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資料1-3 全国生涯学習ネットワークフォーラム2011 各分科会における主な意見

第1分科会(学びの場を核にした地域の絆づくり)における主な意見

 

【基調講演】宮城教育大学 高橋孝助学長

○ 今回の震災により、学校で結ばれる子ども同士、あるいは子どもと教師とのふれ合い、固い繋がり、絆といったものが復元された。これを一時的なものではなく、日常的なものにしていくことが重要である。

○ 現在の学校現場は、これまで集落が本来持っていた、学び合いや社会性を身につけるといったことを、取り込まざるを得なくなっている。

○ 被災により、学区外へ転校等している児童生徒もいるため、学校の編成をどのようにすればよいかという問題がある。

○ 先生方は復旧・復興の両方に携わって多忙なため、研修の機会の減少や、授業時間の減少が生じ、子どもたちの進路指導が予定どおり進まないことが一番大きな問題。震災によって、震災前からあった教育の格差・学力の格差をこれ以上放置することはできない。基礎的な学力を子どもたちにつけさせることが震災からの教育復興にとって重要である。

○ 学校へのボランティアにあたっては、現場のニーズに合ったボランティアを派遣することが重要であるとともに、中長期的に安定した体制を作り、常時現場の状況に対応できるようなシステムを確立しなければならない。そのためには、教育行政がしっかりしなければならない

【事例報告】

<気仙沼市立松岩公民館館長 齋藤文良氏>

○ 日頃から地域の方々、とりわけ自治会長連絡協議会との連携をして街づくりの観点から公民館の活動を進めてきたため、公民館での避難所運営が円滑にいった。

○ 高校生や大学生にボランティアをしていただいたが、このことは彼らの人格形成の上で非常に有意義に働くのではないか。

<福島県教育庁参事兼室長 第35回全国高等学校総合文化祭福島県実行委員会事務局長 笠原裕二氏>

○ 高等学校側では、地域と連携し、革新していくという意識が弱いので、この点を育てていく必要がある。そのためには、高等学校と地域をコーディネートする体制を整備する必要があるとともに、高等学校が地域に出て活動するためのコストを支援するような仕組みが必要。

○ 今回の高校総合文化祭では、高校文化部の避難所への訪問活動を行ったが、このことは、参加した高校生の成長につながり、今後の人生において、なんらかの社会貢献活動に参加することのモチベーションを高める経験になったのではないか。

<鹿児島県志布志市長 本田修一氏>

○ 志布志市では、生涯学習の町づくりのため、平成元年に志布志さわやか大学を開校し、多くの生涯学習講座を実施している。

○ 生涯学習では、楽しく学びながら、学んだことを実践することが重要。

<横浜市立東山田中学校コミュニティハウス館長竹原和泉氏>

○ 地域と学校を結ぶためには、情報の共有、思いの共有、アクションの共有が大事ではないか。

○ 地域の方がボランティアとして学校に入ってもらうためには、その前に研修をし、子どもと介するとはどういうことか、サポートするとはどういうことかといったことについて学んでもらい、コーディネーターが学校に紹介している。

【ナイトセッション】「福島からの発信、そして対話」~時計を1分遅らせて考えたこと~

<福島県在住の詩人 和合亮一氏、福島県社会教育主事 天野和彦氏による対談> 

○ 避難所では食事以外は耐えるしかなく、知り合いがいても挨拶をしなくなるなど、わずか一ヶ月で個性が失われていくような感じになった。しかし、それは決してダメになったわけではなく、ぎりぎりのところで耐えていたからである。そのぎりぎりの状態でも他の人のことを心配して新聞を配る人がおり、そこから少しずつ皆が人間らしくいられる環境を作ろうという動きが出てきた。

○ 避難所では、多くの人が町や地域の世話役の人たちを中心にしながら、自分たちの生活をなんとかやっていこうという人たちが非常に多かった。

○ 今の出口の見えない福島の状況は、「悲しい」以上の表現のしようがないが、ぬくもりをお互いに交わし合ったり、求め合ったりしていく中で、悲しさと向き合って次の明かりを探すということが、日本人の感性・気質としてあるのではないか。

【子ども熟議】~子どもたちがつむぎ合う、これからの「絆」~

<岩手県・宮城県と東京をネットで結んだ子どもたちによる熟議>

(参加児童生徒)

