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教員養成部会(第77回) 議事録

1.日時

平成26年10月29日(水曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 小中一貫教育特別部会における検討状況について
  2. 小中一貫教育に対応した教員免許制度の在り方について
  3. その他

4.議事録

【小原部会長】  おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから第77回中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会を開催いたします。本日は御多忙の中、御出席いただき、ありがとうございます。
 なお、本日は、小川委員、加治佐委員、佐々木委員、渋谷委員、北條委員、無藤委員、横須賀委員、そして渡辺委員から欠席の連絡を頂いております。また、天笠委員より、遅れてこられるとの連絡を頂いております。
 それでは、事務局より本日の配付資料の確認をお願いします。
【山下教員免許企画室長】  恐縮でございます。事務局より本日の配付資料につきまして確認をさせていただきたいと思います。
 お手元の1枚目の議事次第を御覧いただきたいと思います。そこに配付資料ということで、資料の1、この教員養成部会の委員名簿。それから資料2-1から2-2、こちらは小中一貫教育特別部会におけます小中一貫教育の制度設計等に関します関係資料。それから3-1、3-2ということで、今回の教員養成部会におけます部会報告の概要とその案。それから資料4ということで、前回の主な御意見。それから資料5ということで、教職大学院等におけます教員養成課程の専任教員についてという資料。それから参考資料の1と参考資料の2ということで、前回10月1日に配付しました考え方の整理(案)、それから教員養成部会の検討の進め方ということで、今後の予定の資料を配付させていただいております。
 もし過不足等あれば、事務局の方にお申し付けいただければというふうに思います。以上でございます。
【小原部会長】  それでは、議事に入ります。
 前回、10月1日開催の教員養成部会においては、小中一貫教育特別部会の検討状況を御報告いただきましたが、それ以来本日まで10月6日、14日の2回にわたり小中一貫特別部会が開催されており、小中一貫教育の制度設計や推進方策について議論が進められております。つきましては、現在の検討状況について説明をお願いいたします。
【小林教育制度改革室長】  それでは、小中一貫教育の制度化に関する現在の特別部会での審議の状況について御説明申し上げます。
 前回10月1日に本部会において審議の進捗状況について御報告させていただいた後、小中一貫教育の制度の基本的方向性や総合的推進方策について精力的に御審議いただきまして、今週31日を予定しております次回の小中一貫教育特別部会におきまして、答申のたたき台、審議のまとめ(案)を御審議いただき始めまして、パブリックコメントを経て、12月下旬までに総会にて答申(案)をおまとめいただければと考えているところでございます。
 それでは、前回の特別部会で配付された資料に基づきまして、個別の論点について御説明申し上げたいと思います。お手元の資料2-1と2-2を御準備いただけますでしょうか。
 まず資料2-2ですが、こちらの資料は小中一貫の制度化の基本的方向性について御審議いただいた際の論点メモの資料でございます。
 まず1ページ目、小中一貫教育の制度化の意義・目的につきましては、例えば下から二つ目の丸にありますとおり、中1ギャップなど小中学校の接続の課題を踏まえ、地域の実情に応じて、設置者の判断により学年段階の区切りを弾力的に扱うことができるようにするのが今回の意義であるというような御意見。それから、運用だけに任せていると、意欲あるところだけで小中一貫教育に取り組むことになるため、小中一貫教育への通学の機会を平等に与えるためにも、小中一貫教育を制度化するべきであるといったような御意見を頂いているところでございます。
 1枚おめくりいただきまして、2ページ目を御覧ください。小中一貫教育を進める上での現行制度上の制約といたしまして、上から二つ目の丸にありますとおり、市町村が小中一貫教育に取り組んでいるといっても、法制上はあくまでも小学校と中学校に過ぎず、人事権者である都道府県が適切な人事配置を行わないと、小中一貫の理念を浸透させるのが難しいという御意見や、小中学校間で乗り入れ事業を相当程度行っていく上では、小中の教員免許の併用が進んでいないことが課題となっているといった御意見。そして四つ目の丸にありますとおり、小中学校で働く教員の資質として、小中学校全体を見通して教育を考えることが求められているので、義務教育を一貫した免許について検討する必要があるといった御意見を頂いているところでございます。
 資料を2ページおめくりいただきまして、4ページ目を御覧いただけますでしょうか。こちら小中一貫教育に適した学校組織、教育課程、施設などの在り方に関して、どのような制度設計が望ましいかという点でございますけれども、一つ目の丸にありますとおり、理想的には校長が一人で施設一体型校舎を有しているのが小中一貫教育を実施する上では望ましいが、現実的・物理的にはそれが難しい地域の方が多いというような御意見を頂いております。
 また、単一の学校としてではなく、同一の設置者が設置する複数の小中学校が一貫して教育を行う形態を制度化すべきかという点につきましては、実態的には施設が分離している校舎で複数の校長が調整しながら小中一貫教育に取り組んでいるケースが多いため、特定の地域では小中一貫教育に取り組めないということを避けるため、そのような形態も含めて制度化すべきというような御意見を頂いております。
 また1ページおめくりいただきまして、7ページ、教育課程のところを御覧ください。教育課程の在り方につきましては、四つ目の丸にございますとおり、小学校段階と中学校段階を一体化させた義務教育学習指導要領が必要ではないかという御意見も頂いておりますが、全体としては、最後の丸にありますとおり、小中の学習指導要領に基づいて教育課程を編成しつつ、教育課程の特例を用いて柔軟な運用を認めていくべきではないかといったような方向性の御意見を頂いております。
 また2枚おめくりいただきまして、11ページを御覧ください。11ページ、設置義務や就学指定の在り方でございます。ここでは市町村が小中一貫教育学校、これは仮称でございますが、を設置する場合、既存の小中学校と同様に学校設置義務の履行と認め、就学指定の対象校としてよいか、つまり現在ある小中学校と同じ扱いでよいかという論点につきましては、そのようにして問題ないのではないかという御意見を頂いております。
 また、1枚おめくりいただきまして、13ページを御覧ください。同一市町村内に既存の学校種と既存の小中学校と新たな小中一貫教育学校が併存し得ることなど、既存の学校種との関係をどう考えるかという点につきましては、二つ目の丸にありますように、小中一貫教育が必要とされる背景となる課題がないような地域においては、既存の小中学校を残してもよいという御意見。
 三つ目の丸にありますとおり、小中一貫教育の導入の在り方は各市町村が決めるべきだが、導入する場合はなるべく市町村全域での導入となるようにすべきといった御意見を頂いているところでございます。
 以上が、制度設計に関する基本的な論点の中で御紹介させていただいた事項でございますが、次に資料2-2、こちらは小中一貫教育をどのように推進していくか、そのための方策の資料でございます。こちらにつきまして特別部会の方で御議論いただきました。
 1ページ目でございますけれども、まず、推進方策についての総論としていただきましたのは、例えば1ページ目、上から二つ目の丸にありますように、市町村が小中一貫教育を全域で導入できるようなインセンティブ、好事例の提供が必要であるといった御意見。それから下から二つ目の丸にありますように、施設分離型の校舎で小中一貫に取り組む方が、制約がいろいろ大きいため、施設分離型の学校が取り組みやすい仕組みが必要との御意見を頂いております。
 1枚おめくりいただきまして、3ページ目を御覧ください。教職員体制についてでございますが、この点につきましては、二つ目の丸にありますように、小中一貫コーディネーターのようなものを措置していく必要があるのではというような御意見。それから三つ目の丸にありますように、小学校や中学校の先生が他校種に乗り入れて授業を行う際に、定数上の措置がないと既存業務にプラスアルファになってしまうといったような御意見を頂いております。
 また、最後の丸にありますように、市町村立の小中学校の人事権者である都道府県教育委員会が、小中一貫教育実施校で教えている先生をある程度継続的に小中一貫教育実施校で勤務できるように、一定の人事上の配慮をすべきといったような御意見も頂いております。
 また1枚おめくりいただきまして、5ページでございます。こちら教育課程や指導方法についてですが、小中一貫したカリキュラムが編成されているということは小中一貫校の要件とすべきではないかといった御意見、これは制度設計にも関わる御指摘でございますけれども、それから小中一貫の軸となるような特例教科を設けるということによって、小中学校の教職員が一体化できる核というものが作れるのではないか、そういった御意見を頂いております。
 次に6ページでございます。こちらでは地域とともにある学校づくりとの関係でございます。この点につきましては、現在、小中一貫教育に取り組んでいるところが地域コミュニティとの関わりの中で取り組んでいる事例が多く、中学校区で一つの学校運営協議会を設置できるように制度改正すべきではないといった御意見も頂いております。
 また1枚おめくりいただきまして、7ページを御覧ください。小中一貫教育の成果・課題の検証に関連しまして、文部科学省が定めている学校評価ガイドラインについて、小中一貫教育を行う場合にどのような学校評価をしていくのかを位置付けていくべきという御意見を頂いております。
 また、7ページを御覧ください。小中一貫教育について指摘される課題への対応でございます。これは一貫した場合のデメリットということでございますけれども、二つ目の丸と三つ目の丸にありますとおり、小中一貫教育の実施に際して、一般的によく取り上げられるような児童生徒の人間関係が固定化してしまうのではないかといった御指摘。あるいは、小中一貫校から通常の学校への転校の際に課題が生じるといったような事項につきましては、実際には現場で大きな課題とは認識されていないといったような御意見。それから二つ目の丸にありますとおり、9年間の教育課程の中で節目を利用して子供の成長を促す部分も、そういった工夫も必要になるのではないかといったような御意見。
 それから、最後の丸にありますとおり、特に施設分離型は小中一貫教育の実施に際しての教員負担が大きいので、小中一貫教育の実施形態のカテゴリーを意識しつつ、教員の多忙感の解消方策を事例として提示することが必要だといったような御意見を頂いているところでございます。
 以上でございます。
【小原部会長】  この件に関しまして御質問がございましたら、お願いいたします。はい、吉田先生。
【吉田委員】  ありがとうございます。資料2-1の13ページの他の学校種との関係のところでちょっとお尋ねしたいのですけれども、この三つ目の丸で「小中一貫教育の導入の在り方は自治体が決めるべきだが、なるべく市区町村全域での導入となるよう誘導するべき」であるということは、これは中高一貫校というのは否定されるということですか。
