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生涯学習分科会(第47回) 議事録

1.日時

平成19年12月26日(水曜日)10時~13時

2.場所

グランドアーク半蔵門「光」(3階)

3.議事

  1. 生涯学習・社会教育の振興方策について
  2. その他

4.資料

資料1
 平成20年度予算案主要事項
資料2
  答申の全体の流れ(案)
資料3
  答申に盛り込むべき事項(案)
参考資料
  生涯学習分科会(第46回)議事概要(案)

(机上ファイル資料)

グレー
 生涯学習振興法、社会教育法、図書館法、博物館法の概要及び条文
ピンク
 教育基本法及び教育振興基本計画関係基礎資料集
グリーン
 生涯学習分科会参考データ集

5.出席者

(委員)

田村分科会長、明石委員、糸賀委員、江上委員、大日向委員、加藤委員、菊川委員、興梠委員、小杉委員、柵委員、島田委員、高橋(興)委員、高橋(陽)委員、土江委員、平野委員、水嶋委員、山岸委員、山重委員、山本委員

(事務局)

加茂川生涯学習政策局長、関口大臣官房審議官、清木生涯学習総括官、関初等中等教育局視学官、川上生涯学習政策局政策課長、神代調査企画課長、上月生涯学習推進課長、平林社会教育課長、湊屋男女共同参画学習課長、椿参事官、安間青少年課長、小林社会教育官、栗原地域学習活動支援室長、岩佐家庭教育支援室長

6.議事等

【田村分科会長】

 定刻でございますので、始めさせていただきますが、開催する前に、委員の皆様方にご報告がございます。実は、我が国の生涯学習、あるいは生涯教育について非常に大きなご貢献をされた元文部省の事務次官をされておられました井内先生が、昨日の朝、突然亡くなられました。この委員会としては、前の生涯学習審議会の社会教育分科会の審議会の会長も長くされて、今糸賀先生にお伺いするところによると、図書館法はこの先生がおつくりになられたと聞いております。それから、山本先生は大変昔からおつき合いが長くて、生涯学習にかかわっては、この方が中心になってつくられてきたということで、大変な方でいらっしゃいました。
 私も1カ月ぐらい前でしたか、マツダ財団の心のフォーラムというのに出たところ、隣の席で長い時間お話を聞いていまして、まだまだお元気だなと感心していたことを思い出しますが、享年83歳でいらっしゃいます。来年1月にはお誕生日をお迎えになって84歳ということになります。大体子年にお生まれになって子年に亡くなると、こういう7回りされたということで、非常に充実された人生を送られましたので、ここで弔意を表したいと思いまして、ちょっとご紹介させていただきました。
 どうも失礼いたしました。
 それでは、座らせていただきます。
 定刻になりましたので、ただいまから中央教育審議会第47回生涯学習分科会を開催いたします。
 本日は、大変お忙しいところを多数ご出席いただきまして、まことにありがとうございます。クリスマスイブからクリスマスにかけて、もしかするとクリスチャンの方は大変お忙しかったのではないかと思うんですけれども、その後にこんな仕事をするのは、どうも申しわけないんですけれども、実は国会がまだ開会されておりまして、これも異常なんですけれども、文科省の方もいろいろな方が必要に応じて国会に呼ばれているものですから、きょうもちょっとおくれておられるような状況があります。
 それでは、審議に入らせていただきます。きょうは、平成20年度の予算案ができまして、これから国会審議に入るわけですけれども、原案ということで示されております。少々初めに時間をいただきまして、事務局に予算のご説明をお願いしたいと思います。いろいろご審議いただいても、できるかどうかはこの予算にかかわっているものですから、非常に重要な項目でございます。内々お聞きしたところによれば、大体うまく予算がとれたようでございますので、よかったなという。教員の定数増で影響を受けて厳しいのではないかなということを心配していたんですけれども、その影響はほとんどといっていいほどなかったということで、この仕事を考えますと、非常によかったなと感じてございます。それでは、よろしくお願いいたします。

【川上生涯学習政策局政策課長】

 概算要求のときにご説明を申し上げましたが、今、分科会長からのご説明のように、24日の閣議におきまして、20年度の政府予算案がまとまってございます。資料1とその次に文部科学省の予算集事項という資料を、きょう用意してございます。
 全体的に申し上げますと、額的には確かに増えてございますが、教育基本法の改正がなされて最初の予算要求ということで、私どもとしては意欲的な予算要求に取り組んだわけでございますけれども、その結果、目次のところを開いていただくとわかるんですが、基本法の10条にあります家庭教育に対する支援策、それから13条の学校、家庭、地域の連携の促進のための支援策である学校支援本部とか放課後子どもプラン、そういった基本法に位置づけられましたものは大きく伸びた反面、従来から生涯学習政策局で取り組んでまいりましたその他の事業には、いささか厳しい判断がくだされたという状況でございます。
 1ページ目をお開きいただきたいんでございますが、そういう意味ではまず家庭教育でございますけれども、概算のときにもご説明申し上げました地域における家庭教育支援基盤形成事業、この新規事業でございますが、11億5,300万円ということで、282カ所相当分の予算をいただくことができました。各都道府県で割ってみれば6カ所程度ということのモデル事業になるわけでございます。
 それから、2番目の地域の教育力の再生、いわゆる13条関係でございますけれども、学校支援地域本部事業、新規の委託費として50億認められてございます。これによりまして、1,800カ所、全市町村に展開できる規模の事業として開始することができることになってございます。
 また、3番の放課後子どもプランの推進の中の放課後子ども教室推進事業でございますが、19年度から開始をしておりまして68億でやっておりましたが、77億6,500万円ということで、19年度予算というのは、いわば1万カ所を目途に考えておったわけでございますけれども、1万5,000カ所まで展開できる資金をちょうだいすることができたと。こちらのほうは、19年度と同様、3分の1の補助金になってございます。
 そのほかの予算がありますが、そのほかの部分には比較増減でさんかくがついておりますように、先ほど申し上げましたように従来の事業はいささか厳しく、新規の今の法律に位置づけられた、それを受けて私どもが取り組もうとしているものについては、それなりの予算がとれたということで、トータルといたしまして、生涯学習政策局の予算は14.6パーセント増という、2ページ目のところに書いてございますけれども、42億7,100万円の増ということになってございます。
 なお、先ほども田村先生のほうからお話のありました今回の予算で最も世の中をにぎわせました教職員定数の改善の問題でございます。もう1つの主要事項の2ページと書いてあるところをお開きいただきたいんでございますが、両大臣の事前セッションによりまして、行政改革推進法を改正しない範囲で、純増1,000人を含む1,195人の定数措置を行うということをはじめといたしまして、また非常勤講師の配置7,000人、そのほか、前でご説明をいたしました地域本部、これを3点のセットとして、子どもと向き合う時間の拡充についての予算が措置をされるということになりました。
 それと、めり張りある教員給与体系につきましては、義務教育等教育特別手当ての縮減に着手する一方で、副校長、主幹教諭等への処遇のための手当て、それから部活動手当て、例えばこれは倍増されます。というように、めり張りのある教員給与体系の実現に向けた取り組みが開始をされたところでございます。
 全体といたしまして、教育関係予算も、久方ぶりだと思いますが、伸びるということになりました。それなりに成果の出た予算であったかもしれませんが、まだまだ不十分でありますので、引き続き努力をしてまいりたいと。
 それから、特に新しい事業が2つ立ち上がっておりますので、私どもとしては、この事業を円滑に迅速に開始をするということを重要な課題だと考えておりまして、所要の努力をしてまいりたいと思ってございます。よろしくお願いをいたします。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。
 ただいまのご説明に関しまして、何かご質問ございましたらどうぞ。少しですけど、時間がございますので。よろしゅうございましょうか。どうぞ。

【上月生涯学習推進課長】

 補足をさせていただきます。
 先ほど政策課長が申し上げた3点の地域ものといいますか、家庭と学校支援地域本部、放課後子どもプランと3つ地域でやっていただくものがあります。また新たに2点出てきますが、これについては地域でやりやすいように本省とも対応体制をしっかりしていきたいと思っています。
 それから、事業の性格ですが、新しい家庭教育支援等、地域本部、これは委託費です。国100パーセント委託費。放課後子ども教室については3分の1補助事業でございます。放課後子ども教室につきましては、1万カ所が1万5,000カ所になるのに増額が7億程度ということはどういうことかというと、平均の実施日数が、当初私ども240日を数えていたんですが、そこまで至らないという実態を踏まえて計算をし直したということでございます。
 それからもう1点、学習アドバイザー等の謝金の増額をしてくれという要望が非常に強く出ております。それについても、一定の対応をしておるところでございます。
 引き続き、各地域での取り組みをお願いしていきたいなと考えています。よろしくお願いいたします。

【田村分科会長】

 どうぞ、加藤先生。

【加藤委員】

 今もお触れになった放課後子どもプランのことなんですが、私ども今回強化をされていくというのは非常に期待をしているんですけど、一方で児童クラブ、10ページのところにも厚労省の管轄と書いてあるんですけれども、両方合わせてということにはなかなかいかないとは思うんですが、放課後の児童クラブについては、地域によっては非常に過密になっていて、不足であるというふうに私どもとしてはとらえておるんですけれども、両方機能も多少違いますし、預かるといいますか、そういう時間も違えばということだと思うんですけれども、そうした児童クラブが足りないことを補えるような発想も、逆に放課後子ども教室のほうで時間を長くするだの、あるいはきめの細かいケアをしていくといいますか、そういうことも必要だと思います。何かその辺で、厚労省側との連携等々でお考えがあれば伺いたいと思うんですが、よろしくお願いします。

【田村分科会長】

 よろしくお願いします。

【上月生涯学習推進課長】

 今ご指摘の件につきましては、本年度開始当初から厚生労働省がやっている学童クラブといいますか放課後児童クラブとこの事業との密接な連携、あるいは一体化という話が来ております。さはさりながら、今おっしゃったような、目的趣旨は違うところがありますので、全体は連携というパターンが非常に多い状態になります。
 現在、特に放課後子ども教室については6,000カ所ぐらい実施しておるわけでございますが、児童クラブのほうは1万7,000カ所ぐらいだと思いますけど、それについて各自治体の行政、運営主体、ユーザーも含めてどうなっているかという実態を、総合的な調査を今しているところでございます。これを踏まえて、厚生労働省と今後どうしていくか、連携方策も含めて、あるいは行政が運営主体のよりやりやすい形は何かということを検討していきたいなと考えています。

【田村分科会長】

 よろしいでしょうか。

【加藤委員】

 ぜひよろしくお願いします。

【田村分科会長】

 ほかにはご質問ございますか。
 私のところは、実は子ども園というのをこの4月からさせていただいておりまして、これはまさに文科省と厚労省の峡間ですので、今のような話が直接来ます。ですから、その辺のところも1つの一緒にやる切り口になるのかなと実感としてあります。
 ご存じのように、委託費と補助というのは、例の何とか事務というやつの違いがあるんですよね。地方でやるべき仕事と国がやるべき仕事と分けられています。それぞれに応じて委託、あるいは補助という形になります。
 それでは、次に進ませていただいてよろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、ただいまの予算案についてのご説明も踏まえさせていただきまして、きょうは資料としてお手元にさしあげてございますが、答申に盛り込むべき事項(案)についてご審議をいただきたいと思います。
 前回の会議では、大変資料が多かったので、全部読みきれないということもおありになるだろうということで、全部お持ち帰りいただいているわけですが、大体ご一読、目を通していただけたのではないかと思います。その後、17日のご審議を踏まえまして、事務局において前回の資料を多少加筆、修正しておりますが、その点、ご了承いただいた上で、きょうは大変資料が多いんですけれども、前回使わせていただきました答申の全体の流れ(案)の修正版を資料2としてお配りしております。
 そこでまず、事務局からお手元にお配りさせていただいております資料2、資料3について全体的にご説明いただきまして、その後、資料3のほうが中心になりますが、それを3つぐらいに区切って審議を行わせていただきたいと思います。
 きょうは12時半ごろまでかかると思いますが、そのころまでに全部議論を集約していただければ大変ありがたいと思います。なお、お弁当も用意されているようですので、時間内におさまるようによろしくお願い申し上げたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

