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【別添3】

参考事例等


【学習成果の評価・活用に関する取組】
   平成7年に開館した佐賀県立生涯学習センター・女性センター(アバンセ)(佐賀県佐賀市)では,生涯学習の成果をゲスト講師やボランティアなどとして社会に還元していく手だてを提案したハンドブック(「学習成果の活用を求めて」)を作成している。ハンドブックには,有効な人材バンクのつくり方,学習プログラムの企画の方法のほか,ゲストティーチャーへの謝金や,ボランティア活動の保険についてのQ&Aも入っている。また,アバンセでは,県民カレッジの高単位取得者等を対象に,講師や指導者としてのスキルアップを図るための「マイスター講座」を実施している。

【地球環境パートナーシップ】
   平成8年10月に,様々な環境問題を解決し持続可能な社会を実現するために開設された「地球環境パートナーシップ」(東京都渋谷区)では,環境省,国連大学,NGO等からのスタッフにより,パートナーシップの実践者や有識者からなる「環境パートナーシップ協議会」の助言を得つつ,運営が行われている。具体的には,パートナーシップを組むにあたってのノウハウ等についての相談や人材養成,環境教育・環境保全のためのNGOとの意見交換の場の設置などの取組が行われている。

【地域プラットフォーム】
   千葉県の「常磐線NPOプラットフォーム」では,地元の大学とNPOサポートセンター,生協,行政,企業・商店街が,「NPO支援センターちば」の事務所を設置し,学生,社会人を対象に人材育成を基盤にしながら,コミュニティビジネス等多様な社会参加をサポートする事業を展開している。

【インターネットを活用した市民講座】
   「富山インターネット市民塾」では,県,市町村,企業,大学の共同運営により,インターネットで誰でも講座やサークルを開くことができる仕組みを構築している。参加者は,いつでもどこからでも講座に参加でき,自分の経験,ノウハウを生かして講座を開くこともできるなど,知識や学習成果の循環が行われる仕組みになっている。また,ITを利用しているため,誰でも自由な時間に参加でき,働き盛りの世代の利用も多い。さらに,地域の学習素材についての講座も数多く開かれており,地域の魅力を再発見する場としても機能している。

【生涯大学システムにおける生涯学習パスポート】
   東広島市では,平成15年度から,16機関・団体からなる「東広島市生涯大学システム運営協議会」(以下,運営協議会)の参加による「東広島市生涯大学システム」を運営している。運営協議会等が開催する講座等の受講者には,受講した記録を「生涯学習パスポート」に記入の上,単位として認定しており,単位が目標に達した人には運営協議会から奨励のために表彰状を発行している。本パスポートは,「学びの記録」以外にも「自分史」(過去からの学習歴や地域活動・ボランティア活動など)も記載できるファイルとなっている。一般用(発行料500円)と児童・生徒用を作成しており,児童・生徒用パスポート「5日制ノート」は,市内の全小中学生に無料で配布している。

【シチズンシップ教育】
   英国では,2002年9月から,11〜16歳の中等教育において,1責任ある社会的道徳的行動,2地域社会への主体的参加,3民主社会の構成員としての知識・技能の習得・活用を目的とした「シチズンシップ教育」が必修化されている。
   「シチズンシップ教育」の具体的な事例としては,ロンドンの下町にあるHaverstock school での取組が挙げられる。この学校は,多民族・多文化の生徒で構成されており,特別教育の必要な子どもや給食費の払えない貧困家庭の子どもなど教育上困難な問題を抱えている生徒の割合が多い。この学校では,1生徒がドラマの授業で有料の演劇会を開き,自分達の励みにするとともに,その収益金を老人ホームに寄付する,2生徒会が新しい校長の面接試験を学校理事会とともに行ったり,財政管理に関わるなど,学校運営そのものに生徒が深く関与する,3視察者など外部からの訪問者があった場合には,生徒会の役員が校内を案内したり,学校の現状について説明するなどの活動を行っている。これらの活動により,この学校では,以前は暴力事件等が多発していたが,生徒が落ちつき,学校運営も着実に良い方向に進み始めるという効果が出ている。

【ギャップイヤー】
   イギリスでは,習慣として,大学入学資格を得た18〜25歳までの若者に,入学を1年遅らせて社会的な見聞を広めるための猶予期間が与えられている。
   ギャップイヤーを利用する若者の多くは,高校が終了する6月から大学が始まる翌年の10月までの16か月間のうち,はじめの5か月間はアルバイトで資金をつくり,次の5か月間でボランティア活動を行い,残りの6か月間を世界旅行をしたり会社で職業体験をしたりするなどの期間に充てている。
   ギャップイヤーを取得した若者は,大学を中退する割合が3〜4%と少なく(平均は20%),ギャップイヤーの利用は,大学での専攻についての目的が明確になる等の効果があるとされている。企業においても,ギャップイヤーによって様々な社会体験を経た若者を評価している。

【図書館におけるビジネス支援】
   浦安市立図書館(千葉県浦安市)では,図書や新聞,各種統計,年鑑,政府刊行物などのビジネス関連の資料の積極的な収集,専門職の充実した配置によるレファレンス機能の充実,データベース環境の整備など,ビジネス支援に重点を置いたサービスの提供が行われている。また,「ビジネス支援図書館推進協議会」との連携により,Webの活用や創業に関するビジネス支援セミナーの開催や個別相談会が実施されている。

【県立図書館の広域サービス】
   鳥取県立図書館(鳥取県鳥取市)では,直接来館できない遠隔地の県民に県下一律のサービスを保障するため,物流システムを整備している。リクエストがあれば,最寄りの図書館に翌日もしくは翌々日に本が届く「宅配便」や,大量貸出や市町村図書館間の物流を請け負う「巡回搬送車」を運行している。また,県内の高校への本のセット貸出を行うほか,高校・大学等ともに市町村図書館と同様の宅配便によるリクエスト貸出を行っている。

【参加・体験型の展示】
   江戸東京博物館(東京都墨田区)では,館内に体験コーナーを設置し,卓袱台(ちゃぶだい)やタンスなど現代生活では,姿を消した江戸〜昭和前期の生活民俗資料を自由に触れるように展示したり,人力車などへの乗車ができるようにしている。また,浮世絵の画面を手で読み取れるように加工したレリーフなど,主に視聴覚障害者を対象とした触覚による展示(「手で見る展示」)を行っている。

【総合型地域スポーツクラブにおける取組】
   向陽スポーツ文化クラブ(東京都杉並区)は,中学校のプール開放を契機に地域のクラブとして発展した総合型地域スポーツクラブであり,学校開放を受けて,テニスや空手などの各種スポーツ活動だけでなく,サイエンスクラブなどの文化活動も含めた活動を地域住民主導で行っている。
   子どもから高齢者まで幅広い層の参加を得ており,活動の中で,子どもが高齢者から学ぶといった状況も生まれている。

【高齢者元気回復プロジェクト】
   江戸東京博物館(東京都墨田区)では,高齢化社会に対応する新しい取組として,東京都老人研究所,文化総合研究所とともに,高齢者の博物館利用促進を目指した「高齢者元気回復プロジェクト」が開始された。高齢者が博物館にある展示物に触れ,昔のことを語ったりすることにより,五感の記憶を呼び戻し,高齢者に元気になってもらうことを目指している。

【地域の活性化に向けた取組】
   江戸東京博物館,国技館,JR両国駅等,両国を基盤とする地元企業等をメンバーとする「両国協議会」では,両国の魅力を多くの人に伝えることを目的に催しもの等を開催し,地域経済の向上と活性化を図っていこうという取組が始まっている。


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