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教員養成部会(第71回) 議事録

1.日時

平成26年6月18日(水曜日) 14時30分~16時30分

2.場所

一橋講堂 特別会議室

3.議題

  1. 養成・研修の分担・接続について(ヒアリング)
  2. 教員養成担当教員の資質向上について(ヒアリング)
  3. 教員免許制度・教員養成の改善の方向性について
  4. その他

4.議事録

【小原部会長】
 定刻になりましたので、ただいまから第71回中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会を開催させていただきます。本日は、御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、秋田委員、小川委員、佐々木委員、佐藤委員、比留間委員、細谷委員、無藤委員、吉村委員は、御欠席の連絡を頂いております。
 それでは、まず事務局より本日の配付資料の確認をお願いいたします。
【柿澤教職員課課長補佐】
 配付資料の確認をさせていただきます。教職員課課長補佐の柿澤でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、本日の座席表の次、一枚物で、第71回教員養成部会の議事次第でございます。次に資料1-1といたしまして、岸田委員から御提供いただきました、和歌山における初任者研修の取組についての資料でございます。資料1-2といたしまして、国立教育政策研究所の大学教員に関する調査の資料でございます。次に、資料の2以降は、ワーキンググループでこれまで検討した資料でございますが、資料2「教員免許制度・教員養成の改善について」という一枚物の資料でございます。資料3といたしまして、「教員免許制度・教員養成の改善の方向性について」という論点メモでございます。次に資料4-1から4-4までございますけれども、それぞれA3のカラー版で、4-1から4-4まで、「教員免許制度の見直しの方向性について」ということで、A3の資料を織り込んだものが4枚続きます。次に資料5-1といたしまして、「教職課程の見直しの方向性について」という一枚物の資料でございます。次に資料5-2といたしまして、「教職課程の見直しの考え方」、A3の横のカラーの紙でございます。次に、資料6-1「教員の養成・採用・研修の改善に関するワーキンググループ(第1回)における主な意見」でございます。次に資料6-2は、ワーキンググループの第2回における主な意見でございます。資料7-1としまして、カラー版のA4のものですが、特別免許状の指針に関する資料でございます。資料7-2といたしまして、特別免許状の指針案で、A4のものでございます。資料8といたしまして、「今後のスケジュール(予定)」で、一枚物の紙でございます。次に参考資料1-1といたしまして、この教員養成部会の委員名簿がございます。最後に、机上配付資料でございますが、国立教育政策研究所の調査報告書、黄色い冊子を置かせていただいております。
 以上でございますけれども、落丁、乱丁等、ございましたら、事務局までお知らせいただければと思います。
 併せまして、本日の進め方について、御説明を差し上げたいと思います。議事次第を御覧いただければと思います。
 委員の皆様御承知のとおり、3月25日の第70回の教員養成部会におきまして、ワーキンググループの設置をお決めいただきましたけれども、その後、ワーキンググループにつきましては、5月2日、6月9日に、2回の会合を行ってまいりました。本日の教員養成部会におきましては、養成・研修の分担・接続、あるいは教員養成担当教員の質向上につきましても、これまでワーキンググループで議論になっておりまして、そういったことも御意見を頂ければと思っております。その議論に資するために、本日は2件のヒアリングを予定しております。(1)といたしまして、岸田委員から和歌山県教育委員会、そして和歌山大学における取組について、そして教員養成担当教員の質向上につきましては、国立教育政策研究所の藤原総括官より調査についての報告を頂き、意見交換を行いたいと考えております。その後、議事の(3)「教員免許制度・教員養成の改善の方向性」につきましては、これまでのワーキンググループの検討状況につきまして、髙岡委員から御報告を頂き、部会の委員の皆様方から御意見を頂ければと考えております。最後に(4)で、特別免許状の指針の案についても御議論を少しいただければと考えております。
 以上でございます。
【小原部会長】
 ありがとうございました。
 それでは、岸田委員から意見発表をお願いいたします。15分程度でお願いいたします。
【岸田委員】
 岸田です。よろしくお願いします。
 きょう、私に与えられたテーマは、「養成・研修の分担・接続について」というテーマです。冒頭、15分ぐらい時間を頂いていますが、結論めいたことを先に申し上げたいと思います。それは、「大学と教育委員会の養成・研修の分担・接続」の「分担・接続」という言い方も、言い得て妙だと思っているのですが、分担としてそれぞれの責任を果たしながら、接続ということで、相手のことを視野に入れながら物事を考えていく、養成をしていくということだろうと思いますが、その分担・接続については、かつてに比べると随分いろいろな形で全国的な取組が進んできたかなという実感を持っています。しかしながら、本来的に求められる姿が実現できているかと言いますと、実際に行われている状況を見る限りにおいて、本来の姿にはまだなり得ていない。それを実現する有効な一つの手段・方法として、和歌山の初任者研修の取組が一つ参考になるのではないかということが、私の今日お話ししたい中身であります。
 和歌山の特性がありますので、そのことも少しお話ししておきますと、和歌山という一地方の話ですので、和歌山大学という一つの大学と、それから和歌山県教育委員会という、一対一といいますか、どちらかというと地方の自己完結型の取組ということで、全てこれが当てはまるかどうかはまた別の話かと思いますけれども、そういう中での取組として、お聞きいただければと思います。
 まず一つ目に、そもそも「大学と教育委員会の連携の必要性」は、いつ頃言われてきたか。私の確認した範囲では、昭和62年12月の教養審、この部会の前身に当たる会ですが、この教養審ぐらいから、ひょっとするとこれ以前からあるかもしれませんが、しかし、いずれにせよ随分昔から、この教育委員会と大学との連携という、教員養成に係る連携ということが言われてきた。とりわけ平成11年12月の第3次答申、9年から教養審の議論に基づく大改革があったときですが、9年の第1次、それから第2次、第3次ということで、この第3次の教養審の答申が、「養成と採用・研修との連携の円滑化について」ということで、大きなテーマとして取り上げられた。そういう中で、二つ目のぽつの後半にありますように、「教員の養成・採用・研修の改善を図るための具体策を策定・実施する取組を通じて一層連携を深める方策を、都道府県段階等で検討することが必要である」という文言が盛り込まれたということをまず確認しておきたいと思います。

 二つ目の項目に移りますが、正にそのときと同じくして、平成11年12月から、和歌山大学教育学部と和歌山県教育委員会の連携協議会を発足させました。実は私は、平成11年の発足当時から現在まで約15年間ですけれども、この姿をずっと直接関わりながら見てきた立場にありまして、大学と教育委員会の連携という観点から言うと、随分長い間関わってきたなという思いをしているところです。
 この連携協議会の出発当時に、三つぐらいの内容の取組をした。一つは、アにありますように、「養成・採用・研修を見通した視点での連携」で、これは答申を受けてのことです。二つ目は、共同研究とか共同事業という視点での連携で、その頃に、総合的な学習の時間が導入されるということがあって、こうした新しい時間の在り方についての共同研究を連携・協力しながらやっていきましょうという議論もしたように記憶しております。それから三つ目は、連携・協力が必要な事業を一緒になってやっていこうということで、ア、イ、ウという三つの中身で連携が進んできた。下の四角囲みに少しまとめてありますが、「連携の在り方を探っていた時期」と位置付けられるのではないかと思っています。これまで個々の関係、あるいは個々の事業レベルでの連携であったものを、組織的・包括的なものとして両者が連携の在り方を探っていた時期かと思います。
 少しそれに変化が生まれてきたのは、平成17年あたりからでありました。このとき和歌山大学は、「特色ある大学教育支援プログラム」いわゆるGPを受けまして、この頃から教員養成を共にするという視点が新たに加わってきました。具体的に申しますと、大学院の授業に教育委員会の指導主事等が講師として出向いて、あるいはその授業を現職教員が受けるというような、「学校マネジメント力量形成」というその当時の講義名が書いてありますが、こういうものに教育委員会も関わり、あるいは現職教員も参加する。それから学部教育にしても、「教育の現状と課題」や「教師力養成特講」という学部の講義に、現職教員が指導者として出向くという取組に進んでまいりました。この段階になって、教員養成・現職研修での連携がようやく始まったと思っています。
 それから、もう一つの変化が生まれてきたのは、平成21年あたりからですが、和歌山大学は、御承知でしょうか、山の上にあります。私が大学でお世話になっていた頃に、大学の中でよく、「山を下りて学校へ行こう」と申し上げていました。要は大学の先生に、学校の方にもっと出掛けていきましょうということを言っていたのです。そのような取組、つまり近隣の公立の学校と共同のテーマを設定して、大学教員と学校教員、公立学校の先生方とが共同研究していく取組を、これは進行形ですが、やっているところであります。これは、下の四角にもあるように、「校内研修の活性化に大学がかかわる」という新たな側面へ、また別の視点での連携が生まれてきたのかなと思っています。
 ただ、この教員養成・研修の分担・接続の理想的な姿から言うと、まだまだ現状は、先ほど冒頭に申し上げましたように、それぞれが自らの分担をしていれば事足りるという意識は、相当根深いものとしてあると思っています。「相互批判的意識が残る」とか、あるいは「それぞれの守備範囲の中で物事を考える」と書いていますが、和歌山でも、教育委員会と大学との連携が、これまでに述べてきた具体的な形で相当進んではいますが、根っこのところでお互いをどれだけ信用しているかということになると、なかなか信頼し切れていないという部分があることは否めないのかなと思っています。両者が一緒になって教員養成をやっていこう、あるいは現職研修に取り組んでいこうという腰の据わった取組に、まだまだなり得ていないのではないかと思っています。
 資料に、教員採用・現職研修の「系統性・継続性」という矢印をしていますが、こういう生涯にわたる職能成長を見据えた上での教員養成は何か、採用あるいは初任者研修・現職研修は何かということを、もう少し腹を据えて両者が手を携えてやっていく必要があるだろう。そのときに共通に持つべきコンセプトは、「学び続ける教師像の確立」だろうと思っています。
 さて、そこで和歌山での初任者研修の取組ですが、私がこれを考えた理由は、二つあります。一つは、この初任者研修の時期は、大学で5年目に当たります。教育委員会からすると現職1年目に当たる、そのジョイント的な位置にある1年間だということで、ここでの取組を両者がやることによって、物理的に両者に当事者意識が生まれ、一緒になって手を携えてやろうという関係が作れるのではないかということが、一つです。
