ここからサイトの主なメニューです

教員養成部会(第59回) 議事録

1.日時

平成22年1月25日(月曜日) 14時~15時30分

2.場所

東海大学校友会館望星の間(霞が関ビル35階)

3.議題

  1. 平成21年度教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について
  2. その他

4.出席者

委員

安彦委員、岩瀬委員、大坪委員、梶田委員、門川委員、狩野委員、郷委員、佐藤委員、渋谷委員、髙岡委員、角田委員、渡久山委員、戸谷委員、永井委員、北條委員、宮﨑委員、八尾坂委員、山極委員、油布委員、横須賀委員、鷲山委員

文部科学省

鈴木副大臣、高井政務官、坂田事務次官、清水文部科学審議官、山中官房長、辰野政策評価審議官、池田教育改革調整官、金森初等中等教育局長、前川審議官、德久審議官、山下教職員課長、日向教員免許企画室長、清重室長補佐、德永高等教育局長、藤原大学振興課長

5.議事録

【梶田部会長】
 それでは、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会を開催したいと思います。
 本日はご多忙の中、皆様、ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 初めに、本日は鈴木副大臣、高井政務官にご出席いただいております。ご挨拶をいただきたいと思います。
 鈴木副大臣、お願いいたします。

【鈴木副大臣】
 皆さん、どうもご苦労さまでございます。昨年9月から文部科学副大臣をしております鈴木寛でございます。
 本当に委員の先生方には、教育の中で最も大事な教員養成につきまして、これまでも多大なご尽力をいただいておりますことを心から御礼を申し上げたいと思います。
 ご承知のように、約4カ月たちますけれど、とにかく12月末までは予算、予算、予算で、財務省から1円でも多くどれだけとってくるかということに昼食を食べる時間もなく集中いたしておりました。まず、税収が9兆円減るという、まさに未曾有の状況、予算編成下でございまして、46兆円の税収が37兆円、スタートは対前年度比80%から始まる、要するに2割減から全部の予算編成が始まるという状況下でございました。
 しかしながら、これまでの非常に分厚い中教審のご審議の積み重ね、そこで現場のいろいろなエビデンスに裏づけられましたご提言というものを私どもも最大限勉強、活用させていただいて、おかげさまで、教育予算だけで申し上げますと8.1%増と30年ぶりの高い伸びでございました。30年前は子供が増える中での増でありましたが、今、児童生徒の数が減る中での8.1%増ということで、厳しい予算編成でございましたが、コンクリートから人へという鳩山政権の思いを何とかきちっと数字で実現することができました。
 教員の定数につきましては、これまではずっと中教審でその重要性についてご議論されてきたわけですが、なかなかそれを実現する予算の確保ということが難しかったわけでございますけれども、来年度はまず4,200名の定数改善ということを実現することができました。実はこれが一番困難をきわめた折衝でございまして、私も何度となく野田財務副大臣と、川端大臣も菅副総理、藤井大臣と折衝を行いました。そういうことで、まだまだ足らないことはよく分かっておりますけれども、何とか現場に対して少しでも応援をさせていただける体制の初動ができたと思っております。
 いよいよ今年から、我々、教育の外的条件については政治主導で、これはとにかく中教審でプランされたことを、実行するのは政治側の主導で、あるいは役所側の役割でございますから、そういうことでやらせていただきましたけれども、教育内容に関する話は中央教育審議会でのご審議、そして私どもは現場との対話、この車の両輪でもってしっかりと議論をしていきたいと、そのことを先般の中教審の総会でも申し上げました。
 そういう中で今日は初等中等教育分科会、とりわけ今年の最重要課題でございます教員の質のテーマを、これまでもご議論いただいてきた教員養成部会の皆様方に、これからのまさに初等中等教育を支える柱のご議論をいただいて、そしてまたご指導をいただいて、教育改革に万全を期してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 様々な課題を上げますとあれでございますが、教員更新制の問題、それから、教職専門大学院の問題、あるいは、教育実習をどれだけもっと実のあるものにしていくかと、いろいろ後でまたご審議の中でお話し申し上げたいと思いますが、ぜひ、今日お集まりの先生方、今年一年、またご尽力、ご苦労をいただくことになろうかと思いますが、この予算編成のご報告と、そして今年ご指導をいただくことへのお願いのごあいさつとさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

【梶田部会長】
 どうもありがとうございました。
 では、高井政務官、よろしくお願いします。

【高井政務官】
 お疲れさまでございます。大変お世話になりありがとうございます。
 私、土曜日に山形へ日教組の大会に行ってまいりました。私は71年生まれで、日教組がいかに影響力があるかということを知らない世代で、何でこんなニュースになるのかなと改めてびっくりしたぐらいでございます。その中でも申し上げてきたのが、さきほど鈴木副大臣がお触れになりましたように、4,200人という、7年ぶりの教員増の予算をつけたと、その中で日教組の皆さん方や現場で働いている皆さん方が、次は質の向上をみずからもって、みずからの頭で考え、それぞれに頑張っていただかなくてはならないということを、どのように伝わったかどうかは分かりませんが、思いを込めて伝えたつもりでございます。
 しかしながら、この部会は、中教審の中でも今、最も注目され、かつ最も大事な部会になるということは間違いないと思っています。現場の先生方も大変注目をしながらご覧になっていると思いますし、私どもも、やはり皆さん方の意見を重々踏まえた上で、いい制度にしていきたいと思っておりますので、これからもご指導よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

【梶田部会長】
 どうもありがとうございました。
 それでは、この部会の委員として新たに審議に加わっていただく方がおられますので、事務局よりご紹介をお願いいたします。

【日向室長】
 壷内委員がご退任をされ、新たに東京都世田谷区立尾山台中学校長、全日本中学校長会会長である岩瀬正司臨時委員をお迎えいたしました。
 以上でございます。

【岩瀬委員】
 よろしくお願いいたします。

【梶田部会長】
 ありがとうございます。
 また、事務局におきましても若干の異動があったというふうに伺っております。皆さんのお手元へお配りしてあります座席表で確認をお願いいたします。
 それでは、本日の配付資料の確認をお願いいたします。

