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教員養成部会(第79回) 議事録

1.日時

平成27年3月31日(火曜日)14時30分~16時30分

2.場所

学術総合センター(一橋講堂)特別会議室

3.議題

  1. 部会長の選任
  2. 初等中等教育分科会教員養成部会運営規則等について
  3. これからの学校教育を担う教員の在り方について
  4. その他

4.議事録

○新しい部会長について、小原委員が適任である旨の発言があり、了承された。
○小原部会長から、無藤委員が部会長代理に指名された。
○事務局からの説明の後、資料2のとおり、初等中等教育分科会教員養成部会運営規則が了承された。

【小原部会長】 第8期教員養成部会開催に必要な手続は終了いたしましたので、これより議事を公開いたします。
 部会長を務めることになりました玉川大学の小原でございます。前期に引き続き教員養成部会長を務めさせていただくことになりましたので、よろしくお願いしたいと思います。
 昨年7月には下村文部科学大臣より2つの諮問がございました。
 1つ目は、子供の発達や学習者の意欲・能力等に応じた柔軟かつ効果的な教育システムの構築についてであり、2つ目は、これからの学校教育を担う教職員やチームとしての学校の在り方です。いずれも当部会に大きく関係のあるものであり、これらの諮問を踏まえて審議を進めていくことが当部会の大きなミッションであると考えています。
 1つ目の諮問事項については、小中一貫教育制度創設に関するものであり、前期の教員養成部会においては、小中一貫教育制度に対応した教員免許の在り方について審議を頂いたところで、昨年11月には、これからの学校教育を担う教員の在り方について、小中一貫教育制度に対応した教員免許制度改革を報告として取りまとめました。
 今後は、2つ目の審議事項について皆様とともに審議を進めていきたいと考えております。こちらは教員養成・採用・研修の接続を重視して見直すという非常に幅広いテーマになりますが、皆様に御尽力いただき、よりよい教員養成・採用・研修の在り方について方向性を示していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入ります。
 本日は、これからの学校教育を担う教員の在り方について自由討論を行いますが、教員の在り方の議論にも関係する2つの審議が他の部会で行われておりますので、これらの審議状況について報告を伺った上で議論をしたいと思いますが、まだ来ておりませんので、飛びまして、山下室長の方から資料に基づいて説明をお願いいたします。
【山下教員免許企画室長】 それでは、若干順番が変わりまして、本来であれば、教育課程企画特別部会及びチーム・学校作業部会の審議状況についてまず御報告するところでございますが、所用のため担当者が遅れて参りますので、こちらは、後ほどといたしまして、私から資料6につきまして御説明を申し上げたいと思います。
 こちらの資料6でございますけれども、「教員の養成・採用・研修及び免許制度に関する基礎資料」ということで、現状に関しますデータとか、あるいは、制度の概要をまとめた資料でございます。こちらの資料につきまして御説明をいたします。
 まず、1枚めくっていただきまして、1ページを御覧いただきたいと思います。こちらでございますけれども、「学校種別教員数について」ということで、ここでは国公私立ごとの幼・小・中・高等学校の学校種別の教員数及び全体の総数をデータでお示しをさせていただいております。
 一番左側に総数がございますので、時間の関係でそこだけ少し触れてみたいと思いますけれども、御覧のとおり、一番左側の一番下でございますけれども、幼から特別支援学校まで、最新のデータでは全国で約110万人弱の教員数であるということでございます。 その中で幼稚園が約11万人強、それから、小学校は41万6,000人強、それから、中学校は25万3,000人、高等学校は23万5,000人というような人数になっているところでございます。
 続きまして、その次、2ページ目を御覧いただきたいと思いますが、特に公立学校教員の年齢別の教員数を棒グラフにした資料でございます。こちら、御覧いただきましてすぐお分かりのとおりでございますが、48歳以上59歳までのところが特に人数が多くなってございまして、いずれの年齢におきましても、小・中・高を足して2万人を超えている、一番ピークは55歳のところで2万8,000人強というような人数になってございます。
 その一方で、20代から30代あたりをざっと見ていただければお分かりのとおりで、このあたりの年齢層は1万5,000人前後というような数になってございまして、ピークがかなり高い年齢層のところに来ているというような構成になっているというところでございます。
 更に1枚おめくりいただきまして、3ページ目の資料を御覧いただきたいと思います。今のデータをもう少し小・中・高別に、なおかつ、経年別の比較というような形で示したのがこちらのデータでございます。
 例えば、一番左上の小学校のところを見ていただきますと、一番上の平成元年度におきましては、20代、それから30代を足し合わせて60%弱ぐらいであったところでございますが、それから二十数年たった平成22年のデータによれば、20代、30代の構成が33.7%と、3分の1ぐらい、そして、40代、50代のところに今ピークが来ていて、両方合わせて66%というようなデータになってございます。これが中学校、高等学校もほぼ同様な状況が見られるというようなことでございます。
 さらに、その次ですが、4ページの資料を御覧いただきたいと思います。こちらの方は、現在、国あるいは自治体、あるいは、それぞれの学校等におけます教員の資質能力の向上について、おおよそどういうふうな形で実施をしているのかということをお示しした資料でございまして、そこの一番上の枠囲みの中にございますとおりで、教員の資質能力の向上、教員養成部会の主要テーマでございますけれども、その資質能力の向上につきましては、日ごろの教育実践や教員自身の研さんを基本としつつ、大学等における養成、いわゆる教員養成と言われている部分、それから、都道府県・指定都市教育委員会あるいは学校法人等におきます教員の採用、そして、教員になってからの研修といった段階を通じて様々な施策が体系的に行われるという状況でございます。
 そして、5ページ以降は、それらについて個別に取り上げて説明しております資料でございます。
 まず、5ページでございますけれども、そうした教員の資質能力の向上方策について、年齢段階に応じて、主なイメージでございますけれども、どういった取り組みが行われているのかということを示した資料でございます。
 20歳というふうに書いてございますけれども、おおよそ大学における教員養成の段階におきましては、短期大学、それから、4年制大学、それから、大学院まで養成が行われておりまして、それぞれの修了した学校段階に応じて二種免許状、一種免許状、それから、専修免許状という免許状が取得されることになります。
 そして、その免許状を有する者の中から、都道府県や政令指定都市、あるいは学校法人等におきまして教員採用選考試験を行い、教員として採用するという流れでございます。
 そして、採用後、まず、法律で行うことになっています法定研修と言われるもので初任者研修というものが、都道府県あるいは政令指定都市等の教育委員会が実施をするということになってございます。
 そして、さらに、30代を過ぎたあたりに10年経験者研修、こちらも法律上行うことになっております研修でございますけれども、教員として10年経験した者を対象とする研修を教育委員会が行うことになっております。こちらの方は、したがいまして、公務員等の教員を対象とした研修ということで実施をされております。
 さらに、後ほど資料で出てきますけれども、初任研、10年研だけではなくて、その間に、例えば、5年研であるとか20年研であるとか、あるいは、職能別の研修であるとか、教科ごとの研修、校内研修、様々なそういう研修もこの中でなされているということも併せて申し上げたいと思います。
 更にその下の段でございますけれども、免許状の観点で申し上げれば、御案内のとおり、免許状の更新制度が導入されておりまして、10年ごとに更新をしていくということでございますので、その更新のための要件として、免許状更新講習というものを通常10年ごとに受けていただくという、そういう仕組みになってございます。
 その次の6ページのところでございますけれども、まず、先ほど御説明いたしました、初任研でございます。初任者研修の概要につきまして簡単にまとめてございます。
 目的ということで、新任教員の実践的指導力と使命感を養うとともに、幅広い知見を得させるため実施しておりまして、対象者ということでございますので、公立の小学校の教諭と小・中・高・特別支援学校の教諭のうち新規に採用された者を対象としております。その他、実施者、根拠法等については以下のとおりでございます。
 なお、6ページの一番下のところに文部科学省が教育委員会に示した内容例ということでございまして、こういうふうな具合にやっていくといいですよということで、内容を例示してございまして、その中では、校内研修ということで、学校内で行いますOJT研修でございますが、これを、例えば、週10時間程度、年間300時間程度ぐらいでどうでしょうというようなことを示させていただいていますし、それとともに、隣でございますが、校外研修ということで、教育センター等で行う研修も年間25日間程度ぐらい開催をされてはどうかということを例示ということでお示しをしております。
 さらに、その次でございますが、7ページを御覧いただければと思いますが、ここに初任者研修の実施状況ということで内容をお示しさせていただいておりまして、2年ほど前のデータでは、調査対象である108の都道府県等におきまして、2万8,000人弱ぐらいの初任者教員の方々を対象に実施をし、特に丸2でございますけれども、校内研修、校外研修、それぞれ平均をすれば、校内研修は1週間当たり8.2時間でありますが、年間で言えば240時間程度実施をしている。それから、校外研修は20.8日ほど実施をしているといったようなデータが出ております。
 さらに、その他詳細なデータが続いておりますので、その辺の説明は割愛させていただきまして、少し飛びまして、次に9ページを御覧いただきたいと思います。
 もう1つの法定研修ということで実施をされております10年経験者研修の概要をまとめて書いているところでございます。
 この10年経験者研修でございますけれども、2.の対象者のところにございますとおりで、公立小学校等の教諭等のうち在職期間が10年に達した者を対象として行う研修でございます。こちらの方も、実施者、根拠法等については、御覧のとおりでございまして、文部科学省が教育委員会に示した内容例というのを、評価・研修計画書の作成ということでは、効率的・効果的な研修を計画的に実施するというような内容でございますが、その下に研修の実施の内容というところも例示で示させていただいておりまして、まず丸1として、長期休業期間中の研修ということで、いわゆる学校外において行う校外研修を20日間程度ぐらい。それから、丸2といたしまして、課業期間中の研修ということで、学校内で行います校内研修、OJTによる研修も同様に20時間程度ぐらい実施をしてはどうかというようなことをお示しをしているところでございます。
 その次の10ページでございますけれども、10年経験者研修の実施状況というところでございますけれども、そこにデータ的なことで3.といたしまして、25年度の調査では、対象者数1万4,600名余りを対象に実施をし、研修の平均日数ということで、校内研修17.4日、校外研修12.4日実施をしたといったようなデータがございます。
 そして、次の11ページを飛びまして、更に12ページを御覧いただきたいと思います。今申し上げたような教員研修の実施体系の、こちらのイメージ図ということでございますけれども、上段のところでは、国レベルの研修ということで、主に独立行政法人教員研修センターが実施をしておりますような、学校教育において中心的な役割を担うような校長、副校長・教頭あるいは中堅教員等を対象とした研修、あるいは、学校現場が抱える喫緊の重要課題について、地方公共団体等が行う研修等の講師、あるいは、企画・立案を担う指導者の養成を目的とした、そういった研修を中心に行っているということでございます。