 それからもう1点は、初任者研修の課題がある。1年目の研修のときには、随分熱心にやっている、研修を受けている初任者たちも、何年かたつとどこか目の輝きをなくすというか、一部ですがそういう姿も見られて、そのことの一つの要因として、今の初任者研修がかなり負担になっている。特に小学校では担任を持ちながら初任者研修を受けるということで、平たく言うとあっぷあっぷしているという状況、それから、初任者として必要ないろいろな知識を網羅的に詰め込むといいますか、教え込むといいますか、そのような側面が本来的な意味での初任者の成長につながっていないのではないか。これを何とかできないかという思いがありました。もう一度申し上げますと、大学から現職教員に当たるジョイント的な役割であるということで、この時期に取り組むことが両者が手を携えて養成から研修へとつなぐ一番有効な方法ではないかという側面と、それから、初任者研修はまだまだ内容的に課題を持っていて、これを改善したいということであります。
 下に、相違点と書きましたが、左側にある、現行の初任者研修は、「実践的指導力と使命感を養うとともに、幅広い知見を得ることを目的とする」と、私どもの実施要項にも書かれています。この研修の目的について、和歌山でやっている大学とのモデル事業で、「理論と実践の架橋を通した教科や教職についての省察により、教員生活全体を通じて主体的に学び続ける基礎的な力を身に付けさせることを目的とする」と書いています。要は、学び続けることのできる資質を1年間かけて育成していこうというプログラムを、考えてやっております。
 最後のページですが、2年間やっていますが、初年度は18名、そこに書いていますように、四つ、和歌山市、岩出市、紀の川市、それから県の特別支援学校それぞれに、2名から最大6名配置しました。それから本年度は、特別支援学校は4名ですので全体で16名ですけれども、配置しています。これは4月1日の学校に配属する段階からここに配属して、そして大学側が考えたカリキュラムで初任者研修をやっているということです。それから大学での指導体制として、教育学部の大学院の教員が8名、これは各校に1名行けるような形で担当となっている。それからプロジェクト教員として、小学校・中学校・特別支援学校に、専門性の高い退職教員を客員教授のような形で位置付けていただいて、県教育委員会から行っている交流教員1名と一緒になって、直接的に、今年で言うと初任者16名ですが、指導に当たっております。
 資料の後ろに、月1回の広報誌、裏表2枚をお付けしていると思います。その次に、1年間を通じての合同カンファレンスの計画表を立てていると思いますが、既に4月3日と5月15日の今年度の合同カンファレンス、月1回の大学での研修ですが、終えています。カラー刷りの1枚目の「モデルタイムズ」は、4月3日のものです。このときは私も出向いていって、そしてこの研修の趣旨などを、「経験で飯を食うな」とそこに書いてありますが、そのような話をしてまいりました。それから2回目の5月15日のものについては2枚目の「モデルタイムズ」の13号で、全体の年間の計画を見ていただければ、どんな形の研修をしているかがお分かりいただけるのではないかと思います。同時に、先ほど言いましたプロジェクト教員は、週1回学校へ行きまして、授業を見て、校内的なカンファレンスもやっております。
 レジュメの最後に、この事業の持っている意義として挙げられることを4点ばかり書かせていただきました。今2年目の初めに入って感じているところは、いい学びをしていると。正に生涯学び続ける資質を育成するねらいが、一定程度達成されていると思っています。特に2年目の育ちがいいというわけです。1年目で、勉強しなければいけないということを徹底的に植え付け、鍛えていますので、2年目からの学びがいいと担当教員からも聞いていますし、それから今年は、文科省の教職員課の研究事業をお受けして、小学校の初任者に担任を持たせないことにも取り組んでいますが、これも実は2か月ほどしかまだたっていませんが、このこと効果は大変大きいと聞いています。担任を持たないでいると、いろいろな先生の授業を見に行けて、それによって学ぶところが多いと聞いております。
 以上、報告させていただきました。ありがとうございました。
【小原部会長】
 ありがとうございました。
 ただいまの説明に関して、御質問、教員の養成・研修の分担・接続についての御意見がありましたら、お願いいたします。
【天笠委員】
 御質問を1点させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 教育実習の中身、学部の段階、養成の段階におけることについて御質問させていただきたいのですが、かねがね養成の段階での教育実習の在り方は、既にいろいろな、この場においても改善の提案等が出たことを、よく存じ上げているわけですけれども、改めて今日御説明いただいた、養成段階と採用と、現職教員との接近を図るということによって、従来の教育実習が、養成段階の学部の段階で変化が起こったのか、それとも従来のそれが維持された中で、御説明いただいたような形になったのか。考え方とか中身とか内容が、接近させることによって変化が起こるのか、起こらないのか。そこら辺のところについて御説明いただけますでしょうか。
【岸田委員】
 私は、変化は起こらないと思っています。先日も、私どもの学校に2週間なり3週間なりの教育実習生が来ましたけれども、そこでも学生たちに言ったのですが、ここで具体的な実践力を上げようということは思うなと。つまり教育実習の3週間なり4週間の中で、なかなか実践的な力量が上がることはないだろう。学部段階の教育実習は、正に教師とはこういうものだという姿を肌で感じるといいますか、あるいは、教師になる意欲を高めるといいますか、そのような役割が中心だろう。そこは、具体的な学び、実践的な学びのレベルを上げていくような役割を果たしていくものではないだろうと、私は思っています。したがって、そのような役割が中心だとすれば、このような形での初任者研修をしたからと言って、変化は起こらないと考えるわけです。その点、初任者の現場での研修は、目の前の子供をずっと見ながら、正に実践的な力量を上げていくところにねらいがあると思っています。
【小原部会長】
 若月先生。
【若月委員】
 感想と御質問をさせていただこうと思います。
 まず感想からですが、幾つか大変新しい試みをされていらっしゃいまして、新鮮な感じがしました。例えば大学5年目と新卒1年目をジョイントと位置付けて、研修をする。この発想は、「なるほど、そうだったか」と大変勉強にもなりましたし、それから現場の校内研究に大学の教員が一緒になって参加をする。なかなか、どこまでいくのかというお話もありましたが、これも、養成・採用・研修という一連の流れをより充実させていくためには、大変効果的なものだとも感じました。それから初任者研修での新しい視点と言ったらいいでしょうか、正に学び続ける教師ということで、頂いた資料では、岸田先生の「経験で飯食うな」というのがありましたが、正に経験で飯を食う人が大変多いわけで、また経験は大事ですが、それだけに頼ることに対する警鐘も、ここではっきり出されているということで、大変参考になりました。
 幾つかの御質問をさせていただこうと思うのですが、1点目の、大学と教育委員会との連携として、この場合、教育委員会は県教委が前提になっていますね。それぞれの地方の様々な仕組みがありますから一概には言えないのかもしれませんが、私のように東京都の中で教育行政に携わっている人間から見ますと、この先生の試みに対して、市教委、後半に幾つかの市立の小学校、あるいは特別支援学校が参加されているようですが、市の教育委員会の姿が少し見えなかった。ここら辺はどういう関わりをされているのか。あるいは、これからされていく展望があるのかというのが、1点目です。
 2点目は、今日頂いたペーパーの2番目でありますけれども、ここでも言われていますが、二つ目の丸ぽち、「具体的な連携協議の視点」の「養成・採用・研修を見通した視点」ですが、特に養成と研修を見通したときに、大学と県教委で、主たる養成と研修に関しての現状に対する問題意識、課題意識は、どんなものだったのか。2枚目に、両者が共通理解すべきコンセプトは、学び続ける教師像と。でもこれは一つの理念であります。この理念に基づいて、養成と研修の関わりの中で、どういった現状に対しての問題意識を持たれたのかという点。
 この2点について、教えていただければと思います。以上です。
【岸田委員】
 ありがとうございました。
 まず、市の関わりですけれども、当初これを始めるときに、そこの学校がある関係市の協力を得ないといけないということで、当初の説明会から担当の指導主事なり教育長さんにも来ていただいて、こういう取組をすることを共有する会を、事前に持ってきました。それから、これの趣旨もそれぞれの教育長さんに私がお話をさせていただきました。和歌山市は御承知のように中核市で、初任者研修は和歌山市でやるようになっていますから、それとの絡みもありますので、和歌山市の研修センターといいますか、研修するところの方々も入っていただきながらやっております。ですから、大学でやる合同カンファレンスなどに市の方々も見に来て、一緒になってやっている姿も見られますので、そういう点では随分関わりがあるかと思っています。
 それから、大学と教育委員会が、それぞれ養成・研修に対してどういう課題意識を持っているかという、二つ目のことですが、私は課題意識をまだ持ち得ていないと思っています。ですから、物理的に取り組むことによって、いろいろな課題が見えてくる一つのきっかけになってくる、まだそういう段階ではないだろうか。つまり見えた上で何か整理して、物事をこれから考えていくというレベルまで行っていない。ですから、まずこういう取組をして、実際に一緒になってやる中で、こんなことができるではないかというのが見えてきたときに、初めてその課題をクリアにしていく視点が生まれてくるのではないかと思っています。
【若月委員】
 ありがとうございます。
【小原部会長】
 油布先生。
【油布委員】
 若月先生の御質問と若干かぶるところがあるのですが、3点ほど、質問と御意見になります。
 まず1点は、教育委員会では県教委と市教委ということでお話があったのですが、大学の側(がわ)ですが、和歌山にも和歌山大学ではなくてその他の大学があろうかと思います。それから、私立大学があるとすれば、教職課程で開放制の課程で教員免許を出していると思います。その辺の、1大学1教委ということでおっしゃいましたが、ほかの大学との連携という、実際にやるとなるとその辺の調整が非常に難しくなってくると思うのですが、その辺のお話を一つ伺いたいことが、1点です。
 2点目は、3ページ目の「初任者研修の和歌山モデル」で、初任者研修が教育委員会と大学、大学院との重なる部分なので、そこで新たなプログラムがということ、課題があることも御報告いただいたと思うのですが、ここに「教職大学院の指導内容」と書いてありますが、私が間違えているかもしれませんが、和歌山大学には教職大学院はまだできていないと思うのです。実際にできている25の教職大学院では、この割とジョイントしたというか連携の下にプログラムも決められ、実習もあるので、東京都の場合などは全ての市がそうだというわけではありませんが、教職大学院のプログラムを修了した者は初任者研修を一部免除するなどの便宜も図っていただいているわけです。そこが何か誤解があるのか、どうなのかということ、それから、実際にはもう教職大学院等では、学部レベルではないけれども、そういう非常に現場と大学とが往還したプログラムが作られてやられているという実態があると思います。

