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教員養成部会(第12回) 議事要旨

1.日時

平成13年11月13日(火曜日) 14時~16時

2.場所

文部科学省分館 2階201特別会議室

3.出席者

委員

 荒木委員、今井委員、小川委員、斎藤委員、千田委員、野村委員、平出委員、松尾澤委員、山極委員、横山英一委員、渡辺委員、鳥居中央教育審議会長、木村分科会長、高倉部会長、横山洋吉副部会長

文部科学省

 御手洗文部科学審議官、結城官房長、矢野初等中等教育局長、玉井審議官、加茂川審議官、名取主任社会教育官、山中政策課長、竹下教職員課長

4.議事要旨

(1)素案(教員免許更新制の可能性)の審議

 事務局より説明の後、質疑応答。主な発言は以下のとおり。

【委員】
 この素案に基づいて本日の議論を進めたい。

【委員】
 最初の案より内容的に変わっており、前回提出した自分の意見の趣旨も取り入れられていると思う。1ページの1.の表題は、「更新制をめぐる背景と検討の視点」とした方がよいと思う。更新制については、適格性の確保の方法、時代や社会の変化の中での専門性の向上、それらを含めた学校に対する保護者等の信頼回復の3つの視点で議論しており、2ページの趣旨を整理してその視点からまとめてはどうか。また、更新制は社会や保護者等にはその理解が必ずしも進んでいるわけではない。更新制の効果としての教員の資質や専門性の向上、不祥事を防ぐ適格性の確保に期待があるのであって、更新制自体には必ずしも期待していないのではないか。その点を正確に書いた方がよい。
 3ページにある条件付採用は、教員としての実践的指導力を育成するための制度であって、非違行為のある教員を排除するものではないので採用制度の記述の後にする方がよいと思う。私立学校についても、学校ごとに状況が異なり、公務員法の適用もないが、免許法の対象ではあるので研修制度等で何か記述があった方がよい。
 8ページからの、力量向上のための「趣旨を踏まえた提案」は大きなポイントとなる部会としてのまとめである。人事管理システムの構築のところで表彰制度を絡めて書くにはかなりの説明がいる。公務員の給与制度についての検討をしているところなので、その中で議論するならそこに譲った方がいい。元の案でいいのではないか。
 免許状取上げの強化には異存はないが、免許が取り上げられると他の学校で雇用されなくなるため、慎重に扱わなければならない。非違行為以外による取上げについて、客観的な基準を書く必要がある。最近、労働委員会での係争に私学関係が多いと聞いているので、安易なリストラによる免職は問題である。
 研修については、初任者研修、職に応じた研修など、現職研修の制度がかなり整備されているが、教養審第3次答申において受け身的という指摘がある。教員個人が年度始めに研修計画を立て、それに基づいて研修し次年度につなげられるよう、基礎基本と個々の得意分野がそれぞれ修得できる研修が望ましい。多様なニーズに応じて研修内容を豊富にし、講義形式ではない自主的、主体的な研修に改善するのが3次答申の骨子であり、素案もその趣旨での書き方はできている。9ページで、採用されてから10年目の研修制度の「創設」とあるが、10年目の経験者研修は既に全国で約83%実施されている。それとこの創設する制度にどのような違いがあるのか。より能動的な研修に改善し、それが現場の教育に跳ね返るようシステムを整備するということなら、充実の表現でいいと思う。また、5年目から20年目の経験者研修に全国で約1億円が補助されているが、更新制に代わるこの10年研修を本当に充実させるなら、研修中の教員の代替補充も含めて国が予算措置をするべきであろう。そうした条件整備が不十分では形だけになる。研修を整備している県は予算的に苦しいと聞く。
 新たな評価制度の導入について、来年4月から全県で委託研究に入るが、まだ地方が主体的に評価を実施できるほど実践的な研究はされていない。新たな制度をつくるには、評価の観点や大枠を調査研究する検討チームを作る必要があると思う。