  • 岩手会場・・・山田町・大槌町の小中学生
  • 宮城会場・・・石巻市の小中学生
  • 東京会場・・・三鷹市・杉並区・横浜市の小中学生

(ファシリテーター)

  • 岩手大学、宮城教育大学、東京学芸大学の学生

○ 一番うれしかった支援は、支援物資の段ボールに書いてあった励ましの言葉だった。

○ 震災を通じて、改めて感謝という言葉の意味がわかった。

○ ありがとうと言ってくれる地域の人の言葉が、すごく自分にとって意味のあるものだとわかった。

○ 誰かの役に立ちながら生きていくことは、すごく大切なんだとわかった。

○ 家族って大切だ。心の支えになる。とても大切な存在だと始めてちゃんと理解した。

○ 今回の震災で、積極的に地域の行事に取組もうと思った。また、進んで挨拶をしようと思った。

【シンポジウム】これからの地域の絆づくりに向けて今、私たちに求められること

(コーディネーター)

千葉大学教授明石要一氏

(シンポジスト)

  • NPO法人スクール・アドバイス・ネットワーク理事長 生重幸恵氏
  • 愛媛県新居浜市教育委員会社会教育課長 関福生氏
  • 神戸市社会福祉協議会/福島県災害ボランティアセンター運営支援者 長谷部治氏
  • 三重県多気町まちの宝創造監 岸川政之氏
  • 岩手大学公認ボランティア団体「天気輪の柱」代表 萩原亜弥香氏

○ 今回の震災を「絶対に忘れてはいけない」という子どもたちの言葉を真摯に受け止めて、大人たちがまず見本を見せて、何ができるかということを発信し続け、行動し続けなければならない。

○ 子どもたちの学びに対する前向きな姿勢は、「自分が掴み取った強さ」によるところが大きい。それに対し、大人は何ができるのかが大切。

○ 21世紀型の教育は、地域社会も企業社会も含めて、全ての大人が次世代にむけてどのようにつながり、どのように発信していくかが重要。

○ 地域に本当の意味で役立つことを考えていかなければ、公民館の必要性は消えてしまうのではないか。

○ 新しい人が入り込めるような仕組みを作っていくことが、公民館にとって大事なことではないか。

○ 地域の中でいろいろな人がそれぞれの立場で役割を担っていく。そして、その中で自分にできることを引き受けて地域をよくしていくような活動が今後重要になってくると思われる。

  第2分科会(これから求められる防災教育への取組)における主な意見

【防災に対する意識が希薄】

  • ほとんどの日本人は、日常の中で自分の命が奪われるという思いをしたことがないため、自己防衛の意識が低い。
  • 防波堤やハザードマップなど想定した安全を確保し安心してしまってい る。本来、自然災害は、様々な被害が起こり得るものであり、想定を超えることがあるが、これを忘れ無防備な状態になっている。

 

○ 50年や100年に一度発生する震災に対応するためには、防災教育を文化として定着させるべき。そのためには、まず、子どもたちに教育することであり、その子どもが10年たち大人になり、更に10年たって親になり、自らの子どもに伝えていくことで継承されていく。

○ 恐怖心をあおる防災教育や知識を伝えるだけの防災教育は効果が無い。避難三原則(想定にとらわれるな、最善を尽くせ、率先避難者たれ)のような災害に対する姿勢を教えるべきである。

○ 子どもたちが体験を伴う学習を繰り返すことによって、自ら考え、判断し、行動する力につながる。

【地域コミュニティの希薄化】

  • 地域のコミュニティが希薄化した結果、地域防災力が低下している。

 

○ 行政等への外部依存体質を払拭し、地域の課題に一人ひとりが役割と誇りを持って皆が取り組んでいけば地域は変わる。

○ 学校、家庭、町内会等が協働して運営する世田谷区立太子堂小学校・中学校合同学校協議会では、地域防災の必要性から、学校を中心とした防災教育(サバイバルキャンプ等)を実施し、中学生が避難者の受入れや消火活動の訓練を行っている。

○ 災害時に多くの命を守るためには、学校・家庭・地域が一体となり、一人ひとりが地域の一員としてできることを考え実践するべき。

○ 社会的弱者への対策として、地域による日頃からの挨拶・声掛けにより一人暮らしの高齢者の生活を把握するなど日常の行動が非常時にも効果を発揮した。(地域の要援護者と支援者を登録し、また、平常時から見守り活動や研修の実施など定着に向けた取組に務めた結果、災害時にも速やかな安否確認を行うことが出来た松江市法吉公民館の事例など)

