ここからサイトの主なメニューです

教員養成部会(第88回) 議事録

1.日時

平成27年9月10日(木曜日) 15時00分~17時00分

2.場所

学術総合センター(一橋講堂)特別会議室

3.議題

  1. 教育課程部会における進捗状況について
  2. これからの学校教育を担う教員の在り方について(関係団体からの意見聴取)
  3. その他

4.議事録

【小原部会長】 それでは、時間となりましたので、ただいまから第88回中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会を開催させていただきます。
 本日は御多忙の中を御出席いただき、ありがとうございます。
 それでは、事務局より、本日の配付資料の確認をお願いいたします。
【片見教職員課専門官】 よろしくお願いします。配付資料の確認をさせていただきます。
 資料は二つ固まりを置かせていただいておりますが、まずは薄い方の固まり、クリップ止めの資料ですけれども、一番上に座席表、1枚物、その次に議事次第、1枚物、その次、資料2といたしまして、全国高等学校長協会から頂いた資料、資料3としまして、全国特別支援学校長会から頂いた資料、資料4としまして、全国都市教育長協議会から頂いた資料、資料5といたしまして、全国町村教育長会から頂いた資料、資料6といたしまして、日本私立大学団体連合会から頂いた資料、それから資料7としまして、中核市教育長会から頂いた資料になってございます。
 それから、もう一つの方のちょっと分厚い方の資料ですけれども、三つございまして、資料1‐1としまして、教育課程企画特別部会の論点整理という資料、資料1‐2としまして、その論点整理の補足資料、それから資料1‐3としまして、次期学習指導要領改訂に向けた検討体制の資料になってございます。
 乱丁・落丁等ございましたら、事務局までお知らせください。
【小原部会長】 それでは、本日の会議の進め方について説明いたします。
 本日は、教育課程部会の審議の進捗状況について報告を受けた後、前回に引き続き、関係団体からのヒアリングを予定しております。
 それでは、まず、教育課程部会の進捗状況について、事務局よりお願いいたします。
【小野教育課程課専門官】 失礼いたします。事務局、教育課程部会教育課程企画特別部会担当の教育課程課の小野と申します。よろしくお願いいたします。
 私から、8月にまとめていただきました教育課程企画特別部会の論点整理と今後の進め方について御報告をさせていただきます。
 お手元、資料1‐1として配らせていただきましたものが、企画特別部会でまとめていただきまして、その後、教育課程部会で承認いただいた論点整理でございます。ざっとかいつまんでポイントを御紹介させていただければと存じます。
 今回のこの改訂の中で新しい学習指導要領が目指す姿としまして、幾つかポイント、キーワードとなるところがございますが、まず一つ目に、「育成すべき資質・能力について」の考え方を整理した部分がございます。お手元の資料のページでいきますと、9ページ、10ページ、11ページに掛けてでございます。
 10ページのところで、「資質・能力の要素」としまして、これからの子供たちに求められる育成すべき資質・能力を「三つの柱」で整理するということを打ち出しています。
 一つ目には、「何を知っているか、何ができるか」という「個別の知識・技能」という観点、二つ目には、「知っていること・できることをどう使うか」という「思考力・判断力・表現力等」と言うべき観点、それから三つ目に、「どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか」という「学びに向かう力」、広い意味での「人間性等」と捉えられるような力、こういったような観点にこれから育むことが求められる資質・能力は整理ができるのではないかという考え方を整理しております。
 そして、こういったようなこれから求められる資質・能力を育んでいくためにはどのような学び方が必要かということを、16ページ以降の「学習活動の示し方や『アクティブ・ラーニング』の意義等」というところで少し整理をしております。
 17ページの冒頭に「『アクティブ・ラーニング』の意義」としまして、先ほど申し上げたような資質・能力のうち、特に思考力・判断力・表現力等の力は、学びの中で実際にそういった力を使って問題発見・解決に臨むような場面を経験することによってこそ磨かれていくということがございます。
 また、そうした学びを推進するエンジンとなるのは子供の学びに向かう力であり、これを引き出すためには、実社会や実生活に関連した課題などを通じて動機付けを行い、子供たちの学びへの興味と努力を維持し続ける意思を喚起する必要がある、ということが言われております。
 こういったことを踏まえまして、「アクティブ・ラーニング」の視点からの学習指導方法の改善ということで、18ページに三つの観点をまとめております。
 「アクティブ・ラーニング」という言葉につきましては、その定義、捉え方が様々なところがございますけれども、この教育課程部会での議論を進めていくに当たりまして、様々な、例えば教育委員会関係の方からよくお問合せを頂くのは、「アクティブ・ラーニングの推進」ということが一つの学習方法の型にはめるようなことにいくのではないかというようなお尋ねを頂くこと、御懸念を頂くこともございましたが、今回の論点整理で整理しておりますのは、特定の授業の型等を一方的に決めるということではなくて、ふだんの授業のやり方について改善を図っていくということであることを入れております。その授業の改善、指導方法の改善を図るのをどういう観点でやっていくかということが、18ページに三つの観点を挙げております。
 一つ目は、「修得・活用・探究という学習プロセスの中で、問題発見・解決を念頭に置いた深い学びの過程が実現できているかどうか」ということ、それから二つ目に、「他者との協働や外界との相互作用を通じて、自らの考えを広げ深める、対話的な学びの過程が実現できているかどうか」、3番目に、「子供たちが見通しを持って粘り強く取り組み、自らの学習活動を振り返って次につなげる、主体的な学びの過程が実現できているかどうか」、こういった観点から、子供たちの学習がより改善されるように不断の授業改善等を図っていくことが必要であるということが挙げられております。
 それから、この「アクティブ・ラーニング」の視点からの授業改善も含めたカリキュラム全体に係る話としまして、21ページ目以降に「学習指導要領等の理念を実現するための必要な方策」の1番目に、「『カリキュラム・マネジメント』の重要性」ということを入れております。このカリキュラム・マネジメントにつきましても、その考え方を三つの側面から捉えております。22ページの中段でございます。
 「各教科等の教育内容を相互の関係で捉え、学校の教育目標を踏まえた教科横断的な視点で、その目標の達成に必要な教育の内容を組織的に配列していくこと」、それから、「教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る一連のPDCAサイクルをしっかりと確立すること」、それから、こういった教育課程の実際のサイクルを実現するために、「教育内容と、教育活動に必要な人的・物的資源等を、地域等の外部の資源も含めて活用しながら効果的に組み合わせること」といったことが挙げられております。
 こういった「資質・能力」の整理、「アクティブ・ラーニングの意義」、それから「カリキュラム・マネジメントの重要性」を総論で掲げた上で、本日、詳細な御説明は割愛させていただきますけれども、これに加えて各学校団体、各教科等におきましては、例えば英語におきましては小学校段階からの充実、高等学校の各教科におきましては、高大接続の観点も踏まえた新しい科目の設定なども含めた大幅な見直しを検討することとされております。
 これらの各学校段階、各教科等における具体的な検討は、お手元資料1‐3にあります「検討体制」という資料がございます。
 この検討体制につきましては、無藤先生に部会長を務めています教育課程部会の下に教育課程企画特別部会を置いております。その下に更に幼児教育・小学校・中学校・高等学校・特別支援の学校段階ごとの部会を置きまして、更に学校段階を通じた各教科分野等のワーキンググループとしまして、総則評価特別部会、国語ワーキンググループ以下、各ワーキンググループを置きまして、これからここで専門的・具体的な議論をして、おおむね年度内にはこういった部門別の議論をまとめていただければと考えております。
 こういった学習指導要領の理念を実現していくためには、教員養成・研修・採用の在り方と一体的に歩調を合わせて検討していくことが不可欠であるという提言を頂いております。是非これからの養成部会の議論におきまして、この特別部会で挙げられた論点整理の方向性と歩調を合わせて進めさせていただくことができればと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
【小原部会長】 ありがとうございました。
 それでは、次の議事に移ります。
 本日は、八つの団体の方から、前半・後半に分けて意見を頂きます。
 まず、前半の4団体の方を御紹介させていただきます。
 全国高等学校長協会、宮本久也会長。
【宮本会長】 よろしくお願いします。
【小原部会長】 全国特別支援学校長会、横倉久会長。
【横倉会長】 よろしくお願いいたします。
【小原部会長】 大井靖事務局長。
【大井事務局長】 よろしくお願いします。
【小原部会長】 大和田邦彦事務局次長。
【大和田事務局次長】 よろしくお願いします。
【小原部会長】 全国都市教育長協議会、後藤恒裕会長。
【後藤会長】 後藤でございます。よろしくお願いします。
【小原部会長】 全国町村教育会長、村尾知昭事務局長。
【村尾事務局長】 よろしくお願いします。
【小原部会長】 各団体、10分程度で御説明いただき、前半・後半それぞれの最後にまとめて質疑応答と意見交換を行いたいと考えております。
 それでは、全国高等学校長協会より御発表をお願いいたします。10分程度でお願いいたします。
【宮本会長】 失礼いたします。全国高等学校長協会の宮本でございます。
 今般出されました教員養成部会中間まとめにつきまして、全国高等学校長協会として意見を述べさせていただきます。お手元の資料2を御覧いただければと思います。
 本中間まとめにおける1の「検討の背景」、2の「これからの時代の教員に求められる資質・能力」についての認識につきましては、本協会としても基本的に同じ認識でございます。それを踏まえた上で、3の「教員の養成・採用・研修に関する課題」、4の「改革の具体的な方向性」につきまして意見を述べさせていただきたいと思います。
 特に高等学校は、小・中学校と異なりまして、全日制、定時制、通信制のそれぞれの課程による違い、あるいは普通科、専門学科、総合学科等、学科による違いによりまして、学校の性格・目的が大きく異なっております。
 また、現在、中学卒業生の約98%が高等学校に進学する状況において、例えば同じ学科の学校でありましても、在籍している生徒の状況によって教育内容が大きく異なってまいります。例えば普通科でありましても、そのまますぐに大学教育を受けるに十分な力を持っている生徒が集まっている学校もあれば、小学校の学習についての知識も十分定着していない生徒が多い学校、あるいは学習に対する意欲も余り高くない生徒がいる学校、そういう学校もございまして、学校によっての違いが非常に大きいという特性がございます。教員の養成・採用・研修に当たりましても、これらの特性を踏まえた上でお考えいただくことが重要であると考えます。
