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生涯学習分科会(第79回) 議事録

1.日時

平成27年10月9日(金曜日) 14時~16時

2.場所

中央合同庁舎4号館1階 共用108会議室

3.議題

  1. 生涯学習政策局組織再編及び中央教育審議会生涯学習分科会の所掌事務の変更について
  2. 学校地域協働部会等の審議まとめについて
  3. 社会教育主事講習の見直しについて
  4. 学習成果活用部会の中間まとめについて
  5. 平成28年度文部科学省概算要求及び税制改正要望について(生涯学習関連部分)
  6. その他

4.議事録

【明石分科会長】
  ただいまから第79回中央教育審議会生涯学習分科会を開催いたします。
  本日の課題は、一つ目が「学校地域協働部会等の審議のまとめ」について、二つ目は「社会教育主事講習の見直しについて」です。その後、学習成果活用部会において「中間まとめ」がまとまりましたので、その件について御報告を頂きたいと思っております。
  なお、本日は報道関係者より、会の全体についてカメラ撮影と録音を行いたい旨の申出がありましたので、許可しております。
  まず、今回、分科会に初めて御出席の委員の方を御紹介いたします。山崎委員です。

【山崎委員】
  大阪から来ました山崎と申します。どうぞよろしくお願いします。

【明石分科会長】
  よろしくお願いします。
  議事に入る前に、人事異動があったようなので、事務局から御紹介いただけますか。

【竹下生涯学習推進課課長補佐】
  前回の分科会より事務局の体制が変わりましたので、紹介させていただきます。
  岩本健吾生涯学習総括官でございます。

【岩本生涯学習総括官】
  岩本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【竹下生涯学習推進課課長補佐】
  高橋雅之男女共同参画学習課長でございます。

【高橋男女共同参画学習課長】
  高橋です。よろしくお願いします。

【竹下生涯学習推進課課長補佐】
  小谷和浩参事官でございます。

【小谷参事官】
  小谷です。よろしくお願いいたします。

【竹下生涯学習推進課課長補佐】
  渡辺栄二社会教育課地域・学校支援推進室長でございます。

【渡辺地域・学校支援推進室長】
  渡辺です。よろしくお願いします。

【竹下生涯学習推進課課長補佐】
  岸本哲哉生涯学習推進課長でございます。

【岸本生涯学習推進課長】
  よろしくお願いいたします。

【竹下生涯学習推進課課長補佐】
  後ほど本日の議題1でも報告させていただきますが、10月1日付でスポーツ庁が設置され、青少年課がスポーツ・青少年局から生涯学習政策局に移管されております。これに伴う事務局の体制の変更もございましたので、紹介させていただきます。
  泉潤一青少年教育課長でございます。

【泉青少年教育課長】
  泉でございます。どうぞよろしくお願いします。

【明石分科会長】
  ありがとうございました。
  それでは次に、配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。

【竹下生涯学習推進課課長補佐】
  それでは、お手元の資料を確認させていただきます。配付させていただいております座席表、議事次第、及びお手元の議事次第に記載されていますとおり、資料1‐1から資料5‐2まで配付させていただいております。それぞれ、議事に対応して資料番号の方を付しております。
  事務局で今参りました者がございますので、御紹介させていただければと思います。
  中岡司大臣官房文教施設企画部長でございます。

【中岡文教施設企画部長】
  中岡でございます。どうぞよろしくお願いします。

【明石分科会長】
  ありがとうございました。
  では早速、議題1に入りたいと思います。「生涯学習政策局組織再編及び中央教育審議会生涯学習分科会の所属事務の変更について」、事務局から改正案等の御説明をお願いします。

【里見政策課長】
  それでは資料の1‐1から資料の1‐4を使いまして御説明します。
  まず、資料の1‐1でございます。先ほどお話ございましたように、スポーツ庁の設置に伴いまして、スポーツ青少年局にありました青少年課が、名前を改めまして青少年教育課となりまして、生涯学習政策局に加わっております。役割は同じでございます。また、あわせて、国立青少年教育振興機構も生涯学習政策局に加わっておりますので、この点、御確認いただければと思っております。
  続きまして、資料の1‐2でございます。体制変更に伴いまして、中央教育審議会での審議事項が変更になっております。スポーツ庁ができましたことに伴い、スポーツ審議会が別途設置され、スポーツに関わることはスポーツ審議会で議論をいたします。青少年に関わる部分、あるいは学校保健に関わるような部分、こちらは中央教育審議会で審議をするということになりました。生涯学習分科会の方では、「青少年教育の振興に関する重要事項」、あるいは「青少年の健全な育成に関する重要事項」を審議していただき、中央教育審議会総会の方に上げていただくという役割が追加になっております。詳しくは、資料の1‐3の方の審議会令で御確認を頂ければと思っております。こちらは既に政令などが改正されておりますので、あくまで報告事項ということになります。
  資料の1‐4は、これに伴いまして、中央教育審議会の運営規則を9月の総会で改正していただきました。これを見ていただきますと、生涯学習分科会に以前ございました「スポーツ・青少年分科会の所掌に属するものを除く」と書かれていたものが削除になっているということで、技術的な改正でございます。御確認いただければと存じます。

【明石分科会長】
  里見課長、ありがとうございました。個人的には非常にすっきりしたという印象を持っております。
  では、議題2に移りたいと思います。「学校地域協働部会等の審議のまとめについて」であります。本件は、前回の生涯学習分科会で、「学校地域協働部会等の審議条項について」という形で報告させていただきました。このたび、私が部会長を務める学校地域協働部会において「審議のまとめ」を取りまとめておりますので、御審議いただきたいと思っております。
  なお、この「審議のまとめ」につきましては、初等中等教育局の初等中等教育分科会、地域とともにある学校の在り方に関する作業部会と共に取りまとめたものでございます。
  では最初に、事務局の谷合社会教育課長から御説明をお願いいたします。