【委員】
 10年研修を「創設」というのは、従来との違いが何かについて説明が不十分である。予算措置等条件整備や、評価をする場合の枠作りの検討チームということもあるだろう。「創設」ということについて事務局から説明されたい。

【文部科学省】
 「信頼される学校づくり」の検討チームの必要性については、11ページ(3)にあるように、公務員制度改革の方針が年内に出ると思われるが、その全体の位置づけを見て、評価システムについて検討していくこととなるので、現時点でお答えするのは困難である。「創設」する研修の従来との違いは、教員個々の勤務実績やこれまでの研修実績を踏まえ、ニーズに応じた画一的でないものにしていく点である。また、教育委員会が自ら実施するものに限らず、民間や大学院などでの研修を取り入れ、苦手分野、得意分野に対応したメニューを用意し本人に最もよい研修をするなど、大きく改善を図るという意識で「創設」と表現した。予算措置の件は、国も財政は厳しいが、この10年研修の実際の内容を検討した上で、支援のあり方を今後考えていく。

【委員】
 支援措置等については、具体的な記述は難しいとしても努力の表明は必要であろう。

【委員】
 教員の指導力等の向上と緊張感が欠けている点を考えると、11ページの「信頼される学校づくり」の表現が弱く、物足りない。教員の資質をどう向上させていくかを挙げるべきである。学校評議員制度等だけでは何も変わらない。年度末に課程評価をしている学校もあるが、教員の指導力向上とは関係ない学校行事などについてであって、教員に関わる情報は出て来ない。力量の向上という視点から、教育の成果に関する評価をデータに基づいて公表する必要がある。例えば小学校なら基礎学力、中学校なら県の平均点や各学校の平均と比べた高校入試の学力テストの点数などである。また、絶対評価となった成績を親にどう説明し子どもを評価するのか。今のような内向きの評価ではなく、教師の向上や授業内容で評価されなければならない。

【委員】
 もっと具体的な施策の提言を盛り込む姿勢が欲しい。

【委員】
 以前の素案に比べて数段よくなっている。ただ、検討してきている3点の背景が、全体のはしがきを作った場合、その部分と重複してしまう。8ページの4.のところで3つの視点を明記するとよい。
 採用から10年を経過した後の研修を制度化することについては、10年研修という制度だけが一人歩きする印象を持つので公表の仕方に気をつけるべきだろう。初任者研修からの10年目までの研修歴を個々の教員が明確にし、評価が行われなければいけない。また、従来の研修との相違や関連を具体的に記述する必要がある。なお、「緊張感」という言葉を3回も使っているのは不適切だと思うので手直しをした方がよい。

【委員】
 10月9日の案では、従来から県で実施している研修と内容が変わらないと考えていたので、それを義務づけて評価することについて危惧していた。しかし、この修正案ではこれまでの研修とは大きく中身を変え、多様な、選択的な研修内容を構想しており、ライフステージに応じた自発的研修を支援する性格が明示されているので、その危惧は払拭されたと感じる。この義務づけ研修の成功の要は、従来とは異なる内容を充実させることなので、「創設」という表現を強調してよいと思う。10年で区切るのか、中堅教員の研修を義務づけるのか、どちらがいいかわからないが、ポイントをどちらに置くかは県によるのではないか。10年にこだわる理由がもう少し欲しい。また、成功するためには国の支援が重要である。研修加配が国レベルで措置されないと県で実施が進まない。財務省で第7次定数改善計画の見直しを考えているといった話も伝え聞く状況の中で、国の支援が不可欠なのでその旨を報告書に盛り込みたい。学校評価や教員評価システムの研究についての記述があるが、この案ではどこが主体でやるのか不明確である。文部科学省が国としての責任で研究をするとした方がよい。都の人事考課制度、主幹職の創設、給与表の見直しのような県レベルの取組が進んでいるが、国レベルの基準づくりも避けられない。

