資料1 第2回今後の放課後等の教育支援の在り方に関するワーキンググループにおける主な意見(案)

日時

平成25年12月26日(木曜日)11時00分~13時00分

場所

文部科学省 15F特別会議室

主な意見

1.学校の教育活動と放課後の支援活動の連携強化
(1)持続可能な仕組みの在り方
○ 校長や教務主任が人事異動で変わると、継続性が担保されない。一方で、地域のおやじの会やPTAは継続して行いたいと感じている。その辺りの課題を解消するためにはどうすればよいか。

○ 学校側がイニシアチブをとるのか、社会教育側がイニシアチブをとるかが重要。人事異動で変わらない保護者、地域がイニシアチブを持っていれば、学校のスタッフが変わっても、取組の根底のスタイルは変わらないだろうという仮説のもと活動している。

○ 校長会と地域の様々な活動組織をつなぐ窓口として教育委員会の生涯学習支援課、あるいは学校支援課に担当者を配置し、定期的に学校や地域の活動組織と打合せに出向いてお互いの意見のすり合わせを行っている。

○ 今の問題は非常に多いと思う。例えば、木更津は、学校支援ボランティアを14年間続けており、校長が変わっても続くような仕組みを作った。その一つが、市内の小中学校に校務分掌で学校支援ボランティア担当教員を置いたことである。

○ 杉並区の場合、学校支援地域本部の活動を支えているのはコーディネーターである。学校のことはコーディネーターが見ており、職員室に机を置き、職員会議に参加したり、運営協議会に参加をするなどして、両方のすり合わせをやっていく。まさにマネジメント、コーディネートを行うスタッフを置くようにしている。

○ コーディネーターの役割が非常に大事ではないか。学校支援地域本部が複数の学校を見て、そこにアドバイサリーボード(監査役会)を設けて地元の声を吸い上げ、NPOが支援しながら、コーディネーターの人が継続的な取組をしていくことが重要。小中学校だと、人事異動があり、親も一人っ子が増え、親も学校に関わる時間が短くなっているので、地域全体で統一的なことをやっていくのなら、学校支援地域本部が中心となってコーディネーターがしっかりと長期にわたって取り組んでいかざるを得ないのではないか。

(2)取組の効果が分かるエビデンスの必要性
○ 校長が理解することが重要。そのためには、取組によってこんなふうに子供が変わっていくという事例をたくさん発信することによって、学校自体も変わっていくんじゃないかなと思う。

○ 仕組みとプログラムばかりに、偏り過ぎているのではないか。

○ データ、エビデンスを出していかないと学校も地域も変わらないのではないかと思う。

○ 子供がどう変わるかということとあわせて、教員や学校がどう変わるかということに関心を持っている。昨年度、全国小学校教員調査をサンプリング調査で行った結果、放課後子供教室や学校支援地域本部が設置されてうまくいっているところの教員は、自分自身の職務に対してやりがい感や同僚肯定感が高く、負担感やマンネリ感が低いという観念が統計的にも出た。また、抑鬱性も低いという関連が出ている。放課後子供教室を実施しているところは、教員は子供を肯定的に見るという、子供の見方も変わってきているという統計的有意差が出ている。

○ 学校を開くと校長、教員の負担が増えるという、多忙感がもっと増えるというのが一般的な受け止め方であるが、そうではないんだというデータを出してくれると、地域の方、教員も助かるのではないか。

○ 子供がどうプラスの方向で変わるかということと、教員や学校にとってもどうプラスの効果があるかということを学校側に説明していかないと、いつまでも学校は負担が増えるという意識ばかりが高くて、開かないのではないか。

○ それぞれの学校が、学力が上がってきたという実感をどんな形で測られたのか。先生方からの見解なのか、あるいは生徒からの見解なのか、あるいは地域の方からの見解なのか。

○ 子供たちの態度における変化は十分具体的にありえる。未来の目標のためにキャリア的な意味合いも込めて、今やっている学習に対して、ただ受験のためにやらされているではなくて、子供の中に学習の価値付けなりが積み重なってきているような感覚はある。

○ 名古屋ではトワイライトスクールに通っていた子が大学生になって指導してくれている。児童館に中学生のジュニアリーダーが指導に来てくれたりすることもある。それから、近所の高校生がトワイライトの企画を持ってきてくれたりする。中長期で考えればそれも成果といえるのではないか。

○ 数字で表せる量的なエビデンスと、体験した方がどう成長していったかというフォローアップの質的なエビデンスの両方が必要である。

(3)学校種間等の連携の在り方について
○ 小中一貫教育に取り組んでいるが、各小学校の特色を中学校が拾い上げきれないということがある。一方、PTA同士というのは割と横でつながっている。

