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教員養成部会(第8回) 議事要旨

1.日時

平成13年9月17日(月曜日) 10時~13時

2.場所

霞が関東京會舘 「シルバースタールーム」

3.出席者

委員

 天笠委員、荒木委員、今井委員、宇佐美委員、大南委員、齊藤委員、田村委員、野村委員、平出委員、松尾澤委員、宮崎委員、山極委員、横山英一委員、高倉部会長

文部科学省

 御手洗文部科学審議官、矢野初等中等教育局長、加茂川審議官、竹下教職員課長、石井教育大学室長

4.議事要旨

(1)今後の教員免許制度の在り方についての全般的討議

 各項目について、竹下教職員課長による資料の説明の後、質疑応答。主な意見は以下のとおり。

1.教員免許制度の総合化・弾力化

【委員】
 免許の総合化には、幼小中高の免許、特殊教育免許の2つに加え専修免許状の改善の論議が必要である。総合化には、幼小、小中、中高での総合化や、小学校低学年と幼、また小学校高学年と中での一本化、あるいは義務教育での括りなど多くのパターンがあるため、関係団体ヒアリングや部会でも意見が様々であった。したがって、総合化には子どもの発達段階や学習指導要領の構造を考慮し、専門的、学問的な調査研究が必要であり、中長期的な課題として検討を続ける方向で議論したい。
 まず、総合化には学校種の専門性維持が前提になるが、それを調査研究しないままの総合免許状では修得単位が膨大になると予測され、教員養成系以外の私立大学等での養成が困難になり、開放の原則が現実的に崩れてしまう。第2に、現行制度は平成10年度に大きく改正され課程の再認定をし、平成12年度入学者から全面的に適用されている。その卒業生も出ないうちに再度改正するのは問題である。第3に、現在小学校の「教科に関する科目」では1以上の教科につき8単位以上、また幼稚園には教科がないにもかかわらず一種免許では「教科に関する科目」を6単位以上修得するとの規定がある。将来的には小学校及び幼稚園の「教科に関する科目」を廃止し、各教科の指導法と合わせて学習指導要領に即した内容を教授する新たな分野を設け、その中で指導することとしてはどうか。
 また、専修免許が保障している資質能力が曖昧との指摘がある。大学院での履修内容等の専門性を免許状に明記して配置に生かしてはどうか。将来的課題としては、一種免許、二種免許を基礎免許とし専修免許との2本立てにすること、専門性を高めるため専修免許の取得要件に現職経験を課すことが考えられる。一種を所有している院生が重ねて専修免許を取得できるストレートマスターの現状では資質能力が証明されない。さらに、専修免許を普及させ実践の教育で効果を出すには、処遇改善を真剣に考える必要がある。

【委員】
 教師はオールマイティという、特に義務教育での従来の考えを解消し、それぞれ得意分野を持つ教員集団が学校教育を展開するために、教科又は教職という選択履修科目の区分を設け志望者が自分の関心、能力等を踏まえて学修する。一方採用側は期待する教員像を明確にする。このような養成、採用、研修という流れが第1次答申で出されて平成10年に法改正され、今それが実行されつつある。したがって、総合化について早急に検討すべきかどうかは疑問であった。しかし中高一貫教育には総合化した免許の必要性を感じる。例えば、学部では初等と中等免許、大学院で初等専修と中等専修の取得とすれば、規制緩和も入れた総合化が実現できるのではないか。いずれにせよ、多様な意見があるので、調査研究を踏まえた中長期的な課題とすることには賛成である。

【委員】
 子どもの全人格的発達を考えると、隣接した校種間の垣根を低くして相互に利を供する必要がある。そのための総合化に賛成だが、各専門性の担保については意見が分かれるので現段階では無理だろう。当面は調査研究をして中長期の課題とし、併せて研究開発校等での実践的研究を文部科学省で行い、それらを検討するとよいと考える。

【委員】
 子ども達が変化したために従来の教育システムに合わなくなっている。根本的には情報化社会の影響が大きい。全人格的発展を背景にした各学校段階での専門性が非常に重要である。総合化・弾力化は重要なポイントであるため、「緊急を要する」中長期的研究とすべきではないか。

【委員】
 専門的調査を前提とするのは賛成である。研究開発学校の取組では、小中や幼少の連携、中高一貫などの学校間接続が増えているが、カリキュラム開発等が主で教員の運用(免許)などは課題に出てこない。開発校の取組と専門的調査を絡めながらデータを得るのは今でも可能であろう。中長期的なものと、すぐ取り組むものとを分けて、タイムスケジュールを明確にする必要がある。