【委員】
 教養審の3次答申では実施を県に求めていた。実施する主体を明確にしたい。

【委員】
 更新制の可能性について中教審に対する諮問を重く受け止めているが、その導入について「結論を出すのは時期尚早」という結論でいいのか。制度上の問題などが理由とすると将来的にも不可能である。実務的な条件整備でこの問題をクリアするには仮免許状制度しかないというのが私どもが検討したところの結論である。教職に就いていなくて免許状を持つ者の更新は物理的に不可能なので、将来的には仮免許状とし、条件付採用の後に本免許を授与することにすれば、当然更新は現に教職に就いている者が対象になるので実務的には問題はないと考える。7ページの「仮免許に限界がある」のところで、今後更新制を議論する場合、仮免許とリンクすれば可能といった言及ができないか。

【委員】
 現職教員に限定した更新制の実現のため考えられる制度を、仮免許も含めて事務局で検討中である。その結果を中間報告か本答申で反映させたい。

【委員】
 更新は事務量が膨大というが、エリアの限定などを行うことができれば事務的には可能ではないか。

【委員】
 「時期尚早」というと、いつならいいのかということになるので、その点を考慮した表現にする必要がある。
 研修についてだが、確かに制度は体系化されてきている。しかし研修に消極的な教員がいる。子どもの問題がこれだけ深刻な状況にもかかわらずそうした専門書も読まない、大学が図書館を開放しても教員は利用しないなど、国民から批判がある。不適格まではいかないが力のない教員も多く、研修の体系化だけでは済まないのではないか。更新制の導入によってそれらの問題が解決できると主張してきたが、代替が研修とすれば、体系化だけでなく内容を充実させるべきである。また、勤務評価では研修を十分理解し子どもに反映させたかを評価しなければならない。例えば5年目の研修を受けて評価が低い教員は再度受講するようにすれば日常的な研修につながるだろう。自主研修にも自己評価が必要である。校長がリーダーシップを取り、研修内容を勤務評価に反映させる。評価を厳しくすることで、更新制に代わるものが実現できる。

【委員】
 10年研修のところで、任命権者による命令研修と自主研修が混在している。放課後や夏季休業中に自費参加させる研修とあるが、夏季休業中は給与が支払われる勤務日であるので自費研修にはならず、勤務としての研修となるのではないか。勤務時間外の研修が自費研修である。例えば派遣研修も、休職・休業して民間等で研修するなら自主、自費による研修だが、給料を得て行くなら本来の自主的な研修とは違う。その辺りが明確でない。10年研修は、自分で選択した研修でも命令研修として位置づけ、レポート等を評価し不合格なら再研修させるとか、あるいは評価が次のステップにつながるといった研修にする必要がある。またそれとは別に、休職・休業による自主研修の機会を与え、その間の代替教員を配置するといった措置をするのがよい。

【委員】
 10年研修は、命令研修を原則として、自主研修に関する部分は整理するか、命令研修に一本化するか検討したい。これまでに研修が体系化されて大学院への進学が発展してきたが、給与を得て行く大学院派遣のみを手段とすることに問題意識が生じ、自費で研修するべきという議論が大学院修学休業制度の背景になった。

【委員】
 夏季休業中でも命令によらない承認による職専免研修があり、それは自主研修と位置付けられる。公的な命令研修としての参加、あるいは自分のテーマに基づく職専免の自費研修としての参加を併せて考えるべきだろう。

【委員】
 この辺りを考慮して丁寧な書き方で表現したい。

【委員】
 「民間教育事業者」という言葉が使われているが、「民間組織等」にするとよい。

【委員】
 10年の研修に関して、現在の経験者研修は単に履修すればいいという認識を持つ者も多いが、子どもを導く職にある教員は子どもの能力を実際に高める指導ができなければいけない。研修を完全修得主義とし、相当する力量を備えたと評価されなければ再受講させるようにしたい。10年目で身に付いているべき実践上の資質が実際にあるかを見て、なければ研修で身に付けさせる。必要な適格性を備えるための研修を厳密な評価によって確立し、それを受けた教員を現場に立たせるのが重要である。

