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教員養成部会(第69回) 議事録

1.日時

平成26年2月5日 10時~12時

2.場所

文部科学省 東館3階3F 1特別会議室

3.議題

  1. 平成25年度教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について(答申案)
  2. 平成25年度教職課程認定大学等実地視察報告(案)について
  3. 教員免許更新制度の改善に係る検討会議について
  4. 最近の動向の報告について
  5. 今後の教員育成における課題について
  6. その他

4.議事録

(会議冒頭、教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定に係る審議のため非公開。)
○教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定に係る課程認定委員会における審議の結果について、横須賀委員より資料2、3及び机上配付資料に基づき報告がなされ、答申案が了承された。
【小原部会長】
 平成25年9月20日付け25文科初第702号をもって諮問のあった標記の件について、別紙に掲げる課程については認定可ということでございます。
(答申文手交)
【小原部会長】  
 続きまして、平成25年度の教職課程認定大学実地視察について、横須賀委員より報告をお願いいたします。
【横須賀委員】  
 課程認定実地視察は、既に認定されている教職課程について、それが基準法に基づき、また基準に基づいて行われているかどうかを教員養成部会委員を中心に実地に視察するものであります。平成25年度は32の国公私立大学、三つの指定教員養成機関――指定教員養成機関と申しますのは、専門学校等において教職課程の認定がされているものを指しますが、その概要について御報告させていただきます。
 視察においては、教職課程の実施・指導体制、特に全学組織等がどうなっているか、2点目は、教育課程、教職に関する科目及び教科に関する科目、履修方法、シラバスの状況、3点目が教育実習の取組状況、4点目が学生への教職指導の取組状況及び体制、5点目が教育委員会等との連携・協働状況、特に学生の学校現場体験、学校支援ボランティア、そういう活動等の取組状況を聴取しております。6点目が施設・設備、特に教職関係、教科書や学習指導要領の図書等がきちんと配置されているかどうかの状況等の観点を中心に、教育課程が法令等の基準を満たし、適切な水準にあるかどうかの確認を行っております。
 視察の結果、全体としては、教育課程及び教員組織等についてはおおむね問題なく実施されており、教職課程の質を向上させるための積極的な取組も見られましたが、一方で、必要な専任教員数を確保できていない事例や、教科に関する科目について法令に定める内容を適切に扱っていない事例が確認されるなど、相変わらず課題が指摘される大学もかなりの数あります。専任教員の数の確保ができていないものも、短期間のもの、過渡期のものは、指摘はもちろんしますがともかく、長期にわたる例もないわけではないということもあります。
 個別的な事項で各観点ごとの主な指摘をしたものを御紹介します。1点目は、教職課程の実施・指導体制について、教職課程委員会等の全学的組織で定められた教育課程の編成方針の下、教育課程及び教員組織の点検・検討ができるような体制・仕組みを構築しているかどうかと、この点について不足している教職課程があります。
 また、2点目に、教育課程、履修方法、シラバスの状況については、法令及び教職課程認定基準等の観点から是正すべき点が確認された大学等は、これはかなりの数に上り、速やかに是正することを求めております。
 3点目に、教育実習の取組状況については、依然として大学等として実習校の確保を行わず、母校実習を原則としている大学等もあったため、地元教育委員会や学校との連携、学生への適切な指導、公正な評価等を行う体制を確立するように求めたところであります。
 4点目は、学生への教職指導の取組状況及び体制についてですが、教職指導は、大学等が計画的・組織的に行っていく必要があり、履修カルテを有効活用するとともに、教職指導の充実に努めるように求めております。
 5点目は、教育委員会等との連携・協働状況については、多くの大学等において取組が推進されていたところであります。
 6点目の施設・設備については、これは図書等が中心でありますが、各大学等においておおむね整備されておりましたが、一部の大学等においては、特に図書について十分に整備されているとは言い難い場合もあり、教職を志す学生が適切な教育を受けられるよう整備を求めているところであります。
 その他の指摘事項については、資料を御覧いただければと思っております。
 付け加えますと、特に通信教育の課程の実地視察を、少しですが力を入れて今年度行ったところでありますが、教育課程及び教員組織等について法令及び基準違反など早急に改善すべき点が多く確認されたということを申し上げておきたいと思います。これを踏まえて、今後、通信教育の課程に特化した教職課程認定基準を策定することなど通信教育の教職課程の質向上に向けた検討を進めることが必要ではないかと、実地視察を行った委員の中で話し合われております。
 一方、5ページのまとめを御覧ください。今回視察を受けた大学の中には、実地視察への準備を通じて、自分の大学の教職課程やカリキュラムの状況等について評価・分析をし、教員養成の在り方の自己検証、改善方策の検討の契機にした大学等もありました。このことは付け加えて申し上げておきたいと思います。教職課程実施視察がこのように各大学の自主的な改善に資するような仕組みとしていくことが今後求められていると私たちは考えております。
 最後に、本報告書案は、本部会で了承いただいた上で公表するとともに、教職課程を有する全大学及び指定教員養成機関に送付することとなっております。全ての課程認定大学等が本報告書の指摘内容を理解し、また、各種答申で提言されている内容を再確認の上、教職課程の質的水準の維持と向上を不断に図っていただけるように強く望みたいと考えております。
 以上が、実地視察報告の概要でございます。
【小原部会長】  
 ありがとうございました。
 なお、事務局から関連して報告がありますので、よろしくお願いいたします。
【小谷教員免許企画室長】  
 それでは、机上配付資料としまして、「平成25年度教職課程認定大学等実地視察報告について(大学別)」という1センチほどの厚さの資料を置かせていただいておりますので、そちらを御覧いただければと思います。
 125ページの近畿大学豊岡短期大学を御覧ください。こちらの大学につきましては、今回実地視察の対象としましたものにつきまして125ページに概要がございますが、「こども学科」という対面式の課程と、「通信教育部こども学科」という通信型の課程がございますが、この通信教育部につきまして非常に問題がございましたので、御報告をいたします。
 1枚おめくりください。126ページの二つ目の四角囲みの個別事項というところの二つ目の丸でございます。通信教育部については、学生数に対して専任教員が非常に不足ということでございます。こちらの学部につきましては、実は平成23年度に専攻分離をいたしております。当時は課程認定を専攻分離の際に受けなければならないという定めがなかったものですから、それを受けずに独自に専攻分離をされまして、現実には、幼児専攻600人、保育専攻1,800人の定員が置いてありまして、合計2,400人の定員でございます。これに照らしますと、必要な専任教員数が104人になりますが、実際に配置されている専任教員が14人ということで90名不足している状態でございます。かつ、平成25年度に入学しました在学者数が3,708名ということで、これに照らしますと140人不足している状況でございます。
 さらに、平成26年度入学予定者数、いずれの数値も大学からの報告によるものでございますが、昨年度末で5,341名、26年度入学予定者があるということでございます。私どもから、この現状を認知したものですから、できる限り専任教員数を確保していくことと、それから、入学予定者数についてはお断りをして、ほかの大学に行っていただくなどをするようにという指導をいたしております。もう既に入学金等をお支払になる準備をされている学生さんがいらっしゃいますので、文部科学省から、専任教員数が非常に不足していて必要な教育体制が整えられていない旨の指導を受けているということをきちんと説明した上で、了承された方のみ入学金を受け取るようにということを指導しております。
 かつ、128ページを御覧いただければと思います。その他特記事項として書いておりますが、異例ではございますが、このような事態でございますので、26年度に教職課程の認定を受けるようにということを申し伝えております。認定が受けられない場合には、27年度については教職課程としては学生を入学させてはならないという旨を指導させていただいておりますので、御報告申し上げます。以上でございます。
【小原部会長】  
 ただ今の報告に対して、何か御質問等がありましたら、お願いいたします。
 なお、既に説明があったとおり、本報告案は、本部会の了承を得た後、公表されるとともに、教職課程を有する全大学に送付されることとなっております。
 特に御意見がなければ、本報告案を了承したいと思います。また、報告にあった通信教育の課程の質向上に向けた検討については、課程認定委員会において行っていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【小原部会長】  
 ありがとうございました。
 また、平成26年度以降の教職課程認定スケジュールについて、事務局より説明をお願いいたします。
