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教員養成部会(第6回) 議事要旨

1.日時

平成13年7月19日(木曜日) 13時30時~17時

2.場所

KKRホテル東京 「平安の間」

3.出席者

委員

 天笠委員、荒木委員、今井委員、宇佐美委員、岡本委員、小川委員、川並委員、齊藤委員、田村委員、野村委員、松尾澤委員、宮崎委員、山極委員、横山英一委員、渡辺三枝子委員、鳥居会長、高倉部会長

文部科学省

 御手洗文部科学審議官、加茂川審議官、竹下教職員課長

4.議事要旨

(1)今後の教員免許制度の在り方について関係団体から意見聴取

 意見聴取の後、各団体について質疑応答。主な発言は以下のとおり。資料に基づく各団体の意見は省略。

1.日本経営者団体連盟

意見の概要

【関係団体】
 特別免許状については、教科に関する優れた技能を有する社会人のみならず、生徒たちの職業観、人生観に影響を及ぼす幅広い人材の活用が望まれる。広い視野、深い思考力を兼ね備えた社会人の講師は、教育現場を活性化させると同時に一般の教員に対しての刺激もあると思われる。現在の要件を緩和し、中途採用枠を設けたり、転職を可能にするなどの柔軟な施策を求めたい。経験豊富な社会人を求める学校が情報を広く開示し、特別免許状の保有者が自由に学校を選択できる形にしてはどうか。学校側のニーズの受け皿として日経連が窓口になることは可能である。小泉総理が補助教員5万人計画を打ち出したが、早急に取り組むべき課題である。
 総合化・弾力化についても、各教員の能力、資質、適性において、それを認めるべきかどうかの個別的判断が必要である。幼小で求められるものと中高で求められるものでは、力点の置かれどころが異なると考える。
 免許更新制については、実際問題として学校という閉鎖社会で努力や向上心を欠く教員は少なくないと考える。一度取得したら終身有効という現行方式は絶対に改めるべきであり、一定期間での見直しが必要である。教員の人間性や情熱、見識が生徒に及ぼす影響は極めて大きい。悪しき平等主義を廃し、競争原理を導入するよう強く希望する。また、更新時には父母、有識者等による外部評価制度を導入すると同時に、教員自身のレベルアップのための研修を義務づけることが重要である。しかし、評価には透明性の確保も必要であろう。校長等による日頃からの評価を反映させると良いと考える。
 教育委員が名誉職的になっている県と、能動的に活動をしている県とばらつきがある。教員OB等を減らして社会のメンバーを、なかでも若手や女性を教育委員に登用して欲しい。教育委員会を徹底的に検討し直して改革を進めたい。
 現職教員への社会体験研修制度の定着を求めたい。現在も日経連の地方組織が協力して大きな成果を上げているが、全国的にこの制度が拡大することを要望する。
 新卒者の採用を一定にとどめて社会人や経験者の採用枠を増やすべきと考える。採用選考時には企業経営者等を参加させ、多面的に資質を見極めることが重要である。また教員養成にあたる大学の教官の資質も向上させる必要がある。人間性、指導力を重視した養成を行い、学生には最低3ヶ月くらい教育実習をさせた方がよい。
 小学校でも科目担任制を導入する検討をして欲しい。理数系科目が嫌いな教員が多いという話を聞くが、そうなると子供も理数嫌いになる可能性が高い。教育には、情熱と使命感、教える方法が重要である。教師によって生徒の科目の好き嫌いが決まる場合があると考える。

質疑

【委員】
 社会人を登用して教育に貢献してもらうという点で、既にある特別非常勤講師制度による貢献と、特別免許状を持った教員としての貢献は違うのか。

【関係団体】
 特別免許状を持ち、教育者として今までの仕事を捨てて教職に就こうという人と、非常勤講師として過去に得た自分の能力を教育に貢献しようという人との心意気の違いがある。当然両者の処遇も違ってかまわないと考える。

2.全日本教職員連盟

質疑

【委員】
 上進免許状と免許のグレードアップは内容的にどう違うのか。

【関係団体】
 上進免許状の取得は現行段階における上級の免許を目指すことで、免許のグレードアップは、1つずつ資質を上げていくということである。資質能力のアップを指す。

