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教員養成部会(第83回) 議事録

1.日時

平成27年5月29日(金曜日)14時30分~17時00分

2.場所

TKPガーデンシティ永田町 ホール2A

3.議題

  1. 課程認定委員会委員の指名について
  2. これからの学校教育を担う教員の在り方について
  3. 論点整理
  4. その他

4.議事録

【小原部会長】  それでは、ほぼ定刻になりましたので、ただいまから第83回中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会を開催させていただきます。本日は、御多忙の中、御出席いただき、誠にありがとうございます。
 それでは、事務局より本日の配付資料の確認をお願いします。
【大江教職員課課長補佐】  それでは、失礼いたします。資料の確認をさせていただきます。
 まず一番上に、本日の座席表、1枚ございます。それから、続きまして、議事次第が1枚。
 資料1と致しまして、養成部会の委員名簿。2枚目に課程認定委員会の委員名簿の案が付いてございます。資料2と致しまして、教員養成部会の運営規則がございます。資料3でございますが、本日発表いただきます島根大学からの資料が、3-1、これがカラー刷りのもので1部、3-2として、A4縦長の資料が1部ございます。また、本日机上に配付させていただいております一番上に「1000時間体験学修」と書かれております資料のつづりがございます。続きまして、資料4と致しまして、「論点整理(これまでの主な御意見・検討すべき事項)」。その後ろに1枚別紙になっておりますけれども、論点整理事項、こちらも資料4の別紙というふうになっています。最後に、資料5の今後のスケジュール(予定)でございます。
 以上、過不足等ございましたら、事務局の方までお問い合わせいただけましたら幸いでございます。以上でございます。
【小原部会長】  よろしいでしょうか。
 それでは、本日は、課程認定委員会の委員について指名した後、新たな教育課題に関連した取組と教員養成の特色ある取組について有識者の方から御説明いただき、その後、7月の中間まとめに向けた論点整理を行ってまいります。
 まず課程認定委員会に属すべき委員の指名については、資料2の教員養成部会運営規則により、部会長が指名することになっております。第8期の課程認定委員会につきましては、資料1の2枚目のとおり計21名にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、新たな教育課程に関連した取組と教員養成の特色ある取組について、島根大学より説明いただきます。島根大学の2名の方を御紹介させていただきます。
 島根大学教育学部、小川学部長。
【小川学部長】  よろしくお願いします。
【小原部会長】  島根大学教育学部附属教育支援センター、川路センター長。
【川路センター長】  よろしくお願いいたします。
【小原部会長】  それでは、御説明をお願いいたします。25分程度でよろしくお願いいたします。
【小川学部長】  失礼いたします。ただいま御紹介いただいた小川と川路でございます。今回このようなうちの教育についてお話しする機会を与えてくださったことを大変光栄に思っております。きょうはよろしくお願いいたします。それでは、座って説明させていただきます。
 資料3-1のポンチ絵並びにその後の資料3-2という流れで説明をさせていただきたいと思います。なお、先ほど御紹介がありました、こういう形での冊子のものの参考資料も多数用意してきておりますが、話の中で特にプロファイルシートと言われているものだけ、これも少し参照しながら説明をさせていただきたいと思っております。
 それでは、ポンチ絵、資料3-1の丸1についてのところからスタートしたいと思います。今回、小川の方で教員養成、本学教育学部の教師教育についての概要をこのポンチ絵でお話しし、その後、川路の方から、もう一つのポンチ絵並びに具体的な体験のメニューの内容あるいは体験時間あるいは体験先といった成果、実績についてお話しし、最後に私の方で、大きく成果のまとめ、また今後の課題についてお話しするという流れでやらせていただきたいと思います。
 それでは、ポンチ絵の1枚にもございます、これは本教育学部、特に鳥取大学と再編・統合でうちが山陰の教員養成の中核的機能を担った平成16年4月から導入しました、今回のテーマの中心でございます1000時間体験学修並びにそれと連動しながら教師力を育てていくといううちの教育のシステムについて、あるいはそれを運営、管轄するセンター等の名前を付したものでございます。今回、平成16年当時の高岡学部長も委員におられて、ちょっと緊張しながらしゃべっておりますけれども、よろしくお願いいたします。
 まずうちの学部は、教師を育てるということで、その育てる教師の力とはどういうものかというところです。真ん中の緑のところに10の教師力と書いてございます。実はこれがプロファイルシートの中で個々の学生の自己評価をするものがございます。赤で書いてあります3領域、それぞれに更に下位項目がございまして、合計して10の教師力ということになっております。これがどういうものかというところは、またプロファイルシートのところで少し参照したいかなと思います。
 体験学修も、このような10の教師力を育てる上でのカリキュラムの中の一つとして我が学部では位置付けられております。ただ、根底には、講義、演習のみではなく、プラスそれとの往還によって教師力を育てるものとしての多様な体験活動、こういうものを学部時代から経験していく。それを通じてこそいわゆる高度な専門職業人たる教師力というものは付くのではないかという、そういう考え方が根底にあるものでございます。
 まず、右側のところのプロファイルシートシステムについて、きょう添付しました資料を見ながら少しだけ概要を御説明したいと思います。このクリップでとめておられます中で、資料番号が付いていないので恐縮ですが、A4の横版でこのような形での一つのシート、これは結果的に学生がある時点で自己評価したものの一つでございますので、これを見ながら少し御説明させていただきたいと思います。
 実は10の軸がございます。学校理解から学習者理解、最後、リテラシーまでということでございます。なお、このそれぞれの軸においてどのような形で学生に自己評価をさせているのかという、そういうより下位の質問項目については、またこの後にございます緑の冊子、この中には一連の、具体的にはどういう問い掛けによって学生に自己評価させるのかというところが、教職教養の領域、そして、専攻の講義・演習の領域、そして、体験学修、その中でも必修として課すもの、更に選択として学生が自由に選ぶもの、それぞれの領域において求められる教師力の育ちを学生自身が評価します。それの総合的に合わせたものが、このA4の中の一番左の上に出ているものでございます。
 ただ、ここで申し上げたいのは、この円が、学生によっていびつなものもあれば、ほぼ丸いものもありますが、決してこの円を全くどれも伸ばすといったようなことが最終目的でなくて、むしろそこに指導教員所見という欄がございます。これはあくまでもサンプルでございますが、2年次の後期、3年次の全ての実習が終わった後、そして、4年次の教職実践演習に突入する直前のところで、卒業までに3回のところでそれぞれ学修、学生の自己評価をします。また、同様に、関連する科目のGPA得点等もこの上には反映されるようになっております。
 この結果を受けて、実は指導教員とこれを題材にしながら、面と向き合って対話の中で、その学生にとってのいわゆる強みとか、あるいはまだ育っていないところは何かとか、あるいは今後どういうところを目指して更に学修をしていくのかといったようなそういう教師と学生の対話の道具、あるいは教職実践演習におきましては仲間同士での対話の道具、あるいは教職実践演習に参加いただく地域の現職の先生と対話する中でこういうものも使ってやっております。ということを一言、この参考資料のところで御説明させていただきたいと思います。
 もう一度、最初のポンチ絵に帰ります。このプロファイルシート、これは毎年改訂をしております。またその改訂の中のきっかけとなりますのも、その一つとして、その下に面接道場という変な名前がございますが、実はこれ、地域のステークホルダー等も入れながらの外部評価委員の方に生に学生と接していただき、生で面接する等をしていただく。そういうものの中で実施している1つの事業の名前でございます。こういう地域の方々の御意見も取り入れ、もちろんその中には、NPO、企業人のみではなくて、もちろん学校教育関係者もいます。そういう結果も受けながら、このプロファイルシートというのは年々必ず改訂あるいは具体的な質問項目の内容をもう一度精査し、そして、その結果を必ずシラバスに反映させるようにしております。ですので、ここのプロファイルシートシステムとシラバスも一貫性を持たせながらやっております。
 その右にございます1000時間体験学修、これがきょうのお話の中心になると思います。教育支援センターが運営・管轄しているところでございます。細かな内容は後で川路が説明しますが、実はこの選択400時間というのが基礎体験でございます。実はこの選択400時間というメニューは、地域の方から提供を頂いております。学校に限らず、社会教育施設あるいは自治体等からということでございますので、実はこの1枚物の裏面には、地域の方、地域との協働によって本学教育学部の教師力の育成が地域との協働においてなされている。先ほどの面接道場もそうですけれども、そこのところも一つの重要なポイントではないのかなと思います。
 それから、右端に未来教師塾という、これは就職支援でございます。近年のところでは、卒業後の学生も継続してここで支援していく体制をやっと今年からスタートし始め、また、この延長線上で、講師として就職した学生の研修も、ここを中心としながら県の教育委員会と連携しながら、今年度から事業を開始しようとしているところでございます。
 長い説明になりましたが、教師を育てるうちの教育学部の一つの特色について御説明させていただきました。
【川路センター長】  それでは、引き続きまして、きょうのお話のメーンとなります1,000時間体験の基礎体験活動について焦点化してお話をさせていただきます。ポンチ絵の方1枚めくっていただきまして、右上に資料3-1の丸2と書いてあるもの、それから、縦置きの資料3-2と書いてあります11ページ物の方を併せてごらんください。
 ポンチ絵の方から簡単に説明させていただきますと、1,000時間のうち、大学の中で必ず110時間の必修体験がございます。これは私ども支援センターの方で中心に企画をして行っております。ポンチ絵の左側が大学内での活動、右側が大学外での活動というふうに、私どもでは二つのフィールドで学生さんにいろいろな体験をしていただいています。
 左側の下のところには、先ほど説明しました面接道場、プロファイルシート、未来教師塾、これらのものも1,000時間の中の選択の一部あるいは選択外のところで時間認定を行っておりますが、きょうはそちらではなく、右側の、大学の外に出掛けていって学生が多様な体験をしているというところに焦点化をしてお話しさせていただきます。
 主に学校というところで行われる体験、それから、社会教育施設等で行われる体験、それから、それ以外の各種団体というところで行われる体験、それから、実習セメスターという、教育実習に本学部では3年次の後期に行くのですが、二重履修を解消するために3年次の後期には通常の授業を開講しておりません。そして、逆に言いますと通常の授業がありませんので、うちではA班、B班体制で40人ぐらいずつの学生さんが教育実習に行くんですけれども、40人が実習に行っている間、残りの40人は暇といいますか、大学の授業がないので、その期間に市内、特に松江市、出雲市、それから、鳥取県の米子市、境港市といったところにある小学校・中学校へ平日昼間の授業の学習支援に行って、子供たちと実際に関わったり、授業を一緒に学んだりというような形にしております。このセメスター体験に行って教育実習に行く者と、教育実習を附属学校で行った後にセメスター体験に行って一般の学校に行くというところの学修の交換が行われるのがうちの一つの特色でございます。
 それでは、3-2の方をごらんください。縦置きのワードの資料になります。こうした支援センターには、実をいうと、私以外に専任教員が4名おります。そのうちの2名は島根県の現職教員の方が交流派遣という形で2名、鳥取県から1名の方、それから、ここには載っておりませんが、C系G系と呼ばれる臨床カウンセリング体験をするために臨床心理士の方合わせて4名の方が専任で、それ以外にも特任の方が2名いらっしゃいます。基本、このスタッフと、あとは、学部の一部の教員を使って、この1,000時間体験の基礎体験を実際に運用しております。
 一番下を見ていただきますと、ここ数年の基礎体験活動、特に400時間の部分に外部からどれぐらいの数の団体を受け入れ、それについて、一つの団体が幾つも体験活動を募集されるところもありますので、平成26年でいいますと、443の体験数、全ての体験に学生が必ず入るわけではありませんが、学生の参加の活動数が258、それに参加した学生の延べ人数が2,396ということで、大体二千数百の延べ人数の学生さんが、松江、出雲、それから、境港、米子市といった、大学を中心とした半径20キロ圏内の学校あるいは社会教育施設に実際に体験に行っているということになります。
 裏面をごらんください。2ページのところになりますけれども、平成22年から25年までのところで、学校体験というのはその下の表のA、B、Cのところになりますけれども、これを三つ合わせてどれぐらいの比率で学生が行っているかについての推移が分かるようになっております。
 それから、先ほど私が申し上げました体験の具体的の体験先、体験活動名が、その下に表になってございます。Aのところは学校体験の幼稚園や小学校、Bは中学校、高校、Cは特別支援学校、通級、指導教室等に分かれております。右側の方には、具体的にこういう名前の募集が掛かって、ここに例えば小学校でしたら小学校の学習支援活動、それから、学童保育といったようなところに参加しております。
