ここからサイトの主なメニューです

実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会(第15回) 議事録

1.日時

平成28年4月26日(火曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 3階講堂(東京都千代田区霞が関3-2-2)

3.議題

  1. 「審議経過報告」に関する意見募集の結果について(報告)
  2. 新制度の制度設計について
  3. その他

4.議事録

【永田部会長】  それでは,定刻になりましたので,第15回の実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会を開催させていただきます。今回も,報道関係者からカメラ撮影,録音などの申出があり,これを許可しております。御承知の上,発言を頂きたいと思います。
本特別部会ですが,先月末に審議経過報告を公表して,パブリックコメントを頂くと同時に,2回にわたり,関係団体にヒアリングを行ってきました。その中から出てきた課題については,後ほど概要を確認いたしますが,今回は答申の取りまとめに向けて,我々が残している課題,あるいはまだ詳細を詰めていない課題について検討をしていきたいと思います。
それでは,最初に事務局から本日の配付資料について,御説明願います。
【塩原主任大学改革官】  お手元の配付資料の御確認をお願いいたします。
本日配付しておりますのは,議事次第に加えまして,資料1から資料4までの4点と参考資料1から参考資料3までの3点でございます。不足等ございましたらお申し付けください。
以上でございます。
【永田部会長】  ありがとうございます。
それでは,早速,本日の議題に入ります。
最初の議題は,審議経過報告に関する意見募集の結果についてです。まず,パブリックコメントについてまとめていただきましたので,事務局から御報告をお願いいたします。
【塩原主任大学改革官】  それでは,資料1を御覧ください。
本特別部会の審議経過報告に対するパブリックコメントを3月30日から4月18日までの20日間行いましたところ,合計328件の御意見を頂きました。
2ページ目以降に,審議経過報告の章立てに沿って主な意見を並べさせていただいておりますので,その概要を御説明させていただきます。
まず総論といたしましては,この新たな高等教育機関の制度化に賛成する意見が多くを占めているところでございます。具体的には,第1章の関連といたしましては,一つ目の丸にございますとおり,即戦力となり得る高等教育が必要,その二つ下の丸では,国民一人一人が能力の高度化を図ることが必要という御意見がございました。さらに,第2章の関連でございますが,最初の丸においては,職業技能の教育が一段低く見られるような社会的風潮への対応が課題,その下の丸では,社会人の学び直しを推し進めていくことに賛成,3ページ目の最初の丸においては,変化の激しい時代に求められる能力の育成が重要という御意見がございます。第3章の関連としまして,3ページ目の二つ目の丸以降でございますが,例えば地元や地方で活躍できる人材の育成を行う機関の制度化に賛成するという御意見があったところでございます。
一方,制度化に慎重な意見につきましては,3ページ目の部分に記載しておりますが,第3章の関連といたしまして,上から四つ目の丸の部分,例えば大学型として新たな高等教育機関を設置することには強く反対するというもの,その二つ下の丸の部分では,大学は乱立によって,大幅なレベル低下を招いてしまっており,まずこれに対する対策をすべきという御意見がございます。また,3ページ目の一番下でございますが,新制度を作らずとも,現行制度で職業人養成はできているのではないかなどの御意見もありました。さらに,4ページ目以降でございますが,こちらは第4章の関係の具体的な制度設計に関する意見でございます。これにつきましても様々な御意見を頂いておりますが,数の多かった意見といたしましては,例えば5ページ目の下から五つ目でございますが,専任の実務家教員は半数以上の配置を義務付けるなど,教員組織は現場経験者に重きを置くべきではないのかといったようなものがございました。さらに,6ページ目の,一番下でございますが,実務家教員の職務経験等については柔軟に要件認定すべきであるという御意見,7ページ目の上から五つ目の丸では,運動場や体育館は要件に加えず,また,校地の基準についても機械的に適用しないでいただきたいなど,実践的な職業機関としての独自の基準を求める御意見が多く出されているところでございます。
また,例えば7ページ目の下から三つ目の丸にございますように,退学率,就職率,卒業生の就職先企業の評価など教育実績としての質保証の観点を入れるべきといったように,しっかりとした質保証を求める御意見も頂いているところでございます。
このほか,8ページ目の中段以降でございますが,制度全般に関わる意見といたしまして,下から四つ目の丸は,いずれも名称に関する御意見でございます。
さらに,9ページ目の三つ目以降の丸は,いずれも財政措置に関する御意見でございます。
以上,御報告をさせていただきます。
【永田部会長】  ありがとうございました。この場で,パブリックコメントの全てに目を通すことは難しいかもしれませんが,何か御質問等ありますでしょうか。
総じて,我々が議論してきたこと,あるいは関係団体のヒアリングのときに出された意見が,パブリックコメントでも同様に出されているようです。中には,大学の名称を提案している御意見もありましたが,大体,我々が認識している課題の範囲内かと思います。
よろしいですか。それでは,続いて,関係団体からのヒアリングにおける意見概要ついて,事務局から御報告をお願いいたします。
【塩原主任大学改革官】  資料2のとおり,関係団体からのヒアリングにおける御意見をまとめているところでございます。
【永田部会長】  分かりました。この資料2についてはパブリックコメントと違い,ほとんどの委員の方にヒアリングに御出席いただきましたので,詳細は割愛させていただきます。
それでは,本日の主な議題である,審議経過報告の中で,更なる検討を要する事項として残していたものについて,議論を進めたいと思います。それでは,資料3の概要について,事務局から御説明願います。
【塩原主任大学改革官】  それでは,資料3を御覧ください。こちらの資料3は,審議経過報告以降,更に具体化を図るべき論点について,御議論いただくための検討案をまとめさせていただいたものでございます。
日本再興戦略に示されている政府のスケジュールを踏まえ,希望といたしましては,本年半ばまでに中央教育審議会で一定の結論をお示しいただけるよう期待しております。今後は答申案としての最終的な出口も見据えつつ,積み残している課題についての御検討を賜れればと思っている次第でございます。
また,資料3の内容でございますが,全部で11項目ございます。このうち,丸1から丸10までは,審議経過報告で更に検討を要するものとされている事項についての取扱いを示す案でございます。
また,丸11の項目につきましては,関係団体からのヒアリングで御指摘がございました既存の学校種である大学,短期大学,高等専門学校,専門高校との関係について,新たに検討案を追加して記載しております。
詳細な数値基準の設定などの具体的な制度設計につきましては,最終的に技術的,事務的な作業になりますので,新たな高等教育機関の制度の最終的な施行までに,より実務的な場で検討を進めていくことが必要になるかと思いますので,本特別部会におきましては,基本的な考え方や制度設計のポイントについてお示しいただき,既存の大学等との違いを明確化するという観点でまとめいただければと考えているところでございます。
それでは,各検討項目について,御説明させていただきますが,資料では,審議経過報告から新たに追加した部分を波線で示しておりますので,その部分について,特に御注目いただければと思います。
まず丸1の区分制の課程の導入でございます。審議経過報告では,4年制の学士課程相当の課程を提供する機関については,前期・後期の区分制にもできるようにすることを検討するとしており,制度設計の際には,課程の体系性の確保や,段階ごとの出口水準の明確化,他の高等教育機関の制度との整合性などに留意するとしておりました。
