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教員養成部会(第5回) 議事要旨

1.日時

平成13年7月16日(月曜日) 10時~13時

2.場所

KKRホテル東京 「白鳥の間」

3.出席者

委員

 天笠委員、荒木委員、今井委員、宇佐美委員、岡本委員、小川委員、齊藤委員、田村委員、永井委員、野村委員、平出委員、松尾澤委員、宮崎委員、山極委員、横山英一委員、渡辺三枝子委員、木村分科会長、高倉部会長、横山洋吉副部会長

文部科学省

 御手洗文部科学審議官、加茂川審議官、竹下教職員課長、小松幼児教育課長

4.議事要旨

(1)今後の教員免許制度の在り方について関係団体から意見聴取

 意見聴取の後、各団体について質疑応答。主な発言は以下のとおり。資料に基づく各団体の意見は省略。

1.全国連合小学校長会

質疑

【委員】
 免許制度の総合化・弾力化と更新制の可能性の検討について、双方にわたり教員の将来展望、待遇を含めて検討する必要があるというのは具体的にどういうものか。

【関係団体】
 小中学校と高等学校では教員の処遇が違うので、一本化してほしい。

【委員】
 社会人活用について、中学、高校ではどう考えるべきか。

【関係団体】
 中学高校は教科担任制なので教科の専門性が優先する。従って社会人が英会話やパソコン等に限り登用されるのは全く問題がないと思う。しかし小学校は全教科担任であるため、免許状を出して定数内の教員となってしまうと学級経営等すべてをやることになり、それは難しい。だから小学校では特別免許状は必要ないと考えている。

【委員】
 現在、相当免許状主義の例外として中学の音楽等4科目の教員が小学校の授業も担当できるが、これを拡大する点についてはどう考えるのか。

【関係団体】
 ある程度拡大することについて検討すべきではあるが、大学で小学校についての科目を履修してはいないので、それなりの勉強をしてから来てもらわないと子供の持つ人間関係や児童理解という面で必ずしも十分な指導ができないと思う。

2.市町村教育委員会連合会

質疑

【委員】
 更新制に賛成のようであるが、各都道府県では教員評価制度の定着や整備を進めており、この制度の充実によって、更新制で期待されるような不適格教員の解消等を含めた内容に十分対応できると考えている。更新制を導入しようというのは、教員評価制度ではカバーできないものをカバーしようという意図があるのか。

【関係団体】
 教員評価制度で学校における教員個々の評価は、校長等が中心に行うことになるだろう。非常に勤務実績が悪い場合などは、むしろ学校現場でこそ評価が可能だと考える。不適格教員の対応は更新制の問題ではないようにも思う。

【委員】
 社会教育方面で活動している自分から見ると学校の中の教員には閉鎖性がある。そうした現場に経験豊かな人材が入り、それぞれ違う経験をしてきた人たちが学び合う環境が教員組織にあることが必要だと思う。
もう1つ、総合的な学習を進める上で、コーディネーターの役割はとても重要と考える。PTAとしては学校内にそうしたポジションがあるといいと考える。そうしたものを、学校、教育行政、または地域のうちどこに置くべきだと考えているか。

【関係団体】
 PTAの活動の中に社会的勉強や実践の場を入れて定期的に教員を参加させてもらうといいと思う。学校が変わっていくには、校長の決断のもとに、PTAを中心にそういう機関を作ることなどが考えられる。
2点目だが、総合的な学習のコーディネーター等については、学校が主体性を持って地域、特にPTAと連携を取りながら、教員と話し合ってそういう場を設定し、必要なものを学校で学ぶ形を取る方がいいと考える。

3.全日本中学校長会

質疑

【委員】
 人材バンク制度は既に導入されており、総合的な学習の時間などで社会人に活躍してもらっている。ご提案の指導補助制度について、従来の社会人活用や特別非常勤講師制度との違いを具体的に教えていただきたい。

【関係団体】
 指導補助制度は、特別非常勤講師と矛盾あるいは相反するものとは捉えていない。人材バンクはある限られた行政的なサイドで運営されているものである。もっと広い意味で、社会的な一つの枠の中で、学校に対する指導補助というものについて基本的な考え方を構築してほしいというのが前提にある。具体的には学習活動の補助、行事、学級活動、あるいは教育相談等多様な活動があり、その中で応援、支援活動ができることを大々的に宣伝して社会の人に自分が支援できる分野を広く提案するということである。

