ここからサイトの主なメニューです

教員養成部会(第91回) 議事録

1.日時

平成27年11月24日(火曜日)10時00分~12時00分

2.場所

全国都市会館3階第2会議

3.議題

  1. 平成27年度教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について(答申案)
  2. これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について(答申案)
  3. 教職課程認定基準の改正について
  4. その他

4.議事録

(会議冒頭、教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定に係る審議のため非公開。)

(報道関係者等入室)

【小原部会長】 教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について。平成27年6月30日付け27文科初第443号をもって諮問のあった標記の件について、下記のとおり答申します。別紙に掲げる課程については、認定可とすること。
【茂里教職員課長】 答申の方針に沿って対応させていただきます。ありがとうございました。
(答申文手交)
【小原部会長】 それでは、議事(2)に入ります。本日は、前回に引き続き、この答申案について御審議いただきます。なお、答申に向けた今後のスケジュールとしましては、今回の審議の後、各委員から大体の了承が得られましたら、来月の中央教育審議会初等中等教育分科会に答申案を報告し、その後、総会を経て年内に最終的な答申となる予定です。
それでは、答申及び関連事項について、事務局から説明をお願いいたします。
【大江教職員課補佐】 失礼いたします。資料2-1から資料2-5のつづりで御説明させていただきたいと思います。資料2-1が答申案のポイント、それから資料2-2が要約、資料2-3が本文でございます。それから資料2-4が、この答申をおまとめいただいた際に、冊子等に附属をさせていただく予定の参考資料のつづりでございます。それから資料2-5が、このたびパブリックコメントを文科省として実施をさせていただきました、その概要でございます。主に資料2-3の答申案について、前回からの変更点を中心に御説明を差し上げたいと思います。
この本体の冒頭7ページ目をお開きいただければと思います。前回のからの変更点でございますけれども、構成それから文章ともに、余り変更はございませんので、このたびの変更につきましては、前回の養成部会から初中分科会、それから総会に御報告をさせていただきました際に、分科会の委員、さらには総会の委員から御意見を頂きまして、その点について若干修正をさせていただいたところでございます。
まず、冒頭7ページでございますが、黒丸の一つ目でございます。中ほどに、いわゆる「アクティブ・ラーニング」についてという部分がございますけれども、こちらは教育課程部会の審議の状況を踏まえまして、若干の文言修正をさせていただいたところでございます。変化を見通せないこれからの時代において、新しい社会の在り方を自ら創造することができる資質能力を子供たちに育むためにはということで、課程部会の審議の状況の文言と合わせて、こちらの方にも書かせていただいたということでございます。
それから、続きまして、次の8ページ目でございます。チーム学校の方につきましても、チーム学校作業部会、同時並行で進められておりますけれども、こちらの文言に合わせた形で若干の記述修正をさせていただいております。8ページ目の最後の白丸でございます。「あわせて、チームとしての学校の在り方が議論されている」以下でございますが、「教員が多様な専門性を持つ人材等と連携・分担してチームとして職務を担うことにより」という部分の追加をさせていただいております。
それから、若干飛びまして15ページでございます。こちらは初中分科会での意見での修正でございますけれども、15ページの丸の二つ目でございますが、「また、教員が日々の業務で様々な対応に追われる中においても自己研鑚(けんさん)に取り組み、スキルアップを図っていく」という以前から入っておりましたところに、教員のワーク・ライフ・バランスを良好に保つという観点が大変重要であるだろうということで、分科会の委員から御指摘を頂きましたので、「ワーク・ライフ・バランスを良好に保ちながら」という文言を追加させていただいたところでございます。
続きまして、22ページでございます。22ページ目の丸の一つ目でございます。こちらも分科会の御指摘でございますけれども、白丸の一つ目の3行目の後半あたり、「新しいことを始めるに当たっては、何かを減らすという意識も持ちつつ」ということで、非常に教員が多忙であるといわれている中で、いろいろなことに取り組まなければいけないという際に、やるときには何かを減らすのだということが大切だという観点が必要なのではないかということで、分科会の委員から御指摘を頂いた部分について、若干修正をさせていただいております。
