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実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会(第12回) 議事録

1.日時

平成28年3月15日(火曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 3階講堂(東京都千代田区霞が関3-2-2)

3.議題

  1. 審議経過報告(案)について
  2. その他

4.議事録

【永田部会長】  おはようございます。遅れている方がいらっしゃいますが,既に定足数を満たしておりますので,実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会の第12回を開催させていただきたいと思います。御出席の委員の方々におかれましては,本当に御多忙の中,ありがとうございます。
本日は,いつものとおり,報道関係者による会議全体の録音,それから,カメラ撮影を行いたいという旨のお申出に対して,許可しておりますので,御承知おきください。
今回は,前回いろいろと御意見も出ました審議経過報告の案をもう一度皆さんと議論をいたします。できるだけ効率よく進めたいと思いますが,ほぼ前回と同じような形で進めたいと思います。
それでは,まず事務局から配付資料について御説明をお願いいたします。
【塩原主任大学改革官】  お手元の配付資料の御確認をお願いいたします。
本日の配付資料は議事次第にございますとおり,資料1-1から資料3までの計4点でございます。不足等ございましたら事務局までお申し付けください。お願いいたします。
【永田部会長】  それでは,本日の資料について,特に前回の案から変更した点等を中心に事務局から御説明お願いいたします。
【塩原主任大学改革官】  それでは,お手元の資料1-2を御覧ください。資料1-2は,前回御審議いただきました審議経過報告案につきまして,前回出された意見を踏まえて,更に修正を加えた見え消し版の修正資料でございます。修正点を中心に御説明させていただければと思います。
まず資料の修正点でございますが,最初に2ページを御覧ください。2ページの第1章,産業・職業と職業人の状況の中の我が国の状況に関する部分の一番下の部分でございますが,こちらにつきましては,前回,委員より実践的な職業能力の育成を従来,主として企業が担っていたことに加えまして,例えば職業上のノウハウを形式知化することなどについても企業が担ってきたこと,さらには,それらを更に理論化・体系化していくことが重要であることについても記述を加えるべきとの御意見を頂いたことから,それを踏まえ修正いたしました。
続きまして,5ページを御覧ください。5ページの第2章の部分でございます。前回会議では,この新たな機関は,既存の制度や既存の大学とどこで線引きをするのかについてまだ明確になっていないのではないか,既存の大学でできないところはどこなのかといったことについての御指摘がございました。この点につきましては,前回会議では同時に,既存の大学等が対応していない分野をこの報告書の中で例示するということについては慎重であるべきではないかという御指摘もありました。さらには,新機関が産学官連携をはじめとした実践的な職業教育の仕組みを制度的にもビルトインしているという点に特徴があって,人材需要に即応した職業教育を単にできるではなくて,必ず行うよう義務づける機関として設計することによって差別化ができるのではないかといった御意見もございました。
こういった御意見を踏まえまして,5ページ以降,既存の大学とどこで線引きするのかといったことについての論点などについて述べている部分を黄色のマーカーで着色し,記しております。
この部分について少し御確認いただければと思いますが,まず制度の現状といたしまして,各高等教育機関は,「次のようにそれぞれの特性を生かしつつ,社会で必要とされる様々な領域の職業人養成を推進してきた」ということで,このような既存の機関の職業教育機能の充実は今後とも重要な課題であることは論を俟(ま)たないということを前提として述べているものでございます。
その上で,9ページの上の方に,「現行の大学・短期大学は,幅広い教養教育と学術の成果に基づく専門教育の中で職業教育を行うものとされ,職業実践知に基づく技能の教育については,制度上,明確な位置付けがないままとなっている」ということ,さらに,その下でございますが,「現行の大学等が,自らの判断で,技能教育との融合を進め,それらの人材養成を推進していくことも可能ではある。しかし,こうした教育への取組について,各大学等の判断に委ね,事実上の取組を待つのみでは,職業の多様化,流動化や地域の需要への対応などの社会の要請に迅速に応えていく上では十分とは言えない状況になっている。また,学問的な体系性を基盤とすることを重視した大学教育のみで,そうした需要の全てに対応することには限界もあると考えられる。これらのことを踏まえれば,職業実践知の教育に軸を置きつつ,学術知の教育にまで至る,実践的な職業教育に最適化した高等教育機関を新たに創設して対応することが,効果的と考えられる」ということが前回から既に記載されているところでございます。
さらに,今回追加して記述しておりますのは,その下の赤字でございますが,「当該機関には,人材需要に即応した教育を機動的に行うための仕組みや,質の高い実践的な職業教育を提供するための独自の基準を整備するものとし,こうした教育を行うことを制度的にも義務付けられた機関として明確化を図る」という部分でございます。これによって既存の大学と線引きされるとすれば,ここで差別化が図れるのではないか,そして,我が国の高等教育における社会が求める専門職業人材養成の機能を,より高めていく役割をこの機関に担わせることが適当ではないかということで今回新たに記載をしているところでございます。
その上で最後の結論でございますが,「既存の各高等教育機関が,今後もそれぞれの強みと特性を生かした職業教育の推進を図る」とともに,新機関を加えることによって,それらがあいまって,我が国の職業人養成の格段の強化が図られることを期待したい,というようにまとめております。
それに関連いたしまして,9ページの下の脚注の部分でございます。前回の案で,既存の大学等との関係について,具体的な分野の例示なども記載しておりましたが,分野の例等につきましては,今回削除いたしまして,大学教育と産業界のニーズとのミスマッチと言われている部分等についての一般的な調査結果などについての記載をするにとどめることといたしました。
続きまして,他の修正部分でございますが, 7ページを御覧いただければと思います。7ページの2.職業教育の課題と求められる対応部分の(1)職業教育に対する社会全体の認識に関する課題と対応に関する部分の記載がございますが,こちらにつきましては,今,非常に重要な部分なので,この節の部分をもっと格上げして記載するべきではないのか,さらには,後期中等教育から高等教育へのつながりを意識した記載についてももっと充実させるべきではないかといった御意見がございました。こういった御意見を踏まえまして,2の丸1,丸2,丸3のうち,丸1につきましては,高等教育だけでなく,学校教育全体についての内容も含んでいるものでございますので,今回この部分の仕切りを,丸1から(1)に格上げをいたしまして,丸2と丸3は,(2)以降で高等教育における課題と対応という形でくくり直しました。
その上で,この(1)部分につきまして,7ページの一番下にあるような,中等教育とのつながりも踏まえました記述の充実を図っているものでございます。
続いて,8ページの5行目辺りから追加している記載がございます。前回,女性のキャリア形成と新たな高等教育機関との関係についてもどこかで触れておくべきではないかと御指摘があったことを踏まえまして,追加をしているものでございます。
少し飛びまして,16ページを御覧ください。16ページの一番下から17ページにわたって,身に付けさせるべき資質・能力の中の,とりわけ職業人として共通に身に付けさせる能力について記載のある部分でございます。こういった能力の中で,教養教育の位置付けをより明確に記載すべきではないのか,とりわけ新たな高等教育機関では高校時代の学習時間なども短く,知の習得の習慣も余り形成されていないような入学者への対応も必要になることも想定されることから,そういった面での共通的な能力養成も必要ではないかといった御指摘を受けたところでございますので,今回こちらの方に対応した記載を追加しています。例えば主体的なキャリア形成を図るための能力につきましては,「生涯にわたり学び続けるための基礎・教養(学習スキル)」などといったように,より詳しく記載をしています。