【上月生涯学習推進課長】

 それでは、ちょっと大部な資料で恐縮ですが、少し時間をいただいて説明をさせていただきたいと思います。
 資料2は、特に4番目、行政の在り方等は、前回配った資料の記述を踏まえたところを加えたものでございます。これは横に置いて、全体の構成を見る関係でごらんいただければなと思っております。
 それから、資料3でございますが、17日の資料について、17日のご意見等を踏まえて事務局のほうで加除修正したものでございます。なお、この資料につきましては、先週末に、大変恐縮ですがメールで送らせていただいておりますので、一部の方は事前にごらんになっている方もいらっしゃるかと思います。その資料で若干、さらに字句修正ぐらいはしているところもございます。
 ざっと見ますと、実は盛り込むべき事項で入れておりますので、あまり繰り返しとか、そんなにこの時点では気にせずに書いております。ですので、繰り返したところが気になった場合も出てくるかもしれません。それから、いわゆる記述の中身、内容がところどころバランスが悪いといいますか、記述の仕方がもう少しかけたほうがいいところと、ここはそれほどいいんじゃないかなというところもあるかと思います。そういったことも含めてご意見いただければなと思います。
 それでは、資料3に基づいて説明をさせていただきます。
 1.生涯学習の振興を図るための行政をめぐる現状と課題でございますが、ここは国民が生涯にわたって行う学習活動の支援への要請については、2番目のまるにありますように、国民一人一人にとっても、また社会にとっても生涯学習ということがますます必要になっているということを書いております。
 (1)のところで具体的に必要性ということを書いているわけでございますが、最初は「知識基盤社会」、あるいは次2ページ目にいってありますように持続可能な社会、分科会長がおっしゃったESDというのも入ってきているわけでございますが、そういったことについて触れております。循環型社会の中で、ここではあえて「知の循環型社会」ということが生涯学習社会にもつながっていくという趣旨のことを書いております。
 それから、これはたしか江上委員からご指摘いただいたことだと思いますが、これからますます自立した個人、自立したコミュニティーということが喫緊の課題であるというご指摘もあったかと思います。そういったことについて、ここでは記述をしております。社会が複雑化、高度化していく中で、個々人も、また自立した集団として、共生、共同という自立した社会に持っていくことが必要だということを書いております。
 それから次の3ページ目でございますが、そういった中で、これらの社会の変化や要請に対応するために必要な力ということで、子どもといいますか学校教育も含めて書いております。学校教育のほうでは「生きる力」、これをもう少し説明してくれということで、ここについて関係部会の報告等を踏まえながら記述をしております。
 次のまるでございますが、国際的にもOECDのほうで「知識基盤社会」の中で育っていく子どもたちに必要な力ということについて、かぎ括弧の中に、「単なる知識や技能だけではなく、技能や態度を含む様々な心理的・社会的リソースを活用して、特定の文脈の中で複雑な課題に対応する力」というのをキーコンピテンシーと位置づけていると。これはPISAの調査というのを2年おきにやっておりますが、具体に問題をごらんいただければより分かりやすいんですが、単なる知識、技能じゃなくて、文章を正確に読み取って分析し、かつ自分のそれまで得た知識、技能を使って、必ずしも1つではない正解をどうやって説得力を持って書いていくかという問題を出しております。そういったことで、国際的にもそういったような力が重要視されているということでございます。
 次のまるは、「生きる力」等については、もちろん学校教育が中心でありますが、必ずしも学校教育だけでできるものではないということを書いています。
 それから、4番目のまるは、大人についても「社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として生き抜いていくための総合的な力」として「人間力」というものが必要ですよということが書いてあります。
 次の4ページ目でございますが、まず社会全体の教育力を高めることへの要請ということで、ここでは先ほどの子どもの「生きる力」を育む上では、実社会における多様な経験、あるいは人間との交流、いろんな人との交流ということが大変重要になってくるし、また家庭や地域という中でどういう育ちをするかということも大変重要だということが書いてあります。
 その一方で、今の都市化でありますとか情報化等の中で、そういう社会の教育力、広い意味で言うと教育力というものが低下されていることが指摘されているということが書いてあります。そういった意味で、地域の教育力というものを再構築していくにはどうしていくかということを記述しております。特に家庭教育の力についても低下しているのではないかという認識が広がっているところであって、その点についても社会全体を支援していくことが重要だということを盛り込んでおります。
 5ページ目でございますが、これまでの生涯学習の振興方策について振り返りつつ、現状はどうなっているかという認識を整理したものでございます。5ページ目は、ずっとこの経緯を書いていますので、ここは省略をさせていただければなと思います。6ページ目も同じでございます。それ以前からありました戦後、社教法の成立以降の社会教育、あるいは社会教育行政の経緯について、7ページ、8ページ目まで振り返ったところでございます。こういったことを踏まえて、8ページ目の下のほうでございますが、基本認識というところで整理をさせていただいているところでございます。
 まず、生涯学習というのは、約20年ぐらいたちまして、生涯学習という言葉に対する認知度というのは8割ぐらいのぼっていますよということ、9ページ目に都道府県において生涯学習審議会を置いているのが38都道府県となっていること、あるいは全国生涯学習市町村協議会というのが平成11年に発足しまして、134の市町村が加盟しているということで、ある程度の進展が見られているところでございます。
 また一方、次のまるでございますが、社会教育行政につきましては、社会教育法にも書いていますが、市町村が基本的な推進する位置づけにあるわけでございますが、そういった中で、市町村教育委員会に配置する社教主事等が、平成10年の約5,000人から平成17年の約3,000人と、かなりの減少が見られるということでございます。これは、いろんな行財政改革の状況が背景にあるということを書いてあります。
 司書、学芸員についても、施設の増加に伴って総数としては増えているが、非常勤の割合が高まっているということが書いてあります。
 こういった中で、次のまるでございますが、生涯学習という言葉は国民にある程度定着しましたけれど、行政においては生涯学習と社会教育の概念の混同があるという指摘があるということでございます。そういった意味で、概念の整理ということはもう1度、これまでの中教審でも議論がありましたけれども、もう1回整理する必要があるということでございます。
 次のところには、その生涯学習振興の中でも、特に中核を担う社会教育行政、これについては、先ほど申し上げましたある意味での疲弊といいますか、衰退というような状況が見られますので、そういったことについて、一方で改めて社会教育の重要性というものがどんどん出てきた中で、再構築する必要があるということを書いております。
 それから次のポツは、個人の要望と社会の要請、特に社会の要請については従来生涯学習というのは自発的意思に基づいてを大変強調してまいりましたので、一方で社会の要請ということについては十分触れてこなかったということについて書いています。
 またあわせて、学習成果の評価ということについても十分な対応がなされてこなかったということを触れております。
 11ページ目でございますが、ここについては、生涯学習の理念等についての基本的考え方を整理しております。11ページが、これまでの答申等をこの生涯学習等について定義等を整理したものでございます。
 12ページの中で、生涯学習と社会教育、学校教育との関係を整理しておりまして、生涯学習と社会教育、学校教育の関係を整理すれば、各個人が行う組織的ではない学習のみならず、社会教育や学校教育において行われる多様な学習活動を含め、国民一人一人がその生涯にわたって自主的・自発的に行うことを基本とした学習活動が生涯学習であるということができるという整理をさせていただいております。
 それから、いわゆる行政との関係については、次のところで整理をさせていただいております。2番目のまるの最後のほうで、最後から2行目でございます。「その全体を総合的に調和・統合させるための行政が生涯学習の理念を実現させるための、生涯学習振興行政の固有の領域であると考えられる」と。つまり、生涯学習の理念に基づく行政が社会教育行政だったものを、学校教育行政でも実施されるわけですが、全体について調和・統合させるための行政として生涯学習振興行政の固有の領域があるという整理をさせていただいております。
 13ページのほうでは、社会教育につきまして、まるの下から3行目あたりですが、学校教育の領域を除いたあらゆる組織的な教育活動を対象としておって、学校教育に比べますと、固定的・体系的というよりも非常に広がりを持っているということから、生涯学習振興行政において社会教育行政が中核的な役割を担うことが期待されるというふうに整理をさせていただいております。
 14ページは、こういったことを踏まえて、今度の目指すべき施策の方向性でございますけれど、まず社会全体の教育力の向上については、そこの2つ目のまるでございますが、社会全体の教育力を向上するため、それぞれの地域社会の教育力を向上させるということと同じであるということを書いております。
 また、学校、家庭、地域いずれかだけということじゃなくて、それぞれがそれぞれの役割を十分果たしつつ、連携を密にして地域社会全体で教育に当たることが大切であるということも触れております。
 次のまるは、先ほども触れましたけど、子どもたちの「生きる力」についてここでも触れております。学校教育の中のみならず、子どもたちが異なる世代や他の家庭等のさまざまな人と交流する中において育まれると。一方、こういったことが非常に難しくなっている時代だということも含めて整理しているところでございます。
 次のまるは、そういったことを踏まえた地域社会の重要性が高まっている一方で、地域社会の教育力ということが弱体化しつつあるということを触れております。そういった中で、地域社会の基盤の強化、再構築ということが必要となっているということでございます。
 その次のまるについては、行政的な観点から書いてありますが、こういったような、子どもであれば「生きる力」であるとか、ある程度共通の方向性というものについて、連携をしっかりしていくためにはベクトルを合わせるといいますか、目的目標を共通化していく、大事な目標については共有していくということが大切だということを次のまるで書いております。
 その3つ目のまるにつきましては、特に行政の役割としては、みずから事業を実施するということもこれまではよくやっていたんですけれども、それ以上に、そういった地域社会全体の教育力がアップするためには、情報提供であるとか、あるいは社会の自主的、自立的な活動を促進していくために、例えば社会教育行政はネットワーク行政であるということをずっと言われておりますが、そういった意味で新たな関係づくりをしていくとか、あるいは地域社会の中で触発するようなことがより一層求められているということから、ここでは「catalyst」、媒介者ということで表現をさせていただいております。これは従来コーディネーターという表現が時々ありましたけれども、コーディネーターというのは一定の関係ができた中で、より効率的な活動、あるいは調整をしていくということが重視されるわけですが、「catalyst」の場合は、ある目標に向かって新たな関係をつくっていく、あるいはある程度の自主的な活動をある方向に触発していくといった意味で、ここでそういう紹介のさせ方をしています。つまり、ネットワーク行政をより一層進めていく上での1つの行政の手法として、より重視されるべき観点ということで整理をさせていただいております。
 次のページについては、こういったようなことから、先ほど予算の事業でも紹介されたさまざまな事業ということについては、地域社会の、教育力をアップする意味での1つのきっかけとして、地域全体で取り組むきっかけとして使ったらいいのではないかということを触れております。
 ここの16ページの3つ目のまるは、社会教育施設については地域の公共的資源であるので、そういった観点からより一層の充実が望まれるということを書いてあります。
 次の(2)は、国民一人一人の生涯を通じた学習への支援-国民の「学ぶ意欲」を支えるということで、ここについても、生涯学習というのは国民の自主的な判断、希望、興味関心に基づいて行われるものでございますが、先ほど個人の要望と社会の要請のバランスも入るということを踏まえて、限られた行財政資源をどうやっていくのがいいのかということを触れております。
 その次のまるでは、机上に、きょうご欠席の岩田委員からのご意見のペーパーも置いておりますが、例えばemployabilityの観点であるとか、先ほど申し上げました「知識基盤社会」であるとか、そういった社会全体として共通して求められることについて、もう少し配慮した視点が大事であるということを書いております。その中で、特に必要とされる学習についての検討につきましては、まず教育基本法の中で国民一人一人が自己の人格を磨き豊かな人生を送ることができるようということがきっちり書かれておりますので、行政の振興とする学習について、学習効果について教育的観点から検証分析することも必要となってきておりますよということを書いてあります。
 次のまるにつきましては、子どもの「生きる力」について、先ほどもちょっと触れましたけど、放課後子どもプランについては、自主的な活動と言いながら、ある程度の学習活動、さまざまな活動についても教育的効果ということも、単なる居場所だけじゃなくて、そういう教育的効果ということについてもある程度しっかり分析、検討する必要があると。そういったことをまた情報提供することによって、地域の学習活動につながっていく。それがひいては学校教育と相まって「生きる力」につながっていくという記述をしております。
 次のこのページの最後のまるは、大人について社会を生き抜いていく総合的な力について整理をしていって紹介することは有意義であるということを書いております。
  2のところは、多様な学習機会の提供、再チャレンジが可能な環境の整備ということを書いております。
 ここでは、特に18ページの4つ目のまるについては、成人社会においては民間の教育事業のサービスのところが非常に多くなってきています。そういった意味で、基本的には教育を提供する側も自主的自由な中で、一方学習する側も自主的自由な中で行われているということでございますが、そういった中でマーケットメカニズムだけにゆだねていると、例えば社会全体の公益を守っていく、あるいは公共性の視点から不十分な部分について行政が積極的に学習機会をみずから提供する、あるいは関係機関、関係組織を連携することによって触発していくことが大切ということを触れております。
 それから3については、学習成果の評価の社会的通用性の向上についてでございますが、これについては、最後のまるのほうに、これまでも中教審でもこの必要性についても触れていますし、今度の教育基本法でも触れておりますが、そういったことについて、これは前回糸賀委員からご指摘があったと思いますけれど、教育事業そのものの質の評価ということと、学習した成果の評価ということが2つあるわけでございますが、それぞれについて民間の取り組み、事業者としての自主的な取り組みということを尊重しつつ、行政との連携方策についての検討の必要性について書いているところでございます。
 20ページにつきましては、施策を推進する際に必要な視点ということで、先ほども触れました個人の要望と社会の要請のバランス。(2)は、山本委員からご指摘があったと思いますが、経験・知識等を「継承」し、あらたな「創造」を行う持続可能な社会の発展を目指す視点、3つ目として連携・ネットワークを構築して施策を推進する視点、3つを挙げております。
 ここの(1)(3)については、今の前半のところ、あるいはこの後半の具体的なところでも何度か敷衍して触れておりますが、(2)は、若干記述について不十分なところがございます。その点についても、またこの分科会のほうで、実態も含めてご指摘、ご意見を賜ればありがたいなと考えております。
 それから、23ページからは具体的方策について記述がされております。最初、(1)が社会全体の教育力の向上-学校・家庭・地域が連携するための仕組みづくり-ということで記述をさせていただいています。
 具体的には、まず家庭教育支援基盤の形成ということで、ここでは23ページ、一番下のまるのほうで、これまではどちらかというと希望者が受ける家庭教育支援から、必要とされる人たちの支援ということへの転換について盛り込んでおります。例えば学校に来る機会、全員が来る機会等をとらまえるとかいうことを書いています。それから、当然首長部局、福祉部局との関係の密接な連携ということについても触れております。それから、家庭教育を支援する人材の養成、これはサポーター、あるいはサポーターを育てるサポーターリーダーということの必要性を触れております。
 次が、先ほど若干関連予算についての紹介がありましたが、学校を地域の拠点として社会全体で支援する取組の推進ということで、学校というのは、組織だけですべて完結するという関係から、地域社会が学校という場の中で入ってさまざまな成果を提供していくという観点から記述をしております。そのことが、子どもたちの「生きる力」にもつながっていくし、地域社会自体の教育力にもつながっていくものであるということを書いております。
 その際に、25ページの2つ目のまるでございますが、気をつけるべきことは、校長のリーダーシップ、あるいは活動経費、人材の確保、あるいは行政の学校教育部局と社会教育担当部局との連携等の留意点について盛り込んでおります。
 また、前回のこの分科会でご指摘あったPTA活動についても触れさせていただいております。PTA活動はますます大切になっている一方で、少子化であるとか共働きの中で、活動は必ずしも十分行われていない状況にあると。そういった中での活性化方策についての重要性について触れているところでございます。
 それから、地域の諸課題の解決等に資する学習の振興ということで、ここについては社会教育施設が特にマーケットメカニズムの中だけでは十分できない学習活動について配慮すること、あるいは地域住民の学習拠点、あるいは活動拠点として位置づけていくことについて触れております。
 26ページは、その他公民館等、あるいは大学等の高等教育機関と地域の連携。大学等は大学の中でコンソーシアムというのが最近よく出てきていますが、それが地域社会、あるいは行政も含めた地域社会とよりお互いの情報、目的、目標を教育化する必要性について触れております。
 27ページについては、一人一人の学習支援のところでございますが、必要とされる学習についての検討、それから子どもの学校教育外の学習の在り方について、先ほどから触れておりますことについてもう少し具体的に、例えば2つ目のまるでございますが、活動内容の参考となるプログラム、あるいは優良事例の収集・分析等を通じた情報提供、それから人材確保等についての支援方策等について触れているところでございます。
 それから、27ページの下のほうは、大人のほうでございます。次のまるのところで、「生きる力」との関係でもう少し説明をわかりやすくしたほうがいいということを踏まえて、ここで書いております。特に大人の場合は、学習そのものよりも、それまでの経験、学習を生かした活動というものがより重視されるわけで、その活動がまた学習意欲につながっていくという循環、先ほど「知の循環型社会」ということを触れましたが、そういったことが大人の場合、より一層必要だということをここに触れております。
 それから、28ページの下から2つ目のまるは、ここについても、成人については特に自立性、協調性、問題解決能力、情報分析能力、倫理観、積極的な社会参画といったような、ある程度大人に共通される力といいますか資質、態度を含めたものですが、そういったことについても触れております。これは、「生きる力」でありますとかいろんな審議会等で「人間力」等の中をある程度整理すると、こういったものが共通化してくるということでございます。
 それから、29ページの2の上のまるについては、こういったような大人の社会も含めた総合的な力について具体的に示すということは、単に社会教育施設の諸事業につながるだけではなくて、いわゆる市場メカニズムで行われている民間サービス等にも一定の教育の充実にも位置していくものではないかということについて触れております。
 それから、次の多様な学習機会について触れると同時に、社会教育施設等を活用した多様な学習の場の充実についてもここで盛り込んでいるところでございます。社会教育施設のほかに準公的なものとして、特別な学校法人について、放送大学というのがあるんですが、これについては放送自体がデジタル化されるということで、地上波衛星放送でもデジタル化時代に入ってきた場合に、双方向性も含めてさまざまな学習サービスが充実していきますので、従来の一方通行型の放送から、より充実した学習サービスという観点からの取り組みを推進していくということを書いております。
 それから、相談体制の充実については、特にNPO等の連携についてもここで触れつつ、学習相談から社会参加まで、一貫して相談支援できるワンストップサービスについて触れているところでございます。
 また、その下のところでは、IT等を活用した生涯学習プラットフォームについても盛り込んでおります。ITの活用については、図書館等におけるデジタル・アーカイブ、あるいは次のまるですが、情報リテラシーについて盛り込んでいます。
 それから、再チャレンジ支援は、会社主導から自助努力型に変わってきている中でのさまざまな機会の充実に触れているところでございます。
 学習成果の活用についても、ボランティア等、あるいは先ほどから触れている学校支援活動について盛り込んでいるところでございます。
 学習成果の評価につきましては、32ページにありますように、1つは履修証明制度が大学、あるいは専修学校も含めて、来年度から制度が実施されますので、こういったことについて例えばジョブカードに盛り込むとか、そういった具体的な活用を図ることの重要性を盛り込んでおります。
 それから民間教育サービスの学習の評価については、ここでは教育事業そのものの評価というのはもう少し中長期的な検討の中で、ここでは特に検定等学習成果の評価について触れております。国が直接評価するというのは、行財政改革、規制改革の中でなかなか難しい状況の中で、民間事業者がみずからやる自己的、自主的な取り組みの中でやる場合にそれを支援するということで国との連携方策、例えば評価を行う際のガイドライン等を作成するといったようなことについて触れております。
 それから(3)は人材でございます。社会教育主事についてやその重要性について触れ、その役割について触れ、それから特に34ページ目のほうですが、学社融合ということがより重要かつ喫緊の課題となっている中で、社教主事というのは社会教育団体、社会教育関係者に助言、指導するということになっておりますが、学校長に対しても求めに応じて助言することができることが、そうなったときの位置づけが必要と書いております。
 司書の在り方については、最近の図書館のビジネス支援等のあり方等にふれつつ、次のまるでございますが、大学において履修すべき図書館に関する科目についての法令上の位置づけであるとか、あるいは履修すべき科目の見直しについて盛り込んでおります。さらには、司書補の資格について、司書補だけ高卒認定試験者について、高卒と同等と見なしていないような位置づけになっておりますので、これについての改善についても書いているところでございます。それから研修の充実について、任命権者以外にも国、都道府県、あるいは図書館みずから行われるような整備が必要と書いております。
 学芸員についても、資質の向上が必要な中で、研修の必要性について触れているところでございます。また、博物館協議会の中に、特に家庭教育との関係で、家庭で博物館に行くということが学校教育のほかにもあるわけですが、そういったことの関連で、より家庭として行きたくなるような博物館のあり方という観点から、委員について家庭教育の関係者にも入っていただくということについても触れております。
 それから、次については、ほかの人材、専門的な行政的な職員以外にも、民間で育つ職員のあり方について触れております。
 また、こういった人材が十分根づかないと、地方によってかなり差があるというご指摘も踏まえまして、36ページの最後のまるのほうですが、人材バンクでありますとかマッチングを行う仕組みづくり、あるいはさまざまなこれまで事業を行ったことの中で育ってきた、あるいは活用してきた人材についての蓄積を行っていくことの必要性について触れております。
 38ページ以降は、今回、初めて触れているわけですが、特にこのあたりは制度小委員会、行政の仕組みの前はどうしても法律問題になるところが幾つかありますので、制度小委員会の報告をある程度反映させて記述させております。国、都道府県、市町村の任務等のあり方につきましては、社会教育行政の中で、2つ目のまるでございますけれど、これまで学習機会の充実ということが社会教育行政の任務だったんですが、先ほどから申しましたように成果を生かしていくということも大切ですので、それについても法律上も位置づけるといったことを書いております。
 また、学校・家庭・地域の連携、これは既に一定程度触れておりますが、より必要性が大きくなっていることも踏まえた整理が必要だということについても触れております。
 また、家庭教育支援についても、特に情報提供の観点から、制度上に位置づけをしていくべきという記述にしております。
 それから、39ページの2つ目のまるでございますが、これは先ほど言いましたように学習成果の活用について社会教育行政自体の任務として、先ほど社会教育の目的として入れたところを、具体の行政の任務として入れるべきということを書いております。また、情報の提供については、現在の法律については情報という言葉自体はなくて古い文言になっておりますが、そういったことについて情報リテラシー学習の必要性等を踏まえた法的な整理ということについて盛り込んであります。
 また、40ページは国としての役割ですが、データに基づいた行政を行っていくという意味で、必要データの的確な整備、国内外を含めての整理ということの必要性を書いております。
 また、公民館等の拠点施設のあり方についても、そこで触れているところでございます。特に学校教育については、PlanDoCheckActionのサイクルを回しながら改善を図っていく、特に情報を広く地域住民に公開する中で改善を図っていく仕組みということがきているわけでございますが、社会教育施設についても、そういったことについての重要性について触れております。
 また、先ほど言いました社会教育施設自身が、職員が必ずしも十分いなくなってきているという状況を踏まえまして、先ほどの媒介者の役割ということも含めた人のあり方ということについても触れております。
 42ページについては、NPO等の関係、特にNPOは、自主的な中でさまざまなネットワークをつくりつつありますので、そういった方々との密接な連携について触れているところでございます。特に3つ目のまるでございますが、民間との連携との場合は、例えば事業のときはやっているんだが、事業が終わると切れてしまうということがよくあるんですが、それについて持続性を持った継続性を持ったパートナーシップ、ネットワークということについての必要性について書いているところでございます。
 それから、資金面については43ページでございますが、前回ご意見があった地域で基盤をつくっていく必要性についても触れているところでございます。
 それから次は、社会教育委員のところでございますが、現在、社会教育委員については、必置ではございませんが、社会教育関係の補助金を持っている場合に、社会教育委員の会議の意見を聞くということが法律上義務づけられておりますので、そのことについて規制改革の中でどう考えるかということについて整理したものでございます。基本的には、社会教育委員の会議の意見を聞くことが原則としつつ、地域によってそのことが必ずしも行われていない場合に、ほかの同等の会議の意見を聞くことによって可能となるような措置を講ずることが適当という整理をしております。
 それから、その次の教育委員会と首長部局との関係については、社会教育については自治体判断の首長部局でいいのではないかというご意見についての整理でございますが、先ほど言いました学校教育とのより密接な連携ということを踏まえますと、原則として教育委員で行われることが適切であるということを、44ページにかけて整理しています。
 そうした中で、学校教育施設については、施設の管理については構造改革特区によって認められることができますので、それとのバランスの中で今後も検討が必要であるという整理を、44から45ページにかけて整理をしております。
 最後のところは、地域において、先ほど申し上げましたよりネットワーク行政、あるいは面的なトータルな行政のあり方、施設のあり方ということを触れていますので、国の行政のあり方も、よりそういったようなことに対して縦割りではなく面的な対応ができるような必要性について触れているところでございます。
 長くなりましたが、説明は以上でございます。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。大変膨大な量のまとめをご説明いただきました。
 お手元に、きょうご欠席でございますが、岩田委員からの提出資料がございますが、それも含めまして、これから早速審議に入らせていただこうと思います。
 先ほど申し上げましたように、ただいまのご説明を踏まえまして、まずこの盛り込むべき事項(案)の中の1番目の生涯学習の振興を図るための行政をめぐる現状と課題、それから2の生涯学習の理念等についての基本的考え方ということをまず最初にご意見をちょうだいしたいと思います。大体3つやるんですけど、30分ずつぐらいで進めていきたいと思いますので、よろしくご協力のほど、お願いしたいと思います。
 では、1、2についてご意見をどうぞいただきたいと思います。よろしく。じゃ、名札をお立ていただけますか。きょうは大日向先生、どうぞ。それから小杉先生と高橋先生、山重先生、土江先生と加藤先生、こういう順序でよろしくお願いします。どうぞ。