 そして、下の段は都道府県あるいは政令市、中核市等が実施をする研修ということで、そこの一番上の段は今御紹介した初任者研修や10年経験者研修といった法定研修、それから、それ以外にも冒頭少し申し上げましたけれども、教職経験に応じた研修を都道府県等が独自に実施をしていたり、あるいは、職能に応じた研修ということで、校長、副校長・教頭研修とか、あるいは、教務主任研修といったような、そういう研修も独自に自治体が実施をしていたりする。そのほか、専門的な技術に関する研修ということで、教科指導等による研修、それから、長期派遣研修、それから、指導改善研修といった研修も行われているというような体系でございます。
 さらに、その次でございますけれども、13ページから14ページにかけては、公立学校教員の採用試験の実施状況につきましてお示しをした資料でございます。13ページの一番上にございますとおりでございまして、公立学校の教員の採用につきましては、卒業年度、つまり4年生の6月ごろに応募がかけられて、7月ごろに一次試験、8月ごろに二次試験、そして、10月ごろに合格発表、採用内定というような流れになっているところでございます。
 そして、採用試験の主な内容でございますが、その下に少し記載してございますけれども、採用選考試験の例ということで、筆記試験、それから、実技試験、面接試験、その他適性検査、あるいは、模擬授業や授業指導案の作成といったようなものも取り入れるケースもあるというようなことでございます。
 さらに、その次の14ページでございますけれども、「公立学校教員採用試験における受験者数及び採用者数」の状況ということでデータをまとめさせていただいております。小学校から特別支援学校、さらに、養護教諭、栄養教諭も含め、トータルで受験者数は、25年度は18万902名、でした。
 そして、採用者数は3万1,107名ということで、全体の採用倍率としては5.8倍というふうになってございますけれども、ただ、学校段階等によってその採用倍率は変わってきていて、例えば、小学校だけで見ていただきますと、採用倍率は4.3倍であり、特別支援学校は3.6倍ということでやや低くなっている一方、中学校、高等学校などにおいては7倍を超えておりますし、養護、栄養については8倍から9倍というような状況になっております。
 続きまして、15ページ以降でございますけれども、教員の免許制度がどのようになっているかという資料でございます。
 まず、15ページを御覧いただきますと、教員免許制度の概要が出てまいりまして、「免許状主義」という文句がございますけれども、学校の教員になるためには教育職員免許法により授与される各相当の免許状を有する者でなければならないというふうに法律で規定されています。ここで「各相当の」というのは、各学校に対応した、なおかつ、教科に対応した免許状を持っていないといけないというような意味で理解されております。
 2.で免許状のおおよその種類ということでございまして、丸1といたしまして、普通免許状ということで、最も一般的な免許状でございまして、教諭になるための免許状というものでございます。こちらの方は、かつては、有効期間はございませんでしたけれども、先ほど申し上げた免許状更新制度の導入以降は、現在、有効期間10年となっております。
 さらに、そこで枝分かれしてございますけれども、教員養成課程の学位のレベルによって二種免許状、それから一種免許状、それから専修免許状というふうに分かれてございますけれども、教諭の免許状という意味では、基本的な効力は同じということでございます。
 さらに、丸2といたしまして、特別免許状というものがございまして、こちらも有効期間10年の、教諭になるための免許状でございまして、こちらの方は、普通免許状のように大学における教員養成課程を修了していない、免許状を有していないけれども、すぐれた経験や知識を持つ、例えば、社会人の方とか、あるいは、外国人の方も含めてそういった方に授与できる免許状ということで創設されてございます。
 さらに、丸3といたしまして、臨時免許状でございますが、こちらは有効期間3年でございまして、例えば、山あい辺地にある学校であるとか、何らかの地域上の都合とかで、どうしても学校等において普通免許状、特別免許状を持っている方を確保できないというような、そういう特別な場合がある場合に限り例外的に授与できる免許状でございます。そして、これらの免許状の授与権者は都道府県の教育委員会ということになっているところでございます。
 そして、その次に、今申し上げた免許状の概要について少し詳しい資料が16ページに出てございますが、その中に、3.の「免許状主義の例外」というところだけ少し触れてみますが、教員として教壇に立つためには免許状を持っていないといけないんですが、丸1にございますように、特別非常勤講師制度というものがございまして、これは都道府県教育委員会の届出だけで学校外の人材について教科、科目のある一部分について指導してもらってもいいよというような制度が設けられております。
 それから、丸2といたしまして、免許外教科担任制度というものがございまして、こちらも、例えば、小規模校とか、あるいは、何らかの事情で、ある教科を担当する教員がどうしても確保できない場合に、他教科の教員の方にその教科を教えることができるということを許可制でやっている制度でございます。
 続きまして、17ページを御覧いただきたいと思いますけれども、普通免許状の種類ということで、それぞれ、幼稚園教員免許状、小学校教員免許状というような形で学校段階ごと、更に中学校以降は教科ごとに免許状の種類が分かれているという資料でございます。
 さらに、その次の18ページでございますけれども、教員免許更新制についてでございますけれども、平成21年度4月より普通免許状について、10年間で更新をするという制度が現在とられておりまして、免許状を更新するためには、先ほども出てまいりました免許状更新講習というものを受講して所定の所要の手続をとっていただく必要があるということでございます。
 更に1枚めくっていただきまして、19ページでございますけれども、教員免許状の授与件数が現在どうなっているかということでございまして、それぞれの区分のデータをお示ししつつ、24年度1年間の実績で、全国で20万8,000件ほどの免許状が授与されているというような状況でございます。
 先ほど出てまいりましたように、公立学校に関していえば、採用者数は3万人程度というような、そういう状況でございます。
 さらに、20ページ以下は大学における教員養成の仕組みということで、普通免許状を取るためには大学における教職課程において必要な科目を受講しなければならないというような形になってございますけれども、そちらの関係の資料でございます。
 繰り返しになりますが、教員免許状の取得のためには、学位プラス教職課程での必要な単位数の修得という形になってございまして、少し時間の関係で飛ばしますけれども、21ページをごらんいただきたいと思いますが、ここではそれぞれ、幼稚園から特別支援学校の教諭についての専修免許状、大学院レベルの免許状から二種免許状、まで、それぞれどういう科目について何単位を取らないといけないのかというデータがございます。上から2番目の小学校教諭の一種免許状であれば、学士の学位、それから、教科に関する科目8単位、教職に関する科目41単位、教科又は教職で10単位などというようになっているところでございます。
 さらに、22ページから26ページにかけましては、具体的に、教科に関する科目、教職に関する科目としてどういう科目を何単位とらないといけないのか、そういうことを表でまとめているところでございます。それで、22ページは幼稚園教諭、それから、23ページのところでは小学校教諭の一種免許状を取ろうとした場合ということで、教科、教職、それぞれこのような内容になっているところでございまして、主には、教科に関する科目というのは、その教科の専科的な科目を受講し、教職については、教科の指導法とか、生徒指導であるとか、教育の基礎理論というものをその中で学んでいく。
 さらに、教科又は教職に関する科目というのは、教科又は教職で、大学においてこういうのを学ばせたいというような科目をここで設定していただくというような仕組みになってございます。
 さらに、25ページ、26ページのところでは中学校教諭、それから、高等学校教諭におけます教職課程の細目についても具体例を示させていただいております。
 少々長くなってしまいましたけれども、説明は以上でございます。ありがとうございました。
【小原部会長】 ありがとうございます。
 それでは、次に、学習指導要領等の在り方について、教育課程企画特別部会における審議の状況の報告をお願いいたします。
【小野教育課程課専門官】 失礼いたします。教育課程課の小野と申します。私の方から、現在、教育課程部会のもとに置かれました教育課程企画特別部会を中心に行われております「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」の審議状況につきまして御報告申し上げます。
 資料はお手元の資料3-1、3-2、それから、3-3、3-4に基づきまして、5分ほどお時間を頂きまして概略を御紹介させていただければと思います。
 資料3-1が、昨年11月20日に文部科学大臣から中央教育審議会に諮問させていただきました「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」の趣旨説明でございます。
 この諮問の概要につきましては、資料3-2、横のカラー刷りの資料にしております、こちらに基づきまして御紹介させていただければと思います。
 左上の趣旨というところに記載しておりますように、子供たちが成人して社会で活躍するころには、社会の様々なものが変化している、また、社会や職業の在り方そのものも大きく変化している可能性があるという、こうした厳しい挑戦の時代を乗り越えまして、伝統や文化に立脚し、高い志で意欲を持ち、自立した人間として他者と協働しながら価値の創造に挑み、未来を切り開いていく力というのがこれからの子供たちに求められているというふうに考えます。
 そのためには教育の在り方も一層進化させることが必要で、特に、学ぶことと社会とのつながりを意識し、「何を教えるか」という知識の質・量の改善に加えまして、「どのように学ぶか」という学びの質や深まりを重視することが必要であると考えております。また、学びの成果としてどのような力が身についたかという評価に関する視点も重要であるというふうに考えております。
 こうした観点を踏まえ、大きく諮問では3本の審議事項の柱を立てております。
 1つ目は、教育目標の内容と学習・指導方法、そして、学習評価の在り方を一体として捉えた新しい時代にふさわしい学習指導要領等の基本的な考え方ということでございます。
 特に1つ目の柱としまして、これからの時代に求められる教育を行っていく上で必要な資質・能力の育成に向けた教育目標・内容をどう改善するか。それから、課題発見・解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習、いわゆるアクティブ・ラーニングの充実と、そうした学習・指導方法を教育内容と関連づけてどのように示したらいいかというような在り方について、それから、育成すべき資質・能力を育む観点からの学習評価の改善ということも教育内容の目標の議論と併せて議論していただくということを挙げております。
 それから、2番目は主に内容に関するところでございますけれども、育成すべき資質・能力を踏まえた新たな教科・科目等の在り方や、既存の教科・科目等の目標・内容の見直しといった点でございます。
 こちらは同じ資料3-2の、めくっていただきまして3ページ目と4ページ目を御覧いただければと思います。1つ目の大きな柱は、「グローバル社会で求められる力の育成」という観点でございます。これは主に小学校から高等学校までを通じて達成すべき英語教育の達成目標を示すことなど、英語教育の充実を図るものと、それから、単に英語を学ぶだけではなく、我が国の伝統文化に関する深い理解、多文化への理解なども育んでいくといったことも含めてグローバル社会に求められる力をどう養成していくかということが1つ目の大きな観点でございます。
 それから、2つ目のテーマは「高等学校教育」でございます。これは、この学習指導要領に関する諮問とほぼ前後しまして、高大接続に関する答申を頂いたものを踏まえながら御議論いただくというものでございます。
