な教育力を充実して働くような枠組みを作っていかなければいけない。そのときに各地域の実情を踏まえると、実際には学校が地域の活動の場になっていくということは非常に現実問題として求められるところであります。これは言ってみれば学校と地域のインターフェースの問題になると思いますけれども、そういった点を充実すべきだということで、実はチーム学校の部会と、それからここの地域創生の部会が、合同でずっと議論をしてこられて、私ども事務局も生涯学習局と初中局と合同で運営するということになったわけでございます。その中でどういう連携の姿をとるかといったときに、地域連携の中核を担う教職員と地域コーディネーターというのはそれぞれ考えが想定されるわけですけれども、徳田審議官からお話がありましたように、実際問題としては職掌を整理して指名するとかということで進められるということも多々あろうかと思います。地域学校協働本部について言えば、それが具体的に動くには、例えばこれらを全体としてしっかり束ねて動かしていく総括者、総括コーディネーターのようなものが必要になってくるであろう。そのときに、それを社会教育の中にきちっと位置付けておかないと、実際には普及とか手当てができないだろうということがあり、そういったものを社会教育法の中できちっと位置付けるというようなことでその体制が整うということになって、これが実効性を持つのではないかということでございます。そういう意味で、こちらの方は社会教育法の改正ということが構想されている。答申等から整理していきますと、そういう構想になるであろうということで書いてあり、こういう仕組みが考えられるということでございます。
【小原部会長】 議事の(4)これからの学校教育を担う教員の在り方についてに入ります。まずは、事務局より説明をお願いいたします。
【大江教職員課補佐】 本日でございますけれども、これから皆様方に昨年おまとめいただきました答申の記載にございました教員育成指標、特に国が示す大綱的な指針でありますとか、それから教職課程のコアカリキュラムの在り方について御意見を頂戴できればと考えております。
資料4-1でございます。6ページ目をお開きいただきまして、改めてでございますけれども方針の記述について御確認をさせていただきたいと思っております。6ページ目の1つ目のダイヤモンドでございますけれども、教員育成指標についてでございます。「高度専門職業人として教職キャリア全体を俯瞰(ふかん)しつつ、教員がキャリアステージに応じて身に付けるべき資質や能力の明確化のため、各都道府県等は教員育成指標を整備する」と。また3つ目でございますけれども、「教員育成指標は教員の経験や能力、適性等を考慮しつつ、各地域の実情に応じて策定されるものとする」。もう一つ下でございますけれども、「それぞれの学校種における教員の専門性を十分に踏まえつつ、必要に応じ学校種ごとに教員育成指標を策定することとする」。最後に、「各地域における教員育成指標の策定のため、国は各地域の自主性、自律性に配慮しつつ、整備のための大綱的指針を示す」といったものが、この教員育成指標の記述でございます。
また、教職課程のコアカリキュラムについてでございますけれども、7ページ目にある最終段落の3行目あたりからでございますが、「大学が教職課程を編成するに当たり参考とする指針(教職課程コアカリキュラム)を関係者が共同で作成することで、教員の養成、研修を通じた教員育成における全国的な水準の確保を行っていくことが必要である。ただし、その一方で具体的な養成や研修の手法等については、養成を担う各大学や研修を行う各教育委員会の自主性・自律性に委ねられるべきである」という記述になっております。こうした答申で記述をしていただきました国が示す教員育成指標の大綱的な指針、あるいは教職課程コアカリキュラムの在り方について、本日、御議論を頂きたいと思っております。
資料4-2でございますけれども、実際に各地域での教員育成指標でございます。本日、資料として御用意させていただき、御紹介を差し上げたいと思っております。なお、教育委員会、都道府県政令市レベルでございますと、大体6割弱の教育委員会が既に何らかの形で教員育成指標というものを策定済みだということは調査の結果より、把握しているところでございます。一方で大学、養成大学等、いろいろな協議を踏まえてそうしたものを作成しているかどうかというふうに聞きますと、大体2割に減ってしまうということで、逆に申し上げますと、都道府県政令市レベルの中で4割強は、こうした教員育成指標といったものは存在しないということと、教員育成指標を作っている教育委員会においても、しっかり大学とビジョンを共有しながらやっているといったところになると、8割はそういうことに取り組まれていない、2割が取り組んでいるといった状況でございます。
ちなみにこの資料4-2でございますが、今回ですと、三重、栃木、大阪、島根、熊本、仙台、横浜という形で御紹介をさせていただきます。宮城と島根、それから横浜については大学と何らかの形で協議をした上で、大学との共同の下でこうしたものを作っているというところでございます。
時間の関係もございますので、ごくごく簡単に御紹介を差し上げたいと思います。1ページ目でございますが、宮城県でございます。宮城県におきましては、第1期から第4期という形で4つに経験年数を区切りまして、縦軸といたしまして7つの大きな項目として、授業力、生徒指導力等について、それぞれ求められる資質能力をまとめられております。
それから3ページ目に移ります。栃木県でございますが、若干細かい規定ぶりになっておりまして、同じくステージを4つほどに分けております。例えば学習指導でありますとか、児童・生徒指導につきまして、更に細かい規定がございます。一番上でございますと指導計画の立案・実施について、それぞれどういったことに注力しながら資質向上を図っていくか、こうした能力を付けていくかということについて規定されているのが栃木県でございます。