【日向室長】
 それでは、議事次第をご参照いただければと思います。
 本日は、資料1から10までお配りしております。
 まず、資料1といたしまして、「第5期中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会委員名簿」でございます。
 資料2といたしまして、「初等中等教育分科会教員養成部会(第57回)議事録」でございます。
 資料3といたしまして、「教員免許更新制等の今後の在り方について」でございます。
 資料4といたしまして、「平成22年度予算(案)について」でございます。
 資料5といたしまして、「教員の資質向上に関する意見把握について」でございます。
 資料6といたしまして、「平成21年度免許状更新講習事後評価結果について」でございます。
 資料7といたしまして、「平成22年度免許状更新講習の開設予定状況」でございます。
 資料8といたしまして、「教育職員免許法施行規則の一部を改正する省令案の概要」でございます。
 資料9といたしまして、「平成21年度課程認定申請大学数等について」でございます。
 最後に、資料10といたしまして、「教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定に関する審査について(報告)」でございます。
 また、議事録(案)につきましては、委員の先生方の確認前のものであることから会議の配付資料とはしておりません。別途、委員の先生方の机上に議事録(案)を置かせていただいておりますので、議事録(案)についてご意見がある場合は、2月8日までに事務局までご連絡をいただければと思います。その後の取り扱いにつきましては、欠席委員にも照会をさせていただき、部会長に確定をしていただきます。確定した議事録につきましては、次回の会議の資料とするとともに文部科学省ホームページに掲載いたします。
 以上でございます。

【梶田部会長】
 ありがとうございます。
 それでは、議事に入りたいと思います。
 事務局より、本日の資料のご説明をお願いいたします。

【山下課長】
 教職員課長でございます。
 最初に資料3をお開きいただきたいと存じます。前回の部会が5月の開催でございましたので、それ以降、大きくいろいろな状況変化がございますので、それをご報告させていただくという趣旨でお配りさせていただいているものでございます。この資料3は、昨年10月に公表させていただいたステートメントでございます。
 最初の1のパラグラフをご覧いただきたいわけでございますが、先ほど鈴木副大臣のごあいさつでお話がございましたとおり、今、文部科学省におきましては、大変大きな政策課題といたしまして、教員の資質向上のための抜本的な見直しに着手をするということにしているわけでございます。そこで、このための必要な調査・検討を開始するという旨を記述しているところでございます。
 それから、その下の第2パラグラフでございますけれども、当省においてはということで、この調査・検討において、現行制度の効果等を検証する予定であり、新たな制度の内容及び移行方針を具体化する中で、現在の教員免許更新制の在り方についても結論を得ることとしているということで、この検討は、拙速を避け、関係者の意見を十分に聞きながら行う旨を記述しているところでございます。
 また、その下、3パラでございますけれども、結論が得られ、これに基づく法律改正が行われるまでの間は、現行制度が有効です。このため、後ほど申し上げますけれども、所要の予算措置もしておりますということを記述しているわけでございます。
 4として、情報は適時適切に提供いたしますということで、こういった内容のステートメントを昨年10月に出させていただいているところでございます。基本的には、現時点においてもこのような方針で、今後、私ども、見直し検討に臨んでいくということにしているわけでございます。
 次に資料4をごらんいただきたいと存じます。資料4は、昨年末に閣議決定をされました平成22年度政府予算(案)に盛り込まれた関係の予算でございます。1枚目は、教員免許制度の抜本改革に係る調査検討事業ということでございます。抜本改革に係る調査や教員免許更新制の効果検証に係る調査を行うということにしてございます。そのほか、従来から実施しております教員資格認定試験も引き続き実施するということもあわせまして、総額で2億2,300万円をこの予算(案)に計上しているところでございます。
 また、次のページでございますけれども、大学における現職教育への支援等といたしまして、大学等が開設をする更新講習につきまして、これは今年度予算にも10億円ほど計上させていただいているものと同じ性格のものでございますが、例えば、山間離島へき地に係る講習、また、あるいは少数教科・科目に係る講習、あるいは障害のある受講者のための講習といったものに限定いたしまして補助金を国から出すという事業でございます。これにつきましては、昨年11月の行政刷新会議での事業仕分けの議論の対象にもなったところですが、金額的には執行状況も踏まえて大幅に縮減をいたしましたが、来年度も引き続き補助金が支出できるように2億4,600万円を計上しているところでございます。
 次に資料5でございますが、こちらは先週、1月21日に鈴木副大臣が記者会見で公表された教員の資質向上に関する意見把握についてということでございます。この抜本的な見直しにこれから着手をするということですが、それに当たりまして幅広く意見の把握を行うということで、その下に3つの柱が並んでいるところでございます。1つ目は、研究機関等への委託調査ということで、これは先程申し上げました22年度予算(案)に計上した調査費を用いて行うものでございます。2月に研究機関等の公募をさせていただいて、4月に調査委託をさせていただいて、調査を実施していただく、そして、夏にこの結果を集約するということをお願いしたいと思っているところです。
 また、2つ目でございますけれども、教育委員会及び大学からの提案の募集ということでございまして、これにつきましては、現行の教員養成システム、採用、あるいは研修にわたって、関連システムが抱えているさまざまな課題というのがあるわけでございます。恐縮ですが、この資料の一番後ろに「参考」として添付している資料がございます。「教員の資質向上方策の抜本的な見直しに係る検討課題について」というタイトルがついてございます。こちらに列挙してあるようないろいろな課題があるということ、これをお示しさせていただいた上で、これをご覧いただいて、教育委員会、あるいは大学から具体的な提案等を出していただくということでお願いをしたところでございます。
 教育委員会につきましては、都道府県・指定都市・中核市の教育委員会にお願いしています。これは研修の実施主体というところを念頭に置いてございます。また、大学につきましては、いわゆる教員養成系を中心にお聞きするということで、教育学修士を授与している大学、教職大学院を設置している大学ということにさせていただいたところでございます。提案の提出時期は3月中ということでお願いをしてございます。
 次のページが、3つ目といたしまして、教育関係団体からの意見聴取でございます。こちらも同様に、先程ご覧いただいた課題ペーパーを添付し、次のページに具体の団体がすべて列挙されてございますけれども、学校教育関係団体、これは校長会、教頭会をはじめとするさまざまな団体がございます。それから、教職員団体、教育委員会の団体、大学関係団体、PTAの関係団体、経済団体、労働団体、こうしたところに幅広く意見を募るものでございます。これについても3月中にご意見をいただけますようにお願いをしてございます。その他、今後、インターネットを活用した一般国民からの意見募集なども検討してまいりたいと思っているところでございます。
 以上のような意見募集を先週末に開始させていただいたという状況でございます。
 次に、資料6と7につきましては日向室長からご説明いたします。