 高校生が国家・社会の責任ある形成者として自立して生きる力を身につけることができるよう、どのように改善を図るべきかということが大きな観点です。1つ目の点は、国民投票年齢が満18歳以上となることも踏まえまして、積極的に社会に参画していくようなことに必要な力を実践的に身につけるための新たな科目等の在り方をどう考えるべきか。それから、日本史の必修化の扱いなど地理歴史科の見直しの在り方をどのようにしたらよいかといったような、高等学校教育の改善に関する観点を上げさせていただいております。
 それから、めくっていただきまして、4ページ目でございます。そのほかのテーマとしましては、幼児教育としまして、幼児期の特性を踏まえた上で幼児教育と小学校教育をより円滑に接続させていくためにはどのような見直しが必要か。
 それから、体育・健康という観点からは、子供たちの体力の現状を踏まえつつ、また、2020年のオリンピック・パラリンピック開催ということも契機に、子供たちの運動・スポーツに対する関心や意欲の向上などについてどのように取り組んでいったらいいかという観点を挙げております。
 それから、特別支援教育につきましては、障害者の権利に関する条約に掲げられたインクルーシブ教育システムの理念を踏まえて、全ての学校において発達障害を含めた障害のある子供たちに対する特別支援教育を着実に進めていくためにはどのような見直しが必要であるかといったことと、それにあわせまして、特別支援学校については、他の小・中学校等に準じた改善を図るとともに、どのような改善を図っていったらいいかということを書かせていただいております。
 その他の課題としまして、社会の要請等を踏まえて教科等を横断した幅広い視点からの取り組みが求められる、様々な教育の充実をどのように考えていったらよいか、それから、各教科の教育目標の内容について、初等中等教育を通じて一貫した観点からより効果的に示すためにどのような方策が考えられるのか。先ほど幼小接続のお話をしましたが、学年単位、学校種間における教育課程の接続の改善を図ることについて、小中一貫に関しまして答申をまとめていただいたものの状況などを踏まえてどのように考えていったらいいのかということも論点として挙げさせていただいております。
 恐縮でございます、また1ページ目に戻っていただきまして、3番目の観点でございます。
 1番目の観点で教育目標・指導方法、それから評価の在り方を踏まえて学習指導要領をどう見直していくかと、いわば、構造に係る話をさせていただいておりまして、2番目のところで、主にこれからの目標・内容の見直しという話をさせていただきました。
 3番目は、ちょっと違う観点から、こうした学習指導要領の理念を実現するために、各学校におけるカリキュラム・マネジメントや学習・指導方法及び評価方法の改善支援の方策としてどのようなものが考えられるかという観点でございます。これは、実際に教育課程企画特別部会でも様々な内容の議論をしている中で、併せて教員の資質向上や教員の養成をどう考えていくのかというようなことも多々問われておりますけれども、一人一人の教員の資質向上はもとより、各学校における教育課程の編成をし、評価、改善の一連のカリキュラム・マネジメントという観点からは、一人一人の教員の資質向上はもとよりとしまして、学校という組織としてどのような取り組みが必要か、あるいは、それに対して教育委員会あるいは大学等からどのような支援ができるかといったことも大きな観点になってくると思います。
 また、先ほど挙げましたアクティブ・ラーニングなどの新たな学習・指導方法や新しい学びに対して評価方法等、どのように取り組んでいくかというようなことも大きな観点として入れさせていただいているところでございます。
 先ほど申し上げました、昨年11月に諮問いただきまして、今年の1月から教育課程企画特別部会を立ち上げまして、現在、審議を頂いているところでございます。夏ぐらいまでに全体の方向性を取りまとめていただくことができましたら、その後、各教科等の専門的な議論に移っていただきまして、大体平成28年度中には答申を頂きますと、そこから改訂に入るということをスケジュールとして見込んでいるところでございます。
 以上でございます。
【小原部会長】 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、チームとしての学校・教職員の在り方に関する作業部会における審議についての報告をお願いいたします。
【福島初等中等教育企画課課長補佐】 初等中等教育企画課、福島でございます。資料4に基づきまして、チームとしての学校・教職員の在り方に関する作業部会の審議状況について御報告させていただきます。
 本作業部会は、資料7に諮問文の本体がついていますけれども、昨年7月29日のこの諮問に基づいて設置をされたものでございます。資料4を御覧いただきたいと思います。
 資料4の1ページが、本作業部会の設置の要項でございます。本作業部会につきましては、従来よりも複雑化・多様化している学校の課題に対応すること、あわせまして、先ほど説明いたしました教育課程企画特別部会において議論いただくような学習・指導方法が実現できるような体制を整備する、教員たちの専門性を十分に発揮できるような環境を整えていくために、学校内におけます教職員の役割分担でございますとか、あるいは、連携の在り方を見直し、改造していくということとあわせまして、教員と異なる専門性や経験を有する専門的な資格を学校に配置をしていく、学校組織全体が1つのチームとして力を発揮できるようなマネジメントの在り方等について検討を行うものでございます。
 検討の際の視点につきましては、資料4の2ページを御覧いただきたいと思いますが、検討事項の例といたしまして、5点お示しをしております。
 まず1つ目が、学校が組織全体の総合力を高め、発揮していくための学校運営の在り方等について。ここにつきましては、学習指導要領の改訂も見据えまして、この理念を実現するためのカリキュラム・マネジメントですとか、あるいは、指導方法、評価方法の改善を進めるための学校運営の在り方について検討したいというふうに考えています。あわせまして、学校の課題が複雑化・多様化する中、学校教職員の職務の在り方についてどう考えるかということを示しております。
 2つ目が、教員と事務職員、様々な人材との役割分担や連携の在り方についてということでございます。教員が専門職として教育活動に専念できる形を整えるために、学校には事務職員が配置されておりますけれども、この事務職員と教員の在り方等についてどういうふうに見直しをしていくか。それから、2つ目は、カウンセラーですとかソーシャルワーカーといった心理・福祉の専門家を学校へ配置する、その配置の在り方についてどのように考えるかということでございます。 最後の3点目は、これはそういった多様な専門家が専門性を発揮して学校組織全体の総合力を高めていくための学校マネジメントについてどう考えるかということでございます。
それから、3点目、これは教員の評価、処遇の在り方でございますけれども、平成28年4月から公立学校の教員についても人事評価というものが地方公務員法で位置づけられるようになっております。人事評価が法制度上位置づけられたことを踏まえまして、頑張っている教員が教育指導に全力を注(そそ)いでその能力を伸ばしていけるような評価の在り方についてどう考えるかということです。
 それから、4点目、これはマネジメントの話でございますが、管理職や主幹教諭等の在り方についてということでございます。まず1つ目の丸は、体系的・計画的な管理職の養成・研修、以上申し上げたような学校の体制に応じたマネジメントができるような管理職をどのように養成するのか。それから、2点目は、これも平成19年に改正をして、 学校教育法を改正して新しくつくった職ですが、主幹教諭、それから、主任の在り方などといった学校の組織運営体制充実のための方策をどう考えるか。それから、3点目、これは地域全体の指導力向上という観点から、これも新しくつくった職でございますが、指導教諭、それから、教育委員会に配置をされています指導主事、これの養成や活用の在り方について検討するというものでございます。
 最後、5点目、これは学校と地域等との連携の在り方についてということで、学校の課題が複雑化・多様化する中、コミュニティスクール等も含めまして、学校と地域等との連携の在り方についてどう考えるかということでございます。
 以上が検討事項の例ということでございます。
 審議の状況でございますが、3ページを御覧いただければと思いますけれども、昨年の11月に第1回を開催いたしまして、先週、3月27日に第6回を開催したところでございます。現在は、学校や教職員の現状、それから、カウンセラー等のスタッフの在り方について御意見を頂いたところでございます。今後、7月ごろ中間的なまとめをいたしまして、論点の整理を進めていきたいというふうに考えています。審議の進め方としましては、教員養成部会、それから、教育課程部会、特別部会の議論も十分目配りをして進めていきたいというふうに考えています。
 以上でございます。
【小原部会長】 ありがとうございました。
 それでは、これからの学校教育を担う教員の在り方について、委員の皆様と自由討議を行いたいと思います。なお、本日は第8期中央教育審議会の教員養成部会としては最初の会議となりますので、是非、皆様全員から御意見をいただければと思います。1人3分ございますが、安部委員から御意見をいただければと思います。
【安部委員】 長崎短期大学の安部でございます。初めてこの教員養成部会に参加させていただきました。まさに短期大学におきましては、幼稚園の教員養成が主にありますことから、幼稚園の教員の資質向上というのが、現在、保育教諭の制度化との関係に絡んでどうなっていくのかということについては、短期大学としては関心の高いところでございます。
 それから、教員の資質向上につきましては、先ほど、チームとしての学校、教職員の在り方というようなお話がございましたが、これにつきましても、特に教員の仕事を見てみますと、幼稚園、小学校全てそうなんですけれども、いわゆる教科指導にプラスして子供の指導というか生徒指導、児童の指導に関しまして、いろんな形での、問題、特に家庭の問題を持つような子供に対する対応というのが私どもで実施している免許更新講習では、教職、現職の小学校の教員あるいは幼稚園教員の関心が非常に高うございます。教員資質の向上に関しましては、保護者の支援も含めまして、子供の生活をどう、地域の学校として担っていくかについての教員の研修の必要があるのではないかということを、今、普通の一般市民としての立場からもそういう感覚を非常に持っております。
 実は、本学は長崎県佐世保市にある学校ですけれども、佐世保市において昨年おこった事件に対しまして、学校はどう生徒を指導していくべきか等を考える検証委員会等にも参加をさせていただいているんですけれども、やはり、社会の複雑化の中で家庭に対する支援というのが、非常に教員が必要になってきます。しかし現実には、教員がチームではなく、ある特定の教員が問題を抱える生徒に対しての指導に窮しているというような実態もございます。これからの教員としてどういう能力を持てばいいかということについては多様な論議が必要になってくるのではないかというような気もしております。
 それから、もう1点、特に短期大学においては、幼稚園の教諭の養成等を主にやっておりますけれども、これは、昨今、消えたりしているんですけれども、教員養成の大学院課程、修士課程レベルの大学院課程ということに関しましては、幼稚園教諭に関しましてはどうなっていくんだろうかというようなこと等も関心があるところでございます。
 以上でございます。
【安藤委員】 お茶の水女子大学の安藤と申します。よろしくお願いします。
 私は、大学の中では学校教育ということをやっておりまして、修士レベル化を目指して、少ない人数ですけれども、大学院生たちで教師になろうという人たちを附属でインターンシップを行わせて、そこでどのような資質能力を身につけるのがよいだろうかということを検証しながら実験的なことでやっております。まだ4年しかやっておりませんし、人数も少ないので、ちゃんとした成果というほどではありませんけれども、そういう中で、本当に身につけておかなければいけない資質・能力は何なのかということを日々考えています。