 それでは、具体的な内容について簡単に説明させていただきます。
 まず、3の「教員の養成・採用・研修に関する課題」でございます。まとめの8ページに「教員研修に関する課題」というところで、「日常業務の多忙化などで必要な研修のための時間の確保が課題である」と挙げられています。まさに教員の多忙化ということがいろいろなところで言われているわけで、しっかり研修をするためには、それだけの時間をどう確保するかということは、極めて大きな課題だと思っております。
 そして、その解決策として、チームとしての学校の力の向上にかかる方策が述べられております。このような方向性についても、十分理解はできますけれども、これらの課題の根本的な改善には結び付かないと考えております。教員の定数増、あるいは学級の定数を減ずるなどの予算措置を強力に推進していただきたいということをお願いいたします。
 続きまして、4番目の「改革の具体的な方向性」についてでございます。
 まず、中間まとめの13ページには、「養成・採用・研修を通した資質・能力の向上について、様々な施策を進めていくために、教育委員会と大学の連携、教育委員会、大学等の関係者が一体となって体系的に取り組む」と書かれてございます。
 この方向性は、まさにそのとおりだと思うのですけれども、是非ともそこの中に、学校現場で直接教育に携わっている者を加えていただきたい。最初に申しましたように、高等学校は様々、多様でございますので、是非、この中に、それぞれの学校の関係者を入れていただくことによって、よりよい政策になるのではないかと思います。
 それから、同じく13ページに、国が示した指針に基づきまして、各地域が教員養成の指標・研修計画を作成する方向性が書かれてございます。この方向性についても賛成でございます。
 ただ、ともすればこういう指標・計画は非常に抽象的なものになりがちな傾向がございます。是非、策定に当たりましては、学校の状況を十分に把握していただいた上で、具体的で分かりやすい、誰が見ても分かりやすいような形の指標や計画、こういうものにしていただけたらと思っております。
 それから、16ページに「新たな教育課題への対応」というところでございます。中間まとめでは、新たな教育課題へ対応していくために校内研修システムの構築、あるいは各課題についての校内研修の必要性が述べられてございます。次々と起こってまいります新しい課題に対応するための研修の必要性は十分理解ができるものでございますが、そういう研修をしっかりやればやるほど、それだけ教員の時間的負担が増えるということ、これも間違いないことでございます。そして、研修を実施することによって、一番大事にすべき生徒と接する時間が少なくなってしまうことにならないような施策を是非お考えいただけたらと思います。
 続きまして、23ページのところでございますが、教員免許更新講習と十年経験者研修の在り方についてでございます。中間まとめでは、十年経験者研修を「中堅教員能力研修」として地域の実情に応じた時期に受講させるなど、教育公務員特例法の見直しを行う、ということでまとめられております。これは極めて重要ですし、是非こういうふうな形で柔軟な対応ができるように整備をしていただきたいとお願いいたします。
 続きまして、28ページには、「学校インターンシップ」を導入していくことが書かれてございます。学校インターンシップの導入は、中間まとめにも書かれていますように、学生の実践的な指導力の基礎の育成には極めて重要であると考えますし、また、インターンシップの学生を受け入れる学校にとりましても、教員の手が届きにくいところにきめの細かい指導が可能になるという利点もあると考えます。
 しかし、その反面、インターンシップを行う学生への指導、あるいは、これらのインターンシップを単位化するとなれば、当然、そこに評価ということが関わってまいります。そういうようなことになりますと、教員の負担がインターンシップを受け入れることで逆に増えることも予想されますので、これらに対する対応についても是非お考えいただきたいと思います。
 続きまして、まとめの31ページですが、「教職課程担当教員の資質・能力の向上等」というところでございます。中間まとめには、学校現場体験を含む実践的な内容の研修は極めて重要であると書いてありまして、まさにそのとおりだと思います。
 現在、現職の教員が大学や大学院で研修を受ける機会は担保されておりますけれども、逆に、学生を指導する教職課程の担当教員が学校現場に出て研修を行う機会は、極めて限定的であると考えられます。
 また、そういった研修やあるいは視察が行われたとしても、その場所は、例えば大学の附属学校や、あるいは教育研究のモデル校のようなところが多いように思われます。最初に申しましたように、高等学校の多様性、特に初任者等経験の浅い教員は、例えば生活指導の課題の多い学校であったり、学習指導の課題の多い学校に配置されることが多いというような状況を考えていきますと、是非、学生を指導する教職課程担当教員が生活指導や教科指導の困難な学校において実際に実践的な研修を行ったり、あるいはこれらの学校を視察していただくことが、生徒を育成する上でも大変重要なことだと考えます。御承知のように、昨今、児童・生徒の実態が本当に日々刻々変化していくという状況の中では、少なくとも数年に1回程度、是非こういうふうな研修を行っていただくと、随分効果があるのではないかと思います。
 最後に、31ページの「教科に関する科目の充実について」というところでございます。冒頭申しましたように、高等学校への進学率の上昇、あるいは生徒の多様化という状況の中で、現在、高等学校には、学習に興味・関心を持たない生徒が現実に数多く在籍してございます。このような生徒に対する教員の指導で大切なことは、教師自身が生徒の学習内容が理解できないとか、学習に興味を持てないという状況をきちんと理解できるかどうかということだと思います。
 一般的に教員志望の学生は、例えば英語の教員を志望する学生は、その英語の学習が得意であったりという形で、そういう専門とする教科の学習が得意であったという人が多いと考えます。また、ほとんどの学生は、教育実習等を自らの母校で行っている状態であります。したがって、教師になるまで、このような生活指導あるいは学習指導に困難な生徒と触れ合う機会がないことが、現実には大多数ではないかと思います。
 実践的な指導力を備えた教員を育成するに当たりましては、生徒指導あるいは教科指導困難校等、様々な学校で教育実習あるいはインターンシップを行って、そして教員になることが極めて重要であると考えます。
 以上でございます。ありがとうございました。
【小原部会長】 どうもありがとうございました。
 続きまして、全国特別支援学校長会より発表をお願いいたします。
【横倉会長】 皆さん、こんにちは。
 私ども、全国特別支援学校長会でございます。私どもの校長会は、全国1,096校の特別支援学校の校長で組織されております団体でございます。本日は、こういう機会を頂きまして、まことにありがとうございます。
 さて、我が国においては、「障害者の権利に関する条約」が批准されるとともに、来年4月に迫った障害者差別解消法の施行を前に、共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システムの構築へと大きく動き出しています。
 特別支援教育は、共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のために必要不可欠なものであります。特別支援教育を推進していくことは、子供一人一人の教育的ニーズを把握し、適切な指導及び必要な支援を行うものであり、障害のある子供も、障害があることが周囲から認識されないものの学習上又は生活上の困難のある子供にも、さらには全ての子供にとって、よい効果をもたらすものであると私たちは考えています。
 特別支援学校にとっては、個別の教育的ニーズのある幼児・児童・生徒に対して、自立と社会参加を見据えて、その時点で教育的ニーズに最も的確に応え得る指導が提供できる教員の専門性が生命線であります。
 こうした視点に立って、教員養成部会がこれからの学校教育を担う教員の養成・採用・配置・研修等を通じて、一体的に教員の養成を改革していくという方向性、教員免許法附則第16項の廃止への取組、「これからの教員に求められる資質・能力」等に特別支援教育の推進に係る教員養成の基本的事項が明確に位置付けられたことは、インクルーシブ教育システム構築を推進する画期的な中身であり、全特長として賛同し、大きく評価したいと思います。
 こういう方向性をしっかりとしたものにするため、3点について全特長の見解を述べさせていただきたいと思います。
 まず、1点目です。中間まとめ5ページ、「これからの時代の教員に求められる資質・能力」及び10ページ「3.教員の養成・採用・研修に関する課題」に関連して意見を申し上げたいと思います。
 文部科学省が平成24年に行った調査によれば、通常学級の中で発達障害の可能性のある児童生徒の在籍率は6.5%、特別支援学校、特別支援学級(小学校・中学校)、それから通級による指導を併せると、3.3%、特別支援教育が対象とすべき児童生徒は全体の約10%、10人に1人ということになります。
 特別支援教育対象の子供の量的拡大を踏まえ、教員の養成・採用・研修の段階ごとに特別支援教育の基礎・基本は、全ての教員が備えておくべき中身だと私たちは考えます。
 また、中間まとめ5ページ、「これからの時代の教員に求められる資質・能力」及び10ページでの指摘のとおり、特別支援教育の推進など、近年の教育改革の方向に合わせた教職課程の改善を図ることが重要であるとの指摘を踏まえて、教育課程の改善を図る際には、全ての教職課程履修者が特別支援教育の基礎理論に関する科目を授業科目として履修するようにすべきだと私たちは考えています。
 2点目は、中間まとめ17ページ「改革の具体的な方向性」「教員の養成・採用・研修を通じた改革の具体的な方向性」「新たな課題への対応」の項目について意見を申し上げたいと思います。
 特別支援教育の充実のため、全ての教員が特別支援教育に関する基礎的な知識・技能を身に付けるための研修に特別支援学校のセンター的機能を活用することは、大変重要なことで意義深いことだと私たちは考えています。
 一方、平成27年度の全国特別支援学校知的障害教育校長会616校の調査によれば、全国でコーディネーターの指名は1校当たり3名、このうち専任でそのコーディネーターに当たる割合が0.62人、授業時数を軽減してコーディネーターに当たる教員が1.15人、授業経験が全くなくてコーディネーターの職を担当している教員が1.20人という報告があります。
 幼稚園、小学校、中学校、高等学校への巡回相談は、全国で約6万7,000件あり、毎年、1万件を超える伸びを示しています。特別支援学校の自己努力による特別支援教育コーディネーターの指名には限界が見えてきています。特別支援教育コーディネーターの配置等を考える新たな制度作りを検討する時期が来ていると私たちは考えます。
 3点目は、中間まとめ34ページ、「改革の具体的な方向性」「教員免許制度に係る改革の具体的な方向性」「マル4特別支援学校教諭等免許状の保有率向上」の項目について意見を述べさせていただきます。