若干飛びまして、6ページ、7ページになります。大阪府でございますけれども、大阪府の特徴といたしましては、第1期から第4期までの現職段階にプラスして第0期という形で教職に就く前の準備段階を明示しているということでございます。この0期において、教職に就く前にこうしたことをしっかり身に付けるといったものを明示しているという作りになってございます。
それから、次の8ページ目が島根県でございますけれども、こちら若干形式等違いますが、初任、6年目、11年目という形で学び続ける教員のキャリアパスを描くような形で取りまとめられているといったものでございます。
それから、続きまして10ページが熊本県でございます。こちらは縦横が逆転しておりますけれども、キャリアステージを細かく5段階に分けております。資質能力につきましては、4つのカテゴリーに分けてまとめられているということでございます。
それから11ページ目が政令市の仙台市でございます。3つの経験年数に分けた上で、それぞれ教員としての基盤、実践的指導力、学校運営力というようなまとめ方をしております。
また、15ページでございますが、横浜市が求める着任時の姿という形、現職教員になる前段階でのステージをしっかり位置付けた上で第3ステージまでということで区切っており、それぞれの資質能力を記載しているということでございます。これは横浜市と、それから大阪市も同じような形式でございますが、ほかのところは大体経験年数を何年から何年というふうに区切っておるわけでございますけれども、横浜市と大阪市につきましては、あえてだと思いますが何年というふうに区切っておらず、恐らく成長できる教員はどんどん成長してもらいたいという思いがあるのかと推測しておりますけれども、そういった形になっております。
以上が実際の自治体での例でございます。
それから資料4-3の先行分野のモデル・コアカリキュラムの例でございます。分野ごとに既に先行的な事例がございますので、簡単な御紹介になりますけれども、例えば医学でありますと、平成13年度からこうしたコアカリキュラムというものを策定しておりまして、19年、22年に改定がされております。それから薬学、それから獣医学、法科大学院という形では、このモデル・コアカリキュラムというものを策定しておりますけれども、いずれにしても表現というところで、一番右側の欄に記載されております。いわゆるコンピテンシー・ベースで何々を身に付ける、何々を学ぶ、何々できるという形で、こういうことができるようにするためのコアカリキュラムであるという形で規定されているというものが先行事例でございます。
次のページからは具体的にモデル・コアカリキュラムの抜粋でございますけれども、医学、薬学、それから獣医学、法科大学院という形で抜粋を付させていただいております。
こうしたものがコアカリキュラムの先行事例でございます。
続きまして資料4-4でございますが、本日、御議論に当たって論点の、あくまでも例示でございますけれども、こうしたところについて御意見が頂戴できれば大変有り難いと事務局としては思っているというものを1枚でまとめたものでございます。
まず、教員育成指標についてでございますけれども、先ほど御紹介いたしました自治体での例、それから最初に申し上げましたように、まだ作っていないというところもございます。あるいは作っていうところでも大学と共同してやっているところとそうだないところがございます。こうしたいろいろな例がある中で、国が大綱的な指針を示す場合にはどういうような要素が入るべきかというものが1点目でございます。当然、基本的な視点であるとか、教員育成指標を作るにあって踏まえるべき視点、こういったものが必要かと思っておりますけれども、どの程度の内容を盛り込むべきなのかという点でございます。
2点目にも関係していきますけれども、大綱的な指針はどの程度具体的であるべきかということで、国が詳細に具体的な能力を網羅するような形であると、かえって地方の自主性や特性を阻害するようなことになりかねない。一方で余りにもざっくりし過ぎたものであると、国が指針を示す目的・趣旨、こういったものとどういう関係がしてくるのか。こういったところについて御議論いただければと思っております。
3点目でございますけれども、大綱的な指針のフォローアップについてどう考えるかということでございまして、一度指針というものを定めればそれでいいのか。恐らく指導要領が大体10年に一度改定されておりますけれども、そうしたもののタイミングで十分なのか、あるいは毎年変えるものではないと思いますが、どの程度でやるのか。定期でやるのか不定期でやるのか、あるいはそれをどうやって見極めていくのかといったところについて御議論いただければと思っております。
その他、指針を示す際に留意すべき点は何かということでございます。
それからコアカリキュラムについてでございますが、1点目は、コアカリキュラムでは教職課程で学ぶべき内容のどの程度を取り扱うべきかということについてでございます。全ての教職課程において共通的に学ぶべき内容と、大学独自の特色を出すべき内容の割合をどのように考えるかということ。
それから多岐にわたる学校種、それから教科の種類にどのように対応するのかということ。
また、その他、コアカリキュラムを作成するに当たり留意すべき点は何か。
こういった、飽くまで論点の例でございますけれども、こうした点を中心に本日、御議論いただければと考えておるところでございます。以上でございます。
