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教員養成部会(第63回) 議事録

1.日時

平成23年10月7日金曜日 14時~16時

2.場所

学術総合センター 中会議室1~4

3.議題

  1. 今後の課程認定委員会における審査体制について
  2. 平成23年度教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について(諮問)
  3. 平成22年度及び23年度(前期)教職課程認定大学実地視察報告について(報告)

4.出席者

委員

安彦委員、田村委員、青山委員、天笠委員、大江委員、大坪委員、梶田委員、狩野委員、岸田委員、佐々木委員、佐藤委員、渋谷委員、高岡委員、北條委員、宮﨑委員、油布委員、横須賀委員

文部科学省

前川総括審議官、山中初等中等教育局長、徳久審議官、山下教職員課長、日向教育改革調整官、新田教員免許企画室長、今井教員養成企画室長、田中室長補佐、

5.議事録

 【安彦部会長】
 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会を開催いたします。本日はご多忙の中、ご出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 まず、本部会の委員として新たに審議に加わっていただく委員がいらっしゃいます。事務局よりご紹介願います。

【新田教員免許企画室長】
 資料1に全体の名簿を入れておりますので、そちらをごらんいただきながら、ご紹介させていただきたいと思います。
 向山委員が退任されまして、露木昌仙臨時委員をお迎えしております。本日ご欠席でございますが。それから、新藤委員が退任されまして、大江近臨時委員をお迎えいたしておりますので、ご紹介をいたします。
 以上でございます。

【安彦委員】
 大江委員、一言。

【大江委員】
 全日本中学校長会会長の大江でございます。よろしくお願いします。

【安彦部会長】
 それでは、事務局から本日の配付資料の確認をお願いします。

【新田教員免許企画室長】
 それでは、資料がそろっているかということでございます。次第の後に今申し上げた資料1として、本部会の名簿がございます。資料2が、この後、課程認定の諮問させていただきますが、その諮問の一枚紙と、別紙といたしまして、その大学一覧でございます。資料3、2枚物で課程認定大学等数ということで、今回のその数についての資料がございます。それから、資料4、平成22年、昨年度の実地視察の結果についてということで、その(案)でございます。後ほどご議論いただくものです。資料5が23年度(前期)の実地視察についての、こちらも後ほどご議論いただく(案)でございます。資料6、22年度の更新講習の事後評価結果についての(確定値)、それから、資料7の更新講習の修了確認等に関する調査について、で、後ほどご説明させていただきます。資料8、学位プログラムと教職課程との相当関係についてという資料でございます。最後に、参考資料1といたしまして、東北地方太平洋沖地震に関します教員養成にかかわります主な通知等でございます。こちらは、ご説明等については省かせていただきますけれども、あわせてお配りしたというものでございます。
 以上でございます。もし落丁等ございましたら、事務局のほうまで、手挙げていただけましたらと思います。以上でございます。

(傍聴者入室)

【安彦部会長】
 それでは、続きまして、教員免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定につきまして、諮問を受けることといたします。

【前川総括審議官】
 それでは、諮問文を読み上げさせていただきます。
 教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について、別紙のとおり申請がありましたので、教育職員免許法別表第1備考第5号イの規定により諮問します。
 平成23年10月7日文部科学大臣中川正春。

(諮問文手交)

【安彦部会長】  
 それでは、今回の諮問の概要及びその審査の日程につきまして、事務局からご説明願います。

【新田教員免許企画室長】  
 今、諮問させていただきました諮問文が資料2でございます。それで、その別紙をごらんいただきますと、この今回諮問されました平成23年度課程認定申請大学等一覧ということで、大学及び当該学科とその申請のありました免許状種類についての一覧がございます。これは後ほどごらんいただければと思います。
 資料3をごらんいただきますと、資料3がその申請に係る大学と課程の数ということでございます。本年度申請大学数が149大学、課程にいたしますと698課程ということで、大学数としては、昨年度より10弱少なくなっているのに対して、申請課程数としては、約60課程ほど増えていると。次のページ、2枚目を見ていただきますと、その免許状の種類ごとの課程数の増減ということですが、今年の申請では、中学校理科、それから、高等学校理科、それから、工業といったところが昨年に比べるとやや多くなっているというような申請ということになっております。
 なお、今後の日程でございますが、今後、課程認定委員会のほうで審査をしていただきまして、12月ごろまでおそらくそこの審査がかかると思います。で、その課程認定委員会からの報告を受けまして、本部会のほうにご報告いただきまして、本部会としての審査、答申の決定というのが大体12月から1月までにかかるかどうかというような時期かと思います。
 以上でございます。

【安彦部会長】  
 資料2、3及び別紙、ざっとごらんいただいて、何かご質問、ご意見等ございますでしょうか、お願いいたします。よろしいでしょうか。特にお気づきの点、ご質問等ございましたら、出していただいて結構ですが、よろしいですか。
 それでは、特になければ、この書類をもとにいたしまして、課程認定委員会の委員の方々にご審議、ご苦労をお願いいたしますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。よろしゅうございますか。では、審議のほどをよろしくお願いいたします。
 それでは、続きまして、平成22年度及び23年度(前期)の教職課程認定大学実地視察につきまして、横須賀委員よりご報告をお願いいたします。

