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教員養成部会(第60回) 議事録

1.日時

平成22年8月31日(火曜日) 10時半~12時半

2.場所

三田共用会議所講堂

3.議題

  1. 平成21年度実地視察報告書(案)について
  2. 教員の資質能力向上特別部会における審議状況について
  3. 教職課程の認定の在り方等について

4.出席者

委員

梶田部会長、安彦副部会長、青山委員、天笠委員、大坪委員、狩野委員、岸田委員、佐々木委員、佐藤委員、渋谷委員、新藤委員、高岡委員、田村委員、渡久山委員、永井委員、村松委員、八尾坂委員、山極委員、油布委員、横須賀委員、渡辺委員

文部科学省

金森文部科学審議官、山下教職員課長、新田教員免許企画室長、白鳥課長補佐、田中室長補佐、日向教育改革調整官、渡邉教員養成企画室長

5.議事録


【梶田部会長】 
 おはようございます。あと一、二分あるんですが、今日ご出席予定の委員の皆さん、おいでになったということでありますので、ただいまから、中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会を開催したいと思います。
 本日は、この非常に暑い中、また、もう秋控えて、皆さんまたお忙しくなられている中、ご出席いただきまして、本当にありがとうございます。
 では、まず最初に、この部会の委員として新たに審議に加わっていただく方がいらっしゃいますので、事務局からご紹介をお願いいたします。

【白鳥課長補佐】 
 それでは、新たな委員をご紹介いたします。
 まず、戸谷委員が退任されまして、東京都立竹台高等学校長、全国高等学校長協会長の青山彰臨時委員をお迎えいたしました。

【青山委員】 
 青山でございます。よろしくお願いいたします。

【白鳥課長補佐】 
 それから、岩瀬委員が退任されまして、東京都新宿区立西戸山中学校長、全日本中学校長会会長の新藤久典臨時委員をお迎えいたしました。

【新藤委員】 
 新藤でございます。よろしくお願いいたします。

【白鳥課長補佐】 
 それから、あとは、鷲山委員が退任されまして、東京学芸大学長、日本教育大学協会長の村松泰子臨時委員をお迎えいたしました。

【村松委員】 
 村松でございます。よろしくお願いいたします。

【白鳥課長補佐】 
 以上でございます。

【梶田部会長】 
 また、文部科学省の中で、ご承知のように異動がございまして、この部会の関係の方々も異動がございます。事務局からご紹介をお願いしたいと思います。

【白鳥課長補佐】 
 それでは、本日の出席予定者を中心にご紹介させていただきます。
 まず、金森文部科学審議官でございます。

【金森文部科学審議官】 
 どうぞよろしくお願いいたします。

【白鳥課長補佐】 
 続きまして、山中初等中等教育局長でございますが、別途公務が入りまして、この時間は失礼させていただいております。
 続きまして、日向教育改革調整官でございます。

【日向教育改革調整官】 
 日向でございます。よろしくお願いします。

【白鳥課長補佐】 
 新田教職員課教員免許企画室長でございます。

【新田教員免許企画室長】 
 新田でございます。よろしくお願いいたします。

【白鳥課長補佐】 
 それから、田中教職員課教員免許企画室室長補佐でございます。

【田中室長補佐】 
 田中でございます。よろしくお願いいたします。

【白鳥課長補佐】 
 最後に私、教職員課課長補佐の白鳥でございます。よろしくお願いいたします。以上でございます。

【梶田部会長】 
 ありがとうございました。
 それでは、事務局より、本日の配付資料の確認をお願いいたします。

【白鳥課長補佐】 
 議事次第に配付資料の一覧がございます。あわせてご覧いただければと思います。
 資料1としまして、委員の名簿。それから、資料2ですが、「実地視察について(案)」でございます。
 資料3から7が、中央教育審議会、教員の資質能力向上特別部会の関連の資料でございます。資料3がその諮問の審議の経過の資料、資料4が諮問本体でございます。それから、資料5が「特別部会の設置について」という資料。資料6が特別部会の委員の名簿。資料7が特別部会における主な意見でございます。
 資料8が、大学の実地視察等において見られる論点例という資料です。
 なお、参考資料といたしまして、「平成23年度概算要求について」という資料と、参考資料2として、「教育の情報化ビジョン(骨子)」を配付させていただいております。
 ご確認いただきまして、万一不足等がございましたら事務局までお知らせいただきますようお願いいたします。以上でございます。

【梶田部会長】 
 ありがとうございます。
 それでは、本日の議事に入りたいと思います。

【白鳥課長補佐】 
 失礼いたします。あわせてご連絡でございますが、本年1月25日に開催いたしました前回の議事録案がございます。まだ先生方による確認前のものでございますので、会議の配付資料とはいたしておりません。別途、委員の先生方の机の上に置かせていただいておりますので、議事録案につきましてご意見がございましたら、9月7日火曜日までに事務局までご連絡をお願いいたします。
 その後の取り扱いにつきましては、本日ご欠席の委員の方々にもご照会して、部会長に確定していただきます。確定した議事録は、次の会議の資料といたしますとともに、文部科学省ホームページに掲載いたします。以上でございます。

【梶田部会長】 
 ありがとうございました。皆さんのお手元に、58回の議事録と、それから前回59回の議事録の案がございます。案となっておりますものはまだ確定前ということですので、関係の方にお目通しいただきまして、何かあれば事務局にご連絡いただくようにお願いいたします。これは毎回ホームページのほうに載せております。
 それでは、議事に入りたいと思いますが、まず最初に、平成21年度の教職課程認定大学の実地視察につきましてご報告をお願いいたしますが、課程認定委員会の責任者であられます横須賀先生からお願いいたします。

【横須賀委員】 
 横須賀です。よろしくお願いします。
 資料2が「平成21年度教職課程認定大学実地視察について(案)」となっておりますが、ご覧のとおり、平成21年度には34の国公私立の大学に対して実地視察をいたしまして、教職課程の水準の維持・向上を目的に実施いたしました。資料2は日付ごとに並んでおります。各大学ごとの状況をまとめておりますので、かなり分厚い資料になっております。以下、報告いただいたもの、また資料等を参照しまして、実地視察において気づいた点について、私のほうからご説明するという形をとらせていただきます。
 この実地視察においては、4つを主な点として実施しておりますが、1つは教員養成に対する理念、設置の趣旨。それから、2点目が教育課程及び履修方法。3点目が教員組織。4点目が施設・設備。これらが、法令等に照らして最低限の水準を維持しているかどうかを確認しているというのが実地視察です。
 平成21年度の実地視察においては、全体として実地視察をしました多くの大学の教職課程が、法令や教職課程認定基準を満たしていたということです。しかしながら、法令や基準についての理解が浅く、これらに満たない教員配置がなされていた大学も見られました。また、大学として養成したい教員像が不明確な大学、それから教員養成の理念を実現するための教職指導体制及び教職課程が確立されていないという大学も見られました。それは実地視察の場で改善を求めたところです。
 個別具体的に見ていきますと、まず先ほど言いました第1点の教員養成に対する理念、設置の趣旨等の状況についてですが、大学及び学部・学科としての教員養成に対する理念を掲げている大学は多いものの、その理念を実現するために全学的・組織的な教職指導体制や教職科目の整備を行っている大学はむしろ少なかったと思います。そのため、教員養成に対する理念を実践できる運営体制の構築に努めるべきであるということを指摘したところです。
 2点目の教育課程、履修方法。この場合は、具体的にはシラバス及び教員組織の状況になりますが、教職科目については、法令に定められている、含めることが必要な事項、科目に対して、括弧して「こういうことが含めることが必要だ」と指摘しているわけですが、その事項を含むとともに、各科目の趣旨にかなう授業内容とすることを求めたところです。
 また、シラバスは、各回ごとの授業内容、半期ですと15回ということになりますが、各回の授業内容を明記するなど、学生にとってわかりやすく丁寧なものとすることを指導したところです。
 また、教職科目の趣旨を踏まえた体系的な履修モデルを確立するというところは、かなり少なかったので、体系的な履修モデルを確立することを求めたということです。
 3番目に、教育実習の取組み状況については、大学の担当教員が実習校の教員と連携・協力して、主体的に責任を持って指導に当たるということが教育実習の重要なポイントですが、必ずしもこれが十分行われていない大学があります。特に、大学による十分な指導や評価の客観性の確保の観点から問題がある母校実習については、なお中・高等学校課程の教員養成においては相当見られるところで、これについては極力避けるように指導しております。
 それから、次に、学校現場体験、学校ボランティア活動等の取組み状況についてですが、多くの大学において、学校における体験活動、それからボランティア活動を取り入れております。ただ、一部の学部のみの実施となっている大学も見られたために、大学全体で取り組むように改善を求めたところです。
 教職指導及び指導体制の状況については、学生が恒常的に履修相談できる体制を整備している大学もある一方では、全体のガイダンスにとどまっている大学もあり、不十分な大学には、学生に対する教職指導の充実、改善を求めたところです。また、学生に対して、教職課程の履修モデルを示すように指導しました。
 次に、教員養成カリキュラム委員会等の全学的組織の状況について。これは教員養成カリキュラム委員会、あるいは、名称はともかく全学的な組織として教員養成のカリキュラム、教育課程の充実に当たる全学的組織の整備を進めているところですが、これが整備されている大学がある一方、一部の学部・学科等の中での組織にとどまっている大学もかなりあります。後者の大学に対しては、全学的な組織の設置を指導したところです。
 施設・設備の状況については、教員養成に必要な施設・設備、教育機器等は、学生数の規模に応じておおむね整備されているわけですけれども、一部の大学に対して、図書館における各大学の教員養成の理念等を踏まえた集書計画の実施、それから教育の最新事情に関する図書の充実が必要だということを求めたところもあります。
 また、視察対象大学の全般について、教員養成に対する理念を明確に持つとともに、これまでの各種答申で提言されている内容を再度確認し、責任ある教職指導体制を構築するよう指導を行いました。その視察内容の個々については報告書にあるとおりです。
 全体の中の5点目になりますが、今回、特に問題のあった事例としては、創造学園大学。これは一番最後、資料2「実地視察について(案)」の一番最後にある大学です。
 創造学園大学において、教職科目の担当教員が頻繁に変更になっている状況が見られました。具体的には、平成20年度に課程認定審査を受けてから翌年度に課程が開始するまでの間、教職課程の専任教員が大幅に変更になっており、その後も頻繁に教員の変更が行われていました。教職課程の認定後の教員の変更については、事前に届け出を行えば可能なことですが、あまりに頻繁な教員の変更は安定的な教育活動に支障を来すと考えられるため、特に改善を求めたところです。
 また、就実大学。これは6月10日になりますが、就実大学では、課程認定基準上、1人の教員が複数の教職課程の専任教員を兼ねることが認められていない場合にも、そのような教員配置が幅広く行われており、その結果、専任教員数が不足する状況が見られましたが、実地視察時の指摘により、就実大学の場合には早急に改善されたということがあります。
 6点目、今後、実地視察を行った大学については、課程認定委員会に指摘内容に対する対応方策、大学で指摘に対してどのように対応したかということの報告をしてもらうとともに、教員養成全体の底上げを促す観点から、教職課程を有する全大学に本視察報告書を送付することにしております。また、教育委員会や学生、保護者などが当該大学の教職課程の特色や内容等を理解できるものとなるよう、文部科学省ホームページ等を通じて公表することになっております。そのことによって、教員養成に対する取組みの一層の充実を求めることにしております。以上、平成21年度の教職課程認定大学実地視察についてご報告申し上げました。

