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実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会(第16回) 議事録

1.日時

平成28年5月10日(火曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 3階講堂(東京都千代田区霞が関3-2-2)

3.議題

  1. 新制度の制度設計について
  2. 答申素案について
  3. その他

4.議事録

【永田部会長】  おはようございます。所定の時刻になりましたので,第16回の実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会を開催させていただきます。本日も,お忙しい中,委員の方々にはお集まりいただきまして,誠にありがとうございます。録音,カメラ撮影について,報道関係者からの申出がございまして,許可をしておりますので,御承知の上,議事を進めたいと思います。
前回の会議では,3月末に出された審議経過報告以降の制度の具体化に向けた細かな点についての議論をさせていただきました。今回もそこに続くわけですが,幾つか,まだ残された議論のポイントが残っていたかと思いますので,その辺りを中心に,加えて,答申素案の文章の案の最終的な取りまとめに向けて,皆様の御意見を頂戴したいと考えております。
それでは,まず,本日の配付資料について,事務局から御説明ください。
【塩原主任大学改革官】  初めに,本日の配付資料の御確認をお願いいたします。本日の配付資料は,議事次第にございますとおり,資料1から資料4までの4点でございます。不足等ございましたら,お申し付けくださいますよう,よろしくお願いいたします。
【永田部会長】  ありがとうございました。御確認ください。
それでは,早速ですが,議題に入っていきたいと思います。前回の議論を踏まえた資料を用意しておりますので,事務局から御説明をさせていただきます。
【塩原主任大学改革官】  お手元の資料4点のうち,主に資料3及び資料1につきまして御説明をさせていただければと思います。
まず資料3でございますが,こちらは,現行の各高等教育機関の設置基準等で定めております制度と新たな高等教育機関の制度設計の方向性を比較した表でございます。こちらの資料の右側の欄にあります,新たな高等教育機関における制度設計の方向性(案)につきましては,審議経過報告の時点で既に方向性を頂いたものと,現在検討いただいているものとの双方を織り込んでいるものでございます。中身に入りますが,例えば,1ページ目の上から二つ目の名称及びその二つ下の学位・称号の表記の部分につきましては,前回出された意見を基に,現在考えられる方向性をこちらに整理しております。この方向性でよいかということにつきましては,本日,御意見を頂ければと考えております。
また,その下の段は教育課程の部分になっておりまして,教育課程の一番上の部分につきましては,米印が四つ並んでおります。分野の特性に応じた実習等の割合,企業内実習等の時間数,ないしは産業界と連携した教育課程編成の体制整備を要するということを注記しております。2ページ目を御覧ください。新しい高等教育機関の方向性の部分で申し上げますと,2ページの一番上の教員についての制度設計の方向性(案)における,専任実務家教員数の割合,研究能力を併せ有する実務家教員の数などにつきましては,現行の大学設置基準等にはない要素でございますが,新たな高等教育機関について,このような要件を新たに盛り込み,制度上義務付けることで,既存の大学等と差別化されるということになるわけでございます。
さらに,2ページの下段以降も,制度設計上の各論点について,大学設置基準等との比較で新機関の方向性を示しているものでございますが,例えば,教育条件の教員数,専任教員数について,これは既存の大学であれば,学部等の種類に応じて定める教授等の数と大学全体の収容定員数等に応じて定める教授等の数を合計した数以上とされています。さらに,工学,保健衛生学,経済学といったように,全部で19種類の分野がございますが,大学設置基準では,19の分野ごとに収容定員規模に応じた必要数が定められているところでございまして,新たな高等教育機関につきましても,制度の施行までには,既存の大学設置基準と同様に,分野ごとの詳細な基準の設定が必要になってくるものと思います。ただ,こうした基準の策定は,分野ごとの特性,実情に即した,非常に技術的かつ実務的な作業にもなってまいりますので,本特別部会には,こうした実務的な作業を進める際の方向性となる制度設計上のポイント,基準設定の観点についてのみお示しいただければと考えております。特別部会において示されました,そうした観点を答申としておまとめいただければ,以後の技術的かつ実務的な作業はそれにのっとって進めていくことができるものと考えているところでございます。
続きまして,答申の素案でございますが,こちらにつきまして,本日,資料1として御用意させていただいています。先般まとめていただきました審議経過報告をベースに,その後の検討の成果を加筆,修正して,赤字で記しているところでございます。その部分を御説明させていただくわけでございますが,まず表紙,目次を御覧ください。今回の答申の全体構成について,表紙,目次にございますとおり,全体が2部構成になっておりまして,新たな高等教育機関の制度化に関しては,そのうちの第1部として報告することとしています。
この点につきまして,本文の1ページの「はじめに」の部分を御覧いただければと思いますが,下から三つ目の丸のところにもございますように,昨年4月の中央教育審議会への大臣諮問におきましては,大きく二つの事項についての審議依頼がなされております。このうち第1の審議テーマを本特別部会で,そして,第2の審議テーマにつきましては,生涯学習分科会において検討が進められてきたところでございます。生涯学習分科会における検討も,おおむね,終局に差し掛かっているところのようでございまして,昨年4月に頂いた1本の諮問事項については,答申としても1本でまとめることを事務局としては考えているところでございます。