【横須賀委員】  
 それでは、平成22年度及び平成23年度(前期)の実地視察についてご報告をいたします。
 資料4、資料5ですが、例年実地視察報告を行っておりますが、今年度は少し違いまして、今年度の前期の分もここの場でご報告させていただきます。この理由は、あまり遅くなると、今、今年度の課程認定の申請を受けているように、それぞれの大学での教職課程の改革に結びつけるのに、あまり遅くならないで早くやっていったほうがいいだろうという理由、それから、また、大学のほうからも実地視察が行われて、それの報告はいつやるのかという声があるということで、前期の分もまとまりましたのでご報告すると。これもちょっと今までなかったことで、いい意味で実地視察に対する関心、あるいは教職課程の質の向上に関する関心が高まってきてくれているのかなと。もしくは、あまりいいふうにばっかり考えてはいけないかもしれませんけれども、そんなふうに思っているところです。ここの委員の方にご参加いただいているわけですから、もし、そういう方向での関心が大学、現場において高まっているのだといいことだなと思います。
 平成22年度は、計40の国公私立大学に対して視察を行いました。平成23年度、今年度は既に前期で18大学の実地視察を行っているところで、これから後期、すぐ始まりますが、これが予定としては27大学となっておりますので、今年度は45の国公私立の大学に対して視察を行う、こういう予定になっております。
 それでは、資料4をごらんいただきます。これが平成22年度の実地視察報告ということになります。視察した大学、その日にち等が資料4の1枚目にあります。6月から、次のページの年を超えた1月まで行いました。その後の2、3、4というふうになっているのが実地視察する観点及び実地視察してまとめた観点でございます。1が教員養成に対する理念、教職課程を設置している趣旨、2番目が教育課程及び履修方法、3番目が教員組織、4が施設・設備、こういうふうになっております。
 22年度の実地視察において、全体としては、多くの大学の教職課程が法令や教職課程認定基準というのは満たしておりました。しかしながら、法令や基準についての理解が浅く、これらに満たない教員配置がなされていた大学も見られました。これについては、指摘し、早急な改善の約束がなされているところです。また、大学として、養成したい教員像、法令や基準は満たしていても、その大学としてどういう教員を養成したいのかという、そういう教員像がそんなに明確でない大学や、教員養成としてどういう理念を持って行おうとしているのかと。そのための教職指導体制や教職課程というのが十分確立されてない大学も見られました。さらに、今年度の視察大学の中には、教員養成に対する意識が不十分な大学も少なくありませんでした。
 個別具体的に見ていきますと、資料のマル1のほうになりますが、教員養成に対する理念、それから、教育課程を設置している趣旨等の状況についてでは、大学及び学部・学科としての教員養成に対する理念を掲げている大学が多いものの、というより、これは実地視察のとき、提出してもらう資料にその項目があるので、大学の歴史をさかのぼっての理念等をほとんど書かれているわけですが、その理念を実現するために全学的・組織的な教職指導体制や教職科目の整備を行っている大学というのはそんなに多くない。むしろ少ないといったほうがいいんじゃないかと思います。そのため、教員養成に対する理念を実践できる運営体制の構築に努めるべきであるということを指摘しました。各大学の設置理念等から説き起こしていても、それが教員養成の指導体制や教職科目の整備に結びついてないケースはかなり見られました。
 次に、教育課程、履修方法、シラバス及び教員組織の状況についてですが、全般的に法令や認定基準を満たしていたものの、一部認定基準に規定されている開設することか必要な科目数や必要専任教員数を満たしていない大学も見られたため、例えば次のような改善を求めました。教職科目については、法令に定められている「含めることが必要な事項」を含むとともに、各科目の趣旨にかなう授業内容とすること。シラバスは各回ごとの授業内容を明記するなど、学生にとってわかりやすく丁寧なものとすること。次に、教職科目の趣旨を踏まえた体系的な履修モデルを確立することなどを指摘しているところです。例えばシラバスなんかでは、同じ科目、例えば何々科教育法というような科目が複数出講されている場合、多いわけですけれども、そうしますと、そのシラバスが担当教員によってまるで違うというようなのも見られます。確かに担当教員によって授業の内容、扱う内容等は自主的に判断されるものでしょうけれども、教職科目の建前から言って、まるで違うということはいかがかという指摘をすることが幾つかございました。
 次に、教育実習の取組状況ですが、大学としての実習校の確保というものを行わず、学生が各自で実習先を確保している大学というのが相変わらず多くあります。これは、いわゆる母校実習というふうに呼ばれているものですけれども、かなり相当の数に上ります。そのため、教育実習の実施にあたっては、課程認定大学は、教育実習の全般にわたり学校や、学校現場という意味ですが、教育委員会と連携しながら、責任を持って指導に当たるということが求められるということを指摘しております。
 次に、大学による教育実習指導体制や評価の客観性の観点から、可能な限り大学が所在する近隣において実習先を確保し、学生が出身地の学校への就職を希望する等により、遠隔地に教育実習を行う場合においても、大学が実習先の学校と連携し、教育実習に関わる体制を構築するとともに、公正な評価が得られるように努力するようにということを指摘します。
 で、母校実習がどうしていけないかということについて、この実地視察の場で議論していただくことが多かったんではないかと思いますけれども、大学側は学生が希望するということが一つ。それから、出身地の学校で就職を希望しているので、そこで実習することが非常にメリットがあるという説明をします。それが間違っているとか、いけないということは一概に言えませんけれども、そうしますと、大学側は、学生が実習しているときに直接指導に出向くということをしているかということになると、それはかなりできないということで、行われてない例のほうが多い。それから、そういう意味では、やはり母校実習というのは、大学の教育の一環である教育実習が十分それで行われるということにはならないんじゃないかということを指摘し、さらに努力を求めていっているということです。それは先生方においても同じだと思いますが、なかなか母校実習が減ってくるという様子は見られないということです。
 次に、学校現場体験・学校ボランティア活動等の取組状況について報告をしてもらいますが、多くの大学において、学校における体験活動・ボランティア活動を取り入れているという、これはここ数年の間に非常に広がっている傾向です。しかし、大きな大学なんかの場合、一部の学部のみの実施となっていて、大学全体でそれに取り組んでいるというふうにはなってない場合もあり、改善を求めるということになります。
 次に、教職指導及び指導体制の状況についてですが、学生が恒常的に履修相談できる体制を整備している、また、学内にそういう空間を置き、専任の職員を配置しているという大学もある一方、全体のガイダンスにとどまっている大学もやはりあります。そういうところがやはり指導が不十分だということで、大学に改善に求めているところです。また、学生に対して教職課程の履修モデルを示すよう指導をしているところです。
 次に、教員養成カリキュラム委員会等の全学的組織の状況についてですが、これは、先ほど言った理念に対応する運営組織をしっかり設けるということで、教員養成カリキュラム委員会という名前は、18年答申の中に出てくる名称で、必ずしもこの名称じゃなきゃいけないということではなくて、学部個々であるとか、あるいは教職担当者だけでの組織ということではなく、大学全体の責任者のもとに全学的な組織を整備するようにということを指導してきているところで、それがどうなっているかということですが、これが整備されているという大学もかなり増えてきていますけども、一部の学部・学科等の中での組織にとどまっていたり、さっき言いましたように、教職課程担当者の組織だけにとどまっている大学も見受けられるということで、そういう大学に対しては全学的な組織の設置を求めているということです。
 施設・設備の状況というのも視察の項目ですが、教員養成に必要な施設・設備、教育機器等は、学生数の規模に応じてほぼおおむね整備される状況になっているところですが、一部の大学の中には、図書館において、大学の教員養成の理念を踏まえた収書計画をしっかりやるように、また、最新の教育事情に関する図書の充実というものを求めるということもあります。
 平成20年度からは、教職実践演習が教職課程の総まとめの科目として導入されているわけですが、また、免許状を取得しようとする者に対する教職指導体制を確立するということが法令上求められるようになりました。この22年度の実地視察においては、この意味で改善が必要であると言わざるを得ない大学も少なからずあったということです。カリキュラム上は確かに設置されているけれども、カリキュラム、4年の後期に開けばいいというのではなくて、そこに向けて学生の教員養成に対する取り組みとか、実習に対する取り組み等をチェックしていく。そういうものを1年生のうちから設けるということが大事なんですけど、そこには取り組まれてないというようなことが見受けられます。そういう大学に対しては、これまでの各種答申で提言されている内容を再度確認し、責任ある教職指導体制を構築するように指導するということでした。
 報告書、各個別大学ごとの指摘、状況の把握及び指摘につきましては、この資料4の実施視察大学に対する講評という形で個別大学ごとに行われております。委員の先生方にご参加いただいているわけで、ご確認いただければと思います。
 続きまして、資料5の平成23年度(前期)の実地視察報告をいたしますが、これは資料5ですが、これにつきましては、今、申し上げた概要と大きく違うところはありません。例えば教育課程等において同一名称の科目を、先ほど申し上げました複数の教員が担当しているような場合に、シラバスの内容が教員によって著しく異なっているというようなことに対しての指摘が、相変わらず複数の大学において改善を求める形になっていると。また、教育実習等についても、母校実習を原則としている大学、やむを得ず母校実習を採用しているというよりは、母校実習を原則としている大学というものもあり、これについては前年度と同じような指摘をしているということです。
 以上のような点で、23年度の前期につきましても、各個別大学ごとの講評という形でまとめております。ご参加いただいた委員の方にご確認いただきたいと思っています。
 以上が実地視察報告の概要でございます。今後、実地視察を行った大学については、課程認定委員会に指摘内容に対する対応方策を報告してもらうとともに、教員養成全体の底上げを促す観点から、教職課程を有する全大学にこの視察報告書を送付するということにしております。また、教育委員会や学生、保護者などが当該大学の教職課程の特色や内容等を理解できるものとなるように、文部科学省のホームページ等を通じて公表することによって、教員養成に対する取り組みの一層の充実を求めるということにしたいと思っております。
 先生方にご参加いただきました実地視察報告について、平成22年度は少し遅くなりましたが、直近の平成23年度(前期)を含めてご報告をいたします。

【安彦部会長】  
 ありがとうございました。ただいまのご報告につきまして、ご質問等ありましたから、お願いいたします。なお、既にご説明がありましたように、本報告(案)は、本部会の了承を経た後に公表されます。それとともに、教職課程を有する全大学に送付されるということとなっております。いかがでございましょうか。