 平成32年度を目途に教員免許状附則第16項の廃止を打ち出したことについては、大きく評価したいと思います。特別支援学校教諭免許状の都道府県別保有状況を見ていくと、90%を超えているところもある反面、大都市が比較的低位にとどまっております、今後、都道府県教委や学校設置者による取組の強化が期待されているところです。
 一方、免許保有率向上への着実な取組とともに、教員の質の確保にも留意していくことが重要だと私たちは考えています。
 また、特別支援教員免許状が取得できる大学等の枠を拡大するなど、教員採用選考応募者の確保を図っていく必要があると思います。
 さらに、小・中・高等学校との交流人事、免許状の要件を非常に厳しくすることで小・中・高等学校との人事交流が非常に課題になってくる。むしろ交流人事が促進される人事上の新たな仕組みを検討する必要があると思います。
 加えて、特別支援教育と各教科の専門性を併せ持つ教員をいかに養成していくのか検討していくことが求められます。
 具体的には、例えば工業の各免許プラス特別支援の免許を持っている専門性のある教員はなかなか養成が難しい、そういう状況が現在ございます。そういうところにも、免許改正をしていただいて、配慮いただければと思います。
 いずれにしても、免許要件の縛りを厳格にすることで複数の教育課程が存在し、特別支援教育の専門性とともに、教科の専門性も併せて維持していくことが求められる特別支援学校の各種の機能が低下しないように御配慮をお願いしたいと思います。
 私からは以上でございます。ありがとうございました。
【小原部会長】 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、全国都市教育長協議会からの発表をお願いいたします。
【後藤会長】 全国都市教育長協議会会長の後藤でございます。これからの学校教育を担う教員の在り方について、意見を申し述べさせていただきます。
 まず、「はじめに」でございますけれども、中間まとめについてでございますが、教員の資質・能力の向上に向けて、研修・採用・養成・免許という視点からよく検討・整理されている、これからの教員の人材育成に向けて大変有意義であるとの意見が多く寄せられております。
 「改革の具体的な方向性」については、おおむね賛成としながらも、役員都市、全部で801都市ございますので、その中の役員都市19都市から寄せられた意見を抜粋させていただきます。
 「研修について」でございます。
 一つ目が、十年経験者研修受講者についてでございますけれども、免許状更新講習の一部を免除するなど、負担軽減及び整合性の確保に努めていただきたい。
 二つ目、十年経験者研修に定められた校外研修20日を15日ぐらいに軽減できないものか検討いただきたい。ちょっと細かいですけれども。
 三つ目、できるだけ多くの教員が代替教員を確保した上で、一定期間、3か月から1年程度現場を離れ、集中的に研修や研究ができるような制度を創設していただきたい。
 四つ目、中堅教員の海外研修や中央研修を以前のように数多く実施することにより、中堅教員のインセンティブを高めていただきたい。
 五つ目、小学校英語の教科化、道徳の特別な教科化、アクティブ・ラーニング等で混乱が予想される学校現場の指導に当たる指導主事等も含めた研修体制の強化が必要ではないか。
 第3に、「採用について」でございます。
 一つ目が、教員養成大学や教職大学院卒業生については、採用について一定の特別枠を設ける必要があるのではないか。
 二つ目、学校現場でのボランティア経験や臨時講師経験者については、一定の配慮が必要なのではないか。
 三つ目、一般教養、専門教科等の競争的試験は別といたしまして、集団面接や模擬授業等の短時間での選考試験では、実践力や適性を見抜くのは困難であります。ある一定の試験期間の中でじっくり選考することはできないものか。
 2枚目になります。4の「養成について」でございます。
 一つ目が、小学校教員養成については、英語専修コースの設置や英語科教育法等に関する科目を必修化する必要があります。
 二つ目でございます。学校現場でのインターンシップの期間を長くし、経験を積ませると同時に、教員としての適性を自己判断できるようなシステムを構築する必要がある。
 この「自己判断」という部分でありますけれども、確かめてみましたが、採用されて間もなく教師自身が不登校になるような、いわゆる適性を疑われるような合格者がいるところを含めて、自分で自分の適性を判断できるようなシステムがないのだろうかと、こういった意味合いでございます。
 三つ目、学校現場でのボランティア活動をできるだけ多く体験させ、単位取得に反映できるシステムが必要である。これは、今でも既に一部の大学で採用されているようであります。
 四つ目、教員志望の学生が減少しております。教職に対する魅力を高める工夫とともに、キャリア教育の一つとして高等学校段階からの動機付けを考える必要があるのではないか。もちろん、高等学校の会長さんがいらっしゃいますけれども、多忙化につながるようであってはまずい、そういう裏もございます。
 続きまして、五つ目でございます。「免許について」でございます。
 一つ目が、現職の中・高等学校免許所有者の小学校での活動範囲を拡大する制度や現職教員が他の校種免許を取得しやすい制度を構築していただきたい。
 二つ目、小・中学校の特別支援学級等の担当教諭が特別支援学校教諭免許状を取得しやすくするための制度を構築していただきたい。認定講習はございますけれども、中途半端で終わってしまう教員が多いこと、多いこと、そういう実態がございます。
 三つ目でございます。小・中・高等学校免許状取得のための必修科目として、特別支援教育に関する内容を増やしていただきたい。それだけ需要が大きいという意味合いでございます。
 四つ目でございます、小学校現職教員が英語科免許を取得するため、認定講習を開設する共に、受講の負担軽減のため加配などの人的支援が必要ではないだろうか。
 五つ目、学校(校種)横断的な総合免許状の創設ができれば理想的ではないだろうか。
 六つ目、「その他」でございます。
 一つ目が、市区町村教育委員会が独自で策定する研修目標・計画により育成した教員について、都道府県単位での人事異動があるため、目標達成が困難である。研修目標・計画策定に当たり、都道府県(教育事務所)と市町村教委との緻密な連携が必要である。
 二つ目、市町村教育委員会が実施する研修も免許更新のための単位として認定することを検討していただきたい。
 三つ目、都道府県、市区町村教育委員会が実施する研修会等で教諭が講師を経験した場合、それをポイントとして累積し、免許更新講習の際の単位として認定することができないものか。
 四つ目、教員育成協議会(仮称)については、教育学部の改変によりまして、国の計画養成が縮小された過去の経緯も勘案しながら、都道府県単位にこだわらず、広い範囲で考えることも必要ではないだろうか。
 五つ目でございます、教員免許を医師・看護師免許等と同様に国家資格にすべきではないかということでございます。
 全体を通して最後になりますけれども、「負担軽減」「多忙化解消」という観点、これは常につきまとう大切な要素であろう、このように思っております。是非そのことについても通して御勘案を頂きまして、よろしくお願い申し上げたいと存じております。
 以上でございます。
【小原部会長】 ありがとうございました。
 続きまして、全国町村教育会長より発表をお願いいたします。
【村尾事務局長】 全国町村教育長会です。
 本会は、今回の「学校教育を担う教員の資質・能力の向上について」の基本的な考え方については、賛成です。併せまして、是非、これを現実に実施できるように努力を図っていただきたいと思っております。
 それでは、幾つか本会としての要望又は意見等を述べさせていただきます。
 まず、1の「教員の養成・採用・研修を通じた課題」ですけれども、大前提といたしまして、現在、経済の活性化が少しずつ図られてきており、教員を志望する人材の確保が大きな課題ではないかと考えています。やはり経済が活性化してきますと、優秀な人材が企業に流れる傾向が当然あります。そのため、優秀な人材を教員として確保するための条件整備が大切です。そのための財源やシステムをまずしっかりと整えていくことが必要ではないかということを、本会では特に前提として考えております。
 それから、13ページにもありますけれども、「教員育成指標」ということですけれども、これはとてもよいことだと思うのですけれども、各県や各町村の実態に応じて作成していただきたいと思います。都道府県レベルの大きなところと、私どものような町村教育長会はかなり小さな町や村になっておりますので、各町村の実態も踏まえ、勘案してこの指標を作っていただけると有り難いと思っております。
 それから、同じように「教員育成協議会」ですけれども、これもとてもよいことだと私どもは考えております。これに関しても、都道府県レベルと町村教育委員会レベルでは、実態が違いますので、各町村教育委員会のレベルも考慮し、是非、各町村教育委員会の意見もここに反映されるような体制を取っていただきたいと思っております。
 それから16ページに書いてありますけれども、各種の推進リーダーの育成は、とてもよいことだと思うのですけれども、現実にはどのように育成していくのか、まだまだ現実には課題が残るのではないかと思います。推進リーダーの育成についての道筋や方法等についても、しっかりと明確にしておくことが大事ではないかと考えています。
 それから、今、新たに様々な教育課題が生じてきています。先ほど、話がありましたアクティブ・ラーニングのこともあります。特別支援教育のこともあります。このように、いろいろな課題が生じています。現場の教員には、それらに対する対応が求められているのですけれども、実際の現場の教員にそういう課題に対応できる力が身に付けられているかどうか心配です。先ほどもありましたように、やや過重負担になりがちであるということもありますので、その負担度も勘案しながら研修制度を確立していただきたいと思います。提案されていることはとてもよいことなのですけれども、若干、現場の負担が大きくなり過ぎるのではないかという懸念が私どもの中にはあります。是非、その負担を軽減していく形で、よい教育が子供たちになされるような体制を取っていただきたいということを切に思っているところです。
 それから、2番の「教員研修に関わる課題」についてですけれども、20ページにもありますけれども、メンター方式ということはとてもよいことだと思います。ただし、メンター方式で実際に指導する人材をどのように確保していくのか、また、そのための予算的な措置等の条件整備もしっかりと整えていかないと難しいのではないかと、やや不安なところがあります。人材確保の面、予算措置の面について、是非、確保していただきたいと思います。
 それから、23ページにもありますけれども、十年経験者研修等については、実情に応じて柔軟に対応できることはとてもすばらしいことだと思いますので、是非、現場の教員が過度な負担とならないようにお願いしたいと思っております。
 それから、24ページの指導主事の配置や指導体制の充実ということはとても有り難いと思います。是非、これは予算措置も含めて充実させていただきたいと思います。特に、町村教育委員会レベルでは、まだまだ手厚くなっていなくて、実際には手薄になっているところが多いものですから、是非そのような配慮もお願いしたいと思います。それぞれの町村レベルの予算だけではなかなか賄えないという厳しい現状があります。国からの補助も是非、お願いしたいと考えております。