 Dのところの行政関係のところですと、ウィークエンドスクール、サタデースクールという、土曜日に学校を開放して子供たちを集めて学習の補講をしているところに、大学生が1000時間体験で子供たちに指導を行っております。ニュースなどでこういうのをボランティア活動で行っているというのはよくお聞きになると思いますけれども、本学では学生に、この活動はボランティアではなく、皆さんの学びのために行っているということを必ず伝えております。よく「1000時間体験はボランティアですよね」と言われるんですけれども、「いえ、ボランティアではありません。これは学生の学びの場です」ということを言っておりますし、学生の前でもボランティアということは一切使っておりません。
 それ以外にも、社会教育施設です。島根県には三瓶とか、サン・レイク、それから、船上山といった社会教育施設等があります。そこに学生さんが行っていろいろなイベントを企画したりとか、学校以外のところで子供たち、それから、保護者と一緒に子供たちが体験をするようなものを自分たちで企画して、イベントを行っております。
 それ以外にも、Fのところで各種団体、いろいろな市内のところからいろいろな募集が来ますので、それについて支援センターで審査をした後、ここに載っているようなもののところに学生さんたちに行っていただいております。
 Gのところは、先ほど説明しましたけれども、3年次後期の実習の裏番組になっております。
 専攻別体験というのが、これは右側のところの3ページの上の方の表になりますけれども、私どもの学部にあります各専攻に、専門性を生かしながら体験活動を企画してくださいというようなことをお願いしまして、各専攻が学内でするものもあれば、学外に学生を連れ出して行うような体験もございます。
 そうした多様な体験を卒業するまでに400時間必ずしなければいけないということを学生さんたちに1年生の最初に説明しまして、ここ近年の平均ですと、400時間の必修に対して大体500から600時間のところで平均時間数は推移しております。
 そこから、3ページの下からになりますが、これにつきましては、支援センターの方で毎年学生さんに向けて、4ページにある表の下のところを見ていただくと、1年生は2015年2月というふうに日付が書いてございますが、このときに、それまでの1から10の先ほど申しました10の教師力について更に細かな質問項目を作りまして5段階評価をしたものの集計結果でございます。
 数字よりも、5ページに載っておりますチャート表の方を見ていただければいいと思います。先ほど小川学部長の方も説明いたしましたが、この表が必ず丸くなることを私どもはいいと考えておりません。特に基礎体験活動は、学外に出ていって社会教育や多様な体験をしますので、特に見ていただくと、教科基礎知識・技能とか、学習支援の指導技術というところは大きく点数が低いところがございますが、それは体験の特質がここに出ているというふうにお考えください。学校理解につきましても、特に1年生、2年生ではガタンと落ちておりますが、3年生、4年生になると上がっております。これは学生たちが3年生、4年生になると、自分たちの志向で学校に行ってもっといろいろなことを学んでみたいということでこの数値が上がっているということが分かります。ですので、このようないびつな形ですけれども、それは基礎体験の中身で自己評価をさせているということで御理解いただければと思います。
 6ページ以降のところには、これまで支援センターの方で、卒業しました学生の基礎体験活動における学びについてコメントの集計をしております。幾つか下線を引いているところは是非読んでいただきたいなと思って私の方で付けさせていただきました。見ていただきますと、いろいろな世代の方と交流する機会がある、保護者体験がある、あるいは学校教育だけでは育むことが難しい主体的な学びを生み出す働き掛けがあることが分かりましたとか、あるいは障害のある子供たちとじかに接するような体験活動がありましたとか、保護者との関係作りというようなことも基礎体験活動の中で学生は大学4年間の中で体験しております。なかなかこういう体験は、教育実習という、作られた、免許を取るためにやる実習の中ではできない体験がこの基礎体験の中には豊富に入っていることを卒業生が記述してくれたのではないかと思っております。
 (3)のところでは、卒業した学生の管理職について、支援センターの教員が聞き取り調査をした際のコメントが載っております。そのまま載せておりますので、ちょっとちぐはぐなところもございますが、後ほど読んでいただければと思います。7ページの真ん中辺りに、学生時代にたくさんの学校現場を見ている経験は大きいというふうに校長先生の方から基礎体験の内容について評価を頂いている文章もございます。
 7ページの下から8ページにかけましては、つい先日、ここに書いてあることばと心を育てる親の会の方から是非学生に伝えてくれというメールがございましたので、載せてございます。とてもいいお話でしたので、是非委員の方々に見ていただければなと思って載せさせていただきました。
 9ページからは少しデータの分析をしております。実をいいますと、平成23年3月、この赤のグラフですと、これが全国の教員就職の平均値なんですが、平成23年3月のときには、ちょっと見にくくなっておりますが、67.3%の学生が、本学部の卒業生の者が教員に就職いたしました。26年ですと56%、これは昨年の3月ですけれども、平均をなかなか上回れないんですが、じゃ、23年と26年の違いは何があったんだろうかということを調べた結果でございます。
 9ページの下にあるカラーの棒グラフと積み上げ型のグラフと10ページの上のグラフが、23年、26年になっております。見ていただけると、学生の中位層、500時間までのところが23年はとてもたくさんいるんですけれども、逆に26年ですと、これ、グラフが下のところは100刻みではなく50、50刻みになっておりますけれども、やはり体験に余り行っていない、ぎりぎりの学生さんが26年は多いということが分かりました。
 逆に言いますと、1,000時間以上、これ、400時間の必修に対して1,000時間ですので、必修の倍以上行っている学生さんもいるということがこの表から分かるんですが、実をいいますと、それよりもやはり学びのある体験時間数がどの辺りにあるのかということも支援センターでは考えております。ただたくさん行けばいいとかそういうものではなくて、きちんと学びとの往還ができる時間数とか、あるいは400時間よりもどの程度のものを学生にこちらから提供すればいいのか、あるいは履修指導すればいいのかということがこの中から分かってくるのではないかと考えております。
 10ページの下のところから11ページの右上の表につきましては、23年と26年の、先ほど申し上げました10種類の体験のどこにたくさん行っているのかということがこのグラフの中で分かります。やはり23年は、学校体験のところが26年に比べるとかなりたくさん行っていることが分かります。逆に26年ですと、各種団体のところは1位なんですけれども、専攻別体験が突出していて、専攻別体験についても私どもも考えないといけないなと。常にこういうデータを取りながら、1000時間体験の内容について改善をしていくというのが、支援センターの、ただ運営しているだけではなくて、改善のポイントをこういうふうなところでデータを取りながら毎年行っているところです。
 最後、成果につきましては、学部長の方からもう一度お話しさせていただきます。
【小川学部長】  失礼いたします。先ほど川路の報告をもう一度確認させていただきます。1000時間体験学修というのは3領域の合計数が1,000時間以上ということで、先ほど川路が言った400時間というのは、その1,000時間分の400のところは、地域から募集のあった、あるいは地域が提供するメニューを選択しながら最低でも400時間は4年間の間で取るという意味での必修という意味での400時間でございます。
 なお、この体験はボランティアではなくて学修だということの一つが、必ず一活動一活動ごとに事前指導、すなわち、何を自分は目的に持ってこの体験に臨むのかという指導、あるいは帰ってきた後で、何を学んだかという事後指導、それを得て、それぞれ学生がやった体験時間を、事後指導での学生の自己評価提出、あるいは対面で支援センター専任と話す中で、その結果、時間を可として認定する、あるいは場合によっては認定しない場合もあるといったような手続を踏んでおります。
 それでは、11ページ目、成果と課題ということで幾つか挙げさせていただいております。成果のところ、逐次読みませんが、まずはこういう多様な経験を積ませるのだということでスタートして、今年11年間が終わり、ちょうど12年目に入ろうとしております。延べでいいますと多様な学生数を送り出し、多様な体験時間を提供しております。
 このことは、2番目でも言っております、特に基礎体験の選択メニューにおける地域との連携において、そういう多様なメニューの提供があるという、そういうメニューの整備の中には、地域の貢献性、地域との貢献・連携が高まったということを背後にしますが、大学でいえば、このような体験学修を管理運営していく組織体制を設け11年あるいは12年目に突入しますが、こういうものが可能であるといったようなところを実際的にできたというところが一番の成果なのかなとも思っております。
 4番のところです。これは全体のところで申しました、体験、ただそれだけが突出するのではなくて、背後にプロファイルシートであるとか、あるいは地域の方と一緒にやる、外部評価の方も加えた学生のみとりとか、そういうような教育的なシフトの中で、このような上の1、2のようなところ、特に1、必修化をして指導体制が構築でき、ここまで運営できた成果にもつながっているのかなと思います。
 さらに、4番目のところなんですけれども、長い目で見て、就職の進路の中で教員を目指すというところ、年度によって高い、低いはございますが、スタートした時点よりも一つの指標としてのものを見たときに長い目では向上をしてきています。なお、今年度は、今のところ、現時点で65.2%という教員就職率を現時点では達成しておりますので、併せて御報告したいと思います。
 課題のところに行きます。今回三つ挙げておりますけれども、実はかなり細かい課題を挙げております。もちろん一番大きな課題としましては、このような体験学修のシステムを今後も維持をしていき、その中で、地域との連携の中で体験学修が教師力を育てる上でどのような機能を持つのかといったようなところ、これを継続的に今後もやっていくというところが一番の課題ではございます。
 ここに書いてございますのは、少し中に入り込んだ、かなり個別的な課題でございますが、今うちが問題視しておりますのが1番のところでございます。川路も言ったように、年度年度で学生の資質は変わっておりますが、うちは理論と実践の往還ということで各専攻の企画も基礎体験の選択に入れておりますが、近年ここのところの比重が増えたというのが一つですので、学外での体験のバランスをどういうふうに教師力を付ける上で考えるのかということです。それからもう一つが、文章が表現し切れていないんですが、専攻体験の質そのものも、必ずしも専攻が提供する体験がきちんと理論と実践の往還をしながら専門性を高めるものなのかということを、12年目を迎える中で昨年度辺りから少しメニュー自体も専攻と見直していこうというところが一つの課題でございます。
 それから、2番目です。基本は、学生が行きたいものを選んで学外に出るということが、学生が実際に自分で自主的に選んだものの中でどう教師力が育つのかということで、どういうメニューを選択するかは学生任せではございました。ただ、近年のところ、学生の質も平成16年スタートしたときから徐々に変わる中で、今、一つ出ている案は、このような選択メニューをしてこういうような育ちをした先輩もいるという形で、ただ単に選択ではなくて、ある程度の、カリキュラムモデルとまではいいませんが、選択のモデルなんかも少し学生に示してやればといったようなことを現在検討しています。
 3番目は、川路が申しました、こうして学部で育てた学生というのが実際卒業した後の教育現場等で活動する中で、一体この体験を経験したということがどういう意味があるのかということは、これからも追跡をしながらますますやっていかなければいけないという課題が残っていると。現在もしておりますけれども、継続的な課題であるということでございます。
 拙速、早急な説明ではございましたが、以上で島根大学教育学部からの発表項目を終わらせていただきます。ありがとうございました。よろしくお願いします。
【小原部会長】  ありがとうございました。
 それでは、今から15分ほどかけて、御質問、御意見等がありましたら、お願いします。御質問のある方は名札を立てていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まずは、私からでよろしいでしょうか。これ、400時間というと大体10単位相当になりますけれども、3年の後期の単位として10単位を彼らに認定してあげるんですか。それとも、3年の後期は実習だけの5単位で終わってしまうんでしょうか。
【小川学部長】  それにつきましては、お手数ですが、このクリップでとめておりますこのパンフレットをめくったその後のところに、履修の手引のコピーしたものがございます。1枚目のところ、1000時間体験学修の履修というところを更にめくっていただきますと、教育体験活動表というのがございます。この表が、必修と言われているものと、それから、2枚目めくっていただきますと、選択というところがございます。
 結論から申しまして、体験学修の認定の仕方が2種類ございます。一つは、学生が行った時間を、事後指導の後何十時間といって認定する。それを学期末の成績講評と同じように、あなたの今度の認定時間は何時間ですとやります。それともう一つが、特に教育実習なんですけれども、必修の中の学校教育体験領域というところの一覧を見ていただきますと、この必修の表にございます学校体験領域の更に右側のところをずっと見ていただきますと、例えば学校教育実習3、1単位、学校教育実習4、4単位という形であります。これが二つ目のタイプでございまして、時間の認定もするけれども、成績を秀、優、良、可、不可という形で付ける。これは学期末のところで取得した単位としても学生にフィードバックをするし、免許の申請のときにはこの単位を用いられるようにしているという、そういう構造でやっております。済みません、お答えになっているのかどうか。
【小原部会長】  秋田先生。