【大日向委員】

 懇切なご説明、ありがとうございます。私は、意見というよりも初歩的な質問をさせていただきたいと思いまして、一番最初に手を挙げさせていただいたんです。大変申しわけなかったんですが、ここ一、二回、どうしても都合がつかず、欠席をさせていただいておりました。
 それでわからないということもあるのかと思いますが、今回の答申のキーワードの1つに、地域とか社会という言葉があろうかと思います。そして、その言葉がいろんなところに散りばめられていますが、地域、社会という言葉があって、地域コミュニティーだったり、地域社会であったり、単独で社会だったりしておりますね。この答申の中で、地域というのを非常に広く押さえておられるなと読み取れるところと、ある程度の限定になる行政府として押さえておられるなと読み取れるところがございまして、そもそも地域というのをどういうふうに定義して読んだらいいかということを教えていただきたいと思います。
 どうしてこういうことを申し上げますかというと、家庭教育支援とか子育て、子育ち支援をやっておりますと、今は行政と企業と市民の協働ということが非常に大切だと言われています。そのときにいつもぶつかるのが、地域というのをどこまで行政府でとらえるのか、あるいはネット社会で、今最後のほうでご説明がございました面的な対応ということもご説明あったと思いますが、そうすると、もっと広いんだろうかというあたりでいつも戸惑うところでございますので、定義みたいなところをお教えいただければありがたいと思います。

【田村分科会長】

 よろしいですか。どうぞ。

【上月生涯学習推進課長】

 率直に申し上げます。お答えする力は今私にありません。ここはかなり、そういう意味ではいろんな意見を踏まえて、今のところ、十分整理せずに書いたところがあります。ですので、今のご指摘を踏まえて、もう1度事務局のほうである程度は整理させていただきたいと思います。
 ちょっとお待ちください。14ページの上から4つ目のまるに、先ほどちょっと触れましたけど、一応書いてあるんですが、今おっしゃったことはこれだけでないですよね。ですので、今のことも含めて、もう1回、注意深く書いていきいたと思います。
 どうしてもふだん使う言葉というのは、非常に概念としてあいまいなところがございますので、どこまでできるかということもございますが、今のご指摘を踏まえて、もう少し文言については整理していきたいと思います。

【田村分科会長】

 よろしいでしょうか。

【大日向委員】

 はい。

【田村分科会長】

 要は、教育効果が及ぶ範囲を地域という。説明になっているようななっていないような話になるんですけど、そんなこともあるかもしれません。
 それじゃ、どうぞ、小杉先生。

【小杉委員】

 ありがとうございます。前回、休みまして申しわけございませんでした。
 私が申し上げたいのは、ちょうど岩田先生の2番目に書かれたことと全く同じところなんですけれど、生涯学習という理念の中に能力開発の点がどうしても欠かせないところがあるんじゃないかと思います。OECDにしても、最近のEUにしても、生涯学習というのはかなり戦略的に使われておりますし、その中で職業能力の形成というのはかなり大きな柱になっているし、場合によっては企業の中での職業能力形成まで生涯学習の中に含めて議論もされているような状態があります。
 そういうことを考えますと、少なくとも生涯学習の理念の整理の中に、日本の職業能力開発という行政との関連も少し整理していただけないかと思うんですが。それとかかわって、後々になりますが、岩田先生のご指摘にもあるように、そこで位置づけるとすると、後のほうでももう少し出てくるんじゃないかなというふうに思います。
 以上です。

【田村分科会長】

 よろしいですか、今の。

【上月生涯学習推進課長】

 はい。

【田村分科会長】

 はい、わかりました。ありがとうございました。
 それでは順番に、明石先生でしたね。

【明石委員】

 私も、岩田委員と小杉委員と同じ意見でございまして、この現在おかれている行政課題としては、経済格差についての記述が乏しいんです。やっぱり、全体として今の経済格差ということを、どういう文言で持ってくるかは別として、どこかで触れていかないと、800万円以上の家庭と350万円以下の家庭が非常に両極分解しておりますよね。そのひずみが一番来るのが、学校教育よりも地域と家庭教育において一番被害をこうむるという。格差是正をするのが、私は社会教育行政だと思っているんです。そのことを、どこかで盛り込めないかなという。
 学校教育というのは確かに差があります、学校差。だけども、いい教科書と、いい教師と、子どもがいると、格差は少ないですよね。ほっとくと、家庭と地域が一番格差が出やすい。その格差是正を社会教育行政が目指すんだということをどこかで入れていただきたい。そのためには、岩田委員が言われおりますように、employabilityというのが1つのキーワードかな。個人的には、母子家庭の親子を支援するボランティアを10年やっております。その中で一番出てくるのが、仕事が欲しい、雇用が欲しい。ご自分で働きながら専修学校とかそういうところへ勉強しに行っているんですけれども、なかなか資格がとれないという。そういうチャンスと情報が欲しいということがずっと出てきます。
 そういう意味で、岩田委員と小杉委員がおっしゃるような、特に岩田委員の2ページ目の3番、最も困難な状況にある人に対する一人別チーム支援とか、こういうことを出してくれると非常にいいかと思います。
 以上です。