今回,区分制課程の制度化による狙いとして,以前から話しております多様な学習スタイルを提供することに加え,例えば前期課程修了時に職業資格を取得した上で,後期課程においては,有資格者であることを前提とした専門実務実習を行うなど,より実践的な職業教育プログラムを提供できるようにすることを記載しております。
さらに,制度化に際しての留意事項でございます。課程の体系性の観点につきましては,編入学前に行った学修の内容や実務の経験等と,編入学後の学修内容との接続に留意しつつ,多様な学修歴・実務経歴を有する多様な人材の受入れを図るとしております。
また,出口水準につきまして,前期・後期課程は,専門性が求められる職業を担うための実践的な能力を育成するものとして,それぞれの修了段階の能力水準を定めるとしております。
次に,2ページ目の丸2の実習等の割合及び企業内実習等の時間数でございます。実習等の割合について,一定割合以上を義務付けるというのが審議経過報告の記載でございますが,この一定割合につきまして,ローマ数字1にございますとおり,例えば,各分野の特性に応じ,卒業単位数のおおむね3割から4割程度以上を,実習等又は演習及び実習等の授業科目により履修・修得させるよう,義務付けるとしております。
また,ローマ数字2は,インターンシップなどの企業内実習等の時間数でございます。こちらにつきましても,各分野の特性に応じ,適切な指導体制が確保された企業内実習等を修業年限掛ける150時間以上履修させるよう,義務付けるという検討案を記載しております。なお,ここで申し上げている「適切な指導体制」につきましては,何らかの基準を明確化していくことが必要ではないかと考えております。
3ページ目の丸3の実務家教員・研究能力を併せ有する実務家教員の割合でございます。こちらも一定割合以上の配置となっていた部分でございますが,ローマ数字1の専任の実務家教員の割合は,必要専任教員数のおおむね4割以上としております。また,ローマ数字2の研究能力を併せ有する実務家教員の数は,実務家教員の必要専任教員数のうちその半数以上とするとしております。
丸4の分野別質保証の観点を採り入れた評価,情報公表等の導入方法でございます。審議経過報告では,効果的な導入方法を検討するという記述でございました。この点につきましては,4ページ目に,分野別質保証等を採り入れた評価として,分野別質保証の観点からのプログラム評価を採り入れること,機関別評価についても,当該プログラム評価の結果の活用により,効率化を図ること等を含め,効果的な評価の導入を図るとしております。
丸5の必要専任教員数,備えるべき施設整備,校地・校舎面積に関する基準,教育条件に関する基準でございます。こちらは4ページ目の下にありますとおり,教授の割合を含めた必要専任教員数や校舎面積につきまして,ふさわしい適切な水準を設定することに加え,小規模の専攻等に対する基準を整備することとし,校地面積や運動場・体育館については,新たな機関の教育活動の特性を踏まえるとともに,社会人への教育を主要な機能に位置付けた機関として,多忙な社会人学生の通学・利用の利便性等を考慮した立地・施設確保等の観点にも留意し,弾力的に適切な対応が可能な基準を設定することとしております。
5ページ目の中段以下の丸6の同時に授業を受ける学生の数に関する基準でございます。クラスサイズに関する基準でございますが,教育上必要があり,十分な教育効果を上げることができる場合以外は,40人以下を義務付けるとする案でございます。こちらは,現行の専修学校設置基準に倣ったものになります。
6ページ目の丸7の学位の種類・表記の在り方でございます。この点につきましては,重要な制度設計の部分になりますが,審議経過報告では,学位の種類・表記については,世界の高等教育機関における学位授与の標準的な在り方や,我が国における既存の学位制度との整合性等も踏まえつつ,実践的な職業教育の成果を徴表するものとしてふさわしい設定の方法を検討するとされていたところでございます。
世界の高等教育における標準といたしましては,学士レベルでは,Bachelorが唯一の学位とされる傾向にあるとされております。また,短期高等教育レベルの学位については,英語名称では同じassociate's degreeを称するものの中に,多彩なものが存在するというのが実態でございます。そして,研究学位と職業学位の区分を設けるようなことはしていないというのが最近の一般的な状況でございます。
そのような世界の高等教育機関の在り方を踏まえ,学位の種類につきましては,新たな高等教育機関においても,現行の大学・短期大学と同様,「学士」及び「短期大学士」の学位を授与することとしております。なお,学位の後ろには,「学士(丸々)」というように括弧書きの表記が付されることになります。この括弧書きの中の記載につきましては,現行の大学・短期大学の学位においては,専攻分野の名称を付記するものとされておりますが,新たな高等教育機関では,これに加え,職業実践知に基づく教育を行い,専門職業人の養成を目的とする課程の修了を証するものとして,「専門職業」又は「専門職」の字句を併せ付すものとする案にしております。
具体的には,その下の例でありますが,例えば4年制の課程であれば,「学士(専門職業工学)」又は「学士(専門職工学)」,2年制又は3年制課程であれば,「短期大学士(専門職業工学)」,又は「短期大学士(専門職工学)」のようなイメージでございます。
次に学位と関連しまして,名称についてでございます。審議経過報告では,例えば「専門職業大学」等の名称が考えられるが,大学体系に位置付き,専門職業人材の養成を担う職業教育機関として,ふさわしい名称を検討するとなっておりました。
名称の具体化の方向性といたしまして,例えば学士課程相当の課程を提供する機関は,「専門職業大学」又は関係団体からのヒアリングでも御提案のありました「専門職大学」という案にしております。
また,2年制又は3年制の課程につきましては,「専門職業短期大学」又は「専門職短期大学」という案にしております。
続きまして,丸9の大学院設置の在り方でございます。大学院の設置の在り方については,今後検討するとなっていたところでございますが,学士課程相当の課程(修業年限4年)を提供する新たな機関の設置者が,例えば,独立大学院を含む専門職大学院などの大学院を設置することを可能とするとしております。
次に,丸10の財政措置の在り方でございます。こちらにつきましても,審議経過報告では,ふさわしい措置の在り方について検討するということでございましたが,財政措置の在り方の具体化の方向性といたしまして,学生に対する修学支援や教員に対する研究助成,競争的資金や基盤的経費の措置を図ることを基本とし,その財政措置の在り方について定めていくというもので,その際,改革に積極的に取り組む既存の高等教育機関への支援が維持・充実されるようにするとともに,産業界や関係省庁と連携した多元的な資金の導入を図るとしております。
最後,8ページ目の丸11のその他でございますが,こちらは他の教育機関との関係でございます。大学・短期大学との関係につきましては,大学,短期大学が一部の学部,学科を転換させるなど,新たな機関を併設し,多様な学習機会を提供するというのが審議経過報告の方向性でございましたが,ダブルメジャーや共同教育課程の提供等,学生にとっての選択肢の拡大を可能とする形として実現してはどうかという記載を加えております。
また,高等専門学校との関係につきましては,高等専門学校と新たな高等教育機関,大学等との連携の在り方,高等専門学校(同専攻科)修了者への学位授与の在り方等について,今後,更に検討を進めていくこととしております。
さらに,専門高校との関係につきましては,専門高校から新たな高等教育機関への進学者に対しては,モジュール制の活用等により,専門高校で既に習ったことを繰り返し学習しなければならないというようなことにならぬよう,柔軟なプログラムの編成を行えるようにすること及び専門高校の教育活動への支援を促進していくことを記載しているところでございます。
なお,別添といたしまして,新たな高等教育機関の制度と教育活動の特徴というカラー資料を1枚付しております。
こちらにつきましては,審議経過報告以来取りまとめてきました制度設計において,主な特徴というべき部分を取り出しており,また今回の具体的な制度設計の部分も少し取り込んだ形でまとめたものでございます。
1枚めくっていただきまして,参考として付けておりますのは,審議経過報告の中で,特に既存の大学との違いとされる特徴に関する記述を抜粋したものでございます。