【委員】
 評価の問題が多数の委員から指摘されている。その辺りをさらに整理したい。

【委員】
 10年研修の位置づけだが、研修させれば全ての教員が向上するということはあり得ず、向き不向きもある。10年研修は、これを節目に教員としての自分を見つめ直す機会となってほしい。専門性の向上を図るための具体的な仕組みづくりがわかる記述が必要である。
 保護者は、学校や教員の評価の前に、子どもの育成に望ましい教員像や授業内容などについて考えている。そうした保護者の希望に取り組んでいる学校は、例えば授業は基礎基本の徹底なのか、体験型か、習熟度別かなど、細かい質問項目のアンケートを採っている。保護者や地域からの情報を吸収して計画を立てるのが重要である。11ページの2.の、「学級担任を通して」の部分をもっと明確にしたい。クラスの情報を毎日出す教員もいれば、週1、月1の教員もいる。子どもたちの情報がわかりにくい。特に知りたいのは子どもたちの学校での人間関係である。トラブルが起きたときは1週間以内に家庭と連携して指導できるよう情報を出してほしい。これは校長のリーダーシップに期待するのではなく、各教員が当たり前のことを実行することで、それにより向上していく多くの部分があると考える。

【委員】
 10年研修は、各任命権者が実施の責任を持つとした方が制度として明確になるが、それはセンター研修のような会場に集まる研修なのか。要件を明示する必要がある。また、「信頼される学校づくりのために」の書き方は更新制の可能性を追求する立場としては中途半端である。学校評議員制度活用の部分でサポーターについて書かれているが、現実的には学校評議員制度は校長、教頭の仕事とされ、各教員は自覚的に捉えていない。そういう状況で各教員に要求される専門性を明記するべきである。2.の学校からの情報提供では、教員は自分の取組について説明する力が乏しいので保護者や地域は納得していない。それが学校と保護者、地域の間に溝を生んでいる。校長のリーダーシップに期待するのではなく、情報提供に際して求められる教師の専門性を明確にするべきである。関連して、「授業の公開の拡大」で教員が何を考えるべきかを具体的に書く必要がある。

【委員】
 学校への信頼を回復するために、教員の適格性確保、専門性向上があるのではないか。最後の「信頼される学校づくり」は位置づけが不明確なので、更新制との絡みで整理する必要がある。専門性とは何かについて、保護者だけでなく専門家で議論し、研修でこのレベルまで教員を育てなければいけない、この年齢の教員はこの程度の能力が要求されるといった、社会変化や学問背景、子どもの成長発達を踏まえた国レベルの枠組みを提示すべきである。ここで提言しなくてもその研究は早急に必要である。それがあって初めて、専門性の向上が、更新制に代わり研修制度で補えると言えるだろう。しかし、地方の担当部局を見る限り研修は体系化されていると思えない。評価以前にプログラム開発をしなければならない。なお、3ページ(3)1.「条件付採用」は、内容的におさまりが悪いので別の場所に入れてほしい。

【委員】
 適格性、専門性、信頼される学校づくり、の3項目は構造化し、更新制と絡ませるべきだろう。研修をより体系化して内容を充実させる。評価のシステム及びその結果の活用が教育の質の向上に結びつかなければならない。以上が多くの意見であった。方向性は全体的に賛同を得られていると思う。

【委員】
 研修の評価をどうするかが問題である。自分が外国で参加した研修には試験があったが、それが当然のような意識改革が必要と思う。例えば、フルブライトで日本に来る教員が最後に提出するレポートの内容は非常に濃密である。日本であれば感想文レベルで終わるだろう。フルブライト担当事務局はそれを見て、レポートの結果が良くない地方は次の年から派遣しないようにしてしまう。プログラム開発がなければ適正な評価はできないので、研修と評価を一体と考えて進めなければならない。

(2)今後の日程について

 事務局より、次回11月19日(月曜日)以降の予定について説明。

5.閉会

以上

お問合せ先

総合教育政策局教育人材政策課

(総合教育政策局教育人材政策課)

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