【小原部会長】 それでは、ただいまの事務局から示された論点案に沿って、御意見を頂ければと思います。残りあと50分ほどですけれども、この間に皆さん方の御意見を頂きます。
まず、いつものように名札を机上配付のドッチファイルの上に置いていただければと思います。
それでは、福田先生、お願いいたします。
【福田委員】 ありがとうございます。現場の小学校の校長としては、教育実習生を受け取る側(がわ)なので、全容がなかなか見えていなかったという部分があるんですけれども、現場の事例として、本校の場合を少しお話しさせていただけたらと思います。今年度の4月に着任し、平成27年度も、平成28年度も3人の一般的な大学からの教育実習生と、東京都の教師養成塾の実習生2名、合計して5名の実習生を受け入れております。先ほどのお話の中で、母校実習というのはだんだんと少なくするようにというお話でしたのですけれども、その3人は母校実習の申込みでした。しかもその内の1人は、大学名は申しませんけれども、本人の都合で実習を止めますという電話が学校に先日入りました。区の方から配置される実習生と、そうやって一本釣りで学校にアプローチする実習生と、前任校でも両方経験しています。区の方に本校では次年度これだけ受けるので、キャパシティー的にはもうありませんと伝えた後の電話だったので、「あなたのその電話1本で、その後に入った人は断っているのです。ですから、そのようなことをされると、現場は、来年度の実習生の配置とか、この期間は、実習生がいる期間と考えているのに、困るのです。」と伝えました。が、大学の対応にも困ったものだと思いました。また、今年度の実習生に、東京都が出しているキャリアプランを見せて、「こういうのを見たことありますか?」と言ったところ、「見たことありません」という感じであり、「私は埼玉県を受験するので」とも言われたので、東京都のキャリアプランを見せても仕方がないとも思いました。が、何らかの形で全体を包含するようなものがあると、こちらも大学が求めているものと、また教員養成する上で、目指す方向性みたいなものが共有できると思いました。そのため、内容面とシステム面とが、現場の受け取る側(がわ)で、困り感が生じないような形になっていくのはよいことだと思っています。
それから先ほど、教育課程認定のところでお話があったのですけれども、実務家というのは、それはつまり現場経験者という意味だと私は受け取ったのですが、現場経験者を取り入れていく方向だということを聞いて考えたことがあります。今まで余り認識していなかったんですけれども、現場から離れていった元校長たちが大学に入るケースというのが結構あります。そのときに、結構現場での経験というのは評価されないというのを聞いていました。それはこういうことなのかと初めて思ったのですけれども、つまり現場の教員とかは、例えば学会とか大学の論文とか、そういうものは余り関わらずに仕事をしてきているのです。でも学校単位で受ける研究とか、それに基づく紀要を作って発表するとか、それから個人でも研究員とか開発員とか、今で言えば教師道場生とか、いろいろな経験を積み重ねて、業界の中での論文的なものや紀要を作成していますが、そういうものは全然ポイントにならないというのを聞いたことがあります。先ほどのお話だと、現場での経験者を受け入れていくためにこういうシステムがあるのですよという御紹介もあって、工夫されている様子が伝わったのですけれども、でも現場で積み重ねた経験を、他の分野と同等とまでは言いませんが、ある程度評価されるというような方向性を持っていただく方がまどろっこしくないのではないかと思いました。
以上です。
【小原部会長】 岸田先生、お願いいたします。
【岸田委員】 教員育成指標について、お聞きして一番思ったことは、そこに盛り込むべき内容的なものは大体積み上げられると思います。ここでのポイントはやはりこの2つ目の丸で、これを余り具体的過ぎず、一方でざっくり過ぎずというお話がありましたけれども、まさにそこの力加減をどうしていくかということが、この指標を提示する上でのポイントになってきます。内容は恐らく、幾つもの先行の例もありますので、どういうことを盛り込んでいかないといけないのかというのは、割と容易に積み上げられると思うんですけれども、そのさじ加減というか、まさにおっしゃったように、それぞれの教育委員会が独自性を出せるような、そのニュアンスをどう盛り込んでいくかというレベルですね。そこが一番難しいのであって、十分議論する必要があると思います。
【小原部会長】 坂越先生、お願いいたします。
【坂越委員】 主にコアカリキュラムの話にはなるのですけれども、大学が担うべきものは教員育成指標と接続していかなければならないので、そこのところはしっかり押さえる必要があるだろうということ。それから、先ほど岸田先生が言われましたように、サンプルを幾つか見せてもらいましたけれども、コンピテンシー・ベースというか、求められる部分というのは見えてくると思うのですが、これをしっかりと、エビデンスベースで裏打ちしていかなければならない。本日も教員研修センターの機能強化のお話が出ていましたけれども、筑波の教員研修センターはいろいろなところのデータを持っておられるので、やはりナショナルスタンダートとして、こういう経験年数ではこういう力が必要だというようなガイドラインを示してもらって、これが日本の教員というようなものができればいいのかなと思います。
