ここからサイトの主なメニューです

教員養成部会(第73回) 議事録

1.日時

平成26年7月30日(水曜日) 15時~17時

2.場所

文部科学省 3F1特別会議室

3.議題

  1. 平成26年度教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について(諮問)
  2. 教員の養成・採用・研修の改善について
  3. 教育職員免許状施行規則等の一部を改正する省令等(案)について
  4. 教育職員免許状施行規則等の一部を改正する省令等(案)について
  5. その他

4.議事録

【小原部会長】 
 定刻になりましたので、ただいまから第73回中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会を開催させていただきます。本日は御多忙の中、御出席いただきましてありがとうございます。
 本日は、秋田委員、小川委員、佐々木委員、高橋基之委員、無藤委員、吉村委員、渡辺委員から欠席の連絡を頂いております。なお、八尾坂委員から遅れて出席されるとの連絡を頂いております。
 また、先般、事務局において人事異動がありましたので紹介をお願いいたします。
【柿澤教職員課課長補佐】
 事務局の人事異動の方、紹介をさせていただきます。まだ全員そろっておりませんけれども、途中参加等もございますので御了承ください。この7月の人事異動におきまして、文部科学審議官に前川喜平が、初等中等教育局長に小松親次郎が就任しております。
【小松初等中等教育局長】
 初等中等教育局長を拝命いたしました小松でございます。どうぞよろしく御指導くださるようにお願い申し上げます。
【柿澤教職員課課長補佐】
 そして、初等中等教育局の教職員課長に茂里毅が就任しております。
【茂里教職員課長】
 茂里でございます。よろしくお願いいたします。
【柿澤教職員課課長補佐】
 教職員課の教員免許企画室長に山下恭徳が就任しております。
【山下教員免許企画室長】
 山下でございます。よろしくお願いいたします。
【柿澤教職員課課長補佐】
 そのほか、本日まだ来ておりませんが、高等教育局の私学部長に藤原誠が、初等中等教育担当の大臣官房審議官に中岡司と伯井美徳がそれぞれ就任しておりますので、御紹介させていただきます。以上でございます。
【小原部会長】
 それでは、事務局より本日の配付資料の確認をお願いいたします。
【柿澤教職員課課長補佐】
 それでは、本日の配付資料について確認をさせていただきます。座席表の次が第73回教員養成部会の議事次第、1枚ものでございます。
 次に、資料1が本養成部会の委員名簿でございます。こちらも1枚ものでございます。次に資料2-1といたしまして、教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定についての諮問でございます。次に、2-2といたしまして、平成26年度課程認定申請大学数についてという1枚ものでございます。次に資料3といたしまして、この中央教育審議会への諮問文でございます。次に、資料4-1といたしまして、これはA4のカラーの1枚もの、ワーキンググループにおける論点整理でございます。次に、資料4-2が教員の養成・採用・研修につついての論点整理の本文の方でございます。次に、資料4-3といたしまして、ワーキンググループにおける主な意見をまとめた資料でございます。次に資料5といたしまして、教育職員免許法施行規則等の一部を改正する省令等の説明資料という形になっております。
【小原部会長】
 それでは、議事に入ります。本日は、まず教員免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程認定について、諮問を受けることとします。
(茂里課長より諮問文を読み上げ、部会長に手渡す)
【小原部会長】
 今回の諮問の概要について事務局より説明、お願いいたします。
【山下教員免許企画室長】
 それでは、私より今回の諮問の概況につきまして簡単に御説明を申し上げたいと思います。資料は、資料2-1と2-2を御覧いただきたいと思います。今部会長にお渡しいたしました諮問の本文等が資料2-1でございます。それから、もう一つ、1枚紙の資料2-2というものをお付けしておりますので、そちらを御覧いただければと思います。
 今回の諮問の概況に関しまして、資料2-2の1ページ目は、申請を行った大学等の区分ごとの申請数をまとめております。そして、この表の一番下の欄でございますけれども、26年度の課程認定申請の大学等数ということで107、それから申請の課程は458課程ということでございます。これは昨年度より2大学、68課程の増加というふうになっているところでございます。
 それから、2ページ目でございますけれども、少し細かなデータを掲載させていただいております。申請のあった教職課程の学校種及び教科ごとの内訳につきましての25年度と26年度の比較をお示しさせていただいております。その中では、中学校の理科、同じく美術、それから高等学校の理科、美術、工業といったところが、前年度と比較してやや申請数が増加しているという状況が見られるところでございます。
 これらの申請につきましては、今後教員養成部会の下に設置されております課程認定委員会におきまして、認定を受けようとする学科等の目的、性格と免許状との相当関係、それから教育課程及びその履修方法、教員組織、施設・設備、教育実習の実施計画等につきまして審査を行っていただき、その上で平成26年の2月から3月あたりに開催予定の教員養成部会において答申を行っていただく予定となっているところでございます。以上、御報告をさせていただきました。
【小原部会長】
 ただいまの事務局からの説明について御質問がございましたら、お願いします。
 それでは、課程認定委員会の委員の方々におかれましては、審査のほどよろしくお願いいたします。
 次の議題に入ります。昨日、中央教育審議会総会において、子供の発達や学習者の意欲、能力等に応じた柔軟かつ効果的な教育システムの構築について、これからの学校教育を担う教職員やチームとしての学校の在り方について諮問がなされました。また、同時に、教員の養成・採用・研修の改善に関するワーキンググループにおいて、養成・採用・研修に関する課題について論点整理が取りまとめられました。諮問を踏まえた議論においては、今後正式には初等中等教育分科会において諮問された事項について、教員の養成・採用・研修に関わる事項について本部会で審議を行うこととするなどの確認をしていただくことになります。
 本日はこのような諮問がなされたことも踏まえ、ワーキンググループの論点整理を基に教員の養成・採用・研修について幅広く御意見を頂きたいと思います。
 それでは、まずワーキンググループの主査であります髙岡委員より、論点整理について説明をお願いいたします。その後、事務局から論点整理案についての補足説明、きのうの諮問についての説明を行った後、委員の皆様から御意見を頂きたいと思います。
 それでは、髙岡先生、よろしくお願いいたします。
【髙岡委員】
 ありがとうございます。それでは、ワーキンググループでこれまで議論をしてまいりました内容について、御報告をいたしたいと思います。
 私の方からは、主に資料4-1、論点整理(概要)を使って説明をさせていただきます。ワーキンググループは5月2日を第1回目といたしまして、都合4回会議を行いました。委員の先生方は4-2の資料の最後のページにございます、私も含めて8名の先生方で議論をいたしました。加えて、小原部会長先生、それから無藤副部会長先生にもオブザーバーという形で御出席をいただいていろいろ御指導いただきながら、7月24日の第4回の会議におきましてこの論点整理案というものをまとめたところでございます。では、具体的にワーキンググループの報告の中身について御説明をいたします。
 今回のワーキンググループの設置の趣旨につきましては、「はじめに」と第1章でまとめさせていただきました。4点ほどございます。1、新しい世紀の新しい教育、様々な教育改革が展開される中で、明らかに教員に期待される役割、資質、能力というものに変化が見られるということ。したがって、2、新しい教育を担う教員という職業は、これまで以上に高度な専門職という位置付けを社会的にも承認されるような強い中身が必要であろうということ。そのことを実現するために、3、直近の中教審答申等でも使われております「学び続ける教員像」という理念の確立と、それを現実のシステムの中で実現を図る仕組み、これを明確にする必要があるということ。4、そうした新しい仕組みを教員の養成・採用・研修という各ステージで実現するためには、各ステージの改善が必要だということ。つまり、教職生活全体を通じて、職能成長を実現するような環境づくりが求められていると。先生方には正に釈迦(しゃか)に説法、あえて申し上げるほどのことではございませんけれども、そのような必要性、趣旨について整理をいたしました。
 これらの論点を、これまでの中教審等の議論に落とし込みますと、直近の中教審答申、18年答申、24年の特別部会の答申等がございます。さらに、この両答申を踏まえて一歩踏み出す。高度専門職としての教員の養成・採用・研修、これをどう新しいものにしていくかということが重要な論点であろうかと思っております。
 ワーキンググループの議論につきましては、その出発の時点で、特段に具体的な諮問があったわけではございません。つまり、この養成部会で小原部会長先生の御指導の下で、いずれはこの問題に行き着くであろうという観点から、事前にワーキングを作ってしっかり論点整理をしておく必要があるのではないか、そういう見通しの下で始められたと理解しております。