それから、23ページ目の白丸の四つ目でございます。最後でございますけれども、メンター方式、主に若手の研修であるとか、初任者の研修という観点でメンター方式ということについて議論を言及していただいたところでございますけれども、若手教員のみならず、ミドルリーダーの育成にも大変有効だということで、これも分科会の方で御意見がございましたので、「メンター方式に研修については、若手教員の育成のみならず、ミドルリーダーの育成の観点からも有効な取組である」ということで記述を追加させていただきました。
あわせて、同様でございますけれども、24ページ目の一番上の丸の3行目以降になります。こちらもミドルリーダー研修の重要さということで、例えばミドルリーダーとしての活躍が期待される教員が不足し、単独では十分な校内研修等の実施が困難な地域における例として、中学校区を一単位としたブロック単位での研修実施などの工夫が見られるということで、こういった具体例も記述してはどうかということで、こちらも分科会での御指摘でございました。
さらに、29ページ目に若干飛ばせていただきますが、29ページ目の白丸の最後でございます。こちらは中教審の総会の委員から御指摘を頂いた部分でございます。今回の研修の充実について、大変に重要であるけれども、そのための措置について、最後から2行目の頭からでございます、「研修で業務を離れる教員の代替も含め」ということで、代替教員のことについてもしっかり記述をすべきであろうということで、総会の委員からの御意見を賜ったところでございます。
更に進みまして、37ページ目でございます。インターンシップの件につきまして、この前の分科会で若干の議論をしていただいたところなのでございますけれども、「大学独自の科目として設定することも引き続き可能とするなどの方向で制度の具体化を引き続き検討する」ということで、こちらは記述を追加させていただいたところでございます。
また、61ページ目まで若干飛びます。61ページ目の丸の最後でございますけれども、教職大学院に関する記述でございますが、教職大学院は大変重要であるけれども、履修の促進方策についてもしっかり明記をした方が良いのではないかということで、こちらは総会の委員からの御指摘でございますので、最後に、「教職大学院における履修の促進方策の検討に加え」ということで、記述の追加をさせていただいたところでございます。
主な変更点は以上でございます。若干補足説明をさせていただきたいと存じます。資料2-4の、答申をおまとめいただいた際に冊子等に附属で付けさせていただく資料についてでございます。時間の関係もございますので、若干簡潔に御説明をさせていただきたいと思いますけれども、資料2-4の一番上でございますけれども、まず、審議の際に非常に重要な観点として松木先生におまとめいただきました作業ペーパーを付けさせていただきまして、参考資料集ということで全般的な事項、それから養成・免許制度に関する事項、採用、研修、その他ということで、参考資料を付けさせていただきたいと思っております。
また、附属資料といたしまして諮問、それから委員名簿、総会から分科会、それから養成部会の委員と部会の設置について、それから審議経過について、それぞれ附属資料を付けさせていただいたものです。
この中で、1点補足をさせていただきたい事項がございまして、カラー刷りの「これからの学校教育を担う教職員の在り方に係る基礎資料・データ集」というものがございます。こちらの最後のページにA3の折り込みをさせていただきました、工程表イメージという資料を付けさせていただいております。こちらは前回の部会でも無藤部会長代理、それから分科会でも御指摘があったところでございますけれども、この答申案がおまとめいただいた際に、どのようなスケジュールでやっていくのかというものは、イメージとして何かあった方が良いのではないかということで、事務局の方で作成をさせていただいたものでございます。12月に答申をおまとめいただいた際に、こういった答申に基づいた文科省側の作業イメージというものを参考に付けさせていただいておりまして、現時点では飽くまでも工程表のイメージということでございます。今回御議論いただきまして、具体的に提言を頂きました研修の改善、採用の改善、養成の改善、それから教員育成指標でありますとか、協議会といった養成・採用・研修を通じた制度改革、それから免許制度の改善ということで大きく分けさせていただいております。
時間の関係もございますけれども、1点重要な点が、平成29年度というところに若干太めな線が入っておりまして、この答申を受けまして、文科省として様々な検討をしていくわけでございますけれども、例えば法定研修につきましても、それから教員育成指標でありますとか、協議会にいたしましても、養成の改善にいたしましても、平成29年度というのが大きいタイミングになっておりまして、それぞれの地域で平成29年度の初めからいろいろな取組ができるようなスケジュールで、我々は作業を進めていくべきと考えておるところでございます。