【委員】
 研修に消極的な、あるいは参加しない教員がいて、そのことが子供たちの問題の原因にもなっていると言われるがそういう教員についてどう対応すべきか。

【関係団体】
 不適格教員あるいは指導力不足教員の問題は確かにあり、そういう教員の配置転換をするのもやむを得ない。しかしそうした教員も、教職に就くときは教育に対する情熱があったはずである。もとから能力がなかったのではなく、教職経験の中で何か挫折があったと考えられるので、失った情熱を蘇らせるような研修をして欲しい。それでも改善しない場合に配置転換を行うべきである。

【委員】
 更新制をはじめから適用することができれば、チェック機能が働き、日ごろから教員が努力して情熱を持ち続けられるのではないか。配置転換までする必要がなくなるだろう。

【関係団体】
 免許更新制はマイナスではなくプラスに働く制度であって欲しいと我々は考える。教員が意欲を持って取り組むことが重要である。

【委員】
 免許更新制を実施した場合教育現場にきたす支障について具体的に説明して欲しい。

【関係団体】
 更新できたかどうかで教員間に不公平感をもたらすだろう。またはある活動をすることが更新を妨げるのではないかという不安から、自由な活動を阻害する可能性がある。

3.日本高等学校教職員組合

質疑

【委員】
 障害の重度重複化の進行により、現場の教員は多くの障害種に対応する必要が出てきているが、総合免許状の導入に一定の意義を認めるとしながら慎重論を唱えていることについて説明をいただきたい。

【関係団体】
 現場では、担当する障害種別の免許状を取ることに努力している教員がまだ多く、総合免許状を検討するのは早いという認識をしている。重複化への対応は重要だが、まずは障害種別免許状に対応するのが先決であろう。

【委員】
 前回の部会で、一種、二種を総合免許状として、専修を障害種別の専門性の高い免許状とするという意見が出たがそれについてはどう考えるか。

【関係団体】
 考えられる方法であると思う。

【委員】
 障害の重度重複化への対応は、これから免許を取る人についても現職教員と同様に障害種別で良いと考えているのか。

【関係団体】
 まだそこまで検討していないが、現職教員は今現在必要な免許状の取得を希望しており、それには日々の研修で対応したいという意見が多い。新たな養成課程で総合免許状を念頭に置くのはかまわないと考える。

4.全日本教職員組合

質疑

【委員】
 全教職員による協力、共同による学校づくりが求められているのは分かるが、それがうまくいかないのが問題である。実現させるには具体的にどうすればよいのか。

【関係団体】
 現在我々がテーマとしているのは、子供、父母、教職員、地域の共同による学校づくりである。開かれた学校づくりの取組としての学校評議員制度に、子供、教職員、PTAも参加することが必要と考える。そこで地域の人たちと一緒に学校づくりを考えて改善を図っていきたい。教職員がそういう自覚を持って運動を進めることでこの問題は解決すると考えている。そうした実践をまとめたパンフレットも作成しているところである。

【委員】
 教員としての適性は教員採用試験で判断できるという考えについて詳しく説明を聞きたい。

【関係団体】
 新規採用枠が減っているため、教員を希望しながらなれない人が多い。また、取得から年数が経ってからでも希望する人がいる。そういう場合、十数年経過したからといって更新制のために失効させるのは良くないと考える。採用試験の実施そのものを改善すればクリアできる問題である。

【委員】
 共同による学校づくりの方法は良いとして、その場合の教員の資質向上をどうすべきと考えているのか。

【関係団体】
 最も資質向上を促すのは、学校や地域において、または授業実践上で起こる様々な具体的問題について教員が共同で研究し考えあうことである。基本的には校内研修の充実が重要と考える。