【田村分科会長】

 ありがとうございます。よろしいですね。
 確かに社会の要請というのをマスコミが一番反映するんですけれども、今マスコミ、NHKなどは特集でシリーズでワーキングプアを取り上げて始めていますね。ですから、ああいう動きを見ると間違いなくそういう方向で議論を進めることは非常に重要だろうという気がいたします。
 では、山重先生、どうぞ。

【山重委員】

 私も、今ご意見をいただいた委員の先生方からいただいたものとほぼ同じトーンなんですけれども、例えば母子家庭になったとしても、きちんと生活ができればいいわけですから、小さいころからある意味で「人間力」、あるいは「生きる力」というのを高めるのが非常に重要な時代であるし、またそこで社会教育、それから生涯学習振興に大きな意味がある時代だと思っています。
 その点で、今回出していただいた答申は、非常にいろんな意見をうまくある意味では織り込んでいただいて、だんだんいいものができていくなという実感があります。
 ちょっとだけ最初のところで気になるのが、「知識基盤社会」というのが1ページ目にあるんですけれども、この言葉は、どちらかというと頭の知識というイメージが強くて、今必要なのは、むしろ体験とかいう心も含むような共感の力だったり人とつながる力だったり、そういう体験も含むものが今求められていると思いますし、その点で社会教育で生涯学習振興というのが非常に重要になっている時代ではないかと思います。
 そういう意味では、最初のところに「知識基盤社会」というのを前面に押し出すのは、この答申においてはミスリーディングになってしまう気がしていて、あえて出すとすれば、知識基盤と言われているけれども、これからは例えば知識体験基盤みたいな形で、新しいビジョンを提示していく。そこに生涯学習振興、それから社会教育の重要性があるということを前面に打ち出すようなことができればいいのではないかという印象を持ちます。
 その点は、実は3ページのところにしっかり書かれていると思うんです。「これからの社会の変化や要請に対応するために必要な力」というのが出ているので、ある意味で2ページの一番最初のところの後にすぐ続けて、「知識基盤社会」というのが、これはまず間違いなく必要だと思うんですけれども、これに加えてというので、3ページのところに入れていただいて、それだけじゃないんだ、それも含むという形でもいいのかもしれないんですけれども、それを前面に出していただいて、3ページの3つ目のまるのところで、最後ですけれども、「生きる力」を育むことができるような環境づくりが求められる、ここに生涯学習振興と社会教育の重要性があるんだというようなことを前面に押し出されたらいいのではないかという印象を持ちました。
 それからもう1点ですけれども、5ページ以下のところで、これまでの学習振興の生涯学習の振興方策についてということで経緯が長く書かれているんですけれども、先ほどご説明も飛ばされたように、ここは息切れしてしまうというか、読んでいて、ちょっとつまらないなと思ってしまうので、むしろこういうのは後に書くとか、あるいは脚注に入れていくという形で、ほんとうに大事なポイントをどんどん前のほうに持っていくというほうが、答申を読んでのインパクトが大きくなるような気がするので、その点もちょっと感じましたので、工夫していただければと思います。
 以上です。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。それでは、よろしいですね。
 土江先生、どうぞ。

【土江委員】

 生涯学習の理念等についての基本的な考えをおまとめいただきまして、10ページから12ページですけれども、理路整然とまとめられて、ありがとうございました。
 私どもも、教育行政を実際に進める立場にありましては、この学校教育行政、あるいは社会教育行政、そして生涯学習と学校教育の関係等、これが明確にされたということは、基本法の改正を受けてこれから教育改革を進めていく中で、ほんとうにしっかりと方向性を見据えてさまざまな施策が展開できるなというふうに感じたところです。
 そこで、今回、12ページのまるの1番目になりますか、生涯学習振興行政の固有の領域と、制度問題の小委員会のほうでも指摘あった事項ですけども、生涯学習の機会の整備や学習成果の活用方策などが、この教育委員会部局と首長部局の統合を図る、そして一括して行うことが効果的・効率的であるとされておりますけど、このことはほんとうに重要な視点だと思っておりまして、社会の要請にこたえる行政として、首長部局と教育委員会部局が共通の目標に向かって共同して進めていかないといけないということは、とても重要だと思っています。特に都道府県におきましては、社会の要請というのが市町村を包含するもの、広域的な課題だと認識しておりまして、総合行政の推進が期待されると。
 ただ、1点、私は社会教育行政が安易に首長部局へ移管されるということが、こういったことがあってはならないと思うわけでして、その点、12ページにも社会教育行政は中核的な役割を担うことが期待されるとうたわれておりますし、また39ページには社会教育行政の任務として明確化がされているということで、こういったことがこの答申を読んで一般的にわかりやすくスキーム図とか、そうしたところで説明できるといいのかなと思います。
 いずれにしても、社会教育が組織的な教育活動であって、社会教育行政や、学校教育行政が社会の形成者とか人間育成、形成という教育的な観点からそれぞれ固有の教育行政を推進していくことを明確にしておかないといけないと思います。
 以上です。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。図にでもすればわかりやすいんでしょうね。

【土江委員】

 そうですね。

【田村分科会長】

 ありがとうございます。
 それでは、加藤先生、どうぞ。

【加藤委員】

 2点申し上げたいと思うんです。1つは、皆さんもご指摘になっていました職業能力とか格差の問題なんですが、今の日本の行政の1つの目標として、最近底上げという言葉が使われていますけれども、私たち労働組合も、格差というよりも底上げではないのかということを、最近言葉としては使うようになっているんですが、1人1人の力ということのみにとどまらず、社会全体で押し上げていくというのか、底を支えていくといいますか、そういう社会の力というか、そういう概念でとらえていく面も必要なのではないのかなと。先ほど、つながりとかきずなという話もございましたけれども、そういう話が1つあるのではないかと思います。
 それからもう1つ、今、国のテーマとしてまさに言われているワークライフバランスです。この言葉が1つも出てきていないんですが、まさに生涯学習というのはワークライフバランスを図る上での重要な要素だと思いますので、ぜひ目標の1つに、一番最初のところで書くべきことなのかもしれないんですが、入れていただければと思います。
 以上です。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。よろしいですね。
 では、続いて菊川先生。

【菊川委員】

 先ほどの土江委員の発現に関連して、12ページの一番下のまるですが、「学習機会の整備や学習成果の活用方策をとらえるためには、一括して総合的に行政を行うほうが、より効果的・効率的である」というところですが、県レベルでは結構そういうところが多いのではないかとも思うのですが、市町村を考えたときに、やはり実務が社会教育行政に近いものですから、また生涯学習振興行政は社会教育行政と非常に密接にやらないといけないので、実務と理念を切り離してうまく機能するかどうかというところは、今までも悩んできたところでございます。
 例えば、後ろのほうですが、44ページの2つ目のまるの真ん中辺に、「生涯学習振興行政がその中核を担う社会教育行政を中心として」云々と書いてありまして、ここで書かれていることと12ページの下で書かれていることは、ニュアンスが後ろのほうが少し幅広のようにも思いますので、最初のところでこういうふうに効果的・効率的であると書かれると、小さな市町村あたりでその影響を受けてしまうのではないかと心配です。中教審の答申等は、指導要領等がない社会教育の現場等で海図的な役割を果たしてきておりますので、そういった意味で、また、正確さという観点から整合性を持たれるといいのではなかろうかと思っております。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。それはよろしゅうございますね。
 では、続いて江上先生ですね。

【江上委員】

 私もここ2回ばかり欠席が続いて申しわけございませんでした。その間、いろいろ議論が出たかと思いますけれども、今回、大変丁寧に、前段の、なぜこれからの振興計画をつくるのかというコンセプトについては、いろいろ意見を反映していただいて大変感謝いたしております。
 最初、冒頭、先ほど山重委員がおっしゃったように、「知識基盤社会」ということをあまり強く出し過ぎると、生涯学習ということで言えば、体験知、身体知ということも含めて、もう少し「生きる力」、総合的な知識のとらえ方の膨らみが必要かと思いますので、その辺はご配慮いただいたほうがいいかなと思います。
 それから、先ほど来、小杉委員、明石委員等、皆さんがご主張なさっておられます職業能力と結びついた点ということなんですけれども、労働行政との分野分けということがあってなかなか難しいかと思うんですけれども、岩田委員のレポートでemployabilityというふうに、ここでは企業に雇い続けてもらえる力ということで、狭義のemployabilityということで書かれてあるんですけれども、職業というものが今大きな転換的に差しかかっていて、小さな今までの企業に就職する、公務員で就職するというようなことではなくて、職業そのものが、ハンナ・アレント「人間の条件」で言っているように、レイバー、ワークからアクションの時代に入っていると。地域の中で、こういう学習をしていく、地域支援をしていく中で、どんどん新しい仕事が誕生していく。それを職業として形づくっていくと。そこに人が必要になり、ある程度有償の経済的条件が必要になりというようなことが今必要になってきている。だから、単純に職業能力を身につける応援ということだけではなくて、むしろ生涯学習を通して、地域に必要な職業の開発に結びついていくんだというような切り口から、職業能力ということをとらえていただいたらいいかなと思います。
 そういう意味では、今回、改めて「catalyst」という言葉が登場しているわけなんですけれども、アメリカ・ニューヨークに「catalyst」というNPOがあるんですけれども、ここは主に女性とかダイバシティーの人材育成とか、企業支援とか、そういったことをずっと推進して20年以上やっているところで、私も何度も調査へまいりましたけれども、大変いい成果を挙げてきております。
 しかしながら、15ページの上から3つ目のところで、これからの行政が「catalyst」としての役割を強化していくというように定義を出しておられるんです。理念的にはとてもいいと思うんですけれども、先ほど菊川委員がちょっとおっしゃったことの懸念にちょっとつながるかなと思うんですけれども、社会教育に関係する行政職員の皆さんは、法律に基づいて仕事をしているわけで、手続型の業務推進の中で仕事をしてこられていると。今回「catalyst」として出していくということは、連携とか、多様性とか、創意工夫とか、ソフト政策でかなり権限を現場に移譲された形での仕事の仕方になっていくと思うんです。
 そういう意味では、「catalyst」として仕事を推進していくためには、諸条件の整備というのが相当思い切った転換が必要かと思いますし、あるいは配置する人材の能力のプロフィールも若干変わってくるのではないのかなと。ですから、そういうところまでシミュレーションをして実現しやすいところまでぜひ考えておいていただきたいということが1点ございます。
 それからもう1つは、居場所とかつながりとかいう言葉がたくさん今回も出たと思うんですけれども、学ぶことによる社会参画で連帯をつくるというのは非常に大きな生涯学習に参画する人の喜びにもなるし、そういう意味では関係性をつくっていくということが国民の大きな励ましにもなり、学ぶ意欲にもなり、評価にもつながるということで、つながりづくりということは、ぜひ強く訴えていただければと思います。
 以上です。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。大変重要なことを指摘されました。よろしくどうぞお願いします。
 それでは、山本先生。

【山本委員】

 とてもうまくまとめてきているので結構だと思います。
 最初、課長さんのほうからお話があったように、まだでこぼこがいろいろあって、用語法なんですけれども、具体的には13ページの上の最初のまるですが、今の社会教育法第2条です。「主として青少年及び成人に対して行われる」というふうになっています。今回の案でいくと、青年というのは出てこないんですね、ほとんど。ラングランのところでは児童期、青年期とあります。あとは大人と子どもなんです。青年というのはどうしますかということは、スポーツ青少年局のほうの関係もありますから、ちょっと検討していただきたいと思います。
 前にスポーツ青少年分科会で青年のあたりのところが問題がいろいろあってどうのこうのということがありましたので、いっそのこと、若い成人という言葉を使って、成人教育のほうに取り込んだらどうですかと言ったら、だめだと。その次のときに、ちょっと間を置いて、ヤングアダルトという言葉がありますがといったら、それならよいと。同じことを言っているんですけど、英語で言うとオーケーで、日本語で言うとだめというのは、どうなっているのかなと思ったんですけども、そのあたり、ちょっと検討していく必要があるんじゃないかと思います。
 それから、さっきの地域ですが、大日向委員が言っていたところですけれども、地域もいろんな使い方がありますから、生涯学習と同じで、こういう使い方がありますということで、基本的にはファジー概念で捉えて、クリスプ概念でぱりぱりっと切れるものではないという言い方をして、こういう使い方があるということを答申のどこかで言うか、あるいは議事録に残しておくか、そういう形にしていくのがいいのかなと思います。明石委員なんかは、お寺のぼーんという鐘が聞こえる範囲が地域と昔から言われてきたとか、いろいろ言い方がありますから、おもしろい言い方だと思うんですけど、その辺も少しそういう整理の仕方をしていただければと思います。
 以上です。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。大変いいお話をいただきました。
 次、糸賀先生、どうぞ。

【糸賀委員】

 今、この答申の事項をずっと聞いていまして、今も出ていましたけれども、地域という言葉のとらえ方でありますとか、先ほどの知識、それからもう1つ、ずっと全体を通じていて、随所に「生きる力」だとか力が出てきました。その力と地域と知識という、たまたまみんな「ち」で始まるんですけれども、この辺の概念がなかなかつかみにくいなというふうには思っています。
 最初の1ページのちょうど真ん中あたりのところに、「職業生活に必要な知識・情報・技術(以下、知識等という。)」となっていて、知識等となっているときは、知識・情報・技術の3つを指し、知識が単独で用いられた場合には、この中の知識だけということなんですね。その辺が、若干全体を通じてはわかりづらいと思います。
 先ほどの「知識基盤社会」で前半、こういう理念を掲げるんだけれども、私はむしろ後半のほうは、学ぶ意欲を支えるなんていう表現があるように、むしろプロセスを結構重視している。知識というのはむしろ外在的なものであって、それを取り込むことで、いわば自分自身の内面にプロダクトとして、成果として、アウトカムとしてできあがるものですね。むしろ日本の生涯学習では学ぶプロセス、学ぶ過程、それが先ほど言われるような体験学習ということとも結びついていくと思いますが、その辺が実態としてはかなり重要な位置を占めているという。つまり、プロセスで考えるのか、プロダクトで考えるのかというと、前半、ややプロダクト的な面が強調されているんだけれども、後半のところでは、どちらかというと学ぶ意欲、プロセスというふうなことの記述が多いということのそごみたいなものを多少感じます。そういう意味で、前半のところで学ぶプロセス、過程、あるいは先ほど言われたような体験学習といったことの重要性もうたっておく必要があるのではないかと思いました。
 それからもう1点、これはやや細かい話になりますが、9ページのところに、生涯学習振興行政及び社会教育行政の実態の項目が幾つかありまして、9ページの上から3番目、ここに司書、学芸員等についての記述が3行ばかりございます。この中で、非常勤職員の割合が高まっている、これは事実でございます。
 一方で、そのほかに指定管理者、あるいは民間委託というものが急増しております。実はこの答申の5のところに目を転じますと、そういう職員の人材のあり方、特に研修の重要性を指摘しております。ましてや、研修の重要性については、法改正を視野に入れて考えていく必要があるという指摘があります。そのときに、民間に属していて、実際に公的社会教育の施設で働いている方たち、この方たちの研修をどう考えていくのかというのは非常に重要な問題です。指定管理者の場合に、当然その人たちの研修の費用も含めて協定なり委託をしている場合もあれば、公的な研修にそういった民間の職員が参加してくるという実態も既に生まれております。そういう意味では、この箇所に、非常勤職員の割合が高まっているだけではなくて、民間の事業者に属していて、こういう公的な社会教育施設で働いている人たちも増えているんだと。その人たちの研修も後で考えなければいけないという意味合いもありまして、前段で触れておく必要があると感じました。
 以上です。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。それでは、今、よろしゅうございますね。非常に大事なところですので。
 それでは、そろそろ時間なんですが、最後に大日向先生。