このため,「はじめに」の文章につきましては,本特別部会の審議経過報告の際にまとめていただきました文章をベースとし,生涯学習分科会における必要な要素を加えた形で,今回まとめているところでございます。
続きまして,第1部の内容でございますが,まず,第1章の4ページを御覧ください。4ページの一番下の脚注に赤字の部分がございますが,こちらは,第4次産業革命によって増加する仕事に関しての産業構造審議会での議論について紹介していた部分でございます。この産業構造審議会の議論についても,本部会の審議経過報告後に更に進捗があったようでしたので,その内容を反映させたものでございます。
続きまして,少し飛びますが,10ページを御覧ください。こちらは,第2章に入ってきておりますが,高等教育における職業人養成の課題と対応に関する記述でございますが,赤字の部分を御覧ください。我が国の高等教育体系の中にも,職業教育の機能をより積極的に位置付けていくことが求められる旨,さらに,同様の趣旨から12ページにおきましても,一つパラグラフを追加しておりますが,新たな高等教育機関の制度化によって,アカデミックな教育と並ぶ,もう一つの教育の選択肢を与える旨,機能別分化・多様化,ないし複線化を通じた高等教育全体の発展へとつなげる旨の記述を追加しております。こちらにつきましては,高等教育の複線化という制度の狙いをより明確に打ち出すべきという御意見を前回頂いたことを踏まえまして,今回,加筆したものでございます。
続いて,14ページを御覧ください。こちらは,第3章の「養成すべき人材像」の続きの部分でございますが, 14ページの下に脚注を追加しております。こちらは,人材像をより具体的に示したものを例示として入れているものでございますが,前回会議の資料でもお示ししたとおり,成長分野等で求められる人材を例としまして,IT分野,観光分野及び農業分野の養成人材のイメージを示したところでございます。
次に,20ページを御覧ください。こちらも第4章の制度設計に入ってきておりますが,まず,制度の基本設計の部分,前期,後期課程の分割についてでございます。4年制課程の前期,後期課程の分割につきましては,審議経過報告では,「その導入を検討」という表現にとどまっているところでございましたが,今回,真ん中辺りのパラグラフにございますように,明確に,前期,後期の課程区分制を導入するとした上で,前期課程修了時に職業資格を取得した上で,後期においては有資格者であることを前提とした専門実務実習を行うなど,この新しい制度の活用例,制度導入の意義について加筆をしているところでございます。
続きまして,21ページの四角囲みの企業内実習,実習等についての記述の部分でございます。企業内実習に関する記述につきましては,赤字でございますように,企業等との共同教育計画の策定,企業等における指導員の配置などの適切な指導体制が確保された企業内実習等を一定時間以上確保するとしておりまして,その一定時間数につきましても,分野の特性に応じつつ,例えば,2年制課程で通算300時間程度,4年制課程で通算600時間程度などの具体的な時間数を追加いたしました。同様に,実習科目の割合につきましても,分野特性に応じ,卒業単位のおおむね3割から4割程度以上との数字を新たに入れております。
さらに,その下の教員組織につきましても,専任実務家教員数の割合をおおむね4割程度以上と記載しています。さらに,その必要数の半数以上は,新たな高等教育機関における研究活動を行うための研究上の能力を併せ有する者を配置するよう義務付けるとし,数字の目安をお示ししております。
続きまして,23ページ,他の高等教育機関等との連携に関する部分でございますが,こちらにつきましては,団体ヒアリングで頂いた御意見を踏まえまして,若干の加筆をしております。一つは専門高校との関係でございますが,23ページの一番下にもございますとおり,新たな高等教育機関による専門高校の教育活動の支援・連携についての記載を追加いたしました。
また,24ページ,高等専門学校との関係でございますが,新たな高等教育機関,大学等との連携の在り方,高等専門学校修了者への学位授与の在り方等について,更なる検討を進めていくことについての記述を今回追加しております。
その下,「入学者の受入れ等」についても,団体ヒアリングで御意見があった部分でございますが,専門高校からの進学者については,モジュール制の活用等により,当該進学者のニーズに合った柔軟なプログラムの編成を行えるようにすることについて,新たに記述を追加しております。
また,その上で,多様な学生の受入れについても,今回,新たに努力義務化することを加えております。
続きまして,25ページの教育条件の四角囲みの中の部分でございますが,「また」以降,「校地面積や運動場・体育館については,新たな機関の教育活動の特性を踏まえるとともに,社会人への教育を主要な機能に位置付けた機関として」「適切な立地・施設確保等が図られるよう,弾力的な対応が可能な基準の設定を行う」旨の記述を追加しております。
その下,同時に授業を受ける学生の数につきましても,「原則として40人以下」との数字を新たに入れております。
26ページ,分野別質保証の観点からの評価につきまして,「審議経過報告」段階では,「効果的な導入の検討」という形での記述にとどまっていたところでございますが,今回,例えば,新たな高等教育機関のみを設置する場合は機関別評価と分野別評価を一体的に行うなど,効果的な評価の導入の方向性について考えられるところを,より詳しく書くこととし,導入については「検討」ではなく,「図る」との言い切りに改めております。
27ページでございます。27ページ以降は,前回の特別部会でも特にたくさんの御意見を頂いたところでございますが,まず,「学位の種類・表記」の部分でございます。学位の種類については,27ページの下から二つ目の丸の部分でございますが,こちらは諸外国の高等教育機関では,職業志向の学位プログラムであっても,学士レベルではBachelorの学位を,短期高等教育レベルではAssociateの学位を授与するのが一般的になっていることを踏まえまして,新たな高等教育機関においても,学位の種類としては現行の大学,短期大学と同様,学士及び短期大学士の学位を授与することが適当であるとしました。
