平成19年12月17日(月曜日)13時~15時30分
グランドアーク半蔵門「光」(3階)
田村分科会長、糸賀委員、岩田委員、岡島委員、菊川委員、興梠委員、柵委員、島田委員、高橋(興)委員、高橋(陽)委員、土江委員、中込委員、平野委員、藤委員、水嶋委員、山本委員
加茂川生涯学習政策局長、関口大臣官房審議官、清木生涯学習総括官、関初等中等教育局視学官、川上生涯学習政策局政策課長、上月生涯学習推進課長、平林社会教育課長、湊屋男女共同参画学習課長、椿参事官、安間青少年課長、小林社会教育官、栗原地域学習活動支援室長、岩佐家庭教育支援室長
【田村分科会長】
それでは、時間になりましたので、ただいまから中央教育審議会第46回生涯学習分科会を開催させていただきます。藤委員が少しおくれてこられるということですけれども、一応メンバー、主だった方は全員そろわれておりますので、始めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
本日は、お忙しいところ、お見えいただきましてほんとうにありがとうございます。先日の第45回分科会におきまして、答申骨子の素案をお示しさせていただきました。ご意見をいただいております。これまで多岐にわたったご議論をいただいてきましたけれども、いよいよこれから答申の取りまとめということになりますが、その際、もうちょっと議論を深めていただくという点が4点ほどございますので、きょうはその辺を中心にご論議を深めていただければ、大変ありがたいと思っております。
具体的には、資料をお配りしておりますけれども、放課後子どもプランという問題、それから2番目が地域全体での学校教育の支援、3番目が家庭教育支援、4番目が民間教育事業者が提供する学習機会の4点でございます。これまでも折に触れてご発言をいただいてきたところでございますが、さらにご審議を深めていただければと思っております。
これらのことにつきまして、現在、学習指導要領が議論されております初等中等教育の分野では、生きる力という言葉でご説明をし、世の中に訴えている考え方がございますが、これは現在、私たちの日本の国の教育についての基本的な考え方の流れだろうと受けとめておりますが、その辺のこともお踏まえいただいてご発言、ご議論をいただきますと、大変実りのあるものになるんじゃないかというふうにも考えております。
なお、本日の後半は、前回ご審議いただきました答申骨子の素案を改定しました答申の全体の流れについてのご審議をいただく予定でございます。
きょうはまだ、先ほど藤委員がおくれると申し上げましたが、島田委員も少しおくれておられますが、審議は始められると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
ではまず、事務局から、本日配付させていただいております資料のご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【小林社会教育官】
それでは、失礼いたします。お手元の資料、1-1から資料1-4までまとめてご説明させていただきたいと思います。
資料1-1から1-3でございますが、こちらは、前、概算要求のご説明のときにも既にご紹介させていただいているかと思いますが、地域で関係者、関係機関が連携して実施することによりまして、地域に特定の機能を持ったシステムを構築しようとするようなものでございます。資料1から1-3の主な対象は子どもということで、ただ大人もそこに参加することによって地域の教育力全体を高めようとする事業を3つ扱わせていただいております。
全体としまして、いずれも資料のつくりですが、1つ目に現状の説明、それから2番目に現状分析した課題、それから3つ目に、本日特にご議論いただきたいような今後のあり方についてどう考えるかという点につきまして挙げさせていただいております。
それでは、資料1-1でございますが、放課後子どもプランにつきまして、現状、こちらの事業でございますけれども、心豊かで健やかに子どもたちが育まれる環境づくりを推進するために、安全・安心な活動拠点をつくるということで、平成19年度より、子ども放課後プランという事業を創設いたしまして、全国での実施を目指して、現在、その推進を図っているところでございます。
この放課後プランですけれども、文部科学省の放課後子ども教室推進事業と、厚生労働省の、共働き家庭の子どもを特に対象といたしました放課後児童健全育成事業という2つの事業を一体的、あるいは連携して実施するものでございます。
実際の活動内容でございますけれども、これは自治体、地域によってさまざまでございますが、大体授業終了後の放課後や休日に体育館や校庭、あるいは余裕教室で自主遊びですとかスポーツ、工作、ゲームなどを行うということ、あるいは宿題の中の自主学習ですとか読書などが行われているようでございます。
現在、平成19年度ですが、全国約6,300カ所で実施されております。こらちの事業、まだ開始したばかりでございますけれども、いろいろな意見をいただいておりまして、その中で課題といたしまして、予算の確保、あるいは学習アドバイザーですとか安全管理委員の人材の確保、それから事業実施のための場所の確保、それから実際に学校、家庭、地域社会がどういうふうに連携するべきかという連携のあり方、あるいは厚生労働省の事業との調整、それから実際活動内容や運営手法について参考となる事例がまだないといった、そんなご意見をいただいております。
今後の具体的方策案でございますけれども、まずは始まったばかりの事業でございますので、総合的な調査をいたしまして実態把握をすることが必要ではないかということを検討しております。
また、2つ目の
でございますけれども、事例をある程度収集した上で、国としても情報提供を地方自治体のほうにしていくべきではないかということで、例えば学校、家庭、地域の連携システムのあり方、どういったものが効果的か、あるいは国、都道府県、市町村の役割分担のあり方、それから実際の活動内容や教室の運営の参考となるプログラム、それから効果的な、これに携わる人材の方々の研修プログラムのあり方などについて事例を収集する必要があるのではないかと考えております。
それから3つ目でございますけれども、今、分科会長のほうからもご紹介ありましたけれども、「生きる力」というものを踏まえました場合に、学校教育との関係に配慮して、実際に教育効果がある放課後のプログラムというのは一体どういうものなのか。ただの居場所づくりということから、もう少し効果のあるものということを検討した場合には、何か考えられないかといった課題がございます。
後ろに参考資料を添付させていただいておりますが、時間の関係で詳細は省かせていただきます。1つ目の資料が、本年度、来年度の概算要求を踏まえまして、この事業でどのような構成になっているかという資料でございます。
その次の資料は、平成16年から平成18年度に実施しておりました別の事業でございますけれども、似た地域子ども教室推進事業というものがございまして、こちらではどんな活動がなされていたのか、現在の放課後子どもプランと全く同じというわけではございませんが、似たような活動がなされているということで参考につけさせていただいております。中を見ていただきますと、先ほどご紹介させていただいたような工作活動、昔の遊び、自然体験活動などが多く行われていることがわかります。
そのあとに、4つほど、ポンチ絵で、現在、さまざまな地域で行われております放課後子どもプランの特色ある取り組み事例というものをつけさせていただいております。最初が品川区のすまいるスクールという事例でございまして、こちらは厚生労働省のほうでやっております放課後児童健全育成事業ということともあわせて位置づけて、一体的に行っている事例ということでつけさせていただいております。小学校1年生から6年生までの全部の児童が対象ということで、指導には、実際に放課後児童クラブの指導員だった方々が現在こちらの子どもプランの指導員といいますか、手伝いをされているというふうになっておりまして、活動内容も、フリータイム、勉強会、さまざまな教室ということになっております。
次につけておりますのが、豊島区の子どもスキッププランということで、こちらも学童クラブと全児童対策が併存したものになっております。
それからその次の岐阜市の事例でございますが、こちらは子どものさまざまな体験の場・交流の場・遊びの場という事業と、学習、読書などの授業、それからさらには共働き家庭を対象にした留守家庭児童を対象にした3つの事業を一緒に行っているという事例でございます。
それから最後につけました広島県の事例でございますけれども、こちらは三原市の市長の発案・主導によって、総合的な放課後対策を推進しているという事例でございます。ただ、こちらの教室は、放課後児童クラブがない小学校区に放課後教室を設置しているということで、まだ具体的な連携は行われていないという事例でございます。
なお、放課後子どもプランに関連いたしまして、まだ未定稿ということで、全くご参考までにつけさせていただいておりますのが、諸外国の事例ということで、諸外国でもさまざまな放課後活動が行われているようでございますが、大体が子どもの安全な場所の確保、それから働く女性への支援、少子化への対応、こういったことのほか、子どもたちへ何らかの教育効果、特に情緒面での効果をねらった体験活動などが実施されていることがわかります。特に、この国際会議の報告となっておりますけれども、今回の参加国では、放課後の教育上の効果を重視して、正規の教育課程以外の放課後の時間帯を積極的に教育に使おうという動きが見られるというのが印象的な報告になっております。
それでは次に、資料1-2のほうのご説明をさせていただきます。こちらは、地域全体で学校を支援する体制整備ということで、仮称でございますけれども、学校支援地域本部事業ということでつけさせていただいております。
こちらの現状でございますけれども、いわゆる「地域の教育力の低下」という指摘、それから学校の状況をめぐりましては、教員が多忙である、あるいは勤務負担の軽減を図る必要があるというような背景を踏まえまして、各地で地域住民による学校支援活動を促進し、地域ぐるみの子どもの教育の推進や地域の教育力の工場などを図る取り組みが行われているということで、取り組み事例といたしまして、こちらも3事例つけさせていただいております。これはもう既に各地域で取り組まれているものでございますけれども、杉並区の和田中学校の例は、学校を核にした「市民」社会づくりを目指して、土曜日の学習サポート、あるいは学校図書館の司書業務サポート、校内の緑地化などの活動を市民が積極的に支援しているという事例で、資料の2枚目に具体的につけさせていただいております。
それから青森県教育委員会の事例、こちらは高橋委員がお詳しいかもしれませんけれども、学校支援ボランティアを活用した学校支援活動を実施している例ということで、資料の3枚目、ページを振っていなくて恐縮ですが、3枚目につけておりまして、学校支援型、環境支援型など、さまざまな支援の形があるのをごらんいただけるかと思います。
それから3つ目の事例といたしましては、小平市の教育委員会が取り組んでいる事例で、これは地域全体が一体となった教育改革ということで、子どもたちの安全確保から事業の支援まで、さまざまな活動を地域全体が学校を支援するという形で実施されているものでございます。
これらの現状ですとかさまざまな取り組みから、幾つか課題が挙げられるかというものが2.のところでございますけれども、例えば学校と地域の連携への具体的なあり方はどういったものがいいのか。それから地域住民が学校支援活動に参加することについての、学校教職員の意識改革はどうなっているのか。それから、地域住民が学校支援活動を行うための活動経費の確保の必要性。それから、学校と地域住民との調整を行う地域コーディネーターなど、学校支援ボランティアの人材の確保の必要性。それから最後に、教育委員会内における学校教育担当課と社会教育担当課との連携のあり方というようなことが課題ではないかということで挙げさせていただいております。
また、3.のところでございますけれども、こういった課題、現状を踏まえまして、文部科学省では学校と地域との連携体制を構築し、地域全体で学校を支援する学校支援活動や、登下校の安全確保の活動など、地域住民による積極的な学校支援の取り組みの推進するということで、平成20年度を新規事業として、現在、概算要求中ということで、最後に資料を2枚つけさせていただいております。
それから、次に資料1-3、こちらは家庭教育支援についての資料でございます。
こちらの現状といたしましては、社会全体での家庭教育支援の必要性が高まっているという指摘がございますので、親などの保護者に対して家庭教育の重要性についての認識を促すとともに、子育てについての不安や悩みを解消するため、国、地方公共団体が、情報や学習機会の提供、それから相談体制の充実、家庭教育を支援する人材の養成など、さまざまな家庭教育支援の取り組みを、現在、実施しているところでございます。
ただ、こういった状況に対しまして、課題といたしましては、これまでの取り組みは、主に親などに対する家庭教育に関する理解を深める場や、そういった機会の提供といったものを中心とした支援策であったために、無関心な親ですとか子育てに不安や悩みを持つ孤立しがちな親、あるいは子育てに関心は高いが学ぶ余裕のない親などに対しては十分な支援が行われにくい傾向があったのではないかといった指摘。あるいは父親の家庭教育参加の促進といったものが課題になっているのではないかということを課題として挙げさせていただいております。
これに対しまして、今後の具体的方策でございますけれども、さまざまな状況の子育て中の親などがいることを踏まえた、多様かつきめ細かな家庭教育支援策を身近な地域で講じていくことが重要ではないかということで、幾つか具体的には、各家庭の求めに応じたきめ細かな情報提供や相談対応の実施。訪問型による相談や情報提供の実施。父親の参加促進のために、例えば企業に働きかけるなどの方策。あるいは身近な地域で家庭教育支援を行う中核人材としての子育てサポーターリーダーの養成の必要性。それから就学時健診や入学説明会など、多くの親が集まる機会を活用した家庭教育に関する学習機会の提供。それから、関係省庁、関係部局や子育て支援団体とのさまざまな連携のあり方、こういったものをご検討いただく必要があるのではないかということで、資料に挙げさせていただいております。
後ろにつけてございます資料ですが、最初の資料、こちらは家庭の教育力向上に向けた総合的施策の推進ということで、新規事業を2つ、地域における家庭教育支援基盤形成事業、それから家庭教育支援指導者養成標準カリキュラム開発事業を新規ということで挙げさせていただいておりまして、そのほか、家庭教育手帳の作成、あるいは子どもの生活リズム向上プロジェクトといった事業を挙げさせていただいております。