【秋田委員】  全員が参加するということで、これから教員になっていく人たちの体験がどうあったらいいのかということの御示唆を頂けたと思って学ばせていただきました。その中で、私は大学の教員として、事前・事後指導以外に、大学の方での理論、知識、パンフレットを見せていただきますと、スキルというものが体験によって育てられるということがかなり強調されていますが、いわゆる大学の学部の講義がそういう実習体験を学生の側(がわ)がしてくることによってどのように豊かになったり、変わったりしていくのかというところを是非伺いたいと思います。外へ出すと同時に、内側の大学の教員がどういうふうに教職の授業が変わり、より理論と実践の往還が深められているのか。12年やってこられてその間にどのように変化されたのかというのを是非伺いたいと思います。
【川路センター長】  ありがとうございます。例えば教育原論とかそういう教育学の基礎的なものは座学として学んでいるんですけれども、2年生、3年生になりますと、例えば模擬授業を行ったりとかそういうところの部分などでは、まず模擬授業をするときに、子供の生の実態を彼らは基礎体験に行って知っておりますので、きっとこういう場面ではこういうふうな発言をするというのが、昔ですと自分が子供だったときの経験を基に模擬授業とか授業構想とかをするところが、やはり実際に子供を知っているので、あの子たちにやったらどうだろうかというような、頭の中に子供のモデルができている。あるいは、実際にサタデースクールやウィークエンドスクールといったところで中学生に単元を教えるというか、授業ではありませんけれども、個別指導を行っているというところから生徒の実態とかというものをよく知っている。
 逆に、教育法とか、あるいはこういう知識を知っていないと子供たちに教えられないというようなことも出てきております。その辺りは、昔、このカリキュラム、1000時間がなかった時代にも私は教科教育法を教えておりましたけれども、学生のそういう授業の中でポツリポツリと話す、あるいは協議していくようなディスカッションするときのベースのレベルがかなり違うということを実感しているところです。
【小川学部長】  付け加えますと、仕組み的には、冒頭で御説明しましたけれども、毎年毎年プロファイルシートを書き直ししています。これは実はシラバスの内容とも連動させながらということで、体験学修の学生を取りまとめた傾向とか、あるいは面接道場で外部の方から出た問題等というところでの見直しをしますが、その中で特に教科教育系は、御存じのようにスキルが付いても実際に学問体そのものの基礎的なものが分かっていないとなかなか教えられません。ですが、一方で専門領域が分かっているだけでも、それを分からない子に教えることができないということですので、ここでの行ったり来たりが必要だということです。
 その一つの成果としては、教科専門の方の授業の在り方なんかで、やはり自分がやっている専門領域がどう教材化に結び付くかとか、あるいは指導する上の方法論上ではどういうところで結び付いていくのかといった、大きな意味ではシラバスとか授業内容の改善にはつながったのではないのかな、あるいはいわゆる専門系の方たちの意識の変化といったようなところにもつながったのかなと思います。といいますのは、教科専門の方も、このプロファイルシートで対面しながら話すときに、自分の専門のことだけ話していても、なかなか学生と対話がいかないものですから、一体教師力を育てる上で自分の専門を教えている教科がどういう位置付けにあるのかといったことも分かりながらでないとなかなか学生とも対面ができませんので、そういうところが一つの成果かなと思います。
 私は特別支援教育なんですけれども、やはり授業していて違うのは、今まで授業は授業、ペーパーテストはペーパーテストだったんですが、やはり学生は、体験する中で疑問を持ったことを授業で習ったことでどう解決するのかといった観点でアクティブなラーニングの時間を取り入れようとうちの学部もしておりますが、そのときに、結構学生側のアクティブラーニングする上での発想の根源とか具体的な根拠の経験といった彼らの材料を豊富化していますので、アクティブラーニング自身も、恐らく川路が言ったように、こういう体験が必修化されていなかった時代と比べてこれはかなり違ってきているのかなというように思ったりはしております。
【小原部会長】  北神先生。
【北神委員】  ありがとうございました。1000時間体験の部分で、必修の方はある程度計画立てて積み上げ方式のスパイラル、レベルアップのような形で構想されているかと思うんですが、そこに選択の体験をどうリンクさせていくのかと。御発表を伺うと、その選択の部分は基本的に今まで学生のニーズで組み立ててきたと。今後それをどうするかということも含めて御検討されるという話だったんですが、ある程度体験すれば必ず何かは得てくる部分が、そのことが例えば必修と選択部分で、選択でやったものがうまく必修につながるとか、必修で学んだものを今度また選択の体験を通して更に幅を広げるとか深みを持たせるとか、そこら辺りの見通しというか、これまでは学生のニーズということでやられてきたわけですが、今後の課題のところでも御指摘があったんですが、その辺り、学内的にどのような検討がされているのか、もし検討状況を教えていただけるのであれば、そのお話をちょっと伺えればと思います。
【川路センター長】  分かりました。ポンチ絵の2のところを見ていただきますと、左上に必修体験110時間というところが緑のところに白抜きでありますけれども、入門期セミナー1と2というのは、これはどちらかというと新入生の、島根大学のことを知ってもらうためのセミナーになります。
 下のところに充実期・応用期・発展期セミナーというのがあります。これは全員の学生さんに半必修という形で必ず出てきなさいということでやっているんですけれども、これはある時期に、例えば2年生のちょうど夏ぐらいですかね、その時期に全2年生を集めて、それぞれに今まで1年半行ってきた体験活動のファイルがございますので、それを1人ずつ配って、ある程度グルーピングをしまして、そこで、自分たちが体験にいろいろなところに行っているんだけれども、それぞれで学んできたことで私はこういうことを学んできたということをグループディスカッションしなさいということを必ず年に1回入れております。
 なので、必修というのは、そういう情報の交流、それから、お互いの学びの共有化を念頭にして必修の時間を組み込んでいますので、必修は必修として単独で体験とは全く異なることではなくて、学生さんが選択でやってきたものを、大学教員がただ価値付けるのではなくて、お互いに話合いをしていく中で、結構この話合いが盛り上がるんです。自分はこんなところでこんな苦労をしてきたとか苦労話から始まって、子供たちがこうだったとかというような話を、私たちはそれを、盛り上がらないところは、「どうだった?」とやりながらも、あるいは基本的に盛り上がっているところは、どんどん話しなさいみたいな形で、幾つかのグループに分けながら担当教員が指導しております。そういうふうなものを1年に1回ずつ入れているのが必修というふうにお考えいただければと思います。
【北神委員】  ありがとうございました。
【小原部会長】  酒井先生で次に入りたいと思います。
【酒井委員】  ありがとうございます。私、初めて島根大の1000時間の、1,000時間と聞いたときは、もう本当にすごい長い時間ですごいことをやってらっしゃると。内容聞きまして、また非常に構成のしっかりしたカリキュラムだというふうに感銘を受けました。
 私、この中でやはり一番特色のあるのは、先ほど御説明があった基礎体験領域だと感じました。このことの基本的な考え方をお伺いしたいんですが、要するに、今、教師を育てる上でまず必要なのが、ここで言う基礎体験なんだという、多分そういう考え方がおありだと思います。それは恐らく大学に入ってくる学生たちが非常に社会経験が乏しく、対人関係能力が乏しい中で、やはりそこをしっかり付けることがまずは大事だと。その先に学校実習があり臨床実習があり、そういう考え方だと思うんです。
 それで、実はその考え方が現在教職のカリキュラムの中にはほとんど反映されていないところだと思いまして、恐らくそれ、非常に重要なところだと思います。今申し上げましたところ、何をこの基礎体験領域で学生に一番身に付けてほしいのか、考えてほしいのかというところをもう少しお聞かせいただければと思います。以上です。
【小川学部長】  ありがとうございました。おっしゃるとおりでございまして、私も平成15年当時この体験学修を企画する中にも参加させていただいておりました。その中での基礎という名前の根本というのが、やはり高度な専門性を持った教職生活を生きていく上で、その基盤となる、まず多様な見識、多様な知識、中には卒後、地域とも一緒にやっていかなければいけないという意味では、教師として付けておくべき力ということもございますが、まずは、たとえでいいますと、しっかりした専門性の柱を立てるためには、人間的にもしっかりした土台を築くべきであろうと。そのときに、一体、学内だけ、あるいは今の演習、講義だけ、あるいは教育実習だけで実際そういう力は付くのであろうかということ。
 それなら、山陰という地域の特徴もございまして、地域の方は大学に対して非常に協力的な地域という、そういう文化もありますので、まず地域の方にお任せと言うとあれなんですが、放り出して、リアルな問題について体験してもらうとか、その中で学生にそれぞれのものをつかんでいただく。その中であえて、教師ってどんな仕事なんだろうかとか、いろいろな教育の場があるのに、学校ってどういうところだろうかというところを意識してもらいながら、教育実習に3年ぐらいからバーンと突入していただくというのが、当初、体験のカリキュラムの大きな構想としてはそういうところがございます。
【小原部会長】  あと2名の先生です。安部先生、それから、坂越先生で終わりたいと思いますので、手短にお願いいたします。では、安部先生、お願いします。
【安部委員】  発表ありがとうございました。一つお伺いします。課題の中で、体験には二種類あって、専攻別体験の参加が増えてきて、いわゆる全体的な基礎体験の部分が減ってきたというふうな御指摘をされましたが、これの原因は何なのかということとか、それから、今後やはり社会教育体験、こちらの2ページ、3ページでしたら2ページ側の左の方の体験を増やしていくことが大切なような気がするんですけれども、その辺のところの専攻別体験をどう捉えておられるかということ、全体的な中でお答えいただければと思います。
【川路センター長】  専攻別体験が全ていけないというわけではなくて、専攻の中にも、子供たちと関わるようなものを大学側で企画していらっしゃるところと、どちらかというと専攻として専門的な学問をきちんと身に付けないと子供たちと対峙(たいじ)できないよねという形でやられているものと、いろいろな種類のものがあります。やはり私どもとしては、最終的には子供と関わるということを前提に学生を育ててくださいということをお願いしているので、一概に専攻別体験は全部いけないのでなくすというようなことは考えておりません。
 ただ、学生さんの中にも、400時間足りたらもう卒業できるからそれでいいというふうな考え方のそういう学生さんもいます。先ほどの表の中で1,000時間もやっている学生さんもいれば、四百何十時間のところにも相当数がいるというのは、そういうふうに学生さんがだんだんと二極分化してきているところがあって、そこのところをいかに私どもは、強制ではなく、学びとしてどういうふうにマネジメントしていくかということを悩んでいるわけです。
 強制的にここに行けと言うのは簡単ですけれども、実は支援センター長をしておりますと、いろいろなところから募集が来るんですけれども、参加者がいませんでしたというので大変申し訳ない思いもしております。なので、そういう思いもあって、専攻別で大学の中に囲い込むだけではなく、是非そういう有用な体験に学生さんに出ていってほしいなということも裏腹ございまして、こういうふうな書き方をさせていただきました。
【小川学部長】  済みません、一言。すぐ終わります。先ほどの御質問の関連でいいますと、実は専攻別体験というのは、教科の専門性、理論と往還で非常に重要性は分かるんですが、学内でできてしまいます。やっぱり学生さん、それをやっていると基礎時間が400時間どんどん埋まってしまうんです。やっぱりそちらに学年ごとに流れます。
 一方、やはり趣旨に帰ると、基礎体験というのはもともとスタートがとにかく学校の外に出ようよというところからスタートしました。一方で、教科内容構成研究といった教科における理論と、これも重要だよねというところで、実はうちもまだこのジレンマではありますが、やはりバランスよくといいますか、教科専門的なものもやるけれども外にも出かけるといった。ただ、それをそうやってしまうと必修にまたなってしまいますので、選択という枠の中でどう指導していくかというところが毎年なかなか意見がまとまらずというところでございます。ただ、モデルは何らかの形で構築して見せないといけないのかなと。その中には必ず基礎体験、本来の学外体験も入れながらといったようなことを今、検討中でやってございます。以上でございます。
【小原部会長】  坂越先生、お願いします。
【坂越委員】  ありがとうございます。限定的に評価のことだけ教えてください。プロファイルでカリキュラムマップがあって、いわゆる内容系に関しては、先生が出す評価と学生が出す自己評価とすり合わせして、どこがどうだったんだというようなことに持っていけると思うんですが、体験的なものに関しては、どんな感じですり合わせなり、あるいは学生と評価をもうちょっと修正するような手立てがあるのかということです。更にそれを今度フィードバックして学生に返してやるのに、もしそんな工夫があったら教えてください。
【川路センター長】  緑のものの最後ところに、体験活動の自己評価入力シートというのが、右側のCというところで、65、6のところから69ぐらい、70のところに、一応体験学修についてのプロファイルシートもございます。先ほど説明しました、学生に配る、島根学さんの表があったと思いますけれども、あの中にも体験学修についてのプロファイルも行えるようにしてあります。
