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実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会(第10回) 議事録

1.日時

平成28年2月12日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

東海大学校友会館 阿蘇の間・朝日の間(東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビル35階)

3.議題

  1. 審議経過報告(素案)について
  2. その他

4.議事録

【永田部会長】  おはようございます。定刻になりましたので,第10回特別部会を開催させていただきたいと思います。お忙しい中,御出席いただきまして,ありがとうございます。
本日は,報道関係者の方から会議全体について撮影及び録音を行いたいという旨お申出があり,これを許可しておりますので,御承知おきください。
今回は,前回議論した骨子から更に進んで素案となったものについて,御議論いただきたいと考えております。
それでは,事務局から本日の配付資料について御説明ください。
【塩原主任大学改革官】  お手元の配付資料の御確認をお願いいたします。
本日の配付資料は,議事次第にありますとおり,資料1-1から3まで,参考資料は参考資料1と2の2点でございます。不足等ございましたらお申し付けくださいますようよろしくお願いいたします。
以上です。
【永田部会長】  御確認ください。
一昨日,中央教育審議会総会があり,その中で前回の骨子案をお示しして,御意見を頂きました。その主な御意見について事務局より補足説明していただきたいと思います。
【塩原主任大学改革官】  一昨日開催されました中央教育審議会総会におきまして,前回の特別部会で配付資料としておりました審議経過報告骨子素案も用いて,本特別部会における審議の状況について御説明いたしました。その総会で頂きました意見につきまして,主要なものを幾つか御紹介させていただきます。
まず,新たな高等教育機関の基本的な在り方に関して,既存の大学との住み分けをしっかりしないと同じ種類の学校が二つできてしまうことになり,新たな高等教育機関が,既存の大学より下のランクと見られてしまう可能性があるので,そういったことにならないよう留意して制度設計をすべきという御意見が一つです。
また,産業界との連携等に関して,新たな高等教育機関のガバナンスの問題として,スピーディーな意思決定により,産業界のニーズを踏まえた教育課程の編成などにも迅速に対応できるようにすべきという御意見がございました。また,中小企業のニーズへの対応や,中小企業に就労している社会人の学び直しの支援等,これも重要な視点として取り入れていくべきという御意見がございました。
質保証に関して,設置後の情報公開を徹底すべきだという御意見もありました。また,産業界のニーズに迅速に対応するという要請と国際的通用性も踏まえた質保証を行うという二つの要請は時に相反することにもなるので,両者のバランスをどう取り,いかにして両立を図っていくのかというのが重要な点ではないかとの御指摘もございました。
そのほか,新たな機関への財政措置については独自の財政措置枠を用意して対処すべきであるという御意見も頂いたところでございます。
以上,御報告させていただきます。
【永田部会長】  ありがとうございました。私の方から少しだけ補足いたしますと,設置自体もスピーディーに行うべきであるという御意見もありました。
これについては議論の中で必要があれば戻ることとして,本日の議題に入らせていただきます。
それでは,審議経過報告の素案について,事務局から御説明いたします。
【塩原主任大学改革官】  本日の資料を御説明させていただきます。まず資料1-1及び資料1-2を御覧いただければと思います。こちらの資料は前回会議での審議経過報告骨子素案に対して出された意見を踏まえまして,骨子を文章化したものでございます。資料1-1は全体構成に当たる部分です。
全体構成につきましては,基本的には前回の骨子の構成を踏襲しているものでございますが,第1章の前に序章として「はじめに」を加えたことのほか,前回会議での意見を踏まえ,とりわけ第2章の部分で既存の大学等との違い,既存の大学の枠組みでは十分対応し切れていない部分についてより手厚く加筆いたしました。また,地方創生への貢献という観点をより明確に出すべきとの御意見もございましたので,こちらにつきましては第4章,2の(2)具体的設計の丸2のところで産業界・地域等のニーズの適切な反映というかたちで,制度設計全体を通して重視すべき視点として,産業界との連携だけでなく,地域との連携についても明確に位置付けたということでございます。
続きまして,資料1-2の審議経過報告の素案の本体を御覧ください。それぞれのページの左側に5,10,15と5刻みの数字が入っておりますが,これは全体の何行目に当たるかを示した目盛りとなっているものでございます。
冒頭の「はじめに」でございますが,こちらでは実践的な職業教育を行う高等教育機関の制度化について本特別部会において検討するに至った背景を記載しております。まず一つ目の丸で現在の職業人材養成に関する基本的な課題認識を端的にまとめた上で,二つ目の丸以降でこれまでの審議の経過等について,まとめております。
続きまして3ページを御覧ください。第1章では世界及び我が国における産業・職業の状況と職業人の状況,そして今後の職業人材養成の在り方についてまとめているものでございます。基本的には前回骨子の内容を肉付けして文章化したものになっておりますが,前回の御意見を踏まえまして,3ページの24行目から25行目辺りに,グローバル化への対応が各企業等に求められている状況について新たに記載しております。
その上で,第1章の結論部分の,今後の職業人材養成の在り方に関しましては,4ページの二つ目の丸にもございますが,成長分野等で求められる人材に必要な能力の育成に迅速に対応していくとともに,とりわけ変化への対応を求められる中で,事業の現場の中核を担い,現場レベルの改善・革新を牽引(けんいん)することのできる人材の養成強化を図ることが課題ということで,人材養成の在り方をお示ししております。
続きまして5ページでございます。5ページから第2章でございます。第2章の1.高等教育における職業教育の現状でございますが,(1)制度の現状,(3)学生受入れの状況の間に(2)といたしまして,人材養成ニーズ等の動向に関する節を立て,その中で6ページ最初の丸のところでございますが,専門的・技術的職業等への人材需要は今後も増加が見込まれているが,これらの職業では入職後,継続的なスキルアップを求められることはもちろん,入職前の段階でも相当程度の準備教育を必要とするものが各種の資格職等をはじめとして少なくないことについての記述を今回追加しております。
続きまして,7ページの第2章の2.高等教育における職業教育の課題と求められる対応でございますが,この節で掲げております各課題というのは,以前より指摘され,これまでも対策が重ねられつつもなお,課題として残っているもの,あるいは今日の経済社会状況の中で新たに生じてきているものであり,既存の枠組みを超えた対応による解決が望まれるものとして,三つの課題を示しているものでございます。
一つ目は職業教育に対する社会全体の認識に関する課題と対応でございます。学問の教育より職業技能の教育が一段低く見られる風潮はいまだに根強く存在しており,その根強い背景には職業についての専門性という概念が固定的で,柔軟性を欠くものとして捉えられがちなことがございます。ある時点での専門分野・職業分野での選択がその後の進路を制限することになると考え,これを忌避したいとする意識があること等についての指摘もここで記述を加えております。こういった意識への対応も踏まえた上での新たな仕組みの創設が望まれるということで記載させていただいているところでございます。
その次,丸2の社会人の学び直し環境に関する課題と対応について,これまでも社会人の学び直し促進のための様々な制度的措置等を講じてきたにもかかわらず,社会人受入れが伸びていない理由といたしまして,学習目的に合った教育プログラムの不在,職業との両立や時間,また,企業等でのこのような学習成果に対する評価の問題等があることについて,今回記述を追加いたしました。こうした背景も踏まえての高等教育段階での社会人受入れの受皿作りが求められることについて,この後に記載しております。
丸3,これからの経済社会を担う職業人養成のための課題と対応についてでございますが,こちらは特に前回意見を踏まえまして,多く加筆いたしました部分でございます。一つ目の丸,成長分野等で求められる実践的な職業人材の育成を推進する必要があるということでございますが,具体的な人材ニーズの動向といたしまして,平成23年度答申の際の委託調査でも推計のありました福祉,IT,情報サービス,コンテンツ,観光等の分野での相当量の人材ニーズがあると推計されていること等について,記述を加えております。
また,その次の丸では,現場レベルでの改善・革新の牽引(けんいん)役を担うことのできる人材の養成が重要であると述べておりますが,こういった人材が事業実務を担う専門人材全体を先導していくことによって,我が国の生産性全般の底上げにもつながっていくという視点を今回特に強く付記したものでございます。
また,その下の丸でございますが,前回委員からも御指摘ございました学士力等を中心に据えた近年の高等教育改革の動向について記述を加えたものでございます。
8ページの下から二つ目の丸以降でございますが,既存の学校種による対応の限界を記載しております。現行の大学・短期大学では幅広い教養教育と学術の成果に基づく専門教育の中で職業教育を行うものとされており,職業実践知に基づく技能の教育については制度上明確な位置付けがないままとなっている一方,技術教育に強みを持つ専門学校は制度的自由度の高さの裏面として質保証の面での課題があることについての記載を加えております。その上で今後求められるのは高度な専門技能等を備えると同時に,変化への対応等に必要な基礎・教養や理論にも裏付けられた実践力等を兼ね備えた質の高い専門職業人の層を確保していくことであり,このような人材養成のためには技能と学問の双方の教育を融合し,強化した仕組みが必要と考えられるとしております。