以上,資料についての説明でございます。よろしくお願いいたします。
【永田部会長】  どうもありがとうございました。今の丸1から丸11までについて,皆様から意見を伺い,幅広い議論をします。御発言の際には,丸の何番ということをおっしゃった上で,それぞれ御意見を頂ければと思います。
例えば,丸7番の学位について私はこう思うのだが,その背景はこうだからであるといったような形で御意見を頂ければと思います。もちろん,全体についての議論もしたいと思いますので,各論,総論それぞれお願いできればと思います。
はい。川越委員,どうぞ。
【川越委員】  3ページ目の丸3ですが,専任の実務家教員の割合について,ローマ数字1で「必要専任教員数のおおむね4割以上は,実務家教員(専攻分野におけるおおむね5年以上の実務の経験を有し,かつ,高度の実務の能力を有する者)」とあって,その次のローマ数字2で,「その半数は,専攻分野について,新たな機関における研究活動を担うための研究上の能力を有する者」ということになると,2割以上の教員は,5年以上の実務経験に加え,研究上の能力も有する必要があるということになります。この「研究上の能力」というのは,修士を持っていなければいけないということでしょうか。それとも,それに類する研究活動をしてきたような者についても御検討いただけるのでしょうか。
【永田部会長】  設置審査では,教員の審査をします。そのときに現行の大学設置基準ですと,研究能力というのは専門の委員の方が認める研究能力になっているというのが実態です。定量的にではなく,この分野の研究ができるか,できないかというのは,その専門分野の研究者が総合的に見て判断することになっています。
【川越委員】  もしここに書かれているような研究能力も併せ有する教員を全体の2割以上求め,今,部会長から御説明のあったような現行の審査基準の運用が新たな高等教育機関にもそのまま適用されるとすると,特に専門学校からの移行を考えているような学校は,教員に関して大きな課題を抱えることになる気がしておりますので,やはりこの5年以上の実務経験及び高度の実務能力という点に大きな重点を置いて教員の基準を設け,審査・評価をされるようにお願いをしたいと思っています。
【永田部会長】  先ほども申し上げたように,教員の審査は,その専門の研究者から見て,研究をやっているかやっていないか,能力があるかないかというところで判定がなされますので,例えば論文を何本書いたかとか,何の学位を持っているかということで直ちに可否が決定するわけではありません。
事務局からこの点について御説明をお願いします。
【塩原主任大学改革官】  1点だけ補足説明でございますが,ここでいう「研究能力を併せ有する実務家教員」が示しているのは,新たな高等教育機関における研究活動を担うための研究上の能力を有する者ということでございます。また,新たな高等教育機関の研究活動及び研究機能の位置付けにつきましては,審議経過報告の中にもございましたが,職業社会における実践の理論を重視した研究ということで,特徴付けを図っているところでございますので,そのような研究活動を担うにふさわしい研究能力が,この新たな高等教育機関の教員には求められるという考え方でございます。
【永田部会長】  はい。そういうことです。一般的には,既存の大学,大学院であれば,例えば博士課程の教員を審査するときに,学位を持っていないというのは多分,各大学の設置者自体が認めていないと思います。博士号を授与する側にある人が,実は高等学校しか卒業していないというのは,やはりあり得ないだろうということです。
ですから,この新たな高等教育機関の設置申請をするときに,各学校が研究をどう定義するかが非常に重要で,その研究ができなければ,その学校の教員となる者としてはふさわしくないということになるということです。そして,その研究というのは,先ほど申し上げたように,実践知と理論をうまく結びつけるような研究であることが望ましいわけです。
そのほかいかがでしょうか。
なかなか意見が出ないのであれば,学位と名称をまず先に考えていきたいと思います。この2点については,もうそろそろ決めないといけないだろうと思いますので,どうぞ,御意見をお願いいたします。
黒田副部会長,どうぞ。
【黒田副部会長】  学位の専攻分野の名称につきまして,先ほどの説明では,「専門職業工学」などと言っておられましたが,「学」を付けるか,付けないかというのは,議論を要するところだと思うのです。「学」というと,本当に学術的な学問の分野に入ってしまいますので,幾ら専門職業だとしても,「学」を付ける,付けないかについては,よく議論をしていただきたいと思います。
もう一つ,名称は専門職業大学とした方が分かりやすいと思います。一方で,既に,専門職大学院というのがあります。これとの関連性も出てくると思いますので,その辺りもよく議論して,整理していただきたいと思います。
【永田部会長】  ありがとうございます。
そのほか,いかがでしょうか。
寺田委員,どうぞ。
【寺田委員】  まず学位について,「専門職丸々」というのは,専門職大学院との関係で,少し紛らわしい印象があります。また,一般的に専門職という用語は,プロフェッションですが,この新たな高等教育機関は,どちらかというと,専門職ではなく,専門職業かと思います。ただ,個人的には,ドイツ等の経験から,学校種の名前を学位の中に入れるというのは少し違う気がします。卒業した学校が違うということを言うというよりは,むしろ学んだこと,あるいは学習したことの内容がきちんと反映される学位名称がいいのではないかと思います。
また,一案ですけれど,学という文言を抜くことに抵抗がありますので,「実践丸々学」,あるいは「丸々実践学」などという感じがいいのではないかと思います。
それから,新機関の名称ですが,すっきりと専門大学というのでいかがでしょうか。
以上です。
【永田部会長】  ありがとうございます。
國枝委員,どうぞ。
【國枝委員】  これは私の中ではっきりしていないので確認したいところですが,学位について「専門職業丸々」とする場合に,医療系はどのような形で表記されるのでしょうか。
【永田部会長】  それについて今ここで決めることかどうかというのは若干微妙なところがありまして,議論はしてもいいのですが,どうするかというのはここでは決められないと思います。
基本的には設置基準や学位規則を決める上で議論する話かと思います。
そのほかいかがでしょう。
岡本委員,どうぞ。
【岡本委員】  まず新機関の名称でありますが,以前から申し上げているとおり,私は専門高校,専門職大学,専門職大学院という職業教育の流れを確立するという意味で4年制の機関は専門職大学,2年制・3年制の場合は専門職短期大学がいいと思います。「職業」というのはいい言葉ですが,やはり厚生労働省の職業能力開発大学校等との混乱も想定されますので,その点で余り良くないのではないかと思います。
それから,学位について,つまり括弧内の表記についてですが,先ほどから,御意見が出ておりますような専門職業や専門職という文言は付加せず,既存の大学の学位と同様に分野名のみ付するというのでよろしいのではないでしょうか。恐らく設置基準が作られるときに,分野が幾つか規定されるものと思いますが,その分野の名称を入れるのがいいと思います。ただでさえ既存の大学で学士の種類が800以上あり,整理がつかないような状態に陥っているのに,分野名に加えて,専門職なり専門職業なりの文言が付くことになれば,学位の表記が更に細かくなり,今以上に分かりにくくなってしまうものと思います。
以上です。
【永田部会長】  ありがとうございます。三者三様の考え方で,具体的な案も出てきました。学位の括弧の中の表記として,専門職業や専門職という文言を入れるのは,新機関の名称がもし専門職業大学や専門職大学とされるのであれば,重複感があるというのは一つの意見かもしれません。ただ,既存の大学と同様の学位としてしまうと,学位名を見ただけでは,その人は学術的なことを学んだのか,職業実践的なことを学んだのかというのが全然分からないことになります。
それから,専門職業若しくは専門職という文言を,機関の名称なり,学位の名称なりに使用するということとした場合,寺田委員は,専門職というのは専門職大学院とバッティングしてしまうとの御意見,それから,岡本委員は,職業教育という一つの基軸をつくるという意味で,専門職大学院等と並ぶ形で専門職大学が良いとの御意見でした。