その次のポンチ絵でございますが、これは平成20年度の概算要求のご説明の資料となっておりますが、さらに後ろにつけてあります19年度限りの家庭教育支援総合推進事業と比較いたしますと、特徴的なのは、これまでのどちらかというと行政的な位置づけで設置されてきた、例えば地域家庭教育推進協議会といったような運営委員会などから、平成20年度の概算のほうでは、より家庭教育を身近にサポートできるような組織、仕組みを地域で構築しようということに主眼が置かれたものとなってございまして、講座などもより地域の自主性、あるいは主体性を生かしたものへということが特徴となっております。
その後ろに、事例といたしまして、現在さまざまな地域で取り組まれている、例えば千葉県成田市の事例、就学前の子どもを持つ親向けの講座の事例などをつさせていただいております。
時間がないので、資料1-4のほうに移らせていただきます。資料1-4は、これまでの資料1-3までと若干タイプが異なりますけれども、こちらは民間教育事業者が提供するさまざまな学習機会につきまして、その質、あるいは評価のあり方についてどう考えるかということでまとめさせていただいている資料でございます。
現状といたしましては、民間事業者が提供する学習機会、いわゆる教育サービスといってよろしいかと思いますが、そういった教育サービスの分野や種類が非常に多岐にわたるため、その学習成果の評価のあり方というのも、また多種多様な状態であるということ。それから、生涯学習の成果に対する社会的評価につきましては、2枚目の資料をつけてございますけれども、アンケート調査をいたしますと、約6割の人が何らかの社会的評価を望んでいるという調査がございます。またさらにその後ろに資料を3枚ほどつけてございますが、これは個人ですとか企業に対する調査をいたしますと、例えばそういった民間教育サービスの1つである検定試験につきましても、約6割の人が、何らかの中立公平な機関が行うような検定の質を保証する仕組みを望んでいるということがわかるデータでございます。
こちらにつきまして、課題でございますけれども、審議会の過去の答申などにおきましても、あるいは今回中間報告としていただいております中間報告にも、こういった施策の必要性についてはこれまでもご指摘いただいております。
具体的には、例えば社会教育行政は民間教育事業者や民間団体との連携をもっと強化するべきであるというご意見ですとか、学習機会の質や信頼性はさまざまであり、学習者の選択は容易ではなく、また学習者の利益も保護されていないといったような実態。それから、特定地域を超えた評価の流通性といったものが必要だというご指摘。それから、学習機会の提供者がそれぞれ工夫して多元的に評価することが重要ではないかといったご指摘。さらに、学習者の要請に応じて、民間団体だけではなくて公的機関による評価といったことを拡充することも必要ではないかといったご意見。さらには、より具体的に第三者機関が事実確認や証明を行う学習成果の認証システムといったものの検討が必要ではないかといったようなご指摘を、これまでもいただいております。
今後の具体的方策案、3番のところでございますけれども、こういった状況に関しまして、教育サービスはさまざまで大変多種多様な教育サービスにつきましては、実際に今後行政とどのように連携していくべきか、その連携方策の具体的なあり方や、その質保証のあり方について検討する必要があるのではないかといった課題。
それから2番目の
でございますけれども、生涯学習に係る評価制度の創設につきましては、これまでも中間報告でもご提言いただいているところでございますけれども、まず多種多様な学習機会をすべて対象とすることはかなり困難でございますので、例えば第一歩として、民間事業者が実施する検定試験を対象にしてはどうか。ただ、その際に行政改革の観点などからも、国が直接質の保証をするということは困難であるため、民間の力を活用したような第三者評価機関が行うこととしてはどうか。その際に、第三者評価機関が行う評価につきまして、その客観性ですとか質を担保する必要があるため、例えば国において、第三者評価機関が評価を行う際の参考となるガイドラインなどを作成してはどうかということで、検討課題を挙げさせていただいております。
後ろにつけてございます資料ですけれども、先ほどちょっとご紹介いたしましたように、さまざまな企業ですとか学習者に対するアンケート調査の結果をまとめさせていただいております。
最後、まだ未定稿の資料でございますけれども、全くのご参考までに、欧州ヨーロッパのほうでも、こういった生涯学習の共通の資格フレームーワークといったものをつくり始めている動きがあるということで、参考につけさせていただいております。もちろん背景など全く異なるわけですけれども、EQFという制度の中では、各国それぞればらばらの資格があるところ、1つの翻訳機能を持つような仕組みをつくろうということで、ヨーロッパ域内の資格の比較対象を可能とすることによって、さまざまな知識・技能・能力の市場の需給バランスをよりよいマッチングを可能とすることですとか、あるいはインフォーマル、非公式な教育の通用性ですとか認知度を向上させるですとか、国際的な資格の活用をより向上させるといったことを目的としているものということで聞いております。
以上、長くなりましたが、資料のご説明をさせていただきました。
【田村分科会長】
ありがとうございました。一挙に4つご説明をいただきました。4つですので、一挙にというのも大変なんですが、一応1つずつ20分ほどに区切らせていただきましてご審議をちょうだいしたいというふうに考えております。それでよろしいでしょうか。一挙に4つというと混乱しますので。
それでは、資料1-1、放課後子どもプランについてのご議論を最初にお願いしたいと思います。特に、資料の中で事務局から示されていますが、具体的方策案というのが出ています。これは具体的にご意見をいただくには、これに基づいていろいろなご意見をいただくと非常に役に立ちますが、その辺のところをひとつお踏まえいただきながらご意見をちょうだいできればと思っております。
それではまず、資料1-1を手元に、放課後子どもプランについてということで、3番目の今後の具体的方策案というのが
で3つほど挙げられていますが、その辺のところも踏まえましてご意見を賜れば大変ありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
どうぞ、興梠先生。
【興梠委員】
ちょっと私、授業があって早めに出させていただきますので、先に、申しわけありません。
放課後子どもプランについて、これは今出された4つのものに共通したことなんですけれども、私自身、今各地で行われている放課後子どもプランについて直接訪れて研修会などについてお話をさせていただいたりいろいろしております。
共通して、1つだけ強調してお話をしたいわけです。これまでに文科省は、放課後子どもプランの以前には子どもの居場所づくり、そして、その以前には体験活動、奉仕活動を支援していくということ、さらに今度は、放課後プラン以外に、いわゆる地域本部を置いていこうというような形で施策をしているわけですが、今の時代というのは、さまざまな教育課題というものが生じていて、それに応じながら、文科省としては施策をどんどん都道府県などの協力を得ながら提供していくということになるわけなんですが、ただ、共通して起こっている問題というのは、実際の市区町村において人材をどのように確保して提供していくかというシステムで非常に苦慮しているわけです。
実際には、例えば町会自治会のような地縁社会、それからボランティア、NPO団体、社会貢献企業、そしてまた行政の諸機関が持っている問題意識などをつなぎながら、具体的に文科省から提案されているこれらの諸事業に対して、区市町村はそれに応じて施策を実施していかなければいけないわけですが、持続可能な形での地域の協力者や、先ほどのボランティアや地縁社会、社会貢献などの人材を実際に募集し、そしてそれを結びつけ、また提供していく、また情報収集、提供していくというようなコーディネーションのシステムというものを継続的に確保していかないと、なかなか難しいということがあります。
例えば、1975年以降に厚生労働省は全国社会福祉協議会を通して、全国の市町村にボランティアセンターを設置、配備し、さまざまな福祉課題にこたえてきたわけです。ただし、なかなかコーディネーションというのはお金がかかって、かなり予算的には苦慮しているような現状だとは思いますが、一方で生涯学習、社会教育に関しては、どちらかといいますと、こういう人材を集め提供していくシステムについては、それぞれの予算にコーディネーターの人件費という形でついているんですけれども、市町村が継続的にコーディネーターを設置し、例えばバンキングを含めて、ボランティア人材バンクだとか、コーディネートしていくためのセンターというものを、きちっとした形で確立していくということも別個で考えていかないと、さまざまな施策がおりてきたときに、それになかなか十分な形で対応していくことができないという現状を抱えているわけです。
したがって、またちょっとここの事業とは少し離れるのかもしれませんが、本格的に公民館や社会教育施設等を活用しながら、もう少しきちんとした情報収集提供システムを確立していくところをお願いしたいと思います。
それからもう1点、子どもプランについてですが、ボストンだとかニューヨークの事例を見てみますと、日本で言うと中学生、高校生の年代の対応というのに非常に力を入れているわけなんです。特に思春期を迎えた青少年というのは、さまざまな課題を抱えている。ただし、子どもプランに関しては、事情はあると思いますが、小学校段階にとどめおくという場合が多くて、例えば特に中学生、高校生世代に関しては、まだまだ対応が難しいところがあります。そういう面では、年代的な、もう少し延長も考えていくことも、厚生労働省との関連で難しいところがあるかもしれませんが、ぜひご検討いただいたほうがいいと思います。
今の中高世代はさまざまな問題、課題を抱えていますので、それに関して発達段階に応じた対応ができるような柔軟な施策もこれから考えていただければと思います。
以上です。
【田村分科会長】
ありがとうございました。何か事務局のほうからおっしゃることはありますか。よろしいですか。ネットワークのことは、次の1-2でもってもう1回議論させていただきます。年齢の制限はまた次のテーマということで。糸賀先生、どうぞ。
【糸賀委員】
この放課後子どもプランについて、先ほどの事務局の説明を聞いているときに感じた点を1点申し上げたいと思います。
この資料の最初のページ、現状のところで、具体的な実施状況として、ここには放課後子ども教室のことが説明されており、体育館や校庭、余裕教室等で自主遊びやスポーツ、工作、ゲームなどを行っているということで、ここでのイメージですと、学校という施設の中であいている教室だとか体育館を使っていると。あるいは図書室を使って宿題等の自主学習を行っているということなんですが、生涯学習分科会としては、こういうふうなことは、必ずしも学校という施設の中だけではなく、もう少し広く社会教育施設の中でも可能ではないかというふうに感じました。今のところは、とにかく学校の中だけでやっているものを指すんでしょうか。
【田村分科会長】
どうぞ。
【小林社会教育官】
学校の中だけではなくて、社会教育施設も対象にはなっております。ただ、実際に子どもたちが放課後、安全・安心な居場所の確保ということで、現状では教室にそのまま残って学校でというのが多くなっているようでございます。
【糸賀委員】
あとのほうに出てまいります品川区でありますとか豊島区、あるいは岐阜市の事例を見ても、主として学校が想定されているように思うんです。
しかしながら、私が全国を見ている限りで、例えば普通の公共図書館で、学校が終わってから子どもたちがそのまま図書館にやってきて勉強しているという光景はあちこちで見受けます。特に南九州でありますとか沖縄地区にまいりますと、初めから公共図書館にランドセル置き場が用意してあります。ランドセル置き場が用意してある意味は、当然学校からそのまま子どもたちが図書館にやってきて、そこにランドセルを置いて、ほうり込んで、上級生が下級生に勉強を教えてあげたり、一体となってそこで放課後の一定の時間を過ごし、夕方になるとパートタイムの仕事を終えた母親が図書館に子どもを迎えにやってくるという光景は、あちらこちらで私、見ております。
そういう意味では、放課後子どもプラン、学校に限らず地域との連携という意味では、地域の社会教育施設でも十分可能だろうと思います。
ただ、そうした場合に、今言われたとおりで、生徒の安心・安全ということを考えると、なかなか目が行き届かない面も出てくるので、社会教育施設の活用という点でちゅうちょされているのかと思いますけれども、そこは一方で、今度は地域の目ですね。当然ボランティアで協力してくださる住民の方々もいらっしゃいます。学校の先生と連携することで、調べる学習、調べ学習なんていうのは図書館を活用することでむしろうまくいく、進展するのではないかと思います。実態と合わせて考えてみましても、必ずしも学校という施設にとらわれることなく、広く社会教育施設、とりわけ生徒さんの学習という観点から考えると、地域の公共図書館も活用した放課後子どもプランという方向も考えられるのではないかと思います。
以上です。
【田村分科会長】
ありがとうございます。予算案が次に出ていますけれども、今の糸賀先生の話は対応できるようになっているんですか。
【上月生涯学習推進課長】
基本的に社会教育施設を排除するものでもないし、そういうところを実際にその場として使っているところもあります。
ただ、これは、おおむね2万カ所ぐらいあるんですけど、全部どこでもそういうような安心できる場所でいろんな活動をということですので、そうしますと、どうしても全国どこにでもある公共的な施設といいますと小学校ということが一般的には多いかなと感じております。
【田村分科会長】
ということです。よろしゅうございましょうか。
【糸賀委員】
はい。
【田村分科会長】
ありがとうございます。
それでは次に、順番は土江先生からいきますか。どうぞ。では、その次。
【土江委員】
今年度からこの放課後子どもプランという形で2省が一体的に事業をされたということで、大変高く評価するわけですけれども、この2つの事業、それぞれ目的が違うということで、目的をしっかりと押さえておかないといけないのかなと思います。