その次,現行の枠組みで対応できないのかということに対する考え方の整理でございますが,現行の大学等が自らの判断で技能教育との融合を進め,それらの人材養成を推進していくことも可能ではあるが,こうした教育への取組について,各大学等の判断に委ね,事実上の取組を待つのみでは,職業の多様化,流動化や地域の需要への対応などの社会の要請に迅速に応えていくには十分とは言えない状況となっているとしております。また,学問的体系性を基盤とすることを重視した大学教育を行うのみで,そうした需要の全てに対応することには限界もあると考えられるとし,こうしたことを踏まえれば,学術知と職業実践知の両面に基づく教育に最適化した高等教育機関を新たに創設して対応することが効果的であろうと考えられると,まとめているものでございます。既存の各高等教育機関がそれぞれの強みと特性を生かしながら職業教育の推進を図るとともに,こうした新たな機関を加えることによって,それらが相まって我が国の職業人養成の格段の強化が図られることを期待したいとここでは結んでおります。
続きまして,10ページでございます。第3章,新たな高等教育の制度化の方向性でございます。こちらでは,養成すべき人材像,推進すべき教育,大学体系の位置付けについての考え方をまとめているところでございます。追加いたしました点として,この章の末尾, 13ページの中段からとなりますが,こちらにおきまして,参考欄といたしまして,我が国の高等教育段階の職業教育に関する制度的経緯についてまとめさせていただいております。
続いて,15ページ,第4章,新たな高等教育機関の制度設計等でございます。1.制度設計に当たっての基本的な視点等でございますが,(1)身に付けさせるべき資質・能力及び(2)重視すべき視点という形でまとめております。このうち16ページの(2)の四角囲みの中でございますが,こちらの方で重視すべき四つの視点の二つ目の部分で地域連携の視点も織り込む形での修正がなされているところでございます。
これに関連いたしまして,第4章の2.基本的視点等を踏まえた制度設計の在り方の部分でございますが,少し飛んで18ページの下段,一番下の丸のところでございますが,地域との連携の視点を取り入れるということでパラグラフを追加しておりまして,地域産業を担う人材が地元で育ち,地元に定着していくようにし,これらの人材が地域の強みを生かした事業を展開することにより地域の活性化へつなげていくことが重要であること等についての記載を特に付記しているものでございます。
恐縮ですが,1ページ戻っていただきまして,17ページ一番上の四角囲みにおきましては,制度の基本設計といたしまして修業年限の枠組みを示しておりますが,このうち4年制課程の前期,後期の分割に関しましては,前回委員からあった御意見も踏まえまして,その四角囲みの下の丸の18行目から20行目辺りになりますが,こちらにありますとおり,この前期,後期の制度化に関しては,課程の体系性の確保や段階ごとの出口水準の明確化などに留意するとともに,他の高等教育機関の制度との整合を図る観点から必要な検討を更に進めるべきであるといたしております。
その他具体的な制度設計の中で,新たに付け加えました点としましては,21ページの四角囲みの中の一番下の黒ぽつでございます。情報公表・評価に当たっては,ステークホルダーに対し,教育の質や学生の学習成果を分かりやすく明示していくものとし,そのためにできる限り客観的な指標を取り入れることについて検討するということを追加で記載いたしております。
なお,制度設計等の関連といたしまして,前回会議では骨子素案全体を見ても,やはり新たな高等教育機関と既存の大学との違いがまだまだ分かりにくいのではないかという御意見をたくさん頂きました。その中で,既存の大学との対照表などを付けてはどうかといった御指摘も頂きました。このような御指摘も踏まえ,資料2-1を御用意いたしました。資料2-1では既存の専門学校及び大学・短期大学のそれぞれの特徴と新たな高等教育機関の制度化の方向性の対比を図示しているものでございます。審議経過報告素案でもございましたが,新たな高等教育機関は,職業実践知に基づく教育と学術知に基づく教育の双方に強みを持った機関として構想するものでございまして,それは既存の専門学校と大学・短期大学のそれぞれの特徴からとりわけ質の高い実践的な職業教育機関としての必要なものを受け継ぎ,強化するといった,そういった形での制度設計の方向性でございます。この図の中での青い四角の部分,例えば産業界との連携,社会人受入れ,豊富な実習,インターンシップや実務家教員の配置などにつきましては,どちらかというと専門学校の従来の特徴から引き継ぎ,これを更に強化,制度化するということでお示ししております。また,黄色の四角でございますが,学位授与を行う機関として必要な制度設計や情報公開・評価等の質保証の枠組みについては,どちらかというと大学の制度を引き継ぐ方向性での制度化という形で捉えることができるのではないかということでまとめております。
また,資料2-2,こちらは何度も審議経過報告の中にも出てきます職業実践知に基づく教育と学術知に基づく教育,それぞれの特徴というものをある意味単純化しているところもございますが,それぞれの教育の特徴につきまして図示するとともに,その上で各専門学校,大学・短期大学,そして新しい高等教育機関についてのそれぞれの位置取りについてのイメージを表した資料でございます。
最後に資料3を御覧ください。資料3につきましては,前回部会長から御指示を頂きましたが,現在の各高等教育機関の法律上の位置付けについて図示したものでございます。現行の高等教育機関の法律上の位置付けはこのとおりということで,新たな高等教育機関の位置付けにつきまして,これは制度設計の各論点が詰まった最終的な結果として,最後に決まってくることになろうかと思いますが,現時点での政府の考え方といたしましては,審議経過報告素案では,新たな機関を大学制度の中に創設することが適当ということで考えているところでございます。この図の赤いブロックになっている学校教育法でいうと,第9章の部分でございます。こういった中に何らかの形で新たな高等教育機関の制度を位置付けていくということが現在想定されているということでございます。
以上,資料についての御説明でございます。よろしくお願いいたします。
【永田部会長】  ありがとうございました。全部詳細にお読みいただくには,時間がかかると思いますが,今御説明いただいたことを頭に入れながら,章立てごとに御意見を頂いていこうと思います。
この経過報告案についての御意見と,それからこれを読んで更に検討すべきことがあれば,それぞれそのように御指摘いただければ幸いでございます。
それでは,まず「はじめに」の部分から第1章辺りまでについて,御意見を賜りたいと思います。いかがでしょうか。それでは,内田委員,よろしくお願いします。
【内田委員】  この第1章に直接関わるかどうか分かりませんが,先ほど御説明いただきました資料2-2についてでございます。各高等教育機関ということで,いつも高等専門学校を入れていただいているのですが,資料2-2に,高等専門学校が入っていないことが非常に気に掛かりました。少なくとも短期大学と同等か,それ以上に高等専門学校は頑張っているというところを御理解いただきたいと思います。
同じように資料2-1もやはり高等専門学校が抜けておりますので,もし可能であればコメントするなり,少し御配慮いただければと思います。
【永田部会長】  ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。岡本委員,どうぞ。
【岡本委員】  4ページの今後の職業人材養成の在り方の24行目辺りについて,私は,ここが大変重要な表現だと思っていまして,変化への対応や,事業現場の中核を担い,現場レベルの改善・革新を牽引(けんいん)していける人材の養成強化という部分は,大変良い表現を書き込んでいただいていると思っています。
少し細かい言葉の問題なのですが,改善と革新というのは明らかに違います。今,産業界,あるいは企業のイノベーションということがよく言われております。これは経営レベルのイノベーションのみならず,現場レベルでのイノベーションということも言われておりますので,是非イノベーションという言葉をこの審議経過報告に盛り込んでいただきたいと思います。全く無から有を作るという意味ではなくて,今あるものを結合して新しいものを,新しい価値を生み出していくという趣旨だと思いますけれども,8ページの15行目にも同様の記述があります。今までどおり,ただ単に言われたことをこなす人材ではなく,現場レベルから改善とか革新,イノベーションを起こしていく人材を養成するというのは,大変重要な点だと思います。
以上です。
【永田部会長】  ありがとうございます。イノベーションという言葉をどう入れるかということについては検討したいと思います。
青山委員,どうぞ。
【青山委員】  一つ御質問させていただきたいのですが,3ページの15,16行目辺りのところに,「そうした中にあって,「経済のサービス化・ソフト化」がより一層進展していくであろう」と予想されるというように書いてありますけれども,その前の段落で世界的な動き,グローバル化,イノベーションの動き,それから,ITの話が書かれています。これと経済のサービス化・ソフト化というのはどのような位置付けになるのか,又は因果関係にあるのか,その辺りについて教えていただければと思います。
【塩原主任大学改革官】  経済のサービス化・ソフト化の部分につきましては,とりわけ直前にあります「多くの仕事が機械やコンピューターに置き換えられ,「人が担う仕事」の領域も変容していくと予測されている」という部分と直接的につながっているものということで,ここだけを付け加えて記載しているところでございます。例えば,税理士や会計士等の仕事のうち,純粋な情報の記憶等の部分につきましては,今後,コンピューター等でも代用が利くようになってくるといった前回の会議の御意見もございました。つまり,人が担うべき領域として残っていくのは,人が人とインターフェースを持つような,そういったサービスの部分でありますとか,ないしはより高度な判断を必要とするような部分ではないかといったことからこのような記載にしているものでございます。
【青山委員】  そのような観点ですと,もう少し分かりやすく御記載いただいた方がいいと思います。グローバル化とイノベーションは当然のこととして,今起きているような例えばIoTの話や第4次産業革命もどんどん進んでいくわけですから,それらと経済のサービス化・ソフト化がどのように結びついていくのか,人というのはどのような働きをしていくのかについて,もう少し砕いて御説明していただいた方がよろしいかと思います。
以上でございます。
【永田部会長】  ありがとうございます。
そのほかいかがでしょうか。相原委員,どうぞ。
