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実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会(第7回) 議事録

1.日時

平成27年11月13日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 3階講堂(東京都千代田区霞が関3-2-2)

3.議題

  1. 新制度の制度設計について
  2. その他

4.議事録

【永田部会長】  それでは,定刻になりました。第7回実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会を始めたいと思います。
今回は,前回に引き続き,制度設計の議論を続けていきたいと考えております。
最初に,本日の配付資料についての御説明をお願いいたします。
【塩原主任大学改革官】  お手元の配付資料の御確認をお願いいたします。
配付資料,座席表及び出欠表に続きまして,本日の議事次第,配付資料は,議事次第にありますとおり,資料1から資料4までの各資料でございます。
また,委員資料として,麻生委員,内田委員から,それぞれ資料を御提出いただいております。
最後に机上資料でございますが,次回の会議日程についての御案内を1枚配付させていただいております。
配付資料は以上でございます。
【永田部会長】  ありがとうございます。
前回,論点の1から3までを集中的に議論をしたわけですが,とりわけて論点1,本当に基本の部分についてですけれども,たくさんの御意見を頂いています。その論点1については,これから簡単に御説明していただきますが,多様な意見を踏まえた資料となっております。この論点1については,この後に議論する論点に関わっているので,これは確定版というわけではありません。一旦このような形で置いておきます,本日は,積み残している論点4以降について議論することとして進めさせていただきます。ただ,当然ながら,論点4以降の議論の中でも,論点1に関わるものも出てくると思いますので,それは適宜ということになります。基本的には,まだ議論をしていない論点について御意見いただき,また最後に論点1に戻るということで進めさせていただきたいと考えています。
それでは,論点1を中心に,資料1から3について御説明を頂きたいと思います。
【塩原主任大学改革官】  それでは,配付資料の御説明をさせていただきます。
本日の資料でございます。まず,資料1でございますが,こちらは,第4回以降,毎回配付しているものでございますが,制度化に当たって想定される論点の全体像でございまして,このうち論点1から3までは前回会議までで既に御議論いただいているところ,論点4以降につきまして,本日,引き続きの御議論を頂きたいと思っているところでございます。
続きまして,資料2-1でございます。資料2-1の論点1,養成する人材像・身に付けさせる資質能力についての論点整理の資料でございますが,前回会議では,特にこの論点について,事務局が提出しました資料に対して特に多くの御意見を頂きました。そのような御指摘を踏まえ,本日またそのリバイス版を配付させていただいた次第でございます。この論点1は,全ての論点についての入り口であると同時に,各論点とも相互に表裏の関係で関わるものでございますので,先ほど,部会長からも説明がありましたように,一通り最後の論点まで御議論いただいた後に,改めてもう一度この論点に戻ってまいりたいと思っているところです。その意味で,本日の資料2-1は,修正途上のものではありますが,本日の議論の際のベースとなる現時点版として御参照いただければと思っております。
それでは,まず論点1の1,養成する人材像についてですが,こちらにつきましても,前回会議で御指摘のあった点を踏まえまして,人材養成の視点として,まず四つの視点を明記するような修正を行いました。
四つの視点,1から4でございますが,一つ目は,スペシャリスト指向の若者のための魅力ある進学先を提供するという視点でございます。
二つ目は,変化の激しいこれからの経済社会において,それらの環境変化に主体的に対応し得るような職業人の養成を行うという視点でございます。
三つ目は,社会人の学び直しを支援するという視点でございます。
そして,四つ目は,それらの人材育成を通じて産業競争力の強化や地方創生にも貢献していくという視点でございます。
こうした視点を踏まえまして,その下の囲みでございますが,三つの点から養成すべき人材像のイメージを示しておりまして,その一つ目の黒丸,これは主に企業等の中でこの人材が,形,役割を意識した人材像のイメージでございますが,スペシャリストとして高度な技能等を強みに事業実務の主力を担うとともに,例えば,生産・サービスの工程を改善する,洗練された技術・ノウハウによって優れた商品サービスを提供する,新たな付加価値を創造する,新規事業を創出するなど,事業活動における新たな価値の創造を先導するような役割を担うことができる人材が一つ目の視点でございます。
二つ目は,これは個々の職業人としての観点からの人材像でございますが,生涯にわたる職業生活を通じて,自らのキャリアを主体的に切り開いていける人材ということでお示ししています。
そして,三つ目でございますが,これらを通じまして,我が国の経済成長,地域の発展にも貢献することができるというようにまとめているものでございます。
2ページ目は,身に付けさせる能力についてでございます。
こちらにつきましては,おおむね前回と同様,囲みの中の黒丸の1から5にありますような五つの柱で能力の柱を示しているものでございますが,このうち特に黒丸5につきましては,前回会議で学士力との関係について多くの議論があったところでございました。前回会議での議論も加えまして,「自立した職業人のための「学士力」育成」と銘打ちまして,とりわけ職業人の基礎的・汎用的能力の育成や,キャリアデザイン力の育成といったような観点から捉え直した新たな基幹型の学士力,新学士力のようなものをここに付けるような形で修正しております。
その他,各能力についての1から4までの見出しの付け方や例示の挙げ方等につきましては,修正しておりまして,最終的に黒丸1から4にあります専門高度化,実践力強化,分野全般の精通等及び総合力強化という四つの能力育成の方向性をもって新機関の特徴付けを図るというような形でまとめております。
なお,本日は,資料2-2を新たにお配りしております。この資料2-2のイメージ図でございますが,こちらは先ほど申し上げましたような能力を育成するためのカリキュラムの要素をイメージ図にしたものでございまして,1枚目の資料の赤い太い点線の部分は,4年制の新たな機関で教える範囲,その内側,高さ,幅ともに若干縮んでいる青の太線の部分は,2年制,3年制の機関で教える範囲という形で示しているものでございます。
このうち専門教育に関しては,真ん中の二つの縦軸に当たるわけでございますが,専門理論の高度化,実践力の強化を図って,スペシャリティーのとがった部分,高みのところを更に高めていくという形での要素がこの専門教育の部分としてございます。
その下,専門基礎のところにつきましては,その職業分野全般の精通等を図る,これは変化への対応や想像力を発揮するためのベースとなる幅を身に付けさせる,この部分に対応するものでございます。
また,基礎・教養につきましては,当然,教養教育も行うのですが,大学・短期大学が行っているような伝統的なリベラルアーツ教育のようなものは,この新たな機関のカリキュラムの範囲外としているような図となっているものでございます。
2枚目は,そういった新たな機関のカリキュラム要素の範囲を短期大学・専門学校のカリキュラムとの対比で示した図でございます。
3枚目でございますが,新たな機関のカリキュラムにおける専門と基礎の割合や実習・演習と講義の割合比などを,これも短期大学・専門学校と比較をしながら,大まかなイメージとして示したものでございます。