私ども現在取り組んでいるわけですけれども、生活リズムの向上でありますとか、子どもを介して大人が育つ地域の教育力、ひいては家庭の教育力と、こうしたものを目指すということをしっかりと念頭に置いて進める必要があると。2つを一緒にくくった場合に、いい面もありますけれども、まだ効果があらわれない面もあるんじゃないのかなということで、この課題にもありますけれども、生きる力を踏まえた学校教育との協働支援、こうした視点を尊重しなきゃいけないのかなと。
それから、学校原則として、先ほど糸賀委員からございましたけれども、確かに学校を核として安全の面も含めて、あるいは学校を核とした地域づくりというのは非常に重要なんですけれども、今年度、社会教育施設、あるいは団体等で総合的な調査がなさっていますけれども、この調査結果をしっかりと踏まえて、私は社会教育施設でも放課後プランが開設されればと思っています。
現在、私ども市内25カ所と、それから放課後児童クラブと一体となった施設が1カ所と、4カ所で社会教育施設で進めているわけですけれども、特に土曜日とか日曜日とか長期休業日、夏休みとか冬休み、そうしたところでその施設の専門職がきちっとしたプログラムの中でより充実した活動をやっておりますし、そこへ校区だけじゃなくて全市的に子どもたちが参加できるということで、非常に効果が上がっていますので、こうした点にもご配慮いただきたいと思います。
もう1点は、この対象が小中学生になっていますけれども、幼稚園の子どもたちも参加できないのかなと。確かに子育て支援という面から見たときに、保育所の子どもたちは長時間の保育もありますし、小学生は、こうした放課後児童クラブがあります。幼稚園も預かり保育というのがあるんですけれども、実際に、各自治体、今厳しい財政難の中で、文科省の打ち出している預かり保育をやっていく場合、幼稚園で極めて困難な部分はあるわけなんですが、そうした子育て支援という一面と、法改正がなされて幼児教育の重要性がうたわれているわけでして、そういう中では、小学生との交流、あるいは中学生、あるいは異年齢の交流、こうした接続とか系統性という面からも、そして地域を巻き込んだ家庭教育という面からも、ぜひとも幼稚園の園児の参加も考慮していただきたいと思います。
以上です。
【田村分科会長】
ありがとうございました。何かおっしゃることはありますか。よろしいですか。
実は、私のところ、子ども園というのをこの4月に初めて認可されて始めているんですけれども、子ども園では幼稚園と保育園の園児が非常にうまく交流して、放課後子どもプランの幼稚園版ですね、保育園の子どもも含めたものが実際に行われております。これからどんどん今のような話が進んでいくんじゃないでしょうか。
じゃ、岩田先生、どうぞ。
【岩田委員】
私も、厚生労働省の放課後児童健全育成事業、放課後児童クラブとこれから申し上げますけれども、それとの連携についてお話をしたいと思います。
今おっしゃったご意見と方向が違うんですけど、私は放課後子どもプランと放課後児童クラブは、限りなく重ねて実施していただきたいと思います。それは、1つは、母親は仕事をするのが当たり前の社会になると思っています。今の政府の少子高齢化対策として将来予測を立てましたけれども、子どもを持つ母親の労働力率を高めるというのが政府全体の政策でもありますし、多分、その流れは正しいというのか、確かだと思います。
ですから、母親が働いているということを前提とした施策の枠組みを考えていただきたいということですので、例えば今両省間でやっているものを、ほんとうであれば1つのものとしてやっていただければ一番ありがたいと思いますが、そうでないとしても、放課後子どもプランの中に放課後児童クラブの要素を必ず内包させるか、そうでなければ、同じ敷地の中に併設するというのを原則として展開していただけないかなと思っています。
放課後児童クラブ側から見ても、子どもの生活の場であるというふうにこれまでしてきておりますけれども、単に休息すればいい、安全・安心だけを確保できればいいということだけではなくて、放課後の子どもの生活の質を教育という観点から見てどういうふうに高めるかというのは、母親が働いていようが働いていまいが共通のニーズがあると思いますので、できるだけ2つの事業を重ね合わせて実施していただきたいと強く思っております。
【田村分科会長】
ありがとうございました。そのとおりだと私も思います。
では、ご意見、どうぞ、中込先生。
【中込委員】
いろんな施策、すごくいいように思うんですが、資料1-1で、今後の具体的方策案の中に、1つ、生きる力という言葉が出てきているわけです。これはいろいろなところで使われているんですが、別に言葉にこだわるわけではございませんが、生きる力というのは、パワーなのか、スピリットなのか、両方なのか、ただ力があるんだぞということをつけるのか、あるいは生きる喜びを教えるのか、その辺のところが、生きる力と出ると、おれは強いんだというような、力をつけるのかなと、今の社会、こういう状況でございますから、ちょっと言葉にこだわってみたわけでございます。大変失礼いたしました。
【田村分科会長】
ありがとうございました。これは大事な指摘ですね。読む人は普通の人ですから、その辺のところの。我々は常識的に思っちゃうんですけども、おっしゃるように普通の人が読むと、中込先生がご心配になっているようなことが出てくる可能性はありますね。うまく、ひとつそこはよろしくお願いいたします。
時間にそろそろなっちゃうんですが、次のテーマに進めさせていただいてもよろしゅうございますか。
それでは、次の資料1-2のほうに移らせていただきます。地域全体での学校教育の支援についてというテーマでございます。学校地域支援本部、先ほど糸賀先生がお触れになりましたけれども、いわゆる拠点、ネットワークというんでしょうか、この問題に文科省も取り組みをやろうというお話でございますが、これについてご意見があれば、ぜひちょうだいしたいと思います。いかがでしょうか。どうぞ、岡島先生。
【岡島委員】
1のところと連動するんですけど、先ほど興梠先生がおっしゃったコーディネーター的なところです。私どももいろいろNGO活動などもして、子どもプランもそうですし、居場所づくりもいろいろ協力させていただいている中で、うまくいっているところはすべてコーディネーターがしっかりしているところなんです。学校のことは先生はわかっているけれども、外部がなかなか学校の事情がわかりにくい。それから外部のことを学校の先生がまたわかりにくい。幾つかあって、両方わかっている人が非常に必要なんです。
それからもう1つ、この1、2、3、みんなある意味では連動する作業ですね。ですから、あるコーディネーターがしっかしていると、この3つの事業及び他省庁の事業、こういうのもコーディネーターの人がしっかりうまくまとめて受け皿をしっかりすると、いろいろ連携しながら有効に動くんです。予算の使い方もいろいろ動く、文部科学省のお金は正直言ってなかなか使いにくいんです。全部使い切らないといけなかったり、人件費がなかなか出なかったり。それが例えば河川局の仕事とかが一緒にくっついてくると、いろんな融通がきくわけです。
そういったようなことを、いろいろコーディネートする方がしっかりと見ていただくといいんじゃないか。しかし、それはかなり知識とか経験が必要なんですね。ですから、総合的な学習の時間のときもよく言われましたけれども、学校の先生に何かやらせたらとても無理で、お忙しくて難しい。そうではなくて、外部の協力者がいなければなかなか難しかった。今度、スポーツ青少年局でも似たようなことで、自然体験で同じようなことをしますけれども、自然体験の場合には、ボーイスカウトですとかいろんなところと協力しながら、外部の指導者を要請して、その指導者に学校教育のことも勉強してもらって、それとあわせて先生と協力し合う体制をつくろうということで、予算のほうも外部の指導者要請というもので計上しております。
同じように、予算云々は別としても、コーディネーターのようなものが世の中に必要になってきているんじゃないかなという気がするんです。社会教育主事の方がたくさんいらして、社会教育主事の方の中で外部のことにすごく明るくて、自分自身もNGO活動をやっているような社会教育主事の方がいらっしゃるところはすごくいいんですけども、人数もそんなに増やせない。いろんなことになりますと、当然民間からの協力、それから3番目にありますような父親の参画が不可欠になってくると思うんです。
ですから、その辺のところを、今回は無理でしょうけども、コーディネート的なことをやる人を育てるための何か施策のようなものが、このあと続いてほしいなと。それも、先ほど興梠先生がおっしゃったように、3年、3年、3年、しようがないんでしょうけれども、ぶつ切り政策みたくなってきて、3年たつと変わってしまったり、担当の方が変わるとまた意識も変わってしまうというようなことで、なかなか難しい場合もあるんですけれども、できればちょっと長めの、5年ぐらい割いて、そのぐらいの視野を持ったコーディネーター育成事業のようなものがあるといいのではないかと。
今回、この3つの中でも、地域社会、自治体のほうでしっかりした計画を立てられれば現状でもそういうことはやっていけると思うんですが、できればこういう中央のほうから、こういうシステムでやろうと。これはあともう1回機会があったら申し上げたいんですけど、4番のことにもかなり関係してくると思うんですが、言いたいのは、世の中のいろいろ流れが、戦後60年の間にいろいろあった中で、社会教育的な部分で民間との協力、NPO、NGOなどとの協力というものがかなり大事な課題になってきているのではないかということを申し上げたいと思います。
以上です。
【田村分科会長】
ありがとうございました。ほんとうに教育基本法ができたこの時期のこの議論ですので、非常にやりやすいと思いますので、よろしくひとつ、総体としてのシステムをお考えいただきたいと思います。どうも失礼しました。
では、興梠先生、次に高橋先生ということでよろしいでしょうか。
【興梠委員】
学校に関する支援をいろいろやってきましたけれども、この事業は大変歓迎すべき事業だと思っているんです。
問題は、この地域本部に関するお金の出し方なんですが、例えば特色ある取り組みということで少しめり張りをつけてもどうか。例えばこういうことを奨励したいというものには、少しめり張りをつけた形で出せるようなシステムはできないかなと。
というのは、私自身、千葉県の木更津市で学校教育課で、学校に市民からボランティアを、コーディネーターを募集して養成して学校に置いているということをやったわけです。それから、小平市では一般市民から募集して5日間の研修をやって、ボランティアコーディネーターを無償で学校に配置するということをやったんです。これは社会教育課が養成して学校に置くということをやったわけです。
両方違ったケースなんですけれども、やはりキャッチボールする相手がいないと、学校の先生だけではどうしても個人じゃ無理で、しかし私自身がやった実践からすると、これは可能なんです。市民から無償でやるということは実際にやっていますので、例えばこういうような形を、地域住民が教育責任を、学校教育の責任を共有するという面でも、何かめり張りのある、ここだけはというものがあったら、逆にそういう形で特色ある何々という形でお金の出し方にめり張りつけるような試みもぜひお願いしたいと思います。
【田村分科会長】
ありがとうございました。そのとおりだと思います。
どうぞ、高橋先生。
【高橋(陽)委員】
課題のところに、活動経費の確保というのが、今もお金のことが出たんですが、どうしても行政への依存ということであれば、予算がなくなったら終わりということで、資金調達といったときも、どう行政の予算をとってくるかということにどうしても終始しがちだと思うんですが、地域の教育力、あるいは地域の住民、社会資源の活用、参加ということを考えたときに、お金の問題も、どう地域でみんなで出し合うかという視点が重要じゃないかと思います。
その場合、従来ないものでいけば、地域住民が自分たちで出すということで、基金だとかファンドというのを、わりと地域ファンドというのはできてきておりますので、教育ファンドというようなことを自分たちの地域でつくっていくという方向性みたいなものを見据えていくべきじゃないかと。
それからもう1つは、企業の社会貢献ということで、各地域の企業が、人も出すけれどもお金ということも含めて、もう少し民間でお金を出していく仕組み。あるいは学校の先生の意識改革とありましたが、むしろ住民の意識改革ということも含めてお金の問題を自分たちでつくっていくという運動であったり情報であったりというのがもっと提供できればいいんじゃないかと思います。
あと、コーディネーターのことが先ほどからお話が出ておりますが、まさにコーディネーターの役割の中に、1つ資金調達もあるのかもしれません。ですから、情報をまず持っていないといけない、それからコンサルテーションの能力も必要、そしてコーディネーションはもちろんですよね。カウンセリングの能力も必要と。本来コーディネーターというのが実効的に動こうと思うと、非常に能力も求められると思うんです。安易にコーディネーターということが今言われるんですが、ほんとうに実効的にいくためには、能力開発ですとか育成のプログラムをきちっとするとか、それからもう1つ、それぞれのプランのそれぞれのコーディネーター等の連携もそうかもしれないし、全体のコーディネーターというものをむしろつくっていく方向で考えるときにもきているんじゃないかなと思っております。
【田村分科会長】
ありがとうございました。今の高橋先生のお考えの中で、この仕組みはこういう形でというのを文科省から流すわけですか。あるいは地域から出てきたのに援助するよと、どちらが重点になるんですか。そのお話ですよね、今の話は。
【上月生涯学習推進課長】
よろしいでしょうか。まだ予算が完全に固まっていませんので、とりあえず今年度から実施している放課後プランについて説明しますと、補助金制度でやっています。したがいまして、こちらからもぜひというお声はかけますけど、基本的には地域が主体的に判断をして、それについて一定の、といってもかなり多様なものを認めていますけれども、そういったものについて国が一定の補助をするという形になっています。
それから、先ほどの件でちょっとつけ足しますと、放課後プランでは、実はコーディネーター等の研修についても補助の対象としていますし、補助金制度になったということで、従来3年間というのは、どちらかというと委託のものが3年間でやっていたんですけど、放課後プランにつきましては、補助金制度ですので、未来永劫ということはないと思いますが、比較的長いスパンでこういう制度を、質も含めて充実していくんじゃないかなと考えています。