【大日向委員】

 申しわけありません、2度目になりました。
 今糸賀先生が最初に言われたことと全く同じことを私も少し申し上げたいと思いました。先ほど山重先生も言われたところなんですが、「知識基盤社会」というのが一番目に来ることに対して、いろいろご疑義があるかと思いますが、全体を見ますと、知というものを、今糸賀先生が言われたプロセスを含んだプロダクトとして前面に出すのが、この答申の非常にユニークなところだと読み取りました。ただ、その場合の知識というのは、狭い一般の私どもが今まで考えてきたものを知っているとか、語学をたくさん話せるとか、そういう知識ではなく、プロセスと体験、態度を全部含んだ、つまりPISAの3ページのところに規定されているような知ではないかと思うんです。
 それをいかに地域や社会で醸成していくかということですと、私は最初に「知識基盤社会」という文言は別の文言で入れていただきたいと思いました。知識基盤じゃなくて、知を基盤とする社会ではないかと思います。
 それはなぜかと申しますと、2ページのところに、知の循環型社会という言葉が使われています。ここでは知識の循環型社会ではなくて、今糸賀先生の言われたプロセスを含んだ非常に深みのある知ということを押さえておられる文言ではないかと思いますので、そういうふうに少し表現を変えて、またご検討いただければと思います。
 以上です。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。この点は、高等教育の答申とかかわりがどうしても出てきますので、どういうふうに折り合いをつけるかですね。ご検討いただいて。大事なご指摘だと思います。
 それでは、続きまして3の目指すべき施策の方向性及び4の施策を推進する際に必要な視点についてご意見、ご質問等をお願い申し上げたいと思います。
 それでは、どうぞ。まず最初に、高橋先生ですね。

【高橋(陽)委員】

 どちらに入るのかよくわからないのですが、最初のところも含めてなんですけれども、今までの負の部分というのを考えましたときに、企業社会の果たしてきたプラスの役割と、それから負の側面と両方があるだろうと。その現状を考えた場合、経済性、生産性、効率性に偏重したためにいろいろ出てきて、それをどう是正していくかというようなことが前提にはあるんだろうと思うんですが、地域社会というふうにして考えたときに、そこのところが非常にあいまいなまま進んでいっているような気がいたします。
 ですから、先ほどワークライフバランスという言葉だとか、あるいはemployabilityということが出てきたんですけど、そういうことも考えますと、企業で働くということの意味が子どもたちにおいての影響というのに非常に大きいわけなので、そこのところの負の部分とプラスの部分にもう少し言及していただければいいかなと思います。
 最初のところでも、企業というのが一言出てきておりますが、その後で、企業、NPOや何とかの連携とか、資源を使うとかという言葉では出てきているんですが、今現実に企業の中でメンタルヘルス的に問題のある人を抱えて現実的に困っているというのが企業の中であります。お父さんお母さん、休んでいる人たちは家庭にいるわけで、もちろん病院にいる人もいるわけなんですが、そうしたときの子どもたち、あるいは地域、家庭に対する影響力というのは非常に大きいと思うので、企業の社会的資源としての側面と、そこの負の部分が地域や家庭に戻ってきているわけなので、そこに対する影響というのをすごく考えた場合に、言葉としてどうなるのかわからないんですが、働くということをもう少し言葉として出していただけるといいかなと。それは、必ずしも、先ほど江上委員がおっしゃいましたように、費用に働くということだけではなくて、本来仕事というのは勤めと稼ぎという両方の側面があったわけですが、それが稼ぎということだけが少し凌駕されているので、そこに勤めという意味も入った仕事、働く、暮らすという意味合いを、地域でどうみんなで共有するか、それを創出していくかということが、現在の企業人にも、あるいは大人に対しても必要だし、子どもたちにそこの考え方なり実感というものをときちっともたらすということが、非常に生涯学習ということを考えた場合にも重要なんじゃないかな、あるいは地域の教育力ということを考えた場合にも重要なんじゃないかなというふうに考えておりますので、その視点をぜひ盛り込んでいただければと考えています。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。よろしゅうございますね。
 それでは、山重先生ですか。

【山重委員】

 ありがとうございます。全体の構成についてなんですけれども、基本的に今回の案では社会全体の教育力の向上というのが最初に来て、2番目に学ぶ意欲を支えるという形になっているんですけれども、今回の生涯学習振興という観点から考えると、逆がいいのかなというふうに思っています。
 今、時代の変貌とともに学ぶ意欲のところも意味が変わってきていて、例えば今回の教育基本法改正の中で最も大きなことの1つが、20ページの下から2番目のまるのところだと思うんですけれども、個人の要望のみならず、社会の要請にこたえるということが明示的に入ってきた。具体的には、1として「公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと」、ここが1つの大きなポイントになってくると思うんです。それを新しい学びの意義、機会ということをどうやって振興していくかというのが重要なポイントになってくると思うので、まずはその点を明確にして、どうやってこれからそういった新しい視点に基づく学びを支援していくのかというのが最初に来てもいいのかなと思っています。
 その上で、現状を踏まえると、今行政だけでは足りないというところがあるし、行政だけに任せるのがいいというわけではないという認識があると思うので、その上で一番大きな柱として社会全体の教育力の向上というのが徐々にスタートして、議論として、真ん中のところで社会全体で教育力を向上することが大事だよねということで、さらに後半になっていくと、そのために人材育成が大事だという形で話が進むと、読んでいてわかりやすいのかなと。それからまた、私たちの議論の1つである社会全体での連携を通じた教育という点にもつながっていくのかなというのが1つ思ったところです。
 それから、もう1点だけなんですけれども、先ほどの私のイメージでは、生涯学習、学ぶ意欲、特に社会が求める学びを支援していくということがあって、それから、社会的に、社会全体で、その教育を支援するということ。それから、最後に、人材育成というのが大事だということだと思うんですけれども、特に社会全体で支援するということで、前回の議事録を見させていただいて、実際にコミュニティー、あるいは地域で、いい社会教育がなされるためには、コーディネーターの役割というのが非常に重要だということで、36ページになると思うんですけれども、まさにここが社会全体で支えるときの、ある種の仕掛けとして大事になってくる、地域の人材の育成、それから、専門職員の育成というところだと思います。
  まるの2のところは、私がご提案させていただいたことで、これを入れていただいたのは大変ありがたいと思っているんですけれども、1つは、こういう地域での社会教育に参加するということが、ある意味で学習だと思うんです。まさに体験ということを通じて、私たちが学んでいく。それは公共の精神とも非常に密接な、重要な意味を持つ学びだと思うんです。そういう学びに参加していただくと同時に、それが社会教育になっているというところが、非常にいいポイントだと思っていまして、これをうまく支えられないかということで、資格を設けたらいいのではないかということをご提案させていただいているんです。イメージとしては、国家資格ではなくて、今、スクールカウンセラーという形で、臨床心理士は、学会の認知しているような資格らしいんです。それと同じような、社会教育に関して、特に体験というか、経験をベースにした資格というのを設けられたらいいのではないかと思っています。
 生涯学習という観点からいくと、それ自身が学習成果の評価という、もう1つの今回の提案につながっていくような気がしますので、どこまで書いていただくかはともかくとして、そういう社会教育、それから生涯学習というのが一体になった形の取り組み、これがまさに地域で求められていることでもあると思いますし、今後、長い間にわたって、地域における社会教育を支えるものになるような気がします。この制度についても、できればぜひ、今後とも積極的にご検討いただければありがたいなと思います。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。非常に大事なことを指摘していただきましたが、書き方については、行政の継続性みたいなものがあるので、今までのことに触れないわけにはいかないだろうと思うんです。ですから、最初に書いたほうがいいというのは確かにそうなんですけれども、今までのことを触れておいてというようにやらないといけないのかなと、私は思っていたんですけれども。まあ、書き方もあるんだと思うんですけれども。
 それでは、続きまして、水嶋先生ですね。

【水嶋委員】

 3点ほどございます。まず、21ページの上から3つ目と4つ目のまるですけれども、ネットワーク行政に関することが書かれております。これは非常に大賛成でありますが、もう一歩踏み込んでいただいて、3つ目のまるは、「行政を推進する専門的な職員のみならず、地域における多様な人材が不可欠であり」というふうになっているんですが、29ページのほうには、「社会教育施設等を活用した多様な学習の場の充実」というようなことも書かれておりますので、できれば社会資源、あるいは教育資源としての図書館、博物館のようなネットワークということも触れていただければよろしいかと思います。そういった社会資源を有効活用する視点というのも、ぜひ入れていただきたいと思いました。
 それから、15ページにちょっと戻るんですが、「catalyst」という概念が提唱されておりますけれども、そういった図書館と博物館のようなところも、今までの教育の場、生涯学習の場だけにととまらず、「catalyst」としての役割を、博物館も図書館も持つのではないか。例えば、ビジネス図書館というような具体的なことも、先ほど触れておりましたけれども、具体的な「catalyst」の条件整備と役割というのは、今後の議論かと思いますが、そういう視点も大事だと思います。
 第2点目ですが、26ページの上から2つ目のまる。自己点検・自己評価ということが触れられておりまして、ここでは社会教育施設で行われているのに対応したものなのかどうかということしか書かれておりませんけれども、32ページに書かれている、上から2つ目の「教育サービスの評価の在り方やそのための質保証の在り方の検討」というところでも触れますけれども、自己点検・自己評価をさらにもう一歩進めて、こういった社会教育施設とか博物館についても、第三者評価、あるいは外部評価というようなことを入れていただいて、もう一歩踏み込んでいただきたいなと、私は考えるわけです。
 1つは、説明責任を果たすということは、時代の要請でもありますし、アカウンタビリティーを果たすことが、こういった世の中ですので、非常に大事なんだと。それは自己点検・自己評価でしますと、どうしても身内に甘いような委員を選んで、自己点検、満足しているのが現状なんです。前回の分科会では、教員の意識改革が必要だという指摘がありましたけれども、博物館のようなところも、意識改革が必要だと思います。それと同時に、外部評価することによって、透明性を高めるということが大事だと思いますので、あえて申し上げました。
 それから、もう1点、5番目になってしまうんですが、一言だけ言わせていただきたいんですが、外部評価にも関係するんですけれども、43ページの一番下のまるに、「教育における政治的中立や継続性・安全性の確保」云々と書いてありますが、1つ、博物館界で問題になっているのは、命名権、ネーミングライトというような、博物館に、企業スポンサーの名前をつけるというようなことがだんだん出てまいりまして、これは直接的、政治的な中立性とは関係ないのかもしれませんけれども、こういった教育の場である博物館に対して、民間活力を導入するという視点は大事だとは思いますけれども、私は、ネーミングライトというのですか、要するに、名前を貸してお金をとるというようなことが、ほんとうにあっていいのかどうか。それから、政治の小道具に左右されてしまうようなことがあってはならないと。ひいては、こういった博物館、あるいは生涯学習施設としての存在意義にかかわる問題であると思いますので、そういった政治的中立性というのは、今まで問題にされてはいなかったわけですけれども、この辺のことを意識して、もう少し記述を強めていただければと思います。
 以上です。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。なかなか難しいと思いますが、どういうふうにお書きになるか、よろしく。第三者評価は、まだ難しいんですよね。社会的な整備ができていませんので、書くだけに終わってしまう危険があります。自己評価というのは当然のことですしね。外部評価も、仕組みを考えればできるんでしょうけれども、第三者評価というやつは、制度ができないと、かえって弱いということになりますので、どういうように書くか難しい問題だと思います。
 じゃ、よろしいでしょうか。次に、山本先生。

【山本委員】

 20ページの4.のところで、2つほど申し上げたいと思います。「必要な視点」なんですが、前半の議論、ご意見を聞いていると、職業的な能力の向上を図るべきというところと、「知識基盤社会」の知識のことがあります。同時に、生活の中でのさまざまな体験とか、経験を大事にするべきというのがあるんですが、それらを答申の中で並べていくと、このままでは、両方束ねる視点がないんです。どこからそういうのが出てきているとなるんです。それに関しては、きょう、この2つ、(1)と、(2)とありますけれども、その間にもう1つある視点、人間的価値の追求と経済的価値の追求の調和を図るという視点がないと、うまくいかないんです。これは16年の審議経過報告にあるんですけれども、そのときは職業的な知識・技術になっています。これは糸賀委員が、経済的価値とすべきだと盛んに言ってくれたんですけれども、そのときの課題としては、どうしても職業のほうが勝っていたものですから、そうなっていますが、やっぱり人間的な価値と、「人、物、金」といいますけれども、物とか金の持っているよさみたいなものは経済的価値のほうに入れて、その両方の追求の調和を図るというところを入れておかないと、おさまらないんじゃないかと思いますので、その点、ご検討いただきたいというのが1点です。
 それから、2番目は、先ほど説明の中でございましたが、(2)の「経験・知識を継承しつつ、新たな『創造』を行う」というところがちょっと手薄であるということなんですけれども、そこの部分につきましては、具体的に今まで出てきた科学技術とか、あるいは、文化、文化というと全部入ってしまうのかもしれませんので、生活上の経験とか、知恵とか、知識とかというものを継承してというように、具体的なものを挙げてもらったほうがいいと思います。創造というところは、端的に言いますと、今までそういうふうに蓄えられてきた知識とか、経験とかというものを要素としてとらえて、その要素の間の関係変換を図ることで、創造というのはできるんです。関係というのは大変厄介なんですけれども、非常に簡単に言えば、今まであちこちばらばらであったものを組み合わせていくとか、結合の仕方を変えるとか、ある経験や知識の中に入っていた要素を、包含されたものを取り出して、別のものを入れるとか、いろいろなやり方があるんです。そういうようなことで創造というのはできてきますので、あまり関係変換とかそんなことは言わなくてもいいと思うんですけれども、いろいろな経験とか知識を結びつけたり、組み合わせたりして、新たな創造をしていくとかというあたりは、少し具体的に言ってもいいかなと思います。
 ちょっと追加で済みません。例えば、あんパンというのは日本で発明、考案されましたけれども、あれは伝統的なあんと、外国から入ったパンがあって、パンの中にあんを包含させて、あんパンになった。あれがいまだに売れているわけですよね。例えばの話で、そういうようなことで、創造というのを捉えていけばいいんじゃないかと思います。以上でございます。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。非常に重要な視点をご指摘いただきました。よろしくお願いいたします。
 では、続いて、菊川先生ですね。