また、養成の改善のところにつきましては、平成29年度から大学における課程認定の準備、事前相談の反映ということで、その後の平成30年度から新課程の認定、平成31年度から、いわゆる学生たちにとっての新課程の実施というようなスケジュールで進めていったら良いのではないかと、現時点では飽くまでイメージとして考えておるところでございます。
それから、最後でございますけれども、資料2-5になります。パブリックコメントでございますけれども、文科省としてパブリックコメントを実施いたしました。10月28日から、11月14日までの間、約3週間でございますけれども、電子メール・郵便・ファックスを通じまして、国民の皆様方から合計で245件の御意見を頂いたところでございます。
内訳でございますけれども、研修に関する意見が136件ということで、一番多くの御意見を頂きました。次いで免許が49件、それから、その他22件ということで続いているところでございます。こちらも位置付けといたしましては答申案に対する意見でございますけれども、我々文科省が今後具体的な政策を考えていく際に、こういった観点を踏まえながら進めていきたいという意図から行わせていただいたものでございます。
ごく簡単に紹介をさせていただきたいと思いますけれども、次のページに別紙という1枚紙が付いております。裏表の資料でございますが、例えば「研修」につきましてはアクティブ・ラーニングの導入、現職教員にとっては経験のない教育方法の導入ということになりますので、研修が必ず求められるであろう。ただ現在の教員の多忙な状態にあって、更に新たな研修を導入するのであれば、研修全体の見直しが必要になるのではないかということで、今回、法定研修の見直しでありますとか、研修・採用・養成全般にわたっての様々な見直しを行ったところでございます。こうした多忙という観点、審議の中でも多々出てまいりましたので、こういったことを踏まえながら具体的な制度改正を行っていきたいと考えております。
また、「採用」につきましては、講師などの非正規雇用者を優先的に採用する制度の導入も検討すべきであるでありますとか、多面的な選考方法、年齢制限の撤廃など、採用システムを見直すことが重要であるという御意見を頂いているところでございます。
また、「養成」につきましては、例えば、これは最初でございますけれども、教員養成について、全ての学校教員が外国人児童生徒教育の意義と重要性、社会的必要性を認識できるような配慮が必要である。あるいは免許制度でございますけれども、一番上でございますが、教員免許更新制は学校現場の多忙化に拍車をかけているということで、これは若干否定的な意見もあったところでございますけれども、更新講習の位置付けを含め、研修体制の中で整理・統合ということで、今回十年研の見直しということで、更新講習と十年研の重複というところで、十年研を弾力化するというような提言を頂いておりますので、こうしたことも踏まえながら、しっかり制度改正を行っていくべきだと考えております。
それから、次の裏の2ページ目でございます。「全般(協議会、育成指標)」でございますけれども、育成協議会につきまして、答申案の中では、大体都道府県、政令指定都市の教育委員会単位で組織すると書かれておりますけれども、具体的な内容について示していただきたいところで、制度化に当たってしっかり示していくべき必要があるだろうと考えております。
それから、「その他」ということで、アクティブ・ラーニングでありますとか、財源についてのこと等について御意見を頂いたところでございます。
以上で、事務局からの説明とさせていただきます。
【小原部会長】 ありがとうございます。今回の答申案は、前回の部会でまとまった答申素案に必要部分を付け足す形を基本としたものであるため、前回から修正・加筆があった部分を中心に御議論いただければと思います。
それでは、御意見のある方は、名札をファイルの上に置いていただければと思います。
それでは、平本先生、お願いします。
【平本委員】 それでは、気付いたところについて発言をさせていただきます。まず、事前に頂いておりました教職員の在り方に係る基礎資料データ集を拝見させていただきました。その結果、今、教員の養成、それから現職教員の人材育成に関しての課題は、基本的にこのデータにおいても確認ができたのではないかと思います。
問題は、この教員の養成、人材育成に関する課題に対して、これから設置をされる育成協議会がどのように積極的に活用され、そして具体的な改善につなげていくか、ここに尽きるのではないかと思っています。そのときに、いろいろな視点で御意見ありましたけれども、キーワードは、協力して働く「協働」、それから「接続」、この二つのキーワードを大事にしていくことが求められているように思います。