5.国立大学協会

質疑

【委員】
 総合化・弾力化で幼稚園と小学校低学年の免許を接合させた場合に生じる問題で、幼稚園に対して必要な配慮とはどのようなものか。

【関係団体】
 小学校から見て幼児教育との接合は必要と考える。ただ両者に接続している面としていない面があるので、その部分で配慮が必要となる。

【委員】
 免許の総合化においては児童生徒の発達段階を考慮するべきとのことだが、それと学校制度との関わりについても何か考えがあるのか。

【関係団体】
 教員養成では小学校の養成がなかなか確立しない。6年間に子供は大きく変わり、担任と教科担任、及び低学年と高学年のそれぞれの連携が必要である。

【委員】
 今の学校種や教科を前提として複数免許状を取得する総合化・弾力化ではなくて、新たな専門性を追求するとしたらその中身をどうするか具体的に聞きたい。

【関係団体】
 まだそこまで考えていないが、中高一貫教育を推進するならそれにふさわしい新しい免許が必要である。複数免許を取得させる考えは良くない。教員養成の現場ではそれが促進されていてその弊害が出ている。

【委員】
 教科別を考えたとき、小中学校の教科であれば中学の専門性を持つ教員が小学校で教えてもいいのではないか。そうすると今の教科の再編成も視野に入る。中学と小学校の教科の枠は今のように細かくせず、自然科学系などと大枠で括って教員養成をしてもいいとも思う。それは専門性にはなじまないと考えるか。

【関係団体】
 そういうことはないと思う。

【委員】
 現状を改善するための案の中にある講習の受講とは、具体的に何単位をイメージしているか。特に7~10年に1度とする根拠は何か。
 また、校長や指導主事の専門職免許というのは指導力が求められている現在では検討に値すると考える。教育長については何か別に考えがあるのか。

【関係団体】
 現職研修が5年、10年であるので、このくらいが適当かと考えた。教育長の免許について言及していないのは、校長等と同様に考えるべきではないと考えたためである。

【委員】
 学級経営や生徒指導の免許を確立することは意図しているか。

【関係団体】
 中学については考えてもいいと思う。

6.公立大学協会

質疑

【委員】
 免許更新制を導入する前に克服すべき課題としてあげている、教員の専門性に対する「国民レベルでの共通理解」とは具体的にどういうものか。

【委員】
 社会人の活用で、社会人が教職に就きやすくするための形態の多様化について具体的な考えはあるか。

【委員】
 人材の相互交流や再復帰ルート等の基盤整備が必要という意見だが、社会全体が社会人活用を促進するシステムに変わらなければ難しいだろう。そのあたりの説明を聞きたい。

【文部科学省】
 免許更新制度の運用につき、多くの教員の更新が想定されるが、更新された教員の処遇は、教員全体の処遇改善との位置づけに関連してどうなるのか。詳細な考えを聞きたい。

【委員】
 社会人活用で、人材の相互交流にはその経験年数やポジションも考慮されると思うがそれについて具体的な考えがあれば聞かせて欲しい。

【委員】
 更新が不可能とされた教員には再教育をしてまた免許を与える制度にするべきと考えるか。

【関係団体】
 質問については後日文書にて回答する。

7.日本教育大学協会

質疑

【委員】
 専修免許状の取得に関する現行の制度に問題があるとの指摘だが、その点を大学で主体的に運用上の努力をすることはあるのか。

【関係団体】
 各大学でそれぞれだと思うが、自分のところでは、教職の場合でも共通の科目等で教科に関する科目を取るよう工夫している。

【委員】
 学校教育専修の場合、学級経営やカウンセリングといった教科とは関係ない専修免許状を出したらどうかとの議論を意識した意見なのか。

【関係団体】
 そういう努力もしている。

【委員】
 小学校高学年に教科担任制を導入する議論がある。国語や社会等は現行で十分としても、最も問題なのは理科だと考える。小学校で理科を教える教員は子供に昆虫、天体などの自然への興味を持たせるような人でなければならないのに、実際は理科を好きでない教員が多いと思う。国際調査を見ても子供の理科離れは著しい。しかし夏休みに大学で講習会などをやると大勢の子供が集まるのだから、子供自身は興味を持っているのである。全てを教科担任制にするのではなく、特にこういう教科について考慮する必要があるのではないか。

【関係団体】
 理解できる。理科の基礎のできていない学生で、理科の教員を希望している者の指導をどうするか大学でも問題になっている。将来的に少人数制となれば、まず教員が能力を高めなければならない。現在は各大学で養成段階での理科教育に尽力している状況である。

