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教員養成部会(第9回) 議事要旨

1.日時

平成13年10月9日(火曜日) 13時30分~16時

2.場所

霞が関東京會舘 「ゴールドスタールーム」

3.出席者

委員

 天笠委員、荒木委員、今井委員、宇佐美委員、大南委員、岡本委員、小川委員、川並委員、田村委員、永井委員、野村委員、平出委員、宮崎委員、山極委員、横山英一委員、渡辺委員、鳥居中央教育審議会長、木村分科会長、高倉部会長、横山洋吉副部会長

文部科学省

 矢野初等中等教育局長、加茂川審議官、山中政策課長、竹下教職員課長、石井教育大学室長

4.議事要旨

(1)今後の教員免許制度の在り方についての全般的討議

 各項目につき、竹下教職員課長より配布資料に基づいて説明の後、質疑応答。主な意見は以下のとおり。

「教員免許状の総合化・弾力化」

【委員】
 総合化・弾力化の方向性についてはどうか。

【委員】
 小学校の専科の拡充と定数改善について質問。現在専科教員の数は定数に応じて決まっているが、拡充というのは定数も緩和されると捉えて良いのか。

【文部科学省】
 本年度から実施している第7次定数改善で、習熟度別の小人数指導、発展的学習等のための定数加配は既に可能になっている。算数、理科への専科拡充が実現したら、中学教員が小学校の専科教員として異動すること、また隣の中学の教員が小学校での指導を応援するといったことが考えられるが、拡充により新たな定数改善をするものではない。

【委員】
 基本的にこの方向性に賛同する。

【委員】
 ストレートマスターにそのまま専修免許を授与しないという考えについてはどうか。

【委員】
 教育改革国民会議の議論で、ビジネススクール、ロースクールと並びエデュケーショナルスクールが出た。学校現場ではマスターを修了しただけでは役に立たないという意見が強い。ビジネススクールは必要に応じて作られた、内容が実務に役立つ学校である。エデュケーショナルスクールはそうした発想に馴染むのかどうか、専修免を議論するならそこについて考えるべきではないか。

【文部科学省】
 教員養成分野におけるそうした検討の必要性について他の会議でも触れられている。そこでの専門大学院の考え方は、教職課程をとらなかった学生に教職に必要な科目の講義をして養成しようとするものだと聞いている。

【委員】
 専修免許が教員としての資質能力にどう反映されているのかが不明な現状である。現職経験、またはそこで得た問題意識をマスターで学び、専修免許を取得することが指導力向上などにつながるのではないか。

【委員】
 今現場で求められているのは学問的な知識より実践的指導力である。ストレートマスターよりは一定の教職経験、検定等を課し専門性を高める方がいいと考える。将来の処遇改善の問題だが、地方公務員である教員の給与等のモデルとなっている国立学校が独法化した後は何を元にするのか。専修免許を多くの人が取得できるよう環境整備をし、その上で処遇を改善するのが現状に見合うだろうが、文部科学省として、将来的にどう検討しているのか、今後の動向について意見を聞きたい。また、総合化を中長期的課題とすると先送りにも思えるのでもう少し具体的にタイムスケジュールを出せるよう工夫ができないか。

【委員】
 専修免許の学校種別を廃して専攻分野別にするのは賛成。現職経験や実践的指導力の養成の重要性は理解できるが、研究者育成の道も残すべきである。養成を6年制にする必要性も出てくるだろう。取得について今方向を限定することには賛成できない。

【委員】
 専修免許状とは何か。専修のための科目が決まっておらず、修士を出れば保有する一種免が専修になる現状がいいのかどうか。諸外国にある、学部卒業後に志望者が免許を取れるティーチャーズカレッジのような方法も考えられる。ストレートマスターは残してほしいと思うが、教育学や心理学といった大学院での専門性を専修免許に残さなければならないのではないか。

【委員】
 ストレートマスターで免許を得た教員が現職教員に刺激を与えるには、大学でそれだけの教育を行わなければならない。その上で、現職経験を課した後に正式免許を与えるとすれば実践力が備わるのではないか。ただし大学の教員が研究者としての能力を持つだけでなく臨床的内容を教授できることが前提となる。

【文部科学省】
 現在公立学校の教員の給与水準、国の負担基準は国立学校の例によるとしており、独法化した後その水準をどう設定するかが課題である。最も早くて16年度までには決めなければならない。その課題に、評価に基づく給与、専修免許保持者の扱いを含めて総合的に検討していく考えである。