○ 学校間連携という点では学校よりも、おやじの会のネットワーク、PTAのネットワーク、放課後キッズクラブの運営団体のネットワークを通して広がっていくというぐらいのスピードでしかまだ進んでいない。

○ 特に都市部において、この土曜日が、もちろん基本ベースは、豊かな体験活動になり、そして児童生徒自らが遊びとか豊かな体験を通じて考える力、学習力、自然に自分の体験から身に付く、学ぶという希求、求めていく力みたいなものをどうつかみ取るかということが、この土曜日の大きな要であろうと思う。特に中学校ではもっと探求型の学習をしていく、初期の段階において中学校で土曜日を有効に使っていくといいのではないか。

○ 四つの小学校があって一つの中学校、小中一貫校を設置する場合に必ず問題になってくるのは、A小学校は英語活動をして、B小学校はボランティア活動をして、C小学校は環境学習に取り組んできたというような場合、同じ中学校に行ったときに、そのずれをどうやって保証するかという、小中一貫校で一番ネックになる問題がある。小学校と次の中学校とのつながりをどうするかという問題を考える場合に、非常に大事な問題である。

2、放課後等のプログラムと学習機会の充実
(1)地域の実情に応じたプログラムの在り方
○ 多様性もよいが、この地域は○○、この地域は○○など、地域の実情に応じたテーマを絞っていくのも必要ではないか。地域で、一貫のテーマと個別のテーマがあると、より放課後は盛り上がっていくと思う。

○ 東京ならではの取組になっているという認識もあるが、多様な活動を通して、社会が参画して放課後を支えていくということの重要性を、東京の発信力という強みを生かしてメッセージしていきたい。

○ 人口の少ない地域では、学校自体で関わる教員の数が少ないので、常日頃から多様な大人が入るように仕掛けている学校がだんだん増えてきている。

○ 自分たちのNPOのスタッフがプログラムを企画立案できるようになろうということをやっている。アメリカでも1日10プログラムの内、7プログラムをスタッフがやっていた。

3、教育と福祉など、子供に関わる多様な関係者間の連携方策
(1)まちづくりの視点で考える
○ 「いいまちはいい学校を育てる」、つまりコミュニティが学校を育てるのであり、学校当事者だけでやっているわけではないということは、かなり定着した。

○ 昨年作った区の10年計画の主な柱は、地域の共同体が住みよい町を作ることである。町づくりの一つの核に学校を置いている。

(2)施設の複合化による効果
○ 施設再編を検討する中で、児童館を単独で存在させるのではなく、保育事情もあるし、高齢者施設の問題もある。そういった多機能化、複合化を図っていく一つの対象として学校を選んだ。現在も学校の中に高齢者施設もあるし、児童館も学童クラブもある。

○ 福祉的な意味、それから教育的な意味、両方を前向きに捉えて学校の多機能化を図っていく。学校の児童生徒とは違う年齢層の高齢者や幼児、乳児などが来ることによって経験の幅も広がり、そこで得られる教育的効果も高い。

○ ただし、学校で多様な団体の経営や運営をするには無理がある。現在、児童館は区の福祉部局がやっているが、更に拡大していくとすれば、公設民営型、あるいは民間委託型、あるいは指定管理者型というような、そういうことも思考していく必要がある。

○ 東京の千代田区が、一つの空間の中に幼稚園と保育所、認定こども園を作って、その上に小学校があり、放課後子供教室があり、夜は公民館の役割という事例がある。トップレベルが月に1回ミーティングをやって、お互いが連絡し合うという取組をしている。

4、放課後子供教室と放課後児童クラブの連携強化
○ 放課後児童クラブ、あるいは放課後子供教室の運営も民間やNPO等ともタイアップしてやっていくことが望ましいと考えている。

○ 民間を導入したものも模索はしているが、なかなかそれが機能していかないというのが現状である。

○ 学校支援地域本部を中心にして様々なノウハウが蓄積されてきているため、これを更に広げるとすれば、学校支援地域本部のパワーアップと同時に、新しい経営資源、新しい社会教育資源を取り入れていくことが必要。それにより更に有効で強力なものになっていくだろうと考えている。

○ 学校内に放課後児童クラブもあれば、放課後子供教室もやっているという現状はある。

○ 放課後児童クラブは学校の中にある場合や、児童館と放課後児童クラブが同居している場合もあり、いろんな形でやっている。

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