【委員】
 免許制度の総合化・弾力化で、その括りを小学校から高校にするというのは免許を一本化するという意味なのか。また、全科を担当する小学校教員の独特な専門性と中高の教科担任の考え方として、小学校の教員と中学高校の教員はそれほど変わらないとの意向なのか。

【関係団体】
 変わらないということではなく、小学校の全科と中学高校の専門教科の機能は、同じ面と違う面があり、全科は全科、専門は専門という括りが果たしていいのかということである。例えば、高校の科学の教師が小学校で国語や社会などに全科的な発想で取り組むことは、高校における基礎科学の充実改善という面で非常に大きな役割を果たすと考える。小学校の全科は高校の特定教科の専門家と相容れないとする教育の在り方そのものより、融合させる面を強調する方が教育の質的向上に果たす役割は大きいのではないか。

【委員】
 小学校から高校ということになると、幼稚園の扱いはどう考えているのか。総合化・弾力化の枠外として捉えているのか。

【関係団体】
 小学校の中には当然幼児教育が視野に入っていると考える。

4.全国高等学校長会

提出資料にない意見についての補足

【関係団体】
 免許について、例えば条件附採用時は仮免許制にすることも考えられる。そして2年次、3年次に審査を経て、適格性を認められれば正規な採用としてその教員に初級という免許を与える。中級、上級等といったグレード別免許も考えられるだろう。それぞれ次の段階に行くときに審査、検定を受け、合格した者が次に進む制度が良いと考える。現在の終身免許制では、安住しがちで、意欲を持てないまませっかくの資質を高められずにいる教員が多いのではないか。例えば検定は、教科に関わる内容・方法、生徒指導、行事、教育法規、児童生徒の教育に関わる今日的課題、一般教養等を盛り込み適格性を見る。こういう方法が考えられると思う。

質疑

【委員】
 教員が考える研修には、自分で金銭や時間を負担して行うものは含まれるのか。言われたからやる研修だけを考えているのではないか。普通、社会人は、自分の職業的資質の向上を自分で負担して行うのが常識である。その前提として、意欲のある教員に報いるため国民会議で更新制の議論が始まった。この意見からだと、行政の行う研修で十分と考えているように感じるがどうなのか。

【関係団体】
 当然行政の研修だけでは十分ではない。教育公務員特例法にも研修の必要が書いてある。自己研鑽をしなければ行政の研修を受けても身に付かないだろう。自分なりの職能研修で自分を高めることが必要と考える。最後に補足した意見は、更新制の方向に進んでいくなら、こうした方法もあるのではないかという提案である。

【委員】
 研修の充実と更新制の関係で、現在現職研修を教員が受けた場合、そこの評価がなされているのか。評価もされないで教員の力量がどう計れるのかという疑問がある。先ほどの意見のように、本来の研修とは、勤務時間外に原則有料で自由参加で行われるものである。そうした研修で勉強し評価されて初めて力量が形成される。今の研修の状態で、免許更新もしないなら本当に力量形成ができるのか疑問である。

【委員】
 グレード別検定の考えは新しい発想であるが、仮に初級、中級、上級という段階だとして、「自分は初級のままでいい」として研修をしない教員こそが問題であり、更新制があれば研修にも意欲的になるのではないかと考える。

【関係団体】
 行政で行う研修に対する評価がされないとはご指摘のとおりで、その点は非常に問題と思っている。
グレード別の免許状で初級のままでよいとする教員がいた場合の問題については、これを処遇に反映させない限りは効力がないと考える。

5.全国特殊学校長会

質疑

【委員】
 特別な教育的ニーズに応じた教育について、それを指導する教員がいないという問題は、大学の特殊教育の在り方自体が縦割りで総合化とか教育的ニーズという発想にはまだなっていないためと思える。カリキュラム等も含め、検討会等具体的な取組等をされているのか。