【菊川委員】

 小さなことなのですけれども、16ページの1つ目のまるの下から2行目なのですが、「今後は、学校だけではなく、地域社会の各関係者からのより積極的な貢献が求められる」ということですが、実は、社会全体の教育力の向上というのは、ずっと前から言われております。特に平成4年からの学校5日制の導入、あるいは、現行の指導要領がつくられた経緯も、まさに地域社会の積極的な貢献ということで始まっていると思います。
 ですから、小さい「今後は」ですけれども、老練な社会教育関係者の読者を想定して読んだ場合に、今までもやってきているよと言われそうです。今までやってきていることと、今後求められることがどんなふうに違うのか、具体のいろいろな新しい政策等も出されておりますし、また、現行の学習指導要領のゆとりと学力の問題も出されておりますし、20年前、10年前と違う、社会全体で教育力を向上させるということが、具体的にどういうことなのかということを、理念的にも、それから、政策としてもわかりやすく書くことが大切と思います。「今後は」というのに引っかかったことに関連して、お伝えさせていただきます。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。では、よろしくお願いいたします。
 それでは、高橋先生。

【高橋(興)委員】

 いろいろな方々がおっしゃったんですけれども、私も、この答申をだれが読むのかということを、自分で読んでいながら、つくづく考えさせられるところがありました。のっけから、先ほどらい議論があります「知識基盤社会」とかが出てきて、そう熟した言葉ではないと私は思っているんですけれども、そういったものがバンと出てきて、それから、さらに「catalyst」だとか、あるいは「emplyability」だとか、次々と出てきて、確かに先ほどの山本先生のお話じゃないんですけれども、片仮名だと、すっと理解していただけるようなこともあるのは事実です。それにしても、市町村の社会教育関係職員の研修などに長い間かかわってきた私の感覚からすると、やはり全体のトーンとして、現時点では、なかなか難しい答申案になっているのではないかという気がしております。
 それから、個別の項目について、2点申し上げたいと思います。1点目は、社会教育による学校支援の重要性が随所に書かれているのは、私は大変結構なことだと思っております。今、全国的に、社会教育による学校支援へ社会教育関係職員の目がかなり向いている状況だと思うんです。そういった状況の中で、こういった答申が出るというのは、関係者にとっても歓迎されるのではないか。それから、先ほど予算案のご説明をいただいた、学校支援地域本部の今後の実施のためにも、大変いいことではないのかなという気がいたします。
 特に25ページの1つ目のまるのところに、学校支援をする際の課題みたいことが、コンパクトにまとめられて書かれてありますけれども、やはりこういう具体的な課題などを書き込むというのは、具体的にイメージするという意味で、学校支援という問題を考えるときには大事なのではないかと考えます。
 それから、この会議で、繰り返し積極的な取組への期待を申し上げてきましたけれども、学習成果の評価について、かなり書かれています。今までよりも数歩進んだのではないかという形で出てきたのは、大変ありがたいと思っております。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。
 それでは、実は時間がなくなってきましたので、これ以降は、5番目も含めて、ご意見をちょうだいできればと思っております。それから、局長さんが、国会の関係でおくれてお見えになりましたが、予算のことで一言おっしゃっておいたほうがいいんじゃないかという気がしますけれども、よろしいでしょうか。

【加茂川生涯学習政策局長】

 では、後で。

【田村分科会長】

 後でよろしいですか。ご意見をいただく前に、お話しされなくていいですか。

【加茂川生涯学習政策局長】

 一応、お聞きしてからのほうがいいと思いますので。

【田村分科会長】

 そうですか。じゃ、後でお願いいたします。
 それでは、順番に、土江先生ですね。どうぞ。

【土江委員】

 それでは、2点だけお願いしたいと思います。1点は、15ページのまるの2でございますけれども、社会全体の教育力の向上の中で、前回の資料では、「地域社会の各関係者は、具体的には」という文言でしたけれども、ここが今回は削除されていまして、これは結構だと思うんですが、ここの中に、やはり地域としては既存の、例えば、PTAとか、青少年団体とか、女性団体、高齢者の団体、こうした地縁的な社会教育団体も、今は地域で非常に頑張っていまして、これも入れていただくのか、あるいは、ここで「例えば」というふうな表現なら、どうなのかなということが1点でございます。
 それから、もう1点は、共通の目標ということで、先ほど、高橋委員もおっしゃいましたけれども、社会教育行政と学校支援、学校教育とのかかわりということで、共通の目標ということが今回示された。これは大変すばらしいことですし、我々としても、はっきりと方向性が打ち出されたなということで、大変うれしく思っております。
 そこで、27ページですが、「必要とされる学習についての検討」のところで、前回の資料では、「子どもたちに必要とされる『生きる力』を目指して、社会教育において」云々と書かれている中で、「共通の目標に向かって、関係者が」という前回の資料でしたけれども、今回、「生涯学習の理念の実現の観点からも、社会教育関係者が積極的に連携して」というふうに変わっておりまして、私は、この答申を読んだときに、前回の「共通の目標に向かって、関係者が」というところのほうが、はっきり明確に理解しやすいのかなということを感じたところですが、ここら辺の変更された意図的なものを、もし伺えれば、お願いしたいと思います。

【田村分科会長】

 よろしいですか。何かおっしゃいますか。

【上月生涯学習推進課長】

 ご趣旨を踏まえて、もう一回修文を考えてきたいと思います。

【田村分科会長】

 ということです。ありがとうございました。
 それでは、続きまして、島田先生。

【島田委員】

 20ページの4.の(1)ですが、先ほども山本委員がご発言されたのと、私も全く同じことを思っておりまして、人間的価値、経済的価値の調和、追求というお話をされましたけれども、実は私、もう1つつけ加えたほうがいいと思う価値があります。それは、社会的価値です。ESD、すなわち持続発展可能性のための教育ということですが、通常、持続発展可能性にとって重要な価値は、経済、地球環境、社会であり、そのバランスであるといわれております。これを教育の観点から置きかえれば、人間、社会、経済という3つの価値の調和の追求という形で、表現をしておいたほうがいいのではないかと思います。そのことが1点目です。
 次に、同じページの(2)のところで、私も、創造というのは一体何かなと思っていたところ、山本先生のほうからお話がありましたとおり、まさに、異質なものとの出会いや触発といった関係性から、新しいものが生まれてくる可能性があると思っております。そのためには、いわゆる知の情報を提供する、交換するといったところが必要になってくると思っております。
 その場合に、36ページでしょうか、人材バンクについて触れられておりましたが、各機関、つまり学校だったり、NPOだったり、図書館だったり、美術館などいろいろあると思いますが、それぞれが持っている多様な知というものを必要とする人々が情報を交換できるようなセンターのような場が欲しいと思います。ただ、これは個人情報保護の観点からも検討が必要かと思いますが。例えば、たしかアメリカの美術館などでは、アーティストについてもデータバンクを持っていて、それの情報が、学校での授業の講師として選択するために活かされているというようなことを聞いたことがございます。そういった人材データバンクについて、盛り込んでいただければと思います。以上です。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。ただいまのことはよろしいですか。私としても、ESDは、人類が生き残れるかどうかということにかかわる、非常に重要なことなので、ぜひもうちょっと強調していただけるとありがたいと思っているんですが、それはその程度で。ありがとうございます。
 それでは、小杉先生。

【小杉委員】

 ありがとうございます。私、14ページの最初から2番目のまるの最後に書かれたこと、「それぞれの人生の発達段階や時期に応じて、多様な場所や方法で学習し、その成果を発揮する」、これが目標そのものだと思うんですが、これを全体とするときに、その後ろに書かれていることが、ちょっとずれるかなと思ったんです。
 というのは、1つ、先ほどの社会とか地域の定義にもよるのかもしれませんけれども、(1)のまるの2で、社会全体の教育力を向上させること、イコール地域社会の教育力を向上させることと言っていいのかなと。前のように、多様な場所や方法で、発達段階に応じて成果を発揮するとなると、地域というのは、先ほどの職業能力の開発に対して、別の場所で企業等を通じてというようなこともございますので、大きな地域社会の柱ですけれども、あるいはこの行政の中で大きな柱ですけれども、それを前段の大きな目標のための、これが唯一とは言えないんじゃないかと思うので、若干そこは書き方を整理してほしいなと思います。
 それから、もう1つ、発達段階に応じてというところも、非常に大事だと思うんです。それを後ろのほうで、(2)の「国民一人一人の生涯を通じた学習への支援」ということだと思うんですが、ここで全体を通じて一番抜けているのが、先ほど山本先生がおっしゃった、ヤングアダルト、若い成人を対象にした能力開発、学習機会の問題だと思います。今回、後半のほうの23ページのあたりで、学習機会を、手を挙げる人ではなくて、必要な人に届けるんだという思想がはっきり出されましたが、これが非常にヤングアダルトの問題では大事で、その点をはっきりさせるために、私は、(2)の中のまるの2の「すなわち、行政としては」の123の中に、できれば学習機会にアクセスできない、なかなか自分から動かない人たち、学習機会が必要な人をきちんと把握して、その人に対して政策的に働きかけていく。こういう視点を、1つ足すといいんじゃないかと思います。この123に並んで、ぜひその辺が入ってほしい。
 そうすると、後ろの23ページにあるような、機会が十分じゃない人に対して、直接的に働きかけるんだという話につながりますし、この話が、ここではたまたま入学時の話しか書いていないですが、卒業時の話、あるいは中退時の話になってくるんです。卒業や中退で学校を離れた若者たちで、能力が十分じゃなくて、うまく就業機会につながっていない人たちに対する機会提供ということを、アウトリーチ的な手法も含めてやっていく。こういう話につながってくるんで、具体的な提案としては、(2)のまるの中に、後ろのアウトリーチにつながる、必要な人に届ける必要があるということを、1つ柱として立てていただければ、生涯の中で足りないのはだれか、足りないところへ届けるという発想につながるんじゃないかと思いますので、ぜひそこをご検討いただければと思います。

【田村分科会長】

 よろしいですか。ありがとうございました。大事なことをおっしゃっていただきました。
 じゃ、平野先生。

【平野委員】

 ありがとうございます。きょうは遅参しまして申しわけありません。まとめていただいた資料ですが、まだ未整理なところがあるとおっしゃっていましたけれども、それで重なった言葉などもあるのかもしれませんけれども、でも、それがまたとても畳みかけてくるような感じがして、これまで審議されていたことが満遍なく出てきて、とても迫力ある感じで、私の胸には飛び込んできたと思います。
 これを先ほどご説明して、読んでいただいていたときに、子どもだけでなく、大人もあまり考えなくても暮らしていける時代なんだなと。それを今まで豊かでいい、いいと言ってきたけれども、その分、毎日何をやっても大きな喜びを感じることが少なくなっているとしたら、むしろ不幸なのだ。この不幸な時代を何とか幸福にしなければいけないと、この答申案を読んでいて思いました。
 答申の内容を、答申が出された後、さらに多くの人たちに伝えるときに、先ほどほかの先生もおっしゃった、もう少しかみ砕いた説明ができるようにする必要があると思いますけれども、もう1つ、今後のアピールの方法として、誤解のないようにお聞きいただければと思うんですが、生涯学習という言葉よりも、既に審議に出てきて、世にも出てきている内容をあらわすキーワード、例えば、「生きる力」とか、「学ぶ意欲」、そのほか幾つかあると思いますが、それが前面に出ていったほうがいいのではないかと思います。こういったお水1つでも、商品名とメーカー名というのは必ずしも一致していなくて、商品名は、まさに中身をあらわすもので、この中身が認められて、ああ、これいいねと言われる。で、どこでつくっているんだろうと、会社名が後からわかるなんていうことが、一般には多いんですけれども、この内容の教育の仕組みはいいね、どこでやっているの。ああ、生涯学習ですかと、こういう順番になるのが理想的なのではないかなと、私はちょっと思いました。
 ですから、アピールということも、今後もいろいろな形で勧める必要もあると思いますが、そのとき、この内容だと、行政も「媒介者」となって、全面的におやりいただけるということがわかり、私もぜひそれは進めていただきたいと思うんですけれども、自分たちのやることを、あまりPRしちゃいけないと思っている行政マンがかつては多かったんですが、私、今の時代は、どんどん行政から、自分たちの商品を説明して、売っていただく必要があると思っているんです。ですから、「媒介者」というのは、ここはネットワークのことしか書いてないんですけれども、同時に、ネットワークづくりの中で、当然広報、広聴の役割も兼ねると思います。まず「専門的職員等が」と書かれている21ページの表現、だれがどんな動きをとられるのかということがもう少しわかるような、ここに書かなくても、どなたかすぐ説明していただけるようにしておいていただきたいです。
 それから、26ページ。ここは最後の5番目の「具体的方策」という部分なんですが、何と「媒介者」という言葉が、「大学等の高等教育機関と地域の連携」というところにしか出てこないんです。でも、広報、広聴も含めて、ほかのいろいろな場面でもかかわってくると思うので、もっと全体的にかかわっていく「媒介者」の表現として、具体的方策の中に入れたほうがいいのではないかと思いましたが、いかがでしょうか。
 そして、先ほどESDの話も出ましたが、私も、継続しなければ意味がないと思うんです。継続して初めて、はっきり目に見える効果が出てくると思いますので、10年、20年と継続できるための「媒介者」でもあるというような位置づけで、書かれたらいかがかと思いました。以上です。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。では、よろしゅうございますね。よろしくお願いいたします。
 それでは、江上先生。