【文部科学省】
 処遇改善の実施の見通しについてタイムスケジュールを決めるのは難しい。小中、中高の連携については、現在言われている学校間連携の研究からはここでのテーマに活用できるデータが出ていない。専修免許は全体として教員の資質向上を図るためにできた制度だが、一種免許がある場合は修士で生活指導などを学修しても保有している科目の専修になってしまうため、その現状は改善の必要がある。

【委員】
 中長期的課題としたものに、実現に向けての心構えを盛り込むのは可能であろう。専修免許の位置付けと処遇の問題は従来から議論されているのでこの部会の報告でより明確な表現ができるといいと考える。事務局と相談したい。

【委員】
 隣接学校間での交流を進める弾力化について、この素案では中学から小学校への教員の異動に重点が置かれているようだが逆も必要ではないのか。小学校高学年の専科教育の充実は重要だが、小学校教員が中学に行くという交流もあるべきで、そのためにどういう専門性が必要かも記載するべきと考える。また、教科セクトである現状で新しい試みができないなどの弊害が出ているとよく聞くが、教科間の交流は特に中高では学校経営上大きい問題だと思う。この点の検討はいかがか。

【委員】
 学校間、教科間の交流については次の素案で見直しを考えたい。では「具体的方策」についての意見を。

【委員】
 小中の交流は重要と思うが、何が焦点なのか。今で気になるのは小学校教育の崩壊である。基礎基本が非常に曖昧になり、子供中心主義が一人歩きして、子どもに知的好奇心や関心を持たせるための専門性が学校に欠落している。一方で習熟度別授業の導入が言われているが、教える力がなければ発展的な学習の指導などできない。理科、算数で専科を拡大するのは良い案だが、図工などは専科になくてもいいと思う。英語を小学生に教えるのは中学の教員よりネイティブスピーカーの方が適任と思うがアイデアは理解できる。

【委員】
 教育課程やカリキュラムがこれからのキーワードだろう。教員が1つの教科を極めることも大事だが、学校が教育課程を編成して動かすノウハウがまだ浸透していない現状がある。

【委員】
 特殊教育の専門委員会を設けるのは賛成である。盲・聾・養護の専修免許には、学校種は外しても各障害種についての専門を明確にするよう是非検討を願いたい。

【委員】
 専修の専攻区分を規定することは必要だが、大学の課程に影響を及ぼすだろう。また、区分には学校現場で生まれる新しい領域を抑制しないような工夫が必要。素案にある区分はどういう趣旨であるのか。

【文部科学省】
 これはあくまで例示であって、相応しい区分をここで検討いただきたいと考える。規定は省令事項になるので、その時々の要請に合わせて随時見直すことも考えられる。

【委員】
 現行では、専科の音楽、図工等の教科免許の者は学級担任ができないが、理数に拡大した場合、小学校で学級担任をすることまで弾力化するのか。

【文部科学省】
 教科担当の拡充の意味で、学級担任を可能にすることは想定していない。

【委員】
 免許の総合化・弾力化の主役は子どもであるはずで、どういう免許の教員に教えられるのかが重要な視点である。しかし専修免許を持つ教員が、実際現場でどういう扱いになっているのかわからない。おそらく一種免許と同じ扱いだろう。実態を知った上でないと議論できない。今の議論は現場からかけ離れている。

【委員】
 何か資料があればありがたい。

【文部科学省】
 専修免許を持つ教員は高校で28%いるが、小中では1~2%に満たない。学校は様様な得意分野を持った教員が集まり、組織としての力を発揮する必要がある。専修免で分野を明らかにするのは、それぞれの得意分野を意識した教員配置を促進し、特色ある学校づくりに生かすためであり、それが子どもたちにとってメリットになると認識している。

【委員】
 今日の議論を次の素案に反映させたい。

「特別免許状の活用促進」

【委員】
 素案では現行制度への影響を考えて要件をいくつか付しているが全体的な意見を。

【委員】
 特別免許状が実際に定着しないのには理由がある。免許を持つ者が供給過剰であり、社会人を活用するにしても免許を持った者から採用できる状態の中で、あえて文部科学省がこれを促進する意図が理解できない。

【文部科学省】
 社会的に、社会人を教育現場で活用して教員組織へ刺激をもたらすといった要請が強い。総合規制改革会議でも活用に向けた提言がされた。特別非常勤講師の方が需要が高いのは認識しているが、特別免許状は非常勤にも活用できるにもかかわらずあまりにも件数が少ないため、社会人活用の1つの手だてとして広げたい。特別免許が採用の要件となっていることについても議論いただきたいと考える。