【日向室長】
 それでは引き続き、資料6と資料7について説明をさせていただきます。この資料2つはいずれも教員免許更新制に関する資料でございまして、まだ途中段階ではございますが、最近の動向についてご報告させていただきます。
 資料6は事後評価の資料でございます。これは、12月末時点で当省に報告が上がった講習についてまとめたものでございます。評価方法につきましては、そこに掲げてあるローマ数字1から3の3項目について、「よい」「だいたいよい」「あまり十分でない」「不十分」の4段階で評価を行っております。講習ごとの4段階評価の回答割合を算出し、全体の平均値を算定した結果、合計値で見ますと、「よい」と「だいたいよい」合わせると必修領域で90.8%、選択領域で93.8%でございます。
 2枚目にそれぞれ項目ごとの評価を上げさせていただいておりますが、いずれも大体同じような傾向を示しておるものでございます。
 以上が資料6の説明でございます。
 次に資料7でございますが、これは来年度、平成22年度の免許状更新講習の開設予定状況でございます。一番最初に上げさせていただいておりますが、必修領域で、対面で215大学、受入予定人数が5万7,790人以上、通信では11大学、受け入れ予定人数が1万4,900人以上、選択領域については、そこに書いてある記載のとおりでございます。
 次に、1枚目の裏面から、各都道府県ごとのそれぞれ必修領域、選択領域別の開設予定の一覧を載せさせていただいております。開設は決めているものの、受け入れの規模が決まっていないという大学が一部ございます。
 一番最後のページでございますが、必修領域の受入予定人数と受講対象者数の一覧表を載せさせていただいております。一番下の総計の数字をご覧いただければと思いますが、平成22年度の受入予定人数が現段階で7万2,690人でございます。そのうち第1グループ、現在、受講義務がかかっている、平成23年3月31日に修了確認期限を迎える現職教員のうち未受講者数、これは推計値でございますが、1万5,248人でございます。大体、受講対象者の二、三割でございます。受入予定人数と未受講者数の差が5万7,442人でございます。一番右側でございますが、これが平成24年3月31日に修了確認期限を迎える現職教員の人数、今年の2月から受講義務期間に入りますが、8万4,243人、5万7,442人というのは大体7割ぐらいの数字でございます。
 また、裏面をご覧いただきますと、裏面が選択領域の数字の動向でございます。またずっと下の数字が大体同じような傾向にございます。大体9万5,075人の受入予定人数に対し、未受講者数が1万6,204人、受入予定人数と未受講者数の差が7万8,000人でございまして、第2グループの人数の約9割ぐらいの受け入れが可能な状況になっております。
 以上で資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願いします。

【梶田部会長】
 ありがとうございます。
 しばらくこの部会、間があきましたので、その間にいろいろと動いていることにつきまして、今、資料をご説明いただきました。皆さん、ご質問、ご意見あればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
 これから大きく動くということで、それをどういう形で動かしていくか、現場の意見を聞きながら、いろんな意味でのエビデンスベースでやっていくということをおっしゃっているわけですけれども、このようなことにつきましても、皆さん、何かご質問、あるいはご意見あればと思いますが。
 では、これからいろいろと現場にも、それから、各種教育関係団体にもヒアリングをしていただきますので、またそれを踏まえてこの場でも議論をしたいと思います。
 このほかにまた、制度的には省令改正もありましたので、事務局からご説明をお願いいたします。

【日向室長】
 それでは、次に資料8でございますが、教員免許法施行規則の一部を改正する省令案の概要について説明させていただきます。
 学習指導要領が改定されまして、高等学校の「保健体育」並びに高等学校の「福祉」の内容が追加されました。そのことに伴いまして、免許状の取得に必要な教科に関する科目の内容として、必要な事項を追加させていただきます。
 また、初任者研修の実施、免許状更新講習の開設が中核市まで認められていることを踏まえ、免許法認定講習を開設することのできる者に中核市を追加することとするというのが趣旨でございます。
 2番として改正の概要でございますが、高等学校の「保健体育」に係る学習指導要領の改訂の内容を踏まえまして、高等学校「保健体育」の免許状の取得に必要な教科に関する科目の選択科目として、「体育史」を加えるものでございます。
 また、高等学校の「福祉」に係る学習指導要領に、新しい内容である「こころとからだの理解」、これが加えられたことを踏まえ、高等学校の「福祉」の免許状の取得に必要な教科に関する科目として、「人体構造及び日常生活行動に関する理解」及び「加齢及び障害に関する理解」を追加することとします。
 また、免許法認定講習を開設することのできる者として、中核市を加えることといたします。
 施行日が、1と2が平成23年4月1日でございます。また、3と4につきましては公布の日ということでございます。
 以上でございます。

【梶田部会長】
 今、ご報告いただきましたように、省令改正ということで文言の整理等をしていただいております。
 本日は、これから教員免許状の授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定に係る審議に入ります。
 これは例年この時期に行っているわけですけれども、課程認定について慎重に検討していただいておりまして、それを報告いただき、そしてこの場でそれをお認めするかどうかを決めるということになります。そして同時に、例年のことですが、この課程認定そのものについて、その後で意見交換をしたいと思っております。
 外部の方々は恐れ入りますけど、この課程認定の審議のときには非公開ということになっておりまして、この運営規則に基づいて議事を非公開になります。また後で、この認定が終わりましたら、議論をする場ではまた戻ってきていただいて結構ですが、ここで一度ご退席をお願いしたいと思います。

○教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定に係る課程認定委員会における審議の結果について、横須賀委員より資料9、10に基づき報告がなされ、答申案が了承された。