【谷合社会教育課長】
  社会教育課長の谷合でございます。よろしくお願いします。
  資料の2‐1を御覧ください。本年4月の中央教育審議会に対する諮問を受けまして、現在、先ほど明石分科会長から御説明がありましたとおり、本分科会の下に設置された学校地域協働部会において審議中のものでございます。
  2ページ目をお開きいただきますと、右側が、生涯学習分科会の下に設置されました学校地域協働部会でございます。そして中ほどにございますのが、初等中等教育分科会の下に設置された、地域とともにある学校の在り方に関する作業部会で、こちらでコミュニティ・スクールの在り方等について検討をしております。このたび、去る10月5日の学校地域協働部会及び同日開催の初等中等教育局の作業部会におきまして、「審議のまとめ」が取りまとめられておりますので、御報告を申し上げます。
  それでは内容に移ります。資料の2‐2は、このまとめの概要でございますが、本日は、本文であります資料2‐3を用いまして御説明させていただきたいと思います。
  まず資料2‐3の目次を御覧いただきたいと思いますが、今回の審議のまとめは4章で構成されております。第1章が、いわば総論に当たる部分でございます。第2章がコミュニティ・スクール、第3章が地域における学校との協働体制となっております。そして最後の第4章が、「コミュニティ・スクールと地域における学校との協働体制の効果的な連携・協働の在り方について」となっております。本日の分科会におきましては、特に第3章、地域における学校との協働体制について述べている部分について、御説明したいと思っております。
  それでは2ページを御覧いただきたいと思います。2ページからが第1章で、総論部分に当たります。時間の関係で項目程度の御紹介になりますが、2ページ第1章第1節では、「教育改革、地方創生等の動向から見る学校と地域の連携・協働の必要性」としまして、社会の動向、子供たちの教育環境を取り巻く状況、教育改革や地方創生等の動向、こういったものを踏まえた上で、「学校と地域の連携・協働の必要性」について述べております。
  そして8ページからが、第2節でございます。こちらは、「これからの学校と地域の連携・協働の姿」といたしまして、これからの学校と地域の連携・協働の姿を示した上で、学校と地域の連携・協働を推進するための組織的・継続的な仕組みの構築、あるいは体制整備が必要であるということについて述べている部分でございます。
  以上が総論部分でございます。そして、11ページからが第2章になりまして、これからのコミュニティ・スクールの在り方と総合的な推進方策について、コミュニティ・スクールの意義・理念や現状と課題を踏まえまして、今後の仕組みの在り方、そして総合的な推進方策について述べている部分でございます。ここの第2章につきましては、後日開催されます初等中等教育分科会におきまして報告・審議がなされると伺っておりますので、本日のところでは説明は省略をさせていただきます。
  大幅に飛びまして、41ページからが第3章でございます。第3章、「地域の教育力の充実と地域における学校との協働体制の在り方について」であります。
  第1節では、「地域における学校との連携・協働の意義について」といたしまして、まず「地域の教育力に関する課題」を述べております。「現在の地域の状況を見ると、高齢化や人口減少、厳しい財政状況の中で、地域課題・社会課題が増加していることは第1章でも触れたところである。こうした課題が地域において解決できない要因の一つには、地域で活動してきた社会教育関係団体等が、少子化等の影響により活動への参加者が十分に集まらないなど、その活動を縮小する傾向があり、また、従来の地縁による団体が地域において担っていた教育力が低減していることも挙げられる」としております。
  そして、そのページの真ん中からですが、「2.地域の教育力の充実のために学校と連携・協働することの意義」では、「地域が学校と連携・協働することは、子供たちの教育環境の充実に資することにとどまらず、地域がその教育力を高め、持続可能な地域づくりにもつながるものである」としております。
  そして四つ目のマルで、「これらの状況の下で地域における学校との連携・協働を進めていく際には、何よりも子供を中心の軸に置いて検討することが必要である。」としております
  最後のマルですが、「このように、子供の教育という共通の旗印の下に、地域住民がつながり、地域と学校が協働することで、従来の地縁団体だけではない新しい人と人のつながりも生まれる。さらに、地域社会の課題解決にも、地域の一員として学校も関わっていくことにつながる。このため、真の意味で地域と学校が協働することを目標としていく必要がある」としております。
  その次のマルでは、「地域社会の側においても、これまでの単なる「学校支援」を超えた体制整備が必要である。社会教育の実施体制を強化しつつ、それぞれの地域の状況に合ったコーディネート機能を構築するとともに、学校のパートナーとしての機能・実態を持った地域社会を維持することが必要である」としております。
  42ページの四つ目のマルですが、「地域の教育力の再生・充実は、地域の課題解決や地域振興に向けた連携・協働につながり、持続可能な地域社会の源となる」。そして最後の行で、「生涯学習社会の構築に資するものである」としております。
  第2節が「地域における学校との連携・協働の現状等について」でございます。学校・家庭・地域の連携・協働に関する制度改正、あるいは予算事業につきまして、時系列に沿って整理をしているところでございます。
  現状で一つ申し上げたいのは44ページの部分でございます。「(2)地域における学校との連携・協働の現状」ということで、最初のマルの2行目にありますように、「学校支援地域本部は、公立小中学校の34%の約4,200本部である(約10,100校)」。そのほかに、放課後子供教室、あるいは土曜日の教育活動が実施をされております。また、「保護者や地域住民が学校支援活動に関わることで学校の教育水準の向上に効果があると回答している小中学校」は、約90%に上っておりまして、ほとんどであるという状況でございます。
  ただ、こうした現状ですが、課題もないわけではございません。それが、44ページの真ん中ほど、「2」のところでございますが、「地域における学校との連携・協働の課題」であります。
  二つ目のマルです。「現状の活動では、それぞれの活動ごとにコーディネートがなされる状況もある。この場合、例えば、放課後の支援活動、学校支援活動、学校と連携した公民館活動等の活動が、それぞれ個別に行われており、それぞれ互いの活動の目標や、主に参画している関係者等の情報の共有などについて、必ずしも連携が十分で」ない。
  次のマルですが、「さらに、コーディネート機能の大部分を特定の個人に依存し、結果として持続可能な体制がつくられていない場合が多い」という課題があります。
  そして「また、学校支援地域本部では、地域から学校への一方向の活動内容にとどまっており、子供と住民が共に活動することで地域の振興にもつながるという意識は十分ではない」。こういった課題が挙げられるところでございます。
  こうした現状と課題を踏まえまして、第3節で「地域における学校との協働体制の今後の方向性について」述べております。この第3節、それから続く第4節の部分が、今回の審議まとめの中核となる部分と考えております。
  45ページも第3節、1の(1)ですが、「今後の方向性‐協働と総合化‐」として、大きく二つのことが述べられております。「今後、国全体として各地域を支援しつつ、目指すべき整備の方向性は、第一に、第1章第2節で既に述べたとおり、地域と学校がパートナーとして共に子供を育て、そのことを通じて、共にこれからの地域を創るという理念に立つことである。「支援」を超えて、目的を共有し長期的な双方向性のある展望を持った「協働」に向かうことを目指す」としております。
  三つ目のマルですが、「第二に、活動やコーディネート機能のつながりを深めることである。地域によっては、既に、授業への地域人材の協力、放課後子供教室、土曜学習、親子が参加する地域行事等を、複数のコーディネーターが手分けしながら一体の組織で企画・実施している例がある。多様な活動の違いを超えて総合的な運営を進めることにより、地域の人的なネットワークが広がり、協力体制が手厚くなる」としております。
  その次のマルでは、最後の3行ですけれども、「「支援」から「連携・協働」、個別の活動から総合化を目指す今後の新たな体制を、地域が学校と協働する枠組みとして、「地域学校協働本部(仮称)」と呼ぶことを提唱したい」としております。
  この「地域学校協働本部(仮称)」につきましては、机上配布のみですがイメージ図を用意しておりまして、本日配付された資料の一番下に、資料番号なしで2枚紙のカラーの資料がございます。左側が現在の学校支援活動等の状況で、右側が今後の地域における学校との協働体制のイメージとなっております。
  左の現在の状況でございますが、学校支援活動や、あるいは土曜日、放課後など、様々な活動は行われているものの、課題もあるということがございます。また、学校との関係においても、飽くまで支援という意識が見られると思います。今後は、コーディネート機能の充実、あるいは「支援」から「連携・協働」へ、こういった観点から、地域が学校と協働する枠組みとして、新たに「地域学校協働本部(仮称)」を置くことを提案しているところでございます。
  この「地域学校協働本部(仮称)」においては、学校教育を支援していく学校支援活動、地域の社会教育として行われる土曜日の教育活動や放課後子供教室、そして、家庭教育支援活動といったものに加えまして、地域社会における地域活動ですとか、学びによるまちづくりといったように、子供たちが地域に出てきて活動するといったような従来の単なる学校支援を超えた、学校との連携・協働を期待するものと考えております。
  なお、現在もこうした体制がとられているという実例はありまして、それが東京都杉並区の杉並第一小学校の事例でございます。学校支援本部杉一プランという本部の下に、学習支援、それから放課後の居場所活動、サマースクール、そのほか、親子学習ですとか、自然と歴史校外学習と、こういった多様なメニューについて、有機的に関連を持たせながら展開しているという例もございます。
  再び本文にお戻りいただきたいと思いますが、45ページの(2)でございます。この「地域学校協働本部(仮称)の在り方」でございますが、「地域学校協働本部(仮称)についての特徴は、社会教育のフィールドにおいて、地域の人々や団体により「緩やかなネットワーク」を形成した、任意性の高い体制としてイメージされるものである。一方で、地域住民が参加しやすいつながりの緩やかなものではあるが、参加者の世代交代なども経ながら永く継続していくものでもある。各地域で展開されている活動の実態、組織の現状と課題から考察すると、この体制が恒常的、組織的、安定的に実質を伴ったものとして持続するためには、地域と学校が子供の育成の方針など目指すべき方向性を共有しつつ、次の3要素が必須と考えられる」。
  次の46ページですが、コーディネート機能、活動する地域住民、継続的な活動の実施、この三つの要素でございます。「どのような内容の活動が行われるかは、地域の実情、本体制の発展段階に応じ、多様であるものと考える。例えば、放課後子供教室から始まり、次に学校の授業の支援が加わり、更に郷土学習の共同企画や学校と地域の行事の共催等を実施するという場合もあれば、学校の環境整備や登下校の見守りからはじまり、放課後や土曜日の教育に拡張する場合もある」と考えております。
  そして、46ページの「2」のところでございますが、「地域における学校との協働体制の整備の方向性」といたしまして、「1.で示した地域における「地域学校協働本部(仮称)」が、早期に全小学校区(約20,000)において構築されることを目指す」としております。
  続きまして47ページ、第4節でございますが、「地域における学校との協働体制のための取組の推進について」でございます。体制の整備において重要となるのは、コーディネート機能の強化であります。
  課題でも述べたとおり、既存の体制では、多くは活動ごとに企画調整がなされるなど、効果的な連携によるそれぞれの活動の充実の視点が不足しております。
  二つ目のマルで、また、地域コーディネーターによるコーディネート機能は、地域住民が主体となって活動する場合など、地域の実情に応じて様々な態様があるとされております。
  その次のマルですが、「どの場合であっても、地域に根付いていく継続的な取組になることを目指すことが必要である。たとえ地域コーディネーターを務める人物に交代があっても、「地域学校協働本部(仮称)」としては将来的にも継続的な取組となるよう、都道府県・市町村教育委員会の中で、必要な研修を修了したことなどを踏まえた職能的な要件を課し、資質・能力等が備わった別の地域人材がコーディネーターを引き継ぐ仕組みとするなどの工夫が必要である」としております。
  続いて48ページの「(2)市町村単位での統括的なコーディネーター」でございます。
  「市町村単位で、各小学校区の地域コーディネーターについて、ネットワーク化の促進や資質の向上、また、それぞれの地域における学校と協働した活動内容の質の向上を図るとともに、地域における学校と協働した取組について未実施である地域の取組開始を促進するため、新たに、市町村全体の学校地域協働に関する統括的なコーディネーターが必要である」。
  「統括的なコーディネーターは、例えば、地域における学校と協働した取組をこれから開始する地域への新たな「地域学校協働本部(仮称)」の立ち上げの助言や先行事例の提供を進めながら、地域コーディネーターの確保や育成を行ったり、既に取組を行っている学校区の地域コーディネーターのリーダー的存在」となっているところでございます。
  そして次に「(3)統括的なコーディネーターと社会教育主事との連携」でございます。
  「都道府県及び市町村の教育委員会に置かれる社会教育主事は、社会教育を行う者に対して専門的技術的な助言・指導や、教育委員会主催の社会教育事業の企画・立案等の職務を担っており、地域と学校の協働活動が円滑に進むよう、統括的なコーディネーター等と積極的に情報共有を図る必要がある。また、社会教育主事は、その経験に基づき、統括的なコーディネーター等に対して必要に応じて助言等を行うことが期待される」としております。
  続きまして、49ページの「2.地域における学校との協働による活動の充実」です。こちらの部分につきましては、今後求められる活動内容ですとか、活動場所の確保等について述べております。
  50ページにまいりまして、「(3)幼稚園、高等学校、特別支援学校、高等専修学校の特性を踏まえた取組の推進」です。
  「高等学校や特別支援学校、高等専修学校については、小中学校と比べると地域の概念が格段に広いが、社会全体で子供たちを育むことの重要性はどの段階でも変わらないことから、学校種の特徴を生かしつつ、幼児・児童・生徒の発達段階等に応じて、地域における学校との協働体制を構築する必要がある」としております。
  51ページは「(4)子供たちの抱える課題への対応や、家庭教育支援の充実等のための地域における学校、福祉等との連携」について述べております。
  51ページ一番下の第5節ですが、「国、都道府県、市町村による推進方策について」でございます。
  52ページでございますが、一番上のマルで、「「地域学校協働本部(仮称)」を整備し、地域における学校との協働活動を充実していくため推進方策として、有効と考えられる方策は以下のとおりであり、国は以下の推進方策を着実に実行する。各都道府県・市町村は、地域における学校との協働活動の促進に向けて、それぞれの地域の特色や方針を踏まえつつ、「地域学校協働本部(仮称)」の整備その他の必要な施策を講じ、各地域において積極的な取組が進められることが期待される」としております。
  以下、国、地方公共団体の役割が出てまいりますが、国の役割といたしまして、「(1)基本的な枠組みの整備」です。
  「地域における学校との協働活動の推進のため、第4節で述べた「地域学校協働本部(仮称)」を全国的に整備していくことが重要である。国は、「地域学校協働本部(仮称)」の全国的な整備の推進のため、同体制の整備の基本的な目的、方向性について明確化し、その趣旨を広く普及していくことが必要である」としております。
  そのほか、「(2)地域コーディネーターをはじめとする人材の確保と資質の向上」、「(3)体制面・財政面における支援の充実」と「(4)コーディネーター間の情報共有、ネットワーク支援等」について述べております。
  53ページは「2.都道府県・市町村の役割と推進方策」について述べているところでございます。
  そして最後、第4章に入りたいと思います。55ページでございます。第4章は先ほど申しましたように、第2章と第3章の、コミュニティ・スクールと地域の協働体制との接続の部分でございます。
  五つ目のマルですが、「このように、子供たちのために、また、地方創生の実現のために、コミュニティ・スクールの機能、「地域学校協働本部(仮称)」の機能のそれぞれを大切にしつつ、両者が相互に補完し高め合う存在として効果的に連携・協働し、両輪となって相乗効果を発揮していくことが必要であり、こうした動きが進むことにより、コミュニティ・スクールと「地域学校協働本部(仮称)」の相互の体制整備が進むことにつながる」。
  「さらに、コミュニティ・スクールや「地域学校協働本部(仮称)」の推進に当たって重要なことは、学校と地域の特色を生かし、学校と地域がともに考え、地域全体が当事者として参画していくことであり、従前の自律的・主体的な取組を活かしながら、学校と地域が協働して行う企画運営や活動を大切にしていくことである。このため、両者の関係は一律に示されるものではなく、当該学校や地域の置かれた実情、両者の有機的な接続の観点等を踏まえた体制を構築していくことが重要である」としております。
  大変駆け足になりましたけれども、私から「審議のまとめ」の御説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いします。