また、コアカリキュラムも、教職課程で当然導入しなければいけないというところなのですけれども、書いてくださっていますように、何が共通で、何が大学独自なのかという部分ですね。先ほどの育成指標とも同じようになるのですけれども、やっぱり大学で共通的にきちんと品質保証をして卒業させるべき部分がどこまででというのはあるだろうと思います。大学共通として、それを押さえた上で、今度は大学独自の強みというのがありますよね。この分野で強い、あるいはケア・カウンセリングが強いとかというようなところを是非プラスして特徴を打ち出すというような、何対何というのはなかなか難しいのですけれども、これは恐らく2つ目の白丸に係ります。大学の教員養成カリキュラムで考えたら、本当に校種が幼稚園から高等学校、それから教科もバラエティーに富む教科、免許の段階、様々ありますけれども、これを全てカバーするようなコアカリというのは難しいです。だからコアカリなのですけれども。だからコアになる部分がしっかりするということなのですけれども。まずは教職科目という認識をしています。今回も教職に関する科目の改定案というのが出ていますけれども、ここの部分をベースにしながら共通部分というのを考えていけば、まだ扉が開かれる可能性があるだろうと思います。とりわけアクティブ・ラーニングというのも今回の改革の中で大きな柱になっていますし、そういうものを共通的に取り込むことはできますし必要だろうと思います。ただ、共通であるようでいて、なかなかこれのコアが難しいという実情はあります。それこそ単純に言ってしまえば、大学の科目の中で教育原理だとか教育の理念だとか、基本的に同じような科目が並んでいます。課程認定を受けていますし、実地調査でもカリキュラム上はそう大きな違いはありません。ただ、そこで何が教えられているかというと、余り突っ込むといけないのですけれども、教育哲学が御専門の先生のお話で教育原理をされてもちょっとなという部分が当然あるわけです。先ほどのスタンダードもそうなのですけれども、どの概念のレベルまで落としてというか具体化して共通のコアという形で持っていくのか。そのあたりを先行のいろいろな分野も参考にしながら、これは作っていくべきであろうと考えます。一口に教職とはいいながら、その中での難しさというのがあるでしょうし、それを実際どうやって共通部分を学生が身に付けたという保証というか担保ができるのか。冒頭で、渋谷委員の方から課程認定でしっかりとそれを現場でチェック、大学の実地調査でチェックするという方法もあるし、分野別の評価というのもあるかと思いますし、そのあたりを工夫する必要があるだろう。出口先生のところがされているように、質評価だったり、アクレディテーションだったりというような動きが他分野に比べて少しずつ、後追い的ではあるんだけれども考えられつつある中で、教員養成、教育学として、そういう仕組みを考えていくことが必要だろうと思います。
もうこれで終わりますけれども、やっぱり教員のライフステージの中で大学のコアカリも考えていかなければならない、そのコアカリに接続する形で育成指標は各県で考えられるし、コアカリは各大学で考えられる。そこの共通部分と多様性の部分、ここをうまいこと仕分しながら作れれば、バラエティーのある仕組みができると思います。
【小原部会長】 松木委員、お願いいたします。
【松木委員】 育成指標のことについてなのですが、今回幾つかの県やら政令指定都市の事例を見させていただきながら、もう一度考えてみたときに、年代ごとのコンピテンシーとしては十分示されている気がします。同時に、育成指標に到達できるような研修とセットになって考えていかなければならない。それをどうやって培っていくのかというところがしっかりしていないとまずいような気がします。例えば先生方が日頃力を付けていくときに何が核になっているかというと、やっぱり熟練の先生と若い先生が一緒になって論議をしたりするようなことが核になっていくような気がします。そうすると、ここで書かれているのが、横でずっと右肩上がりに線が1本に延びていく話ではなくて、これが全部サイクルになっていて、熟練の先生が若い先生と関わることが、また熟練の先生にとっても求められている能力でもあるし、その若い先生にしてみれば、熟練の先生と一緒に取り組みながら考えていけるような力が求められていることでもあるような気がします。そういった意味で、単純にリニアな形で示されるものではなくて、サイクル化していきながら研修そのものが成り立つような形での育成指標の在り方でなければいけないと思いますし、先生方に求められる専門性は、学校というコミュニティーの中で培われていくということを前提にデザインをしていかなければならないと思います。以上です。
【小原部会長】 渋谷委員、お願いいたします。
【渋谷委員】 ありがとうございます。坂越先生と松木先生の御意見を大前提にして申しますと、私も資料4-3を改めて見て、教員養成にモデル・コアカリキュラムがないというのはちょっとまずいだろうなと改めて認識しました。作るとしたらやはり教科専門の方まで含めるのではなくて、とりあえず、教職専門の方からという、このお考えも、賛成でございます。その上で、医者も薬剤師も、法科大学院も人間を相手にする職業ですから、技術的なところというだけではなくて、医者とはそもそも何であるかというようなところも入っていたと思うんですね。その点で言うと、教員養成というのは非常に特殊だと思うのは、実は医者になる人も、法科大学院に進む人も、みんな小中高で先生に教わって勉強しているわけです。教育を受けているわけですね。その教師をどう育てるかというところのコアカリキュラムですから、その分ちょっと上乗せというんでしょうか、本質的なところで何か大事になってくるものがあるだろうと思います。その点で、このA3の横長の別紙なのですけれども、一番下の段に、大学が独自に設定する科目とあるのですね。ちょっと矛盾したことを言うようですけれども、本当は教員養成課程を持っている大学が独自に設定すればいいのですが、その独自に設定するってどういうことかということについて、先ほど申し上げたようなあらゆる職業のベースになっている教育のその教員を育てるというところで、課程認定で独自にこの2単位というのを設定するという意味で、非常に難しいと思うのですけれども、余り具体的に書いてしまうとおかしくなりますが、この独自設定科目というものが置かれた意味というあたりについては、どこかにきちっと記述をされるとよろしいのではないかと思った次第です。以上でございます。