【相原委員】  御説明ありがとうございました。先ほど御意見もありましたが,4ページの24行目,25行目について一言申し上げます。現場の中核を担い,現場レベルの改善を牽引(けんいん)する人材の養成ということで,随分ポイントが絞られましたので,具体的なイメージがわきやすくなったかと思います。今の職場での働き方を見ると,日本の現場の中核を担い,現場レベルの改善・イノベーションをリードするということは,すなわちグローバル市場の開拓や,海外市場に対する自らの技能移転など,活躍の幅は日本の職場をベースとしながらも多様に広がっているのが現実ですし,その中核的リーダーがこれからの日本の成長を担うということは大変重要なポイントだと思っております。
【永田部会長】  ありがとうございます。「現場」というのはその場所を限定しておらず,活躍のフィールドや事業の展開対象は日本だけではなくて,グローバルレベルだという御意見だと理解させていただきます。
そのほかいかがでしょうか。佐藤委員,お願いします。
【佐藤委員】  今の御発言にも少し関連するかもしれません。今,実務教育の中で,海外からの学生を随分受け入れているのではないかと思います。留学生10万人計画が達成されて,30万人が目標となっているところ,この新機関は留学生というものを全く対象としない学校種とするのかどうか,この部分についてはどこかで触れた方が良いのではないかという気がします。日本人の学生を中堅の技術者として育てるだけではなくて,海外からの学生をどうやって受け入れるかということについても,少し考える必要があるかと思います。
以上です。
【永田部会長】  ありがとうございます。その点は,今ここでは何も触れていませんけれども,もう少し大枠で考えなければならず,カリキュラムの問題,それからアドミッションの問題との関連で考える必要があるのかもしれません。ただ,外国人留学生を新機関の対象とした場合,例えば日本語や,日本文化のようなものがカリキュラムに入ってくるということもあるでしょうから,今ここで,どこに書き込むか答えを出すのは難しいので,今後検討すべき要点だと理解したいと思います。
そのほかいかがでしょうか。また全体を見てみると,第1章に戻りたいという御意見が出る可能性もあるかと思いますが,ひとまず,次の第2章に進みたいと思います。いかがでしょうか。内田委員,どうぞ。
【内田委員】  全体に大変よくまとめていただいたと思っております。ただ,ここも高等専門学校関係で少しコメントさせていただきます。5ページの真ん中の30行目辺りに高等専門学校の説明を書いていただいているのですが,体験重視といったところに重きが置かれ過ぎていて,現状と少し違いがあるように思います。例えば1行目で,「高等専門学校は,中学校卒業後から5年一貫の職業教育を行う」とありますが,高等専門学校では恐らく3分の1程度かそれに近いぐらいまでの一般教育も行っておりますので,このこと,すなわち教養教育なり一般教育をしっかりとやっているということを是非,職業教育と併せて記述していただきたいと思います。それから2行目のところでしっかりした基礎理論があって,その上に体験重視の教育が行われておりますから,基礎理論と体験重視の教育を併記するような形で修正していただきたいと思います。
加えて,この後で,「応用力に富んだ創造的な技術者を育成」とありますが,高等専門学校では,創造的・実践的な技術者の育成ということを通常うたっているところでございますので,是非この点も御配慮いただければと思います。
以上でございます。
【永田部会長】  ありがとうございます。既に文章化されている高等専門学校のところから持ってきている部分もあるので,今の御意見は現在の高等専門学校の在り方を含めて検討させていただきたいと思います。
そのほかいかがでしょうか。冨山委員,どうぞ。
【冨山委員】  現状認識の部分で,少しネガティブなことを申し上げます。私は法科大学院の関係の委員をやっておりますが,職業教育的な要素を今の大学体系に位置付けるということに関しては,法科大学院等の大学院もその一部なのです。相対的に大学院の方がやりやすい感じはしますが,はっきり言ってワークしていません。法科大学院以外にも専門職大学院を幾つか作ってきていますが,正直言って,余り成功しているとは言えません。これは一つの先行事例として,なぜ法科大学院をはじめとした専門職大学院がうまくいってないのかということを逆吸収すべきだと思っております。専門職大学院の創設も国としての政策であったので,後から役所として文句を付けにくいということなのかもしれませんが,うまくいっていないことは自明であり,既に結論は出ているので,そこは失敗事例をフィードバックできるように,この審議経過報告案にも記述した方がよいかと思っております。
以上です。
【永田部会長】  ありがとうございます。今の御意見はネガティブというよりは,どこをどう改善すればよりよくなるかという書き方に転換して報告していくことで,大変前向きな考え方になるものと思います。実は,今まで一度御意見が出たのですが,この中に含めていませんでしたので,今回の再度の御意見を踏まえて,文章に掘り起こせるようにしたいと思います。これは検討事項とさせていただきます。
ほかにいかがでしょうか。北山委員,お願いします。
【北山委員】  一作日の中央教育審議会総会では,この新たな高等教育機関のほかに,もう一つのテーマについても骨子の討議が行われました。そのテーマというのは一億総活躍の観点から出てきたもので,資格や検定を充実させるとともに,それらが社会的に認知,評価されるようにすべきという内容です。これらはどちらも「個人の能力と可能性を開花させ,全員参加による課題解決を実現するための多様化と質保証の在り方について」という一つの諮問に基づくもので,学生・生徒や社会人に対していろいろな学習機会を提供するという点で共通した方向性の議論です。したがって,今検討しているこの骨子にも,第1章か第2章かのどこかに1行か2行程度で,検定試験の質確保とそれらの活用等に関する生涯学習分科会における審議状況について言及すると良いのではないかと思います。
【永田部会長】  ありがとうございます。一方は生涯教育の話なので,一生をかけてという意味合いの中での議論で,いろいろな認定試験の在り方についての話と承知しております。生涯学習分科会の審議の進行具合を含めて,記載については検討したいと思います。
金子委員,どうぞ。
【金子委員】  基本的にこの新しい機関を論じる際に,大学との差異がどこにあるのかというのが基本的な焦点になるものと思います。一つの視点は,これまでの大学が満たしていなかった労働需要がどこにあるのかという点だと思います。第1章,第2章ではかなり抽象的にこれまでの,現在の産業構造の変化等々が書いてありますけれども,新しく想定されている実践的な高等教育機関は実践的と言っているのですから,具体的にどういうところの人材が足りないのかということが言えなければ,既存の大学との差別化というのはできないと私は思います。先ほど法科大学院の話が出てきましたが,法科大学院は法曹改革により,すばらしい法律家がいろいろな活躍をする社会ができるということを見込んで創設されたもので,その際,誰も反対しなかったのですが,結果的にそれは裏切られてしまったのです。私はそれが最大の問題だと思います。つまり具体的にどこからその需要が出てくるのかということの予測を間違えたのだと思います。
今回も,どこから具体的な需要が出てくるのかという議論が私はまだ明確ではないと思っています。8ページに福祉,IT,情報サービス,コンテンツ,観光等の分野と書いてありますが,これらの分野でどの程度の人材需要があるのか,あるいは,先ほどから地域の需要ということも言われていますが,これらの分野と地域での人材需要というのはどうかみ合うのかということをきちんと整理していただく必要があると思います。福祉などの分野については地域の需要ということが言えるのかもしれませんが,ほかの分野で本当にかみ合うのかどうか,私はそういう具体的な像が余りよく見えません。
繰り返しますが,これは実践的な職業教育を行う高等教育機関と言っているのですから,具体的でなければいけないはずです。それについての議論が必ずしもまだこの審議経過報告では十分に議論されていないのではないかと思います。
それから,様々なところで,大学が学問知で,新機関が実践知というような対比がされていますが,私は余りに物事を単純化しているのではないかと思います。特に8ページの下から二つ目の丸ですけれども,「職業人材養成をめぐる課題を改めて見たとき,現行の大学・短期大学は,幅広い教養教育と学術の成果に基づく専門教育の中で職業教育を行うものとされ,職業実践知に基づく技能の教育については,制度上,明確な位置付けがないままとなっている」という表現がありますが,これはとんでもない表現だと私は思います。御存じのように,大学の中でも職業教育はたくさん行われているわけでありまして,特に健康関連に関しては職業免許上の要求もありまして,極めて過密とも言えるほどの要求がされています。その中には別に座学の要求だけではなくて,実習の要求その他もたくさん入っているわけで,そういう実態を踏まえれば,何で大学が学問知で実践知をやってないと言えるのか,私には全く分かりません。
前回の議論でも大学は行き詰まっているなどという御意見がありましたが,私はそういう意味でどうしてこう決めつけるのか,理由がよく分かりません。どうしてそれが言えるのかということをもう少し具体的な材料を持って示さなければ,新機関が既存の大学で果たせない機能を果たしているのだということを積極的に述べるということにはならないのではないかと思います。
【永田部会長】  今の御意見のポイントですが,実は6ページの頭で抽象的には書かれていて,6行目,7行目に「入職前の段階でも相当程度の準備教育を必要とする」というのは,つまり,即戦力ということの代わりに書いているのだと思うのです。そして本当に既存の大学がやっているかという問題はいろいろ議論があると思います。先生はおやりになっているとおっしゃるかもしれませんけれども,我が国の大学全体で考えれば,そうでない部分もあるのではないかと思います。先生がおっしゃったように,幾つかの専門の部分,例えば看護であるとか,もちろん医師養成であるとかといった部分については職業教育をせざるを得ないということもあり,そうしているということかと思います。
ただ,今この審議経過報告の素案に書かれているのは,大学は何にでも対応可能なコンクリートの粉みたいなものを育てていっている感じで,新機関では初めからこの領域で頑張るといったような人を育てるのだというようなイメージで,それがすなわち実践知の教授というようになっていると思うので,書きぶりについては今後,もう少し考えていかないといけないかもしれません。新機関が大学体系に位置付けられれば,既存の大学,短期大学,新機関も含めて大学になるわけですから,新機関と既存の大学との相違を追究するだけでなく,広義の大学に関する考え方についても今一度整理する必要があるかもしれません。そういう意味では,金子委員の今おっしゃったことは,実は非常に重要な意味を持ちますので,もう一度書き方というか,大学に関するフィロソフィーも含めて議論しないといけないだろうと思います。