【天笠委員】  
 どうもありがとうございました。今のご報告を伺いまして、この点をお尋ねさせていただきたいのは、それぞれの大学がざーっと並んでいて、そして、それをとらえたときの全体的な傾向として今、ご報告いただいたかと思うんですけれども、当然その中には教員養成系のそれもあるかと思いますし、あるいは公立の県立大学等々もあるかと思うんですけれども、ちょっとそこら辺のところはある程度グリーピングしたときに見えてくる、また傾向というのもあるのか、それとも、ご報告いただいたように、その境界を超えて大体押しなべてあってということで、今、いただいたのは、その境界を超えてすべて押しなべて大体そういう傾向だというふうに理解していいかと思うんですけれども、その上で少しそれぞれグルーピングしてみると、特徴的な傾向がさらに指摘できる部分というのは見えてくるんじゃないかとかという、そういうこともあるんじゃないかと思うんですけれども、現在の段階ですと、リストがざーっと並んでいてというところで、受けとめ側からすると、それぞれ固有のものを抱えながらということが受けとめる側の立場だと思うんですけれども、そのあたりのところについての応答関係というのを成り立たせるとすると、少し、何というんでしょうか、そのあたりのところの、私も、養成系のいる立場の人間の一人でありますけれども、それはそれなりに共通の固有のまた課題も抱えているところもあるんじゃないかと思うので、そういうあたりのところにもメッセージの伝え方というのがもう一段課題、テーマとしてあるんじゃないかとは、伺いながら聞いていたんですけれども、そこら辺のところについて何かお考えがありましたら、聞かせていただければと思うんですけど。

【安彦部会長】  
 はい、お願いいたします。

【横須賀委員】  
 天笠先生も実地視察に参加してくださっているので、質問のような形で大体お考えを述べておられると思いますが、微妙なところがあって、教員養成専門の大学だから万全であって、そうでない私立の大学において問題があるとばかりはやっぱり言えないところがあるんですが、長年、私のように相当長くやっていると、やはりある種気づくところはあります。ただ、それをそういうふうに書いていいのかどうかというところで、私にしても、事務局にしてもまだ自信──自信と言うと変だけど、踏み切れないんじゃないか。例えばこういうグルーピングの大学においては問題が多いというふうに書いていいかどうかというふうなことじゃないかなと思います。これは、やはりもう少し改善を促すのだったら、思い切って書く方向にもっていくべきなのかなという気は、私なんかはしています。
 それは、今、天笠委員のご指摘と直接は関係ないかもしれないけど、さっき実地視察に対する関心が高まっているということを申し上げましたけど、昨年度ぐらいから大きな大学、大大学を対象に視察するようにしています。これは以前あまりなかったこと。これはそういう大学に問題があるからというよりも、やはり量的にたくさんの教員免許取得者を出す大学ですから、中について十分見せていただき、お考えを伺うということが大事だろうと、こういうふうに考えて視察対象に挙げているということです。そうしますと、やはり基準とか、法令とか、そういうことについては十分満たしているけれど、大男総身に知恵が回りかねというんじゃないんですけども、全体としてその隅々までそういうことが行き届いているようになっているかというようなことについては、気づく点があってご指摘をするということが、私自身の経験もありましたし、先生方の中にもそういう大学の中でお気づきになったんじゃないかなと思います。
 そういう意味で、天笠委員のご指摘というのはかなり当たっている。だけど、それをどういうふうに書くかという点では、まだちょっと工夫が必要で踏み切れないでいるということじゃないかと思います。

【安彦部会長】  
 ただいまのご意見等と絡めても結構ですし、いかがですか。ほかに実地視察等もされた先生方で気がつかれたことありましたら。
 今の問題は、横須賀先生、例えばこれをだれに向かって送るかというか、この文書を視察後の視察報告というのを各大学に、さっきのお話のように送っていくとすれば、別に何もグルーピングしなくもいいわけですね。そこに今、おっしゃった各大学ごとにかなり明確に書くか、今、おっしゃったようなことを書くかどうかということですけど。今、ぱっとこうやって見ただけでは、その辺はあんまりクリアには出てきてない。だから、だれに向かってというのがちょっと、報告書の送り先みたいなことが関連すると思うんですけども。

【横須賀委員】  
 というより、この実地視察をなぜするのかという考え方と、それから、それをどう受けとめているかという各大学との間の問題で、長年やってきたことが、結局法令や基準に合致しているかという視察の目的が強かったし、各大学もそれさえやっていればいいだろうという受けとめ方でいたと思うんですね、実地視察に関して。やはりそれでは違うんじゃないのかと。やはり資質ある教員を輩出すると、それが国民に対する責任だという観点からすると、基準を最低満たしていればいいんだというわけにはいかないんじゃないかというふうに考えるように。だから、実地視察についての取り組み方も少し変わってきていると。だから、法令や基準を満たしているかどうか、それから、施設がちゃんとしていますかというよりも、大学としてどういう理念に基づいて、具体的にどういう教員の養成をして現場に送っているのかどうか。そういう観点をはっきりさせてきていると思うんですね。そのことがまだ報告書の、これ、この報告書のスタイル、ずうっと変わってないわけで、反映されてないように思います。
 そういう意味で、課程認定委員会では、この報告書のスタイルでいいのかどうかということも議論を始めつつあるところで、もうちょっとお待ちいただければ──お待ちいただくというよりは、皆さん方のご意見を出していただいて、技術的には課程認定委員会と事務局とでいい方向を出していきたいなと思っています。

【安彦部会長】  
 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。はい、どうぞ。

【天笠委員】  
 今、横須賀先生、言われたように、私もこの読んでいまして、この報告がその大学の教員養成のカリキュラム開発ですとか、内部の組織改善ですとか、そういうものを触発するような、そういう役割を今後より色彩を強めていくということがこの方向かなと思っていまして、その大学としての自主的な、自発的な改善への向き合いというんでしょうか、それについての支援、あるいはメッセージを送るということをこの中に込めていったらよろしいのかなと思います。ぜひそういう点でご検討をお願いできればと思います。
 以上です。

【安彦部会長】 
 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょう。
 それでは、特にご意見なければ、この本報告(案)ということで、ご了承というか、ここでは了承したいと存じますけれども、よろしいでしょうか。

 (「異議なし」の声あり)

【安彦部会長】 
 ありがとうございました。
 それでは、次の議題に移りたいと存じます。平成22年度免許状更新講習事後評価結果及び第1グループの免許状更新講習修了確認状況等に関する調査につきまして、事務局からご説明お願いします。

【新田教員免許企画室長】 
 それでは、資料6と7でございます。資料6、7、それぞれ教員免許更新制の実施状況にかかわる資料ということでございますが、まず、資料6が平成22年度、昨年度の免許状更新講習の事後評価結果の(確定値)でございます。以前、昨年12月までに提出していただいておりましたものの中間データということでご披露させていただきましたが、3月末までの全体の更新講習につきましての確定値でございます。免許状更新講習は、講習修了後、受講者からの事後評価を行って、その集計をするということが義務づけられておりますが、それを集計したものでございます。何度も出ている資料かと思いますが、それぞれ必修領域、それから、選択領域に分けまして、その講習の内容、方法についての評価、あるいはその受けた後の成果に関する評価、あるいは講習の運営面についての評価ということで、1、2、3と。一番上がその合計値ということで集計をしておりますが、いずれの数値につきましても、必修領域でいきますと、3項目の合計値が「よい」または「だいたいよい」と評価した教員の割合が92.0%、選択領域では94.4%ということで、2枚目に昨年度の同じデータもつけておりますが、昨年度よりも1ポイントほど「よい」「だいたいよい」の割合が増えていると。また、「よい」「だいたいよい」のうち、「よい」を選んだ教員についても、1ポイントほどやはり動いているというような結果になっております。1番目下がその必修・選択の開設者数、それから、講習数、それから、延べ受講者数の総計ということでございます。
 以上が資料6でございます。
 それから、資料7でございます。免許状更新講習の修了確認状況等に関する調査ということでございまして、ご案内のとおり、教員免許更新制につきましては、法施行後3年が経過したところでございます。そして、この3月には現職教員90万人のうちの最初のグループ、第1グループ、真ん中の調査結果1ポツにございます対象者9万4,488名が2年間の更新受講期間を経て修了確認を修了する、修了しなければ免許状が失効するというプロセスをちょうど経たところでございます。それがどれくらい行われたというデータでございます。2ポツのところをごらんいただきますと、先ほどの9万4,488名のうち、修了確認等がなされた者が9万3,898名で全体の99.38%。これは講習を修了してその確認を受ける。あるいは受講の免除を受けた者、または育休等でさらに延期をしている者ということでございます。このうちの免除の確認につきましては、今回は法施行前の予備講習を受講した者につきましても、手続上受講免除の手続になりますので、今回に限り若干数が増えてございますが、約2万人ぐらいが、おそらく次回からのデータからはここが少なくなるであろうと思われます。
 その一方で、2つ目の丸ですが、修了確認等がなされなかった者が次ですが、そのうちの修了確認期限経過以前に辞職、あるいは退職、任期満了を迎えますと、免許状が手続上は失効しないことになりますので、492名と、0.52%。ただ、手続上は失効はいたしませんが、3月31日終了後は、更新講習修了確認を受けてからでないと教壇に立てないということで、失効の場合と効果は変わらないということでございます。他方で、そうならずに免許状が失効した者というのが98名で0.1%ということでございます。
 このようなことになりましたのは、これだけの方々が円滑に修了確認等がなされたということにつきましては、大学、あるいは教育委員会等任命権者の方々の周知等が適切に行われた結果であろうと考えております。
 以上が教員免許更新制の実施状況に関する、現状に関するデータということで資料6、7をご紹介させていただきました。以上でございます。