【明石分科会長】
  ありがとうございました。私も部会長として議論に参画してまいりまして、今の御説明で非常に分かりやすくなりましたが、私なりにポイントを申し上げますと、家庭と学校と地域が、7年前に学校支援地域本部というのを立ち上げたときとは大きく様変わりした。一つの学校とか地域とか家庭だけでは抱え切れない問題が出てきたということを、まず冒頭に位置付けていただきまして、そうすると、これまでの学校支援地域本部も結構頑張ってきてくれているけれども、それだけではもうどうも対応できない。
  学校支援というのは一方的で、かつて明治5年から学校が上にあって、登校下校とか、何か尊いところに登っていくのが学校で、下っていくのが家庭だという意識が、頭のどこかの隅にありました。だから、「皆さん学校支援をしましょう」なんていうのが、人々の意識に浸透しやすかった。それもそれなりに頑張ってくれてよろしいのだけれども、そろそろお互いがフラットにパートナーシップを結んでいきましょうというのが今回の位置付けだと思います。
  学校支援地域本部は安定し地域に定着しつつあるのに、何で今更変えるかという議論が必ず出てきますけれども、そういう外部の捉え方に対してしっかり説明していかないと、うまく展開できないというのが1点であります。2点目は、その対象が、これまで小学校や中学校といった義務諸学校に終わりかねなかった。今回の場合は、幼稚園から、できたら特別支援学校、高校まで含めて対象を広めていきましょうということです。
  学校といえば担当は教育委員会だけになりかねないけれども、市長部局とか知事部局との連携もして、まさに地域総ぐるみで子供の問題を考え直しそうということが、今回かなり内容に入ってきています。そういう意味で、これまでの視点だけでは非常に不十分なので、大きな発想の大転換をしていきたいということがございます。
  このままでは難しいので、何とか組織整備をしていくための一番のエンジンになるのがコーディネーターであろうなと考えております。それで、小学校区の地域のコーディネーターと、できたら市町村単位で全体を束ねるような統括コーディネーターというのができないかという議論をしております。そのときに、専門職である社会教育主事はどういう扱いをするのかとか、もし統括コーディネーターを設けた場合に身分はどうするのかとか、そういう問題もこれから詰めていきたいと考えております。
  もう1点は、かなりこれまでの学校支援地域本部で活動事例は多くあるけれども、地域で学んだことをまた学校に返すというように、活動の範囲も広げようということを、かなり書き込んできております。
  そういう意味で、名前としては学校支援地域本部ではなくて、「地域学校協働本部(仮称)」という形で仮称を考えております。やはり概念が変わるということは、名前を変えないとなかなか御理解いただけないので、今回「地域学校協働本部(仮称)」という形を立ち上げさせていただいというのがあります。
  ここまでの内容を3章で書き込んでいて、4章については合同部会をあと3回行いますので、そこで詰めて、最後の仕上げをしていきたいという段取りでございます。
  課長の御提案の御説明を受けて、私なりに意見を述べさせていただきました。それでは各委員の方々から、先ほどの谷合課長の説明を伺いながら御審議を頂きたいと思います。まず、とりわけ第3章のところに力点を置いて御意見を頂ければと思っております。発言する場合に名札を立てていただけると助かります。
  では、横尾委員。

【横尾委員】
  ありがとうございます。委員をしています多久市長の横尾と申します。
  1点目は、未定稿のこの図のことです。この中で一番上に、地域のエリアとして小学校区を想定と書いてありますが、片方には小中一貫教育の推進もあります。そうなりますと、多久市では既に3年にわたって小中一貫校を開校しておりますが、そこの先生方も、「え、どっちでいくの」と戸惑いもあるかもしれませんので、表現を考慮していただいた方がいいと思います。小学校区、又は中学校区、あるいは小中一貫校区などで定義しないと、例えば私どもで言いますと、これは三つか四つの旧校区の中で、また区分しなければいけないのかという発想になってしまいますので、御配慮を是非頂きたいと思います。
  それと、教職の皆さんの現場を直接知っているわけではありませんけれども、ひょっとしたら、学校支援地域本部が「地域学校協働本部(仮称)」と名称を変えても、いったい深掘りはされているのかということを思う方も、地域の住民の方を含め、いらっしゃるのではないかと思われます。今、分科会長の方から言っていただいた大きな理念とか認識の変化があるのでしたら、それを分かりやすく伝えていかないと難しいという気がします。私自身も、そんなころころ名前ばかり変えないで、中身を掘ったらいいのではないかと、個人的に感じました。
  なぜかと言えば、この数年間の教育に関する議論を見ていますと、大津において学校に警察官が入っていくほど問題になってしまった。いろいろな、いじめとか、社会的な不安の問題とか、その他の子供たちを取り巻く環境の変化が大きいと思います。そのことを解決するのに、地域のPTAをはじめとした団体が関わって解決できるかというと、もちろん有効だと思います。でもそれは、大変失礼な言い方を許していただいて申し上げるなら、文部科学省にひとつひとつ言われなくても、地域の人たちは自分の子供たちを預けておられますので、本当に真剣に考えて、協力もしてくださっています。
  そういった思いを生かしていただくのが大事ですし、基本的には先生方の御指導の下に、より良い教育をしていく。子供たちが未来に向けて自分の滑走路を切り開いていって羽ばたけるような教育をちゃんとやっていく。知識詰め込み型ではなくて、いわゆる21世紀にふさわしい創造性などを高めることを一番真ん中の柱に置いて、それを支えるこういった協働本部、支援本部であってほしいと日頃感じておりますので、是非そういったことを御配慮いただくのが、今後大切ではないかと思っています。

【明石分科会長】
  ありがとうございました。
  では、牧野委員。

【牧野委員】
  この「審議のまとめ」をまとめていただくに当たり、何度も書換えをお願いしまして、大変な作業をどうもありがとうございました。
  その上で幾つか、もう少し思いを語らせていただきたいと思います。
  下村前文部科学大臣の辞任会見のときに、文部科学省というのは未来省であると、未来に対する投資をして、社会の発展を基礎付けていく省であるとおっしゃったのがとても印象的でした。やはり子供のことを第一に考えていく、それがこの社会の未来につながっていく。特に「はじめに」、第1章、また第3章の始めのところに、子供たちのこれからの未来を見据えた言葉を入れていただけないかと思います。そこでは、いろいろな課題が出てきて、それらを解決しなければいけないという言い方がされがちです。しかし、例えば、今年小学校に入った子たちが大学出る頃、2030年前後に現在ある職業の65%がなくなっているとか、さらには、その5割が自動化されて人が要らなくなるのではないかという議論があります。その意味で、私たち大人が子供に職業を教えられない時代がやって来ている。子供たち自身が、今、横尾委員がおっしゃったように、学校で学んだことをきっちりと地域社会で生かしていきながら、自らが地域を担っていける力を持っているということを認識できるような体験をする、更にいろいろな課題解決の体験をして、自らが社会を切り開いていく、自分の人生をつくっていく力を自分は持っているのだと全ての子供たちが思えるような手立てが必要ではないか。こういう議論の前提として、今後提案されることになる「地域学校協働本部(仮称)」というものの在り方を考えていくという方向性を示すことはできないかと思います。
  その上で、第3章に関わることですが、今まで学校支援地域本部(仮称)があって、学校と地域という置き方をしながら、学校を地域が支援するという作り方をしてきたのですが、今後、「地域学校協働本部(仮称)」になるというときにも、当然、学校と地域が置かれていて、学校に対して地域が支援をし、協働関係に入る、パートナーシップを組むという議論があり、その方向性は示されていると思います。しかしもう一つ、学校が地域に入ってくる、子供たちを地域が引き受けて、子供たちが多様で豊かな体験をしながら、自らがその地域で生きている実感を持てるような社会的な仕組みを作るということにおいては、むしろ学校も地域の一部なのだという位置付けも要るという議論があったと思います。
  学校と地域を二元論的に置くことで、学校を支えなければいけないという考えは確かにありながら、もう一面で、学校も地域の一部分ととらえながら、この「地域学校協働本部(仮称)」の中に学校も参画をしている。そして、地域社会における地域活動ですとか、「学び」によるまちづくりに、学校も関わっているし、子供も関わってくる。こういう観点も必要ではないかと思います。表現は難しいと思いますが、そのようなことが分かるように明確に表現されると、地域の方々や学校現場の受け止めも変わってくるのではないかと思います。
  基軸は子供が成長・発達をしていくということに置きながら、学校が学校の機能を果たしていく。地域社会も子供を受け入れて、子供に多様な体験をさせ、地域そのものが自律的に経営されていく形をとることが必要です。そこに学校も関わっていくというような見せ方、書き方をすると、もう少し社会全体を組み換えようとしているということが見えてくるのではないかと思います。「学び」を通して地域社会をつくるという感じでしょうか。また御検討いただければと思います。
  ありがとうございました。

【明石分科会長】
  非常に貴重な御意見、ありがとうございます。この初等中等教育局の方の「地域とともにある学校」という言葉も、かなり新鮮みがあって、生涯学習の観点から見れば当たり前だけれども、学校教育の観点から見れば非常に踏み込んだ表現となっています。私は、個人的には新鮮みを感じておりまして、牧野委員がおっしゃるように、学校は地域の一部であるという大事な認識をどこかで書き込まないと、横尾委員がおっしゃるように、せっかく定着しかかっているのに、なぜまた名前を変えるのかという御意見も出てしまうように思います。
  では、相原委員。