これまで連携ということで、情報交換等はいろいろな地域で行われてきていると思います。しかしながら、教育委員会、それから大学、双方が同じ場面で協力して何かを作り上げていくということが、これまでは弱かったのではないか。今、求められているのは、そこではないか。それぞれ持っている専門性がありますので、その専門性を相互に具体的に生かし合う、この部分が大事ではないかと考えております。そのためにも、それぞれ持っている役割をより明確化して取り組むことが必要ではないかと思います。
具体的には、人材育成の指標ということが、御説明の中にもございましたけれども、この指標も、例えば教育委員会だけで作るのではなくて、教員の養成を担っている大学の関係者と一緒に作っていくことが非常に大事ではないか。なおかつ組織的に作っていくというところが重要ではないかと思います。担当者レベルで形だけを整えるということでは効果が引き出せませんので、そこの部分を大事にしていければと思います。
2点目でございますが、育成協議会を立ち上げることがスケジュールの中にもございましたけれども、具体的に立ち上げるに当たっては、手順、目的をしっかりと共有することが大事ではないかと思います。特に手順の部分に関しては、初めてのことですので、事前に実務を担う教育委員会、大学の担当者が研修等で、目的も含めてしっかりとそこを共有した上で作業に進むということが非常に大切になるのではないかと考えております。
3点目でございますが、これまでの議論の中でも、人材育成をより高めていくという点で、教員研修センターの機能強化ということがうたわれております。そのとおりだと思います。それと同時に、国のレベルだけではなくて、各都道府県や政令市等の教育センターの機能を同時に強化していく努力をしないと、連携、協働といっても、なかなかうまくかみ合わないと思います。
したがって、国のレベルの教員研修センターと同時に、各都道府県や政令市等の教員センターの機能を高めていく、ここは非常に重要なポイントではないかと思います。
最後でございますが、取組をする以上、評価をしっかり行わないと、その質を担保できないだろうと思っております。大学の教員養成に関しては、今、学芸大学を中心に、教職課程の取組そのものの質を担保していくため、教員養成教育を相互評価するシステム構築の取組が行われています。このようなことが任意の大学ではなくて、より多くの大学が積極的に参加していくことが非常に重要ではないかと考えております。
同時に、各都道府県や政令市等の教育センターが教職員研修を行ってまいりましたけれども、都道府県レベルの教職員研修の質そのものも評価をして、しっかりとそこを担保していくようにしていきませんと、なかなか効果を引き出せないと思っております。その点に関して、大学の教員養成については、学校現場の視点からの評価も必要でしょうし、逆に、大学の高い専門性を生かし、都道府県・政令市等の教育研究活動に関しても評価をしていく。相互の取組がかみ合ってくることが大変重要ではないかと考えております。
以上でございます。
【小原部会長】 松木先生、お願いします。
【松木委員】 今、平本先生からお話がありました内容と重なってしまうかと思いますが、この答申が実現していったとき、育成協議会というのが非常に大きなウエートを持っていくということを改めて感じます。それを今度は工程表の中でもう1回見直していこうと思ったときに、育成協議会は都道府県等の教育委員会が設置していくことになるかと思うのですが、教員研修の中身そのものを論議していくわけですので、例えば教育委員会にとって不都合なこともあるような発言をするような大学に関しましても、はじいてしまわないような制度といいますか、両者がきちんと協議をしながら、協働で進めていけるような協議会の設置の仕方というところに一つ工夫をしていただきたいという気がいたします。
同時に、育成協議会が作成する育成指標に関しましても、作れといわれても困るところも結構あると思っておりまして、是非とも育成指標の指針の準備といいますか、モデルになるようなものを施行前の諸準備の段階のところで、是非ともモデルになるものを御提示いただけることを考えていただきたいと思っております。
以上です。
【小原部会長】 永田先生、お願いします。
【永田委員】 ありがとうございます。読ませていただいて、全体の方向がプラス思考できちんと整理されていて、このままの形で進めていただけることに賛成いたします。
なお、教育課程の免許の表に関するパブリックコメントの中に特別活動に関する複数の御意見が含まれていましたが、私たちが見落としがちな課題が指摘されているとも感じました。例えば特別活動は日本型教育の下地としての学びの環境を作っているもので、昨今も海外から日本の当番活動や係活動などの集団活動を視察に来るなど、世界に発信できるもので、私たちはこれを日本型教育として自負しているのですが、それは学校の集団活動についての教員養成段階からの適切な理解などから一層確実なものになると思います。
