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【別添1】

関係機関・団体等の重点的に取り組むべき分野に関する意見


1.職業能力の向上
(1)    学校
1 小中高等学校
人々の生涯学習の基礎を培うためには,初等中等教育の段階において,生涯にわたる学習の必要性や学び続ける意思と方法,技術を教育することが重要である。
初等中等教育段階から,児童・生徒の一人ひとりに勤労観・職業観の育成を図る教育を充実するために,インターンシップ(就業体験)の充実やキャリアアドバイザーの活用などを進めることにより,職業に関する知識・技能の習得を図ることも重要である。
学校内外を通じた奉仕活動・体験活動等の充実を図ることにより,勤労の尊さや社会性,情操等を養うことが必要である。
インターンシップの実施については,地域の企業,自営業者,高齢者やNPOなどの関係者の理解を求め,一層の協力を得ていくことが必要である。
2 大学等
近年,社会・経済が高度化・複雑化し,グローバル化が進展する中で競争化していく社会を生きていくためには,職業能力の向上につながる学習の支援や,国民の教育レベルの高度化に対応することが重要である。このため,大学(大学院も含む。),短期大学,高等専門学校(以下「大学等」という。)の高等教育機関の役割が極めて重要である。
社会人の受入れが拡大するような入学,履修形態の改善,より多くの社会人をひきつける魅力あるものになるような教育内容・方法の改善に取り組んでいくことが求められる。
学生の学習意欲を喚起し,高い職業意識を育成する上で,在学中に将来のキャリアに関連した就業体験を行うインターンシップの促進が重要である。しかしながら,企業やNPOにおけるインターンシップの受け入れについての体制が十分ではないという指摘もある。したがって,今後,大学等は,インターンシップについて,実践と理論の学習を結びつけて質を高めることを検討するとともに,企業やNPOなどの地域社会の関係者との連携を更に強化していくことが必要である。
職業能力の向上につながる学習を支援するためには,大学等が都道府県,市町村,社会教育施設等との連携(ネットワーク,コンソーシアム(共同事業体))を強化することが必要である。
働き盛りの世代の社会人等の職業能力の向上を図るために,ITを活用した遠隔教育を充実することも必要である。
3 専門学校・高等専修学校等
文部科学省の「専修学校社会人キャリアアップ教育推進事業」等の委託事業により,社会人等を対象としたキャリアアップのためのモデル・プログラムの開発・導入が行われている。専門学校,高等専修学校,専修学校一般課程,各種学校(以下「専門学校・高等専修学校等」という。)においては,このようなモデル事業の成果を活用して,社会人等に対する職業能力の開発機関としての取組を一層推進していくことが望まれる。
専門学校・高等専修学校等では,情報処理,建築,自動車整備などの分野について多くの講座が「教育訓練給付制度」に指定されている。また,離職者等に対する「委託訓練」が行われるなど,職業能力向上のために大きな役割を果たしており,今後,この面で一層重要な役割を担っていくことが期待される。
専門学校,高等専修学校等の多くは,社会人等を対象として,パソコン,語学,ファッション,手芸等多様な公開講座を開催するなど,社会人等に対する能力開発の場としての役割を担っており,今後,これらの取組を一層進めることが必要である。
専門学校・高等専修学校等が,実践的で専門的な技術・技能の教育機会を提供する中核的な職業教育機関であることを明確に位置づけることが必要である。また,ITや福祉等の短期教育プログラムや実務・教育連結型人材育成システム(日本版デュアルシステム)の開発・導入により,フリーター等の再教育や社会人の能力開発など,社会の要請に一層こたえることが必要である。さらに,公開講座等を通して地域の人々の生涯学習の場としての役割を一層果たしていくことが重要である。このほか,専門学校の出前講座や土日開放講座など,子どもたちの職業意識や勤労観の育成のための学習機会の提供に積極的に貢献していくことも重要である。
(2)    都道府県,市町村,公民館,青少年教育施設,女性教育センター等