【梶田部会長】 
 ありがとうございました。
 今、横須賀先生から、全般的な事項につきましてご報告いただきました。実地調査にいろいろと行っていただきましたけれども、大学間でばらつきもあり、全体的に言うと今のようなことだけれども、取り立てて言うと、いい大学、頑張っている大学もあり、また問題の残るところもあるということだろうと思います。
 この報告と重複しても結構です。あるいは別の点からでも結構ですが、実地視察にいろいろな先生方が行っていただきましたので、皆さんで、もし何かご意見、あるいはお気づきの点があればお願いしたいと思います。山極先生、まずいかがでしょうか。

【山極委員】 
 年々、視察の観点が変わっているかと思いますけれども、例えば、今までですとカリキュラムとか施設・設備とか、あるいは教育の理念とか、どっちかというと入力される資源を中心に見ているわけです。これも大事なんです。そして、そういうカリキュラムとか、あるいは施設・設備とか教員とかといった入力がよければ、必然的に出力もいいであろうという仮定のもとに視察が行われていたと思います。入力はもちろん大事なんですが、これからもっとそういった出口管理というか、あるいは例えば学力……、学生が到達目標を本当に達成できたのかどうか、あるいは達成できるような教育システムになっているのかどうかとか、あるいはそういうアウトカムベースのほうにだんだん重視していく必要がより一層あると思うんです。
 それから、社会的な貢献。その教育学部が、例えば教育委員会の施策、いろんな政策立案にどうかかわり合っているのかとか、あるいは今、学校現場の現職研修も結構大学でやるようになってきた。教職大学院とか免許更新制もそうでしょうけども、そういったとき、現場教員の再教育とかといったものにどれだけ貢献しているのか。あるいは就職。これを見ると、結局、教員になっているのがほとんどゼロとか1。そういうのが例えば将来5年間もこういう状況だったら、場合によって免許については考え直すと。例えば法科大学院だって、全然受からなかったら「何とかせい」と言われているのと同じように、急激にはできないでしょうけど、そういうアウトカムベースにより一層重点を置くことはこれから必要かなと考えています。以上です。

【梶田部会長】 
 ありがとうございました。ほかに先生方、いかがでしょうか。八尾坂先生。

【八尾坂委員】 
 関連してですが、私も昨年度も今年も実地視察に行ってきました。今年行った例から考えますと、出口管理ということで今、山極先生がおっしゃいました。
 それで、むしろ中高などでは1回で合格、正規採用されるというのは、まず地域によってはかなり超難関というイメージがありましたので、むしろデータとしては、卒業後の非常勤講師等も出していますけども、あるいはその後、数年後の状況とか、各大学側も卒業生がその後、頑張って数年以内に教職についているとか、私学なども聞いてみると、何人か行っているとかおっしゃるんです。そういう状況を見て、教職に対するその後の取組みも含めて、出口のそういう指標的なものを、正規教員以外に非常勤等を含めて今後、私は検討してもいいのかなとは思っておりました。

【梶田部会長】 
 ありがとうございます。国立大学につきましては、免許を取った人の数、それから正式に教員採用された人の数、それから非常勤で教壇に立っている人の数と、毎年調査して発表されていますよね。事務局で私学を含めて全部それはやっておられますか。データとして。

【山下教職員課長】 
 教職員課長です。就職状況ですけれども、教職員課は、教育委員会を通しまして、公立学校についての採用選考の状況を毎年調査させていただいているんですが、私学を含めてということになりますと、ご承知のように、指定統計である学校教員統計調査というのがございます。これは3年に1回実施しているものですけれども、私学を含めて毎年、就職状況の調査をするというのは、コストパフォーマンスの問題もありまして、課題だとは認識しておりますが、今までのところはできていないということでございます。
 ただ、後ほどご説明しますけれども、中教審全体として、この教員の資質の向上という大きなテーマになっているところですので、どういう形で把握していけるかということは今後、十分検討させていただきたいと思います。

【梶田部会長】 
 ありがとうございます。今、山極先生、八尾坂先生からご指摘いただいたアウトカムベースというか、エビデンスベースというか、これはこれから大きな課題だろうと思います。
 というのは、ご承知のように、課程認定の取り消しまでできるという制度的な仕組みになりました。しかし、それを何でもって見ていくかというと、基本的には、途中のカリキュラムの問題とか、人の張りつけの問題もありますけれども、そういう形式的なもの以上に大事なのがやっぱりアウトカムだろうと思うんです。ですから、課程認定を受けているのに免許の申請の数が少ない、あるいは免許の申請の数はある程度あるんだけれども、教員になれていないというか、非常に少ない。そういうところは実を言うと裏腹で、形は整えているけど、実際にはあまり大学全体として教員養成に対して熱意がないということになるんじゃないか。
 今、お二人がご指摘いただいたことは非常に大事な点かなと思っておりまして、これは私の記憶では、何回か前にやはり委員の先生からご指摘があったような気がいたしますので、何とか簡単な形ででも各課程認定を受けているところについては、例えば昨年度の免許状を何人に出したか、それから正式の教員になっているのは何人いるのか、それから非常勤で教壇に立っているのが何人いるのか。それだけでも何か、これは私は電話ででも担当の事務局に、大学の事務局に電話ででも簡単にやれるんじゃないかという気がします。もちろん問題があれば、文書できちっと問い合わせをしなきゃいけませんが、概数で一度出しておいたほうがいいんじゃないかという気がするんですが、事務局、これは可能でしょうか。

【山下教職員課長】 
 個々の課程認定を受けている大学としてのその後の学生さんの進路ということにつきましては、その免許の授与状況とその後の進路ということになるんですけれども、基本的には、それぞれの大学で一部公表されているところもございますし、国立は、さっき梶田先生がおっしゃったように高等局のほうで把握しているところですが、ここはそれぞれの大学・短大の同意がどれぐらい得られるかということになろうかと。私どもが行政調査として何ができるかということと、それからそのデータをどこまで公にできるかということと、その2つの問題があろうかと思いますので、そこも含めて十分検討させていただければと思います。

【梶田部会長】 
 検討、よろしくお願いいたします。私も今年、私学に行きまして、私学の間ではそういう情報は飛び交っているんです。「どこどこはたくさん受けさせたけど、だめだった」とか、あるいは「受けさせる気もなさそうだ」とか。あるいは、逆に言うと、地域によっては国立よりも私学のほうが実際には、例えば公立の小学校なんかの採用数が多いとか。これは私学の間で、私が行ってみて改めて痛感いたしましたが、そういうこと。
 結局、この部会が課程認定について、改善策を個別の大学にも申し上げる、そういう機関にもなっております。同時に、今の新しい仕組みでは、課程認定の取り消しも含む仕組み、制度の質保証といいますか、制度そのものがうまく動くその保証する部会にもなっておりますので、いろいろと難しい問題はあるかと思いますけど、よろしくその辺りのご検討をお願いいたします。
 ほかに、今お二人の委員の方から非常に大事なご指摘がありましたので、その問題について、ほかのことについてでも。どうぞ。

【新藤委員】 
 全日本中学校長会の新藤でございます。
 優れた人材を教員に確保することの大切さとも相まって、この教員養成のところでぜひ考えていただきたいと思っているのは、実際に免許取得者のすべてが教員になるわけではなくて、かなりわずかな、本当に限られた部分が教員になっていて、多くの方は免許を持ちながら別な仕事についている。そうすると、今度はそれが保護者になられたときに、実際問題として――自分の学校だととられると困るので、そうではないいろいろな事例だとして考えていただきたいんですが、授業参観の折などに、授業を見て、「私だって免許を持っているんだ」という形で、実に的外れな発言をされる保護者がいて、その方は大学時代、教員免許を受ける段階で、教職というものについてどのような憧れをもって教員免許を取得していたんだろうか。それから、学校に対してどのような意識を持って、例えば教育実習をやっただろうかと、そういうところをやっぱり疑わざるを得ないような方もいらっしゃる。
 ですから、教員免許というものは、ただ単に優れた教員を確保するだけではなくて、今後、免許は持っているけど、教員ではない方たちが保護者だとか地域の方で、今、地域の学校支援本部などもできていますが、そういった中で、学校を支える人材になっていただく非常に重要な保護者であり、PTAであったり、地域、そういう支援本部の支える方になっていただくわけですから、そういう意味では、教員養成の段階で理念ですとか趣旨とかといったものがしっかりしていないと、その辺のところが逆に言うと今度は大きな問題になっていく可能性があるだろうということで、そういったことも含めて、教員養成については今後とも十分考えていただければと思っております。以上です。

【梶田部会長】 
 ありがとうございます。この問題は後で、中教審で別に特別部会をつくって、教員の資質向上の問題について議論されております。そのご報告もあります。これも伺いながら、後でもう一度、自由に意見交換をしたいと思います。
 まず、実地視察の結果の報告です。先ほど横須賀先生からしていただきました膨大な資料がございます。まず、この部会としてこれをお認めしていいかどうかということをお諮りしたいと思いますが、皆さんで、そのことにつきまして、何かご意見はありますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、この報告そのものはこれでお認めをしたということにしまして、そしてあと、今も問題提起がございましたけれども、実質的な意味での教員養成課程のレベル、水準の維持、それから教員そのものの水準の維持につきまして、後でもう少し自由討議をしたいと思います。
 それでは、今申し上げましたけれども、中教審で教員の資質能力向上につきまして特別部会をつくりまして、そしてこれを長期的な、あるいは非常に巨視的な面からやっていただいております。これは教員養成部会が非常に具体的に議論して、具体的に手の打ち方を考えているわけですが、今度は中教審全体としてもそういうことをやっておりますので、これにつきまして、まず事務局のほうからご説明いただきます。