 その意味では、小原部会長からも御指示がございましたけれども、今、養成・採用・研修に関わって考え得る改善点があれば、それは全て論点として提出をすること。さらに、ワーキングが余り先走ってここはこうだという決めつけではなくて、複数の案が提出されることがその後の議論を柔軟にする、こういう二つの貴重な御指示の下でワーキングは議論を展開したというふうに思っております。
 若干前置きが長くなりましたけれども、私どもといたしましては、目次にございます第2章以下が論点整理の具体的な中身と考えまして、提案をさせていただきます。具体的な改善の在り方ということです。
 4-1に戻りまして、その第2章は大きく3節構成でできております。まず最初は、「教員養成課程の改善」ということ、それから「免許制度の改善」ということ、更に「採用と研修の改善」、この3点について大くくりにいたしまして、それぞれ論点を抽出いたしました。
 まず、最初の教育課程の改善ということでございます。これは、現在の教職課程に何が新しく加えられるべきか、加える場合にどういう措置をとって加えることが必要かという論点でございます。その意味では、要は免許法、あるいは施行規則の別表の課程表の問題ということにもなります。
 例えば小学校の外国語活動、これを教科化する、必修化するというような動きの中で、小学校の先生に、例えば養成段階で英語、外国語を教える科目がこれまで準備されていない。この問題をどう考えるか、そういう論点がございます。学校改革の中で見えてくる新しい教育領域、それらを養成課程の中でどのようにこなしていくかということが論点として具体的に見えてまいります。
 その意味で、教育課程の見直しにおいて考慮すべき点を整理いたしますと、そこに挙げましたような幾つかの論点が見えてまいりました。加えて、ぽつの3番目でございますが、教科専門と教科の指導法の融合を実現する「教科内容構成」という分野を、新しく教科専門科目と教科の指導法の間に注入する、これが必要ではないかという点を指摘させていただきました。これまで教職課程というのは教科専門と教職専門、この二つで成り立っている。そして、大学の現場、養成実践の現場で申しますと、ややうがった見方になるかもしれませんが、教科専門と教職専門というのは必ずしも融合的にそこで一元的に管理されているわけではなさそうであるということです。
 したがって、学生は専門に必要な単位と教職に必要な単位をそれぞれ集めてくることで、教員としての資格が取得できる。この状況がこのままでいいかという論点を提示をさせていただいて、その間をつなぐ、つまり教員養成を教科対教職という対立図式ではなくて、教科及び教職を含んだ全体として、教職課程という一つのパッケージとして捉え直すこと、それが教員養成の本質ではないかという、当たり前といえば当たり前なんですが、現実の大学における養成のやはり大きな問題点であろうと思われているところを可視化する形で、明確に科目を設定してはどうかという提案でございます。
 この教科内容構成という領域は、教科の背景にある専門諸科学と、それらが学校教育の学習指導要領等に落とされたときに何がどのように加工され、教えられていくのか、そのことを明確にする科目、そういう領域が今まで教員養成課程の中で、一部は実践をされていた可能性はありますが、少なくとも法的な根拠を持ってその科目があったわけではないという意味で、ここの改善は是非とも必要だと考えました。
 それから、更に具体的に学校段階間の接続、円滑な移行というテーマもございますし、特別支援教育に関して、やはり教職課程で一部の科目の中に潜ませるのではなくて、明確にその教育領域を明示すべきではないかという議論もございます。もちろん、小学校外国語、あるいは中高の英語による英語の授業というような新しい課題もございますので、そうしたものを免許法の中に取り込んでいく作業、これが今後必要であろうかと思っております。
 さらに、高度専門職としての教員を育てるということは、基本的には大学院段階の教育を教員の養成の根幹に据えていくという論点が重要だと思います。教職大学院という制度が18年答申の後に新しくできたわけですが、それらを更に全国的に広げていくこと、そして、その教職大学院が養成段階、あるいは現職研修にとって重要な意味を持つ制度であるということを具体化していくプロセスが今必要なのではないか。そのためには教育行政と大学の連携ということが、単に掛け声ではなくて、実質的に教職大学院等をめぐって展開されることが重要だという論点を提示いたしました。
 2番目は右側でございますが、課程認定制度です。これについては、現在、大学は入り口の設置という問題から、むしろその後の事後評価、事後認証というところに論点が移っているはずですが、教職課程については依然として課程の認定という入り口管理にとどまっています。これは許認可行政でございますので、それでいいという考え方もあるかもしれませんが、私どもとしては大学教育の質保証ということがこれだけ問われている中で、教職課程についても、教職課程としての質保証を明確にするために、事後の評価ということも取り入れるべきではないかと考えました。
 その取り入れ方は幾つか案を示しました。一つは、教員に免許更新制が導入されているのであれば、教職課程についても一定期間ごとの更新制が必要ではないかという論点。あるいは、通常の大学の評価と同じように、第三者機関による評価を導入して、大学の努力というものを積極的に評価するような仕組みを作る必要があるのではないかという2案の提案をいたしました。
 更に教職課程の編成について、今は学部・学科単位で実際に課程の認定が行われておりますけれども、複数の学位課程をくくって、取りまとめて一つの教員養成課程を作るような柔軟な課程認定をやることも可能ではないかと考えました。
 更に一歩進めれば、教職課程は大学の社会的責務、あるいは社会的使命を実現する重要な教育領域だということを認識する大学が、大学全体として課程に責任を持つ、大学としての認定ということを検討してはどうかという議論をいたしました。
 次に、2番目の免許制度の改善です。現在、学校段階間の接続という問題、つまり6・3・3制という制度の硬直した部分を改善しようという動きが政策的に展開されつつあります。そうであれば、それに対応できる教員の養成もそれに見合う形のものが必要であろうということで、複数学校種の教員免許を取得できる課程の設置ということができないかという議論が持ち上がりました。
 したがって、丸1でございますが、現行制度、今の学校種別の免許制度の中で併有を進めるような、何か具体的な提案ができないかという案から、最初から複数校種を取ることを前提にした免許制度、例えば初等教育と中等教育というような免許制度を新設する案まで、3案作ってみました。それから、同一学校種の複数教科の免許状取得についても3案提示をいたしました。更に3番目、小学校において教科専科教員として指導もできる。単に専科教員だけではなくて、担任も可能なような免許制度というものが構想できないかという議論もいたしました。
 さらに、そうした1、2、3にわたるような学校種を超えた、あるいは教科を超えた免許取得について、特段に取り出して、特に専修免許状の中で「高度専門免許状」というような枠組みを作って、これまでの一から取る免許状ではなくて、基礎資格を持っている人たちが、新しい免許の取得に一定の単位を修得すれば新しい複数学校種、あるいは複数教科の免許が取得できるような仕組みにならないか、こういうことを検討いたしました。
 最後に3番目ですが、採用と研修の改善ということです。なかなか採用問題、研修問題というところまで、4回の会議で全部踏み込むことができないというところがございまして、少し尻切れとんぼのところもございますが、最終的に取りまとめましたことは、高度専門職としての教員の養成、それらを養成から研修段階へうまくつなぐことによって、高度な資質能力を持った先生方をたくさん輩出をする。
 それは単に養成だけの課題ではなくて、採用や研修を通じてそのことを実現していくべきだと、そういう論点を提示するために、特徴的に教職大学院の修了者について、やはり相当の力量を付けた、ストレートマスターであれば力を持った学生であるということを前提に、加えて、教職大学院のプログラムを行政と大学がしっかり連携をして作ったということを自信を持って提示できるということを前提に、教職大学院のより定着度を高めていく、あるいは結果として大学院修了者が教員になる、そういう道を幅広く拡大していくという必要があるのではないかということを提案をいたします。
 もちろん、2番目の丸の研修の高度化への取組ということ、現職教員を対象にした教職大学院等の積極的な活用ということは当然のことでございます。
 それから、現職教員について、現在も免許を持っている先生方は、学校種ごとの免許を持っているわけですから、単純に言えば学校種を超えて指導できる資格を持った教員というのは10年、20年たたないと育ってこないということになります。したがって、研修の中で新しい学校種を超えた複数校種で教えられる資格を取得できるような研修のプログラムパターンを作って、積極的に認定講習であるとか、免許法の更新講習であるとか、あるいは都道府県等で実施される研修、大学で行う研修等をフル活用して、現職教員にできるだけ新しい資格を取得できるような道を整備することも重要であろうと考えました。
 そのためには、重ねて申し上げますが、大学と教育行政の徹底した連携・協働、このことが実現しなければ、教職生活全体を通じた職能成長を実現する環境づくりというものは単に絵に描いた餅に終わってしまいますので、最後には両機関の連携・協働を是非進めていただきたい。そういうことを申し上げて、論点整理を終えたところでございます。
 まだまだ議論すべき課題はたくさんあろうと思います。今後、昨日の中教審への諮問内容等もございます。これからが教員養成部会での議論の本格的な時期に入っていくと思いますので、その事前に3か月ほど掛けて、私どもワーキンググループで整理をいたしましたこの論点がもし生かしていただけるのであれば、我々にとって望外の喜びでございます。