【田村分科会長】
ありがとうございます。かなり使いやすくなるということですね。ありがとうございました。
じゃ、どうぞ、高橋先生。次は土江先生。
【高橋(興)委員】
お配りいただいた資料1-2の中に課題のところがございまして、2つ目の点のところに、学校教職員の意識改革が課題になると、こういうお話がご説明の中にもございました。私は、ここのところが実はこの事業の一番のポイントだろうと思っております。
と申しますのは、しばしば言われることですけれども、教員というのはよく言えばまじめ、悪く言えば抱え込み意識が非常に強いと。つまり、子どもたちの教育というのは教員がやらなければという意識が非常に強いわけです。ですから、この事業が成功するかどうかは、ひとえに子どもたちの地域でのさまざまな活動を先生方がどう受けとめるか、それから地域の人々が学校に入ってくることをどう受けとめる、そして対応するかというところが、やはりこの事業が成功するかどうかの最大のポイントがあると思っています。金の問題でも何でもないと思うんです。
それからすると、ここでお話ししていいかどうかわかりませんけれども、ベネッセコーポレーションが、平成17年に文部科学省の委嘱を受けて、全国の公立小・中学校教員9,752人を対象として義務教育に関する調査をやっているんです。それによりますと、私は教員にとって一番のプレッシャーになるのは学校支援ボランティアで学習アシスタントをする場合、つまり教室に直接入ってきて授業などの支援などをする場合だと思っています。私どもが知っている若い教員などでも、授業参観日の数日前から眠れない教員も相当いるという状況なんですよね。そういう状況の中に、授業のアシスタントとして地域の人々が入ってきてボランティア活動をするということは、大変なプレッシャーだと思うんです。
ベネッセの調査は、このことについて調査をしているんです。それを見ますと、賛成と、どちらかといえば賛成というふうに分けているんですけれども、保護者、地域住民等のボランティアによる授業のサポートを増やすことについて、賛成が12.6パーセント、まあ賛成が38.2パーセントで、合わせると半数を超えているんです。比較すべき調査がないので、増えているのか減っているのかよくわからないけれども、私はこれは決して低い数字ではないなと思っているんです。こういうボランティア活動を平成9年に文部省が教育改革の施策の中に入れてから相当浸透してきたなということを率直に感じるんです。
そういったことからしても、教職員の意識改革が最大の課題になると思いますし、意識改革というと、すぐ研修を何とかということになりますけれども、研修ではなかなかそう簡単に意識は変わらないと思うんです。
それからすると、先ほど糸賀先生から、学校を活動拠点にしてやることについてのご意見がございましたけれども、私は決して学校を活動の拠点にすることは、そういった意識改革をするという点からするとマイナスではないと思って、私が実務の責任者のときには、むしろ学校が同意するのであれば、どうぞ学校を拠点にやってくださいというふうな話をしてきたほうなんです。それはなぜかというと、学校にそういった形で地域の人が入ってくる、そういう地域の人々の活動の姿を見ることによって、初めて私は教職員の意識というものも変わっていくだろうと思うんです。
そういった意味で、社会教育施設を中心にさまざまな活動をするというのも確かに大事ですけれども、学校を活動拠点にすることを、私はむげに否定すべきものではないのかなと考えております。
以上でございます。
【田村分科会長】
ありがとうございました。非常に重要な指摘をちょうだいしました。
次は、どうぞ、土江先生。
【土江委員】
各委員から出たご意見にも重複するわけでございまして、その点はお許しいただきたいと思います。私も、この学校支援の地域本部に対する事業に対して、非常に期待をしているところでございます。
この事業のかなめといいますか、事業を推進するに当たって3点の重要事項があるかなと。1点は、先ほどから出ておりますいわゆる地域コーディネーターの存在というものが非常に大きなかぎを握るんじゃないのかなと。そのコーディネーターの人材育成と役割の明確化と、そしてこれは今の教育改革の大きな流れの中で継続してぜひいってほしい事業ですので、そのためには、コーディネーターの処遇も含めて考えるべきかなと思っています。
それから2点目が、先ほどもありますように、学校の教員の意識改革という中では、私はこのポイントは学校駐在であると思っております。学校の中でコーディネートしていくということが非常に大事なわけでございまして、私どもも平成18年度からすべての中学校へ、これは教育委員会の職員を派遣しているわけですけれども、朝から毎日学校で机を並べてコーディネートしているわけですが、何が一番先生方を動かしたかなというと、裏方になって黒子になって、そして先生方を受け入れてもらうための信頼関係を築いていくということが一番大きかったのではないのかなということで、特にこのコーディネーターの資質に頼るところが大きいわけでして、そのための研修はほんとうにしっかりやっていかないかんと。求められるべき資質としては、現在の社会教育主事の資格、そうした資質が地域自治体の中で、大学、あるいはこの経営等の連携の中でそういうシステムができないのかなということを現在考えております。
それから、やはり信頼を受けるためには、そうした力と共通の目的をしっかり持つことが私は大切だと思っております。
それから第3点目としては、この学校支援の目標を明確にしておくということが大切だと思います。これまでも、こうした3者の連携協力という事業はたくさんありました。学校支援ボランティア等もありましたけれども、単に学校が困ったときの神頼み的な支援じゃなくて、今の教育改革の大きな流れの中では、社会教育が社会の要請にこたえるべき力を発揮すると。そのためには、教育課程まで踏み込んだ中で、協働してできないのか、あるいは支援していけないのかなと、そういったことで、現在私どもが具体的に取り組んでおりますのは、コーディネーターを中心として総合的な学習の時間の中で、キャリア教育を1つの柱として、家庭、学校、地域、企業が一緒になって授業そのものを組み立てていくと、こうしたことに取り組んでいるわけでございまして、今学校のスリム化が叫ばれているわけですけれども、学校支援がほんとうに重要であると。それが単なる支援に終わらなくて、この地域本部が目指すものは、そうしたところまで踏み込んだものを目指していきたいなと思います。
以上です。
【田村分科会長】
ありがとうございました。
それでは、山本先生、どうぞ。
【山本委員】
この2番目の学校支援地域本部に絡んで、1番目の放課後子どもプランと3番目の家庭教育支援、全部横断するような課題、問題なんですけども、杉並の和田中学校が例として挙がっています。杉並の教育次長は、この後ろに教育会をつくりたいという話をされまして、私はおもしろいというか、いいんじゃないですかと言ったんです。どういうのかといいますと、信濃教育会を少し研究して勉強してみて、それをモデルにしてつくりたい。信濃教育会は、いっとき年寄りばかりになって、どうしようもなくなりかけて、学社融合をやって若返ったんです。
そのほか、教育会には明治20年代からいろいろあるんですけど、それは今置くしまして、何でそういうことが出てきたのかなということを考えてみますと、先ほど岡島委員が言っていましたけど、3年ごとのぶつ切り、家庭もそうですけど、子どもが小さいときは親が一生懸命、学校へ行っている間は親も一生懸命です。それが、成長すれば親は離れちゃいますね。システム論の方では、インプット、アウトプットに対してスループットという言い方をしているんです。通り過ぎていくと。ですから、年中変わっているわけで、それを仕掛けてちゃんと継続的に見ていくような組織をつくっておかないと、いつも何だかわけのわからないことになっていく可能性があるというのでそういう発想が出てきているんだと思うんです。
教育会というのは古い言い方かもしれませんから、言い方とか機能とか、その他役割とかというのはまた考えるとしましても、継続的、永続的にそういうところを見ていくことができるような仕掛け、仕組みをつくる必要があるのではないかと思います。
【田村分科会長】
ありがとうございました。これはそういう方向でということで、これからご検討いただくことで、そろそろ時間でございますが、どうぞ、菊川先生。
【菊川委員】
先生方がおっしゃったのはそのとおりだと思います。ただ、何といいますか、昭和50年代、60年代、国の事業がずっと補助制度が続いていた時代がありまして、確かに事業が少し名称が変わったり、少し変わったりしながら、補助制度の安定性みたいなのがありまして、そういう意味では、ここ10年ほどは地方分権の流れの中で補助が打ち切られて、しばらく委託の時代が続きました。それから、放課後子どもプランが最初とても市町村がとりにくかったのは、これが補助制度だったので、委託になれた市町村が補助金を3分の1確保することが非常に難しかったという経緯がございます。
何を言いたいかといいますと、家庭教育のものも、放課後子どもプランも、学校本部も、非常に共通した基盤で面として社会教育なり家庭教育支援を地域に定着化させていこうという施策だと思うんです。ですから、これの到着地点は、この補助金なり委託金なりをどんどんとる、手が挙がるところが到達目標ではなくて、この事業が終わったときに、地域の中で独自にどういうシステムが回っているかというところが、多分到達目標だと思うんです。
そういった意味からは、土江先生のようによくわかられる教育長さんがおられるところは、ぱっとこの3つの事業を見てそれを翻訳して、自分の地域に合うようにつくり直して、多少オーバーラップさせながら取り込んでいかれると思うんですけれども、そういう教育長さん、あるいは校長先生方も多いですけれども、一方、平均的な行政担当者を想定した場合には、補助金であれば、片や財源がないよと文句を言うし、委託金であれば、3年たったらお金がなくなるからいらんことをしておくまいということになるわけです。
前置きが長いですが、何といいますか、文科省のほうでいろんな施策の説明をしていただくときに、この事業が終わったときを想定しながら説得していただきたい。つまり、地元でいろんなトライアルをしようと思っても、そのトライアルのために予算はつきませんから、そのための委託ですので、そうやってやってみるとわかることがあるし、あるいはやってみると育つことがあるので、そういうところを強調いただいて、トライアルですよと、そしてそれで根づけば、どうぞ地方分権の時代、おたくのほうで自主財源を確保してやってくださいというのを、わりと堂々と言っていいのではないかと思います。また、トライアルでやる場合に、この手の非常に大がかりな事業が3年でいいのかどうかというところについては、財政当局はいつも3年とか3セットというのがよく言われますけれども、ひょっとしたらこの手の大がかりな事業は5年かもしれないというふうに思ったりもいたします。
どうぞ、普通の行政担当者を想定して、日常化に向けての説得をよろしくお願いできたらと思っております。
【田村分科会長】
ありがとうございました。
では、糸賀先生。
【糸賀委員】
手短に済ませたいと思いますけれども。私は、東京の杉並区に住んでおりまして、杉並区民なわけなんですけれども、杉並区のいろいろと教育関係の委員もやっておりますけれども、この例で、いつも和田中学校が出てくるわけなんです。これは結局藤原校長というリクルートから民間の校長として入られた方のリーダーシップがものすごく大きい。もっと言えば、杉並区の中ではいまやカリスマ的存在ですから、そういう校長先生がリーダーシップを発揮することで、かなりうまく動くわけです。今、菊川委員が言われたように、普通の校長とか普通の教員たちを考えたときに、ここに挙げられたような施策をやれば、皆、和田中学校のようになるのかどうかというのは、なかなか難しい点があると思います。
そういう意味では、先ほど高橋委員も言われたように、教職員、特に学校の教員の意識というのが相当変わらないと、こういう施策の展開も難しいのではないかという印象を持ちます。
特に和田中学校の場合に、私は図書館が専門なので申し上げますが、学校図書館の司書業務、確かに住民の方々がボランティアでやっているわけなんですが、こういうことを方々の全国の中学校でこれからはボランティアがやればいいんだというふうになっても、本来ここには司書教諭がいて、非常勤でもいいから、ちゃんと学校司書が配置されているべきなんです。これは和田中学校の場合の藤原校長の考え方で、ここには司書教諭も置くけれども、同時にボランティアが入ることでうまく連携がとれる、そういうことで相乗効果が生まれるという確信があって、住民の方々もその信頼感を持って協力しているわけなんです。そういうふうな地域の方たちとの信頼感、一体感が前提だと思います。
そうした上で、こういう施策は成功していくわけなので、文部科学省の方はおわかりだと思いますが、上辺だけではなくて相互の信頼関係がどういうプロセスで形成されてきたのか。それを考えれば、今、再三言われるように、3年とかといった短いタイムスパンでこういうものは効果を持つものではないと思います。その辺、余計なことかもしれませんけれども、あえて申し上げました。
それから、これは私も学校に軸足が置かれるのは当然だと思います。ただ、この分科会は生涯学習分科会なので、私はその問題は学校という空間だけで解決する必要はないだろうと。もう少し広く、社会教育の施設にも空間を広げて、軸足は学校に置きつつも、ほかの施設と連携を考えていったほうが地域の教育力は育つんだろうと思います。
【田村分科会長】
ありがとうございました。
それでは、そろそろ時間ですので……。おっしゃいます?じゃ、どうぞ、最後に。
【藤委員】
こちらに書いてあるんですが、大学生のボランティアなんですけど、これは大学のカリキュラムに入っていますか。それか、ボランティアしたい学生さんだけですか。例えば先生になりたい方は大学で勉強して、卒業する前に実際学校に入って、そういう制度はありますか。
【田村分科会長】
これは、学校によってはやっているところがございます。実際知っています。例えば、この近所ですと川崎なんかやっています。特定の大学の教育学部の学生が、教育委員会と連携してボランティアをやっているんです。単位として認めているみたいです。
【藤委員】
なるほど。先生になるために大学のカリキュラムの中に、半年とかこういうところでボランティアしなければならない。学校のあとのところ、クラブとか図書館とか、そういう制度、私が考えるとあったほうがいいと思います。