【相原委員】
  先ほど谷合課長からも、「地域学校協働本部(仮称)」を組織的・安定的に、永続的・持続的に続けることを強調されたように伺いました。とても大事なことだと思います。本日の資料の図にもあるとおり、活動に関わる地域住民の矢印の量が、1.5倍ぐらいになっていることで、地域からの多様な人材の多くの参画を求めていることが伝わってきます。この環境をつくることもとても大事だろうと思います。
  私は地方から東京に移り住んで来ましたので、ふるさとの小中学校は別のところにあります。男女を問わず、こうした経験がある人は少なくないと思います。したがって、現在の目の前にある学校が、あたかも自分の出た小学校や中学校であるかのように愛着が持てるか、というのが大事なことになります。国民運動、社会運動とすると少し大きな話になりますが、自分が卒業した学校と、現在目の前にある学校はどちらも自分の学校という共通認識が社会に広がっていくことが大事なことだと思います。自分の小学校、中学校はそれぞれ二つあると考える。このような意識を広めることで、初めて様々な仕掛けにたどり着くのではないかと思います。ついては、こうした概念を育むとの記述が必要ではないかと思います。
  地域社会で働く人の背中がなかなか見えなくなってきた中で、例えば魚屋さんやクリーニング屋さんなど、働く人の姿を見る機会を多く作っていくということも大事だと思います。また、活動に参画する大人については、社会教育団体や保護者、NPOなど、とりわけ、多くの働く人たちをつなげることに数多く関与しております労働団体についてもこの活動の参画者として追記していただけると、より幅の広いものになるのではないかと思います。

【明石分科会長】
  大事な視点、ありがとうございました。
  では、白井委員、お願いします。

【白井委員】
  地域と学校教育との間の踏み込まなければいけないという作文は、私も全くそのとおりだと思います。これについては相当前から議論してきています。それから考えると、学校教育においては学習内容、指導要領をどのようにするかというのは非常に大きな問題だとは思います。しかし、一人一人の学力というよりはもっと初等中等教育、幼稚園も保育園もあるかもしれませんが、そういうところから含めて、何を教育するのかということを根本的に今から考えて組み立てていく。もちろんそれは成果が上がるのに非常に時間がかかる。しかし、そのぐらいのことでやらないと、これからの世の中をつくっていくのは無理だと思います。
  地域、地方がどのように変わっていくかは、もうほとんど予測されています。若干不安定な予測ではあるけれども、地域に人がいなくなってしまうわけです。そうすると、まだある程度人口が残って、産業もあるというような状況の中で、どのように大人たちが「地域学校協働本部(仮称)」に参加していくのか。もっと地域全体が小学校・中学校とコミットして、一緒に教育をやらなければいけない。
  とりわけその中で、ここでも欠落しているけれども、高等学校では一体何を教えるのかが分からない。高等学校の意義というのは、もっと、地域であったり、あるいは広く、日本全体であったり世界であったり、自分の働く環境というのはいろいろありますから、一体社会をどうつくっていくのかということに対しての問題意識を教えることが非常に重要ではないかと思う。
  やはり基礎があって初めてその上に立っていくリーダーがもちろん育ってくる。国家百年の計ではないけれども、ずっと教育の体系の中にある部分、そういうものをしっかり組み込んで人材育成をやっていくべきです。
  それから、特に高等学校のカリキュラムというのは、地域にとって最後の手段です。ここのところでどのように人を育てるのか、そこを設計しないといけない。今ほとんど高等学校教育は破綻しています。受験勉強か何かしているかもしれないけど、そんなのほとんど意味がない。そういうことではなくて、社会をどうつくっていくのか、ということを中心にカリキュラムを組み立てないといけないと思います。
  もう一つは、宣伝というか、既に現実にあるものをどのように広報していくのかということが重要です。雰囲気を世の中全体につくっていくということのための宣伝、広報をやらないと、世の中はそういう方向に向かない。是非そういうことを、今はネット社会ですので、テレビ、ラジオだけではなくネット上でもどのようにやるのかということはとても重要です。
  それから、この「まとめ」の中で非常に欠けているのは何かといったら、各地域の中で、どうやって情報網というのを生かしながら、子供たちも大人も、あるいは場合によっては産業も参加しているような関係をつくり得るのかということが余り述べられていない。そういうことから全部設計しないといけない。
  一番問題なのは、地域に従来だったら農業や漁業があって、働いているおやじさんも子供も一緒にいたわけで、今はそうではない。仕事と子供たちの生活しているところが非常に離れていて、そこのところに何かの媒体がなければいけない。それはどうやって作るのかという設計がないと、本部を作っても何をやるのかよく分からない。
  以上、大きく分けて二つのことです。小学校、中学校と高等学校を含めて、カリキュラム設計をやり直してほしい、組み立て直してほしい。もう一つは、世の中全体に地域と学校が共にあるという雰囲気が出るような広報を、様々な手段を通じて、あるいは情報ネットワークというものをもっと活用して行うということが大事であると思います。

【明石分科会長】
  ありがとうございました。
  では、金藤委員。

【金藤委員】
  ありがとうございます。まずは部会の皆様、そして生涯学習政策局の皆様、短い期間にこれだけのまとめを作っていただいたことに、心からお礼を申し上げたいと思います。内容は大変意味深いと思います。コミュニティ・スクールにしても、この「地域学校協働本部(仮称)」にしても、幼稚園から高校までを視野に入れるということは本当にすばらしいなと感じております。
  その中で数点、希望といいますか、申し上げたい点がございます。先ほど横尾委員もおっしゃったこととも関連しますが、「地域学校協働本部(仮称)」の中でそれぞれの地域に多様性が認められるというのは、もちろん良いことです。とはいえ、共通性といいますか、画一性といいますか、多様性が保障されながらも、共通でこれは絶対押さえてくださいというような事項は、現場サイドから見ると具体的に示さなければいけないと思います。そうでなければ、今までと何が違うのかという疑問も出てきますし、また幼稚園から高等学校という学校教育段階が異なれば、当然やるべき事柄も変わるからです。それぞれの学校種に応じて期待されていることと、また、多様性が保障されながらも共通性として求められていることは何か、やるべきことは何なのかということを、もう少し具体的に、お出しいただきたいというのが1点です。
  もう一つは、コーディネーターのところにつきまして、コーディネーターに様々な研修等をしていただけるということが明記されています。その点は大変望ましいことと存じます。さらにお願いしたいのは、コーディネーターの身分保障、あるいは給与形態という点についてです。今後は、いつまでもボランティアとか薄謝のままでは駄目だと思いますので、もう少し踏み込んで書いていただきたいと思います。
  3点目は、社会教育主事との連携ということを書いていただいたのは大変有り難いと思いますが、もう一つ、法律に規定されていながら、実質がかなり形骸化しているものに社会教育委員というのがいます。それは市町村レベルでも県レベルでも設置されていますが、社会教育委員の全国組織は今、組織運営が非常に厳しい状況になっているというお話もうかがっています。今後はもっと動く社会教育委員になっていただいて、社会教育主事と共に、動く社会教育委員やコーディネーターや統括コーディネーターが連携してやっていくということも是非期待しておりますので、社会教育委員ということを答申内で言っていただきたいと思っております。

【明石分科会長】
  とりわけ3番目は非常に大事な御指摘で、教育委員は月1回最低ありますが、社会教育委員というのは、よくやって3回、1回で終わるところもあります。本当にそれを動く、働く社会教育委員にしていくというのは非常に大事な視点だと思います。ありがとうございました。
  では、平岩委員。

【平岩委員】
  私の方からは、この「地域学校協働本部(仮称)」にいかに魂を入れていくかという話ができればと思います。私は放課後のNPOをしていて、いつも人を巻き込むときに意識するのが、世の中や人をいかにわくわくさせるかという部分です。今回のこの「地域学校協働本部(仮称)」に変わって、「何が変わったんですか?」と言われないために、是非このように変わる、このように楽しめるというのを入れていきたいと思います。そのためには三つのことを考えました。一つ目が、「子供たちのために」ということを是非全面にうたっていただきたいと思います。どこかに共通の旗印は子供たちとありましたけれども、地域と学校が本当の意味で一体化するためには、これは「子供たちのためになる」という共通認識以上に一緒になれるものはありません。まずそこを是非強調していきたいというのが一つ目です。
  二つ目は、「学びあう」ということです。今までどちらかというと、花壇の整備をお願いするというような側面的な支援でしたが、子供たちの学びをお手伝いするようになったり、逆に子供たちから地域が学ぶようになったり、そういうところに発展していくという「学びあい」が二つ目のわくわくする要素だと思いました。
  3点目は、是非市民をもっと大きく巻き込んでいくという視点を持っていきたいと思います。どうしても「学校支援地域本部」にしても「地域学校協働本部(仮称)」にしても、限られた委員の人たちだけがやるイメージが強くあります。先ほど相原委員がおっしゃった、「地元の学校も我が学校である」という視点は、子供のいない御家庭には是非持ってもらう必要があります。子供はもういないけれども、近所の学校は自分の学校だと思ってもらえるように、一度や二度でも学校に足を運んでもらう機会を多く作ってあげる。地域の人が見たいのは子供たちの成長した姿ですので、1年間こんなに成長したという姿を地域の人に見せてあげたりしながら、どんどん多くの人を巻き込んでいくような協働本部になると、非常に魂が入ってくると思いました。

【明石分科会長】
  では、田中委員、お願いします。

【田中委員】
  それでは私の方から、学校現場、それから教育委員会という立場からお話をさせていただきたいと思います。
  先ほど事務局の方から御説明を頂きましたけれども、制度改正については、このような形で進めていただければと思っております。今の話の中で、私は社会教育主事の関わりというのが非常に大きくなってくると考えております。また、学校の中で地域をコーディネートする教員については、やはり持ち時間の削減というのは避けて通れないと思っております。子供と向き合う時間を教員は長くとれというのと同じように、地域と向き合う時間もやっぱり十分に教員に与えていかないといけないのではないかと思います。
  そういう意味では、是非教員が地域と向かい合う時間をしっかり確保できれば、今地域との窓口になっているのは教頭ですので、教頭の負担軽減にもつながっていくでしょうし、是非教務主任並みの時間の確保をしていただければと思っています。
  それから、社会教育主事の裾野がなかなか広がっていかないというのも現状の課題だと思います。そういう意味では、インセンティブを付けるといいますか、そのように地域との関わりを積極的にやった教員には、例えば3年間やれば社会教育主事の講習のある単位数を認めてあげるなど、そういう法改正というのも必要なのではないかと思います。
  最後ですけれども、先ほど明石分科会長もおっしゃっていましたが、市長部局を巻き込んでいくというのは大変大事なことだと思います。私も市教委の教育主事をやっておりますけれども、是非これは市の総合計画の中で私も市川市において提言していきたいと思っているところであります。