 相当詰めた議論をさせていただいた上での結論でございますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。御質問等ございましたら、またお答えしたいと思いますし、事務局からも少し補足的に説明をしてもらいたいと思います。
【片見教職員課専門官】
 では、事務局より、特に概要資料でいいますと2.の教員免許制度の改善について少し詳細に御説明させていただきます。
 こちらについては、資料4-2の後ろの方に別紙というものを幾つか付けております。特に2.については別紙3-1から別紙3-4というところを御覧いただければと思います。まず別紙3-1についてでございます。これは、複数校種の免許状を取得するパターンとしまして、どういった制度が考えられるのかということを複数案考えたものでございます。左上が現行制度になってございます。現行制度は、幼小中高と、それぞれ学校種ごとの免許状がありまして、更に中高については教科ごとの免許状があるということになってございます。
 これを一番ドラスティックに変える案としましては、右下の(3)複数校種の免許状を基本とする考え方ということでございます。要は、これは幼小の免許状、小中の免許状、中高の免許状という免許状に今の免許制度をがらっと変えてしまうというような案でございます。この案ですと、それぞれ複数校種で教えられる、そういった能力が備わっている先生が必ず輩出されるということになるわけでございますが、ただ、例えば小学校だけで私は教えたいんだとか、中学校だけで教えたいんだという方のための免許状がなくなってしまうという点もございます。
 そういったことから、左に移りまして(2)現行免許状と複数校種の免許状を併存させる考え方としましては、今言った(3)のような免許状を今の制度にプラスして作ってみてはどうか。こうすることによって、一つの学校種だけを教えるような方、二つの学校どちらも教えたい方について、どちらについても対応できるような免許制度となるのではないかということになります。ただ、こちらの場合はこの絵でもちょっと分かるように、かなり免許制度が複雑になってしまうというところが課題ということになってございます。
 それから、右上については、今の制度を一番変えないやり方でございますが、現行免許状を基本に併有を促進する考え方になってございます。今でも、小中、中高等の免許を同時に取得する場合には、ばらばらに取得する場合に比べて少し必要な単位数が減じられているわけでございますが、こういった必要単位数を更に減じるといった措置を講じるとか、あとは先ほどもお話にありましたように、免許法認定講習だったり、免許状更新講習というところをもう少し促進を図っていきまして、現職教員の方に違う学校種の免許状を取っていただくという併有を促進するというような環境を整備していくというような方向で進めていくというのはどうかという案でございます。ただ、こちらの場合は、併有がどこまで促進されるかというのは大学や学生次第になってしまうというような課題もございます。
 続きまして、別紙3-2について説明させていただきます。これは、同一学校種の複数教科の免許状を取得するというパターンの考え方になってございます。これは、それぞれ先ほどの別紙3-1で、それぞれの案をとった場合に、複数教科の免許状を取る場合には、どういうようなパターンが考えられるのかというようなところを考えたものでございます。先ほどの別紙3-1で、現行免許状を基本とする併有を促進する考え方をとった場合には、これは(1)になりますが、例えば高校の理科、高校の数学、どちらも取っていただくというようなことで、シンプルな形になるということでございます。
 これが(2)の方で、現行免許状と複数校種の免許状を併存させるような考え方をとった場合には、そういったただ単に高校で二つの教科の免許状を取る場合もあれば、例えば高校の免許状と中高の免許状で二つ取るような考え方、取るような取り方、又は小中の免許状と中高の免許状で違う教科を取るような考え方というふうに、詳細に考えていくと様々な取り方がございまして、なかなか混乱するのではないかなというようなことがワーキンググループでも議論がなされました。
 それから、別紙3-3に移っていただきまして、こちらは別紙3-1の派生ということで考えていただければとも思います。小学校については、今全教科教えられる免許状しかないということになってございますので、小学校で例えば一つの教科の指導と、担任が可能な免許状というのを作った場合どうなるかということを考えてみた資料でございます。一番左の形が小学校の免許状、黄色の丸四角で書いてあるものですが、例えば小学校教科・英語の免許状を作ったという場合、これだけを取っていただく方もいらっしゃれば、例えば中学校の英語と併用していただく方もいらっしゃる。若しくは、小学校の音楽を取っていただく方が幼稚園免許と併用していただくというような取り方も考えられるようになるのではないかというものでございます。
 また、真ん中の方に黄色の棒が二つあります。これは、先ほどの左の図で小学校の英語、中学校の英語を併有するということが考えられるのであれば、いっそ小中を合わせた形で小学校、中学校で一つの教科と、どちらの段階でも担任ができるような免許状を作るということも考えられるのではないかという案でございます。
 一番右の方が、更に高校についてもそれにプラスをして、小中高の全ての段階で一つの教科、及び担任ができるような免許状を創設するということも考えられるのではないかという案になってございます。
 最後、別紙3-4でございます。この図を見ると少し分かりにくいところがあるのですが、要はここは専修免許状については、今一種免許状を取得した後、大学院段階で教科の科目であっても、教職の科目であっても、いずれの科目であってもいいので、24単位取れば専修免許状というものが授与できるということになっております。この表の右下のところで、高度専門免許状の種類(例)と書いてあるところの大文字A、B、Cを見ていただければと思います。
 例えばそういった24単位について、一定のこういった内容の科目を取っていただくということを法令で規定をしまして、例えば学校経営や管理に強いような方のための免許状、若しくは学習指導の能力が強い人のための免許状、それから生徒指導や教育相談等々の分野に強いような人のための免許状というのを作るということも考えられるのではないかというものでございます。
 さらには、この下に幼小接続、小中接続、中高接続と書かせていただきましたが、そういった免許状の中で、例えば幼小の接続部分について深く学んでいただくというような免許状を作ることも考えられるのではないか。さらに、そうした場合に、例えば幼稚園の免許状とこの幼小接続の免許状を取った場合には、小学校段階でもある程度授業、学級担任等々の対応が法令上認められるような、そういった制度も考えられるのではないかというようなことが議論されたということでございます。
 いずれにしましても、幾つかの案を提示させていただいているというものです。これを基に、教員養成部会の中でも更に議論を進めていただければと思っている次第でございます。以上です。
【柿澤教職員課課長補佐】
 それでは、最後にこの委員の先生方の御議論に先立ちまして、昨日の中央教育審議会への諮問について御説明をさせていただきます。資料3を御覧いただければと思います。昨日の中央教育審議会におきまして、二つの事項について諮問がなされております。一つは、子供の発達や学習者の意欲、能力等に応じた柔軟かつ効果的な教育システムの構築について、もう一つは、これからの学校教育を担う教職員やチームとしての学校の在り方についてでございます。
 資料を1枚おめくりいただければと思います。この1点目でございますけれども、こちら、先般教育再生実行会議におきまして、今後の学制の在り方等について第5次提言というものが出されましたけれども、これを踏まえた諮問ということでございます。教員養成等に関わるところだけかいつまんで御紹介をさせていただきますと、このページの一番下のところ、第一に、小中一貫教育の制度化をはじめとする学校段階間の連携の一層の推進についてでありますとございます。
 次のページを見ていただきまして、教育再生実行会議では、幼稚園と小学校、小学校と中学校などの学校間連携の一層の推進や、小中一貫教育の制度化、また、これらを踏まえた教員免許制度の在り方などについて提言がなされておりますが、この中でも喫緊である以下の事項について、御検討をお願いしますと。
 丸でございますけれども、中1ギャップと呼ばれる中学校進学に伴う環境変化への不適応への対応、小学校への外国語活動の導入をはじめとした学習内容の改善への対応等を考慮し、小学校教育と中学校教育の接続について、小中一貫教育を学校制度に位置づけ、9年間の教育課程の区切りを柔軟に設定できるようにすることなどにより、学校段階間の連携の一層の推進を図る必要があるが、これまでの全国各地の先導的な取組の成果・課題を踏まえ、どのような制度設計が考えられるか。また、その制度が有効に機能するための教員免許制度はどうあるべきか。さらに、小中一貫教育を全国的に展開するとともに、取組の質の向上を図る観点からどのような方策が考えられるか。このようなことが諮問理由としてございます。
 2点目の方は、高等教育機関における編入学の柔軟化ということでございますが、説明は割愛させていただきます。
 更に1枚おめくりいただければと思います。こちら2としまして、これからの学校教育を担う教職員やチームとしての学校の在り方についてでございます。こちらも諮問理由の方ですけれども、二つ目のパラグラフ、知識基盤社会においてというところでございますが、子供たちが、自ら課題を発見し、他者と協働してその解決に取り組み、新たな価値を創造する力などを身に付けることが不可欠であるという認識が示されてございます。