【小林教育制度改革室長】  こちらで頂きました御意見の趣旨は、基本的に公立学校で小中一貫教育を実施する際には、様々な人事上の工夫など、ほかの御指摘にもありましたけれども、そういったことをしたり、あるいは教員の研修ですとか、そういうものを効率的に進めていく上で、全域での導入をした方が、より効果的であったり、効率的であるのではないかといったような御指摘を頂いたことを踏まえて、整理させていただいたところでございます。
 ただ、中高一貫との関係につきましては、必ずしもそういった中高一貫との関係で頂いた御意見ではないというふうに理解しているところです。
【吉田委員】  いや、それは分かるのですけれど、例えば1ページ目の例の中1ギャップの話とかもありますけれど、中高一貫校と小中一貫校の関係はどうなってしまうのですか。
【小林教育制度改革室長】  中高一貫との関係でございますけれども、小中一貫と中高一貫はそもそも設置の目的も当然のことながら異なりますし、そこは自治体の方の判断で、特に小中に関しましては市町村立ということが多くの場合、考えられると思いますけれども、そういった小中一貫を普通の小中学校と併存させて導入していくかどうか、そういった判断と、一方で、中高一貫というのはより広域での設置ということが通常かと思いますけれども、それとは全く別物であるというふうに考えております。
【吉田委員】  別物は分かるのですけれど、そうすると、そこにいる子は中高一貫校には行かないということ。
【小林教育制度改革室長】  まだこれ制度化の検討過程でございますので、事務局から全てこういう制度設計になるのではないかと予想で申し上げるのは余り適切ではないかもしれませんが、今、議論されている小中一貫での教育課程の在り方は、基本的には一貫ということでありますけれども、あくまでも既存の小中学校とまず併存させていくということと、教育課程を6年と3年に一貫校であってもそういった区切りを付けて実施していくべきではないかといった御意見を頂いておりますので、仮にもしそういう方向での制度化ということですと、地域で、仮に小中一貫に行った場合も、あるいは今のとおり現行どおり小学校に普通に行った場合でも、例えば、中学受験などするという選択肢は当然あろうかというふうに考えております。
【吉田委員】  ですから、私が何しろ分からないのは、小中一貫と中高一貫を分けて考えるのではなくて、それだったら一緒に考えなかったら、今まで制度化されて中高一貫校全国200校以上ということでやってきて、その一方で、今回こうやって全域で地域全部でやるということになってくると難しいし、それから、今の6-3制だけの問題ではなくて、5-4とかをやろうとしているわけですから、そうなってきたときに中学から今度中高一貫というのもおかしいし、小中一貫に入る人が何で中高一貫に行かなきゃいけないんだということもあるわけだろうし、その辺をやっぱり総合的に考えていただきたいと思って御意見させていただきました。
【中岡大臣官房審議官】  吉田先生の御意見でございますけれども、前の総会でも承って、基本的にこの小中一貫の制度設計を検討する際には、基本的には教育再生実行会議という大きな学制改革の枠組みの中でこういう諮問がなされてきたということでございますので、全体、中高一貫教育というのは既に制度として走っておりますけれども、それとの関係性、そういうところはきちっと捉えて議論すべきだというふうに御意見を頂戴いたしました。
 それで、私どもとしては、基本的に先ほど市町村単位で全体でやるべきだという、こういう意見もあるんですけれども、基本的には、先ほど小林室長より申し上げましたけれども、その自治体の御判断ということになって、その中で小中一貫については就学義務を掛けていくというような一般的な地域にある小中学校と同様のものになるわけでございますけれども、中高一貫教育については就学指定の対象となっていないというようなことで、ちょっと制度的な枠組みが違っている部分がありますので、そこら辺も十分踏まえて、これは検討しなきゃいけないことだと思っています。
 以上でございます。
【油布委員】  小中一貫教育に関しては、今までの論点をまとめていただいていますが、相反するような意見もありますし、制度も設備も、それからカリキュラムの内容についても多様な意見があると思います。
 私はもう少しゆっくり議論した方がいいんじゃないかとは思っています。義務教育を通じての子供たちの教育ということに関しては、古い制度ではなくて、小学校と中学校の全体を見越した新しい制度で、現在のニーズに合うようなものを考えていくということに対しては、基本的には賛成なんですが、先ほど言いましたように、ここに出てきているのは非常に多様な意見がそのまま並べられているだけというような気がしています。
 14ページの日本の学校系統図というところに小中一貫教育学校の仮称というような図が示されています。ここに顕著に見られるんですが、いわゆる小学校・中学校というのは義務教育ですので、平等性とか公正性といったことが担保されないと非常にまずいのではないかと思うんですね。その際に、例えば、小中一貫校と小学校・中学校の関係はそれぞれどうなるのか。それぞれの自治体に判断を任せられるものなのか、どうなのか。
 それから、小中一貫校の中でも分離型の学校と一貫した併設型の学校とが併存するという形態では、一体、平等性とか公正性といったものが担保されるのか、どうか。
 さらに、カリキュラムの上でも、小中一貫校に対応するようなカリキュラムが別途できるとすれば、これは今までの日本の義務教育を一貫して平等で公正なものとして担保するという基本方針からの非常に大きな逸脱になりかねないと思うんですね。
 そういう危惧があるということです。細かなことではまだあると思いますが、大きなところで、義務教育の公平・公正という観点を、是非その点に関しては踏まえていただきたいという御意見として申し上げます。
 それから、小中一貫校の中でも分離型の学校と一貫した併設型の学校とでは、一体、平等性とか公正性といったものが担保されるのか、どうか。
 それから、カリキュラムの上でも、小中一貫校に対応するようなカリキュラムが別途できるとすれば、これは今までの日本の義務教育を一貫して平等で公正なものとして担保するというようなものからの非常に大きな展開になりかねないと思うんですね。
 そういう危惧があるということで、細かなことを一々言っていきたいんですけれども、大きなところで、そういうことで是非その点に関しては踏まえていただきたいという御意見として申し上げます。
【小林教育制度改革室長】  先ほども吉田会長の方からも御指摘いただきましたように、転校する場合ですとか、そういった様々なことも考えられますし、おっしゃったような機会均等という観点もあるかと思いますので、慎重に検討していきたいと思っております。
【小原部会長】  よろしいですか。
 それでは、次の議題に入ります。今回も前回に引き続き、小中一貫教育に対応した教員免許制度の在り方について、審議をお願いいたします。
 前回は参考資料1を用い、教員の養成・採用・研修全体にわたって現在考えられる課題や改革の方向性、本部会でのこれから審議していくべき主な事項、その中でも小中一貫教育制度が有効に機能するための教員免許の在り方について御議論いただきました。
 本日は、前回頂いた御意見を踏まえ、参考資料1を文章化したものを教員養成部会報告(案)という形で事務局に準備いただいており、これに従って議論を行いたいと思います。それでは、まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
【山下教員免許企画室長】  それでは、本日配付資料の資料3-1と3-2を御覧いただきたいと思います。主に3-2の報告(案)につきまして、これに沿って御説明をさせていただきたいと思います。
 それで、今、部会長からも御説明いただきましたけれども、資料3-2、これからの学校教育を担う教員の在り方について(報告)(案)ということで、今回の一連の教員養成部会におけます御議論をこういう形で事務局として案としてまとめさせていただいておりまして、こちらの方は前回10月1日に配付させていただきました、本日も参考資料の1ということでお付けをさせていただいております考え方の整理を肉付けしたものというような形でございます。
 それで、既に本日、各出席の先生方も含めて、教員養成部会の先生方には事前にこちらの資料につきまして送付をさせていただき、かつ幾人かの先生からは事前に御意見等も頂戴しておりますので、それも反映させた形で本日配付をさせていただいております。したがいまして、事前にお手元にわたっておりますものと若干表現ぶり等について違いがあるということにつきましては御了解いただければというふうに思います。
 それでは、資料3-2につきまして御説明申し上げたいと思いますけれども、1ページ目を御覧いただきたいと思います。それで、1ページ目から3ページまでにつきましては、背景、それから課題、改革の方向性ということで記載をさせていただいておりまして、主には前回配付いたしましたA3の配付資料の背景、主な課題、改革の方向性というところに対応しておるところでございまして、その部分について肉付けをさせていただいておりまして、ここの部分につきましては、今回の小中一貫教育に関します免許制度の在り方のみならず、今後この教員養成部会におきまして御検討いただきます養成・採用・研修の全体に通ずるような背景、主な課題、改革の方向性というようなこととで記載をさせていただいておるところでございます。
 それで1ページ目に、まず背景ということでございまして、そこの下の段落にも記載してございますけれども、我が国の教育におきましても、例えば知識基盤社会への対応、あるいはグローバル化への対応、それから人口減少社会への対応といったような、そうした時代の変化に即した対応が求められており、そうした中で教育を支える教員についても同様に、時代の変化に対応し、あるいは時代の変化を先取りし、教員にふさわしい資質・能力を備える必要があるんだというようなことを言及させていただいております。
 その上で、1ページ目の一番下の方の段落になりますけれども、これらの変化への対応のために共通する解決策の一つとして、教育の質の向上があり、中でも学校の質をどこまで引き上げられるかが今後の我が国の未来を左右すると言っても過言ではないということを言及させていただいております。
 そして、学校教育の質保証の仕組みについて、るる記載をさせていただいておりますけれども、とりわけ1ページから2ページ目にかけてでございますけれども、教員の資質及び能力の維持・向上及び開発を図るための教員免許制度や教員研修制度などが整備されてきているところでございますけれども、今後の日本や世界の未来を見据えながら、我が国の学校教育について更なる改革が進められていく中で、この教員の養成・採用・研修等についても同様の改革を進めていくことが必要であって、この報告において次のような課題を踏まえつつ、教員の養成・採用・研修の各段階における取組に一貫性を持たせながら、これらの改革を方向付けていくということを言及させていただいております。
 それに引き続きまして、2ページ目の真ん中やや上段辺りから教員の養成・採用・研修に関します各課題につきまして記載をさせていただいておりまして、まず(1)ということで、教員養成における課題ということでございまして、そこで幾つか述べさせていただいておりますけれども、児童生徒が主体的・協働的に学ぶ授業を展開できる力や、各教科横断的な視野で指導できる力、学校段階間の円滑な移行を実現する力など、従来の力に加え、新しい指導力が必要になってきているということ。
 それから「また」ということで、特別支援教育、小学校英語の教科化、道徳の教科化、ICTの活用など、近年の教育改革の方向に合わせた教員養成課程の充実を図るとともに、生徒指導や学級経営を行う力の育成にも対応することが求められている。さらに、養成段階において身に着けた力を学校現場においてすぐに生かすことができよう、実践力を養うと共に、多様化した保護者の関心や要求に対応できる豊かな人間性と強じんな精神力を備えた教員を養成することも必要であるというようなことを課題として記載をさせていただいています。