【日向教育改革調整官】 
 教育改革調整官の日向でございます。資料3から資料7を使ってご説明させていただきたいと思います。
 まず、資料3でございますが、諮問及び審議経過をそこに簡単ではございますがまとめさせていただきました。
 6月3日、中教審の総会がございまして、ここで、「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策」ということで諮問がなされました。また、同日付で特別部会の設置も決定されたところでございます。
 大臣からは、総会のあいさつの中で、「本年中を目途に一定の方向性をお示しいただきたい」との発言がございました。特別部会では、これまで3回ほど審議が行われ、また、4回目として今日の午後、開催される予定でございます。
 次に、諮問理由について、資料4の一番最後に1枚紙で図表をつけておりますので、そちらをご覧いただければと思います。
 そこに課題が2つ書かれております。「学校教育における課題の複雑化・多様化」と「学校現場を取りまく環境の変化」でございます。そうした状況に対応するために、教員の質と数の充実が必要ではないかということでございます。
 平成18年7月に、委員の皆様方にも精力的にご審議いただきました。「今後の教員養成・免許制度のあり方について」答申をまとめていただき、教員養成・免許制度の改革についてご提言いただいたところでございます。この答申を踏まえまして、教職大学院制度の創設ですとか教員免許更新制の導入が実現したところでございます。
 こういう成果も踏まえながら、教員が生涯を通じて資質能力を高めながら自信と誇りを持って教壇に立ち、社会からの信頼を得られるような環境を引き続き整えていくことが必要不可欠であり、諮問がなされたところでございます。
 また、総会の際、会長のほうから、初等中等教育から高等教育分野にわたる幅広い見地からの検討が求められることから、総会直属の特別部会を新たに設置し、検討するということになったわけでございます。
 審議事項としては、そこに3つ掲げさせていただいております。1つ目は、教職生活の各段階で求められる専門性の基盤となる資質能力を着実に身につけられるような新たな教員養成・免許制度のあり方ということでございます。具体的には、教職課程の期間・内容の充実、教職大学院のあり方の検討、それから課程認定の厳格化などについてご審議いただく予定でございます。
 2つ目として、新たな教員養成のあり方を踏まえ、教職生活の全体を通じて教員の資質能力の向上を保証する仕組みの構築でございます。ここでは、教員免許制度の見直し、現職研修の充実、免許更新制の検証とあり方の検討をご審議いただく予定でございます。
 3番目といたしまして、教育委員会や大学をはじめとする関係機関や地域社会との組織的・継続的な連携・協働の仕組みづくりでございます。ここでは、関係機関や地域が一体となって教員を育て支援する環境づくり、また多様な人材の登用などについてご審議いただく予定でございます。
 資料5といたしまして、これは中央教育審議会決定ということで、特別部会の設置についての紙でございます。
 資料6でございますが、これは特別部会の委員の名簿でございます。本日、ご出席いただいている養成部会の委員の先生方にもご参加いただいておるところでございます。
 資料7で、今までどういったことが議論されているかを整理した資料でございまして、これは先日、第3回の特別部会に配付された資料でございます。詳細は時間が長くなってしまいますので割愛させていただきますが、大きく柱といたしまして、「基本的な考え方」、それから「教員養成のあり方」、「教員免許制度について」、「採用と学校現場への多様な人材の登用について」、「現職研修等について」、「教育委員会・大学等の関係機関の連携・協働について」、「教員の資質能力向上以外の方策について」、「審議の進め方等について」の8点から構成されておりまして、それぞれ主な論点とこれまで出された主な意見について、論点ごとに整理させていただいている資料でございます。
 以上、簡単ではございますが、特別部会の経過についてご説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

【梶田部会長】 
 ありがとうございました。それでは、この特別部会の責任者を務めておられます田村先生からお願いいたします。

【田村委員】 
 ありがとうございます。教育改革が進められている初等中等教育段階では、いわゆるフェーズ1、フェーズ2、フェーズ3という形で進めていくというふうに大まかな構想が示されているわけですけれども、中教審は今、それを具体的にしていく議論を展開しているということで、我々が議論しているテーマというのは、いわゆるフェーズ2の問題、教員の資質の向上というテーマについて具体的な話し合いをするということで審議が進められております。まだ、今ご報告がございましたように3回です。今日、4回目をやるんです。ですから、基本的な考え方という程度のところまででございますので、具体的にはまだまだこれからいろいろなことが出てくるのかなという感じを持っております。
 ただ、1つだけ、実際、このテーマに関しては、新しい知恵を導入するという意味で、また民主主義という考え方が具体化するという意味で、熟議ということを文科省が取り入れておられます。この熟議というのは、説明すると長くなりますので省略させていただきますけれども、具体的にリアル熟議とか、いろいろな熟議があるんですが、私も既に数回、四、五回でしょうか、参加してみましたが、なかなかいい話が出てきます。あまり大きな、議論して出てきた結論とかけ離れたような意見が出てくるわけではないんですけれども、立場が違うとやっぱり随分いろんな見方があるんだということがよく実感できました。だから、今後もこの熟議はいろんな形で入れながら、特別部会の議論の展開は進めていけるといいなと思っております。
 なお、もう一つ大きな問題は、教職大学院大学の問題でありまして、これはまた並行してつくり上げられていくということで、中心になっておられる村松先生が委員になっておられますので、ぜひご意見を賜りながら、実りのあるものにしていければいいなという程度のところのご報告でございますが、よろしゅうございましょうか。

【梶田部会長】 
 ありがとうございました。皆さんからご質問、ご意見があればいただきたいと思いますが、私からは、個人的な見方も含めて補足させていただきます。
 今、論点として出ていることは、既に教員養成部会では随分話し合って、数年前に出した答申の中にも入っているんです。ただ、ではなぜこういう特別部会をつくらなきゃいけないのか。簡単な話、去年9月、ちょうど1年前の政権交代で、そのときに教員養成部会にかかわることでは3点、民主党が選挙で訴えられて政権をとられた。
 1つは、免許更新制はすぐやめるという話。2つ目は、1年したら6年制の教員養成に何とか移行させたいということ。もう一つは、専門免許をつくって、今の免許制度を改めて、専門免許を持ってなければ校長、教頭にもしないとか、そういうようなこと。
 これはとてもいろいろと考えさせられる部分を含んでいたわけですが、しかし、これをどう受けとめて、現実の仕組みにしていくかということではいろいろとありまして、10月に私もいろいろと大臣、副大臣との話し合いをしました。それから、11月ぐらいには、中教審の三村会長を含めて、大臣、副大臣、政務官との話し合いの中でも若干出ました。
 ということで、選挙のときの主張は主張として、これは1つの問題提起ですから、主張は主張として、もう少し今のやっている制度から移行するとするならば、整合性を持つようにということも含めて検討を長期的・巨視的にやりたいということでこの特別部会ができたと私は理解しております。これについては、三村会長、一応私も、田村先生も副会長、中教審全体でさせていただいておりますので、少し話し合いもさせていただきました。そういう枠の中でこれをやっております。これは将来の問題として非常に重要な提案を、あるいは提言を多分今年中にでもやっていただけるんじゃないかと思っております。
 そういういわば流れの中で、免許更新制はご存じのように、すぐやめるって、もうなくなりました。なくなったというとおかしいですね。これはエビデンスベースドで検討した上で、何年間かしたら、やめるかどうかということも含めて考えるということです。やめることを着地点にはしないということで、鈴木副大臣が少なくとも私にも何度もおっしゃっております。
 それから、6年制も何年間かの中で検討してやれる形でという。余談になりますけれども、わかりやすい話として私が申し上げたのは、兵庫教育大学だったらやれると申し上げました。というのは、もうカリキュラムも試案としてつくったり、人の張りつけも一応考えたことがあるわけです。これはなぜかというと、兵庫教育大は新構想大学で、ほかの教育学部とか教育大学に比べて人も施設も余裕がありますので、そういうワーキングをつくってやったことがございます。でも、普通のところはこれをやるのは大変な話だし、4年でやっていることを6年でやるんだったら、これは簡単に言うと5割増しの予算を各大学に配分しなきゃいけない。そういうことも含めて、ゆっくりじっくり本当にいい方法を考えていただくということも申し上げてまいりました。
 それから、専門免許制も、教員養成部会でまた免許の問題をきっちり考えていかなきゃいけないんですが、今のあり方でいいのかどうか。短大を出てもらう免許、4年制を出てもらう免許、そしてマスターを持ってもらう専修免許。免許の名前は違いますけれども、待遇や採用には別に変わらないということでいいかどうかとか、ということがいつもこの部会で問題になっておりです。従って、そういうことの整理の中で新しい専門免許をつくるんだったらつくる、こういうことを私も何度か鈴木副大臣とお話しさせていただきました。
 そういう背景があって出ております。ですから、ぜひそういうことも含めて、もしご質問等があれば、ここでお願いいたします。ただし、この特別部会はこれからですので、まだ自由討議で、問題点の論点を出していって、整理して。田村先生、今、そういうことでよろしいですか。

【田村委員】 
 はい。

【梶田部会長】 
 という段階ですので、まだ「こういうことについて例えばこういうことを」という、なかなか意見を申し上げられる段階ではないと思いますけど、もしご質問等があればお願いしたいと思います。どうぞ。