【鈴木副大臣】
 どうもありがとうございました。

【梶田部会長】
 それでは、鈴木副大臣、一言お願いいたします。

【鈴木副大臣】
 一言御礼を申し上げたいと思います。
 ただいまは大変なご尽力をいただきまして、とりわけ横須賀先生、ありがとうございました。ご答申をいただきましたこと、心から感謝を申し上げたいと思います。
 まず、いただきました答申に従いまして文部科学大臣による諸手続、認定の手続を進めさせていただきたいというふうに思います。
 それから、先ほどもごあいさつで申し上げましたけれども、今回認定を受けられました各大学において、教員養成の水準維持向上というものがむしろこれがスタートとして行われるということを、ぜひ先生方のお力もいただきながら、現場に申し上げ、また応援もさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。ほんとうにどうもありがとうございました。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 時間はほぼ来ましたけれども、課程認定後のフォローアップにつきまして、皆さんのほうからご意見があればお願いしたいと思います。
 では、横須賀先生。

【横須賀委員】
 先程のご報告の中で数のことや傾向のことを申し上げましたが、課程認定の審査は、教員養成制度という枠組みと同時に、実際、学生が接するところでどういう授業、どういう指導が行われているかという、そのことにかかわるわけでありますので、かなり慎重に行ったところです。先ほど概略の中で触れたように、最近の傾向は、教職課程の担当教員として、教育現場、学校現場におられる方、あるいはおられた方、あるいは、教育委員会の現場におられる方、あるいはおられた方の登用が非常に目立ちます。これは、長く教員養成の仕事を見聞してきた私といたしましては、本当に新しい傾向だと思います。私個人はそのことに非常に歓迎をしております。大学の教員が、大学院で学んだ教育学やそういう科目をただ学生に話すのではなくて、学校現場において実際に仕事をされた方が、教育の生きた問題や、生きた方法を学生に伝えてくれるということは非常に歓迎すべきことだと思います。
 しかし一方では、今、教職課程を設置しようとする大学や担当しようとする方に、教育現場にありさえすれば、教育現場の経験さえあれば、それで授業や演習や指導ができる、あるいは、していいんだという観念が逆に広がってきているということを私は危惧をしております。これはやはりそんなに簡単なことではないんじゃないか。やはり現場における経験や課題をどういうふうに論理的な形で整理したり、広い視野で整理したりするかという、そういう作業をした上でやっていただかないとやっぱり学生には通じない、通じないというより、学生が単なる実務に受け取ってしまうということがあるんじゃないかと思うんですね。
 課程認定審査の中では、それを担保するものとして、やはり担当しようとする教育現場経験のある方が、自分自身で文章を書いているかどうかということを一つの基準にいたしました。いわゆる講習会とか、あいさつとか、そういうものだけではやはり不十分なんじゃないかと。自分がなさった仕事をやっぱり文章として、学術論文なんていうことじゃないんですけれども、文章としてやはり書いているかどうかということはすごく大事なことだと思います。そういうことを基準にしたことをぜひご理解いただいて、また広くそういうことが伝わっていって、安易に教育長をやったんだからいいだろうという感覚ではなくて、これからの教員養成課程にぜひ教育現場の方がご尽力いただきたいなということを思いました。
 それが1点と、もう一点は、私は、やっぱり課程認定は行政処分でありますから、いろいろ注文をつけたとしても、最終的にそれを認めないということには相当の手続や準備、そういうものが必要だろうというふうに思うのですが、課程認定をしただけではなくて、やはりそれを一定地域での大学間における協力が必要なんじゃないかと思うんですね。
 例えば、カリキュラムの上で、あるいは担当を予定している教員について相当心配な場合、大丈夫かなと思う。だけど、一応行政処分としての課程認定は行ったという場合、あるいは、私どもが注文をつけるプロセスの中で、やっぱり地域の有力な、国立の教員養成大学などと協力関係を求めてくれればもっとクリアになるということを随分感じるわけですね。でも、何か今までのように大学ごとの姿勢としてそういうことをあまりなさらない、していないということがある。
 私は、教職大学院の役割ということで、梶田先生ご主宰のシンポジウムで申し上げたんですけど、教職大学院の役割も、自分の大学の大学院というだけではなくて、地域の教員養成に責任を持って指導、助言ができるような、そういう役割もやってほしいということを注文いたしましたが、もう少し地域での大学間の教員養成課程の協力関係というのも必要なんじゃないでしょうか。
 審査に当たりまして、2つ、そういう感想を持っております。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 山極先生。

【山極委員】
 課程認定委員の一人として、会議中に思ったことですけれども、今年は割合少なかったんですけど、経営学部などで保健体育の免許状を出すというのが最近はやってきているわけです。文部科学省としては果たしてそれが妥当なのかということで、かなり慎重にやったわけで、それはそれとして私も賛成です。では実際、学校教育の中で体育というものの守備範囲というのはどのあたりなのか。例えば、ああいう経営学部が保健体育の免許状を出そうとしているのは、ほとんど社会体育とか、学校外のいろいろな体育のインストラクターとか、そういう人たちを視野に入れているわけですね。
 そうしてみると、学校の体育も大事なんですけれども、個人的にはあまりにも広がり過ぎているんじゃないかと思います。私はもともと理科関係ですから理科の先生方に聞いてみると、中学校では、ほとんど科学クラブなんていうのは壊滅しているわけです。それで理科の先生というのは、ほとんど体育の指導教官、土曜日、日曜も引っ張り出されているわけですね。これが決して悪いとかそういうことじゃないんですけれども、そうしてみたときに、その辺のところもはっきりしておかないとあまりにも広がり過ぎてしまっているのではないかと。外国なんか、そんなに学校の先生がすべて、部活動から、運動部の顧問から何からやっているのかどうかね、その辺のことを個人的に考えました。
 以上です。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 では角田委員、どうぞ。