 そのような中で、今回が初めてですけれども、御説明いただいた中で、学校の中に多様性を求めていくということ、とてもいいことだなというふうに感じています。今、本当に量的な問題から質的な問題へというふうに変わってきていると思っておりますけれども、子供たちが学びを、自分なりの学びというものがどのように理解して、自分から学習をつくっていくかというのをすごく問われているというふうに思うんですけれども、学び方をということも先ほど御説明ありましたが、やはり、基礎的に学びの三要素というものがありまして、知識レベルの学びがきちんとしていることというのはとても大事です。その上に立って、学び方という、学習方法、自分に合った学習の進め方を選んでやっていくということも大事になると思いますし、もう1つは、モチベーションという問題で、どのようにしたら子供の心身とも健康な状態を学校の中でつくり出していくかということがとても大事です。
 その三要素の中で、どちらかというと学びの方法というところに議論がいっていると思いますけれども、私はその前に、私の専門は発達障害ですので、特にLDをやっておりますので、読んだり、書いたりできない子供がとても多いという、特に低学年の中で多いというのを感じております。
 私は、なるべくいろんな小・中学校を回って実態を捉えようというふうに考えておりますが、私の少ない経験の中で最近特に感じているのは、学力格差ということを、社会・経済的な意味ではなくて、子供の学びのスタイルとか学びの方法によって違う、通常の学び方では学べないような子供たちがかなり学力格差の底辺を形成しているというんですか、変な言い方かもしれませんけれども、それを感じています。
 その子たちがそのまま放っておかれることによって、つまり、集団の中でそのまま埋もれていることによって、中学年以降、その子たちの心身の状態が非常にバランスが悪くなって、今言われている教育課題、つまり、不登校とか引きこもりとか、そういうところにつながっているんではないかということを非常に強く感じています。
 ですから、もう一度言いますが、学力を支えている基礎的な学力をどう全ての子供たちに保障していくかというところももう一度あわせて、もちろん、併せて考えていると思いますけれども、考えたいなというふうに私は思います。
 やはり、低学年のうちにというところがすごく大事ですので、私の考え方では、予算の配分をするときに低学年にもっと、少ない人数で、少ない集団の中で確実に評価をしながら、この子がどの辺まで今達成できているかという、達成の状況を逐次、かなりきめ細かくアセスメントをしながら教育を進めていくようなシステムが必要じゃないかということで、先ほど御説明にあったような、多様な職種の人たちが関わっていくことに非常に期待をしております。
 ですが、実は、短期的なところでは、今あるシステムの中でそれをうまくやっている学校というのも散見はしております。今ある人たちの中で何とか地域システムを活性化させ、学校の中にいる数少ないスペシャルな人たちを総動員して子供の具体的なところで発達させていこうと見ているところがあるんですけれども、短期的には、今あるリソースでかなり頑張っていると思いますが、それを中期的に考えると、そういう実践を地方の教育委員会がもっと教育課程に私は関与していって、そして、例えば、学校だけではつくれない教育課程ってあると思うんです。
 それは、具体的に言うと、私の専門でいう発達障害で言うと、知的に全く遅れがないけれども、自閉的な傾向があるお子さんというのがなぜかとても増えているという実態があります。これは医学の分野でも、教育の分野でも言われておりますので、その辺は1つの学校独自では無理だと思いますので、中期的に見ると、そのような子供たちに対して学習指導要領からそのままでは引いてこられないような教育課程のつくり方を各自治体で頑張っていただく必要があると思います。
 そして、長期的に考えたら、やはり、例えば、今あるスクールカウンセラーとかソーシャルワーカーも出てきていますが、そういうものだけではなくて、PT・OT・STのようなコメディカルスタッフのようなものを地域のエリアの中で結構ですから、その中で学校と一緒に活動できるような、そういうような仕組みをつくっていけたらいいんじゃないかなというふうに個人的に考えています。
【牛渡委員】 仙台白百合女子大学の牛渡と申します。私は私立大学の学長をしておりますし、それから、専門は教育行政と教師教育ですので、特にアメリカの教師教育や学校管理職の養成などを実施しております。
 今回の部会の前提となっております理念として、学び続ける教師という言葉が出ております。私は、この学び続ける教師という言葉が今後の議論のキーワードになるだろうというふうに考えております。やはり、教員養成段階だけでは技能が十分ではない、教職生活を通じて子供の成長、学びをどうサポートするかという、そういうスタンスと枠組みの中で制度設計をしていく必要があろうと思います。
 そういった中で、私はアメリカの制度、教職大学を見ておりますと、制度の多様な、非常に多様な制度、日本と同じ、あるいは、それ以上に多様な制度をアメリカの制度は持っておりますけれども、その前提として、今、つくられていますのが、教師の共通の専門的な枠組み、いわゆるスタンダードをつくっております。こういったような、これは専門性の枠組みですから、スコープとシークエンス、両方あるんですけれども、それをベースにしながら具体的な免許制度の制度設計やら、あるいは、教育委員会と大学の役割分担などを並行していくということが今後必要ではないかというふうに考えております。
 それから、もう1つは、この部会の機能の前提として、恐らく、開放性をどうするかということがあると思うんです。私自身は、やはり、今、日本の教員養成機関の7割以上が私立大学です。ややもすれば、国立中心の養成の議論になりがちなんですが、やはり、全国ほとんどの大学の、ほとんどの学科で、何らかの形で将来、教師につながる道、免許状を取れる、免許状の乱発という面もあるんですけれども、そういうルートを残していくということが我が国の教職への人材をつなげていくという意味では、私は有り難いと思っておりますし、もちろん、そこに非常にレベルの違いというのがありますので、全体を通したレベルアップを図るという、そういう発想で議論を進めていければというふうに思っております。
 そういった中で、民主党政権下の中教審答申の中では、高度化という議論がありました、修士化というのもありましたけれども、これも今言った話と同じで、教職大学院だけではなくて、圧倒的に大学院の方は専修免許状の方が多いんです。ですから、専修免許状改革というものを視野に入れながら、高度化を進めていく、そういう制度設計をつくっていただきたい、こういうふうに考えております。
 以上です。
【岸田委員】 和歌山県立桐蔭中学校高等学校長の岸田でございます。
 私、随分この部会にかかわらせていただいて、古株と言ってもいいぐらいになってきました。その立場で、今考えていることを1点だけ申し上げたいと思います。
 今もお話がありましたけれども、この間に政権も変わる中で、その都度いろんな要請があって、その要請に応える形でこの場も含めて議論してきました。しかし、実際には、議論はしてきたけれども、現実的な施策としてどう反映してきたかというと、実は、余り動いてこなかったんですね。この前、教員養成に関して動いたのは、18年答申の例の三点セット。ここでは大きく動きましたけれども、そこから先は、議論はいろんな形でしたけれども、24年のときの答申もそうですが、議論はしたけれども、現実的には動かなかったというのが正直な印象です。
 しかし、その中で、教員養成の向かうべき方向性だけは相当クリアになってきた。その方向性は何かというと、生涯にわたる職能成長を支える教員養成施策を考えていかないといけないということ。そういう方向性についての共通理解は、この場でも含めての議論の中でなされてきたと思っているんです。
 学部段階での養成の議論がなされる中で、学校、初任研、10年研、教員免許更新講習、教職大学院、それから、今、チームとしての学校での研修の在り方等々、そうしたものを俯瞰(ふかん)的に眺めて考えていこうということです。つまり、これらを生涯にわたる職能成長を支える個々のものとして、単独軸で議論するんではなくて、それらをつないでいきながら系統性を持たせて、そして、それぞれがどういう役割を果たしていくか、その議論をきちっとすべきなんだろうというふうに思っています。
 そして、そのときに流れる、その底流にある共通のコンセプトは、今お話にありましたように、学び続ける教師像ということなんだろうというふうに、私は理解をしています。特に、これは事務局の方にお願いしたいんですけれども、そういう強い思いを持ちながら、この方向性に沿って具体的な施策として動いていく方向に、本部会を是非、していただきたいと思っております。
 以上です。
【北神委員】 国士舘大学の北神と申します。今回から初めてこちらに参加させていただきます。
 専門は学校経営をやっている関係で、教師の成長に学校という職場がどういうふうに役割・機能を果たせるかというのが僕は鍵を握っているというふうに思います。22で教員生活に入って、60の定年まで38年間、そのうち養成段階が占めるのはたかだか4年間、残りの三十数年は学校というところで先生たちは学び、成長していくわけです。
 そこの鍵を握っているのは、当然、本人の自己研さんが鍵を握っているのは事実なんですが、そういう学びを支えられる環境が職場にあるのかどうか、そういう意味では、学校という立ち位置、そこでの教員育成機能という部分のものがどうかかわってくるかというと、当然、採用の責任である教育委員会がそこにどうコミットするとか、そして、それぞれの学びのサポートを担うであろう大学、大学院、そういう部分が教師の成長をどう支えられるのかどうか、そこのトータルパッケージの問題として教師の成長というのを見ていかないと、確かにこの部会は養成部会なので、養成のことが中心の議論にはなるかと思うんですが、そこだけでは解決できないのではないか。
 教員制度改革というのは、この何年かずっとフォローすると、学習指導要領の改訂と必ずセットで動いているんです。平成元年版指導要領の1年前にいわゆる初任者研修をするとか、10年版指導要領のときには10年に免許法の改正、20年版指導要領のときには、19年に免許法、教育法の改正、今回も、一方で指導要領の改訂案を横にらみしながら教員制度改革をしている。
 子供たちに教える中身が変われば、当然、教員に期待される資質能力も変化する。その部分を養成段階で担うべき役割の部分と、圧倒的多数を占める現職の先生方にもう一度その部分のところでの学びや成長という機会をどう認定させるのか。これからの教育、学生たちに必要な部分で今度の教育課程の効果はあるんだ、子供たちはこういう力が必要になるんだという意味では、大学段階で学習しなきゃいけないだろう。
 でも、それを直接、指導要領改訂で影響を受けるのは学校ですから、現職の先生たちにそういう部分の学びや研修の機会をどこまで条件整備的にできるか、そのことが教員個人の力量アップと同時に期待されている学校の組織的教育力の向上につながるはずだ。その部分のキーワードは、学びでも、今チームだし、組織力の部分も今チームという言葉が1つのキーワードとして使われているんです。
 つまり、個人の学びが持つ限界をチームという協働的な学びを入れることの中でお互いカバーし合いながら相乗効果を出していく。そういう育成システムとか学びの新たなシステムづくりというものを検討していくことが、次の時代を見据えたところでの教員改革の1つの知識となるのではないか。そのような形で考えています。
 以上です。
【酒井委員】 大妻女子大学の酒井と申します。大学では教職課程のセンターの所長をしておりますが、教育社会学というのが専門になります。今期で臨時委員は2期目になりますが、前回の部会から今回に変わりまして、やはり、先回は小中一貫ということが1つのテーマだったんですが、今回はもっと大きな養成・採用・研修の在り方の全体的な見直しということで非常に大きなテーマを考えなければいけない。なおかつ、一方で、先生がおっしゃったように、学習指導要領が大幅な改訂をする、それから、大学の入試が大幅な改革を目指している中で、非常に抜本的な教員養成の、あるいは、研修の在り方の全体的な見直しを求められているんだというふうに思いました。