 また、免許制度についても、今回、柔軟に考えていただいたことは、とてもすばらしいことだと思っているのですけれども、実際に免許更新制度について10年ごとにやっていくわけですけれども、これがどのように行われて、実際にどのような負担があり、どのような成果を上げているのか、そういうことも一度、検証する必要があるのではないか。検証した上で、今後、どのようにしていくかということを考えていくべきなのではないかと思います。これも町村レベルは特に小さい町村ですので、やはり過度な負担にならないようにしていただきたいということをお願いしたいということです。
 それから、次に、教員採用に係る課題についてですけれども、26ページにありますけれども、入職前後における研修とか学校現場体験実施は、とてもすばらしいことだと思います。ただ、先ほどからもお話ししましたけれども、今、実際に研修生が過度な負担になってはいないかと懸念されます。現実に大学に通い、大学の勉強をしながら、いろいろな研修をしていくことは、いろいろな面で負担が掛かり過ぎているのではないかと懸念しています。今、教師養成塾もやっていますけれども、研修の中でもかなり土曜日も使われていますし、大学へ行きながら自分の指定された学校に通うことは、二重、三重の負担が掛かっています。そのことも十分に踏まえていただいて制度を確立していただきたいというのが、私どもの切なる願いです。
 次の「教員養成に係る課題・改革」ということですけれども、教員養成カリキュラム委員会ということはとてもすばらしいことだと思います。29ページにありますが、是非、教育委員会や現場の校長等の意見がここに反映される体制を取っていただきたいと思っております。
 それから、コミュニティ・スクールとか、ICTとか、アクティブ・ラーニング等について、大学での教育カリキュラムが重要だという文言が入っているのはとてもすばらしいことだと思いますので、是非、大学のカリキュラムを充実させていただいて、大学の教育課程の中で、これからのことについてしっかりと学べる体制を取っていただきたいと考えています。
 次に、5番の「教員の資質・能力の高度化」ということについてですけれども、29ページにもありますけれども、教員育成協議会についても、きっと都道府県レベルでお考えになっていると思うのですけれども、小さい町村レベルの実情も考慮できる体制を是非、考えていただきたいと思います。そして、町村レベルの意見が反映されるようにしていただきたいと思います。
 それから、大学と各教育委員会との連携はとても重要だと思いますので、更にこれは深めていただきたいと思います。
 さらに、教員養成系以外の修士課程における教員養成機能の充実はとてもよいことだと思います。教職大学院との連携を、実際にはどのように図っていくのかということについて課題も多いのではないかと思います。上手に教職大学院との連携を取りまして、充実した教員養成課程が確立できるようにご配慮いただけると有り難いと思います。
 最後に6番ですけれども、教員免許制度です。教職経験を考慮した免許状併有の促進について、32ページに載っています。これは是非、進めていただきたいと思っております。学校の現状に応じて、教員が過度な負担にならないような制度の確立を是非、お願いしたいと思います。
 そして、特別支援学校や、特別支援学級、通級指導学級の教員の免許状保有率がまだまだ現実には少ないということが、先ほどの特別支援学校の校長さんからもありました。現実にはまだまだ少ないのが現状で、免許がなく、新たに通常学級から異動して特別支援学級の担任になった教員も多いです。そういう教員に対して、しっかりと専門的な知識や技能を身に付けられるような研修のためには、やはり人的な配置や予算配置が必要ですので、是非、お願いしたいと思います。そして、諸条件が整い、充実した中で子供たちがよりよい自分を目指して力を身に付けていくことが大切であると考えています。
 私どもも、できるところはしっかりと努力しながらやっていきたいと思っていますので、どうぞ、よろしくお願いしたいと思います。
【小原部会長】 ありがとうございました。
 それでは、これまでの説明に関し、委員から御質問、御意見がありましたら、お願いいたします。いつものように名札をドッチファイルの上に置いていただければと思います。
 それでは、まず、北条委員、お願いいたします。
【北條委員】 ありがとうございます。御丁寧な御説明を頂きました。
 全国高等学校長会様に2点、それから全国特別支援学校長会様に2点、御質問をさせていただきます。
 まず、全国高等学校長会様ですが、3番のところに、学校現場での直接教育に携わっている者を加えてほしいということは、大変ごもっともな御意見だと思います。ただ、高等学校の場合は、公立学校が過半だとは思いますが、私立学校も相当数存在しております。その私立学校も、このたびの仕組みはカバーすることになっておりますので、その私立学校に関して、採用も含めて仕組みができていくことについて、公立高等学校の先生方としてはどのようにお考えなのかということを1点伺いたい。
 それからもう一点は、小学校の先生にも伺ったのですが、インターンシップの件であります。教育実習と、インターンシップと、ボランティアはどう違うのか。これは前回も伺ったことでありますが、また、私も、現場の小学校とか、あるいは教員養成の学校に伺った折に、必ずこのところを伺っているのですが、どこへ行ってもお答えはばらばらで、よく御理解がされていないのではないかという印象を持っております。
 私、45年ぐらい前に高校で教員をやっていたので、今とは全然状況が違うと思いますが、その当時でいくと、高等学校では教育実習はあったのですが、ボランティアとかインターンシップはなかったのです。ただ、部活などでは、若干の報酬を差し上げて大学生の方がコーチや何かをしていただくというようなケースはあったと思いますが、小・中に比べて今、高等学校はこういう傾向は多くなっているのかという現状をお教えいただきたいと思います。
 それから、特別支援についてであります。1ページも、2ページも、「幼児・児童・生徒」あるいは「幼・小・中・高」という形で幼稚園も対象として認識いただいていることに大変有り難いと思いました。
 幼児の場合は、既に文科省において早期からの支援ということが言われ、例えば2ページ目にありますような幼稚園においても、特別支援教育コーディネーターの指名というようなことが、それなりに行われております。
 ただ、幼稚園の場合は、私立が80%ということでありまして、なかなか公立学校とは状況が違う。また、保育所がありまして、保育所は特別支援教育の対象には現在なっていないと承知しておりますので、そのあたりをどんなふうにお考えかということが一つ。
 それから、特別支援教育コーディネーターの指名には限界が見えてきているという御指摘があって、これは私どもの幼稚園においては、もう初めからそうなのです。規模の小さい幼稚園で、ここに「1校3人」となっておりますけれども、「1園1人」というわけにはいきませんから、どんな小さい幼稚園でも「1園2人」、中には公立の規模の小さい幼稚園ですと、園長先生を入れて教員が3人しかいないというような園もあるわけでして、そういうところでは本当にこれは初めから難しいですよね。これを今後どういうふうに就学前の段階で考えたらいいのかということを御示唆いただければと思います。ありがとうございます。
【小原部会長】 それでは、よろしくお願いいたします。
【宮本会長】 それでは、私の方から、最初の御質問についてお答えしたいと思います。
 まずは、現場の学校を入れた枠組みを作るというところで、私立の学校をどういうふうに考えるのかということですけれども、これは本当に地域によって実情が様々だと思います。ほとんどが公立の学校のところもあれば、例えば東京都のように、高等学校で言えば学校数でいけば私立の学校の方が多いところもあって、これはそれぞれの地域の実情が違ってくると思うのです。
 今の御質問のお答えになるかどうかは分かりませんけれども、今回のこの答申を踏まえて、それぞれがそれぞれのところでこの教員の養成・採用・研修を一体として取り組んでいくための組織を作っていく中で、例えば現場の代表を構成員に加える場合、その中に例えば公立の代表も入れるし、私立の方も入っていただくというような新しい仕組みを作っていく中で現場の多様な実態を取り入れていくような仕組みができていけばいいのかなと考えます。
 それから、2番目ですが、教育実習と、インターンシップ、ボランティアはどう違うのかということですけれども、教育実習については教員免許を取得するために必要、定められたものでありまして、教員免許を取るためには、必ずこれはやらなければいけないと決まったものでございます。
 また、インターンシップ、あるいはボランティアについては、特にそういう縛りがないところでございますけれども、例えば休みなどを利用して、できるだけ教員を志望する学生が現実の学校現場で児童生徒と触れ合う機会を確保するというようなところで、場合によっては、大学の方からそういうものを課しているところもあれば、あるいは自治体と連携してそういう取組をしているところもある、様々な形があるのかと思っております。ボランティアについても同様だと思っています。
 それから、部活等の外部指導についても、やはりそれぞれの実態は様々ですけれども、例えば本校の場合ですと、運動部で顧問教諭が専門的な指導ができないものにつきましては、東京都の補助を頂いて外部指導員という形で学生がコーチとして指導している、そういう形で学校の中に入って、実際に子供たちと関わっているケースもあるということでございます。
 以上でございます。
【横倉会長】 2点ございまして、特別支援学校が私立の幼稚園あるいは保育所をどういうように支援をして、あるいは位置付けているのか、そういう趣旨の御質問だろうと思います。
 特別支援学校は、地域の特別支援教育に対するニーズに対して応えるのも一つ大きな学校のミッションですので、どの特別支援学校であれ、地域のそういったニーズには応えていくという、これは学校そのものの基本に関わる問題ですので、それは私立であろうが、公立であろうが、変わらないところです。
 私立の幼稚園について、公立と同じようにそれぞれの学校の特別支援教育コーディネーターが、ニーズあるいは問合せがあって、出向いていって助言をしたり、あるいは様々な保育の状況に助言をしたり、後援をしたり、そういう地域の支援は継続して行っていますし、これからも変わらず行っていく、そういうように思います。
 したがいまして、私立に対して、公立に対して、あるいは保育園に対してという、そういう垣根、線引きはありませんので、どんどんそこは使っていただくように、逆に使ってくださいというアピールは、どの特別支援学校でもしているはずです。
 それから、もう一点、私立の幼稚園、あるいは規模の小さな保育所等で、コーディネーター的な役割を担う職員なり、指導員なり、その指名が非常に難しい、困難な状況にあるのだけれども、頑張って指名をしている、役割を与えているというお話かと思うのですが、特別支援学校のコーディネーターも含め、地域のクラスター、地域の中にはいろいろな教育機能があるわけで、それを一つの園で抱え込まないで、そこと連携していく。特別支援の一つの大きな柱は、子供を抱え込まない、絶えず地域の様々な機関なり支援をするところとつながっていく、それが基本ですから、そういうような方向性で是非コーディネーターの方に御活躍いただければと思います。もちろん、特別支援学校の機能はどんどん使っていただいて、むしろどんどん引き出していく、そういうようなことで使っていただければと思います。