短期大学・専門学校との違いといたしましては,科目の割合比の違いというのもあるわけでございますが,実際の教え方,中身の違いもあるかと思っておりまして,仮に似たような科目名でも,短期大学は学術をベースにして教える,専門学校は実践知をベースにして教えるといったような違いがあり,更に新たな機関につきましては,学術と実践知の双方をベースに両者を融合させるという点に特徴がある,このようなことを考えているものでございます。
以上がまず論点1についての新たな資料でございます。
引き続きまして,本日の議題として御議論いただきます論点4以降につきましても,改めて論点整理,たたき台を配付いたしておりますので,こちらも御説明させていただければと思います。
まず,資料3を御覧ください。資料3,論点4から9まで,全体の論点のたたき台でございます。
まず,論点4,教員組織,教員資格等につきましては,こちらは前回の資料でお配りしたものと基本的に同じものでございまして,説明も繰り返しとなりますが,まず囲みでございます。教員組織に関する基準等につきましては,囲みの中,三つの黒丸にございますように,一つは,実務卓越性に基づく教員を新たな機関の教員組織の中に積極的に位置付けてはどうかということでございます。
二つ目は,教員組織の構成としては各分野の特性にも配慮しつつ,専任の実務家教員を一定割合以上配置することとしてはどうかということでございます。
更にその下でございますが,職業教育の高度化,職業教育における理論と実践の架橋を図るためには,それら実務家教員のうちにも研究能力を有する者が一定数含まれるようにしてはどうかということでございます。
更に三つ目の黒丸でございますが,最先端の実務に携わりながら並行的に教育にも当たるような教員を確保できるよう,必要専任教員数の中にそういった教員も参入できる,いわゆる「みなし専任」の仕組みを積極的に活用してはどうかということでございます。
2ページ目の,教員の職制,資格でございますが,黒丸の一つ目,教授・准教授等の職制や,職階ごとの資格基準につきましては,大学・短期大学のものと同様とすることを基本とすることとしてはどうかと示しております。
認可時の教員資格審査におきましては,実務家について,その実務卓越性に基づいて教員としての資格を適切に評価することとし,審査に際しては,例えば,保有資格,業務上の実績,実務を離れてからの年数などの業績,能力に関する事項をきちんと確認するようにしてはどうかということでございます。
その下,教員の質担保のためのその他の措置でございますが,ファカルティ・ディベロップメントによる能力向上,また,大学等での教職経験のない専任教員に対して,採用後の一定期間,研修を必要とするなどの措置を講じてはどうかということといたしております。
続きまして,3ページ,論点5は,教育条件(専任教員数,施設設備,収容定員)等に関するものでございます。
まず1の専任教員数でございますが,質の高い高等教育機関としての教育条件を備えるよう,現行の最低基準である大学・短期大学設置基準の水準を考慮の上,検討することが必要であると同時に,新たな機関では,常に最新の知識・技術等に対応できるような教員組織の流動性を確保することも重要ではないかとしております。専門的かつ高度な職業を担う機関として,一つの学部等当たりの収容定員が小規模になることも想定されるのではないかということでございまして,その下,囲みの中にあるように,2点まとめております。
一つ目は,必要専任教員数の設定は,おおむね大学・短期大学と同様の水準とし,小規模な学部等に対する基準の整備についても検討するとしております。
二つ目は,必要専任教員数に占める教授の割合については,実務家教員等を効果的に配置した多様な教員組織の在り方を可能とする観点から,適切な割合を設定することとしてはどうかということでございます。
2の施設設備についてですが,こちらにつきましても,大学・短期大学設置基準の水準を踏まえることが必要である一方,例えば,社会人も多く受け入れる,インターンシップなど学外で実施される教育活動も多くなる,人材需要の変化等に対応した短いサイクルでのカリキュラムの更新を求められる,大学・短期大学や専門学校に併設される場合も想定される等の特性を踏まえた合理的な水準に設定していくことが必要ではないかということでございます。4ページに,施設設備について,大きく2点ございますが,施設設備については,大学・短期大学設置基準の水準を踏まえつつ,質の高い職業人養成にふさわしい適切な水準を定める。例えば,図書資料等の種類等については,実践的職業教育の目的に合ったようなものにする。ないし,実習施設等につきまして,企業等の施設の使用等を認めるなどのふさわしい適切な設定を今後検討する必要があるのではないかということでございます。
また,校地・校舎面積についても,小規模な学部等に対する基準の整備についての検討等を記載いたしているところでございます。
続きまして,収容定員でございます。この機関の特性を踏まえ,2点記載しております。一つは,収容定員は各機関が学則で決定することとなりますが,例えば,前期・後期の課程区分を設ける際には,それぞれの課程の入学定員を,学則上,明示することとしております。
また,パートタイム学生の取扱いにつきましては,在学数算定をする際に,収容定員管理上,どのように扱うかということが課題となるところですが,例えば,同じ学生でもフルタイムで通学する学生と,年に数単位しか履修しないパートタイム学生とを,収容定員超過等を問題とする際に同じカウントでいいのかという論点がございますが,履修する科目数等の状況を考慮して,一定の按分(あんぶん)を行った上で参入するなど,適切な配慮が必要ではないかと考えております。
続きまして5ページ,入学者の受入れについてです。現在進められている高大接続改革の方向性も踏まえ,また,専門高校生の進学の受皿や,社会人の学び直し機関としての役割も踏まえて,大きく2点,囲みにまとめさせていただきました。
一つ目は,アドミッション・ポリシーの策定・公表でございます。これは大学や短期大学と同様,新機関においても義務付けることを前提といたしまして,その策定に当たっては,高等学校(専門学科・普通科)卒業後の学生,社会人学生など,学生像の類型に応じたポリシーを更に明確化するようにしていってはどうかということでございます。
二つ目は,入学者選抜につきまして,多面的な評価を行い,多様な背景を持った学生の受入れを促進することとし,例えば,資格技能検定等の成績等についても,この選抜の中で積極的に導入するよう推奨していってはどうかということでございます。
次に,7ページ,論点7の質保証の仕組みでございます。設置認可,情報公開,評価に関するものでございますが,これらはいずれも高等教育機関としての質の保証の観点から,それぞれ制度設計が必要ではないかということでございます。
まず,設置認可等でございますが,既存の大学設置基準等とは別に,質の高い実践的な職業教育を行う機関としてふさわしい設置基準を制定することとしてはどうか,その上で,その設置認可の認可庁は国(文部科学大臣)といたしまして,大学設置・学校法人審議会に新たな審査会を設けて審査を実施することとし,その審査会には,産業界の関係者等も参画するといったことなどを記載しております。
また,情報公開につきましては,7ページの下の教育情報の公表,8ページの上の財務情報等の公開とともに,いずれも大学・短期大学と同様,公表の義務付け,ないし積極的な公表の促進を図ることとしてはどうかというものでございます。
8ページの下,評価につきましても,国内的・国際的通用性の確保の観点から,大学・短期大学と同様,自己点検評価及び評価機関による認証評価を義務付けることといたしまして,特に認証評価につきましては,専門職大学院における認証評価のこれまでの取組等を踏まえつつ,分野別質保証の観点を取り入れた評価についても,その効果的な導入の方法を検討するとしてはどうかということでお示しさせていただいております。
次に9ページ,論点8,その他の制度設計でございます。
まず,研究機能の位置付けにつきましては,新たな機関では,伝統的な大学とは異なり,とりわけ教育機能に主要な重点が置かれるという特徴がございますが,同時に,各職業分野における最新の知識・技能等を体系化や,職場の暗黙知を形式知化するなどの研究機能が,教育の質向上を図る上でも重要となってくると考えているところでございます。