【小谷教員免許企画室長】  
 それでは、資料5を御覧ください。「平成26年度以降の教職課程認定スケジュール(案)」でございます。こちらの資料を御覧いただきますと、まず右側に、参考といたしまして、「学部等新設審査の改正スケジュール(大学設置分科会)」というのを掲げさせていただいております。これは既に決定をしている事項でございまして、学部等の新設の審査につきましては、平成27年度開設分、すなわち、平成26年度の審査は現行どおりでございますが、平成28年度につきましてはスケジュールを前倒しするということが決定しております。下の絵を御覧いただければと思いますが、現行の申請受付が5月末であるところを3月末にずらしまして、認可自体も2か月早めるということになっております。
 これに合わせまして、教職課程の認定スケジュール(案)、左側でございますが、同じように28年度開設につきましては、平成26年度3月末を申請時期と致しまして、現行よりも2か月早く12月中の認定ということにさせていただければと思っております。御審議のほどよろしくお願いいたします。
【小原部会長】  
 何か御質問、御意見はございませんか。
 ありがとうございました。
 続きまして、教員免許更新制度の改善に係る検討会議について、同検討会議の主査であります小川委員より説明をお願いいたします。
【小川委員】  
 私の方から、検討会議の中間取りまとめができましたので、報告いたします。
 配付資料の資料6に中間取りまとめのコピーの冊子があるかと思いますけれども、それに基づいて報告させていただきます。33ページを御覧ください。33ページに中間取りまとめの概要がございます。時間もありませんので、この概要に即して報告をさせていただければと思います。
 この検討会議は昨年9月に設置され、それ以降、中間取りまとめまで5回の会議を開催してきました。
 検討は、大きく分けて二つの柱から成ります。一つは、概要、33ページのローマ数字1にありますとおり、現代的な諸課題に対応できる免許状更新講習に係る枠組み・内容の改善について、もう一つの大きな柱が、34ページのローマ数字の2の現職研修と免許状更新講習の関係の整理について、この二つが大きな柱になっています。
 最初に、33ページの1の現代的な諸課題に対応できる免許状更新講習に係る枠組み・内容の改善についてから御報告します。これには二つがありますけれども、一つは、免許状更新講習について必修領域の見直しと新たに選択必修領域を導入するという提案でございます。
 免許状更新講習の必修領域は、御承知のとおり、全受講対象者が共通に八つの内容を履修することとされてきましたけれども、これまで幾つか問題が指摘されてきました。一つは、内容が広範囲にわたって各内容の履修程度が浅くならざるを得ないこと、また、各学校種・免許種のニーズに焦点が合わないこと、また、受講生によっては現職研修において既に履修した内容があることなど問題点が指摘されてきました。
 また、グローバル化などの社会の状況を踏まえ、教員が現代的な諸課題に対応する指導力を身に付ける必要性が指摘されており、免許状更新講習においても受講者が適時に現下の教育課題を学ぶことができるように、学校種・免許種や教職経験に応じた講習が十分提供される必要があります。
 こうしたことから、免許状更新講習の必修領域をより精選して、全受講者が共通して学ぶ内容や時間数を削減するとともに、国からあらかじめ示した内容について選択受講するという選択必修領域を新設することを提言しています。
 具体的にはまた中間取りまとめの今度は6ページを開いてください。そこに必修領域と選択必修領域、そして、選択領域の時間配分の表が二つありますけれども、一応、中間取りまとめでは二つの案を掲げています。1案は、必修領域を半減して6時間として、新たに選択必修領域6時間を設けるというふうなもの、案2は、必修領域を半減して6時間とし、選択領域も6時間削減して12時間として、新たに選択必修領域を12時間設けるというようなものです。
 6時間で一つの内容を扱うことを基本にしますと、案2の方が複数の内容を学べる良さがありますけれども、講習開設者が改めて講習の体制、また事務環境の整備を必要とすることから、スタート時点においては案1に基づくこととし、将来的に案2を志向することが望ましいのではないかというような結論に至りました。なお、選択必修領域に位置付ける内容につきましては、関係者・関係機関との協議を重ねながら、今後更に具体的に検討していくこととしております。
 また33ページにお戻りください。免許状更新講習について二つ目の検討課題としては、修了認定試験と修了認定手続の改善について、これは作問の在り方の工夫とか試験実施の方法の工夫などを求めております。
 次に、大きな柱の2ですけれども、34ページを御覧ください。検討課題の二つ目の大きな柱は、ここに掲載しているように、現職研修と免許状更新講習の関係の整理についてです。検討内容は二つにまとめています。一つ目は、今後の十年経験者研修の在り方についてです。これも既に皆さん御承知のとおり、現職研修と免許状更新講習は制度上の趣旨・目的は異なるわけですけれども、その受講によって教員としての専門性の向上が期待される点においては同じ機能を有しています。また、現実として、十年経験者研修をはじめとする現職研修と免許状更新講習を同時期に受講する現職教員には、教育活動や校務などの日程調整の難しさをはじめとする負担感も生じてきています。
 そこで、改善策の一つとしては、法定研修である十年経験者研修と免許状更新講習については、時期が重ならないように任命権者が研修計画を策定することが適当としております。具体的には、27ページに記載していることですけれども、教育公務員特例法第24条第1項では、特別の事情がある場合、10年を標準として任命権者が定める年数に達した後に十年経験者研修を実施できることとされています。当面の間はこの規定を活用していただくことがよいのではないかと提言しております。
 もう一度、34ページの概要に戻っていただきたいんですけれども、もう一つの改善策としては、今後の十年経験者研修の在り方について、制度的に一律に実施時期を設定するのではなくて、各任命権者の判断で教職経験に応じた体系的な研修を行うものとする方向で教育公務員特例法の規定の見直しを検討することを提言しています。もう少しはっきり言いますと、十年経験者研修を法定研修から外して、そのありようについては各都道府県の裁量、判断で行うと。その一方で、各都道府県には計画的な現職研修の計画を策定することに努めていただくという、そうした内容になります。
 その他の検討内容については、免許状更新講習の受講環境の充実とか、教職生活への一層の活用の在り方として、通信教育型の免許状更新講習の充実とか、免許状更新講習と免許法認定講習の相互認定の促進などを掲げております。
 以上が中間取りまとめの案ですけれども、今後、本検討部会とすれば、教員免許更新制度に関わる制度面・運用面での改善策を中心に検討を行う予定でありまして、最終取りまとめに向けて更に引き続き議論を重ねていく予定としております。以上です。
【小原部会長】  
 ただ今の説明に関して何か御質問等はございませんでしょうか。
 佐々木委員、どうぞ。
【佐々木委員】  
 検討された方々に敬意を表しますが、1点だけ伺いたいんですけれども、今後の十年経験者研修について、恐らく言わば廃止も含めて任命権者の判断に委ねるということになっていくのかもしれませんが、現在、教員養成についても研修についても、大学と教育委員会との連携・協働の中で質的充実を図っていくということが求められる、それに向かってそれぞれ努力をしていく、工夫をしていくんだと思います。こういう形で十年研と免許状更新講習とを整理する場合、更新講習の在り方、つまり、実施だとか内容についても、当然のことながら教育委員会との連携・協働の中で今後処理され、動いていくというふうに理解していいわけですかね。
【小川委員】  
 はい。検討会議では正にそういうふうな点を更に確認して、免許更新の内容については、これまで以上に大学と教育委員会が連携し、協議を重ねながらその内容づくりについては努めていっていただきたいという、そういう方向での検討を進めていくというようなことは確認しております。
【佐々木委員】  
 その際、連携・協働ということの意味合いですよね。連携・協働というのが言葉の上ではきれいな形で整理ができるんだけれども、従来から大学と教育委員会との連携・協働というのはずっと言われてきているわけですよね。そうすると、養成の内容とか方法、あるいは教育委員会が行う研修の内容・方法について、それぞれが相互に影響を及ぼし合うような形で、しかもそういうことが効果的に実施されるのが担保されるようなことも求めるとするならば、この連携・協働というのは、従来の連携・協働とはやや質的に変わってきている、あるいは変わらざるを得ないんだろうと思うんです。
 そういう連携・協力というものを、法的にどうこうという話ではなくて、実態的に実質的に少し整理をして、概念あるいはやり方をより明確にしていくことが今後必要なのではないかと思われますので、是非その点等にも配慮しながら、更新制における見直しを一つの契機として、今後更に工夫していただければ有り難い、新たな提言をしていただけると有り難いと思っております。
【小谷教員免許企画室長】  
 事務局からこの報告書についての御説明を少し補足させていただきます。今御指摘のありました点、15ページを御覧いただければと思います。15ページにおきましては、その前のところで免許状の更新制度と現職研修の制度がどういうふうに審議をされていたかと経緯を書いているんですが、それを踏まえまして、15ページ、第2項 改善の方向性というところで、上記の経緯を振り返り改めて確認されることは、現職研修は、現職教員のみを対象に、各教員の教職生活全体を通じて資質能力の向上を図ると。一方、免許状更新講習は、現職教員及び非現職教員を対象に、教員という職について時代の変遷の中でその時々に社会から求められる資質能力を確保するということで、制度的の趣旨・目的が異なるということを確認いたしております。