【小原部会長】 平本委員、松木委員で前半を打ち切りたいと思いますので、まず平本委員お願いいたします。
【平本委員】 ありがとうございます。
 それでは、3点、御意見を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず1点目でございます。教職大学院の機能をより高めていくことが、これからの大きな課題の一つと考えております。より多くの教員が進んで教職大学院で是非学びたいという環境を整えていくために、今、学校現場が送り出す上で課題となっていることはどういうことなのか、是非その点に関して、もしございましたら、全国都市教育長協議会様と全国町村教育長会の皆様に御意見を頂戴したいと思います。
 2点目でございますが、育成協議会についてです。育成協議会を具体的に機能させていくということを考えましたときに、どのくらいの規模で組織を編成することが現実的であるのかという点につきまして御意見を頂戴できればと考えております。
 最後、3点目でございますが、先ほど来、教員の負担ということが御意見としてございました。例えばその負担を軽減しながら、なおかつ教員が自分自身、主体的に力を磨いていくという視点に立ったときに、研修の履歴を累積していくような仕組み、こういうものが仮に整うと、それが果たして機能していくか、又は人材育成にどういう効果を引き出せるか、その点について御意見がございましたら頂戴できればと思います。よろしくお願いいたします。
【小原部会長】 では、よろしくお願いいたします。
【後藤会長】 全国都市教育長協議会でございます。
 まず、教職大学院でありますけれども、これは私も申し上げたのですけれども、一定の特別枠という、いわゆるインセンティブを高めるようなシステムを作らない限りは、4年制の大学を卒業しただけで受験できるわけです。そうしますと、プラス2年、これをあえてさあ来てくださいという声掛けだけでは学生は集まらない。早く就職した方がいいわけです。多少、新採時の給料には影響しますけれども、それよりも、早く就職した方がいいという気持ちが先立つということなのだろうと思います。したがって、何かそこに魅力的なものを作らなければ現状は変わらないだろうと、こんなふうに思います。
 それから、育成協議会でありますけれども、これは様々な意見があるのですけれども、機能させるにはどれぐらいの規模がよいかということですけれども、いわゆる教員養成の大学のない県があるのです。つまり、これは、いわゆる文部科学省さんの方で進められたここを中心にやりましょうという開放制の大学と、それから養成の大学とに、非常にしっかりと分けてしまったわけです。私がいる山形県もそうなのですけれども、山形大学地域教育文化学部というものはあるのですけれども、これは開放制の大学で、したがって教員養成という意味合いはそんなに強くないわけです。ゼロ免なわけです。
 したがって、その辺のところをいわゆる県単位でやるという枠組みを余り強くやってしまいますと、そういう養成系の大学を持たない県がどうしたらいいんだという戸惑いが出てくるのだろう、こういう意味合いでございます。したがってどのぐらいの規模というと、これはなかなか限定できないのですけれども、申し訳ないのですが、その辺、考慮をしていただければと思っております。
 あとは負担軽減と多忙化解消について、研修実績の累積ですね。これは積み上げたからそれイコール優秀な教員といいましょうか、すばらしい教員なのかという、そこはちょっとイコールにはならない部分があるのです。
 今、現場が一番困っているのは、校長が一番困っているのは、担任を持たせられる教員がいないということです。これは、本当に深刻です。教員はいるのです。定数の範囲内でしっかりとした数はそろっているのです。だけれども、いわゆる保護者の多様な要望に応えられる教員がなかなか数がそろわないという悩みでございます。その辺のところを、この研修との関わりで何かいい方法はないものか、これは全然答えになっておりません。ひとつよろしくお願いいたします。
【村尾事務局長】 全国町村教育長会です。
 1番目の教職大学院については、現実に現場にいる教員で教職大学院を受けたい、そして、教職大学院で勉強をしたいという教員は多数います。しかし、実際のところ、何が一番課題かというと、やはり後補充の問題ではないかと考えております。
 今、講師で何時間かは対応できているのですけれども、講師採用ですのでまだ不足しています。例えば、小学校では担任制で全科を受け持っています。講師対応だけでは賄えない時間が生じています。教職大学院は、とてもすばらしいことだと思います。現場に一度出てから、子供たちと学び合う中で、現実の課題を見付け、新たにもう一回勉強をし直したいという方が、より現場に戻ってきたときの力になっていくと思います。教員が教職大学院へ行ったときの後補充は、講師対応ではなく全時間、人を配置できるような体制を取っていただけると、もっと各学校の校長も教職大学院に出しやすくなるのではないかと、常々感じているところでございます。
 それから、2番目の育成協議会の規模、これも私どもとしましても、どのくらいの規模がよいのかにつきましては、はっきり言ってお答えできかねるところです。何が一番いいのかは分からないのですけれども、とにかく余り人数が多過ぎても会議にならないと思いますので、ある程度は絞った人数でということになると思います。特に、大学と現場そして教育委員会が一体となってやっていくことはとてもすばらしいことだと思いますので、是非、実現できるとよいと思っております。
 それから、最後の教員の負担とか研修の履歴ということですけれども、先ほど後藤会長様からお話がありましたけれども、研修をやったからといって、また、その研修実績の累積をまとめたからといって、本当にそれがその教員の力になっているかどうかということについて、やや懸念が残るのではないかと思います。
 ただ、研修履歴の累積ということも大切ですが、校長の意見がもっとここに反映できるとよいと思います。現場の教員の実態を一番よく知っているのは、現場の各学校の校長ですから、校長の具申をもっと大事にしていただいて、この研修の制度に生かしていただけるとよいと思います。
 以上です。
【小原部会長】 それでは、松木委員、お願いいたします。
【松木委員】 全国特別支援学校長会様にお伺いしたいと思います。
 特別支援教育の必要な子供たちが10人に1人という現状を考えますと、全ての教員が特別支援教育の基礎的な理解を持てるような状況を作り出していくことは、やはりすごく重要なことではないかと思うのですが、そこで免許状の在り方についてどのようにお考えになっていらっしゃるのかお伺いしたいのですが、一つは特別支援学校免許状でいいのだろうか、特別支援教育の免許状であるべきではないのか、その辺についてどうお考えになっていらっしゃるのかということと、もう一つは、インクルーシブな教育のことを考えていきますと、あるいはその理念を考えていきますと、障害種別の免許状でいいのだろうか、むしろそれの専門性の部分は専修免許状の方に繰り上げて、むしろインクルーシブな部分を中核に据えた免許状に変えていくべきではないのか、この辺について特別支援学校としてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのかということをお伺いしたいのですが。
【横倉会長】 はい、2点です。
 まず、後半の方からお話しさせていただくと、障害種別でよいのかという部分であります。
 考え方でありましょうが、歴史的にずっとやっぱり障害それぞれに免許状が与えられた時代があって、そういうものを超えながら「特別支援教育」というものの免許状が考えられてきたという、過渡期なのかというところがあります。
 冒頭に私の話の中でもさせていただきました、本当に特別支援教育の領域が10人に1人の子供たちがその範囲に入ってくるというところからいうと、緩やかなこともひとつ次のステップとしては考えていく必要があるのかなと。それから専修免許、更に種別の──種別というのは、障害5種別が伝統的にあるわけですが、そこをしっかり専門性を担っていくのは専修免許で、そういう考え方もひとつできるのかなと思います。
 学校免許なのか、あるいは特別支援教育の免許なのかということですが、どうなのでしょうか、定数として与えられると考えると、学校ということなのかと。ただ、広く教員はそこの学校にとどまっているわけではありませんので、異動していろいろな特別支援学校の障害児の部門に行ったり、あるいは高等学校の教員になったりと、そういうことを考えると、学校という範囲での免許状の授与ということもどうなのかというところで、今後、そこは研究していく必要があると思います。
【小原部会長】 それでは、時間となりましたので、前半の4団体の御意見に関する質疑応答はこれまでといたします。
 御発表いただきました各団体の皆様、ありがとうございました。
 続きまして、後半の4団体の方を御紹介させていただきます。
 全日本私立幼稚園連合会、加藤篤彦専門委員。
【加藤専門委員】 よろしくお願いします。
【小原部会長】 日本私立小学校連合会、矢崎昭盛会長。
【矢崎会長】 よろしくお願いします。
【小原部会長】 日本私立大学団体連合会、長野正専門委員。出口喜昌事務局長。
 最後に、中核市教育長会、麻畠裕之会長。
 前半同様、それぞれの説明に関連した質疑応答と意見交換についてはまとめて最後に行いたいと思います。
 それでは、全日本私立幼稚園連合会から発表をお願いいたします。
【加藤専門委員】 中間の取りまとめをありがとうございます。
 私どもも、「1.検討の背景」や、「2.これからの時代の教員に求められる資質・能力」については、同様の認識をさせていただいているところです。
 ただし、幼稚園からの学校教育を担う教員の全体のことについて取りまとめてある計画であるわけですけれども、その具体的な取り組みが「主に大学と教育委員会の両者が」という表示が度々見受けられまして、幼稚園の立場からはその実効性が限られているのではないかという意見を持ってございます。
 その理由ですけれども、現在、幼稚園は、私立幼稚園が多数を占めてございます。ただし、その所管のほとんどは、都道府県においても、市区町村においても、教育委員会ではありません。また、公立幼稚園に通う園児の減少など諸状況があり、現在、幼稚園専任の教育指導主事が余りいない状態です。現場では、幼児教育が分からない小・中学校が専門でいらっしゃる教育指導主事が保育のアドバイスをしたりして、多少、混乱が見えるということもございます。
 現在、所管や分掌のない教育委員会に、従来で言うところの指導教育主事であるこの計画における17ページに記載がございますが、「幼児教育アドバイザー」を置いたとしても、実際には名目だけになってしまい、構想としては非常に整理されているように私も思いますけれども、実効性という意味では、現場との連携の難しさ、あるいは無理があると認識しております。
 現在、全日幼連に関わる公益財団法人私立幼稚園幼児教育研究機構では、文部科学省との連携の下に、各都道府県の幼稚園という非常に現場に近いところで教員の研修を行っている実績を持ってございます。あるいは、実態として幼稚園の教員の研修・研究を通じて、教育の質の向上を担っております。