【角田委員】
 現場の小学校長、あるいは小学校の教員を長く経験した者の立場から申し上げます。先ほど横須賀先生から課程認定の中で現場の先生方の論文の記載が非常に少ないということのご指摘がございました。私自身も実務家教員として困った悩みのところでございます。現場の教員で、熱心にやればやるほどなかなか論文が書けない。これは非常に矛盾したところがございまして、特に指導主事なんかを経験していると、指導主事になるまでの論文はあるんだけれども、その後行政に入って10年、ほとんど書く時間がないという感じがあります。一生懸命書いている人もいるんだけど、それはどちらかというと研究所だとか、そういうところに入った人たちで、それが本当に実務家教員としてやっていったときに、現場の情勢をよく知り、先生方の気持ちがちゃんとわかるような、そういう行政をしていたかというと必ずしもそうではないといったところも、こういう難しさがあるわけでございまして、安易に認めるということはよくないことだと思いながら、その辺のところのバランスをどうとっていくのか。
 これは現場の校長になるときもそうなので、論文ばっかり書いて、優秀な論文を書いたからって、いい校長になれるかというと必ずしもなれないというところがあるわけで、この辺のところをぜひ勘案していただいて、これから教職実践演習が始まる、あるいは、教職大学院が本格的にスタートしたわけですが、あくまでも現場の者と、そして理論家教員とがうまくやれるようなシステムをどういうふうに構築するのか、教員の身分の保障の問題もあるし、なかなか研究者教員と実務家教員が同じ土俵に立って授業を構成するというのは、言うことは簡単だけれども、なかなかできないという現実があるわけですね。ぜひ、この辺のことについても、中教審として出す必要があるのか、あるいは、もっと違ったレベルのところで出す必要があるのかわかりませんけれども、いずれにしても論文の記載がないから、はい、だめですよと、これはもちろんそうなんだけれども、その辺のところを今後十分考えていっていただければありがたいなと思います。
 それから、話のついででございますので、現場教員の経験者ということから、今、非常に困っていることは免許状の更新制の受講の問題でございます。やっと本格的にスタートしたにもかかわらず、本格実施した翌年に、どうも新聞報道だけを見ていくと、なしになりそうだぞと、そのため現場としては躊躇している、しかし、大学としては開講せざるを得ないというか、しなきゃいけないということがあって、ぜひ、せっかくいい制度構築をしたわけでございますので、この辺について、変更するにしても徐々にソフトランディングできるような方向だとか、あるいは、将来これがどういうふうになるのか、特に今年度受講した先生方の2単位とか30時間というふうなものが今後どういうふうにちゃんと発展していくのか、幸いなことに、受講した方々のほとんどが、80%以上の方が大変よかったというふうな評価をいただいているわけですので、これは本人のグレードアップというふうなことも含めてよかったことなんだというふうに思いながら、しかし、講習を受講した正直者がばかを見るようなことがあってはいけないというふうに思いますので、ぜひ今後のことについて、現場の人間として、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 最後に鈴木副大臣からお話をしていただきますが、その前に、課程認定そのものについて今ご意見をいただいておりますが、ほかのことについても委員の方で、教員養成の今後の在り方につきましてご意見があればお願いしたいと思います。
 大急ぎでちょっと申し上げますが、課程認定のフォローアップにつきましては、委員の皆さん、手分けしていろいろな大学に行っていただいております。問題のありそうなところとそうでないところを組み合わせて行っていただいているわけですけれども、そういう中で、課程認定を受けたときはちゃんとしていたんだけれども、年数がたつと問題がどんどん出てきて、人がかわったり、あるいは、シラバスの中身が本来の内容ととずれてきていたりという、こういう指摘をして帰らざるを得ないところもあります。
 それからもう一つが、最近の状況では、いわば便法を講じて課程認定をちょっとすり抜けるというところが出ております。例えばうちの大学で小学校の教員の免許を取れますよということになれば、これは今のように課程認定を受けないといけないわけですね。ところが、うちの大学で小学校教員の免許が取れますよとホームページには出ているんだけれども、調べてみると課程認定を受けていなくて、近くの大学の小学校の免許を出せる大学に、その大学の学生を科目等履修生で送り込んで、そこで単位を取ってきたら、うちの科目と一緒に合わせて1本で小学校の免許が出ますという実例が、何人かの委員の方とご一緒に行ったときにもございました。そういうことも今、文科省の教職員課で詳細にチェックしていただいております。そして、気のついたところにつきましては、できるだけ早急に改善するように、即刻改善するようにご指導いただいているところであります。
 しかし、そういうことにつきましても問題点が少し明確になってきた段階で、この教員養成部会で、また皆さんで、便法というといいんですけど、もぐりですね、もぐりがどうしても横行しちゃ困りますので、それを防ぐ手だてというようなことも議論しなきゃいけないなと思っております。これは課程認定について私のほうからちょっとだけ補足しておきます。
 ほかのことにつきましても皆さんのほうから、今日、最後にちょっと鈴木副大臣からお話をいただきますので、もしあれば。
 では山極先生。

【山極委員】
 免許更新制のことですけれども、あるいは、学力テストを悉皆をやめるとか、さっき政務官から、教員を増加した、これからは質の問題であると言いました。しかし、学力テストも、教員免許更新制も、教員の質を高めるためにやったんじゃないんですか。たかだか教員免許更新制というのは受講する人は10年に1回、しかもたった5日間ですよ。そして、今まで実践の中でもまれている先生方が久しぶりに大学に行って、新しい勉強をしよう。そういうことが、なぜ、忙しいなどと言うのか、全然意味がわからない。もしやめるならやめる、あるいは変更するのは構わないんですけれども、常に検証して、そして、いろいろなデータを積み重ねて変革していくということをしてもらいたいと思うんです。
 学習指導要領だって、指導主事連絡協議会や研究開発校など、いろいろなことを積み重ねながら改訂していくわけですよ。それから、学力テストは確かに子供の学力を見ているんでしょうけれども、同時に、学校の力、あるいは教員の指導力も間接的に見ているわけです。そういうものを検証もしないで、ただ簡単にやめると言う。本当に日本の教育、将来のことを考えているのかどうか、そのことを非常に心配しております。
 以上です。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょう。どうぞ。