若者や中高年層の職業能力の向上の課題への対応に重点化を図り,職業能力の向上に係る学習機会を積極的に拡充していくことが必要である。このため,大学や専門学校,職業訓練施設等との連携を強化し,これらの機関の専門的技術や職業に関する知識等を活用することが必要である。しかし,町村では大学・専門学校等が存在しない所もあるため,ITを活用した遠隔型の学習機会の提供の充実が特に必要になると考えられる。
企業との連携を強化し,職業上の能力に関して企業がどのようなニーズを持っているのかといった情報等を把握した上で,これらの情報を積極的に提供しつつ,学習内容の工夫を図るとともに,学習成果を企業が活用していけるような評価の仕組みを構築することが求められる。
子どもや若者,働き盛りの世代の学習や活動の拠点になるよう,講座内容や施設の改善,開館時間の延長等を図ることが必要である。
(3)    図書館
地域の学習・情報拠点施設として,その果たす役割は大きい。職業能力の向上という観点では,ビジネスに携わる人々に対して積極的にビジネス支援のための情報を提供していくことや,中小企業の関係者への支援やベンチャー企業(振興企業)の創業・起業のための情報を提供していくことが求められる。
経営・創業・資格取得といったビジネスや職業能力の向上に関連する資料を集めたコーナーを設置したり,これらの資料を活用して,ビジネス支援のための講座などを開設することなどが考えられる。
ビジネス関連のデータベースの導入を進め,司書が情報探索の方法を説明するセミナーを開催することなどが考えられる。
商工会議所,ハローワーク,職業訓練施設,大学等との連携を強化することが重要である。
(4)    民間教育事業者
     民間教育事業者の提供している講座等については,一定水準以上のものについて動機づけを与える取組や,教育サービスの質の保証に向けた民間教育事業者による自主的な取組への支援など,質の確保のための取組を充実していくことが求められる。
(5)    社会教育関係団体,NPO
     インターンシップやワンストップサービスセンターの設置など人材育成・社会参加を支援する事業は,最近は,NPOが主体となって推進するようになってきている。今後,NPO等の様々な主体がそうした面での役割をより一層果たすことが期待されており,行政側もそうした主体とのより一層の協働が望まれる。
(6)    企業
景気の低迷による企業の経営の悪化,雇用形態の変化等により,Off-JT(通常の仕事を一時的に離れて行う教育訓練・研修)は減少傾向にある。このため,企業も,生涯学習という観点から,勤務時間の弾力化など各個人が職業能力の向上のための学習活動により参加しやすい環境を整えることが求められている。
特に,研究者や経営に携わる人材は,社内業務以外にも,海外に行くことも含め,大学院や研究機関等で知識・技術等の向上を効果的に図ることが重要である。
(7)    学習者への支援
     厚生労働省関係の教育訓練給付金は,大学・専門学校等で学ぶ社会人などの学習者への経済的支援として極めてニーズの高いものであり,今後,この給付金の大学・専門学校等における対象講座を拡充するなどにより,学習者への支援を充実することが必要である。

2.家庭教育への支援
(1)    学校
     小中高等学校のみならず,大学等においても,幼稚園や保育所等に行って乳幼児の世話をする等の活動を行うなど,幼稚園や保育所等との連携が図られているところもある。こうした連携を一層強化し,生徒等の保育体験の一層の充実を図ることが必要である。
(2)    市町村,公民館,青少年教育施設,女性教育センター等
家庭教育に関する講座の開設など親への学習機会の提供を充実することが必要である。また,子どもを持つ親同士,あるいは子どもを持つ親と地域の子育て経験者が交流する場となる「子育てサロン」等での学習,青少年教育施設における親子での宿泊体験活動などを充実するなど,家庭教育への支援の大幅な強化を図ることが必要である。
育児に関する悩みや不安を抱える親からの相談にいつでも的確に対応するため,「子育てサポーター」の資質向上を図るリーダーの育成等,家庭教育に関する相談体制を充実することが必要である。
地域における子育て中の親や,市町村(教育委員会,母子保健部局,福祉部局等),幼稚園,保育所,小中高等学校,児童相談所,PTAなどの子育てに関連する機関や団体から構成される子育てを支援するネットワークづくりも重要である。また,公民館や女性教育センター等が,子育て中の親同士の交流の輪である「子育てサークル」や,親同士の,より地域的な広がりを持つ輪である「子育てネットワーク」などの拠点として活用されることが必要である。