【関係団体】
 21世紀の特殊教育の在り方に関する報告がこの1月に出され、特別な教育的ニーズに応じた支援が明確に打ち出された。また、特殊教育学会を中心にこうした免許制度の検討がされており、やはり総合免許状という形で大学の課程の在り方も考えていく必要があるという議論がされている。それに連動しながら、この部会でも具体的に進めていただきたいと考えている。

【委員】
 現状の盲・聾・養護の3本立ての免許を一挙に総合化するのではなく、複数の障害種に対応する総合免許状を創設するという非常に弾力的な提言を得られた。複数の障害種の免許と、3本立て免許の総合化との関わりについてお答えいただきたい。

【関係団体】
 (3本立てと言っても)養護学校の中でも肢体不自由、知的障害、病弱の校種があり、それぞれ全く異なっている。重度重複化への対応の意味では共通する課題が多くある。例えば、特別な教育的ニーズの視点に立った場合、障害の状態に関する基礎知識や自立活動の内容、教材・教具などは共通の課題である。文部科学省が特別な教育的ニーズに立った教育に転換すると言ったことで、現在は以前と情勢が大きく変わってきていると考える。
また、共通する課題として、学習指導要領で打ち出している個別の指導計画の作成もあげられる。これはそれぞれの障害を把握して作る必要がある。このような意味では種別にとらわれない知識、技能を持つという視点に立った免許状の交付も可能であると考える。

6.全国国公立幼稚園長会

質疑

【委員】
 教員の意識改革や資質向上は、免許更新制度を導入しなければ期待できないと考えているのか、それ以外にもっと有効な方法があるかについて聞かせて欲しい。

【関係団体】
 更新制に限らず、日々の教育について教員への指導は十分しているが、更新制が導入されることでさらに意識が高まるのではないかという意見である。
別件の補足をしたい。現状では、幼稚園教員で小学校免許を持っている教員は全国的に見ても非常に少ない。国公立幼稚園教員の24.5パーセントである。保育士免許を持っている教員は56.2パーセントである。それぞれの自治体では、小学校免許の併有より、幼稚園と保育士の免許の併有のほうがニーズが高いのかと思うが、私たちとしては幼小の連携のために幼小の免許を併有する方向にしてほしい。

【委員】
 特別免許状の項目の中に、「特別免許状所有者を活用する場合の職名、期限、待遇等が明確でない」とあるが、懸念されるような場合があるか。

【文部科学省】
 幼稚園においての特別免許状は、まだ制度的には考えていないので、新たに創設する場合に具体的なことが必要になってくる。

【委員】
 この3月に出された幼児教育振興プログラムに述べられている幼保の連携について、個人的には幼小連携の方が大事だと思うが、現実では幼稚園と保育所の連携の方がニーズが高いと思うが、事務局としてどう考えているか。

【文部科学省】
 ご指摘のように、確かに幼児教育振興プログラムの中で幼小連携と幼保連携と両方書いてある。幼稚園と保育所をまとめて、幼児期の教育を担当している部門と、小学校との連携もまた大切という状況である。これから研究したいと考えている。

7.全日本私立幼稚園連合会

質疑

【委員】
 単位認定研修のようなものを拡充してほしいとの話だが、それは行政が担当するものか、それとも各養成機関か。

【関係団体】
 私立幼稚園と行政とが連携した新たな研修制度ができないかと考えている。教育委員会で行われている研修での講師や内容の選定に、どこまで私立幼稚園が加われるかは、都道府県、市町村によって温度差がある。そこまで含めて新たな研修制度の確立ができるといい。また単位についてだが、通信教育等で単位を取る教員も現実に多い。小学校免許を取得した教員も現職の中にいるが、非常に困難を伴うのが現状である。現在行っている研修を単位に換算してステップアップできるような検討をしていただきたい。

【委員】
 現在の免許制度での、二種から一種、一種から専修の上進制と今のステップアップの提言との内容的な関連性はどうなっているのか。

【関係団体】
 現行制度では出身学校と取った単位数が重要な要素だが、それとは別に、教員が現場で子供と向き合い、ある程度年数を経過した時に上進を考えられるような意味での初級、中級、上級といった免許制度があって良いと思う。

8.経済同友会

質疑

【委員】
 企業の役員等の意識では非常勤講師などを支援して行きたいと考えているとしても、一般社員は取り組みやすい仕組みになっているのか。その関係で、ボランティア休暇制度の推進の状況と、教育ボランティアをこれからどう広めていくのかを聞きたい。