【天笠委員】 
 梶田部会長から先ほど言われましたように、ここに出ています意見等々は既にこの部会等でもこれまで論議されたり取り上げられたりしているんだなというのは、私も同様の認識であります。その上で、この部会の持つ意味等々、あるいはこの議論等をしたときに、これはお願いということになるかと思うんですけれども、時間的な整理が必要なのかなと思いました。
 要するに、長期的に、少なくとも10年先を見据えて展開すべきテーマと、それからむしろ現実のほうが先にどんどん進んでいる状況もあるということに対する認識というんでしょうか。それから、少なくともこの2年とか3年というスパンの中で、しかるべき結論と具体的な方策というあたりのところ、これらの意見が現在のところは混在していて、それぞれの人がそれぞれ思っていることを言っているのをグルーピングしてみると、こういうのが出ましたというと、先ほどご指摘のような形になっているんじゃないかと思うんです。
 例えば、総合大学における教育学部の風当たりでもなかなか厳しいものがあったりですとか、そういう教員養成系の大学の存立自体もかなり厳しい状況の中に動いているという認識を持つんですけども、そういうところをどういうふうに対応していくのかというのは、時間との勝負みたいなところもあるように思います。そういう意味では、議論を深めていただく立場の方々には、時間に対する認識をかなり厳しく持っていただくことが、この議論を焦点化していくとか交通整理していく1つのポイントなんじゃないかと思います。
 伺いますと、比較的早い時間に一定の結論を得るということは、おそらくこういうテーマにおいてそれだということだと思いますし、養成の問題は10年の視野も当然必要だと思っていますので、その辺りのところをしっかりめり張りをつけて出していただく、あるいは議論を進めていただくことをぜひお願いしたいと思います。以上です。

【梶田部会長】 
 ありがとうございました。非常に大事な点です。ほかにいかがでしょうか。この中には、田村先生だけじゃなくて、何人か特別部会の委員に入っておられる先生もおられますので、ぜひまたここでの議論を反映していただければと思っております。いかがでしょうか。どうぞ、渡久山先生。

【渡久山委員】 
 「教職生活」というと、私も実は教職を生活の糧としていたわけです。そういう観点があるのかないのかがわからないんです。ですから、ただ「ライフステージ」といってこれを日本語に訳したのかという感じもしないではないです。しかし、ただ、日本語の感じとして「教職生活」となれば、財政的な、要するに消費者としての生活がどうなっているか、あるいは生きる者としてどうなっているか、そういう部分はほとんど議論されていないんです。
 ですから、そうであれば、どういうように言うのかわかりませんが、「生涯を通じて」という言葉も今あったんですけれども、その部分も少しやってみないといかんじゃないか。その辺が欠落しているような気がするし、あるいはそういうものじゃないということであれば、免許は養成だけということであれば、そういうようにしてもらってもいいと思うんだけど、そういう意味で「教職生活」ということになれば、我々、僕なんかのように教職を働いて生活の糧とした者から見れば、このテーマで果たして我々の生活をどうしようというのかという感じを受けるんです。だが、しかしこれを読んでみますと、そうではなくて、資質向上、あるいは免許、養成というところにずっと重点が置かれているんです。そうであれば、それなりの切り方というか、切り口があってもいいんじゃないかという気がするんです。
 しかし、そうは言っても実際に免許の場合も、あるいは教員資質の場合も、あるいは生涯を通じて、果たして免許の種類、あるいは種別によって経済的な問題はどうなるのか。例えばフィンランドでよく教員になり手が多いという場合は、経済的、社会的に高く保障されているんですよね。ですから、教員に対する憧れがあって、すごく勉強して、高い免許を取って、それでも教員になろうとする意思があるわけです。しかし、そういうことがもしもできていない場合、あんまり魅力のある職でないということであれば、教員のなり手が少ないと思うんです。ですから、今後、もう少し議論される、深めていただく場合に、例えば免許の種類、あるいは種別、あるいは上級化に従って、どれぐらいの待遇を誓っていけるのか。これもやっぱり検討の課題にしないと、「教職生活」、あるいは「生涯を通じて」という話にはならないと思うんです。
 それから、もう一つは、いつも議論になっているのが管理職になるための教員と、あるいは教員はだれでも管理職になれるということを前提にするのか、あるいは管理職のための教員養成があるのかないのか。こういうものも考えていかんといけない。
 それで、僕が一番気になるのは、現職の教員には非常に高いとか深いとか、資質的な養成を求めていながら、例えば免許の更新制なんかを求めていながら、民間校長、民間からの校長も教頭も採れるようになっているんです。そうであれば、一般教員も採れたらいいんじゃないかとか、特別免許で特殊な講義ができることになっていますけど、ただ、本当に一般論として、これだけ教員に高い資質を求めるならば、校長とか何かにはもっともっときちっとすべきじゃないか。
 例えばアメリカあたりでは、校長や教育長なんかにはドクターズディグリーを持っている人がたくさんいます。日本の場合は、そういう特別な形をしていませんから、これに加えて、そういう教員の今度は経済生活と、それから資質や免許の種類、問題等、そういうものも幅広く議論されたらいいんじゃないかという気がいたします。

【梶田部会長】 
 ありがとうございました。非常に大事なことで、現実には、高校の先生方の給与の切り下げがまずあって、それから今、小・中の先生方の給与が実質非常に切り下げられております。これはゆゆしいことであるという大きな声があるんですけど、なかなかいろんなところに届いていないという問題があるんじゃないかと思います。そういう待遇の切り下げがある中で、本当にいい先生方が確保できるかは以前からある議論であります。
 中教審としては、ご承知のように5年ほど前に義務教育国庫負担法をめぐっての議論をやって、それで答申を出したときにこの問題をやって、やっぱり待遇のことはきちっと考えなきゃいけないということが一つ出ていると思います。
 それから、最近で言いますと、初等中等教育分科会で提言を7月に出しました。これは教員の数を実質確保するというか、増やすという、35人学級という言い方で言われました。これは当時の金森局長が、非常にご指導いただきまして、いい形で提言ができて、そして同時にその中に、ニュアンスとしては教員としての待遇の問題が私は入ったと理解しております。7月に出て。
 これを踏まえて今日、それを具体化する新しい教員の定数の改善計画が財務省のほうに文科省から行くというふうになるわけです。ではありますけれども、やはり本当に大事な問題で、しかし現実のほうは議論より先にどんどん待遇の切り下げが進んでしまっているという、少なくとも中教審の議論とは逆行する方向があるんじゃないかと思います。
 ですから、渡久山先生の今のご発言はこの議事録できちっと位置づけていただき、そしてやはり、田村先生がいらっしゃいますので、何かの機会に、この特別部会でも強調していただくこともお願いしたいと私は思います。
 ほかにいかがでしょうか。

【渋谷委員】 
 あえて2つ発言させていただきたいんですが、どちらもやや刺激的な指摘になるかと思いますが、ご議論等おありかと思いますけど。
 1つは、今、退職期を迎えられている現場の先生方が教員になろうとなさった頃の大学進学率なんですけど、この点については皆さん、どなたもわかっていらっしゃるのに、私が見た限り、どの文書にも指摘がない。これはだからある意味では禁句なのかもしれませんけれども、私自身の記憶では、昭和40年代では大学進学率が17%とか20%未満だったんです。それが今では50%を超えている。これがどういうことを意味するかはちょっと考えればすぐわかることなんです。ですので、教員の資質向上という課題は、向上の前に、資質の低下の抑制というんですか、防止というんでしょうか、そこのところの意味合いも非常に大きいんだろうと。ですから、4年の学部教育で足りるのか、5年のほうがいいのではないか、現場の実体験をもっと長くしたほうがいいんではないかというご指摘というか、提言は、私には基本的にはそこのところに全部関与しているように聞こえます。
 その観点からしますと、今横須賀先生がいらっしゃいますけど、横須賀先生が非常に批判的にずっとおっしゃっている指摘が、教員養成の予定調和論はもう通用しないんだとご指摘になっておられましたが、まさにそこに関係すると思います。昭和30年代、40年代は予定調和がしちゃっていたんです、だと思うんですけども、それ以降は全然予定調和にならないという。それが今ここに来て顕在化しているように思います。その点で、ですから今、制度をどういうふうにしようかということをいろいろ資質向上の部会のほうでもお考えいただいているようですけども、ひとつぜひこの点をというのは、制度改善の結果、さらに教員になろうとする学生の基礎ベースの学力等が低下しないようにというところの配慮は非常に大事だと思います。そこの点をまず1点、申し上げたかったんです。
 2点目は、これは国立大学系の教員養成学部、あるいは単科大学にのみ関係してしまうことなので、私学のほうの話にはならないんでございますが、今46ある国立大学系の単科大学・学部の中で、多くがいわゆるゼロ免課程をまだお持ちなわけです。私の記憶では、5つの学部が教員養成特化しているかと思います。これは学生が風土的に、「自分は先生になるんだ」、それから「なる以上は、いい先生になるんだ」という精神的な風土が醸されるためには特化したほうがいいに決まっているんだと私は思うんです。その意味で、そこのところをどう考えるか。
 これは随分、10年来、2001年の答申以来ずっと語られてきたことなんですけれども、例えば、それはいろんな事情があるかと思いますが、ゼロ免のほうを別の学部にするというのはある意味では一番いいのかな。そうすると、教員養成のほうの課程に属している学生定員は基本的には教員養成学部になりますから、そうすると、先ほど申しましたように、学生こぞって、所属教員もこぞっていい教員を育てる、そして、「いい教師になるんだ」というところで一丸となって学び教えることができるようになるのかなと思ったりもしておりまして、いろいろ反論がおありかと思いますけども、あえて2点、ご指摘させていただきました。

【梶田部会長】 
 ありがとうございます。特別部会へのご質問、あるいはご意見というだけにとどまらないで、これから、今のように自由にこれからの教員養成のあり方、あるいは課程認定のあり方等につきまして、皆さん、いろいろとご意見を出していただければと思います。
 まず、では高岡先生、そして佐々木先生。