【安彦部会長】  
 ありがとうございます。ただいまのご説明、ご意見、ご質問等ございませんでしょうか。比較する数値がまだないものですから、これをどう解釈するかというのはなかなか難しいところもありますけれども、特にお気づきになるような大事なことということはございませんでしょうか。よろしゅうございますか。また、何かお気づきになった場合には事務方にお知らせいただければと思いますが、ひとまず、じゃあ、この資料6と7につきまして、これはご了承いただくということでよろしゅうございますか。

 (「異議なし」の声あり)

【安彦部会長】 
 ありがとうございます。それでは、6と7につきまして終了させていただきまして、続きまして、学位プログラムと教職課程との相当関係につきまして、これは資料8でございますが、議題とさせていただきます。
 まず、ご説明をお願いいたします。

【新田教員免許企画室長】  
 それでは、資料8をごらんいただければと思います。資料8、横長の紙でございますが、学位プログラムと教職課程との相当関係についてという資料でございます。
 まず、1枚めくって、2枚目からごらんいただければと思います。「学科等の目的・性格と免許状との相当関係について」と記してございますが、これは、先ほど諮問させていただいた教職課程の課程認定に関し、過去数年来毎年課題になってきていることにつきまして、これまでご議論いただき既におまとめいただいているものでございます。学科等の目的・性格と、それから、免許状の特に教科との関係性をどう考えるのかということでございます。1ポツの現状の1つ目の丸のところでございます、近年、経営学系の学科、それから、心理学系学科におけます保健体育の課程認定と書いてありますが、そういったところなどある学科についてどの教科の課程認定を受けさすことが適切であるのか、相当関係があるのかということについてが審査の過程で課題になったことがここ数年来ずっとございました。
 そこにおきまして、2ポツのところの2つ目の丸のところにありますけれども、特に学科等を単位として課程認定を行う趣旨ということで、当該学科等における、学士課程ですと4年間、短期大学ですと2年間の教育を通しまして修得された、いわゆる専門的知識を前提としつつ、認定を受ける免許教科についての教科に関する科目を一定数修得させるということによって、例えば国語なら国語、数学なら数学という教科を担当する教員としての教科専門性を確保しようというのが現在の課程認定の趣旨であると整理しています。
 3つ目の丸でございますが、このため、この点で学科等の目的・性格と免許状のその教科の相当関係が通常の場合と比して薄い場合には、その教科の十分な専門性を確保することが一般的に困難と言わざるを得ないということでまとめていただいております。例えば(注)のマル1のところにございますとおりに、その学科等の目的・性格と免許状との相当関係が通常の場合と比して薄い場合には、その認定を受けようとする免許教科に関する専門科目の開設数というのが、全体として通常の場合と比して少ないものとなると。その結果として、教科の専門性に係る指導力が低くなってしまうということです。なお、この資料の前提でございますが、特にこのような場合は、私立を含めた小学校課程などの目的課程についての議論ではなくて、一般学部の場合を指して主に今、議論させていただいておりますので、その点を念頭に置いていただけたらと思います。
 このような相当関係のあり方ということにつきまして、2枚めくっていただきまして、「学科等の目的・性格と免許状との相当関係に関する審査基準」ということで、本年1月に課程認定委員会のほうで課程認定委員会決定ということでおまとめいただきまして、前回の教員養成部会でもご報告させていただきましたけれども、その相当性ということに対しての審査をどのように行うのかということにつきましては、1ポツのところにございますマルの1、学位の分野等、学科等の教育研究分野と、認定を受けようとする免許状、要はその教科との間に十分な相当関係が見られるかどうかと。また、2ポツ以降で、特にその教科に関する科目に限らず、認定を受けようとする免許状のその科目に関連する科目が、その学科全体に相当程度含まれているのかと。マルの3でございますが、また、それを履修する学生の側から見ても、それらの科目、その関連する科目というのを相当程度履修することになっているのか。つまり、認定を受けた教科に関する科目だけではなくて、その外側に広がっているその関連科目というものまで相当程度ちゃんと履修するというようになっているのかと。また、それらの科目とその認定を受けようとする免許状に関連する科目とその他の科目というものの内容の間に密接な関連性が見られるかどうかと。同じ学科内における科目として密接な関係が見られるかどうかと。こういう観点から相当関係に関する審査を行いますよという基準として定めているということでございます。
 ここのところまでは、既にここまでこの場でも既にご議論いただいたところでございます。
 で、1枚目に戻っていただきまして、それをわかりやすくというのか、概念を図にまとめたものが1枚物でございますというのが本日のご紹介の趣旨でございます。全体として、学部・学科の卒業科目と教職科目がどのような位置関係にあるのかということを図示したものでございます。緑の枠に縁どられたところが、ある大学学部の卒業要件、学科の専門科目として開設される科目があるわけでございますが、そのうち、また、この水色の部分でございますが、水色の枠で囲われた部分が、いわゆる教職課程として認定される課程。このうちの緑の枠との重複している部分が、いわば教科に関する科目でございまして、その外れたところが教職に関する科目、これは、学部・学科の専門科目の外側に通常置かれる場合がある。ですので、一般学部を前提とした図ということでございます。
 そうしますと、この緑の枠の中でありながら、水色の枠の中にある教科に関する科目というのは、学部・学科のほうから見ると、その学位プログラムの科目の中の一部を、それを構成している科目の一部のところが、いわば教科に関する科目でございまして、その部分の認定を受けるということはどういうことなのかといったときに、その割合がどの程度なのかは別としても、学位プログラムの一環としての開設される科目の一部を教科に着目をして、課程認定という形でチェックをするよという制度になっていると。それに対して、外側に教職課程(教職に関する科目)があるということでございます。このことは、従来、平成10年の免許法改正によりまして、この部分が、中学校でいきますと、40単位から、教科又は教職に関するものまでを教科に寄せますと28単位に、高等学校につきましては、36単位にということで削減をされたわけですが、そのことが近来、その教科に関する専門的知識がこのことによって低下したのではないかと言われる趣旨は、その平成10年改正当時の考え方からいきますと、教科に関する科目として指定される科目数が制度上減った場合であっても、その外側にはその教科に関連する学位プログラムの科目が広がっているのであって、そのうちのチェックするシェアが、教職課程としてチェックするシェアが、割合を少なくするだけであって、その専門科目の履修自体を少なくするのではないのだという考え方に基づいて、言わば削減が行われたわけですが、ただ、実際にはそのことが、例えば国語なら国語、数学なら数学という、免許を取得する場合の専門科目として履修すべき教科に関する専門科目が少なくてもいいんだと、大学のほうからいたしますと、それを、そこさえ置いておけば、いろいろな課程認定が得られるんだというようなメッセージが伝わっているのだとすれば、本来の趣旨ではないだろうと。そこが、実は学位プログラムの中にその当該教科に関する科目が異質な形で、いわば、パッチワークのように置きさえすればいいというのは、むしろ、学位プログラム上問題ではないのかというような、むしろ、問題点でございます。
 ですので、そのような誤解が広まるのであれば、その誤解を生まないように、むしろ、かつてのように教職課程(教科に関する科目)としてチェックする割合を再度戻すべきじゃないかと、増やすべきじゃないかという議論が起きてきてもおかしくないような状況にあると。ですので、教科に関する科目というのは、学部学科の専門科目の一環として置かれる以上、学位プログラムの中を構成する一領域として置かれるものであるわけだから、その学科の専門科目の中にうまく溶け込んでいる必要があり、そのようなうまく溶け込んでいないものについては、その学科の専門領域と免許種の相当関係が薄いのではないかと、異質なのではないかと見ざるを得ない。そのような観点から審査をしますよというふうに、審査基準上はなっているんですけれども、それをわかりやすく図にしたものとして、このような形でまとめさせていただいたということでございます。
 以上でございます。