 そのときに、一つ、私の意見ですが、教職大学院と教育委員会と連携したプログラムは、現場に根差して、大学と現場とを往還して現実の問題を解決するような趣旨で作られているわけですが、それが例えば、ある程度評価されているのか、もう少し別の問題なのか分かりませんが、現場への学生たちの適応というものが、もっと学部のレベルにもあった方がいいのではないかということで、今、教員養成の中で非常に現場主義的なというか、現場に行くようなカリキュラムが、どの大学でも学部の段階で、すごく増えているのではないかと思います。そうしますと、学部では、例えばそういう、役に立たないかもしれないけれども教師としての教養とか人間としての素養を広めるようなカリキュラムが、どんどんと、役に立たないというか有益でないというのか、狭められていって、実践的なものばかりになってくるという問題が起こっているのではないかと私は思います。でも、それは先生に対する質問というよりは、先生のこういう案に対する、現状としてはもう少し別の問題が起こっているのではないかという意見です。
 それから、これは質問ですが、協力校が、何人かの先生方を派遣して非常にいい試みがなされているということだったのですが、この先生方はどういう資格でといいますか、要するに教職大学院には現職教員で教職大学院に来てもらって現場の課題を研究するという仕組みがあるので、25の大学院はそういうことをやっていると思うのですが、問題は、現職教員が全然大学院には来られないという現状があると思うのです。それとは別の仕組みなのか、あるいは、それを見越してそれに踏み込もうとしていることなのか、この辺の現状について質問させていただければと思います。
 長くなりましたが、以上です。
【岸田委員】
 ありがとうございました。
 まず私立との関係ですが、実は、開放制に基づいて出しているのは短期大学の幼児教育の関係と、それから一部大学しかなくて、教員免許更新講習は一緒にやりましたが、一緒になってやっていくというほどではない。ですから、和歌山大学と一対一の関係でやっていても、それほど問題は生じないというレベルということです。
 二つ目は、和歌山大学は教職大学院を持っていません。なぜこういう書き方をしているかというと、実は大学がこれを始めたのは、教職大学院をこれから設置していこうという意思を持っていて、それの試行的な意味合いが大学側にはあります。そもそも大学側の理屈で言えば、初任者研修をする必要など何もないわけです。いわゆる行政研修ですから行政に任せておけばいい話で、本来から言うと、和歌山大学はこの初任者研修をやらないといけない必然性はない。でもなぜここで一緒に取り組んだかというと、後の教職大学院の設置をにらんでいる。そうすると、これでやれば、ここでのノウハウが後の教職大学院に生かされていくのではないかということで、その一つの試行的な意味合いで大学が取り組んだという側面を持っているわけです。ですからそんな意味合いで、「教職大学院の指導内容」という書き方をしています。
 それから三つ目、よく理解できなかったのですが、今の初任者が大学院生としての位置付けがされているという意味ですか。
【油布委員】
 3番目の質問は、別の質問です。こちらにいる協力校に派遣される先生方の学びの形態というか、大学院生として派遣されるのか、それとも配置人員か。その問題が3点目の質問でした。
【岸田委員】
 教えているこのプログラム教員の身分的な問題ですか。
【油布委員】
 ええ。これは教えている方ですか。
【岸田委員】
 教えている方です。この配置している初任者の16名とか18名のことですか。
【油布委員】
 はい。
【岸田委員】
 これは、いわゆる初任者です。
【油布委員】
 現場の先生を初任者として教えているということですか。そうすると、その前のページの、教職大学院から初任者を両方でカバーするというところで、これは、大学は入っていないことになるのですか。私は理解ができていないのかもしれないのですが。
【小原部会長】
 大学院に在籍という話ですか。
【岸田委員】
 この初任者は、大学院在籍ではないです。
【小原部会長】
 続きまして、藤原総括研究官より意見発表をお願いいたします。
【藤原総括研究官】
 国立教育政策研究所の総括研究官の藤原と申します。どうぞよろしくお願いいたします。貴重な時間を15分間頂きましたことを、まずは感謝申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
 私ども国研では、大槻所長の下で幾つかのプロジェクトを進行中でございますが、その一つとして「教員養成等の改善に関する調査研究」というプロジェクトを、今年度から2か年間で遂行中でございます。その初年度の一部の御報告でございます。
 最初に、まず我々の研究所の立ち位置と方向についてお話しした上で、その内容について御説明したいと思っております。私どもは、このような考えで、研究の立ち位置で研究を進めております。確かに21世紀を生き抜く子供を育成するために、学校教員の資質・能力が問われなければいけない。確かにそのとおりだろうと思います。けれども、我々は、更にもう一歩踏み込んだ問いを発しなければ実効化しないのではないかという立ち位置でございます。どういうことかと言いますと、新しい時代の子供を育てる能力を持つ学校教員を育てる大学教員の資質・能力こそ、問われるべきであるという立場でございます。ですので、大学教員はプロを育てるプロである大学教員である。その資質・能力がどういうものであるのか。そして、それはどのようにすれば育っていくのか。それを促進する施策はどういうものなのか。そういうことを考えることが必要ではないかというのが、国研のプロジェクトの立場でございます。
 実は、このような動きは各国でも同様に出ております。2000年前後から、アメリカ、イギリス、オランダ等においてもティーチャー・エデュケーターという言葉で、大学で教員養成を担当する先生を含め、あるいは校長先生、研修主任、指導主事等を含めた、ティーチャー・エデュケーターの資質・能力の在り方についての関心が高まっております。そういう国際的な動向の下で、今回は国立大学の教員養成系大学学部の先生に特に注目いたしまして、どういう資質が必要なのか。そして、どのように育つことができるのかを調査したものでございます。もちろん開放制の下で教員養成が行われておりますので、国立大学の先生の調査が直ちに全ての教員養成に通用するとは思っておりませんが、それら開放制を前提としつつも、国立大学教員養成系大学の先生方は、教員養成に特化したプロであるという認識の下で、我々は研究に着手したわけでございます。
 研究の方法でございますが、教員養成を担当する国立大学の先生は、意識が非常に拡散していることが予想されます。いろいろな考えの先生がいらっしゃることが想像される。よって我々は調査対象を限定いたしました。どう絞っていったかといいますと、教員養成系大学の学長、学部長様に、優秀な取組をしている方ということで御推薦いただきまして、そういう先生方を対象に、その先生方が考える、必要とする資質・能力、そして御自身が国立大学の教員養成担当の教員としてどのように育ってきたのかを、記述していただく調査をいたしました。
 もちろん、意識調査でございますので、限界があることも確かでございます。本当にその先生方が新しい時代に即した教員養成をやっているかどうかは、意識上の問題ですので、同定することができておりません。そこに、優秀だと推薦された先生方が、今後に必要な実践をやっているかどうかという保証はないわけでございます。しかしながら、高い観点からの、学長、学部長様からの御推薦をいただいた方の御意見を基に分析することには、一定の説得力があるだろうと私どもは考えております。
 前後に今回は小規模の調査を、一度目でございますし、行っております。全部で65票の回収でございますが、少ないように見えますが、国立大学教員養成系大学学部の教員の職業人口のうちの大体1%でございます。その1%の教員を対象に調査を行ったものでございます。小規模であるという限界もありますが、皆さんの議論の参考になれば幸いでございます。
 そういう先生方に、教員養成系国立大学で教える上で求められる資質・能力はどういうものですかという質問をしております。9ページでございます。大体能力を三つの系統に分けて分析しております。一つが「使命感」、職業人として必要な意欲系の能力でございます。次の真ん中が、思考系の能力でございます。最後が、対人系の能力と分類して提示させていただいておりますし、これは学校教員の資質・能力とも対応させた形での表記になっております。ここで御注目いただきたいのは、どういう能力が必要ですかと聞きましたところ、一番群を抜いて多いのが、1番の「教員養成担当者としての自覚」で、81.5%でございます。ですので、一番、国立大学で教員養成を担当する教員にとって必要な資質として、8割の方が挙げてくるのが、まずは自覚が必要だと。ですから、これから先、教員養成で資質・能力を個人として、組織能力として保証していく上では、まずこの自覚、あるいは自分が教員養成担当として役に立てるという実感を味わうような仕掛けが、有効性を持つだろうと思われます。
 そのほか、ここで色付けをしていますのは、教員養成を担当する大学の先生も、大学の先生であることに限りはございません。今、高等教育改革がどんどん進行しておりますので、むしろ教員養成学部の先生以上に、例えばアクティブ・ラーニングですとか、そういう高等教育政策の流れの中で、他学部の先生もむしろ同様に、あるいはそれ以上に授業改善に取り組んでいる可能性もございます。そういう一般の大学の先生に必要な資質・能力に加えて、教員養成をやる先生に特に必要であろうと思われるところに、色を付けて御説明申し上げております。ここに載っていますのは、指摘率が高い項目でございます。5割以上、5件法で質問しまして、「とても必要である」という回答が5割を超えた回答を整理したものでございます。
 その中で指摘率が高いのは、「学校現場での教育実践と関連付けた授業の実施」、つまり教員養成の先生をやる上では、自分の授業がどんな授業でも、教員になることにどういう意味があるのかというレリバンスを説明する力が必要だろうと。先ほど油布委員からもお話がありましたけれども、大学の授業にはいろいろな授業がございます。ですから、現場とは距離のある授業もあるだろうと思います。けれども、いかに距離があろうとも、現場になる、教師になることに対して、どういうレリバンス、関連性があるのかを説明する能力が求められているだろうと思います。
 次に「教育実習」も、各種のデータから、教育学部の学生にとって一番重要な学習の機会が実習であることは分かっております。そうなれば、教員養成をやる先生にとって必要なことは、その実習での学びを言葉にし、それをより大きなフレームへとつなげる能力が必要だろうと思われます。そんなことをここで指摘されているのだろうと思います。