また,学位の表記に関してでございますが,新たな高等教育機関では,「修めた課程の特徴をより明確に表すよう,当該専攻分野の名称として,学問分野よりも,産業・職業分野の名称を付記することや,専攻分野に加え,『専門職業』,『専門職』などの字句を併せて付し,職業実践知に基づく教育を併せ行う専門職業人養成のための課程を修了したことを明確にすること等が適当と考えられる」といたしております。
続いて,28ページの真ん中,「名称」の部分でございますが,こちらにつきましては,「例えば,学士課程相当の課程を提供する機関は『専門職業大学』,『専門職大学』など,短期大学士課程相当の課程を提供する機関は『専門職業短期大学』,『専門職短期大学』などとし,当該機関が,大学制度の中に位置付けられ,専門性が求められる職業を担うための実践的な能力を育成するものであることを表すようにすること等が考えられる」としておりますが,「更に幅広い意見を踏まえ,相応(ふさわ)しい名称を定めることが適当である」という形で結んでおります。
さらに,その下,設置形態に関する部分でございます。一番下の丸にございますが,「新たな高等教育機関は専門職業人の養成を専らの目的とし,職業実践知と学術知の双方に基づく教育を行うものであり,その設置形態については,機関の目的の違いに応じて,既存の大学・短期大学と並んで,独立した組織として設置されることになる」といった基本的な言及をこちらでしております。
「それとともに」という形で加えて,「既存の大学・短期大学が一部の学部や学科を転換させる等により,新たな高等教育機関を併設できるようにし,ダブルメジャーや共同教育課程等も含めた多様な選択肢の提供を通じて,職業人養成機能を発揮できるようにすることが適当である」といたしました。
29ページの一番上は,大学院設置に関する記述でございます。学士課程相当の課程,修業年限4年の課程を置く新たな高等教育機関につきましては,その設置者が独立大学院も含めた大学院を設置することを可能とし,そのための要件を定めることが適当である,といたしたものでございます。
最後,財政措置についてでございますが,「学生に対する修学支援や教員に対する研究助成,機関に対する公募型資金や基盤的経費の措置を図ることを基本とし,その財政措置の在り方について定めていく。その際,改革に積極的に取り組む既存の高等教育機関への支援が維持・充実されるようにするとともに,産業界や関係省庁と連携した多元的な資金の導入を図るものとする」というような形で従前より具体的な記述といたしました。
以上,資料についての御説明でございます。
【永田部会長】  ありがとうございました。これから,今御説明があった部分,特に赤字の部分を中心に本日は議論を進めてまいりたいと思います。資料3は大変よくできていると思うのですが,先ほどの事務局からの説明にもございましたとおり,細かな数字に関することはこの特別部会とはまた異なる場所で専門的に審議されることになります。このような既存の大学,短期大学,高等専門学校,専門学校の設置基準を踏まえ,新たな高等教育機関の基準はどのような方向とするのかという,大まかなことについて我々は意見をまとめていきたいと思いますので,その点,改めて御認識いただいた上で,御発言願います。
それでは,この素案に沿って議論を進めてまいりたいと思いますので,最初に1ページ,2ページの「はじめに」の部分について御意見をお願いします。
先ほど御説明がありましたように,もう一つの審議テーマについては,現在,生涯学習分科会で検討を行っておりまして,そこでの議論とセットで答申をするということなので,そちらの部会に関する記述が今回新たに入りました。「はじめに」については,我々として主張するべきことが入っているかどうかという観点で御確認いただければと思います。いかがでしょうか。
それでは,先に進ませていただきますが,第1章と第2章について,併せて御意見を頂ければと思います。第1章は6ページまで,第2章はその先,12ページまでなのですが,何か御意見等はございますでしょうか。前回議論のあった複線化という部分については,「複線化」という言葉を使用しますと若干誤解を招く可能性もありますので,10ページの赤字と12ページの赤字のような形で入れておりますが,御意見の趣旨は反映されているかと思っております。
黒田副部会長,いかがでしょうか。
【黒田副部会長】  このところは,本当によく書いていただいたと思います。これは前の会議でも,「複線化」という言葉を使用することは誤解を招くということは聞いていたので,ここではっきりと,「機能別分化・多様化」という表現で記載いただき,さらに12ページの下の脚注において,このようなことについては,「複線化」等という言葉を用いて表現することもある旨の補足がなされていることで,十分かと思います。
【永田部会長】  ありがとうございます。そのほか,いかがでしょう。
実は4ページの脚注の赤字のところが私は比較的気に入っています。寺田委員から「技能」や「技術」という言葉について,何度か問題を提起していただいたかと思います。この赤字の脚注部分の,新産業構造ビジョン中間整理では,「第4次産業革命により増加する仕事として,ハイスキルの仕事のサポートとしてのミドルスキルの仕事,カスタマイゼーションによるミドルスキルの仕事」云々(うんぬん)とあり,「技能」という言葉ではないのですが,そのニュアンスに近い説明がなされておりますが,寺田委員,いかがでしょう。
【寺田委員】  「スキル」というように,言い方が英語ですけれど,よろしいのではないかと思います。「技能」というと,日本の場合,どうしてもテクニカルスキルだけを指す印象が強いので,少し幅広くしておくという意味で,「スキル」という言葉を使うのは賛成です。
ついでに申し上げますと,文部科学省の方は,すぐに,技能やスキルのことを「技術」と言い換えて,書いてしまうのですが,技術と技能はやはり区別しないといけませんということを改めて申し上げておきます。技術というのは客観的な存在だということを認識していただくとともに,「はじめに」の二つ目の丸の4行目のところの「変化に応じて新たな知識や技術を身に付ける」の「技術」についても,「スキル」,あるいは「技能」とした方が適当ではないかなと思いますので,御検討のほどよろしくお願いします。
【永田部会長】  寺田委員のお考えですと,「知識・技術や技能」ということでしょうか。知識と技術というのは中ぽつでつないでもよく,技能というのは,客体ではなく,身に付く能力だという御趣旨かと理解しました。