【高岡委員】 
 ありがとうございます。私も実はその部会に加えていただいているんですが、過去3回、参加させていただいて、どういう立場でどういう議論をすべきかということは最初から私なりに考えてはいたんですが、なかなか定まってこなかったんです。しかし、ぼつぼつ見え方といいますか、部会としての結論の出しどころをどうすべきかということを当然田村部会長などはお考えになる時期に入ってきているんじゃないかと思います。
 そこで、これは教員養成部会の皆さんに、私も実はこういう認識の仕方でいいかということをお尋ねしたかったことと、今、前段の部分は渋谷先生がかなり刺激的なご発言がございましたので、直接そのことに関わるかどうかはわかりませんけれども、こういうふうに理解を私はしています。
 1つは、今回の特別部会の議論の中心に、最初は6年制という言葉もありましたし、更新制廃止というところから始まったということもありますけども、部会の始まった時期には、必ずしもそういうことが前もって決まっているわけではないと。しかし、諮問文の中にもありますように、例えば教員養成の期間を延長するとすれば、どういう形がいいのか、教職大学院をそこに活用するとすれば、どういう活用の仕方があるのかというような議論、そういうことがありました。
 私は、この政権交代の前後のところの時系列を整理してみると、こういうふうに考えることができるんじゃないかと思っていることがあります。
 どういうことかといいますと、まず18年答申がこの中教審から出され、その中には、学士課程の改善、今日の課程認定の問題も含めてかなり大きな学士課程教育の中での改善の方向、教職実践演習の実施であるとか、あるいはカリキュラム委員会を全学的にきちんと組織しなければいけないということ、教育実習のあり方、それははっきり出ていました。それから、教職大学院の整備、創設。これも実際に動いてきているところも一方であるわけです。さらに、3点目が免許更新制。つまり、それまでのおそらく教員養成に関する中教審答申の質がこの18年答申でかなり大きく変わったし、私なりの理解で申し上げれば、免許を取るということは、単に必要な単位を積み上げて、表にして、県教委へ持っていけば免許になりますという仕掛けから、教師になるためにどういう教育を大学はするのかということを問う、そういう答申だったと思うんです。
 その延長上に政権交代があり、この特別部会があるとすれば、今提起されている問題は、この18年答申という先にあったものを踏まえて、その延長上にさらにそこで議論がし尽くされていない、あるいはその後に出てきたテーマを改めて巻き込んで、それも含めて18年答申の先を検討しなさいということなのか、それとも18年答申はあったんだけども、これは政治的な動きが違う方向に行ったわけですから、政権交代という中で、18年答申も、ちょっと言葉はうまく見つからないのでそう使ってしまいますが、「あれはあれでいいんだ」と、あれはあれでいい。新しいものは別に、つまり、18年答申の横にもう1本道をつくって、こっちが正しい方向なんだというふうに考えろと言っているのか、その辺が実はあんまりはっきりしないと思っています。
 ですから、私自身は、この部会に加えていただいたときから、18年答申を読み込むという作業を何回かやってみたんですけれども、その中で、今回出てきているテーマというのは、もちろんもう3年も前の話ですから、18年答申自体に議論がし尽くされていなかった、あるいは議論になっていないテーマがそこにはある。例えば免許更新制は明確に書かれて実施されているわけですが、例えば現職研修をトータルにどうするのかということと免許更新制の関係はまだはっきり書いていない。
 つまり、18年答申をベースに置けば、次にやらなければいけないことは、「こんなことがある」という新しい見え方を18年答申をベースにしながらつくっていくことが大事なことじゃないか。それがある意味で政策的な継続性・連続性を保証することになるだろうし、先ほどから出ています、あらゆる各大学の課程、あるいはそれを管理する課程認定、そういうものをそう大きな混乱に陥らないでつなげていく。そのことが例えば先ほど渋谷先生がおっしゃった国立大学のあり方であるとか、あるいは教職大学院と従来の既存大学院の関係を調整することになったりする、そんなふうに私には見えかけているんですが、養成部会の先生方にぜひこの点、ご意見を伺いたいと思って今日は伺ったものですから少し長くなりましたけども、意見を言っているのか質問しているのかよくわかりませんが、その点、議論していただければと思います。

【梶田部会長】 
 基本的な論点整理をしていただいたと思っております。
 ただ、非常に難しいのは、政権交代があって、これがその前の政策、この教員養成、あるいは研修についても引き継いでいるのか、そこに断絶があるのかということでありますが、これは、少なくとも特別部会は、その延長上、引き継いでいると考えていただいたほうがいいと思います。
 これはフォーマルに言いますと、11月でしたでしょうか、中教審の幹部と、それから大臣、副大臣、政務官の懇談の場がありまして、そのときに川端大臣からはっきりした形で、政権交代の直後には中教審についても、新しい政権はネガティブなという報道があったり、あるいはこれまでの教育行政のあり方について抜本的に問い直すという報道があったりしてご心配をかけた部分があるけれども、基本的には、これを踏まえて、これまでの経緯を踏まえてこれからやっていきたいと。ついては、中教審にこれからの教育行政のあり方もご指導いただきたいというはっきりとした意思表示がございました。したがって、あまり、それは断絶ではなくて、今高岡先生に整理していただきまして、今まで必ずしも十分に議論されていないところをやっていくという。そういうふうになるのかなと思います。
 そこで、ついでに言いますけれども、私、教育課程部会もお世話役をさせてもらっておりますので、これにつきましても政権交代の直後、いろいろとご発言がありました。これについて、私はいろんな形で大臣、副大臣とお話を伺う機会をつくりましたけれども、最終的な教育内容については、例えば新しい学習指導要領については一切新しい政権は口を出すものではない、教育の諸条件について、これをより一層充実していく方向で新しい教育行政をやりたいということを繰り返しおっしゃって、その教育諸条件の中の一番大事な部分がこの教員の問題なんです。数と資質能力なんです。数の問題は、初中分科会でやって、一応の提言という形で出て、そして今度、予算要求に来ました。もう一つ残っているのが、特別部会でやっていただいている資質能力の問題。ただし、これは少し長い目でやるということです。
 ここでやらなきゃいけないのは、既に継続して今までの制度は生きているわけです。生きているというか、それが中身がきちっとやれているか。例えば課程認定、今日の問題です。課程認定がこの前の18年答申に出たような形で本当にやれているんだろうかとか、あるいはそのほか、教職実践演習に代表しているような大学としての取組みが18年答申に出てきて、今もやることになっているし、これからも変更するということではないんですけれども、これがうまくいっているんだろうかということを教員養成部会で話し合って、必要なことがあれば提言していくことになるんだろうと思います。
 ということで、佐々木先生。

【佐々木委員】 
 私は、ともかく特別部会ができて、広範に資質向上方策について論議されることが可能になったわけですから、したがって、特別部会としては、現下の子供の状況だとか学校の状態だとか、社会・文化状況などを見ながら、そして、それが今後どう変化するかということを見通して、広範な議論をしていただければいいのであろうと思っています。ただ、その際、やはりこの部会等で積み重ねてきた議論もありますので、したがって、その両者の突き合わせ、あるいは両者の意見交換といった場は、これは設けていただく必要があるであろう。そういう中で、両者共同でよりよい資質向上策がつくられる、そういう場、工夫をしていただければありがたいと思っています。これが1点です。
 それから、これはどちらで議論するのがいいのかということはあるんですけれども、免許、教員免許というのは、教員として最小限必要な資質能力を公称するものですよね。そういう免許状として、一種免許状、二種免許状、そして専修免許状がある。他方、先般、教育基本法が改正されて、教員については研究と修養に努めなきゃならんことになっているわけです。そうすると、そういう意味で自己研さん、あるいは行政的な研修なども積み重ねながら、教員は最低限の資質能力以上の資質を研修を通じて身につけていくわけです。
 そうすると、そういう教員が、例えば大学院でまた専修免許状を取る。取った免許状は、教員として教えるに必要な最小限の資質免許ということになっている。そうなると、免許状が、この専修免許状をつくった昭和63年当時は、いろんな事情があってこういう形になっているのだけれども、教育基本法を改正して、研修の努力義務みたいなものを規定した段階で、免許状が現在のような専修免許状制度でいいのかどうか。つまり、もっと言ってしまえば、標準免許状、それから上級免許状という形で資質能力の向上を担保するような、そういう免許状制度にもうそろそろ変えていかなければならないのではないかということもあって、その辺についても広範な議論に期待したいと思っています。それが1点です。
 それと、もう1点申し上げたいのは、養成、それから採用、そして研修という形で特別部会は議論されるということでありますので、この際、初任者研修制度も平成元年度から本格実施して現在に至っているわけですけれども、それをつくった当時というのは、いわば先輩から後輩へ、という、彼らが大事にしていた指導のシステムを学校内できちんとつくりたいというのが初任者研修制度のそもそもの目的であったわけだけれども、それは校内研修、あるいは校外研修という形で行われ、現在に至っているわけですが、養成制度を見直すのであれば、当然のことながら初任者研修制度のあり方についても抜本的に見直して、現時にふさわしいような中身、方法をぜひ工夫するような、そういう検討をお願いしたいと思っています。
 もう1点よろしいですか。課程認定制度についても発言してもいいというお話でございましたので、この課程認定制度について1点だけ申し上げたいのは、やはり大事なことは、要は教職の専門家、あるいは教科の専門家が一体となって、いわば組織体として組織的に学生の資質能力を向上させて、教員としての適性を培っていく、あるいは専門性を高めていく。これが基本的に必要なんだけれども、どうもこの連携が必ずしも十分ではないのではないか。その意味において、課程認定大学において、今後、一番力を入れていただきたいのは、教員志望者の教員適性をどうやって育てていくのか、養っていくのか。これについて、もう少し大学全体で腐心して取り組むようなことを制度的に何か担保する仕組みがつくれないかと思っています。

【梶田部会長】 
 ありがとうございました。非常に大事なご指摘を幾つもしていただきました。
 では、油布先生、お願いします。次、村松先生、お願いします。

【油布委員】 
 教員の資質の向上ということで、ひとつ看過されている問題があるのかなという気がします。
 それは何かというと、現場の学校の状況が変わっていて、その学校の現場の状況がどれだけ押さえられているかということが非常に大きな問題かと思っています。具体的には、資質の向上というときの教師の仕事をどのように考えているかということに非常に限定的な発想しかないような気がするんです。
 今の学校では、学校の先生方が、教科だけではなくて、校務分掌に非常に大きな力を割かなければならない。小規模な学校や困難校であればあるほど、教科の学習や、それから生徒指導ということ以上に、そういった問題が出てくるということがあって、それが多忙化の1つの原因でもあるし、それから新任の先生たちが実際に学校に行ったときに、自分の教科、あるいは子供と接するといったこと以上の仕事があるということに戸惑うような現実にもなっているのではないかと思います。
 それで、例えばなんですけども、学校組織全体を考えてみますと、例えば学校ではいろいろな教育が必要なんだけども、学校のいるスタッフを、教師だけではなくて、さまざまなスタッフ、例えば事務職員、学校事務職員をたくさん増やすということによって、学校の先生の仕事の内容を限定していくといった場合の、教科に特化していくとか、あるいは生徒指導に特化していくといったときの資質の向上という形で話されるのか、あるいは、今までの日本の特徴的な非常に包括的な生徒へのかかわりを教師の持っている仕事の特性だというふうにして資質の向上を図るのか、そういうことによっては論議される内容も違うのではないかと思うんです。どちらが学校全体として望ましいのか、教育として望ましいのかということも踏まえた上で、その辺のことも整理して議論していただけたらと思います。以上です。