また,新たな高等教育機関を,学位授与を行う機関とする場合には,国際的通用性の観点から,学位授与等の専門的事項の取扱いは自律的に行う仕組みが必要となると考えるということでございます。
このようなことから,その下の囲みでございますが,新たな高等教育機関の目的には,「研究」も含まれるものとし,教育機能に比重を置きつつも,教育・研究を一体的に実施する,こういった形にすることが一つです。
また,教育研究機関としての自律性の確保という観点からは,これは教育課程の編成・実施に関し,企業等の参画を得る体制を構築しつつ,教育研究機関としての自律性は確保することといたしまして,学位授与等に関しては,教員による専門的な見地からの審議を行う体制,教授会で審議するような体制を制度的に担保することとしてはどうかということでございます。
その下,対象分野等でございますが,様々な分野での同制度が活用されることが望まれること,また,高等教育機関としての公共性,継続性・安定性を確保するようにする必要があること等を踏まえまして,10ページに記載をしているものでございますが,まず,対象分野の取扱い,制度としての職業分野の限定は行わないとしております。
設置形態につきましては,設置者は,国・地方公共団体及び学校法人とし,所轄庁は国とするということで記載しております。
大学院につきましては,4年制の課程を有するものには大学院を置くことができることとするなどといった点を入れております。
最後,11ページ,他の高等教育機関との関係,産業界との連携についてでございます。
まず,他の高等教育機関との関係につきましては,他の機関との連携等を促進する観点から2点記載してあります。一つは,各機関の間における修業年限の通算や,相互の転学,単位互換等を可能とする仕組みを整備して連携教育を促進するということでございます。
そして,既存の大学・短期大学を設置したまま,一つの学部・学科等を転換させる等して,新たな機関を併設することも可能とすることといたします。
産業界等との連携に関しましては,産業界に対して多面的な連携体制の強化に向けて積極的な取組を期待することとしております。
制度化に当たっては,産業・職業分野別団体等による支援・協力体制の構築に向け,行政レベルでも省庁間の協力を推進するということといたしております。
以上,各論点についての論点の整理,たたき台でございますが,それぞれの論点についての参考データは資料4の方でまとめておりますので,適宜,御参照いただければと思います。
説明は以上でございます。
【永田部会長】  以上,本日の,論点の骨子をたたき台としてお示しいたしました。
これから論点4から順番に議論を始めていきますが,それに先立ちまして,内田委員,麻生委員からの意見書が提出されていますので,これについて御説明を頂きます。
内田委員からの論点は,全体にわたるものの,主に論点9に関係しているものかと思いますので,論点9に入る際に御説明を頂きたいと思っております。
一方,麻生委員から御提出の意見書は,全般にわたっておりまして,それぞれ一つずつを議論するということはできませんが,これからそれぞれの論点に議論を進めていくわけですから,一度御説明を頂いて,詳細はそれぞれの論点の中で議論をしていきたいと思っております。
それでは,麻生委員の方から,簡単に提出資料の説明をお願いいたします。
【麻生委員】  貴重な時間ですので,簡単に説明をさせていただきます。
最初にお断りしておきたいことは,今までの有識者会議,それから今までの論点整理の内容も含まれており,今後,議論すべきことも入っておりますが,短期大学,特に私立という立場から全体的に意見を書かせていただきました。
まず,1ページ目を御覧ください。これは短期大学の現行の制度であります。特に短期大学の特色としては,「深く専門の学芸を教授研究し,職業又は実際生活に必要な能力を育成する」という目的となっております。
修業年限が2年,3年,名称が短期大学で,学部を置かず学科を置くこととされております。それから通信による教育を行うこと,それから,大学の編入ができることとなっており,一般的には3年次に編入です。それから,8項に関しましては,大学院は持てないという規定でございます。
下に書いてある括弧書きの新たな教育機関の例は,飽くまでも私が仮称として名称も含めて書いたものでございますが,これは今後の論点整理になりますので,この内容につきましては,修業年限や名称,それから学部の関係は重要であると思います。さらに,大学院に関しましては,これからの論点になると思います。
2ページを御覧ください。
制度上の論点で,これも全般にわたります。本日の資料に入っているもの,それから,今まで整理されたものに関係しております。
設置基準を新たに作るということ,設置認可指針の明確化,教育課程の明確化,三つのポリシーの公表策定,内部質保証を行うための自己点検・評価,機関別並びに分野別の評価を挙げさせていただいております。
また,「教育情報」,「財務情報」,これらは既存の大学では公表が義務化されているところですけれども,それに加えて,「大学ポートレート」への参画というのも必要になってくるかと思います。
それから,これも次の論点になりますが,校地・校舎・図書館・体育館の適正な配置についてです。
また,一定の研究教育業績保持者と実務者のバランスについて,また,その資格審査の明確化についてもきちんと議論する必要がございます。
それから,大学になる場合は,教授・准教授・講師を置くことができる,助教の制度,これらの個々の資格審査基準はどうするのかというのも重要な論点です。
それから,これは私立の場合ですけれども,公認会計士による会計監査でございます。
12番目は,学校法人の場合,学校法人運営に見識のある役員「理事・監事」の選任すること,13番目は,「FD活動」と「SD活動」についてです。
それから次に,議論すべき内容と方向性ですが,今まで分野の限定をしないということで議論が進められてきましたが,実際は医学や薬学等は入らないようになっております。やはり気になる点は,現行,短期大学で既に学科があります芸術・体育・教養等の分野を新機関が含んでいいのかということも是非考えていただきたいと思います。
職業教育と資格教育がありますが,これは教育職員免許法や厚生労働省関係のものがありますので,その辺りの関係を明確化する必要があると思います。
次のページでございます。
一番上に書いてあるのは,今,大学ということで議論されていますが,場合によっては高等専門学校のように大学ではない学校制度も考えられるのではないかという意見でございます。
高等教育のみを行う学校教育法第一条に規定されている高等専門学校の2年制・4年制型というのも選択肢としてあるのではないかということでございます。
次の産業界との連携の関係に関しましては,これは重要なことだと思います。しかしながら,公教育を行う一条校の学校においては,特定の企業一社だけと連携することは公共性の観点から許容されるのかということについて議論すべきだと思っております。
次の丸ですが,今までISCED,OECD関係の資料で高等教育の分類がされていますが,是非,米国のカーネギー分類も活用していただきたいと思います。簡単に言いますと,ISCEDは修業年数を中心としたもの,カーネギーの方は学位を中心とした分類となっております。
これは最終的には名称の問題になるのですが,「専門職業大学」,「専門職大学」というものを考えますと,現在,専門職大学院はありますが,厳密に言うと,「専門職」と「専門職業」というのは,若干意味が異なるのではないかと思っておりまして,私の考えとしては新機関にふさわしいのは「専門職業」ではないかと思います。どのような名称とするのかについては今後の議論になると考えます。
インターンシップにつきましては,当然,企業に行くわけですから,その教育課程と指導資格並びに成績評価に関しても,ある程度考えなければいけないと思います。
次に,いわゆる教養教育の話で,これについてはこれから是非議論をしていただき,明確化してほしいと思います。
