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教員養成部会(第2回) 議事要旨

1.日時

平成13年6月18日(月曜日) 10時~13時

2.場所

東海大学校友会館 「三保の間」

3.出席者

委員

 今井委員、宇佐美委員、大南委員、岡本委員、川並委員、齋藤委員、千田委員、永井委員、野村委員、平出委員、宮崎委員、山極委員、横山英一委員、渡辺三枝子委員、木村分科会長、高倉部会長、横山洋吉副部会長

文部科学省

 御手洗文部科学審議官、玉井官房審議官、前川教職員課長、小松幼児教育課長

4.議事要旨

(1)教員免許制度の総合化・弾力化についての討議

 前川教職員課長から配布資料についての説明のあと、自由討議。主な発言は以下の通り。

【委員】
 大学での教員養成カリキュラムにも関わってくるが、免許制度は、教員養成制度と教員採用制度に深く関係があり、今、これにズレが生じてきている。現在、国立の教員養成大学のうち、従来通り学校種別のままである大学は、大阪教育大学、千葉大学、熊本大学の3つであり、48大学中39大学は、一本化された「統合型」に変わった。国立の教員養成大学の学部が学校種でではなく、初等と中等に分かれたりしている。一般的に、小学校1種免許を基礎としており、国立の教員養成大学には、小学校養成特化論がある。また、地方では小・中免許の併有が求められている。幼と小、中と高の連携・接続以外にも、小・中の義務教育段階をひとつにするという意見もあり、全体的に考える必要がある。

【委員】
 平成10年に免許法を改正したばかりであり、免許制度の早期改正は心配である。大学の教員養成カリキュラムは職業訓練であるのだから、腰を据えて取り組んでいかないといけない。一般大学には特に影響が大きい。大学側が養成の在り方そのものをきちんとチェックしていかないと、制度そのものが死んでしまうおそれがある。
 また、改正の主な理由としては、社会的事件への対応などではなく、様々なことを視野に入れて免許制度のあり方そのものを考え直していくべき。総合化・弾力化については、その中でも小・中の義務教育をひとつにし、連携・接続をはかることが大事なのではないか。
 中・高の免許の中に職業指導があるが、現在はほぼ死んでいる。生徒指導も含めたガイダンス・カウンセラー(教師)として改めて復活させるか、専修免許で置くということを考えてはどうか。

【委員】
 カウンセリングの内容を全校種に入れるなど、免許状取得要件の中でも、総合化・弾力化がすでに進んでいるような気がするが、それについてはどう考えるか。

【委員】
 そのまま総合化・弾力化を進めていただいていいと思うが、本来の趣旨が生きていない内容をやっている大学が多く、この改正により大学側が混乱したのではないかと責任を感じている。

【委員】
 教育経営学会に出たときに、国立の教員養成大学は小学校に特化すべきということと、制度の改正が早すぎるのではないかという話があった。

【委員】
 発達論から見ると中・高をひとつのくくりでとらえるのが妥当ではないか。資料からも、小・中間での異動が多いのがわかるが、これは、小・中の任命権者が同じであるという人事上の問題で、そうなるのではないか。ただ、最低限の学力を身につける点から義務教育論もある。
 小・中の接続の時点でつまづく者が多いが、義務教育で連携すれば問題はない。
 幼・小だが、幼児教育には幼児に関する深い理解が必要であり、安易に連携するのはどうかと思う。総合化・弾力化は、幼児教育には馴染まないのではないか。また、幼稚園教諭は短大での養成が主流だが、むしろ他校種より長くて良いと思う。

【委員】
 幼稚園教諭については、2種免許状のあり方をどうするかも問題。

【委員】
 教員養成に対する考え方が師範学校の時代と変わって開放制となったのは、良かったのか悪かったのか、考え直す必要がある。
 また、現行制度では、幼・小であれば、どちらか一方の実習でよいことになっているが、両方で実習をさせるべき。幼稚園と保育園の免許を取る者は併せて8週間の実習を行っているが、それでも実習が足りない。もっと現場の声を聞き、それに即した教員養成を行うべきだ。学力よりも人間教育が大事である。

【委員】
 学校種・教科の専門性に応じて連携を考えるべきだ。また、弾力化・総合化は、制度で行うのか運用で行うのか、考える必要がある。
 学習段階については、小1~4のグループで一つに分けることができ、読み書きそろばんや人間としての基礎を教える時期である。二つ目には小5、6~中1、2のグループで、教科の基礎基本を教え込む時期である。この段階に入れば、算数と理科は、教科をしっかり教えられる先生がもつべき。三つ目は、中3~高3のグループで、ここでは個性の伸長が主眼である。以上のような視点から免許制度を考えることも必要ではないか。

【委員】
 現在、中・高の免許を取ろうとすると、小学校がとれない。小学校免許がうまくとれる方法はないのか。また、養護学校の免許が、小を基礎免許にするところが多いので、中・高もとりやすくしたい。
 教育実習では、統計的に見ても、教育実習に行く人の中で三分の一しか教員になりたがらないし、なれないということが問題だ。
 また、設置者が異なる場合には授業ができないので、県立の盲・聾・養護学校から地域の特殊学級に教えに行けない。養護学校の免許を持っている教員が、巡回指導という形でまわることはできないか。これらができるようになると盲・聾・養が地域のセンターとして機能する。
 なお、人事上、教員は3年以内で異動になるので、特殊の専門性が低下している。また、最近は盲・聾・養護学校が、新任教員の養成コースになっているのではないか。特殊教育についての理解にはいいかもしれないが、専門性の見地からはどうだろうか。