【梶田部会長】 
 ありがとうございました。ちょっと今、頭に浮かびましたが、初中分科会の提言に今の事務職員をどう増やすとか専門職員を増やすとかということ、あれは初中分科会に入っておられる方は送られていると思いますが、そうでない方々に、皆さんに後で送っておいてくださいますか。これはおっしゃるのは非常に大事なことですので、それの、ほかのところでといいますか、初中分科会でどういう議論があって、どういうまとめになっているかということもご参考までに。
 では、永井先生、そして渡久山先生。

【永井委員】 
 古くて新しいテーマなのかもしれませんけれども、お話を伺っていて、帰着するところは、教員というのは専門職なのか、専門的職業なのかというところに交通整理をしないと、この話は進んでいかないと思うんです。
 免許を取得した人間、もしくは採用された人間が専門職であるとか、社会的には今現在認められていないし、開放制の原則を貫く以上、いきなり専門職なんていうことは採用時、もしくは免許取得時にはあり得ない。ただし、採用された後のさまざまな段階、それは研修であったり大学院における再教育であったりというところで専門的職業が専門職へと移行していく。このステップをシステム的、制度的にどのように設計していくかということがおそらくはこの部会のテーマなんだろうと思います。そこら辺を意識しながら検討していくと出口が見えてくるのかなという気がすることが1つと、もう1点だけよろしいでしょうか。
 「論点に関する主な意見」を読んでおりまして、これまた永遠のテーマのようなことがたくさん出ているんですが、「身に付けるべき資質能力」のところの2つ目の丸で、「教える能力、教師としての能力に重点がかかりがちであるけれども、しかし例えば社会経験、学問上・専門上の知識も非常に重要」であるとか、あるいは6ページに、「幅広い教養」がないとだめだとかという指摘があるんですが、まさにこのとおりで、専門的、技術的なことはもちろん大事なんですけれども、それ以前に、大学における教養教育は今、非常に危機的、危機的という表現が悪ければ、あいまい、もしくは中途半端な状況になってきているわけで、そこのところをどうするかということもあわせて考えなければいけないし、もっと言えば、幼児教育から大学教育に至るまでの間のキャリア教育であるとか生活教育であるとか市民教育であるとかという社会学習的な要素をどのように身につけさせていくかということも非常に重要な課題ではないか。
 したがって、諮問のところの一番最後の表にあるような初等中等教育政策と高等教育政策を一体化させて展開していくというのであれば、教員制度だけではなくて、学習指導要領を含めた人間形成がバックグラウンドとしてあるといったことを展開するような見方も必要なのではないかと感じておりますので、ある意味では非常に古くて新しい、あるいは永遠のテーマなのかもしれませんけれども、そういう観点も必要かと思います。

【梶田部会長】 
 ありがとうございます。では、渡久山先生。

【渡久山委員】 
 1つは課程認定のところです。横須賀先生が言われていた全学的な形で養成されていない、あるいは資質も生かされていないというのがありましたよね。これは今、大学評価機構というのがございます。それとの関連性があるのか、あるいはどのように位置づけるか。大学における教員養成について、大学評価委員会の対象になるのかならなのかという問題。これは一つあると思います。これは山極先生も言われたインカムの問題もあります。それが1つです。
 それから、もう一つは、実習の問題も言われたんですが、これは今の資質養成部会の問題だと思いますけど、今、現場で実習を受ける場合、横須賀先生が言われた母校実習が多いでしょう。しかし、ほかの学校が受けるあれがなかなかないんです。だから、地域の大学で、地域の教育委員会を通して、地域の学校でというのができていけば非常にいいんですけども、なかなかそれができていかない。だから結局、夏休みに帰って母校実習と、こうなっちゃうんです。そうすると、母校実習したときの評価はほとんど実質的なものを伴っていないという感じがしたりするわけですから、それと、今のように免許を取っても教員にならないというのが5倍ぐらいですよね。

【梶田部会長】 
 10倍。

【渡久山委員】 
 そうすると、実習によって学校にもたらされる公害という言葉も一種ありましたけど、その問題がある。それから、もう一つは、実習してもしなくても、結局、教員にならない人には免許のための実習が必要かどうかという問題があるわけですから、そういう問題も抜本的に考えられたらどうだろうかと思います。
 それから、今度の免許更新制の中で、具体的に今度、講義を受けたんです。そのときに、今横須賀先生も言われたのが、大学の先生方からじかに受けるというのがあって、非常にフレッシュな感じを受けたというんです。新しい学問にじかに触れることができた研修だったということになったら、それは文部科学省の皆さんには悪いかもしれないけれども、行政研修はあまり意味がないというより、あんまりビビッドなものになっていない。それから言うと、免許更新制に賛成とか反対とかいうことじゃなくて、じかに大学の先生方が新しい、本当に現在の最も進んだ学問的なものを現場の教員に講義するという場合に、非常に有意義だったということが出てきていますから、やっぱり研修のあり方も抜本的に考える必要があるんじゃないかということで、ぜひ検討いただきたいと思います。

【梶田部会長】 
 ありがとうございました。では、横須賀先生。

【横須賀委員】 
 今の資質向上特別部会にも加わっていて、どっちかというと時々足を引っ張るような議論を言いつつ聞かせてもらっている立場なんですけど、こちらでは課程認定委員会において、かなり集中的な仕事をさせてもらって、課程認定大学の実地視察も加えてもらっていて、この2つの間の格差をものすごく今、感じている。
 つまり、特別部会のほうは、資質能力についてどうあるべきかと。したがって、その観点からすると、大学は何やっているんだという論調、これはそれが間違っているわけじゃないんです。ところが一方、ここの、課程認定なんかをずっとやっていると、大学は免許基準を最低基準とは考えていなくて、むしろ最高基準と考えているんだとつくづく思わされるわけです。つまり、そこの基準をクリアすればそれでもういいんだと。それで、どうやったら教職課程を持っていることが大学にとってメリットになりつつ、いかに安くそれをやるか。そういう意味で、その課程、免許基準との競争をどういうふうにうまくクリアしていくかという意識が非常に強いと私は思います。
 だけど、本当は免許基準というのは最低の基準であって、それを超えてどこまでいい教員を育てていくかというところが大事だと思うんですが、そういう意識は大学として持っているところはかなり少ないんじゃないか。それから、もしそういうものが大学当局にあったとしても、個々の担当教員にまで浸透しているかというと、まずほとんどそれは絶望的。私学に行ってみて、つくづくそういうことについても私はわかってきたわけですけれども、そういう意味じゃ、資質向上部会でいろんなことがクリアになってやっていけるということも期待はしつつ、養成部会は、しっかりと大学当局や大学の構成教員に、「免許基準を基準としてクリアされていれば、もうそれでいいんだ」ということじゃなくて、それは本当に行政上の最低の基準なんであって、そこを超えてどれほどいい仕事をしていくかということの意識をつくっていかなくちゃいけない。そのために、この養成部会や課程認定の仕事なんかは随分やることが残っていて、我々のほうも課程認定の考え方というのは、「そこを超えていればいい」という考え方がずっと伝統的にできちゃっていて、やっぱりそれに従ってきたところがあると思うんです。
 また、行政処分が、相当きちっとしたことがなかなかできないという面があって、それで今、渡久山先生をはじめ皆さんおっしゃっているとおり、教員養成の質保証についての何らかの認証を部会として相当検討すべき時期に来ているんじゃないか。私は国立大学の法人評価にも加わっているんだけど、教員養成という観点はない、薄いと私は思っているんです。それから、多分、私立大学の認証評価の中でも教員養成という観点は非常に薄くて、これも免許基準を最低として、そこをクリアしていれば問題はあんまりないという観点だと思うんです。そういう意味じゃ、山極先生が最初に言ったアウトカムを含めて、こういうのを認証評価というんでしょうか、これにやっぱりこの部会は本気に着手する時期が来ていて、それは今の資質向上部会ではきめ細かくできる体制にはなっていないと思うんです。

【梶田部会長】 
 ありがとうございます。では、村松先生。

【村松委員】 
 私も教員の量と質の問題を申し上げたいと思うんですが、先ほど渋谷委員のほうからも今の大学生がずっと拡大した話がありましたが、私も特別部会のメンバーなんですが、特別部会の前提が、今日も配られた資料の諮問の後についている図柄がありますけども、そこでは、「なぜこれが必要か」というときに、取り巻く環境の変化もありますが、学校教育における課題の複雑化、多様化、先生になるためには対応しなきゃいけないことが増えているんだという認識が前提だと思うんですが、特別部会の中でも、今の先生は昔の先生に比べて資質が落ちているんだということをおっしゃる方も、自明のこととしておっしゃる方もあるんですが、必ずしもそれは絶対的にそうなのか、昔の先生は本当に今、先生をやっていたら対応できる状況なのかということが一つあるだろうと思っている点が1つです。
 それから、もう一つは、この課程認定とか大学の学士課程の質保証とか、その種の話と、特別部会に出ていて、ここは大学の養成側の関係する方が多いと思うんですが、ここにも校長先生たちもいらっしゃいますが、特別部会は現場サイドというか、大学を卒業した後の教育委員会サイドとか学校現場の方たちがいらっしゃると、もちろん教員を養成した後の研修でもっと資質向上していくんだという話がありますけれども、その大前提のときに、入り口のところで「量を確保しなければいい先生は得られないんだ」という前提に立ってらっしゃるわけです。
 これは大学側がいい教育をして、まさに免許をどう考えるかということなんですけども、いい先生をつくりました、あるいは、今度できる教職実践演習はかなりコンセプトが違ってくるということだと思いますが、質保証をして出します。「この人は本学の課程を経て、教員になる資質を十分持っている」ことを保証して、単位も出していく科目というのが姿だと思います。しかし、採用側は、その中から倍率を高めて、より高めて、競争率がないといけない。そうすると、こちらはオーケーと言った人たちが、教員免許を取ってもならない人もいますけど、なれない人はたくさんいるわけです。そこのあたりの量と質の関係をどう考えるかというのはかなり大きな課題かな、議論がし尽くされていないことなのかなという気がいたします。
 それから、発言した機会に、先ほど渋谷さんのほうから、国立大学のいわゆるゼロ免、新課程のところの話があったので、申し上げないわけにいかない。東京学芸大学はかなりの人数、今3割ぐらいが新課程になっております。これは一般のところのほかの学部と同じということではなくて、教育学部の中にあるゼロ免ということで、今は多少違うところがあると思いますが、今向かっている方向としては、先ほどの油布委員の話にもありましたけど、学校教育というのは教員だけで支えていける時代ではないわけです。
 そうすると、例えばスクールカウンセラーだとかスクールソーシャルワーカーですとか、学校周辺で学校を支えていく人材というものが、最初のころにも、免許を持っていて学校に来る方たちの弊害の話もありましたけども、教育マインドを持つということを育てて、それを教育学部の中にあります新課程ですから、当然教育のことをほかの一般学部よりははるかに教育しております。人材を求める場でも、かなりそういう教育学部を出てきた新課程の学生を求めてくださる方たちもいます。また、新課程の方たちも大体七、八割は免許を取っているのが実態ではあるということを申し添えて、新課程はそれなりの教育の、日本全体の教育の向上という意味で、企業に入っても教育的なこと、研修担当になったりしているところがあって、社会全体の教育の向上に貢献する働きをしているということだけ申し上げたいと思います。以上です。