 続いて、「研究・学識」でございます。これまで述べてきたことは比較的現場との関連性に関することが多いのですが、ただ、それだけでは教員養成担当の大学の先生は務まらない可能性がございます。そう申しますのは、「『学習』に関する新しく深い知見」も指摘に入っております。大学は、新しい知を産出し現場を変えていくというベクトルも必要である。ですから21世紀型の能力をこれから現場で付けていくなら、大学自身がそういう21世紀型の授業とはどういう学習なのかということを、きちっと研究し、その具体の在り方を研究し普及していくことも、大学としては必要になってくるだろう。そういう意味で、大学にとって、そういう研究・学識も必要だろうということでございます。
 最後に、「実践と理論の往還型のプログラムのデザイン」、組織的な能力が必要だろうと。指摘の高いところを構造化しますと、このようなモデルとして整理できるのではないかというのが、9ページ目の提案でございます。これは実際に、教員経験あり、なしで、実は二十数項目のうち3項目しか違いがございませんでした。ですから優秀教員として推薦される方の中では、学校教員経験があろうがなかろうが、同じような考え方をしていることは、この限られたデータからは言うことができます。
 では、実際にどのようにそれが成長しているのかといいますと、教員養成系大学に就職したときの、リアリティー・ショックでございます。就職してどんな職業も初めて分かることがあるわけでございますが、13ページで、非常にネガティブな教員集団の現状認知からスタートしていることが分かっております。こういうスタートの中でどのように成長していくのか。職業人の成長を考える際に二つのモデルがあって、連続的に成長していく、つまり日常的にだんだん、じわりじわり成長していくモデルと、あるときに突然大きな出来事と出会って変容するという、非連続型の成長モデルがございます。今回、両方聞いております。
 教員養成系大学の先生が大きく考え方が違った転機があったかどうかでございますが、67.7%の人が、考え方が変わった経験があるということでございます。どのように変わったのかといいますと、一番指摘率が高いのは、何か役職をやったことによって考え方が変わった、役職をやることによって、教員養成はこうやってできているのだと分かるということでございます。あるいは、むしろ実践をやりながら、こうやって教えれば学生からの手応えがある、自分の専門を生かしてこうやって教えれば学生は学んでくれるのだという転機によって、成長していくというところでございます。
 今回、限られたデータでありますので一般化は難しいと思われますが、教育実践上で得た、こうやって学生と関わって教えればいいのだという経験は、比較的経験年数が若い頃に集中して経験しております。これに対して、教員養成のカリキュラムはこうなっているのだという、組織的な転機を経験するのは、5年目以降になっております。ここから考えますと、教員養成を担当する先生にとってみると、一定の発達の適時性が、これから教員養成の先生を育てる上でキャリア・ステージという考え方も、必要であると考えられます。
 また、先ほどは非連続型の成長モデルでございますが、今度は連続型の成長モデル、日常的にどうやって育っているのかといいますと、一番指摘率が高いのが、現職教員の先生との交流で育ってきましたという率が一番高い。ですから国立大学の先生で教員養成の先生は、日常的に先生と会いながら、今現在こうやって困っている、こういうのを教えているのだということを察知しながら、教えている。そして同時に、自らの試行と錯誤をしながら、動いてみながら、そして内省しながら、自分の知を再構成しながら育っていると言えようかと思います。また学校教員の場合ですと、優秀教員を比較的に見た傾向としては、学会・書籍等を読みながら成長していることが分かります。これは大学の先生らしいと言えるかと思います。そういうところで、先ほど経験だけで語るなという御意見がございましたが、経験値をもう一回理論枠組みにぶつけることによって、再構造化しながら、知を使い勝手のいいように構成していると、推測することができようかと思います。こんな成長の仕方をしている。
 こういう成長の中で、FD活動につきましては、教職の先生以上に教科専門の方の方が「有効であった」と回答する率が有意差を持って高いという経験を持っています。ですので、今後、教員養成担当の先生の成長を考える際には、前歴も考えながらカリキュラムを組んでいくことが必要だろうと思われます。
 「今後特に経験してほしいこと」は、何においても現場との交流をしてほしいという願いでございます。
 最後に、その先生方に、どんなFDプログラムが有効であるかを推奨していただいております。それを能力構造と関連付けて例示をしますと、まず「学校現場を理解するプログラム」が有効だろうと。次に、「教員養成担当の大学教員としての自覚を高め、教員養成における立ち位置を理解するプログラム」が有効ではないか。これは、理学部、文学部、いろいろな学部から来られた先生が、別にさぼろうとしているわけではなくて、教員養成カリキュラムの中で自分はいかに貢献できるのかが分かるような、そういうことを位置付ける上では、教職担当の先生の役割は大きいだろうと思われます。宇宙論なら宇宙論の専門が、どのように教員になる若者にとって有益なのかを分かるようなプログラム。次に、教員養成という姿勢に基づいた授業とか実習、指導の在り方を高める、能力を高めるプログラム。次に、アクティブ・ラーニングとか新しい学びという以上、大学の先生がそもそもアクティブ・ラーニングできなければ仕方がないのではないか。そういうことをまずFDでしっかり教えないと、新しい時代の教員を育てることなどできないのではないかという御意見でございます。最後に、協働性、教育委員会とかいろいろなところとコラボレーションしていく能力は、相手の立場を考えながら、ウイン・ウインの関係を作っていく体の動かし方が必要になります。そういうものを訓練するプログラムが必要ではないかという御提案でございます。
 以上のとおりでございますが、私どもは決して、個々の先生一人で頑張ってほしいと言っているわけではなくて、FDのプログラムや、プロ集団として高めるような仕組みを是非創っていくべきでしょうし、それを支援するような施策が必要であろうという考え方の下で、こういう研究をしております。またこういう研究が、今回は国立教員養成系大学に限定しておりますが、開放制の下で他の大学の先生方にも何らかの示唆・御議論のきっかけに少しでもなりますなら、皆様方の議論のきっかけになるなら幸いでございます。
 限られた時間で恐縮でございますが、私どもは以上のような研究上の立ち位置と考え方でこういう研究を進めてまいりました。以上でございます。どうもありがとうございました。
【小原部会長】
 ありがとうございました。
 少し時間が押していますけれども、ただいまの説明に関しての御質問や、教員養成担当教員の資質向上について、御意見がありましたら、お願いいたします。
【髙岡委員】
 ありがとうございました。
 なるほど、面白いデータを出していただいて、教員養成系国立の教育系大学学部、しかも学部長が推薦するグッド・ティーチャーですよね。こういう人たちのデータを集めてみたということで、大変興味深いお話だったと思います。「『大学教員』に求められる資質能力」という表ですけれども、なかなか高い数字だと見えながら、同時に、例えば教員養成担当者としての自覚が大事だろうと答えた人が81.5%、残りの18.5%は何を考えているのだろうかとか、「研究・学識」のところで、「『学習』に関する新しく深い知見」は半分ぐらいです。これは例えば理学部物理学科の先生に「物理学に関する新しく深い知見」と聞いたときに、こんな数字になるのだろうか。つまりこのデータは、少し深読みをすれば、それから直観的に経験的に申し上げると、笛吹けど踊らずという感じはこれなのだと思うのです。つまり教育学部にいて、しかもかなり真剣にこの人はやっているだろうと評価される人の数字で、もちろん「とても必要だ」と答えた数字ですから、「まあまあ必要」を合わせれば、ほぼ100%になるのだろうと思うのですが、求心力がない。だから御本人も、私も含めて、自分の経験から言っても、自分でも余り自信がないのですよね。教員養成をやるのだろう、教育の話だろう、しっかりやろうということが、本当に完璧に正しいという自信を持って仲間に伝えられるかというと、こうだから、ちょっとそこは伝えにくいのですね。そういう意味で、この数字をどう読むかということについて、少し別の読み方も可能ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
【藤原総括研究官】
 ありがとうございました。
 数値は、「とても必要である」という数値でございますので、合わせますと、例えば自覚ですと、ほぼ100%当たりに上がってまいります。ですので、そういう読み取り方、「とても必要である」というデータであることは、御理解いただきたいと思いますが、髙岡委員が御指摘のとおり、これまで自覚のところが課題であったことは、確かでございます。けれども、現在これは教員養成学部だけの課題ではなくて、教育学部は単一ディシプリンの学部ではないことが端的に言えようかと思います。つまりディシプリンが一つではない。法学部とかそういうところも、ディシプリンが一つではない。けれどもそういう学部がどんどん増えていますので、マルチ・ディシプリン、つまりいろいろなディシプリン、あるいはトランス・ディシプリンを、うまく絡めながらプログラムを組んでいくことがむしろ自然になってきていると思います。そうすると、非常に楽観的と御指摘されるかもしれませんが、今後そういうFDプログラム等の適切な実施等によって十分改善可能な方向へ行くだろうと、私どもは考えております。
【小原部会長】
 それでは、最後に一人ですが、高橋先生。
【高橋委員】
 私も大変面白く拝見させていただきました。それが国立の教員養成系の大学教員の優れた人の見識のレベルかと思いますと、最後におっしゃっていただいた、FDプログラム、要するに組織的な改善をどうしていくかという視点がとても大事だと思います。ここでおっしゃっているプログラムの種類はそんなに変わったことではなくて、先ほどもありましたけれども、教育実習を1年から2年、3年からと、単に学校に行かせるのではなくて、教員が付いていって学ぶ、学校の先生方と一緒に学び、それを学部の教育に反映させていく中で大学教員に力が付くと思います。そういう組織的なFDを国立の教員養成学部なら全部の学部がやるべきであって、そういうことをやっている教員を優れた教員と評価する、そういう人が学部長にならないといけないなと思った次第です。
 FDプログラムを実際根付かせていって、教員養成の意識がない教員を、教員養成するのだという意識に変えていくことが大切だと実感しています。私自身が、教員養成学部に来て10年間はそのような意識がなく、自分はきちんと教えていると思っていたのですが、その教員になる学生の身になって私のやっている授業はどうなのだと思ったときに、意識が変わってきたと思います。教員養成学部は、それを組織的にしていかなければいけない。そういうことを御指摘していただいたと認識しました。ありがとうございました。
【小原部会長】
 続きまして、「教員の養成・採用・研修の改善に関するワーキンググループ」を設置しましたので、そこのワーキンググループにおける検討状況について、主査であります髙岡委員より御報告をお願いいたします。
【髙岡委員】
 それでは、余り時間もございませんので、事務局の力も借りながら、できるだけ端的に、中間的な報告をさせていただきます。