どのようにこの新たな高等教育機関を考えていらっしゃるかということが,その学位名なり機関名に反映されるのではないかと思うので,もう少しいろいろな委員の意見をお伺いするべく,議論を続けたいと思うのですが,いかがでしょうか。
鈴木委員,どうぞ。
【鈴木委員】  今まで申し上げてきたことと全く同じことを申し上げますが,専門職大学や専門大学というような名称にした場合,現在の専門職大学院と非常に紛らわしいということ,実践的な職業教育を行うことを明確にするという点からも,それは避けていただき,せめて職業という文言を入れていただきたいと思います。短期大学という名称を使用するのも,できれば避けていただきたいと思うのですが,ほかに候補がないのであれば,専門職業という形でしっかり「職業」という文言を入れて専門職業短期大学等としていただきたいと思います。
それから,学士の括弧の中に「学」を入れると,既存の大学との関係で非常に紛らわしいということであれば,やはり「学」は入れずに,分野名だけ入れるというのでいかがでしょうか。あるいは,どうしても「学」という文字を入れるのであれば,寺田委員がおっしゃったように「実践丸々学」というような形で,明確に現在の学位と区別するような形にしていただきたいと思います。
【永田部会長】  ありがとうございます。
内田委員,どうぞ。
【内田委員】  せっかく新しい高等教育機関を作るのですし,今までの議論の中でも,既存の大学とは一味違う方向性を出すとしてきましたので,やはり名称においてもしっかりと区別ができて,お互いに切磋琢磨(せっさたくま)できるものとするのがよろしいのではないかと思います。その意味では,専門という文言が付くだけですと,今の大学でもあり得そうな感じですので,もう少し分かりやすく表記していただきたいと思います。
【永田部会長】  どうもありがとうございます。
意見が分かれてしまっていますが,コンセンサスを得ないと,答申にはできないと思いますので,もう少しこの議論を続けます。
米田委員,どうぞ。
【米田委員】  新たな高等教育機関は専門人材を育てる場として,一つの専門分野に限った教育機関ということでイメージしているのか,それとも複数の専門分野を持つ教育機関というのもあり得るのかということについて,少し考えないとこの話はすっきりしないのかと感じました。
【永田部会長】  今までの我々の議論では,当然ながら一つの機関が持つ専門課程は幾つあってもいいということになっています。理論上は,一つの新機関に観光学とIT学を教える学部なり,学科なりがあっても構わないということです。そして,一つの機関が一つの課程で出す学位名は同じではなくて,それぞれの専攻分野に沿って名前を付ければいいということになります。
そのほかいかがですか。川越委員,どうぞ。
【川越委員】  先ほど岡本委員からも同じような意見が出ましたが,「職業」という文言が付くと,新たな差別を生みだすのではないかと私は思っております。
最近,ある短期大学経営者とお会いしましたら,短期大学内にこの新しい高等教育機関を設置したいと希望を述べておられましたが,やはり大学らしさという点を大事にするのであれば,専門職大学,あるいは専門大学とする方が,「職業」という言葉から想起される印象による差別を生まないという点においてもいいのではないかと私は考えております。
【永田部会長】  黒田副部会長,どうぞ。
【黒田副部会長】  この制度の基本でありますが,日本の大学教育は戦後よりずっと単線で来ているわけですが,それを何とか複線化したいということから,アカデミックな大学と並んで,この職業に関して専門的な教授を行う大学を作るというのが特別部会での議論の大前提であったはずです。複線化するためにどのような区分けでどのような制度設計にするのがいいかということが非常に重要ですので,その辺りをもう一度整理していただきたいと思います。そうすると,後の議論がスムーズに行くのではないかと思います。
【永田部会長】  大本を正すと,1回目から3回目くらいまでの特別部会では英語が出ていたかと思います。vocationalな高等教育と,そうではない教育という対比がよく出ていたのですけれど,途中から消えてしまいました。いつの間にか複線化というのが,資料に全く記載されなくなってしまったように思います。
前田委員,どうぞ。
【前田委員】  既存の大学,短期大学がその一部として新たな高等教育機関を設置することも視野に入っているかと思うのですが,そうであれば,そのときは機関として別立てになるのかというところを少し明確にしなければいけないと思いました。
【永田部会長】  我々のこれまでしてきた議論によりますと,既存の大学,短期大学が新たに職業教育の課程を持つということが可能になっているものと思います。当然ながら新たに職業教育の課程を作るには,その基準に合った教員を配置するなどの対応が必要になるかとは思うのですが,その場合でも,大学の名前は,元の大学の名前を冠して,新しい学部なり,課程ができるという理解で私はいます。
金子委員,どうぞ。
【金子委員】  今の件は非常に重要なところだと思うのですが,その前に,先ほどの黒田副部会長の御意見に対して,私は高等教育の複線化について合意ができているとは必ずしも思いません。例えばドイツの「Fachhochschulen」と言われる専門大学が何回も話題になっているわけですが,これは1960年代ぐらいにできた機関です。それから,それに並ぶものとして,「Universität」と言われる総合大学があることで,ドイツの高等教育機関は複線であるかのごとく言われる場合もありますが,複線とは違うと言われた時代もありました。2010年にドイツの政府機関が出した報告書を読みますと,長期的にこの二つの機関は本質的に区分できないと書いてあるのです。今までの議論で,制度的に二つに分けることができるのかというところがやはり一番大きな問題だったかと思います。私は,それはできないのではないかと思っています。
もう一つ,名称の件ですが,学位の名称を「学士(専門職)」というようにするのであれば,既存の大学,いわゆる総合大学の学位の名称は,専門職ではないのかという問題も同時に出てくるかと思います。例えば教育学ですが,これは教師を念頭に置いた専門職の学位としてあるかと思います。それから,医療関係についてもそのとおりで,例えば薬剤師ならば,薬学です。これは薬剤師を念頭に置いた専門職の学位としてあるかと思います。
新機関の学位において,専門職を括弧内に付けてしまうとなると,既存の大学とどのような関係になるのかという問題はやはり大きく出てくるのではないかと思います。確かに新たな高等教育機関では,専門職を念頭に置いて教育を行うわけですから,専門,あるいは職業という文言を付けたいというのは分かりますが,既存の大学とどのような関係にあるのかということもきちんと考えた上で決めなければいけないのではないかと思います。
以上です。
【永田部会長】  ありがとうございます。前から申し上げているのですが,既存の大学の中であっても,違う課程であり,教育内容が違い,カリキュラムも違う,人材養成目的も違う,それからアドミッションも違うのであれば,どちらの課程の学位も「学士(工学)」というのはあり得ないことです。これは学位プログラムの基本的な考え方です。既存の大学ですと比較的分かりやすいのですが,この新たな高等教育機関が既存の大学や短期大学とは関係なく,単独で設置される可能性というのは当然ありまして,その場合に,そこが出した「学士(工学)」は,既存の大学が出した「学士(工学)」と同じかどうかということになると少し議論がややこしくなるかもしれません。
委員の御意見の中には,「学士(工学)」ではなく「学士(工業)」というのでいかがかというものもありましたし,「専門職」若しくは「専門職業」という文言を付けるべきだというもの,逆に付けるべきではないというものもありました。ただ,金子委員の御意見にもありましたが,今までの学位は専門職ではないのかという議論を同時に惹起(じゃっき)させますので,その点もよく考える必要はあると思っております。
前田委員の御意見は,認証評価は,機関別なのか,分野別なのかという問題などに関わってくるものかと思います。このような検討が必要な点というのを全部洗い出すためにも,あえて今,名称の議論をしているわけです。
ほかに御意見はございますか。川越委員,どうぞ。