【委員】
 専修免許状はやはり教職経験のある者に与えるべきである。経験がなくても取得できる現行の改善を検討しなければいけない。加えて、基礎免許と専修免許との間で処遇面の対応がなされると教員の意欲向上につながる。学校種の専門性が前提と言いながら、絶えず子どもの発達のレベルに応じて免許を総合する話が出るが、学校種の区切り、現行の6・3・3制の在り方も併せて考えるべきではないか。

【委員】
 現在の中学校は、あらゆる教育の部分を丸抱えにしなければ子どもの発達を考えられない状況にある。実際の連携として小学校、高校との接続を考えると、発達段階に基づいた弾力化・総合化の必要性を痛感する。なるべく早くにできることを進めてほしい。

【委員】
 中学と高校は義務教育か否かという性格の違いがあるので、中高一貫教育ではその点を整理するべきである。また、子どもが1年間に小中の数十年にもあたる経験をする幼稚園を小学校と接続するには、発達段階についての学問的研究が中高以上に必要である。幼小以外でも社会の変化により子どもの発達に大きな違いが出ている。さらに現在は保育所の幼稚園化も進んでいるので、それらの関わりも考えて専門的調査を願いたい。
 専修免許にはストレートマスターもあってよいと考える。その場合卒業後数年は臨時免許とし、現職経験後正式な免許にすればよい。現職教員の持つ実践的経験と、マスターからの学生の持つ新しい学問が相互に良い影響を及ぼす部分がある。

【委員】
 免許の総合化は中長期的課題とし、そのための専門的調査をするということで合意が得られた。細部の留意点については、次回に確認する。
 幼稚園と小学校の「教科に関する科目」の問題の整理についてはどうか。

【委員】
 特定の教科の専門性を深めれば小学校教師としての専門性が高まるのか。特に低学年と高学年の発達段階に応じた指導を考えると、低学年の教員には教科より新しい分野や領域を修得させ、高学年の教員には複数の教科を横断した「総合的な学習」の発想を持たせることが必要である。養成段階での新しい分野の盛り込み方、複数教科の取らせ方などは急いで検討すべき事項だと思う。現在の養成カリキュラムと学校の教育活動とにズレが生じている。

【委員】
 幼稚園で、養成カリキュラムの内容と実際の教育にかなりズレがあるのは現実問題だが、今のカリキュラムが全くそぐわないとは単純に言えない。現場で見る限り基本的に身につけるべき資質として必要な部分もあるのでそこは十分検討を要する。

【委員】
 幼稚園、小学校の「教科に関する科目」の取扱いについては、新しい分野を設ける方向で検討することとし、専修免許については今回の意見を次回確認的に詰めていきたい。次に現行免許制度上の弾力化の拡充について審議したい。1つは小学校における専科の拡大である。現行の他に理科や算数、総合的な学習の時間での英語を想定し、中・高の相当教科の免許を持つ教員が担当できることを目指した明確な結論づけをしたい。

【委員】
 免許状自体の問題は運用で解決できるだろう。小学校の専門性は従来から問われているが、発展した現代の6年間を1つの小学免許で担当するのはある面で無理がある。今の教育課程が教科指導の最低基準であれば、全ての子ども達に修得させるには従来なかった習熟度に応じた学習も教科によっては必要となり、教員のかなりの指導力、発想転換がいる。特に高学年の指導に要する専門性とは、難解な内容の教え方ではなく子ども達のやる気を引き出すことで、これは中学の教員が指導するといった運用面の拡大で可能と思う。中学は専門性を深めると同時に教科偏重を和らげることも必要であろう。

【委員】
 東京の小学校で専科として実施している音楽、図工、家庭科と、私の市で連携の形で行っている英語のように、教科については小中の連携で十分対応できている。校種についてもこうした点を踏まえ、運用での総合化を考慮する必要がある。

【委員】
 幼小の総合化には現行制度内での免許の併用も考えられる。幼児教育振興プログラムでも触れているが、幼稚園の教員が小学校免許を取得しやすくなれば校種間での相互理解が進むのではないか。

【委員】
 小学校等の専科の拡大と、他校種の免許の積極的な取得により、学校種を超えた人事異動が促進され、また教員間で子ども達の発達段階における相互理解が深まるというメリットがある。

【委員】
 幼稚園と小学校の接続で学級崩壊が問題となるが、それは幼稚園での自由保育が原因と言われる。しかし現実に多くの子どもが保育園にも行っているため幼稚園だけで躾をしても効果がないのが実態である。この問題は幼小の連携を考える上で重要な視点である。

【委員】
 現在でも、小学校と教科の一種免許を併有する教員は希望すれば他校種に異動できるが、この弾力化では、例えば小学校がよりよい教育を行うために中学の理科教員を数年間配置できるようなことを求めているのか。