 4月でしたか、ワーキンググループの設置、正式名称は「教員の養成・採用・研修の改善に関するワーキンググループ」ということで、小原部会長先生の下に置かれまして、これまで、このメンバーの中から8名出まして、組織をいたしました。5月2日と6月9日の2回にわたって検討した結果を御報告申し上げます。検討すべき事項は、このワーキンググループの表題といいますか看板が示しますように、「養成・採用・研修の改善」と極めて多岐にわたる、短期間にこれを全部まとめることが本当にできるかどうかを危惧しながらですが、始めました。今日は、これまで2回の結果、一応取りまとめました、免許制度そのものの改善の在り方、それからその免許を構成する教職課程の在り方、特に教育の内容について、御報告をいたします。
 ワーキンググループには、小原部会長先生、それから無藤部会長代理先生のお二人も、オブザーバーとして時間の許す限り御参加を頂きまして、特に小原部会長からは、この養成部会に上げる具体的な提案、今日のものはまだ中間的内容でございますが、最終的な報告としては、全ての、養成・採用・研修のいずれの分野についても、できるだけ複数の案の提示をするようにという話をいただいております。ワーキングの中で、8名である結論を1本に絞ることなく、複数案で、養成部会でしっかり議論をすべきだという御指示を頂いていますので、そのような方向で今議論をしている最中でございます。
 今日は、その中で、大きく言うと養成・採用・研修と三つの分野がございますが、これまで2回、時間をかけて議論いたしました、免許制度の在り方と、教職課程の内容に関わって資料を事務局でも作っていただきましたので、その説明をまずさせていただきたいと思います。ここからの説明は、資料2から5について事務局からしていただいて、内容について、図面がたくさんございますので御理解をいただければと思います。
 よろしくお願いいたします。
【小谷教員免許企画室長】
 それでは、資料2から御説明申し上げます。
 資料2は、前回の部会で御覧いただきました「教員免許制度・教員養成の改善について」、御検討いただきたい3点をお示ししたものでございます。このうち1と2について、これまでワーキングで検討をお願いいたしました。
 次に資料3を御覧ください。こちらが具体的な御検討をいただくために事務局からお示ししたものでございます。初めに「制度の基盤となる考え方について」ということで、免許制度、教員養成制度を考えていく上での基盤に係る事項を確認いただいております。一つ目が、「教員養成の原則について」ということで、「大学における教員養成」及び「開放制の教員養成を原則とする」という考え方を維持することでよいか。
 二つ目としまして、「教員免許の性質について」、これは行政庁が免許をするものでございますが、教員として最小限必要な資質能力を有することを公証する形の免許を、今後も維持していくという考え方でよいかということでございます。
 三つ目としまして、特に普通免許に限って、ここでは論点を掲げさせていただいておりますが、基礎資格、学位等を有し、かつ認定課程等で所要単位を修得した者、又は教育職員検定に合格した者、後者については特定の免許や一定の教職経験を有する者に限られておりますが、この二者を免許の対象者とするという考え方を維持することでよいかという点でございます。
 次のページを御覧いただきまして、この3に掲げました二者につきましては、いずれにつきましても大学において所要単位を修得することが免許のための要件となっておりまして、この所要単位の修得が、各教員免許に係る資質能力を備えさせる上で重要な機能を果たしてまいりました。この仕組みを維持することでよいかという御確認を頂きました。
 その上で、具体的な制度として、免許の種類、あるいは教職課程の内容についての御検討をいただいております。これらにつきましては、具体的な資料に沿って御説明申し上げます。
 資料4-1を御覧ください。こちらは「免許制度の見直しの方向性について」ということで、まず複数の校種の免許取得を進めていくためにどうしたらいいかという案をお示しいたしました。
 現行制度は左上のものでございまして、学校種、そして中・高につきましては教科ごとに、今、免許制度が創られております。これを複数の校種について取得していただくことを進めるためにどうするかという案が、ほかの三つでございまして、まず右側に目を転じていただきまして、現行制度を維持したまま複数の免許を取得するための教職課程を置いていただいて、併有を促進するという考え方が一つございます。
 次に、左下をごらんいただきまして、現行制度は残したまま、新たに小・中、あるいは幼・小、中・高といった複数校種を包含するような免許を入れていくという考え方がございます。ただし、この場合には、単純に中・高という免許をくっ付けただけの免許を創設することはできませんで、それぞれ違う免許としての特殊性を出さなければいけないものですから、中プラス高という免許を仮に創るとした場合には、接続に関する部分を増やすなど、新しい免許としての特徴を出す必要があることが、一つ論点になってまいります。
 次に、右側に参りまして(3)でございますが、こちらは現行制度はやめて、新しい複合型の免許種のみにしていくという案でございまして、これら大きく分けますと三つの考え方があるということで、お示しをさせていただきました。
 次に、資料4-2を御覧ください。免許制度についてですが、今度は複数の教科に関しての免許を取得することについて、どう考えるかということでございます。
 現行免許制度を基本にいたしますと、左上でございまして、教科ごとにある免許の二つを同時に取っていただくということでございますが、次に右を見ていただきますと、先ほど御覧いただいた複数校種包含型の免許を入れた場合に、どのような組合せになってくるかを図示しております。御覧いただきますと、すぐにお分かりいただけますとおり、制度が非常に複雑になってまいりまして、例えば真ん中あたりにあります高校の理科と中プラス高の数学という免許両方を取ろうとした場合には、どの部分の単位は共通でよくて、どこを新しく取らなければならないのかといった、制度的調整を相当に図る必要がありまして、その部分が非常に複雑になってくるという課題がございます。同じように左下を御覧いただきまして、複数校種の免許だけを新しく導入する場合にも、少なくとも三つの組合せで制度的な措置が必要になってまいります。また右下にございます(4)は、複数の教科をそもそも組み合わせたような免許を創るという考え方もあるということで、例えば高校の数学と理科、あるいは小学校と中学校の数学プラス理科という考え方もあり得るということで、お示ししております。
 次に資料4-3を御覧ください。少し観点が異なっておりまして、小学校において専科指導を進めていくために、どういう免許があればよいかという観点から作成したものでございます。こちらは単純には、黄色い一番左側に「小学校教科・英語」がございますが、小学校で教科だけを担当できる、ただし担任は持てるということで、道徳、外国語活動等はできる免許を創るという考え方がございます。あるいはこの免許だけでは、配置上余り学校に入っていただくことができないことを考えまして、中学校と複合型にするか、あるいは高校まで複合型にするかといった考え方もございます。
 次に資料4-4を御覧いただければと思います。今御覧いただきましたような免許種を入れた上で、現行制度としましては、一種免許、二種免許、専修免許がございますので、それらをどのように創っていくかという考え方を示したものでございます。現行は左上のものでございまして、高校だけが二種免許がないという特徴がございます。
 これを、下に目を転じていただきまして、(1)でございますが、現行免許と高度免許を併存させるというものをお示ししていますが、まずグレーの部分でお示ししているのが、先ほど御覧いただいた、複数校種包含型の免許を入れていくということで、これだけ種類が増加してまいります。
 さらに、ここにおいて二種免許をどうするかという問題が一つ出てまいりますし、また新しく免許の種類ということで提示をさせていただきましたのは、A、B、C、緑色のものを御覧いただければと思いますが、例えば大学院段階で現在の専修免許状がございますが、こちらは一種免許状に照らして量的に学びを深めたという程度の証明しかしない免許でございまして、何を学んだかという内容の証明がない免許になっております。これに鑑みまして、例えば、右に書いてありますが、A「学校経営・管理」、B「高度学習指導」、C「高度生徒指導・教育相談」といった、一定の目的を持った単位を修得していただくような新しい免許を導入していくという考え方もあるのではないかということでございます。
 またa、b、cを御覧いただければと思いますが、「幼小接続」、「小中接続」、「中高接続」と書いておりますが、現行制度を起点にしつつ、例えば小学校の免許をお持ちの方が幼稚園の部分について更に学ぶような、接続型の付加型免許を創ることによって、先ほど御覧いただいた包含免許、包括型の免許と同じような機能を持たせることもできるのではないかということ、あるいは本当に内容を限ってしまいまして、接続部分が足りないということで、そこに集中したことを学んでいただくような専門免許を設けるという考え方もあるのではないかということで、お示ししたものでございます。
 右上に(2)をお示ししていますが、下との違いは、専修免許がない部分があるということでございまして、学校種に係る部分については専修免許部分をなくしてしまいまして、高度専門型免許に移行していくという案もあり得るのではないかという案をお示ししております。
 以上が、免許の種類に関するものでございます。
 次に、資料5-1を御覧いただければと思います。こちらは「教職課程の見直しの方向性について」御検討いただくために、事務局からお示ししたものでございまして、まず「基本的な視点」としまして、教職課程の改善に向け、何を重視・勘案すべきかということで、例を幾つかお示ししております。一つは、校種間連携・一貫教育に対応していくための接続的な内容の位置付けをどうするか。二つ目としましては、複数学校種で指導可能な履修を実現するために、可能な限り科目を精選し重点化すること、そして研修との分担・接続の観点を持つこと、それから現下の教育課題は様々ございますが、そういうものへ対応していくこと、そして、現職教員が教職生活全体を通じて更に学び、新しい免許を取得していくことも視野に入れて、どのような教職課程がよいかということで、御検討いただいております。
 具体的な部分は、資料5-2を御覧いただければと思います。一番左側に現行制度を示しております。現行制度の特徴といたしましては、黄緑色の部分の「教科に関する科目」と、オレンジ色の部分の「教職に関する科目」の、大きく2本立てからなっておりまして、下に、「教科又は教職に関する科目」ということで、このいずれかを取る、自由に取得できる、あるいは大学が設定できる科目単位数がございます。更に教職課程の外枠でございますが、「その他特に修得を要する科目」として、日本国憲法、体育、外国語コミュニケーション、情報機器の操作がございまして、これら全てをお取りいただくのが現行制度でございます。
