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教員養成部会(第3回) 議事要旨

1.日時

平成13年6月25日(月曜日) 10時~13時

2.場所

東海大学校友会館 「東海の間」

3.出席者

委員

 天笠委員、荒木委員、宇佐美委員、岡本委員、川並委員、齋藤委員、田村委員、千田委員、永井委員、野村委員、平出委員、松尾澤委員、山極委員、横山英一委員、渡辺三枝子委員、高倉部会長

文部科学省

 御手洗文部科学審議官、田中審議官、前川教職員課長

4.議事要旨

(1)教員免許更新制の可能性の検討についての討議

 前川教職員課長から配布資料についての説明のあと、自由討議。主な発言は以下の通り。

【委員】
 教育改革国民会議では免許更新制が話題になった。例えば新教科である情報の免許など、すぐに陳腐化するのが目に見えているのに、一度取得したら一生ものになってしまう。教師としての資質維持のためにどうするかが問題であり、そのための一つの選択肢として更新制がある。
 公立の教員は、各教育委員会で行っている研修があるが、私立の教員の場合予算措置がなされていないので参加できない。よって大学や民間の研修に参加せざるを得なくなっている。
 一般的な議論として、研修を勤務時間内にやるのも問題だ。外国では普通は土日や夏休み期間中に、自分の金と時間を使ってするものである。

【委員】
 更新制は、研修と大きく関わるテーマである。教員研修の体系化が機能しているか、きちんと見ておく必要がある。教員養成に関しては、実態とやっていることとのズレを感じる。個人としての職能の成長ももちろんだが、学校が求めているのは、組織としての力をどう発揮できるかということである。こうした現実と更新制はうまくからみ合うのか、どれ程有効なのかを、他の選択肢と比較して吟味すべきである。

【委員】
 前回の議論でも、研修は本当に役に立っているのかが問題となった。変化の激しい時代では、研修の定型化が体系化にくりこまれた形になっているのではないか。

【委員】
 現場では、大学で学んだことや、実習で身につけたこと以外の問題がたくさん出てくる。1年間の条件附採用の間に、医師のインターン制度のように、小・中両方の学校で教えることを経験して、最も自分にふさわしい校種を選べるようになれば、教員自身に自覚がでてくるだろう。
 免許更新制は教員の資質の維持・向上が主な目的だと思う。初任者研修や経験者研修をうけ、子供の前に立ったときに指導力として発揮されるかどうかを評価する部分が必要である。
 更新制の対象者を免許状の取得者全員とするか、現職の教員だけとするかも問題である。優秀な女性が免許を持ったまま家庭に入ってしまうこともあるが、幼児教育も小学校教育も、自らが親になって初めて学ぶことも多く、これを他の子供に還元することもできるので、専門性を高めることにもつながる。男性・女性問わずであるが、すぐに現職につかなくとも、ある時期が来れば本人の持っている専門性が十分に発揮されるような制度であるべきだろう。

【委員】
 免許状に関しては、稲城市では今まで小・中の連携は考えやすかったのだが、これからは中・高でも連携が進むだろう。小・中、中・高とひとくくりにし、上下が常にダブった形にすると、結果的には中学校には小・中の免許を持った教員と、中・高の免許状を持った教員が存在することになり、現場が実際に役割分担を行うことができるようになる。
 また、外国との比較の話が出たが、日本ではまだ教員に求められている職務内容が確定的なものではない。教員の職務内容にどの程度のことを期待されているのかがわかれば、比較もしやすくなるので教えてほしい。各国で教員に求められている職務内容が異なるので、外国とは一概に比較できないと思う。