【防災教育に携わる人材の不足】

  • 地域の様々な主体をつなぐためのコーディネータ、地域における防災教育のリーダー及びボランティア、防災教員といった人材が不足している。

 

○ 地域の防災リーダー養成のため、社団法人中越防災安全推進機構では、防災に関する専門的な知識を学ぶ市民向けの防災講座を実施。高校生から80代までが認定されており、自主防災組織の立ち上げや自主防災組織での活動において活躍している。

○ 静岡県では、地域防災力の充実・強化を図るため、地域防災のリーダー等となる人材の知事認証制度を設立。災害発生時に、自らの判断で的確な行動をすることのできる知識及び技術を持つ自主防災組織のリーダーとなる人材や、次世代の地域防災の担い手などを育成している。

○ 防災・減災等の社会貢献におけるリーダーシップと専門能力を持った人材を育成するため、東北福祉大、工学院大、神戸学院大の三大学が連携し、三大学共通認定の資格と資格取得に必要な専門カリキュラムを共同開発している。

○ 防災教育に関する地域間格差の解消や防災教育の拡充・進展に加え、広域的な連携・地域間交流によって取組の継続を促し、時を超えて継承していくことが重要である。そのため、全国的なフォーラムのような交流と協議の機会を設けることが必要である。

【防災教育の不足】

  • 学校での防災教育の取組、内容等に格差がある。
  • 防災教育を進めるための教材やマニュアルが不足している。
  • 地域で防災教育が進んでいない。

 

○ 防災意識を高めるため、低学年のうちから防災教育を実施し、意識付けを行うほか、小学校・中学校等が連携した訓練を実施することが重要である。

○ 防災教育を指導できる人材を確保するため、教員養成課程の中で防災教育を位置付けたり、教員に対する研修の機会を設けることが重要である。

○ 各教科で防災の取扱を工夫し、防災教材を開発することに加え、教科「防災」の創設も検討することが望まれる。

○ 地域のイベントの中での防災教育を行う、炊き出しや避難所体験等の体験型・参加型の学習を重視するなど、楽しみながら防災を学ぶことのできる機会を設けることが大切である。

【防災教育を実践するための予算が少ない】

○ ボランティアの効果的な活用や、基金・募金の活用を検討することも求められる。

○ 行政が予算措置して防災教育を推進することの有効性やその成果等をもっと訴えかけ、働きかけることが重要である(釜石の事例が文部科学省の委託を受けて実施されたこと等)。

第3分科会(希望の高齢社会-新たな可能性への挑戦-)における主な意見

【基調講演「超高齢社会の現状と課題」より】

○ これまでの日本では、雇用のみが重視され、教育や社会保障はおろそかにされてきたが、完全雇用の崩壊、家族形態の変容、現役世代の減少により1995年を境にこのような雇用を中心とした考え方が崩壊。

○ このまま超高齢化が進むと、2050年には1人の現役世代が1人の高齢者を支える現状になることが懸念。

○ 超高齢社会を迎えるに当たっては、1.現役世代の能力向上、女性労働力率向上、2.高齢者の社会参加、3.医療費、年金の削減が必要。スウェーデンをモデルとしつつ、日本における教育・雇用・社会保障の「連携の新しいかたち」のビジョンを提起。

【特別講演「学びから始まる希望の超高齢社会」より】

○ これからの高齢者が上機嫌で生きるためには、「知る力」が重要。

○ 超高齢社会においては、変えるべきものを変える勇気(courage)、人知に及ばないところとして受け入れる冷静さ(serenely)、それらを取り違えないための知恵(wisdom)が必要であり、取り違えないようにするためには正確な学習が必要。

○ 行政は、第二の義務教育として、「人生100年社会」に人々の幸せを保証するための学習機会を提供する義務があると提唱。

【事例発表「高齢者の持つ可能性への期待-誰もが生きやすいまちづくりをめざして-」より】

○ 急速な高齢化により、介護問題や高齢者の社会的孤立の問題などが顕在化する中、地域の活性化という観点からの高齢者への期待について事例報告。

○ 生涯学習的な学びの中で住民とともに行政を展開していくという中で、地域の公民館を活用し、高齢者が社会とのつながりを強化することにより、無縁社会の中で孤独死するというようなことがないように取り組んでいる。