【梶田部会長】 
 ありがとうございます。では、渡辺先生。

【渡辺委員】 
 多くの先生から既に出ていることですので、簡単に私の考えていることをお話ししたいと思います。
 確かにもう現場は動いておりますので、教員の質の改善、質保証といっても、学校教育は行われておりますから、短期的な視点できちんと考えていただかなきゃいけないことと長期的なことと両方とを分けて議論していく必要があるかとは思います。ただ、今まで教員の質の問題はいろいろな形で言われ、答申も出ているわけですけれども、これがもしかすると、目先というと語弊がありますが、目の前にある問題点とか指摘点に対応する方策とか施策の提言をしてきたのであって、それは悪いことではないんですが、短期的なことに向かっていったと思います。
 それが、私も現場を拝見し、それから課程認定の学校の様子を拝見してみて非常に感ずるのは、今横須賀先生がおっしゃったとおり、守られていないし理解されていないんです。形だけというのはすごく多いんです。きちんとそれは訪問してみてやっとわかるんです。学校の、大学側の理解力。知らない場合もあります。もしかしたらホームページなんか全然見ていなくて、新聞記事だけで動いている可能性もあります。こういう学校現場を見ていますと、今までいろいろな施策は打ち出されてきたけれども、実践されていない、されるだけの組織体制ができていない、もっと言えば認識されていないのを実感として感じてきておりまして、ある意味でむなしさを感じてしまうんです。
 ですから、短期的なことも重要なんですけど、今この場では、立ちどまって、長期的にきちんと考えてみて、教員というプロフェッション、私は専門職と思いますので、免許と専門職というのは非常に社会的責任がある、それを持っていない人はやっちゃいけないという基本的なものがあるわけですが、そういう職業であるとしたならば、今から、これから何をしていったらいいのかという前に、原点を見直す必要があるというのを、非常に抽象的ですけれど感じております。
 その一つは、渋谷先生がさっきおっしゃられました。本当に大学の学生の質が変わってきたことと、日本における学校教育の位置づけが変わってきたことと、学校教育に対する期待度の変化と、学校現場からすればあまりにも次々新しい施策が出てくるので、「もうどうでもいいや」と思わないわけでもないようなぐらいに次々出てきていることも確かですから、短期的な議論は議論でしなければいけないと思いますが、ぜひ特別部会のほうでは、本当に今、教育職を育てるってどういうことなのか、もっと言えば、開放制は今でも必要なのかというところから、本当は開放制がなぜ意味があるのか、だとしたら、大学はどういう責任を持つのかというところも、それぞれの大学とか立場の損得を超えて議論していかなきゃいけないのではないか。今までそれなくして、目の前の問題に対応しようとして、いろんな施策が出てきたと考えております。

【梶田部会長】 
 ありがとうございます。では、八尾坂先生。

【八尾坂委員】 
 お聞きして、私は養成部会のほうにずっと入れていただきましたけども、先ほど高岡先生がおっしゃったように、私も18年答申を踏まえて、これから検討するのかなとの気持ちはありました。当然、そういう方向の中でということを今、梶田先生からもお聞きしましたけども、幾つか特別部会とともに養成部会は結局、18年答申に関わって、責任を持って出したわけですので、そこは今後も継続して検討すべきことはいっぱいあると思うんです。
 ですから、そう考えますと、継続的に考えるとなると、特別部会の考えも踏まえつつも、いろんな意見も参考にしつつ、例えば幾つか、少なくとも免許更新講習云々は波及効果があって、むしろ大学側のいろんな教員がかかわることによって、教職の重要性みたいなものを私はかなり意識が強くなったと思うんです。一部の人だけが教職をやっていればいいとかという考えよりも、かなり私は変わったような、実際、同僚から、同業者からお話などを聞きますと、そういう効果がある。それと、免許更新講習と今残っている現職研修、初任者研とか10年研との対応関係は、ぜひ今後、必要な検討課題かなとは思うわけであります。
 また、教職大学院は、今回、現実に進んでいるわけですので、先ほど教員の資質ということが、学生側から見れば、出口とか保証がなければモラールを高めろといっても高まらないわけです。実際、やっても受かるかどうかわからないようなことに一生懸命やるということは、今の学生さんはまずないと思います。
 すると、教職大学院に関してはある程度の保証、教育委員会でも別枠で採用試験もやっているところもあります。そんなことからすると、今後、データとしては、教職大学院卒業生ストレートマスター的な方が、その後の採用状況などもきちっとデータとして把握しておいていただきたいと思うんです。そこが結構、学生側も実質、自分の教職に対する関心の高まりにもつながるだろうと思っております。
 また、当然、教師の事務負担軽減等、これまで何年間もあったわけですけれども、当然教育委員会などが、ご存じのとおり学校給食費の未納者も含めてすべて管理しているところもあるんです。これによってかなり教師に限らず、学校そのものが負担軽減になっているわけですので、そのような教育委員会も含めた公支援策、事務職員の増加もそうでしょうけども、そういう教育委員会のあり方を、教育委員会でできる管理業務はやっていくような方向は私はあってもいいのかなと思います。福岡市なんかでも、かなり給食費のことはうまくいって、学校は不登校も減ったとか、いろんな意味で子供とかかわる時間が増えたということを実際聞いております。そういう意味で負担の軽減。
 あるいは今後、どうかなと思う、授業コマ数も、高校にしてもかなり先生によっては違いがあるんです。全くないような、これまでの既得権みたいな形で授業コマ数をやっている先生、あるいはかなり負担のある先生とか、校種によっても違うでしょうけども、そこなどの把握は私は教育委員会でやってもらいたいと思うんです。そこが負担の違いにもかなりかかわっていると思います。
 最後に、大学評価、続いていますから次の3の議論、議題にもあるんだろうと。私もかかわってみたことですが、大学評価は義務づけられていますけれども、大学評価の中の教職課程の部分が、一般大学も含めて、通常、養成大学はそれ自体がなると思うんですが、案外、教職課程なんていうのは大学評価の中に入っていないんじゃないかと思うんです。評価機構もそれほど関心を持っていない。もちろん専門的な領域になりますので、そこは今後、大学評価の中での各教職課程のある大学がどう自己点検評価をするか、そして今後、そういう定期的な形で教職課程の運用状況などを報告するような形はあっていいのかなと思います。そんなこと。

【梶田部会長】 
 ありがとうございます。では、大坪先生。そして次、青山先生。

【大坪委員】 
 特別部会の委員の方々に要望をさせていただきたいと思うんですけれども、どうしても教員の資質能力向上、あるいは教員の資質とはということになると、ナショナルスタンダードというか、日本における教員の資質ということで議論されるのは当然だと思うんですが、例えば18年の答申、あるいはそれ以前のいろいろな答申を見ていても、この間、日本の中で教育環境の格差がどんどん出てきている。こういう中で、これは横須賀先生が先ほどおっしゃった最低限の質保証ということで議論されておられる場合にはそれでいいのかもしれないんですけれども、常にナショナルスタンダードとしての教員ということだけで、資質向上ということで今後さらに突っ込んだ議論ということになると、先ほど油布先生もおっしゃったように、油布先生の意見はディマンドサイド的なご意見というふうにお聞きしまして、それぞれの学校、あるいはそれぞれの地域で求められている教員像が日本全国の中でますます多様化してきている。
 そういう中で、例えば私のおります鹿児島県だったら、6割を超える小規模校、それから4割を超える複式というところで、教員養成の段階で複式の訓練をしていないというわけにもいかない。それから、特別支援学級を設置できない非常に小さな学校があるところでは、現在の特別支援教育の例えば発達障害とかそういうレベルだけではなくて、いろいろな特別支援教育にかかわる知識を学生たちに教育・訓練しないと通用しない。また、中学校では、複数の教科免許を持たないと、臨時免許で対応せざるを得ないというような状況がある。
 そうすると、この教員の資質といったときに、例えば採用の問題も一緒に議論されておられますので非常に心強いんですけれども、今後、日本国内の教員の流動性を高めるという方向で、それらをスタンダードにしていくのか、あるいは、現在の都道府県教育委員会単位の人事管理のもととなると、かなり地方におけるいろいろな実情に合わせた教員の資質という視点も私自身は非常に大事だと思っておりますので、ぜひ議論に加えていただければと思います。以上でございます。