【小原部会長】 永田先生、お願いいたします。
【永田委員】 この育成指標というのが私たちの考える基盤となり、よりどころになるというのが十分見てとれますので、大変心強く思っています。そしてその中で、教員に今一番求められるのが、柔軟さということだと思います。育成指標において柔軟さがあることについては決してそれらがバッティングするわけではないと思います。例えば民間企業から社会人経験を経て入ってきている教員もおり、その人たちから様々な魅力を学んでいる一般の教員がたくさんいます。その人たちは育成指標の上にどのように位置付けるのかのイメージも必要に思われます。例えばこのキャリアステージの途中からなのか、それとも0年なのかというものが、解釈できるような柔軟さが1つ必要です。
そしてもう一つは、例えば中堅ミドルを目指している、あるいはその先を目指している教員が何人かいますが、その中には教育行政に入ってやりたいという人と、指導教諭として広く自分の専門性を発揮したいというような人とか、あるいは授業研究を更に深めてやっていきたいというような、それぞれの教員がオールマイティーではないので、それぞれの資質のどこを発揮したいと考えているのか、つまり自分のキャリアプランについて自ら選ぶ力というのが必要で、その部分が育成指標の下地にあることが大事だと感じられることが2つ目です。
そして3つ目としては、教員は、学校では集団ですので、私の教職大学院では教員の、教頭とか副校長の在り方というのを企業に学んで研究している人もよくいるのです。その集団の在り方としての一般的な集団経営というかマネジメントと、それと教員としてのマネジメントというのがまた違っています。それが、表の中にも幾つか表れていますが、それが重層構造をなしていて、それらが行き来でき、育成指標の中にその両面が読み取れるが、これからの教員育成の活力になっていくという印象を持ちました。
【小原部会長】 酒井先生、お願いいたします。
【酒井委員】 ありがとうございます。2点について申し上げたいと思います。1つがコアカリキュラムについて、もう1つが育成指標の、このキャリアラダーの作り方のことについてです。
1点目はコアカリキュラムのことですけれども、私も教職課程の担当をしておりまして、コアカリキュラムを作る上でやはり教職科目がまず先に先行してというは、確かに現実的なことを考えますとそうだと思います。資料4-3の医学、法学関係のコアカリキュラムを見てよく分かったのですが、こういう領域は、やはり厳然とした法学・医学の知識体系がありまして、それに基づいてコアカリキュラムができるという考え方であります。そこに資質、使命感ですとか、そうしたものが入ってくる。そういう構成でコアカリキュラムというものが作られる。それが教職科目の場合には、こういう知識体系がはっきりあるのかというところがかなり危ういところがありまして。部分的にはしっかりしたものがあると思います。けれども、例えばこの科目で言いますと特別活動とか生徒指導とか、そういう実践的な科目が多いわけですが、これらの科目は既存の経験値の整理になるんですね。それは非常に大事なことなのですけれども、それは今の教育の在り方を踏襲していくカリキュラムにどうしてもなります。それは今の学校を維持していく上ではいいんですが、ここから先、10年先の変動を予測したカリキュラムにはならないです。例えばアクティブ・ラーニングを入れようとしたときに、クリティカル・シンキングという考え方が非常に大事なのですが、その考え方は、なかなか入ってこない。経験知の中からは。そういうところをどうやって盛り込んでコアカリキュラムを作るかということを考えないと、経験知の整理になります。それは非常にある部分は危ない。日本の教育が停滞する可能性があるので、危ないのではないかというのが1点です。
それからもう1点は、キャリアラダーのところなのですが、資料4-1の7ページに、段落で3段落目に、「教員育成指標は、初任段階、中堅、ベテラン、管理職や専門職段階など、ある程度の段階に分けて策定されることが必要である」、こういう文章があります。今回頂いた事例を拝見しますと、初任、中堅、ベテランの育成指標なのですね。つまり管理職や専門職段階などの育成指標はないわけです。非常に単線的な育成構造になっていまして、専門職化した役割に応じた育成指標はないわけですね。次世代のこの馳プランを例えば考えますと、ここで一番大事なのは校長のリーダーシップであります。そこには新しい地域との連携の在り方、アクティブ・ラーニングの進め方について管理職の相当な理解が必要なのですね。それを育成する指標が見えてこないのです。そこはこの改革のかなり肝だと思います。そこができませんと、これは繰り返しになりますが、従来の学校の組織を踏襲していくだけのシステムを作ることになりかねないと思います。
以上です。
【小原部会長】 平本先生、お願いいたします。