岡本委員,どうぞ。
【岡本委員】  金子委員の御意見について,関連して発言したいと思っています。先ほど事務局から資料2-2で職業実践知に基づく教育ということと,学術知に基づく教育という,この二つの概念を整理しながら,専門学校,大学・短期大学,新たな高等教育機関の説明がありました。結局,これは二分法ではないのです。新たな高等教育機関も職業実践知と学術知に基づく教育が架橋するという,理論と実践の架橋ということを強調しているわけですから,決して二分法で一刀両断しているというふうには捉えられていません。理論と実践,職業実践知と学術知の二つを架橋するということこそがこの制度の根幹ですから,私は文章の表現については全く変える必要はないと思っております。
それから,金子委員が御指摘した8ページのところなのですけれども,これは再三議論されているように,大学や短期大学が職業教育をやってないということではなくて,やっている大学や短期大学はたくさんあるのですが,制度上,明確な位置付けがないままとなっているということであり,それでは今後の産業や職業の変化又は発展の中で,既存の大学や短期大学の制度で十分に対応した教育をし得るのかということで新しい制度を創設するということだと私は理解しております。事務局からの説明もそういうふうになっていると思いますので,表現的におかしいということはないと思います。
【永田部会長】  金子委員,どうぞ。
【金子委員】  やはり,既存の大学について職業実践知を教育することを制度的に保障してないとは言えないと思うのです。例えば工学部は実習や実験がカリキュラムの中に入っているわけですし,極端な場合,特に健康関連のところは相当長い時間を実践的な教育に費やしています。さらに厚生労働省による職業免許の要求等もありカリキュラムが職業教育に特化しているものもあり,そういう意味では実践的な職業教育を行う制度的保障は既存の大学にもあると言ってもいいのではないかと思います。
ただ,今の点について余り突っ込んで議論するつもりはありませんが,問題は,もし新たな大学ができるとすれば,制度上,既存の大学とどこで区切るのかということは議論になると思います。新しい大学では制度上これを掲げているから既存の大学とは違う,又は既存の大学ではできないことができるのだということはきちんと整理して示さなければならないと私は思います。その区切りがどこにあるのかということを私はお聞きしたいのです。
【永田部会長】  ありがとうございます。今の議論は根本に戻る議論が一部含まれています。多分,カリキュラムとか,設置形態そのものについて深く検討するということになったときに,特に生じてくる問題かと思います。今回ここで書いている報告の文言はこのままにさせていただきますけれど,確かに既存の大学と新機関がどこをカバーし合うものなのかということについてはもう少し明確になるような議論をしていく必要はあるかと思います。つまり今後の検討課題として残すということにさせていただきます。
それでは寺田委員,お願いします。
【寺田委員】  過去に述べたことと同じことを言うのですが,既存の大学の職業教育に関する評価の問題,これに尽きるかと思います。既存の大学で職業教育をやっていないことはないわけで,特に伝統的なプロフェッション,「し」(師/士)と付く教師,弁護士,医師等々,さらに最近では福祉関係も入ってきましたが,これらは比較的専門学術性が求められる分野であり,大学の既存のシステム,アカデミズムと非常になじみやすいというところがあったのだろうと思います。ところが,最近いろいろ出てきているような細かな分野の専門的な仕事については,概して厚生労働省や,他省庁の職業資格の認定課程となっているような専門学校や短期大学とか,いろいろなところで教育をやっているわけですけれども,こういうものを従来以上に再編・強化し,高度化していくという流れというのがあるのではないかと思います。
例えばその象徴的な分野としては看護や観光を挙げ,その評価について紹介したいのですが,当事者はいろいろな理解,認識があるかと思いますけれども,看護に関して歴史的に言えば,明らかに大学制度の中に入れたがために実技分野が2分の1程度に圧縮されたという問題があります。これは大学設置基準等に無理やり当てはめるので,そういうことにならざるを得ず,看護師の地位とか,能力向上は大いに図られたけれども,技術のところで問題になっているということがあります。既存の大学制度に無理やり当てはめようとするとこういうことが起こるわけで,こういうことにならないような仕組みを作らないといけないということです。審議経過報告素案の設置基準,あるいは単位制度の項目においては,現行の大学制度を踏まえるとされておりますが,これは相当な改善や工夫をする必要があるかと思います。
また,観光についても,これも何度も言っておりますが,観光学部,学科を置いている大学を幾つかインタビューしましたけれど,先生方は観光学の教育はやっていますが,職業教育は特に意識していませんというような回答でした。なるほど,カリキュラムを見たり,あるいはインターンシップ等々の義務付けがどうなっているのかということを見たりしますと,率直に申し上げて,インタビューに応じていただいた手前,恐縮ですが,随分と曖昧になっているのです。これが実態です。やはり国際的な流れもあるわけですが,既存の短期の高等職業教育で打ち止めるのではなくて,職業教育だけで学士,あるいは4年制大学相当の資格を確保できる道をつけるというのが非常に急がれるのではないかと思います。
職業実践知の問題が議論になりましたけれども,その定義はともかく,インターンシップや企業実習というものが認定職種,例えば教師とか,ロースクールの法曹実習とかについてはある程度義務付けられてはいますが,例えば教職の場合でも,やっと今度増えて3単位になったところです。世界的にも,例えばアメリカの教職などというのは2年ぐらい現場実習をやりますし,ドイツでも若干短くなったけれども,18か月ぐらい1期と2期に分けてやっています。それが職業教育の本来の成り立ちかもしれません。そういう点から言うと,今日本で専門教育の中でやっている現場実習やインターンシップなどというのは非常に少なく,不十分です。特にこれからの時代で求められるような職業では,この程度では十分な対応はできないのではないかと思います。新機関では相当程度,インターンシップを義務付けると言っていますが,既存の大学で行われているものを少し増やしたようなものでは済まない話で,何か月単位とか,セメスター単位でのインターンシップを義務付けることによって初めて実践的な職表教育を行う高等教育機関と言え,既存の4年制大学との違いも出てくるのではないかという気がいたします。
以上です。
【永田部会長】  どうもありがとうございます。その点,カリキュラム等を考えた後で,もう一度議論できればと思います。
長塚委員,どうぞ。
【長塚委員】  一連の議論に関連する話なのですが,7ページの2の丸1のところになります。既存の大学との住み分けというのが中央教育審議会総会でも重要だと言われたということで,それに関連するのですが,職業教育を大学にどのように期待するかということです。ここで,選抜性の高い大学に進学すること自体を評価する社会的風潮があると書かれていますが,確かにそうでした。選抜性の高い大学に入って,大企業に進むというのが社会的な風潮というか,希望としてある。そのような背景の中で,現状としては第1章にあるように,中小企業の従業者が7割を占めることになっているということなのだと思います。この特別部会の全体論調として,日本の産業界の大多数を占める中小企業に必要な人材を育てるのだというように言い切られてしまうと,新機関を卒業した人は大企業には行けないのかということになり,そのようなイメージが定着してしまうと,やはり大企業に進む学生を輩出する既存の大学が上で,中小企業に進む学生を育成し,職業教育を行う新機関はその下,職業教育はアカデミックの下というような格付が変わらないままとなってしまうのではないかと懸念します。大企業にも今問題が発生していて,実践的な高度な力がある人員が不足しているのですから,そのことをあえてそのような記述を盛り込まなければ,そのような位置付けになってしまいますし,高校で進路指導をする者などの側の認識もそのような形で固まってしまうというのは大変問題ではないかと思っております。大企業にも実践的な知識や技能に関して同等のニーズがあり,そのような実践を重要視する大学が今必要なのだということを言っていただく必要があるのではないかと思います。
また先ほどの議論ですが,既存の大学が社会のニーズ,つまり人材需要に十分応えていないので,新しい大学が必要だということになっているのだと私も思います。というのも,以前,御紹介したことがあるのですが,選抜性が高い大学の工学部の建築学科を出たけれども,かんなの削り方が分からないから,有名な専門学校に行って実習するという人や,大学在学中にダブルスクールとして専門学校にも通う人が現にいるということで,現状としては実践知と理論知の教育というのが分離しているような状態なのだと思います。理論と実践の双方を付けさせることができ,そういうダブルスクールを解消するような位置付けの新たな大学ができてくれれば,高校生が進路を選択するに当たっても非常に魅力を感じる対象になるのではないかと思います。
資料2-2では新たな高等教育機関が実践知と学術知の真ん中に位置付けられており,そのすぐ下に短期大学があって,最初,これを拝見したときにほとんど短期大学と変わらない位置付けではないかと思いましたけれども,専門学校が今やっていることとの架橋というのは短期大学はされていないのだろうと思いますので,そういう意味では,新たな高等教育機関が,学術に加え,専門学校のようなより実践的な教育も含めて実現する大学だということだと理解しました。そのようなことを明確にしていくことが新しい高等教育機関の住み分けということになるのかという気がしています。
【永田部会長】  ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。米田委員,お願いします。
【米田委員】  資料の6ページ,それから7ページに関して感想を申し上げます。6ページでは,10行目,高等学校卒業後の学生の状況ですが,丸に書かれている部分,まさにそのとおりでございます。これを機会に実際の進路指導,あるいはキャリア教育を行っている高等学校,あるいは中学校に対して,このようなミスマッチ等が起こらないように,もっと多様な尺度で進学等の指導を行うように,この部会からもメッセージを発するようにもう少し文言を加えていくことはできないものかどうかということがまず一つです。