続いて,20ページを御覧ください。インターンシップの関連で,赤字で追記及び修正をしております。インターンシップにつきましては,行うべきということでこの報告書に記載しているのですが,実際に行うとなると,特に大変なこととして,受入先の開拓の問題がございます。こういったものについては,例えば産業界の協力を要請するような記述,ないしは,受入先での具体的な方法例などについてももっと具体的な記述をすべきではないのかという御指摘がございました。
そういった御指摘を踏まえ,20ページの一番下の脚注の部分ではございますが,インターンシップにこれまで取り組んできた大学等がどのように受入先の開拓を行ってきたのか,また,インターンシップ推進協議会を設けて,各種調整を行っているような事例もあるということについての記載を追加したものでございます。
続きまして,21ページ,他の高等教育機関との連携の部分でございますが,新制度の制度設計に関する記述の中で,大学,短期大学のみ記述して高等専門学校への言及がない部分について,高等専門学校も入れるべきとの御指摘がありましたので,こちらの他の高等教育機関との連携の部分につきまして,高等専門学校を明確に含んだ記述に修正を行いました。
22ページ,こちらは高等教育機関としての質保証の中の教員の関係について,前回の案では,教員の職制の資格基準は,大学設置基準,短期大学設置基準と同様とすることを基本とするという表現になっておりましたが,この表現は若干誤解を招くおそれがあるのではないのか,より真意を的確に表した表現に改めるべきだという御指摘を踏まえて今回,修正を行ったものでございます。
最後でございますが,25ページの3.新たな高等教育機関による人材養成推進のための基盤整備を御覧ください。これは,産業界等との多面的な連携体制の構築について記載している部分でございます。その多面的な体制構築,分野別質保証に関する体制構築の部分について,具体的に書かれておりますが,もっと様々な面での連携についての記述も加えるべきではないのかという御意見がございました。例えば,先ほどございましたインターンシップの受入先,開拓などのことも含めまして,こちらに記述すべきではないのかとの御指摘があったことを踏まえ,追記をしたものでございます。
以上が前回からの修正点でございます。よろしくお願いします。
【永田部会長】  ありがとうございました。
それでは,まず「はじめに」から第1章のところについて御意見を頂ければと思いますが,いかがでしょうか。
特段ないようですので,こちらについてはまた後で御意見を頂くとして,第2章の方に移りたいと思います。
ここは相当,修正が入っておりますが,いかがでしょうか。少し申し上げておくと,基本的にはこの部分では,それぞれの高等教育機関のこれまでの取組と,現在の職業人養成のニーズとの間にギャップがあるということを既存の高等教育機関の役割を尊重しつつ書いている部分です。逆に言うと,それがために今まで若干歯切れが悪かったという部分でもあります。
いかがでしょうか。
はい。益戸委員。
【益戸委員】  どこに位置付けるべきことなのかよく分からないのですが,全体に係ることかもしれないと思いましたので,このタイミングで発言させていただきたいと思います。
昨年の12月に初等中等教育の関係で中央教育審議会から三つの答申が出ていて,その中にチーム学校であるとか,社会との関わり合いであるとか,そのような話が随分出ていました。それをヒントにして考えたことなのですが,この職業教育というのは果たして社会の中にどこまで溶け込んでいるものなのだろうかということです。今まではどちらかというと,私の印象では,高等教育というものは,その学校の中で解決したり,完結したりしていましたが,先ほどの事務局の御説明にもありましたように職業教育について,今社会から大きなニーズが出てきたという事情もあるところ,職業教育を行うこの新たな高等教育機関というのは社会との接点が非常に強くなければいけないのではないかと思いました。
ということは,この制度設計のところなのかもしれないのですが,教員のことについては触れられているのですが,職員については触れられていません。例えば,どれだけ実務家教員の方がいらっしゃったとしても,その方が社会と接点を持つというのは,やはり過度な負担ではないかと私は思います。教員は教えることに責任を持つ,そして,職員の方が,この学校が社会に溶け込んだり,社会のニーズを的確に受け取るために責任を持ったりするというジョブ・ディスクリプションを持つといった考え方をきちんと入れてみてはいかがかと思います。
【永田部会長】  ありがとうございます。生重委員,どうぞ。
【生重委員】  正に今お話に出た昨年の12月に答申が出た審議の委員でもあったわけですが,私は今,全国のキャリア教育コーディネーターネットワーク協議会の代表理事をしておりまして,経済産業省とともに,子供たちの学びと社会をつなげるという観点で,発達形成段階に応じた社会のつながりを形成しています。そして,キャリア教育コーディネーターの認定資格を設けており,今はまだ少ないですが,260名余りが小学校,中学校,高校,大学でそれぞれ活躍しております。
このキャリア教育コーディネーターは,専門的な知識を持って,なおかつ,社会人経験があって,子供たちが自立して働くということをきちんと意識した上で,大学等と社会をつなげていくという仕事をさせていただいておりますが,学校職員の中にもこの資格を取りに来てくださる方が最近は大分増えてまいりました。各大学,各専門学校に一人そういう方を置けると,本当にいいと思います。キャリア教育がもっと浸透していく中で,地元の仕事に,中小零細企業に,地元の若者が根付いていくことになればいいと思っています。地元の大学,短期大学あるいは専門学校で学び,そして地元で就労していき,地元に生活の根を張るというキャリア形成の一端を学校が担う際,学校の教員がそれを全て担うということはかなり難しく,特に外とつないでいくという機能についてはやはり今後,教員以外の職員に分化していくべきなのではないかと私も思います。
また,インターンシップについて,企業側から,インターンシップは学生をお預かりするという意識が強いお話も多く聞こえてまいりますので,やはり,企業の側にもメリットがあるということを描いていくことが必要なのではないかと思います。最後に,是非ここの赤字のところに,例えば,厚生労働省が所管をしている,キャリアカウンセラーやキャリアコンサルタント,それから,私どものキャリア教育コーディネーターが社会と学校をつなぐ架け橋として必要だということ記載していただけると有り難いと思っております。
【永田部会長】  ありがとうございます。
益戸委員と生重委員がおっしゃったことは大変重要なことだと思います。一つだけ情報として申し上げておきたいのは,現在,この中央教育審議会の別の部会で審議されていることの中にスタッフ・ディベロップメントを義務化するということが入っていますので,この件に関しては,その部会での結論を待って,最終答申に盛り込むというのも一つのアイデアではないかと思っています。必ず忘れないようにしたいと思います。
そのほかいかがでしょうか。
この部分は,産業界の方々から見ると,若干とがっていない,それから,大学関係者から見ると,既存の大学の役割を十分認めていないといった,両者それぞれの意見が出てきた部分です。それぞれをうまく反映して文章を作ったというのが今のところです。
麻生委員,どうぞ。
【麻生委員】  8ページに女性の社会参加・仕事復帰の支援について記述を入れていただき,良くなったと思いますが,女性に関することで1点御案内をさせていただければと思いまして,発言いたします。
5ページに戻りまして,大学,短期大学それぞれの現状が記述されておりますけれども,短期大学の部分に書かれている職業教育については,このままで間違いないと思いますが,短期大学の統計を取ってみますと,女子学生の割合が約9割となっています。短期大学は4年制の大学と異なり,これまでも女子教育に力を入れ,その地域の女性の発展,場合によっては女子の学び直しの機会に貢献してきたということを改めてここで申し上げておきたいと思います。
【永田部会長】  ありがとうございます。
事務局と調整不足だった部分が少しあるのですが,8ページの高等教育における課題と対応のところの,丸1と丸2の順序を私は変えていただいた方がいいかと思っています。