【川越委員】  10年ほど前から,日本の学校教育制度を複線化すべきだという議論をずっとしてきておりまして,その内容は黒田副部会長がおっしゃるとおりでございます。しかしながら,この特別部会の前身たる有識者会議の中で,学校教育法を根本的に変えて,戦後の単線型学校教育制度を,複線型の学校教育制度にするのかという御意見に対して,そうではないという御意見がありました。そして,新たな高等教育機関の創設に当たっては,現行の学校教育制度の中で大学体系の中に位置付けるということしかないのではないかということから,ずっとこの議論が続いているわけでございます。なかなか難しい部分がございますが,私は実質的には複線化するということなのだと理解しております。
ですから,制度上は,大学体系の中に位置付けられることで現行の単線型である日本の学校教育制度の中にはまるのですが,実質的には専門高校,新たな高等教育機関,それから,専門職大学院とつながるような複線型になっているということかと考えておりますので,意見を申し上げておきます。
【永田部会長】  以前,学校教育法のどの位置に,この新機関を置くのかという話があったと思います。大学は大学でも,法文上は大学と短期大学の間に入れるのか,それとも短期大学の後に入れるのかという議論について,事務局から御説明お願いします。
【森田高等教育企画課長】  以前この特別部会で,学校教育法の条文の体系図を出させていただきました。今の学校教育法は第9章が大学,第10章が高等専門学校,そして第11章が専修学校となっております。このうち第9章の大学が,教育基本法第7条の大学ということになっておりまして,この大学の中の第108条に短期大学という制度があるという体系図を出させていただいていると思います。
審議経過報告で大学体系の中に位置付ける,つまり,大学制度の中に創設するという記載をしたところでございますので,学校教育法第9章の大学の中に条を立てて,この新たな高等教育機関の制度を設けるということが,考えられる改正内容であるということを御説明申し上げていると思います。
【永田部会長】  はい。そのほかいかがでしょうか。
鈴木委員,どうぞ。
【鈴木委員】  一つ御確認したいのですが,例えば当短期大学のようなところの1学科だけを,新たな高等教育機関に移行させて,大学の名称は今の短期大学のままにする,要するに,課程認定のようにして一つの学校を設置するということも可能だということなのでしょうか。このような課程を認定してもらうことでの対応が,新機関の設置に含まれるという認識が今までなく,新機関を作るというのであれば,例えば一部を移行し,新しい「丸々専門職業大学」として既存の「丸々短期大学」と並列させるのかと思っていました。先ほどの部会長のお話を伺うと,課程認定のような形での設置が許容されるように思えたのですが,そのような形でこれまで議論が進んでいたのでしょうか。
【永田部会長】  審議経過報告に書いてある内容を見ると,課程が認定されてもおかしくないように書いてあります。新たな高等教育機関を作るというのは,もちろん新しい制度ですけれど,新しい高等教育機関というのが,学科という単位で存在するのか,学部という単位で存在するのか分かりませんが,例えば,既存の大学等が設けている学部が今議論している新たな高等教育機関で求められているような内容に近い教育を行っていたならば,その内容をより実践的なものにするなどの対応をした上で,その既存の学部を改変して新機関を設置してもいいというのは,当然の帰結かと思います。
【鈴木委員】  そうすると,既存の大学等に新機関を課程のような形で併設した場合,例えば学長は一人でもいいということになるのでしょうか。また,既存の施設を利用して,その一部を,ここだけは新しい高等教育機関だと言い張ることが可能ということになるのでしょうか。
【永田部会長】  そういうことになります。課程が違うので,学長は,両方担ってもいいのではないかと思います。しかし,飽くまで,プログラムは両者で違うということです。
【鈴木委員】  確認ですが,プログラムが異なっていても同じ敷地で対応しても構わないし,大学の名称を変える必要もないということでしょうか。
【永田部会長】  審議経過報告を読む限り,既存の大学が新たな高等教育機関として課程を設置していけないなどということは,どこにも書いてありませんから,今申し上げたような形でも新機関の設置は可能だと理解していただいてよろしいのではないでしょうか。
【鈴木委員】  はい。ありがとうございます。
【永田部会長】  岡本委員,どうぞ。
【岡本委員】  私の理解は,少し永田部会長と違っているのですが,よろしいですか。
【永田部会長】  先に事務局から補足の方をお願いします。
【森田高等教育企画課長】  現在の審議経過報告では,大学,短期大学が一部の学部,学科を転換するなどして,この新たな高等教育機関を併設することを可能にするという記述になっておりますが,その方法としては,併設する部分は別の大学,あるいは短期大学とするという方法もあり得ますし,既存の大学や短期大学の一部の学部や学科を転換させ,当該学部や学科のみを新たな高等教育機関であるというようにして,大学の名称等は既存の大学のまま,つまり既存の大学の中に新たな高等教育機関という制度を組み込むというような方法の2種類があり得ると思っております。その点について現在の審議経過報告ではまだ完全にどちらの方法なのか,決めてはおりませんので,引き続き御意見を頂いて,今後の答申に向けて明確にしていくことができればと思っております。
【永田部会長】  審議経過報告の記述では,どちらでも可能ということです。
岡本委員,どうぞ。
【岡本委員】  新たに併設して別の大学と称することとするのと,それから,大学,あるいは短期大学がその組織の1学部とか1学科を転換して併設するという両方があり得るという事務局の見解ですが,有識者会議のときから,大学,短期大学に加え,第3の大学として職業に特化した専門職大学,あるいは専門職短期大学を作るということで,この新機関は議論されてきたと思います。そのような経緯からすると,余り便宜主義的に,大学や短期大学の中の一部の学部や学科を専門職大学,あるいは専門職短期大学とみなすというようなことを許容するのは,少し違うのではないかと思います。そのようなことをしたら,学生や保護者をはじめ,一般の人は間違いなく混乱するでしょう。
やはり既存の大学が専門職大学を作るというのであれば,既存の大学とは別にきちんともう一つ大学を併設して,「丸々大学」と「丸々専門職大学」という形で設けるべきですし,短期大学が同様に専門職短期大学を作るのであれば,「丸々短期大学」と「丸々専門職短期大学」というような形で外形的にも設置するべきだと思います。やはり教授会の構成,設置基準,教員資格などについて,既存の大学と専門職大学では異なってくるということですから,その設置の仕方についても,私はきちんと分けて行うこととする方が分かりやすい制度になるのではないかと思います。理論的に可能かどうかということでは,2種類あるのかもしれませんが,そのようなことを便宜主義的にやるべきではないという意見です。
以上です。
【永田部会長】  そのほかいかがですか。麻生委員,どうぞ。
【麻生委員】  現行の短期大学や大学の制度について申します。例えば2年制の短期大学が4年制の大学になるとき,基本的には移行や転換ではなく,新しく大学設置基準に基づいた認可を受け,短期大学を廃止するという手続を取るのが一般的な対応であります。短期大学設置基準と大学設置基準はよく似ていますが,教授の最低数が短期大学は基準の3分の1,4年制大学は2分の1というようなものも含めて違いますし,短期大学は学部がありませんので,よく改組転換という言葉が使われますが,実質的には新たな学校を作り,既存の学校を廃止するということが行われております。このような現行の例も十分に参考にされながら,新機関の設置の方法や形態については検討する必要があると思っております。
【永田部会長】  そのほかいかがでしょう。金子委員,どうぞ。
【金子委員】  この点では,先ほど申し上げましたように,制度上の線引きはかなり難しいのではないかと思います。学校種という形での線引きにこだわるべきではないというのが私の持論です。例えばドイツの専門大学というのは,普通の総合大学との区別が非常に不明確になっていて,それぞれ特徴はありますが,制度的な線引きは難しいと言われています。今日の資料にありました,教員の資格と実習時間の構成が一番分かりやすい制度上の線引きの基準になるだろうということですが,少し考えてみれば,これは既存の大学でも,この基準と同等の教員をそろえ,この基準と同等の実習を行うことができるということが分かると思います。つまり,既存の大学の中の一部の教育課程において,そのような基準で教育を行うことにより,社会的に今,需要があるとされている高等教育における実践的な職業教育について,対応すると考えるのが,自然の流れではないかと思います。