【明石分科会長】
  ありがとうございました。
  では、尾上委員。

【尾上委員】
  長くPTAをやらせていただいていて、エキスパートになっているかというと、だんだんぼやけてきているような感があります。というのも、こうやって学校を支援する形というのは常に考えてきたことであって、それが地域の人をはじめいろいろな人が多く入ってくることによって、保護者、PTA自体は、そういったところは地域に任せたらいいと逆の発想が出てきて、これは省いて、これはやろうと活動の選択をしつつあります。PTAは何でも屋といいますか、全て請け負いますという形だったのが、そうではなくなってきて、別の名称を持った委員さんが学校の中に入ってくると、その委員についての活動はそちらの領域ということになってしまう。今、日本全体からしても、PTAの存在意義といいますか、今後どのような立場で、どのようなことを進めていくのかというところを、もっと明確にしていかないといけないと思っております。
  また、そうなると家庭の在り方というところがすごく大事になってきますので、そこが地域とつながるということより、本当に学校、家庭のやり取りが十分にできるような形を作った上で地域という意識付けをやっていかないと、例えば時間がないから子供の面倒を見られないといって、地域、学校に任せるという人が出てきます。こうなると、余計に地域、地元意識が薄れていくような気もしております。いろいろ今、考えていることと、こういうことが全てリンクするということが、うまくいく方向ではないかと思います。是非ともしっかりした議論をしていきたいと思っております。

【明石分科会長】
  非常に大事な御意見だと思います。おっしゃるように、PTAは家庭と学校のパートナーシップです。「地域学校協働本部(仮称)」というのは、地域も学校を応援しようという新たな革袋を得たものです。金藤委員がおっしゃるように、ここは共通で、ここは多様性を認めるという、そういう線引きをしていかないと、地域の方々は何をしていいか分からなくなってくるということはあります。ありがとうございました。
  では、山崎委員。

【山崎委員】
  特にさっき田中委員がおっしゃっていたように、私は総合計画を住民参加で作るとか、首長部局のところでいかに住民がアイデアを出していくか、そして出すだけではなく動く、そういうことをコーディネートするような仕事をやってきました。ですので、教育委員会に関連する仕事は余りやっていなくて、本日の報告を受けて、すごくうれしい気持ちになりました。ここまで来ているのか、というのが率直な気持ちで、「すげえじゃん」と。私は自分の仕事のことをコミュニティ・デザインと呼んでいまして、自分はもともとデザイナーですので、余り教育のことというところに深く入ってこられなかったのですけれども、今日はとてもうれしい気持ちになっています。
  その中で二つ、学び方というのが将来の働き方というのにつながっているのではないかという話と、それから、地域が学校に出ていくといっても、なかなか地域に入り込んでいくのは難しいけれども、それはどうしていくのかという話です。平岩委員がおっしゃったように、プレーヤーを増やしていかなければいけないわけで、そのプレーヤーを増やすときのモチベーションは何かという、この2点について思ったところをお話ししたいと思います。
  一つは地方創生との絡みになりますけれども、地域にそれぞれ仕事を増やしていかなければいけないといって、「まち・ひと・しごと」という話になってきましたが、よく神山モデルみたいに、サテライトオフィスとか、東京にある支社を作ればいいという話になります。御存じのとおり、今、日本の会社の平均寿命は23.5年ですので、本社が23年ぐらいで潰れるという時代です。そのときに、支社を地域に作っていって、またサラリーマンをそこに増やしていこうとすると、この人たちは多分、20年以内に職を失う確率が相当高い。私も民間企業の社長ですから、どこか言われれば、そこに一応支社を出すかもしれないですが、恐らく土地は買わない。定期借地で20年土地を借りて、建物はパネル工法で建てます。パネル工法は寿命20年です。20年ぐらいで契約更新するかどうかを判断する。
  今の情勢で考えると、支社を出しても20年で撤退ということになりますから、22歳の人が自分の地元に仕事ができたと就職して、45歳のときに再就職先を探さなければいけないというのは、現政権はそれでいいのかもしれないが、将来の子供たちは大変なことになってしまう。それを考えると、いつまでも雇われて働くという働き方を、やっぱりダイナミックに変えていくということが重要になってきて、先ほど白井委員も受験勉強なんて高校で意味の分からないことをやっているというのは私も同感で、雇われて働くというところにうまく押し込めていくための教育を、今回の企画の中でどのように変えていくのか。働き方の部分を相当考えて、そしてそれをちゃんと教えられるような仕組みにしていくというのが、一つ大事になるかもしれない。
  これは学校の先生はなかなか教えられないかもしれない。牧野委員がおっしゃっていましたけれども、地域の八百屋や魚屋でも、個人事業主として小さく働いて自分の生を生きていく、生きる力を伸ばしていくという仕組みを相当体現されている方がいらっしゃいます。そこを学校と接続させていけば、「そうか、こうやってちゃんと生きていくことができるんだ」と子供たちに理解してもらうことになります。その地域の人たちは、学校の中に入っていくということの意義を、自分の生き方自身で見せていくことができるようになる。この話をするときに、本当に働き方というのが大事になってきて、今の日本のように88%が雇われて生きるという状態のまま、残り12%で何とかやろうというのはなかなか難しい。そこをどのように地域の中で培っていくのかというのがキーかなと思います。
  駆け足でもう一つです。そのプレーヤーを増やしていくといったときに、学校に関わる人を増やすのはなかなか難しいけれども、何か楽しいとか美しいとかかっこいいとかおしゃれとかいうことで人の心は動きます。残念ながら理論だけではなかなか動かない。ワークショップをやっていても、理論で議論すると、理論の答えはみんな違いますので、徹底的に議論をして、負けた方が「分かった、お前が正しいことはよう分かった。しかしお前のことを嫌いになったから一緒にはできへん」という話にどうしてもなってしまう。元も子もないことです。だから、楽しい、好き、おいしいという感覚であるグループを作っていくということが大事になってくる。
  「地域学校協働本部(仮称)」の中で、美しさとか楽しさとか人々を魅了する要素は大事になってきて、そうでなければ、参画は1.5倍には増えないかもしれない。これまでと同じ方々が関わるだけになってしまう。それ以外の50%は、やっぱり今までとは違うプレーヤーが入ってくるということが大事になってきますので、いかにここが出してくるプログラムが魅力的かということが大事です。
  総合計画の話をしましたけれども、各分野の方が市役所として地域にやってほしいはたくさんありますが、地域が町のためにやりたいと思っていることは結構ずれていることが多いです。防犯活動をやってほしいとか、福祉活動をやってほしい、社会教育をやってほしいと役所は思っているけれども、町の人たちは、町が元気になるためにコミュニティ・カフェをやりたい、音楽を演奏したい、花を植えたいと思っている。このずれをどのように接続させていくかということが大事で、デザイン・シンキングというか、デザイン発想が「地域学校協働本部(仮称)」にあるかどうかは重要です。正しいことだけでは人が動かないので、そこに美しいとかかっこいいと思えるようなプログラムをいかにデザインしていくのか。
  最後ですけれども、ここはひょっとしたら民間企業も入ってきて、デザインのできる人たちがある役割になって入ってくるとか、一部指定管理者的にここの中を運営していくとかいうようなことまで考えた方がいいのかもしれないということを、話を聞きながら感じました。

【明石分科会長】
  大胆な発想をありがとうございました。最後の協働本部に民間的なNPOとか指定管理という発想は、個人的には必要かと思っています。多様なことをやっていかないと、通り一辺倒では駄目かと思っています。ありがとうございました。
  では、小室委員。

【小室委員】
  ワーク・ライフ・バランスの小室と申します。
  いつも私のやっている仕事は、企業の残業を減らすというコンサルティングですが、ほとんどの企業の、特に20代ぐらいの若手の男性の多くが、残業を減らしてくれたところで、帰ってもやることがないと言います。これだけ手を必要としている学校がたくさんあるにもかかわらず、そこに自分が必要とされていると思っていないという方が多いのではないかと思っています。これは企業にとっても大変な問題で、帰ってもやることがないから会社にもう少しいようという方が多いと、会社の生産性がどんどん下がっていく。
  私たちが残業を減らして、やることを何か見付けた方たちの変化というのは非常に大きくて、中にはやはり地域社会で必要とされていることに気付いたと言って、子供がいない方ですが、学校に関わり始めたという方がいらっしゃいました。その方に仕事上で起きた大きな変化が、部下の育成が上手になった。今までは仕事の分からないやつは置いていくという考え方だった方が、人を育成する力が身について、非常に会社にはプラスの効果がありました。
  こういった「地域学校協働本部(仮称)」というような考え方を、企業を通じて若手の20代の男性に伝えていくということが重要ではないかと思います。それが企業にお願いをするという姿勢だと、企業は「こっちも忙しいのに」という話になるので、そうではなくて、企業において、「必ずライフの時間にインプットしてきたことがワークにプラスになる、ワーク・ライフのシナジーが起きてくることなのでやっていきましょう」と促していくことが重要です。多くの方は自分の出身校ではない学校に関わっていいということを知らないと思いますので、そういった権利があるということを分かりやすく示す。ここを通じてこのようにアクセスをすると、あなたは地域に関わることができるという案内を、企業を通じて若手の方に伝えてあげると、何かそこから恐る恐る、ずっと何かライフでやることを見つけたいと思っていた方が、アクセスするようになるのではないかと思います。
  固定したプレーヤーに頼るだけでなく、今までは関わってこなかった方を発掘しないと、子供にとっても新たな学びがありませんので、そういった企業との連動の仕方というところが大きなポイントになるのではないかと思います。

【明石分科会長】
  ありがとうございました。相原委員がおっしゃった出身校でない学校にも関わっていけるという概念は非常に大事だと感じました。ありがとうございました。

【生重委員】
  山崎委員と小室委員から言われたことは、私自身「痛いところを突かれたな」と思います。「学校は面白い」という活動は相当やっています。それと、企業を巻き込んで、貴社の社員が地域の現場に出ることは貴社にとってどれほどメリットかということは、相当な働き掛けをやっています。キャリア教育コーディネーター・ネットワーク協議会という全国組織を運営しておりまして、そこでのまだまだ発信が足りない。それとともに、文部科学省の土曜日学習の企業のエントリーリストも埋もれつつあるので、更に発信をしてもっと大きくウエーブを起こすようなことをやらなければいけないというのをまた改めて思いました。皆様方のいろいろな作戦、知恵を借りて、もっと大々的にやりたいと思いました。