職業人育成のニーズが先だと思います。
そのほかいかがでしょうか。益戸委員,どうぞ。
【益戸委員】  認証評価,学校の評価の問題について,以前,ほかの部会で議論中であると,部会長から御説明を頂いたと思うのですが,この段階でこれを読みますと,私の認識不足かもしれませんが,あたかもこの認証評価機関ができていないと,新たな高等教育機関ができないような印象を受けます。この職業教育の話というのは非常に進行速度が速く,取組に当たってはスピード感が必要です。それから,もう一つ,この高等教育機関というのは結果も必要です。卒業した学生たちがその後どうなったかということについては,非常に重要な役目,責任を持っているものだと思います。ですから,例えばIRの充実などを含め,いろいろなことの形を変えていかないとならないと思うのですが,どうも過去の延長上の中にあるような印象を受けます。その辺りいかがでしょうか。
【永田部会長】  今,事務局から詳細な御説明を頂く前に,一つだけ実例を申し上げます。認証評価に関しては,新しい分野のものができると,それに対応して,すぐ認証評価の分野を設定するというようなことで,これまでも対応がなされております。つまり,その分野の必要性ゆえ認証評価の方にもその新しい分野を作るというように対応しているわけです。
もう一つの御質問ですが,事務局から,認証評価に関する現在の議論について,御説明いただけませんか。
【森田高等教育企画課長】  認証評価制度につきましては,今,大学分科会の大学教育部会でその制度の改善の在り方についての議論が行われております。認証評価制度は平成16年度に始まりました。機関別評価としては7年に1回ですので,今,2サイクル目の途中ですが,30年度から3サイクル目に入るということで,3サイクル目に入るための改善方策について,議論が行われております。
これまでは設置基準を満たしているかどうかという外形標準的な部分に少し重点が置かれ過ぎていたのではないかと思います。各大学の教育の質を改善するための継続的,自律的な取組状況,そして,質の向上のための仕組み,あるいはもう一つは高大接続改革の一環としての大学教育の質的転換ということで,ディプロマ・ポリシー,カリキュラム・ポリシー,アドミッション・ポリシーの明確化,策定公表ということによる質の向上についても議論しておりまして,そういったことへの取組も認証評価でしっかり評価をしていくという,そのようなことを重視した改善の方向で今議論が行われており,間もなく大学分科会で取りまとめがなされる予定でございます。
ただ今の御質問の認証評価制度につきましては,今回のこの審議経過報告では,機関別評価だけではなくて,分野別質保証も取り入れるという方向で御議論いただいております。
今,専門職大学院につきましても同じ仕組みになっておりまして,機関別評価は7年に1回,分野別評価は5年に1回ということになっております。
専門職大学院制度ができた当初は,認証評価機関の整備が間に合わない可能性もありましたので,認証評価機関がない場合にはそれに代替する措置をもって,代えることができるという例外規定がございましたが,専門職大学院制度も定着してまいりましたので,その例外措置は現在なくなっており,必ず認証評価機関の評価を受けなければならないということになっております。
先ほど部会長からお話がありましたように,例えば,グローバルコミュニケーションの分野に,今の認証評価機関がなかったのですが,認証評価を必ず受けなければならないことになっておりますので,このことについても,近く開かれる大学分科会で答申いただく予定ですが,グローバルコミュニケーション分野の認証評価機関の認証について間もなく結論が出る予定になっております。
この新たな高等教育機関の認証評価機関の整備が間に合わない場合,どうするのかという点に関しまして,その例外を認めるのか,認めないのかということにつきましては,現時点では,この審議経過報告では,そこまで詳細に書かれているわけではございませんが,現在の案は,25ページの上から二つ目の丸の後半でありますけれども,「具体的なニーズが認められる分野が,主に想定される」とあり,そして,「職能団体等と連携した分野別質保証の評価体制など連携体制の整備について,準備が整った分野から,逐次設置が可能になるものと考えられる」という記述としております。
新たな高等教育機関は,産学官連携による教育研究活動や評価活動が非常に重要であるというのが審議経過報告の全体を通じた重要な点になっておりまして,例えば実務家教員を出していただくとか,教育課程編成に産業界の協力を頂くとか,あるいはインターンシップの受入れに産業界の協力を頂くとか,あるいは設置認可や評価についても,大学人だけの目でやるのではなくて,産業界の方の目でも評価をする体制を整えるとか,そういったことが随所に重要な点として含まれていますので,そのような諸々(もろもろ)の産業界との連携体制が整ったところから設置が可能になるという趣旨で,この二つ目の丸のところは書かせていただいております。
したがって,準備がまだ整っていないけれど,連携体制構築の目途が立っていれば認めるのか,あるいは産学の連携がきちんとできたところから認めていくのか,その辺りの制度の細部については引き続きまた御議論いただく部分だと考えております。
【永田部会長】  ありがとうございます。今ここでは直接,詳細設計には入りませんが,この点については,今後,議論を詰めていくものと思います。
それから,先ほどのグローバルコミュニケーションの話ですが,実際に認証するための委員会の委員はほとんど実務家の方です。そうでないとやはり評価ができないのです。ただし,次にどの分野が出てくるか分からないわけですから,あらかじめ完全な用意というものをすることができず,そこが悩ましい部分でもあるわけです。しかし,なるべく速やかにそのような認証評価の体制をとるということはどこかに正確に書き込まないといけないと思います。今後議論をせざるを得ないポイントの一つだということを確認いたしまして,次に進みたいと思います。
そのほか,いかがでしょうか。安部委員,どうぞ。
【安部委員】  現在の大学は7年のサイクルで,機関別認証評価を実施しているとのことですが,社会のニーズに即応しなければならないので,その評価のサイクルというのを,特に職業教育の場合はいわゆる分野別認証評価をどう機関別と組み合わせていくかということが今後の課題になってくるのではないかと思っています。分野別の評価に関してはいろいろな外部団体等が海外の事例などを出されて,研究されているようですが,是非この機関別の認証評価と分野別の認証評価の組み合わせ方について,この機関ではどうするかということを検討していただくことが非常に大事ではないかと思います。
以上です。
【永田部会長】  ありがとうございます。確かに大変重要だと思います。今回はまだ枠組みなので,4月以降にこの枠組みの更に細かい部分を議論することになりますので,その際に今おっしゃっていただいたようなことは組み入れたいと思います。
そのほかいかがでしょうか。はい。冨山委員,どうぞ。
【冨山委員】  22ページの教育条件についてですが,最新の知識・技術等を教育内容に反映させることは,そのとおりだと思う一方で,私自身,この分野の専門家ではないので,もし理解が違ったら教えてほしいのですが,教育の手法も猛烈な勢いで最新の技術が入ってきて,変わっている部分があるかと思います。例えばAIの導入によって,いわゆる知識教育は物すごい勢いで変わっています。
要するに,特に実践教育系というのは新しい教育手法や技術というものを非常に活用しやすい領域ですので,やや精神規定的になってしまうかもしれませんが,そういう教育の手法に関する新機関の立ち位置というものをやはり明確にした方がいいような気がしています。
たまたまこの新たな高等教育機関の制度ができるタイミングと,AI革命が並行して進んでいるものですから,この制度ができる頃には教える場所の姿も相当変わっている可能性があるので,新たな高等教育機関が先取りしやすいよう,そういったニュアンスを出していただけるとすばらしいのかと思っている次第です。
【永田部会長】  今の御意見も含め,先ほどの認証評価の部分にそういう速いサイクルに適応したといったような文言を入れておけば,随分印象が違うかと思います。AIだけに特化した記述はできないのですが,「社会ニーズ,サイクルに合うような認証評価」などという言葉を入れておくことで,多分,今の御意見にも対応したものとなるのではないでしょうか。
そのほかいかがでしょうか。