先ほどのお話ですと,もともとの改革の意図が実現されていないということでしたが,どこでその改革の意図が実現されないのかということをもう少しはっきりしていただくと議論が先に進むのではないかと思います。
【永田部会長】  寺田委員,どうぞ。
【寺田委員】  金子委員が,盛んにドイツの専門大学の話を出されるので,ある程度事情を知っている人間として少し意見を述べたいと思います。まず,ドイツにおいては,EUのボローニャ・プロセスの影響で,高等教育の期間が3年以上の場合は,一律にBachelorを出すという方向で教育条件を整備することになっております。ドイツ語では総合大学を「Universität」,専門大学を「Fachhochschule」としておりますが,授与する学位を含め,両者の共通性というのは高まっております。
なお,ドイツで「Universität」と「Fachhochschule」を併設しているところを私は見たことがありませんが,日本ではそれが併設されていてもいいとは思っています。
【永田部会長】  金子委員,どうぞ。
【金子委員】  私が先ほど申し上げましたのは,最近のドイツの政策文書などを読んでいますと,総合大学と専門大学との間の実質的な差異がなくなっているということです。
実際,総合大学でも職業訓練的なことを行う大学が多く出てきて,非常に多様化しており,その線引きが難しくなっているということです。
私が申し上げたいのは,無理して線引きをするよりも,一つの組織の中でも応用的な教育と学術的な教育の両方を行う組織があるということにしてしまっても,ここで議論され,求められてきた実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関というものを実現することが十分にできるのではないかということです。
【永田部会長】  ドイツの総合大学と専門大学において,その違いは余りなく,共通するところが増えてきているというお話でしたが,総合大学と専門大学が,お互いに歩み寄ったのか,片方がもう片方に歩み寄ったのかについて,御知見があれば簡単に御発言いただけますか。それがまた皆さんの議論の役に立つと思います。
それでは,寺田委員,どうぞ。
【寺田委員】  大学,あるいは高等教育機関としての出口の水準の共通性に注目すれば,相互に接近しているという見方ができますし,本来の独自性にこだわり追求すると,やはりいまだに両者は違うということになるかと思います。
ただ,ここから先が答えなのですが,専門大学にとっては,基礎科目をある程度増やしていくことで職業実践性という強みなり特徴なりが,減じられてしまうという問題が一つあります。
そのことに対応するため,専門大学では,近年,中学校,高等学校教育レベルのデュアルシステムの延長のようなものをデュアル課程として設置しています。
【永田部会長】  旧来型の大学にvocationalな大学が寄ってきているような印象を持ちました。金子委員,いかがですか。
【金子委員】  私としては,ドイツにおいては,総合大学及び専門大学双方の幅が広がっているものと理解しております。今,ドイツでは,州における裁量が大きいといった事情などもあり,大学の個性化,教育プログラムの多様化が非常に進んでいます。幾つもの大学を見ていると,非常に多様な職業や課程が存在していることが分かります。
私は2000年代の最大の問題は,職業とデュアル教育の関係だと思っています。学術的なものだけでは駄目であり,逆に特定の専門的な職業の関係の教育だけでも駄目,非常に雑多な職業がたくさん生じてきているという事情も踏まえ,それをどうカバーするかが問題で,ドイツやアメリカもそうだと思いますが,日本の既存の大学もそれを既にカバーしていますし,ドイツの場合には専門大学も学術的な教育や変化の激しい社会に対応した教育についてカバーするような動きになっているものと理解しております。このような動きの中で,学術的な教育なり大学なりと,職業的な教育なり大学なりを,きちんと線引きするというようなことはもはや非常に難しくなってきていると言えるのではないでしょうか。
【永田部会長】  ドイツにおいては,教員の質に関しては,どちらに寄ったのでしょうか。
【金子委員】  ドイツの場合は,専門大学も教員には博士号が要求されているので,アカデミックな訓練というのは当然必要とされています。ただ,もう一つ申し上げたいのは,実務経験のところの問題で,ドイツの場合では,大学と企業との間に相互移動があるというのがやはり非常に重要だと私は感じています。
【永田部会長】  岡本委員,どうぞ。
【岡本委員】  金子委員と寺田委員は教育が御専門ということですが,それぞれの御意見には少し違いがあるように見受けられました。ただ,私は,ヨーロッパの一般の大学と職業大学が統合されつつあり,不可分になりつつあるからといって,日本において,既存の大学と並ぶ新たな高等教育機関を作る必要がないということにはならないと思っています。
私は2年前に,ヨーロッパを代表するスイスのビジネススクールの教授からブリーフィングを受けたのですが,彼らがスイスの国力の源泉を,大学を頂点とする普通教育に加えて,職業教育を非常に重視するダブルトラックの教育制度にあると言っていたのが非常に印象に残っております。
【永田部会長】 小杉委員,どうぞ。
【小杉委員】  大学にも専門学校にも直接関与していない第三者の立場から考えますと,やはり見える選択肢はたくさんあった方がいいと思います。新しく学びたい人,あるいは社会が学術をベースにより実践的かつ応用的な能力というのを必要としている現代において,学び直しをしようと思う人など,このような教育機関を必要としている人というのは多くいると思うのです。そういう意味では,やはり通える範囲にたくさん学校があった方がいいですし,基本的には設置を望む法人を排除しないような形がいいと思います。抽象的ではありますが,学びの機会がたくさん確保される方法を望みます。
【永田部会長】  学生側から言えば,近くにいろいろな大学,あるいはいろいろな学科があればいいということでしょうか。
そのほかいかがですか。それでは,長塚委員,どうぞ。
【長塚委員】  専門高校のことを,昔は職業高校と言っていましたが,最近ではそのようには言わないようにしています。専門の勉強を高等学校段階で学びますが,必ずしも特定の職業に結び付けるわけではないということですから,そういう意味では,大学の方も専門職業大学ではなくて,専門職大学などとしていただく方が適当ではないかと思います。
以上です。
【永田部会長】  前田委員,どうぞ。
【前田委員】  私は,機関別認証評価と専門分野別認証評価を分けるとすると,機関別認証評価では具体的に何を対象として評価するのだろうか,評価を分ける必要があるのだろうかということを疑問に思いました。また,この新たな高等教育機関で肝腎なのはプログラムだと考えますので,本当に良い学生を育てようと思うのであれば,既存の大学でも意欲のあるところは新機関を設置できるとした方が,消費者側つまり学生側からのアクセスがしやすくなるのかと思いますので,既存の大学が併設という形で新たな高等教育機関を設置できることはいいのではないかと思いました。
【永田部会長】  川越委員,どうぞ。
【川越委員】  既存の大学や短期大学が新たな高等教育機関を併設することは,制度上,可能とするという議論に既になっているわけですけれど,専門職大学なり専門職短期大学と名のらずに,対外的には今の大学の名称,短期大学の名称しか示さないまま,この新たな高等教育機関を学科という形で設けることを許容するというのはよくないです。
【永田部会長】  長塚委員,どうぞ。
【長塚委員】  台湾に行きますと,科学技術大学と総合大学に明確に分かれているのです。韓国も同様だと思います。そういう意味では,実践的な学びができる大学であることを明確にした方が,進路選択などにおいては非常に分かりやすいと思いますし,一つの大学の中に複数の機関があるというのは少し分かりにくく,進路選択にも良い効果をもたらさないかと思いますので,併設するのであれば,なるべくどのような機関なのか,どのようなことが学べる大学なのかというのを明確にしていただきたいと思います。それから既存の大学がなかなか機能分化できていないので,新たな高等教育機関を併設するのであれば,教育内容を体現したような名称としていただくことも含めてですが,自分の大学が何を目指すのかということをはっきりとさせていただきたいと思います。