保健センター等においても,家庭教育に関する講座の開設等を充実することが必要である。
学校におけるPTAや保護者会等の機会を活用した講座の開設の充実が必要であるとともに,余裕教室の活用などにより,乳幼児を持つ親等の交流の場をつくることが,「開かれた学校づくり」,「次世代育成」という観点からも重要である。
都道府県や市町村では,子育て中の主婦など外出できない人に対する支援として,ITを活用した家庭教育に関する学習機会や相談体制等を充実することも重要である。
(3)    図書館
子育て支援のための資料コーナーを設けたり,親に対して子ども向けの本の選び方等を説明したり,子育ての楽しさを体験させるなどの企画が期待される。
子どもに対する読み聞かせの方法等を親に説明するなどの子育て支援のためのサービスの充実も必要である。
(4)    博物館
豊富な学習資源を有している博物館や,ものづくり教室などの教育普及事業を活発に行っている博物館は,親子で来館して楽しみながら学習できる場として非常に重要であり,こうした観点での企画のより一層の充実が期待される。
地域の歴史を扱う歴史博物館や資料館などでは,展示を題材とした親子の交流や異世代の交流が図られるなどしており,家族や地域における交流の場として重要である。
(5)    社会教育関係団体,NPO
子育て支援の取組を主体的に推進していくことが求められる。このため,行政側もそうした主体とのより一層の協働が望まれる。
社会教育関係団体では,保護者との会合などを通じて,子どもの教育や親に対する支援,また,親子参加のプログラムにより積極的に取り組むことが望まれる。
(6)    企業
     職業を持っている人,特に男性が家庭教育に参加しやすくするためにも,働き方の問題や企業の社会貢献の在り方を見直すことが求められる。また,企業内での家庭教育講座の開催や,子どもの職場参観授業などの実施など,企業において家庭教育の重要性を考える取組を充実することが必要である。
(7)    その他(学習機会等に参加しない人への対応)
     家庭教育講座等の学習機会等に参加しない人への対応も課題である。この問題については,市町村による対応には限界があり,PTA等の社会教育関係団体やNPO,地域住民の協力を求めていくことが必要ではないかという意見もあり,今後検討を進めていくことが必要である。

3.地域の教育力の向上
(1)    学校
生涯学習を推進していく上で,学校を地域のコミュニティの拠点として活用していく発想が必要である。このため,子どもの安全確保に十分に配慮した上で,学校施設の放課後や週末の開放を拡充したり,地域の人材や資源の活用の方法を工夫したりするなどして,地域社会との連携を深めることが必要である。
地域の身近な施設である公民館,図書館,博物館等の社会教育施設などとの連携を強化し,学校の教育活動と地域の活動の効果的な連携を図ることが必要である。特に,青少年教育施設との連携を強化し,奉仕活動・体験活動等の充実を図ることも重要である。
連携に当たっては,単に施設や教材の提供を受けるにとどまらず,地域のボランティア団体や青少年関係団体等の社会教育関係団体,保護者等の地域の人材と協力し合うこと,教育事業のプログラムの企画に当たっての支援を受けるなど,幅広い連携の在り方を検討することが求められる。特に,青少年に対して様々な分野でのプログラムを持っている青少年関係団体との連携を更に深めていくことが重要である。
例えば,個人・団体・企業等が地域の学校に参加・協力・支援できる内容(特技・資格・趣味,工場見学・体験学習等)を,学校や教育委員会等に「学校協力員(団体・企業)(仮称)」として登録するといったシステム化を図り,学校・教育委員会等の要請に応じて学校の運営に参加・協力・支援できるようにすることは,地域住民の生涯学習の場にもなり有効ではないかと考えられる。
学校のバリアフリー化を進めるなど,乳幼児連れの親子や高齢者を含む地域住民が集いやすい施設にしていくことも重要である。
(2)    市町村,公民館・青少年教育施設等の社会教育施設
青少年の体験活動等の充実を図ることが重要であり,成人が体験活動等の指導者になるための学習機会の拡充が望まれる。
文部科学省が都道府県や市町村において整備を推進している「体験活動ボランティア活動支援センター」との連携を図ることも重要である。