【渡久山委員】
 免許更新制については、私も一緒に審議に参加してきておりますから、最終的な結論については十分に尊重しているわけですけれども、ただ、やっぱりこれができてきた経過ですね。例えば、教育改革国民会議が17の提言をしていた。それを受けて大臣諮問があったんですよね。しかし、平成14年に、免許の更新制を導入するのは拙速であるということを中教審として一定の結論を出していたわけですね。しかし、それがその後、16年に、拙速とは言わないけれども、また今度は更新制のみを中心にした大臣への諮問がありましたからね。その辺のことを考えると、更新制が必然的に出てきたというよりは、何となくそういう背景が必ずあるような気がしているんですね。
 そして、その後いろいろ議論をしたけれども、やっぱり非常に拙速だったんじゃないかなと思うんですね。特に僕は、実際に免許更新制が生きるのは10年後かと思ったんですね、最初は。なぜなら、まだ法律が通っていない。法律が通って、それから養成していくわけですから、そして、その大学を出て、その後10年後かと思ったんですが、現職に対してのみ更新制の施行が入ってきたわけですね。何となくそういう状況を見ますと、現職に対しての強制のような感じがする。
 そして、現職の負担、例えば講習を受けるための負担です。全く現職に個人負担になっているんですね。もちろん文部科学省は非常に努力していただいて、大学での講習開設のための費用、少数教科に対する費用、そういうような努力はされてきたんですけれども、実際、受ける側の教員から見れば全部自己負担という形になってきますので、もっと検討していくべき課題は残っていたと思うんですね。ですから、そのような課題についてはやっぱりいろいろ検討していただくということは非常に大事じゃないかなという気がいたします。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 免許更新制につきましては、最初にいろいろとご説明いただいた中にも、いろいろとメリット・デメリットも洗い出しつつ、これから検討するという方向性をお示しいただいていると思います。
 しかし、ほかにも6年制の問題、専門免許の問題等々、この教員養成部会で議論してきたことがまだまだあると思うんです。あるいは教職大学院ですね、今24あります、この4月から26になりますけれども、これをどういうふうにこれから持っていくかとか、いろんな問題につきまして、今日はあまり時間がありませんが、いろいろな問題につきましてもご意見あれば、ここでちょっとおっしゃっていただいて、最後に鈴木副大臣からというふうに思いますが、何かいかがでしょうか。

【岩瀬委員】
 全日本中学校長会の岩瀬と申します。
 初めて参加させていただいて、いきなりというのは気が引けておるんですけれども、言うべきことは言っておかないとと思っています。いろいろあるんですけれども、あるところで今の教員に一番必要なのは何ですかと聞かれまして、私は、「たいりょく」と「たいりょく」と言ったんですね。体力はもちろん「体」のほうです。もう一つの「タイ」は忍耐の「耐」なんですね。それがないとやっていけないというのが今の教員の現状なんですよというお話をさせていただきました。教員養成等でその資質の問題、いろいろ出てきますけれども、そこまで今、学校は来てしまっているんだな。もっともっと子供たちに感性豊かな先生がたくさん欲しいんですけれども、感性の前に、まず体そのものが頑丈じゃないと教員は務まらないという、そういう現状がありますので、お願いいたしたいと思っております。
 それは前置きなんですが、実は学校はいろんな意味で期待しております。先週、全日中のほうでは全国の理事会をやりまして、近々、教員養成部会が始まります、私委員ですというお話をしてあるんです。いろんな意見が出ております。それだけ今後の教員養成についてはどういう方向に行くのか、期待するものは大きいものがあります。一番のお願いは、猫の目じゃありませんけれども、ころころころころ変えないでほしいというのが一番のお願いです。この免許の更新制にしても何にしても、一回決まったらとにかくしばらくやっていただきたい。多少、我々は我慢します。だけど、だめなものは、それが政権の交代でぱっということではなくて、本当に議論した上で、これはやっぱりだめだというのであればわかりますけれども、そうではない要素で変わっていくというのは何か腑に落ちない。
 私ども教員は、特に中学校の場合には、子供たちにいろいろなことをやって、いつかおれの気持ちをわかってくれるだろうと思ってやっていますが、裏切られます。それに慣れているんです、こういうものだと。でも、いつかおれの気持ちをわかってくれるだろう。ですから、子供に裏切られるのは私たち全然怖くありません。それが私たちの仕事だと思っています。ところが、文部科学省が、いきなりころっと変わっちゃうというのは何だったんだという思いを強くしておりますので、せっかくこれだけの皆さん方が慎重にやっていらっしゃるこういう会だと思いますので、ぜひぜひきちっとした議論を尽くしていただいて、特に現場のいろんなことを聞いていただいて、それで話し合った上での結論をぜひ出してほしいなということを切に切にお願い申し上げたいと思います。
 以上です。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 では、郷先生。

【郷委員】
 全然違うことを申し上げたいんですが、小学校の教員の方たちは大体文系で、要するに理系があまり得意でない方が入ってくる、そして、その先生たちが理科も教えていらっしゃる。この問題は、私は、資源がない日本と言う国が科学技術立国として生きていかなきゃいけないというところで大変大きな問題ではないかとずっと思っておりまして、いろんなところでこの問題は取り上げられているんですけれども、やはりこの部会が小・中学校の先生をどういうふうに育成していくかという、教員免許更新の問題より、もっと根本的な問題があるのではないかと思います。
 今日はいろいろなことを抜本的に考えていく場だということを最初におっしゃっていただけたので、なかなかこの問題をどういうふうに発案していいか、私も長い間ずっと悩んでおりましたけれども、理科は、やっぱり非常に小さいときに先生が実験をして見せてくれると、それを子供たちがとても楽しいと思うことがとても大事だということは、今、アンケートなどからわかっておりますけれども、そこで先生があまり、実際にこれも私、前任でおりました大学で、いろいろな学校の理科実験で先生たちをバックアップするということを通していろいろ聞いたところによりますと、やはり子供の前で実験をするということが大変お得意でないと。とても怖いとか、例えば、ガスバーナーに火をつけるということも非常に今の先生方には苦手である。バンと音がすると、先生がキャーと言ったら、子供たちはやっぱり一遍に、ああ、それは怖いと。子供たちも今、マッチで火をつけるなんてことはなかなかやりませんから、それは一つの例でございますけれども、非常に基本的なことが私はやっぱりそこにあると思って、一つ今日はそのことを提起させていただきたいと思います。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 まだいろいろと根本的に幾つかの点で、この審議の中でいろんな話が出ておりましたから、お話しなさりたい方もおられると思いますが、時間がほぼ来ましたので、最後に鈴木副大臣からお願いいたします。