 しかし、四つ目以降書いておりますけれども、これはそうではあるんですが、教員としての専門性の向上が期待されるという点については同じ機能があるということと、それから、負担感が生じているということを踏まえまして、お互いにそれぞれの良さを発揮しつつやっていくことがふさわしいだろうという考え方でまとまっております。
 16ページ、例えば上から二つ目の丸のところで具体的に書いてありますが、現職研修と免許状更新講習の各々について、受講者にとっての魅力や満足度を高めていくために、現職研修を行う任免権者等と免許状更新講習を開設する大学等が、お互いに情報提供し考慮できる仕組みが要るということなどが書かれております。
 このような形で、審議の場におきましては、それぞれ目的が違うんだけれども、実際の機能としては同じことがある。ただし、それは大学が行うようなものと教育委員会が行うようなものとでは、たとえ同じ名前の講習であっても提供できる内容は違うだろうという議論になりまして、お互いに情報交換もしながら、どのように各々の良さを発揮していくかということを考えていくことが必要だという趣旨の議論でございました。以上でございます。
【佐々木委員】  
 私が申し上げているのはちょっと違うんだと思うんです。私は結局、前もちょっと申し上げたんだけども、更新講習と十年研というのは、これは元々制度・目的が違うわけですから、そこで行われる内容についてはそれぞれの観点から必要とされる内容が設定される。したがって、そこに実質的な差異があるならば、恐らくそれぞれその制度の下で講習なり研修なりをやっていくということになるんだろうと思うんだけれども、実質的に見たときに、実情を見たときに、内容も含めてほとんど実態が変わらないような形になっているのであれば、そこは整理をしていく必要があるのではないかとは思っているんです。したがって、ここで提示されていることについてどうこうということではなくて、これは一つの方向として正しいのではないかとは思っているんです。
 ただ、言いたいことは、先ほどお答えいただいたからもういいんですけれども、教育委員会と大学との連携・協働ということが提言されているわけだから、したがって、更新講習においてそれが実質的によく機能するような新たな工夫を是非提言していただきたいということを申し上げているのであって、したがって、その際そこで行われるような連携・協働というのは、以前から行われている教育委員会と大学との連携・協働とはちょっと違う、異質な、もっと実質的なものにならざるを得ないのであろうと。
 そうすると、そういうものがどういう性格の連携・協働であるのかということをもう少し具体の行為を通して明確にしていくことが必要なのではないか。そういうものとして、より良いやり方も含めて、是非、実質化というものを概念も含めて御提言いただければ有り難いということを申し上げたところでありまして、おっしゃっていることは私も十分理解しているつもりでおります。
【髙岡委員】  
 私も実は大学と教育委員会、行政の連携という、ある種の、抽象的ではあるけれども、今までやってこなかったことを、一つ、しっかりフィールドを作って両方でやっていきましょうと。そうすることが教員の資質向上につながると。そこまではある種ヒューマニスティックな議論なんですよね。
 じゃ、元をたどったら、現職研修というのは、これは誤解も含めて免許更新だってそうだろうというふうに言い出すと、現職研修というのは、任命権者がやる、法的根拠を持った研修である。それが法定研修という初任研と十年研という形になり、更に任命権者が教育基本法に基づいて、あるいは教特法に基づいて研修を準備しなければいけないというその法的根拠によって、5年、7年、15年とかってやるわけですね。
 免許更新制というのは、大学が大学の知的ストックを提供しながら、教員の一定の資質を確認する作業であると同時に、更にその講習を踏まえて次の10年を教員としてやっていける資質を高めてくださいと。だから、方向は違うけれども、やっていることは一緒という理解で私もいいんだろうと思いますが、ずっと根っこを掘っていきますと、現職研修の法的根拠として権限があるのは教育行政だけだという考え方に今なっているわけです。
 それで、行政と大学の連携が大事ですよというふうに言われ出すと、大分問題が鮮明になってきたなと思うと同時に、なかなか最後まで突っ込んでいくと、結論が出にくいなと。つまり、養成は大学の教育の範囲の権限じゃないですか。研修は行政です。それぞれ権限関係は法的にそのような根拠を持ちながらやっていく、そのことは触わらないで両者の協働と考えるのか。
 さあ、そろそろ大学と教育委員会が、社会的な使命として両者が協働して――協働というのはくっ付けるというだけじゃなくて、融合して教員の資質向上に取り組む新しいシステムを作っていく、その必要があるんだというところまで踏み込めば、研修の権限と言うとおかしいですけれども、要するに、研修をさせることを法的にどこが持つのかということについての考え方だって、その法的基盤だって考え直す必要があるんじゃないかと、そういうふうにも思うんですね。
 免許更新制というのは、ある意味で認定を受ければ誰でも開設できますから、大学であっても教育委員会であっても、開設者として一定の免許状更新講習の開設に該当する者であればできるということに基づいて、教育委員会もやるし、大学もやる。教育委員会は、大学の必修講座というのは実際の教員にとっては余り役に立っていないんではないかとか、ちょっと幅広ではあるけれども深まりがないんじゃないかとかいういろいろな議論があって、今回、必修時間を減らそうとか、もっと喫緊課題が大事だということや、さらには、本当の実践力を身に付けさせるためにはもっと教育委員会がそこにコミットした方がいいんじゃないかとかいう議論が出てくるんだと思うんです。
 だから、佐々木先生のおっしゃるように、私も議論の根底にある法制度というか、更にそれの運用についての言葉の解釈が少し変わってきていると思うし、変わってきているなら、ここら辺で一度整理し直した方がいい、そういうことをやっぱり強く思います。
【小原部会長】  
 岸田委員、どうぞ。
【岸田委員】  
 佐々木委員のおっしゃったことが現実的に教育委員会と大学の中でどんな形で具現化できるかということを考えていたんです。振り返ってみますと、5年前にこれが始まったときに、実は協議会を随分持ったんですよね。しかし、そこで行われたことというのは、実は制度設計上の問題で、なかなか中身まで踏み込んだ議論はしてきてないんですよね。とにかく共通領域のものをきちっと提供しましょう、選択の科目も提供しましょう、その質もきちっと全員が受けられる形にしましょう、こういう形の協働での議論だったんですよね。
 今回新たに選択必修という概念が出てきました。この選択必修という概念は、教育委員会が求めるような中身のようなものを、ここのところで一定、内容的なものに踏み込んで議論はできるんではないかと。実は選択の方は、これは大学教員の個々の専門性に任されていく部分が多いですので、この中身をとやかく言っていくというのはなかなか現実的に難しい問題があるんですよね。
 ですから、そういう意味からいくと、選択の中身まで踏み込んでいくことはこれは現実的な問題としては難しいけれども、繰り返し申し上げますけれども、選択必修のようなところの割と幅広い、共通して学ぶような中身が出てきましたので、それを両者で協議しながら、特にこういうところを提供してもらいたいんだというようなことも含めて議論していく余地はあるんじゃないかと思います。
【小原部会長】  
 よろしいですか。
【小谷教員免許企画室長】  
 幾つか論点があるかなと思って伺っておりました。一つ、私どもが今、これから御議論いただきたいと思っていることとつながっていると思って伺ったんですが、今まで大学と教育委員会との連携ということが言われてきまして、連携は進んだと思っております。
 ただ、実際に例えば教職課程の現実を見させていただきますと、連携という名の下なんですが、教育委員会や学校にお勤めの方がいらっしゃってある特定の授業を教えていらっしゃる。けれども、それは任せ切りになっていて、大学全体のカリキュラムとしてどうなのかということをきちんと議論されていない。すなわち、先生方によっては、単なる現場の再生産になっているということを問題認知されている場合もございます。一方で、大学の側(がわ)も、御自分の専門に基づいて得意とされるところはお教えになるんですが、そうでないところ、現場が得意なところは任せておけばいいんだというようなことが実は一部おありなんではないかと思っております。
 これから必要なのは、先ほど委員から御指摘ありましたように、協働して一緒にどう作っていくのかという、教員養成であったり、あるいは現職研修であったりということであろうと思っております。そのことにつきましては、実は最後に、今後の教員養成等についてどうしていくべきかという御議論のためのペーパーを用意していただいておりまして、是非そちらで更に御議論をお願いできればと思っております。
 また、選択必修について、中身について協働していける場になるだろうというのはそのとおりであると思っておりまして、実は今、調査を実施させていただいております。教育委員会と大学、それから、実際の現場の学校の先生方ということで調査をさせていただいております。それらを踏まえながら、更に検討会の方で御議論をしていただくということで、それを基に国の方であらかじめある程度の考え方を告示なりでお示しさせていただいて選択必修は始まると思いますが、その後、各地で御議論をしていただくということは確かに大事な点であろうと思って伺っておりました。以上でございます。