【梶田部会長】 
 ありがとうございます。では、青山先生、そして岸田先生。

【青山委員】 
 例えば教員採用にかかわって、教育実習があって、この特別部会の中のご意見の中でも教育実習というのは、例えば高等学校の現場にとっては非常にお荷物だという意見もあるんですけれども、それは二面あると思います。
 確かに表面的には社交辞令的に、「お荷物だ」という言葉を私のところの教員も発することはありますけれども、実際に教育実習の3週間を迎えて、教育実習生を引き受けて3週間後に送り出すときには、決してそういう言葉は出てこないわけなんです。それは、自分たちもそのプロセスを経てきたということもあるということと、それから実際に教育実習に取り組んでいる実習生の姿、それから実習生に自分たちの若いとき、自分たちの出だしのときの姿を見るんだと思うんです。ですから、決してこれはお荷物ではないという意識で私は取り組んでいるということがあります。
 それから、今年、例えば本校で教育実習生が4名もありましたけれども、その4名のうち、明らかに「私は教員試験を受けます」と言ったのは1名です。ですから、そういうところで負担という意識を持つのかもしれません。実習に来るんだから、実習に来る人たちはきちんと教員採用試験を受けてくれるんだよな、自分たちの後を引き継いでくれるんだよなという意識をやっぱり教員は持ちたいわけです。ところが、そこがうまくいかないので、そこは実習生と受け入れる学校の教員との意識のギャップ、ずれにつながってくるところはあると思います。
 それから、先ほど油布委員からお話のあった教員の負担感が増えているというのは、教科指導一本ではなくて、分掌実務についての力を求められる、課題解決を求められるということなんですが、今の時代の教育をめぐる環境から考えるならば、これは避けられないことだと私は考えています。大学を終わって、教職課程の中で、どれだけ分掌実務についての講座を持って、設置して指導していただいているかどうかということも、これから大きく課題になってくるんだと思うんです。教育委員会が大学と連携して、新規の教員についての養成をしていくというシステムが最近、各県でも導入されてきていると思うんですけれども、その中で、おそらく分掌実務についての取組みも行われている。
 ですから、学生が、要するにまだスチューデントティーチャーという立場で分掌実務について知識を持って、それで経験を身につけていくことができて、そして教員に採用されて、即それが活用できるという環境も整ってきているんだと思うんです。ですから、乱暴な意見かもしれませんけれども、繰り返しになりますが、今の教員というのは二面を備えなければならない。もちろん、本分である教科専門性に基づいて教科指導、もちろんこれはできなければいけないけれども、分掌実務は課題解決するためのもので、これもやはりなければいけないと思っています。
 私は今日、この部会に初めて出させていただいたんですけれども、課程認定についてのコントロールをされているのはこの部会なんだということを認識しました。ですから、そういった面で、一番大所から大学の各課程についてのコントロールをしていただくときに、その中のカリキュラムの中でも「分掌の部分についての講座内容をさらに充実してください」というご指導をしていただくのがこの部会ではないかと思いました。
 特別部会でも、もっとさまざまな部分からのお話になるんですけれども、まだ私自身、18年答申は読み込んでいませんので、さらにこれから読み込んで、勉強しながら特別部会との兼ね合いを考えていきたいと思いますが、学校現場としては、今申し上げたようにバランスのとれた教職課程で勉強した学生に試験を受けてもらって、そして教員になってもらう。それもできればあまりその大学を卒業してから間を置かずにです。
 最近の新規採用の教員の方なんですけれども、年齢が高くなってきています。例えば今年度、私のところに配属されてきた2名の新規採用教員の方で、1名の方は40歳を超えている方。もう1名は、幾つでしたかね、もう1人の方も他県から来て、年齢としてはやっぱり30代後半ということで、年齢が高くなっているという実態がありますので、高い方も必要なんでしょうけども、できれば大学を終わって間を置かずに入ってきてくれる教員も必要だろうということは感じています。以上です。

【梶田部会長】 
 ありがとうございます。ひとつ事務局から資料8についてご説明がありますので、岸田先生にご発言いただいて、そして、事務局から資料8についてご説明いただきます。、岸田先生、お願いいたします。

【岸田委員】 
 私も特別部会に参加させていただいているんですけど、先ほどの横須賀先生の話と基本的に同じことを思っていまして、あえて申し上げたいと思うんですが、大学での養成段階での資質保証に関しては、特別部会の中ではどちらかというと批判的な意見の声が高くて、それに対しての具体的な対策についてはあまり語られていない段階だろうと思います。
 一方、私も去年から実地視察に行かせていただいて、一番感じるところは、教員を育てるための大学教育の質保証という観点での教員の意識の温度差が随分あるということです。そういう中で、もちろん特別部会の中でもこの議論はされていくんですが、この場はいわゆる課程認定審査という切り口がありますので、この切り口の中で教職実践演習が有効に働くかどうかということも含めて議論していく必要があるんじゃないか、特別部会とは別に本部会で議論を深めていく必要があるんじゃないかと思っております。

【梶田部会長】 
 ありがとうございます。
 それでは、今いろいろとご意見をいただきましたが、ちょっと関連があります。事務局から資料8の説明をお願いします。

【新田教員免許企画室長】  
 資料8でございます。
 今もご意見がございましたけれども、課程認定を、要は実行ならしめるための方策が必要ではないかということで、この部会では引き続き、さらにご議論いただきたいと思っております。
 また、中身については次回以降、ご議論いただきいたいと思っておりますけれども、そのことで特にご議論いただきたいということで、論点例として議論の取っかかりのほうをご用意させていただいております。ここだけ、中身だけざっとご説明させていただきます。
 1つ目としては、「課程認定基準・審査の在り方」ということで、要は今は科目は決まっておりますけれども、科目の中身が決まっていないので、いろんな中身があるということについて、どのように考えるのか。
 2つ目といたしまして、「科目の在り方」ということで、今、教科に関する科目、それから教職に関する科目、この両者の連続性についてどのように確保するのか、あるいは全体としての体系性をどう確保するのかという点。
 3つ目として、「事後評価の在り方」ということで、今、実地視察をしていただいておりますけれども、こういったことについて、どのように回していって、実質、評価していくのか。これらは取っかかり、論点例でございますので、このほか、課程認定基準のあり方、過不足、あるいはその評価のあり方等について、また今後、ご議論いただきまして、課程認定を実行あらしめると、今かなり問題意識、ご意見のほうをいただきましたので、これについて今後、また次回以降、ご議論いただきたいと思っております。以上でございます。

【梶田部会長】 
 今日、久しぶりに皆さん、集まりましたし、また、新しい委員の方もおられましたので、いろいろと多岐にわたるご意見を出してもらいました。もし、最後にこれだけは言って帰りたいという方がおられたら挙手をお願いしたいんですが。時間も来ちゃいまして。
 今、最後に論点例、もう既にここでいろいろと出てまいりました。これについて3点挙げてあります。
 これは、あえてこれに加えさせてもらいました。今日、何人かから出ましたように、エビデンスベースとかアウトカムベース。これは事後調査、評価のあり方にも関係すると思いますが、つまり、エビデンスとして何を見ていくか。二十五、六万の免許が毎年出ているんです。そして教員になるのは2万ちょっとと聞いておりますが、その辺で、教員養成課程を持っていても、本当に免許をどのぐらい出しているのか、あるいは実際に、現場に採用されているのはどのぐらいおるのかということから始まるだろうと思います。本当は途中で、問題を起こす先生がというのもやればいいんです。これは多分なかなかやれませんのであれです。これが1つ。
 もう一つは、今日は出ませんでしたけれども、1年前、2年前から繰り返し出ている問題がございます。これは科目と履修という形で免許を取る、あるいは通信教育で免許を取る。その場合の課程認定が実は網から漏れてしまう部分がございます。
 例えば小学校の教員の養成課程として認められているところは、きちっといろいろとチェックがかかるわけですけれども、そういう課程を持たない大学の学生が、科目と履修という形で他の大学に行って、小学校の免許を取る。あるいは、通信教育という形で他のを取るということが今かなりありまして、場合によっては、それが小学校教員養成課程の認められていない大学のパンフレットに、「うちに来ても小学校の免許を取れますよ」なんていうことが書いてあったりする場合が、これはなきにしもあらず、あります。
 ということで、こういう抜け道をどうふさぐかといいますか、もし抜け道を今の仕組みで認めるとすれば、今の仕組みが一応認められることになっているんです。では、それの質保証、内容の保証をどういう形でチェックしていったらいいのかということはやらなきゃいけないので、これはぜひ論点例にも入れておいていただきまして、事務局のほうでいろいろと資料を集めておられるというふうにも聞いておりますので、そういうことも出していただきながら、また議論していったらと思っております。
 今日は時間が参りました。これで本日は終わりにしたいと思いますが、皆さんのほうでよろしいですか。よろしいでしょうか。
 じゃあ、事務局のほうから、今後のことにつきましてお願いいたします。

【白鳥課長補佐】 
 次回の開催は別途ご連絡申し上げます。ありがとうございました。

【梶田部会長】 
 ありがとうございました。
 それでは、今日はこのあたりで終わりたいと思います。
 特別部会が動いておりますが、我々の部会は固有の任務を持っておりますので、これからまた、先ほどありましたけど、18年答申の実際の、うまく回っていくようにということもありますし、それから課程認定そのものにつきましても、今日、論点例が出ましたようにまた議論しなきゃいけない面がありますので、またよろしくお願いしたいと思います。

【田村委員】 
 すいません、もう終わるところでお時間をちょうだいしたんですが、大変いいお話、ご注意を委員の先生方からいただきましたので、特別部会を進めていく中で大いに参考にさせていただこうと今、思いを新たにしたわけでございますが、先ほど岸田先生、あるいは村松先生からもちらっと話が出ましたが、率直な感じ、教育委員会の責任者の先生方は大学に大変な不信を持っておられるというのが会議の中で出てきます。それは、「質向上に大学なんか働かせたって何の役にも立たない」とはっきりおっしゃる方がたくさんおられるということだけお伝えしておきます。
 ですから、課程認定の議論はとても大事だし、きちっとやらなきゃいけないんですけれども、現状はそういう状態が社会にはあるという。これを踏まえないと、結局、渡辺先生のおっしゃったように、幾ら提案しても現場では全然生きないという、こういう現象が起きてしまうんだなということを実感しております。
 ですから、今後もこういういろんな機会にご指摘いただいて、私もすごく参考になりましたが、さっき熟議の話をしましたが、やっぱりいろんな意見をいろんな形で吸収するということが最終的にはとても大事なんだなと考えているんですけど、今後ともぜひひとつご指導のほど、よろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。

【梶田部会長】 
 ありがとうございました。これも、終わった後でなんですが、私は中教審の議論で、表面的なつじつま合わせになっちゃいけないと思うんです。きれいごとになっては。
 今日もいろいろと出していただきました。そして最後、田村先生からもありました。これはつじつま合わせにならないように、現実的に問題をえぐり出して、小さいところからでもいいですが、少しずつでも改善していきたいと思いますので、これからも、そういう意味でこの部会、皆さん、よろしくお願いしたいと思います。
 では、本当にこれで終わりです。

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-- 登録:平成22年11月 --