それでは,第3章の方に移らせていただきます。第3章は制度化の方向性ということで,実は余り修正してはおりません。前回,ここに対しては余り御議論がなく,修正は11ページのところで,「技能の教育と学問の」が「技能と学問の双方を」という形に変えているくらいです。
よろしいですか。
それでは,次に第4章の新たな高等教育機関の制度設計等を中心に,全体にわたる御議論をお願いします。いかがでしょうか。
前田委員,どうぞ。
【前田委員】  細かい点で恐縮ですが,17ページの上の四角囲みの中の例示のうち,主体的なキャリア形成を図るために必要な能力のところに,「教養(学習スキル)」とあるのですが,教養の中身が学習スキルというのは,教養が狭く捉えられ過ぎてはいないかという気がしました。括弧書きにして学習スキルとした理由が気になりました。
【永田部会長】  事務局,どうぞ。
【塩原主任大学改革官】  追加の趣旨を御説明させていただきますが,ここの読み方は,「生涯にわたり学び続けるための基礎・教養(学習スキル)」ということで,「(学習スキル)」を追加したものでございまして,学び続けるための基礎・教養という意味での学習スキルということであって,教養の全てが学習スキルだということではございません。よろしくお願いいたします。
【永田部会長】  よろしいでしょうか。
はい,寺田委員。
【寺田委員】  はい。細かくは3点あります。そのうちの2点はインターンシップ及び企業内実習に関することです。
例えば20ページの一つ目の丸の下の囲みの中に,「企業内実習(インターンシップ)」とあります。これは,今にして思いますと,あるいはこれからの実施段階を考えますと,かなり誤解を生む表現かもしれません。
もともとインターンシップというのは,英国の医師養成課程の最終段階の制度として入ったもので,専門教育の実習,専門現場実習というのが語源です。この審議経過報告で使用されている言葉のうちの,企業内実習,現場実習という意味合いで,つまりその言い換えとして,インターンシップという単語を使っているのであれば問題ないのですが,日本では,インターンシップというと,短期の一般的な職業啓発や仕事を軽く経験する企業学習といった意味合いで主として使われており,職業体験までは含んでいない場合がほとんどですから,読者に日本でいう一般的なインターンシップとして捉えられ,誤解されては困ると心配をしております。
やはり企業内実習というのは場所的な概念としてくくるという形もあるのかと思うのですが,少なくとも,今回の新機関における企業実習というのは一般的なインターンシップではなく,その上に更に付加されたもののある専門実習だと思っているものですから,やはりそこの言葉の使い分けというのは,しっかりしていただくべきだと思っています。少なくとも括弧書きというのは大体,文章を書くときに,イコールあるいはニアイコールという意味で使いますから,企業内実習とインターンシップの単語の使用については,しっかり区別した方がいいかと思っています。
それから,一般的な就労体験という意味のインターンシップに関して,新機関においても例えば1年生など,年次の早い段階で行い,高年次では専門実習,企業実習という形というのはあり得ることだと思っています。産業界あるいは職業団体の協力ということを非常に強く書かれておりますけれど,中等教育におけるインターンシップにおいては,そういう意味でかなりの経験を蓄積してきていますので,それらに学び,コンソーシアムのようなものをきちんと作って進めていくということが必要かと思っております。
この点では,商工会議所の各地区の組織がかなり重要な役割を果たしていますので,コーディネート機関としては非常にいいと思います。例えば愛知県豊橋の場合,豊橋科学技術大学があり,県立豊橋工業高等学校があり,それらで,コンソーシアムを作っています。もう一つはやや日本にはなじまない発想かもしれませんが,一般的なインターンシップの場合,学生自身が自ら受入先を開拓するということがあってもいいのではないかとも思っております。
余りこればかり申し上げますと,学校が開拓するという仕事をおろそかにされる場合があるので注意が必要なのですが,もともとジョブシャドウイングというアメリカのインターンシップ,短期インターンシップというのは,両親の仕事場での背中の影について歩くという,そういう意味合いのもので,自分で受入先企業を探してくるのです。ドイツの中等教育の場合もそうです。したがって,現に私の教え子の中にもいましたけれど,学校の組織に頼らず,自発的にNPOを探してきて,インターンシップを1年間経験して,皆より1年遅れで卒業するというような学生もいました。そのようなこともオプションとしてはあっていいのではないかと思います。企業実習の方に関しては,これは専門教育の内容との関係が非常にありますので,一般的なインターンシップと同じような形ではいかないだろうと思います。やはり企業と学校が密接に連携するインターフェースのようなものを何か作らないと難しいのかと思います。企業代表の方と,学校のカリキュラムなどの学校運営の責任者が日常的に接触して,どのような内容の教育を学校で行い,またどのような内容の実習を企業で行うのか,という整理をきちんとできるような連絡体制を構築していくことが必要だと思います。
それから,最後は分野別評価についてです。先ほど森田課長から準備が整ったところから新機関の設置が可能という御説明がありましたが,私は現にもう既にいろいろなところで評価機関たる専門職能団体が出来上がっている,あるいは作りつつあると認識しております。特に,資格対応の分野というのは比較的評価制度の構築は早いのではないかと思っています。
ただ,私が一番急ぐ必要があると思っていることは,国,つまり文部科学省が分野別評価の団体を認定するプロセスです。そのような覚悟を是非早くしていただきたいと思っています。それぞれの専門団体や関係者はいろいろな形で,創成的な活動を行っていますけれども,他国も同様ですが,最終的には文部科学省が分野別評価をする団体を認定する仕組みとなっていますので,いつ頃,どういう形で国がそういう組織を認定するのかについて,是非しっかり検討し,明らかにしていただきますよう,よろしくお願いします。
【永田部会長】  ありがとうございます。最後におっしゃった認証評価の部分は,先ほど申し上げたとおり,全てにおいてスピードアップして行うよう文言を少し加えます。寺田委員の御意見の趣旨もそこに含まれていると思います。
一つ,寺田委員にお伺いしたいことは,初めにおっしゃった「学生の企業内実習(インターンシップ)」の部分の文言を修正するとしたら,どのように修正されますか。
【寺田委員】  「企業内実習若しくはインターンシップ」といったように,並列でよろしいかと思います。
【永田部会長】  並列ですか。例えば「学生の就業実習(インターンシップ)」という記載はいかがでしょうか。
【寺田委員】  「企業における専門実習及びインターンシップ」,これぐらいでいいと思います。括弧書きを付すと曖昧になるので,「及び」で並べるぐらいがよろしいのではないかと思います。
【永田部会長】  それでは,インターンシップを日本語ではどのように書けばよろしいでしょうか。
【寺田委員】  就業体験です。
【永田部会長】  そうすると,「企業内を含む就業体験(インターンシップ)」として,企業内を含まなければならないけれども,更に就業実習というものは企業内だけではなくやりなさいという文言で読めるのではないかと思いますが,いかがでしょうか。
【寺田委員】  その辺りは過去の文部科学省の言葉遣いで,矛盾がない範囲のものとしていただければいいと思います。
要するに,私が言いたいことは,今回の企業内実習というのは専門実習ということなので,それと一般的に一日,二日程度の就業体験を意味するインターンシップという文言は,定義や印象が異なるので,言い換えとしてではなく,並べて使用した方がいいという意見です。
【永田部会長】  はい。それは検討させていただきます。それから,2番目におっしゃっていたことはそのとおりだと思いますが,それは設置者が考えればいい話だと思います。学生が主体で取り組んだり,あるいはコンソーシアムを作ってマッチングをしたりするのは,設置者あるいは地域によると思います。例えば,地域に根差す新しい分野を教えるのであれば,必ずコンソーシアムか何かをその地域に作って,当該地域で必ずインターンシップができるようにしなければならないし,逆に全国規模で取り組む学校もあるかもしれないし,それから,少し学生に武者修行させて,自分でインターンシップ先を探すようなプログラムを作る学校もあるかもしれませんので,それはそれぞれの設置者が適当な判断を行えばいいと思っております。