【安彦部会長】 
 様子が十分にはおわかりにならない方もおられるかもしれませんけど、そこに、先ほどの資料8の2枚目にあるその現状のところの最初のように、経営学系の学科を経て、免許状に保健体育が取れていると。普通に考えますと、えって思うわけですね。例えばこういうケースが目立ってきたということであります。そういう意味で、改めてこの対応関係につきまして、学科等の目的・性格、あるいは学部も含めて、学部・学科等の目的・性格と免許状との相当関係ということにつきまして、これは、大変重要な問題だと思いますので、ぜひご意見、ご質問等を出していただければと思いますが、いかがでございましょうか。
 ただいまの趣旨説明云々からしますと、基本的には、少し厳しく相当関係を密にする方向で審査したいということでございます。常識的に見て、確かに単位は取れているかもしれないけども、経営学修士でもって保健体育の免許状が取れているというのはどうなんだろうかという、当然の疑問が出てくる。それに対してもう少し常識的な線と言ったら変ですけれども、きちっと厳しく対応したいということですけれども、いかがでしょう。一般大学のほうが、私学も含めて問題が多いかと思います。どうぞ。

【横須賀委員】 
 意見というより実情なんですけど、この学位プログラムとその教職課程との相当関係というのが問題になってきたのは、ここ五、六年、もうちょっとさきかもしれないぐらいの間だけど、背景には、やはり一つには学生募集の観点から、その持っている学部の中に学生募集に非常に有利なコースとか、学科とかを設けるという、こういう無理があるというのが一つの傾向で、さっきここに例で出ている経営学科、経営学部とか、そういうところの中に保健体育の免許状を置きたいというのは、やはり学生募集の観点からですね。
 それから、もう一つは、学部名称でもそうだし、それから、学科名称で特にそうなんですけど、これまでの、つまり、アカデミックな項目から見ては理解できないような学部、学科というのがどんどんできてきて、片仮名で書かれているのは、相当数そうなっている。従来、それで教職課程のほうの免許というのは、学校における教科において行われているわけですよ、国語であるとか、数学であるとか。これはほぼ、単純には言えないけど、アカデミックな項目にのっとってできているわけで、ところが、この設置される学部とか、学科というのはどんどんアカデミックな項目から解体されていっている。「これ、何、やるの?」と思うようなものがたくさん出てくる。このずれが出てくるこの相当関係上の問題というのが、このごろ相当増えてきているという背景があるんですね。
 課程認定の作業というのうは、さっきも出ているように、設置が認可されたもの、あるいはされることがほぼ確定、この今で言えば、来年度から設置されるんだけれども、設置の審査は済んでいるというものについて行うわけで、だから、設置審査というふうなものと課程認定との間にずれが生じているというのか──ずれというのか、性格の違いがあるというのか、課程認定しているとすごく感じる。わかりやすく露骨に言うと、「えっ、こんなの、設置認可されるの?」というふうなのがあるということですね。だから、それがいいか悪いかということは単純に言えないけど、教職課程のほうは、従来から変わらない国語であるとか、数学であるとか、理科、公民だとかいうことになる。こっちの設置されるほうは、ちょっと言葉悪いけど、何だかわかんないようなものがどんどん出てきているというところの間にずれが生じてきている。2種類あるなと思っています。

【安彦部会長】  
 はい。かなり難しい問題……。はい。では、どうぞ、佐藤委員。

【佐藤委員】  
 佐藤でございます。先ほどの新田室長のご説明、よくよくわかりますし、こうやって改めて整理して、何がしかのより真摯な審査が必要だという、全く同感でございます。また、横須賀委員がおっしゃられた、その背景についても全く同感でございます。
 ちょっと先生が今、設置審というワードが出てまいりましたので、そのことと絡めて少し意見と申しましょうか、情報、情勢についてお話し申し上げたいと思います。
 今、横須賀先生、ご指摘のとおり、非常に多様な学部・学科がどんどん増殖しているということで、これは、例えば中教審の大学分科会なども非常に今、問題視しておるところです。学士という種類の学位だけでも、その後につく括弧の中に入れるその学位の名称550幾つ、ほんとうに収拾がつかないような状況になっておりまして、現在進行しております24年度の開学の幾つかの案件につきましても、ほんとうにこんな学位の名称を認可して、国内はもとより、国際通用性の観点から、これは世界に恥になるんじゃなかろうかと、率直な意見が出るくらい、それは収拾のつかないような状況になっております。
 ただ、今、全体のこの規制緩和の流れの中で、改めてそれを、例えば名称の例示とかというように後戻りすることは、今の状況からして全く無理な状態であります。
 それから、その名称も含めて中身、ほんとうに名称と中身との整合性であるとか、中身もほんとうに学の体系をなすものかどうかということについて、非常に疑義を感ずることがたくさんございます。ただ、設置審の一人として、そういう案件であっても、歯ぎしりしながら一定の要件がある以上は認可せざるを得ないということで、ほんとうにストレスがたまっているような状況でございます。今、ここでそんな愚痴をこぼしても仕方のないことなんですけれども、ここでそういう認可行政の状況を踏まえて、それとこの教職認定とは全く別な観点から、そういう背景を重々考慮しながら、改めてその巻き直しすることについては、私、大賛成だと思っております。
 ただ、1つつけ加えさせていただければ、せっかくこの学位プログラムと教職課程との相当関係というところまで整理が進んでいるわけですから、学位プログラムの中で、専ら教科に関する科目と専門教育の科目の整合性を念頭に置いてこういうふうに整理が進んでいるんだと思うんですけれども、学位プログラムは、今さら申すまでもなく、教養教育という非常に大学ならではの、しかも、学士課程ならではの重要な要素があります。最近の大学改革の議論の中心をなすのは、まさにこの教養をいかに再構築していくかという、教養教育をいかに再構築していくかということだと思います。そんなことで、せっかくここまで学位プログラムと教職課程との相当関係ということに歩みを進めていくならば、ぜひその教職課程にとって教養教育はどういう意味を持つのか。理念的には明らかなことですけど、それを審査の中に何とかして組み込むことができないだろうかということもあわせて検討していただければ大変ありがたいと、そんなふうに思う次第です。ちょっと長くなりまして、失礼しました。