 また、中段のところでは、先般この部会でも紹介させていただきましたOECDの国際教員指導環境調査(TALIS)において明らかになった課題、批判的思考を促すことや学習への動機付けをすることなど、主体的な学びを引き出すことに対して自信を持つ教員の割合は非常に低いと。また、参加国中でも勤務時間が最も長いというようなことも課題として掲げてございます。
 これを踏まえて――その次の段落ですが、これからの教育を担う教員には、例えば、子供たちが一方的に教えられる受け身の授業ではなく、ICT等も活用しながら、課題の解決に向けて主体的・協働的に学ぶ授業を通じて、これからの時代に求められる子供たちに確実に身に付けさせることができる指導力が必要ですという形にしてございます。
 これらを踏まえまして、具体的な検討のところにつきましては、次のページを御覧いただければと思います。こちらも諮問の事項としまして更に第一に、第二にと二つございます。一つ、「第一に」ということで、これからの教育を担う教員が必要な資質能力を身に付けることができるようにするため、教員養成・採用・研修の接続を重視して見直し、再構築するための方策についてでありますということで、具体的な検討の視点としまして3点ございます。
 下の丸のところでございますが、主体的・協働的に学ぶ授業を展開できる指導力、教科等横断的な視野を持って指導できる力、小中一貫教育など学校種を超えて指導できる力や小学校における教科指導の専門性などを身に付けさせる観点から、教育職員免許法に規定されている教員養成課程で学ぶべき内容や課程認定の在り方も含め教員免許制度をどのように見直していくべきか。その際に、特に学校現場を経験する機会の充実も含め、どのような方策が考えられるか。
 2点目として、教育養成・採用・研修の継続を強化しつつ、採用の前、又は後に学校現場で行う実習・研修を通じて適性を厳格に評価する仕組みの導入や、選考過程の改善を図る取組を推進するため、どのような方策が考えられるか。
 3点目として、教員を目指す者や教員が、養成段階から教職生活全体を通じて、資質能力を深化・発展させることができるよう、教員養成・採用・研修の各段階における学校・教育委員会と教職大学院等大学との連携・協働の取組を推進するため、どのような方策が考えられるか。その際、特に、研修の内容を高度化する観点から、教職大学院等との連携の推進を含め、どのような方策が考えられるかということでございます。
 1枚めくっていただきまして、「第二に」ということで、教員が指導力を発揮できる環境を整備し、チームとしての学校の力を向上させるための方策についてでございます。
 こちら、教員が専門職として指導力を十分に発揮し、更にそれを教職生活全体を通じて学び続ける中で伸ばしていくことができるような環境を整備するとともに、従来よりも複雑化・多様化している学校の課題に対応するため、教員の勤務・処遇等の在り方や、多様な専門性や経験を有する者の配置の学校の組織運営の在り方等について、財政上の措置も含め、御検討をお願いしますというふうになってございます。
 こちらもそれぞれ諮問の視点ございますけれども、人事評価に関わること、あるいは教員と教員以外の者がそれぞれの専門性を連携して発揮して、学校組織全体の総合力を高めていくための方策、主幹教諭や主任の在り方など学校の組織運営体制の充実方策、指導教諭や指導主事の養成や活用の在り方など指導体制の充実、こういったことが検討の視点という形になってございます。
 なお、こちらの諮問ですけれども、冒頭、小原部会長から御紹介がありましたが、正式には今後初等中等教育分科会におきまして、これらそれぞれの諮問された事項につきましてどのような体制で検討していくのかということについて確認をしていただくということになります。基本的には、我々事務局の考えといたしましては、こちらの学校教育を担う教職員やチームとしての学校の在り方の第一の部分、教育養成・採用・研修の接続を重視して、見直し、再構築するための方策、こちらにつきましてこの教員養成部会におきまして議論を進めていくことになろうかと考えているところでございます。
 また、小中一貫教育、あるいはチームとしての学校という部分につきましては、別途何らかの検討の場の設置ということになろうかとは思いますが、こちらも、いずれにしましても、それぞれの諮問されている事項につきましては、この部会で検討している事項とも関わりがあることでもございますので、この諮問を踏まえた検討の体制、あるいはその状況につきましては適宜御報告をさせていただきたいと考えております。以上でございます。
【小原部会長】
 それでは、ワーキンググループでまとめていただいた論点整理を踏まえて、御意見などがありましたらお願いいたします。なお、ワーキンググループ以外の先生方の意見を優先したいと思いますが、限られた時間の中で全ての委員が意見を発表するとなると1人2分から3分ぐらいになってしまいますので、できるだけそれを目安にして御意見を出していただければと思います。よろしくお願いいたします。
 梶田先生。
【梶田委員】
 髙岡先生のワーキングで、本当に大事な仕組みの点での論点は整理されたと思うんです。先ほどありました、もちろんまだ幾つも選択肢はありますが、ここからできるだけ私からお願いしたいのは、シンプルな方向にね。今でも教育職員免許法は複雑過ぎますので、できるだけシンプルな方に何とか持っていってほしい。
 私が申し上げたいのは、その上で今ここで私、問われているのは、昨日の中教審への諮問、これにもありますが、今の子供にどういうふうに対応した教育ができるかだと思うんです。教師の専門性ということで、教科の専門性、算数、数学だとか国語の専門性は語れるけれども、子供理解の専門性が私はこのところ非常に少ないのではないかと。これは、例えばなぜ6・3・3制が昔日本に導入されて、これ、ある程度うまくいったと思うんです。これは日本だけではありません。
 6・3・3制が日本に導入されたときに、アメリカはほとんど全部が6・3・3でやっていたんです。ところが、今やアメリカで6・3・3というのはほんの数%、特例です。ほんの数%。何でそうなったのか。これは子供の発達が変わったからです。全く発達の仕方が変わったので、ただ単に小中を一緒にすればいいという話ではなくて、思春期発達が少なくとも2年は早まっている。そして、5歳児段階では1年は最低早まっているという、いわゆる発達加速化現象、これを踏まえて、カリキュラムも、それから一番大事なのは授業の仕方、これも変えなければいけないというところがあるわけです。もう6・3・3という枠ではない。
 これも若月先生が十何年前から強くおっしゃって、品川では一つの仕組みとしてやろうということで、品川方式のカリキュラムを作られたり。私、仙台では10年前からそれを取り入れさせてもらって、やらせてもらってもいますが。こういうことを養成の中でどういうふうに勉強させるか。今残念なのは、まだ幼稚園の教育だって遊ばせておけばいいという、5領域で。遊びだという考え方。じゃないんですよ。
 それが、子供が発達が変わっているということが分かっていない。あるいは、小学校5・6年、小学校教育だから具体的な操作、あるいは体験から入っていく。これでいいと思っているんです。これはいわゆる形式操作。抽象概念を中心とした学習をやらないとぴんと来ない時期なんです、5・6年ね。というようなことが、どこまで今養成の中、あるいは研修の中でやられているか。
 これは既に四六答申、昭和46年、1971年の答申で、これ大事な検討事項として言われていて、その当時の、つまり高度経済成長が済んだ後の子供の実態がその10年間どう変わっているか示されているんです。是非そこをおさらいしてもらいまして、これはカリキュラムの作り方もそうだけれども、教員についての専門性の中身、このことを考えていただきたい。
 ついでに言いますと、1970年代にはそれを踏まえて文部省の中に研究開発室に出されて、私はそこでお仕事をさせてもらって、お勉強をさせてもらったわけですけれども、そのときに子供の心身発達がどれだけ変わっているかという資料を文科省はまとめられたんです。そういうものを今こそ踏まえて、ここで言いますと若月先生はそれを現場でやってこられたわけだし、あるいはそういう子供の実態に対応した授業が今なかなかということで、横須賀先生が何度もここでも御指摘しておられるので、そういうことを踏まえた養成・研修の在り方の議論ということを深めてほしいなと思っております。
【小原部会長】
 加治佐先生。
【加治佐委員】
 髙岡先生、どうもお疲れさま。おおむね賛同いたします。それで、ちょっと細かいことでお伺いしたいんですけれども、書かれているのかもしれませんが、読み取れないものですから。
 学部段階の教職課程を大幅に変えますよね。特に教科に関する科目と教職に関する科目を融合する。この発想は非常によろしいと思うんです。また、新しいカリキュラムで複数免許が取れるようにするとか、あるいは複数校種の免許を創設するとか、それも結構なんですが、現在は一種と専修免許があって、教職大学院のカリキュラムと、これは専修免許を取れますけれども、学部段階の一種免許を取るものとの連結がないんですよ。
 何を申したいかというと、要するに現行制度ではカリキュラム上のつながりがなくて、教職大学院は別の設置基準上にある。例えば共通科目20単位とか、実習が10単位とかあるんです。この新しい仕組みでは、教職大学院を出ると高度専門免許が出るということですね。学校経営等々、学習指導うんぬん、これは今までも出た考え方ですけれども。つまり、新しくなった学部段階の教職課程のカリキュラムと、高度なレベルの教職大学院のカリキュラムとの関係はどうなるのかということなんです。積み上げ方式なのか、あるいはこれまでと同じように全く別な考え方なのか、そこが書いてあるようでよく読み取れないということです。