子どもたちはプラスになるし、先生になりたい学生さんは、本科では勉強できない勉強になりますので、それは大学等を入れて、学生さんをもっと使ったほうがいいと思います。学生さんは、実際のことを知らないと思います。
【田村分科会長】
おっしゃるとおりだと思います。これはテークノートというか、お願いいたします。
よろしいですか。島田先生、何かありますか。
【島田委員】
藤委員のお話に関連して少しだけコメントさせて頂きます。私どもの大学でも、川崎市と連携して単位認定による学校教育ボランティアを導入しております。教職志望の学生にとっても、受け入れ校にとっても、かなり良い成果を上げております。ただし、大学では川崎市の補助金を受け、大学と地域の学校をつなぐ専門のコーディネーターを配置することによってボランティア活動が機能しています。ご存知のように補助金は期間が限定されますし、また、ボランティア活動先の拡充のためには、ますますコーディネーターの役割が重要となってまいりますので、この活動の継続性をどのように担保していくかが今後の課題です。その意味でも、大学と地域の学校が協働しやすい何らかの制度を整えることが必要かと思います。
【田村分科会長】
動き出しているということですね。藤委員がおっしゃった方向に動き出しているということです。
じゃ、時間でございますので、すいません、司会の状況が悪くて。次の1-3に移らさせていただきたいと思います。どうぞひとつ、家庭教育支援についてのご意見ですが、いかがでございましょうか。どうぞ、岩田先生。
【岩田委員】
資料のご説明で、ひょっとしたらよく理解できていないところがあるのかもしれませんが、3ページ目に図で家庭教育支援チームの創設の構想が示されております。私はもちろん地域全体のすべての家庭の家庭教育力を底上げすることは大事なお仕事かと思いますが、限られたさまざまな資源をどこに優先的に使うかということを考えた場合は、やっぱり家庭教育力の最も劣っているというんでしょうか、最もない、そういう家庭に着目すべきではないかなというふうに思うんです。
例えば、片親家庭、特に父子家庭ですね。そういう家庭ですとか、あるいは親が失業していて経済的に困窮している家庭ですとか、あるいは親が心身の病気を抱えている家庭ですとか、理由はそれらと複合しているかもしれませんが、子どもの教育養育を放棄している家庭ですとか、特に深刻な家庭に対してどういうふうにサポートするかというのは、地域全体の仕組みの中でうまく仕組めるのかなという感じもするんですが、一人別というのか、家庭ごとに支援チームをつくるという。1つの学校の中にそういう支援が必要な家庭が幾つあるか、量的なことはわかりませんけれども、家庭ごとに支援チームをつくる。そして、その支援チームの構成というのは、その家庭が抱えている問題によって、例えば親が失業している家庭ですと、もちろんハローワークというのが入ってくるでしょうし、行政機関、地方自治体だけではなくて、もちろん地域のさまざまな子育て支援の活動をやってらっしゃるようなNPOや法人格のないようないろんなグループがあると思いますが、これまたそうすると、だれがそれをコーディネートするか。地方自治体とか行政機関も動かしながら、1つのご家庭の問題を解決するために、さまざまなサービスをコーディネートして、その家庭と一緒に問題解決をしていくという。なかなか難しそうな感じはするんですが、3ページにあるような支援チームというのが、傘になって小学校区に1つというのは、もちろんそれはいいと思うんですが、ほんとうに必要としている家庭ごとの支援チームをどういうふうにつくっていくのか。そのときのさまざまな行政サービスや民間の活動をコーディネートする人というのを、だれがそれをやれるのかというのはなかなか私も難しいなと思いつつ、ほんとうに緊急度が高いのはそういうことではないかと思っています。
【田村分科会長】
ありがとうございました。おっしゃるとおりだと思うんですけれども、基本法では教育は第一義的には家庭にあるというふうに法律的に書いてありますから、その辺との兼ね合いがどういうふうにやるかですね。保育にかけるほうは保育園とか、そんなような法律になっているんですけれども、どうするかという問題はあるんです。
でも、とても大事な視点だと思うんですけれども、ほかにいがでしょうか。どうぞ、島田先生。
【島田委員】
今もお話、触れられておりましたけれども、教育はかなり長い時間をかけて結果が出てくるものだと思っております。そういう意味で、最近課題になっておりますワーキングプアの家庭の教育支援、これは地域でサポートする云々だけではなくて、いわゆる生涯学習とかそういう視点だけではなくて、かなり基本的な教育制度に、支援制度といいますか、国を挙げてやっていかなければいけないことだと思っております。どうしてもワーキングプアの家庭ですと、子どもの教育にまで行き届かないということがあって、それが将来大きな国としての力に影響を及ぼすものだと思っていますので、1つはそういう部分と、きちっと生涯学習としての家庭教育というのと切り分けて考える必要もあるんじゃないかと思います。
【田村分科会長】
ありがとうございます。きのうNHKでやりましたね。私も見て考えちゃったんですけど。前、文科省にいた人が担当で取材したそうですので、手紙を書いてきまして、ぜひ見てくれと言われたので見たんですけど、ほんとうに考えちゃったんですね、あれは。
すいません、余計なことを言いました。どうぞ。ほかにはいらっしゃいませんでしょうか。どうぞ、藤先生。
【藤委員】
最近のニュースを見ると、私が考えているのは、親は何を考えているんだと思います。家庭はしっかりしていないと思っています。それは、一番もとの問題だと思います。
ですから、親はどういうふうに子育てするか全くわからなくて、長い目を見ていないし、じゃ、あした何する。子育てのプランとか全然考えていないと思います。一般的には、自分の親はどういうふうに子育てした、そういう親に習ったことを参考して自分の子どもを子育てするんですけど、だんだん悪くなると思います。ですから、親は子育てのクラスは必要と思います。
私は子ども、1歳か1歳半ぐらいまでは、市役所内で、半年ぐらいで子どもの成長とかチェックされたんですけれども、1歳、1歳半までです。そのあとは、2歳、3歳になると、別の問題が出てきます。ですから、そういうサポートとか、この場合はどういうふうにすればいいか、自分の子どもに対する、こういうふうにしたほうがいいか、全然それはなかったです。ですから、自分でいろんな本を読んで、いろんな問題を解決したんですけれども、一般的な親は、情報とか、自分でどういうふうにすれば、勉強しないと思います。ですから、子育てのクラスも必要だと思います。
あと、子どもがいると大変な責任があるというふうに教えなければならないと思います。特に若いシングルマザーは、全然子育てのことがわからなくて、私は高校生のときに1つの高等学校のクラスは、いろんなライフワークのことを教えてもらいましたけど、1週間で生徒たちは卵を持って、あなたの子どもですよ。ずっと一週間卵の面倒を見なければならないんです。自分で何かデートとか予定があるときに、子どもを置いていって行くことができなくて、だれかベビーシッターみたいに、少しくらいお金を出さなければならない。実際、子どもがいるとこういうことですよと。子どもと卵はもちろん違いますけれど。大変です、ほかの人を世話するのは。少しぐらい身近にわかったんですけれども。親になってからは遅いと思います。高校生、中学生、そういう経験はさせたほうがいいと思います。
【田村分科会長】
ありがとうございました。
それでは、続いて土江先生、どうぞ。
【土江委員】
子育てに無関心な親とか、あるいは孤立しがちな親に対する支援というのは、実際に非常に大きな課題でして、私自身も具体的な施策というのがまだまだ浮かばないところなんですけれども、ただ抽象的な表現の中では信頼関係を持つということが一番大事じゃなかろうかなと。そのための訪問型の相談というのは非常に効果があると思います。
ただ、そういう人材をどうしていくのかということで、私は来年度からスタートします学校支援の地域本部、保幼小中の一貫教育の中で、地域の教育環境の情勢といいますか、そういう中で育てていくのがいいのかなと思っています。
それから、そういった中で、ここに具体的な方策の中で就学時の健診とか入学説明会で、多くの親が集まる機会をということで、まずは多く集まった方にしっかりと家庭教育とか支援をすべきじゃないのかなと。
そのための方策として、私ども効果があったなと思いますのは、例えば中学校の先生が幼稚園へ出かけていって、幼稚園の保護者に対して、例えば10年後の子どもさん、どういうふうなイメージをされますかと。そういうイメージの中で、実態はこうなんですよということで、かなり描く将来の子ども像とギャップがあって、非常に考えられたというシーンも、私も拝見したこともありますけれども、そういうこととか、これから公民館が家庭教育をどう支援していくかということが大きな役割の1つかなと思っておりまして、例えばPTAの総会とか研修会、そういったところで公民館の職員さんが出かけていくと、そういう中で信頼関係も生まれるでしょうし、また公民館は、この働いているお父さん、お母さん方に対して時間的な融通もきくということでは、こうした公民館職員のあり方ということでも、今後大きく影響してくるのかなと思っております。
以上です。
【田村分科会長】
ありがとうございました。
時間が押していますので……。どうぞ。
【柵委員】
1つだけ。企業の家庭教育に対する理解と参画が不可欠だろうと思いますし、この中にも盛り込まれているかと思うんですが、ワーク・ライフ・バランスの問題、いろいろなところで言われておりますし、ぜひそういう企業の方にも訴えるような形で進めていったらどうかと思います。
先日、富山でシンポジウムがありましたのですが、企業側の方からも出席いただいて、その問題を取り上げていただきました。今、企業もそういう家庭での親の役割を考えるときに、例えば子育ての間の仕事の継続、あるいは復帰後のことを考えて、例えばITを使ったテレワークということを進めていますし、休職中であっても企業の中のいろんな活動を家庭の中でも見ながら、まさに実社会と子育てを両立させるようなことを、いろんな取り組みを最近進めているようです。そういったことも、ぜひこういう支援の中にお取り入れいただければと思います。
【田村分科会長】
ありがとうございました。確かにおっしゃるように、パリのお父さんというのは8時前に帰らない人が25パーセントだそうです。ストックホルムだと1.5パーセントで、日本ですと8割だそうです。ただ会社出た後にタイムラグがあるということなんですね。おっしゃることはほんとうに大きな問題としてあるんだろうと思います。ありがとうございました。
じゃ、糸賀先生。これで最後に、次の項目に移らせていただきます。どうぞ。
【糸賀委員】
今の分科会長の指摘とも重なるんですが、結局こういう家庭教育支援は、今まで家庭教育に関心がある人たちを結果的に支援しちゃって、こういう支援を受けられない人たち、先ほど島田委員からもワーキングプアの家庭というご指摘がありましたけど、結局訪問型のリーダーの養成、私もすごくいいと思うんです。訪問型。直接行っちゃうという。
ただし、行ったときに、その人たちがなかなかつかまらない。今おっしゃるように、昼間行っても多分、こういう人たちは食うや食わずの生活をしていて、まず仕事する、稼ぐことで精いっぱいだとすると、こういう人たちはひょっとしたら夜、それこそ今のお話じゃないけれども、8時以降か何かに訪問してつかまえなければいけないということになります。それはものすごく、コストもかかるし負担も大きいんですが、結果的に格差を……。なかなかつかまえられない人たちは相変わらず支援が受けられない。支援が受けられる可能性のある人たちがまた一層充実しちゃうという、そういう格差を広げるようなことにならないような配慮はぜひお願いしたいし、今、柵委員からひょっとしたらご指摘あるかなと思ったんですが、こういう場合にやっぱりITといいますか、情報ネットワークとか情報技術というのは使えないんだろうかという、これは私のほんとに単純素朴な疑問であります。つまり、そういう人たちでも携帯電話を持っているわけなんで、あるいはメールのやりとりといったようなことができるわけなんで、そういう中から、まあ、私はそれだけで十分だと思いませんよ。もちろん直接会って対面式の支援というのも重要ですけれども、なかなか捕まえられない人たちが、携帯電話やネットを介してそういう人たちと触れ合っていって、最後はやっぱりフェース・トゥー・フェースといいますか、直接の支援ということが必要になってくるんでしょうが、入り口としては何かそういうITといいますか、情報技術の活用ということも一面では考えられるんじゃないかと思います。
【田村分科会長】
ありがとうございます。きめ細かくやらないといけないという非常に難しい問題だというご指摘だと思います。ほんとうにそのとおりです。
それでは時間が押していますので、次の資料1の4番目の教育の質の保証や評価についてに移らせていただきたいと思います。どうぞ一つ、平野先生。
【平野委員】
ありがとうございます。生涯学習というのは、いつでもどの場でも行えるべきものだとは思いますが、教える環境の整っている学校などはその場の候補として筆頭に上げられるかもしれません。それは先ほどのさまざまな議論にも出ていたと思います。でも、一方で学校だけではどうかというとやはりそうではないと私も思うんですが、その中で、外で行うものについて、ある程度かかわって楽しいという半ば娯楽に近いような段階で終わるのか、それともそうでないところまで行くのかというのはやはり2通りあると思うんですね。
それで、現状の2つ目の
に「検定試験の評価に関する制度について、約6割の人が何らかの中立、公平な機関が検定の質を保証する仕組みを望んでいる」とありますが、実は私自身も望んでいるうちの1人でございます。
英語検定というのがありますけど、私、英語検定があったことでどれほど英語を勉強したかわかりません。これが、同じような勉強をじゃあ学校でやればいいかというと、学校が英語検定と同じような勉強をしていくというのだと、ほかの教科もあるしなかなか追いつかないとは思うんですね。じゃあ塾ならどうかというと、塾は見てみるとやはり受験のためということに偏っているような感じがしましてやはり違うと。しかし、英語検定の内容は受験に関係ないような質問がたくさんあって、そこを自分で探っていけるような楽しさがあったと思います。また、いつ級を取ったかということもすごく大事で、友人より1年でも早く取るとそれなりに誇りに思えるし、また遅く取ったら取ったで、あ、まだ間に合うんだ、私でも大丈夫だ、この年でも頑張れば大丈夫だと励みになったような気がするんですね。ですからこれは、今、英語検定とか有名な検定がありますけれども、それに限らず、さまざまな角度から、特に日本語に関することなどの検定はどういうものがあるのかちょっと私も詳しくまだわからないんですけれども、英語があれほど盛んなので、日本語のほうも一つすごく盛んにそういったシステムを構築していただけたらと思います。また、こういったことは学力の向上につながると私は思っておりますので、一つよろしくお願いいたします。