【平本委員】 今、先生方から御意見を頂戴いたしました。横浜の人材育成の指標につきましてもう一度確認してまいりたいと思います。15ページを御覧ください。それを見ていただきながら、基本的な考え方を御説明させていただきます。まず、横浜が考えた人材育成指標は、御覧のとおり経験年数が入っていません。1年目から3年目であるとか、5年目10年という経験年数は、具体的には入れていないわけです。その考え方は、現在の学校現場の変化が、東京や横浜はいち早く進んでおりますので、そうしたときに、経験年数で学校の教員の力を語ることが実態に合わないということですね。ですから、第1ステージにつきましては、これまでですと1年目から3年目教員としての基礎を固める段階という目安はもちろん持っておりますが、現実の問題として、経験年数で言うと3年目ぐらいで、もう学校の組織の要をやらざるを得ない。学年主任であるとか、各部署のリーダーをやらなければいけないという、これが現実の状況です。そうすると、年数で区切ってしまいますと、3年目の人は、本当に職務上求められている力を磨くことができないということになります。したがって現実の状況を踏まえて、また個々の力の伸び具合を見て、例えば3年目でも、そこに示されている黄色の部分ですが、第2ステージの内容をどんどん磨いていくことが実際の学校の現状に対応できる研修にもつながるという考え方になっております。第3ステージになりますと、学校全体を俯瞰(ふかん)して物を見ていくことが求められます。それは必ずしも20年、30年という経験だけではありません。現実は10年経験者ぐらいが、その役割を果たしていかないと、教職員の経験年数の構成から見ますと、学校運営そのものが支障を来してしまうことになります。こういう状況が今の学校現場で起きているということです。そういう譲許の中で、横浜市が求める着任時の姿というのがありますが、私どもは学校現場を基盤に考えているので、逆算をして、大学の養成段階で、このぐらいのところまで力を磨いていただいておくと円滑な教員としてのスタートができるということであえて示させていただいています。しかしながら、横浜の場合は、県内、東京都内の、50の大学とお付き合いさせていただいてまいりましたけれども、いろいろな意見をやりとりさせていただきますと、感想としては、なかなかそこの溝を埋めていくというのが簡単ではないというのが、現実の状況でございます。やはり育成指標を考えるときに、学校が求める育成指標は、学校現場の実態がきちっと視野に入ったものでないと、なかなか活用が難しいのではないかと考えています。したがって、育成指標を作るときに、今の学校の現場がどうなっているのか、求められているものが一体何なのかというのを大学の養成の段階と、それから学校現場の状況をよくすり合わせることが基本になっていくと考えております。
先ほど管理職の話がございました。横浜の場合は、今お示ししている指標は一般教員用でして、管理職は別に人材育成の指針を作っております。それは、管理職の育成は、必ずしも一般教員の人材育成の延長線上ではないからです。ですから、別の要素を加える必要性があるということで、そのようにさせていただいています。
それと、大学の皆さんの意見を聞く中で、よく出てくる御意見として、教員養成系の大学と開放制の大学はもともと特性や目的が違うというお話を頂きます。しかし、学校現場が求めているのは、養成系であっても、開放制であっても、同じですね。そこの部分をどのように考えて、これから指標を作っていくのか。養成系だから整っていて、開放制だからここの部分は仕方がないでは、学校の現在の状況には対応できないだろうと思います。そこを上手にやっていく必要性があると考えています。
いずれにしましても、もう一度15ページに戻っていただきますと、あえて平成27年度版の人材育成指標にしています。それはなぜかといいますと、現在の状況は、毎年見直しを繰り返して、いろいろ求められることを加えながら活用していく必要性があるということで、あえてそのようにさせていただいています。
最後に、長くなって大変恐縮でございますけれども、形だけの指標を作っても、なかなかそれは生かされませんので、是非実りのある、現在の状況、今求められているものに合ったものが必要と考えています。ただ、それを考えたときに、地域によってかなり求められているものに違いがあるのではないかと。横浜とか東京は、かなり学校現場の変化が進んでおりますが、他の地域では、教員の経験年数別構成を見ますと、これから大量退職・大量採用などの状況が進んでくるのではないかと思います。そうすると、当然求められている、教員の資質能力はその状況によって違いが出てくることが予想されるので、そこまで視野に入れた全国版を作っていく必要があると感じております。
以上です。
【小原部会長】 藤井先生、お願いいたします。
【藤井委員】 私も教員育成指針について発言させていただきます。基本的に教育委員会が作っているものは、研修をどういうふうに組み立てるかを考える際との基になっているかと思うのですけれども、今後作っていくものは、教員にとって価値のあるものに是非していただきたいと思っています。頂いた資料4-1に抜粋があって、6ページなのですけれども、上の囲みの中の2番目に、「現場の教員が研修を受けることで自然と目安となるような指標とする」とあります。それからその前のページに教員が自律的に学ぶ姿勢を持つというような表現もあるので、それらをふえますと、この段階ではこのような力を付ける必要がある、だからこういう研修を受ければいいのだというようなことを教員が自ら考えられるような、身近にあるものでありたい。どこかに飾ってあるものではなくて、ということです。これが自己研さんと言えばよいでしょうか、例えば年度当初に、今年度は重点的にこれをしたい、などの目標を定めて実施し、そして1年間の活動を振り返って、自然と力量が高まっていくというようなサイクルにつなげていけるようにできればよいのではないかと考えます。この部会でもポートフォリオ形式の導入というような意見もございましたので、それと絡められるようなものに是非していただきたいということが1点です。