【小原部会長】
 では、髙岡先生。
【髙岡委員】
 どうもありがとうございます。具体的に申し上げますと、そこまでの議論は十分詰められたわけではございません。学部段階の免許制度の在り方を3制度例示する。複数教科免の取り方ということについても、理論的には3通りある。合わせてそれだけでも6通りですから、そのあたりの図面の整理というところで我々の議論がとまっています。
 ただ、教職大学院をこれからの養成段階における高度な専門職性を確保する重要な制度であるということをもう一度確認すること。そして、そこを通過することによって、学生は学部段階では基礎資格を得たけれども、更に学校現場でしっかりとした教員として一人前の仕事ができるためには、そこを通過することが重要なんだというメッセージ、これを提案したいということでございます。
 そう考えると、今加治佐先生がおっしゃったように、そこのつながりということが次の課題として当然出てくるだろうと思いますので、今後議論を深めていっていただきたいと思います。
【小原部会長】
 油布先生。
【油布委員】
 今の質問と、その回答に関連するんですけれども、教員養成課程の改善ということで大学院段階でのことについてちょっと質問したいと思います。今、カリキュラムの関係はどうなっているのかという問題と、それから養成段階で教職大学院をしっかりと位置付けていくというようなお話がありましたが、実際の教職大学院には、ストレートマスターと現職教員学生が、カリキュラムや到達目標は若干違いますけれども、同じ大学院で学んでいるわけです。
 そうすると、例えば大学を卒業して教職大学院に来て専門職学位、専修免許も持った教職大学院修了生が何年かして、例えば中堅どころの教師になって、大学へ戻って勉強したいと言ったときに、その人は専門職学位も持っている、専修免状も持っているということになってしまうんですね。学び続ける教員像というときには、絶えず研究と理論と現場との往還とか、そういうことが必要だと思うんですけれども、現在の制度だとそれが非常に曖昧なままであり、整序されていないのではないかと思われます。
 この点についてどういうふうに御議論が進んでいるのか、その辺をお伺いしたいと思います。
【髙岡委員】
 ありがとうございます。今の御質問に的確に答えられるような議論を詰めてやったわけではございません。ただ、教職大学院という仕組みができて6年たちます。その間に、この教職大学院というのは、ストレートマスターの専門性を高度化するという側面と、現職教員の高度な研修を担う、この両方が制度としていわば密着して出来上がった仕組みだと思います。
 教員の養成・研修を統合するという意味で、教職大学院という組織は非常にうまくできていると考えて活用すべきだろうということです。これはストレートマスターのためだけの大学院レベルの教育であるとか、あるいは現職の教員だけ使えばいいのだということではなくて、両方でうまく使うべきである。その両方がうまく活用するために、実はどっちでいくのかという議論、あるいは疑問が必ず出てきます。そこを整序していくことを、免許制度というよりは教員の資質向上を図っていくための方策として大事にしたいと思います。
 私どもとしては、教職大学院のみならず、昨年の10月の検討会議、24年答申の後を受けて、「大学院等における教員養成の在り方」の検討会議の中で、専修免許状に一定の実践的科目を付加すべきではないかという提案がありましたが、そこも含めて、大学院レベルでの教員養成を是非具体的に実現していく道筋を御検討いただきたい、そういう提案です。
 その意味で教職大学院というのは、教職の高度専門職化を図るための一つの仕掛けなんだろうと思っております。教職大学院によって、何を専門職性高度化のために活用するのか、利用するのか。そのためにどういう組織が必要で、何を目指すべきかという議論は、今後の課題として我々の前に提示されているんだろうと思っております。
【小原部会長】
 横須賀先生、お願いいたします。
【横須賀委員】
 前回、何をしようとしているのかよく分からないというようなことを申し上げたと思いますが、今回論点がかなり整理されてよかったと思います。御苦労さまです。
 こういう論点整理の上で少し注文をさせていただきたいと思います。日本の教員免許制度、あるいは教員免許というのは学校種別と教科別を基本に組み立てられていて、この点は一種堅い制度だと思うんです。これがいわば6・3・3制という堅い制度を支えてきたんだと、私は思うのです。
 そして、それが今6・3・3制という方が揺らいできている。そうすると、それを免許制度は堅い制度でどう受けとめるのかという問題が出てきているということですね。この堅い制度そのものの中で、今までは学校種別で複数取れるようにするとか、教科別で複数取れるようにしようとか、そういう措置をとってきたと思うんです。取りやすくするという形で対応してきたと思うんです。そのために教員免許法がかなり複雑になってきたんだと思うんですけれども。
 どうも長年養成と研修に関わってきて思うのは、免許状というのを複数取ることで教員の資質能力というのは向上したんだろうかという疑いを持たざるを得ない。免許を二つ、例えば中高でも、小中でも、あるいは理科と数学でも、複数重ねて取ると教員の資質能力が明確に向上したということがあるならば納得いくんだけれども、そうかなと。
 学校という仕組みの中で担当しやすくなるとか、便宜的にはいろいろなことがあることは分かるんだけれども、その教員の資質能力が向上した、学校の教育力に非常に貢献したと言えるのかなという、素朴だけれども根本的な疑いをだんだん持つようになりました。
 それで、私は平面的に広がればいいというのではなくて、高い段階のものができないかということで、教職大学院に期待して、その制度を作ることに一臂(ぴ)の力をかしてきた。期待は持っているんですが、本当にこれでそういうことが起こるのか。やっぱり教職大学院も堅い免許制度の中のいわば一つ段階を上げてみたということではないかと思うんですが、思い切って教員免許制度そのものを柔らかい構造にするということはできないんだろうか。それが一つ。
 かつ、免許制度はもう一つ、大学における単位履修によって実現するということでやってきているわけですね。免許を複数取っていくと資質能力が向上するという考え方と、それから、単位を重ねれば、それが資質能力を向上する、あるいは保障するという考え方によってずっと何十年もやってきた。でも、やっぱりこれも本当なのかなと疑いを持たざるを得なくなっている。
 だから6・3・3制という堅い制度も柔軟化が起こる中で、免許制度そのものをもっと柔軟にして、本当に資質能力を保証する仕組みにしないといけないという課題がここに出てきたんだと思います。ですから、私はさっきの免許の取り方の分類の中で、くっ付いている資料の別紙の中で、一番究極のところに行ったのが別紙3-4ですね。ここで高度専門免許状という今までにないものが出てきて、それから、よく分からなかったけれども、接続の免許状というんでしょうか、こういうのが出てきた。
 こういうものをむしろ深めて、総合免許状とか、そういうのっていいか悪いか分からないけれども、どこの学校だって、どの教科だって、やっていいんだという免許状を作れないんだろうかということ。それを単位の履修じゃなく実現するという方法はないんだろうかと。
 やっぱりある種の能力や資質の保証の上でそれが獲得できるという仕組み。私は、前からもう単位の履修ではなくて、それは前提とした上で、国家試験という方法はないのかということを言って、賛同していただいたり、無理だよという声を頂いていますけれども。全部の免許状についてそういうことをしなくても私はいいと思うんですが、こういう単位履修を超えた免許というものが実現するなら、それはむしろ特定の試験において授与されるということがあるのかなと思う。
 ですから、こういう堅い免許状の履修のどうやったらしやすくなるかというのを超えていく時期が来ているのではないかという観点に立って、もう一度御検討いただけると私は有り難いし、前進するんじゃないかなと思います。
【髙岡委員】
 特にお答えになっているとは思いませんし、ワーキングの議論をまとめると、今の横須賀先生の御意見、お考えに対応できるものがあるかと言われると、そこは非常に難しい。十分議論を尽くしていないところだと思いますし、次の課題に是非したいというふうに私どもも思います。
 単位を集めることで免許になるという、この構図だけはどこかで風穴をあけたいと思っており、養成プログラムというのは全体でパッケージなんだということを、特定の領域の教育を作ることによって一つは達成できる可能性がある、その期待があるというふうに申し上げました。
 しかし、議論としては、教職大学院が設置される前後のところで、あの当時は規制改革ということを非常に強く言われて、先生に免許は要らないという極論まで出ましたね。私は、その場に直接居合わせたことはなかったんですが、いい人が先生になればいいと、免許を持たせるというのは参入規制だという議論が極論でありました。しかし、免許を持っていない人間を教員にすることはできないというのが、我が国の教員の養成と任用、免許法と教特法の基本的な考え方であると、それは間違いないわけです。
 そこまで戻る必要はありませんが、今横須賀先生がおっしゃっていただいたような、堅い制度を柔軟化するということについては、私も個人的にはそうすべきだというふうに思います。単位をそろえれば、あるいは免許を2枚、3枚持っていれば、その人は優れた教員であるはずだというのは、これは実は単なる想像にすぎない。その意味で、教職大学院という制度を活用することで、そこを通過させることで、やはり本当の意味の教員が育つという仕組みを社会的に作っていかなければいけないだろうと思うんです。