【永田部会長】  益戸委員,お願いします。
【益戸委員】  外資系企業における採用,人事などの経験をお話しいたします。
私たちの採用で,一般的な大学の卒業か専門職業大学からの卒業かは採用選考に直接の関係はありません。その学生がどこでどのように何を勉強していたのかという観点で採用選考をします。新たな高等教育機関が学術的な大学と職業教育を行う大学のどちらに寄っている学校なのかという議論は,企業の採用側からは興味がありません。どんなタイプの学校からであれ,自社のニーズに合う,戦力となる人間が採用できるかが重要です。
1980年代から外資系金融機関は,日本の高い偏差値の大学から学生を新卒採用していますが,入社後数年すると海外の学生に負けることが多いようです。この特別部会の中で,私は新しい高等教育機関が必要だと申し上げているのですが,その背景には大学改革が進まないということがあります。大学を取り巻く環境の変化に対応できず,企業の採用ニーズを理解できていません。具体的な議論となっている実務家教員の数であるとか,インターンシップの時間数であるとかが,きっちりと義務化されている大学であるということは,企業にとってとても安心です。
社会問題化している入社数年で辞めてしまう就職ミスマッチ,優良な中小企業であるにもかかわらず新規の働き手がいない,リストラをした従業員の方向転換を企業として支援したいが,社会人の学び直し制度は信頼できるものがない,現場のリーダー役を担える中間層の人材がいない,など経営者側だけでは解決できない悩みが数多く挙げられます。それでは,どうしたら社会で求められる人材を教育界から輩出することができるのでしょうか。日本にとって非常に重要な問題です。既存の大学から,この新しい高等教育機関に移行できるのか,できないのかの議論ではなく,新たな高等教育機関がどのような人たちを卒業させるのかということこそが非常に重要な問題なのです。
そこで,そろそろもう一歩議論を進め,どんな学生を卒業させるのかという議論に移ってもいいのではないかと思います。細かいところはもちろんあるのかもしれませんが,大きな方向性だけは見失わないということを前提に御議論いただけると有り難いと思います。
【永田部会長】  経済界からの貴重な御意見を賜りました。先ほどから出ている既存の大学での新機関併設の議論ですが,既存の大学とは別の大学として設けなければならないのか,既存の大学の一部として設けることも可能なのかということは,実は校地や運動場,体育館の備え方についても影響することなのです。便宜性を図って,柔軟に作ればいいと思いますが,大学のキャンパスというのは人格形成に結び付く高等教育機関の中の重要な要素ですから,職業教育を行う大学であれ,キャンパスやキャンパスに代わるものも含めて,一定の基準以上は備えていただくべきかと考えております。
益戸委員のおっしゃるとおり,内容のしっかりしたものができればいいという産業界の御意見はもっともであるものの,その内容を保証するための教員や施設設備というものについてもきちんと議論する必要があると思っております。
米田委員,お願いします。
【米田委員】  名称についてですが,私も長塚委員と同じ意見なのですが,高等学校の生徒たちの立場から考えますと,やはり「丸々専門職大学」でいいのではないかと思います。
以上です。
【永田部会長】  はい。そのほかいかがでしょうか。
岡本委員,どうぞ。
【岡本委員】  別の論点です。インターンシップ,企業内実習に関して,資料3の2ページ目の一番上の四角の中には,「インターンシップをはじめとした企業内実習等」ということが書かれているわけですが,その下の方の注書きで,企業内実習等とは,「現場に出かけて行う実習(企業内実習)又は,当該機関の附属実習施設のうち,その職業の業務が実際に行われているものの中で行う実習」と定義されています。
就業体験プログラムというと,インターンシップとコーオプ教育の二つの流れがあるわけですが,インターンシップは企業等が主体で管理運営され,コーオプ教育は大学主導で管理運営されていくものと,一般的には理解されています。
ここで書かれている企業内実習というのは,インターンシップというよりもコーオプ教育に近いのかと思っております。インターンシップのデメリットの点である,本来であれば企業に丸投げになりかねない部分というのをコーオプ教育的な形でしっかり新たな高等教育機関がマネジメントをする,産学連携をしっかり行うという意味で,私はこの要件定義が非常に重要だと思っています。一方で,企業側が実際の仕事を一部,学生にやらせながら経験を積ませていくということが薄れてしまっても意味がないとも思っております。
そして,中身は今述べたような考え方でいいとしても,名称としてはどうするのかという問題があります。新たな高等教育機関に関しては,インターンシップという言葉を使わず,このまま企業内実習等という言葉を使うのか,あるいはここでインターンシップという言葉を使って,中身的には,コーオプ教育的なことをするということにするのか,少しその辺りの整理が必要だと思いますので,事務局の方でできればインターンシップ,コーオプ教育の定義を整理いただくとともに,この新たな高等教育機関の企業内実習なるものの位置付けを明確にした資料を作成していただきたいと思います。この企業内実習等というものは,年間150時間に修業年限を乗じた時間数を課すということで,相当数の実習時間を義務付けることとなるわけですから,この定義についてはもう少し掘り下げていただくとともに,名称についてもきちんと整理いただくべきかと思っております。
以上です。
【永田部会長】  インターンシップと企業内実習をどのように整理し,この新機関での実習をどう位置付けるかということについては,これまで既に皆様で議論し,その議論の末に,今のこの文章になっているわけですから,また同じ議論を繰り返す必要はないと思います。今の御意見は,注意書きとして,何か少し工夫すれば対応できるものと考えます。
そのほかいかがですか。安部委員,どうぞ。
【安部委員】  先ほど,前田委員が,新たな高等教育機関は機関別認証評価よりもプログラムごとの評価が重要だという御発言をされていましたが,私もそのとおりだと思います。また,学生からのアクセスを考えれば,既存の短期大学や大学がこの新たな実践的な職業教育を行いたいと言ったときに,既存の機関が設置しやすい形の方がいいという御意見にも賛成であります。
ただ,学位に関しましては,この議論自体が,大学が実践的な職業教育を行っていないことから始まっているわけですから,どうしても職業教育を修めたということがわかるような学位としなければならないと思っております。そうすると,6ページ目の下の方に書いてありますように,新たな機関が授与する学位の種類は,学士ならば「学士(専門職業丸々)」というのが適当かと思います。また分野の「丸々」については,工学というのが既存の大学の学問のような印象を与えるということでしたら工業ということで,職業の分野を表すことで,既存のアカデミックな学位と区別できると考えます。
以上です。
【永田部会長】  ありがとうございます。
御意見はまだたくさんあると思うのですが,時間の方も押しておりますので,短めにお願いします。
千葉委員,どうぞ。
【千葉委員】  既存の大学や短期大学の内部にこの新たな高等教育機関を併設できるかどうかということについて,ディプロマ・ポリシー,認証評価,あるいは学校の目的自体も,既存の大学と新たな高等教育機関では異なってくることが予想されるところ,その組織として,形式的にもきちんと分けるべきだろうと思います。ただ,部会長がおっしゃるように,審議経過報告を読む限りでは,既存の大学の内部に併設する,つまり学科等として設ける形で併設することができると読み取ることができてしまうというのはそのとおりかと思います。しかし,そのような形であっては,既存の大学に併設するメリットというのが余りないように思えるのですが,いかがでしょうか。専門職業人材を養成していくことを対外的にアピールせず,よくよく調べてみなければ,その大学内で実践的な職業教育を行っていることが分からないというのでは,社会的には何の意味もないような気がします。