○ 認知症については、非常にネガティブに捉えられがちであるが、誰しもがなる可能性があるものであり、認知症を恐れ、長い不安を抱えていく社会から、認知症になっても共に安心して希望を大切に暮らせる社会を築いていくことが重要。そのためには、認知症を正しく理解することが必要である。

○ やねだんでは、補助金に頼らない地域おこしを住民参加で実践するということをポリシーとしている。そのためには、組織を構築するとともに、土着菌製造や独自焼酎の開発などで自主財源を確保した。

○ ポリシーを実行する上では、300人の住民を動かすことが必要であるが、長老を中心として、最初はやはり反対された。地域おこしを行っていく上で、絶対欠かせないものは、強いリーダシップを発揮できるリーダーである。当然ながら、住民を感動させる必要があり、そのためには、根拠をもってビジョンを示していくことが求められる。

【事例発表「生涯学習を通じた高齢者の社会参画」より】

○ 高齢者にとっての生涯学習及び社会参画活動の意義・役割並びに促進のための具体的方策について学習側の視点及び提供者側(受入れ側)の視点から報告。

○ 生涯学習の提供者側の視点から、「岐阜くるる」と「江戸川総合人生大学」について事例を発表。
  「岐阜くるる」では、元気なシニア、特に男性シニアを対象とし、新たな人間関係のネットワークを形成しながら、様々な社会的活動へと一歩踏み出す支援を行っている。大学(岐阜大学)と民間(十六銀行)が連携をとって進めているところに特徴がある。
 また、「江戸川総合人生大学」は、これまでの人生経験や知識を活用して、社会貢献を目指す高齢者を応援する生涯学習機関であり、学習成果をボランティア活動として実践することが特徴。

○ 生涯学習の学習者の視点から、「チャレンジコミュニティ大学」と「立教セカンドステージ大学」の内容及び卒業後の社会参画の活動について発表。
 実施主体が、チャレンジコミュニティは行政、立教セカンドステージ大学は、大学という違いはあるものの、いずれの大学も、大学がメインキャンパスとして活用され、講師陣も大学教員が行うなど、一般的な高齢者大学と比較すると専門性が高いところに特徴がある。

○ 学習の成果を活かした社会参画の視点から、放送大学の受講者、また高齢者の就労を受け入れる視点からそれぞれ発表。
 高齢社は、60歳以上の人材派遣会社であり、定年制は設けていない。定年を迎えても、気力・体力・知力のある高齢者に「働く場」と「生き方」を提供するという企業理念の下、毎年前年比20%以上を上回る経常利益をあげている優良企業。お金中心の資本主義ではなく、人間が中心の人本主義を目指している。

【パネルディスカッション「希望の高齢社会-新たな可能性への挑戦-」より】

○ 超高齢社会は、高齢者だけの問題ではなく若い世代、次の世代にどうつなげていくかが問われている。学ぶこと、生涯学習をどう捉えていきながら、社会をどう組み替えていくかが大きな課題。

○ 学び合いながら、議論しながら、その地域をどのようにしていくかを自ら考えて決めることができる地域社会こそ、高齢社会の中で希望のある地域。

○ 老いも若きも皆が社会貢献でき、それによって自分も社会も喜べる社会、それが本当の希望の高齢社会を開く道。

○ 地域再生には、現場主義とそれを実行する強いリーダーが不可欠。

○ 会社経営も市政経営も地域経営も、リーダーは常にそこにいる人たちに夢を与えることが重要。

○ 学びを通じて他者と交流し、その交流を通じて新しい価値を作り出していく。超高齢社会は、社会の在り方が変わっていく中で、ある意味で新しい社会を作り出していくきっかけになるのではないか。

  第4分科会(ICTを活用した学びと安全・安心な学校の創造)における主な意見

【講演「ICTを活用した21世紀にふさわしい学びと安心・安全な学校の創造」より】

○ 災害時における学校のICT環境の確保という観点で、被災者の保護と家族間の連絡、子どもたちの安否確認と保護者への連絡、デジタルコンテンツやオンラインを利用した教育水準の確保、クラウドコンピューティングによる教育情報のセキュリティの確保について考える必要がある。