次に,教育職員免許法との関係です。大学になりますと,例えば,幼稚園教諭や小学校教諭等を含めた教育職員免許法との関係が出てきますので,現在,一部の例外を除きまして,教育職員免許法が適用される機関は限定されておりますが,新機関への適用についてもはっきりしていただきたいと思います。
次の前期・後期を置く場合,いわゆる学習成果の明確化をしなければいけないことは当然なのですが,この前期・後期の在り方は,今,議論されておりますけれども,これに関して前期完結型の場合と,連続型の場合は,三つのポリシーが少し違うのではないかと考えております。したがって,それを一貫性のあるもの,それから,完結型それぞれに関しての三つのポリシーを示す必要があるのではないかと思います。
次の丸は飛ばします。
次に,現在,短期大学設置基準におきましては,教授の数は基準の3分の1以上,4年制大学は2分の1以上と規定されております。新機関は2年,3年の場合と,4年の場合それぞれがあるのかと思いますが,そのところをどうするのか,大学や短期大学の基準も踏まえて明確化する必要があると思います。
それから,学内単位バンク等についてなのですが,これは重要なことだと思います。この取扱いに,ナンバリング制度を活用していただくことが必要ではないかと考えております。
それから,学位の表記の方法です。専門職大学院の場合と大学の場合は若干変わってきますので,例示させていただきました。
次に,下から2番目の丸ですが,短期大学士相当の学位とは何かについて是非お決めください。今,準学士を高等専門学校で出しておりますが,これは学位ではございません。短期大学では短期大学士という学位を出しております。新機関が出すのは学位なのか,短期大学士相当としていいのか,さらに,相当とは何かということです。
それから,学習成果の在り方を明確にしてください。
最後に一言申し上げます。今まで短期大学は,幼稚園教諭や保育士,栄養士,看護師や介護士人材の養成に取り組んでまいりました。「深く専門の学芸を教授研究」するという目的の下,職業教育,人材育成を行ってなってきました。是非この点を念頭に置いていただきたいと思います。
また,短期大学は実践的な新たな高等教育機関ができた場合は,既存の学校種の中で一番影響を受けます。影響というのは,短期大学にとって大変厳しい影響と,また,短期大学が今後これを活用していくという観点からの影響の二つがあると思っております。これを是非,考慮した内容にしてほしいということが私の意見でございます。全体にかかっておりますので,是非,全体を見ていただいた上で,今後の論点を整理していただきたいということを心からお願いし,私からの発表に代えさせていただきます。
【永田部会長】  今お聞きいただいたように,ほぼ全般にわたった内容になっています。ですから,ここで今の提案書についての議論はしないこととさせていただいて,それぞれの論点の中で,今の御意見も参考にしながら進めてまいりたいと思います。
これから論点4の議論に入らせていただきます。これまでの議論の中で,大枠はだんだん見えてきています。とにかく既存の大学と同じものを作ってはならない,何かしら明確な特徴のあるものにしようということについては,多分,皆さんのコンセンサスは得られてきているのかと思います。
なお,誤解や錯覚をされるといけないので一応説明いたしますが,先ほど説明のあった資料2-1の丸で囲った2・3年制,4年制というものは,年次進行で書いてあるわけではなくて,概要として4年制だとこのぐらいのことを学ぶ,2・3年制だとこのぐらいのことを学ぶという書き方です。現在,専門教育や基礎教育は,別に年次進行ではなくて,くさび形になっています。したがって,これは年次で書いてあるわけではなくて,全体のボリュームとして示しているものですから,その点,誤解のないようお願いします。
それでは,論点4の方に入らせていただきます。
論点4は,先ほどの資料3のトップページにありますけれども,教員組織及び教員資格等についてということで,もう一度目を通していただければと思います。そこに幾つかのたたき台としての案が示されております。例えば,一つ目は新たな高等教育機関における教員組織とは何か,二つ目は教授等の職制,あるいは教員の資格とは何か,それから三つ目は教員の質担保のためのその他の措置というような三つのまとめになっております。まず,この教員についてなのですが,これについて御意見を賜りたいと思います。
岡本委員,お願いします。
【岡本委員】  資料3の2ページで,教授等の職制,資格基準という四角の枠がありますので,これに関する意見を述べたいと思います。
現在,専門学校等を私も30年経営しておりますので,教職員の採用は相当数経験しているわけですが,それを踏まえてお話ししたいと思います。
大きく言って四つでしょうか。一つは,専門知識,専門スキル,これが最も重要な実務卓越性ということになるわけでありますが,当然,専門分野における実績であり,本人が持っているスキル,能力であり,あるいは,それを証明する保有資格であり,そしてまた,業界でどのような実績があるかということがポイントになるのだと思います。
例えば,私どもが教職員を採用する場合は,履歴書と,それに加えて職務経歴書ということで,その会社のどういう部門で,どういう職種で,何をやってきたのかと,その成果はどうだったのか,リーダーだったのか,リーダーの下でやってきたのかなど,本人について詳しく記述されたものを用いて面接をやっております。
恐らく新たな機関においては,それに加えて,やはり専門的能力に関する自らのアピールといいますか,分析してまとめる,そういうキャリアシート,そういうものが必要だと思いますし,また,その方が10年,15年,それぞれの業界や経済団体等,自身が属していたところで,いろいろやってきた中で,そういう団体等からどう推薦あるいは評価を受けてきたかというようなことが大事になるかと思っています。
それから2点目は,とかく専門性は優れている,専門実績はあるのだけれども,教える力,授業とか教育力,学生と向き合って指導できる力というのは,必ずしも専門性があるからといって備えているものではないのです。両方あれば,それはもうすばらしい先生なのですが,今回の新たな機関は,専門職業人の育成教育を主たる機能としますので,専門性があるだけではもちろん駄目なのです。教える力,学生に対する指導力がとても大事です。
では,どうやって指導力,教育力というものを測るかということですけれども,他の学校種等での教育経験があれば,それはそれで一つの参考にはなりますけれども,実務卓越性に秀でており,これまで企業でばりばりやってきた方を教授等で招くということになりますと,学校で教えた経験はないという場合がほとんどになるかと思います。しかし,私もITとかビジネスとか,いろいろな分野での面接をしますと,それぞれ会社で社員教育とか,研修とか,会社の内外で講師を経験している方というのが多いのです。そういう意味では,いわゆる学校教育ではない形での教育指導経験が,当然,上に行けば行くほどあるということです。学生に対する教育経験はないけれども,内外に対する社員の指導研修の経験はあるということで,そういう実績も見ていいのではないかと思っております。
3点目は,これは企業であろうと,学校であろうと,病院であろうと同じなのですが,その人の人間性,人柄,人間力,信頼性など,モラル,コンプライアンス,そして組織としての協調性を持って,チームワークをやっていけるかどうか,そしてまた,学校ですから,クラス経営,学年経営,学科経営,学校経営などといった,そういうマネジメント能力があるかどうかということです。一匹狼(おおかみ)で,自分は我が道を行くということではやはり困るわけであります。そういうところをどう見るのか。これはしかし,なかなか定性的な話でありまして,これをどう書面上で見るか,あるいは認可申請上見るかというのは,なかなか難しい問題なので,これは恐らくそういう先生を採用する学校,学園側の裁量によるのかとは思っております。
それから4点目は,学歴と基礎学力であります。どのような学歴要件にするかというのは,今後の議論にしたいと思っておりますが,私ども専門学校においても,やはり大学,大学院,専門学校卒等々の教員がおります。