加えて,1点質問をさせていただきたいのですが,実務家教員の割合のところなのですが,ポンチ絵のところと本文のところで若干書き方が違っています。本文では,必要専任教員数のおおむね4割以上は実務家教員だということがローマ数字1のところには書いてあります。そして,ローマ数字2のところで,研究能力を併せ有する実務家教員の数は,ローマ数字1による実務家教員の必要専任教員数のうち半数以上と書いてあります。しかしながら,ポンチ絵の方では必要専任教員数のおおむね4割以上は,実務家教員ということ,さらに,その半分以上は研究能力を併せ有する実務家教員とすると書いてありますので,ポンチ絵の方で申し上げますと,実務家教員を全体の6割置くとした場合には,教員全体の3割は実務力に加え,研究能力を持っている人にする必要があると読めます。こちらの本文の方では,全体の2割以上を実務家教員でかつ研究能力を備えている教員とすればいいというような形になっているので,きちんと整合をとった方がよろしいのではないかと思います。
【永田部会長】  確かに,御指摘の点は表現を改めないといけないと思います。
そのほかいかがでしょう。長塚委員,どうぞ。
【長塚委員】  先ほどドイツの例が挙げられていたのですが,ドイツの大学はほとんど国立だと私は思っているのですが,実態はどうなのでしょうか。
【寺田委員】  国立ではなく州立になります。
【長塚委員】  失礼しました。州立ということであれば,財政基盤は一定程度整っているということになり,私立大学が8割方を占めている日本の大学とは事情が違うということになるのではないでしょうか。つまり,私立大学が大半を占める日本の大学では機能分化がなかなか進まないという事情も当然ということです。国立大学,公立大学ならば,国の政策として必要な大学の設置等が容易にできるわけですが,大学自らが社会事情や国の政策の方向性を踏まえて,機能を転換するということはなかなかできない,なされていない我が国の今の状況で,今回,この新しい高等教育機関の制度ができるのは,大変意義があることかと思います。海外の生徒も呼び込みながら,この新しい高等教育機関ができていけば,新しい活路ができるわけで,それが産業界にも影響していくものであれば,私立大学も必然的に新制度について考えざるを得なくなり,結果,社会のニーズに対応した高等教育が実現するのではないかと私は思います。
そのような意味では,先ほど韓国や台湾の大学を挙げさせていただきましたが,私立大学の機能分化の意識を持ってこの制度を作らないと,余り現実的でないと思いましたので,補足いたしました。
以上です。
【永田部会長】  金子委員,どうぞ。
【金子委員】  今のお話ですが,新たな高等教育機関の制度ができると全部変わるので,やはり新しい大学にするべきだと私には受け取れる議論があります。例えば日本の私立大学はこれから変化しなければいけない時期なので,大学に変化することを求めることは,現実的ではないと私は思います。
それから,名称でアピールするというのも私は納得できません。実態が重要なので,これから何ができていくのかということが問題なのだと思います。
ただ,私は,既存の大学や短期大学の中に職業実践教育課程のようなものを併設するということも十分考えられるし,その方が私は現在の制度からの移行がやりやすいと思っています。ただし,それは必ずしも,職業実践課程だけを持つ大学ができるということを拒むものではありませんし,職業実践課程だけからなる大学は,例えば医療職業専門職大学と称する方法もあるのではないかと思います。そういう意味では,名称をアピールするという方法も決してないわけではないので,もう少し設置できる幅を広げておいた方がいいのではないか申し上げているわけです。
【永田部会長】  米田委員,どうぞ。
【米田委員】  資料3の8ページ目,「その他」のローマ数字3にございます専門高校との関係の部分で一つ発言いたします。黒丸の一つ目及び二つ目については,是非取り入れていただきたいと思います。特に,黒丸の二つ目につきましては,現在,既存の大学も高等学校等へ出前授業を行っており,既に多様な協力関係にありますので,答申での記載の際には一つ御配慮いただければ有り難いと思います。
以上です。
【永田部会長】  ありがとうございます。
麻生委員,どうぞ。
【麻生委員】  名称の問題に戻ります。名称よりも内容が重要だとは思いますが,現在,専門学校においては,職業実践専門課程,大学においては,職業実践力育成プログラムがあり,職業教育は既になされております。しかしながら,その職業教育よりももっと実践的で,一方では理論と架橋したような学術の要素も加味された教育というのを行う機関があってもよいと私は思っております。そこでこの新たな高等教育機関が制度化されるものと理解しているところです。
この中央教育審議会の名称も「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関」,それから,パブリックコメントを募集したときも「質の高い専門職業人養成」というように,「職業」という言葉が出てきております。既存の大学と違うことを表現するならば,やはり名称は専門職業という文言を入れるべきだと思います。
【永田部会長】   寺田委員,どうぞ。
【寺田委員】  以前の中央教育審議会のキャリア教育・職業教育特別部会において,新たな学校種を作ることが提案されたのを受けて,平成26年10月に有識者会議を設け,半年間に及ぶ議論を行いましたが,大学制度の中に位置付けるのか,あるいは高等教育の枠組みの中に位置付けることとするのか,具体的な結論が得られなかったため,今回の特別部会にその議論が継承されました。そして,特別部会の前半で,大学制度の中に位置付けることが決まりました。つまり,学位授与機関とするということです。それから,短期大学士レベルと学士レベルの二つの学位を出すことなども加えて,この議論というのはこれまで進められてきたわけですが,今,各論に行き過ぎ感も否めないので,もうこの辺りで事務局を中心に客観的な観点から整理し,まとめていくような作業に移ってはどうかと思います。本日も意見を出し合いましたが,皆様の御意見を伺っていても,制度の方向性自体はもう結論が出ているように思えましたし,設置基準のような制度の詳細は,この特別部会で議論しても結論は多分出ないことかと思いますので,詳細については別の場で改めて御議論いただくことも,部会長と事務局でお考えいただきたいと思います。
是非,そのような方向でお進めいただきたいと個人的な要望を申し上げます。
【永田部会長】  私も部会長として,それなりに考えていることはもちろんありますが,今まで議論したことがないような観点も今回出てきておりましたので,今一度,皆様からの御意見を頂いた上でまとめる必要があると考えております。例えば,既存の大学に併設する場合に,大学という形でしか設置できないのか,あるいは学科として設置することも併設と言い得るのかということについて,本日疑義が生まれ,たくさんの御意見が出ました。これは非常に重要なことですので,いずれの方法も可能なのか,どちらか一方のみなのかということなどは,はっきりとした上で答申を出す必要があると思いますので,その辺りについては,私や事務局で整理,判断してしまうのではなく,皆様の御意見を頂きながら,答申に向けてもう少し詰めていきたいと思っております。
前田委員,どうぞ。
【前田委員】  既存の大学が新機関を併設できるか,できないかということで,もし併設できるとすれば,機関別認証評価は既存の短期大学や大学が受けている分で対応することとし,新たな高等教育機関では,専門分野別の認証評価にだけ力を入れていただくこととしてはいかがでしょうか。
【永田部会長】  はい。その御意見は,今後の議論につなげるものとして,お聞きしておきます。
それでは,本日はここまでとさせていただきます。事務局から次回の日程について御説明ください。
【塩原主任大学改革官】  次回会議でございますが,第16回の会議を5月10日の火曜日,時間は10時から12時まで,場所は本日と同じ文部科学省第1講堂で実施することを予定しておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。
【永田部会長】   本日はお忙しい中,どうもありがとうございました。

―― 了 ――

お問合せ先

生涯学習政策局参事官(連携推進・地域政策担当)付

高等教育局高等教育企画課新たな高等教育機関プロジェクトチーム

(生涯学習政策局参事官(連携推進・地域政策担当)付、高等教育局高等教育企画課)

-- 登録:平成28年10月 --