 私どもはプロファイルシートは全部ネットでできるようになっておりまして、教員が、自分の学生さんの名簿が出てきて、ポチッと押すと、そこにこの学生さんがどういうふうな入力をしたかという一覧表が出てきて、そして、体験学修のボタンを押すと、その学生さんが1年生のときどの体験に何時間行ったか、2年生で何時間行ったかということが全部データとして画面上に幾つものマップが出て、それを見ながら教員がコメント欄を書く。ただ単に学生さんのチャートだけを見るのではなくて、チャートの基になったものを見ながらコメントを書いていくという作業になります。
 そこで面談をしながら、教員と学生の間で、私などでしたら、例えば学校体験が足りないからもう少し行ったらどうですかとか、あるいは社会教育の体験をとてもよくやっているので、次はもっと新しいものにチャレンジしたらどうですかというようなことをやっています。これは指導教員です。
 それから、支援センターの教員の方では、一つ一つの体験の行く前と事中と事後のところで、自分の課題は何かということを必ず振り返りさせるようにしていますし、その振り返りシートを出すことによって時間認定という形になっていますので、やりっ放しとか行きっ放しではなく、行ったら必ず振り返りをして提出物をさせることによって時間認定をするということを毎年必ずやっております。
【小原部会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、次に参りたいと思います。次に、中間まとめに向けて論点整理を行っていきます。まず、資料について事務局から説明をお願いいたします。
【大江教職員課課長補佐】  それでは、失礼いたします。資料4をごらんいただきたいと思います。このペーパーでございますが、「論点整理(これまでの主な御意見・検討すべき事項)」というペーパーでございます。このペーパーは論点ごとに主な意見をまとめたものでございまして、便宜的に大きく三つほどに分けさせていただいているところでございます。1ページ目から3ページ目までを養成・採用・研修全般に関わる事項といたしました。それから、4ページ目から6ページ目までを採用・研修に関わる事項、それから、7ページ目以降を養成・免許に関する事項ということで便宜的に分けさせていただいているところでございます。
 それでは、1ページ目から順次御説明さし上げたいと思います。全般、養成・採用・研修に関する事項でございます。この囲いでございますが、平成26年7月の中教審の諮問、それから、昨年7月に、この諮問と若干前後いたしますが、諮問の直前に御提言を頂きましたワーキングチームの論点整理、あるいは昨年11月に報告を頂きました養成部会の報告「これからの学校教育を担う教員の在り方について」の提言の中の関連する部分を載せております。
 まず全般に関わる事項でございますが、これからの教育を担う教員に求められる指導力を教員の専門性の中に明確に位置付け、全ての教員がその指導力を身に付けることができるようにするため、養成・採用・研修の接続を重視して見直し、再構築するための方策について検討するというのが諮問の内容でございます。また、その下でございますが、養成段階から教職生活全体を通じて、資質能力を深化・発展させることができるよう、各段階における学校・教育委員会と教職大学院等大学との連携・協働の取組を推進するための方策というのが諮問の内容でございます。
 これを受けまして、本部会での様々な御意見を頂いたところでございますが、代表的な意見としてこれ以降記述をさせていただいております。
 まずポツの一つ目でございます。論点は熟してきており、今期の教員養成部会では教職生涯にわたる職能成長を支える具体的な制度設計の構築が必要であるとの御意見。
 また、その一つ下でございます。同じような御意見でございますが、こういった学び続ける教員像の実現、理念を実現するための社会システムの構築が必要という点については、ほぼ方向性として共通認識があるだろうと。これを実態的なシステムとしてどう作っていくかということが非常に大切であるという御意見。
 一つ飛ばしますが、一番下のポツでございます。これは一部の県における取組のことについてですが、教育委員会・教員研修センターと協働して教職大学院のノウハウを生かしたルーブリックを開発し、研修を受けたことで大学院の単位にできるような仕組みを作っていく方向だという御紹介。
 あるいは、次のページになりますけれども、教員の到達目標について、養成あるいは初任、中堅、ミドルリーダー、管理職、各段階での専門性基準を共通認識としてスタンダードを作っていく必要があるのではないか。こういったルーブリックを確立することによって初めて研修が積み上がっていくということと、資質能力が高まっていくことを可視化できる仕組みも作っていく必要がある。
 それ以下でございますけれども、スタンダードあるいはルーブリックといった言葉でございますけれども、こういったものがしっかりあった方がいいということ。
 アメリカなどでは、こういった専門的な枠組み、スタンダードを作っていて、具体的な教員免許制度の設計、あるいは教育委員会と大学の役割分担などを並行していくことが今後必要である。
 また、同じような御意見でございますけれども、養成、初任、10年、更新講習、教職大学院、チーム学校での研修の在り方など、生涯にわたる職能成長を支える個々のものとして単独ではなく、それはつないでいきながら系統性を持たせて、どういった意義を果たしていくのか議論すべきであるという御意見。
 それから、一つ飛ばしまして、これもまたスタンダード、ルーブリックについて、シームレスなシステムとして、何がどの段階で求められるのかといったものをしっかり明確にしていくべきではないか。
 その下でございますが、採用する県教委あるいは大学の連携については、地域によってかなり状況が異なるという御意見でございます。各地域の状況を整理しながら議論する必要があるという御意見でございます。
 また、その下でございますが、スタンダードを作る際には、教育委員会と大学との連携あるいは教員同士の学び合いの仕組み、これが大切であるということの御意見でございます。
 若干早足で恐縮でございますが、4ページ目をお開きいただきたいと存じます。続きまして、採用あるいは研修における段階でございますが、四角枠の囲いでございます。中教審の諮問では、採用の前又は後に学校現場で行う実習あるいは研修を通じて適性を厳格に評価する仕組みの導入、あるいは選考過程の改善を図る取組を推進するため、どのような方策が考えられるかという諮問。
 一つ下でございますが、研修の内容を高度化する観点から、教職大学院等大学との連携の推進を含めどのような方策が考えられるか。
 あるいは、その下のワーキングペーパー、ワーキンググループでの論点整理でございますけれども、教職大学院等の教育機能や実績を勘案し、進学者・修了者等を対象に、履修を評価した取組を促進する必要があるといった御提言。
 一つ飛ばしますけれども、下から二つ目の丸でございます。養成、採用、研修における各段階を通じ、また国、都道府県、市町村、学校などの取組主体が、一貫した理念の下、相互に関連して体系的に取り組む必要があるという中で、とりわけ、独立行政法人教員研修センターの果たす役割は非常に大きい、機能強化が図られることが望まれるといった御提言を11月に頂いております。
 最後の丸でございますが、採用前において学校現場を経験する機会を増やすなど、互いのニーズを符合させるマッチングの工夫が必要であるということでございます。
 こういったことを受けまして、部会での御意見でございます。一つ目のポツでございます。養成段階で担うべき役割と、圧倒的多数を占める現職教員の学びや成長の機会をどう認定されるのか議論が必要であるという御意見。
 また、四つ目のポツになります。ここから幾つか初任研に関することでございます。岐阜県での取組として、講師経験のない直接採用の先生については学級担任を外す。半年間、副担任をしながら研修に集中してもらうというふうな取組をやっている。あるいは、小学校の教員と中・高の教員というのは基本的に養成の仕方が違うということ、こういったことをしっかり議論をしていかなければいけないんじゃないかということ。
 また、続きまして、初任研でございますけれども、初任研を通じて、学校全体としてすべての教員への研修あるいは校内研修組織の活性化につながるシステムとして考えるべきではないかということ。
 それから、メンター制をどう構築していくのか、再任用の教員等も活用したメンター制をどう考えていくのかという御意見。
 その下、ミドルリーダーについてでございますが、ミドルリーダーの育成としての研修、研修への大学の関わり方が大切であるということ。
 それから、教員研修への関与、これを教員養成大学のミッションとして考えることが大切であるという御意見がございました。
 ページをおめくりいただきまして、6ページの一番上でございます。教員養成は当然大変充実することが大切ではありますけれども、むしろ現職教員をどのようにやっていくかがこの分野でも非常に重要であるのではないか。これはICTに関連した御発言でございました。
 次の丸でございます。公立学校教員だけではなく、私立学校教員も非常に重要な研修の対象であって、全体的な資質の向上が必要であるといった御意見。
 それから、若干飛ばしますけれども、下から三つ目、アクティブラーニングに関してでございます。アクティブラーニングを行うための教員の研修について、振り返りと授業での実践のサイクルを作る校内研修システムの構築が大変重要であるという御意見。また、年間を通じた継続的で探究的な専門的研修が必要である。あるいは、新たな学びの過程の実践記録に基づく専門性基準高度化の認定、大学での学び直しや専門職の高度化が必要であるといった御意見。
 また、特別支援教育については、コーディネーターを核とするチーム支援体制、授業改善、支援員等の活用、地域資源の活用等が必要であるといった御意見。また、道徳の教科化に関しましては、専門的指導力確保のための研修の充実、あるいは道徳教育推進リーダーの養成等が必要であるといった、アクティブラーニング、それから、特別支援等、これはICTの活用も含まれていると思いますけれども、いわゆる新たな課題、今後教員が取り組んでいかなければいけない課題に対しての対応が大変重要であるといった御意見でございます。
 続きまして、7ページ、養成と免許についてでございます。諮問でございます。諮問では、主体的・協働的に学ぶ授業を展開できる指導力等、こういったものを身に付けさせる観点から、養成課程で学ぶべき内容あるいは課程認定の在り方も含めて免許制度をどのように見直していくべきか。また、特に学校現場を経験する機会の充実を含めてどのような方策が考えられるかということで諮問されておるところでございます。
 その下の、7月のワーキンググループでの御提言ですが、教員養成課程の教育課程の見直し、それから、免許状取得に必要な所要資格を改めることが必要であるといった御提言を頂いております。
 またその下のポツでございますけれども、学校種・教科種ごとの教員免許状を同時に複数取得しやすい方策を講じる必要性の有無について検討する必要があるという御提言でございます。
 また、11月の部会報告におきましても、主体的・協働的に学ぶ授業を展開する力、こういった力のための新しい指導力が必要。あるいは、特別支援教育、小学校英語、道徳、ICTの活用などのいわゆる新しい課題に対する教員養成課程の充実を図るとともに、生徒指導、学級経営を行う力の育成にも対応することが求められているということ。あるいは、教育委員会、学校現場の実情、ニーズを把握し、その共通理解の下に教員養成を行う必要がある。その際、教職生活を俯瞰(ふかん)して、養成段階で身に付けるべき内容を整理する必要があるという御意見でございます。
 こういったこれまでの積み重ねた御意見を受けまして、今期での御意見でございます。8ページ目以降でございます。教員養成については、生涯にわたる職能成長を支える養成としての施策を考えていかなければいけないという方向性は相当クリアになってきたのではないかという御意見。
 それから、冒頭から何度か出てきております教員スタンダードあるいはルーブリックをベースとして、具体的な免許制度の設計や教育委員会と大学との役割分担を考えていく必要があるということ。
 また、教育課程について、事後的な教職課程の評価、認証というところに視点が移っていくべきであるといった御意見。
 専修免許状を視野に入れながら高度化を進めていく制度設計が必要であるといった御意見でございます。
 また、先ほどと同様、アクティブラーニングあるいは特別支援、道徳につきましても、研修段階と同様、養成段階でもしっかり対応していく必要があるだろうといった御意見でございます。その他多数御意見ございますけれども、整理をさせていただきまして、このようにまとめさせていただいたところでございます。
 これを受けまして、資料4の別紙という1枚の紙がございます。こちらをごらんいただきたいと思います。こういった様々大変貴重な御意見、御議論をしていただいた上で、大変恐縮でございますが、事務局の方で更に今後議論を是非していただきたい点を、重点的に論点整理をまとめさせていただきました。
 全般に関する事項でございますけれども、読み上げさせていただきたいと思います。教員のキャリアステージに応じた育成指標あるいはそれに基づいた養成・研修段階での育成の在り方・制度的仕組みについてどう考えるか。上記の育成指標の策定や養成・研修段階での育成の在り方・制度的仕組みを考えた場合、国、教育委員会、大学等それぞれの果たす役割についてどう考えるか。それから、教育委員会、教職大学院等大学との連携・協力のための組織の設置あるいは役割についてどう考えるか。このほかどのような論点があるかということでまとめさせていただきました。
 また、採用・研修でございます。例えばメンター制の促進など、初任研の改善の方策についてどう考えるか。あるいは、ミドルリーダーとしての研修をどう位置付けるか。特に、10年経験者研修の改善の方策についてどう考えるか。新たな教育課題に対応した教員研修を担保する仕組みをどう考えるか。研修実施体制の整備・充実の方策についてどう考えるか。教員採用における多様で専門性を持つ人材の確保についてどう考えるか。独立行政法人教員研修センターの果たす役割についてどう考えるか。教員採用選考の共同実施についてどう考えるか。また、上記以外にはどのような論点があるかということでございます。