(3)    図書館
     子どもの「調べ学習」支援など子ども向けのサービスの充実のほか,ボランティアの資質向上のためのサービスの充実も望まれる。地域の図書館間の連携はもちろん,司書教諭を含めた学校の教職員などとの連携を強化し,学校と地域の公共図書館が関係を深めていくことも重要である。
(4)    博物館
     豊富な資源の中から,見る,触るという行為を通じて感覚や情操を養う場として重要である。提供できるものについては,参加・体験型の展示の工夫を充実することによって,子どもへのサービスをより一層強化するなど,地域に対して学習のための資源を提供していくことが求められる。
(5)    社会教育関係団体,NPO
地域の大人として子どもをはぐくむ活動に参加することを支援する取組等を推進していくことが求められる。このため,行政側もそうした主体とのより一層の協働が望まれる。
青少年関係団体は,日常実施している青少年のためのプログラムを地域に根ざした活動として提供し,更に広く展開することが望まれる。また,地域の青少年指導者の養成のための支援を行うことが重要である。
(6)    企業
我が国では,産業界における知的資源の蓄積が大きいとともに,企業の社会に対する責任が現在ますます重要となっている。
   そこで,例えば,企業が地域で講座を開いたり,小中高等学校,公民館に人を派遣するなど,教育機関との連携を深めながら,社員のボランティア活動等を促進することにより,地域社会への貢献を充実することが期待される。
企業が所有する教育施設,スポーツ施設,文化施設等についても,地域に積極的に開放していくことが重要である。
(7)    その他(子どもの居場所づくり等)
国や地方公共団体が,企業や関係団体等と連携しながら,地域の大人を安全管理員・活動アドバイザーとして学校等に配置し,子どもたちの放課後や週末におけるスポーツや文化活動,様々な体験活動,地域住民との交流活動等を支援する「子どもの居場所づくり」の取組を推進していくことが重要である。
総合型地域スポーツクラブは,身近な地域において,子どもから高齢者まで誰もが多様なスポーツに親しむことができる,地域住民を中心として運営されるスポーツクラブである。また,生涯スポーツ社会の実現に寄与するとともに,健康の保持・増進,体力の向上,家族のふれあいや世代間交流による青少年の健全育成,子どもの居場所づくりなど,地域の教育力の向上に大きく貢献するものであり,その育成を推進することが必要である。さらに,企業の施設等既存のスポーツ施設の活用やスポーツ指導者の養成・確保,学校の運動部活動との連携などを通じ,地域におけるスポーツ環境の整備に取り組んでいくことが重要である。
18歳以上の青年期において,長期間にわたって奉仕活動等を行うことが有意義であることについては,既に平成14年の中教審答申「青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策等について」においても提言している。しかし,これについては,必ずしも十分に進展しているとは言えないとの指摘もある。その主な要因としては,「期間が長いと休みをとりにくいこと」,とりわけ学生にとっては,「この活動のために休学しても学費の負担がかかること」などが指摘されている。
   したがって,今後,大学においては,大学ボランティアセンターの開設など学内のサポート体制の充実,セメスター制度や,ボランティア休学制度など活動を行いやすい環境の整備,学内におけるボランティア活動等の機会の提供などに取り組むことが望ましい。また,企業においては,長期ボランティア活動の評価や奨励を行っていくことが望ましい。さらに,青年のボランティア活動を促進していくためには,ボランティアの受入れ先の確保が必要であり,このためには,国,地方公共団体,NPO等が積極的に協力していくことが重要である。
   そこで,国や都道府県,市区町村の「体験活動ボランティア活動支援センター」のボランティアの受入れ先の確保や社会的気運の醸成といった機能の充実を図っていくことが求められる。
現在,様々な地域で,地域の中での相互の助け合いを進めるための「地域通貨」(一定の地域内でサービスの交換手段として使用される擬似貨幣)のシステムが広がっているところである。ボランティアについても,地域通貨を利用して推進を図れば,より活性化していくのではないかと考えられる。

4.健康対策等高齢者への対応