○ 平常時の教育環境の確保という観点で、ICT利用の健康面・身体面への悪影響の払拭、インターネット上の様々な情報に対応できるリテラシー(情報モラル教育・情報安全教育)の育成(例えば、有害情報や不適切情報への対応、デマや風評を見分ける力の育成、情報の影響力についての理解と実践など)、校務関係様式の標準化について考えることが重要である。

○ 社会の変化に対応する力の育成という観点で、情報化・グローバルに対応できる力、情報の質的変化に伴う情報活用能力の見直しと評価の仕方、生涯を通じて情報を活用できる力の育成、学校と家庭や地域が連携して創る総合的な学びの環境作りについて考える必要がある。

【講演「教育の情報化ビジョンについて」より】

○ 先生や子ども達が苦労する事なく、使っていれば自然に教え方が変わってしまうような優れたICTのシステムやコンテンツを我々は供給していかなくてはいけない。

○ 是非、学び方や指導方法というものを何らかの形で出して頂きたい。21世紀に対応するためには、内容を改定したり増やしたりしても駄目で、学び方、指導法の変革が大切だと思う。

○ 今やコンピュータは1人1台に必要な時代になっている。予算の正当性を言う人もいるが、教育が本来どうあって欲しいかという事をしっかり訴えていくべきである。環境整備は中途半端ではなく全部揃えてきちんとやる事を考えないといけない。

○ 先生方は、これまでの財産からを受け継ぐべきものも沢山あるし、新しい発想でやっていかないといけないものもある。その両方を考えてバランスの良い活動をして頂きたい。

【パネルディスカッション 1.「ICTの活用による地域と連携した安全・安心な学校づくり」より】

○ 今回、学校が避難所として活用され、最低限の生活ができる一番安全な場所であることが実感できたが、水、食料などが確保できた一方で、もっとも不足していたものは情報であった。電源がなくなったときのことを、今後どう考えていくかが大切である。

○ 保護者と教員間について、双方向の情報を円滑に伝達する手段を冗長化して複数備えることが非常に重要である。また、地域が被災するとそこに置いてあるハードウェアも維持が難しいのでデータセンターでの管理なども重要である。

○ 事業者が様々な冗長性を持っていることが一番肝心である。100%間違いないシステムやネットワークは残念ながら有り得ない。100%に近づけようとすれば当然コストがかかり、平常時には維持できない。そのため、いくつかの重複したネットワークを分けて作るよりは、どちらも併用可能にして、クラウド上でお互いの補完関係で作り上げていくことが大事である。

○ 生涯学習としての防災教育を進めるうえで、行政が地域住民と学校のコミュニティ作りを応援し、地域住民が学びを開発し、学校が子ども達の学びの時間を確保するといった連携をとることは、今の学校の中では難しい事かもしれないが、このような取り組みによって震災の経験を継続して学ぶことが出来るのではないか。

○ 災害時に電源や通信手段が必要であることは確かだが、その方法が確保されたとしても、それがきちんと活用できるようにならないといけない。例えばツイッターが有効であるといっても、学校現場にはそれを知らない方も多くいる。そうしたことも含めた対応が必要である。

【パネルディスカッション 2.「クラウド環境における教育イノベーション」より】

○ 教育現場は、子ども達の個の力を伸ばすためにどうICTを使うのかということを考えなくてはいけない。

○ これまでも、先生方は色々工夫しながら子ども達に全部教えるべき事はきちんと教えてきたが、想定外の事柄には通用しないことも多い。もっと個々に確実に力をつけてあげることや、子ども達が主体的に学びあうような場面を取り入れることが大事である。

○ クラウド、情報端末では大きな変化が起きており、ビジネスの世界ではこれらが推進され役立っているが、教育に対して同じように展開していくと大変なことになるので、きちんと実証研究を行う、あるいは先進的に取り組んでいる学校の意見を取り入れながら現実的なところで推進していくことが大事である。

○ 現在の電子書籍の世界では、様々な電子書店が混在をしていて、ある書店で買ったものが別の端末では読めない、書店毎にID・パスワードもバラバラといったことがある。現実の書籍の世界では、どんな小さな書店、図書館あるいは出版社も必要とされる物が揃っているから成り立っている。それと同じ環境を電子書籍でも作れれば、もっと広がりが出るのではないか。