【委員】
 採用の段階で初任者研修を行っているが、現在の初任者研修は、学校現場で負担となっている割には効果が十分でないように思われる。現に条件附採用期間を経て正式採用にならない者が皆無であるのにも関わらず、指導力不足の教員は多く、入り口の部分できちっとした指導・評価がなされていない。諸外国の例を見ても納得したが、実際に仮免許などで現場に立たせて不適格なら不適格と判断し、その代わり何らかの他の職を紹介するなどの、大きなスケールで考えることが必要だ。仮免許制度についてもう少し実効性のある中身にしていかなければならない。
 更新制の狙いは、教員の適格性の確保と専門性の維持向上である。例えば東京都では、指導不足教員には、強制的に研修を行った上でだめならだめと判断して分限処分を下す。更新制をとらなくてもやろうと思えば狙いは達成できる。東京都は専門性の向上についても5年・10年・15年の経験者研修を義務づけている。研修の成果はその後の処遇に反映される。もし更新制を導入するなら視野を広げて指導力の向上のために、民間企業や行政機関で半年から1年の社会体験研修を課していただきたい。

【委員】
 教育課程をいくら改訂しても、その実施については教員の力量形成にかかっている。総合的学習に関しても、校長・教頭等管理職の力量や使命感によってまるきり学校の状況が違う。今回一番肝心なのは、学校のトップである校長・教頭がどうであるかであり、トップが変われば教員の意識もかなり変わる。そういう視点から校長・教頭・場合によっては教育長の免許制の復活が必要であり、指導者層の養成システムを整備すべきである。教員に対しては、一生懸命な人は何らかの形で報われるシステムを作らなければならない。アメリカと違うのは、日本の教育は豊かな人間性の育成を教育のモットーにしており、教科の知・徳・体という幅広い教育課程を作り人間形成を全体に持ってきている。アメリカは学力中心で、教科のことだけやっていればよいという状況だ。いずれにしてもいかにしてやる気のある教員が報われていくかというシステムを作らないと、優秀な人材がなかなか出てこなくなってしまう。

【委員】
 私の大学では上級免許についの研修を行っているが、評価が出て試験の必要な方には皆きちんと出席しているが、いわゆる自主的な研修は人がだんだん人が少なくなっていく。さきほどの話題であったことだが、初任研で効果があがっていないとおっしゃっていながら、一方では不適格教員について研修を行っているので更新制は必要ないというのは、いささか矛盾のように感じられる。私の大学では研修を夏休みや冬休みに行っているが、長期休業中は本来教員の休みではないのに、自分の安息日としてまるで既得権のように休んでいる教員も中にはいる。勤務の状況をはっきりさせると同時に、研修についても集中的に夏休み等を利用して、しっかりした単位認定を行えば、研修の実利はあるのではないか。このようなシステムであれば更新制に代わる研修と言えるだろう。
 特に情報の教科などでは、何年かに一度は研修を行い評価をすることによって、免職という制度ができてくると思う。

【文部科学省】
 初任研についての補足をしたい。文部科学省は、初任研については採用されてから1年間行われ、その間定数上及び非常勤講師についての措置をし、代替教育に問題が生じないようにして、計画的な研修が行われるようにしている。各都道府県にきちんとやってもらうようしっかり指導している。少なくとも、初任研をやるからその時間が自習になるなどということがないように、しっかりと財政措置はしている。指導教員などは、校長・教頭が把握して責任を持って初任研の運営にあたってもらうようお願いをしているところである。

【委員】
 初任研は負担になっている部分もあるにはあるが、研修の体系化は完成されてきている。経験者研修を積んで、個人としての職能の成長をどう組織に取り込んでいくかが大事だ。形としてはいろいろあるが、私としては研修の一定の効果はあがっていると思う。若い教員の指導に当たる者の力量もかなり重要視されるべきだろう。

【委員】
 初任研については若い人が来るので、学校が活性化する。学校全体が新任教員に対して指導体制をとり、どう意欲を育てるか、組織の中でどう生かすかが重要である。また、初任者が研修に行っている間を自習にしないように、学校全体で努力するべきである。
 日本は、諸外国の教員養成のいいところを取り込んでいるが、仮免許の可能性も含めて考えたらどうだろうか。