 最後に、養成・免許の部分でございます。新たな課題に対応した教職課程の在り方についてどう考えるか。学校現場を経験する機会の充実のための方策についてどう考えるか。教職課程の質保証の仕組みについてどう考えるか。専修免許状を視野に入れた教員の資質能力の高度化についてどう考えるか。教員免許制度の改善の方策についてどう考えるか。上記以外にはどのような論点があるかということで、簡単でございますが、1枚にまとめさせていただきました。
 以上、雑ぱくではございますけれども、事務局の説明は以上とさせていただきたいと思います。
【小原部会長】  ありがとうございました。これまでの意見でも出されているように、養成・採用・研修の接続を重視した改革の方向性は、諮問前からの長い議論の過程もあり、かなり共有されていると思います。今求められているのは具体的な制度のイメージを提示することだと思いますので、そういった視点で議論をしていただければと思います。
 それでは、事務局ペーパーに沿って協議いただきたいと思います。なお、時間も限られておりますので、便宜的に時間を分けさせていただきます。前半、ほぼ40分をめどに、養成・採用・研修全般に関わる事項と、採用・研修段階に関する協議、後半、約30分強になると思いますが、養成段階・免許に関する協議ということにさせていただければと思います。関連する議論に及んだ場合など適宜それにまたがった議論をしても構いません。
 それでは、まず前半の養成・採用・研修全般に関わる事項と採用・研修段階に関して、御意見等のある方は名札を立てていただければと思います。申し訳ございませんけれども、私の左側にいる方は、このファイルで見えないので、その上にのせていただきたいと思います。
 それでは、松木先生、その後、秋田先生、酒井先生、平本先生、北神先生の順番で行きたいと思います。その後、渋谷先生。
【松木委員】  改めてこの論点整理の事項を眺めてみたときに、やはり今、小原先生の方からも話がありましたけれども、もう少し明確な部分を出した方がいいんじゃないかなと思えています。それは何かというと、生涯にわたって職能成長を続ける、そういうことのできる学び続ける教員を支えていける、その学び続けていくという動機を支えていけるような明確なシステムといいますか、仕組みといいますか、それを提案すべきじゃないかなというふうに改めて思っております。
 特にキャリアステージの各段階、例えば初任の段階、ミドルの段階、管理職等の段階、それぞれの段階で育成指標を明確に提示しながら、生涯にわたって成長していけるキャリアパスのイメージを明確に、特に国がリードしながら作り出していくということが必要なんじゃないかなと思っています。当然ですが、それぞれの育成指標のところでサーティフィケート等に当たるようなものを準備しながら処遇も考えていくということになるかなと思いますが、そうなった場合のサーティフィケートをどういう協議会で出していくのかなんていうことについても考えるべきじゃないかなというような気がいたします。
 2点目は、そういったキャリアパスの仕組みの中に、これまで余り論議されてきていませんが、教職大学院をどう位置付けていくのかということについてやはりこれから論議していかなければいけないなと思います。特にアクティブラーニング等への転換ということを掲げた場合に、まずは子供以上に教師自身がアクティブラーニング自身を身に付けることでもありますし、それ以上にまず大学院の教員自身、例えば教職大学院の教員自身がきちんとアクティブラーニングに支えられた教育課程を実施しているかどうかといったようなことについての評価も各大学に求めていくべきだろうと思いますし、当然それに見合う教職大学院修了者に対するインセンティブを付けていかないと、教育学部の上に作った修士課程の二の舞になってしまうのではないかということを危惧しています。
 3点目は、地域と学校との関係についてです。これについてはまだ論議されていないなと思いますが、今後、コミュニティスクール化あるいはチーム学校での結論等がだんだんまとまってきたときに、やっぱり学校の中で核に動くべき教員自身が地域と学校をつないでいく役割を果たしていく。学校作りが地域作りにつながり、地域作りが学校につながっていくような役割を教員自身にもきちんと公務上も位置付けていけるような、特に例えば教員として社教主事として出ているような方もいらっしゃいますが、そういった社教主事と学校との関係、あるいは学校と地域との関係を結ぶような教師の役割を明確に位置付けていくべきじゃないかなと思って話を伺いました。以上3点です。
【小原部会長】  それでは、秋田先生。
【秋田委員】  ありがとうございます。私の方でも3点申し上げたいと思います。1点目は、今の松木先生の御意見とも重なるところですけれども、いわゆる学び続ける教員像という個人の教師に焦点を当てたときに、それを支えるシステムとして学校というものがやはり育ち続けるというか、その仕組みそのものと一緒に書き込まれることによって、やっぱり学び続ける教師は、革新的な学校とそれを支える地域の教育委員会やそういう仕組みの中で育つということを明確に書き、そのシステムのありようをより具体化していくということが重要であろうと考えております。
 ただし、そのときに考えなければならない点は、この論点整理、資料4でいえば5ページ目のところにありますけれども、例えば学校種によって養成の仕方が違うというような話が書かれております。例えば私の関わっている幼児教育を考えた場合には、いわゆる国と教育委員会と大学というような関係よりも、私学が多く、むしろ短大や様々な研修のシステムをどう考えるのかということについて、いわゆる地域による違いだけではなく学校種による違いとして、基本、幼児教育というか幼稚園教諭、保育教諭というのは、学校教育の最初で、現在98か9%の子供が全ている中で、そこから高度化していくということが重要でありますので、そこについてやはりきちんと。
 幼児教育は、悲しいことに、読みますと、この中で1行のみ出ていて、それ以外は全てイメージが小中が基本に書かれていると思うんですが、日本の学校教育のシステム全体を本当に良くしようと思ったら、今まで余り手が付けられていない幼児教育部分と、それから、高等学校の教員の部分についてどう考えるのかということの議論が必要になってきます。特にやっぱり学校種に応じた具体的な検討というようなところも、次の一歩でである制度設計の中では考えていただきたいと思います。
 また、これと関連して3点目でございますが、中・高免許は、国立の教員養成大学も出していますが、多くを私立大学が担っています。これまで国の教員養成の改革がやはり国立大学を中心に議論されてきたので、大きな改革としての影響は、私学の教員免許を出している開放性の原則を貫きつつ、そこをどう上げていくのか。特に教職課程を担当している教員の教養というのか、これからの実態に合う知識や資格や、それをどういうふうに考えていくのかということの議論がない限り、特定のところは本当に頑張ってよくやっているんですが、全体の底上げというんでしょうか、それがやっぱり今までできてこなかったのはここに着手しなかったからであります。学び続けるといっても、例えば高校もそうですが、幼稚園などはまず生涯学び続けるところまで行っていないので、その辺りどういうふうなありようがあるかということをきちんと今回の論点では議論していただきたいと思います。以上です。
【小原部会長】  それでは、酒井先生。
【酒井委員】  ありがとうございます。2点申し上げたいと思います。1点は全般に関する事項ということで、どういう社会というか、これからの社会をどう見据えていくのかということをやはり少ししっかり考えなければいけないと。やはりグローバル化という状況の中で、いわゆる知識基盤社会とか知識社会と言われる状況の到来の中での教員養成ということの論点が明確になっていないような気がいたします。
 先ほど申し上げましたような、いわゆる人間力、実践力というレベルが一方で非常に重要ですが、もう一つは、これから先の日本社会の人材養成・育成の中でどこを目指していくのかということ。知識基盤社会ということを考えますと、やはり教科内容、それからそれをどうやって教授法に落としていくのかというところの充実が一方で非常に重要であると。このテーマは高等教育では非常に議論されていますが、一つの行政の鍵は中等教育にあると思っておりまして、特に高校の授業力改善が非常に重要だと思っておりますので、その部分が、知識基盤社会を踏まえたところでの養成が大事だというのが1点です。
 それから、2点目は、少しこれとも絡むんですが、教育委員会と大学との連携の中で専門性基準を作っていくということは私も非常に大事だと思っています。その際に、大学が地域の中で教育委員会のある種指示に従ってその中で養成していくという仕組みを作ることは、先ほどの論点から申し上げて非常にまずいだろうと。大学は大学の使命として、社会の動向の中でどういう方向でこれから社会が発展していくのか、その最先端を担っている部分だと思いますので、その中で大学の教育の自律性、研究の自律性を確保していきませんと、そのサイクルがうまくいかなくなるのではないかというのが2点目です。以上です。
【小原部会長】  北神先生。
【北神委員】  3点ほど。一つは、先ほど秋田先生の方からもございましたように、学校の役割をこのシステム設計の中でどう位置付けていくかというのが多分一つ中核になるんだろうと思うんです。学び続ける場というのは、教員の場合にはやっぱり学校をベースにした形で、OJTを中心にしながらオフJTとか個人の努力とか、それで全体の構造が作られるという形が制度設計上のベースだろうと。そういう意味で、学校の役割をどう位置付けるかということです。
 それに関連して、教員の職能成長は個人の努力だけではなくて、組織として取り組まない限りは向上しないんですね。それによって期待するのが、学校の組織的教育力を同時に上げると。組織的教育力を上げながら、そこに所属する個人の力量を上げていく。そうすると、そうした組織的な教育力を構成する校内研修のリーダーをどう養成するかとか、5年研修をマネジメントできる管理職をどう養成するかということはセットで出てくるだろうし、プラス、それは学校だけでの教育ではなくて、いわゆる指導行政の問題として、教育委員会が学校の支援にどう絡むのかと。
 そういう意味で出てくれば、特に小さな規模の市町村教委に指導主事がほとんど配置されていないという、そういう指導行政上の条件整備もセットでやっていかないと、単に教員の資質能力だけをターゲットにしたのでは学校の教育力は上がっていかないという部分がある。その意味では、教育行政の指導行政という部分から出てくる制度設計レベルで関わりという部分があるだろうと。
 もう一つ、学び続けるという部分では、後で出てくると思うんですが、学び続ける教員をどうやってサポートするんだというふうに考えれば、やっぱりそのための定数改正も含めた財政的な支援を積極的に入れていかない限りは、努力して頑張ってくださいというところに落ち着いてしまう可能性がある。やっぱり積極的にスキルアップをしたい教員が学びたいときに学べるような場がきちんと用意され、それにある程度の経験とかキャリア、基準をクリアすれば誰でも学びに行けるんだというような意味での、そういう条件整備も必要じゃないかというのが2点。
 その部分で、3点目は、教職大学院の役割、先ほども御指摘あったと思うんですが、量的な整備を政策的にはどのレベルで考えていくんだと。つまり、教職大学院は、今、ストレートマスターも含めた教員養成機能とミドルを中心にして、これからは恐らく管理職養成まで踏み込むだろうと。そうすると、どれぐらいの教職大学院の量的規模を想定しながら、どれぐらいの範囲でやるのか。毎年6,000人とか5,000人の管理職が必要になるのを教職大学院だけでやれるのかといったら、それは非現実的な話だろうと。
 そうすると、専門職基準を作って、その専門職基準の下にカリキュラムスタンダードを作ったら、それはどこかの機関が認定したら、大学でもいいですよ、教育委員会の研修でもいいですよといった、そういう新たなシステム設計まで踏み込むことを想定しながら当面の課題として教職大学院の役割を考えるのか、そこまで含めてシステム設計も新たな視点も盛り込もうという形で議論していくのかによっては、教職大学院の持つ役割がまたちょっと、その中心であることは間違いないんだけれども、それ以外のところにもウイングを広げられる制度設計まで考えていくのか、その3点を入れ込むというか、今後検討すべき事項ではないかと思います。以上です。
【小原部会長】  平本先生。
【平本委員】  今、先生方からお話を頂戴したことと重なる部分もありますので、その部分のところはポイントだけをお話しさせていただきます。私は3月まで教育委員会の事務局で人材育成部門におりました。現在は、4月からは今度、学校現場におります。そういう部分で見えてきたところを意見として申し上げたいと思います。
 まず1点目は、先ほどお話を頂戴しました人材育成指標です。これは学校に戻ってみて、校内のOJTを機能させる上で絶対必要であると考えます。これがないと、管理職の限られた判断により人材育成を行うことになります。したがって、やはり人材育成の柱になるものが必要です。状況はそれぞれ地域によっても違いがあると思いますけれども、やはり国としての、又はそれぞれの地域の特性を踏まえたものが必要ではないかと考えます。それがOJTを通して、学校が育っていく上で、また個々の教員が育っていく上で非常に重要なポイントになってくるのではないかなと考えております。
 2番目でございますが、先ほど島根大学の御提案がございました。横浜でも実は教師塾をやっております。年間250時間ぐらい35週にわたってやっておりますけれども、いろいろ限界を感じるところもあって、全国の教師塾を調査いたしました。頑張っているところがたくさんございました。共通して出てきたところは、それぞれの都市が求めているのは教員の実践力です。教師塾がなぜ行われるのかというと、やはり学校現場の現状から考えると、どうしても実践力のある教員が1人でも多く欲しいんだと思います。経験の浅い人が増え続けている中で、そこを非常に強く求めています。
 ですから、そこの部分を大学教育との兼ね合いで十分にバランスをとりながらやっていくということが今、現実的に一番求められていることではないかと考えます。そういう点では、先ほどの島根大学の御提案は本当にすばらしい取組をされていると思います。それが多くの大学で行われると、また教師塾の在り方そのものも大きく変化していくのではないかと感じております。