そのほか,どうでしょう。
岡本委員,お願いします。
【岡本委員】  全体として今までの議論が十分に反映されて,よく書き込まれていると思います。12ページの「新たな機関の制度化は」というところの赤字部分について,そこに書かれていることは全くそのとおりですが,一つ申し上げたいのは,2行目の「アカデミックな教育と並ぶもう一つの教育の選択肢を与える」についてです。これもそのとおりなのですが,「もう一つの教育」というのは,表現としてやや弱いかと思います。せっかく二つの教育を対峙(たいじ)するものとして掲げているにも関わらず,アカデミックな教育に対する言葉として,単に「もう一つの教育」と言ってしまうのは適当ではないのではないかと思いまして,せっかくならば,アカデミックな教育と並ぶものとして例えば,「専門職業人を育成する教育」あるいは,より正確に言えば,28ページにある「職業実践知と学術知の双方に基づく教育」というように,新たな高等教育機関の理念を簡潔に表現するものとした方が据わりもいいと思います。意味としては,今の書きぶりでも十分つながるのですが,そこを強調して表現してもらえると,有り難いという意見であります。
【永田部会長】  大変良い御意見だと思います。片方は形容詞が付いて,もう一つは形容詞も何も付いていないのは,ややアンバランスなので,28ページの一部,若しくは「職業を目指す」といったような修飾語を追記するなど,必要な対応をさせていただきます。
それでは第2章については,ここまでとさせていただき,続けて第3章に移らせていただきます。第3章も赤字の追記あるいは修正がなされた部分というのは,極めて少なくなっておりますが,いかがでしょうか。
御意見がないようであれば,第4章に移ります。第4章は比較的赤字が多く,ここは前回も議論が集中したところです。この章については,少し議論した方がいいかと思っております。
20ページの四角囲みの中を御覧ください。文章が前と少しだけ変わっています。それは,四角囲みの中で,4年一貫制というのがまず前提になっているということです。そして,4年の課程を前期と後期に区分することができる区分制についても明確化しております。この辺りについて,御意見いかがでしょうか。
また,もう一つ,大きなところで,教育内容についてでありまして,21ページの上の四角囲みの中になります。今回,具体的な数字を入れ込んで素案としているわけですが,例えば,2年制課程で通算300時間程度,4年制課程で通算600時間程度の企業内実習を義務付けるということ,実習については,分野の特性に応じて,卒業単位のおおむね3割から4割程度以上義務付けるということとされております。この部分は,前回,結構な議論になった部分かと思いますが,いかがでしょうか。「程度」という言葉が入っており,今後の具体的な基準設定に当たっての,調整の余地は残された形にはなっておりますが,この時間数や割合について,何か御意見がございましたらお願いします。よろしいでしょうか。
それでは,もう少し先に進ませていただきます。23ページの「他の高等教育機関との連携」を御覧ください。この中で特に御意見があったのが,高等専門学校との関わりだったかと思います。実は,高等専門学校の在り方については,別の会議で議論をされているといった事情もあり,この特別部会で高等専門学校との連携について深掘りしていくのは適切ではなく,またこの特別部会に課された役割からは少し外れてしまう可能性があるということで,「今後,更なる検討を進めていくことが期待される」とし,高等専門学校との関わりも議論してほしい,しなければいけない課題であることを記している次第です。
これについて,特に高等専門学校関係者の内田委員,いかがでしょうか。
【内田委員】  大変結構だと思います。ありがとうございました。
【永田部会長】  ありがとうございます。そのほか,よろしいでしょうか。
その次が「入学者の受入れ等」のところですが,四角囲みの中の書きぶりが,「他の高等教育機関からの編入学生など,多様な学生を積極的に受け入れることを努力義務化する」とやや強い書き方になっています。これは,前回の御意見の中で,いろいろなところから学生を取ろうという御意見があったからです。ただし,義務とするわけでなく,飽くまで努力義務としています。これに関連する下の丸も含めて,24ページの辺りについては,いかがでしょうか。御意見がないようでしたら,次に進ませていただきます。
次は,教育条件のところです。これについても,いろいろと御意見がありました。それを加味しまして,25ページの下の四角の中で,先ほど,事務局からも説明があったと思いますが,弾力的な対応が可能になるようにしようという部分を赤字で追記しています。
一方,25ページの中段の赤のところ,ここは実は,前は設置上の参考情報の中にあった「学生の人格形成に向け」という文章を本文に持ってきています。「機関の特性を踏まえた対応が求められる。」という部分は,何歳であったとしても,大学や短期大学は人間の全人的な教育に資することが求められており,キャンパスの問題については,弾力的に対応することとしつつ,学生の人格形成に向けた対応については一定程度求めるということとしているわけです。
千葉委員,どうぞ。
【千葉委員】  どこに入れていいのか分からないのですが,今回の教育の目的を考えますと,カリキュラムと教員に加え,実習環境というのが非常に重要なものと思われますが,カリキュラムや教員については基準や目安,義務付けるべきことがいろいろと書かれているものの,それを教える環境ですとか,新機関の教育で主となる実習の環境については余り触れられていないと思います。やはりプロフェッショナルを目指す若者たちに魅力のある教育機関にするためには,教える環境や実習環境についても,答申ではもう少し具体的に記しておいた方がよろしいのではないかと思います。この教育目的を達成するのにふさわしい実習環境を用意するということもきちんと入れておいた方がいいのではないかと思うので,意見を申し上げさせていただきました。
【永田部会長】  大変適切なコメントです。確かに今の答申素案は,既存の設置基準を念頭に置き過ぎている傾向があり,それゆえ既存の大学等には基本的に求められていない実習環境については,ほとんど抜け落ちてしまっています。今の御意見はどこかに入れたいと思います。要するに,新たな高等教育機関においては,実践知の教授あるいは修得に当たり,非常に魅力的な施設なり,設備なりを備えている必要がありますから,それはきちんと答申に書き込ませていただきたいと思います。