【鈴木副大臣】
 今日はどうもありがとうございました。幾つかお答えも申し上げたいと思いますし、ご理解もいただきたいと思います。
 まず、1点目の横須賀先生からお話のあった話は、私も大変興味深く聞かせていただきました。最終的には、この教職課程全体として、体系的、系統的な形式知というものを整理することと、それから、現場に基づく暗黙知を含めたもの等をどう整合的、融合的にやっていくかということで、それをそれぞれの方々が、知というものには両方の側面があるんだということを少なくとも共有していて、そして、それぞれに強みのある方々がチームでやっていくということなのかなと思います。これは教員養成にかかわらず、医師の養成にしても、法曹養成にしても、あるいは政策人材の養成にしても、いずれも同じ課題を、我が国の人材養成というものが今、負っている課題ではないかなというふうに聞かせていただきました。
 ただ、おっしゃるように、現場の先生方が自分のやってこられたことをきちっと振り返って、それを少し、もう一回学問的なパースペクティブで再構成するということは、すべての人にとって大事なことといいますか、ご本人にとってもそうでしょうし、日本の教育界にとっても大事なことでしょうから、例えば、毎日24時間365日全責任を負っておられるさなかに論文は書けないというのは私もよくわかります。しかし、そうした方々がその任を終えた直後あるいはその途中にそうしたものを整理する時間や、そういうキャリアというものについて、私どもも今、内部で検討いたしておりまして、そういう方々が最終的には次世代の教員を養成するというふうに、今日のご議論を踏まえて聞かせていただきました。
 それから、ピア・レビューというお話もそのとおりだと思います。それから、もう一つやっぱり、現場関係者からのレビューというものをどういうふうに入れていくかということも大事じゃないかなということで、ぜひこのご議論はさらに深めていただいて、教えていただければと思います。
 それから、フォローアップについても全くおっしゃるとおりでございまして、これも教員養成課程だけに限った話じゃないんですけど、日本のシステムというのは、新しく立ち上げるところはかなりハードルが厳しいんですけど、その後のフォローアップということ、これはピア・レビューとか、現場からのレビューということと表裏一体のことだと思いますけれども、フォローアップというのは非常に大事だというふうに思っております。
 実は私も、9月くらいまで私の周りにいっぱい教育学部の教育ボランティアを抱えておりました。やっぱり彼らの本音をよく聞くわけですが、今、事務方にも申し上げているんですけれども、教職課程にいる学生、あるいはその評判を聞いている高校生、あるいはそれを終えた直後の20代の教員、あるいは、教職課程をとりながらかつ非常に本人も教員を目指しながらかつ周りもそのことを望みながら、しかし教員になっていない人たちというのはいっぱいいるわけでありまして、そういう人たち、あるいは保護者、あるいは、そうした若手教員を日々指導しておられる中堅あるいは管理職の教員の皆さんとか、ぜひそういう方々の声を広範に聞きながら政策づくりをやっていこう、これが私の申し上げております現場との対話ということでございますが、そういうこともぜひあわせてお知恵をいただきたいというふうに思います。
 それから、教員免許更新、あるいは学力テストについて、お言葉でございますが、政務三役あるいは鳩山内閣の一員の中で、このことについてくだらないという発言をした者はいないということは断じて申し上げたいと思います。
 皆さんも感じておられると思いますが、私どもが闘っていかなきゃいけないのは、これは要するにマスメディア等々によるセンセーショナリズムだと思います。やっぱり私どもも含めて、メディアリテラシーとか、ソーシャルリテラシーということをきちっと持たないと、非常に不毛な議論の中に政策に携わっている者が縛られて、そして現場のニーズ、関心とはほど遠いところで不毛な議論が行われ、それがメディアに消費をされるという、この悪循環を断ち切っていくということが私は最大の教育改革だというふうに思っておりますので、少なくとも川端チームは、そうした不毛で消費されるためだけの、教育にかこつけた論争にはくみしないと、要するに挑発に乗らないということを心がけてきたつもりでございます。
 それと一方で、これまではなかなか教育に社会資源を投入するということを封じてまいりましたので、本来はそこに社会資源を投入することでもって解決すべき課題に対して、そこに対して政治として取り組んでいるポーズを示さざるを得ないがために、過剰な制度改革議論になっていたと、こういうふうに感ずるところがあります。したがいまして、これは制度の問題なのか、お金の問題なのか、人の問題なのか、またこれは中央で解決すべき問題なのか、地方で解決するべき問題なのか、現場で解決すべき問題なのかということを、なかなかすぐにはいかないけれども、ぜひ先生方のご指導を得て一つ一つそういう方向に持っていきたいというふうに思っております。
 おそらくは仕分けの議論が世の中に大きな混乱を招いたと思いますが、これは今日は大学関係の先生方も大勢いらっしゃいますので、ぜひともご協力をお願いしたいわけであります。まず、仕分けの位置づけというのは、私は若干、行政、政策形成過程論の勉強をいたしておりますので申し上げますと、今までの財政審議会に相当するのが仕分けでございました。つまり、これまでの財政審の答申は、財務官僚が事務局で書きますから、これは要らん、これは要らん、これは要らんと書いてあるわけです。一方で、中教審からは教育をよくするための答申をいただいて、しかし、財政審の答申も納税者サイドから見ればそういう見方もできるということで、両論を突き合わせて最後の予算編成過程の中でよりよい予算の使い方ということをやってまいりました。今回も基本的にその形成過程をとっておりまして、財政審がなくなったかわりに行政刷新会議というものが納税者の観点から一つ一つレビューをしてきた、こういうことでございます。
 民主党の基本スタンスが示されないということをよく報じられるわけでありますが、私どもはマニフェストであそこまで明確にスタンスを申し上げておりますし、総理の第1回目の臨時国会の所信表明演説でも、明確に「コンクリートから人へ」という方針を出させていただいて、そして、先ほどのような予算編成においても結論を、もちろん細部にわたっては改善すべき点はあろうかと思いますが、大きな流れを打ち出したというのが民主党政権のスタンスでございます。
 しかしながら、やはり納税者の観点からはいろいろな指摘がある。これは要するに弁証法のプロセスの中で、強烈なアンチテーゼを示していただく中で議論を深化させるというプロセスの一環で、ただ、今までの財政審答申と1点だけ違ったことは、通常、財政審の答申はその日の夕刊の1面を飾ってはいたわけでありますが、10日間にわたり、すべてのテレビをジャックするということはございませんでした。その点がまさにメディアリテラシーと申し上げたことでございまして、そこは我々も想定を超えたことでございますが、我々は、あくまで記者会見等々で非常に重要な意見の表明の場の一つであって、それ以上でもそれ以下でもないということで、参考にすべきは参考にし、しかし、主張すべきは主張すると、こういうことで臨んできたということでございます。
 そういう中で更新制等についてでございますけれども、これはもともと中教審では資質の向上のための制度であるというふうに確認をされ、国会でもそのことが確認され、そして導入された制度だというふうに思っております。私は累次にわたる記者会見で不適格教員の排除は別の制度、あるいはその制度の運用論、体制論でもって処理すべき話であって、そもそもの国会でも確認した教職員の資質の向上という観点から、この資質向上講習の意義を何ら否定するものではありません、と申し上げました。したがって、この点については引き続きやっていきたい。かつ来年度については、その趣旨をもう一度主宰者に確認をしていただいた上で、今日ご紹介申し上げたアンケート結果なども見て、端的に申し上げれば、選択の講習については概ねうまくいっているのではないかということでございますね。必修については、もちろん概ねうまくいっていると思いますが、もう少しその観点からいろいろ考えていただければと、こういうことでやっていただく。
 当然、これからの制度改正の中で、2単位といいましょうか、5日間といいましょうか、30時間といいましょうか、もちろんそのことで資質が向上されているわけですから、それで元は取っていただいているわけでありますが、とはいえ、そのことが制度論上もきちっと引き継がれるようなことはこれからの制度改革の中できちっと考えていきたいということは、私も何度も表明させていただいておりますので、そのことはぜひ今日さらに共有をしていただきたい。どのようにそれを引き継いで、評価して、発展、進化をさせるのかというのは、ぜひこれから皆様方のご尽力、ご指導をいただきたいと、こういうことでございます。
 それから、学力テストにつきましても、教員の資質向上という観点から、とりわけ現在においては教員の人事権が県教委及び政令市教委にある以上、そこの努力についての一定の結果といいますか、そういう傾向がわかるという観点から、その趣旨は死守をしたいということを申し上げて、仕分け会議では廃止という議論ではあったわけでありますが、学力テスト自体は存続させていただきました。
 加えまして、指導に生かせるというご指摘も全くそのとおりだと私どもは思っておりまして、この点についてはむしろ改善をさせていただいているつもりであります。つまり、今までは4月の結果が返せるのに半年かかっておりました。これは、指導に生かすという観点からはもう少し縮めるべきではないかということで、今回、国が同じ日に問題を印刷して配布をさせていただいて、そして、ここは若干、現場にご迷惑をおかけする点については、予算がないのでお許しとご理解をいただきたいわけですが、現場で採点をしていただいて、翌週から指導に反映していただけるというような形をとらせていただいておりますので、この点も、なかなかこういう場できちっとご説明する時間をとれなかったことはご容赦をいただきたい。1円でも予算をとるために、そこは十分でなかったことは心からお詫びを申し上げますが、ぜひそういったことでご理解をいただいて、徹底をいただければというふうに思いますし、それから、さらにこういう学力の把握というのは、もちろん、学力テストのみならず、日々していただくべきことでございますので、そうした観点から、いろいろとまたやり方についてもご指導いただきたいと思います。
 それから、理科のお話が何件か出てまいりましたけれども、教科も今の2教科でいいのかと、あるいは今の2学年でいいのかと。これはもちろん全く予断を与えるつもりはありませんけれども、理科や、中学校の英語などについてどういうふうに考えていったらいいのか。それから、私は、理科の中で、これはサンプルでいいと思いますけど、理科実験みたいなこともピックアップしていけば、そのことに対する関心という、重要性ということもできるのではないか。その辺はまさに皆様方のお知恵をいただいて、議論を深めていっていただきたい。そのための予算も4月から確保させていただいておりますので、そういう枠組みもつくらせていただきたいと、そのように考えているところでございますので、よろしくご指導をお願い申し上げたいと思います。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 まだまだほんとうは副大臣にお聞きしたいのですが。