【委員】
 異動のネックとなる免許所有の問題を解消するだけではなく、他校種間の経験を積むことで児童生徒の発達に対する認識が深まる効果がある。事務局からはどうか。

【文部科学省】
 特定教科の教育を充実させるため、現行の4教科に加え理科、算数、英語について相当教科の免許を持つ中学や高校の教員の小学校での指導を可能にする御提案と理解した。

【委員】
 弾力化は現行制度の運用範囲内にしてほしい。自ら他校種を希望した教員ならともかく、人事異動で行った教員が子どもの発達段階に合わせた指導ができるか非常に疑問である。小中で内容が重複する教科や問題ある生徒への対処等で連携することは現行制度の運用でできる。小学校高学年はいいとして、講義形式の授業をしていた高校教員が小学生を指導できるのか不安を覚える。

【委員】
 他校種免許の取得を容易にするのは、相互で子どもの発達について理解を深めることが狙いであること、人事異動では任用面で留意すべきことを提言に含めることとしたい。
 では、特殊教育関係の免許状の総合化・弾力化についてだが、障害の重度重複化への対応が早急に必要である。さらに盲・聾・養護学校の教員の、盲・聾・養護学校各免許の保有率が非常に低いことから、これらを一本化した免許を創設するという意見が強く出ている。この部会に専門委員会を立ち上げ、そこでの議論を答申にできれば盛り込んでいってまとめたいと考える。

【委員】
 ぜひ専門委員会を設置し、早急に検討してほしい。総合免許が必要な理由として最近言われる「特別な教育的ニーズに応じた教育」があり、先進国では盲・聾・養護学校の枠を外す考えが進みつつある。また、既に肢体不自由と知的障害、病弱等に対応できるよう養護学校を複合化している自治体がある。視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、知的障害という複数の障害に1つの学校で対応しているという地域もあり、現在は人事異動で対応しているが不十分である。「21世紀の特殊教育の在り方」という報告にも免許の総合化と総合養護学校が検討された事項として出ており、今は多くの人が具体的な改善を待っている状況だと思う。

2.教員免許更新制の可能性の検討

【委員】
 更新制の導入は資質向上の観点から検討すべきという意見が多い。また、現行の研修や分限制度を十分機能させれば更新制を導入しなくてもよいという意見に対し、機能していないからこそ導入が必要との意見がある。現職教員の研修の結果を評価すべきとの意見や、仮免許状等の考えも出された。関係団体ヒアリングでは、適格性を欠く教員への対応の観点から更新制導入の意見が出た。現行の勤務評定やそれに基づく分限制度、また新たに制度化された指導力不足教員の配置転換等を機能させていくのは当然として、そうであれば更新制は必要ないのか、あるいはその上でなお検討すべき課題であるのか、そのあたりを議論したい。更新制には賛否両論ある。都のような人事考課制度が広く導入される傾向にあるが、そうなっても全く研修をしない教員は問題との意見もあった。例えば、10年ごとに現職教員の研修実績の評価を行い、成果が見られない教員に研修センター等で研修を課す制度や、不適格教員であれば継続的に観察して必要な措置をとることなどが考えられないか。更新制の実施より、資質能力の向上を実現できる制度の検討が必要である。

【委員】
 学校現場は更新制はできないと認識しているが、それでは甘い。可能性の検討のみで中間報告を出すのではなく、「導入もありえる」という姿勢できちんと議論するべきだ。これは社会が注目している問題である。兵庫の事件では以前に兆候があったにもかかわらず、解決しないままにして事件が起きた。簡単に結論を出すべきではない。

【委員】
 非常に重要で難しい問題であるので、部会長と事務局で相談し、更新制の可能性を含め、あるいはそれに変わる施策を含めて次回に十分議論できるよう論点整理をし、具体的に提案できるようにしたいがどうか。

【委員】
 確かに教員の問題は社会の関心事として議論するべきだが、まだ論点が整理されていない。資質向上は意識すべきだが、更新制を、著しく適格性を欠く教員への対応、あるいは公務員の任期制導入の議論と混同してはいけない。指導力不足教員の配置換えなどを具体的に実行するためには、教員及び学校評価について議論しなければならない。更新制は費用や行政面の問題が大きすぎて実際に導入するとマイナス面が大きい。したがって、更新制導入の意義は見いだせない。

【委員】
 更新制以前の問題として、その教員の適格性を見る条件附採用期間が現行の1年間では不十分なので長期化して判断を確実にするべきではないか。

【委員】
 教育委員会は更新制導入に期待している。しかし従来の条件附採用制度や勤務評定、分限制度を軽視する傾向が助長される懸念がある。更新制を導入すると、更新直前に慌てて研修したり、教育委員会も研修に怠慢になったりと、随所で制度のほころびが出るのではないか。更新ではなく、10年ごとに教員資質の再審査を行うことにすれば、継続的に資質向上をはかるようになるだろう。