 3番目でございますが、全般に関する事項の中に大学・教育委員会等の役割という点がございます。ここの部分を明確にしていくということは非常に大事だと考えております。その上では、それを機能させるための組織がどうしても必要ではないかと思います。それぞれの持っている専門性を相互乗り入れさせていく、これが今、非常に重要ではないかなと考えております。
 採用・研修のところでございますけれども、ミドルリーダーとしての研修をどう位置付けるかというところがございます。その中で10年経験者の改善の方策という点がございますけれども、今の学校の状況は、10年経験まで待っていられる状況ではありません。実際の変化が早く進んでいる都市の学校では学校運営が行き詰まってしまいます。
 ですから、実際のところは、もう4年目、5年目、6年目くらいの教員が、これまでの10年経験が担ってきたような役割を果たしていかなければならない状況です。法定研修でありますけれども、10年経験まで待つというような状況で良いのかどうか。もっと柔軟に現実の状況を踏まえながら対応できる仕組み作りが必要ではないかと考えています。先ほどもお話がございましたけれども、新たな教育課題は、経験年数だけでは学校現場で対応できなくなっています。したがって、新しい課題に対応していけるための教員としての資質能力を磨く支援策を考えていくということが求められていると考えています。
 最後になりますけれども、多様で専門性を持つ人材の確保という点がございますが、先ほど冒頭にお話しした人材育成指標との整合性を考えると矛盾しているような言い方に聞こえるかもしれませんが、余り極端に枠をはめ過ぎると、今度逆に小さくまとまった人材が育ってしまいかねないと思います。これから時代が求めているのは創造性ですから、やはりダイナミックに物を考え、組み立てることができる、教師の中にもそういう人材が今求められていると思います。その兼ね合いをどのように工夫していくのか、大学の関係者の皆様ともよく議論を重ねる必要があるんではないかと感じております。以上でございます。
【小原部会長】  それでは、渋谷先生、お願いします。その後、宮本先生、お願いします。
【渋谷委員】  今まで御発言いただいた先生方のお話、本当に共感を持って伺わせていただきました。今の平本先生のお話も全くそのとおりだなと思っています。私自身、実は昨年の改善に関するワーキンググループの一員でございました。左隣にいらっしゃる高岡先生が主査でいらっしゃったんですが。そこの報告も紹介されていましたが、これをその後読ませていただいて、何か足りなかったかなという印象がありまして、そこをお話しさせていただきたいんです。つまり、私自身の自己批判でもあるということでお聞きいただければと思います。
 先に結論を申し上げますと、この処方箋を受け止める学生、初任者、それから、ベテランまで含めての現場の先生方に、人間としての尊厳を激励する、そういう文言というんでしょうか、何かそういうものをちょっと灯台のように光を発するような形で入れていただけないものだろうかなと。つまり、学び続ける教師像って、これ私、大賛成ですが、ひょっとするとこれは、先生方を教師としてはみなしているけれども、人間としてはみなしていないかもしれないというふうな受け止め方をされかねないのではないかと心配します。
 だけれども、そうじゃなくて、教師として学び続けるということは、一人一人の先生方が自分自身の人間を大きくしていくことであるという、そこと直結していることだから、研修であれ何であれ、これは商売上の話ではなくて、自分自身の人生の話であるということを、とうとうと述べたりする必要は全くないと思いますけれども、何かそういうことを一つ入れていただくと、何かピッとくる先生方も多いのかなと。
 ここから先ちょっと余分といえば余分かもしれませんが、先日第7次提言が出ました。私、あれを読みまして、全くそのとおりで、私どものワーキングの認識と同じだったと思うんですけれども、ところが、待ったなしの現状認識、厳しい現状認識というのがある意味で前面に出すぎていて、結局、対症療法というんですかね、今、現場をこう変えなければいけないというところが出てきてしまっているので、先ほど申し上げたようなところがちょっと見えにくくなっているような印象を持ちました。
 これも難癖ととられるとまずいんですけれども、あえて申しますと、あの第7次提言をずっと読みますと、特に後半に「人材」という言葉が頻出します。けれども、「人間」という言葉が後半にはなかったと思います。その意味で「人」間を「材」料として扱うなんていうふうに曲解されかねないので、人材はそもそも人間なんだというところを是非入れていただきたい。
【小原部会長】  それでは、宮本先生、お願いします。
【宮本委員】  先ほどの秋田委員のお話と重なりますが、教師全体として捉えていく部分と校種の違いというところはやっぱりしっかり見てもらいたいと思います。私は、今、高校の校長をしており、本校の教員約60人いますが、いわゆる教育学部出身の教員は数人しかいません。あとは、いわゆる普通の学部出身です。工学部だったり、文学部だったり、体育学部だったりという。ですから、教師になるまでの、大学時代におけるいわゆる教育に関する知識とか経験がやっぱり非常に少ないということです。
 そういう中で、教科の専門性は高いんだけれども、いわゆる教員としての専門性というのは、小学校の先生に比べるとやっぱりかなり低い。先ほど酒井委員が、今、高校の授業改善が課題だとおっしゃいました。まさにそうだと思います。私の学校でも、授業改善の取り組みを進めています。やらせればできる教員が殆(ほとん)どですが、やったことがない教員が大部分です。つまり、大学でそういう経験がないから、知らないわけです。たまたま私は行政にいて研修センターで授業改善に関わった経験がありましたので、こういうふうにしてやっていくんだということを提示することができるので、何とかやっています。ですから、教員としてのスタートラインのところで校種によって随分違うというところを意識するということがすごく大事なのかなと一つ思います。
 それから、小中と高校の決定的な違いは、いわゆる校種によって、あるいは学校によって課題が全然違うということと、目の前にいる子供の状況も全く違うということなんです。ですから、高等学校という共通の部分で研修をしたりする部分と、あとは、それぞれの学校に応じた形のものと、つまり、そういうふうな形で研修をしていかないと、これは効果的になかなかならないと思います。
 それとあと一つは、今、高校では、いわゆる社会人の方が教員になるというケースが非常に多いです。私の学校でもここ数年は新規採用教員を受け入れていますが、1人の新規採用職員は44歳、20年間企業の研究所で研究をされてきた方です。もう1人の方はやっぱり40歳です。これは一般企業でお仕事をされてきた方です。
 こういう方が特に高校で最近多くなってきています。いろいろなキャリアを持って、そして、教員になられた。そのキャリアはキャリアとしてすごく役立つのですが、教師としての経験が、あるいは知識が非常に少ないものですから、なかなかうまくスムーズに入っていけないというところがあります。多様な経験がある人が教育現場に入っていくということは、これからますます必要だと思うのですけれども、そういう方をどういうふうにして育てていくのかという視点も、是非しっかり持っていく必要があると思います。以上です。
【小原部会長】  中西委員。
【中西委員】  ありがとうございます。2点あります。先ほど平本委員がおっしゃっていました、10年経験者研修まで待っていられないというのはまさにそのとおりだと思います。一方で、学び続ける教師をどう位置付けていくのかという何人かの方の発言がございましたが、そういう教師個人の側(がわ)との整合性といいますか、そういうことを考えたときには、やっぱり10年とは言わず、どこかで、もうこの年は研修する、学ぶ年なんだよということを明確にメッセージを出すような、そんな制度設計ができないものかと。これはなかなかクリアすべき問題は幾つもあると思いますけれども、そういうメッセージが出せればうまく回るんじゃないかなと思います。
 もう1点は、発言が出ておりませんけれども、実行会議でも出ていました教員採用試験の共同実施のお話です。これは採用試験をこれまでに分析され、都道府県等の声を集約されたことがあるのかという質問にもなるんですが、先日秋田先生が、細かい知識がうんぬんという御発言もたしかあったと思いますけれども、そういう面と同時に、都道府県独自のオリジナルな部分という採用試験等そういう部分もあると思いますので、そういうことをしっかり分析した上でお考えいただきたいなと思っています。以上です。
【小原部会長】  よろしいですか。
 はい。
【藤井委員】  失礼します。昨年7月に行ったワーキンググループの論点整理の中で、冒頭に、教員を高度専門職として改めて位置付けるとなっていました。私はそれには大賛成だったんですけれども、今回そのトーンがちょっと落ちてきているような気がしまして、やはり教職の高度化ということをもう少し前面に押し出す。つまり、教員は高度専門職なんだということを制度的にどう支えていくかというような筋の立て方を改めてし直した方がいいのではないかと思っております。
 育成指標という言葉は、第7次提言の言葉で、我々はルーブリックとかスタンダードという言い方をしてきたと思うんですけれども、そういうものを作ることはその条件整備であると思っております。一番大事なのは、高度専門職としての教員の中身、質の中身をどう職能成長の段階段階で押さえていくかということだと思います。そこにサーティフィケートという問題もあるかもしれないし、どういう免許を取らせるかという問題もあるかと思います。
 そこで一番言いたいのは、教職大学院の位置付けをやはりはっきりと、国として、政策としてきちんとしてほしいということです。先ほど北神委員からもあったんですけれども、実は教員養成系大学は、修士課程はなくなりますよということは言い渡されているわけです。これについては高等教育局の方から各大学に下りてきている話でありまして、平成34年、第4期中期目標計画期間の頭には教職大学院に一本化するということが決まっています。
 そのことは、修士課程はどうであったかということの総括が政策としてきちんとなされないままに、また教職大学院へどのように機能を移行するのかということに関しての議論も実は余りないままに制度化だけが決まっているという何とも言えない話なんですけれども、今、第3期中期目標計画を国立大学は書いているところで、そこに書き込むことが指示されておりますので、既成事実として走っております。
 それが崩せないとするならば、教職大学院に一本化するのであるならば、それなりの機能をしっかりと国をして決める必要がある。そのために一番やっていただきたいというか、私たちが提言しなければいけないのは、量的規模をどの程度に設定するかということです。今、全国合わせても1,000人未満しか定員がないので、全てを担うことは難しいけれども、少なくとも2倍か3倍あるいは10倍か分かりませんが、どの程度まで増やすのか。
 増やすときに非常につらい壁になっているのが、実務家教員4割です。この方々を雇用するためには、研究家教員を減らさなければいけないという状況にあります。教育学部の事情を申しますと、退職でお辞めになる先生方の後任は全部実務家教員を雇わなければいけないという話になります。そのことは、専門職大学院の制度として決まっているもので、教職大学院としてはどうなのかという議論も実は余りまだなされておらず、いろいろ思いはあって、現状もあるんですけれども、しっかりとした総括がなされていない中で、その制度の壁に私たちは従うしかないという状況にあります。
 ということで、まずは量的なものをしっかり決める。そのためには、教職大学院が今後、現職教育、現職教員の再教育の拠点になっていく必要があると思うのですけれども、その拠点の在り方としては、一つには、初任研の一部を単位として取ってもらうとか、それから、当然、10年研、それから、免許更新講習もそこに含めていくとか、今のいろいろな制度をここに一本化していくような構想があるかと思います。そういった既存の制度との整理、統合が必要だと思っています。
 そこで、ルーブリックに合わせて、この辺になったらこういう免許あるいはサーティフィケーションを取る。その在り方が教職の高度化、つまり、高度専門職としての教員を外の世界に対して証明していくものになりますので、そこら辺の制度設計をしっかりしていきたいと思います。是非その辺りは国に対してお願いをしたいと思っているところです。以上です。
【小原部会長】  それでは、大方意見が出たようですので、後半の養成段階・免許に関して御意見のある方はよろしくお願いしたいと思いますが、まずとりあえず先生方、名札を下げていただいて、もう一度上げていただければと思います。坂越先生、高岡先生、松木先生、それから、安部先生の順番で行きたいと思います。それでは。
【坂越委員】  ありがとうございます。養成・免許に関して申し上げたいのは、教職課程の質保証に関することでございます。言い換えれば、いわゆる単位を積み上げていく方式から、到達目標といいますか、達成目標型、学びの実質化という、そういう観点がこれ、反省を含めて大学の教員養成には必要だろうと思っています。
 なぜこんなことを言うかというと、アクティブラーニングなんかまさにそうなんですけれども、1単位45時間勉強させんといかんのですけれども、でも、複数免許を取らせるというニーズがあって、180とか200とか取ってしまうんですね。考えたらおかしいことで、アクティブ、反転、それから、体験学修をやらせると、それはやっぱりちょっと違うんじゃないかなと。しかし、現場のニーズがある。そうすると、その制度をどういうふうに設計するのかということになってくるんだろうと思います。
 すごい乱暴な言い方をすれば、主免というか、そこをもう大学養成課程ではしっかりやらせて、プラスアルファは継続でどうだとか、それから、主免と副免という形のバランスを少し考えるとか、大学も基本的にはキャップ制を入れるとかというようなそういうやり方もあるんですけれども、そういう仕組みをまず考えることが必要でないのかなと思います。ただただ本当に126、卒業単位ですけれども、その中に教職科目単位を入れて、それで、はい、オーケーというのでは、ここは今まさに求められているような実践、応用、その力というのが本当に付いているのかという部分が担保し切れないというような心配をしています。