【鈴木副大臣】
 1点だけよろしいですか。

【梶田部会長】
 どうぞ。

【鈴木副大臣】
 仕分けの話でくどいんですけれども、仕分けのことをもう少し詳しくご説明申し上げますと、ワーキンググループ3というところが対象でございました。19名のメンバーがおりまして、その9名は大学関係者でございます。それから5名はシンクタンクの関係者でございます。つまり、何を申し上げたいかというと、19票ありまして、いわゆるあそこに参画した議員は2名でございますから21票、21票中14票は知の現場で仕事をしていただいている方があそこにいらっしゃるわけであります。率直に言って、あの議論は、私も知の現場におった者として少しびっくりいたしました。先ほど申し上げましたように、例えば、その学校の問題なのか、その地域の問題なのか、あるいはその県の問題なのか、あるいは制度の問題なのかという議論が一緒にされている議論でありましたし、そのエビデンス、あるいはその分布のサンプリングなど我々が大学できちっと学生に教える議論の大前提についての議論が、なぜかあの14人の方々にシェアされなかったということは大変に残念でございました。
 これは何を申し上げたいかというと、私もそういうところにいた者として、メディアもさることながら、ご同業の皆様方にやはりそういったことをどうやってきちっとシェアをしていくのか、あるいは、おかしな議論になってきたときに、ちょっと待ったと、こういう議論がどういうふうにこれから出していくのかと、こういったこともこれからまさに進化をさせるべきことでございますので、そうした点もいろいろお知恵とお力をおかしいただければ大変ありがたいなと思います。
 以上でございます。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 非常に率直なお話も含めて、これからの我々の議論にいろいろと役立つ点があったと思います。
 それでは、ちょっと時間が過ぎましたが、本日はこれで終わりたいと思います。今後の日程等につきまして、事務局からお願いいたします。

【日向室長】
 次回の開催は、また別途ご連絡を差し上げます。
 以上でございます。

【梶田部会長】
 それでは、本日はこれで終わりたいと思います。どうも皆さん、ご苦労さまでした。

お問合せ先

総合教育政策局教育人材政策課

(総合教育政策局教育人材政策課)

-- 登録:平成22年11月 --