【委員】
 更新制は資質向上のための制度であって、排除のためではない。しかし研修には、受講する教員が居眠りしたり、研修中の教員の代替に校長が対処しなかったりといった問題もあるため、更新制が必要と言われている。都の考課制度や研修システムは期待できると考えたが、年が経てば形骸化する恐れがある。教員評価の前に、各回ごとに教員の内容理解度を評価するといった、資質向上につながる研修を制度化するべきである。次回にいくつかの具体案を出してほしい。

【委員】
 研修評価には賛成だが、指導力も含めて教員に緊張感がない原因は、学校全体の評価がないためである。例えば県が学校ごとに学力調査をして成績などを公開すれば、学生獲得を競争している私立と同様に学校が緊張感を持って授業改善、教員研修に取り組まなければならなくなる。研修を学校評価に絡め、トータル的な資質向上を目指すべきだ。

【委員】
 個々の教員だけでなく学校組織の在り方を改善しないと、学校教育の向上に連動されない。現行の現職研修がうまく機能しないのは、教員1人だけを対象にしているためである。教員は集団、組織で互いに成長するのだから、そうした教職員集団、学校組織としての向上に目を向けないと改善にはつながらない。更新制だけを突出させるのではなく、研修等の制度と連携した視点が必要ではないか。

【委員】
 兵庫の事件は由々しきことだが、大多数の教員は子どものために全力投球している。問題を起こす教員が出てしまうのは研修だけでなく採用にも原因があるだろう。初任者研修1年間の評価をその後の資質向上につなげてはいるが、その確実な実施と現行の処分等の徹底で不適格教員は防げるのではないか。

3.特別免許状の活用を始めとした社会人活用の促進

【委員】
 これまでこの問題についてはそれほど活発な議論はなかった。これまでの授与件数が44件と少なく、企業から見るとメリットがあまりないという意見があった。総合規制改革会議の中間まとめで活用促進が提言されており、この部会でも具体的な提案をしなければならない。しかし、授与手続が煩雑であることや、受ける側も推薦がないと免許が交付されないなど制約が多いこと、また有効期限が5~10年という身分の不安定さなどがネックとなり、現在促進されてない。活用には、例えば、学士要件、学識経験者からの意見聴取、有効期限を撤廃することや、ドラスティックな見直しとして、授与する際に採用を前提としない、推薦を不要にする等も考えられる。これらには大学での教員養成を原則とする免許制度の根幹に関わるとして反対も予測されるが、規制緩和の流れに沿った改善ができないだろうか。あるいは、教員採用自体社会人に門戸が開かれていないとの指摘もあることから、積極的採用のため任命権者がもっと社会人特別枠を拡大することはできないか。本年の法改正により教員定数を使って非常勤講師が採用できることとなったので、これを活用して非常勤講師への特別免許状の授与を促進したらどうか。雇用拡大に特別免許状制度を連動させていくこともありえる。あるいは工業、商業など分野を特定して活用したり、または教員を希望している社会人をプールする意味で活用するなど思い切ったことも考えられる。いずれにしても具体的な方策を出していきたい。

【委員】
 現在政府が打ち出している社会人5万人採用計画にはハローワークを使うのか、文部科学省の考えを聞きたい。

【文部科学省】
 5万人雇用政策は、教員としてではなく例えば情報教育におけるコンピュータ技術者といった教員補助者としての雇用で、それぞれの教育委員会が採用することになる。特別非常勤講師は、公立では教育委員会が、私立では学校法人が採用する。今のところハローワークということは考えていない。

【委員】
 ハローワークを使わないのであれば、教育委員会の仕組みを私立学校も使える制度にして欲しい。

【委員】
 特別非常勤講師を幼稚園に拡大することについてはどうか。

【文部科学省】
 この部会で議論してほしいと考える。ただ特別非常勤講師は教科の一部領域を担当することになっており、教科のない幼稚園ではその概念を変える必要がある。

【委員】
 大分県の調査では、教員の平均年齢が小学校で40歳、中学で38歳となっていた。若い教員が採用されないため高齢化が進んでいる。社会人採用を促進すればさらに高齢化し現場としては問題である。次回までに全国の年齢構成を調査してほしい。雇用だけでなく学校現場で高齢化による人事構成上の問題を把握するべきである。

【委員】
 指導力不足教員を異動させる法改正は、県費負担教職員が対象で、県立学校の教員は全く対象外なのか。

【文部科学省】
 都道府県の教員は制度上現行でも教員以外への転職ができる。県費負担教員は身分が市町村で人事権が県であり、当該市町村の教員を県職員へ異動させることができなかったため法改正した。

(2)今後の日程について

 事務局から次回以降第11回までの日程を連絡。

5.閉会

以上

お問合せ先

総合教育政策局教育人材政策課

(総合教育政策局教育人材政策課)

-- 登録:平成21年以前 --