 そのためにこの論点の中に、これ、前から言っていることなんですけれども、そういう実質的な学生の学びを保障するような大学教員のありよう、こういう資質を持った教員、実務家も含めていいと思うんですけれども、そういう教員をいかに教員養成系大学が中心になって確保していくかということも論点としてあり得るだろうとは思います。
【小原部会長】  それでは、高岡先生。
【高岡委員】  どうもありがとうございます。
 養成・免許ということに関わって、先ほど島根大学の御発表があって、私はまさに個人的に、ああ、懐かしい話を聞かせてもらったなと思い中身も随分進化したんだなと思います。御発表には直接はなかったんですけれども、プロファイルシートの中を見させていただくと、まさにアクティブラーニングがあのシートの中で実現しかけている。例えば数学の中に、生活の中で数学の問題を見付け出すということが代数学から解析学、みんな入っているということがあって、やっぱりいいなと思いました。私が仲間と一緒にやっていた頃にはそんなもの全然なくて、数学の先生たち、専門系の人はそっぽ向いて、「俺は代数学を教えて、それ以外のことは知らん」というようなことから始まって、12年という時間の経過を感じたんです。
 でも、なお思うことは、やはり学部段階の養成というのは、この際、教師の力という意味ではまず基礎力を育てるということに傾注すべき、あるいはその段階にすぎないと言うとちょっと語弊があるんですけれども、やっぱりそう措定すべきなんじゃないかと思うんです。そういう中で、ICTであるとか、アクティブラーニングであるとか、道徳の教科化であるとか、様々な新しい行政課題が出てきている。これ、全く教えないわけにいかないという圧力も掛かっている。
 そうすると、新しく加えろというプレッシャーと、精選しようという、その両方の力を教職課程あるいは免許法でどう最終的に落ち着かせるか、それが私はこの養成部会での論点の養成・免許に関わっては一番重要なことではないかなと思っています。教職課程というものをあれもこれも詰め込んでという時代ではもうない。むしろ精選、厳選すべき時期に来ているのではないかと思っているということです。これが1点です。
 もう1点は、教職大学院のお話は先ほど出ましたけれども、私もこのことについて、行き先どうなるんだろうという思いがあります。教職大学院は18年答申から構想されて、20年ぐらいから動き出したわけですが、18年答申の段階で強く言われたことは、教員養成を改善するモデルにするんだという言い方でした。つまり、パイロット事業だと、そこに手を挙げてくれるところありませんかという、そういう見通しの下で教職大学院が成立し、出発した。それと、マスターもいいですよ、現職研修もいいですよ、ありとあらゆる実験をそこでやってもらったらいいんじゃないでしょうかということでした。
 しかし、今は、全県1教職大学院設置という制度的な枠組みがしっかり作られて、そこを拡充しようというわけです。これ、教職大学院は単なるモデルじゃなくて、もう戦力だということです。ということは、この五、六年の実践によって教職大学院ってやっぱりいいよという評価がどこかにちゃんとあって、その評価に基づいてそれを全国に広げていこうと。そのことが学部段階、基礎段階を越えて、より学校現場が欲しがっている、あるいは教育行政が必要としている、あるいは保護者が必要としている実践力のある教員をストレートマスターの場合は育てましょう、現職の教員の研修も、実質的な力を付けるために何かを担いましょうと、そういうことなんだろうと思うんです。
 そうすると、モデルとしてできた教職大学院パターンというものは、実質的な大きな家を建てて、そこで先生が、ストレートマスターであれ、現職教員であれ、そこを通って出たときには相当な力を付けて出ているんだというふうに言うためには、今の制度的な枠組みでいいのかどうか。もっと考えなければいけないことがあるのではないかというふうに思っています。
 例えば一つは、卒業生のインセンティブ。これはやっぱり必要だという話は出ますけれども、結局そこのところはさわらない状態で推移している。これ、入り口は結構立派な玄関なんだけれども、出口は勝手口の方でちょっとぬかるんでいますから適当に出てくださいねということになってしまっているという問題があります。要するに、養成段階を基礎段階にし、教職大学院をぴかぴか光らせるということが養成・免許ということに関わっては非常に大きいんだろうと思うんです。
 更に加えて、これは単なるアイデアなんですけれども、先ほど秋田先生のお話の中に、幼稚園の教諭、短大で出しますと。これでいいか悪いかという議論ではなくて、だからこそ幼稚園の先生たちに対しては研修なんだろうと思うんです。研修の充実ということを例えば幼稚園教諭については、殊更に強く考える必要があるんじゃないか。
 それから、高校の先生方に対しては、いろいろな分野でドクターが出ています、この方々、別に免許なんか持っていなくても、高校の先生の免許は黙って出したらどうかなと。それぐらいの学識あるんでしょう、足りないのは学校を知らないということでしょう、研修で鍛えればいいというようなことではないかと思います。
【小原部会長】  ありがとうございます。
 それでは、松木先生、お願いします。
【松木委員】  研修ということに関わって2点あります。1点目は、OJTということについてです。何となくOJTがいいという雰囲気になってきていますが、確かに今までの伝達講習にしてみれば、知識基盤社会になじまないような形の講習ですので、それに比べたらOJTの方がずっといいなと思います。でも、OJTで、それで問題が解決するかというと、そうにも全く思えないんです。OJTの抱えている課題がたくさんありまして、やはりぐるぐる回りをしていて終わってしまうというようなことが多々あります。じゃ、OJTとオフJTを組み合わせればいいんじゃないかと、そういう話でもないなと思うんです。違った次元でもう1回捉え直さないと駄目じゃないかなと思っています。
 例えばOJTの中に学校とは違う人間が参加しながら、異質な実践をそこに重ね合わさることでOJTの問題が見えてきたり、あしたの実践をどうするかという授業実践をしているだけじゃなくて、1年かかってやってみたけれども子供たちの成長はどうだったんだろうかというようなことをリフレクションできるようなOJTが必要だったり、それをすることで教師自身の抱えている信念だとか信条のところまで響いていくようなことができるようになったりもすると思っています。そう考えると、やっぱり大学を活用するというのは一つの手だなと思うんです。教育委員会と大学がうまく連携をしながら、オフJTとOJTという組合せではなくて、学校そのものに関わるような形でよその人間が加わっていく仕組みを構築していくということが研修の中では重要じゃないかなと思います。
 2点目は、教職大学院の研修の在り方に関わってです。今、教職大学院は2年で修了するのが一番オーソドックスな形かなと思うんですが、大学自身が教育委員会で行っている研修にもっと積極的に参加していくべきじゃないかなと思うんです。そして、参加していく中で、教員研修そのものも単位履修証明プログラムを使うとか、あるいは単位認定の方向を同時に考えていくというようなことをやりながら、何年かかけて大学院を修了していく、それも研修とリンクした形で修了していくような、少し多様な形の教職大学院の在り方を模索していく中で、もう少し使い勝手のいい教職大学院を作り上げていくことができるんじゃないかなと思っています。2点報告をしました。
【小原部会長】  ありがとうございます。
 それでは、安部先生、お願いします。
【安部委員】  先ほど現場の方から、要するに、実践力のある教員が一番欲しいんだというお話があったんですけれども、養成課程においてやらなければいけないことは、教育現場をよく知っている実践力のある大学教員がやはり地域と連携をしてというか、ある意味地域を味方に付けて、多彩な人を学校に取り込んでいくというような試みをするような教育課程を展開するというのはとても大事じゃないかと思うんです。
 そして、もう一つは、先ほどから言われているアクティブラーニングだとか、ICTだとか、英語教育だとか、あるいは道徳教育だとか、あるいは特別支援だとか、これらのことに関する新しい知見だとか、あるいは教育の中の新しい方向性とか、そういう新しい課題に対して、教員として出ていく人のためのそういうことに関する知識のミニマムスタンダードはどこまでなのかということをはっきりさせて、養成課程の中で新たな科目を立ち上げるとか、あるいは総合科目みたいな科目を設けた教育課程を構築していく必要があると思うんです。そういう教員を養成して、そして、採用試験を受けるので養成した人が全員採用していただけるわけじゃないですけれども、試験に合格して、 教員になった人は、今度は40年余りのキャリアの中で、初任、中堅、ミドル、管理職というふうになっていかれるわけですけれども、それぞれの研修というのはいろいろなところでやられているんですけれども、先ほど教職大学院あるいは教育委員会、研修センター等でやられている研修の内容の階層化というか、役割分担をしっかり付けていくことと、それから、教育の受益者側のステークホルダーである、保護者や生徒にとっては、先生は1年目でも、10年目でも、30年目でも同じ先生なんですね。教員になったら先生なんです。だけど、やはり初任、中堅、ミドル、管理職の先生というのはどういうイメージなのかというふうなことを社会にアピールしていくことが将来学び続ける教員像のロードマップを描くことではないかなという、私はどうもそういう気がするんです。
 先ほど、現職の管理職、校長先生を務められた先生方が定年を迎えられて、それで、若い人を育てていくという。こういう先生方にも、新たな先生を育てるためにはどういう働き掛けが必要かというようなことを学んでいく、そういう教員の学びの往還というんでしょうか、それが学び続ける教員というイメージじゃないかと思いますし、それぞれの大学あるいは研修センターや教職大学院が学び続ける教員を支える機関としての役割分担をしっかり考えていかなければいけない。それが教員のキャリア形成のための縦軸です。
 そして、先ほどから問題になっている学校種による違いについて、例えば新しい課題に関しても、幼稚園と高等学校では新しい課題に対しての教員に必要な知識とか技術の内容は違いますので、それはどういうものなのかということを、これは教員養成課程の専門の先生方がしっかりと検討して、各養成段階や学校種段階で必要な新しい課題に対する能力というのはどの程度なのか、あるいはどういう種類なのかということを検討していくことがこの組立ての中ではとても重要なことではないかと思います。以上です。
【小原部会長】  それでは、安藤先生、お願いします。
【安藤委員】  私は大学で教員になりたいという院生を育てている立場から、いつも考えていることを基にしてお話をさせていただきます。やっぱり学校を元気に豊かにするには、先生たちが、私たちがここで語っていることを聞いて、そうか、先生になりたいな、先生ってすてきな仕事だなと思えるようにしないといけなくて、スタンダードとか、かなり上から押し付けるような印象を持たせてはいけないんじゃないかという、そういうふうに基本的に思っています。
 やっぱり一つは、学校が求めている人材が学び続ける教員だとしたら、一人一人どんな人を育てるのかというふうにいうと、それは先生の立場からいうと、伸び代のある教員なんだと思うんです。自分から主体的に伸びていける可能性を持った人間。最初からステレオタイプに、例えば1年目はこういうところで、2年目はこういうところで、10年たったらこういうものというふうに上からということではなくて、自分が伸びていこうとする、学び続けようとする、伸び代を持っている教員が私は一番求められているんじゃないかなと思います。
 実際に私が現場にいたときに、新人でいろいろな教員が入ってくるんですけれども、一番思ったのは、大学院を出ていて、かなりとげとげしいようなところもあって、もうちょっと周囲とコミュニケーションを積極的にとりましょうよというふうに指導はしなければならないと感じつつ、一方でこの教員は研究力があるなと思った教員というのは結構伸び代がありました。それから、もう一つは、広い意味での学力というんですかね、教育力のベースになるような、非常に狭い意味に誤解されてはいけないんですけれども、やっぱり広い意味で学力がしっかりしている人間は伸び代があるなと思っていました。つまり、学び続ける教員を個の面から考えると、やっぱり上からではなくて、自分から伸びていこうという伸び代がある教員を大学の中で育てなければいけないなということを一つ感じています。
 それから、もう一つは、学校を組織として見た場合に、やっぱり何人かの先生方がおっしゃっているように、学校がいろいろな力を結集してチームとして存在するということは、もう今、求められている、当たり前のこととして言われていますが、それはどういう学校なのかというと、ずっと言われているミドルリーダーが、様々な立場の多様なミドルリーダーが要るということです。だから、みんながみんな同じような先生でなくてよくて、個性を持った先生です。
 二つ目は、やっぱりミドルリーダーをうまく育てるためには、もともと個性豊かな人材を大学で育てる必要がある。その人たちは、それぞれの得意分野はあると思いますけれども、主体性を持ち、あるいは自分の好きなことがあって、そこに向かって一生懸命頑張って子供と一緒に伸びていこうという。そういう二つの意味で、だから、伸び代があり、なおかつ個性豊かな大学生を育てるということがやっぱり教員養成においてすごく大事だと思っています。
 ですから、振り返って大学の養成の内容を見てみると、研究者の中で、私たちは研究と教育両方やれと言われている中で、実践に結び付く理論を、例えば私なんかは教育心理学がもともとなんですけれども、本当に教育心理学的な知見を実践と結び付けてきちんと学生に伝えられているかというようなことがやっぱり大学のがわの養成で求められていると思います。ですから、理論と実践をきちんとつないで、それを学生のがわに、こんなふうに子供って反応して面白いよとか、こんなふうに教科教育をうまく心理学的な実証と結び付けると、例えば高校生でもあっと驚くようなこんな面白い学びなんだよということが伝わるような授業を大学ではしていかなければいけないと思います。