 そして、新しく案としてお示ししましたものは、特に実践的、専門的な力を伸ばしていくという観点から、教科に関する科目と指導法に関する科目を統合的に扱うことがふさわしいのではないかということで、上の青い部分でございますが、「教科の内容及びその構成、教科の指導法」という形で、複合してはどうかという枠組みをお示ししております。その履修を要する内容の例は、右に掲げております。またもう一つ、例の3の欄を御覧いただきますと、枠組みとして二つ目にございます「教職の意義・職務内容の理解」のところに、教職実践演習とか教育実習の要素を取り込みまして、実際に現場で実習をしていただくような内容と、教職の意義・役割を理解するようなものは一緒に学んでいくのはどうかという案をお示ししております。下の五つ目でございますが、「特別支援教育」につきましては、発達障害のお子さん等が普通学級にもいらっしゃることが通常になってまいりましたので、特にここは手厚く学ぶということで枠組みを切り出してはどうかということ、あるいは「社会的・職業的自立のための指導」という、キャリア教育の視点を、その枠組みの下に生徒指導等と併せて入れております。更に科目を精選していくという観点になりますと、「教科又は教職に関する科目」や「その他特に修得を要する科目」を精選することが必要になるのではないかということで、ただ、代わりにこういった大学が自由に設定できるような部分を全てなくすということではなく、「現代的課題」、「地域的課題」という枠組みを残すことで、それぞれの地域の実情、あるいはその時々の状況に応じた科目設定をしていただけるような枠組みはどうかということで、お示しをしております。
 以上が、御検討いただいた資料でございます。
【髙岡委員】
 ありがとうございます。
 今、資料2から5-2までございましたけれども、いずれも図面や表になっております。そして、現行の免許制度を大きく変更するかのように見える図面がたくさんあります。パンチ力があるという意味ではそうかもしれませんが、逆に、十分更に議論を深めていかないとなかなか確定できない問題もあるだろうと考えております。その点では、更に慎重に、時間のある限り議論をしたいと思っております。
 資料6-1と6-2は、2回のワーキンググループで出た、委員からの主な御意見としてまとめておりますが、これについては、一つ一つ御説明をする時間もございませんし、また見ていただければと思います。今、室長から説明をしていただきましたような議論の背景には、こういう指摘があったということでございますので、また見ていただければと思います。
 その中で少しポイントを整理いたしますと、まず教員という職業人を、ここ数年の中教審の答申等を踏まえて、高度な専門職業人という位置付けは当然のことであるわけで、そのことを確認して議論を始めたこと、それは、一つは大学における養成と、開放制という制度の堅持の、2点を確認することでもあるわけですが、同時に開放制の教員養成制度と、この数年言われております教員養成課程、教職課程の質保証をどう考えたらいいかということも、議論の対象に今なっております。
 それから内容につきましては、教員免許状そのものの呼称や中身、適用範囲を先ほど説明してもらいましたけれども、現行は学校種、教科別という、基本的にはそういう免許制度になっているわけですが、学校種を越えた資格を検討するのかどうか。さらには、教科を越えて指導できる免許状を新設するのかどうか。そういうことが議論になっていることを、御報告したいと思います。
 2点目は、教職課程のカリキュラムに近い内容になりますけれども、例えば特別支援教育や、ICT活用の能力、よく言われます小学校外国語活動、英語活動、英語の教科化、あるいは道徳の教科化とか、さらにはいじめ問題を中心にする生徒指導の力量形成という、いわば喫緊の教育課題をしっかり担える教員を育てるために、現行の免許の科目が適当であるのかどうかということも、検討の対象になるであろう。更に付加すべき、あるいは増やすべき単位があるのではないかという議論もしております。
 同時に、この30年ほどの間に、あるいは40年でしょうか、原理、心理、教育実習、10単位ぐらい取れば免許になったという時代から、特に中・高の免許ですが、今や六十数単位取らないと中・高の免許にも到達しない。それだけ教員の資質向上に関わって、学部段階の基礎資格のレベルで単位がずっと増え続けてきている。こういう現状を前提にして、更にプラスすると考えるのか、この際、単位のスリム化も一方の視野に置きながら、そういう意味では学部段階の教員養成を、いわゆる基礎資格を、先ほど岸田先生の御議論の中にも背景にそういうものが含まれているのではないかと私は勝手にお話を興味深く伺ったのですが、現職段階に動かしていく中身、あるいは初任研というところに動かしていく中身、さらには教職大学院を中心にした大学院教育に委ねていく部分が、法改正や制度改正の中でできる可能性があるのか、ないのか。そういうことも追求をしていきたい。
 少し踏み込み過ぎた発言をしたかも分かりません。ワーキンググループの委員の先生方、そこまでは言っていないじゃないかということがありましたら、後で指摘していただければと思いますが、私の一応座長を務めさせていただいて、交通整理をやらせていただいた立場から言えば、そういう議論が今真剣にかわされていることを取りまとめまして、御報告に代えたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【小原部会長】
 それでは、ただいまの説明に関して、御意見がありましたら、お願いいたします。特にワーキンググループに所属していない先生方を優先して、意見を聞かせていただければと思います。加治佐先生。
【加治佐委員】
 本当にどうも御苦労さまです。1回見ただけではよく分かりませんが、非常に大変な作業をされていることは、よく分かります。
 髙岡委員が今おっしゃったように非常に踏み込んでおられるなと、まず思いました。私の最初のイメージでは、現行の学部段階で免許を何とか複数取りやすくするとか、あるいは免許種を少し組み合わせるとかいうぐらいのレベルでした。そうではなくて、複数の教科の免許を取るとか、大学院で取得する高度専門免許が出てきました。また教員になってから単位を取ってもいいのではないかという、養成段階だけではなくて採用後にも踏み込んでおられる。これまでの教員養成改革の方向に即した、思い切った抜本的な免許改革を志向されていることがはっきりでましたので、それはいいことだと思います。
 まず一つお願いしたいことです。これだけ見ると、一言で言うと、これから検討されるから当然変わりますけれども、非常に複雑になったなという印象を受けます。つまり時間数とか単位数とかが示されておりませんので、こういう印象を受けるわけです。今でも極めて複雑なので、教育委員会も大学も本当に免許担当者は苦労していますので、是非、複数案示されるということでしたが、できるだけシンプルな形で示してほしいというお願いです。
 これからいろいろ単位数、時間数は計算されるのでしょうけれども、これだけ教育課題が大きくなり、接続のことも考えなければいけない。あるいは複数の教科を担当できる力とか、小規模なところでは小中連携は当たり前で、小中一貫は人口が減ったところでは別に選択ではなくて必然だということもあるわけです。そうなりますと、これらを遂行できる力の育成を学部のみでやったら大変です。みんな複数免許を取らないと就職できませんから。そうすると、今も四苦八苦しているのに一層忙しくなって、豊かな体験を持った学生とか、そういうことはできないです。ですから、学部段階にゆとりを持たせる意味でも、先のところまで考えていただいて、是非構築をしていただきたいと思います。学部段階での完結という視点ではなくて、教員養成の長期化を視野に入れた発想を、私としては希望したいと思います。そうしないと無理であろうということです。そういうお願いをしたいということです。
【小原部会長】
 酒井先生。
【酒井委員】
 私は、まだ全体を把握し切れていない状況の中で、質問させていただくのですが、資料の2を拝見いたしますと、改善のところで三つ課題が出ております。一つは、複数の学校種をまたいだ免許を創るのは、新聞報道等でもありましたのでそういう方向に行くのはよく分かったのですが、今日のお話ですと、もう一つ、複数の教科をまたいでの免許という、数学と理科はまだ分かるのですが、英語と数学となりますと、そういう免許を取らせるような方向がありまして、それがどこから出てきたのか、その背景を教えていただきたいというのが、1点です。
 それから、大学院の免許レベルでA、B、Cが出てきますが、例えばAは「学校管理・経営」だったと思いますが、これは、それを取らなければ学校の管理職になれないとか、何らかの職位との関係の中で構想されているものなのか、あるいは主幹教諭や指導教諭といったものとのリンクの中で、こうしたA、B、Cが構想されているのか。それから、戻りますが、複数の免許、教科免許を取りますと、一方では単位数を圧縮すると書いてありますので、専門性のところで、教科の専門性はこの十何年前に大きく教科に関する科目の単位数が減っていると思いますが、更に減っていくということなのか。
 幾つかいろいろありますが、大きくは二つについて、教えていただければと思います。
【髙岡委員】
 複数教科の中学校、高校、特に中学校を意識されていますでしょうか、先ほど加治佐先生のお話にもありましたように、都道府県によっては、特に地方では「横副免」という言い方をしますね。中学校の国語を持っていれば、音楽も持っていないかという。臨時免許状で教員をやらせるぐらいだったら、最初から免許を持っていてほしいと。複数免が採用の要件になることは、そんなに明記されてはいないのですけれども、それが求められているという議論があるが、どうでしょうかということも、とりあえずは絵に落とした。単位がどうなるかというと相当過多になりますから、過多になっても取れるとか、取ると言い出すと、開放制原則を事実上縛ってしまうことになる。そことの兼ね合いの問題だと思います。議論はもっと進めたいと思っています。
 それから大学院の問題は、教職大学院の科目の内容の問題とも関係があると思うのですが、そこがどうなるかですよね。校長になるのだったら専修免を持っておけとか、教職大学院を出ておけという話になるなら、事は簡単ですが、ならないで、教職大学院を創れということになると、なかなか教職大学院の制度の拡大にもつながっていかない。それは国公私立全部含めて、非常に少ない学生を多くの教員で見ているという意味では、経営的にも非常に難しい問題がそこにある。だったら、教職大学院の専門性をきちんと披瀝(ひれき)できて、教職大学院を教育委員会と大学がしっかり協働して開設する。先ほどの岸田先生の図面にもありましたが、ああいう見通しをとるのかどうか。そこがまだ見えませんから、ワーキングで議論をするところまでは到達していない。議論をしていないと私は今申し上げているので、なかなか難しいですが、そこまでは今の段階では出ないかなという感覚です。
【酒井委員】
 ありがとうございます。
【小原部会長】
 北條先生。
【北條委員】  前回欠席しましたもので、そのときの議論を知らないで発言いたしますので、的外れであったらお許しいただきたいと思います。
 資料2を素直に見ますと、「教員免許制度の改善」については、小中、中高等ということでありますけれども、原則としてそこに限定して、幼は含まないのかなという認識でありますが、2番の「教職課程の見直し」は、これは対象にすると思われるわけです。資料3と4を見てまいりますと、今の思いがそうなのかと思うわけでありますが、資料6を見ますと、例えば第1回の資料の中に、幼保連携に対応した免許状が必要とか、第2回のところでは、幼少、その他の複数校種の免許を基本とする考え方が理想だというような御意見が出てまいりますと、実は、教員免許制度の方でも幼も対象になっているのか。そこら辺の確認をお願いしたいと思います。