【安彦部会長】  
 というようなことで関連して、これは、いろいろな分野について先生方、ご意見があるのではないかと思いますが、いかがですか。田村委員、どうぞ。

【田村委員】  
 今の両委員のご意見、しっかりとお伺いしながら考えなきゃいけないとは思うんですけれども、実は、大学を出て小学校の先生になった人たちを集めて会合を持ったという機会がありました。前の副大臣が主催しておやりになったんですが。その席で何人かの小学校教師の経験者がいろいろな発言をされたんですが、要は、教職で学んできたことが現場でほとんど役に立たなかったと。だから、むしろ、例えば給食の配り方とかね、そういうほうを習っていたほうがよかったという、それ、実感だという話が出たんです。返事はだれもできなかったんですけどね。ですから、その辺をどういうふうに考えるかという議論をしないと、ただ、抽象的に学問の性格、歴史、あるいはその成り立ちをもとにした大学で伝えていく教育の仕組みをそのままストレートに教員になる人に伝えようとしても、ほとんど意味があるという形で受けとめられていないという実態があるんですね。
 だから、大学教育の中身もやっぱり、ただ、学問の系統性に疑問があるという言い方だけではなくて、もともと今の高等教育の改革というのは、ステークホルダーズの意見を受けとめるということから始まっているわけですから、社会との交流をもっと積極的に、ここで言えば、現場の教員の先生方の意見を一層深めていくという。大学の中身はなかなか、学部自身の問題がありますからできないんですけれども、なかなか変わらないままに進んでいくと、こういう現場との意見のすれ違いが出てきてしまう。大学は、自分たちは教養教育をし、高度な学問体系の中である部分を伝えることをやっているんだと。それは変えることはないんだというようなことだけでは、結局解決しない問題がもうどんどん今、出てきているだろうという気がするんですね。
 だから、建前ではなくて、その本音のところで詰めた議論をしないといけないんじゃないかという気がしてならないんです。ですから、ちょうど免許も更新制になっているわけですから、そんなに一発で一生を通じる免許証をもらえるわけじゃないんですから、常にそういう時代に応じた伝えるべき内容を踏まえた非常に柔軟な仕組みになるだけして、そして、教員の生涯学習を助けながら、あんまり入り口のところでは厳格にやる必要はないんじゃないかなと僕は個人的に思っているんですよね。ただ、教職にいる間にずうっと学んでいってもらって、質のいいものに、質のいい教育ができるような教員に育てていくという、そちらのほうをむしろ議論する必要があるという気がしているんです。
 もともと日本は、ここから個人的な意見になるんですけど、入り口がすごく厳しいんですね。一回取っちゃうと、その後はもうほとんど見ない。大学入試とよく似ているんですね、かつてもですよ。だから、それをちょっとここでもう一回考え直す議論をしたほうが生産的じゃないかなという気がしてしようがないんですけれども、ちょっと余計なことを申し上げたような気もしますけど。

【安彦部会長】 
 ありがとうございます。では、油布委員。

【油布委員】  
 すいません。今の田村委員の意見を受けてちょっと発言したいと思います。教員養成現場の先生に聞くと、大学の教育が一体どれだけ現場で役に立ったかという話は確かによく出てくるんですね。けれども、その意見を集めていくと、一体大学における教員養成とは何かという根本的な問いに返ってくるような気がします。例えば先ほど出された給食の配り方というような例を取り上げると、そうした教育を行うのは専門学校なのか、大学なのかと、そういうふうな疑問がわきます。
 要するに、教師の専門的な技術ということが何なのかということですね。で、大学における教員養成とは何かという問題と専門学校的な技術ということとの違いの確認をもう一度やるべきかなと思います。これが一点目です。
 それから、第二点目です。先ほどの横須賀委員の説明は非常によくわかりまして、大学の大衆化といいますか、大学が多様化してきて、特に大学の中で社会のニーズにこたえようと学部改組がどんどん進んでいるという、そういう状況があると思います。学部改組も多くなり、その結果、小中高の教科の勉強体系直接に接続しない学部が表れてきています。それは高校や生徒のほうから見れば、一体どの学部に行けばいいのかわからないというような問題ももたらしている状況になっていると思います。
 また、教員免許との関係でいけば、果たしてこういう学部にこのような教科の免許を出していいのかというような問題が出てくるのも確かだと思うんですね。これは大きな問題なんですが、課程認定のあり方ということからすると、それを問題にすることは逆に問題を作り出してしまうことでもあるのではないでしょうか。困った状況がいろいろ出てくるために、少なくとも課程認定で望ましいものを維持できるような形でやっていこうというふうにする、その気持ちはわかるんですけれども、それはもしかすると、パターナリズムというか、越権ということにもなるんじゃないかと思います。課程認定ということで言えば、法令に合致しているか、それがきちんと守られているかどうかということがもともとだったわけですよね。法令に合致しているからいいというだけではなく、教員養成の在り方からすると大きな問題があるんじゃないかという姿勢で、課程認定を行っていくということについては、もう少し慎重であって議論を尽くした方がいいのではないかと思います。先ほどは何となく、天笠委員のご意見と横須賀委員のご意見でみんな、うんうんとうなずいてしまったようなところはあると思うんですけれども。教員養成の在り方の望ましさということを基準に指導していくということになると、そこには危惧されることも出てくるのではないでしょうか。
 教員養成の現場にいる者として、私自身も非常にいら立つことが多いですし、歯がゆい思いをすることも多いですが、そのことと、こういう望ましさの基準が個別で明確にされていないまま課程認定の判断にされていくということは、違った問題ではないかと思います。 

【安彦部会長】  
 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょう。はい、どうぞ。

【大江委員】  
 ありがとうございます。現場を預かる者として一言言わせてください。
 若手教員を預かる立場として、我々の若いころに比べれば、とっても優秀なんですね。パソコンは使いこなすし、英語はしゃべるし、プレゼンはうまいし。確かに優秀だなという感想を持っています。ただ、教員に必要な打たれ上手さ、打たれ強さという、この部分が非常に不安感を持っています。巧みに表現するんですが、何か計算外のことが起こると。少しリズムが狂うと仕事が続かなくなってしまう。情熱までだんだん消えてしまうという現状があるわけです。
 先ほどこの学位プログラムと教職課程の相当関係の話が出ましたけれども、この問題というのは、教員養成課程だけではなくて、大学全体、どの学部へ行っても、学部の名前を見て、不可思議な名前が非常に横行してしまっているんじゃないかと思うんです。進路指導する場合も、「この学部、なーに?」という場合に、名称を見ても、中身を見てもなかなか説明が難しいという現状がございます。教員養成という観点から考えますと、やはり知識とか、技術とか、指導内容とか、指導方法を構造化する、いわゆるスキルの部分のアプローチと、もう一つは、教師としてのプライドや情熱を支える教育理念というんですかね、哲学というんですかね。双方向のアプローチをバランスよく育成していかないと、壁にぶつかった際に自分は教師だという、プライドでその壁を通過する力がない、そんな状況もあると思うんで、その辺の整理をもう少ししながら、教職課程でどのようなカリキュラムを組むのか、どのように教員養成するのか。学校がどのように若手教員を育成するのかという部分を、既に何度も検討はしてきていると思いますが、再度のこの機会にその辺も含めて検討したほうがいいんじゃないか、そのように感想を持ちました。
 以上でございます。

【安彦部会長】  
 ありがとうございます。話は学位プログラムそのものというか、学士課程の、大学の話にちょっとなってしまいますが、はい、どうぞ。

【高岡委員】 
 ありがとうございます。この表を──表というか、図を見せていただいて、今まで何となく相当関係というようなことを箇条書き的に文章で解釈していた、理解していたところを一枚の絵できちんと表現してもらったと。そういう意味では、事務局がこういう絵をかいていただいたことは、これまでのここでの、この図を対象にした議論がかなり深まってきているということも現象として含めて、一段理解が共有化できてきたんじゃないかと思うんです。
 今、委員の方々のお話を伺っていて、これ、相当関係についての解釈をどのように考えるかということで、18年の中教審答申も踏まえて、例えば今、ここでは議論になりませんでしたけれども、教職実践演習というものの置き場所とか、それが担うべき課題ということも明確にこの図面の中に実は落としてあると思うんですね。つまり、教科専門と教職の、教育活動としてのきちんとした融合、これを教職実践演習で4年生の後期にしっかりやるんだという、まさに科目開設の趣旨がこの表の中にしっかり入れてあると思います。その点で、やはり相当関係の問題で言えば、私も課程認定に加わらせていただいて、この2年間ほど一種隔靴掻痒の感のあったことを明確に方針が見えてくる、そういう意味で一歩前進したなというふうに思っています。
 それに加えて、この図はもっと実は大事なことを表現していて、それは何かというと、学科等の専門性と教職の免許種との専門の相当関係という説明、表題ですけれども、実はこの表は、その学科を超えてその大学や学部が責任を持って免許を出すということはこういうことなんですという説明の図にもなっていると思うんですね。つまり、課程認定上の相当関係を示した図というだけではなくて、大学には学士課程という大学本体の教育プログラムがあると。と同時に、その大学が出すべき免許がこれまでは教職科目を付与すること、そこの単位を修得させることで免許になるというふうなに理解してきた向きが多いと思うんですけれども、そうではないですよ。大学教育の一部をきちんと体系的にはらみながら、つまり、教科専門ということですが、そこをはらみながら、同時に、教職に関する科目も大学が開設しているんですよということを明示しているんだと思うんです。
 したがって、学士課程を卒業して、所定の単位と若干の教職の単位を取れば免許になるということが、この図をきちんと解釈すれば違うということが見えてくると思うんです。それは、実は昭和62年か、63年のその免許法改正で、そのときに一挙に増えた教職科目の量ということがあります。量は増えて、教員の免許というのは、かつて原理、心理4単位ずつぐらい、実習2単位ぐらいで済んでいたものが全くそうじゃなくなったという、あのドラスティックな改革が、実は単位は増えたけども、やることは一緒だろうというふうに受ける側が、つまり、免許を出す大学の側が解釈してしまったところを違うと、大学教育の中でこれをきちんと位置づけるんだということを明示しているんだと思うんです。
 先ほど佐藤委員がおっしゃったこと、まさに私、そのとおりだと思いました。教養教育のあり方、それと学士課程の教育のあり方、その関係が一方で問われていると同時に、教員免許を取らせるということについて、その中で教養教育どうするかという問題が当然あると。設置審の立場で言えば、まさにそういうことだろうと思います。
 しかし、現実に今、起こっていることは、教養の単位をかすめ取ってきて、あたかも専門科目であるかのような、例えば体育実技という、教養の中にあるスポーツ実習を体育実技という形で専門科目だと読みかえて体育の免許が出せると。そういうことを考えてくる大学もあるという意味で、まさに教養教育も、言葉悪いですし、申しわけありません。議事録からは撤去していただいても構わないんですけれども、ほんとうにつまみ食いをしていると。しかも、それがある意味で、知恵であるかのような課程づくりということを教職課程についてつくっている。それは教員の免許を出すということ、本来的な意味で大学教育が責任持ってやるということとは随分やはりメンタリティにおいて違うと思うんですね。その意味で、この図面は、単にこの養成部会の中で課程認定の相当関係を整理するときに必要な図としてじゃなくて、設置を求めてくる大学にはこの図面を見せるべきじゃないかというふうに私は感じています。大変いい図をかいていただいたと思います。