【田村分科会長】
ありがとうございました。具体的方策案ということで、ぜひ評価のシステムをきちっとつくれというご意見でございますね。ありがとうございます。
それでは、ほかには。どうぞ、岡島先生。
【岡島委員】
簡単に申し上げますが、この検定という名前はちょっと違うかもしれませんけれども、私ども今から6年前に生涯学習局のご支援で自然体験のシステムをつくりました。日本中の自然体験をやっている団体が、それぞれ育て方が違ったり、それからレベルがまちまちで、同じ名前をリーダーと言っていても全く違うレベルで、野鳥の会とボーイスカウトでは講習日数が全然違ったりですね。ですから、外から見るとどの団体がどのレベルなのか全くわからないんですね。それを直そうということで、これは自主的にNGOというかNPOというかそういう団体がみんな集まりまして、共通項目をつくって共通レベルでつくり直しました。その後、ずっと今も続けております。しかし、基本的に人材育成とかそういうものは非常にお金がかかるんですね。そしてインカムがないんですよ。団体がもらえるお金がほとんどなくて、出すばっかりです。NGO側は、みんなでお金を出さないとできないということです。
そういうことも含めて、しかし、やってみていろいろわかりました。いろんな団体、プロでお金をとっている人もいればボランティアでやっている人もいる、さまざまな状況があります。私どもは自然体験というレベルで行って現在も活動中ですけれども、するべきことはかなり多岐にわたってあると思います。ちなみに、イギリスやいろんな国の自然体験の団体などを調べてみますと、ほとんどが国家のきちっとした資格制度の中にある程度組み込まれておりまして、様々な職種と非常に巧みにバランスがとれております。ですから、ちょっと大変かもしれませんけど、私どもも協力させていただきますけれども、社会教育の全体像を一度洗いざらい出してみて、それを順番にやっていくほかないと思うんです。全部一遍にできないんですけれども。
ですから、この答申のほうもあると思いますけれども、ESDなんて言葉を使えばみんなうまく入るのかもしれないし、答申の一番頭にもESDが入っていますけれども、何かそういうちょっと思い切ったと言うと変ですけれども、抜本的な作業を、ちょっと頭の整理といいますかそれをやって、それからそれがどの分野から進めていこうかというような工程表といいますか戦略のようなものも、そろそろこの制度、学習機会についてという1-4については、そんなことを全体像を見て、今、最初の5年はこれやるんだとか、そういう戦略が必要じゃないかなと思います。以上です。
【田村分科会長】
ありがとうございます。もうほんとにそのとおりだと思います。質の保証という点でいうと、これがちょっと日本はなさ過ぎるような気がしますね、そういう点でいうと。どうぞ、山本先生。
【山本委員】
課題のところにちょっと追加しといていただいたほうがいいかなというのは、2の課題の
のところは審議会の答申等ですよね、これは今までのものですから、どうしても個人の要望というところに立脚した論が多いんですけれども、今回の答申では多分これからあるんでしょうけれども、知識基盤社会とか持続可能な社会というような時代の要請に基づいてこういう生涯学習を推進していくというのは出てくると思うんです。ですから、この課題のところに「社会の要請に基づく指摘」というのを入れておいたほうがいいかなと思います。具体的に言いますと、知識、技術を活用していくときに、それを保証する資料がないんですよね、今お話のように。ですから、第三者がそういう資料をつくっていくとかいうことが必要だ、それによって活用していくというあたりのところを入れておいたほうがいいかもしれません。
【田村分科会長】
ほんとうにそう思います。今回、1つ基本法ができたところでそういう作業をするには一番いいと思いますので。まあ、よく知りませんけど、アメリカの例なんかだと、こういう資格試験というのが公的な仕事につくときには条件になっているところがありますね。あれは実にうまくつくっていると思うんですけれども、これから私たちも一つ、学校もそれをやっているんですけれども、それ以外にもそういう部分を考えていくということが必要だろうと思います。
いかがでしょうか。大体意見はちょうだいいたしましたでしょうか。何も発言しておられないのは水嶋先生ですか。
【水嶋委員】
全体的なことでもいいんでしょうか。
【田村分科会長】
ええ、もちろん、もうこれで一応終わりますから、全体的なことでもどうぞおっしゃっていただいて。
【水嶋委員】
いつ発言の機会が来るのかと待っていたところです。1、2、3、4以外に答申に盛り込むべき事項と、前回の小分科会の制度問題のところでも意見が出たことを踏まえて申し上げます。人材養成について書かれているのが、この答申案でいきますと30ページ、31ページなんですね。社会教育主事の在り方、司書等の在り方、学芸員等の在り方について、地域の人材が活躍できる研修の在り方というようなことで、少しだけ発言させていただきたいと思います。
昨日の非常にホットな話題なんですが、「緊急合同フォーラム」という集会がありました。これは、全日本博物館学会と日本ミュージアム・マネージメント学会、日本展示学会、3つの学会長が集まりまして、今回の教育基本法改正、社会教育法、図書館法の改正や、博物館法の改正についてどう考えるべきなのか、という点について議論したフォーラムでした。3つ学会の会長が集まって協議するというのは初めてのことです。そこで、生涯学習振興法とか社会教育法の法案提出がどうなるか私はわかりませんけれども、昨日の3つの学会の会長の結論は、こういった生涯学習社会における博物館の意義、社会的な位置づけ、レゾンデートル、在り方について、大連合を組んで、個々のばらばらしている学会だけではなくて、すべての、例えば美術館、科学館、図書館、動物園、水族館、植物園含めて連合して、世の中に訴えていかなければいけないと、一つの宣言を出しましょうと言うことになりました。
しかし、3学会の会長の中でも生涯学習に対する考え方の温度差がありまして、もう既に生涯学習社会に突入していると考えていた学会長もいますし、いや、まだまだこれからなんだと言う会長もいました。ですから、これからの時代の中で、博物館はどう活かすべきかというような議論をされたんです。結論は3つありまして、1つ目は、法改正をぜひお願いしたいという強い要望です。これは宣言文をつくってプレスにも発表して、文部科学省に対しても要望書を出そうというような結論になっております。二つ目は、学会関係団体、たとえば図書館は図書館の世界、博物館は博物館の世界がありますが、もうそういうことを言っていられないだろう、社会教育主事も含めて、公民館も含めてすべての関連団体あるいは関連の施設、学会、協会が集まってどんどん世の中にアピールしていかないと、やれ財政難だとか運営資金だと非常に肩身の狭い思いをしていますけれども、大連合を組んでもう一度生涯学習社会における博物館、図書館の在り方を見直しをしようという結論になりました。
最後の3番目のポイントは、やはり国内だけではなくて、以前申し上げたかもしれませんが、「グローバルスタンダード」が必要ということで、人材の養成、確保、この答申の30ページですが、ぜひこの機会に、国際的な観点も含めて研修の在り方あるいは資格の問題ということも考えながら法改正にしていただきたいと思います。外国に比べて、我が国はどうしても博物館行政というのが弱い。ですから、まだまだ貧弱であるところを、すべて国の力でお願いしようなんて思っておりませんけれども、こういう機会にもう一度レゾンデートルを見直して、3学会をはじめとして、あるいはこれからどんどん増やして、自主基準的なことも含めて、また国等も含めて、行政力も高めていくようなことを確認いたしました。ご報告になりますと同時に、文部科学省に対する要望をお願いする次第でございます。以上です。
【田村分科会長】
ありがとうございました。ただいま委員の皆様方の机の上には、答申に盛り込むべき事項(案)というのをお手元に差し上げてあるわけですが、この点まで含めて水嶋先生から言及がございましたということで。
では、次の答申素案を作成する際に、ただいまちょうだいしましたご意見をできるだけ反映して、事務局で作業をお願いしたいと思うんですけれども、答申の全体の流れ(案)というのは次の資料でお手元に差し上げてあります。これについてもご意見を賜るということで、今、1、2、3、4の論点は大体意見が出尽くしたと思うんですけれども、なおありましたらご自由にご発言していただいていいんですけれども、一応全体の議論の流れはこれで次の段階に踏み込ませていただこうと思っております。よろしゅうございましょうか。それでは、全体の構成を修正したものをお手元にこれから、今配られているんですけれども、これからさらに修正してただいまの答申全体の流れの案についてのご意見をいただいてまとめに進めていきたいと思っているわけでございます。
委員の皆様の、先ほどちょっと触れましたが、答申に盛り込むべき事項(案)というのをお手元に配らせていただいていますけれども、これは量が多くて、時間の関係もございますから全部お読みいただいた上でご意見をいただく機会がまたあると思いますので、一応きょうはお持ち帰りいただいて内容をごらんいただいた上で、次回の分科会で具体的な審議をお願いしたいと思っておりますが、ご協力をお願い申し上げたいと思います。
それでは、まず、事務局から資料の説明、次の段階の資料の説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【上月生涯学習推進課長】
それでは、資料2をお願いします。これは先般の前回の会議で方針の骨子素案、目次のようなものをお配りさせていただきました。そこでまたご意見をいただいて、それを踏まえて答申に至るまでの前段階として、目次をもう少し中身も含めて書いたものでございます。それから、机上配付させていただいています盛り込むべき事項(案)は、よりイメージをつかんでいただくための、まあ、まだまだ検討する要素がたくさんあるんですけど、より私どもとして今までいただいた意見を踏まえながら、一応イメージをつくっていただく意味で参考までにお配りさせていただいたものでございます。次回の会議ではこの答申に盛り込むべき事項をもう少し、そのときには概算要求の内容も決定してきますので、そういうことも踏まえてこれを中心にご議論いただくことになるかなと考えております。
それでは、答申の全体の流れでございますが、はじめにがあって、最初にまず生涯学習の振興を図るための行政をめぐる現状と課題というものがございます。最初の(1)は、いろいろな観点から、生涯学習ということが改めてこの新しい時代に入ってますますそのニーズが高まってきていることを記述していくのかなと考えております。そういった中には、もちろん生涯学習の性格というものを十分踏まえる必要がありますが、一方で「知識基盤社会」でありますとか、あるいはサステナビリティーの問題、あるいは、これは前回ご指摘もありましたけど、これからは自立した個人、自立したコミュニティーということをきっちりつくっていく必要があると、そういうことを前提とした社会になっていくということもご指摘がありました。それから、社会全体の教育力を高めることへの要請ということがございます。そういったような要請の中で、これまでの生涯学習あるいは社会教育の方策についてどうだったのかなということを、中教審の答申等あるいは行政政策等を踏まえて経緯を振り返った上で、現在はどうなのかという基本認識がございます。(2)の
のところで、生涯学習振興行政及び社会教育行政の実態ということがございますが、生涯学習・社会教育・学校教育の関係等について、これは関係者がまだ十分その整理ができてないんじゃないかというご指摘が、特に小委員会のほうから強く出されておりました。それから、社会教育行政を担う組織には地域格差があって疲弊感が出てきているところもあるという指摘もございました。そういった中で、今回の会議でもご意見がありましたけど、ますます社会教育というものが重要な役割ということが言われている一方で、そういったことを実際どうやって再構築していくのかということが必要でございます。それから、先ほどご議論があった学習成果の評価の方策についても検討が必要ですし、それから、これまでどちらかというと個人のそれぞれの選択、自由な選択ということを重視してきた生涯学習の中で、「社会の要請」という観点から重視すべき点は何かといった課題、あるいは昨年末成立しました改正教育基本法という趣旨も当然踏まえる必要があるということでございます。
これを踏まえまして、生涯学習の理念等についてもう一回再整理しましょうと。これは法制度小委員会のほうで法律にもという議論がありましたけど、これまで答申等でさまざまな考え方が整理されていますので、それをもう一回整理するようなことをここで記述すれば適当かなと考えております。
2ページ目、3番目として目指すべき施策の方向性ということで、こういった意味でこういう社会の要請が大きく変わってきている中で、生涯学習振興行政あるいは社会教育行政ということをどう進めていくかという場合に、これはご意見もありましたけれども、ある意味で、面的にも、縦にも横にも、ある意味で「生きる力」、これは教育課程部会でいわゆる「総合的な力」ということになっておりますが、そういったことについて縦軸、横軸を統一するものとして、あるいは社会教育関係者、学校教育関係者あるいは国民全体が共通理解するものとして、一つの在り方として、方向性として共通のものがあるんじゃないかということを最初に書いております。それを受けて、社会全体の教育力の向上ということで、ここについては1番にありますように、学校、家庭、地域がそれぞれ役割を踏まえてしっかり連携する必要があるということ。それから2番目として、関係者が、まあ、「生きる力」というこの表現はまた、先ほどの意見を踏まえてどういう書き方をするかというのはご議論があると思いますが、地域社会全体で共有すべき目標であるとか目的であるとか、そういったことが必要でないかということを書いております。それから、「目標を共有化」する場合の行政の役割としては、地域社会の方々に現在の動きや情報を提供する、あるいは普及啓発する、それから特に多くの民間、地域の人も含めて、あるいは企業も含めて、多くのプレーヤーといいますか参加者がいるわけですから、その人たちによりよい活動をしていただくための「媒介者」としての役割がこれからの行政では必要ではないかということを書いております。4番目としては、先ほども資料1にもありましたようなさまざまな施策ということを、こういったような観点から活用してみてはどうかということでございます。それから5番目は学校、これは先ほどもご意見あったものを入れたものでございます。