 学部段階で20万人の学生が免許を毎年持って出る。実際には1万五、六千から2万弱の教員しか採用されない。これが免許の水増し現象を生んでいて、教員の社会的地位を脅かしているという議論も一方ではあるわけです。しかし、予備軍をたくさん作っておくことは決して悪いことではない。本当に教員になっていく層を行政の初任者研修なり、免許状を踏まえた研修でも育て、同時に、大学は教職大学院なり、あるいは一般の学部の上に乗っている大学院を通じて本気で育てる。単位を拾った拾わないということではない、本当の意味の大学教育の課題として、この問題に真摯に取り組む姿勢を作ってほしい。
 そのためには、学科単位の免許認定ではなくて、大学がちゃんと責任を持つ、そういう仕組みに変えていく必要があるだろう。今横須賀先生に御指摘いただいたような中身が「報告書」のあちこちに分散はしていると思いますけれども、何とか含ませているつもりでワーキングの委員は議論をしてまいりました。「もうこの機会しかないのではないか」というのは、実は18年答申のときも、24年答申のときも同じように言われたんですけれども、今回も同じように劇的に変えるにはここしかないんじゃないかという意気込みで、是非部会として御議論いただきたいというふうに思っております。
【小原部会長】
 酒井先生。
【酒井委員】
 ありがとうございます。幾つか非常に大きな変更ですので、まだ分からないことだらけで、質問させていただきたいんですけれども。
 一つは、今先生がおっしゃられたことからにした方がいいと思うんですけれども、大学で責任を持って教科と教職科目を一つのパッケージとして、養成カリキュラム、養成体制を作るという考え方は、開放制をある程度制限していくということになるのか。開放制の下で、あるパッケージという――ちょっとそれが分からないんですが、ことなのか、どういう方向を目指すものなのかというのを、ちょっと一つお聞きしたいというのが一点です。
 もう一点が、ちょっとまた少し違う論点なんですが、一方の局では、これは高度専門職化ということで、教科と教職の専門を横断するような科目ですとか、それから大学院の充実ですとか、そうした方向で行っているんですけれども、一方では複数の免許が取れると。ということは、各教科種の単位数は減らしていくということになるんだと思います。それは、一方では、負担を軽くしていくような、高度専門職化になるのかなというようなところで、その両者の関係はどういうことかということが2点目。
 もう一つ、またこれも違う論点なんですが、小学校免許で英語の単科ですとか、そういうものを作るということなんですが、それは目的養成の考え方を――これは前回の話にも出ましたが、大きく離れていく。今まで中高の免許を出していたところが、要するに開放制の下にある大学が小学校免許を出すということができるようになるということだと思います。それがどういうことを意味するのかということ。
 この3点をお聞きしたいと思います。
【髙岡委員】
 1点目のいわゆる教科専門、教職専門の垣根を取ってパッケージにして、教職課程というものをきちんと作るということが開放制の制限になるという議論は、多分当たらないだろうと思います。大学が自己の責任の問題として、うちはきちんとこの学校種とこの教科についての免許を出すんだということを公表すること。そして、そのための管理をしっかり自らが責任を持つ。学科単位でやっているんじゃありません、大学がやるんですということを表明すること。
 さらに、特色ある取組をやっているところは学生を呼べると、そのようなことも起こるような柔軟な制度化を図るべきだと思っています。
 それから、複数学校種と教科種を取らせるという案は、3案で合計6案ありますけれども、実際のところは、やれることとやれないことというのは明確にあるわけです。全体として総単位数は増やすべきではないという論点は環境作りの一番目のところに書かせていただいておりますけれども、どこを削って何を増やすかというときの、これも私の個人的な感想の域を出ません。部会、ワーキングとして整理をしたということではありませんが、総単位数を減らしながら、新しい分野の教育領域は積極的に取り込んでいかなければいけないだろう。
 と同時に、やはり今、教科専門を20単位にして、中高でそれでいいとやっていることがやはりややミスリードになっています。20単位で教員の免許になるんだと、それで専門が済んでいるはずだという認識はやっぱり違うと思いますので、ある意味でこのミスリードを修正していくことと、できれば教科専門の単位は増やすべきだというふうに考えています。
 したがって、教科種をダブルでとらせるというのは、先ほどの横須賀先生の御質問にもございましたけれども、私も2枚持っていれば2枚分の専門性があるなどというような議論は、やっぱりしないんだということを一方で言わないといけない。積極的にこういう先生を育てるんだということを言うことは大事なことですけれども、それが2枚持っていれば専門性が2倍高まっていますというふうに読まれないような、ある種、消極的な、後ろ向きの説明ですけれども、それはしっかり国がすべきだろうというふうに思います。
 ただ、採用側(がわ)からすると、それが都合がいいわけですから、その都合のよさを前提に採用人事をやっていくということは、当然人事権を持っている都道府県、あるいは政令市の教育委員会としては依然として課題としてあるということは出てくるだろうと。そこも大学と行政、あるいは国と地方行政との間で十分詰めていただく議論だと思います。
 それから、小学校に教科の単科と担任を持たせる科目を入れてくるということが、小学校、幼稚園の目的養成を齟齬(そご)することになりはしないか。それは正にそうだと思います。しかし小学校だけがなぜ目的養成だけでなければならないかということについて、そろそろ疑問符をつけてもいいというふうに実は思っています。
 それと、そこまで大上段に振りかぶらなくても、それは決して小学校全科教員について大きな影響を与えるほどの変更ではないというふうに考えてもいいかもしれない。そのように思っています。
【小原部会長】
 吉田先生。
【吉田委員】
 ありがとうございます。ちょっとまた原点に返ってしまうような質問をして申し訳ないと思うのですけれども、実際ここ10年ぐらいの教員免許状の変化という部分では、やはり教員の資質能力向上というのを大前提において、10年更新制ができ、それを見つつ、専修免許状とか、今度そういう免許状の改善というお話があったわけです。今回のこの教育再生実行会議ができてからの改革というのは、全く全てが海外を基準にしていると言うと言い方が変ですけれども、例えば達成度テスト1つとっても、海外の入学試験の制度をまねして、比較して、それから、今度出てくる学制改革の話にしても、日本だけがこの堅い6・3・3制をとっているけれども、海外は変わってきているうんぬんと。
 そういう意味でいうと、非常に海外にまねていこうと言うと変ですけれども、変えていこうという部分がある。そういう意味では、海外との比較というのが必ず出ていたんですけれども、今回、この教員免許状だけに限っては日本のことだけですね。実際、海外の状況はどうなのかというのは、私は是非一覧表を出していただきたいなと思うのですけれども。
 私が知っている範囲ではというか、私の関係の姉妹校などでは、アメリカですと、大学を卒業しているという学士という資格をもとにして教員になって、そして何年かのうちにキャリアアップしないと、大学で何か単位を取らないと、例えば給料が上がらないとか。そして、日本と大きな違いは、やはり契約制という部分があるのだと思いますけれども、日本の場合、終身雇用ですから身分保障されちゃう。そこに大きな問題があるのかもしれませんけれども、海外の場合それがないので、逆にある程度の年限がたって、それができなかったら、次の仕事に。また今度、教員というのも一つのキャリアとして、キャリアアップの資格になっているような状況もあるんじゃないかと。
 今、日本の場合で新しくその合教科とか、いろいろなことが出てきていますけれども、もし本当に今回提示されているような免許状、複数の免許とか、そういうのをやるのだとしたら、本当に私は全員が教職大学院でも出ない限り、知識という部分でいったら無理なんではないかと。ただ、現場で経験していく中で、それをより上げていくということを考えるのだったら、またそれは違ってくるのではないか。
 それから、一方で、教員の資質向上のために教職大学院は本当にすばらしいものだと思うし、逆に言えば、例えば教員になって何年かして、1回学校を辞めて教職大学院で自分のキャリアアップをして、また次の免許にステップアップするというような感覚のものでいいのだとは思うのですけれども。
 今、一方では、教育委員会などで一般の社会人の方を採用して特免で教員をやらせた方がいいのだとかいう部分があって、何か、せっかくこれだけ皆さんで苦労なさって教員免許状のことを話しているのに、一方では違うことが出てくる。そういうことを考えていくと、何か子供にとって本当にどういう先生が今望まれているのか、それも考えなくてはいけないと思いますし。
 それとともに、もう一つは、やはり私は教員の待遇とか、そういうことではなくて、地位というんですか。親がやっぱり教員を尊敬するというか、教員というもの、先生というものに対して、しっかりと子供たちに先生という立場を教え込めるような、そういうような形でやっていかない限り、本当にさんざん苦労して免許状を取って、なってみたらモンスターペアレンツにいじめられるじゃ、余りにもかわいそうじゃないかなと。それは変な例ですけれども。そういうことで、もう一回、是非海外の状況とか、そういうことも調べていただければと思います。
【小原部会長】
 宮崎先生。
【宮崎委員】