【千葉委員】  はい,やはりこの新たな高等教育機関は高校生等から見て魅力的なものであってもらいたいと思いますから,その辺りの記載の充実についてもお願いいたします。
【永田部会長】  前向きな御意見だと思います。この辺りに入れることにはなるかと思いますが,具体的にどこに入れるかについてはこちらで検討させてください。
そのほか,いかがでしょうか。寺田委員,どうぞ。
【寺田委員】  一つは,25ページの「教育条件」のところの赤字追記部分の下から2行目,「学生の人格形成に向け」というところです。前回の御意見を取り入れられたのだと思いますが,文章の意味として,よく分からないところがあります。「学生の人格形成」の「学生」というのは誰のことを指しているのでしょうか。いわゆる一般学生,現役学生といいますか,社会人ではない若年の学生の人格形成に非常に効果があるような対応がここでは求められるということなのだと私は受け止めたのですが,まず,その理解でよろしいでしょうか。
そして,かつて名古屋大学教育学部にいたときに,社会人の方の聴講生制度を取り入れて,一般学生と一緒に社会人に対する授業を行った経験があります。かなりの科目で一般学生と社会人聴講生の合同授業を取り入れ,マイナスの点もありましたが,社会人聴講生がいることで,社会の事柄を一般学生に真(しん)に突き付け,考えさせることができたという非常にプラスの効果もありました。
それで,私なりに,この部分の文章をどのように改めるべきか考えてみましたところ,「一般」という言葉がいいのかは分かりませんが,「一般学生と社会人学生とのコミュニケーションや学び合いによる人格形成の作用及び効果を期待する」などといったような書き方が新機関には適切でありますし,よりポジティブな表現でいいのではないかという気がいたしました。
【永田部会長】  今の御意見は,人格形成という言葉の意味するところに止まることなく,もう少し広い意味で,全人的な,社会との適合性もということも含めた,人間としての在り方の向上を図るというニュアンスが出るようにという御意見かと捉えました。ただ,寺田委員がおっしゃったような具体的な人格形成の方法については,各大学自身が工夫して考えて,対応するべきことかと思っています。
【寺田委員】  もちろん,それはそうです。
【永田部会長】  この新たな高等教育機関であっても,社会人を対象としない大学も出てくるはずなので,ここに社会人というのを具体的に書いてしまうと,必ず社会人を入れなければならない雰囲気になってしまうので,御意見の趣旨はくむとしても,最後に御提案いただいた答申の修文案については却下させていただきたいと思います。
もう1点,御意見があるとのことですから,2点目の御意見をお願いします。
【寺田委員】  29ページの大学院の部分に関連して,新機関の教員をどうするのかについてです。教員については,これまで,実務家教員の問題ばかりが議論されてきましたが,最低でも4割が実務家教員で,そのうちの半分が学術的な能力も有する人である必要があるということは,新機関の教員の最低でも2割は,実務家でありつつ学術的な能力のある人ということになるわけですが,もともと,実務力と研究能力共に備えている人というのはそうたくさんいるとは考えにくく,ついては,この機関のための教員養成ということも考えないといけないと思います。その教員養成機能を大学院の中に入れ込むということが必要ではないかと思います。
例えば韓国においては,専門大学のカリキュラムの中に,応用の科目で教職関係の科目を置いています。学部段階から教職科目を取らせるということもあるので,特に大学院ではそういう機能を併せ持つ必要があるということで,教職関係の科目もしっかりと置いております。
【永田部会長】  ここに記載するのが適当かどうかという問題もありますので,今の御意見は少し検討させていただきます。
そのほか,今の教育条件のところはよろしいでしょうか。
それでは,次に進みまして,26ページの四角囲みの中の質保証の仕組みに移ります。これは前回,多くの御意見を頂いたので,赤字で明確な書き方に修正しております。新たな高等教育機関のみを設置する場合は,機関別評価と分野別評価を一体的に行い,新たな高等教育機関を併設する場合は,機関別評価は大学全体として行い,新たな機関については分野別評価を中心に行うなどの効率化を図りたいと言っているわけです。我々が特別部会として言えるのは,こういうことも可能ですという例を含めて,効果的な評価の導入を図っていっていただきたい,図るべきだということなのです。
その下の「仕組みを導入する」というのも同様の意味で書かせていただいております。
今後,職業教育を行っていくに当たっては,産業やその技術のターンオーバーが非常に速くなっていくため,通常の認証評価のサイクルでは間に合わないかもしれないといったような御意見がこれまでに多くありました。そのとおりだと思います。しかし,それを例えば,私たちがここで,認証評価のサイクルを3年にするとか5年にするとかということまで議論し,言及する必要はなく,効率化を図ったり導入したりすることを考えてほしいということを言えばいいわけであり,そういう意味で,この辺りは方向性を新たに提言として,記載しているところです。
それでは,もう少し先に進ませていただき,最後の部分,27ページの下,「学位の種類・表記」の二つ目の丸のところです。世界の高等教育における学位授与の標準的な在り方について,文章にしております。以前は参考という位置付けで,四角囲みの中に入れておいたものを全て,本文に移し,授与する学位は「学士」あるいは「短期大学士」とすると言い切っております。これでよろしいでしょうか。
佐藤委員,どうぞ。
【佐藤委員】  27ページの下から2番目の丸にあるように,学士レベルでは諸外国ではBachelorの学位を,そして,短期高等教育レベルではAssociate degreeを出しているということですが,今,短期大学士だけでなく準学士も英語になるとAssociate degreeになっているのではないでしょうか。つまり,既存の学位や称号について,まずはきちんと整理をしないといけないのではないかということです。外から見た場合,高等専門学校を出ていても,短期大学を出ていても,今回の専門職業短期大学を出ていても,皆,Associateになりますが,日本では,少なくとも,今,短期大学士と準学士とでは実質や内容が違うとみなされているわけですから,国際通用性についてどう考えるか,既存の学位も含めて改めて御検討されたらどうかと思います。