大きな(2)は国民一人一人の生涯を通じた学習への支援ということで、「学ぶ意欲」を支えるということで示しております。1番目はこれまでも言われていたことを再確認した文章でございます。2番目は、その中でも今後の限られた資源という中で、行政の視点から留意すべき点を一二書いております。3番目としては、その中で、行政としては目的、対象を明確にすること、その上で学習機会の充実を図ること、さらには評価という仕組みをきっちりさせていくといったようなことを記載しております。
大きな4番目は、施策を推進する際に必要な視点としまして、「個人の要望」と「社会の要請」のバランス、それからこれは前回入ってまいりませんでしたが、ご意見がございまして入れたものでございますが、知識・技術・経験を「継承」し、それを生かし新たな「創造」をしていく持続可能な社会の発展を目指す視点ということでございます。これは、ある意味では面的なもの、あるいは人の生涯、個々人についても言えますし、社会全体についても言える視点かなと感じております。3つ目が連携・ネットワークを構築する視点でございます。
そういったことを踏まえまして、5番目、具体的な方策としまして大きく2つ、やはり社会全体の教育力の向上ということと、国民一人一人への生涯を通じた学習への支援、生涯学習社会を構築していくという2つがございます。
大きな1番目は主に先ほど資料1で示しましたものを書いております。資料で示していないものについては大学等との連携を入れております。それから(2)のほうの生涯学習社会の構築のほうにつきましては、これは先ほども議論がありましたように、子どもの学校教育外の学習の在り方について、社会全体でシステムを構築していくこと。それから大人の学習についても、完全にマーケットに任せる、個人の判断に任せるということを最も基本としますが、そういった中で現在の社会の要請を踏まえて行政はどうやっていくかということでございます。それから、学習機会の提供については、特に再チャレンジ、その中で社会教育施設が地域における学習あるいは活動の拠点として位置づけること、あるいは相談体制の充実について、例えば今ネットワークを構築するという意味で生涯学習のプラットフォーム的な仕組みを構築していくこと、あるいはITの活用等について記載しております。さらに学習成果の活用につきましては、先ほどの施策等を使うことによって、具体的な協働、コラボレーションをつくっていくこと、あるいは学習成果を活用することがその人にとってまた新たな学習の機会につながるような仕組みといったようなことも示しております。それから、
の学習成果の評価については、先ほど資料1で述べたことのほかに、今度、履修証明制度とございますが、こういったことについても有効な活用の仕方を考えていく必要があるということでございます。
(3)人材の養成につきましては、特に社会教育関係者全体の質を上げていくという意味で、養成・研修、つまり研修については法制度的にも漏れているところがございますのでそういったことへの配慮が必要ということ。それから、コーディネーターについて、先ほど養成学校、ここでもご議論がありましたが、そういったものについて面的あるいは継続的にできる仕組みをつくっていくことについての指摘をしております。
最後に、こういったこと全体を踏まえまして、ある意味で限られた資源の中での行政のよりよい在り方について、(4)で触れるべきかなと考えています。
6は大変地域格差がさまざまな中で、苦労、努力されている社会教育関係者等への期待といったものを書くのかなというものでございます。
以上、全体の流れでございます。若干イメージをつかむ意味で、先ほど申し上げましたように、机上配付している盛り込むべき事項、適宜、参考にしていただければなと考えております。よろしくお願い申し上げます。
【田村分科会長】
ありがとうございました。それではただいまのご説明を踏まえまして、ご意見、ご質問等、お願いしたいと思います。山本先生、どうぞ。
【山本委員】
大変よく整理してくださっていると思いますが、最後のところの、今後の行政の在り方というところに、具体的にいろいろ入れていただければいいのかなと思うことがあります。今回の場合には3ページにございますけれども、施策を推進する際に必要な視点の3番目、連携・ネットワークを構築していくというあたりですね、これに行政はシフトせざるを得ないと思うんですけれども、行政が一番苦手とするところなんですね。従来縦割りで資金配分型のシステムですから、これを横につないでネットワークにして資源を互換してですね、互恵性を持たせてやれというのは至難の技なので、どこでそれを変えていくようにしていったらいいかというと、行政の役割のところに、ネットワーク診断を入れてはどうかと思います。ネットワークを診断していく、互恵性とか資源交換とかそういうところを診断していくということを行政の役割として、そこに問題があれば格差を是正していくとかそのあたりを入れていかないとこれはいつまでたっても変わらないと思います。非常に大きな転換点ですので、その辺をうまくソフトランディングになるようにしていく必要があると思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。
【田村分科会長】
ありがとうございました。よろしくお願いいたします。どうぞ、菊川先生。
【菊川委員】
4点ほど気がついたことを申し上げます。
まず、1の(1)のところの最初の「国民一人一人が充実した人生」という言い方なのですが、これは充実した人生というと、充実するもしないも個人の選択というトーンがどうしても強くなると思うのですが、生涯学習というのは10年ほど前から進んでいて、それは先の審議会で職業教育を随分議論してきましたけれども、やはり学習ということが生きるための必須の機能としてあるというトーンからいうと、もう少し踏み込んだ表現でもいいのかなという感じを持ちました。
それから、2ページ目の3の(1)の5の「これまで我が国では、特に子どもの教育について、学校の果たす役割の比重が高すぎる傾向があり」ということなのですが、子どもの教育について学校はやはり大きな責任を持たないといけないと思います。と申しますのが、現行の指導要領が入り、学校週5日制が始まりましたときに、学校サイドでは、これからは家庭や地域でできることを返していいんだという議論が学校現場であったのですね。それは、例えば、やゆされながらもおはしの持ち方を指導してきたとか、そういうことから親が受け取ったか確認することなく手を引いて、子どもと親、学校の3者の間でそういう技能が落ちていった経緯がありますので、またそれが今度の、「早寝早起き朝ごはん運動」まで復活しなかった経緯がありますので、ここは質が違うんであって、学校の果たす役割はやはり給料をもらう者として非常に責任があるという視点は要るのではなかろうかと思っております。
それから、最後の5番目の司書等の養成、あるいは社会教育関係者の養成のところなのですけれども、研修等をしていただく場合に、何か資格まではいかなくても、履修証明みたいなものがあるといいのではなかろうかと思っております。
それから、ちょっと戻りますが、先ほどからのご説明の「生きる力」のところなのですけれども、子どもに対しては指導要領上の「生きる力」というのを社会教育サイドでも踏まえてやっていくというのは非常に理にかなっていると思います。ただ、一方で、同じ概念で大人の説明がつくかどうかというところは丁寧に議論したほうがいいのではなかろうかと思っております。
【田村分科会長】
どうぞ、糸賀先生。
【糸賀委員】
ちょっと細かい点と大きな点がそれぞれ1点ずつあるんですが、初めに大きいほうから言いますが、先ほど水嶋委員からもご指摘があったように、学芸員でありますとか司書といったものの在り方、それから今、菊川委員が触れられましたように、専門的職員の養成や研修の在り方は、今後の生涯学習社会の実現にとってすごく大きな位置を占めると思います。その意味で、今回の答申の全体の流れで、それがきょうの資料でいうと4ページの一番下、要するにこれは5の具体的の方策の中の(3)で出てくるんですね。私、この位置づけでいいのかどうかがちょっと疑問であります。つまり、具体的方策の1とか2は、これはほんとうに文字どおり国民の生涯学習活動を支援するための施策なんですね。それに対して(3)は、社会教育に関する専門的職員の在り方についての方策でありまして、当然法改正を含むような話なんだろうと思います。そういう意味では、位置づけとしては、私は、例えば3の目指すべき施策の方向性の中で、1が社会全体の教育力の向上、2が国民一人一人、で、3に、そのためにはその支えとなるような社会教育の専門的な職員について養成や活用が必要でありますよと、そういう法改正も必要ですよというふうな構成のほうが、位置づけとしてはっきりするんではないかと思いました。具体的な施策の一つではなくて、これは法改正を伴い、国民の学びを支えていくためのインフラストラクチャーの1つなんだということを明確にしたほうがよろしいんではないかと思いました。これはちょっと大きな点なんで、ほかの委員の方のご意見も聞きたいところであります。
それから、もう一つは、今度はちょっと小さい話なんですが、これ先ほど、前半のきょうの議論の4番目に例の評価の話がありました。これについては、たしか私、この分科会の以前の会議でも申し上げたんですが、この評価については大きく分ければ2つの側面があるんですよね。1つは、きょうの資料の1のような学習機会についてとなっているように、民間事業者が提供している生涯学習活動の質を評価するという側面と、それを受講した学習者を評価する、あるいは認定する、先ほどは検定試験というような話もありましたけれども、学習した成果を評価するという2つの側面があるんだと思います。学習者の学習成果を評価するのであれば、そのときには必ずしも民間事業者が提供した学習機会に限られないわけですよね。当然これは公的に提供された学習機会も含むし、場合によっては公的でも民間でもない、文字どおり自分でいろいろと学んだという。例えばこれ、図書館とか博物館に行っていろいろと自主的に学ぶ学びというのもあるわけです。そういうものもトータルで含めて、その学習者の成果を評価するということなんだろうと思います。そういう観点から見ると、今回の答申の流れでそこの区分けがいま一つ私ははっきりしないように思いました。
先ほどの資料1-4の中でも、何かこれは、いわゆる学習プログラムを評価したり質の保証をする面と、学習成果を受けた個人ですよね、一人一人の学習者を評価するという区別がどうもはっきりしないんで、何となくあいまいで、資料1-4も学習機会についてとなっていて、質の保証や評価というのは、これは学習プログラムといいますか提供しているプログラムの評価なんだろうと思いますが、話の中身を見てみるとこれは一人一人の学習者がどれだけの成果を上げたかという話になっているので、そこの違いがもう少しわかるように書いていただいたほうがよろしいかと思います。
それから、最後のつけ足しみたいなものですが、今、菊川委員も言われたように、司書や学芸員、それから社会教育主事の研修について、それをきちんと履修したという証明、これは確かに必要だと思います。これは今言った学習者の履修証明とは別に専門的職員の履修証明として必要だろうと。その場合には、ぜひここには大学・専門学校等となっているんですが、今や私は大学院、これを入れるべきだろうと思います。現に私ども慶応大学でもそういった社会教育の専門的職員を現職者として受け入れる大学院のプログラムを開設しておりますし、これは慶応だけではなく複数の大学が既に開設しております。大学の中に大学院も含まれるんだと言われればそれまでですが、ぜひ大学院といったこと、いわゆる修士課程も奨励する意味で明示していただいたほうがよろしいかと思います。以上です。
【田村分科会長】
今の点、よろしゅうございますか。どうぞ、岩田先生、次、じゃあ、高橋先生、次、土江先生、この順番でどうぞ。
【岩田委員】
ありがとうございます。幾つかあるんですが、まず、必要性、目的のところなんですが、大人にとって成人にとって「生きる力」、それをどういうふうに言い表すかというのはなかなか難しいと思いますが、やっぱり「生きる力」の中心的になるものはエンプロイアビリティーだと思います。生涯、さまざまな競争環境や技術革新が進んだ中でずっと働き続けることができるエンプロイアビリティーというのが、やっぱり非常に「生きる力」の中核だと思いますので、そのことをしっかり位置づけていただければと思うのが1つです。
それとつながることをずっと今から申し上げるんですが、例えば、概念の整理、生涯学習とそれ以外の社会教育、家庭教育などとの関係のところがありますが、いつかの分科会でも発言いたしましたけれども、職業能力開発との概念の整理ですとか、その概念の整理をするということは、その後の具体的な対策についての連携といいましょうか、それを、これを機会に1歩も2歩も大きく具体的な成果を出していただければと思っています。
最後の点は、やっぱりきょうの議論でも何人かの委員の方がおっしゃいましたけれども、やっぱり企業の責任というのか社会的な責任というのはこの分野で非常に大きいと思います。まず、もちろん自分が雇用している従業員の企業内の教育というのも生涯学習にとって非常に大事な要素だと思いますし、ワークライフバランスを実現して、社員が会社とは関係なく生涯学習を続けたいとか、あるいは家庭に戻って子どもの養育のための時間をしっかりとれるようにするとか、そういったような観点からも、やっぱり企業の社会的な責任というのも大きいんではないかと思っています。とりあえず、以上3点です。
【田村分科会長】
ありがとうございました。じゃあ、続いて、高橋先生。その次、土江先生、次に柵先生。
【高橋(興)委員】
小さなことですが、PTAのことについて申し上げたいと思います。