 その中で1つ考えますのは、現在、養成のところでいきますと、どういう科目を設けるのかというあやふやなところで言っているんですが、今、恐らくどういう資質を教員に求めるのかということについて少ししっかりした議論が、大学あるいは国、あるいは、教育委員会で少し議論しなければいけない。その議論がありませんと、非常にあやふやなままプログラムだけが走っていくというような、そういう仕組みになっていくんではないかというのがひとつ懸念されるところです。
 その際、一方で、非常に社会の変化が早い中で、その社会の変化がどのような変化であるのかということをしっかり教員自身、あるいは、教員を目指す学生自身が理解すること、それから、その中で必要な資質、力量は何かということを理解し、習得すること、それが必要だというふうに考えています。
 それは、私は前期の最後に申し上げたんですが、公立学校教員だけではなくて私立学校教員も非常に重要な研修の対象だと思っておりまして、全教員を対象にした全体的な資質の向上ということが必要だろうというふうに考えます。ということで、よろしくお願いいたします。
【坂越委員】 広島大学の坂越と申します。今回から参加させていただきます。よろしくお願いいたします。大学の方では、教員を養成する大学の教員はどうあるべきなのかというような、そのあたりを1つの課題として取り組んでいるところでございます。
 今回、昨年7月のワーキングで出された論点整理を改めて見させていただきまして考えたことなんですが、先ほど北神先生、酒井先生も言われていたことなんですが、養成・採用・研修、ここのシームレスな案件、システム、今、教員養成しているどこの大学もきちんとスタンダードをつくって、ルーブリックを整備して、ちゃんと養成されている。
 そのスタンダードをつくるときに、4年でパーフェクトというのは多分できていないはずなんですよ。研修して、そこでOJTで育っていって、こうだという、ある意味での理想形をつくって、それに向かって養成のスタンダードをつくっているというところがあると思うんです。
 ですから、もちろん、採用する県教委さんとも一緒に検討しなきゃいけませんけれども、こういう、何がどの段階で求められるのかというようなスタンダードなり、ルーブリックなりというようなところについて、こういう場で勉強させていただけたら有り難いなというふうに今思っています。
 あわせて、先ほど、これもそうなんですが、採用する県教委と大学の連携。これは昔から言われているんですけれども、置かれている地域、地域によって状況がかなり違って、一県一大学できっちりとできるところもあれば、いろんなところと連携しなきゃいけないところもある。そのときに、通経的にやっぱりここの大学と教員が一緒に考えて動きましょう、ここは地域特定で、やっぱり突っ込んだ、こういうシステムがつくれるねというようなあたりを整理しながらやっていく、そんなことも必要じゃないかなというふうに思っています。
 先ほどありましたように、行政5年あるいは6年で、教員生活38年とかになっていくわけですから、特にこのあたりのところをどう成長していくのか、直の関係者が周りにいるので余り個別に言うのも何かなと思うんですが、教員研修センターなんかが先行的にモデルでやっておられるような話というのも、是非こういうところで検討させてもらうと有り難いな、こんなところでございます。
【渋谷委員】 現在、埼玉大学で特別教員をしております渋谷と申します。
 私が教員養成学部で教員養成に対して責任持って携わったのは大体10年前前後でございまして、もともと専門が哲学、倫理学でございますので、こちらにいらっしゃる先生方のように小・中・高で実際にお教えになっていらしたとか、いわゆる教職専門ということで教育学等に携わっておられた方とはもともと考え方なんかもそもそも違うかな、と思いながら、この部会で数年務めさせていただいております。
 私の記憶で一番鮮烈なのは、責任ある部署にいたときの話ですが、平成13年11月に在り方懇(国立の教員養成系大学・学部の在り方に関する懇談会)答申が出まして、そこで2つのことが言われたときでした。1つは、ショッキングな話なんですが、ゼロ免課程をなくしなさい、という話でした。もう1つは、できる限り質の高い教員を養成しなさいということで、特に後者の方は、私は非常に我が意を得たりというんでしょうか、私自身目を開かされた思いがして、そのためにその後多少仕事をしてきたつもりです。
 この間、1つ微妙に変わってきている点があるのかなというふうに思っておりましたところ、先ほど岸田先生もほぼ同様のことをおっしゃったので心強かったんですが、当初、10年ほど前は、22歳の大学を卒業したばかりの新米先生が4月から担任になるというときに、非常にいろいろ問題が生じてきたわけです。そこで、即戦力ということが求められたと思います。現場感覚というんでしょうか、それが具体的に教職専門課程の必修単位を倍加するというところにあらわれてきていたと思います。
 私は、これはもちろん必要なことですし、一定の成果が出たかというふうに認識しておりますが、ここへきて、それだけではいけないのではないか、という反省も生まれてきているのではないか。それが、先ほど岸田先生がおっしゃった「学び続ける教師像」というスローガンだと思うんです。
 具体的には、ですから、これから、特に中学校・高校の教科専門を担う先生方につきまして、ずっと将来、専門性の高い最先端の科学の知見を読みこなせるような、そういう専門性のある先生方をどう形成するかといったところに目を向ける必要があるかなというふうに見ております。
 最後に、これも私、数年前から二、三回申し上げて、ちょっとひんしゅくを買っているのかもしれないんですけれども、1970年、40年ほど前から何が変わったかというと、大学進学率が20%だったのが今55%まで増えているわけです。そうすると、国公私立を問わず教員になろう、教員免許状を取ろうとする18歳人口の、表現が難しいんですけれども、レベルというんでしょうか、学力、意欲というんでしょうか、その辺がどうなっているのかということなんです。
 22歳のときの就職の年齢というところでは、結局、教員という仕事からすると、ライバルは民間企業と行政です。私、去年1つ印象的だったんですが、非常に学力の高い優れた学生たちを指導し、また、教員免許状も多く出している大学に行きましたところ、実際に教員になる学生はかなり少なかったのです。相当な学生は行政と民間に就職しているというのが実情でした。
 私は、この辺にもう少し問題意識を持って、まず、大学における18歳人口が、教職って魅力があるんだなと思うような、そういう導き方、それから、これだけ教員免許状がたくさん出されるわけですから、資格がある人間は何万人と毎年出るわけです。そういう意味では、20万人ぐらいだったかな。そういう22歳人口を、これまた、どういうふうに質の高い22歳人口を教員の方に目を向けてもらうのかというあたりについても問題意識を持っていきたいな、というふうに思ったりもしております。
 大体私が申し上げたいのは以上でございます。
【高岡委員】 教員研修センターの高岡と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 昨年の7月の末にこの前期の養成部会のワーキンググループにおける論点整理、資料9できょうも資料の中に入れていただいているようでございますけれども、報告書、この委員の何人かの方と一緒に取りまとめさせていただいて、その中で幾つか見えてきたことがございます。
 先ほど岸田先生からもお話がありました。論点はかなり熟してきて、あとはどう具体化し、どうシステムの上に載せていくか、まさに政策や企画のレベルで提案をしっかりつくる、これが今期の、私は養成部会の仕事ではないかなというふうに思っております。
 その中で、3点ほどありますが、1つは、養成・採用・研修の一体的改善、学び続ける教員像を実現、理念を実現するための社会システムの構築。このことは、ほぼ方向性として共通認識がある。その共通認識があるということを、かけ声と意欲で示していただければ、既に滑らかな対応をしているので、これを実態的なシステムとしてどうつくっていくか、このことをしっかり検討すべきではないかなというふうに思っております。
 特に、養成の段階で言いますと、果たして養成段階を、優れた教師、教員として一人前であることを求める、あるいは、少なくともそのひな形に応じて養成段階に様々な教育課題を入れていくという、その作業でよかったかどうか。私は、極端に言えば、養成の段階というのはあくまでも教師になるための基礎的な知識と技能と、さらに、強い意欲を持たせる。そういう養成段階を構築するというところに改めて力を注(そそ)ぐべきではないかというふうに思っています。
 それから、それとの関連ですが、これまで養成段階の課程、教職課程というのは、認定、つまり、許認可という枠組みの中で最低基準をクリアしているかどうかというところだけを評価してきたわけですけれども、今後は、事後的な教職課程の評価、認証というとちょっと語弊があるのかもわかりませんが、許認可という認定の段階から、評価、本当の意味での大学教育に対する評価というところに視点が移っていくべきだというふうに思います。
 それから、2点目は、研修の問題で、先ほど来御説明があった初任研、10年研、あるいは、その間の年次研修、さらには、20年、15年というような研修が多様に展開されている。私ども教員研修センターもまさにその現職教員の研修をつかさどる国レベルの機関だということを力を込めて外に向かって言うわけですけれども、そこで何が身についたのか、あるいは、何が求められているから、おまえさんのところではどんな研修を、どんな意味づけ、意義づけでやっているのかというふうに突っ込んで問われますと、客観的な基準、それを持って研修の中身というものが、私どもの教員研修センターの、あるいは、都道府県の行っている教員の研修にかかわる機関も十分に共通認識が持てている段階にはまだないというふうに思います。
 言葉を換えれば、ちょっと当たっていないかもしれませんし、やや自虐的な言い方ですけれども、たゆまぬ経験主義が、やはり教員の研修についてはいつまでもつきまとっている。
 そのことを改善していくためには、やはり、到達目標、教員の養成段階もそうです、初任の段階、中堅、ミドルリーダー、管理職、各段階での専門性の基準というものを共通認識として、ある種、ナショナルスタンダード、これをつくっていく必要があるんではないか。そういうルーブリックを確立することによって初めて研修というものが積み上がっていくし、年を追うごとに資質能力というものが高まっていくということを可視化できる、そういう仕組みもつくっていく必要があるんじゃないかというふうに思います。
 その養成・研修の段階、もちろん真ん中の採用もありますけれども、そういうものを一体的に改善していくということが可能になるためには、この養成部会からまさに養成・採用・研修のこれからの在り方ということをトータルな政策の問題として、大学と行政の連携であるとか、協働であるとか、そういうことも含めてしっかり情報発信をしていくこと、これが重要ではないかというふうに思っています。
 以上です。
【小原部会長】 あと35分しかございませんので、手短に、最初、私、3分とお願いしたので、3分でお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【出口委員】 では、3分でお話しさせていただきます。東京学芸大学学長を昨年4月からやっております出口と申します。この委員になるのは初めてです。どうぞよろしくお願いいたします。
 本学は、御承知のように、養成・採用・研修については非常に重い責任を持っている大学です。私は、資質の問題については本学の最も目的とするところでありまして、一番の問題は、今後、大学がどんな研修ができるかということについて、現在、研修制度、それから、研修体制のつくり方ということについて、現在、全ての都道府県の教育委員会、それから、政令指定都市も我々回って、本学は全国から学生が来ていますので、特に教育委員会に希望があるのかということについて、ほぼ今全県、それから、政令指定都市の教育委員会を回りまして教育長と意見交換を行って、ほぼ終わりました。そこで見えてきたのは、3つぐらいに集約されているというふうに思っております。
 そういうことについては、きょうは申しませんが、それから、先ほどから出ております「チーム学校」ということも大学で非常に重要視しておりまして、しかし、現職の先生方にお聞きすると、「チーム学校」といったときに、どうすればいいんですかと、実際、「チーム学校」という言葉、非常によく知っているけれども、現実問題、どういうようなモデルがあるんでしょうかというのをよく聞きます。