【江上委員】

 ありがとうございます。繰り返しのようなことになるかもしれませんけれども、先ほど、山本先生が、あんパンの、大変象徴的なわかりやすいお話をしてくださったんですけれども、それに付随して、今、ずっとこの間、文科省で力を入れてきて、非常に社会的にも理解を得て、広がってきている食育という概念と言葉があります。単なる料理ということを、食育というようなところまで大きく広げて、これが定着して、政策としても通用していると。それで私は、職業能力の向上、あるいはリフレッシュ、いろいろなことが今回も盛り込まれているわけなんですけれども、なかなか職業と雇用というようなところについては、労働行政との線引きが難しいわけですね。そういう意味では、私は、職業を育てるという観点からの生涯学習政策を提起します。「もう1つの職育」というのを、この生涯学習政策の1つの柱にならないかなということを考えました。
 先ほど来申し上げているように、自立した個人、自立したコミュニティー形成を担っていく生涯学習活動を展開していく中で、やっぱり新たに必要とされる社会的な活動、意味、役割を発見して、仕事として形づくり、職業として育てていくと。いわば、職業というのは、経済生活の維持手段という1つ目の意味と、2つ目は、社会的役割の遂行、3つ目には、個性・能力の発揮というふうに整理されているわけですけれども、まさに個性・能力の発揮と社会的役割の遂行、これが今、いろいろな新しい仕事が各局面で求められていると。いわゆる企業活動、市場で利益追求のビジネスモデルから生じてくる職業ではない分野の、ソサエティーの意味合いが非常に強い。そういう職業というのは、なかなか市場原理では出てこないわけで、しかしながら必要とされていて、全くのボランティアでは継続性がないと。やっぱりこういうふうな役割というのは、生涯学習政策を通じて、非常に意味があるのではないかということで、職業を発見し、育てていく、「もう1つの職育」というようなことを、少しご検討いただけたらありがたいと思います。
 それから、答申のまとめ方について、少しいろいろな意見が出ましたので、私もちょっとつけ加えさせていただきますと、先ほど、高橋委員が、この振興計画を一体だれが読むのか、だれに向けて出すのかということで、今までの時代でしたら、こういうまとめ方で理解、合意形成がとれたと思うんですけれども、やはり今、日々いろいろな政治状況の中で、いろいろなことが大きく転換してきております。そういう意味では、国民だれもが、なぜこういうことが必要なのか、どうしてこういうことを税金でコスト負担するのか、これをやって何になるのかということを、大変注視をしております。そういう意味では、わかりやすく伝える。何のためなのか、生涯学習は何を学ぶのか、なぜ学ぶのか、どのように学ぶのか。生涯学習することが、どう社会に役に立つのか、充実されるのか、楽しいのかという、そういうことをわかりやすくしていくためには、やはり前段をもう少し整理されて、今までの生涯学習政策の経緯や認識、あるいは社会教育行政との具体的な変更点や兼ね合い、そういう部分は、思い切って後半に持ってきたらどうかなという気がいたします。
 前段のほうでも、少しずつそういうふうな経緯とのやりとりの中で説明がいろいろありますので、一番何を言いたいのかというのが、やっぱり少々伝わりにくいということがあります。そういう意味では、今回、ずっと議論してきて積み重ねてきたことは、前提となる社会状況については、少子・高齢化と「知識基盤社会」になっているということ。そして、文科省の教育行政としては、「知の循環型社会」を目指すということ。その中で、生涯学習というのは2つある。「生きる力」、人間力をつくる。それから、「地域を強くする力」、この2つに大きく集約されるのではないかと、私は整理をして、認識しております。そして、地域を強くする力の中に、家庭教育を支援する力、学校支援をする力、地域の活力をつける力というのがあるというようなことで、もう少しビジョンと、コンセプトと、目標と、戦略と、目的と、戦術、方法、手法ということを、少し一般の方にも理解しやすく書いていただいたほうが、ストンと納得がいくような気がいたします。
 それともう1つ、最後につけ加えたいのは、人材バンクの設置、大変いいと思います。今、社会福祉センターなんかにも、どんどんボランティアが、私はこういうことをできますというふうなことで、バンク制度も行っておりますし、あるいは、厚生労働省管轄でいいますと、シルバー人材センターがありますが、それぞれ結構今、賑わっておりますが、やる内容というのは限られております。そういう意味では、この間、私が申し上げました団塊の世代が大量にこれから定年退職をして、その方たちが、立派に社会で自分を生かしたいと。趣味はいろいろ出てきておりますけれども、やはり趣味だけではなくて、何か人に役に立ちたいという思いは、非常に満を持しております。ですから、今回、ここを通じてつくる人材バンクセンターというのが、国民にとって、大変大きなわかりやすい目玉になって、これが全員参加型のキーステーションになるのではないかと思います。ですから、ここのところは、もう少し書き込んで、イメージが膨らむようにしていただければありがたいと思います。以上です。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。非常に重要な指摘と、たくさんのお土産が出ましたので、検討していただいて、ひとつまとめてみていただければと思いますが。職業と人格というのは、おそらく分けられないところがあるんでしょうね。昔から言われていますけれども、教員というのは、いろいろな資質、項目を挙げられますけれども、最終的には人格だという、有名な昔からの言われ方がありますが、どうもそういう点でいうと、どういうふうに整理していったらいいかということで、よろしくひとつお願いしたいと思います。
 では、山岸委員。

【山岸委員】

 ありがとうございます。NPOの立場から、少し話させていただきたいと思います。全体、だんだん煮詰まってきて、かなり水準の高いものになってきたなというのが実感です。その上で、3つほど申し上げたいと思います。こういう社会が崩壊しつつあるようなことを、どうやって再生させていくかというときに、今、大事なことは、新しい担い手がどこにあるか。言うまでもなく、市民のさまざまな活動やボランティア活動、そういうものをまとめていくというんでしょうか、組織化していく、事業化していくものとして、NPOが登場してきているわけなんですが、その新しい担い手を続々と登場させて、教育とか、生涯学習の中に巻き込むというんでしょうか、1つの力にしていくために、市民やボランティア、NPOが一番気にしているのは、教育の問題について、対等の関係が保たれていくかどうかということが、みんな非常に気にしていることと、そのことが、やはり一番大事なことじゃないかと思っております。そういうふうにして、この全体を注意深く読ませていただいたんですが、さらにそういう配慮があればと思います。
 その上で、こういう新しい協力関係、連携をどうつくっていくかというときに、いろいろな場所で、例えば、15ページの真ん中ぐらいとか、さまざまなところで、行政によるコーディネート力だとか、「媒介者」としての役割ということが述べられているんですが、これは間違っているわけではないんですが、特にNPOの中間支援組織にとっては、コーディネートしていく、こういうものを全体を調整したり何かしていくというのが、NPOの役割であると、強く認識しております。特に中間支援組織は、その役割にあると思っております。
 そしてまた、今、地域でいろいろ生涯学習の問題をやろうというときに、一番動かないというか、一番納得しないのは教育委員会なんです。これが動かない。今回も、文部科学省の大きな予算をとるというか、それを背景にしながら、いろいろな教育委員会に話しかけても、なかなか動かない。動かないとはわかっていたけれども、それにしても、こんなに動かないのかと思うほど動かない。どうしようかと思うぐらい、何カ所にも断られて。杉並の教育委員会が受けてくれたというか、快く、大いにやりましょうというところもあったんですが、なかなか難しいというときに、コーディネート力を発揮するというのは、行政もそうだというのはそれで構わないと思うんですが、例えば、NPO等の連携、調整力の支援にも回るというような記述があってもいいんじゃないかと思っております。
 このコーディネートということについてが2番目のことなんですが、3番目に、今も中間支援組織のことを申し上げましたけれども、行政や企業と個別に当たっていくときには、普通のNPOでいいわけなんですが、もう1つ、我々セクターというんですが、行政、企業セクター、そして市民セクターというときに、そこに登場するのは、中間支援組織になっているということが大きいと思うんです。個別の地域の活動だけをやるのではなくて、ある意味では、その全体をまとめたり、連携したり、調整するのは中間支援組織で、これは全国に、民間がつくっているのが六、七十あって、なぜか行政がつくっているのが300ぐらいあるんですけれどもね。これが日本の不思議な社会なんですが、60、70で各都道府県には大体ある。そこと調整を図っていくというのが、少なくとも、各省庁の水準でもあると思うんです。大体そういうふうに考えられているので、この記述でいえば、29ページから30ページに書かれているようなことだとか、42ページで書かれているようなワンストップサービスだとか、連携というところに、中間支援組織という観点を入れていただければと思います。以上です。どうもありがとうございました。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。では、よろしくお願いいたします。
 続いて、柵先生。どうぞ。

【柵委員】

 ありがとうございます。ITの活用の面から、これは5番の具体的なところの話であるわけですが、その前のところも含めて、少し重要な点を3点お願いしたいと思います。
 3点、最初に申し上げますと、1つは、格差の解消ということです。2つ目が、互換性をつくっていくということ。それから、3つ目が、地域という中で、お互いに産学官で補完し合う関係をつくっていく。この3つについて、活用のことを、もう少し掘り下げて考えていったらどうかと思います。
 最初に、格差の解消のことですが、特にデータで見ても、やはり働き盛りというか、そういう世代の学習への参加が非常に落ちている。特に地方ほど落ちている。都市部では、それほど大きな変化はないのかもしれませんが、地方ほどそういう方、特に働き盛りは、大変な日常の思いの中で、なかなか時間を決めて、あるいはそこへ足を運んで学ぶのが難しいということは、いろいろな面でも言われていることなんですが、そういう方に対する最低限の学習への参加の保証ということで、ITの活用ということを、さらに進めていく必要があると思っています。
 これは実は、ワーク・プレイス・ラーディングですとか、あるいは、ライフ・イズ・ラーディングという形で、生活ですとか仕事の場で、いつでも学びに参加できるという、ITを活用した学び方。これは随分海外でも言われているところですが、これを日本の中でも、ぜひ取り入れていく。つまり、実社会と学びの場を接近させるというような方法の1つとして、取り入れていくことが大事かなと思います。
 2つ目が、可視化、あるいは互換性ということですが、19ページの中にも記述されておりますが、平成11年の生涯学習審議会の答申の中に、具体的に読み返してみますと、かなり詳しく、あるいは突っ込んで書いてあると思うんです。この中に、具体的には、地域の中、産学の中で、学習の成果の互換性を持たせるような、例えば、生涯学習パスポートのことについても書かれています。
 前々回申し上げたとおり、EUではユーロパスということで、そういうものを既に進めているんですが、EUの場合は、むしろ互換性というのは、国をまたぐ互換性ということに力点を置いて取り組まれているんですが、日本の場合は産学官をまたぐという、そういう共通の互換性を持ったパスポートのような形で、取り組んでいくという方向が考えられるのではないかなと思います。それにつけても、必要なことは可視化ということだと思います。いろいろなところで、行政の中、あるいは企業の中でも、学習の取り組みがあるんですが、やはりそれを何らかの見えるような形にしていきませんと、やはり産学官で共通の、互いに協力し合うときの切り口として見えないんじゃないかと思います。そういう互換性を持たせるということの中で、1つはデジタル化、ITの活用ということが考えられるかと思います。日本の生涯学習パスポートというふうに、いろいろ答申の中で言われているんですが、EUではユーロパスと言われていますが、日本版ということでは、ジャパンパスという形で取り組んでいくことが考えられると思います。
 それから、その際に、産学官ということとあわせて、もう1つは、前回ちょっと申し上げましたように、学校と成人という連続性のことを確保していくための、1つのパスポートのような形で活用されていく必要があるかと思います。学校の中では、非常に社会を見据えたキャリア教育、あるいはキーコンピテンシーの話が取り入れられていくと言われていますが、実際の社会の中でいったときに、学んできたこととどうつながるのか、どう役立てていくのかということは、社会に出る前、出た後を通じて連続性が保たれるということの、1つの手段としても活用できるのではないかと思います。
 3つ目は、地域でお互いに産学官が補完し合うという仕組みづくりのことですが、なかなかやはりこれは、今言いましたように、互換性を持ったもので、お互いに地域の人材という、目標の共有ということが1つないと、なかなかどうしても、産学官のほんとうの意味でのつながり、一緒に地域を支えて元気にしていく動きが、やはり少ないのではないかなと思います。その際に、物理的な企業の中、あるいは社会教育施設という物理的なお互いの施設間の連携とあわせて、ITを活用したネットワーク上での連携、あるいは課題を共有するための仕組みづくりということでも、ITの活用が考えられると思います。よろしくお願いします。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。それでは、よろしくお願いいたします。
 あと5人の先生にご意見をいただくんですけれども、予定の時間はあと10分でございますので、多少オーバーしてしまいますけれども、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、興梠先生ですね。