そのことに関して、コメントが指摘していますように、特別活動が、もしかしたらあやふやに扱われる不安もあるのではと思いました。現在は、教職課程で実質2単位が確保されて進んでいるのがほとんどですが、選択幅の広がった10単位の中で、例えば道徳に、総合に、アクティブ・ラーニングになどとカウントしていくと、特別活動が現在よりやや狭く、ほかとの複合的な形で扱われることや、時にほとんど扱われないこともあるのかもしれないと感じています。
これは、例えばこの10単位の名称が「道徳、総合的な学習の時間等の指導方法及び~」となっていて、特別活動が「等」という言葉に含まれていることから、そのような印象があるのかもしれないと感じられました。もちろん、このことは全体的な御判断の方向だとは思いますが、気掛かりを持つ方もいらっしゃるかもしれないので、今後一層クリアになっていけば良いと思いまして、感想を述べさせていただきました。
もちろん、答申案の方向として、今回の形で進められることに賛成しております。
【小原部会長】 ありがとうございました。
それでは、渋谷先生、お願いします。
【渋谷委員】 この答申は長い時間を掛けて文言修正もし、いろいろな要素を加味してここまで来ましたので、賛成の立場から発言させていただきますが、議論の途中でも、時折そのような懸念で御発言があったように私には聞こえたのですが、この答申がきちっと実を結ぶためには、気を付けなければいけない点が2点ほどあるかなと思います。先ほど、平本先生などがおっしゃってくださっていることと、ある意味では関連しますけれども、一つは、現状でも先生は忙しいのだと、これを更に加えていったときに、研修の成果が上がる前に更に忙しくなってしまって、やらされ感が蔓延(まんえん)しないだろうかという懸念が一方であります。そこには是非御配慮いただいて実施していっていただければというのが1点です。
2点目は、この委員会で私が時折申し上げるぐらいのものだったかもしれませんが、教員が100万人ぐらいいるという中で、私は二層分化しているように思うのです。そういう意味で、大手企業などは階層研修ということで、1次から5次、6次まで研修しますが、基本的に5次研修、6次研修あたりになると幹部候補生養成になっております。それなどを横目で見て考えると、研修についても、もちろん初任研というのは入ってきたばかりの人たちを対象にしますから、そういう内容になっているのは当然ですけれども、十年研とかそういうものも含めてですけれども、基本的に子供たちにきちっと対応する先生方への研修と、それから教育委員会とか校長先生とか、どうしても管理運営上責任を負うそのような人たちの研修との間に、おのずとどこからか内容的な分岐点があるかと思うのです。
その辺も含めて、大きく二層構造的な研修体系を考案していただくように、私は期待しております。
以上、2点懸念を申し上げました。
【小原部会長】 ありがとうございました。
本来、私の立場で意見を言うのも問題があると思うのですけれども、個人として少し感じたことを述べさせていただきます。現在行われている免許更新制の講習ですが、しばらくすると2サイクル目に入っていきます。そのときの内容を各大学、教育委員会は考えていかなければ、同じことの繰り返しという批判は出るのではないでしょうか。
二つ目です。実際私も小中の現場を預かっている立場なのです。私学は特に十年研というような義務がありませんが、今回の答申で参加できるようになれば、我々としても有り難く思っております。
加えて、実際、指導力の観点でいろいろ問題が出てくるのが20年目、30年目です。その先生方を対象とした何かが必要ではないかと感じております。管理職研修というのはありますけれども、管理職に手を挙げなければ対象外となってしまいます。その辺を踏まえて、二度目、三度目の免許更新制の講習と、20年、30年目の研修をどう組み合わせていくかというのが、今後大学にとっても、また教育委員会にとっても課題になるのではないかと考えています。
三つ目です。小学校と中高を比較しますと、中等教育の場合は基本的には1教科担当であるのに対して、小学校は基本的には全教科対応になっています。それを養成するときに、ほぼ同じような単位数で大丈夫なのかと懸念しております。特に雇用者側として、これだけの単位数で指導力が付くのかどうかの懸念があります。今後、学校新課程では五、六年生から英語が教科化されます。そのときに、従来の枠組み、59単位の中で小学校教員養成をやっていたところに、小学校の教科内容及び指導法というところまでカバーするとなると、若干単位が足りないのではないかという懸念があります。
こういったことを少し、私個人の意見として述べさせていただきました。
福田先生、お願いします。