もう1点は、学校側にとっても価値のあるものにしていただきたいということです。先ほど、校長の力量の話が出ておりましたが、校長をどういうふうに育成するかということはもちろん重要であるのですけれども、校長がこれを見て、うちの学校の人員構成はこうで、力配分とか年齢構成がこうだから、この部分を今年はやりたいとか、こんな研修を組んでみよう、あるいはベテランと中堅が協働できるような場を設定しようなど、校長がリーダーシップを発揮して、経営計画など日頃の経営プランの立案に使えるような、実態に応じて活用できるものにもしていただきたいと思います。そのような理念的なところを国がしっかりと視点として示すとともに、育成指標に組み込んでほしいと明言できるような質の高いものにしていただきたいということを希望しています。
以上です。
【小原部会長】 それでは、牛渡先生、お願いいたします。
【牛渡委員】 ありがとうございます。私がお話ししようと思うことは、ほとんど出てしまいました。平本先生のお話とかなり重なるのですけれども。私はこの育成指標について、ナショナルレベルといいましょうか、国が示す指針については、指針という意味はどういう意味なのかということを少し明確にすべきだと思います。私は中身の指針と、それから作成の手段・方法の指針という2つの側面があると思います。今、出ておりますように、実態がかなり地域によって違う、都道府県によって違うということもあります、それから、挙がってまいりました事例を見ましても、特に統一しなくても、ステージの分け方もかなり共通がありますので、私としましては、この作り方の指針、枠組みの指針というあたりが中心になるべきと思います。例えば1つ、枠組みとして養成のステージを必ず入れていっていただきたいということですね。御紹介いただいた例を見ましても、養成段階が入っていないものがほとんどでしたが、今回は教員の一生涯のステージを一望に示すということですので、養成段階から管理職段階、それを一望に示すような、ものにしていただければ、これまでの教育委員会が作成したものとは違ったものになっていくと思います。これからは、育成協議会が地域ごとに作るわけですし、その育成協議会には関係の地域の大学やら、教育委員会、市町村も含めて関係団体が入りますので、それらの総意の下に作っていくということが今回の新しい狙いですので、そういったことを反映させるためにも、養成段階のところをきちっと位置付けて、そして初任段階、中堅段階と踏んだ形に持っていくということを、国レベルの指針に入れておくことが必要だろうと思います。それから、もう一つは管理職ですけれども、これも、管理職も是非入れていただくというようなことも、指針の中にポイントとして入れて頂きたいと思います。
それから、もう一つは、先ほど出ましたけれども、横浜が育成指標を毎年見直しているようですが、毎年とは言いませんけれども、数年に1回は必ず見直すようにというような、国レベルの指針として示しておく必要があります。また、学会の方で校長の指針を作った経験からですけれども、育成指標は非常に短い言葉で書いてあるのですが、それぞれが一体どういう背景の下に何を言っているのかということが、それを見る校長先生方は分からないんですね。ですから、育成指標を作成する主体側が、それについての詳しい背景などを説明する、解説書を教育委員会ごとに作っていただければ、現場の先生方がそれを理解するために非常に役に立つと思います。国レベルの指針は、そういったものを、全国で実施してもらうための共通の方法論や枠組み、そういったものが中心になっていければいいのかと思います。
中身についての指針というのはなかなか難しいと思います。ただ、理念的なところは、入れてもいいと思いますけれども、具体的な内容は次々変わるものですし、地域によっても違いますので、余りそこのところは詳しく触れなくてもよろしいのかなと考えているところであります。
【小原部会長】 それでは、安藤先生、お願いいたします。
【安藤委員】 教員の育成指標について、できるだけシンプルにした方がよいと思います。できるだけ自由度が高くて、それを受けて所管の教育委員会が地域の実情に応じて、あるいは学校の実情に応じておろしていけるような、そして最後は現場の先生たちと一緒に作っていくというような、そういう目安になるようなシンプルなものがと思います。
作成の目的というのは、教育課程を円滑に推進していくためのものだと思います。そのときに、教育課程をよりどころとして、そこに書いてあることをきちんと推進していけるようなものを簡潔に述べていくべきではないかと思います。
ポイントとしては、皆さんが挙げられていますけれども、いかに教員自身が自ら主体的に伸びていく動機付けが高まることではないかと思います。もう少し言うと、これを読んだ先生方が、画一化された価値観の押し付けなのではないかと思ってしまったら、それはまずいのではないかということが1つです。それから教員として自分が伸びていく取組目標を、自ら見付けていこうとするような内容が書かれていることを、最終的に都道府県の教育委員会が作成した育成指針を読んだときに、そういうものが見えてくるようなことが大事ではないかと思います。それは、私自身が私的な先生方との研究会や、あるいは学校内にあるメンターチームのOJT研修の中で、よい先生が育つ、どのような環境はどのようなものかということを感じ考えたものです。できるだけ先生方が主体的に伸びていこうとする気持ちを持っていただけるようなことが大事だと思います。
最後に、先ほど柔軟性という言葉がありましたが、類似する言葉ですが多様性が大事であると思います。どんな先生も同じように育っていく必要は全くないわけで、最初の4、5年の間のスキルアップというところは基本的に共通するベーシックスキルがあると思いますが、それ以後の10年、15年のミドルリーダーが育っていく段階には、組織の中にできるだけ多様な人材が育っていくこと、それを私たちはこの教育課程の推進の中で目指しているわけですから、全ての先生が同じようになっていく必要はないこと、そして課題解決能力を高めるということは、多様な課題を解決する能力を育てるということが多様性ある教育課題をどう解決していくかというところ教師にとって人間としての多様性、そしてそれが、一人一人違った先生が育つことによって組織としての多様性ができてくるのではないかと思います。