【興梠委員】

 それでは、簡単に申し上げます。3点ほどなんですが、1点ですが、先ほど山本先生が触れられたんですが、例えば、18歳成人の問題というのは、まだまだ結論は出ていないんですが、常に出てきている問題です。やっぱりライフサイクルという中で、青年期教育といいますか、ヤングアダルト、若い成人でしょうか、ここを避けて通るわけにはいかないのではないかと、私は思っているんです。目指すべき政策の方向性なのか、具体的な方策なのかは別にして、例えば、1つは、2007年で、数の面では、すべての若者たちが大学に入ることができるという時期を迎えたにしても、大学で実際に学生と向かい合っていますと、大学に入りながら、大学教育を受けるアイデンティティーを持たないという学生がたくさんいるわけです。じゃ、一体そういった学生たちに何が有効かというと、一遍大学の外に出て、そこでさまざまな体験や学びの機会をつくっていく。それこそそこでNPOやNGOの役割というのは非常に重要で、そこからまたさらに、大学のアイデンティティーを見つけ出していくことというのは、常に大学教育の現場で行われていることだと、先生方はおわかりだと思いますが。
 ということになりますと、一方で視点を変えていいますと、ある面では、それは社会教育や、生涯学習という大きな流れの世界の中で、もう一度学校教育、大学教育というものを受けていくアイデンティティーを取り戻していくという作用があるということになっていきますと、やはり青年期における生涯学習というようなものは、どのような役割を果たしていくのかということは、避けて通れないのではないかということです。
 それから、2点目なんですけれども、先ほど、山岸委員がおっしゃっていて、ちょっと屋上屋を重ねていくことになるんですけれども、どうもこの中では、NPO、企業、行政と、さらっと横に並べて論じられているような感じがするわけです。その前の生涯学習分科会の中間報告では、NPOがかなり強調されたせいであるかもしれないんですけれども、しかし、ここではあえて、例えば、教育課程部会のまとめに出てくるような、閉ざされた個から、開かれた学びという言葉が出てきたのは、非常にいい言葉です。これはやはり、閉ざされた学びから、開かれた学びへということを考えていきますと、やっぱり学んだ人たちが、さまざまな形でアクションを起こしていく。それがやっぱり大きな生涯学習を支えていく活力になっていくんだという面で、NPOは非常に重要な役割を持つという視点と、それから、2つ目に、NPOそのものが、さまざまな学びの仕組みをつないでいくという、その重要性は、きちんと書いていくべきではないかと思います。
 その中で、例えば、特に中間支援組織について述べられました。私もその運営をしているんですが、市民が成長していくと同時に、やはり地域の中でつなぐ役割をしていく中間支援組織をつくり上げていくというプロセスをきちんと明らかにして、書き込んだほうがいいのではないかと思います。
 それから、3点なんですが、15ページのところで、非常に刺激的な言葉で、ずっと考えていたんですが、「catalyst」、「媒介者」という言葉が出てきます。ここでは、コーディネーターのみにとどまらず、「媒介者」としての関係者の連携を促進すると述べられているわけですが、例えば、私どもが専門としているボランティアコーディネーションの場では、コーディネーションという中に、実は、触媒的な面も入っているんです。啓発していくことから、需給調整、情報の収集、提供から、アドボカシー、つまり施策提案に関する支援をするところまで、実は入っているわけなんです。これは私の個人的な意見ですが、したがって、ここではコーディネートにとどまるのではなくて、表裏一体のものとして考えて表現したほうがいいのではないかと、私は思いますので、ご検討いただければと思います。よろしくお願いします。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。それでは、よろしくお願いいたします。
 では、続いて、糸賀先生。

【糸賀委員】

 時間が押していますので、ちょっと確認なんですが、これは年が明けて1月に、この会議は3回開かれますね。そこでも、この答申について検討するんでしょうか。そうですね。そうしましたら、大きなところはそちらに回します。
 私、3点、細かいところであるんですが、16ページ。今、興梠委員や山岸委員の指摘とも重なるんですが、私、今までこの会議にずっと出ていて、新しい表現だなと思って、さっきから目新しさをすごく感じていたのは、16ページの真ん中のところで、公民館、図書館、博物館、青少年教育施設等の施設を総称するのに、ここで「公共的資源」という言い方をしているんです。地域の公共的資源が、公民館、図書館、博物館、青少年教育施設等の社会教育施設だと。これはほんとうに公共的資源として、公的な社会教育施設だけ考えていてよろしいんでしょうかと。それこそ、今出たNPOでありますとか、あるいはボランティアだとか、そういった人たちも、ここに書いてある、「主導的・先導的な役割を果たすことが可能な地域の公共的資源」の中には、もはや含めて考えるべきなのではないかという気がいたします。この文脈は、それこそ中間支援組織だとかNPO、あるいは今の「catalyst」の役割を強調しているんです。最後に、だけれども、その際、行政が主体的に学習機会を提供するものとしては、公共的資源としての公民館、図書館、博物館、青少年教育施設等と出てくるので、やっぱりここに、どうしても引き戻したいのかなと感じました。
 むしろ、私は公共的――この公共という言葉もなかなか難しいんですが、そういうものに民間事業者だとか、それこそボランティア、NPO、そういうものも含めていくのが、今の時代じゃないか。つまり、官と民との協働、コラボレーションの中で、公共が成り立つと思いますので、その言葉づかいは、何かもう少し慎重に、あるいは、この意味について、必ずしも公民館、図書館、博物館、青少年教育施設に限られないんじゃないかという気がいたします。それが1点。
 それからもう1つが、ちょっと先にいきまして、30ページになります。「ITの活用」のところのまるの2番目、ここに、図書館、博物館について、「資料のデジタル・アーカイブ化等の情報通信技術の発展に対応した規定の見直しが必要ではないか」といったときの規定は、具体的に何を指すのか。これは法律を指すのであれば、あとの35ページに出てくる記述と同じように、法令等の見直しというふうに、私は明確にうたうべきだと思います。この規定ですと、例えば、望ましい基準というのもあります。何を指すのかが、ややあいまいではないかと感じます。
 それから、35ページ。今も申し上げましたが、ここに「新たに法令上設けることが考えられる」といった記述があります。この中で、図書館司書と博物館学芸員についての説明の中に、インターンという言葉が出てまいります。これは多分、今回初めて出てきたものだと思いますが、この場合のインターンが何を指すのか。つまり、雇用が確保された状態でのインターンなのか、雇用が確保されていない段階で、例えば、いわゆる実習生的に、見習生としてインターンを扱うのか。特に、35ページの上のほうにある図書館のところで、「ボランティアやインターン」というふうに、ボランティアと並べて書かれているんですが、そういう位置づけでいいのかどうか。
 この辺、博物館のほうの協力者会議の中で報告が出ておりまして、その中でも、インターンという表現が見られます。その場合には、雇用が確保された上で、1年程度、博物館の実務、あるいは図書館の実務を積んだ場合に、司書としての資格を出すというような位置づけです。その辺、このままですと、ボランティアと並列で書かれているので、極めてあいまいな意味にしかならないので、この言葉を使うのであれば、もう少しここも概念規定が必要ではないかと思います。以上です。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。それでは、よろしくお願いいたします。
 続いて、菊川先生です。

【菊川委員】

 25ページに、PTAについて触れていますが、この中に、「PTAの活性化は急務である」という表現があります。地域によって差があると思うのですけれども、私が知っている限りでは、「早寝早起き朝ごはん」運動等を契機に、PTAが、今、非常に活性化しているんじゃないかと、逆に思うものですから、全国的な状況も含めて、事実確認をお願いできればありがたいなと思っております。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。
 続いて、高橋先生。

【高橋(陽)委員】

 ITの活用のところで、少しお願いがございます。30ページに、「ITの活用」というところがございます。実際、地域の教育力を高める、青少年の力を高めるときに、やはり上位のトータルとしての向上ということが大事なわけで、それは本来、ITではなくて実社会での、体を通して、心を動かして、頭を使ってというところなんでしょうが、携帯小説が今、すごくはやっていますけれども、携帯小説に応募してきた応募者は、すごい分量を書いてきたんですけれども、多分パソコンで打って、それを携帯にコピー・アンド・ペーストで飛ばしたんだろうと思ったら、そうじゃなくて、全部ずっと親指で何万字というものを書いてきているわけです。ですから、実際に、私たちが考えているITの活用と、実際に活用されているものとは、もう全く違っているんじゃないか。
 ですから、ヤングアダルトの20代、30代の人たちが、ITをどう活用して、それが単なる利便性じゃなくて、彼らの文化になってしまっているんじゃないかということを考えたときに、ここに3つまるがあって、ITの活用というのが書かれているんですが、これではもう追いつかないんじゃないかなということを、すごく思います。
 なので、予算のことはもちろん決まってしまってはいるんですけれども、ここはデータベースですとか、コンテンツで活用しようと書いてあるんですが、私は本来、ITを使っての場合は、やはり静的な情報ではなくて、動的な情報としてどう高めていくかというところに意味があると思いますので、この3つは3つでいいんですが、4つ目にもう少し、さっきの人材バンクもそうですけれども、待っていて出てくるのじゃない、むしろ埋もれたもの。さっきも企業の話をしましたけれども、下手したら、社会的に負担になってしまう人材が、案外社会的資源に変わっていく可能性ってすごく高いと思うんです。そのときに、やはりITを活用して掘り起こしていくということが、案外できるんじゃないかと思っています。それが今度、実社会と乗り入れができるようになってくればいいわけで、むしろ、埋もれている人たち、あるいは外に出てこない人たち、引きこもりも含めて、そういう意味で、ITをもう少し動的なものとして活用する実証実験も含めて、何か考えていただければと思います。
 SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)も、経済産業省でも去年おととし、地域活性化のためにというので実証実験なさったんですが、それも終わってしまって、その後、フォローがなかなかうまくいっていないということ。経済活性化のためだけじゃなくて、地域活性化をいったときに、ほんとうに教育力をどう高めていくかということこそ重要なわけで、ITの活用を、もう一歩踏み込んだ、あるいは、現実に即した形での活用ということを盛り込んでいただきたいと思います。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。
 それでは、大分時間は押しているんですけれども、最後に、江上先生にお願いします。

【江上委員】

 それでは、最後に、今のITに関連してなんですけれども、今、テレビの視聴率も、若者がどんどん下がってきております。それから、新聞も、若者の購読率がどんどん下がってきております。そういう旧来型のメディアの接触率がどんどん下がってきているというようなところで、やはり今、ご説明があったような、大人が想像つかない、我々中高年が想像つかないような使い方が、どんどん携帯とかパソコン上で行われている。
 それから、ソフト上の連想検索技術とか、いわゆる情報の引き出し方の技術開発というのも、どんどん日進月歩で進んでいる。これは多分、糸賀先生が一番お詳しいんだと思うんですけれども、そういう意味では、ITの活用というレベルではないんじゃないかと。いわゆるデジタル化時代における学び合い、教え合い、ネットワーク等々の開発ということが、やっぱり施策としては、力点を非常に大きく置いたほうがいいのではないかなと思いました。
 今、大変な勢いで環境が変わっている中での教え方、学び合いの方法論開発ということも、1つ入れていただければと思います。以上でございます。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。そのとおりだと思います。ITの活用という簡単な説明ではなく、むしろ詳しく話さないといけないということなんでしょうね。
 ありがとうございます。それでは、大変司会がぐあいが悪くて、うまく先生方のご意見を、十分に反映させていただけたかどうか心配なんですけれども、一応時間でございますので、きょうはこれまでということで、審議を終わらせていただきたいと思っております。
 なお、きょうは局長がお見えでございますし、予算も決まりましたので、いろいろおっしゃりたいことがあるんじゃないかと思いますので、ぜひ一言おっしゃっていただいて。審議については、もう一回、来年年明けにございます。そのときに、またよろしくお願いしたいと思います。
 では、局長さん、よろしくお願いします。

【加茂川生涯学習政策局長】

 ありがとうございます。いつもそう思っておりますが、本日も、大変熱心なご議論をありがとうございます。都合があって遅参して参りましたけれども、後半部分だったかもしれませんが、やはりきょうも密度の濃いご審議、ご意見を聞かせていただきました。重ねて御礼を申し上げたいと思います。
 この場でもそうですが、先生方から常々ご意見、ご示唆としていただいている事柄を、生涯学習、社会教育の振興にどう反映していくかというのが、私たち行政の仕事と、常々思っておるわけでございます。そのためには、具体の施策に展開するための予算でありますとか、制度、法律、法令整備が必要になってくるわけでありますが、特に教育基本法の改正を受けて、どう展開していくのかというのを、私ども、強く意識をしております。これもご案内のとおりではありますけれども、改正教育基本法には、生涯学習の理念の規定が新しく設けられましたし、学校、家庭、地域の三者連携についても、新しい条文が設けられるなど、対応すべき課題が少なくないからでございます。
 そのうちの最初の課題の1つが予算でございまして、教育基本法改正になってから、実質的に最初の予算になるのが、今度の予算案でございます。政府全体が大変厳しい中で、文部科学予算も、何年かぶりに増になりましたが、学校教育、生涯学習、社会教育の関係も、厳しい中でもめり張りの効いた予算になっていることを、冒頭、担当の政策課長から説明があったかと思います。私どもの生涯学習政策局の関係だけで申しますと、もともと所帯が小さい、300億を切る予算規模でしかなかったんですが、伸び率だけから見ますと、ほかの局から、羨望のまなざしで見られるぐらいの伸びが見えています。それも再生教育基本法を踏まえての家庭、地域社会の連携関係予算、それから、地域力を回復するための「放課後子どもプラン」の充実、家庭教育力関係の支援政策、言ってみれば、3本の柱に大きく予算がついたということが、大きな要因です。
 もちろんいいことばかりではありませんから、説明にあったと思いますが、めり張りが効く中で、従来の手法についていえば、厳しい査定を受けた部分もございますが、トレンドとしては、改正教育基本法を受けて、まず予算について、政府案ができて、これで国会でご審議いただければ、具体に動ける道具がそろったということになります。
 もう1つは、やはり法令の整備でございまして、今、ご審議いただいている答申案と密接に関係をしてまいりますが、具体に関係する法律について、さらに制度の充実、改正を図っていって、さらなる予算になったり、制度設計になるのかもしれませんが、私ども、ぜひその充実を図りたいと思っておりますから、引き続きこの場でのご審議、ご示唆、ご意見をいただきたいと思っております。まだまだ審議が続くことになりますし、お願いすることも多いかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

【田村分科会長】

 ありがとうございました。大変力強いごあいさつで、元気が出ました。ありがとうございます。
 それでは、事務局から、まだ何かございますか。

【上月生涯学習推進課長】

 きょうはほんとうに、質、量とも大変豊かなご意見をいただきまして、ありがとうございます。きょうは盛り込む事項ということですので、冒頭申し上げましたように、若干体系的なものも含めて、未整理なところを、これから、きょうのご意見も踏まえて整理したいと思います。
 また、文章のたたき台をつくる立場として、若干申し上げたいのは、わかりやすさということと、こういう論点があったらこれもという、その調整、バランスをどうしていくかということがあります。それから、中教審では、ほかの分科会でもいろいろな議論、例えば青少年の話が出ましたけれども、それは青少年のほうでも、ことしの1月ぐらいに出たりして、そういう関係とか、そこの調整もありますので、そういったことを、きょうのご意見とともに整理しながら、分科会長と相談しながら、次回、資料とさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。本日は、ありがとうございました。

【田村分科会長】

 どうもありがとうございました。
 それでは、ほかには何かよろしいですか。次回のこと等は。

【上月生涯学習推進課長】

 恐縮ですが、次回は年明けで、1月15日、10時から、きょうと同じぐらいの時間をかけて、ご審議をいただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。会場等については、追ってご連絡申し上げたいと思います。

【田村分科会長】

 それでは、本日の生涯学習分科会は、ここまでとしたいと思います。本日は、年末の大変ご多忙中、時間をお分けいただきまして、大変申しわけありません。ほんとうにありがとうございました。多数ご出席いただきまして、また、たくさんのご意見をいただきまして、ほんとうにありがとうございました。きょうは、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

─了─

(生涯学習政策局生涯学習推進課)