【安彦部会長】  
 ありがとうございます。今の図を見せるか否かはまたちょっと別として。

【岸田委員】  
 同様のことになるかどうかわからないんですけど、この資料8の図の上側に2行目にある、「教職課程を履修する学生は学位プログラムの履修と同時に、教職課程プログラムを体系的に履修することが求められる」、この「同時に」というのが私はキーワードだと思うんですね。つまり、本来的に言うと、左側の学位プログラムと、そして、右側にある教職課程プログラム、二つの議論が並行して行われないと、本来はいけないわけですよね。ところが、先ほどから聞いていると、いわゆる多様な学科、多様な学位プログラムというものが、現実的にもう行き着くところまでいってしまっているという状況なので、そういう中で、本来的から言うと同時並行なんですが、しかし、現実的な問題が今、起こっている中で、先行的に教職課程プログラムについては考えていかざるを得ない状況にあるんじゃないかというふうに、今、お聞きして考えた次第です。
 つまり、本来的に言うと、この「同時に」というところに、根本的な問題が実ははらんでいるので、本来はそこから議論をしないといけないんだけれども、そちらの学位プログラムのほうが多様化というところで現実的に進んでいってしまっている状態にあっては、この教職課程プログラムは若干切り離した中で、当面の現実的な対応ということで考えていかざるを得ないんじゃないかということです。

【安彦部会長】  
 はい。ありがとうございます。ほかには、はい、どうぞ。

【青山委員】  
 全高長の青山です。ありがとうございます。
 先ほど中学校から学校の状況についてお話がありましたので、高等学校の立場から若干お話をさせていただきたいと思うんですけれども、やはりここ数年の教職実習の様子を見ていて随分変わったなというふうに、現場預かる管理職として申し上げたいのは、教育実習でやってきた学生を担当している教授、あるいは准教授の方が必ずその実習生の研究授業のときにおいでになる。おいでになって、そして、その後の研究協議にもきちんと入ってコメントをされてお帰りになるということです。これは、数年前はそういう風景というのはありませんでした。ですから、これについてはやっぱり教職、大学で教職課程を担当していただいている部署で徹底されているのではないかな、徹底されている結果であろうと私は考えています。
 先ほど佐藤先生が教養教育の重要性ということをおっしゃいましたけれども、実は、今、申告面接というのを学校はやっている時期でありまして、きょうも地理の教員と、面接をしてきたんですけれども、彼は40代の今、後半なんですが、地理というその科目、非常に専門性が高い科目でありますけれども、50代の地理の教員というのは今、プロポーションとして一番多い年代です。ところが、50代ですから、これから退職をしていくわけでありまして、40代が今、一番薄い状況。つまり、自分が所属している40代が一番薄いんだと。で、その後の30代もまだ薄くて、ようやく今の20代で採用が少しずつ増えつつある。しかし、50代が大量にいなくなった後、それを補うギャップ期間をどうするんだろうかというふうに彼も心配しているところがございます。
 先ほど冒頭の資料を拝見して、理科で新しく課程申請をする学校の数が、中学でも、高等学校でも特段に増えているというお話だったんですけど、やっぱりこれは今、理科、数学科について高等学校では前倒しで教育課程を充実するということもありまして、そういうニーズも考えながら、緊急に大学としても対応されているのではないか。あるいは社会的に要請されていますから、それに対応しようとする大学側のお考えでもあるだろうと思いますので、これはやはり社会的な流れを反映しているものではないだろうかと、その資料を解釈いたしました。
 それから、実地視察の資料を見まして、昨年と今年もそうなんですけれども、教育実習をしたときに、「あなた、教員になるんですか」というふうに聞きますと、ほとんどの学生は、「いえ、まず、免許を取ることが目的です」というふうに言って帰るんですけど、やっぱりそれの結果がここに出ているんだろうと思っています。ただ、ここで一番危惧されますことは、まず、免許を取って、例えば民間に就職をして、数年仕事をした上で、いや、やはり教職に戻りたいというふうに戻ってこようと思ったときに、この免許更新制とのかかわりで、実は、その免許がもう失効していますよとなりかねません。講習を受けて更新をしなければ教壇には立てないという、そのはざまに入らざるを得ない場合が出てくるわけですね。そうしますと、1年なり、翌年に受講という形で待たなければいけないということが出てくるんですけれども、我々が心配しているのは、そこが免許更新制PRの隘路になっていまして、そこがよく浸透してない部分ではないだろうか。これは我々、管理職の中でも考えているところです。
 この免許更新制についての第1グループについては、教育委員会も異常なほどに神経を使って、で、今年の1月31日期限ですよということを繰り返し言って、私たちも、学校の中で、教育委員会から送られてくる資料に基づいてフォローしてきたわけです。グループ1が終わりましたので、もうグループ2、グループ3の該当者は更新の流れが大体わかっていますし、私たちとしても、その確認についてはルーティンでやっていますから、ある程度これは安定してきているというか、流れの中に乗っているのでわかるんですけれども、今、申し上げた、いつ更新の時期になるんだろうかということを意識してない人、わかってない人に対するPRを今後どういうふうに継続的に続けていくのか、浸透させていくのかというのは、これは十分に考えていかなければいけないところだと思っています。
 最後に申し上げたいのは、先ほど佐藤先生がおっしゃった教養教育という点からいくならば、高等学校についても、教養教育を深めていかなければならないと思います。基礎的な教養教育の部分を、深めていって、例えば先ほど申し上げた理科でいうならば、物理、化学、生物、地学という、4科目の教員がきちんとバランスよく配置されてなければならないだろうと思いますし、社会科でいうならば、日本史も世界史も政経もという、すべての科目の教員が配置されていなければならないだろうと思います。ですから、各学校ですべての科目の教員が配置されていて、その教員から専門的な話を聞いて指導を受けることができて、初めて生徒が、例えば地学というものは、あっ、こういうところがおもしろいなということがわかって、それで、自分は将来地学の教員になろうかという気持ちになり、そうなったときに、じゃあ、どこの大学に行こうかということを進路指導の中で専門の地学の先生と話をしながら、その先を絞っていくということになります。しかし、今は高等学校の中にもその窓口が欠けているというところがあります。バランスがとれていないということがあるので、これはやっぱり採用の部分ともかかわってくるんですけれども、教育課程を編成していく上で、その科目が存在するのであれば、それを指導する専門教員がきちんと配置されるという環境を私たちはつくっていかなければ、その先の大学に送り出す我々の責任というものを果たせないと思います。
 大学の先生方が悩んでいらっしゃることというのは、よくよく見てみると、高等学校の我々が悩んでいることとつながっているなということを、最近痛感するようになってまいりました。ですので、今後、全高長でも部会でお話しいただいたことをもとにして、高等学校としてどういうふうに大学とお話をしていこうかということに努力していきたいと思っております。ぜひ、大学、高等教育が悩んでいらっしゃることは、高校も同じだということであり、いろいろとまた高等学校に対してご教授いただきたいというお願いをこの場でもさせていただきたいと思います。
 以上でございます。