【佐々木委員】  
 すみません、ちょっと1点だけ。髙岡委員が今おっしゃっていただいたのであえて付け加えることもないんですけれども、連携・協働というときに、実は従来の連携・協働というのは、飽くまでやるかやらないかということが教育委員会あるいは大学の自主的な判断なんですよね。これから連携・協働して何かを作っていこう、新たなものを創造していこうというときにおける連携・協働は、そういう自主的判断でいいのか。つまり、本来の実施主体の他者への協働・協力について、それを義務的な要素として付加していく必要があるのかどうかということも含めて御検討いただく、そこまで考えて連携・協働をやるということを是非この際御検討いただければと思っています。
【小原部会長】  
 それでは続きまして、最近の動向に関しまして、事務局より報告をお願いいたします。
【藤岡教職員課課長補佐】  
 失礼いたします。最近の動向と致しまして、教員の採用や養成・研修に関わりますいろいろな御提言なども出ておりますので、それにつきまして簡単に御報告をさせていただきます。次の議題である今後の教員育成における課題についてにも関連する内容もございますので、御報告をさせていただきたいと思っております。
 まず資料の7番でございますが、「今後の道徳教育の改善・充実方策について」でございます。こちらにつきましては、昨年の12月に道徳教育の充実に関する懇談会から出された報告でございます。
 まず10ページでございますが、こちらにつきましては道徳教育を充実させるということが内容として出されております。ただ、道徳の指導につきましてですが、10ページの2番、道徳教育の指導方法の「また」というところでございますが、道徳の時間の指導につきましては指導に生かすことができる学級担任が行うことが適切だということで、次の後ろのページにも関わるんですが、新しい特別な教科として道徳の時間を位置付けるということになっておりますが、引き続き、学級担任が行うということを提言していただいているところでございます。
 先ほどの話とも関連いたしますが、15ページの最初のところでございますが、「特別の教科 道徳」についてということで、道徳教育の充実という観点から、道徳教育の要である道徳の時間を例えば「特別の教科 道徳」(仮称)として新たに教育課程に位置付けることが適当だと。道徳の時間を新しい「特別の教科 道徳」(仮称)として位置付け、その目標、内容をより構造的で明確なものとするということが提言されております。
 一番最後の段落でございますが、なお、私立の小学校及び中学校の教育課程につきましては、宗教をもって道徳に代えることができるとされておりますので、こちらは引き続き尊重する方向で検討することが適当という形で提言されております。
 教育の資質・能力の向上、指導力の向上ということに関しましては、20ページ以降に記載がございまして、具体的には22ページでございます。丸の2番、教員の研修等というところでございますが、こちらにつきましては、いわゆる現職の先生方の資質向上ということで研修の充実方策について御提言いただいているところでございます。
 例えば2段落目では、校内研修や共同研究を充実させていくこととか、丸の2番目の3番目の段落の3行目から、「例えば」ということで、管理職を対象とした独立行政法人教員研修センターにおける教職員等中央研修など、国や地方において管理職対象の研修に道徳教育に関する講座を新設したり、道徳教育に関する内容を充実させることを検討すべきであるというようなことを御提言いただいているものであります。
 丸の3番、教員の養成・免許でございますが、2段落目、「具体的には」というところから、教員の養成課程において道徳教育の原論・歴史や哲学・倫理学などの理論面、学習指導要領の理解や指導案・教材の作成と授業展開等の実践的知識・技能など実践面、教育実習などの実地経験面の三つの面について、その内容の充実を図っていくべきであると。このため、教員養成課程における履修については、道徳教育の理論面や実践面の充実が図られるようカリキュラムを改善するとともに、履修単位数を一定程度増加させることも検討すべきであるというようなことが提言されているところでございます。
 その次の次の段落でございますが、「このほか」というところで、この懇談会の中で、中学校段階における道徳専門の免許を設けることについて可能性を検討すべきであるとの意見や、先ほどの学級担任が引き続き担当するということから専門免許は必要ないという御意見があったということも記載されているところでございます。まず一つ目がそちらでございます。
 次は、資料の8番でございますが、「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」ということで、こちらにつきましては、大臣の方から発表をしておるところでございます。具体的には、小学校の高学年で、今は外国語活動という形で行われているものを教科型、教科にしてはどうかというものでございます。
 教員の指導力につきましては、2枚ほどおめくりいただきまして、2番、新たな英語教育の在り方実現のための体制整備というのが、4ページですが、ございます。一番上に、2番ということでタイトルが書いてあるところでございます。それの右側の下に、教員養成課程・採用の改善充実の具体の施策ということで、例えば教員養成の改善充実とか、英語科教員について外部検定試験を活用するなど、採用選考の改善促進ということが記載されているところでございます。
 続きまして、資料の9番でございます。「大学院段階の教員養成の改革と充実等について」というところでございます。こちらにつきましては、既に教員養成部会に対しまして内容を御説明しているところでございますので、詳しい内容の説明は割愛させていただきたいと思っております。
 この提言なども踏まえまして、資料の10番に参ります。教職大学院における専任教員関係の特例処置に係る省令改正ということです。教職大学院をはじめとする専門職大学院の設置基準上、専任教員につきましては、原則としまして他の学位課程の教員と兼ねることはできないんですが、平成15年度から25年度までは、特例処置によりまして他の学位課程の教員が必置教員を兼ねることができることとされております。
 ただ、この特例処置は本年度末で期限が切れるわけでございますが、(2)番の改正の概要の4行目の一番後ろの方でございますけれども、今後、教職大学院の新設が見込まれることから、その拡充期に優秀な教員を確保する必要があると。そこで、平成25年度末で特例処置が終了してしまいますので、現在の特例処置が終了してしまいます平成26年度以降についても、教職大学院の新設が見込まれる平成30年度までの間は、教職大学院につきましては必置教員について現在の特例処置を維持していくというような省令改正を行うということでございます。
 こちらにつきましては、既に中央教育審議会の大学分科会での御了承は頂いているところでございますので、近日中に実際の省令の公布を進めていくこととしておりまして、本年平成26年4月1日の施行ということになっております。
 続きまして、資料の11番でございますが、こちらは来年度の政府予算案についてでございます。おめくりいただきまして、教職員課担当の予算でございますが、来年度予算案に、「総合的な教師力向上のための調査研究事業」を1億円の新規事業として計上させていただいているところでございます。テーマは大きく三つでございまして、実践力のある教員の育成に向けた養成・採用・研修の抜本的な改革ということで、一つは初任者研修の抜本的な改革、2番目が教師塾の拡充、3番目が教育課題に対応するための教員の養成カリキュラム開発でございます。それに加えまして、管理職を養成する仕組みの確立とか、教員免許状を持たない、専門的な知識・技能のある優れた人材登用の促進というテーマで、教育委員会や大学に委託調査をお願いしたいと考えております。
 資料の12番、13番につきましては、教員採用選考試験の実施方法と、同じく実施の状況についての調査を毎年行っているところでございまして、その調査結果を取りまとめたものでございます。詳しい説明は省かせていただきますので、お時間があるときにお目通しいただければと思います。
 また、資料の14番につきましては、国立教員養成大学・学部の平成25年3月卒業者の就職状況につきまして調査をしておりますので、それの調査結果をまとめたものでございます。こちらも同じく時間のあるときにお目通しをいただければと思っております。
 私からは以上でございます。
【小原部会長】  
 ただ今の説明に関し、御質問等がございましたら、お願いいたします。
 よろしいですか。ありがとうございます。
 続きまして、今後の教員養成の課題について、事務局より説明をお願いいたします。
【髙口教職員課長】  
 それでは、資料15を御覧いただければと思います。先ほど藤岡の方から御説明申し上げましたように、これまで他の懇談会の提言とか、その実施の計画、また、そういうところで教員養成に関わる提言・課題、そういったことが今、提言されているということを踏まえまして、また、これまでも様々、いじめの問題につきましては昨年6月にいじめ防止対策推進法が議員立法で制定されましたけれども、この中でも、国及び地方公共団体は教員の養成・研修の充実を通じた教員の資質向上等必要な処置を講ずるというような規定が設けられているということ、また、特別支援教育、ICT活用、そういったことも学校現場で非常に喫緊の課題になっている。
 そういうことを教員養成でどう指導力を高めていくか、そういうこともこれまで課題になってきているというところでございます。また、生徒指導、教科指導を含めた高い専門性、実践的な指導力、そういったことを教員養成段階から、また、初任段階も通して、教員の育成という視点から検討していく必要があるんじゃないかと考えているところでございます。そういう背景を踏まえまして、今後、教員養成・教員育成ということでこういう検討課題があるんじゃないかということでまとめた資料がこの資料15でございます。