(1)    市町村,公民館等
高齢者の新たな能力開発のための学習プログラムをつくることが求められる。また,高齢化する地域社会を活性化していくため,健康な高齢者の地域社会への参画を促進し,高齢者の多様なニーズにこたえるとともに,学習成果の活用できる機会を充実していくことが求められる。
現代の若者が伝統的な生活文化,伝統文化を継承する機会に恵まれていないという現状を踏まえ,高齢者が身につけている生活文化や伝統文化などの知識や技術を継承するための指導の仕方などを学び,よい伝達者になるための学習が重要である。このため,高齢者の知識や経験の継承のための学習プログラムを考えていくことが望まれる。
(2)    図書館
高齢者の読書活動を促進するためのサービスの充実とともに,高齢者や病院の入院患者などのための移動図書館や,一人暮らしの人のための配本サービスなど,幅広いサービスを充実することが期待される。
豊富な資源の活用を図り,高齢者の積極的な地域社会への参画を図ることなどが望まれる。
(3)    博物館
     豊富な資源の活用を図り,高齢者の積極的な地域社会への参画を図ることなどが望まれる。
(4)    その他
     高齢者の健康の保持・増進のためには,総合型地域スポーツクラブの育成等を通じ,高齢者が参加しやすいスポーツ環境の整備に取り組んでいくことが求められる。

5.地域課題の解決
(1)    学校
総合的な学習の時間などを通じて子どもの時から地域の課題に触れる機会を提供することが重要である。
子どもの安全確保に十分に配慮した上で,学校施設の放課後や週末の開放を促進し,地域住民の学習の場としての活用を充実していくことが必要である。
大学等においては,自らの知的資源によって社会に貢献していくという姿勢を明確に示し,研究面,社会人等の学習の両面での拠点として,地域課題の解決に向けた支援など,地域貢献の充実が求められる。
専門学校・高等専修学校等の中には,その実践的な能力を活用し,例えば街路灯の装飾や商店街のホームページの改善など,まちづくりに協力しているところもある。今後は,このような地域貢献への取組を一層推進していくことが期待されている。
(2)    市町村,公民館等
まちづくり等の地域課題の解決のための学習機会の充実を図ることなど,地域コミュニティ全体に資するサービスの提供を充実させることが必要である。
地域課題の解決のためには,個性と活力ある地域づくりを担う人材を育成・確保していくことが求められている。このためには,より多くの地域住民が参加・参画できるような仕組みが必要であり,市町村は社会教育関係団体やNPO,ボランティア,民間企業等と協働し,地域住民とのネットワークの形成を促進することが重要である。
(3)    図書館
まちづくりなどの地域の社会的ニーズに応える幅広いサービスの充実が必要である。
資料の目録情報を提供するだけでなく,地域の課題に応じて独自のコンテンツを作成し,資料の付加価値を高めて発信することが期待される。
(4)    博物館
     自然科学系博物館における自然観察会を通じた環境教育を実施することなどに関し,豊富な資料を有するとともに,専門家を有する博物館は,地域における環境問題等の課題解決においても大きな役割を担うことが期待できる。また,一部の博物館では,ボランティアなどを母体としたNPOが発足し,環境保全活動など地域の課題解決のための活動に活発に取り組んでおり,行政としてもこうした動きと協働していくことが重要である。
(5)    社会教育関係団体,NPO
     地域課題の解決のために社会参加・地域貢献の取組を主体的に推進していくことが求められる。このため,行政側もそうした主体とのより一層の協働が望まれる。
(6)    文部科学省
     平成16年1月に文部科学省に設置された「地域づくり支援室」においては,人づくりを通じた地域づくりのための新たな施策の企画・立案,市町村等への情報の提供,市町村等からの地域づくりのための相談への対応や要望等の把握を行っている。また,専門家の派遣,大学等の関係機関との仲介支援,地域の特色ある事業の全国への紹介等,教育関連の総合的な支援体制を整備するための取組も行っている。今後,関係者との協力を図りつつ,こうした取組を充実していくことが重要である。


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