学歴と言う場合,私は二つあると思っていまして,どの学校で学んできたかという「学校歴」と,その学校の中でどのような内容を学んできたのかという「学習歴」です。日本ではとかくいわゆるブランドということで,「どの大学を出たの?何学部?」ということで終わってしまうのですが,それは私に言わせれば,学校歴であって学習歴ではないのです。私どもは,やはり面接等しますときは,学校歴も重視しますが,そこで何を学んできたかということで,学習歴も重視しておりますし,また,社会人になってからの基礎学力,応用能力,やはり文書作成能力がないと,あらゆる仕事はできませんので,そういうことを重視していきたいと思って教員の採用を行っております。しかし,これもまたそれぞれの学園の採用基準になろうかと思いますけれども,学歴要件は後で議論していただければと思っています。
それに加えて,研究歴の話を一言申しますと,やはり学問の研究ではなくて,これは職業教育に資する研究,あるいは,その業界,産業,産業教育,職業教育に資する研究というのが適当であると考えます。研究といいましても,大学の研究者と専門職大学の研究職と,やはり当然,研究の意味合いが違ってくると思いますので,新機関の教授や教員というのは,学問体系の研究ではなくて,実践的な職業,産業,職業教育に資する研究ということを見ることになろうかと思っております。
以上4点,大事なポイントだと思っているところを述べさせていただきました。
【永田部会長】  どうもありがとうございます。
少し時間が掛かり過ぎると先に進めなくなってしまうので,より簡潔に御意見をいただければと思います。そのほかいかがでしょうか。
それでは,金子委員,お願いします。
【金子委員】  1ページの一番下に,みなし専任を積極的に活用というところがあるのですが,確かに実務家教員というのは,パーマネントに学校に採用した場合には,実は実務家ではなくなってしまいますので,数年で実務の先端とは関係なくなってしまうという問題があります。そういう意味で,実務に実際に携わっている人が片側で教員をするというのは非常に重要なコンセプトで,むしろそちらを主流にやるべきだと私は思います。しかし,それを専任と考えるかどうかについては非常に大きな問題があって,このみなし専任というのは,机上に大学設置審査要覧がありますけれども,この622ページに,大学等の教員組織に関する法律の執行例がありまして,そこでみなし専任というのは,かなり制限をかけているわけです。みなし専任というのは,別に職業を持っている企業人を,実態としては専任ではないけれども,専任とみなすこともあり得るということを言っているのですが,もう一方で,これに対してある程度の制限がなければいけないということを言っています。これは非常に重要でして,なぜかというと,みなし専任を余り緩く使ってしまうと,非常に片手間に大学教育に携わる人ばかり出てしまう大学ができてしまうわけです。実際に専門職大学院の一部にはそういったところがありまして,教員の平均給与が4万円とかいうところがあるのです。大学経営上も非常に,ある意味ではこれができれば楽なわけでありますけれども,逆に言えば,それは非常に質的な低下をもたらす一つの抜け穴になってしまうのです。
そういう意味で,みなし専任制は,私はこういった高等教育機関を考える場合には重要だと思いますが,これに対して余り無制限であると,非常に大きな問題を生じさせてしまうということを申し上げております。ここについては,この段階での記述においても,慎重な書き方が必要だろうと思います。
【永田部会長】  ありがとうございます。
その御意見を入れるとすると,最後の文章のところが少し変わるのでしょうか。
千葉委員,お願いします。
【千葉委員】  2ページのところの実務家教員の資格審査のところに,「実務を離れた後の年数」というのがあります。今回の新しい学校種については,ほとんど全てが新設ということになるわけですけれども,そのときに大学・短期大学あるいは専門学校から移行していくときに,実務を離れてからの年数というのが,今,ばりばり教員をやっていても,その人は10年後に再審査をしたときには,実務を離れてから10年以上たっているというようなことになってしまいます。その場合に当該教員は10年以上実務から離れているので適当ではないとなってしまっては,教員を確保することが非常に難しく,極端なことを言うと,教員を全部入れかえなければいけない,そのような形になりかねなくなってしまいますので,ここに「「実務を離れてから○年以内」等の基準を明確化」と書いてあることについては,当面については何か移行措置みたいなものを設けていかないと難しいのではないかというふうに思います。
【永田部会長】  千葉委員としては,移行措置を設けた上で,実務から離れた年数も実務家教員の基準とするべきではないかという御意見ということでしょうか。
【千葉委員】  はい。
【永田部会長】  確かに,その点は明確化しないと,何年も前の人だということになってしまいますので,やはり一定の基準は必要なのでしょう。
【千葉委員】  そういうことでございます。
【永田部会長】  そのほかはいかがでしょうか。
鈴木委員,お願いします。
【鈴木委員】  職制と資格基準なのですが,採用時ということを考えればいいと思うのです。その後の昇任,昇格とかを考えたときに,今の大学でも実務家教員とアカデミック教員の中での問題というのが出ているのですが,研究業績は非常に見えやすいので昇任の条件になりやすい一方で,実務家教員の場合,そこのところが上がってこないとなかなか昇任しないということで,実際,実務を教えているような大学においても,そこのところの行き違いが出てくるというところを十分考えて制度設計しないと,やはりアカデミック教員が上の方を占めてしまって,実務家教員が数年ごとに替わって,職位的には下になるという形で,今,大学での問題と同じようなことが起こりかねないという懸念がございますので,その辺りを考慮した制度設計をする必要があるかと思います。
【永田部会長】  そのほかいかがでしょうか。
今のポイントは,多分,先ほど岡本委員が言われたことに関連しているかと思います。
川越委員,お願いします。
【川越委員】  先ほど,岡本委員の方から出た専門学校の教員の要件に一つ足すとすると,学生を指導する能力というところではないかと思っています。要するに,社会人として社会に出ていく最後の学校になるべき学校でありますので,やはりきちんとした生活態度を養うというような学生指導能力が既存の大学よりも必要とされているのではないかと思います。専門学校でも専門の知識能力,授業する能力,カリキュラムを作り上げる能力,そしてもう一つ,学生指導の能力というところを非常に重視しておりますけれども,職業専門の大学にとってもこの能力というのが必要なことではないかと思います。
それからもう一つ,評価ですが,例えば私どもの学校ですと,研究授業,授業参観,学生アンケートを三点セットで,不定期ではありますけれどもやっておりまして,そういったことをすることと,それから,今考えていますのは,やはり数量的評価ができないのかということでございます。これは大学になじまないとおっしゃるのかもしれませんけれども,例えば,入った学生の能力を把握した上で,どこまでその学生たちを伸ばすことができたのかということを,例えば出席率,退学が少ない,検定にどれだけ合格させたのか,就職はどうだったのか,生活態度はどうなったのかというようなことを数量的に評価することも可能だと思っておりまして,そういうことができれば,今おっしゃった常勤,非常勤,専任,非専任ということの質の平準化というか,そういったこともできるのではないかと思っています。
【永田部会長】  そのほかいかがでしょうか。
千葉委員,簡単にお願いします。
【千葉委員】  やはり2ページのところなのですけれども,教授等の職制,資格基準についてというところで,その文章にあります資格基準あるいは各大学・短期大学における職制基準と同様という,その職制基準の資料を是非出していただきたいというふうに思いますので,次回,用意できれば用意していただきたいと思います。
【永田部会長】  多分,第1回に資料が出ていたかと思います。
【千葉委員】  そうですか。
【永田部会長】  そのほかいかがでしょうか。