7ページの方に関しましては,11行目です。丸1,職業教育に対する社会全体の認識に関する課題と対応はまさにこのとおりであります。また,最後にありますように,社会的評価を高めていくことが望まれるというのも,これも当然の話なのですが,実際,どのようにして社会的評価を高めていくのかということについて,具体的なメッセージをこの場で発信できればよいかと考えております。14行目からのところでは,「社会的な風潮があると言われる」とあり,確かにそのとおりなのですが,これを打破するためにはどうすればいいかということも,もう少し具体的に触れられたらいいかと思いますので,もし可能であればそれを加えていただければ有り難いと思います。
以上です。
【永田部会長】  後半部分は若干難しいかもしれませんが,検討はしていきたいと思います。
そのほかいかがでしょうか。佐藤委員,お願いします。
【佐藤委員】  9ページの6行目,7行目の辺りなど,はっきりしないというところについて,大学とどう違うのかという議論になるわけですが,「学術知と職業実践知の両面に基づく教育に最適化した」というのではなく,もう少しとんがって,「職業実践知に基づく教育に最適化した」というような形で書いてしまった方が良いのではないかと思います。
【永田部会長】  ありがとうございます。学術知という文言をこの文章に入れていいかというのは悩んでいるところです。実践知を基にした教育といっているわけですし,それから,教員の方には研究を行うということにもしているので,その辺で十分,学術をやる大学ということはわかるようになっているかと思いますので,そこは検討させていただきます。
それでは,先に進ませていただきまして,第3章について御意見をお願いします。もちろん第1章,第2章に戻る部分があっても結構でございます。いかがでしょうか。前田委員,どうぞ。
【前田委員】  13ページの参考の制度的経緯のところなのですけれども,高度専門士のことが書かれていないのですが,大学院にも入学資格を持つわけですから,これはやはり入れた方がいいと思いました。
以上です。
【永田部会長】  ありがとうございます。
割と人材像ははっきりとしてきているのですが,育て方の部分について,先ほどから幾つも意見が出ているような気がします。
いかがでしょう。米田委員,お願いします。
【米田委員】  骨子案,あるいはこの資料を拝見しますと,「技能」という言葉が非常に多く出てまいります。「技能教育」,「技能の教育等」といった形で出てきます。一方で,「技術」という言葉が全くないわけではないのですが,ただその数は相当少ないです。技術的なもの,つまり,皆で共有されるもの,され得るもの,伝達され得るものとしての技術を踏まえた上で,個々の技能を更に高めるというような流れを当然考えて教育しなければいけないのかとは思うのですが,その辺を意識して,「技能」という言葉を多く使っているのでしょうか。あるいは,「技術」ということは,あえて挙げるまでもないという認識の下で工夫をされた書きぶりになっているのでしょうか。
【塩原主任大学改革官】  例えばものづくりの世界などでは理数系の素養にベースを置いたテクノロジー,エンジニアリングのような世界もあり,一方ではそういった手仕事的な,ものづくりのわざのようなものがあり,従来の大学の中で必ずしも十分取り入れてなかったのは後者の部分であろうかと思っております。そういったものにもきちんと対応し得るような形の機関であるということを明確にするためには,技術というよりも技能という言葉を用いる方が機関の特色や内容がより明確になりやすいのではないかということで,今回こちらの言葉遣いをしているところでございます。
【永田部会長】  技術であるとか,科学というところを前面に出していくと,既存の大学と同一化していく部分があって,そういったものは総合知としてもちろん教えていくという前提で,より現場に近いものという意味で技能というふうな言葉を前面に出した書き方にしているということです。
そのほかいかがでしょうか。青山委員,どうぞ。
【青山委員】  10ページの30行目に丸1で「企業等の中で果たす役割から見た人材像」とあり,ここで新たな高等教育機関は,「専門職業人のうちでも高度な専門性をもって,企業等の現場レベルでの改善・革新を牽引(けんいん)していく層の養成・資質向上等に主な重点を置く」と書いてあります。私の知識が不足しているのかもしれませんが,ここでいう「高度」とは,研究や開発,学術などとおっしゃっているのでしょうか。高度な専門性を持った人たちが必ず現場レベルでの改善・革新を起こすというのは,余りぴんと来ません。
それからもう一つ,先ほどの意見の中で,大企業と中堅中小企業の話も出ていましたけれども,新たな高等教育機関というのは,全ての企業のニーズに応えていく必要があるだろうと思います。競争が激しく,1年ごとに技術革新が起きているような分野もあるでしょうし,時間的にはもう少し長いスパンで変革が起こるような分野もあるでしょう。ただ,いずれの分野においても,革新が迫られるため,改善・革新を起こす能力というものは必要なのだろうと思います。
11ページに「新たな機関で養成する人材に(将来的に)期待する役割」とあり,例が出ておりますけれども,これはいい例だと思いますが,この中には,大企業の中でも中小企業の中でも,自ら事業化する力というのも含まれるのではないかと思います。自ら事業を営むのではなく,自ら事業化する力です。今後はますますこれが重要になってくるのではないかと思います。こういう観点を少し入れていただくと,より分かりやすくなるのではないかと思います。
以上でございます。
【永田部会長】  ありがとうございます。
そのほかいかがでしょうか。寺田委員,どうぞ。
【寺田委員】  先ほど,技能という言葉遣いについて,米田委員から御質問があったかと思います。私なりの理解を述べさせていただきたいと思います。技術,技能の関係について文部科学省はこれまで非常に曖昧にしてきておりましたが,今回は技能という言葉をはっきり使ったという点で評価に値するかと思っております。初等中等教育レベルの話ですが,学習指導要領上は技術という言葉を使っています。技術というのは,客観的な実在なのです。道具や装置,システムなどです。そしてそれを扱うことができるようになるというのがスキル,とりわけテクニカルスキル,工業技術などそういうものです。最近ではスキルの概念にプラスして,ソーシャルスキルやヒューマンスキルというのが付け加わってきています。他方,部会長がおっしゃった,エンジニアリングとか,以前はテクノロジーと言われていたようなもの,これは技術の体系です。理論化されたもの,知識が体系化されたものと,さらにテクノロジーというのは,その背景には一般自然科学の知識があるのです。要するに,技能というのが,人間の身に付けるべき能力で,今回はそこに非常に大きな焦点を当てたということではないかと私は理解しております。
以上です。
【永田部会長】  どうもありがとうございます。冨山委員,どうぞ。
【冨山委員】  先ほど佐藤委員からも指摘がありましたが,やはり高等教育機関の位置付けというのが曖昧になってきてしまっているのではないかと思うのです。極端なことを言ってしまえば,今どきの日本の大学で教えている学術などというもの大半は全く価値がないと思っていますので,ここはかなり明確にした方がいいような気がしています。
大企業,中小企業を問わず,私もいろいろな会社の再建に関わってきましたが,大体,日本の会社は大学卒業のインテリが駄目にしてしまうのです。今の大企業も,今日の日本の興隆を作ったのも大学を出たインテリではありません。日本の発展,繁栄は,例えばトヨタなどの現場で働く人たちが頑張ってきた結果なのです。恐らく,そのような人たちは高校を卒業してすぐ現場で働いていた人たちです。大体,今つぶれかかっている会社は皆,大学を出たインテリが駄目にした会社ばかりですから,私はその辺りの立ち位置を鮮明にした方がいいような気がしています。そうでないと,先ほど青山委員がおっしゃったように,新機関の養成する人材のイメージというのもはっきりしなくなってしまうのではないかと思います。
その点で,15ページ目の学士力という言葉にも,私は正直なところ,抵抗を感じています。後ろの方で,コミュニケーション能力やディベート力,課題対応能力といろいろ書いてありますけれども,当社も超一流大学から毎年5人から10人採用していますが,このようなことは全く大学で教えられていません。全然大学の名前は当てにならないということです。大学の名前は,入学試験のときの知識テストにおけるレベルの高さ,つまり,知識テストに耐えられるある種の忍耐力を示すものとはなっていますが,コミュニケーション能力やディベート能力の有無に関して示すものには全くなっていません。東京大学でも慶應義塾大学でも,こういった能力を育むような教育はやっていないにもかかわらず,このような記載では,あたかも既存の大学ではこのような能力を育んでおり,既存の大学卒業者はこのような能力を身に付けているように見えてしまうので,このような誤解を生む記載は改めていただいた方がよろしいかと思います。
それともう一点,これは既存の大学を出ようが,新機関を出ようが共通のことなのですが,これから先の時代,求められる技能というのはどんどん変わっていきます。そのような中で資質・能力としてすごく大事なのは,学び続ける知的な基礎技能のようなものであり,これを大学でたたき込んでほしいのですが,これもやはり日本の大学では全くやっていません。例えば,今やほとんどの領域でIT技能とが求められますから,どの段階の言語でもいいので,プログラミング言語というものを一度しっかりやっておくことが重要であると思っております。そうすれば次にその言語が変わったときにもそれがベースとなり得ますから,学び続けるために必要なリテラシーとしてIT言語などはきちんと教育し,学生の段階でしっかりと身に付けさせる必要があると思います。しかし,これも先ほどの話と同様で,東京大学を出ようが,慶應義塾大学を出ようが,そういう基本的な技能をしっかりと身に付けている子はいません。繰り返しになりますが,それは要するに,大学では教えていないからなのです。だから,仕方なく会社で教えるのです。今どき大企業に就職しても,その同じ会社にずっと勤められる保証などほとんどないわけですから,そういった意味合いで言うと,この中にキャリア形成,キャリアアップを図るために必要な要素というのは,是非とも入れておいていただきたいと思います。今どきの若い子は,東京大学を出ようが,慶應義塾大学を出ようが,早稲田大学を出ようが,きっと何度も学び直しというものが必要になってきますので,その基礎たる技能,能力についてはきちんと身に付けさせるべきなのです。なぜ簿記会計が大事かといったら,簿記会計の基礎を学ぶということは,その後いろいろなファイナンスであれ,経営学であれ,何であれ,学ぶときの基本言語になるからなのです。 それから,もう1点,余計なことかもしれませんが,先ほど金子委員が言われた,社会的ニーズをシャープに捉えるということはすごく大事なことで,私は大賛成であります。ただ,こういうところで議論されるとき,社会的ニーズの捉えは,いつもシャープではありません。言葉尻を捉えるようで悪いのですが,法科大学院がうまくいってないのは,リーガルマインドを持っている人材に対する社会的ニーズがないからではないのです。これは単純に司法試験の合格者数を増やさなかったからなのです。合格者を増やさない中で,大学は大学として法学部があり続け,その一方で法科大学院を新たにたくさん作ってしまったから,需給バランスが狂い,あのような状態を招いてしまったわけです。連合などの労働審判では非常に多くの人が働いているように,法曹に関する社会ニーズはたくさんあるのです。また,企業は企業で,日本の司法試験は受からないので,海外の大学に行かして,向こうの司法試験を受けさせています。日本の司法試験に受かっている人数よりもアメリカの法曹資格を持っている人の方が社内にたくさんいるのです。このように法曹に対しては多くの社会的なニーズが実際にあるのですが,司法試験も含めて,法科大学院制度は,そのニーズに対応し得るような制度設計になっていなかったのです。社会的なニーズをシャープに捉えなかったため,あのような妥協の産物のようなものが出来上がり,失敗に陥ったのです。