 こういうお願いをする背景は、実はこの教員養成部会で教員免許状の更新制が決まりましたときに、4年前になりますが、その場でお願いをいたしました。それは、幼稚園教員は教員免許の更新制の対象になるわけで、現在なっているわけでありますが、それと似た仕事であります保育所、保育士につきましては、そういう仕組みがない。これについては至急改善して、共通の仕組みにしていただきたいということをお願いして、その際、文科省の方は、厚生労働省と調整をするとその場でお答えをいただいたわけですが、その後、これはどのようになっているのか。その後の御報告は頂いておりませんので、この機会に、今日無理であれば結構ですが、御報告を頂きたいということです。
 そして、平成27年4月に早ければ新しい「子ども・子育て支援新制度」がスタートすることになっております。スタートするとなると、「幼保連携型認定こども園」という今までにはなかった新しい学校が、学校教育法に根拠を持たない新しい学校が生まれます。そこにおいて、これは資格ではなくて単なる呼称でありますが、保育教諭という身分が、幼保連携型認定こども園には必置とされることになります。新しい学校です。それがまだ現実のものとなっていないわけですから、議論の対象ではないということなら、それはそれで結構だとは思いますが、この間、国としては27年4月実施に向けて強い決意で進むということを承っておりますので、そうなりますと、保育教諭の性格をもう少し詰めて、この教員養成部会でも検討していかなければいけないのではないかと思っております。
 それから、保育士の問題まで含めてしまいますと、ただでさえものすごく複雑だと、今御発言もありましたが、それをより一層複雑にしてしまうわけですが、しかし、この間、文科省では、この中教審でもそうですが、保幼小連携ということで作業を進めてきたはずでございます。そして中間報告だかまとめも既に出ているところであります。そうしますと、単に幼小連携では済まないわけでして、保幼小連携をどう取り扱うかも重要な課題になってまいります。ただ事が複雑になり過ぎるから今回はそこまでは踏み込まないということであれば、それはそれで結構だと思いますが、今後どういう作業が行われるかを確認させていただきたいと思います。
 以上でございます。
【小谷教員免許企画室長】
 それでは、事務局からお答えさせていただきます。
 まず、幼稚園もこの免許の見直し等の議論の対象になっているのかという点については、一緒に対象になっております。
 二つ目に御質問のございました更新制との関わりの件でございますが、幼稚園の免許は、主に3歳から6歳までのお子さんを対象にするのに対して、保育士は、0歳から18歳未満のお子さんを対象とするということで、対象年齢が非常に違っておりまして、その関係から、その資格、免許の教育プログラムの内容も違いがあるという現状がございます。したがって容易には一元化ができないということもあり、保育教諭という新しい職を設けるに当たっては、幼稚園の免許と保育士の資格との両方を併せ持つという形で、27年4月から制度が施行する予定となっております。そのような関係もございまして、幼稚園免許は、あくまでも教諭の免許の一環でございますので、免許更新制の対象になっておりますが、保育士は全く別の資格であるということで、免許更新制の対象にはならないということでございます。
 一方で、厚生労働省に、例えば更新制のような制度を現段階において考えているかを確認いたしましたが、それはないということで、ただし保育士のための研修は団体などを通じて広く用意をされているので、その場で保育士の養成は、資質・能力の向上は行われていくということでございました。
 それから保幼小連携ということで、今回お示しした資料との関連を一つお話し申し上げますと、資料4-1でございますが、右下の(3)「複数校種の免許を基本とする考え方」の「留意点」に掲げておりますが、幼稚園の免許を考えていく上で難しい、勘案しなければならないのが、ウの部分でございまして、幼稚園の免許と保育士資格の同時取得を目指す大学の課程が多いという現状がございまして、この二つを取るだけでも実は非常に多くの単位を学生さんは取得されております。その中で更に小学校と幼稚園の免許を包含するような免許を設けますと、取得単位が過多となる可能性が大であるということでございまして、これを勘案した上で、包含型免許をどう考えていくのかということは、実は幼稚園の部分が一番難しさを抱えているところでございます。
 以上でございます。
【小原部会長】
 では、横須賀先生。
【横須賀委員】
 ワーキンググループの皆様、御苦労さまです。特に免許制度そのものに踏み込むということのようで、これはややジャングルのような状態ですから、ここに踏み込むのは、本当に御苦労さまだと思います。しばらくこの部会でワーキンググループができるたびに加えていただいてきて、久しぶりにワーキンググループの報告を外から聞く。聞いてみると、分からないものですね。中でやっている人たちは一生懸命考えて分かっているのだと思うのですが、それを聞かされると、分からないものだな、きっと私がやっていたときも皆さんそうだったのだなと、反省したりしています。
 何を目指してやっているのかということが、しっかり据えられないと、やや技術的なところに踏み込むと、ジャングル、木を見て森を見ないようなことになるのかな。その辺のところをどのように防いでいくのかを、お考えいただきたいと思います。
 免許というのはいろいろな役割を果たしているわけですが、一つには、それを持っていることによって、教員が何をできて何をしてはいけないのかという、権利というのか、あるいは権能と、それを限定する役割を持っているのと、免許を取ることによって、教員になる人間が学習をする、教員になる学生に何かを勉強させるという役割と、裏表だけれども、二つあるわけです。ややこれまで養成部会は、どちらかというと免許を取らせるという形で勉強させる、そこでどんな資質を養成しようかというところを中心にやってきたと思うのです。一方、だから教員に何をやらせるために、あるいは何かをやらせないために、どういう取らせ方をするのかという問題には、余り踏み込んでこなかったと思うのですが、これからそれに踏み込むようなので、なかなかこれは大変で、免許法そのものが非常に複雑な構造になってしまっていますから、そこは相当慎重にやらないといけないのではないかと思っています。
 それで、三つ簡単にお願いしたいことを申し上げますと、このところずっと養成部会は、高度専門職業として教師に要請されているもの、社会的要請の高くなってきていることに対して、もう学部段階で考えていていいのか、修士レベルの免許状の問題を考えようではないかということでやったところがあるわけで、そこがもう、それは時代の潮流や時代の風向きだったということで終わらせていいのかどうか。もう一度、よろしくお願いしたいと思います。
 それから、免許で問題なのは、非常に形骸化しているという問題が本当は深刻なことだと、私は課程認定をやりながらずっと考えているし、言い続けてきた。本当に二種の免許状があっていいのか。それから通信制や専門学校での免許状があっていいのか。このように楽に免許状が取れるから、免許状の信用性が低くなるし、安易になる。そうすると、私立大学だけではないでしょうけれども、免許が取れることが看板になってしまい、免許の実際の意味が薄くなってしまっている。これをどのようにしたらいいのかは、本当は本気にやらなければ、免許の取らせ方のところだけでは済まないのではないかと思います。
 もう一つは、ずっといつも言っていることですけれども、養成・採用・研修といったときに、実は採用のところの検討は完全にブラックボックスになる。岸田さんも言わなかったし、さっきのワーキングの報告の中にも出てこない。ところが実際は、採用試験が教師の資質のあるレベルを決定しているという、非常に深刻な問題があると思うのです。ですから、ここは本気になってやらないといけないと思います。
 どうぞ、大変な問題に足を踏み入れたのですから、よろしくお願いしたいと思います。
【小原部会長】
 渡辺先生。
【渡辺委員】
 ありがとうございます。
 伺っていて、だんだん混乱してしまったこともありますが、私自身は混乱した流れの中で、一体、今回の教員免許制度とか教員養成の改善は、なぜ起きて、目的は、目標は何だろうかと、ずっと考えていました。つまり目標なくして改革も改善もないと思っておりますので。最近、気になることは、教育の本来の意義ではない角度から、かつ個人的体験を絶対視した改革案の提唱が多くなり、教育の目標のご御理解もないような改革に、教育界が応えなければいけないということが増えたと思います。もちろん社会の批判は大切ですし、応える必要はありますが、このような機会にただ要請どおりを実現しようとするのではなく、なぜ今それが重要で、何を目指せばこの改善は行われたと言えるのかを考えることが大切だと思っております。
 ちょうどお話の中に、高度専門職業人としての教師を育てるという、すごく明確なお言葉を頂きましたので、もしそうであるとしたなら、これは正に教師としての専門職としての社会的責任とは一体何だということと、それから、これからものすごく変化していく中で、小・中・高という、特に義務教育になると思うのですが、将来の高度専門職、あるいは日本を背負っていく若者を育てるためには、教師自身がよほど専門的な知識をきちんと持たなければいけないのではないか。それを小学レベル、中学レベルでどう教えるか、どう興味を持たせて教えていくか。そうなるとすると、今の大学制度の中で例えば理科と数学の免許も取れるなんていうことは不可能だと思うのです。例えば理科担当なら、単に教科書を教えるのではなく、その背景にある、理科境域を支える幅広い専門知識を持っていることが教師に求められているはずです。その上で、小学校で働くか、中学校で働くかということになるのではないでしょうか。専門知識が深ければ深いほど、いい教えができるのではないかと私は思うものです。複数の免許を取らせるのは、実は開放制の非常に悪いところを利用したことであり、学生がなるべくいろいろな免許を取れるようにして就職の可能性を広げたいということが背景にあると思います。でも現実は一杯取っても就職難である。教師になりたいかどうか考えもしないで免許だけは取るという現状を、ただ助長してしまうのではないかという思いがあります。本当に教師という専門職に就きたいとすれば、学生は大学4年間なり6年間で、きちんと教師という職業について徹底的に考えなければいけないわけですから、そういう意味では、さっき国研の御説明にもありましたように、教職を担当する教員の意欲の問題がすごく大きくなってくるような気がいたします。そういう意味で、免許というものが形骸化しているところをそのままにしておいて、免許を変えようとするということは、現実的な問題なのだろうか、本当に社会の要請に応えられるのだろうかと、私は思ってしまいました。
 大学生を教えている身になって見ますと、大学生の進路を指導していくときに、教師になりたい学生が自分はどういう免許を取ったらいいのだろうかと考えることは、大学の教育そのものにすごく大きな影響を与えてくる。本当に複雑化することに意味があるのだろうかという疑問を持ってしまいました。高度専門職業人としての教師とはどういう人間だろうかという議論も必要ではないでしょうか。世間の多様な批判に耐える必要はありますが、そのためにこそ、教育の現代的役割を精査し、教職の現状を批判して、改革の目的を明確化することは避けられないことと思ったという感想でございます。
【小原部会長】
 梶田先生。
【梶田委員】