【福田委員】 ありがとうございます。今、お話を伺いながら、現場の管理職として、本当にそうだと思いました。教員の研修の種類としては、実際に子供に対応する指導方法に関する研修と、運営面や組織面に関わり管理職等広い視野で仕事を行っていくための研修があります。ところが、今の所、教員のほとんどは指導方法に関わる研修の方にしか関心を示さない、という傾向が見られます。
それはどうしてかと考えると、私もその一端の責任を担ってはいるのかもしれませんが、管理職像への魅力が足りないのではないかと思っています。ですから、今、管理職のなり手がなく、副校長がいない学校は、やがて東京都では近々できるのではないかという中、なりたい管理職像に向かうための研修の充実とともに、権限の保障とか、待遇面とか、仕事の精選とか、そういうなりたい管理職像に向かうための整備方面も併せて考えていく必要があると思います。
答申自体については、私は、これほどまでいろいろな考えを吸い上げて、組み立ててくださるのだと思って、この方向で行っていただきたいと思っていますが、今後、実際面で教育現場を改善していくために必要な視点として受け止めていただけたらと思っています。
そのことと、もう一つは、先ほど永田委員に全ておっしゃっていただいた内容について私も発言させていただこうと思っていたところでした。私は、道徳と特別活動は日本の学校教育を支えている大きな二つの両輪だと思っています。アクティブ・ラーニング等、新しいものも時代に合わせて必要だと思います。ただ、ここまで学校現場が積み重ねてきて世界に誇れるものがある。それは、教科外のところで積み重ねてきた、子供たちを育ててきた特別活動や道徳教育などが日本の学校教育の特色となるものと思っています。そこでの意識を教員養成の段階から持てるように、研修の内容、時数だけではないと思います。誰が、どのように教えるというところを具体的に考えていっていただけると、ますます良い方向に進むと思います。
ありがとうございました。
【小原部会長】 ありがとうございました。
岸田先生、お願いします。
【岸田委員】 パブリックコメントも終わり、文言の微調整等の段階に入りましたので、答申案については、こういう形で良いのかなと思っています。そういう中で、今回、工程表を出していただいたことの意味は大きいと思っています。特に、これを見る限り、平成28年度どう動かしていくかということが、この答申が意味のあるものとなるかどうかということを分ける大きな年になると思っていまして、その点での事務局の動きに期待したいと思っています。
その中で、1点だけ。育成協議会が全国で動いていく中で、一定レベル以上の協議会の質というか、指標の質というか、それを担保していく必要があります。その際、協議会と大学との関係性については、全国的に見ると、まだ温度差が随分あって、つまり放っておいても十分な質が期待できるところと、そうでないところがあると思うのです。その辺の実態をきちっと把握して、そのばらつきをどう是正していくかという視点で少し動いていただく必要があるのでないかと思いますので、その点だけ申し上げておきたいと思います。
【小原部会長】 若江先生、お願いします。
【若江委員】 ありがとうございます。もしかしたら少し的外れなことを申し上げているのかもしれませんが、単純に疑問を抱きました。これまでも様々な答申をまとめてこられて、同じようなプロセスでいろいろな方針や制度ができてきたのだと思うのですけれども、なぜ現場に、このような良いことがうまく伝わらなくて、うまく実践されないのかということです。都道府県ですとか市町村の教育委員会の在り方というのがすごく重要で、特に今回はいろいろなところで教育委員会と大学の連携ということが出てくるわけです。現場への丁寧な導入が工程表で提示されていたとしても、その要にあるところの教育委員会への効果的な情報伝達はどのようになされていくのでしょうか。
お話の中にありましたように、松木先生が、例えば教育委員会と大学との連携で、嫌なことを言う大学が無視されないようにとか、平本委員のお話にもいろいろありましたし、渋谷委員の御意見にもあったように、本来、企業であればトップが先の方向性に対して正しく理解をし、それに対して力強い推進をしていくと思うのですけれども、これまでの私の感覚ですと、教育改革についての推進力を減退させているのは教育委員会のそのものではないかと思います。
そういう意味で考えると、こういった答申の中身を、教育トップである教育長に、誰がどのように正しく説明をしていくのでしょうか。教育トップが正しい理解をしていないことには、教育委員会という組織は正しく効果的に機能しないと思います。本当に単純な疑問として、こういったことを教育行政のトップに誰がどのようにきちんと伝えていくのかということが、大きな疑問として残りました。
【小原部会長】 ありがとうございました。
それでは、本日頂いた御意見を踏まえ、中央教育審議会初等中等教育分科会、そして総会へ答申案を報告させていただきますが、今日まで皆様から頂いた御意見、方向性、大体固まったと思いますので、この後の文言の調整等については、部会長一任とさせていただいてよろしいですか。