【安彦部会長】  
 ありがとうございます。大変いい話になってきたところでございます。

【佐々木委員】  
 ちょっと別件で。この資料の関係なんですけれども、もともと教職の課程認定というのは、教職に関する科目があって、あとは、教科に関する科目をどういう形でそろえるのかという形でそもそも出発しているわけですよね。したがって、学科の中に教科に関する科目というものとしてふさわしい科目が用意されていれば、それはそれとして課程認定しますよという話なんですね。したがって、そこでその教科に関する科目が開設されているその学科において、どういうカリキュラムが編成されているのかということは、課程認定として判断すべき事柄では本来ない。その意味においては、この図の中で学位プログラムの科目がほぼ教科に関する科目とイコール、等しい形になっているというのは、これは、課程認定としてそういうものが望ましいということは言えても、学科に対してそれを規制するということはできないと私は思っていましてね。したがって、この中の審査基準の中で、マル4で、「学科等の教育課程において、認定を受けようとする免許状に関連する科目とその他の科目の内容の間に密接な関連が見られるか。」これはやや言い過ぎなのではないかという感じが率直に言っていたします。これは、課程認定ののりを越えた範囲の問題ではないかというふうに考えられる。学科としてそのあり方、そこを問題にするということであって、課程認定の側から論ずべきことではないと思います。
 これが1点ですね。
 それと、もう一つ、大学における教員養成というのはなぜスタートしたかと言えば、それは、理論と実際とを統合して大学においてきちんと教育をするということでありますので、したがって、理論的な側面ばかりではなくて、教育技術、これについてもやはり大学がきちんと取り組むべきなのであって、その理論と実際との統合ということがない限り、養成課程というのはよくならないというふうに基本的には思っています。
 それと、もう一つ、これとは別件で、ちょっと先ほどの免許更新のことで伺えばよかったんですけれども、免許状が失効した、あるいは辞職によって、結果としては失効しなかったという、その両者をあわせると590人、600人近くが免許状がないというか、教壇に立てない状態になるんですね。これは決して少ない数字ではないわけで、免許状が失効した。それによって現実の教育に影響がなかったのかどうか。そこの部分はどういうふうに把握されているのか、伺えればと思います。

【安彦部会長】  
 今、ご質問が出ましたが、この点は。

【新田教員免許企画室長】  
 今の、資料7でございますけれども、今のご指摘の部分は、修了確認等がなされなかった者というのが、失効者は98なんですけれども、失効しなかった者というのでも、辞職している人が492名いるので、ここを合わせてよく考えるべきじゃないかというお話かと思うんですが、今回、その対象となります現職教員については、正規教員のみならず、非常勤職員、あるいは任期つき教員も含めておりますので、この492人のうち、正規でさらにこれを機会にやめようという方のほか、たまたま非常勤で今年度いっぱいでもうやめようかなと思っておられた方でありますとか、あるいは任期がここで、昨年度いっぱいだったので、そこが実は切れ目になるんですという方もおられまして、その方々が実は更新制を機に昨年度いっぱいでやめたのか。あるいはそうじゃないのかというのは、ちょっと調査の中では出てきませんので、そこを含めた数字であるということでございます。

【佐々木委員】  
 何というんですかね、そういう少し内訳みたいな、現実の状況がわかるような形の整理、資料の提出をしていただければと思います。

【安彦部会長】  
 いかがですか、それは。

【新田教員免許企画室長】  
 ええ。実は、そこは今回更新講習修了確認の手続におきましては、何で出さなかったんですかという、申請があった件数でカウントしていますので、何でおやめになるんですかというようなことがチェックできるわけではありませんので、そこの調査はちょっと。

【佐々木委員】  
 何で更新をしないのかどうかという問題ではなくて、その属性ですよね。つまり、更新がなされなかった属性が、例えば極端なことを言えば、学級担任をしていたとか、あるいは教員から離れてセンターで実務的なものに従事していたとか、いろんな方がいらっしゃるでしょう。常勤、非常勤含めてね。ですから、その辺、何というんですかね、そういう属性によってどの程度免許状が失効することにより学校教育に影響が及ぶかということがわかるんだと思うんですね。その辺の資料が何かあればいいなという話です。

【安彦部会長】  
 どうですか。

【新田教員免許企画室長】  
 それは修了確認申請手続の中では、ちょっとそこが出てこない。免許管理者としての都道府県教育委員会のほうがそこはとりませんので、それはちょっと調査ができないということです。

【安彦部会長】  
 でも、今、大事な免許状の失効に関係することですから、教育委員会に依頼すれば、何らかのデータは出てくるでしょうかね。

【新田教員免許企画室長】  今回の調査は、免許状授与権者としての都道府県教育委員会に対して、その免許状の授与に係る更新手続の件数として調査をしておりますので、そうではなくて、公立に限ることになりましたときに、任命権者である都道府県教育委員会に対して、その任命している職員の異動についての調査をかけるかどうかという、全く別途の調査をするかどうかという問題になります。

【安彦部会長】  
 その辺の、では、調査とあわせて……。はい、どうぞ、何か。

【岸田委員】  
 教育委員会の立場から、現実的に現場に影響があったかということですけど、和歌山県のような小さい県ですけど、人数もその分少ないわけですが、何か学校教育に影響があるというようなことはなかったと思います。特に、一番上の年代が55歳ですかね、54、55で受けるんですけど、この方々ぐらいの年代になってくると、早期に退職を、もうこのぐらいの時期にしようかなという方々が一定数あるんですよね。この方々が免許の更新しないで、そのまま退職しましょうというようなことがあって、そういうケース、そういう思いの方が定数いらっしゃるんじゃないかというふうに思います。したがって、現実的にそう影響はなかったというふうに考えていいんじゃないか。和歌山県のような小さな県の例ですけれど。

【安彦部会長】  
 ありがとうございます。もしデータがとれるようでしたら、とっていただいた上で、また、何かのときにここに出していただければと思いますが。
 予定をちょっと過ぎております。40分までということでしたけども……。

【横須賀委員】  
 ちょっとよろしいですか。佐々木委員と油布委員から出ている意見というのは、私も大変よくわかるし、しかし、課程認定というものの根本をどう考えるかという問題と、やっぱり大学のものすごい変質、ここ10年以上の少子化の影響を受けての変質と合わせて、リアルにどうしていくかという問題があると思います。かつての大学の質が担保されているところで通じる議論と、やっぱりそれが相当程度崩れてきている現実の中で、国民に対して教員の質を担保していくことで責任を持っていくという問題との兼ね合いはかなり難しくなっているという気がします。ご指摘の問題はそのとおりであると思うし、もうちょっと議論をリアルにやっていく必要があるかなと思っています。

【安彦部会長】  
 ありがとうございました。まだおありかもしれませんけれども、時間もありますので、どうしてもという方がおられましたら、お受けしますが、ひとまず、ただいまいろいろ出されたご意見等、本部会の今後の議論、あるいは課程認定の運用の改善、課程認定委員会のほうの議論、あるいは場合によっては教員の資質能力向上特別部会のほうの議論においても、ぜひ生かしていただきたいと思っております。一応ここでひとまず、きょうのところの議事、議論は終わりたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、時間も過ぎておりますので、本日の審議はこれまでとさせていただきます。
 今後の日程につきまして、事務局からお願いいたします。

【新田教員免許企画室長】 
 次回の開催につきましては、また別途ご連絡を差し上げたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【安彦部会長】  
 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。ありがとうございました。

 

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