 それで、一応、主な論点(例)ということで書かせていただいてございます。一つ目は、今申しましたように、英語教育、道徳教育、特別支援教育、ICT活用、そういう様々な課題への対応ができるための専門性に秀でた実践的指導力を十分備えた教員養成を実現するために、教職課程の内容をどう見直していくべきかというところが一つあろうかと考えています。
 ただ、それを単純に今の養成課程に加えるということでいいのかどうかというのは一つ議論としてあるんではないかと思っておりまして、二つ目の丸にございますけれども、高い専門性と実践的な教科指導力を保証するための基礎的な理論科目、また教科・教職に関する科目、指導法・指導技術に関する科目、こういったものが今現在教員養成課程にあるわけでございます。もちろんこの中身をどう見直していくかという問題もございますし、あとは、ここの単位数が今の現状のままでいいのかどうかというところも一つ論点としてあるのではないかと考えているところでございます。
 次に、(2)でございますけれども、これは小中一貫教育等、あとは、小学校の高学年の専科指導、そういったことの推進ということもこれまで学校現場の方で進められてきているところでございますけれども、これは恐らく更に加速して推進が進んでいくんでいくんではないかと考えております。こういった取組を進めていく上で、今の教員免許制度に対応できているのかどうかと。さらに、多様な人材、外からの人材を教員に登用するための仕組み、これは今、特別免許状制度という制度がありますけれども、今の特別免許制度を更に活用できるための改善が必要になってくるのではないか、そういうことでの教員免許制度をどう見直していくべきかということが二つ目の論点かと考えています。
 次に3番目、(3)でございます。これは先ほど佐々木委員の方から問題提起もございましたけれども、養成・採用・研修について、大学と教育委員会それぞれの強みを生かした一貫した教員養成の在り方をどう考えていくかというところでございます。正に教員の実践力を向上させるために養成段階から教育委員会が関与していくということとか、あとは、先ほどもございましたように、大学と教育委員会が協働して担っていく一貫した教員養成、それは養成・採用・研修までも含めてということだと思っておりますけれども、そういう教員育成をどう進めていくかというところを三つ目の課題として掲げさせていただいております。
 最後に、(4)でございます。これはかなり大きな話でございますけれども、教職課程、教員養成課程の質保証の在り方はどうあるべきかというところでございます。これも本日、今年度の課程認定大学の審査につきましても御報告させていただきましたけれども、今の課程認定の方法、基準でいいのかどうか、また、課程認定をしただけじゃなくて、その後、質がきちんと担保されているかどうかということについて事後的な評価制度の在り方、そういったことも含めまして、教職課程の質の保証をするための仕組みをどう構築していくかということを四つ目の課題として掲げさせていただいております。
 それで、この課題でございますけれども、私ども事務局と致しまして、これまでの状況、議論も踏まえまして、一応、例としてまとめさせていただいたものでございます。当然、これ以外にも今後、教員養成・教員育成に関しての課題、もっといろいろな課題があろうかと思っておりますし、あとは、この個別の論点につきまして、こういう方向で改善していったら、見直していったらいいのではないかというような議論につきまして、本日は自由に御意見、御議論をいただければと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
【小原部会長】  
 本日最後の案件になりましたけれども、ただ今の説明に関し、御質問あるいは御意見等がございましたら、お願いいたします。
 加治佐先生、どうぞ。
【加治佐委員】  
 2点ほど申し上げたいと思います。まず2の(3)の、先ほどから議題になっております大学と教育委員会の連携、これが先ほどから新しい段階に入るべきだということで、佐々木委員は連携の義務化ということまでおっしゃったわけですけれども、私自身もある意味そういうことの必要性を感じます。
 現在も実態としては学部レベル、それから大学院レベル、とりわけ教職大学院で連携しています。教職大学院は連携しないと作れません。資料9の「大学院段階の教員養成の改革と充実等について」という協力者会議の報告書が出たわけですけれども、ここでは、今後は教職大学院を拡充する、全ての都道府県に作っていく、そういう方向が明確に出されているわけです。現実には教育委員会と大学が協働しない限り、これはできません。
 さらに、これは一種の教員養成の高度化の先導的な具体の仕組みになるわけですけれども、教職大学院を機能させ、成果を上げていくためには、教職大学院への入学段階、それから、カリキュラムづくり、カリキュラム運営、さらにはその後の出口確保というか、出口保証というのは言い過ぎかもしれませんが、そういうところまで相互に関わらないといけないと思います。
 受講する学生にとって、端的に申し上げると、事実上、4年プラス2年あるいは3年あるいは1年、それぐらいの期間を養成段階にかけなければいけないとなったときに、高度な力が付いたということの証明として、やはり採用が確保されるということがないとなかなか行けない、また主催する側の大学院も教職大学院を多くのコストをかけて創設して運営するということが難しいと思うんです。
 だから、採用を確実にしていただくためには、入学段階から採用側である教育委員会と大学が協働して入学者選抜を行う。カリキュラム・マネジメントも協働して行う。実習ももちろん連携して運用しますが、実習をやって、その学生が向いているかどうかも合同で判断する。さらに、大学院を修了できる、そういう力が付いたと証明された者は、教育委員会が確実に採用する。そういったようなことの、義務化というのは難しいかもしれませんけれども、それに近いような仕組み作りをすることによって高度化が図られていくと思います。これが1点です。
 それから、2点目は、4番目の教職課程の質保証の在り方です。先ほど実地視察ということでどこかの通信課程が非常に問題にされておりましたけれども、ああいう実地視察も結構だと思います。開放制の下で教職課程が質において多様化しているということは確かですので、最低限の質保証をするために実地視察もいいとは思いますが、一方で、やはり教職課程の質保証というのは、専門家による質保証という面も必要だと思います。
 例えば教職大学院は、教員養成評価機構による5年に一遍の認証評価を受けています。その認証評価のやり方というのは、専門家によるピアレビューです。専門家であって、かつ、それぞれ教職大学院を運営している者ということになりますけれども、相互に批評し合うということが基本になっています。これは教職大学院の改善・充実にとって非常に大きな成果を上げています。
 そのような仕組みを教職大学院以外の教職課程についても導入すべきじゃないかと思います。教職大学院の認証評価を行う教員養成評価機構の方では、今そういう試みがなされているということがあります。ですから、専門家によるピアレビューの導入によって教職課程の質保証をしていくということも有効な方法の一つとしてあるんじゃないかと思います。場合によっては、実地視察をこういうもので代替するということもあっていいんじゃないかと思ったりします。以上です。
【小原部会長】  
 秋田先生、どうぞ。
【秋田委員】  
 今の加治佐先生の教育課程の質保証ということについて、私もその仕組みを作っていくということが大変大事だと思っています。ほかの国などでも、いわゆる視察だけではなく、専門家がレビューを行って、それは1回レビューをするだけではなくて、それにアドバイスをして、どのように向上したかというようなところを一緒に確認して開発していくというようなそういう仕組みを、質の保証が単に基準の審査だけではなくて、ある一定年限をかけて向上させていくような仕組みづくりということをしていくということが教職課程において重要ではないかと考えます。
 それから、もう一点ですけれども、今、教職大学院が専門性の高度化として重要であるということには賛成ですが、もう一点、やっぱり私のおりますような総合大学の大学院であったり、それから、今回の調査でも、一般大学の出身者、大学院出身者の割合も現実には増加しております。そこにおいても、やっぱり専門性が教職の専門性とは違った形でも、教科内容に関してかなり高度な専門性を持った人たちが大学院でどういうふうに一緒に高度化できるのか。うちはいわゆる副専攻制度をひいていますけれども、そうした形で大学院に進んだ人が教員のより高度化を図るとか、そういうところにも教育委員会が連携をして今やっていますけれども、そうした形でいわゆる教職大学院と教育委員会がワン対ワンというのではなく、やっぱり開放性の原則の中で多様な大学が高度化の方向を考えていくというような多様性の道も一方で検討される必要があるのではないかと考えます。以上です。
【小原部会長】  
 無藤先生、どうぞ。
【無藤部会長代理】  
 二、三、意見を申し上げたいと思います。一つは、改めて非常に基本的なことなんですが、論点の3で養成・採用・研修で大学と教育委員会が一貫した教員育成に関わると。全く賛成なんですけれども、一つ大きなことと一つ小さなことを申し上げたいんです。