【明石分科会長】
  ありがとうございました。
  まだまだ御意見あるかと思いますけれども、予定した時間を過ぎておりますので、次の議題に移りたいと思います。実はこの「審議のまとめ」を、10月中旬に初等中等教育分科会でも審議していただいております。両方の審議まとめができました段階で、パブリックコメントをかけて広く意見を頂きたい。パブリックコメントを頂いた段階で、もう一度、この生涯学習分科会で最終的な答申案を作る方向でいきたいと思います。年内に答申案をまとめる予定でおります。
  では、議題3に参ります。「社会教育主事講習の見直しについて」、でございます。これは第6期生涯学習分科会における議論の整理において、社会教育主事の養成・配置などの総合的な検討を行うという要請を行ったものでございます。
  それでは、事務局から御説明をお願いします。

【谷合社会教育課長】
  資料の3‐1からでございます。今、分科会長から御説明がございましたように、現在、文部科学省では、本分科会の御提言も踏まえまして、社会教育主事講習の見直し作業を行っているところでございます。本日は、その状況を御説明しまして、御意見を賜りたいと思っております。
  まず資料3‐1でございますけれども、御承知の方が多いかと思いますが、社会教育主事について、少しお話をさせていただきたいと思います。社会教育主事は、社会教育法に基づき都道府県・市町村の教育委員会事務局に置かれるとされている専門的職員であり、地域の社会教育行政の企画・実施、あるいは社会教育を行う者に対する専門的技術的な指導・助言を行う者でございます。
  この社会教育主事については、都道府県・市町村教育委員会の発令による任用資格ということでございまして、その資格要件は、2の(1)から(4)にありますとおりでございます。大学で必要な課程を取得する場合もあれば、実は一番多いのは、2の(4)「社会教育主事講習を修了した者で、相当の教養と経験があると都道府県教育委員会が認定した者」という部分が主流ということになっております。本日は、この社会教育主事講習の今後の在り方について、御意見を頂きたいということでございます。
  2ページ目でございますが、現状を見ますと、社会教育主事の人数は、平成23年度時点で全国に約2,500人おりまして、社会教育法では必置とされているものの、配置率は低下傾向にあります。これは、地方公共団体の職員定員削減などの中で、社会教育主事としての発令者数が減ってきているということであろうと思っております。
  一方、次の3ページですが、本生涯学習分科会における議論の整理、平成25年1月に出されたものの中では、今後の社会教育行政の推進の在り方として、真ん中に赤い字で書かれておりますが、従来の自前主義から脱却し、ネットワーク型行政の推進を目指す。それによって社会教育行政の再構築を図るという提言を頂いております。
  社会教育というものを、例えば教育委員会が全部自前で社会教育を提供するというのではなくて、もっと様々なプレーヤー、行政のほかの部局あるいはNPO等の民間の方をネットワーク化していって、社会教育行政を再構築すべきだという御提言を、本分科会から頂いたところでございます。
  その中で、同じページの一番下ですが、小さい赤い矢印で、国の役割としては社会教育主事の養成・配置などの総合的検討が必要であるとされているところでございます。
  そして次の4ページですけれども、生涯学習分科会の下に設置をされておりました社会教育推進体制の在り方に関するワーキング・グループが、平成25年9月に審議の整理を出されました。この中では、第1章は社会教育行政の推進体制の在り方ということで、主として教育委員会制度の見直しに関する議論がされた部分でございまして、本日ここは省略させていただきます。
  5ページですが、「第2章 社会教育主事の在り方について」議論を頂きました。「1.社会教育主事の現状と課題」としては、「社会教育主事は法律上必置とされているにもかかわらず、設置率、人数は減少」している。しかし、矢印の下ですが、「地域住民の自主的な社会教育が円滑に実施されるよう環境醸成を図っていくためには、社会教育主事が関係施策におけるコーディネート等の役割を果たすことが重要」であって、「引き続き必置を原則とするのが望ましい」という提言を頂いたところです。
  その中で、「3.社会教育主事の資質・能力を養成する仕組みの構築」として、「カリキュラムの抜本的見直しの検討が必要」だということを指摘されています。「カリキュラム内容について、国立教育政策研究所社会教育実践研究センターで見直し」をすべきだとされており、それを踏まえて、文部科学省及び社会教育実践研究センターで検討してまいりました内容について、今日は御審議をお願いしたいという流れになっています。
  では、続いて資料3‐2を御覧ください。「社会教育主事講習見直しに向けた主な論点(案)」です。まず、「1.問題意識」のマル1にありますけれども、社会教育主事の必要な資質・能力及び講習カリキュラムをどうしていくのかという議論をする以前に、そもそも今後社会教育主事が果たすべき役割というのは一体何なのか、というところから考えないと、議論が進まないのではないかという指摘があります。
  では社会教育主事が果たすべき役割は何かということを考えたときに、一つは、マル3でありますように、「今後、社会教育行政は、自前主義から脱却、ネットワーク型行政の推進、それによって再構築を図っていくことが喫緊の課題となっている。このため、社会教育主事はその実現のために役割を果たすべき」ではないかということが、一つ挙げられます。
  これについては、4ページに「地方分権と住民自治を進める中での社会教育の役割」という図がございます。地域の現状を見ますと、様々、地域は課題を抱えている。しかし、こうした課題に対して、なかなか各行政部局が講じる対策だけでは十分ではなくて、持続可能ではないという状況の中で、今後の目指すべき姿というのは「住民と行政の協働による課題解決」ではないかということです。
  単に行政だけに任せるのではなくて、住民も参加して協働して課題解決していかなければならないのではないか。そのときに、社会教育というものが役割を果たせるのではないか。すなわち、住民の意識を変えて、行動を変えていく。それから、いろいろなプレーヤーをネットワーク化していくという部分について、社会教育が力を果たせるのではないか。その核となるのが社会教育主事ではないかというのが、一つ目のポイントと考えております。
  そして再び1ページ目に戻っていただきマル4、もう一つの社会教育主事の役割というのが、本日前半で御議論いただいた、地域と学校の連携・協働です。何人かの委員の方が社会教育主事に触れられておりましたけれども、ここの学校と地域の連携・協働の部分についても、社会教育主事が力を発揮するべきではないかと考えております。
  それで、1ページ目の「3.社会教育主事の果たすべき役割」に今申し上げた2点について記載しております。
  それを踏まえて、次の2ページで、赤枠で囲ってありますここが本日御意見を頂きたいと思っている部分でございます。「4‐A」というのが、先ほど申しました二つの果たすべき役割から具体化した社会教育主事の機能として、まず「(1)住民の学習と活動の支援の機能」があります。知識や技術、ノウハウの取得支援をはじめ、マル1からマル6まで掲げております。
  そして「(2)関係者との連携・協働のネットワーキングとコーディネーション(関係者の能力等の存在や特性の把握、関係構築、等)」が、機能として考えられるのではないかと思っております。
  そして、こうした「4‐A」で書いてある機能を発揮するために、「4‐B:社会教育主事に必要な力・知識」として、以下のものがあるのではないかと考えております。身に付けるものとして、一つが「専門職として持つべき(持つことが望ましい)コアな力・知識」、例えば学びの支援とか、傾聴、カウンセリング、社会教育主事としての課題発見力・営業力、こういったものが考えられます。
  そして、それがマル1からマル8までありまして、その下、「行政職員(又は社会人)として持っていることが期待される力・知識」は、すなわち社会教育には限らない話だと思います。行政職員あるいは社会人として持っている力として、例えば地域に関する理解や主要な社会・地域課題に対する理解ほか5点を掲げております。
  そしてその次、「資質に関わるもので養成・育成の対象とはなり得ないもの」は結局、ある種もともと持っているものではないかと考えております。
  次の3ページ目ですが、(2)は仮に今のような能力が必要だとして、「どこまでを最低限として身につけてもらうか」、つまりプライオリティーの問題でございます。
  こういったことについて、今はまだこの程度ですが、現在検討しておりますので、特にこの赤枠の部分についての御意見を頂きたいと思っております。
  なお、5ページから付けておりますのが、現在の社会教育主事講習の内容、メニューでございます。最終的にはこれを改正していきたいと思っています。本日の御議論も踏まえまして、今後この内容を見直すとともに、例えばどのテーマにどれぐらい時間をかけるべきか、学習方法は講義形式がいいのか演習形式がいいのか、あるいはICT活用による遠隔講義が考えられるかどうかといった、シラバスを作っていきたいと考えております。
  なお、資料3‐4は、社会教育主事に関する過去の中教審における提言、資料3‐5は、地方創生と社会教育に関連する参考資料をまとめておりますので、適宜、御参照いただければと思います。

【明石分科会長】
  ありがとうございました。非常に大事な議論ですけれども、15分ぐらいをめどに御意見を頂ければと思っております。
  では、横尾委員。

【横尾委員】
  赤枠囲みのところに限定してということですので、幾つか気付きを申し上げさせていただきたいと思います。
  一つ目は、一番下のリーダーシップのところがもったいないと思います。資質に関するもので養成・育成の対象となり得ないと、何で最初から諦めるのかと思いました。育成すれば、かなりの成長が期待できると思います。期待できないのはノウハウとかスキルのやり方だと思います。例えばいろいろな研修もできるはずです。私はたまたま海外での研修をしたことがありますが、途中でミニゲームを入れたりしてお互いのコミュニケーションを高めるとか、スポーツ苦手な人も入っていきやすいミニスポーツをやってコミュニケーションを高めるとか、いろいろなやり方があると思います。是非そういったのを身に付けていただくようにして、オープンマインドもコミュニケーションもリーダーシップも、是非これらは育成していくようにしないと、かなり将来に問題があるのではないでしょうか。
  また、先ほど前段でお話のあったコーディネーターの力が「地域学校地域本部(仮称)」に必要だということで、まるで社会教育主事をそこに充てるためにやるのかとさえ一瞬聞こえるようでもあり、不思議な感覚がありました。別に批判ではありません。そういったことを踏まえて思いますのは、あとの講座とも関係しますが、ファシリテーションとかコミュニケーションとかコーチングと最近よく言いますけど、そういうのをもっと教えたらいいと思います。是非そういった講座もしていただいたらいいかと思います。
  二つ目に感じているのは、住民が学習できるように上から目線で指導するという発想ではなくて、住民の皆さんの中におられる、長寿社会で人生経験が豊富な方を発掘して、その方の経験を生かして、その方と感動を分かち合う、そういうコーディネーションをやっていくのが一番大切だと思います。是非そういったことができる方をコーディネーターに推していただきたいと思います。
  あと、全国市長会から何かネガティブなことを言ったのがきっかけだとなっていますが、本音の中の一つには、こういったことがあると思います。社会教育主事を法律で置けとなっていますので、有資格者を雇用しなければなりません。そうすると、公務員として、その人に本当はいろいろな活躍をしてほしいけれども、異動が難しくなるという面もありえます。ですので、そういう硬い資格ではなくて、もっと資格基準を緩やかにしてほしいという本音が現場にあると思います。そこを考慮いただければと思います。