それから最後にもう一つ申し上げます。ニーズというものは,当然のことながら時代の変化により変わっていきます。ニーズが変わっていくということは,学校自体をすごくフレキシブルな立てつけにしておかないと柔軟に対応できません。プログラムがどれだけ柔軟に変えられるか,教員の雇用形態も含めて,柔軟性のある組織にしておかないと変わりゆくニーズには対応できません。既存の大学は柔軟な仕組みとはなっていないので,是非,新機関はフレキシブルな対応が可能な設計としていただくようお願いします。
【永田部会長】  最後のポイントについては,中央教育審議会総会の方でもありました,スピーディーな意思決定が可能となるような機関を求める意見と同様かと思いますので,今後の検討すべき課題とさせていただきます。
それから,初めに言われた御意見については,1ページ目の「はじめに」の一つ目の丸の第2段落のところに書いていることかと思います。本文にはうまく出ていないのだと思いますが,その精神はあるということで,今回は御理解いただきたいと思います。
それでは,金子委員,どうぞ。
【金子委員】  今の冨山委員のおっしゃったことは,私は大変共感するところがあります。大学で教養と言っているものが実際は全く教養になっていないところがあるのではないかということなどは,非常に共感しつつ,現在の大学に対する批判として受け止めました。ただ,今想定されている新しい実践的な職業教育機関が,冨山委員がおっしゃっているような構想に沿うものになるのかどうかということは,私は全く分かりません。例えば,基礎的な判断をするために重要な知識とか,あるいは簿記をやることを通じて,いろいろな判断能力を養うとか,そのようなものは,ここで要請されている実践的な職業知識から出てくるような知識とは違う性質のものではないでしょうか。先ほどからいろいろと議論されているのは,むしろ実践知と称して,職業に実際に関わっている人しか教えられないものがあり,それは体系化された学術では教えられないものだという議論で,職業実践に関わっている人が現場に出てきて教えれば,多分,何か訴えるところはあると思いますし,学生も学ぶところがあると思います。ですが,先ほど委員がおっしゃっていたようなこれから必要とされる,一定の軸を持った知的基盤たるものというのをこの新機関では本当に教育し得るのでしょうか。そのような制度を作れるのでしょうか。この新たな機関が冨山委員のおっしゃるようなものを教授し得る制度設計になっているようには私は思えません。その点で相当大きなイメージの違いがあるように私は思います。
【永田部会長】  麻生委員,どうぞ。
【麻生委員】  4章にもつながっていく話としまして,12ページの3の「大学体系への位置付け」に関して意見を申し上げます。この新機関がもし大学になった場合には学位授与機関になるというのは,当然のことでありましょう。ただ,現在,大学院では博士と修士,大学では学士,短期大学では短期大学士という学位が授与されている一方で,高等専門学校は準学士,専門学校は専門士,高度専門士の称号が授与されているのみです。これは称号でございまして,実際に3年次に,大学の編入を考えた場合,これには全く学位としての差がありません。3年次には編入できます。それから,大学院に入学しようとした場合,新たな高等教育機関は学位授与機関になると思うので,特に問題なく学士相当が出るでしょう。また,高度専門士については,その称号を得たら大学院入学資格を得られるのに対し,短期大学や高等専門学校の専攻科は,学位授与機構という教育機関とは別の機関に学士の学位を授与されないと,大学院に進めないというような制度になっております。このような制度上の問題について現状認識を13ページのところに何らかの記述をしておかないといけないのではないかと思いますし,また,新機関の制度設計案,すなわち4年一貫課程においては,前期課程の修了で自動的に短期大学士相当の学位と大学編入学を得られることなどについては,現行制度ともよく比較,勘案されながら検討するべきではないかと思います。現行の各学校制度における課題についてよく認識,検討されないまま,新しい高等教育機関が安易に出来上がってしまうというのは大変問題だと考えております。
【永田部会長】  学位等の問題については,22ページの最後のところに今後の検討課題としております。今後検討を続けていきたいと思っております。
そのほかいかがでしょうか。もしよろしければ,第4章の方に主軸を移してお話を進めたいと思います。御質問,御意見等ございますか。川越委員,どうぞ。
【川越委員】  18ページの下の方で,地方に関して記述いただいたことは高く評価したいと思いますが,地方創生という言葉がどこにも出てこないのは安倍政権時代の短命な言葉だという,そういう評価ゆえなのでしょうか。18ページの下の方のパラグラフの2行目の「つながっている状況がある」の後ろ辺りに「地方創生の観点から地域産業を担う」というような記述があると有り難いと思った次第でございます。
それから,教員のことなのですが,今,全国の専門学校の先生方が大きな不安に陥っております。それはこの大学が出来上がったときのことです。大学を出て3年,5年,現場で働いたIT技術者が情報系の専門学校で15年,20年,教員をやって,今40代半ばで教務課長をしつつ,現場で教員もしている人と,大学を出て,大学院に進んで一生懸命論文を書いて,助手から講師になって,やっと准教授になった40代半ばの人がいた場合,新機関では,この准教授が上に,教務課長は下に置かれるというようなことが想定されますが,私としては,実践的な職業教育を特徴とするこの新機関において,そのような対応は余りよくないのではないかと思います。専門学校の先生方は今このような取り扱われ方をすることを非常に恐れています。専門職の大学ということを考えますと,現場で実務家教員として長くやってきた人と,学問研究型の大学の先生とが,一定のレベルで並ぶという考え方が必要なのではないかと私は思います。
そういった意味で少しよく分からないのが20ページの一番下の箱の部分です。職制や職階,資格基準については,大学・短期大学と同様にすると書いてあって,その下には実務経験を適切に評価すると書いてあるのですが,これは矛盾しないことなのかどうなのかというのを承れればと思います。
【永田部会長】  今の御意見の前半部分は各設置者が考えることだと思います。それから,20ページに関する御指摘についてですが,職制や職階を既存の大学等と同様にすることと,資格審査の際に実務経験を適切に評価することは,当然両立することでありまして,矛盾することではありません。特に資格審査については,これからよく検討される必要があると思っております。それでは,千葉委員,どうぞ。
【千葉委員】  18ページのところの教員組織についてお話をさせていただきたいと思います。今,川越委員の方からも話がございましたけれども,今回,新機関において実務者を育てていくということになりますと,社会の変化に迅速に対応した教え方をしていかなくてはならないというところから,従来の大学のように,全員が研究者教員で,博士号をもった教員というような形でやっていくということはふさわしくないと思っておりまして,その中で,これは先読みになりますけど,ある程度の割合については修士以上というような形にするべきではないかと思っております。また,18ページの5行目以下のところにあります文章を見ましても,教員組織ということが書いてあったり,あるいは配置ということが書いてあったりしますが,この辺については割合というような形に置き換えることはできないのかと思っております。何を申し上げたいのかというと,例えば,MOOCSのような通信を使った授業ということも今はあり得ますし,現在でも放送大学等々の授業を活用するということも一般的に行われておりますので,教員配置ということではなく,この授業科目については何割以上を研究性の高い教員が教えるというような形の規定に置き換えていただくと,運用がしやすいと思いました。
以上です。
【永田部会長】  教員組織というのは,要するに,教育を担当する人々が責任を持って,カリキュラムやその他のことを決めていく組織ですから,当然置かれるべきものであると思います。ただその配置基準に従い,具体的にどのような教員を置くのかというのは設置者によるものだと思います。
安部委員,どうぞ。
【安部委員】  15ページの身に付けさせるべき資質・能力に関しまして,アの条項では,いわゆる実践的職業能力の要素というのが4項目きっちりと書き込まれております。これは大学等の高等教育機関で,ある専門分野の職業的な力をどのようなものと捉えて身に付けさせるのかというもので,これはこれで結構なのですが,新機関が高等教育機関であり,大学として位置付けられるならば,既存の大学の学士とは少し異なる職業実践力を備えた学士だとしても,既存の大学と同様,汎用的能力というものは社会で働く職業人として共通に身に付けさせるべき能力ですから,これについては,もう少し詳しく設定,記載すべきではないかと思っております。