それでは,益戸委員で最後にさせていただきます。
【益戸委員】  教員の議論で重要なことは,どのような学生を社会に輩出できたか,と関係すると考えます。教員の責任は非常に重たいものだと思います。卒業生がその後どうなったかは,その教育機関が社会でどのような評価を受けるかにつながります。したがって,その結果に対して責任を持てる教員が重要ではありませんか。そうすると,その学校に対する評価機関の議論もリンクするポイントだと思います。
【永田部会長】  ありがとうございます。
今,頂いた御意見を,一言でまとめてしまうと,評価ということが大切だということを皆さんおっしゃっているわけです。
資質に係る必要条件に関しては,もう当たり前だという部分があって,教育者としては当然であろうということだと思います。
問題は,評価に関して,必要十分条件の十分条件の方については,御意見がいろいろとあり,実例もありましたけれども,最後に益戸委員,あるいは千葉委員から伺ったように,そういう定性的なものをどうにかしてある定量的な形に見せられるような工夫がないと,容易ではないということだけ申し上げておきたいと思います。
先ほど,岡本委員がおっしゃったのは,実務能力,実務スキルの部分を,研究能力,研究スキルに置き替えると,実は全く大学・短期大学の教員と同じだと思います。また,千葉委員,あるいは川越委員が言われた学生のことをきちんと親身に思って考える,これもそうです。そうすると,能力を測るという部分は何で測るかということは非常に難しいと思います。それをどのようにしていくかというのは,今後またディスカッションする必要があると思います。
よろしいでしょうか。
多分3のポイントのFDなどはやって当たり前だということだというので御意見が出なかったのだと思います。
それでは,もし思い出されることがあれば,また追加でいただければ結構かと思いますけれども,論点の5番目の方に移動したいと思います。
論点の5番目ですけれども,これは教育条件についてです。これは専任教員数とか,施設設備,収容定員といったかなり具体的な問題に踏み込んでいます。全ての論点が終わらないとこの具体的な数値というのは設定できるものではないと思います。したがって,この論点5については,大きな枠組みだけで今回は議論をしたいと思います。そして全体がまとまったときに,例えば専任教員はこの規模なら何人だとか,学生は何人だったら何だという細かいところを施設も含めて議論したいと思います。この論点5は,1番のところで専任教員について,2番については施設設備について,そして3番目で収容定員というこの三つの観点で一応たたき台を作っています。
それでは,このそれぞれの観点あるいは複合でもよろしいですけれども,御意見を賜りたいと思います。いかがでしょうか。
難しいでしょうか。難しいというか,今度は余りに急に具体的な数などに関わることが出てきたので,御意見を出しにくいのかもしれません。例えば,専任教員の数というところは,枠の中を読んでいただいた方が分かりやすいかと思います。小規模の学部等に対する基準の整備についても検討する,それ以外はおおむね同じとするというふうにあります。その下の方は,多様な教員組織の在り方を可能とするという観点は必要だということを述べているわけで,具体的な数というものは,多分すぐにはおっしゃっていただけないかもしれません。しかし,こういう多様性を確保するべきだとか,あるいは,是非ともこういう人を入れるべきであるとか,そういう御意見でいいと思うのですが,いかがでしょうか。
寺田委員,お願いします。
【寺田委員】  小規模の学部等に対する基準の整備とありますが,今回のこの新機関に関しては,実践性及び専門的職業教育というところに特化したものですので,以前どなたかがおっしゃっていましたけれども,いろいろな多様な学科から構成されることになりますので,この点の配慮は非常に大事だというふうに思います。
一案として,先週末も韓国で聞いたり,見たりしてきたのですが,15あるいは20の倍数というものが基準かという気がします。
理由を申し上げますと,特に実習などを現在でも高等専門学校,短期大学,専門学校で行う場合,大体20人で編成していて,授業を見ていても,15人ぐらいが非常に妥当な規模なのではないかと感じます。ということから言いますと,最低1クラスが成立しないと学科にならないと思いますので,15若しくは20の倍数が妥当なのではないかと思うわけです。かつ,前期・後期という言い方は妥当ではないかもしれませんが,2年若しくは3年課程と,その上に連なる学士課程,1年ないし2年というものに関しては,当然,同じ学科編成をしたとしても,規模を変えることになるのではないかと思います。後期課程の場合は主に社会人等の入学ということを見込むわけですから,それほど大きなものができないということなので,別の定員ということを考えてはどうかというふうに思います。
以上です。
【永田部会長】  ありがとうございます。
教育の実効性の観点から,15あるいは20の倍数がいいのではないかということでした。
金子委員,どうぞ。
【金子委員】  施設設備のところですが,ここには企業等との設備の共用ということが書いてあるのですが,私は実際にこういう大学ができる場合に,具体的な場合を想定すると,かなり多くの場合は,既存の専門学校とか,あるいは大学と併設して作られる場合が結構出てくるのではないかと思うのです。その場合に,施設設備の既存の学校との併用についても一定の基準を作るべきではないかと思います。株式会社立大学は,専門学校と同じ建物で,ほとんどバーチャルに同じ施設を使っている場合があって,それは施設設備を活用するという意味ではいいのですが,ある意味では基準が非常に甘くなる可能性を持っているわけです。それについてやはり考えるべきだと思います。
それともう一つ,収容定員ですが,パートタイム学生については,按分(あんぶん)と書いてありますが,私は,収容定員の考え方自体が,パートタイムとか社会人履修に余り向いていないのではないかと思うのです。やはり人数では,フルタイムを想定した考え方ですので,社会人が大部を占める場合には,むしろ修得単位とか,そういったことを基準にするなどといった考え方も必要ではないかと思います。
以上です。
【永田部会長】  ありがとうございます。
収容定員のところは,これを按分(あんぶん)しないことで,後々の財務状況の問題とかにも関わるので,安易に按分(あんぶん)するのは難しいかもしれません。
施設に関しては,また時間があれば御意見を伺いたいと思いますけれども,大きな意味でこの大学の人材育成の目的に鑑みて設定はしていかなければいけないだろうとは思います。
千葉委員,お願いします。
【千葉委員】  手短に申し上げますけれども,先ほど,麻生委員の資料にも,施設設備のところで,体育館だとか,図書館だとか,既存の大学に必要なものを基本的には設けるべきだというお話がありましたけれども,今回の質の高い職業人の養成というところに,どこまでそういうものが必要なのかというのは,少し検討が必要なのではないかと思います。
外国のことを例に挙げてはいけませんけれども,ニューヨークのパーソンズのような世界的に高度なデザイン人材を輩出している大学,そういったところには,そういうものは別に用意をされていません。今回のラーニング・アウトカムというところだけを考えたときには,体育館等々の運動施設がそこの新しい学校種の卒業生にどのような影響を与えるのかというようなことについては,少し検討の余地があるのではないかと思います。
あともう1点,4ページの方で,上の方の四角の中に,「企業等の施設の使用等によることを認めること」というのがございますけれども,これについては,想像するところ,インターンシップということが恐らくここには関わってくるのであって,企業の施設を実習場として使うということは,基本的には何か想像できないのですが,この辺の意味合いについて何か説明があれば教えていただきたいと思います。
以上です。
【永田部会長】  岡本委員,どうぞ。