以上です。
【小原部会長】 出口先生、お願いいたします。
【出口委員】 失礼します。私が言いたかったことは、かなりの方がもうおっしゃっていましたので、特に坂越委員からのところは私の言いたかったところとかなり重複していますので省略いたします。
それから管理職の育成指標の在り方についても、先ほど平本委員、牛渡委員の方からありましたので、どうもありがとうございました。
1つだけ、学芸大学は教大協の会長校でありますが、この育成指標、それからコアカリキュラムに関しましては、教大協として早急に各地区の意見等を取りまとめて、また別途意見として送りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
【小原部会長】 堀竹先生、お願いいたします。
【堀竹委員】 ありがとうございます。いろいろな御意見が出ておりますので、絞った形でお話をさせていただきたいと思います。できればこの指標を作ることだけが目的ではなくて、育成指標をどう活用・運用していったらいいかということに着目しそれをどう使って一人一人の教員が自ら育っていくのか、管理職がどう育てていくかということにつながるようなメッセージを、発信していくということも併せて考えていただきたいなと思っております。
それから先ほども出ておりましたけれども、往々にして学校現場は、こういった指標が出てくると、全てそれをやらなければいけないというような受け止め方をしがちなところがあります。結局、教員の多忙化に拍車をかけることとなり、教員が自ら育つというようなことを、阻害しかねない要因になる場合もあり得ると思っております。基礎養成段階は、教員としてゼロの状況ですから、身につけるべき資質・能力の中身は同じですけれども、その先は個々によって成長の度合いも違っており診断をして、自分がその指標の中のどれをやるか、管理職として、この教員にはどれをやらせたいのかというようなことを判断する必要があると考えます。診断と指標をどう結び付けていくかということもお考えいただけると大変有り難いなと思っております。
以上でございます。
【小原部会長】 最後になりますけれども、松岡先生、お願いいたします。
【松岡委員】 ありがとうございます。教員育成指標についてということで、資料4‐4の1点目の国が示す大綱的指針にはどのような要素が入るべきかという、この点についてのみ意見を述べさせていただきます。結論から申し上げますと、やはり我が国の独自性というものを是非明確にお示しいただきたい。御存じのとおり、我が国の少子高齢化は、諸外国の中でも極めて速いスピードで進んでおりまして、私はこれに対しては極めて危機感を持っています。いろいろなところで議論されていますけれども、やはり教育というのは国づくりの基本であり、ましてや教員というのは、特に学校教育を担う根幹であります。したがいまして、ここで示される大綱的な指針が、他の諸外国でも、教育というのは基本的に大きくは変わらないと思いますので当然共通要素はあろうかと思いますけれども、我が国、日本がこれをきちんとやって、こういう教員を育てて国づくりをしていくんだというあたりをお示しいただけると有り難いと思っています。
以前、東京都教育委員会にいたときに、平成20年だったと思いますが、都教委が教員人材育成基本方針というのを策定しまして、そこに求められる教員像を4点示しました。3点は、これはどこの自治体でも通じる、例えば教育愛に満ちた教員というようなものを示したんですが、実は4点目に、当時は比較的目新しかったんですが、組織の一員として職責を果たしていける教員というのを1つ教員像として示したということがあるんですね。あれは、自治体としては意義があったと考えているんですけれども、繰り返しになりますが、是非、我が国の独自性というものを踏まえた要素を考えていくべきと思っております。
以上でございます。ありがとうございました。
【小原部会長】 ありがとうございました。
今後についてですが、国の大綱的指針や教職課程コアカリキュラムについて、更に意見を深めていくため、本日委員の皆様方から頂いた御意見を踏まえつつ、事務局の方で今後の議論のたたき台の作成を進めてもらってはどうかと考えております。少し時間が掛かるかもしれませんが、事務局においては必要に応じて本部会の委員や専門家の意見を聞きながら、その作業を進めてもらいたいと考えておりますが、そのような進め方でよろしいでしょうか。
(「異議なし」との声あり)
【小原部会長】 それでは、今後については私と事務局とで相談し、委員の皆様とも相談しながら進めさせていただきます。
それでは、時間となりましたので、本日の審議はこれまでといたします。
今後の日程について、事務局から説明をお願いいたします。
【大江教職員課補佐】 今後の日程につきましては改めて御連絡させていただきたいと思います。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
なお、机上に配付をさせていただきました資料につきましては、このまま置いてお帰りになっていただければと思います。よろしくお願いいたします。
【小原部会長】 それでは、これで閉会といたします。ありがとうございました。

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-- 登録:平成28年03月 --