それでは,佐藤委員,お願いします。
【佐藤委員】  この機関は大学体系に位置付けるということは,共通の理解だと思っております。実際には4月以降の制度設計あるいは設置基準を作っていく際に考えることなのかもしれませんが,今,設置基準等を見ると,大学設置基準,短期大学設置基準,大学院設置基準というように,大学体系の中に幾つかの設置基準が設けられております。新機関の設置基準を作る際に,学士課程相当のための設置基準を作って,更に短期大学士課程相当のための設置基準を作るというように,新機関用に二つの基準を作るのはいかがなものかと思っています。
要するに,設置基準を設計するときにやはりこの職業教育のところについては,一本の設置基準の中で整理していかないと,なかなか審査の方も大変なのではないかと感じています。学士課程に相当する部分については,4年一貫制のほか,前期2年又は3年,後期2年又は1年の区分制もできるようにするとしているわけですが,短期大学士に相当する方は,2年又は3年とするとして,さらに,編入学もできるような設計にすると言っているので,一本の設置基準としなければ整合が難しいのではないかと思うのです。大学の発展の過程で,アメリカの場合を見てみると,最初はアソシエイト・ディグリー,準学士で,特にノーマルスクールという教員養成はスタートしており,だんだん大きくなっていって,州立大学ではアソシエイト・ディグリーとバチェラーズ・ディグリーの両方を一つの基準の中で賄えるような形になっています。つまり,60単位のことをやれば,アソシエイト・ディグリーが取れて,更に積み上げていくと,バチェラーズ・ディグリーが取れるというような制度もありますから,今後の具体的な課程の議論の際には,このようなことも考慮していただき,検討していく必要があるのではないかと思い,今申し上げておきます。
【永田部会長】  今,佐藤委員がおっしゃっていることは正論ですが,設置基準の体系に関わることですから,これはまだ考察を深くしないといけないことだと思いますので,この段階で触れることではないと思います。
千葉委員,どうぞ。
【千葉委員】  少し分からない部分もあるのですが,今度の新しい高等教育機関は,今の既存の大学とは理論と実践のバランスを変えたり,実務家教員を雇用したりするという点に特色づけがなされているということなのですが,インターンシップのところの話で,インターンシップをやれば必ず専門性が上がるのかというと,それについては分野によってもいろいろと事情は違うかもしれませんし,また,地方の大学でインターンシップ先が遠くにしかないというようなところにとっては,これがマストになると新機関設置の障害になりはしないかと思っております。19ページの一番上に「企業内実習(インターンシップ)をはじめとした実習等による授業科目を充実し,座学で学んだ知識も実体験を通じて定着させる。企業内実習など」と,ここに「など」が入っております。「企業内実習など企業等と連携して行う授業について,質の確保を図りつつ,一定時間以上の履修を義務付ける」ということで,これはインターンシップをやらなくても,企業と連携した質の高い授業を一定時間以上行えばいいと,この文章からは読み取れるのですが,その理解でよろしいでしょうか。私としては,インターンシップはマストではなく,このような表現にしておいた方が,汎用性があるのかと思っております。
【永田部会長】  今の文章は,そのように読むということでよろしいですか。それとも,ここは企業内実習をマストと読むのですか。事務局,どうぞ。
【塩原主任大学改革官】  この部分につきましては,インターンシップ等の割合を定め,義務付けるというのが基本ではございますが,例えば商業実務の分野などで,企業の中に入っていくというよりは,企業から課題をもらって,PBLのような形でやるよう方が実態に即しているような分野もあるというのも事実でございますから,その辺りの線引きについてはもう少し詳細に立ち入ったところでのカテゴライズが必要かということを念頭に置いています。したがって,インターンシップだけでないケースも,分野等によってはあり得るということで表現しております。
【永田部会長】  先ほどの議論にありましたが,日本の中でインターンシップそのものの捉え方が今,大分変わってきておりますので,整理に当たっては,まずは適切な単語を選ぶ必要があるということを繰り返し申し上げるとともに,個人的には,できる限り,そういう技能に直結する実習は必ず入れるべきであると思います。
北山委員,どうぞ。
【北山委員】  先ほどからインターンシップに関する意見がいろいろと出てきていますが,このインターンシップについては,日本はまだ過渡期だと思っています。経済産業省が一昨年行った委託調査によりますと,大企業では6割近くの企業がインターンシップを実施している一方で,中小企業においては3割弱にとどまるようです。また,中小企業では,人的余裕や資金的余裕がないといった理由で,インターンシップを行っていたとしても,実際には,大学側が希望する期間に比べて短いものが多く,そのギャップが非常に大きいのが実態です。審議経過報告としてはこの文章でいいと思いますが,地方での人材育成という意味でも,中小企業との連携がこの新しい機関の存在価値の一つになると思いますので,先ほど申し上げたような現状のギャップをきちんと認識し,それを踏まえて,今後,具体的な企業内実習の設計について考えていく必要があると思います。
以上です。
【永田部会長】  ありがとうございます。それでは,鈴木委員,どうぞ。
【鈴木委員】  同じような話になってしまうのですが,やはりインターンシップ,企業内実習,それから,実務家教員の質というのがこれから非常に大きな問題になってくるかと思います。インターンシップはもう今の大学,短期大学でもそれぞれ取り組んでいるわけなのですが,やはり単位化のところで非常にいろいろな課題があります。特に短期のインターンシップの場合,余り問題はないと思うのですが,例えば,半年,1年にわたって,企業に入って行うようなインターンシップの単位化に関しては,学位に結び付くような修業年限に入れていくのかどうかというのは非常に大きな課題かと思います。それは世界でいろいろな事例があると思いますが,私が知っているところで,イギリスでは,管理栄養士の資格は3年で取れると書いてあるのですが,1年間の病院実習は学位の取得とは別扱いなのです。ですから,学士3年に加え,大学に在学しない1年間の実習という,実質4年で管理栄養士になっているという例が多くございます。
そういう意味で,インターンシップの単位の位置付けというところは,恐らく4月以降の検討になると思いますが,非常に重要なことかと思います。そのインターンシップを義務付けるかどうかというところもやはり非常に大きな点かと思います。
それから,実務家教員については,これも今の大学,短期大学でももちろん配置しているのですが,その基準などいろいろな面で,非常に曖昧なところがありますので,新機関だけでなく,既存の大学や短期大学の基準も含めて,しっかりと検討していかなければならないものと認識しております。今回,新たに設ける機関に既存の大学等が合わせていかなければならないのかもしれませんが,両者において整合性のとれるものにしていただきたいと思いますので,4月以降の検討課題ということで,是非よろしくお願いできたらと思っております。
【永田部会長】  ありがとうございます。実例を申し上げると,4年制の大学ですが,5年やらないと絶対,本人が満足しないようなカリキュラムの学校もありまして,そこは,就職率がとても高いです。つまり,大学での単位としては認定されないのですが,1年間,外国に行ってインターンシップを行うというものです。単位として認められなくとも,4年で卒業できなくとも,海外での経験の方が自分にとっては大切だという学生がいる大学もあって,やはり,結局は設置者が価値あるものとして作っていれば,そのような評価が学生や社会からなされるということなのだと思います。ですから,どのような設置者でもこの新機関を設置できるように,一定の幅を持たせた制度としなければならないと思います。ただ,これは難しい問題なので,とりあえず今の時点ではここまでということにさせていただきます。インターンシップの詳細については,制度についてもっと詰めて議論する際に,話し合いたいと思います。
そのほかいかがでしょうか。はい。青山委員,どうぞ。