 大きなことは、そもそも教員の養成を行っている大学等で、現職の育成に関わる義務というのは明瞭でないと思います。当然ながら、養成校は教員免許を出すためにしっかりとした教育をすることが仕事で、現職については飽くまで協力だと思うんです。それをもう少ししっかり押し出した方がいいのではないかということです。要するに、もっと平たく言うと、養成校の個別の教員レベルでいえば、非常にラフに言うと、余分な仕事をボランティアでさせられている感があるわけでありまして、やっぱりそうではないんだということをもっと明瞭にした方がいいのではないかと、これが第1点です。
 それからもう一つ、小さなことなんですけれども、幼稚園教育の問題です。幼稚園にとっては非常に重大な問題なんですが、それは一つは、幼稚園というのは御存じのように8割が私立幼稚園であるわけです。したがって、教育委員会の管轄じゃないわけですので、私立幼稚園の位置付けをもっと明確にしていただきたい。私立幼稚園ということは、結局、それぞれ私立幼稚園を持っているところの学校法人、あるいは私立幼稚園全体を管轄している全国団体との緊密な連携が必要なんだということです。
 その際に、特に幼稚園教育の現状に照らしていいますと、まずは実習をきちっと行うことなんだろうと思うんです。例えばこれは小学校以上でもそうだと思うんですが、幼稚園において、幼稚園がそもそも実習を受け入れてそこに指導する責務というのは明瞭でないと思います。要するに、実習させているときに実習させている園なり学校が指導権を持っているということは私は明瞭になっていないという感じがありますので、そこをやはりはっきりさせた上で、養成校がもちろん責任を持つということなんだと思うんですけれども、そこも行うべきではないかと思っております。
 そこまではっきりした上で、例えば今日のいろいろな視察の報告の中でも、これ数年間、毎年出てくると思いますが、母校実習が多くて、きちっとした指導体制がない大学が見受けられるということでありますが、それとも関連することだと思っています。
 それから、もう一つは質保証の問題なんですけれども、特に教員養成学部以外の学部の場合に、教職課程の位置付けをしっかりしているところもあるし、そうでないところもあると思います。一つの今後の方向として、教職課程をそういう大学においても大学あるいは学部にもっと位置付けて、教職課程の権限、そういうものを少し強力な形にできるようにしてはいかがかということを思います。現状では、学科単位であったり、また、教職課程委員会はどこでもあると思いますけれども、それが形式的に終わっている場合もあると思うので、そこをもう少し明確にするような位置付けを考えたらどうかということを思います。
 最後に3番目ですけれども、これも将来的な研究課題だと思います。特に現職教員の資質向上というときに、これもよく言われておりますが、授業科目を座学で受けさせることの限界はやはり大きいと思います。そういたしますと、実技とかワークショップという形になってくると思いますけれども、もっと踏み込めば、やはり教員が自分の学校で指導している、その指導自体の改善ということに踏み込むべきだと思うんです。そういう意味では、指導を専門家が観察したり、助言したり、一緒に見直したりということを研修としてもっとフォーマルに位置付けるということが必要だと思います。
 現状はそれぞれの学校あるいは教員個別に授業を振り返りながらより良いものにしていると思うんですけれども、これを研修全体の仕組みの中に明確に位置付けるということが必要ではないかと思います。以上です。
【小原部会長】  
 油布先生、どうぞ。
【油布委員】  
 今の無藤先生のお話や先ほどの秋田先生のお話とも関連すると思います。1点目ですが、教員養成や教職大学院の議論をしているときに、どこの学校種を念頭において議論するのかということがあります。教職大学院は早稲田にもありますが、ほかの教職大学院と違って、早稲田は高校教師を希望する者が多く、全国の教職大学院の中でもちょっと異質なところがあります。これは国立大学法人の教員養成系大学・学部の問題と、一般の大学での教職課程の問題を同じ列に論じられるのかという問題とも関連してきますので、その辺、つまりどの学校種を念頭においた議論なのかという点は少し整理していただきたいと思います。
 特に一般大学の教職課程などの場合には、議論が国立の教員養成の改革や内容に引っ張られてしまってそのまま改革が進むと、身動きができないというような状況にあります。改革どころか、付いていくのに精一杯というような感じがありますので、議論が、どの学校種なのか、どこに焦点を当てたものなのかというようなことをもう少し明確にしながら検討していただきたい。教育委員会との連携ということについても同じだろうと思います。それが1点です。
 それから、2点目ですが、非常に根源的な問題になってしまうのかもしれませんけれども、免許と、研修の問題を一緒に論じていいのかという問題があります。先ほどは、免許更新講習と法定研修は、目的は違うんだけれどもやっていることは非常に近いものがあるので、それを内容的には統合していくというような御説明もあったと思うんですけれども、それを混在させると何か訳が分からなくなるんじゃないかという気がしています。
 例えば免許更新制度は、大学のときに得た免許では、非常に速い社会の変動には十分対応できないという点から、免許に制限をつけると設定したわけです。とすれば、今、新任で免許を持った人の免許と免許更新をした人の免許というのはどこが違うのか、どこが同じなのかというようなことを考えてみる必要があると思います。免許更新する人は、これまでの10年の経験があるから違うんだというようなことを言ってしまいますと、同じ免許のはずなのに中身が違うのかなというような、そういうふうなことがちょっと疑われてしまうのではないかと思います。
 それから、専修免許、一種免許、二種免許とありますけれども、実際学校現場に入ってみると、給与は多少違うと思いますが、違うのは当然で、専修免許を持った人は2年分採用されたのが遅いからという、それぐらいの給与体系の違いでしかなくて、仕事はほとんど同じだと思うんです。教師の専門性や資格要件の違いというよりは、言わば学歴の違いだけという気もします。そうすると、免許は国家が認可したことを示すわけですが、協力者会議で話されていた、専門免許を作るとかそういうことも含めてですけれども、免許の意味をもう一回確認することが必要になるのではないでしょうか。
免許の問題と、研修して力を付けていってその力を証明するということに関しての系列といいますか、それを同列にするのはちょっと話が複雑になってくるのではないかなというような気がしております。以上です。
【小原部会長】  
 細谷先生、どうぞ。
【細谷委員】  
 中学校の現場の方から意見をさせていただきます。ここにもちょっと書いてありますけれども、言語活動を大変重視した学習指導要領が始まって2年たちました。やはり私は言語活動を重視するというのは大賛成で、当然これは子供の学力そのものに影響するなと。案の定、PISAのこの間の調査でもぐっとまた取り戻したというところであります。
 ただ、現場の教員といいましょうか、特に若手の教員の授業を見ていますと、やはり相変わらず教え込みの授業が多いんです。これ、中学校です。だから、大学で何をやってきたんだろうと、こういう話になってくるんですね。これは昔から変わらない。恐らく大学の教育課程のカリキュラムの問題もあるんでしょうし、もっと言えば、彼らが小学校、中学校、高校のときにそういう教え込みの授業で経験しているから、授業のイメージとしてそういうものがあるのかもしれません。
 今度の学習指導要領が言語活動中心というものを打ち出してきた点を更に大学の方の部分でも、やはり特に指導法の部分でしょうね、こういったところでもっと実践的に、あるいは学力向上や言語活動で定評のある学校あるいは教員をどんどん呼ぶなり、学校に行くなり見せて指導法の部分を重視していただくと、学校現場としましても、新しい先生が入ってきた、今度の先生は今までの先生と違ってかなりどんどん言語活動、そして、子供の主体的な学習活動をやっていける先生だなということで安心して見ていられます。大学に対する評価も学校現場の方も高められますし、そういう大学から来る教育実習生も大いに受け入れようじゃないかというような話になってきますので、これは今後、教職課程の中身についての議論もあるということですので、その辺是非よろしくお願いしたい。
 それから、先ほど、小中一貫教育うんぬんという話がありました。小学校高学年の専科指導、これも非常にすばらしい観点だなと思います。本校でも、小中一貫校ではないんですけれども、隣の小学校と小中一貫教育を始めました。その中でやはり一番問題になっているのは、子供の小学校段階からのつまずきなんです。教科でいうと圧倒的に算数・数学、それから、理科、社会科が多いんです。やっぱり小学校の高学年辺りでかなり専門的になるんだけど、肝腎の小学校の先生がそこまで教えられない。
 私は社会科なんですけれども、一番ひどいのは地図ですよね。地図指導。これが小学校の先生、できない方が非常に多い。ですから、中学校に来たときに、地図を授業で使ったことないなんていう子が結構いる。ですから、小中一貫教育という言葉が今、随分浸透しましたけれども、中身をそうやって見ていきますと、大学の教職課程でやるべきことというのはどんどん見えてきますので、是非そういった学校現場のデータとか声をこういったところでもっと生かしていただけると有り難いなということであります。以上です。
【小原部会長】  
 天笠先生、どうぞ。
【天笠委員】  
 失礼します。二つ申し上げます。まず一つ、先ほどの調査研究事業にもそのキーワードが出ているんですけれども、教員養成カリキュラムの開発というこのキーワードを私は大変大切にしたいと思うんです。先ほどもまた話がありました大学全体のカリキュラムとか教員養成カリキュラムとか、こういう言葉は言われるんですけれども、その実態というんでしょうか、内実というのが、私はかなり空疎であって、要するに、そこのところに議論が及んでいない。