 ありがとうございます。ワーキンググループの先生方、本当にありがとうございました。何かちょっと分からなかったことが少し見えてきて、これからの検討課題が明らかになってきているなというふうに見せていただきました。
 私は、今までの論議とはちょっとずれてしまうおそれがあるのでお許しいただきたいんですが、4ページの教育課程の改善に関して、新たな教育課題に対応する教育領域ということで、具体的に特別支援教育についての考え方など散りばめていただいて、特別な支援を必要とする児童生徒に関する指導法というのをきちっと整理しようという考え方については大賛成でございます。是非、このあたりは今小学校10%ぐらいの発達障害がいるというような状況になってくると、やっぱり必要なことなのではないかなというふうに考えてございます。
 その上で、10ページ以降に免許制度の改善ということで、多分様々課題についても書いてくださっているんだと思うんです。先ほどの髙岡先生のお話の中では、改善されるべき内容があれば、それを整理するんだというようなお考えだったと思います。今回の課題の中で、実は別紙3-1を見させていただきますと、複数講師の免許状取得パターンの考え方の、今ではもう既にやっているところが特別支援教育免許状、特別支援学校免許状だと思うんです。2階建てになっています。
 各校種の免許状を取った上で、特別支援学校免許状を取るという仕組みになってございます。それは、単位数としては決して多くはないんですが、現実には1単位科目というのは存在しないので、各大学は2単位で組んでいますので、特別支援学校の免許状を取るとすると、一種免許状、32単位ぐらい取らないと、多分駄目だろうというふうに思います。その点では、このどれに相当するのかなと思いながらずっと見たんですけれども、ちょっとよく分からなかったのですが。私が申し上げたいのは、是非このあたりについても別途検討をしていただくことが有り難いかなということです。
 あわせて、特別支援学校の義務化が行われてもう34年たってございます。1979年に養護学校の義務化になったわけですが、教員免許法の附則の16項の中で、当分の間は当該学校の講師免許状だけあれば、養護学校免許状を取らなくていいという仕組みになってございます。このあたりは、先ほど横須賀先生がおっしゃった、学校種免許状という大変リジッドな縛りもあるというようなことなどもあるわけですが、現実には障害に特化する形で、学ばないと分かりにくいということなどもあるので、これについては是非、方向性としてここを附則の16項を撤廃していく方向のようなところは、やっぱり今後の検討の中で是非論議していただきたいというのが私のお願いです。これだけは、これまでの論議とちょっと違うので、お許しいただきたいと思いますが、そのことだけ申し添えさせていただきます。ありがとうございました。
【小原部会長】
 天笠先生。
【天笠委員】
 失礼します。三つ申し上げさせていただきたいところがあります。一つ目ですけれども、先ほど御説明いただきました、この検討の背景ということなんですが、おおむね私もそういう状況認識については同じくするところがたくさんあります。
 ただ、この点について一つだけ加えさせていただくという言い方になるかどうか分かりませんけれども、現状は、一見教員採用試験等々ですと相応の倍率がかなりあったりですとか、あるいは免許の取得者というのは先ほどもお話がありましたように相当膨大な数に上っているということは事実なんですが、もう一つの側面で見ると、質的な観点になってくるところもあるんだと思っていますけれども、教員の不足というんでしょうか、そういう点についてもまた見ておく必要があるのではないかとか。例えば教員採用の倍率ということというのが、それぞれの担当者等々関係者に聞きますと、必ずしも従来のような形の倍率を確保できないとか、そういうふうなところの指摘等々もあります。
 少し観点を変えて見ると、教職、あるいは教員というものがとりわけこれから若い世代に対して引き付ける誘因というか、魅力という、そういうところを見たときに、そのあたりのところに維持できているのか。あるいは、そういう若い世代を引き付ける、そういう存在であり続けるのかどうなのかと、こういう観点というのは大変重要なのではないかと、私は思います。
 ですから、そういう点で教職の社会的な地位を維持する、引き上げていくとか、そういう観点から捉えたときに、教員の不足ということと少し重ね合わせて見たときに、その引上げと言うんでしょうか、社会的な維持ということへの目配せというのも、やっぱりこの際、免許の検討というところにも併せて位置づけておくことの必要性があるんじゃないかというふうに、まず思います。それが一つ目であります。
 それから、二つ目は、このテーマが――これは前回どなたかが御発言された点でもあるかと思っていますが、私も同じく養成・採用・研修という、この三つの連続線、あるいは三つの関係を問おうということであるわけです。そうすると、どうしてもやはり採用というところが気になるところなんですが、そういうところからするならば、今回この検討のところで採用というところにどこまで踏み込む意義があるのかどうなのか。
 あるいは、一連のこの文脈の中でどういう形で採用というのを取り上げて、そして、その養成から研修の間の結びつきを図っていくのかどうなのか。これは、今後の課題の設定の仕方とか、議論の進め方にも関わってくる点ではないかと思うんです。養成と研修との間をつなぐ重要な採用の在り方というのを、この文脈の中で、相互の関係の中で検討していくという機会として今回位置づけるということの大切さというのもあるのではないかと思います。ですので、是非ここのところにもしっかりと目を向けて議論を深めていくといいかなと思っております。
 最後に、3点目でありますけれども、教職全体を通したキャリアの形成等の関わりの中で免許というのをどういうふうに位置づけていくのか、どうなのかという大変大きなテーマで、恐らくもうこれはかなり議論を進められたところでもあるかと思うんですけれども。何を申し上げたいかというと、例えば校長という立場に立とうとする人に、あるいは更に言うならば、教育長という立場に立つ人に、免許状というのは必要なのかどうなのかというふうな、こういうテーマというのはあるかと思います。
 教職の生涯に寄り添うというならば、若い世代から一定の年齢を重ねながら校長に就いて、そして教職を終えていくという、一つのそういう生涯のシステムというのがあるわけですが、それに寄り添わせるような形での免許という在り方で考えていくのか。それとも、もう一度観点を変えていくのかどうなのか。そのあたり、少し中途半端という言い方になるのか、あるいは、そこら辺のところはやっぱり複雑、多面的に考えていかなくてはいけないということになるのか。そのあたりのところの検討というのは更に必要なのかなというふうに思うんですけれども。ここのところで、諮問事項の中でチームとしての学力を高めるというふうなことも挙げられているわけですが、今の学校にリーダーが必要であるということは、おおよそ合意されているところだと思います。それに免許というのは絡むのか。絡ませようとするのか、しないのかというふうなことも大きなテーマになるのではないかと。
 例えば、学校経営の免許を取らせるとか、そういうのを整えるということは、校長ということのための基礎資格という考え方なのか。あるいは、もう少し広い意味でのリーダー、リーダーシップを発揮するという、ミドルリーダーを含めてというふうな、そのあたりのところの職能的な資質というところのそれなのか。そのあたりのところについての検討も必要なのではないかと。
 いずれにしましても、スクールリーダーですとか、ミドルリーダーというのを、チームとしての学校の力を高めるには必要であることは間違いないわけでありまして、このあたりと免許を絡めていくのか、絡めていかないのか、是非今後議論を深めていっていただきたいなというふうに思います。以上です。
【小原部会長】
 佐藤先生。
【佐藤委員】
 ありがとうございます。先ほどからのワーキンググループの丁寧な御説明ありがとうございます。また、質疑に非常に真摯にお答えいただき、できていること、できていないこと、率直なお話を頂いて大変感謝申し上げます。
 印象としては、随所に教職大学院に対する期待が非常に高くなっているように受けとめます。もちろん、養成の高度化、研修の高度化、もっともなことでありまして、そういう重要なことに立ってくれる大学の組織としたら、誰が考えても教職大学院だろうということは容易に想像できますし、そちらに対する期待が高まっていることも理解できるところであります。
 その前提に立って、教職大学院は本当に大丈夫かなというような気がしているところでございます。御案内のように、教職大学院はまだ少数でありますし、圧倒的に私立大学が少ない。そこにいろいろな事情があるし、この制度設計、あるいは、とりわけ設置基準上、なかなか私立大学がそれに呼応しにくいバリアなどがあるのではなかろうかと、いろいろ説があるところです。これだけ広範で、しかも重要な任務を背負って立つべき教職大学院について、当部会などの結論が出る前に、相当深くそちらの方を担当している審議会、あるいは、文科省内の部局とのすり合わせを是非お願いしたいなと思うところでございます。
 もちろん、これはワーキンググループの任務をはるかに超えている仕事でありまして、中教審のかなり高いレベルでの調整とか、省内での調整が不可欠だと思っておりますけれども、このまま進んで、例えば国立大学のミッションの再定義等々、国が相当の強い政策誘導を持って教職大学院の充実ということは恐らく実現ができると思います。
 ただ、一方、私立大学に対しても、そういう支援だとか指導とかいうものが伴っていかないと、どうも開放制、開放制と言いながらも、教職大学院については圧倒的に国立大学ばかりであるということになってしまう。それでいいのかなというふうに、私立大学の一員としては思ったりするところでございます。