 それから(2)といたしまして、次の教員採用における課題というようなことで、ここでは、豊かな知識と経験はもとより、幅広い視野を持った個性豊か、かつ強じんな精神力を備えた人材を教員として確保することが必要であるということ。
 それからその次に、より専門性を持った人材の確保も必要であるということ。さらには、ミスマッチを未然に防ぐための採用側と採用されるがわのお互いのニーズを符合させるような工夫も必要であるというようなことを記載をさせていただいております。
 更にその下の(3)といたしまして、教員研修における課題ということで、先般のTALIS調査の結果によれば、日本の教員については研修意欲は高いものの、日常業務の多忙化等により、必要な研修の時間の確保が十分ではないというような状況が判明しておりまして、教員研修のための機会確保が必要となっているというようなこと。それから、教員研修については、国それから都道府県、市町村、学校、それぞれの主体が行っておりますけれども、全体として体系立った研修が行われていないというようなこともあり、研修の実施主体が教職大学院等々とも有機的連携を図りながら、効果的・効率的に研修を行うというようなことを課題として記載をさせていただいております。
 それから3ページ目でございますけれども、(4)といたしまして、教員免許制度における課題というようなことでございますが、こちらにつきましては、学校種を超えた連携や学制改革の検討が進められる中で、次世代の免許制度の在り方について抜本的な見直しをしていくというようなことが必要になってきているのではないかというようなことを課題とした記載をさせていただいております。
 その上で、3.といたしまして、改革の方向性というようなことで、次のような視点を持って教員の養成・採用・研修の改革に取り組むべきこと、記載をさせていただいておりまして、その中で若干、学校を支える一員としての教員というような視点についても言及をさせていただいております。
 それで、改革の視点ということで、一つ目は多様性への対応というようなことでございまして、ここでは教育の目的の達成に向けて、多様な専門性や経験を有する人材によって多様な方法による教育を行うことができるような改革としていくことが必要ではないか。
 それから、その下の丸、体系的な取組というようなところでございまして、大学などにおける養成、それから教員採用、採用後の現職研修などの各段階を通じ、また国、都道府県、市町村、学校などの取組主体が一貫した理念の下、相互に関連して体系的に取り組む必要があるのではないかということ。
 それから三つ目の丸といたしまして、次世代の教育像を意識した取組というようなことで、我が国は少子化、高齢化などの社会の変化が世界の中でも最も早く進行しているというようなことでございますので、現状の課題への対応だけではなく、更に先んじて我が国社会やその中の教育の将来像を描きつつ、現在行われなければいけない取組については明らかにして、改革を進めていくというようなことを記載させていただいております。
 それで、ここの3ページの最後の段落のところでございますけれども、これからの学校教育を担う教員の在り方につきまして、今申し上げたような背景、課題、それから改革の方向性について整理をしてきたところでございますけれども、こうした中で現在、小中一貫教育の制度化が喫緊の課題とされていることを踏まえ、まずは小中一貫教育制度の整備に当たっての取組について検討を行うこととするというような形で、ここまでまとめさせていただいております。
 それで、1ページおめくりいただきまして、4ページからは、特に今回、方向性を出したいというふうに思っております小中一貫教育制度の整備に当たっての取組という部分の記載でございまして、(1)といたしまして、現状ということでございまして、現在の6-3-3-4制の学制について、子供の発達の早期化や社会ニーズへの的確な対応の観点から、より柔軟かつ効果的な制度とするために、小中一貫教育の制度化を図るというような方向性が持たれていて、その中で新たに小中一貫教育学校(仮称)が制度化されるという方向で検討が進められており、このために小中一貫教育学校の教員に係る免許制度の在り方について検討する必要があるんだというようなことを触れさせていただいております。
 その上で、(2)の対応方策というところで、まず丸1といたしまして、小中一貫教育学校(仮称)の教員の免許状の在り方につきまして記載をさせていただいております。
 丸1のすぐ下のところでございますけれども、先ほども御報告いただきましたような形で、小中一貫教育学校の創設についての検討のポイント等をここで記載をさせていただいており、その次の段落でございますけれども、小中一貫教育学校は小学校の6年間の課程と中学校の3年間の課程を一貫して質の高い教育を目指す学校であることから、小中一貫教育学校に配置される教員は、9年間の課程を見通した上で質の高い教育を実現できる力を有することが必要であると。
 このような点を踏まえつつということで、これまで本部会におきまして御検討いただきました、ア、つまり小学校・中学校及び小中一貫教育学校に対応したいわゆる義務教育免許状的な、そういう免許状の創設ということ。
 それからイといたしまして、小中一貫教育学校に対応した小中一貫教育学校免許状の創設というような方向性。
 それからウといたしまして、小学校免許状と中学校免許状の併有という、その3案について御検討いただいたというところでございまして、これらの案につきましては、学校の種類ごとの教員免許制度という現行制度を前提とするとともに、以下の理由ということで、a、bという二つの理由を記載させていただいておりますけれども、そうした理由を考慮すると、小学校及び中学校の教員免許状の併用をもって対応とすることが適当であるというようなことで、方向性を記載をさせていただいておるところでございます。
 それで、それぞれのaとbの理由でございますけれども、aの方は御覧のとおりでございまして、今回の小中一貫教育学校の整備に当たっては、小中一貫教育学校に対応した学習指導要領を新たに作成するという形ではなくて、既存の小中学校の学習指導要領に基づくことを基本とするというような形で検討が進められているということ。
 それからbといたしまして、小学校及び中学校の教員免許状の併有者は、現状といたしまして数はまだ十分とは言えないものの、一定数は確保できるということ。
 それから、免許状の併有の促進策、後ほど述べますけれども、そういうことが一層講じられることが見込まれているという中では、次の5ページでございますけれども、新たな免許状を創設する場合よりも機動的かつ迅速に人員の確保が可能ではあるというような、そういう二つの理由を記載をさせていただいております。
 しかしながらということで、それに続けてということでございますけれども、今回、bというような選択肢を仮に取るということであったといたしましても、一方で、平成14年の答申「今後の教員免許制度の在り方について」の中におきましても、幼稚園・小学校・中学校の連携や中高一貫教育の取組状況などを踏まえつつ、教員免許状の総合化を中長期的な課題として検討すべきであるということが提言されており、本部会においてはこのような検討経緯も踏まえつつ、アやイにおいて示された免許状についても、今後の小中一貫教育の定着状況、教育課程の特例措置の活用状況なども考慮しつつ、またこれからの学校を担う教員に必要な力を身に付けさせるための養成・採用・研修の在り方といった大きな視点から、引き続き検討を行っていくことが適当であろうということを記載をさせていただいております。
 それから、続きまして、丸2の経過措置でございますけれども、上記の仮に免許状の併有というような形を取った場合におきましてもということでございますけれども、小学校教員で中学校教員免許状を有する者が約60%、それから中学校教員で小学校教員免許状を有する者が約30%というような状況であり、更に地域によりばらつきというものが併有率にもあるということなどを踏まえますと,小中一貫教育の推進のためには,中等教育学校の場合と同様に,当分の間はどちらか一方の免許状を有することをもって相当する家庭の指導を可能とする経過処置を設けることが必要である旨を記載させていただいております。
 そして,この際,小学校又は中学校免許状のどちらか一方を有する場合の指導範囲につきましては,教科担任のみならず,学級担任としての指導,それは括弧内に記載させていただいておりますが,道徳,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動の指導を可能とすることが不可欠であるということを触れさせていただいておりまして,その詳しい理由は※のところに記載させていただいておりますけれども,例えば,中学校の免許状を持っている方が小中一貫学校の中学校部分を担任するというような場合におきましても,現在の免許状併有率が30%というふうに低いような状況の中では,学級担任までやらせないと,中学校部分におけます学級担任の人員の数が確保できないおそれがあるというようなこと。
 それから,小学校の免許状のみを持つ方が小学校部分を担当する場合におきましては,小学校におきましては学級担任及び全教科担任というところが基本となって,その人員の配置が行われておりますことから,全教科プラス学級担任まで担当しないことには,経過処置としての意味が余りないというようなことをここで記載をさせていただいておるというところでございます。
 その上で,5ページの一番下の方になりますけれども,丸3といたしまして,両免許状の併有の促進による多様な人材の確保等についてというような1項目を置かせていただきまして,免許状の併有等の促進策などにつきましてここで記載をさせていただいております。
 それで,5ページの一番下の方に記載をしておりますけれども,例えばということで,3年間の勤務経験のある小学校教員が中学校免許状を取得するためには,認定講習等で14単位を取得すれば中学校の免許状が取れるという処置が現在,教育職員免許法で規定されておりまして,同様に3年間勤務経験のある中学校教員が小学校免許状を取得する場合には,12単位それぞれ取得すれば免許状が取れるという形になってございます。
 それで,その次の段落でございますけれども,免許状の併有処置を更に促進をさせていくというようなことでございまして,例えばということで,取得する免許状に関連する教職経験等を勘案して,単位数を軽減するような処置でございます。したがいまして,小の方が中の免許状を取る場合に,今申し上げたような14単位でございますが,加えまして,例えば小の先生が小中一貫教育に関してこれまで勤務した経験があるとか,何がしかの事情で中学校における勤務経験があるというようなことがあれば,その勤務経験年数を更にその単位として加算をして,14単位を更に低減をさせようというような処置も一つ取り得るのではないかということをここで言及をさせていただいておりまして,そういった処置を更に教員養成部会におきましても御検討を頂きながら,何か具体策を講じていって,より免許状の併有をしやすくしていきたいというようなことで,ここの部分を記述をさせていただいております。
 それから、加えてというようなところで、従来から、措置でございますけれども、こういった現職教員が免許状を併有する場合に認定講習を受講して、その単位を取っていくということでございますけれども、その認定講習の開設を一層促進させていくというような、そういう取組の必要性についてもここで言及をさせていただいております。
 それで、以前、この部会におきましても御報告をさせていただきましたけれども、当課におきましては27年度概算要求におきまして、その小中の免許状の併有を促進するようなことも含めての認定講習のモデル事業ということを今要求中でございまして、そこの事業の趣旨も踏まえまして、この際ということで、国においては、例えば小学校及び中学校教員、免許状併有のための認定講習や通信等を活用した認定講習等に関するモデル事業を実施し、その成果を全国的に普及することが期待されるというような記述もここで記載をさせていただいております。