 どちらかというと、制度上の在り方のところに議論が集中せざるを得ないところも含めてということで、もっと内実に迫るカリキュラム開発の在り方ということですか、そういうことで。そういう点では、次年度のカリキュラム開発の予算化ということもあるわけで、この成果に非常に着目したいと思いますし、そのフィードバックを是非こういうところでも御紹介いただいて、それを議論していくというふうなことをお願いできればと思います。
 ついては、私も課程認定に関わって幾つかの大学に伺わせていただいているんですけれども、そのことが教員養成カリキュラムの開発を促すとかそういう契機になっているとは必ずしも思えないというのが私の実感であります。ですから、課程認定をすることと大学の教員養成のカリキュラムの開発が促されるということのすり合わせとかその辺りの接点についてということも、この開発の課題の中で是非突き詰めていただきたい一つかなと思います。それはそれぞれ違うんだという言い方で整理してしまうんではなくて、大学の教員養成カリキュラムを開発する触発にという、そういう観点からの課程認定の在り方ということもまた検討すべきではないかと思います。これが1点です。
 それからもう一つは、今回事務局から御提案いただいた主な論点という、こういうことをお出しいただいたというのは私は大変高く評価しております。それはどういうことかというと、教員養成に関わっての、ある意味でいうと大変基礎的な基盤的な、あるいは本質的な議論をここの中で行っていくというんでしょうか、そういうことに関わらざるを得ないようなことが、この(1)から(4)の中にそれぞれ散りばめられているというふうに、そういうふうに見ました。
 そういう点からすると、これを今後どういうふうにこの教員養成部会で扱っていくのかどうなのか、そのマネジメントとか運用がどうも問われているように思います。例えばこの四つを前提にしたときに、一つ一つ大変重要な課題であります。このテーマにここの委員全員がどこかの分科会、ワーキングに張り付いて、そして、議論。お忙しいお立場の方々ですので、余り賛成は得られないかもしれませんけれども、少なくとも全員がこの四つの柱の中のどこかに所属し、そして、論点あるいはここで突き詰めなければいけない課題をここの場に提起していただいて、そして、これからの教員養成の在り方について、この部会としての見解というんでしょうか、そういうものをまとめるというようなやり方もあるではないかと思いますので、是非そこら辺のところは御検討いただければということを申し上げさせていただきたいと思います。以上です。
【小原部会長】  
 梶田先生、どうぞ。
【梶田委員】  
 今、大事なお話一杯出ておりまして伺っていたんですけれども、私からちょっと大きいことを一つと、若干当面のことを二、三申し上げます。
 大きいことといいますのは、今、教員免許の問題あるいは養成・研修の問題が本当に複雑になり過ぎているという感じがいたします。例えば時代が進んできて、今の例えばITにどう対応するかとか、道徳教育どうするかとか、あるいはいじめにどうするかといえば、またそれ、どんどん教員養成の中とか研修の中に入ってきます。これ、どんどんやっていくと、先生たちもものすごく忙しくなりますし、同時に教員養成そのものが、私もちょっと関わってきて、今でもちょっとあっぷあっぷみたいな感じがあるわけです。
 それで、それを整理する委員会を、例えばこの教員養成部会の下に小委員会を作って、基本問題小委員会とかね。つまり、ちょうど教育振興基本計画と同じように、10年ぐらいの展望の中で5年かけてこれは整理しようと。例えばここにも出ておりますけれども、免許の問題も、二種、一種、専修とあるけれども、実質的に給料が変わらなければ、免許でいいんです。免許でよくて、あるいは必要であれば、そこの前段階で準免許とか、準免許と免許でいいという、例えばですけれども、そういうのがあります。
 それから、いろいろなものを教職科目に増やす、もうどんどん増えてきています。本当に増えてきているんですけれども、あっぷあっぷですよね。それなら、何と何はどう統合して、そして、どこら辺に焦点を当てるべきだというのをもう少しやらなければいけない。
 あるいは逆に言うと、教職実習演習、これを非常に意気込んで教員養成部会で作ったわけですよね。でも、ちょっと中身がまだ不明確なものですから、ここで期待したいような効果が上がっていないかもしれません。これを、1年次から4年次までそういう形でこういうことは入れていかなくちゃいけない、そういう教職実習演習をしたらというようなことをきちっと考えていくような、基本的には今までのいろいろな議論を整理して、ここは研修で外せないとか、ここは養成で外せないという、そこだけ絞り込んだものをやっぱり大きな枠組みとしてやらなければいけないんじゃないかと、これが1点です。
 そういうことをやっていく中で、しかし、当面に幾つか必要なので、その中でやっていただいてもいいし、先ほど天笠先生からあったように、課題ごとに小委員会を幾つか作ってそこでやっていただいてもいいんですけれども、ここにあるものはもう繰り返しません。そういう中で是非プラスして取り上げていただきたいなと思っておりましたのが、結局、問題は全部何かというと、大学で養成するでしょう。大学は学の自由があることになっているんです。だから、担当の先生が中身とかいろいろなことを自由に考えて、自分の研究の成果をそこでと、これは建前ですけれども、私は教員養成についてはそれは言ってはいけないと思っているんです。
 例えばそういうことで具体でいいますと、教職科目それぞれに、もう少し詳しい、これは教えなきゃいけないというシラバスエッセンシャル、これをやらなければいけない。例えば今、小中連携があるけれども、発達心理学って昔きちっとやられたことが、今いろいろなところでやられていないんです。例えば今、言葉の問題も、心理学的にはもう既に幼稚園の年長さんからものすごくできるんです。しかし、それは、言葉の扱い能力というのは年長から三、四年までです。それで、五、六年から中一ぐらいまででがらっと変わるんですね。これは抽象的なものが非常に使えるようになりますから。その上もまた変わるわけです。
 でも、そういう心理学的な成果、これをほとんど教えていなかったらしいんです。それを抜きで幼少連携でカリキュラムがどうのこうのいったって、私から言うとナンセンスな話です。子供の実態は発達で実態が変わるわけだから、だから、そういうのはきちっと教えておかんといかんとか幾つかあります。そういう詳しいシラバスを、学の自由があってもいいし、研究の成果はどうでもいいけれども、これは絶対押さえんといかんというものをもう少し詳しく教職科目にやらなければいけない。これが一つあります。
 それからもう一つ、それと裏腹になりますけれども、教職を担当する資格を毎年毎年、課程認定のたびごとに本当に御苦労してやっていただいていております。前に認定されたのはもう本当に分からなくなっているから、新しくと。これ、私、課程認定委員会は大変な仕事だと思います。
 私は、過渡的には仕方ないけれども、やはり何か基準を作って、教職科目担当資格という、大学の先生、つまり、教員養成の期間の先生、そういうある種の資格あるいは免許、これを作ると。例えばこの科目について認められれば5年とか10年有効という、これをやっぱりやらなきゃいけないんじゃないかと。私、10年ぐらいは必要だと思うんですけどね。それをやっていかないと、課程認定を毎年100大学とかやっていて、先生一杯あって。
 それであえて言いますけれども、3年以内とか5年以内の書き物が来たって、私からいうと、あれ、表題しか見られませんから、中身は何を書いているのかということになります。だから、量産するのが上手な人は量産します。だけど、私はどうもとどうしても思ってしまいますよね。それよりは、やはり一時的には時間がかかるけれども、きちっともう少しこの人のやってきたことやらいろいろなことを見て、私はそういう中で教職課程の担当教科の非常に大事なことは、例えば小中の教員を養成するんだったら小中の現職の経験があるとか、幾つか私は基準が要るだろうと思っております。というようなこと、これが一つであります。
 それからもう一つ、これは忘れちゃいけないなと思っておりますのは、やはり個々の大学としての教員養成の責任の取り方をもっと明確にしなければいけない。今まで、学科で、学部で課程認定されて、これを金科玉条(きんかぎょくじょう)でやっていますけれども、私も時々ですけれども、いろいろな大学に行かせてもらって、大学としての取組がなかなか。全体としてですよ。私はやはり大学の教職課程委員会みたいなものが全部きちっと責任をとっていくという、そういう制度的な何かを作っていって、そこに例えば採用する側の教育委員会からも必ず委員を出さなければいけないとか、そういうような委員の指定まで含めた大学の委員会を作って、そこが全部の大学の教員養成の責任を負うという。
 それを時々チェックするということをしないと、個々の学部とか学科ごとに認定を受けて、それでそのままあと動いていくのでは、私は非常に、スタートした後の、例えばこの委員会での御指導というのもなかなか分かりにくくなっていくんじゃないかなというようなことを思います。ですから、今、ここにあるのは全部重要な御指摘であるということを前提の上で今のようなことをちょっと申し上げました。
【小原部会長】  
 酒井先生、どうぞ。
【酒井委員】  
 そうしましたら、もう時間もあれなので、2点だけ申し上げたいと思います。一つは、ここに入っていないことなんですけれども、今、特に首都圏は大量採用で、毎年各都県1,000人とか1,500人とかいう数で採用されていますが、10年後には途端に激減していく見込みなわけです。そうしますと、今後のことを考えると、少子化の中で教員そのものの数が、絶対数が少なくなっていく。それから、大量の採用が終わっていくと、採用そのものも非常に少なくなっていく。そうしたことも見越した中で、計画採用ではないのであれなんですが、そもそもどのぐらいの規模の教員を養成すべきなのかというのは、一つ検討課題としてあるべきだと思うんです。