 17ページに記載の先の「幼児教育アドバイザー」はもちろんのこと、9ページ以降に度々述べられる各レベルの研修や、13ページから記入してございます制度の設計においても、文部科学省と当研究機構との連携を土台にした制度になるようにした方が、実効性が高まると思っています。
 また、研修におきましては、幼児教育の中では、実際の子供の生活や遊びに即した研修が不可欠でございますので、大学と各幼稚園、園内研修などでも連携しつつ、質を高めていくことは非常に大事なことと思っています。
 二つ目ですが、中間まとめにおける表記のことでございます。「幼稚園」や「幼保連携型認定こども園等」などの表記が全体に統一されていなくて、細かくは本日は挙げませんけれども、用語の統一のところをもう一度精査いただければ有り難いと思っております。さらに、「幼保連携型認定こども園等」の「等」が何であるのかなどについてもお示しいただければと思います。7ページ、10ページ、17ページに記載がございます。
 幼児教育に関わりましても、記載するところの意味を明確にいただけることを望みます。例えば17ページの上から四つ目の中黒に、「学校教育と幼児教育の表記」というようなことがありますけれども、その文脈から意味が大変取りにくいと思いました。
 最後に、「これからの時代の教員に求められる資質・能力」の一つ目の丸のところですけれども、使命感や責任感、教育的愛情などは、子供の成長を自らの喜びとできる心情など、今日的には社会的情動スキルとして再評価されていて、学びの原動力としてOECDにおいても着目されている、また、エビデンスも出ているところでございます。教師自身がまさにその実践者であって、体現者であります。子供の成長を自らの喜びとできるからこそ、厳しい仕事もまた楽しみとして頑張れているのだと思います。
 「この能力は、不易の資質・能力として引き続き教員に求める」というまとめをしていただいておりますけれども、今日的にこの社会的情動スキルは非常に着目されているところですし、この資質向上においても、能力として再評価し、丁寧に強調して御記述いただけると、大変有り難く存じます。
 幼稚園連合会は以上です。
【小原部会長】 ありがとうございました。
 続きまして、日本私立小学校連合会よりお願いいたします。
【矢崎会長】 4点、今、現状で考えていることがございます。
 まず、1点目は、私どもの学校の例でお話しさせていただきます。
 私どもの学校は、幼稚園から高校までございますけれども、中・高の全教員に対しては、年に1回、学力テストを実施しています。内容はセンター試験に当たるような内容です。
 今、教員の社会的地位といいますか、小学校でもそうですけれども、例えばピアノの先生、塾の先生と比べて、学校の先生の地位が同列か、又はそれよりも低いような評価をもらっているのではないかと思うのです。
 例えば、この学力テストを課して改善がなかったら、授業を持たせないとか、それから、辞めさせるというようなことが可能になれば、少しそういう厳しい中に身を置いていることが、教員の大変だなということで評価が上がってくる一つになりはしないかということも考えております。
 それから、小学校においては、新人はもちろんですけれども、教員は必ず2年に1回公開授業をして、授業研究をする。これは、かなり厳しいやりとりをいたします。
 それから、私ども、教員が七十何名、幼稚園から高校までいますが、その教員の評価は、授業評価をいたしまして、それが70%の率を持っています。校長評価とかそういうものはございますけれども、授業を70%、7割の評価として、これがボーナスの査定になりますし、次年度の給料の昇給に反映されます。かなり厳しいです。
 それから、二つ目に考えていることですけれども、全国の教員の研修会がございます。日本私立小学校は5地区に分かれて、それぞれがその地区で研修をする、それから、県ごとに研修をする、様々な研修がございますけれども、例えば日本全国の年1回行われる研修会の参加費が2万円です。いかに研究が大事だ、大事だと言っても、お金がない学校は、参加しなさいと、そして一人一人に援助しますと言うことができないと、例えば新人に限るとか、5年目、10年目の先生に限るとかということで、全員を参加させることがなかなか難しいのが現状ですので、いろいろな研修があることは大変結構なことなのですけれども、その場合の補助を何か考えていただけるようなシステムがないかなと、そう思います。
 それから、そういうふうに年間決まっている研修だけでなくて、その時点でどうしても研修したいというようなこと、例えば私どもが今考えているのは、オリンピックがありますけれども、全く異文化の国の例えば外交官でもお呼びして、その国のことをお話ししていただいて、先生たちの教養にしたいと思っているのですが、それもまたお金が掛かることなのだろうと思います。
 それから、いろいろな研修をすることは大事なのですけれども、根本はその先生の適性だろうと思うのです。つまり、小学校の教師に向いていないのではないか、むしろこの方は中学校でやった方が伸びるのではないかという方はいます。小学校でも6年間ですから、低学年に向いている先生、高学年に向いている先生がおります。
 私が新任を採用するときにどうしているかというと、休み時間に廊下を歩かせるのです。低学年から高学年までの廊下を歩かせます。子供が出てきているわけですけれども、そこでその先生の持っている雰囲気とか波動によって、子供がにこっとしたり、あるいは、もっと親しければハイタッチをしたりする。それが全くできない先生はぶすっとして、それで分かるのです、この先生は小学校に向いていないのではないかと。
 ですから、様々な研修が考えられていくのだろうと思うのですけれども、そもそも根本は、そういう向いているのかどうかということがあると思うのです。それは本人では分からないかもしれないので、いろいろな研修の中で指導されるとか、発見をしていただくということがあれば、今後、その教員のためにもいいですし、今後のためにいいだろうと。
 それから、例えば小学校、それから中学校に移った方がいいみたいな、中学校の先生でもとても子供に愛情があって小学校に向いているというような先生が異動できるようにするためには、やっぱり免許状の問題が出てくると思うのですけれども、中・高の行き来が少し可能になるような緩やかな免許状といいますか、そういうものができていくことを望みます。
 それから、研修はもちろん大事なのですけれども、教員に必要なのは研修だけでなくて、例えば趣味を持つとか、それから何か映画でもいいですけれども、鑑賞する、そういうものが、実は子供に還元していくわけで、そういう時間を是非作れるような、全体、日本がそうなっていけばいいなと。
 それは、結局は、幅広いいろいろなことを体験することによって、子供を見抜く力ができるのだろうと思うのです。子供に呼びかける一言、「君はこれがうまいね」とか「これ、いいね」とかというような幅広い人間を創るためには、やっぱり教員にも生涯教育とか趣味を持たせなければいけないだろうと。
 それから、五年研修、十年研修みたいなものがございますけれども、これは更に研修を上積みするというよりは、自分を見つめ直して振り返る場、本当に小学校の先生としてこれからやっていけるのかどうか、向いているのだろうか、今までやってきて、子供を本当に褒めてきただろうか、本当に指導意識ばかりで来ていたのではないか、子供とともに伸びていこうという意識があったかどうか、そのようなことの振り返りをできる、そういう内容の入った研修にしていただきたいと思います。
 以上です。
【小原部会長】 ありがとうございました。
 続きまして、日本私立大学団体連合会より発表をお願いいたします。
【長野専門委員】 資料6がございましたら、お願いいたします。
 私立大学連合会の大方の意見として申し上げますけれども、まず、資料6のその前書き後段にありますように、このたびの中間まとめの方向につきましては、私どもも基本的方向性につきましては、おおむね賛同いたしております。
 ただ、私学・私立の大学及び大学院、この独自性をより配慮していただく審議をお願いしたい。極論を申し上げますと、どうも国立教員養成系のその視点が強く動いておりますが、私学の独自性、あるいはそこにありますように、従来貢献しております私立大学出身の教員養成のところを深く配慮していただきたいというのがまず私どもの希望であります。
 以下、そこの項目を大きく6点、最後を入れましても7点を、念のため申し上げます。
 一つ目に、このたび大きく打ち出されました「教員養成指標」につきまして、私どもも大いに賛同するところであります。これはキャリア・ステージとして、まさに研修あるいはそれぞれのステージを含めて指標として、是非、構築していかなければならない、それは大いに感じております。もちろん、教職大学院のレベルも含めてでございます。
 これは、ただし、注意が必要なのは、教職大学院等でも検討済みなのですけれども、この指標を細かくすればするほど私学の独自性から離れていく部分がございます。例えば東京都に仮にですが、一つだけ大学若しくは教職大学院があります場合、国立ならば、そこにある教育委員会との協定の中でこの指標さえも、細かくすればするほど成立してまいります。ところが、私立の大学・大学院というのは、全国からの学生が集まるわけでありますので、ここを考えますときに、地元の教育委員会云々(うんぬん)というようにはいかない面がございます。したがいまして、この指標作りは大いに必要なのですが、極力、一般的なレベルにしない限り、細部にすればするほど現実と違ってまいります。
 これは教職大学院の場合でも、例えば東京都教育委員会が是非こういう教員養成をと注文すればするほど、全国から集まっている教職大学院生に対して還元していくときに、非常に不都合さえもが生ずる。このあたりを考えますときに、このキャリア・ステージは即カリキュラムに反映してまいりますので、このレベルの問題、あるいは地域にとらわれ過ぎないレベル、これは私立にとっては非常に重要なところだと思われます。
 その意味で、1番のアンダーラインを引いてありますところ、どこまでを指標とするかといういところ、レベルのところは御配慮いただきたいと思います。
 2に参りますが、このたび、非常に強く出ているところで見逃しそうでいて見逃してはならないところが、27ページに中間まとめで出ておりました。
 それは、大学設置基準の単位内で教職をと。これは、大学における教職のということではそのとおりだと思いますし、単位の実質化ということから考えましても、例えば124単位の中で教職課程もと、そのとおりではあるのですが、私学の実情には極めて合っておりません。
 それは、御存じのとおり開放制というところを前提にしますときに、極論でございますが、少なくとも67単位のうちの27単位、教職課程絡みのものは欄外にとでも言ったらいいようなプラスのものにならってきたのが従来であります。そこのところにこの中間まとめの中に、もしですが、設置基準の単位の中でと、こう限定されますと、これは極めて開放制の趣旨からいきますときに、私立の大学等には教員養成系のということではございません、私立の大学一般におきまして、この点は非常に苦しい状況、むしろやめなければならない、こういう状況が起きます。
 これを考えますときに、私どもの自助努力はしながらも、124単位イコールの中でということの限定は解いていただきたい。これは今、私どもの努力をすると申し上げたのは、必ずしも既得権として、いわば欄外で学部プラス教職と、こう考えるわけではありません。学部の中に教職課程の充実ということは極力努力をしていきながらも、このあたりのところの、こだわりますけれども、2のところの「範囲内で」というところは、御一考を是非ともお願いしたいというのが希望でございます。