【青山委員】  ありがとうございます。今,議論になっております19ページのインターンシップですが,産業界との関係について一言意見を述べさせていただきたいと思います。中堅中小企業というのは,先ほどから御指摘がありますとおり,インターンシップを行っている企業自体が非常に少ないというのが実態であります。各地の商工会議所は,全国に514ございますが,できる限りの御協力はさせていただいているところではあります。ただ,一企業ではなかなか協力できないところがありまして,ですから,この高等教育機関が仮に設置にされ,実際に動き出すといった場合に,企業サイドとしてはどのような協力が求められるのか,それから,どのような協力をしていけばいいのかというのは,もう少し産業界とコミュニケーションをとって,議論する必要があると思いますし,そのような場をつくる必要があるのではないかと思います。そして,企業に対するある程度の支援というのは必要だと思っておりまして,企業が自力でこのような協力ができるところはいいですが,協力できるところとそうでないところが今はっきり分かれているのが実態ではないかと思います。その点,国の支援,インセンティブというのが一定程度必要かと考えます。
地域においては,インターンシップを行いたくてもなかなか踏み出せないという企業がありますので,そういう企業を後押しするというような施策も併せて考えていかないと,なかなかこの制度は回らないのではないかという印象を持ちました。そのような方向性をこの段階で出していただければ,大変有り難いと考えております。
以上でございます。
【永田部会長】  ありがとうございます。25ページの最後の辺りの,「産業界等による職業教育への支援・協力体制の構築に向け」から,「学生の費用負担の軽減策についての検討」というところの部分については,従来ないものを考えていかないと,この新制度というのは実質的に成立し得ないということかと思います。また詳細は考えなければなりません。
そのほか,いかがでしょうか。北山委員,どうぞ。
【北山委員】  これは文部科学省への質問になるのですが,インターンシップについて厚生労働省と経済産業省と文部科学省の3省の申合せのようなものがあったかと思います。今,この特別部会の議論では,この新たな高等教育機関でインターンシップを教育課程の中にこれだけしっかり位置付けるということになっていますが,その申合せの中身と今ここに書き込まれていることに齟齬(そご)はないのでしょうか。
【森田高等教育企画課長】  今,北山委員から御指摘のありましたとおり,「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」を経済産業省,厚生労働省,文部科学省の3省合同で作り,基本的にそれに基づいて,その後の様々な施策も進めているものでございます。内容の詳細は今は手元にございませんが,この審議経過報告の内容と齟齬(そご)があるようなことは恐らくないと思っておりますが,後ほど,そこはよく確認をさせていただきたいと思っております。
【北山委員】  採用活動になってしまってはいけないというような趣旨のことが書かれていたかと思います。
【永田部会長】  採用ありきでインターンシップを行わないということになっていますか。土屋事務次官,お願いします。
【土屋事務次官】  採用活動の一環としないといったような趣旨が入っていたと思います。
【永田部会長】  それでは,今の件に関しましては,事務局で改めて確認していただくということにしたいと思います。
青山委員,どうぞ。
【青山委員】  企業サイドからすると,今,北山委員から出たお話は非常に重要なことだと思っております。企業サイドとすれば,インターンシップを採用に結び付けては駄目だということで,今はどちらかというと自己規制をして行っているというのが実態だと思います。採用に結び付けてはいけないならば,協力しないということになっている企業も中にはある訳です。ですから,この問題は非常に難しい議論になるかと思いますが,インターンシップと採用の関係については,きちんと問題提起をしていきませんと,今後,なかなか制度として機能してこないのではないかと思います。
これは皆さんに御意見をいろいろ出していただいて,どのようなやり方がいいのか,今後,是非とも御議論していただきたいことであります。
【永田部会長】  冨山委員,どうぞ。
【冨山委員】  あえて申し上げますが,今,当社でもインターンシップを行っていますが,これははっきり言って採用目的です。これが本音です。この議論,私は前から腹が立っている議論で,皆,本音と建前を使い分けているのです。これは学生の人生に関わる問題なので,大人はうそをついては駄目だと思います。やはりここはきちんと本音といいますか,実態と形式を一致させないと,制度として実効的に機能しません。学生は勉強させなければならないという建前がある一方で,学生はいいところに就職したいというのが彼ら自身の本音でもあるわけです。では,そのどちらが人生の中で大事かと言えば,本人や家族にとっての本音は圧倒的に後者になります。ですから,大事なことは,この本音と建前をどのように正反合するか,要するに,アウフヘーベンが問われているわけです。もうこの本音と建前の使い分けはやめましょう。
【永田部会長】  永里委員,どうぞ。
【永里委員】  実は,企業はインターンシップについては,もう一つ上のレベルの研究開発で,学生,特に博士課程ぐらいの学生と協働したいという思いがあるのです。その場合,一緒にプロジェクトで取り組むとともに,その人たちを採用に結び付けるのが目的でもあります。これは日本の話ではなく,ヨーロッパやアメリカの話ですが,今や世界中でそうなのです。したがって,実態としては企業と学生との協働した取組と採用の間には,今,そのような動きがあって,先ほどからの議論に出ているいわゆるインターンシップというのがいろいろ変わりつつあるということです。その一例として御紹介申し上げました。
以上です。
【永田部会長】  はい。ありがとうございます。
岡本委員,どうぞ。
【岡本委員】  インターンシップについていろいろ議論がありますが,私も一言意見を申し上げたいと思います。やはりインターンシップというのはいろいろな意味で使われてきた用語だと思いますので,そこにはいろいろな実態があって,定義も非常に不明確になっているというのが現状かと思います。逆に言うとこのインターンシップは,極論を言えば,たった三日でも就業体験とされ得るというのが現状なのです。つまり,インターンシップと言っても,そのような短期から,1か月,3か月,半年という,中長期のインターンシップもあります。ですから,まずはその期間の問題というのがあると思います。それから,当然,就業体験ですから,学んだことを仕事で生かすといった,そういう実社会の空気,あるいはその先輩の企業人から学んでいくということがインターンシップのポイントとしてあると思います。
それから,冨山委員や永里委員がおっしゃったように,私も学生と企業のマッチングを排除する必要性は全くないと思います。
あと,有償か,無償かという問題もあります。無償ですと,やはり企業が単純労働を含めていろいろな仕事をさせてしまうということで,悪い使われ方もあり得ますが,かといって,有償がいいのかというと,仕事も余りできないのに,何で企業が賃金を払うのだということもありますので,どちらか簡単に決められるものではないと思います。ですから,まず定義をしっかりするべきだと思います。
専門職業大学あるいは専門職大学におけるインターンシップの目的と期間,そして運用などについては,4月以降,きちんと議論をして,一般的なインターンシップの定義,位置付けをまずは明確にした上で,新機関における企業内実習の定義付けができればいいのではないかと思います。
寺田委員がおっしゃったように,「企業内実習(インターンシップ)」というのは,これは余りにも誤解を招く表現,記載なので,審議経過報告ではとりあえず「企業内実習及びインターンシップ」というような形で,配慮をした上で,今後の本格的な議論につなげていただきたいと思っております。
【永田部会長】  そのほかいかがでしょうか。前田委員,どうぞ。
【前田委員】  インターンシップの議論が終わってから申し上げようと思っていたのですが,認証評価の件で,一つ確認させていただきたいことがあります。認証評価というより,質保証なのですが,ここでは25ページの10行目の辺りに「準備が整った分野から,逐次設置が可能になる」と書かれているのですが,例えば,今,専門職大学院の認証評価というのは,その分野に関する大学が1大学であっても評価機関を作らなければならず,これはとても大変なことなのです。永田部会長もよく御存じかと思いますが,何が大変かと言えば,まずお金がもたないのです。それで,基準,評価委員体制,評価プログラムをきちんと作るということは確かに大事なのですが,それが独立した認証評価機関でなければいけないとなると,なかなか前に進むことができず,せっかくいい人材を育てるような新しい教育機関が作られようとしていても,評価機関ができないばかりに,設置のプロセスで先に進めないということになってしまうということもあり得ると思います。