【明石分科会長】
  では、高見委員。

【高見委員】
  リーダーシップはスキルであるとドラッカーも言っておりますので、是非諦めないでいただきたいと思いますのと、社会教育主事の役割という前に、誰に何をするのかというところをはっきりさせることが重要です。この社会教育主事に求められているのが、教頭先生と町内会との橋渡しをするのか、はたまた子供が対象なのか、誰にどんなアクションを起こすのかということによって、役割、具体的なアクションリストというのが変わってくると思います。
  具体的なアクションリストが変わってくると、それに必要な力とか知識というのも変わってきますので、それをもう少し細分化して整理をしていかれる方が良いと思います。人を採用する、若しくは育成をするときは、マスト要件とウオント要件、最低限ここまでは必要な用件と、あればいいという希望用件は、はっきり分けておく必要があります。ウオント要件というのは、先ほど言ったように、リーダーシップはなくてもスキルなので教えれば身につくので、それは最初から持っているということは考えなくていいという分け方も含めて、マスト要件とウオント要件と分けていくのが比較的効率的だと思います。あと私はイメージがついていないのが、報酬とのバランスです。非常に低い報酬で何とかしようと思うと、採用難易度とか育成難易度は上がりますし、ある程度報酬が確保できるということであれば、比較的なっていただきやすいと思います。
  誰に何をしていただくのかというアクションリスト、マスト要件とウオント要件、報酬がどれぐらいセットできるのかというところの中で、バランスをとりながら整理をされていかれると進めやすいのではないかと思っております。

【明石分科会長】
  ありがとうございました。
  時間の関係で、ほかの委員からも一言ずつ何か御意見を頂ければと思います。
  では、山野委員。

【山野委員】
  この社会教育主事講習の1コマを、今現在も担当させていただいています。非常にたくさんのカリキュラムがあって、なかなか全てが見えにくいとも実感していました。今日の議論から、学校・家庭・首長部局も含めて、いろいろな資源がこれから地域・学校と協働して動いていこうという方向の中で、社会教育主事というのは重要な要になってくる。その中で全体像が見えるような力が必要ではないかと思います。例えば今のカリキュラムの中で、私は福祉を専門とする人間ですが、福祉的な視点というのはやはり少なくて、子供たちの状況がどんな状況なのかとか、学校やそれぞれ首長部局がどんな資源・サービスを持っているかなど、そのようなことが学べるようなものもカリキュラムに入れていく必要があるのではないか。
  もう1点は、遠隔操作によってテレビで講義していて、演習の時間がない。今までも出てきていたように地域を活性化、組織化していく技法は福祉ではコミュニティ・ソーシャルワークいいますが、ソーシャルワーク技術で演習的に行う必要があるのではないかと思いました。

【明石分科会長】
  では、白井委員。

【白井委員】
  赤枠のところについて全般的に言えば、テーマの立て方が少し古い。現代の問題意識とは少しずれがあるような気がするので、今の世の中の大事なこと、そういう生活の方をもう少し取り入れてほしいという感じがしました。
  さっき言ったことと関連しますが、こういういいことを、高校生とか、それからもちろん普通の大人でもいいですが、そういう人たちが一緒に勉強する、考えるという場所の設定が必要です。社会教育主事だけでは2,500人しかいないのだから、全ての活動に参画するのは無理です。ですので、様々な方が一緒に学べる場所を改めて設定していくことが必要です。

【明石分科会長】
  では、平岩委員。

【平岩委員】
  先ほど話した話と非常に重なりますが、山崎委員もおっしゃっていたように、人を動かす本質というのは理論理屈より、楽しさ、期待感です。この議論の背景に、こういう勉強をしても、もしかしたらうまく地域を巻き込めないかもしれないというような話がある気がしております。そういう意味で言うと、このカリキュラムの中に、是非地域団体との連携とか地域団体の支援とか、地域団体と私たちのようなNPOも含めて、どうやって一緒にやっていくかというところを考えていただけるといいと思います。そういうことをもし学ぶとしたら、理論ではなくて実践だと思いますので、地域に入っていって、どんどん実践する時間を設けて、実例を踏まえて学んでいくということが必要だと思いました。

【明石分科会長】
  では、白石委員。

【白石委員】
  この社会教育主事の有資格者数というのは、全国調査をしています。実はこの調査を見ると、松前町職員の中に7人有資格者がいます。しかし実際は、社会教育主事の資格を持っているから職員にしたのではありません。大学の課程でそういうのを取っており当然資格はありますが、7人の有資格者で実際に教育委員会に勤務したのは、このうち2人です。今、たまたま一人は課長で、もう一人がまさに社会教育の担当をしておりますけれども、こういう小さい町村の場合は、社会教育主事の資格を持っているからその仕事だけというわけには、なかなか現実にはいきません。
  だから資格者は大勢いますが、なかなかそれに専念することはできないのが実態です。ここにあるように、講習の見直しなどいろいろな形で、しっかり勉強をさせないと、なかなか社会教育主事の資格というのは生かせませんので、その辺りのところは少し考えていただきたいと思います。

【明石分科会長】
  では、牧野委員。

【山崎委員】
  まず確認一つですが、これは御説明いただいた、別添図表の4の中で、社会教育が大事なのは、確かに社会教育と書いてある下のところに、真ん中に住民があって、医療、自治会、防犯、全部に線が出ています。この線が引いてあるところも社会教育にすごく大事だということだと思います。
  今、私が仕事しているのは、まさにそこの分野ですが、住民が福祉に関わるときも衛生に関わるときも社会教育が必要です。だから、この実践で示されているような、NPOと住民が関わるときにも、やはり社会教育は必要です。それがない中でワークショップをやっても、良きインプットなきところにいいアウトプットは出てこない。たまたま知っているという話だけのワークショップになってしまって、質がすごく低くなります。社会教育はその点でものすごく大事だと思っています。
  そういう位置付けだとすると、赤線の破線の中のどういう講習をやるべきか、というのは、少し見えてくるような気がします。この中で、足したらどうか思うのは、一つは住民とかコミュニティーの組織化の技術です。自分であくせくやってもしょうがないので、彼ら自身がどのように集まるのか、そして活動を起こすのかという組織化、コミュニティ・オーガナイゼーションの技法というのは、先ほど社会福祉のお話もありましたが、特に社会福祉から学ぶ点でもあるかもしれないと思いました。
  もう一つは、平岩委員もおっしゃっていましたけれども、人々の気持ちが一体何で動くのかという視点で考えると、美しさとかデザインとか、空間やチラシを美しく作っていくということが重要です。何か活動しようと思うと、必ずそういう物理的なものが出てきますので、これについて的確に判断できるか、作ることができるか。この技術はこれまで以上に大事になってくると思います。いいことをやっているけど「ダサい」というのがすごう惜しいといつも思うので、いいことをやっているのだったら、やはり人の心を動かしてほしいと思います。

【牧野委員】
  議論は、制度そのものの見直しにも関わってくるだろうと思います。現在、主事を各都道府県・市町村の教育委員会に置き指導・助言と支援を行うとなっていますが、そこの在り方を変えようという議論とつながってくると思います。
  「地域学校協働本部(仮称)」と社会教育主事の見直しの議論をしてきましたが、そこでは、地域に入り込める人、住民に寄り添って、人々のある意味では声にならない声を聞き取り、言葉にならない思いをくみ取りながら、学習を組織していける人をつくりませんかという議論になっていたと思います。そこ議論では、本人が持っているある種の資質のようなものや、さらにはスキルとして形成できるもの、育成できるもの、そういうものも含めて、社会教育主事の在り方を見直しましょうという方向性は出ていると思います。
  そして、この議論は、今日検討されました「地域学校協働本部(仮称)」において、いわゆる地域コーディネーターですとか統括コーディネーターと社会教育主事の在り方をどう連携させるかということにつながってくると思いますので、是非ともそういう観点でお話を頂ければと思います。
  今までのような、教育委員会の中に一人置いて指導・助言・支援ということではなくて、むしろ住民と一緒に生活をしながら、住民の中に学習を組織して、住民自身が動けるようなきっかけづくりをしていく人というような感じで、社会教育主事を見直そうという議論は進んでいるかと思います。

【明石分科会長】
  ありがとうございました。
  最後、左京委員にお願いしたいと思います。

【左京委員】
  先ほどの資料の4ページの図なども見ておりましても、非常に範囲が多様になっているという中で、どういったカリキュラムを組めばいいかというのは、非常に多分膨大になっていくような気がします。むしろ自治体の地域の中で何が必要かということを的確に学んでいく必要があるのだとすると、カリキュラムというのは地域ごとに実は取捨選択していくこともあり得るのではないでしょうか。
  現場を外してカリキュラムを作るというのが非常に難しいのであれば、毎年現場でベストプラクティスをなさっている方々を講師に招いて、カリキュラムを作っていくというのはどうかと思います。その地域において、なぜそれがベストプラクティスであるのか、どういうやり方をやっていったのかということを、その人に学ぶような講座をやっていく。あるいは必要によっては、東京に集まってみんなで学ぶのではなく、自治体のベストプラクティスが参考になると思えば、自治体からその人を派遣して、OJTなどを通じてスキルを身に付けさせていく。1か所に集めて、同じカリキュラムを教えて身に付けさせるだけではなく、その地域に応じた必要なスキルやノウハウを、その地域ごとにお互いに学び合えるような仕組みを作っていけば、より変化の激しい社会に対応して変わっていく社会教育カリキュラムになっていけると思いました。

【明石分科会長】
  ありがとうございました。非常に貴重な御意見を頂きました。白井委員がおっしゃったように、私も直感的に見て、スキームを変えなければいけないと思いました。ユーザーに沿って、ユーザーのハートをつかむような社会教育主事を育成しないと、2,500人しか数がいない中では厳しいと思います。相当多数のタレントを持たないといけないという感じがしますので、是非今の意見を頂きながら検討させていただきたいと思っております。

【谷合社会教育課長】
  今後の進め方について御説明します。
  資料3‐3を御覧ください。本日の御意見を踏まえまして、もう一度事務局あるいは国立教育政策研究所社会教育実践研究センターで整理をいたしまして、12月中旬に予定をされております生涯学習分科会で、再び御議論を頂きたいと思っております。その後も継続して審議をお願いいたしまして、来年6月をめどに、分科会として一定の取りまとめを頂ければと思っております。
  なお、その先でございますけれども、点線の下にありますように、文部科学省として、社会教育主事講習等規程の省令改正行いまして、平成29年4月から新カリキュラムの施行を目指しております。どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