【岡本委員】  寺田委員が1クラスの人数について言及されたので,私の考え方を述べたいと思います。大学等ではやはり50人とか80人とか大きな教室もあると思いますけれども,専修学校は40名以下ということになっておりますので,大体40名以内で授業を行っているわけですが,40名というのはやはり教室の広さとか,環境とか,一人の先生が教えられる力とか,そういう意味では,非常にいいと思います。ですから,やはり40人とか50人というのが一つのクラスの基準であり,10人とか15人というのは,専門学校でもやっている場合はありますが,それは語学の場合とかに限ってです。語学は,かなりインタラクティブな授業になりますので,そういう意味では,20人とか20人以下というのは合理性があるのですが,一般的な実習等でも,30人から40人は十分展開できると思いますし,国立大学のように,幾らでも税金を投入できて,一人当たり300万円掛かってもいいというような学校は別として,今回の機関も多くは私学が担っていくということを想定すると,やはり教育環境ということに加えて経営も考えなければならないので,15,20人規模では成り立たないと思います。
もう1点,校地・校舎ということについて,基本的な考え方を申し上げたいと思うのですが,やはり校舎の中で教室,実習設備,それから図書室であるとか,職員室であるとか,保健室とか,そのような要件定義をしっかりして,学生の教育環境を十分保証できる校舎や設備とするにはどうするかということで考える必要があると思います。
いわゆる校地については,今,大学などでは,私もよく学会等でお邪魔するのですが,国立大学も相当,山奥にあるところもあって,市街地からバスで30分,帰りはタヌキが出るから,あるいはイノシシが出るから気を付けてくださいなどということを言われるところがあります。大学は大学でそういう立地をされているところがあるわけですけれども,やはり今回の新たな高等教育機関は,産学連携をテーマとする実践的な職業人の育成,しかも社会人の学び直しということもありますので,やはり産業の集積地あるいは地方においても都市部,一定の学生,そして企業があり,インターンシップあるいは企業実習等が積極的にできる,こういうことが必要ですから,一律に北海道から九州,沖縄まで,一人何平米とするのはどうなのかと思います。小規模等の学部にも配慮するというふうにうたわれておりますので,ここで数字を一々議論することはないと思いますけれども,考え方としては,新たな設置基準が大学・短期大学とは別に必要になると,このように考えております。
以上です。
【永田部会長】  米田委員,お願いします。
【米田委員】  施設設備のことで一言申し上げます。例えば,前の資料を見ますと,工業系の大学等も含めて,実験・実習等にかけている割合が随分少ないというデータが出ております。実際,工業系の大学でも高度な実験設備等を行うものはあるけれども,一方で,工業高校でやっているようなものづくりのベースを成す,そういう基本的な技能的なものを習得するための設備はないというようなケースも結構見られるようであります。そういう意味では,例えば工業系の専門的な力を付けるところであれば,設備を充実させるというようなことは当然必要になるわけなのですが,一方で,技術がどんどん進んでいくと,それに対応できるような設備に更新していくことは難しいということになると,やはり企業その他の施設等をいろいろタイアップしていくということは当然必要になってくると考えております。言うまでもないことだと思いますが・・・。
【永田部会長】  ありがとうございます。
ただ今の設備の更新の観点は大変重要な問題で,2年たったら役に立たないというようなものはたくさん出てくるので,そういう意味で,いろいろなものを活用するというのは重要だろう,そういう御意見かと思います。
國枝委員,お願いします。
【國枝委員】  専任教員のところで一つコメントを申し上げたいと思います。今回狙っている職業系の大学では,分野が,その時代,その時代に適応して変わっていく必要があるという意味で,教員の流動性が確保されるということが非常に重要になってくると思います。それは実務家教員の枠は特にそうだと思いますが,そうでない場合も含めて,一度雇ったらパーマネントということにならない有期限の雇い方をする教員の割合を最初から念頭に置いておく必要があるのではないかということは考えています。
【永田部会長】  ありがとうございます。
國枝委員からの御意見は,なかなかシリアスな問題で,多様性を確保しなければいけないし,その教員のことも考えなければいけないということが出てきてしまいます。なかなか一筋縄ではいかないかもしれません。
先ほど,岡本委員から言われたことを聞いていて,そのとおりだと思う部分もあるのですが,我々は今,枠組みを作っているので,都市部に限定した話でもなくて,ひょっとすると山間部に作るものもあるわけです。ですから,ここで作っているのは,どんなところが申請をしてきても,きちんと手当てできるように作らなくてはいけないわけです。私たちは政策をやっているわけではないので,その学校法人がどのような形でも志を持ったものが立てられるように枠組みを作らなければいけないということなので,それで先ほど言ったように,数とか面積とかについて,いきなりここで議論することはほとんど不可能です。やはり全体の話としてこういうタイプのものはこうだというようなことについてまとめていくものだと思っておりますので,今回は具体的な数字とか,そういうことは抜かせていただいています。
収容人数についても,経営的な基盤という観点からの議論も当然あり得ますし,学生の教育の実効性という観点からも当然論じなければならないと心得ておりますが,場合によっては人数が多い方が有効であるといったこともあるのです。ただ,先ほどおっしゃったように,インタラクティブな場合には少なくなければいけないということなので,これも今,具体的な数字を挙げて議論するのは難しいかと思っております。
あえてこの論点5で何か追加の御発言があればお受けいたしますが,いかがでしょうか。
長塚委員,お願いします。
【長塚委員】  現状の各機関の規模を考えると,例えば大学は国立の場合には総合系は多いので平均7,000名ぐらいいると思うのですが,私立は三,四千名です。短期大学は確か1,000名ぐらいが平均だと思うのです。専修学校は200名でしょうか。ですから,規模によってどれだけのことができるかという,それによっても考えなければならない面があるだろうと思います。先ほど,冒頭に短期大学の御説明がありましたけれども,単純に考えれば,短期大学規模程度が標準的には必要なのではないのかというような思いがいたしますけれども,しかし,もしその規模に達していなくても,ほかの高等教育機関との連携でできるというような後段の論議がありますので,そういうこともむしろいい形で捉えて,そのような場合はどの程度のことを当該教育機関が果たさなければならないかということを考えていけばいいと思います。実態からも考えていくべき必要性があるだろう,こう考えるわけでございます。
【永田部会長】  ありがとうございます。
内田委員,どうぞ。
【内田委員】  先ほども実務家教員で大変難しい議論が出てまいりましたけれども,ドイツが実は専門教育が非常に進んでいまして,皆さんも多分御存じだと思うのですが,専門教育の中で会社に出して教育をしてもらうという制度があります。そこではまさに会社が教育するわけですので,最先端の教育ができます。会社で学ぶのがおおむね8割ぐらいで,残り2割ぐらい学校で基礎理論を勉強するというものです。その辺も参考になると思います。ただし,教育ができる会社や人については,国などでその資格をきちんと決めています。会社側としては,自分たちが教育を担っているという自負と同時に,その後に就職をしてくれる可能性もあるといったメリットがありますので,その辺のことも一つの参考になり得ると思います。
【永田部会長】  ありがとうございます。
川越委員,どうぞ。
【川越委員】  規模の話ですが,専門学校は今,200人ぐらいが1校当たりで言うと適正な経営規模と言われています。それは与えられている条件が違うということだと思います。これまでの専門学校というのは比較的軽装備で,しかし補助金はなく,授業料だけで経営しているという状況の中で言うと,1校当たり200人ぐらいが最低限の経営規模かと思います。もっと小さい学校を私も持っていますけれども,やはり経営的な観点からすると200人が適正規模といえるでしょう。