【委員】
 プロフェッショナルな教員養成のために、更新制は必要ではないかと思う。「やらされる研修」では教員の態度も非常によくない。子供を前にした校内研修をやらなくてはならない。提案授業など能動的な研修が望ましい。
 上司から学び、本を読む教員が望ましいが、学習指導要領すら読まないような教員もいる。不適格に近い教員をフリーパスにしないように、さまざまな自主的主体的な研修を設けるべきだ。再度、試補制度の導入を考えてみてはどうか。思想・信条をチェックされるような形ではなく、育成するための試補制度は必要ではないか。子供・教員両方が幸せになるためのチェック機能が必要であろう。

(2)特別免許状の活用をはじめとした社会人活用の促進についての討議

【委員】
 社会人活用については、qualifiedと責任の所在、professionと大学における教員養成が問題となる。

【委員】
 学校と地域の連携で、地域の人材活用である特別非常勤講師は今後ますます定着し、進んでいくだろう。しかし、特別免許状の有効期限が5年であることや、現在の採用状況から考えると、特別免許状を活用するのはなかなか困難なことと思われる。長期社会体験研修ともからんでくる。

【委員】
 社会体験研修をセットにするなら、はじめから社会人を採用してはどうだろうかという考えで特別免許状があるように思う。

【委員】
 特別免許状の全体像というか、仕組みが見えてこない。社会人の学校教育への参加は必要だが、採用計画を考え直さないといけないだろう。もっと全体的な計画が見えるような形で社会人の登用も行う必要がある。

【委員】
 特別免許状は、活用するかどうかは別として、その存在自体に意義がある制度だと思う。活用は現実的ではない。これよりはむしろ、教育の責任の共有と役割分担ができる、学校支援ボランティアの拡充を図った方がよいのではないか。

【委員】
 同じく、特別免許状には存在自体に意義があると思う。地域のコミュニティを作るために存在するものだ。
 教育職とはprofessionalなのであるから、他の分野でプロだったといっても、教育の場においてプロになるとは限らない。単に知識の付与であれば、非常勤講師に委ねればよいのである。TTや情報交換であったら、教員としてはいらないだろう。

【委員】
 社会人教師の役割とは、閉鎖的な学校に新風をふきこんでくれることである。しかし、報酬をもらっている特別非常勤講師と、無償で働いている学校ボランティアが混在する状況は、どうもしっくりこない。情報マネージメントがうまくいかない。

【委員】
 私の学校では、総合的な学習の時間に報酬のある英語のALTを活用し、保護者からボランティアで司書をやってもらっている。人材バンクを作り、学校外の方からそれに登録していただいて、ボランティアで働いてもらっている。

【文部科学省】
 確かに特別免許状は、制度全体の必要性というよりも、むしろ規制緩和の観点から出てきたものであろう。ただ63年当時は今よりまだ採用状況がよく、多くの特別免許状による採用者が出たのであろう。しかし現在は採用状況が厳しく、なかなか採用システムの確立には至っていないが、数年後は採用者数の増が予想されるため、特別免許状制度の在り方をどう考えるべきか再検討の必要がある。
 また、特別免許状は、教育の専門性を高めるため、例外的に専門職としてのさまざまな技能を社会人教師に求めるというものである。今後は教員個人としての職能成長以上に組織全体としての教育力向上が望まれ、同質の免許状を持った教員だけでは成り立たなくなっている。これらのことをトータルに議論する必要があると考えている。

【委員】
 社会人教師は、閉鎖的な学校に民間の風を吹きこむという点で意義はある。長期的な展望では、今後子供の数も増え、教員採用は若干増えるであろうが、現在の状況では、特別免許状の一層の活用促進は難しいであろう。

(3)今後の日程について

 次回は7月5日、次々回は7月16日を予定している旨事務局から連絡。

5.閉会

以上

お問合せ先

総合教育政策局教育人材政策課

(総合教育政策局教育人材政策課)

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