 今は、今回も非常にたくさんの大学で課程を認定していますけれども、どれだけの規模で免許を出していくのか。結局のところ、採用に10年後は至り着けない者が多数生じるわけですから、こういう養成のシステムをするのかどうかということ。それは、全体に関わることなんですが。要するに、どこでそれを養成していくのかという問題にもなっていくんですけれども、とにかくその大枠のところが一つ、議論としては、10年先を見越すとどうしても生じてくるだろうというのが1点です。
 それからもう一つは、先ほど来、大学と教育委員会の関係の緊密化ということがあるんですけれども、これ、具体的に考えますと、大学によって違うんです。要するに、送り出す先の多い、非常に大きな全国規模の大学では、連携すべき教育委員会は多々あるわけです。そうした中で連携というのは。要するに、本当は地元の設置されている場所の教育委員会ということではないと考えますと、教育委員会との連携というのは実はどういう構図でやっていくのかというのは、しっかりした吟味が必要なのではないかとも思います。
 それ以外にも幾つかありますが、以上2点で。
【小原部会長】  
 渋谷先生、どうぞ。
【渋谷委員】  
 問題提起のようなものを一つだけ手短に申し上げたいと思います。2001(平成13)年だったと思いますが、「在り方墾」の報告というのがございまして、それが2006(平成18)年の中教審の答申につながっていると思うんです。そこで私が学んだことは、昨今求められている教員養成を一言で表現すれば、「質の高い力量ある教員」を養成することだ、と。この「質の高い」といったときの質と、「力量ある」といったときの量が、いわゆる「質と量」というふうに対比して使われるときの意味なのかどうかは厳密にはよく分かりません。
 それはともかく、今回主な論点ということで四つ挙げられています。これらは例示だと思いますけれども、例えば専門性に秀でた指導力とか、実践的な教科指導力、これらはどちらかというと「力量ある」の方に関わるのかなと思うんです。先ほど梶田先生もおっしゃいましたけれども、現在、教育の現場には多様なニーズがありますから、そういうところをどんどん取り入れていかなければいけない。それはそのとおりだと思うんです。
 他方、「質の高い」という方に注目した場合には、ちょっと口幅ったい言い方ですけれども、教員一人一人の人間性というところに関わってくると思うんです。恐らく現在のところ全国の先生方の人間性とか教養の深さとかその辺についてはそれほど問題になっていないので、ここには課題として挙がっていないのかなと私は思いますけれども、教育の根幹はやはり先生です。「先」に人生を「生」きている、そういう教師が子供たちを導くわけです。その意味では、やはり豊かな人間性というのは根幹として非常に大事なものだと思うんです。
 それが一般教養の教育課程で教えられるものなのか、教職課程で教えられるべきものなのかという辺りはちょっと微妙な問題があると思います。とはいえ、今正に問題になっていないからこそ、常に私どもは質の高い人間性豊かな先生をどうやって育てていくのかというところについても視点を捉えるべきかなと私は思うんです。
 その先、では具体的にどうすればいいんですかということについては、私は今具体的なアイデアを持っているわけではございませんが、例えば天笠先生もおっしゃったように、何かその辺の問題意識をお持ちの方がここにいらっしゃる委員の中から小委員会を作って検討する。梶田先生もそういうふうな趣旨のことをおっしゃいましたけれども、そのようなことがあってもいいのかなと思いました。私自身、実はここにいらっしゃる中でただ一人だと思うんですが、教科専門出身でございます。それも、人間性に関わる哲学・倫理学が専門ですので、そんな役割から今のような発言をさせていただきました。
【小原部会長】  
 横須賀先生、どうぞ。
【横須賀委員】  
 どうも発言最後の機会になりそうなのにちょっと悲観的なことを言いそうなので申し訳ないんですけれども、私、40年ぐらい教員養成の現場に携わってきて、それから、教員養成の制度改革に加わるようになって15年ぐらい、皆さんに御苦労さまと言っていただくような仕事をして、それから一方で、学校現場で、特に義務教育段階ですけれども、教員たちが授業をやる仕事のお手伝い、指導と言ってもいいし、助言というか、そういうことで随分学校現場も見て歩くわけですけれども、そんなことをしている中で時々、教師の資質は年々高まっているんだろうか、いや、下がっているんだろうか、変わっていないんだろうかとか、思うことは、やっぱりどう見ても日本の義務教育段階の教師の資質はどんどん低下しているようにしか思えないんです。
 15年ぐらいの間に、随分、養成・採用・研修について提言し、私も加わって、免許更新講習を含めて新しい仕掛けがどんどん作られてきたわけです。それが本当に教員の資質向上に結び付いているんだろうか、資質低下に結び付いてやしないかというような気がしてしょうがない。
 ふと思うんですけれども、今の教員の養成される構造は、非常に古い制度の部分と、15年ぐらいかけて私も加えていただいた中で作られてきた資質向上の制度とが共存しているんだと思うんです。分かりやすくいうと、例えば二種免許も残っているし、それから、大学での教員養成と言いながら、専門学校での免許授与も行われる。それから、先ほどある大学のことが言われましたが、通信制が非常に広範囲に広がって、かつ、それが現実に教員の免許取得に働いているという現実もある。そのほか、もう時間がありませんから細かいことは挙げませんけれども。
 一方で、実地視察に行きますと、その大学で免許状を取ったのが何人で、現に採用されているのが何人だという数値を最近出してもらうようにしました。それで、見ていると、100人以上のオーダーで教員の免許を取っているところで教員になった数は一人もいないとか、一人ぐらいしかいないとか、そういう大学が実際ある。専門大学であればあるほどそういう状況になっていく。
 だから、非常に優れた専門科目を中心とした教員養成がやられていても、そこでは実際は教員は出てきていない。実際はもっと手軽に免許、資格を取った者が、県ごとの採用の網をくぐって学校現場に行くという現実があるわけです。そういうところでは全体としての教員の資質・能力というのは測れないけれども、私は相当問題で、能力の低い教師群が入っていく。
 教師なんて誰でもやれるんだと戦後考えた時期の制度と、やっぱり国民の負託に応えるためにはもっと資質向上、質の高い教員を養成・採用していかなきゃいけないんだというふうに一生懸命制度改革をしてきた、これとが全く共存してしまっていて、こういう形の共存って大体、悪貨が良貨を駆逐する法則の方が働くんじゃないかなという気がしています。
 現場を見て歩いていて、随分一生懸命教員養成に努力してきたつもりだけど、果たして我が人生の後半、意味があったんだろうかと思わざるを得ないところもございまして、最後に悲観的なことを言って申し訳ないんだけど、何か構造的な検討を加えるべきときがもうとっくに来ているんじゃないかということを申し上げて発言したいと思います。どうもありがとうございました。
【小原部会長】  
 吉村先生、どうぞ。
【吉村委員】  
 お時間のないところありがとうございます。県の行政の方で研修を企画し、そして、現場の先生方の声を多く聞く機会がございますので、二つだけ述べさせていただきたいと思います。
 1点目は、今、ずっと議論がありました、小中連携に関わる免許の件です。多くの議論がありますが、私自身は6・3・3制の制度から見直す必要があると思います。4・4・4制とかいろいろ議論はあろうかと思いますが、免許取得の大学養成段階からきちんと考える必要があると思います。
 特に今、説明のあったグローバル化について特化しますと、小学校英語で教科化になると、英語の免許を持つ中学校の教員が小学校に行き、指導することが可能になろうかと思いますが、逆に三、四年生から始まる外国語活動では、免許がないために教えられないという免許の問題が生じます。
 2点目は、先ほどから意見があります教員の質を高めるという点についてです。今、教育委員会でも研修を増やしていこうとしていますが、現場の視点から申しますと、個人が様々な研修を受けて質を高めたとしても、それを学校で先生方に伝える時間がなく学校単位の質という点から考えると、高まっていかない現状があります。
 つまり、今、どんどん教育課程が忙しくなってきている関係で、先生方が勤務時間内で十分な校内研修を行えないというのが大きな問題です。昨年度から時間数も増えたということがあり、ますます先生方が校内研修をもつ時間がなくなり、外部で受けてきた研修が先生方に広まらず、質が高まっていかないのです。この部会で議論することではないかもしれませんが、先生方の校内研修の時間を確保するような教育課程の変更を議論していく必要があろうかと思います。以上です。
【小原部会長】  
 このほかまだ意見があると思いますけれども、時間となりましたので、本日の審議はこれまでといたします。今日出た意見を文部科学省の方で反映させるようにしていただければと思います。
 今後の日程について、事務局から説明をお願いします。
【藤岡教職員課課長補佐】  
 失礼いたします。次回の開催につきましては、委員の皆様との調整の上、また別途御連絡申し上げたいと思います。
【小原部会長】  
 それでは、本日はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。

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-- 登録:平成26年03月 --