 ですから、まとめると、大学における教員養成の授業の内容ですけれども、一つは、教職のベースをしっかりと作るような教育をしていくということです。もう一つはやっぱり専門性をしっかりと身に付けさせていくということだと思います。本学は附属が五つもありますので、各附属にそれぞれの専門性を持った大学院生を送り込んでインターンシップをやっていますけれども、やっぱり自分の専門性がしっかりしていないと、それが幼稚園であっても、小学校であっても、子供の見方が全然違ってきてしまう。逆に高校に送り込む院生としても、教職のベースみたいなもの、子供とは何かとか、人間とは何かというふうな教職専門のベースをしっかり持っていない人間は、幾ら教科教育があっても高校に配属してもうまくいかない。つまり、もう1回言うと、教職としてのベースをしっかりと持たせることと、もう一つ、専門性を高めるということ、深めるということが大事だと思います。
 それを4年間でできるかどうかというのがここから問題になってくるんじゃないかと思います。大学から教員の世界に送り出すときに、最初に言ったように、やっぱり教師として誇りを持って就職できるような、そういう教員の卵を育てたいなと思います。最後に付け加えると、スキルというのはOJTで学ぶものだと思いますので、大学教育はもっと違った視点からベースとなるような力を育てるべきなんではないかと私は思っています。以上です。
【小原部会長】  ありがとうございます。
 それでは、平本先生。
【平本委員】  今お話があったことと重なると思いますが、学校を取り巻いている社会環境の変化が非常に速いんです。テンポが速く進んでいます。それに対応していくには、対症療法的なことを学んでいても、もうすぐにそれは使えなくなってしまいます。ですから、今お話あったように、求めるところは、やはり変化にも対応できるだけのしっかりとした理論を学んでおいていただきたい。これは学校現場の願いの一つだろうと思っています。
 2番目ですけれども、具体的なことをお話ししますが、横浜市でも50の大学とお付き合いをさせていただいております。それぞれの大学を訪問する中で、いろいろなお考えや御事情に触れさせていただきました。先ほど実践力というお話がありましたけれども、その必要性は感じているけれども、なかなか現実的には大学の卒業に至る単位等の取得の関係で、大学の外へ出て学ぶ機会が得にくいということを理由にされる大学が非常に多かったように思っております。ということは、そこの部分の仕組みを何らかの工夫をしていかないと、良いと思ってもそれがなかなか実現できないのではないかなと感じています。
 先ほど松木先生からもお話がございましたが、同じようなレベルでOJTをやっていても、現実の状況ではなかなか進みません。ですから、新しい刺激がやはり必要です。そうしたときに、できれば仕組みとして大学の関係者の皆様が校内のOJT等にも関われるような、そういうような仕組みが構築できないかと模索をしているところです。今、具体的なことをお話ししましたけれども、現状を考えて提案させていただきたいと思います。
 最後になりますが、大学にもいろいろ御事情があるということがよく分かってまいりました。その中で、今お話をしたように学校を取り巻いている環境の変化のテンポが非常に速いものですから、やはり大学と連携をさせていただくときに必要としているのは、組織として対応していただきたいということです。窓口の教職センター等の先生方は大変熱心に現状を受け止めていただいていますが、それが大学の中で共有されているのかというと非常に大きな課題を感じています。それでは今ここで話題になっている人材をどう育てていくかかみ合ってこないんではないかと感じておりますので、何かその辺の工夫ができることを願っております。以上です。
【小原部会長】  ありがとうございました。
 それでは、酒井先生。
【酒井委員】  ありがとうございます。養成ということで、養成は研修と恐らくセットの中で考えていくことだと思いますが、そういう観点から申し上げますと、高岡先生がおっしゃるように、養成の段階はやはりミニマム、基礎力だというのは大変大事な考え方だと思います。それはその先に、要するに、学び続ける教師で、どこかの時点で更に高度な専門性を得ていく。それを制度設計しますと、恐らく免許と専門職資格というようなその二段構えを持っていきませんと、恐らく機能しないんではないかと思います。
 基礎力という考え方で厳選していくというのは、もう一方で開放性の大学の中では非常に大事です。実は今、いわゆる一般の大学で教職課程を取る学生が非常に減っている状況にございます。なるべく多くの学生が教職に向かって努力しようという、そういうインセンティブを与える上でも、ミニマムな基礎力というところでライセンスを出していく、免許を出していくというのは非常に効果的な考え方ではないかと思います。以上です。
【小原部会長】  秋田先生。
【秋田委員】  ありがとうございます。3点です。まず養成免許の新たな課題というところでアクティブラーニングということを私はお話をさせていただきました。それは事務局から御依頼があったからでありますが、私の主張は、それを新しい科目で入れたいとか増やしたいというものでは全くありません。むしろこれは全ての中身において、どの教科やどの中身においても能動的、主体的であることが重要であるということを皆が理解するというようなことが本当に重要だと思っているので、少なくとも道徳とこの三つが新たな課題と書かれているんですが、深く主体的に子供が学ぶというのは、横文字にする新しく聞こえますけれども、心ある教師が皆、日本で取り組んできたことの一つではないかと。
 ただし、時代の変化によって新たなツールなどが入っていることへの感覚や、そういう自覚的な振る舞いは大事だけれども、やはりそうしたことを全体で考えていくということが私は重要だと考えております。それは先ほどから議論になっています、高岡委員が言われましたように、私はやはりLess is moreというか、少なくして深く教養を育成していく。その中でやはり子供が深く学ぶとは何なのかというのを、多様なこれまでの科目の中で養成して考えていくということが重要な観点なのではないかと考えておりますので、この論点整理の中でこういうものが常に新しいものとして取り上げられていくということへの一方で、正直に危機感というものもあります。日本の教師が非常にいいものを編み出してきている。それを共有していきながら深く考えていくということが大事ではないかと思っております。
 2点目に、先ほどから出ています、今後教職大学院ということが本当に考えられるときに、先ほど藤井先生からも出ていましたが、今後の教職大学院がどういうものを育成していくのかということを考えるということが、例えば実務家の割合というのも、新たな時代を考えてきたときに、超ベテランになった実務家がたくさん入ることがこれからの時代の先導を考えていったときにふさわしいのか。そうしたことからもう一度、教職大学院の在り方を議論していくということが、実はこれからの教育学部や、教育を担う日本の大学がどうあったらいいのかという在り方とともに考えていくことにつながるのではないかと思います。
 私どもの大学は教職大学院ではありませんが、現職の先生方も来られています。そこで私たちが大事にしていることというのは、実践への探究の在り方ということを教師が大学院で学ぶということであり、それは様々な深い事例をどう読み取るのかというスキルだけではなくて、やはりそこにおいて様々な事例――事例というのは、教師はいろいろな事実は知っていますが、それを一つの事例として取り上げて探究していく方法をやはりより高度な教師の力量として考えていくという、それが重要なことなのではないかと考えています。そうした意味で、今後の教職大学院のカリキュラムや構成というものを、今後もしこれをより高度化するための1つの仕組みとして考えるならば、やっぱり再考されるべきところがあるのではないかと思います。
 また、先ほどからお話がありましたように、幼児期の教育というのは本当にこれからの国を担う根幹になりますので、そうしたところでの高度な研修の在り方をどこがどのように担っていくのかということや、高校においても、研修というものが多忙な教員がどういうふうに機会を保障されていくのか。大学の教員であればサバティカルのようなものがいろいろ考えられてきていますが、高校の場合にどういう保障が長期的に生涯に学び続けるために、少し蓄えるためにあり得るのか、この辺りをもう一度考えていただくということが必要なのではないかと思います。
 そして、最後に3点目で、私自身ずっと考えて疑問に思っているものですが、大学の教員だけが免許はありません。それで教壇に立って教えています。そのときに、教職免許を出すという教員の教養をどこかで保証して考えていかない限り、こうした問題はクリアできないのではないか。これまで教職課程の質保証ということで、事後的なところで養成課程を担当する教員の在り方が今回の論点にも出てきておりますけれども、是非そこで、いわゆる罰則型ではなく、良い事例というんでしょうか、教員養成の養成課程担当教員がどうやって相互に高めて合っているかという事例を多く出していただくことで、お互いの大学が切磋琢磨(せっさたくま)しながらより高度にしていくとか、養成課程を担当する教員がどう学修していくか、今回も事例がございましたが、そうしたものを相互に学びながら仕組みを作ることが大事ではないかと思います。以上です。
【小原部会長】  ありがとうございます。
 最後になるかなと思うんですけれども、渋谷先生、お願いいたします。
【渋谷委員】  ありがとうございます。最初に小原部会長におわびというか、私、養成・免許と採用・研修のテーマの区別がよくつかないものですから、またがってしまうかもしれませんけれども、済みません、お許しください。
【小原部会長】  はい。
【渋谷委員】  先ほど、私、第7次提言もそうですし、それから、私どもがずっと議論してきた例えば昨年のワーキングの報告もそうなんですけれども、待ったなしの状況にあるという、そういう認識をしているんです。ところが、待ったなしの状況にも二つあるんじゃないかということを申し上げたいんです。
 一つは、社会が変わった。例えば10年後には人間の知能以上に思索力の高いコンピューターができるであろうというふうなことがたしか書かれていましたけれども、そういうものに対処するような形の子供、それから、教員と、こういうことでいろいろ考えなければいけない。
 ところが、もう一つ状況が変わったということでいうと、過去との比較で、これ、私、時々申し上げていることの繰り返しになってしまうんですが、どういう18歳、22歳人口が教員になるのかということです。その意味でまたお願いになるんですが、50年前、30年前と比べて教員採用を巡る状況が大きく変わってきていると、これもどこかで押さえるというか、一言でも書いていただいた方が、状況認識としては受け止める側(がわ)はなるほどと思ってくれると思うんです。
 私、慎みのない人間ですので、これ、本当は言ってはいけないんでしょうけれども、50年前は偏差値70の学生が小学校の先生になっていました。今はどうかといいますと、これは基本的には大学進学率の3倍化が大きな背景になっているわけですが、もう一つは社会の経済力のアップとかそういうこともあると思いますけれども、今は、私が奉職していた大学は良くて偏差値60です。55ぐらいのコースもあります。これは特に小学校の方に当たるんですけれども、中学、高校は開放性でちょっと状況は違うかもしれませんが、目的養成ということで小学校の教員を養成する現場を見ていますと、偏差値50でもいい先生になっているんです。というか、採用されています。恐らく10年後には偏差値40の学生が小学校の先生になっていきます。そうしますと、これ、50年前と同じように、ほっとけばいい先生になるという話じゃないわけです。
 先ほど私、安藤先生の御発言に非常に共感しながらちょっと思いましたのは、伸び代の学生が本当に今、先生になってくれているのかというところにちょっと危惧を覚えているんです。その意味で先ほどの私の発言とどこが共通するかというと、養成であれ、研修であれ、先生方とか学生を対象に見て私ども物をしゃべっていますが、でも、視点を変えると、先生方とか学生は主体なんですね。その主体の側(がわ)がどういう状況の変化に置かれているのかとか、それから、その先生が一生どういう先生として過ごすのかと、そちらの目線を是非加味していただきたいという意味で、50年前、30年前と比べて教員養成を巡る状況が変わったということについては確認をいただければいいんじゃないかなと思います。以上です。
【小原部会長】  それでは、そろそろ時間が参りましたので、この辺りで協議を終了したいと思います。
 次回以降は、本日の議論を踏まえ、それぞれの論点について議論をしていきたいと考えています。本日発言できなかった点あるいは帰宅してから思い付いた点等もあると思いますので、考え、御意見を6月5日まで事務局にメールあるいはファクス等で送ってください。
 事務局においては、本日の議論と送付されたコメントを踏まえながら、それぞれの論点のまとまりごとに具体的に深掘りした議論ができるようたたき台を作成していただきたいと思います。
 次回以降の議論の進め方、詳細については私の方で事務局と相談しながら決めていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。概算要求等のことを考えるとそろそろまとめ段階に入っていかなければなりませんので、委員の皆様には御負担を掛けることになりますが、来月はよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、本日の議論はこれまでといたします。
 今後の日程について、事務局から説明をお願いします。
【大江教職員課課長補佐】  大変御示唆に富んだ御議論ありがとうございました。
 資料5の今後のスケジュールをごらんいただきたいと存じます。次回につきましては、6月12日金曜日の10時から12時、場所は全国都市会館での開催とさせていただきます。また、今、部会長からもお話ありましたように、6月は若干立て込んでおって大変恐縮でございますけれども、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
【小原部会長】  それでは、本日はこれで解散といたします。ありがとうございました。

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-- 登録:平成27年08月 --