【永田部会長】  ありがとうございます。これはこの特別部会だけでなくて,何度も何度も佐藤委員と御一緒するほかの部会でも議論が繰り返されているわけですが,日本の準学士,学士,修士,博士等,そのほか,いろいろ呼び名については,これが世界的な標準と比べたときに,本当に互換性があるかどうかという問題がずっと残っています。これについては,もっと根本的なところで話し合わなければならないだろうと思います。学士に付記する括弧書きというのは一体何なのかという議論もしなくてはなりません。世界では,学士は学士,修士は修士,博士は博士となっており,分野を付けたければ,それはディプロマの方に書くというのが通例でしょう。どうしても分野名が入った学位が必要な分野については,そのようなディグリーが作られています。例えば,博士で例を挙げますと,教育学博士というのはPh.D.とは異なるものとして,世界的にも認知され,通用するものとなっています。そのようなことも含めて,今,佐藤委員の御意見は,この特別部会だけで結論を得るのは難しいものかと思いますので,中期的に別の場において検討を要するものと考えます。
それでは,続きまして,28ページの「名称」のところを御覧ください。専門職業大学と専門職大学の二つを最後に残しました。専門大学というのは,実は規則上,抵触する部分があるとのことですので,それについて,事務局から御説明をお願いします。
【森田高等教育企画課長】  専門大学という選択肢もないわけではないと思いますが,その場合,一つネックになりそうなことがございます。高校の例を見ますと,高校の場合は,普通科高校と専門高校があって,普通科高校は専門教育を行っておりません。普通科教育しか行っていないので,普通科高校でないものを専門高校と言っても事実として問題がないのに対して,大学の場合は,通常,どの大学も専門教育を行っておりますので,新たな高等教育機関のみを「専門大学」と称した場合には,他の専門教育を行っている既存の大学との関係について法令上整理を付けるのが,難しくなる可能性があるという点を事務局としては心配をしているところでございます。
【永田部会長】  実は私個人としては,「専門職業」というのもいいかと思っておりまして,それがなぜかというと,なりわい(業)が生きる可能性があるからです。例えば,「丸々専門職業大学」という名称で,現にどこかの大学が称しているかもしれませんが,「丸々工業専門大学」というのは,大学設置・学校法人審議会で議論の上,認められる可能性があるのではないかと思っております。むしろ,この方が「丸々専門職業大学」よりも,そのなりわいが生きる感じがしますし,より分かりやすいのではないかという気がします。
今の答申素案では,「職」ないしは「職業」という文言を付ける方向かと思いますが,「専門職大学」よりは「専門職業大学」の方が,言葉の印象ですが,範囲を広くとれるような気がして良いと思います。
「専門職大学」というのも決して悪いわけではないのですが,専門職大学院というのが既に社会に定着していて,そことのつながりがあるのかないのかというような問題も出てきてしまいますので,個人的には避けたいところです。
とはいえ,「専門職大学」と「専門職業大学」のいずれとするかというところまでは決めきれなかったので,今回は両者を併記させていただいているといったところでございます。
寺田委員,どうぞ。
【寺田委員】  この点については,妥協の範囲だと思っておりますが,ただ,先ほどの事務局の説明は余り理論的ではなく,名称と,専門教育という教育課程のカテゴリーを直結させて考える必要は全くないとは個人的には思っています。
国際的なことを考えたときに,どのように説明するのだろうというのがあるものですから,すっきりと「専門大学」とした方がいいと思います。英語名称は,「University of applied sciences」など,そのように考えておけばいいだろうと思っています。
ただ,「専門職業大学」と「専門職大学」のどちらかにしなければならないということであれば,やはり「専門職業大学」の方がまだいいと思います。専門職と言ってしまうと,英語にしようがないという気がいたします。個人的には,2000年代の初めぐらいから,職業大学ということを言っていましたが,最近,翻って,専門大学ということを言い始めましたのは,職業大学に関しては,厚生労働省の関係の職業能力開発大学校との関係もあり,余り現実的ではないからということです。以上でございます。
【永田部会長】  岡本委員,どうぞ。
【岡本委員】  この点については,今もなお委員の意見が分かれるところでありますので,最終答申という意味では両論併記になろうかと思います。
私は,これまでもずっと,専門職大学がいいのではないかということを申し上げてきました。今,寺田委員がおっしゃったような,厚生労働省の職業能力開発大学校との混同や誤解などということもありますが,一番根本的なところでお考えいただきたいのは,職業というのは非常に具体的また個別的であり,専門に分化されたものをイメージしているということであり,日本国内でも職業は何百種類という単位で分類されており,それぞれに固定的なイメージがあります。専門職の場合は,特定の職業というよりも,もう少し幅広い意味があるのではないかと思っておりまして,今後予想される産業構造の変化,職業の変化,つまり新しい職業が誕生する,あるいは,今ある職業がなくなるといったような大きな社会変化の中では,ある程度幅のある意味を持った専門職の方がいいのではないかと思います。
最後に,やはり専門高校,専門職大学,専門職大学院という職業教育体系を確立するべきという観点,それから,今は,「職業高校」という言い方ではなく,「専門高校」という言い方になっているということなどからも,専門職の方がふさわしいのではないかと思います。ただ,最終答申の際に,両論併記することについては了承したいと思っております。
以上です。
【永田部会長】  ありがとうございます。 千葉委員,どうぞ。