 本学では、平成27年度から従来の教養系を教育支援課程というふうに名称を変えて、教育色をもうちょっと打ち出そうということで、従来の教養系をなくしました。そのかわり、教育支援課程というものを設けまして、この中に従来、学校の教員が担ってきたことを支援系という人物をつくって、教員を、学校をサポートできるかという、そういうような人材をつくろうということで、教育支援人材の育成ということで、平成27年度からその課程をつくって募集しました。
 学生のうちから、養成の段階から、教員と、それから、教育支援人材間の協働ということをあらわすように、ということで、1つは、そういうもくろみがあります。
 それから、先ほど、私は研修制度と申し上げましたが、教育委員会がやる研修と大学がやる研修を、教育委員会ができる研修はどういうもの、大学でできる研修はどういうものか、そういうようなことについて整理しつつありまして、やはり、各県、特に、我々は東京都教育委員会と相談しながら研修内容、研修のシステム、そういうものについて新たにつくりましょう。
 先ほど、広島大学の坂越委員ですか、最大のというか、教員養成大学の教員の在り方というものを、もう少し何らかの形で確認すべきであろうということで、これは、その確認の仕方、あるいは、全教員、これは何も分け隔てなく、教員養成大学、学部の問題だと思いますが、そういうものについてどういうふうな教員資質を検討していくということが大切だと思っております。これもこの委員会で、こういうことについては今後検討がなされると思いますので、是非、皆さんからの御意見を聞きたいと思います。よろしくお願いいたします。
【中西委員】 中西と申します。読売新聞で教育の取材を続けてかれこれ20年ほどになります。
 今、名簿を改めて拝見していまして、先生と呼ばれる方がほとんどだと思うんですけれども、私、そういう立場でもなければ、教員免許も持っておりません。ある意味では、素人代表としての立場で発言をしていきたいと思っております。
 先日、「みんなの学校」という映画を見ました。御存じの方もいらっしゃると思いますけれども、大阪の支援の必要な子供さんが多い小さな学校をそのまま1年間追い続けたドキュメンタリーなんですけれども、その中で校長先生の指導力や、若手の先生の育ちというか、まさにああいう形が「チーム学校」なのかなと思いました。
 若い先生が、本当に即戦力、一人前の先生ばかりならいいんでしょうけれども、そんなことは現実的にはあり得ないと思いますし、先ほど来お話が出ておりますが、養成段階で何が必要なのかということを改めてしっかり考えるべきではないか。私自身がこれまで取材してきて思うのは、あえて挙げれば、コミュニケーション力と学んでいく力ということが欲しいなと思います。
 いずれにしても、こういう何が必要なのか、あるいは、何が不要なのかということも本来ちゃんと議論しなければいけないと思うので、そのあたりを素人の視点で発言していきたいと思います。よろしくお願いします。
【無藤委員】 無藤でございます。私も前期の部会の委員でもありましたけれども、そのまとめの論点整理も大体やるべきことはできたと思うので、今期は、是非、具体的な実現に向けて指導していただければと思っています。
 その中で二、三、重複でもあるんですけれども述べたいと思います。
 1つは、私は自分の大学のところでは、小学校とともに幼稚園なんかの養成もかかわっていますけれども、この27年から認定こども園がふえていくわけで、幼稚園教員免許を持った人が認定こども園の保育教諭として勤務することがふえていくと思います。保育教諭というのは、幼稚園免許とともに保育士資格を有するわけです。そういう意味で、養成側としても幼稚園と保育教諭、保育士と両方の養成ということ、大部分がやっていますし、更にそういう形がふえていくと思いますので、そういうことを念頭に置いた上で幼稚園教育の免許の在り方を是非意見を出していただきたいと思います。
 2番目は、これも既に出ておりますけれども、私立大学の中で考えてみますと、例えば、教職大学院の体制に十分入れるかというと、なかなか、特に弱小の私立としては難しいところがあります。そういう意味では、専修免許の生かし方を検討していただければ有り難いと思います。専修免許というものを持って、修士号の上で現場に勤めるという方がもっと増えてもいいと思いますし、現に増えつつありますので、例えば、専修免許を取るに当たって、教職にもう少し勉強するということの意味づけが考えられます。
 3番目は、これも既に出ておりますけれども、大学における、養成課程における教職課程の質保証に踏み込んでいただきたいということであります。これについての提案は様々論点整理が出ております。例えば、教職課程を大学としてもっと責任を持った体制にするべきであるとか、外部からの評価とか、あるいは、情報公開であるとか、あるいは、養成課程を担当する教員の研修の在り方といったことです。
 例えば、担当教員、実務家教員の割合を増やすというのも1つの方策だとは思いますけれども、それを機械的に提供することが望ましいかどうか、私は少し疑問があります。養成・採用・研修という大きな流れで見たときに、学部段階でできる部分、例えば、教育学部の研究に関わりながら、しかし、教職の実践を積む教員の配置も望まれると思いますので、それを含めて御検討いただければと思っております。
 以上です。
【永田委員】 東京学芸大学で教職大学院の専任をしております永田と申します。また、学部の教員養成段階で道徳の指導法を担当しております。自分も最初は学校教員、教育委員会も経験しております。
1つは、教師力高度化というか、そのあたりに強い関心を持っていまして、教職大学院も担当していますので、まだ期間は短いのですが、まさに全ての授業がアクティブ・ラーニングの形で行っています。そうすると、院生である教員が目に見えて変わっていくことがわかります。しかし、数としては、教員全体の中のごく一部ですから、そのようなものをどのように広く波及させていくかが課題だと感じます。そして、また私たち大学教員自身が変わらないと、そのような授業ができないわけです。それがモデルケースとしてしっかりコンパクトにされていると感じました。
 2つ目は、道徳の教科化についてです。学習指導要領がつい4日前の27日に一部改正が出され、その案が出されたのが何と2月4日の立春でしたので、道徳教育の春を迎えたという印象です。これは、今回の教員養成の充実コースにおける課題事項の中にも書いてありますように、大学で、あるいは、教員研修で「特別の教科」化した道徳に関してどのように研修あるいは養成を保障していくのかということに制度の問題にも一定程度影響があることなのかなと思います。
 なぜ道徳が「特別の教科」になったのかというのは、例えば、子供の心が不安定な状況なのに、いじめなどがネットの中に潜ってしまっていて、どこまでそのような問題に道徳教育、道徳授業が力を発揮できているか。それが不安定な実施状況で、内実の伴った時間が確保されていない。生徒指導そのものとの混乱があるという側面もあるかと思います。
小・中学校の道徳の授業を思い起こしての印象について、学生に聞いたのがかなりたまっているんですが、「道徳を先生は軽視していた」とよく書いていました。また、「道徳は好きなんだけれども、人格的に尊敬できない教師に授業されるのが嫌だった」とも書いている。東京学芸大生ですから、将来、多くの学生が教員になるはずです。つまり、負の再生産にならないように食いとめないという思いがあります。
 今回の道徳の「特別の教科化」は、議論型道徳授業への体質改善の問題がありますけれども、それは大学の授業で、火をつけるところから変わっていかなくちゃいけない。しかも、道徳教育全体と道徳科という二重構造で見ていかないといけない。さらに、小・中学校だけの問題ではなくて、幼稚園の問題でも、高等学校の問題でも、特別支援学校の問題でもあるのかなというような問題意識を持っております。これからの改善に向けた1つの試金石になるのではないかなと感じております。
【平本委員】 横浜市教育委員会の平本と申します。どうぞよろしくお願いします。今、私は、先生方からいろんなお話を伺って、少し違う立場からお話をさせていただきます。
 まず、頂いた資料の2ページに公立学校の年齢別の教員数がございます。現状として、全国的にはまだ年齢が高い方が圧倒的に多いとなっておりますけれども、地域差が非常に大きいことを改めて感じました。
 今、横浜は10年経験者までで56%を超えました。恐らく、今後も正規の採用者が増えますので、更にその割合は高まります。このような状況の中で、先ほど来お話が出ていますけれども、教育の質をどう維持していくのか、ここの部分に関して本当に重要な課題になっています。言うまでもなく、教員の資質を高めるということは、子供たちによりよい教育環境を提供することになりますから、非常に重要です。
 しかしながら、現状はどうかというと、実際の学校の状況は、非常に多忙を極(きわ)めています。これがまず大きな課題の1つです。それから、保護者・地域などから寄せられる多様なニーズ、そして、教育課題も高度化しています。このような状況の中で、経験の浅い教員が非常に頑張っているというのが現実でございます。
 教員の大量退職、大量採用が始まる見通しを持っている他都市の皆さんがこれまでにも横浜市に情報を求めに来られました。その備えとしてどういう準備をしておけば良いのかという視点で、情報交換させていただいています。今、横浜は、現段階で50の大学と教員の養成と育成について、一体的に取り組んでいこうということで協定を結ばせていただいております。
 しかし、その内容をどう高めていくかということについてはこれからの重要な課題となっておりますので、今回のこの部会でいろいろお知恵を拝借して、1つでも多く具体化に結びつけていきたいと考えております。どうぞよろしくお願いします。
【藤井委員】 宇都宮大学の藤井です。今回から新しく加えていただきました。よろしくお願いします。
 私は、昨年、1年半ぐらいかけて教職大学院をつくりまして、併せて新課程の廃止に伴う学部改革を行ってきた立場から3つほど述べさせていただきます。
 まず、教員の資質能力向上をロングスパンで考えたときに、教職大学院が大変重要であるということは間違いないと思うんですけれども、それを具体的にどう活用するかということについてかなり具体的に制度をつくっていかなければいけないと思っています。
 といいますのは、宇都宮大学も定員が15で、10が現職、5がストレートマスターと、非常に小さいものしかできないんです。その中で5人のストレートマスターを集めてくるのに必死である、これは全国の教職大学院で全て同じ課題があります。
 今、学生さんが大学院に行きたいのだけれども行けない理由を聞きますと、金銭的な理由をよく言います。それから、早く現場に立ってみたいと言います。そういう流れの中で、大学院進学にどうインセンティブをつけていくかは大変大きな問題だと思いますし、少ない量しかカバーできない国立大学の教職大学院を全体の中でどのような立ち位置にしていくのかということについても、かなりはっきりと示していく必要があると思います。これは教職大学院のボリュームの問題であるし、国の政策としてどうしていくのかが大事かなと思っています。
 修士課程は廃止になるというふうなことも国立大学にはお達しが来ているわけですので、そのあたりも念頭に置く必要があると思います。
 それから、2番目は、設置をしていく準備の過程で、教育委員会との関係が非常に栃木県の場合はよくなってきました。これは、一生懸命こんなにいいものができますから是非御理解をということで時間をかけて交渉した結果ですけれども、そこで分かったことは、大学が高等教育機関としての使命を果たしていくには、やはり、我々のやっていることを県に広く、全県の先生方に広めていくことが必要であろう。そうしますと、やはり、県が行っている研修に大学が絡んでいくというシステムが不可欠だと思うんです。我々はそういうふうに考えまして、県、そして県の研修センターとともに教職大学院のノウハウを生かしたルーブリックを共同開発いたしましょう。やがてはそれを大学院の単位として認めていくような方向で、研修を受けたことで単位として累積できるような仕組みをつくっていきたいですねというところまで来ております。