それともう一点,先ほどの地方のことなのですけれども,18ページで,当然地域のニーズに対応した機関であるということをこの機関は標榜(ひょうぼう)するということなのですけれども,この教育課程の編成に当たっては,実業界,産業界との連携を要するというようなことは書かれている一方で,地方自治体,地域の人たちの要求を盛り込むべきことについては全く書かれていません。ほとんどの地方には中小企業,あるいはいろいろな専門職分野に通じた事業所等がありますので,そのようなところの人たちの意見を聞きながら,教育課程を編成するということも重要ではないかと思いますので,地域というのを新機関の教育内容の部分にももう少し強化して書いていただくといいのかと思います。
以上です。
【永田部会長】 小杉委員,どうぞ。
【小杉委員】  私は社会人の学び直しに大変関心があるのですが,19ページから20ページにかけて,基本的な設計は賛同するところなのですが,一つだけ意見を申し上げます。ここでは他の高等教育機関との連携に関して,連携先を高等教育機関に限ってしまっているのですが,職業能力開発に関わる学校,省庁系の大学校等においても,実践知というところについては,かなり充実した教育が行われているのではないかと思いますので,これは今後の課題ということで結構なのですけれども,単位互換等については,そのような他の能力開発に関わる機関との連携というのも今後考えるべきではないかと思います。
【永田部会長】  ありがとうございます。大変参考になる御意見でございます。
そのほかいかがでしょうか。相原委員,どうぞ。
【相原委員】  19ページの丸3の社会人の学び直しの関係について1点だけ意見を申し上げます。第2章のところでも,日本はOECD諸国において25歳以降の学び直しの割合が低いということをしっかり書いていただいています。そこからスタートしている点はよろしいかと思います。ただ,前回も,学び直しについて障害となっているのは具体的に何なのかという話がありましたが,受入れ側の問題なのか,それとも個人の問題なのかということについては,様々な公表資料を見ても,学び直しの気持ちはあってもやはり外部環境によりなかなかそこにたどり着かないというのが現実かと思っています。一つは,今の企業の中における働き方の問題で,長時間労働という制約条件があります。もう一つは,費用が高いということもいろいろなところで明らかになっています。この2点をクリアにしていかないと,絵に描いた餅になってしまうのではないかという気もしておりますので,環境整備という点で,具体的な記述をし,社会的なインパクトをここから発信していくということも大変重要ではないかと思っています。したがって,費用面での低額化はもとより,有給の教育休暇の制度化や,労働時間の上限設定など,そういう歯止めのようなものの必要性についても併せて主張することが重要かと思います。そのような社会的なインパクトもいろいろなところで発信していかないと,一億総活躍にもなかなか行き着かないのではないかと思っています。
もう一つは,実践知と学術知の関係についてですが,私は新たな高等教育機関は,実践知を基にして考えていくべきだと思っています。現実として,職場で起きていることは一人一人の能力開発の中で起きる暗黙知を形式化することの連続なのです。それを形式化した途端に成長が止まるのではなく,更に深掘りし,その中で定理や新しい論理を発見していき,またそれで伸びていくというようなことの連続だと思っておりますから,学術知と実践知を対抗的に捉えるということには違和感があります。実践から入っていった学術的なものはたくさんあります。実践の中における論理や定理を深掘りし,それを社会の資源とするということがこの新しい大学に求められているものではないかと私は思っており,余り対抗的に考えない方がいいと思います。
【永田部会長】  御意見として賜ります。
益戸委員,お願いします。
【益戸委員】  二つのことをお話ししたいと思っております。一つは総会でも指摘が出たと先ほどお聞きしましたけれども,評価,質保証のことです。以前も申し上げましたが,何をやるにしろ,最後の出口のところの評価ですとか,質保証ということは非常に重要です。そもそも新しい制度の新たな高等教育機関というのは,出来上がって,卒業生が出るまでには随分先になるわけですが,そうしますと,この報告書の中でも3ページの一番下のところに注意書きの中にキャシー・デビッドソン教授の2011年にアメリカの小学校に入学した子供たちの65%は,大学卒業後,今存在していない職業につくだろうという予測を書いてあるわけです。ということは,新機関が養成した人材を社会に送り出すこと,すなわち結果が出てきて,社会から評価されるようになっている頃には彼らは随分違う職業に就いているということも想定されると思います。そういうことを踏まえますと,21ページの例えば質保証の仕組みというところの中の35行目前後に出てくる情報公表の義務付けについては,現在実施しているのと同等,又はそれ以上に充実したという表現が書かれていますが,私はこういう表現では,まだまだ不足しているのではないかと思っております。
それから二つ目は,どうやって新しい制度,高等教育機関を世に知らしめていくかということについて,更に深く踏み込む必要があるのではないかと思います。23ページ,最後のところに基盤整備とあって,例えば行政との関係,経済,産業界との関係の話が出ているわけなのですが,私,地方に住むようになってからつくづく感じることは,情報伝播(でんぱ)の量と質の違いです。例えば地方ですと,チャンネルの数が少なかったり,マスコミの媒体が少なかったりして,東京,首都圏で得られているのと同じ情報の量と質というものはなかなか手に入れることができません。この新機関に関する情報というのも,最新の情報がいち早く入ってくる東京在住の人やこの場で議論をしている私たちが思っている以上に地方では取得されにくいということです。
私は以前,この新たな高等教育は,ある意味では新しいライフスタイルの変化であるとか,新しい価値観の創造につながるものである旨申し上げました。新機関の創設というのは,初等中等教育局から高等教育局,そして,生涯学習政策局まで,一貫してつながるような大変大きな制度設計の改革ではないかと思うのです。そうしますと,従来のような各省間,あるいは行政間,ないしは地方の意見を聞きましょうというレベルのものではなくて,もっと多くの情報を全国的に同じように与えながら,各関係機関や団体の意見を取り入れながら作っていくということが必要なものなのではないかと思うのです。もう一歩,最後の部分には踏み込んだ記述が入るとよいか思います。
【永田部会長】  ありがとうございます。最後の部分を充実させようというのは,今の益戸委員の御意見,また,先ほどの相原委員からの御意見にも出てきたような内容,つまり,社会的に認知をして,サポートしていくというか,そういうことがしやすい環境を作るというのは,新機関自体の制度設計と同時に重要なことかと思います。また,先ほど総会にもありました,実は,制度全般の中で財政措置等についてももっと踏み込んでほしいという意見もありました。最後のところで社会への要求というか,こういうものを作るのだから,こういう環境の整備をしようということをもっと書き込んでいけたらとは思います。
鈴木委員,どうぞ。
【鈴木委員】  新機関の各基準については,全般的に,既存の大学,短期大学の設置基準の水準を踏まえながらも考慮するといった形で,基準自体が少し緩くなるような形の記述となっているのですが,質保証のところでは他の事項とは異なり,既存の大学や短期大学より少し厳しくすると書いてあるのですけれども,これに関して特に憂慮されるのは現場における実習です。インターンシップというのか,現場実習というのかは別として,こういうものを,長期で行うとか,義務付けるとかする際に,そこにおける質保証というのは非常に重要になってくるのかと思っているのですが,その辺のところを,制度の設計の中にきちんと入れていく必要があると思っておりますし,最後の質保証のところでもきちんと検証していくということが非常に重要なのではないかと思っています。
先ほど看護師の話が出ましたけれども,以前,看護師の教育は非常に実習期間が長かったのですけど,非常に安い労働力として学生が使われてきたという歴史もありますので,その辺のところも踏まえて,現場実習の質保証というのは非常に大事なのではないかというふうに思います。
【永田部会長】  それでは,金子委員,お願いいたします。
【金子委員】  制度の問題についてお話ししたいと思うのですが,先ほどから何回も問題になっていますのは,新しい機関が既存の大学とどう違うのかというところです。この点について様々な意見が出ています。余り違わないのではないかという意見もありますし,全く違うものとして設定するべきだという意見もありました。ただ,そのときの全く違うものとして設定するというのが,何が決め手になるのか,私は非常に抽象的に聞こえてしまって,よく分からないのです。制度的にそれを表現できるのかどうかということが,私は問題だと思います。
特に先ほど実践知と学術知は離すべきではないというお話がありましたが,まさにそのとおりなので,きちんと離せるのであれば問題はないのですが,実践知と学術知というのは,むしろ互いに密接に絡み合っているもので,分離すべきではないと思うのです。それを分離するということを前提とした制度をつくるというのは難しいのではないかと感じます。私はいろいろな要素が組み合わさっているのが,現代の高等教育であって,高等教育機関も必ずしも大学と言われなくても,省庁大学校や高等専門学校などの高等教育機関等も様々ありますから,今の問題は,そういったものが少しずつ性質を違えながらシステム化していくことがよいということなのだと思います。例えば実習の授業だったら,互いにとり合ってもいいとか,そういったことがだんだん進んでいき,さらには,互いに進学してもいいというようになっていく,こういう流れというのが,国際的に言えば,学士への統合ということになるのだと思います。
新しい高等教育機関を作ることについて考える際,既存の大学と分けて設定できるかどうか,まだ議論の余地が相当あると私は思いますが,少なくとも,大学を含めたシステムの中に,いかにきちんと融合していくのかということはしっかりと検討する必要があると思います。その間の協力関係をどう作るかということは,やはり前向きに考えれば非常に重要な点ではないかと思います。そういった意味では,既存の大学にもかなり改善できる点があるわけで,大学に入ると職業教育が職業教育でなくなってしまうという話がありますが,私はそれはごく一部の話だと思います。ただ,どうしてそういう傾向が一部にあるかといいますと,大学は学部,学科という学問でできた組織でやっているわけで,それが職業教育になじまないという点があるのは事実だと思うのです。ただ,学校教育法を見ても,教育課程というのを設定できることになっていまして,実践職業教育課程を4年制大学に作っても全くおかしくないのです。私は新しい種類の大学ではなく,そういったものを想定すべきだと思います。実習上の工夫もそのようなプログラムの中でできるようにすればいいと思うのです。だから,新しい機関を作ってはいけないということには必ずしもならないかもしれませんけれども,少なくともそういった形で,大学制度全体として統合化されるというイメージを持って議論すべきだと思います。