確認というのは,例えば機関別認証評価機関が,分野別の認証評価についても一つのプログラムとして持つことは可能なのか,その可能性を,ここで読み取って大丈夫でしょうかということをお伺いしたかったのです。つまり,1大学のために5年間ずっとその評価機関を維持しなくてはならないとなると,次にその大学が評価を受けるのは,また5年後で,結局5年間,その1大学からの収入だけで評価機関を持たせなければならないことになってしまい,存続が危ういばかりか,そもそも評価機関が適切に設置されないという事態を引き起こすのではないかということを懸念しているわけなのです。今,分野別認証評価に関して,評価機関が機関として何とかやっていけているのは,機関別認証評価機関が専門職大学院の分野別認証評価もやっているからであって,別会計にしてやって,赤字を出してでも皆やっているというのが現状です。ですから,それで本当にいい人材を育てようと思ったら,もう少し柔軟性のある,つまり,認証評価の中身に柔軟性があるかどうかというのは別問題として,立て付けに関しては,柔軟性を持たせるべきかと私は思うのですが,それをここで読み取っていいでしょうかという確認です。
【森田高等教育企画課長】  部会長よろしいでしょうか。今御指摘のあった25ページ,そして23ページの質保証の仕組みの枠の中の下から二つ目のぽつのところでございまが,「認証評価機関による評価を義務付ける」という文章の後,「認証評価に関しては,分野別質保証の観点を取り入れた評価の導入も検討する」という表現になっておりますが,機関別評価と分野別評価を全く独立で,別々にそれぞれ独立した機関でやらなければならないと,そこまで決めつけた表現ではなく,今,前田委員から御指摘があったようなやり方も含めて,効果的な導入の仕方が検討できるような表現のつもりでいます。評価は,大事なのですが,評価ばかりで労力を費やすということが行き過ぎないようにするということも大事だと思っておりますので,そのような表現にしているつもりでございます。
【前田委員】  はい。分かりました。ありがとうございます。それでもやはり25ページの方を読んでしまうと,どうしても今の専門職大学院に引きずられる気がします。この件については,永田部会長にお預けいたしますので,よろしくお願いいたします。
【永田部会長】  はい。ありがとうございます。やはり先ほどの25ページのところはやや読み方が違う感じがします。そこは,先ほど申し上げましたとおり,統一がとれるよう,ニーズの転換のサイクルが速く,フレキシブルに対応できるようにということも含めて,御理解が得られるような文章を書いておくべきだと思いますので,御指摘を踏まえて,直させていただきます。
それでは,全体を通して何かそのほか御意見等ございますか。どんなことでも結構でございます。
それでは,永里委員,どうぞ。
【永里委員】  これまで12回の検討を重ね,今,このような形で審議経過報告が取りまとめられようとしているわけですが,この審議経過報告,あるいはこの審議経過報告をベースとして出される答申のとおりに,この新たな高等教育機関を作っていく場合に,財源の問題というのがあると思うのですが,少子高齢社会で,社会福祉の予算がどんどん膨らんでいき,人口が減ってくると,GDPも増えてこないというような現状において,どのような財源を考えておられるのでしょうか。この機関は大学体系に位置付けられるということですから,大学改革の中で財政措置も含め,この新機関の在り方というのは考えていくべきだと私は思います。新制度ができ,新機関が大学の一つとして各地に設置されていくことになると,限りある財源の中で,今ある国立大学の統廃合も含めたような改革,大学改革を視野に入れて話を進めるべきではないかと思います。
以上です。
【永田部会長】  それをここに書き入れるのは,大変難しいと思います。
【永里委員】  私はこの中に入れるということよりも,新しい高等教育機関を作るに当たっては,委員からそのような指摘もあったということで,文部科学省としてしっかり大学制度について考えていただきたいという意味で発言しております。
【永田部会長】  この答申案の中に書くわけではなく,これを大学改革の一つとして考えてほしいということですが,それぞれの大学が今の機能をどのように変えていくか,高めていくか,あるいはどう集約するかというのは,また別の議論だと思いますので,それについてはここでは触れないということにさせていただければと思います。
そのほか,いかがでしょうか。それでは,麻生委員,どうぞ。
【麻生委員】  先ほどインターンシップの話もありましたが,企業内実習も含めて,この新機関が大学となりますと,厚生労働省が出している資格や文部科学省の教育職員免許法との関係も整理する必要が生じてくるのではないかと思っております。大学の課程内で資格を出すとなると,その中に実習というものは絶対必須となっているはずです。ですからこの新機関の企業内実習ないしインターンシップというのは,資格の関係で規定されている介護施設等での実習も含めたものとするのか,別枠として設計するのかなど,きちんとした整理が必要だと思います。いわゆる課程認定を受けるために必要な実習を内包するのか,しないのか,それをここに書くか,書かないかは別として,はっきりさせておくべきではないかと思いますが,いかがでしょうか。
【永田部会長】  書きぶりは難しいのですが,今,ここに書いてあることを変えないで書き込むというのは大変難しいです。そのほかいかがでしょうか。
はい,安部委員,どうぞ。
【安部委員】  先ほどのインターンシップの話についてですが,新しい高等教育機関の設置の趣旨の原則からいうと,この新機関はその職業や卒業後の職場とつながる教育を行う機関だということなので,例えば教員で,企業現場からある程度の年数を離れている教員からの技能教育だけでは,どうしてもそれはこの機関の教育の趣旨を達成することはできません。また,今,大学でアクティブ・ラーニング等と言われていますが,その意味でも,新機関では,当然のことながら,先ほどのインターンシップ,企業や事業所等の現場での就業体験というのは,マストになるのではないかと思います。ただ,単に,企業に学生を預けたら単位を出すとかそういうことではなくて,どういう内容であれば単位が出せるのかということについては,あらかじめきちんと決めていかないと,この職業教育機関の趣旨や意味というのが十分に説明できないと思います。
その際に,例えば今の資格関係の実習等について考えてみると,看護師にしても,保育士にしても,教師にしても,現場では,もちろん受入れの義務もあるものと思いますが,将来,仲間となる人の実践力を高めたいという趣旨でインターンシップないし実習を現場は受け入れているのだと思います。また,企業等においては,先ほど言われていたように,そのとき,あるいは将来の戦力等を買うという趣旨もあって,インターンシップの学生を受け入れているということも当然考えられると思うのです。海外などでは,ワーキングホリデーで人材を受け入れることを,インターンシップ等々と読み替えているような事例もありますので,そのようなことも踏まえながら,職場の中に学生を受け入れるかどうか,受け入れる際の基準や規定というのを,この新たな高等教育機関に関しては,その制度設計の中で,しっかりと決めていただきたいというのが希望です。
以上です。
【永田部会長】  ありがとうございます。それはそのとおりだと思います。インターンシップについては,この特別部会の初めの方から議論が出てきていて,絶対必要だというコンセンサスはあるのですが,ただ,どの程度,どの内容で行うのかという詳細設計はまだしていないわけです。ですから,それはこれからきちんと決めなければならないということかと思います。
では,千葉委員,お願いします。
【千葉委員】  私はインターンシップをマストにするべきではないと考えています。企業が求める人材の養成に向けたカリキュラムをどう編成していくのかというカリキュラム編成会議において,企業との連携は大変重要だと思いますが,インターンシップに行ったことをもって直ちに実践的な能力が格段に向上するということにはならないと私は思います。