【委員】
 東京都で中・高の免許状の併有を条件としているのは、免許状の併有については申告していない人もいるので、実態はもっと多いだろうという前提があったからである。さらに、中高一貫教育はこれからの流れである。ただ複数免許が修得単位の増加を招き、学生に負担がかかって資質低下につながったら本末転倒であろう。
 指導力不足教員については、その原因は養成なのか採用なのか研修なのか。免許制度とからめて何かできないか。仮免・本免をもうけて3年くらいの条件附採用期間が見られれば対応できるのではないか。

(2)免許更新制についての討議

【委員】
 前回は、総論的には賛成、各論的にはどうかという話が大勢であったように思うが、もう少し突っ込んだ話をお願いしたい。

【委員】
 私は総論的にも更新制には疑問を持っており、はじめに更新制ありきの議論は問題だと考えている。更新制は何のために行うのか。全体的な資質向上のためか、それとも指導力不足教員の排除のためか。具体的にどこに原因があり、どこを直せばよいのか。養成では現場を踏まえたものになっているのか。初任研は法律の意図にのっとってきちんと行われているのか。アメリカでは、5%が免許を更新されないと聞く。また、5年研修、10年研修では、教職としての職能の成長が助けられているのか。このような点をきちんと議論しなければならない。
 アメリカでは現場と密着した教員養成が行われているが、日本の教育実習は形式化している。教育実習やインターンも含めて総合的に論じるべきである。

【委員】
 問題のある教員にも資質の向上をめざして自己啓発する機会を与えたいが、そういうシステムにたっていない。公立学校の教員は公務員制度に守られ危機感が足りないのが現状である。明らかに教員に向いていない者もおり、そういう人物は教壇に立たせるべきではない。5なり10年の更新を義務づけ、それぞれの教員に合った研修の内容を考えるべき。また、更新の際に1年程度の企業や福祉施設への社会体験研修も資質向上の観点から義務づけるべきだ。

【委員】
 小中学校と異なり幼稚園の数は約4割が公立で6割が私立である。公立幼稚園の教員の採用については、約6割が行政職採用となっている。このように複雑な状況にあり、どのように更新制に対応するのか。

【委員】
 中学校の現場から言うと、教育実習にきた学生は始めと終わりでは顔つきが違っている。教員の資質能力はすべて研修にかかっているのではないか。ライフステージに応じた研修を実施し、特に人間性を錬磨していくべきだ。
 小・中・高の接続が非常に重要なので、これに対応できる免許を持った教員がいると大変助かる。
 諸外国に関する話が出たが、状況がいろいろ異なるので一概に外国の方が良いとは言えないだろう。

【委員】
 現場において病気休職している教員の割合が徐々に上がってきているが、この問題をどうすべきか。純粋な指導力不足教員は少なく、これは研修で対応するとし、教職についていない免許取得者に関しては免許更新制で対応するのか。更新制は不適格教員の排除だけが目的ではないと思う。
 教育実習については形骸化しており、すでに免許取得を卒業要件としない課程もあるが、向いていない者には実習単位をつけなくても卒業できるシステムを作ってほしい。
 また、教育実習、インターンシップの問題では、期限を長期にすれば大学と密接になるのではないか。

【委員】
 保護者の立場からは、不適格教員が現場にいるのは非常に戸惑いを覚える。研修の在り方をどうこうするだけで彼らは変わるのか。危機意識が足りないのではないか。研修には評価がない。教員が研修から帰ってきても何も変わらず、何の効果もないように思う。どのようなことをやっているのか、研修の内容を明らかにしてほしい。

【委員】
 実践的指導力が付くようなカリキュラム編成が望まれる。しかし、10年免許法改正後の教員がまだ第一線で働いてもいないうちにまた改正するのは拙速である。1年間の条件附採用期間や研修後の学習効果の評価を、きちんと行うべきである。評価の在り方が検討されなければ、更新制を取っても今とあまり変わらないのではないか。

【委員】
 分限処分及び条件附採用制度が機能し、転職制度が成立し、教員の業績評価が確立し、養成・採用・研修の抜本改正がなされたならば、免許更新制はどれほどの意味があるのか。更新制が効果的であるか議論することが必要である。
 また、ペーパーライセンスの失効の問題は、他の資格でもそのようなものがあるのか教えていただきたい。
 教科の総合化に関して、教育課程部会では議論がどのように進んでいるのか。

【文部科学省】
 タイムスケジュールが決まっておらず、今後の議論による。

【委員】
 次回は事務局に諸外国の免許制度に関する資料をお願いしたい。

(3)今後の日程について

 次回は来週の6月25日、次々回は再来週の7月4日を予定している旨事務局から連絡。

5.閉会

以上

お問合せ先

総合教育政策局教育人材政策課

(総合教育政策局教育人材政策課)

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