以上です。
【永田部会長】  ありがとうございます。今の点は非常に重要で,設置するときの問題です。学部という単位が教育課程あるいは人事組織と一体化,硬直化していくという問題です。根本的に大学の方も考えなくてはならないことなのです。せっかく新しい機関を作るのであれば,この際,法律にまで関わる問題ですから,是非ともこの点,これから検討事項としていきたいと思います。それでは,前田委員,どうぞ。
【前田委員】  今までのお話と少し重なるところもあると思うのですが,法科大学院ですとか,専門職大学院の認証評価等に関わった経験からすると,一度設置してしまったものを後から認証評価でそれ以上のことを求めるというのは非常に大変なことなのです。今までのように設置認可のハードルが高いのがいいのかというと,個人的にはどうなのかと思う部分もあるのですが,一定程度の要件として満たしていたら認めざるを得ないといったことではなく,もう少しビジョン,すなわち一体どういう人材を養成しようとしていて,それを満たすだけの力がどうあるのかというところまできちんと見た設置認可というのが必要なのではないかと思いました。
【永田部会長】  ありがとうございます。今の御意見も総会でも出ていた意見で,設置はスピーディーに,しかし,改善するための審査も今までとは違うようにやってほしいというような要望かと理解します。特に認証評価で出てきた結果をいかに改善に結び付けるかということについては,実はここで話している以上に,違う大きな枠組みでの話合いをしていただかないといけないわけです。このこと自体は,また別の部会の所掌ですから,我々としては,今の御意見等についてはしっかり書いて,こういうものでなければいけない,こういうふうにしたいということを主張していかなくてはなりません。
それでは,冨山委員,どうぞ。
【冨山委員】  細かい話で恐縮なのですが,20ページ目の教員のところで,「大学・短期大学制度における職制,基準と同様とすることを基本とする」と書いてあるのですが,既存の大学・短期大学制度の職制,基準がしっかり機能しているのであれば,また,実践知を教える高質な教員というのが既存の大学でもこれできちんと担保されているのであれば,結構ですが,そうでないから,今この問題というのが出てきているわけで,そうだとすると,既存の基準を「基本とする」ということで本当にいいのであろうかと思ってしまいます。
大学制度における職制,基準の詳細というのを私は知らないので,何とも言いようがないのですが,私もACCELとかの審査員を務めて思うのが,すばらしい教授と一般に言われている人は,どうも教えるのがうまいと思えない人が結構多いということです。あるいは,例えば産業化でイノベーションにつなげましょうという議論をしていても,私は学理研究をして論文を書きたいというような本音が垣間(かいま)見えるのです。
ここでは,何をもって「同様とすることを基本とする」と言っているのか,よく分かりません。水準を高く設定しましょうという意味では私も賛成ですが,向いている方向が大分違っているのです。先ほどの実務家教員と研究者教員のどちらが上かというような議論がありました。専門学校でずっと一生懸命教員をやってきた人がPh.Dを持っている人の下に置かれてしまうのかということだったかと思います。例えば経営学の世界で言えば,あえて傲慢な言い方をすると,日本のどのビジネススクールの経営学でも,私は非常に高い教える能力があると思います。
私は,結構いろいろな大学で教えていますが,大学で教えるとき,100人以下の教室の場合,全部ソクラテス・メソッドでやっています。学生は皆,「このような授業は初めてです」と言います。私としては,ビジネススクールの授業で,ソクラテス・メソッドでないことなどあり得ないと思っているのですが,そういう意味では,この新機関もビジネススクール同様,従来の大学とはかなり違った要求というのをしないと成果は出ないかと思います。
それから,次のページです。同じ脈絡で,教育条件なのですが,「施設設備,校地・校舎面積については,大学・短期大学設置基準の水準を踏まえつつ」とありまして,「水準を踏まえつつ」という役所言葉がどういう意味を持つのかよく分かりませんけれども,例えば今はインターネットなどがあり,自宅からでも授業へのアクセスというのはできるわけですから既存の大学のような立派な校舎が要るのかというふうに思えてしまいます。それから,個人的に東京大学の授業で一番不要だと思ったのは体育実技です。なぜあのような運動を大学生になった者たちがやる必要があるのかと思いました。校舎,運動場など必要なのかとは思いつつ,実際,既存の大学でもどのような基準なのか,私もその詳細は分からないので,断言まではできませんけれども,ただ,既存のものの水準を踏まえつつということで,安易に既存のものを踏襲せず,きちんと必要な部分,必要でない部分を整理,理解した上で立脚すべきところのみ既存の制度に立脚することとしてほしいと思っています。
最後に,質保証の仕組みです。これは先ほどどなたかがおっしゃいましたが,世の中,これだけスピーディーに変わっていくと,社会に出るときには,社会が先に変わっているわけです。そうすると,カリキュラムを考えるときに先取り能力というものが大事になってきまして,要するには4年後,5年後,あるいは5年後,10年後にどういう仕事が要となっているのかということを,ある意味先取りして大学という機関が先行的に変わっていく必要があると私は思っています。その観点で言うと,日本の大学は変化への対応が遅いです。例えば,観光学についての対応も,今更という感じが否めません。観光学で教えている中身も,何年前の話をしているのかといった内容の大学ばかりです。そういった意味合いで言うと,やはり質保証の仕組みの中に柔らかさとか,スピード感に加えて,プログラムの中にどれだけ先取りできるかという観点を入れてもらうといいかと思います。
以上です。
【永田部会長】  後半部分は設置者の問題も含んでいるかと思います。前半部分の教員や校地等の問題については,今後,検討を進めるべきこととして,このように書かせていただいております。地方では,そんなに大規模な校舎は作れないという話もあったかと思いますので,現在の水準を一つのひな形として,詳細な設計は今後検討していくものと御理解いただいて,先へ進ませていただきたいと思います。
永里委員,どうぞ。
【永里委員】  皆さんがいろいろおっしゃっていることはもっともなことです。それで,私はそもそも論に返ってみたいのですけれど,実践的な教育を行う新たな高等教育機関のニーズがあるのかということについては,実はこの特別部会が始まってから少したったときに日本経済団体連合会の方でアンケートをとったことについて,この前,申し上げました。既存の体系でいいという企業と新機関をつくった方がいいという企業は半々でした。
ただ,例えば4ページに今後の職業人材養成の在り方として書かれている,「変化への対応を求められる中で事業の現場の中核を担い,現場レベルの改善・革新を牽引(けんいん)していける人材の養成強化を図ることが課題となる」という部分についてはまさしく産業界として,あるいは企業としてニーズがあることですので,そのような人材養成を行う高等教育機関というのは必要なのですが,よく考えてみたら,それは既存の高等教育機関,すなわち現行の大学でもできることではないかとも思えます。しかし,先ほど冨山委員がおっしゃっていましたように,東京大学や慶応義塾大学を出た学生たちがこの辺の能力があるかといったらないわけで,既存の大学がそういった期待に応えていないのです。現場の中核を担い,現場レベルの改善・革新を牽引(けんいん)していく人材のニーズはあるが,ニーズが満たされていないというのが現実であり,そのことはもうはっきりしています。
そう考えますと,既存の大学とは別に新たな高等教育機関が必要ではないかという議論になってくるわけです。産業界としては,新機関がしっかりとした教育機関として産業界のニーズに応えた質の高い卒業生を社会に輩出してくれるならば,新機関から学生を採用します。新機関は,長期インターンシップなど,既存の大学以上に求められることがたくさんありますが,きちんとした質保証があれば,産業界はこの高等教育機関に対しては必要性を感じ,歓迎するものと思います。
以上です。
【永田部会長】  ありがとうございます。佐藤委員,どうぞ。
【佐藤委員】  財政措置についてきちんとするようにということについては,総会でも強い意見がありました。今の私学助成は制度開始後40年ほどたつわけですが,最初は収入の50%程度だったものの,今や10%に届くか届かないかといったところで推移しており,新機関に対してここから配分するとか,あるいは国立大学の運営交付金を削って配分するような政策はとっていただきたくありません。財政措置については現行の高等教育の枠組みとは別な形できちんととっていただきたいというお願いをしておきます。
【永田部会長】  ありがとうございました。総会でもそういう意見が強く出ておりました。
本日は皆さんからたくさんの御意見を頂きました。文章自体を直さなくてはならないものというのは比較的少なくて,引き続き検討しなくてはならないことがまだまだ多くあるということであったかと思います。本日,問題提起いただいたことをこれから審議経過報告の取りまとめの後も,詰めていかなくてはならないと思っております。それをお約束いたしまして,本日はここまででお開きとさせていただきます。事務局の方から次回の開催について御案内をお願いします。
【塩原主任大学改革官】  次回,第11回の会議の日程を御案内させていただきます。次回は,2月26日金曜日,朝10時から12時まで。場所は,文部科学省3階講堂での開催予定でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【永田部会長】  それでは,今回の会議は,これにてお開きとさせていただきます。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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生涯学習政策局参事官(連携推進・地域政策担当)付

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-- 登録:平成28年05月 --