【千葉委員】  永田部会長の先ほどのお話について,少し御説明していただきたいのですが,「丸々工業専門大学」というのは,職業という部分を工業に置き換えて前に持ってくるべきだというお考えからなのでしょうか。
【永田部会長】  個別の大学の名称については,大学設置・学校法人審議会が決めることではありますが,今おっしゃったような趣旨で申し上げた次第です。
【千葉委員】  はい,分かりました。
【永田部会長】  新機関の名称自体に「職業」と付かなくても,個別の大学の名称の中に,関係する職業,つまり工業や農業や水産業というのが付くというのでもいいのではないかと思っています。もちろん詳細については,今後,別の場で検討されなければならない部分だと思いますが,ひとまず我々として,提案するものとしては,このような形で,二つを併記させていただくということで,御理解いただければと思います。よろしいでしょうか。
佐藤委員,どうぞ。
【佐藤委員】  寺田委員に教えていただきたいのですが,台湾や中国では専科大学というのがあるかと思います。専科大学というのは,technology instituteやprofessional educationを行っているものと理解しているのですが,いかがでしょうか。
【寺田委員】  中国,韓国,台湾には専科大学というのがあります。中国の場合ですが,専科大学はもともと年限が少し短く,一般大学が4年のところ,専科大学は3年ぐらいとなっております。もともと,日本で言うと高等師範学校のようなところから改組してできた大学で,職種に関しても,いわゆるボケーショナルというより,社会福祉ですとか教職ですとか,そういう関係のものを中心に編成しています。ただ,中国は2020年を目指して,専攻大学とは別に,一般大学の4年制大学を含めて高等職業学院や高等技術学院などの2年,3年制の短期高等職業教育機関を統合改組して,その半分以上を専門大学にするという取組を現在行っています。要するに,国際標準に合わせていくような制度改正を行っているということです。
【佐藤委員】  ありがとうございます。なお,私は,別に「専門職大学」と「専門職業大学」を答申に併記をするということに異議を唱(とな)えているわけではありません。
【永田部会長】  どうもありがとうございます。
最後の29ページの上から二つ目の丸,ここの部分は,中央教育審議会総会でも,既存の財政措置に加えて,ここに記載しているようなものを支援してほしいという強い要望が出ておりました。それを何とか書き込んだのがここの部分であります。
なお,「産業界や関係省庁と連携した多元的な資金の導入」という部分については,今,既存の大学や短期大学でも取り組んでいることですから,新たな高等教育機関においても当然のこととして,これはここにうたっておいた方がいいと思います。これ以上記載するのはなかなか難しいかと思いますが,この表現についていかがでしょうか。
この答申素案を御覧いただいて,こういうことももっと議論しておくべきであるとか,あるいは,こういうことも次の段階では考えるべきであるというような観点での御意見も歓迎でございます。いかがでしょうか。
麻生委員,どうぞ。
【麻生委員】  20ページのところの新たな高等教育機関の制度的な特色について,以前にも申し上げましたが,前期課程,後期課程を置くことに関しては異論はないのですが,前期課程,後期課程を区分制として持つことが新たな高等教育機関ではでき,一方で既存の大学や短期大学ではできないという現状がありますので,その点きちんと整合を図る必要があるかと思いますし,既存の大学等では引き続き区分制の導入は認めないということでしたらきちんと説明がつくようにしなければならないと思いますので,よろしくお願いします。
【永田部会長】  ありがとうございます。
今回,この新機関は既存の大学等に併設が可能ということとされていますが,1法人2大学というのが可能な私立大学法人や公立大学法人は,恐らく併設が可能とされるわけですが,国立大学は,残念ですがすぐに置くことはできず,国立大学法人法を改正しない限り併設は難しいのではないかと思います。これまでこれについて,全然議論はしませんでした。ただし,国立大学としての新機関の設置という要望が高まれば,将来そのような法律改正を行うことも含めて,検討されるのではないでしょうか。
先ほどの皆さんの御意見では,いろいろなところがいろいろな教育方法や教育プロセスを作って,いろいろなニーズに合う人を育てていけばいいということだったかと思いますが,そのような観点から言えば,法人によって,この新たな高等教育機関を設置できない場合があるのは若干の弱点であり,今更浮上した問題ではありますが,今申し上げたような法律改正も含めて,今後,前向きに更なる検討を進めていければと思います。
内田委員,お願いします。
【内田委員】  別件ですが,26ページの一番上のところに,「質保証」というキーワードがあるのですが,これまでの議論で,自ら努力して,それぞれの質を向上させることが重要なことだとするような御意見がありましたので,「質保証」だけでなく,「質保証・質評価」というような形で,外からの保証ではなくて,自分で努力するというようなことを表現されるといいのではないかと思います。
【永田部会長】  少し検討させていただきます。
北山委員,どうぞ。
【北山委員】  名称等,両論併記になっている部分もありますが,特別部会の答申案として必要な事項に関しては十分に議論し,書き込めたと思います。今後のスケジュールとしては,早くとも来年の通常国会への法案提出といったイメージですよね。
【森田高等教育企画課長】  まだ,来年の通常国会に法案を提出すると決まっているわけではございません。
【北山委員】  いずれにせよ,その法改正の後に,学位や設置基準の詳細に関して大学分科会に諮問があり,そこで,いろいろな立場の方々の意見を踏まえてまた議論が行われることになると承知しております。つまり,詰めの作業というものが近い将来あるということであれば,特別部会としては,これまでの議論を踏まえ方向性を示すということで答申を取りまとめてよいのではないかと思います。中央教育審議会総会の会長として,5月30日に総会がありますので,そういった点も踏まえて発言させていただきました。