【明石分科会長】
  では、議題4の「学習成果活用部会の中間まとめについて」審議したいと思います。前回、本分科会で御審議いただいた学習成果活用部会の「中間まとめ」について、部会で取りまとめていただいたとのことなので、まず本分科会に御報告いただくものでございます。

【助川民間教育事業振興室長】
  学習成果活用部会の「中間まとめ」について御報告申し上げます。資料4‐1が概要、資料4‐2が本文でございます。資料4‐1に基づいて御説明します。学習成果活用部会では、9月16日付で中間まとめを取りまとめました。前回の7月23日の生涯学習分科会が学習成果活用部会と合同で開催されておりまして、その際に御議論いただいたところでございます。学習成果活用部会の部会長である菊川副分科会長をはじめとして、部会委員の皆様には短期間で精力的に御議論いただきまして、また本分科会からも御意見を頂きまして、改めて皆様にお礼申し上げます。
  資料4‐1ですが、まず1の「生涯学習を取り巻く状況」としまして、この章は、「我が国の社会をめぐる状況の変化」、「学習環境の変化」、「社会の変化と生涯にわたって学び続ける意義」について論じた章でございます。
  我が国の社会をめぐる状況の変化として、超高齢化社会の到来等が挙げられております。こういう状況を踏まえまして、「不断の知識・技能の修得の必要性、学習成果を適切に活用して社会参画するといった地域社会の自立に向けた取組の必要性」ということを論じております。その次の「学習環境の変化」というところは、「地域に根差した学習活動の機会は減少」していること、あるいは、「情報通信技術の進展による学習スタイルの劇的な変化」が挙げられております。例としては、「携帯端末による学習、eラーニング講座などの増加」について述べております。
  大きい2番の「学習成果活用の課題」でございますけれども、これは「生涯学習等の現状」と、「学習者、学習機会提供者における課題」について論じているところでございます。「生涯学習等の現状」としては、様々な学習機会を通じた成果を評価し、社会的に通用させる方策が不十分であるという認識の下、「学習者、学習機会提供者における課題」として、例えば「各種の社会的課題に対する理解や、学習活動を課題解決へ生かすことの意義に関する理解の深化」が必要であること、「学習成果を証明する検定試験等の信頼性の確保」が必要であることなどが述べられております。さらに、「地域活動に関する課題」としては、「学習者を地域活動への参加に誘うような仕組みづくりの必要性」について述べております。
  以上の「1」と「2」を踏まえて、「3.今後の施策の方向性」の中では、「基本的視点」といたしまして、「全員参加による課題解決社会に向けた、学習機会の充実、学習成果の適切な評価・活用の環境」の整備の必要性を論じております。その中で、特に、学びを活動に効果的につなげる、活動を新たな学びにつなげるという、『「学び」と「活動」の循環』を展開することの必要性を強調しております。
  次は「学習成果の評価・活用のための「人材認証制度」の活用の推進」でございます。こちらは制度という硬い語を使っておりますが、仕組みという、もう少し緩やかなものも含めて網羅的に指すもので、この「中間まとめ」においても同じような意味で使われております。
  「4.人材認証制度の役割・機能」といたしまして、「地域が必要とする人材像の可視化」、「課題と学習需要とのマッチングへの寄与」、それから個々人の「多種多様な学習・活動履歴を体系化」を挙げております。「当面取り組むべき事項」として、この人材認証制度は一部の自治体・大学等で行われていますが、それらの「連携・モデル的な事例の共有」、あるいは「学びと活動のかい離の解消のためのICTの活用」を挙げております。
  「5.ICTを活用した「生涯学習プラットフォーム(仮称)」の構築」ですが、まず生涯学習プラットフォームの機能を記載しております。「学習機会提供機能」は、例えば「学習者の関心に応じた学習機会を提供」するという機能です。「学習・活動履歴の記録・証明機能」は、例えば「学習・活動履歴の体系化」や「地域課題と学習需要とのマッチング」に資する機能です。さらに、「学習者等のネットワーク化機能」を挙げております。「当面取り組むべき事項」として、「「生涯学習プラットフォーム(仮称)」の構築に向け、国が主体的に構想すべき」ことなどを述べています。「将来的な活用可能性」としては、「学習・活動に取り組んだ履歴など新たな情報を蓄積することにより、さらなる「学び」と「活動」の循環を促進」していくことが期待されるとしております。
  なお、「中間まとめ」で御審議いただいたことを踏まえまして、平成28年度概算要求におきましては、「生涯学習プラットフォーム(仮称)」の実証研究を行うための予算要求を文部科学省から行っています。
  「6.今後の検討事項」についてですが、既に「中間まとめ」のとりまとめ後、一度学習成果活用部会が開催されておりまして、検定試験の現状について委員から発表いただいております。今後、最終的な取りまとめに向けまして、引き続き検討を進めてまいります。また、部会委員、分科会委員の方には御示唆を頂きたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

【明石分科会長】
  ありがとうございました。
  では、菊川副分科会長。

【菊川副分科会長】
  御報告のとおりですが、今日のほかの議題との関係を、少し補足させていただきます。生涯学習・社会教育行政には、今日の2番目の学校地域協働部会的な議論などと、この生涯学習の学習成果の証明という議論の間に、重なる部分と重ならない部分があるように思います。
  今、「1億総活躍社会」と言われておりますが、その「1億総活躍」のためには、「1億総学習社会」にならないといけないのではないかと思います。そのためにも、学校を出た後の学んだことをどのように評価し、認証していくかというのは、実務的に難しいけれども、大事なことだと思いながら、この議論に参加をさせていただいております。
  振り返ってみますと、資料2‐3にある「地域学校協働本部」的な施策は、ここ10年ぐらいで進んで、着実に積み重ねられてきていると思います。一方、学習成果の評価・活用というのは、特に評価の部分について実務的に難しいということがあり、少し遅れていたところを、今回、関係者で頑張っていただいているということだと思います。また、社会教育主事につきましても、社会教育行政の専門性の核は、やはり社会教育主事をどう位置付けるかということにあると思います。
  学習成果の評価についても、ICTを使って学習履歴を安全に管理していくということ、あるいは検定の認証制度の精度を高めていくということは、これから生涯学習社会を展望したときに、キャリア教育も含めて成人の生涯学習の大きな課題となってくると思いますので、引き続き委員の方々の御支援を賜りながら、まとめに向けて進めていきたいと思っております。

【明石分科会長】
  ありがとうございました。
  この「中間まとめ」を読ませてもらうと、前半と後半の議論とかみ合わない感じがします。山崎委員がおっしゃったように、学びを変えると新しい働き方が出てくるはずです。学習成果の活用を受けて新しい仕事を作るとか、新しいライフスタイルを構築するという個人の成長スタイルと、地域に成果を還元するという、地域・学校の問題はどこに行ってしまったのだろうと感じてしまいます。
  これらの問題のために、人材認証制度があるのだと思います。たくさんのプレーヤーをコーディネーターに出していただいて、コーディネーターがプレーヤーを非常にうまくつないでいく。そういうリンクをしていただかないと、学習成果の活用だけでは、地域と学校は変わっていかないということを感じました。これは中間報告だと思いますので、是非部会で議論を深めていただきたいと思っております。
  それでは議題5、「平成28年度文部科学省概算要求及び税制改正要望事項について」、里見政策課長から御説明をお願いします。

【里見政策課長】
  資料5‐1が予算について、5‐2が税制改正についてでございます。
  まず資料5‐1でございます。1ページでは、平成28年度の要求額が記載されており、393億円余りということで、前年度に比べ51億円増で要求させていただいております。4ページの「学校・家庭・地域の連携協力推進事業」につきましては、冒頭御議論を頂きましたコーディネーターの事業につきまして、各事業でいろいろと置いているものを「地域コーディネーター」ということで一括することと、併せて「統括コーディネーター」という方を配置し、未実施の地域に対しての取組の加速化ということを考えております。
  5ページですが、「地域未来塾」という現在ある取組を拡充いたしまして、高校生も対象とし、あるいはICTの活用によって、参加数自体も増やしていくことを検討しております。
  7ページの新しい事業ですが、「ファシリテーター養成・研修」ということで、地域の中で公民館等を活用して、地域の在り方を一緒に考えていくワークショップなどでファシリテーターになる方を養成していくことを、実証研究でさせていただく事業です。
  8ページの事業も新規のもので、家庭教育支援に関してこれからはアウトリーチということで、家庭に出掛けていって家庭教育を支援する新しい取組を始めたいと考えています。
  11ページですが、「博物館ネットワークによる未来へのレガシー継承・発信事業」ということで、2020年のオリンピック・パラリンピック、その前年京都で開かれます国際博物館会議に向けて全国の博物館をネットワーク化していくという事業です。
  13ページですが、学びの支援のための保育環境整備ということで、大学等と連携をして、大学・地域でより良い保育環境をつくりながら、学び直しに貢献できる環境を整備していく事業について予算要求しております。
  かなり飛びますけれども、19ページでございます。専修学校の関係につきましては、専修学校版デュアル教育推進事業ということで、産業界等と連携をいたしまして、学習と実践を組み合わせて行う効果的な教育手法を開発する事業を新規で要求をしております。
  22ページですが、「専門学校生への経済的支援」につきましても、今年は対象人数を2,000人から3,000人に拡充し、また、地域への定着の状況を調査するということで、予算拡充を予定しております。
  25ページですが、情報通信に関係する事業です。情報教育推進校(IE‐School)事業、それからICTを活用した学習成果の把握・評価を新規に実施してまいります。
  27ページですが、ICT支援員を育成・確保するという事業を新規で実施をします。
  31ページですが、青少年教育課におきまして、「体験活動推進プロジェクト」、「地域における青少年の国際交流推進事業」、そして「青少年を取り巻く有害環境対策の推進」を新規で実施する予定です。
  また、税制改正につきましては、奨学金を受ける際に作成する文書に印紙税が課されておりますが、これを非課税にするという事業を、今要望しております。この中には専修学校生が奨学金を受ける場合も含まれるということで、当局に関連するものとして御紹介します。

【明石分科会長】
  ありがとうございました。
  これをもちまして、本日の議事は終了となります。事務局より連絡事項がありましたら、お願いいたします。

【竹下生涯学習推進課課長補佐】
  次回の生涯学習分科会につきましては、改めて御連絡させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【明石分科会長】
  本日は本当に貴重な意見を頂きまして、ありがとうございました。これで第79回生涯学習分科会を終わりたいと思います。

――了――

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課

電話番号:03-5253-4111(内線3273)
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メールアドレス:syo-bun@mext.go.jp

(生涯学習政策局生涯学習推進課)

-- 登録:平成28年03月 --