 そして、こうした取組により、小中一貫教育学校に配置される教員については、例えば指導力に優れた教員や教科に関する専門性の高い教員、それから小中連携や小中一貫による教育に関する経験の豊富な教員など多様な教員の配置が進み、これらの教員が学校内において幅広く活動できるようになることが望ましい旨を記載をさせていただいております。
 それからもう一つでございますけれども、また6ページ目の中段辺りでございますが、「また」といたしまして、小中一貫教育におけます利点の一つといたしまして、小学校部分におけます専科指導を充実できることということでございまして、このため、小学校や小中一貫教育学校における小学校課程において、中学校教員による専科指導が一層促進されるような措置を講ずるとともに、他校種における指導範囲の拡大についての検討を更に今後進めていくというようなことも記載をさせていただいております。
 それで、その次の段落でございますけれども、両免許状の併有を促進していくために、上記のような措置を講じていくということとともに,併せて教職課程においても両免許状の併有を促進するため,教科・科目の統合や大くくり化などについても検討を進めていくというようなことや,あるいは人事や処遇について教員の免許状の併有に関するインセンティブ処置を講じていくというようなことの必要性についても,ここで記載をさせていただいております。
 ただ,これにつきましてはそれぞれの主体が取り組むべきというような観点もあろうかと思いますので,「このため」といたしまして,国,都道府県,市町村,学校においては,両免許状の併有の促進策について,それぞれの視点から検討を進めていく必要があるというようなことも記載をさせていただいております。
 そうした上で,最後でございますけれども,5.といたしまして,今後の検討ということで,本教員養成部会におけます今後の検討の予定と申しますか,方向性についても記載をさせていただいておりまして,小中一貫教育制度の整備に当たっての検討を本部会では進めてきたけれども,それに加えて,今後におきましては,教員政策全般にわたって必要となる改革について検討を進めていくというようなことで,その際に,先般7月におまとめいただきましたワーキンググループの論点整理なども踏まえながら,また更に指摘される視点も加えながら検討を進めるというようなことで,主な具体的な検討事項といたしまして,丸1から次の丸5にかけてということでございますけれども,教員免許制度の在り方,それから教員養成の在り方,教員採用の在り方,それから教員研修の在り方,それからその他というようなことにつきまして鋭意検討を進め,来年夏頃を目途に一定の方向性を示すというようなことで,こちらの方につきましては前回配付資料の参考資料1の特に右側の教員政策全般にわたっての取組というようなところを検討を進めていって,スケジュールとして来年の夏頃を目途に結論を出すというようなところまでを記載をさせていただいておるというところでございます。
 本部会におけます報告(案)につきましての御説明は以上でございます。
【小原部会長】  ありがとうございました。ただいまの説明を踏まえ,質問,御意見がありましたら,御発言いただきたいと思います。大坪先生。
【大坪委員】  今,御説明になった資料3-2の4ページの具体的な対応方策のところについてですけれども,その前に,資料2で説明されて,また油布委員も御指摘になったように,多様な意見があるということが御報告されたばっかりの中で,特に資料2-1の学習指導要領との関係というところでは,義務教育学習指導要領が必要ではないかという御意見であるとか,下から2番目の丸の小中の学習指導要領の一体性を更に高める方向で検討することを考えてもよいのではないかという御意見が出たことを報告されたばっかりの中で、4ページの真ん中よりちょっと下のア、イ、ウの中で、ウの形というのを選択するということ、これは現実問題としては、私自身もこうならざるを得ないということはおおよそ理解するんですけれども、その根拠として、資料3-2の4ページの真ん中よりちょっと上、対応方策の丸1の最後のところに「学習指導要領については、既存の小・中学校の学習指導要領に基づくことを基本とすることとなる」とか、あるいは下の方で、根拠のaとして、やはりそういうことを言い切ってしまって根拠とするというのは、たった今御報告あったばかりの中で、本当にそれは議論としていいのかという感じがいたします。
【小原部会長】  事務局から何かありますか。
【山下教員免許企画室長】  恐縮でございます。御指摘の点でございますけども、今、確かに小中一貫教育特別部会におけます検討状況につきまして報告を頂いた中で、多様な意見が出ているというようなところは確かにそうでございますが、一方で、おおよそ、ここで記載させていただいておりますような小学校の学習指導要領、それから中学校の学習指導要領を適用していくんだという方向で、議論としては収れんをしつつあるというような状況でございまして、それをとらまえて、私どもの方も少し先取りに過ぎたというような記載かもしれませんけれども、一応そういう方向で議論が向かいつつあるということを踏まえて、こういう形で記載はさせていただいております。
 それで今後、ただ、余りにも断じ過ぎであるというようなことであるとするならば、少し私どもの方としても表現上の工夫とかというようなことにつきまして、調整をさせていただければというふうには思います。
【小原部会長】  中西委員。
【中西委員】  ありがとうございます。全体で、まず、1の背景から3の改革の方向性まで、これはもっともなことが書いてあると思うんですけれども、具体的な指摘といいますか、対応策というか、その辺がないのは、これから議論するということでやむを得ない面もあるとは思うんですが、少なくとも4の小中一貫につながる関連性といいますか、全く1から3までと小中一貫のところが切れている印象が強いんですね。このような中で喫緊の課題とされていることを踏まえるとあるんですけれども、じゃ、前半部分のところが一体、小中一貫の方にどれだけ入っているのかと言われると、ちょっと読み取れないので、そこを関連性というのを少し何か考えた方がいいのではないかと思います。
 例えば、免許制度の在り方について抜本的に見直すと書いてあって、結局、併有のことが中心に書かれているわけですので、その辺の論理的な問題というのをある程度解決しなきゃいけないんじゃないかなと思います。
 それから、5ページの丸2の経過措置の部分なんですけれども、つまり、これまで学級担任としての指導はできなかったわけですよね。それを認めないとやっていけない。それはこれこれこういうことだからという説明が書いてあるんですけれども、本当にそれだけでいいのかなと。今までできなかったことが、こういうことをやらなきゃいけないからやむを得ず認めるんだということだけでいいのかなと。そのために何か措置を取った方がいいのではないかな、その辺も検討いただきたいなと思います。以上です。
【小原部会長】  油布先生。
【油布委員】  資料を送っていただいたのに、事前に意見をお返しできずに申し訳ありませんでした。たくさんあるんですけど、一番大きな点として、4番目の小中一貫教育制度の整備に当たっての取組というところで、まず指摘したいと思います。
 先ほど私、意見を述べさせていただいたんですけれども、ここでも非常に表現が気になるところがあります。義務教育なのだから平等性とか公正性を担保していただきたいというふうなことを先ほど申し上げました。けれども、例えば、対応策のところの丸1の表現の中で、小学校・中学校は引き続き存続させる、そして小中一貫教育学校を置くというふうに書いてある、その下の段落、ちょっと空いたところで、小中一貫教育学校はうんぬんかんぬんとありまして、「・・一貫して質の高い教育を目指す学校であることから、こういうふうなところの教員は・・」と書かれているんですね。
 そうすると、小中学校と併存して小中一貫校が設置され、そこでは質の高い教育を目指すということを表記するのであれば、残った小中学校は一体どうなるのか、と、ちょっと難癖かもしれませんけれども、何かそういうふうに読み取れてしまいます。そういうことのないように、義務教育は平等であるということを是非お願いしたいと思います。
 それで関連して、右ページの5ページのところで両免許状の併有の促進による人材の確保という点についても述べさせていただきます。小中一貫教育を進めるに当たって、学部での教員養成とか教員免許状に関しては今後検討していくこととして、当面としては、現職の先生方に追加の単位を取ってもらうことによって複数免許の取得を目指すというふうなことで、当面の間の措置として書かれているんだと思うんですけれども、それを、多様な人材の確保等についてというタイトルではなくて、当面の間の現職教員の活用を目指した対応策とか何か、そういうふうにすべきではないかというのが1点です。それから、その際、質の高い教育を担う教師を育てるというときに、認定講習でそれをやっていくというのを前面に出すのが、何かすごく矛盾しているのではないかという気がします。
 ですから、ここは少し書き方としては、第一に、免許状をすぐにいじるのではなく、それは検討することにすると。第二に、当分の間現職教員の活用を目指す、そのときには認定講習と明示するのではなく、教職大学院や既存の大学院での連携というような表現で、書いておく方がいいのかなと。書き方の問題だけではなくて、質の高い教師ということと、それを確保するための認定講習というような矛盾するような内容が含まれるので、そういう意見を述べておきます。
 それから、その前のページの課題のところでなんですけれども、ここも表現上の問題かもしれませんけれども、気になりましたことが2点ありますので、合わせて指摘させていただきます。
 まず、2ページの課題の(3)のところです。これは教員研修というのを体系化していくということと、そこを利用するということで、一応賛成します。ただし、先生方を見ていますと、先生方の研修というのは自分の現場の非常に御苦労に基づいて、こういうことを勉強したいというのが本当に多様なんですね。ですからそれが、既存の提供された研修の中にあるかというと、本当に千差万別で、なかなかないんです。それで、先生方のお話を聞いていると、昔は自分のやりたい内容について、研修というか、自分で自主的に学べる暇があったと。ところが、学校が大変になっている上に、研修の時間も非常に大変になっていて、自分が本当にニーズとして持っている内容については学べないという御意見があるんですね。
 ですから、教育公務員特例法にも研修は権利だと書かれていますので、そういうことでいえば、研修体制を整えるだけではなくて、先生方の自分のニーズに基づいた学習がうまく入るような仕組みというか、そういうものを少し考えるような表現にしていただけたらと思います。
 それから、その上の箇所の(1)の教員養成における課題というところの、一番下のところに「豊かな人間性と強じんな精神力を備えた教員を養成する」と書いてあるんですが、TALISの調査でも分かるように、日本の先生は非常に忙しくて、長時間労働が明らかになっています。強じんな精神力を持っていながらも,病気休職者がどんどん増えているそういう状況にあるんですね。
 この背景には,個人の教師の資質の問題ではなくて、教師の置かれている労働環境とか様々な要因が関連して考えられるだろうと思うんです。それを教師の強じんな精神力でカバーするように表現すると、先生たちはますます厳しい中に置かれるんではないかと危惧します。