 単に設置基準を緩めなさいとか、そういった問題ではなくて、多様な教職大学院を可能にするための条件整備等、どういうことがあるかということについて、なるべく早期に審議会とか局の守備範囲を超えてすり合わせ、御議論を頂くことを是非お願いしたいというふうに思った次第でございます。
【小原部会長】
 それでは、油布先生、その後、高橋先生、お願いいたします。
【油布委員】
 済みません、飛び飛びに思い出してしまいまして。一つだけ付け加えます。教員養成というときに、多くが小中学校の教員養成をイメージしているのではないかと思います。一方で、小中高と校種を超えたような免許の改革というようなことも提案されているわけです。ところで高校教育の現状を見たときに、現状は非常に多様化しているという実態があります。けれども、政策決定する側(がわ)の方は、例えばこれからのこの配布された諮問の、「子供の発達や学習の意欲、能力等に応じた柔軟かつ効果的な教育システムの構築について」というところで、例えば、「意欲や能力に応じた学びの発展のためのうんぬんかんぬん」という下のところに、「高等学校の早期卒業について、現在の大学には飛び入学制度の活用状況等も踏まえ」と書いてあるのを見てもわかるように、要するに、高校の教育というのは、やはり大学を前提とした準備教育だというようなことが一番に置かれているわけです。けれども、先ほど申しましたように高校は非常に多様化しています。例えば就職ということに関しても、最近若干内定率等は向上しているかもしれませんけれども、非常に厳しい状況にあるとか、あるいは、就職しても、初期の段階で退職する、辞職する子供が多いという現実もあります。要するに後期中等教育の教育の内容について、大学を前提としない場合や、大学に行きたくても行けない場合など、そうした子供に対してはどうするのかというふうな問題が非常に大きく存在しているのではないかと思います。
 それに対して、今までの高校教員の養成ということでいうと、主に開放制の課程で免許をとり、教科の専門性が中心ということで養成されているのではないかと思います。東京などでは、主に高等学校の教員、特に私立などでは、大学院の専門の内容を重視する教員養成が行われていないとまずいというような、そういう状況にもなっていると思うんです。
 実際には、チャレンジングスクールだとか、単位制の学校だとか、そういうふうなところが増えていて、生徒たちの進路も多様なわけです。そういう高校教育の実態というのに即したような高校教員の意識が何か養成の中で考えられていないといいますか、大学進学を前提とした昔ながらの準備教育を是(ぜ)として、それが高校教師だというふうな状況にあるところが多いのではないかと思います。あるいは、特に地方では、高校の教師が進学指導や就職指導などそういうオールマイティーなところを担い、多忙化をきわめているというようなことにもなっているのではないかと思います。
 申し上げたいことは何かというと、この免許のところでも構わないんですけれども、高校教員の養成の内容ということに関して、少し現在のニーズに応じたような検討をしていただけると助かります、ということで、要望を申し上げます。
【小原部会長】
 高橋委員、どうぞ。
【高橋香代委員】
 失礼します。今日のお話を伺っていて、横須賀先生がおっしゃったように教員の質の向上と、複数コースとか、複数教科の免許取得が両立するかというと、それは無理な話だと思います。私は今回のワーキングで御検討いただいたことの、2ページにある基本的な観点を整理したところが重要だと思いますので、まずそこを基盤に議論を詰めていっていただきたいと思います。
 学部段階での教員となる際の必要な基礎的、基盤的な学習とは何かというところを詰めないで、その後のことは始まらないのではないかと思うんです。その上で、養成段階と初任段階の接続の重要性、ここの学部段階と初任の段階の重要性をしっかりと分けて御検討いただければと思います。
 そういう中で、やはり大学が教職課程に責任を持つことが大切だと思います。先ほどおっしゃったように、科目の数を取れば済むというところに問題があるわけで、パッケージとしての教職課程とすると何かイメージがよくないかもしれませんが、そこの大学がどういう教員を養成するという像を明確にして、教職課程に責任を持つ、そういう大学の教職課程にしていかないといけないと思います。その基盤のところを是非今回はきちんとしていただければと思っております。
【小原部会長】
 ありがとうございます。
 続きまして、教育職員免許法施行規則等の一部改正する省令について、事務局より説明をお願いいたします。
【片見教職員課専門官】
 御説明します。資料の5を御覧ください。教育職員免許法施行規則等の一部を改正する省令等について、現時点で検討が進んでおりまして、その内容について御報告させていただければと思っております。
 内容は大きく三つありまして、1、2、3と書かせていただいております。まず1、こちらは昨年の10月に取りまとめいただきました、大学院段階の教員養成の改革と充実等についての提言を踏まえた改正として二つございます。まず一つ目として、教職課程における情報の公表としまして、教職課程を有する大学が、教員の養成に係る教育の質の向上や社会に対する説明責任を果たすため、教員養成に関する情報について、公表を義務づけるというもので、公表が必要な情報というのを少し小さな文字で列挙をさせていただいております。
 これは、机上に配付させていただきました、こちらがその報告書でございます。こちらの中の27ページのところで提言を頂いているものでございまして、これを実現するための改正となってございます。
 次に、(2)教職課程のグローバル化対応というところにつきましては、こちらの報告書29ページの部分に提言がございます。今、外国の大学で習得した単位をその後、日本の大学に入学した場合に、免許状の授与を受けるための科目の単位として含めることというのが実質上各大学で行われているのですが、それが法令上行うことができるというところが明確になっていなかったもので、そこを明確化するというような改正でございます。
 続きまして、2.については、免許状更新講習の改善に関する改正でございます。こちらにつきましても、今年の3月に教員免許更新制度の改善についてということで、机上にピンクのこういった冊子を置いております。こちらで提言がなされた事項について改正を行い、実現しようというものでございます。
 こちらの冊子の3ページの方を御覧いただければと思います。3ページのこの四角囲みの中の第1節、必修領域の見直しと選択必修領域の導入ということで、具体的な改善方策として、必修領域の時間数を半減し内容を精選すると。一方、選択必修領域という6時間程度のものを設けて、必修領域から五つの内容を移すとともに、現代的な教育課題を位置づけると。こういったような提言を頂きましたので、こちらについて実現するための改正ということになっております。
 特に(2)に各領域の内容の見直しについてということで、小さな文字になって恐縮ですが、必修領域、選択必修領域について、それぞれどういった内容を学んでいただくのか。選択必修領域については、この中から各教員の方が選択して学ぶということになりますが、そういうことを改正の内容として盛り込んでいるというものでございます。
 次、3、最後です。これは、幼保連携型認定こども園が平成27年4月から開始されるということになりましたので、その職員が保育教諭等だったり、そもそも幼保連携型認定こども園という用語だったり、幼保連携型認定こども園を設置する社会福祉法人というワードを、教育職員免許法施行規則のレベルでいろいろ整備をする必要がありましたので、そういった整備を行うというような改正になってございます。
 こちら、1.と3.については平成27年4月1日を、2.については平成28年4月1日を施行日として改正したいと考えておりまして、今後パブリックコメントにもかけさせていただき、改正作業を進めさせていただければと思っております。以上です。
【小原部会長】
 この件で、何か御質問等はございますか。
【吉田委員】
 済みません、今回の改正に間に合うものではないと思うんですけれども、1.(2)の教職課程のグローバル化対応の件です。今の日本の教員免許状というのは、日本の大学卒業というのが一つの資格になってしまっています。今グローバル化ということで、我々、例えば高校から海外の大学に留学させようとか、そういう思いが深くなっていますし、それをしたいという子もいます。ただ、教員を目指す人は今それはやることができません。実際に教員免許状を持っていない人が日本の大学を卒業していれば、通信制課程等で教職に関わる単位を取得すれば教員になれるわけですけれども、海外の大学を出てきた人は日本の大学に入らないと、できないと。
 海外の大学の質とか、そういうものを考えたときに、これをやはり今後変えていっていただけないと、グローバル人材というか、グローバル化を進める中での生徒を指導していく中でも、そういう教員というのは我々にとっては非常に欲しい教員になってくると思いますので、今後の検討課題に必ず入れておいていただきたいということを一つだけお願いします。
【小原部会長】
 よろしいですか。それでは、時間となりましたので、本日の審議はこれまでといたします。
 今後の日程について、事務局から説明をお願いします。
【柿澤教職員課課長補佐】
 今後の日程につきましては、調整の上、別途御連絡を差し上げますのでよろしくお願いいたします。
【小原部会長】
 それでは、本日はこれで閉会といたします。ありがとうございました。

―― 了 ――

お問合せ先

総合教育政策局教育人材政策課

(総合教育政策局教育人材政策課)

-- 登録:平成26年10月 --