 それから、3になります。学校のインターンシップの問題でございますが、これは体験的なということも、あるいは教育実習の充実ということも含めまして、大いに賛同するところであります。
 問題は、ここのところに極(きわ)めてこの場合に、受けていただける環境整備、ここのところを広くとらないと、これは現在の教育実習そのものでもありますけれども、先ほど申し上げたように、私立大学の場合、全国から来ておりますので、これが一つの県の中で一つの公立の学校でというようにいきません。もちろん附属学校でというところでも、そう処理もできかねる場合があります。
 これを考えますときに、環境整備としてこれをやるとすれば、快く大いに受けてくださるその間口が大いに開拓されないと、実は今現在でも、教育実習で困っている傾向があります。
 例えば母校開拓はならないというような傾向の中で、ではどうするか、あるいは地方から来ている学生はなおさら、どのように教育実習、わずかの三、四週間でさえがどうかと、現状でも大変に苦慮しております。もちろん、自助努力として本当に教師になりたい学生たちこそをということは非常に考慮してまいりますけれども、ここに3番に見えますのは、恐らく国公立も含めましてのこのインターンシップ制に関しましての受けてくださる側(がわ)の環境整備、又はそことの情報交換、これは大いに考えないと、希望だけではいかないという点で3番を申し上げておきます。
 続きまして、4番でございます。第三者評価の件。
 教職課程そのものの充実をとるときに、これは是非導入していただきたいと思います。もちろん懸念されておりますように、認証評価の絡みとどうするかとかということではありますが、教職課程の第三者評価とでも言いましょうか、これはでき得る限りのところを是非取り組んでいただきたいと思っております。
 実は私立大学も、この前書きに載っておりますような各大学での教師教育センターとか、教職課程センターとか、こういったものは既に実は設けていると思われます。問題は、それを第三者的に世に認めてくださるところの制度が、今、ございません。時々の研修実地でということはお見えになるようでありますが、公的に現在の大学認証評価と同じような形でこの教職課程のものがどういう枠組みかは別としても、是非やっていくことで社会的な信頼性を是非表面化していきたいというように私立も考えております。
 次に、5番でありますけれども、教科に関するところでございます。これも実は大学院も含めて、かねて大いにもめていたところでありまして、教職大学院が設立されますときには、私立を含めて教職専門、教職の充実ということが流れ過ぎまして、教科専門というようなところ、あるいは教科教育学といったような面が若干抜けた嫌いがございました。その中に、今、このように5番の提案が出てきたこと、大いに私学は歓迎いたします。
 その意味では、従来型のままでいいとは思いませんが、教科内容学といい、教職と重ねていけるような教科専門学というところ、これは大いに特に中学・高校につきましては現在でも、あるいは教職を意識しての教科専門、この充実は、よりもう一度やっていきたいと思いますので、教職大学院も含めてでありますが、この5番の教科の、あるいは教科専門内容の充実という方向性は、教職を意識してということを追加しながら、是非これは私学の方こそがと言っていいかもしれません、従来の伝統からの改善を含めて、より深めていければと思っております。
 6番でございます。
 実は、これは個人的な意見も含めまして、最も懸念するところであります。今回の中間まとめにも最後のページに、ちょっと言葉は悪いですが、逃げ腰のように書かれている、ここのところでございます。つまり、既設の修士課程をどうするのかというところが、やはり今回も逃げておられるというように感じております。
 それは、教職大学院が開設されました七、八年前、既設の教育学研究科との関係をどうするのかということがさんざん言われましたが、それ以後、ようやくここに国立の方に平成24年の答申から既設の教育学研究科を、国立の場合、教職大学院に替えるということで、昨年、今年、多くのところがそのようになっております。ここに放っておかれているのが私立でございます。
 私立大学の場合、この部分が6番、結論からいいますと、6番のままにしておいてくだされば有り難いですねということです。
 それはなぜかといいますと、多くの大学・大学院は、私立の場合に、教職大学院を持っておりません。むしろ既設の修士の中で、それぞれの教員養成といったらいいものをやってきております。「教員養成」と言うと言い過ぎかもしれません。ここに非常に厄介なのが、専修免許状が既設の修士30単位でも生きているままであるということです。ここのところを考えますときに、教職大学院では45単位で、既設の修士が30単位で、同じ専修免許状が生きていて、そして、中間まとめのところでは、そこの細部に入らないで、既設の教育学研究科の方にもちょっと改善をしてよと、教職を重視するような改善をしてよというように、最後、数行書かれております。
 これは、連合会としては、このままで有り難いですというような言い方になると思います。なぜなら、既得権のそれぞれの大学院が、ほとんどは私立でまだ5校ぐらいしか教職大学院を持っていないわけでありますので、従来の私立で既設のところは、これで許されるなら、これで若干の改善はもちろんするけれども、非常に有り難いことですというところで、6番もここにこのままでと言ったらよろしいのでしょうか、自助努力で既設の方も頑張りますけれども、ということで6番を置かせていただいております。
 そして、一番後文の後書きの最後になりますけれども、是非、私立大学の、あるいは私立の現場の先生方も、研修には公立と同じように参加を促していただいて、必要ならば財政支援もしていただいて、今後、日本国の教員養成に私立の学校教員も含めての研修の充実はしていきたいというのが最後のところでございます。
 以上が連合としてのところでございますが、最後に私見を一つ言わせてください。
 今度のところにも出ておりますが、今、ちょっと既設の修士のところを申し上げましたが、このたびのまとめの前書きに絶対欲しいと思いますのが、日本の教員養成のグランドデザインについて一向に触れておられません。これはどうなるのかということでございます。
 平成24年からの答申以来、例えば大学修士化を目指してとか、あるいはこのたびの教職大学院もいまだ自助努力だけでいくと。だから、御存じのように、私立は一向に教職大学院は増えておりません。
 これは、制度的にもっと日本国としてグランドデザインとしてどういう教員養成にいくのか、大学から、あるいは短大からを含めて二種免許、そしてこのたびは免許状のこれは免許状主義でいくことは前提にされております。かつ、平成26年のこちらの答申では、小中一貫の中で併用というような小学校・中学校免許の併用指針、これが前提で動いておりますけれども、平成24年以来の、いや、さかのぼればもっと18年以前からの日本国のグランドデザインはどうなっているのだろうというのが、私立大学で教職課程を持っているところ、大学院も先ほど修士のことを申し上げましたが、まだ右往左往されております。それは、長期的な見通しが立たないからなのです。
 では、一体全体、民主党政権で言われていたようなものが、あるいはその後、採用側がインターン制を取ると言われたようなものが、あるいは一般免許、基礎免許はどうなっていくのか、こういった前提の確認やけじめがない形で、今、論点が進捗しているという気がいたします。是非個人的にお願いしたいのは、この今回の中間まとめの中で現況のところではというのか、将来的には分かりませんが、この教員養成・採用・研修のグランドデザインのけじめはひとつお示しいただきたいという気がするのです。
 私立は、今、教職大学院を立てよう、上げようとしているところも非常に悩みを持っているのは、制度的にどのように位置付けられるのか、国立がこういうぐあいになってきたけれども、では、私立は開いていいのかどうか、では、やっぱり私立は自助努力だけの世界なのか、このあたりが見えないところで私大としては動揺しているのが現状でございます。
 その意味でも、是非この会にお願いしたいのは、本来、中教審そのものかもしれませんけれども、グランドデザインの、又は現在のけじめというようなところを免許状主義でというのも分かりました、開放制ということも分かりましたが、では、この前からの議論がどうなっているのか、ここのところは是非、何か道筋として中間まとめの最初にちょっとお願いをしたいというのが、私ども私学のそれぞれの気持ちでございます。
 今申し上げた最後は、連合を逸脱した長野個人の意見でございますので、御容赦いただきたいと思います。
 以上です。
【小原部会長】 ありがとうございました。
 それでは、最後になりますが、中核市教育長会よりお願いいたします。
【麻畠会長】 中核市教育長会を代表して意見を述べさせていただきます。役員市からのアンケートも基にしてございます。
 まずは養成・採用・研修の一体的改革として、国、教育委員会、大学、学校の位置付けを明確にした具体的な制度的枠組みが必要と踏み込んだ件について、大いに評価・期待するという意見が多うございました。
 初めに、中核市の概要を説明させていただきます。
 平成8年から施行された中核市は、現在、出入りがありましたが45市、人口約1,800万人で、1市平均約40万人、小・中学校数は全国の約11%、児童生徒数は約14%となっております。
 なお、中核市たる要件が、特例市制度の廃止とともに人口30万人から20万人とされたことから、特例市から13市が、今後4年間のうちに中核市への移行を目指していると聞いております。そうなれば、中核市は2019年度には58市、人口約2,100万人となるものと予想されます。政令市が全人口の5分の1、中核市が6分の1となるように思われます。
 御存じのように、中核市は都道府県から一部の事務権限が移譲されております。福祉関係が多いようでございますが、教育関係では地教行法で中核市の県費負担教職員の研修は当該中核市の教育委員会が行うと定められておりまして、政令指定都市とともに教職員の研修権を有しているわけでございます。それに従いまして、それぞれの中核市では、それぞれの市に必要な教員研修を工夫しながら、計画を実施しているところでございます。
 こうした中核市の現状の立場から、主に教員研修について意見を述べさせていただきます。
 「これからの時代の教員に求められる資質・能力」、それから「教員の養成・採用・研修に関する課題について」のところでは、異論はございません。ただ、採用につきましては、採用検査の倍率が地域によって差はありますが、だんだん下がってきているのではないかということで危機感を持っております。
 次に、「改革の具体的な方向性について」の中で、少し気になるところがございます。14ページの丸、中ほどのところに「教員育成指標及び研修指針の策定について」の中で、「都道府県等の教育委員会ごとに教育育成指標を整備していくことが必要であり、都道府県等の教育委員会は国の研修指針や地域ごとの教員育成指標を踏まえて、地域ごとの体系的な研修計画を策定し、当該研修計画に基づき、各種研修を行うことが適当である」と書いてございます。