 特に週5日制になってからは、学ぶ学習の内容もそれほど変わっていない上に、非常にたくさんの要請が外部からも内部からもあります。中学校の先生で取ると、昔は空き時間という授業を担当しなくていい時間があって、そこで授業研究とか採点とかそういうことをやっていたんですけれども、今、学校に行くと分かりますけれども、どの学校の先生も1時間目から6時間目まで空き時間がない。空き時間というのはあいている時間ではなくて、準備のために、あるいは何かフォローのためにやる時間だったのが、そういうものがない。それを全部放課後に持っていく、あるいは家庭での仕事に持っていくという、そういうふうな状況になっているんですね。
 それは今に始まったことではなくて、この20年ぐらいそうなんですけれども、とすると、制度的な解決を図る必要があると思います。もちろん財政的な問題があって難しいことも理解はしていますが、財政会議では、昨日ですか、一昨日ですか、もっと先生に働かせるようにという意見が出ているので、ちょっとびっくりしたんですけれども、そういう制度的な締め付けがある中で先生に強じんな精神力を持てという表現を使うのは,ちょっと,私は部会の委員として余り言いたくないことだなと思うんです。ですから,そこも柔らかい方向に変えていただくか,何か工夫をしていただければと思います。ちょっといつも言いたいことをついでにという形で言ってしまいましたが,是非にお願いいたします。

【小原部会長】  酒井先生。
【酒井委員】  ありがとうございます。
 この報告は,前も申し上げましたが,全体の方向性の議論と,それから小中一貫教育の教員養成をどうするのかという部分とが二つ入っているんですが,大きな方の議論,今日は小中一貫の方がメインなんですけれども,そうは言いつつ,全体の議論が議論されているという状況で非常に議論しにくいんですけれども,その中で,その二つにわたって,それぞれについて何点か申し上げたいと思います。
 まず,全体の総論についてですが,一つは改革の方向性というところなんですけれども,3ページになります。改革の視点の最初に,多様性への対応というのが挙げられています。ここでは,強調されているのは,多様な専門性や経験を有する人材によって多様な方法による教育となっておりますが,課題のところのトーンとしましては,教員養成の新しい指導力や実践力を培うような教員養成の充実ということが,むしろ強調されていて,そうしますと,改革の視点の最初は,教員養成をまず充実して,なおかつ,様々な人材を採用しながら,そうした教員によって多様な方法による教育の実践,充実という,そういう構文ではないか,であるべきではないかというのが1点です。
 それから,これは油布委員と重なるんですが,ちょっと戻りますけれども,教員研修における課題のところですが,このところは研修の機会確保の必要性ということが強調されていますが,そのためには,この作文にも書いてあるんですけど,基本的には先ほども話したように忙しいということが大変な問題で,多忙化の中で,要するに,ある程度そこへの対応をしませんと十分な研修の時間はないのではないかと。ですから,そこに少し触れませんと,多忙なおかつ研修という,余計に多忙になるのではないかというのが危惧されるということです。
 それから,もう一つ申し上げます。改革の方向性のところ,先ほどの多様性の対応なんですが,これまでの既成概念や固定観念にとらわれることなくという言葉がありまして,全体的に非常に強いトーンなんですけれども,これがどういう内容なのかというのが,要するに開放性をどうするのかとか,そもそも大学による教育養成という戦後の枠組みを見直すのかとか,これまでの既成概念や固定観念にとらわれることなくというのはどこまでを想定されているのかがちょっとあいまいで,これが独り歩きすると怖いなというのがございました。
 それから,小中一貫についてですが,一つは,私はまず対応方策の小中の学習指導要領に基づくことを基本とするというところですけれども,これは,基本はやはり学習指導要領に基づく形でございませんと,特に小学1年生のことを考えますと,就学のところ,学校選択とは申しましても,小学1年生が歩ける距離というのは限られておりまして,結局のところ,その地域に,その学区にどうしても行かざるを得ない。そうしますと,選択できない中で,こちらの学校ではこれだけのカリキュラムが豊富に用意されていて,こちらの学校では用意されていないというのはやはり問題ですので,やはりここは,小学生も含めて考えますと,余計に学習指導要領準拠でないと,なかなか難しいのではないかというのが感想です。
 それからもう一つだけです。経過処置についてですが,両免許状の併有の促進ということが書かれておりますけれども,ここでは,現職教員の併有の促進ということなんですが,ここの,これも構文としましては,経過処置とは別立てで両免許状の併有の促進ということが書かれていますので,そうしますと,養成段階はどうなるのかということが何も触れられていない形での書き方になります。それは,現職の教員だけは併有促進なのかという,そうであれば,現職の教員についての併有促進という書き方の方がふさわしいのではないかと思いますが,もし,養成段階のことを含めてのこの話なら,ちょっと作文的には違ってくるのではないかと思います。
 以上です。
【小原部会長】  髙岡先生。
【髙岡委員】  多様な論点が委員の皆さんから出ているので、やや、私、名札を立てたときの感覚と違ったことを言わなきゃいけないかなと思いましたけど、たった10分程度では、そうは変わらないので、最初に思い付いたことを言わせていただきます。
 ワーキンググループが7月の末に提出した提案内容の、ほんの数行で書いたことを、実は3ページまで広げてもらっているので、どうせここに議論が集中するだろうというのは、これはしようがないことかなと思います。そもそも論のところですね。先ほどどなたかおっしゃったように、そもそも論と小中一貫教育の具体的な対応というところは、木に竹をくくるという事態にどうしてもなるので、このあたりは、まずはここをやるんですよということを明示することでいいんじゃないかなと思います。前書きにでも書かれたらいいかなという感じはしております。
 その上で、今出ております養成段階の問題をどうするんだということで、ミスリードされないように慎重にやっていただきたい。つまり、併有促進が大事なんだといったら、2枚持たせるのがいいんでしょうと。県教委も人事をやるときに――県教委と直接で申し訳ないですが、人事をやるときに両方持っていなさいと。持っていないと採用しないよと。今、幼稚園と保育所がそうですよね。両方持っていないと採用しません。片方をもし取りこぼしたりすると採用内定さえ取り消すというところがあります。だから、そういう意味で、養成段階に、何ていうんでしょうか、しれっと2枚持たせることが正しいのだということを読ませるべきではない。つまり、目的養成をやっている大学は、これはうちの勝ちだと思わせることをしてはいけないということです。
 それは理屈が実はあって、養成段階でそうすることが正しいのだというのは、実はかなり怪しげな話で、教員としての基礎的な専門性はそれで確保できていて、広がっているんだと。2枚持っていることがいいことなんだというのは、かなりうそが交じっている。質の高い教員を育てたことには、実はなっていないのではないかという議論が、前回にもある委員から御指摘がありました。
 ただ私は、現職の教員が、中学校しか知らない教員が小学校のことをまず知るために免許を取得して、そこの学校に行くというのは、これは、現職の教員にとっては相当の質の向上につながるんだと思うんですね。ですから、その入り口として併有促進ということは大賛成です。だから、養成段階と現職の教員とは、自分の専門性を高めるという意味で、小中一貫教育校に勤めるか、あるいはその資格があるかどうかということは、かなり違った論理がそこにあるような気がいたします。
 で、併有もだから大事で、それでいいと思うんですが、経過措置のところ、これもさっき中西委員がおっしゃいましたが、私もちょっと奇異に感ずるところです。要するに、今の免許で中学校の教員が小学校の学級担任もできてしまう、やっていいよという話ですね。だから、そこにも併有促進という論点を入れていけば、一定の研修は要るんじゃないかと考えた方がいい。その研修が要るんじゃないかという具体策として、併有促進策のところにある認定講習を広げていくとか、あるいは、今ある制度をもっと活用しようと思えば、免許更新制で小中一貫教育というテーマを持った講習を大学に開いてもらって、その広げた講習に、更新講習は10年に1回しか受けられない仕組みになっていますから、小中一貫教育に関係のある教員、そこに行きそうな教員については、やっぱり研修指導を入れて、これを受講しなさいということを、もっと県が人事的に指示すべきではないかと。そうすると、そんなに大学も慌ててこのために、小中一貫教育のために特別なことをやらなくても、免許更新制と認定講習を活用すれば相当数の、しかも併有までいかなくても、自分の持っている教科と学級担任ができる教員を作ること、これを可能にするんだということですね。それぐらいのことは大学にやってくれというふうに頼むことが大事じゃないかと。少し大きな議論から細かい話になって恐縮ですけれども、そういうことを2点ほど思いました。
 以上です。
【小原部会長】  八尾坂先生。
【八尾坂委員】  この資料3-2の6ページのところで、今、髙岡先生がおっしゃいましたけれども、認定講習という併有促進の方途があるわけです。実際、認定講習はいろんな理由で、データを見ますと、大学、県教委、大学等で、年間4万2,000人ほどいらっしゃるわけです。通信教育は43万6,000人という、免許法認定通信教育のデータとなっているようです。
 そう見ますと、そのようなやり方で認定講習、私はあっていいと思いますが、そして、そのためにモデル事業を実施するという方向にあるわけですが、やはり、どちらが主体なのか、大学がやるのか、県教委がやるのかという点から見ると、やっぱり現職教員をとりあえず対象とした県教育委員会主体の研修、もちろん、大学等と連携もあって当然ですが、そのような捉え方で、とりあえず養成とは切り離してやっていくのがいいのかなと思うわけです。
 また、その際、単位を取る際にも、従来、認定講習は免許状の上進制等などとリンクしていたわけですから、何かその単位取得によって免許状の上級などの一部の単位としてもメリットがあるようなモチベーションもあってもいいのかなと、省令改正などの際、そんなことを思います。
 また、通信等とありますが、もちろん、通信ですから放送大学、通信教育の大学なわけですけれども、役割は相当大きいわけです、通信教育。ただ、課程認定の作業をやっていますと、そういう通信のやり方もいまひとつです。もっといい意味で改善していこうという運営の在り方、カリキュラム、そんな話も出ていますので、やはり、認定講習中心にしつつ、通信の場合は、若干、そこは検討の余地もまだあるのかなと思ったりいたします。
 以上でございます。
【小原部会長】  岸田先生。
【岸田委員】  ありがとうございます。現行の免許で走らせて、そして併有を促進していくと。基本的な考え方については、前回までの議論をまとめるとそういうことになるんだろうとは思っています。そういう中で、私も今までの御意見で出ているんですけど、中西委員とか髙岡委員のおっしゃられたこととの関連ですが、当初、もらったときに同じ感覚を持ちました。どうも大きな三つめまでの文脈と四つ目からの文脈が違う。三つめまで、全体的な文脈で来たものが四つ目から、個別の文脈がぽっと入っていってしまうという印象があって、つなぎの文言を一つ入れていただいたので、それで一定の解決はしたのかなと思いながらも、しかし、三つ目の方向性の中に、中西委員のおっしゃったように、何らかの関連性のある内容を盛り込む必要があるのではないかなという感じはいたしました。