 そのようなことは可能であると思いますので、制度設計の中に是非入れていきたいというのが1つあります。
 最後ですが、教職大学院は非常にいいものをつくりました。そうしますと、学部が弱体化します。これは当然です。同じ資源の中から、一方でいいものをつくると、一方が弱くなっていきます。そうなると、限られた資源の中で学部がどうなっていくかというときに、気になるのは、教育課程です。免許法がどうなっていくのかが非常に大きな関心事で、実践力強化もいいんですけれども、それから、現代的課題への対応もいいのですが、たくさん残った教科専門の先生方をどう活用していくのかということも考えていかないといけないので、全体の枠組みの中での免許法改正については、是非、しっかり議論したいと思っています。
 以上です。 
【堀田委員】 今回から委員になりました東北大学の堀田でございます。よろしくお願いいたします。
 私は、教員養成大学を出まして小学校の教員となり、教育学部と教職大学院で教員をやっていた時期があります。現在は東北大学の大学院情報科学研究科に所属しておりまして、専門は情報化に対応した教育のことでございます。
 そういう観点から申し上げますと、情報化に対応した教育がちゃんとできる教員の資質をどう育成するかということが私の興味・関心の最もあるところでございます。アクティブ・ラーニングをはじめとして、学び方が大切になっている時代になっております。一方で、義務教育においては、先生がしっかり教えるということもまた大事であります。
 ICTの活用で申し上げますと、先生が教えるときにどういうふうにわかりやすくICTを使って子供たちに指導するかということと、子供が道具としてICTをどういうふうに用いて学習を進めていけるのか、そういう力をどうやって育てるのかということがございます。
 こういう教員の資質をどうするかというのを考えたときに、教員養成の4年間と、その後、先生になってからの三十何年という話が先ほどからありますが、いい授業をする先生がICTも上手に使うというのが経験則としては十分にありますので、教員養成でてんこ盛りにすることよりもむしろ、現職教育でICT活用に関する指導力の向上をどういうふうにやっていくかということが非常に重要かなと思います。
 教員の一部は、かつてICTが余り使われていなかった時代に教育を受けて教員になっていますから、そのことの再生産にならないようにしなければならないと考えます。一方で、資質を高めていただく必要がある教員の任命権者は都道府県が多く、ICT環境の整備を進めていただく必要がある設置者は市町村が多い状況において、国がどういうふうに教員のICT活用に関する資質向上を提言していくかというのは非常に難しく、間接的にならざるを得ない部分もあるのかもしれませんけれども、今この時期を外すと今後に支障が出るかなと思っております。
 その1つの背景は、例えば、予算がちゃんとついてもICT環境というのはなかなか整備されないという現実があります。一般財源、地方交付税交付金で来ていますので、ニーズがないと誤解している自治体や、余り使いたくないと思っている教員が多い自治体には導入が進まない状況があります。そうすると、新しいタイプの授業をイメージすること自体が教員はできないし、やろうと思った教員も環境がないのでそれをしない。つまり、新しい時代を迎えているのについていけないということになります。
 したがいまして、ICTの整備促進というのも、ICT活用に関する教員の資質向上と一緒に検討するべき課題かなと思うんです。
 最後に、情報化には光も影もありまして、とりわけ影の部分、先ほど永田先生もおっしゃいましたけれども、いろんな意味で課題も起きておりますので、教育、学習の方法としての情報化だけでなくて、教育内容としての情報化の、教えておかなきゃいけないことというのもあるかな、これをどういうふうに教えられる教員の資質向上にするかということを最後に大事かなということで付言したいと思います。
 以上でございます。
【松川委員】 岐阜県教育委員会の松川と申します。よろしくお願いいたします。
 私は、長らく教員養成大学で教えておりまして、8年前から教育行政の方に携わっております。幾つか課題もありますし、問題意識もありますが、きょうは1点だけ、小学校の教員養成、それから、小学校教員というものについていろいろ課題が、やはり、集中的にあらわれているなと思うものですから発言させていただきたいと思います。
 先ほども免許取得のための単位の表が出ておりましたけれども、御承知のように、小学校の場合は、基本的には学級担任を持って9教科、それから道徳、それから学校活動と1人の先生が教えるということになっているわけです。
 それに対しまして、先ほどの表にあったような、勉強して免許を取ってきているわけですけれども、なかなか現実は厳しいなというふうに思っております。
 本県でも小学校の教員採用試験合格した人の90%以上が担任を持っております。これは教員配置の上から、小学校は定数に余裕がありませんので、中学校は初任、特に大学を出たばかりの新規採用教員が担任を持たないようになっておりますけれども、小学校の場合はそういうわけにいきませんので、担任を持っております。
 実際に、何年生に配属されるかということがあるわけですけれども、9教科を教えるということはなかなか難しいということ。それから、それ以外にも、例えば、給食のアレルギー対応であるとか、それから、特別な支援を必要とするお子さんもいるわけです。それから、近年のように、災害が多いと、危機管理対応というのが非常に大変でございまして、もちろん、初任者研修というのはやっているわけですが、学級担任を持ちながら研修に出ていってということは、非常に保護者にとってもその先生は研修に出ていていないということなので、毎年、毎年、初任の先生が担任になると、保護者の方はあからさまに外れだというふうにおっしゃるわけでして、大変厳しいです。
 本県では、今年から試行的に講師経験のない大学を卒業して、直後に採用された先生については学級担任を外して、半年間、副担任をしながら研修に集中していただく、それは退職した教員の再任用ということともセットになっているわけですけれども、そういうシステムを取り入れています。いろいろ賛否両論もあって、その効果については検証しなければいけないと思うんですが、小学校の教員と中・高の教員というのは基本的に養成の仕方が違うということ、そのことがこれからの時代にとって適切であるのかということも含めて議論させていただけたら大変有り難いというふうに思っております。
 以上です。
【松木委員】 福井大学の松木と申します。教職大学院に所属をしています。福井の教職大学院はちょっとはね上がっているところがございまして、学校拠点方式という形をとっています。学校の抱えている課題を学校の現場で、学校のほかの先生方とチームを組んで協働して解決する、学校改革のための大学院をつくるんだということを15年前から言い始めて、教職大学院まで成長してきています。
 そういうふうに言ってきていますので、その裏側には、教員は個人研さんでは育たない、学校というチームの中でお互いに学び合う仕組みが一番重要なんだという考え方があります。もう1つは、全ての先生方に学んでもらうためには、休職しておいでいただく仕組みでは無理だ。今いる先生方が働きながら、むしろ自分の校務分掌を大学と一緒になって支えてもらいながら研究していけるような、そういう大学院じゃなきゃ駄目だ、そう思ってずっとやってきました。
 それをやりながら、先ほど何人もの先生方から出ておりましたけれども、学び続けるという先生方を支えていくためには、やはり、各先生方のライフステージに応じた段階でスタンダードなり、ルーブリックなんかがあった方がいいなというような思いでいます。
 それをつくるときに重要な点が2つほどあると思っています。1点は、教育委員会と大学が一緒になってつくりながら、つくったものに対して両方が責任をとるということじゃないかなと、口出しをし合うということじゃないかなというふうに思っています。
 もう1点は、輪切りにしないということじゃないかなと思っています。経験のある先生とない先生が学び合っていけるような仕組みをその中に盛り込んでいくということじゃないかなと思っています。
 そういうことを考えたときに、大学の役割って結構あるなと思っています。やれることがあるなと思っています。今のことを考えると、先生方の三十数年後を支える仕組みをつくろうという話ですから、意外に利害関係が絡まなくて結構新しいことができるんじゃないかなというふうに思っています。教育委員会に協力し合いながら新しいことがもしかしたらこの会の中で提案できるのではないかなというふうに思っていまして、非常に大きな期待を抱いております。よろしくお願いします。
【三宅委員】 東京大学の三宅と申します。ちょっと声が出にくいのでお聞き苦しいと思いますが、失礼いたします。
 今やっていることは、全国20ぐらいの市町県での初任研のような教員研修ですとか、プロジェクト型の研修というものを教育委員会と一緒につくって実践して評価していくということの積み上げです。その中で、先生方が日常的になされる資質向上というのを支えることを提案にしています。
 今、現場での授業改革の狙いは「学び続ける子供」ですので、それに対して先生方が学び続ける教師であるというのは非常に素直にみんなが納得できる形かと思います。そのために、まだ5年なんですけれども、私が経験してきた、本当に現場とのやりとりの中から感じているところを3つ簡単にお伝えしたいと思います。
 1つは、研修するときに先生方を現場から離さないという、どこかに缶詰になっていただいていろいろ考えていただいて、帰って何かをやっていただくとか、大学に半年来ていただくというやり方よりは、月に一遍ぐらいみんなで集まって、わあっと仲間で話をして、そこで考えたことを現場で試してみて、また持ち帰ってきて、現場は皆違いますから、その中で話をしていただくという方法が有効であるなと感じています。
 それから、先生御自身がどうなっていただきたいかというと、授業の質をどう上げたいのか、御自分がどんなふうに変わっていきたいのかということを語れるようにお手伝いする研修というのが大事だろうというふうに思っています。
 3つ目は、大学が関わるんですけれども、こういうやり方がいいですとか、こういう評価の方法がいいですということを御提示してやっていただくというよりは、先生方のつながり、先生方と私たちのネットワークというものを、いつでも相談できる仲間をつくるという支援をしておくことが、研修が後に響いていくという意味では大事なのではないかと思っています。
 特に学び続けるというときに、仲間で授業の質と評価の手法も、それから、基本となる考え方も、先生方御自身が高め合って、つながっていくことでみんなが変わっていける、そういう研修というのが、現場の研修の中ではいいんではないかと思っております。
 ありがとうございました。
【宮本委員】 東京都立西高等学校の校長の宮本でございます。私も長く教育行政にいて教員養成にかかわったこともありますが、きょうは都立高校の校長という立場で簡単にお話をさせていただきたいと思います。
 小・中学校と違って、まず違うのは、高等学校というのは学校自身が多様だということです。本校は進学校ですけれども、高校の中には専門高校もありますし、定時制もありますし、学校によって在籍している生徒は様々です。難関の大学を目指す生徒のいる学校もあれば、小・中学校の学習自体をもう一度学び直しをする必要のある生徒、あるいは、その意欲もなかなかない生徒という、非常に多様な生徒を抱えた多様な学校があるということです。
 したがって、それぞれの学校の教員に求められる役割というのも、学校ごとに違ってきます。ですから、高校に関していえば、高等学校の教員全体に求められる資質・能力と、それぞれの学校として求められる資質・能力というふうに分けていかなければいけないというふうに考えます。
 それから、当然、公立高校は異動がございます。東京都の場合は、初任者は5年です。2校目以上も6年が基本です。したがって、教員として働く年数を三十数年と考えてみますと、教員は5校から7校ぐらいの、違った学校で、違った生徒を教えなくてはならないということになります。ですから、教員として求められる力と同時に、そういう様々な学校で求められる力を同時につけていかなくてはならない。したがって、当然、学び続けるというか、現役を引退するまで研修していかなければ、その学校の目の前の生徒に適する教育はできないということです。