 今、抜本的な免許制度の見直しについて聞かせていただいて、これは本当にやらなければならないことで、ただし、先ほどからおっしゃっているようなことを全部頭に置いてやっていただかなければいけないと思いながら聞いていました。私も、この部会、まとめ役を6年もやらせてもらいましたので、教員免許の制度が、結局いろいろなものをプラスアルファしてきたために、やたらと複雑になってきて、下手をすると、教育ということで扱う中身が、教科領域だけではなくて、発達段階でも違うし、いろいろなことが違うものだから、議論をし出すと限りなく分化していくと思うのです。専門性ということを狭く考えてしまいますと、その専門という、例えば特別支援教育でも、目が不自由な人の特別支援教育と耳が不自由な人とは全然違うわけだし、今問題になっておりますアスペルガーなど普通の教室の中においてやらなければいけない話だと、全くまた違ってくる。それをもし専門性ということで捉えてしまうと、話がどんどん細かくなっていくと思います。
 ここからは私の提案ですが、ここに来ておられる人もそうですが、大体日本の教育界全体が、極めて生真面目過ぎると思います。少しおおらかにいろいろなものを括(くく)っていくような発想を、例えば今出てきたワーキングの議論で言うと、基礎免許の発想だとか包括免許の発想と、括(くく)る方の発想を主として考えていただきたいと、一つ思います。結局採用する側(がわ)は、細かく分けていけば、この免許もこの免許も併せて持っている人を採用したくなるのです。採用しておいて、例えば1年間で、試補という考え方も一時期ありましたけれども、やっていって、そこで研修をどんどんしていって、今の初任者研修ですが、どんどん分化させていくとか、あるいはプラスのものを持っていくとか、今せっかくの免許更新制度もできて、10年ごとに勉強し直しをするわけですから、ここでやれるものはやっていくとか、細かくしていく。ですから包括的にして、とりあえずはこれだったら教壇に立てるかというぐらいのところでやってほしいということが、一つあります。
 もう一つは、先ほど横須賀先生も御指摘になりましたけれども、実際には今抜け道が一杯あるのです。抜け道というと叱られますが、通信制や連携でどこかがこういうものを持っていると、それに相乗りしてやっていく。表面上はつじつまが合っているのですが、通信制でも、どこかから課程認定をもらって、それで科目等履修生でいくという。つじつまは合っているが、単なるつじつま合わせで、これをやっていくと、どんどん社会的な信用を失っていくのではないかと思っております。したがって、免許を出す、開放制と言っても何でもいいのですが、実際にはこの点は最低限の力を付けないといけないから、今まで認めてきたものに大幅に切り込みを掛けて便宜的なものは認めないということを、是非同時にやってほしいと思います。
 三つ目には、先ほど幼保の連携のお話がありましたけれども、認定こども園に関わっても、目の前にあるわけですね。これを単なるつじつま合わせにするのではなくて、一緒に今考えなければいけないのは、5歳児をゼロ学年的にやるのだという動きが、実際に動いているわけです。もちろん文科省の中でもかなり細かく御検討になっていると思いますが、政治の場面でも、これをある意味で大前提にした議論が、少なくとも与党の二つの党では随分進んでいます。
 そういう動きを念頭に置いて、デッドライン、ここまでにこれに対応するようなものをやっていかなければ、デッドラインの立て方、根本的にやらなければいけないけれども、ある部分については例えば小中連携もそうですが、やれるところはもう9年制でやってもらおうという動きがあって、若月先生がやられたものが広範に動きそうでしょう。そうすると、今言われている中学免許で小学校というか、4・3・2の下の4の部分の学級担任ができるのかという、すぐそんな話になってくるわけです。
 そういうものもデッドラインが既にあるわけですから、早急に片を付けなければいけないものにつきましては、単に今までのものを、これとこれを合わせてみたいなことではなくて、先ほど言いました包括的なもの、それから便宜的にこれでも簡単に取れるというものを排除していく方向、そういう大原則を土台にした上で、早急に、特に学制改革ということで言われていることに対応するものは、まずモデルを出していただいて、そしてこの部会で議論して、できるだけ早くそれは実現していくようにしなければいけないのかなと思いながら、今は伺わせてもらいました。
 以上です。
【小原部会長】
 油布先生、最後に高橋先生、お願いします。
【油布委員】
 小中一貫校とか英語の小学校への導入ということで、免許の制度を何とか変えなければいけないという現実があるのは分かります。それから一方で、高度専門職業人を養成しなければいけないという要望もあるのですが、今ワーキンググループのお話を聞いていると、先ほどからお話に出ていますように、免許制度全体を変えるような非常に複雑な話になっていると思います。それから校種、教科を乗り入れるような免許の改正は、学生にとっては限られた期間内で広く浅くということになるので、結局のところ高度専門職業人という目的からは遠く離れるのではないかと思います。
 言いたいのは、これから意見というか感想ですが、何でこういうものが出てきたのだろうと思ったときに、今からどんどん少子化になって学校の統廃合なども進むときに、複数の免許を持っていると、例えば先生たちをそれ以上たくさん雇わなくても振り替えたりできるから、教員の需給に便利なのかなという、うがった見方をしてしまいました。
 そういうことになると、取るのが大変になる、広く浅くなる、現場に出るとそのような問題もあるかもしれないということになると、教職を目指す学生から見ると非常に魅力のない職業になってくるのではないかという、危惧を覚えております。特に先進国などで、教師が余り魅力がなくて教師不足に悩まされているという状況もあるわけですが、この免許の改正がそのようにならないような形で議論を進めていただけたらと思います。
 以上です。
【小原部会長】
 お願いします。
【高橋委員】
 免許の、資料4-1、2、3は、今回可能性がある幾つもの案を考えてみたということで作成されたのだと理解しております。今後の検討の方向性については、今日の資料で申しますと、資料5-2の「教育課程の見直しの考え方」が、私は今後実質的にいろいろと御検討いただくべきものとして、腑(ふ)に落ちました。つまり、現行の教育課程の見直しの「履修を要する内容の例」を具体的に検討されていく中から、免許に必要なものは何かと考えないと、実質的な討議にはならないのではないかと思います。
 幼小連携とか小中連携とか高大連携の必要性が指摘されていますが、教員というものは、どの学校種の教員においても、保幼小から成人の全ての発達過程の課題を理解するべきではないかと思いますし、包括的な教育内容で科目設定ができるはずだと思います。そのように包括的な設定をして、教科の専門に関しては、二科目できるかというと、4年ではできないと私は感じます。学部の段階では、教職としての専門職としての誇りと、人間理解と、主体的に学ぶ態度ということをきちんと学ぶ、教科の専門性は基本的なところを教科指導と一緒に教えるという包括的なカリキュラムで行えばいいのではないでしょうか。あとは高度化を考える中で、修士課程で教科を二つ担当するとか、一つの教科を深めるとか、そういうことは長期的に学び続けることで考える、そのように御検討をいただきたいと思いました。
 以上です。
【小原部会長】
 このほか、是非意見がございましたら、メール等で担当部署に送っていただければ、次のワーキングで参考にしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、その他の議題として「特別免許の授与に係る教育職員検定等に関する指針」について、事務局より説明をお願いいたします。
【小谷教員免許企画室長】
 それでは、資料7-1、7-2を御覧ください。こちらは特別免許状に係るものでございます。
 特別免許状は、都道府県が授与いたしまして、その圏域内においてのみ10年間有効という免許でございまして、優れた知識・経験等を有する社会人等を学校に迎え入れるための制度でございます。しかしながら、この制度は、平成に入ってからずっと制度がございますけれども、現在においても年間50件程度しか授与されないということがございまして、理由といたしましては、都道府県ごとに教職員検定を行うための審査基準を定めておりますが、これが厳し過ぎたり、あるいは審査基準が具体に定められていなかったりといった問題がございます。
 そのような中で、例えばインターナショナル・バカロレアのように、主に外国語で授業を行うような学校も出てきておりまして、特別免許状を授与する必要性が各学校等からも話が出ていらっしゃっておりますので、それを促進していく必要があるということで、私ども文部科学省から指針を都道府県教育委員会にお示ししたいと思っております。
 真ん中あたりを御覧いただければと思いますが、基本的には、教員としての資質の確認、学校教育の効果的実施の確認、第三者の評価を通じた資質の確認という、三つの点がございますが、いずれも現行法定上にこういった要件はございます。ただし具体的な中身がないものですから、例えばこういう考え方で授与していっていただければということで、お示しをいたします。
 一つ目でございますが、真ん中あたり丸1でございます。学校又は海外の在外教育施設で教科に関する授業に携わった経験が、おおむね1学期間ぐらいある方、又は海外等、あるいは国内でも結構でございますが、企業で教科の専門に関わる御経験が3年以上ある方、このような方々については、審査いただいて、学校教育の効果的な実施においてこの方がどうしても必要であること、あるいは第三者評価ということで学識経験者等の面接を得ていただいて、授与が適切な資質・能力を有していらっしゃるということであれば、授与を頂きたいということでございます。
 この特別免許状の授与を受けた方々につきましては、普通免許状所有者の方が指導・支援を行う形で、研修や、あるいは日本語力が不十分な方については学習指導要領等の御説明を学校内でいただくこと、また配置については、全教員数の5割までという基準をお示ししておりますが、例えばインターナショナル・バカロレアのように、主に外国の方をお招きして授業を実施していただくような教育上の特別な理由がある場合で、かつ、教育課程特例校として文科大臣の認定を受けているような場合には、この限りではないという形でお示しをさせていただいております。
 以上、お気付きの点がありましたら御教示いただければと思いますが、もしよろしければ、これで文部科学省としては発出をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
【小原部会長】
 よろしいでしょうか。
 それでは、時間となりましたので、本日の審議はこれまでといたします。今後の日程について、事務局から説明をお願いいたします。
【柿澤教職員課課長補佐】
 今後の日程につきましては、7月14日、14時から16時ということで、場所は調整中ですので、追って御連絡をいたします。以上でございます。
【小原部会長】
 それでは、本日はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。
―― 了 ――

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-- 登録:平成26年07月 --