【委員】
 義務教育教員免許を一本化するとなると、その構造が1つの免許としてどう構成されるかにより、一般大学で小学校の教員養成が拡大することがあるだろう。逆に一本化した免許に対応できない大学が出てくる可能性もある。教科の統合化とともに、一本化した時の教職の重みの変化が大きな問題と考えるがそのあたりの議論はしているか。

【委員】
 現在短大で二種免許を取る学生は2年間で3年分の学習をしているのが実状である。幼稚園を新幼小免許とした場合、そのあたりの問題を短大でどう解消するかについても聞きたい。

【関係団体】
 一本化した免許については、小学校と中学校での子供の発達段階の違いを教職にどう反映させるかの問題がある。また幼稚園と小学校低学年で免許を設けたら、小学校高学年と中学校の関係も出てくる。そうなると学校制度抜きには議論できないと考える。幼稚園の免許の短大での取り扱い、総合化の中で幼小連携をどうするかについても検討中である。

8.日本私立大学団体連合会

質疑

【委員】
 更新制の代替として現行の採用システムと研修が現在十分機能していると考えているのか。機能していないならどう改善したらよいか。実際に不十分だから更新制が議論されているのではないかと思う。

【関係団体】
 数年前の、採用の改善に関する旧文部省教育助成局長による各教育委員会への通知に基づき、現在は人物重視というその趣旨に沿った採用を行っている。筆記試験の結果のみによらず、面接や実技により別途多面的に採用を決めるシステムが動き出した状態であり、これを充実させるべきである。研修について、管理職研修は義務的であるとしても若手中堅教員を対象とする研修は希望者が中心である。研修の徹底が十分でないということなら、充実させる方向で考えればよい。
 (意見の補足)

【関係団体】
 文部科学省が進めているガイダンス機能の充実や、キャリア教育の一貫としてのインターンシップ制度、社会体験等の導入を、中学高校で積極的にやるには教員の意識改革が必要である。総合化・弾力化の結果、時間的余裕が生まれれば、そうしたキャリア教育や進路指導もできるだろう。そういう視点での教員養成も重要ではないか。また、文部科学省の進めるスクールカウンセラーの派遣に加え、各教育委員会でも「心の教室相談員」を整備している。学校においては子供の心を育てるような予防的カウンセリングを行うべきで、養護教諭のような教科とは別枠の、教育とカウンセリングが両方分かる教員あるいはカウンセラーが現代に求められていると考える。

9.日本私立短期大学協会

質疑応答

【委員】
 社会人の活用については、短期大学にも関わりがあると思うがどう考えるか。

【関係団体】
 協会としての意見が1つにまとまっていないが、活用に積極的な先生もおり、また特別免許状が定着していないため利用しやすい方法で活用しようという意見もあった。

10.都道府県教育長協議会

質疑

【委員】
 資質向上は教員の主体的研修によるのは確かであるが、免許の失効という現実的脅威なしに、主体的に取り組むと考えているか。

【関係団体】
 本来そうあるべきだが、現実にできていないからこういう議論が出てきたと思う。

【委員】
 総合化・弾力化の形態を一律としない、とは例えばどういうことか。

【関係団体】
 盲・聾・養護学校については総合化という表現が妥当であるが、それ以外の学校には違う表現がふさわしいのではないかとの考えから記載したものであり、具体的な検討はしていない。

【委員】
 特別免許状により社会人を活用すると若い教員の採用が限定されることにもなりかねない。教育委員会として、教員の年齢構成等全体を考慮した意見を聞きたい。

【関係団体】
 今日的課題として各教育委員会は新規採用教員を希望している。社会人の活用は教育界の将来的展望を踏まえた観点から考えるのが現実的であろう。しかし実際に優秀な社会人を採用するには、企業の側に、教職について低下した給与をその社員に補填するといった相当な理解などが必要であるし、また本当に適性のある人材は稀である。

(2)教員免許課程認定審査基準等の決定について

 課程認定委員会岡本主査による報告の後、事務局より資料に基づく補足説明。
 原案どおり決定。

(3)今後の日程について

 事務局から次回は7月30日に予定している旨連絡。

5.閉会

以上

お問合せ先

総合教育政策局教育人材政策課

(総合教育政策局教育人材政策課)

-- 登録:平成21年以前 --