 ですから、今日の議論の中でも、学び続ける教員とか、あるいは、生涯にわたる職能成長を支えるということは、まさにそういう観点で非常に大事だと思います。
 それと、もう1つは、どんどん新しい教育課題が学校の中に入ってきています。高校の教員といえども、教科教育だけをしていけばいいという時代ではありません。むしろ、教科教育以外の様々な課題について的確に対応するという能力が求められております。そういう意味で、様々な角度で、様々なところで、どの内容はどこで検証するのかということをしっかりと見ていかなければいけないと思います。
 そういう意味で、大学で教えること、教育委員会が行う研修、そして、各学校で行う研修、それぞれの場に応じた研修というものをしっかり見ていく必要があると思います。そういった中で、今一番難しいのは、各学校で行う研修です。先ほども平本委員からもお話がありましたが、教員は非常に多忙です。なかなか教員がしっかり研修をする時間が確保できない。あるいは、管理職自体に研修の重要性についての意識が必ずしも十分じゃないということもあります。
 しかし、今言ったように、特に、高校に関して言えば、研修の多くの部分を学校が負う部分が非常に多いので、そこのところを、時間的な部分も含めてどうやってしっかり確保していくのかということも考えていかないと、制度はつくったけれども、実際にはそれがうまく運用できないというふうになってしまったのでは意味がないのではないかと思っております。
 以上です。
【吉田委員】 日本私立中学高等学校連合会の吉田でございます。
 今、いろいろお話を伺っている中で、私は教員免許状自体に大きな問題というか、分岐点が来ているのかな。その1つは、やはり、小中一貫、中高一貫、それから、幼保連携の問題もありますけれども、いろんな種類の学校ができてくる。そういう中で、教員免許状というものが、先ほど来のお話でも、幼稚園、小学校の教員というのは特殊かもしれない。そこにまた中高、ただ、中学校と小学校の教員も、またそこに大きな違いがあるにもかかわらず一貫にしなくてはならない。
 そういう意味で言うと、免許状の意義というものをもう一回ここで考えざるを得ないのかなと。ただ、その一方では、特別免許状というのがあります。これは免許状を有しない優れた経験・知識を持つ者に授与するというわけですけれども、ただ、これも本当におかしな問題であって、高等学校の教員免許状を持っている人が小学校で教えるために特別免許状をもらうことはできない。免許状を持っているということで駄目である。ただ、それが、優れた経験・知識ということで言えば、教員免許状を持って高校で教えている先生がどうしていけないのか。そして、今、現実に、これも先ほど来たくさんお話がありましたけれども、大学で教職を取ろうとする人が減ってきている。その1つには、単位数が多い、やることが多い、かといって、それで取ったからといって就職できるものではない。
 そうなると、逆に、外資系の企業とか外国で勤めて3年以上経験して、そして、教育関連のことをしていけば、それで特免でとれるなら、10年同じことですから、その経験でやれるという部分でやられたら教員免許の意味がなくなってくるのではないか。
 ですから、その辺のところも含めて変えていかなくてはいけないし、我々からすれば、今卒業生が、将来、先生になってこの学校に戻ってきたい、そういうような思いが私立の学校というのは結構多いです。それは、やはり、僕は先生方の魅力というか、子供たちを教員にならせるためにも、そういう先生方ってすばらしい職業なんだということを教えてあげたいな。
 ただ、その一方で、国としてというか、都道府県なのかもしれませんけれども、私はもう昔から教員の資質向上という部分でお話ししていたのは、学校の地位というか、教員の地位というものをもう一回昔に戻してくれないかと。
 例えば、今回の川崎の事件でも、あれだけ担任の先生たち、学校の先生、私は昔に比べるとずっとやったのではないかと思います、この忙しい中。にもかかわらず、学校がやらない、教員がやっていないとマスコミにたたかれて、すみません、マスコミの方いらっしゃるのに。そして、そういう中で、本当に教員が委縮していっちゃう。そうすると、教員のなり手はもっとなくなっちゃうのです。
 ですから、学校は、特に公立学校の場合は、公費で学校に通わせていただけているわけですから、そういう意味でも教員の地位とか学校の地位というものを昔に戻して、そして先生方に保護者のトラブルとか、そういうものが少しでも減って、資質を向上するための研修等ができるようにできればいいのではないかなというふうに思っております。
 それから、これはまた1つの大きな問題なのですが、今、教育課程を変えていくという話になっています。これは高大接続に絡んだ問題が大きいわけですけれども、実際に2020年を目途に仕組みを変えていくうんぬんということがありますけれども、その中でも、例えば、英語教育、英語教育は完全にアカデミックなTOEFLやIELTSにするという方向性が出てきていますけれども、今いる先生たちがそこまでできるだけの資質があるのかどうか、それから、教育課程がどう変わるのか、それから、アクティブ・ラーニング1つとっても、アクティブ・ラーニングという言葉しか知らない先生がいる、これをどうやってやるのでしょうか。
 そして、ICTも、先ほどもお話がありましたけれども、今ICTに興味を持ったとしても、電子黒板一つとっても学校に1台しかないなどという状況の学校がたくさんある。それから、全く興味を持たない教員たちに、そういう中で新しい教育としてそういうものを出してきて本当にできるのかという。
 そういう意味では、高大接続を含めて新しい入試体制というものもあるわけですけれども、その前に、やはり、高等学校・中学校・小学校・幼稚園のつながりの中でどういう教育にしていくかということを先にしっかりつくらないとまずいのではないかなと。
 それで、高校の教育課程が変われば、大学の入試も必然的に変わってくるという部分があると思っておりますので、そういう意味でも、教員の資質の向上ということは、いろいろな意味で余裕を持たせてあげたいなという思いがしております。
 以上です。
【若江委員】 名簿の一番下になります、キャリアリンクの若江と申します。残念ながら、時間がございませんので、急いでお話しします。
 中西さんと同じく民間の立場で参加をさせていただいておりますが、私ども、25年前から公教育改革支援をしようということで株式会社を設立しまして、民間企業さんの社会貢献事業とうまく組み合わせながら、教員研修ですとか授業支援に取り組んでいる会社でございます。
 私が今回御提示したいことは、教員養成課程の前に、今現職の管理職と現職教員の意識変革・改革が必要ではないかとことです。それが、多分、免許更新だとか、10年研だとかのところにも反映されてくるのだと考えます。学校現場では呪文のようにいつも唱(とな)えられている生きる力の育成や資質能力の向上とか、思考判断表現能力育成に取り組んでおられるはずですが、あえて申し上げますと、教員自身が一番資質能力の向上に無関心ではないかということです。すみません、極端な言い方をさせていただきますが、例えば、新しい制度がどんどん変わってきている。それを教員自身がちゃんと試行して、何が自分に足りないのかというふうなことを判断し、今求められていることを実現するために、どんな表現、つまり、授業をしていかなきゃいけないのかということを、教員自身の学びに置きかえて実施できていないのではないでしょうか。
 それはなぜかというと、学校の実態そのものが、やはり、過去からの変革に対しての柔軟性というのがない。そのような学校現場において、教員養成課程で十分な準備を調えずに送り出された若手教員の育成ができるのでしょうか。学校現場は本来、教育育成の場であるはずのところなのに、実はそうではなくなってきているんじゃないでしょうか。
 そのキーになるのが、冒頭申し上げたように、管理職のマネジメントマインドやスキルで、マネジメントというのは、限られた要素をうまく組み合わせて、目的とされている成果を出すことであり、そのマネジメントという観念自体が管理職にないとするならば、ただの、教務主任や、学校管理者であって、それは学校経営者ではありません。
 それを変えていく1つのきっかけが「チーム学校」で、外部の力を学校運営や教員育成に、さらには、チーム教育委員会というふうに今までのやり方に外の力を入れていく、風を入れていくことによって、何か新しい方式ですとか新しい手法に取り組んでいけるのではないかなと思っていますし、それを成功させるためにも、やはり、初任研とか10年研の改革というのは具体的な解決策としてと非常に有効だと思います。もう一点、教員養成のことに関して申し上げますと、私は幾つかの教員養成大学で1年生のキャリア講座を担当させていただいたりするのですが、世の中どんどん、どんどん変わっていくので、どの委員からもたくさん御意見があったかと思うのですが、教員養成のときに知識注入型の育成をするのではなく、教育の本質であるとか、教育の意義であるとか、価値であるとかというようなことを、もっともっと実感を持たせてあげられるような、そんな育成への取り組みが大切だと思います。
 それがインターシップだったり、教育実習だったりするかと思うのですが、それが4週間程度で実感を伴う実体験ができるのか?、また、その教育実習を受け入れていただいている学校が、現場の若手教員を育てられないような環境であるとしたら、教員のひよこのような学生たちが、そこに夢を見て、教師を目指そうと思えるのかというと、そのあたりが不安を感じます。
 ベテラン教員という表現がありますが、私はそれではいけないと思っています。ベテラン教員ではなくプロの教員であるべきです。プロとは何かというと、私なりの定義ですが、変化に対応できるというのがプロであり、教員という職業の専門分野で変化に対応できる人材が現職教員として活躍しながら、教育現場の変化をずっと先取りしながら、そこで成長するという、そういうスパイラルが望ましいのではないでしょうか。
 そのためにも、教員養成や学校教育に、もっと地域社会や産業社会など、社会教育との融合が不可欠だと思います。
 以上です。
【小原部会長】 申し訳ございません。司会の不手際で時間も過ぎてしまいましたけれども、第8期発足に当たり、文部科学省中岡審議官から御挨拶をお願いいたします。
【中岡大臣官房審議官】 中岡でございます。第8期が始まって最初の部会でございますけれども、先ほど、小原先生の方から第7期の論点整理をしていただきまして、それに関係しまして、今後、具体的な審議を進めるわけでございますけれども、学習・指導の在り方、あるいは、「チーム学校」という新たな視点も入ってまいりましたので、そういったことも踏まえまして、是非とも実りある御審議を賜りますようお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【小松初等中等教育局長】  すみません、私、ちょっと国会の方の関係で遅参いたしまして、大変失礼いたしました。間に合わなかったので、御挨拶だけさせていただきます。
 きょうも非常に貴重な御意見を御熱心に御討議いただいてありがとうございました。
 更に諮問、それから、論点の整理に沿ってということと、それから、今、御紹介がありましたように、教育課程の改訂その他新しい課題も動きつつありますので、今までの議論をもとに整理をさせていただきまして、少し、時間に限りもございますので、大変お忙しい先生方に御審議いただきまして感謝申し上げますと同時に、ややハードスケジュールをお願いすることもあろうかと思いますが、是非、よろしく御指導くださるようにお願いを申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。
【小原部会長】 それでは、時間が過ぎましたけれども、本日の審議はこれまでといたします。
 なお、今後の日程について事務局から説明をお願いいたします。
【山下教員免許企画室長】 今後の日程でございますけれども、次回は4月16日の木曜日、10時から12時でございます。場所は未定でございますので、追って御連絡させていただきたいと思います。
 以上でございます。
【小原部会長】 それでは、本日はこれで閉会といたします。 どうもありがとうございました。

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-- 登録:平成27年08月 --