 それから、これも中西委員、髙岡委員との関連なんですけど、中西委員の、免許を持っていない、走らせるにしても免許を持っていない者にこのケースでは担任をさせていいのかどうかということを言われて、それから髙岡委員の方からは、いわゆる人事的な指示を含めたそういう研修を積ませていく必要性を言われました。この点について私は、併有をさせて、制度上は免許を持ったとしても、実際にこれを運用していく現場サイドで見ると、いわゆる小学校畑で来た人間、中学校畑で来た人間が、それぞれ自分の畑の中に逃げ込んでいくんじゃないかという危惧をもっています。
 これは小学校の中でも起こっていて、小学校の低学年の先生方と高学年の先生方というのは、ある種、固定的になっていくんですよね。それが、更にこの文化の違う小学校と中学校の文化を,今,一緒にしようとするわけですから,当然,それまでそれぞれの文化で育ってきた先生方が,自ら新しい文化に足を踏み入れてそれに入っていって,全体的に俯瞰(ふかん)をしながらこの9年間を見ていくというような,その意欲というか,そこがどこまで醸成されるかという問題は大きな課題としてあるんじゃないかなと思っているんですよね。これはこの部会ではなくて,別の部会の中身になるかもしれませんけれど,5年生、6年生あたりの児童で教える具体的な形等を含めながら、やはりこうした点での記述をしていく必要があるんじゃないかなという感じはいたしました。
 それから、これは事務的なことなんですけど、表題なんですけど、これからの学校教育を担う教員の在り方についてということで、これ、これから議論することも含めた全体的な表題になっているんですよね。名は体を表すということからすると、多少、例えば副題を付けるとか、「その1」というようにになるのか分かりませんけど、何か少し全体の在り方の中でのこういう位置を占めるんですよという表題上の名前があってもいいのかなという感じがいたしました。以上です。
【小原部会長】  若月先生。
【若月委員】  どうもありがとうございます。私、この部会と、それから小中一貫教育の特別部会と、それからこの養成部会のワーキンググループにも所属させていただきましたので、なかなかしゃべりにくいといいますか、どういう立場でお話をしていいのか、若干迷うところもあるんですが、一つ感じていること、今日頂いた資料から感じていることをお話しさせていただこうと思うんです。
 と申しますのは、最後の方の、今日頂いた資料の最後の方で、今後の課題ということで、幾つか課題が列挙されています。そこでまた改めて議論をしていくんだろうから、今ここでお話をさせていただいてもいいのかなという思いでお話をさせていただきます。
 それは、いわゆる教員の養成、それから採用、研修に関わる部分であります。これもワーキンググループ等々でもいろいろ議論をさせていただいたんですけれども、今日頂いた資料の中の2ページになるんでしょうか、課題のところで、2番の(1)の教員養成における課題という部分がございます。ここで、これはこれからの議論の中で視野に収めていっていただきたいなと思う部分なんですが、後段の方に、いろいろ状況が変わってきているよ、だから教員養成課程の充実が求められている、これはそうですね。その次に、さらに、養成段階において身に付けた力を学校現場においてすぐに生かすことができるよう、実践力を養うことも必要だと、これはあり得ないと思うんです。ですから、ここは書いてもらっちゃ困るな。
 なぜならば、学校現場って、そんなに簡単なものじゃないんですね。大学で一生懸命教えてくださってるでしょうけれども、それで、そこで卒業して、学校現場に出てすぐに役に立つってことはあり得ないです。だから、現実とは違うことですから、これはここでは書かない方がいいと私は思うんです。
 もっと申し上げますと、これは養成部会でまた深く議論していただければいいと思うんですが、大学の教員の養成課程の中では何を教えるのかということを、もっときちんと整理をしてかかる必要があるだろう。もっと有り体に言えば,どう言ったらいいでしょう,いわゆるテクニックで,教科教育法で,国語のこれはこう教えましょうね,ああ教えましょうね,そんなことは現場に出て雇用者がむしろ研修すべきことであって,それを大学に全てお願いするということ自体が,養成段階で間違っているんじゃないか。
 その下に,(2)番に教員採用における課題で,こう書いてあります。学校に対するニーズが複雑・多様化する中,豊かな知識と見識はもとよりと,さらっと書いてあります。問題はここなんです。豊かな知識と見識のない人が入ってくるんです,大学を卒業して。豊かな知識と見識がない上に,テクニックを一生懸命身に付けようとしているんです。ここで,正に大学においての出番は,私は何も,例えばヘルバルトを深くやれとか,デュルケームを深くやれとか,ペスタロッチをよく勉強しろとか,そういうことじゃない。例えば,教育思想史を概観するとか,あるいは日本の教育行政史を概観するとか,あるいはほかの外国の様々な教育の制度や在り方,内容を,比較教育学になりましょうか,それを概観するという,教師としての一般教養という部分といったらいいんでしょうか,この部分を教えていただき,そして,本当に教科教育法の基礎の基礎の基礎の部分は、多少、もちろん教えていただくこともいいでしょうが、その後のテクニックやありようといったものは、これは雇用者がやるのが、どの世界でも当たり前の話だろうと、こう思うんです。
 そう考えますと、この文脈で、例えば(1)で読みますと、まるでもう養成段階で全部すぐに役立つという力を大学がやらなきゃいけないように思うし、それが可能なようにとられてしまう。そして、豊かな知識や識見はもとよりと、もうあるように書かれていますけど、これが、養成段階と現場へ来てからの力の大きなギャップ、どこにあるんだ、大学か現場かって、いつまでもあちこちに押し付け合いをしている、それがいつまでも止まらない。そういうことから考えて、大学と教育委員会の、雇用者としての教育委員会の役割分担と目当てといったようなものを、是非、これからの部会で今後の課題の中に入ってこようかと思いますが、そういう役割分担というものを明確にしていただきたい。
 したがって、学校現場においてすぐに生かすことができるという文言がなぜ出てきたか。簡単に言うと、現場がそうせざるを得ないようなマンパワーの配置しかされていなかったからこうなってきただけのことで、それが理想的だからこういう状況が生まれてきたというわけではないわけでありますから、是非、ここら辺の表現というのは、ちょっと工夫をして、世間に誤解を与えないような表現にしていただければと思います。
 以上です。
【小原部会長】  天笠先生。その後、秋田先生。
【天笠委員】  失礼します。短く四つ申し上げたいと思います。
 まず1点目ですけれども、ここの5ページですけれども、最初の段落のところで、平成14年の答申うんぬんということがここに盛り込まれたということを,私は評価したいと思います。この答申は,ここにも書いてありますように,免許状の総合化ですとか,あるいは弾力化ですとか,相当免許状主義ですとか,そういうものを中長期的なスパンでそれを検討するという,そういう提言がそこに盛り込まれているわけであって,ここのところをこういう形で位置付けてきたというのを非常に評価したいと思いますし,反面,この部会の末席に座っている立場からしますと,この間,そのことについて間を空けてしまったということについては,委員の立場から反省したいなと思っています。要するに,もう少しこういうことを,しっかりと議論を重ねておくべきことの一つではないかというふうに受けとめているということであります。
 それから二つ目でありますけれども,私も,やはり先ほど来,御指摘がありましたように,この三つ目までと四つ目までの間に,まさに随分段差があるようなところで,そこをどう詰めていくのかということですけれども,教員養成部会がよくやるレポートのまとめ方というのは,いわゆる目指す教師像ですとか,教師として求められる資質能力という,そういう提起の仕方を,文章上よくするわけですけれども,今回の場合の小中一貫で求められる教師像,あるいは小中一貫で進めなければいけない,求められる教員の資質能力という,こういうふうに考えたときに,これまでも既に委員の方から出ていましたけれども,6歳から15歳までの発達の段階を視野に収めた教員ですとか,あるいはゼロ歳から15歳までとか,そういう,これまではどちらかというと6歳から12歳とか,12歳から15歳,そこの限られた世界の中で物事を捉えたり,対応したりという視野から,より発達段階に寄り添った,広い視野を持った,発達の視点というんでしょうか,そういうものを持った教員を求めるんだと,そういうことというのは,私はこの中に書き込んでもいいところの一つではないかと思っております。
 先ほど来,答申のところが1点目で,目指す教師像というのが2点目で,3点目ですけれども,私も,先ほど御指摘ありましたように,学習指導要領について断定的な記述過ぎるのかなと思いました。この点については、教育課程部会とのキャッチボールというのが必要な点じゃないかと思いますので、今後、恐らくそういう教育課程部会は部会として更に動くのではないかと思いますので、そこら辺のところの留意が必要なのではないかと思っております。
 それから、私は今回の場合に、併有ということは当面の措置として御説明いただいておりますので、それはそれで了解させていただきたいと思っているんですけれども、ただ、アとイが消えたわけではなくて、これについては、やっぱり追求すべきテーマなのであるということで、先ほどの平成14年の答申というのは、その間、研究開発学校等々で取り組んできた成果を反映させて検討すべきだということなんですけれども、そこら辺のところ、研究開発学校というのは学習指導要領の基準の検討でありますので、免許状の検討まで踏み込むことが果たしてどうなのかというのは、議論の余地が分かれるところだと思うんですけれども、そういう研究開発学校等々の取組等々を踏まえた取組ということも踏まえて、ア、イというのは、やはり私は、向き合っていかなくちゃいけないのではないかと思っております。
 最後ですけれども、改めて当面の措置といった場合に、認定講習としての措置はあったんですけれども、教員養成における当面の措置というのもあり得るとすると、これまではとかく小中を判別するという方に、課程認定等々も、指導の方が、そちらの方に振り子が振れていたように思います。要するに、中学校課程は中学校課程、小学校は小学校、両方を鮮明にするということですけれども、ここで問われたのは、9年間とか、あるいは小中を両にらみにできるという、例えば科目とかありようというのは、教員養成の中にどういうふうに改めて位置付けていくのか、位置付け直していくのか。あるいは、小中両方を指導できる、そういう指導の在り方ということをどう捉えていくのか、これについての言及、目配せというのを、当面の教員養成に対する措置として、私は必要なのではないかと思います。
 以上です。
【小原部会長】  秋田先生。
【秋田委員】  今回のまとめですけれども、従来の議論を的確にまとめてくださっていると思います。ただどの委員も言われているように、1、2、3、5と4の部分が分離しているというのは事実だと思います。
 その中で、今後の教員養成における課題というところの2ページで、若月委員も言われましたけれども、教員養成における課題という文章を見ますと、「知識の伝達というこれまでの一般的な指導方法のほか」云々かんぬんという形になっていて、新しくいろんな実践的な力が必要だということは書かれているんですけれども、実はその「知識の伝達というこれまでの一般的な指導方法」が知識基盤社会において高度になっている。そういう教科内容の教養を高度化していくことこそが、教員養成の過程において、例えば小学校の算数においてもその教科の系統性における学問の教養を高める、教育学に関する教養を高めることこそが、教員養成段階において大学で重要なところなのではないかと考えています。また、天笠先生も言われましたが、育ちを発達的に見ることと学校段階間の円滑な移行を実現する力は違っています。円滑な移行を実現する力は学校で現職になってから研修を積めばよいのですけれども、育ちに応じた教育の在り方の理念や理解を教員養成段階においてより深く理解しておくことが今後の課題として必要なのではないかと考えています。そのあたりの教員養成における課題の部分、実践力の前に、高度な教育学の教養、教科内容の教養が知識基盤社会に対応するためには必須のこととして書き入れられる必要があるのではないだろうかと思います。