【関係団体】
 ご指摘のような問題があったため、経済同友会では、経営者自らがまずそうした活動に率先垂範して行くという運動を始めた。役員が自分たちの知見を披露し、また教育の現場に行くことで逆に学んでくることを社員に見せることで、社員がそうした活動に参加することに理解が示されるし、社員も参加しやすくなる。

【委員】
 免許更新制度の問題については、教員の世界は、教育公務員特例法(地方公務員法)により身分保障がされている。安心して教育するためにはこれは大事な仕組みである。だが、今の時代はいいとされていたことが全てマイナスに働くこともある。自分も免許状の更新が全てを解決するとは思っていないが、これは多くの議論を尽くさなければ世の中は変わらないという意味で出ている問題である。
教育技術、知識を伝える技術については、私たちは日本の教員は世界一だと思う。ところがそれに問題が出てきた。具体例を出すと、アメリカでは毎年世界一の教員という表彰を行っているが、何が世界一なのかというと、子供にやる気を起こさせる点で世界一ということである。おそらく日本の教員なら知識の伝達と答えただろう。それを聞いて、発想の違いにショックを受けた。その部分が、今私たちが苦しんでいる問題であろう。

【関係団体】
 知識の伝達のみではなく、子供たちの持っている多様な資質をいかに引き出すかも教育技術に含まれると考える。企業でも、上司が部下に指示命令するだけでうまくいくわけではない。子供たちが自ら興味関心をもち、喜んでその問題に取り組むようにするのも技術である。
 教員免許状については、それ自体がプロとしての能力を身につけたという評価になっているのかが疑問である。大学でその単位を取っただけで教員として通用するとは思われず、その程度の免許状の更新にこだわる必要が考えられないということである。
学校はつぶれないという話だが、私は現実につぶれると認識している。これから多様な形で親や子供が学校を選択する動きが強まった時、公立であろうと誰も行かなくなればその学校はつぶれる。ちゃんとした教育が行われなければ子供たちはそこに通わない。学級崩壊はその典型だろう。子供たちがその教員を拒否している結果である。極端な話、日本の学校が全部ダメということになれば、親は外国の学校に行かせるという選択もするだろう。そういう状況に今なりつつあると認識した上で問題を考えてもらいたい。

9.日本教職員組合

質疑

【委員】
 基本的には、資質向上や不適格教員の排除は更新制でなくても評価や研修の充実で対応できると考えているが、日教組としては教員評価についてどう考えるか。

【関係団体】
 公務員制度全体の見直しが始まり、個々の公務員について能力、実績による人事評価が検討されている中で、教員も同様に、現在の基準よりさらに細かく評価されるだろう。私たちも評価方法について人事院に意見を述べている。一般公務員と教育公務員が同じ評価で良いかということもあり、具体的な評価方法はまだ整理できていない。我々も正当な評価方法が確立されれば賛成である。

【委員】
 研修も体系化されてきたのだが、教委などが実施する研修に非常に消極的な教員が目に付く。教員を切り捨てるためではなく生かすための、すべての教員がプロの教員であり続けるための更新制は考えられないか。校内研修において、何年もの長期間提案授業をしたことのない教員もいるという。やはり一定の更新制を導入しなければならないのではないか。

【関係団体】
 研修に消極的教員がごく少数いるのは確かだが、それと更新制がつながるのか。教職につかずに民間等にいて、十数年免許を使ったことがなくて、採用試験で受かったからとそのまま教員にするのはいかがかと思うので、その場合一定程度の研修を経てから採用試験を受けさせるという意味の更新制は考えられる。しかし、現職教員には個別的な評価がされる。研修は教師にとって重要であり、それを自ら磨かない教員は評価が低くなるだろう。指導力不足であれば今回成立した法案により転職させる等の方法もある。ごく少数の消極的な教員のために全体の免許更新制が必要なのか疑問がある。

(2)今後の日程について

 事務局から次回7月19日は引き続き関係団体から意見聴取を行う旨連絡。

5.閉会

以上

お問合せ先

総合教育政策局教育人材政策課

(総合教育政策局教育人材政策課)

-- 登録:平成21年以前 --