 研修権を有する中核市、それから政令指定市もそうなのでございますが、そこの位置付け、役割が、やや明確になっていないのではないかと思います。この文言の中で、「各都道府県等」の「等」の中に含まれているのかどうなのか。それから、この文言の中で「地域ごと」というのが出てくるのですが、この「地域ごと」の定義が、都道府県と一緒なのかどうなのかということがやや分かりにくい。14ページの一番上に「学校と地域の連携」というところで、また「地域」が出てきますので、そこの整理が必要なのではないかとは読みながら思いました。
 それから、同じようなことで、20ページに、上の白丸の二つですが、「継続した研修の推進」の丸二つ目ですが、「教員の研修に係る計画及び実施は、一義的には都道府県や政令指定都市など任命権者である教育委員会に責任があるものの」と記述されておりますが、中核市はどうなのだろうかと。ここにせめて、例えば「任命権者である教育委員会及び研修権を有する中核市に責任があるものの」というような記述にはならないものかと思います。
 次に、教員研修に関する具体的な方向性の中で、新たな教育課題では中核市教育長会では、次期学習指導要領改訂で盛り込まれることとされている小学校での教科英語の導入に対し、多くの教育長が強い懸念を持っております。教員育成課程で小学校英語に関する科目を位置付けることや、英語教育推進リーダーの養成について触れられているのは、それはまことに結構なことでありますが、私たちは、できれば英語の専科教員の配置も求めております。実際には学級担任等が指導していかなくてはならないのだろうと思います。現職教員に対する小学校英語の研修体制の充実、そして配慮が是非とも必要であると思います。
 次に、もう一点、初任者研修についてです。初任者研修が導入された当初は、2人の初任者に対し1人の指導教員が配置されておりましたし、1人配置に対しては非常勤の指導教員が充てられるなど、手厚い体制が取られておりました。
 しかし、現在は、主に拠点校方式となり、初任者4人に指導教員1人、例えばそうなっており、指導体制が手薄になっていることは否めないと思います。また、初任者に対する指導教員は必ずしも力量のある教員ばかりがなっているとは言えないのが現状でございます。先ほどの話で学級担任ができないという話がありましたが、では、指導教員になる教員をどのように充てるかというのは、校長が頭を悩ますところでございます。
 それから、近年の教員採用検査の倍率低下や初任者の資質の変化を考えると、初任1年間の密度の濃い研修で教員としてある程度必要な資質・能力を育てるのは難しいのが現状ではないかと思います。
 この中間まとめにもありますように初任者の育成を初任期1年で終えようとするのではなく、教育育成指標等が整備されるのであれば、経験を積みながら3年程度の育成期間を設け、計画的に若い教員の育成を考えた方がよいと思われます。なお、近年、若い教員は、研修意欲は極めて高うございます。
 そのほかの新たな教育課題への対応としては、異論のないところでございます。
 次に、「教員養成に関する具体的な方向性」につきまして、私たち中核市教育委員会が教員養成段階で関われることに、教育実習と、学校インターンシップの受入れがございます。中間報告でもあるように、また、先ほどお話がありましたが、インターンシップと教育実習との役割分担、また、その性格の明確化を図ることが大切であると思います。
 教育実習は、教員を目指す大学生が1か月間近く学校で実習をするということで、教員養成上、重要な機会だと思います。しかし、学生が教育実習で何をどう学ぶのか、受け入れた学校はどのような内容をどう指導するのかが、それぞれの大学や受け入れた学校に任されているのが現状でございます。
 私の市では、本市の出身学校で教育実習を受けるケースが多くございますので、その市の教員となってくれる確率が高いということで、是非、各学校は受け入れ に協力するよう要請しております。それから、どのような内容でどれだけの時間指導するかということについては、ある程度統一したものが必要ではないかと思っております。教員採用後に初任者から学生当時の教育実習の話を聞きますと、実習先の学校で受けられる教育実習内容に格差があるようでございます。
 その他でございますが、最近、教員の多忙化、長時間勤務が大きく報道されておりまして、学生にはまるでブラック企業に就職するようなもので耐えられるものではありません。多くの優秀な人材が教員を志してくれるよう、今、文科省では「チーム学校」ということを言っていただいておりますが、この取組とともに、できれば給与体系など勤務条件の改善が是非とも必要だと思います。
 以上でございます。
【小原部会長】 ありがとうございました。
 それでは、これまでの説明に関し、委員から質問、御意見がありましたら、お願いしたいと思います。
 それでは、出口先生、お願いいたします。
【出口委員】 日本私立大学団体連合会様に質問といいますか、お伺いしたいのですが、要するに修士課程で教科専門のレベルアップということをよく考えていらっしゃって、最近、特に高校レベルではスーパーサイエンス・ハイスクールだとか、スーパーグローバル・ハイスクールだとか、それから世の中の学校、国際バカロレアのプログラムに準じた学校も増やそうということを考えましたときに、非常に高等学校では、特に理数系とか語学系、そういうようなグローバル化を目指しているところなどを考えますと、非常に高度な能力を持った教員が非常に必要というふうに私たちは思うわけですけれども、そういうときに、本日の書かれているここには、特に修士課程に焦点を絞ってされていますけれども、博士課程でポストドクとかオーバードクターの優秀な学生さんがいっぱいいらっしゃると思うのです、私大の出身でですね。そういう人たちが例えば特別免許状で教員になるとか、あるいは何らかの形でその教員というようなことについて、連合団体様は何か御検討されているようなものがあれば教えていただきたいのですけれども。
【長野専門委員】 結論から申し上げますと、この場合も、今後も多分ですが、博士課程における内容とか、進路とか、これは一切考えておりません。やはりこの中間まとめにあります大学院を含めた修士課程レベルという意味での範囲でここのところを考えておりますので、というところであります。
 ただ、もしもう一つ追加させていただきますと、今の既設の修士を通しまして、又は博士まで、もう一つは、教職の教員のということではございません、大学で教員になっていくようなという、その教員養成、この点は、今、非常に深く考え始めております。
 つまり、学校現場そのものに出ていく教員養成と、一方で本来の教育学研究科の持っている役目は、もう一方で、大学で教育学を教えていく教員のそういったような教員養成と言ったらいいのでしょうか、大学教員養成のようなこの点は、今、視野に入れつつあります。
【小原部会長】 ありがとうございました。
 永田先生、お願いいたします。
【永田委員】 私立小学校連合会の方に一つ御質問なのですが、特に教員の資質の向上については、私立の小・中・高も同じような課題を持っているということで、大変重要なことをお話しくださいました。私もそのように思います。
 そこで私は、道徳教育に関心を持っており、今までも私立の先生方と一緒に道徳教育の研修をやろうとしてきたのですが、公立の先生と合同でと呼びかけても、私学の先生だけになってしまうことが多く、公立の先生と私学の先生と一緒に授業研究をやろうとすると、どうしても参加のシステムが違っていて、できないというようなことが多くありました。せっかく同じ地域で同じ教育課題を持っている中にいるのに、できてこなかったという経験が何度もあります。これは公立側からもいろいろ努力すべきところはあると思うのですが、また、それぞれ役所の所属が違うなどの制度の違いはありますが、この問題を乗り越えていく算段とか、あるいはよい知恵があればお伺いしたいと思っております。
【矢崎会長】 非常に難しいと思います。私学の場合は建学の精神があります。ですから、創立者の考えを道徳教育の中に入れる場合もありますし、それからミッションスクールも多いわけで、祈りをもって道徳の時間に代えるような、それと公立の場合のテーマがあってお話しするのはいいのだろうと思うのですが、どこかでやっぱり融合できないものが出てくる可能性があると思いますけれども、今後、余りそういう公立と道徳の話をする機会がなかったので、考えたことはありませんでしたけれども、大変難しい問題かもしれません。
【永田委員】 道徳の授業に限らず、各教科等の研究とか、そのようなことについてはいかがでしょうか。
【矢崎会長】 各教科については可能性があると思います。そういう機会は余り作っていませんで、私学は私学同士の研修が多いです。それから、私立学校の場合はそういう教員になるための研修だけでなく、その学校の持っている建学の精神を学ぶ研修も大事なので、そういうことで時間はそっちの方に割くことが多いです。もちろん、私学の先生も公立の研究会に参加している人も大勢います。
【小原部会長】 それでは、時間となりましたので、後半4団体の意見に関する質疑応答はこれまでといたします。
 御発表いただきました各団体の皆様、どうもありがとうございました。
 前回から2回にわたり関係団体からヒアリングを行いましたが、その他の団体については、現在、書面にて意見を聴取しているところです。書面での意見聴取の結果につきましては、後日、各委員に連絡をさせていただきます。
 さて、今後の議論の進め方についてですが、私としては、中間まとめではそれなりに議論ができ、内容としてもある程度よくまとまってきていると思い、ほぼ答申に近いイメージができているように考えています。
 ただ、加えまして、教員養成課程カリキュラムや、育成協議会の仕組みなど、まだまだ議論を続けなければならない事項も残っております。年内答申まで期限も限られているので、制度設計のイメージをどなたかに作っていただき、それを一つのたたき台に議論してはどうかと考えております。
 そこで、そのような方向性で進めていってもよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【小原部会長】 ありがとうございます。
 私としては、教育委員会や学校現場の実態、そして大学における教員養成両方に高い知見をお持ちの松木先生にお願いをして、イメージ案、いわゆるたたき台のようなものをまとめていただき、必要に応じて他の委員にも御協力いただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【小原部会長】 それでは、松木委員に作業を進めていただきたいと思います。
 先生、よろしいですか。
【松木委員】 はい。先ほど長野先生からグランドデザインがないのではないかというお話を頂きましたが、育成協議会や育成指標のことを考えていきますと、大きなデザインになっていく可能性もあると思いまして、非常に身の引き締まる思いでおります。お引き受けいたします。
【小原部会長】 それでは、よろしくお願いいたします。
 では、今後の日程について、事務局から説明をお願いいたします。
【片見教職員課専門官】 次回の部会の日程につきましては、現在、調整中ですので、決定次第、追って御連絡させていただきます。
【小原部会長】 それでは、本日はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。

お問合せ先

総合教育政策局教育人材政策課

(総合教育政策局教育人材政策課)

-- 登録:平成27年10月 --