【委員】
 雇用創出のために進出するには可能な場所とそうでない場所がある。企業経験が長いだけで教員になれるという考えは全く間違いである。教員の年齢構成を見ると若年層が非常に少ない。現在は学校現場で育成される若い教員を増やさなければならない。中高年が教育を応援できる場所なら他にある。一方で特別非常勤講師が活用されているのは、企業経験者にとって職を持ちながら専門分野を指導できる立場の方が好ましいからである。特別免許の要件を緩和しても増えるとは思えない。子どもと学校教育全体にとっては特別非常勤講師こそ求められており、この制度がある以上特別免許状の条件緩和は必要ない。

【委員】
 これらの緩和はリストラ対策のみではないと考えるので賛成する。行政から見ても、地域の子どもの活動に日頃参加しているような教員に相応しい人材がいる。ケースは少なくても、学校教育全体からしたら、そういう人を活用できる場を設ける必要がある。

【委員】
 教師の専門性などいらないという、規制改革委員会の経済人の発想は疑問である。教育学部や教員免許など廃止して、教育実践センターのような場所で志願者が実践的訓練を積んで教員になればいいというかなりドラスティックな意見を持っている。教師の専門的能力について否定的な文脈で特別免許状を推奨するのには疑問がある。社会人の活用などは、専門性を持つ教員を確実に養成した上で論じるべきであろう。

【委員】
 社会人の導入は広げていいと考える。現代では生涯学習としての育成も学校に求められている。ボランティアなどを経験してから学校で子ども達と接し、また違う組織でその経験を活用できるといった、社会人としてのキャリアアップにつながる意味でも重要だろう。学校内だけで教育していると異質な価値観を受け入れにくくなることもあるので、特別非常勤講師とは別に特別免許状制度を位置付けたい。

【委員】
 子どもが好きで教育に情熱を傾けられる教員として、44人の特別免許状の教員は実際どうなのかを知りたい。若くてエネルギッシュな、子どもと共に生きる姿勢を持った教員が子どもにとっていい先生だと思う。若い教員が子どもと汗を流して教育活動をしている現場ではいい成果が出ている。特別免許状の教員の実際の役割がわかると理解が進むだろうと思う。大事なのは子どもと活動できる資質ある教員をどう現場で育てていくかであるので、その意味で教員が増えることへの期待はある。いい教育のための1つの視点として規制緩和は重要だが、特免以外にも枠を広げて考えたい。

【委員】
 特別免許の活用の状況などがわかれば簡単に知りたい。

【委員】
 特別免許がどの学校種に対応しているのかが見えにくい。授与する場合に想定している専門性を教えてほしい。制度として残す必要性は感じている。非常勤講師は、養成ができない部門の多い特殊教育諸学校の現場では非常に重要な役割を果たしているので促進は必要と考える。

【委員】
 だいたいこの案で賛同できるが、国民に期待感を持って受けとめてもらえるかは難しいとの印象を得た。例えば、学校間連携について、教員の配置や免許制度のみでなく、小中の専科担当教員と教科担当教員とのティームティーチングや合同授業といった様々な方法による展開を含めながら論じるといい。あるいは、これまでに実行している施策のエピソードなどを述べて、日本の学校や教員システムをこのように良くしていくというメッセージが伝わるようなものにしていく必要がある。

【委員】
 特別免許状の制度自体は残すという結論で良いかと考える。今日の意見は中間報告原案に反映させたい。次回は更新制の可能性について素案を出し、議論することとする。

【委員】
 現在審議されている他の多くの部会の結論が総合され、日本の教育が変わっていくと考える。教員が子どもの教科教育についてプロであってほしいのはもちろんだが、同時に人間として矛盾する部分も持っていてほしいと思う。若い教員には怖さを知らないところを、一方で年輩の教員には人生の怖さを子どもに教えてほしい。学校全体としてバランスをとることがまさにこの議論の中心となっている問題だと思う。

【委員】
 特別免許状の問題で、よく言われる「教師の専門性」に日本の社会の落とし穴があるのではないかと思う。やはり多様性が足りない。多くのアメリカの教員に会って、国民性を除いても彼らは非常にエネルギッシュでキャリアがバラエティに富んでいると感じた。専門性も大事だが、異質の人間を入れる工夫は今の日本の社会に絶対必要なことだと思っている。イギリスの教員もキャリアは多様である。日本の教育に多様性を生み出すために、間口はできるだけ広げておくことが必要だと思う。

(2)今後の日程について

 事務局より次回以降第11回までの日程を連絡。

5.閉会

以上

お問合せ先

総合教育政策局教育人材政策課

(総合教育政策局教育人材政策課)

-- 登録:平成21年以前 --