【永田部会長】  北山委員,どうもありがとうございました。私から御説明すればよかったのですが,おっしゃるとおり,この制度の詳細については,中央教育審議会に再び諮問がなされるわけで,具体的なことはまたそこで決めるということになっております。
鈴木委員,どうぞ。
【鈴木委員】  答申として特に不満はないのですが,24ページの「なお,新たな機関の制度化は,既存の高等教育機関の充実方策等に関しても」というところで,高等専門学校については触れられているのですが,短期大学の専攻科の学位授与に関して,若しくは専攻科を持ったところの大学院設置などについても,一言,何か触れていただけると有り難いと思っております。それが1点目です。
あとは,先ほど部会長がおっしゃったような形で機関の名称が決まるといいという思いがございますというのが,2点目です。
さらに,具体的な設置基準に関しては,全体として,安易な緩和にならないような形で,今後,別の委員会若しくは事務局で考えていただけるようお願いをいたします。
以上でございます。
【永田部会長】  ありがとうございます。
佐藤委員,どうぞ。
【佐藤委員】  26ページの朱書きをしているところですが,既存の大学が新たな高等教育機関を作って,その評価をする場合,評価のサイクルというものをきちんとどこかでまとめなければならないと思います。今でも,専門職大学院の分野別認証評価のサイクルは5年であります。それ以外,つまり機関別認証評価は7年になっています。専門職大学院を併設しているときは,5年に合わせて評価全体を行うのか,7年で行うのかということで非常に煩雑な評価制度になっております。ですから,この新たな高等教育機関を既存の大学に併設するというような場合,どちらの期間に合わせて評価を行うのかをきちんと決めていただきたいと思います。また,国立大学においては,国立大学評価は6年で,認証評価は7年ということになっていますから,その辺り,更に重複や混乱が生じております。この評価の期間については,一度きちんと整理して議論をするべきだと思います。
【永田部会長】  ありがとうございます。議事メモには,先ほどの学位の問題と,それから,今の評価のサイクルの問題は書いておいていただいて,大学制度全体について,もっと上の審議会で改めて議論できるようにしたいと思います。
そのほか,いかがでしょうか。永里委員,どうぞ。
【永里委員】  ここに書いてあることについては,これで私はいいと思いますので,この方向で進んでほしいのですが,産業界の人間として,少し疑問があります。たくさんの法人から申請があっても,国の予算上たくさん新機関を認可するわけにもいかないだろうと思うのですが,予算と設置認可の関係について御説明願いたいと思います。
【永田部会長】  現在の制度では,基本的に設置申請のあったものについては,基準を満たす限り,大学設置・学校法人審議会は,設置を拒めないこととなっています。設置者がこういう形で設置したいと申請が出てきた際に,法令等で求められているものに沿う限りは,認可をするというわけです。
【永里委員】  ということは,国家財政と認可される大学の数は一切関係ないということですか。
【永田部会長】  そうです。これまで大学を増やそうというときと,余り増やしたくない,増やすべきではないという流れがいろいろと繰り返されているわけですが,そのような中で今は申請主義になっているということです。
そのほか,いかがでしょうか。前田委員,どうぞ。
【前田委員】  二つほど,やはり気になる点があります。一つは区分制の問題なのですが,後期課程において,他の高等教育機関を既に一度卒業した人が,学び直しで編入してくる場合と前期で職業資格を取っている人が入ってくる場合の両方を受け入れるような大学も出てくるのだと思いますが,やはり4年間のカリキュラムとしてきちんと考えた上で,後期課程の受入れというのは判断されるべきですし,設置認可の際にはそのような点もきちんと確認していく必要があるのではないかと思います。その点が少し心配です。具体的な検討をするときには,きちんとその辺りは考えていただきたいというのが1点です。
もう1点は,どうしようもないことなのですが,今,大学の名称に非常に関心がいっていますが,本当に関心を持たないとならないのは学位なのだろうと思うのです。学位の通用性というときに,以前から何度も申し上げているのですが,専門職大学院のMBAは5年に1回プログラム評価をされるのですが,そうでないところはプログラム評価がないという現状があり,英語では同じ学位名称で出ていくけれども,質保証の枠組みは違うという問題が生じています。今回の新たな高等教育機関についても,大学院と同様の問題が生じてしまうのではないかと懸念しております。質保証,評価について,新機関は厳しく実施していくのであれば,それに既存の大学が追い付いていくような形になるような仕組みとしていただきたいと思います。同じ学位にも関わらず,質保証に差があるというのは,平仄(ひょうそく)が合わないだろうと前から考えております。
以上でございます。
【永田部会長】  適切な御意見です。後段の部分と佐藤委員の御意見を合わせると,ぐうの音も出ません。評価のサイクルの問題と評価の水準の問題で,大変重要なことだと思います。
意見が錯綜(さくそう)した部会でしたが,大体この方向でまとめてよいという雰囲気になってきていると思います。もちろん本日頂いた意見はたくさんありますので,それを反映させていただき,修正を加えたものについて,もう一度皆様と議論をして,最終的な答申案としたいと思いますので,次回もう一度お付き合いをお願いいたします。それでは,事務局から次回の予定についてアナウンスをお願いします。
【塩原主任大学改革官】  次回の特別部会でございますが,5月25日の10時から霞が関ビル35階,東海大学校友会館での開催を予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。
【永田部会長】  是非とも次回も皆様お集まりいただきまして,本日,ここで議論したことが最終答申案に生かされているかどうかをチェックしていただければと思います。
それでは,本日はこれにて終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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-- 登録:平成28年10月 --