実は前回、お配りいただいた教育課程部会の審議のまとめの中に、数行を割いて、PTAの重要性を指摘し、今後、活性化が必要だというふうなこと、充実が必要だという指摘がございました。私はこれまでこの分科会あるいは制度問題小委員会でもほとんど議論されてこなかった大変重要な問題だと教えられた気がしております。私ども地方から見ておりますと、国のPTA対策というのはいまいち力が入っていないのではないかと。私ども、例えば県レベルでもなかなか難しいことも事実でございます。ただ、今具体的にこうこう盛り込んでほしいということは申し上げられませんけれども、ただやっぱり、この生涯学習分科会でも学校教育との関連でいろいろな議論をしてきております。そういった中で、初中教育分科会で指摘するものについて、PTAを所管しているのは生涯学習政策局だと思っておりますけれども、そこの分科会で何も対応するようなことを書かないというのはいかがなものか。やはり私はここまで初中分科会のほうで書いている以上、やっぱり担当のところとしてはきちんとしたそれに答えるような内容を盛り込むべきものではないのかなということを感じております。
【田村分科会長】
ありがとうございました。そのとおりですね。土江先生、どうぞ。
【土江委員】
すいません、ありがとうございます。糸賀委員がおっしゃいました、全く私も、人材の養成・活用につきましては全く同感でございまして、教育振興基本計画の中で家庭、学校、地域が一体となって社会全体で教育を向上させるといったときに、じゃあ一体だれが実際にしていくのかと。これまでもその家庭、学校、地域の連携・協力というのは随分言われてきたところなんですが、こうした点で、人材養成というのは非常に重要だということで、強く位置づけてほしいと。そのために目指すべき施策の方向性というところでということもおっしゃいましたし、私もどこがいいのかなという中で、施策を推進する際に必要な視点とかこうしたところへしっかりと位置づけていただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
【田村分科会長】
ありがとうございました。じゃあ、柵先生。
【柵委員】
先ほど山本先生のほうからもご指摘があった、連携・ネットワークを構築して施策を推進する視点、3ページ目でありますが、実際、地域でこういうことを目指そうとしてもなかなかうまくいかないというのはやっぱり現状だと思います。何かやはり糸口をつけるということは必要なんだろうと思いますが、そのときに2つあると思いますが、まず評価、共通の価値観、私の言うネットワークというのは、産学官のそういう意味でのネットワークなんですが、地域の企業も含めて生涯学習を一緒に支えていくような仕組みづくりをするためにも、例えば企業の中でも通用する人材ということに対する評価尺度みたいなもの、これは学習のいろんな場面でも培ってくるものを、どうそれを取り入れていくかという話がとても大事なことじゃないかなと思います。
この中身を見ますと、履修のこと、それから評価のことも盛り込まれておりますので、その点、ぜひお願いしたいと思うんですが、少し資料を戻りますが、先ほどの1-4の最後のページ、6ページ目ですか、ヨーロッパの資格の共通フレームのお話がありましたが、この中にありますように資格だけではなくて個人のコンピテンシー、これ、例えばよくコンピテンシーの話も最近出ると思うんですが、知識ですとか資格が実社会で役に立てるそういう力が特に問われていると思います。それはやはり社会教育、あるいは生涯学習の中で学んできたことが、実務、例えば企業の中でも役立つという意味でも大変重要な視点ではないかなと思います。
例えば何か新しい関係をつくって仕事を進めようとするとき、あるいは問題が起こったときにそれを解決しながら前へ進める力とか、こういうことは知識あるいは資格にプラス、別の力も必要だろうと、こういうことも評価の中にぜひ盛り込んで検討をしていただければと思います。
もう一点は、産学官の連携の中で、やはり横断的な価値観を共有するためにも1つの道具としてITを活用するということも考えられるのではないかなと思います。よろしくお願いいたします。
【田村分科会長】
ありがとうございました。それでは、私のほうから一言、「生きる力」についての解説を申し上げさせていただきます。
岩田先生、菊川先生のご指摘と違うことを申し上げるわけじゃないんですけれども、実はOECDの調査で、日本の大人の社会というのが先進国と比べると、異様に理系の理解、関心が低いんですね、大人の社会でも。その原因は何だろうかというのが前から問題になっていたわけです。
実は、1つの例として、現在問題になっておりESDの関連でいいますと、日本の国の小・中・高のカリキュラムの中にはほかの国を凌駕するような大変な分量と内容の環境教育というものをやっているんです。ところが、それで育った大人の社会で理系の関心が非常に低い。何なんだろうかということです。これは、結局知識と生活上の意識がつながらないような教え方をしているんではないかという疑問があるわけです。その部分を何とかしようというのが「生きる力」という考え方だったんです。別の言い方をすれば、いわゆるクリティカルシンキングというのが今はやっていますけれども、クリティカルシンキングはそのいい例ですね。例えば、あしたは天気が悪い、なぜか、NHKが言ったからとかこういうのはクリティカルシンキングではないんだということを徹底的にわからせるという、実はそういう教育は日本ではやってきていたんだろうけどあまり厚みがなかったというふうに我々は考えて、学習指導要領の中で「生きる力」というテーマを、前回も提言し、今回もそれを残したわけです。非常に重要な意識で、それは子どもの世界だけじゃなしに大人の世界もそうだろうという、それは間違いないだろうと判断しているわけです。ですから、「生きる力」という概念を生涯学習の中でやっぱり何らかの形で残すべきだろうと。例えば、先ほどの環境教育でいえば、温室効果ガスの排出でいうと、イギリスとか日本は年間、大体一人平均11トンぐらい出しているわけです。これを今のバリのロードマップによると、最終的には2トン前後に減らさないと世界の環境は大幅に悪くなるということがはっきり議論されているんです。で、それは理屈の上では合わないというような、あるいは違うんだというような科学者はいるんですけれども、今や主流はそれはそのとおりだと。つまり温室効果ガスの排出が確実に地球環境を悪くしているということについての合意ができ上がっている、科学的にもそれは証明されたという段階に来ているわけです。
その中で、今の大人が年間11トンの温室効果ガスを排出する生活をしているのを変えてくれない限り、絶対に2トンにはならないわけですね。つまり今の生活が炭素をもとにするエネルギー源をもとにして生活しているからです。だから、そこを考え直す、どうしたらいいかというのはいろんな問題があるんだろうと思うんですけど、それはまさにクリティカルシンキングで物を考えてくれるような大人の意識改革がないと実現できないんじゃないかというのが、私などはそう思うもんですから、確かにご指摘のように、「生きる力」をそのまま書いて、先ほど中込さんがおっしゃったように、これは世の中でよく理解されている言葉だとは言い切れませんから、岩田、菊川両先生がおっしゃったようにうまく説明を入れて、考え方としてはそういう考え方なんだということで、子どものときからは「生きる力」でそれをわからせようと、その力をつけておこうと。それは大人はちょっと手おくれだけど、今からでも遅くないからやろうという考えで私は受けとめていたんです。そういう意味でございますので、「生きる力」をなくさないで、何かうまい表現を考えるかどうかというような考え方で、脚注をつけるとか何かされたらいいのかなと思っていますけれども。ご意見がございましたらぜひお伺いしたいと思うんですけど。どうぞ、島田先生。
【島田委員】
もうほとんどご意見が出揃っておりますが、1つは、5の具体的方策の(3)人材養成・活用については、私も先ほど糸賀先生が発案なさったように、3の項目に、目指すべき方策の方向性としてしっかりと入れておくべきだと思います。
もう1つは、「生きる力」についての記述に関することです。先ほど水嶋委員からもグローバルスタンダードについてご意見があったと思いますが、グローバルな意味でも通用する力ということを、どこかに表現しておく必要があるのではないかと思いました。以上です。
【田村分科会長】
ありがとうございます。国際通用性というやつですね。それは、表現はうまく考えていただいて、先生方のご意見をちょうだいしてまとめたいと思います。
ほかには。どうぞ、平野先生。
【平野委員】
今の「生きる力」なんですけれども、私も今のご説明をいただいて、私もちょっとあいまいでとらえていたところがあったなと思って、教えていただきありがとうございます。よくニュースなどは、これは口頭でニュースというのは伝えるからなんでしょうけど、ある言葉を言って定着するまでは「いわゆる」と言って、必ずわかりやすい言葉で解説していきますよね。この「生きる力」についても誤解を生まないように、「生きる力」、いわゆるに当たる括弧書きで、例えば知識と生活上の意識をつなげてというふうに、すいません、すぐに繰り返せなくて、そういった言葉をつけて同時にいつも目に入るようにしておくというのはいかがでしょうか。こういう文章だと、何回も同じ言葉が出てくるというのは非常に嫌われるんですけれども、けれどもそのことによって誤解が生まれたり何か検索しないとそこ言葉の意味がわからないというよりは、すぐそばで見られる、あるいは後ろのほうに解説、用語集みたいなのがついているとか、その都度そういうのをつけていただけるとよろしいのではないかななんて思いました。あわせて「リテラシー」も、私、その都度、意味を聞いてはすぐにこれ何だったかなと思ってしまうんですが、こういった外国語から来たような言葉もお願いしたいと思います。また、私自身も、今すぐ、聞いたばっかりなのにすぐ繰り返してささっと言えないところを大変恥じておりますが、語り部として田村先生がおっしゃったことをちゃんと言えるようにしておきたいと、心がけたいと思います。
【田村分科会長】
ありがとうございました。あといかがでございましょうか。糸賀先生、どうぞ。
【糸賀委員】
もう私はあんまり発言するつもりはなかったんですが、今、わざわざ分科会長が時間をとって「生きる力」について解説していただきましたので、それに答える意味で発言したいと思います。
「生きる力」という表現自体は、私は既にかなり浸透してきたので、前回、案に出ていた「学士力」というようなネーミングは疑問ですが、「生きる力」という表現は、こういう答申の中で使ってもいいんだろうと思っておりました。ただ、理解は必ずしも田村分科会長が説明してくださったような理解とは、実はやや異なっておりました。むしろ、盛んに小さな子どもがみずから死を選んだり、いろいろな社会的な環境の中で小さくしてその命を落としてしまうと。そういうふうなことがあってはならない。だから、私自身は「生きる力」というのは、むしろ、表現はよくないかもしれませんが「死なない力」なんだと思っていたんです。つまり、この社会の中に生まれ育ってちゃんとその生命の連鎖というものをきちんと果たしていく、そういうふうなことが必要であって、今言われたような環境問題ですよね、こういうものも人類として、あるいは一つの生命体としてその生命の連鎖ということをちゃんと伝えていく、そういう力がやっぱり育っていないと困ると、それが生涯学習の基本的な考え方にあった、先ほどの持続可能でありますとか、自立した個人、あるいは自立した地域を生み出すという、そういうところにつながっていくんだろうと思っておりました。ただ、もちろんいろんな理解や解釈の仕方もあるということがわかりましたので、こういう答申の中では表現自体は既に広く人口に膾炙する表現になってきたわけなんですが、それにしてもやっぱり解釈にあまり大きな隔たりがあるというのもよろしくはないと思いますので、今言われるような脚注なり、もう少し本文の中で説明をしていただくようなことはお考えいただいたほうがいいんだろうと思います。そういう意味で、特に生涯学習の観点から、この「生きる力」というふうなことが言われるのは、やっぱり地域全体の中で子どもや大人がそれぞれの生きがいや価値観といったものを十分実現できる、それが結局は次の世代に伝わっていくことで「生きる力」となってその地域社会を支えていく源泉といいますか源になっていくのだろうと思います。そういう観点で、やや私は学校教育で言われているような文脈とは、生涯学習の文脈は異なるのかなと思いつつ聞いておりました。
【田村分科会長】
ありがとうございました。糸賀先生のおまとめで間違いないと私も思っております。つまり、かなり大き目の概念規定で、幅の広い概念規定でぜひ活用していただくと。で、それが子どもたちの学校生活と大人の学習がつながってきますので、そういう意味では意味があるのかなと思っておりますので、ぜひ一つ、ご工夫をお願いして、おまとめいただければうれしいと思っております。
あと、いかがでしょうか。よろしゅうございましょうか。最後のところで非常に重要な話が出ましてよかったです。先生方からいろんなすばらしいご意見をちょうだいできて、とてもよかったなと思っております。
それでは、時間が予定どおりでございます。一応本日の審議はここまでとしたいと思っております。本日いただきましたご意見を踏まえまして事務局とも協力しながらさらに議論を深めていきたいと思いますので、どうぞご協力をよろしくお願いしたいと思います。
それでは最後に事務局から連絡事項があると思います。よろしくお願いします。
【小林社会教育官】
今、分科会長のほうからもお話がありましたけれども、委員の皆様のお席に配付させていただいております、封筒に何も書いていない封筒に別途入れさせていただいております「答申に盛り込むべき事項(案)」につきましては、また会長のご指示をいただきながら引き続き事務局でも検討を進めてまいりたいと思いますので、中身は全く今まだ未定稿といいますか書きかけという状態でございますので、その状態の中、委員の皆様にお渡しするのは大変恐縮でございますが、何分、分量が多いので、来週の審議までにもしお目通しいただけましたら大変幸いでございます。
次回は12月26日水曜日10時から13時まで、会場は本日と同じこちらのグランドアーク半蔵門、同じ部屋で開催させていただきたいと思います。ほんとうに年末の大変お忙しい中、恐縮でございますけれども、よろしくお願いいたします。
【田村分科会長】
それでは、本日の生涯学習分科会はここまでとしたいと思います。なお、実は予算が間もなく決まるんですね。この議論は全然予算が決まっていない議論ですので、次回はわかるんですか。
【上月生涯学習推進課長】
わかります。
【田村分科会長】
わかるんですね。じゃあ、次回は非常に元気よく議論ができると思いますので、よろしくご出席をお願い申し上げたいと思います。長い時間どうもありがとうございました。
─了─
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