やはり先ほどからラーニングアウトカムの話が出ておりますけれども,このレギュレーションを守ったからこの専門職大学として認定するということではなく,その大学独自の様々な企業連携の中で,その学校のオリジナルのカリキュラムがあって,その結果として,実践的な人材,企業が求める人材が出てくるということを学校の責任にするべきであって,そのレギュレーションの方を優先するべきではないと私は思っています。
【永田部会長】  レギュレーションは可能性として幅を設けますが,インターンシップはマストでないという議論はやや難しいかと思います。ゼロ時間とうたってしまっていいかどうかもまた問題だと思うのです。カリキュラムについても,設置者側というよりは,学生側に立って,皆さんで議論をしないといけないだろうと思います。一般の大学でもインターンシップは既に行っていて,その効果が絶大であるということを大学の関係者の方々はほぼ認知していると思います。そうであるとすれば,ここでそういうものを,逆にマストにしなくてもいいという議論は,個人的には反対ですし,もしインターンシップをゼロとすることも含めて制度設計をするならば,それは皆さんと議論をし直さないといけないのではないかと思います。
【千葉委員】  逆に申し上げれば,学内で行われる企業の課題を解決するような授業,こういう企業連携授業も絶大なる効果を上げるということは,調査は行っておりませんけれども,恐らく出てくるのではないかと思っています。
【永田部会長】  もちろんそれは全員,分かっていると思います。
ですから,企業と連携した学内での授業もインターンシップ等とともに行ってもいいと書いているわけです。しかし,ここがポイントで,企業の課題を学内で学んでも,企業の現場に行くと,それはまた全然違うわけです。自分が考えたことが生産ラインには簡単には乗らないということを学生は知らなければならないのではないかと私は思います。そこに現場実習に行く意味があるのです。ですから,それは業種ごとの事情など,いろいろな問題を含めながら,インターンシップの価値を私たちの中で再定義をし,実態を踏まえたインターンシップの時数を割り出して,規定していく作業というのが今後は必要だろうということを先ほど申し上げていたところです。
よろしいですか。それでは,冨山委員,どうぞ。
【冨山委員】  全体に関する話なのですが,恐らく,この新たな大学を出た学生が就職する先というのは,サービス産業が多くなるだろうという感じがいたします。介護,看護,運転手,IT辺りがそうだと思っています。ただ一方で,この領域は,この先,10年,20年ぐらいで猛烈に働き方が変わってしまう可能性がある産業でもあります。
それだけ猛烈に働き方というのが変わっていくとなると,恐らく一旦大学になってみたけれど,その変化に対応するに当たって,経営が追い付かなくなってしまい,結果,時代から取り残されるところがきっと出てくると思います。
実は先ほどの永里委員の議論とやや重なるのですが,前回申し上げた法科大学院の失敗に関して,私の体験で見る限り,大学の退出,出口の仕組みは必ずしもスムーズに整備されていませんでした。その当初の制度の欠点を生かし,法科大学院としてうまく機能しなかった場合には辞めてもらう,統廃合するというメカニズムを制度の中にビルトインするような試みを今回つくりました。これはこの先の議論なのですが,新機関についても,その辺りの意識は持っておいた方がいいのではないかという気がしているところであります。
【永田部会長】  ありがとうございます。
佐藤委員,何かあればどうぞ。
【佐藤委員】  どのような制度を作るかということについてですが,やはり認証評価などは総合的に考えなければなりません。先だって,大学基準協会で,台湾の認証評価団体の責任者から直接話を聞く機会があったのですが,台湾は国として,国立大学や州立大学がその定員を減らすたびに,国が補助金を出すなどして,退出する仕組みをいろいろ考えているようでした。
ペナルティを課すことにより,退出を促すという御意見だったかと思いますが,逆に良い取組を行っている大学にはたくさん助成するというような改革に積極的に取り組む大学等を評価する方法というのも考えないといけないのではないかと個人的に思っております。
【永田部会長】  ありがとうございました。どんどん縮小させるために補助金を出しているというのは,斬新なアイデアだと思います。そこについては今後,大学制度全体を考える中で検討しなければならないと思います。
それでは,最後に益戸委員,お願いします。
【益戸委員】  ありがとうございます。これから細かい制度設計をしていくに当たって,私なりの気持ちを申し上げておきたいと思います。この新しい機関は,正に新しいことをするわけですから,必ずしも今までの高等教育機関からのくら替えということだけではなくて,例えば塾をやっている方,ないしは普通の企業が新しいこの制度を取り組もうということだって考えられますし,場合によっては外資の参入ということも可能性として想定してよいのではないかと思っています。
実はこのような会議の委員は初めて務めさせていただいたのですが,新機関の制度化に当たって,これほど細かく,いろいろなルールをつくらなければならないのかというのが正直な感想であります。新しくものを作るときというのは,余り初めから,箸の上げ下げも含めて細かく決めていくよりは,分かりやすくするということについても十分留意する必要があるのではないかと思います。これは,簡単に作れるという意味ではなくて,一般の人,先の例で言えば,教育関係者ではなく,このタイミングで教育業界に関心を持ってこの制度を注視しているような人々に対しても分かりやすい基準というのが実は重要なのではないかということです。
【永田部会長】  ありがとうございます。
それでは,ここまでとさせていただきたいと思います。いろいろと御意見を頂きまして,幾らか直すところもお約束いたしました。それから,今後,議論をしなくてはならないポイントについても確認しました。それらについて,4月以降に議論にするべきものは議論し,修正するべきところは修正したいと思います。
そして,その後は,パブリック・コメントで更に多くのところから御意見を頂こうと考えています。
つきましては,本日この場で出た御意見に対する修正部分については,申し訳ありませんが,私に御一任いただきたくことをお諮り申し上げたいのですが,いかがでしょうか。なお,後ほど議論すると申し上げたポイントについては,議論するポイントとして別途まとめます。

(「異議なし」の声あり)

【永田部会長】  よろしいですか。ありがとうございます。それでは,本日の御意見を取り入れたもので修正させていただきます。
修正した後の審議経過報告については,後ほど皆さまにお送りいたします。
それでは,今後のスケジュールについて,事務局からお示しいただきたいと思います。
【塩原主任大学改革官】  今後のスケジュールについてでございます。まず中央教育審議会の他の分科会への報告でございますが,3月18日の大学分科会におきまして,本日までの特別部会の審議状況につきまして報告をさせていただく予定でございます。
また,審議経過報告につきましては,部会長とも御相談の上,取りまとめ,公表後にはパブリック・コメントに付すことを考えております。
さらに,本特別部会における審議につきましては,次回以降は,審議経過報告に対する関係団体ヒアリングを開催したいと思いますので,よろしくお願いします。
【永田部会長】  先ほど申し上げましたパブリック・コメントのほかに関係団体をお招きして,ヒアリングを行おうということで,今,準備をしているところです。その後は,ヒアリング結果も踏まえながら,最終答申を練っていく段階に入ります。それには先ほど言った詳細もまた議論をしていくということかと思います。
最後に次回の特別部会の御案内について,事務局からお願いします。
【塩原主任大学改革官】  はい。次回会議の御案内でございますが,3月30日の水曜日,15時から,場所は,麹町にあります全国都市会館での開催を予定しております。よろしくお願いします。
【永田部会長】  次回から,関係団体のヒアリングを始めるということでしたか。
【塩原主任大学改革官】  はい。ヒアリングの実施を念頭に置いております。
【永田部会長】  はい。
それでは,御審議の御協力,誠にありがとうございました。本日はこれで終わります。

―― 了 ――

お問合せ先

生涯学習政策局参事官(連携推進・地域政策担当)付

高等教育局高等教育企画課新たな高等教育機関プロジェクトチーム

(生涯学習政策局参事官(連携推進・地域政策担当)付、高等教育局高等教育企画課)

-- 登録:平成28年09月 --