 また、教員研修のところにおきましても、酒井委員や油布委員が言われましたけれども、教員研修のための機会確保と同時に、コミュニティからの支援であったり、チーム学校として多様な職員からの支援があって研修が行われ保障されることが必要であることが書かれる必要があると思います。今後チーム学校として研修をし、学校の組織力を高めることが個々人の資質向上と同じぐらい重要なことですので、そのあたりの研修と学校の組織力の向上が書かれるべきであろうと思います。
 また、3ページ目の改革の視点に関しては、体系的に取り組み、次世代の教育を意識し、更に多様性に対応するという順序性を考える必要があるだろうと思っています。
 そして、小中一貫教育制度の整備に当たってのところで、これは養成ではなく現職の当面の対応であることをきちんと書いていただきたいと思います。同時に、私が大変気になっておりますのは6ページの書きぶりであります。上から4段落目で、これらの取組により、小中一貫教育学校に配置される教員は指導力が優れているとか、専門性が高い教員が小中一貫教育学校に集められるような印象がある書きぶりになっています。だが、そうではなくて、そういう配置が進むと同時に、小学校あるいは単独の中学校においても小中連携の理解が一層進むというような、小中一貫学校の生徒だけではなく、小学校の教員、中学校の教員の小中連携や一貫に関する理解が深まることが望まれるということが両方バランスよく書かれないと、これだけだと、やはり特化した小中一貫教育が行われるようなイメージをこの文章のみを読んだ人が持つのではないかと考えられます。
 そして、その下の段落も、小中一貫教育の利点は小学校における専科指導を充実することだとあり、結局、中学校の先生が小学校の高学年を担当するのがいいですよというような書きぶりになっています。しかし小学校の教員には小学校の教員の優れた専門性がありまして、例えば小学校の教員が道徳や特別活動、学級担任などを中学校で連携してやれるようになることで一人一人の生徒にきめ細かな対応ができるなどによって、中学校1年から急に増える不登校やいじめの問題への対応などにも効果があるかもしれません。そうした両面、双方向の利点を書かない限り、幼小、中高いずれもですが、中学校の先生が小学校に行き、小学校の先生が幼稚園で指導しのような、互恵性や、対等性のない書きぶりになっていると思いますので、双方の専門性を生かした形の書きぶりにしていただく必要があるのではないかと思います。
 また、そうしますと、6ページの一番上の段の認定講習のときに教職経験等を勘案して単位数を軽減する、それを市町村教育委員会の判断を踏まえて行うということは、当面の措置、やむを得ない措置かもしれません。やはりきちんとした認定講習であったり実践の現場を踏んだことと、講習あるいは専門の単位を取ってそれについて深く理解することは別のことなので、そのあたりについてはもう少し配慮ある書き方になるとよろしいのではないかと考えております。
 以上です。
【小原部会長】  吉田先生。
【吉田委員】  ありがとうございます。
 実は私は、小中一貫だけの問題じゃなくて、これからの学校教育を担う教職員の在り方ということですので、一つだけ追加でお願いしておきたいのです。前にも言ったと思うのですが、今回の背景にもグローバル化もあるし、そういう意味では幅広い視野、専門性を持つ個性豊かな人材の確保が言われていて、多様な専門性や経験を有する人材が多様な教育を行うべきだということもあるわけなのですけれども、特に今、小学校の英語の教科化の問題なども含めて、ALTを配置うんぬんというのがあるのですけれども、教員免許状の制度の問題で一つ大きいのは、今、日本人の学生が留学しないという問題があります。そういう中で、高校から海外の大学に留学し、ESLの免許を取ってきたような子もいます。ところが、日本の大学の学士という資格が入ってくるものですから、この連中は実は日本の教員免許状は取れません。やはり、こういう本来、有為な人材になるべき人たちが教員免許状を取れるように、海外のきちっとした大学課程をちゃんと修了して学士や修士なり何なりを取っている人が日本の教員免許を取れる道、日本ですと、今、大学で学士を取ってさえいれば通信教育で教員免許を取れますけれども、それもできないわけですので、今回の教員免許状の在り方を考えるに当たって、是非その部分も一つ加えていただければと思ってお願いします。
【小原部会長】  比留間先生。
【比留間委員】  少し感想になってしまうかもしれませんが、1点目は、3ページの一番下に「小中一貫教育の制度化が喫緊の課題」と書かれております。教育再生実行会議との関係からはこういうことなのだと思うのですが、これが喫緊の課題と言われると、教育行政に携わっている立場で、実はすごく違和感を感じます。先ほど少し御意見が出ましたけれども、初等中等教育全体を通して教育制度の在り方をどうするかという内容であるならば、納得できる部分もあるのですが、「小中一貫教育の制度化が喫緊の課題」と言われると、少しこれはどうなのかという感じがいたします。実質的には、今まで全国の区市町村がそれぞれの努力で取り組んできた小中一貫教育の、いろいろな課題を抱えている中で取り組んできたことに対して、制度化でそれを幾分かでも円滑にできるように、あるいは新しい試みができるようにという内容の検討なのではないかと自分自身では理解しています。そういう意味では、ここに書かれている内容は、ある意味、現実的な方策が網羅されておりますので、それはそれで、この方向でいいのではないかと考えています。
 ただ、免許併有のところで一言だけ申し上げますと、中学校の教員に小学校の免許の併有というのは、現状でも30%という数字は出ていますけれども、多分、本当に難しいだろうなと。要するに、現実の学校の現場の中での文化の違いはやはり想像以上にありますので、ここの30%を、例えば都道府県教育委員会、任命権者の責任で何とかするというのもまたなかなか難しいだろうなという率直な感想を持っています。特に、書きぶりもそうなっていますから、制度が併存して、これからもう全体が一つの方向を向いて義務教育学校に向かっていくんだという方向では多分、いかないと思いますので、その中で免許の併有をより促進していくには現実にどういう方策があり得るのかなというのは、率直なところ、首をひねっております。
 最後に1点、多忙化のところで少しお話が出てきていて、TALISのあれを引きながら、ここでも書かれておりますけれども、余り一面的にこの問題を記載しない方がいいと私は考えています。教育が社会の中でこれだけ重要な役割を担っていて、学校が、教員がその中で全力で責任を果たしていこうというときに、その職務が多忙でないわけはないのであると思っています。この世の中で生きている職業人の中で、多忙でないと考えている人間は多分、いないと思うんですよね。なぜ学校だけ切り出して世の中でこれだけ多忙が言われるのかという部分も、実は私は少し首をひねっているところがあるんです。ただ、学校の現場が抱え切れないような負荷を掛けていないかどうか、学校の現場で解決ができないような、あるいは個々の教員では解決ができないような負荷を学校なり教員に掛けていないかという点については十分、検討していかなければならないだろうと思っていますし、私ども東京都教育委員会でも、ここは調査をしようということで、今、いろいろな解決策に結び付けられるかどうかという調査をしようと思っていますけれども、多忙感という言葉が安易に使われ過ぎているんではないかなという感じを非常に持っていますので、この点だけは一言、申し上げておきたいと思います。
【小原部会長】  髙橋委員。
【髙橋基之委員】  恐れ入ります。
 その部分も含めてなんですけれども、3ページの改革の視点の多様性への対応というところがやっぱり一元的なんじゃないかなとちょっと思ったところがあります。それはどういうことかというと、多様な専門性や経験を有する人材によって多様な方法による教育を行うことだけではなくて、もちろんこういう部分もあるんですけれども、専門性を有する多様な人材を生かす免許制度によって教育を行うことが必要だという部分が抜け落ちているんじゃないかなと思うんですね。今、議論の中で様々な部分であるんですけれども、一人の教員や様々な部分でオールマイティーをすごく求めてしまっている。ですから、多様性を強調するんだけれども、実はそうではなくてオールマイティーの一元性を求めているという実態があり、一人に教育相談など様々な部分を求めていくので、それが非常に学校の多忙感になっていくという実態を押さえておかないといけないんじゃないかなと思います。地域ニーズが様々あって、少ない教員の中で小中に教えていかなくちゃいけないという部分が今、生まれてきている。そういう多様な部分について、ではどう向き合っていくのかというところではオールマイティーだけが解決する方法ではなく、やっぱり都市部は都市部で多様性の中で解決していかなくちゃいけない問題もあり、それを全てオールマイティーで解決するのは無理な話じゃないかなと思っているところです。その部分が押さえられていかないといけないのかなと思っているところでございます。ですから、共通性の中で少なくとも最低限必要な部分はどこなのかは、やっぱり押さえていただきたいなと思っています。
【小原部会長】  堀竹先生。
【堀竹委員】  【堀竹委員】  いろいろな議論の中で、学校の立場から幾つかお話をさせていただきたいと思います。
 教員の養成、育成ということを考えたときに、学び続ける教員像の重要性が、今、言われています。そうした中で、学び続ける教員像に求められています。個人的にいろいろな経験や研修によって違う部分はあるけれども、この時期にはこの程度のものという普遍的な部分について教員像の中で明らかにして、その中で研修を考えていかないと、ある時期にありとあらゆるものを研修の中で身に付けなければいけないということが現場の教員に求められかねないと思っています。そういった意味で、先ほどの議論の中にもありましたけれども、やはり冒頭のどこかにこれから求められる教員像、教員の資質、能力をどう育成していくかという長期的なビジョンもないと、結局、また同じように、いっときにこういうものを全て身に付ける必要があるという形になってくるだろうなと思っています。それから、例えば教員の研修一つとってみると、どちらかというと受けさせるがわの論理が先行して,受けるがわの論理といった視点が欠けがちで、そのことが結局、多忙化ということにつながっていくんではないかなと思っております。
 それから、受けるがわということを考えたときに、時間、方法、場所を受けるがわが選択できる形で研修が組み立てられないかも考えていく必要があると思っております。
 ありがとうございました。
【小原部会長】  佐藤先生。
【佐藤委員】  ありがとうございます。
 このことを報告書に書くか,書かないかは別としまして,ちょっと気になっていることがございますので,申し上げておきたいと思います。
 議論の流れとして小中免許併有促進ということに収れんしつつあるわけですけれども,ここ以前に大学の現状と課題はどうかなというところが大変気になるところでございます。一つは量的な問題です。今更申し上げるまでもなく、小学校教員養成課程を持つ大学は中等教育の教員養成の大学と比べると圧倒的に数が少なく、大変バランスが取れていないわけでございます。そうなると、教員を目指す者は併有が当たり前だとなっていきますと、中学校免許あるいは中と高の免許だけを出す大学の教員養成としての存在意義が著しく薄れていくことになります。これをどう考えるか。また、学習者にとって併有の機会を拡大するためにも、この量的な問題をどう解決していくかが一つ、課題として残るんではないかと思います。