(「異議なし」の声あり)

【小原部会長】 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
教員養成部会では、諮問を受けた昨年の7月から本会まで、実に19回にわたり審議を行ってきました。お忙しい中、毎回多くの皆様に御出席頂き、活発な御議論を行っていただきました。おかげさまで、本日、答申案として大方まとめることができました。皆様方の御協力に深く感謝申し上げます。
今後も継続して検討が必要な課題も幾つかございますので、お忙しい中とは存じますが、引き続き御協力いただけますようお願い申し上げます。
それでは、次に、議事(3)教職課程認定基準の改正について、事務局から説明をお願いします。
【山口教職員課専門官】 失礼いたします。資料3-1を御覧いただければと思います。昨年の11月6日に、こちらの部会の報告で、これからの学校教育を担う教員の在り方についてという報告を行っていただいておりますが、この中で、小学校教諭免許状と中学校教諭免許状の併有を支援するために、大学の教職課程の内容の見直しを検討する中で、例えば学校種別ごとの修得が求められている教職科目の統合、小・中学校全体を俯瞰(ふかん)した児童生徒の発達段階や教育問題に係る指導の充実などについても検討を進めていくことが重要であるとされているところでございます。
これに合わせて、少々遅れましたが、この対応を行うための教職課程認定基準について所要の改正を行いたいと考えるものでございます。
現状につきましては、1ぽつの表の中に行っているように、幼稚園と小学校、あるいは中学校と高等学校の間では共通化しておりますけれども、小学校と中学校の間では共通化していないというような状態のものが幾つか見られるものでございます。
具体的には、教育課程の意義及び編成の方法、教育の方法及び技術、教育相談の理論及び方法、これについては幼稚園から高等学校まで科目の開設が求められているというような制度上の枠組みになっておりますが、小学校と中学校の間には共通開設は認められていないというような基準になっているものでございます。
同様に、丸4から丸6の特別活動、生徒指導、進路指導につきましては、小学校は別、中学校と高等学校については共通が可能となっております。また、丸7の道徳の指導法については、小学校と中学校の課程に置くことになっておりますが、これは別々の開設を求めているという状況がございます。
この当時の部会の報告の御審議の中、あるいはそのほかにおいても、内容によっては小・中学校間でも共通化できるのではないかという御議論があり、また、このときの義務教育学校の設置に合わせて、この小学校、中学校の間の授業科目の共通化を行ってはどうかという御意見があったところでございます。
このため、2ぽつのように、小学校教諭及び中学校教諭の教職課程において、授業科目に共通に開設できる範囲の拡大をしてはどうかというものでございます。
具体的には、先ほどの丸1から丸7について、設置を求められている学校種の方で、小・中学校間の共通化するのが不可能な部分についても、併せて共通開設を可能とするような基準の改正を提案するものでございます。
2枚目に行きまして、小中間の共通開設可能な範囲について、改めて表としてまとめさせていただきました。現行のところでは、教職の意義等に関する科目、教育の基礎理論に関する科目、及び教職実践演習については幼稚園から高等学校まで共通開設になっておりますが、改正案の方で、その中間にあります教育課程及び指導法に関する科目の一部、及び生徒指導、教育相談及び進路指導等に関する科目について共通開設可能とするものでございます。
具体的な情報につきましては、資料3-2を御覧いただければと思います。同一学科等においてのみ、授業科目を共通に開設できる場合の特例として、現行、この共通開設科目の基準を置いております。この中の4-8の(2)の教職に関する科目において、ローマ数字小文字の2の方を削除した上で、改正案の方では(2)のローマ数字小文字の1に、幼稚園から高等学校等まで共通開設可能なものを追加し、また、学校種によっては種類が異なるということもありまして、ローマ数字小文字の2と3と4を付け加えさせていただきまして、条末としてローマ数字小文字の5番を置いているものでございます。
なお、適用の時期につきましては、本基準は平成29年度からの教職課程の認定を受けようとする申請校に適用するものでございます。具体的には本年度末に御申請を頂く大学から全て適用ということになります。
簡単ではございますが、説明は以上とさせていただきたいと思います。
【小原部会長】 この件について、何か御質問ございませんか。既存の大学は、平成28年度から実施ということが可能ですね。
【山口教職員課専門官】 そうです。現行の場合は、申請校についてはうたわれておりますが、既存の学校については、順次適用ということを暗にうたっているだけですので、事実上、変更届で対応可能ということになります。
【小原部会長】 大幅に変わりますけれども、採用者側あるいは教員養成側として、問題はありませんか。よろしいですか。
永田先生、お願いします。
【永田委員】 この改正案と現行の表の比較を拝見させていただいて、今回の答申を踏まえた今後の方向を考えていると、段階的にこのようにやっていくことも必要なのだというのは意識しております。その上で、難しいことながらも、例えば今は道徳の指導法、特別活動の指導法などについて、ここ三、四年、小・中学校対象のクラスを別々に開設することが求められてきて、私の大学でもクラスが六つあって、それを小学校対応と中学校対応の授業に分けて、それぞれの学生が免許に相当するものを履修するようにということで、かなり強力に推進し、そしてまたシラバスも分けることを努力してきております。