○ かつて、鉛筆が削れるようになる所から勉強が始まったのと同様に、ICTも自分で使う勉強道具として鉛筆を削るように使い込んでいく、あるいは使い慣れていくという作業を通じて、初めて自分のものになるのではないか。

【防災教育に関する実践事例の紹介】

○ 今年は震災直後であり非常に人々の記憶に新しいが、いずれ忘れ去られていく。防災教育の大切さを忘れないためにも継続することが重要である。

第5分科会(震災ボランティアと若者たち)における主な意見

【若者による震災ボランティア活動の特徴】

○ 同じガレキ撤去の作業であっても、大人が行うのと若者が行うのとでは、被災者の心への響き方が異なる。若者は大きなメッセージ性やシンボル性を持っており、被災者が復興しようとする意欲を高めるような影響力がある。

○ 若者は未熟で不完全だからこそ、支援を受ける方と対等な関係になれるのではないか。

○ 若者は仕事を持っていないことで、被災者にとって「何でも」たのめる存在となったのではないか。

○ 若者は、支援しなければならないという一方的な思いだけで、不必要な物資を送りつけたり、仲間だけで盛り上がってしまうこともあったところ、今後、より一層大学生・若者が地に足の着いた被災者支援の中心となって活躍することを期待したい。

【震災ボランティア活動を通じた若者の成長及び学び】

○ 活動を通じて、「言葉にして相手に伝えることの難しさ」、「学生同士の感化・思いの整理」、「自分の生活や学生生活を見つめ直すこと」、「活動の振り返りの中で、助けて欲しいと言える人と言えない人がいることに気づき、生活の身の回りにも困っている人がいるのに自分が今まで気付こうとしなかったのではないか」、「身近なところで出来るボランティアをしていこうと思う」などの学びがあった。

○ 家族や地域の絆などが薄れている今日、震災ボランティア活動を通じて、被災した方々が本当に助け合って生きている姿を目の当たりにしたのは、大きな意味があったのではないか。

○ 若者が震災ボランティアを通じて、「他者への感謝や気遣いの気持ちが拡大した」ことや「他の学校(学生・生徒)との連携に非常に意欲的になった」などの変化があったのではないか。

○ 震災ボランティア活動に参加することで、自分も役に立っているといった自己肯定感や自己効力感を持つことができた。

○ 専門性を持たない学生は活動が限られた部分となり、専門的な知識や役割を果たせるものではないことに気づき、自分の限界を知り無力さに気づくことがあったことから、社会貢献の気持ちに繋がっていくのではないか。

○ ボランティア活動を通じて、被災者の気持ちや自分の弱さを知ることが大切ではないか。

○ 震災ボランティアの経験そのものに価値(学び)があり、自分に何ができるのか探し続けるきっかけとなる。

○ 震災ボランティアの経験・学びを共有するためには、震災ボランティアを経験した者同士がネットを利用して情報共有することや、今回のネットワークフォーラムのような情報共有できる場や機会があればよい。

【若者のボランティア活動を推進するための支援】

○ 阪神淡路大震災以降、様々な制度化がなされており、ボランティア自らが対応できすに弊害になっているケースもある。例えば、ヘルパーでないと対応できないとか、大学がボランティアの管理などを行うようになった。

○ 個人での参加が中々出来ない学生も、大学が主体となることで安心して行けることや、仲間と参加する機会があれば参加しやすくなる。

○ 大学でボランティア活動に関する単位認定を行う場合、実習のような体験的に行うという位置づけや、専門学習への動機付けなどにより、大学の授業として認定する大学もあれば、認定していない大学もある。

○ 大学がボランティアバスを出すなどの場合、どこまで学生のボランティア(自主的な奉仕の精神)を支援するのか、その判断は大学によってまちまちであった。

○ 各団体が独自の支援活動を行っているが、活動内容等の情報共有が出来ていない。各団体の情報を共有し検証を行うことにより、次のビジョンが見えてくる。よいビジョンがなければ的確なアクションはない。

【その他】

○ 先ず行動してみることが非常に大切で、先ず行動してみることが許されるのが若者ではないか。行動する人が評価される社会にならなければならない。

○ 震災に関するボランティアのみならず、今回の経験を身近なボランティア活動にも繋げていくことが大切である。

 

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課

伊藤、本田
電話番号:03-5253-4111(内線3273)
ファクシミリ番号:03-6734-3281
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(生涯学習政策局生涯学習推進課)

-- 登録:平成24年01月 --