 もう一つは質的な問題だと思います。質といっても、質が高い、低いという問題ではなくて、大学の意識あるいは教員の意識というレベルの話であります。小中一貫教育の必要性や意義を本当に理解している大学がどのくらいあるのか、あるいは、教員養成に携わっている大学教員でさえも、そういう意識の高い者が今現在、どのぐらいいるのかなということが率直に言って気になるところであります。特に中学校免許だけ、あるいは中高免許だけを持つ大学において、そういった不安が感じられます。とりわけ、中学校あるいは高等学校の教科に関する科目を担当している大学教員が今、どの程度、理解が進んでいるかは大変気になるところでございます。
 そういうことを考えますと、今回の報告を機にしてこれが実現していく過程において、なるべく速やかにより多くの大学が対応できるように、ついていけるような配慮が必要ではなかろうかと思います。言うまでもなく開放制を堅持し、そしてまた多様な教員を養成するためにも、より多くの大学の参画が期待されるところでございます。したがいまして、そういった措置を国がお取りになることはもとより、何らかの形で学協会あるいは関連学会にもそういった課題を理解していただき、促していくような取組が必要になるんじゃないか。こんなことが気になった次第でございます。
【小原部会長】  では、高橋先生。
【高橋香代委員】  失礼します。
 今回の報告は、皆さんおっしゃったように、1から3と4がとても懸け離れた感じがするところですけれども、やっぱり1から3と5の今後の検討について整理していただいた上で4の小中一貫教育制度の整備に当たっての取組に直していただいたらいいなと、置き換えていただくと分かりやすいと思います。
 私が言いたいのは2点ございます。一つは、教員養成の在り方をこれから考え直すときに、前々から言っておりますけれども、幼小中という輪切りではなくて、人間の発達とその教育課題を俯瞰(ふかん)しながら,教員としての基礎教育,大学での養成教育の在り方をしっかりと今後,検討していただきたいということです。
 2点目は,小中一貫教育のときに,小中でそれぞれの文化が違うというのは本当にそうだと思いますが,私は,これは実際に先生方が現場で小中一貫をやってきたこと,それで教育課題を解決してきたことを追認していく作業だと思います。とすれば,小中一貫での経験をなさった先生方に必要な研修を整理していただいた上で,研修を企画することによって,当面は対応ができると思います。その中で教員養成の内容も変えていくことにつながっていくのではなかろうかと思います。
 以上です。
【小原部会長】  ありがとうございました。
 さて,参考資料2にありますとおり,小中一貫教育に対応した教員免許制度の在り方の検討については,年内に結論を得るというスケジュールの都合上,教員養成部会における議論は本日が最後となります。本日,頂いた御意見を報告書に反映し,その案をもう一度,欠席委員を含めて事務局より皆様方にメールにて照会させていただき,再度,御意見を頂戴することにしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 なお,前回及び本日,皆様から頂いた御意見で方向性はだいたい固まり,これ以降は私に一任させていただきたいと思いますが,よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは,次に教職大学院等における教員養成課程の専任教員について,事務局より説明をお願いします。
【茂里教職員課長】
 その前に,いろいろと御意見を頂きまして,本当にありがとうございます。皆様から頂いた御意見は全てしっかりと受け止めさせていただければと思います。
 確かにロジックの整理で非常に混乱している部分がありますので,そこは再整理が必要と認識いたしております。これは,A3の参考資料1を作るときに,まとめが二つございまして,一つ目は先行で御議論いただいた小中一貫教育制度における免許の取扱い,もう一つは教員政策全般にわたっての取組で,この部会では,いろいろと御意見を頂く中で,当初から右の全般にわたる部分の御意見を多々,頂きまして,本来は確かにこちらを先にしながら小中一貫の制度設計をビルトインしていくのがきれいな流れだったのかもしれませんが,多少,そこが前後してしまいました。そして,背景や主な課題,改革の方向性が両方につながるイメージで思っておりまして,今回の報告案が一番大きな,右の政策全般にわたっての取組について何にも触れていないのに,背景や課題,方向性について大きく出し過ぎたというところがございます。その点は確かにごもっともなところがございますので,そこはしっかり改めさせていただければと思います。本日,頂いた御意見を踏まえまして再整理させていただいた上で,再度,御相談しながら部会長と進めてまいりたいと思います。
 本日はどうもありがとうございました。
【山口教職員課専門官】  私から,資料5に基づきまして教職課程認定基準の技術的な改正について御説明させていただきたいと思います。
 なお,今回,御審議いただくに当たりまして,この大本となります大学院の設置基準に関わりまして,教員数についての告示の改正が行われる予定となっております。具体的には,大学院に専攻ごとに置くものとする教員の数について定めるくだんの一部を改正する告示と非常に長くなっておりますが,この告示の改正を今月,来月あたりにかけて行う予定にしておりまして,それに合わせて,関係する部分につきましての教職課程認定基準の改正という流れになっているものでございます。
 今回,御審議いただく内容は大学院の基準改正の問題でございまして,現行基準における専任教員の算定につきましては,資料5の1に記載させていただいておりますが,現行の教職課程認定基準におきましては,学部学科段階の専任教員を大学院段階の専任教員に充てることは可能と,5-8の(1)の基準において認めているところでございます。例としても,丸のところが現行で認めている部分についてでございまして,その下のばつ二つの部分についての基準の改正を行うものでございます。
 特例範囲の一つ目がばつの一つ目でございまして、独立大学院を除く大学院の専任教員を学部学科段階の専任教員として充てていくものでございます。もともと教員養成課程は学部学科段階を基本構造としてとらえてきたこともございまして、今のところ基準は、大学院段階の専任教員を学部学科段階の専任教員として充てることは不可能としてございました。しかしながら、教員養成の修士レベル化が段階的に進んできていること、大学院の重点化が、平成の段階になりまして、財政的な予算措置もあり長期的に進んできたこともあって、現段階では現実には大学院の教員定数として配置されているという状況がございます。その結果として、大学院の専任教員が学部課程の授業科目を兼務する教職課程が事実上、かなり存在すること、そもそも当該教員を大学院段階の教員として位置付けるのか、あるいは学部学科段階の専任教員として位置付けるのかについては、現行の大学院の設置基準でも大学の判断でできることと定められていることから、事実上、両段階の専任教員として充てることができている状況があることなどを踏まえまして、大学院段階の専任教員を学部学科段階の専任教員として充てることを可能とすることが適当と考えての基準改正になっております。
 もう一つ目が、独立大学院のうちの教職大学院についてのものでございます。これまで独立大学院であります教職大学院につきましては、あくまでも学部学科段階あるいはほかの修士課程の大学院とは独立した組織であることから、学部学科段階の専任教員を教職大学院の専任教員として充てること及び教職大学院の専任教員を学部学科段階の専任教員として充てることは不可能という基準となっておりました。しかしながら、教職大学院は設置構想の当初の段階から「学部段階での資質能力を修得した者の中から、更により実践的な指導力・展開力を備え,新しい学校づくりの有力な一員となり得る新人教員の養成」として平成18年の答申のときに記載させていただいておりまして,現職教員の再教育のみならず,学部学科段階からのストレートマスターの入学を当初から予定していることもございまして,一般の独立大学院とは異なり,学部学科段階の教育と密接に関係していることもありますことから,単純な独立大学院としての整理だけではなくて,一般の大学院と同様のものとして整理することが望ましいと考えられるものでございます。このため,学部学科段階の専任教員を教職大学院の専任教員として充てること及び教職大学院の専任教員を学部学科段階の専任教員として充てることを認めることが適当と考えているものでございます。
 具体的な基準の条文につきましては,この資料の14ページを御覧いただければと思います。基準5-8の(4)のところについて,赤字で見え消しという形での修文をさせていただいているところでございますが、「大学の学科等が有する教職課程と、大学院等の研究科専攻等が有する教職課程の免許状の種類の学校種が同一である場合、それぞれの教職課程(教職大学院にあっては教員養成を主たる目的とする学科等)の専任教員として取り扱うことができる」と改正を考えているものでございます。
 こちらの基準の適用日は、15ページの12番、適用時期を御覧いただければと思います。「本基準は、平成28年度からの教職課程の認定を受けようとする申請校に適用する」と考えているものでございます。条文が若干変化している理由は、これまでは課程認定は、当該前年度に申請していただきまして、その年度内に認定し、翌年度から入学者を受け入れるという体制であったところ、今年度につきましては、ちょうど移行時期でございまして、28年度の認定については前々年度の3月末までに各教職課程大学が申請することとなっていることから、この条文に変更しているものでございます。
 なお、基準の改正日といたしましては、先ほどお話しさせていただいたとおり、大学院に専攻ごとに置く教員の数に係る告示の改正日をもって、この教職課程の認定基準の改正日とさせていただきたいと考えるものでございます。
 以上でございます。
【小原部会長】  何か質問ございますか。
 大坪先生。
【大坪委員】  資料5あるいはその後の改正案について、内容は理解いたしますし、喫緊の課題を解決するためにこういうことが必要だということは十分、理解しているつもりです。また、資料5の下の特例範囲の拡大でいえば、(1)については了解いたします。
 ただ、2ページの(2)について、例えば20年近く前の免許法の改定時、教職科目が増えた時点でも、各大学が教職担当者を増やしたことは余りない。こういう中で、地方の国立大学を中心に、教職大学院を設置するときに教職担当者、特に教育学、心理学、特別支援の先生たちが、この結果、かなり過重な負担になることが予想されます。恐らく文科省から見ると、それは各大学で差配すべきことという御理解があるかと思うんですけれども、以前の免許法の大改定によっても教員数の増加はなされてきていないという中で、これが実際に各大学でやられるときに、何らかのそれに対する政策誘導的なやり方はないものだろうかということを意見として申し上げておきたいと思います。
【小原部会長】  よろしいですか。
 それでは、予定していた時間を若干過ぎてしまいましたが、本日の審議はこれまでといたします。
 今後の日程について、事務局から説明をお願いいたします。
【山下教員免許企画室長】  今後の日程につきましては、また追って御連絡申し上げたいと思います。
 以上でございます。
【小原部会長】  それでは,これで閉会といたします。どうもありがとうございました。

── 了 ──

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-- 登録:平成26年12月 --