中学校段階は、私も以前、意見で申し上げましたように、小学校段階と違う道徳の授業の課題が実に広く見られます。授業をどの程度きちんとできているのか。お皿が並んでいるけれど、中身が入っていないのではないかというような、様々な課題があったので、小学校と中学校では指導の在り方を変えてきているというところがあります。したがって、その充実させてきた部分がもったいないという印象もあります。ただ、今回、道徳教育の「理論」という部分が科目名に入ってきて、この理論については小中学校が共有する部分も多いので、それをまた、小・中別々の免許のときに2回重ねて履修するというような、そのような難しさもあるのも一方で感じていました。そのあたりの両面からの課題を考えていただいて、今後対応していっていただけたらと感じております。この方向を受け止めながらも、そのように感じております。
以上でございます。
【小原部会長】 ありがとうございました。
この結果、併有は履修しなければいけない免許の単位数は少なくなるのですか。
【山口教職員課専門官】 併有として、共通開設の科目を設置した場合、履修単位数は減る形になると思います。
【小原部会長】 よろしいですか。特にないようですので、この件は終わりにさせていただきます。
これを持ちまして、本日用意された議案、全て終了いたしました。今後の日程について、事務局から説明をお願いいたします。
【大江教職員課補佐】 失礼いたします。今後の日程につきましては、改めまして御連絡をさせていただきます。なお、答申案でも言及されておりますけれども、今後、当部会において、現在、教育課程特別部会において審議中の新たな教育課程を踏まえた免許制度改革については、改めて御審議を頂く予定でございます。そのため、教育課程の基準の在り方についての議論を行いながら、開催をしていくことになると思います。引き続き、お願いいたします。
最後に、局長から御挨拶をさせていただきたいと思います。
【小松初等中等教育局長】 皆様、いろいろとかなり長丁場の、また、相当な労力を掛けての御審議、誠にありがとうございました。今日、御議論を拝聴しておりまして、中身的には皆様方のいろいろな御指摘が練り上がってきたのかなということと、それから、それを実際進めていくのに二つのことを大きく考えなければいけないと思いました。
一つは、とにかくシステムを動かす運用の部分、これが、このシステムを作っていただいている精神にきちっと沿うように工夫していかなければいけないということだと思います。この点、言うはやすく行うは難い部分がございますので、現場もいろいろな多様性がございますけれども、よく意思疎通をして進めていく責任があるということを、改めて感じております。
もう1点は、今回のおまとめいただきました今の案でございますけれども、実は学校教育全体や、それを取り巻く環境が大きく変わっていくわけでございます。学校間の接続といったことをどう考えるかというのは、今日、答申案ではなくて、その後の制度のことも出てまいりましたが、これも単発な課題ではなくて、学校体系をどう考えるか、しっかりとやり方をどう考えるかというところで問題になっている事項だと思っております。
私どもに任せられて、中教審の方にお願いをしている課題としても、しばしばこれも御議論いただいています教育課程全体、学習指導要領の全面改訂、この問題がございます。これと、ここで御議論いただいたものは、単に養成科目の見直しとか、採用の在り方の見直しだけではなくて、トータルのシステムとしてどうしていくかということと連動して考えなければいけない。
それから、予算が中心で今、動いておりますけれども、教職員定数といった指導体制の問題、もともと義務教育でいえば、公立については標準法というものがありますけれども、こういった制度そのものも、時代に合わせて考えていかなければいけないという主題はあると思いますけれども、まずはこれを動かしていくとなると、そのあたりを厳しい財政状況の中でもきっちりやっていかなければいけない。こういったものと連動した中に、頂いている答申案があるのかなと考えておりますので、関連の施策を怠りなくやっていかなければいけないと思っております。
今後のスケジュールといたしまして、小原部会長と最終的に文言をチェックされたものが中教審のそれぞれの段階に行って答申になるものと思います。スケジュール的には通常であれば年末ぐらいには最終的にそれを頂くとすると、次の国会が年明けから始まりますので、迅速を旨として考えますと、その国会に掛けなければいけないような制度改正があるのですけれども、それを私どもが大車輪で作業してやらなければいけないと思いますし、それを取り巻く政省令や予算といったものが年明けから動いていくことになるということだと思います。そういたしますと、ここにお集まりの先生方にも、またこれからの主題とともに、この問題そのものについても種々お知恵を頂いたり、御指導いただいたり、御相談をするという場面が出てくるかと存じます。お忙しいところ、誠に申し訳なく存じておりますが、引き続き、どうかよろしく御指導、御協力のほどお願いいたしまして御挨拶とさせていただきます。
どうもありがとうございました。
【小原部会長】 どうもありがとうございました。
それでは、予定より早いようですけれども、本日はこれにて閉会といたします。長い間、どうもありがとうございました。

お問合せ先

初等中等教育局教職員課

-- 登録:平成27年12月 --