ただ,今回の大学は,本当に職業教育の高等教育機関という考え方をすると,例えば,ごく極端な例を言うと,義肢製作などということになると,それほど大きな人数が来るわけはないので,余り規模というものをこれ以上みたいに限定はしない方がいいのではないかと思いました。
【永田部会長】  いろいろ分野によって違うのではないでしょうか。先ほど言ったように,どのようなものが希望を出してきても対応できるようにしなくてはいけないので,それぞれの事情は設置審議会で審議をすることであって,ここではやはり精神としてどうなのかということを議論させていただいているということを再度申し上げておきます。
この問題は,もっと詳細が決まってきたら,実はもっと白熱した議論になるのだろうと思っています。その前にアウトラインを眺めていくことで,ここに対する議論もまた変わるのかという思いもあります。少し先に進ませていただきたいと思います。
次は,論点6でございます。これは入学者の受入れということで,一般の大学についても,今現在,高大接続改革ということで,いろいろな意見が出ています。そういうものも背景にありますから,ここが新しい大学の一翼を担うということであれば,そういうものにもある程度,影響されるのは当然のことだと思います。しかし,その影響されることを今話しても仕方がなくて,アドミッションに関しての基本的な考え方が重要ということで議論をさせていただければと思います。そこに黒枠で囲って,一例を示しておりますけれども,御意見いかがでしょうか。
読む時間を少しとっていただければと思いますけれども,それほど違和感のあることはここには書いていないように思います。
北山委員,どうぞ。
【北山委員】 私は経済界の人間ですので,社会人の学び直しを促進するという観点から意見を申し上げますと,黒枠内の,多様な背景を持った学生の受入れという点については賛成です。
前回の部会は欠席させていただいたので,もしかしたらディプロマ・ポリシーの方でも議論されたのかもしれませんが,社会人が学び直す場合には,アドミッション・ポリシーといった入り口の部分に加えて,出口以降がどうなるのかという点が大きな関心事になると思います。
従来,ビジネススクールなどの専門職大学院での学び直しが余り進んでいない理由として,日本では修学内容に対する社会的認知が不十分で,卒業後の,いわゆる出口以降の評価に結び付かないということが,いろいろな調査やレポートで指摘されています。これには企業の方にも問題はあると思いますが,つまり課題は,学び直したものが生かせる道筋が見えづらいということだと思います。いきなりヨーロッパの資格枠組みのようなものができるとは思いませんが,後の論点9には,産業界との連携を強化するということで,ラーニング・アウトカムを明確化すべきといったことも書いてありますので,新たな高等教育機関で学んだことが,卒業後にどういった付加価値として評価されるかという点について,産業界と十分に議論していただきたいと思います。
【永田部会長】  つまり,そういう人材を教育するためのアドミッションなので,全部つながっていることですので,問題ございません。
今,北山委員から言われたのは,普通の大学も短期大学も専門学校も,きちんと再考しないといけないポイントです。
この新しい職業教育を行うところに入ってくる方に,こういう大学なのでこういう試験をします,あるいはこういう方を受け入れますということをしっかり示すということ,結局そこなのです。それはここに書いてあるような社会人も含めて,詳細は各大学が定めるわけです。ここに書いてあることを各大学が書くわけではないのです。私の大学は社会人しか入れませんというような大学があってもいいわけであって,それは各々が選択するわけです。ですから,そういう意味合いでいろいろな大学の設置が申請されるときに,ここに書いてあるようなことは必ず触れるようにということを言っているわけです。
いかがでしょうか。
安部委員,どうぞ。
【安部委員】  結局この学校が受け入れるのは,実践的な職業人になりたいという人なのです。そうすると,実は論点5にも関係があるのですが,一般の大学に行かないような,例えば専門高校等の卒業生を受け入れるということが想定されるわけですけれども,これについて一言申し上げたいと思います。金子委員の調査の中にありますけれども,日本の大学生は学習時間が非常に短いと言われています。恐らく新機関に入ってくる学生は入試の圧力がない学生なので,勉強の習慣が付いていないと思います。そうすると,この新しい機関というのは,専門分野の実習室とか,実験施設とかというのがあるのは当然なのですが,プラスして,学生が学べるような環境,例えば図書館,あるいは,今,大学で行われておりますようなアクティブ・ラーニングをやるような施設など,そういうものを絶対附帯すべきではないかと思います。今までの典型的な高等教育機関には進学しないような学生を受け入れるというような機関であれば,ラーニング・コモンズという言葉もありますけれども,そういうところの整備は必要になってくるのではないかと思います。
以上です。
【永田部会長】  論点5に追加する大変良いコメントというか,大切なコメントだと思います。
また,論点6の方とも関わるものと思います。入学者のことを思うと今のようなコメントが出るのかもしれません。
ほかにいかがでしょうか。
大枠の入学者の受入れの策定に関して,こういうことを気にして策定しなさいということはあっても,それぞれの個々のアドミッション・ポリシーは個々の大学が作るのであって,うちは何々に優れた学校としてこういうことを教えます,こういう方を募集しますというわけです。余りここについて,逆にこちらからこういう高等教育組織を作るときには必ずこういう文言を入れるべきだとして縛るというのは,それは違うと思います。今ここにあるのは,こういう観点のアドミッション・ポリシーを書くようにということです。
それでは,永里委員,お願いします。
【永里委員】  今も社会人の学び直しは行われていまして,大体,大学院の方に行っている人が多いのですけれども,この人たちは,非常に目的意識があって習っています。だから,普通の学生の人たちよりもモチベーションが高いので,私はここに書いてあるような書き方でいいのだろうと思います。要するに,社会人の方は自分が会社を辞めて,若しくは辞めるというのは会社を本当に辞めるという意味ではなくて,少し学びに行きますということですが,それをそのまま1年,2年学びに行くこともあるし,夜間に行くこともあります。こういう人たちのモチベーションはすごく高いので,この書き方でいいのではないかと思うのです。社会人の学び直しに関してはそう思います。
【永田部会長】  ありがとうございます。
金子委員,どうぞ。
【金子委員】  私は高大接続にもずっと関わってきましたので,一言だけ申し上げておきますが,今度のこの機関の基本的な精神として,一般的な学力と言われているものだけではなくて,むしろ意欲を評価するということが基本的な姿勢だと思います。ただ,高大接続の場でいろいろと議論されてきましたが,高校でも学習の目的が曖昧化されてしまって,基礎的な学力を確保できなくなっているのではないかということは非常に重要な論点でありまして,そういった意味で,高等学校基礎学力テストを導入するというのが筋合いであり,基礎学力を決して軽視するものではないという姿勢は基本的にやはり重視していただきたいと思います。
【永田部会長】  それは間違いないのではないかと思います。
長塚委員,どうぞ。
【長塚委員】  私も高大接続の方の会議に出ているのですけれども,そちらでは,アドミッションよりもディプロマの方が非常に重要だというふうに私は思っているのです。ここは入学者受入れという枠組みの論点なので,そういうふうになっているのですけれども,新たな大学を出たら,社会が本当にそれを評価するというような仕組みになっているということが,社会人が辞めてまで入りたいと思いを起こすわけです。評価されるから学び直そうというインセンティブとなるのです。ですから,どちらかというと,専門高校を出た生徒が入るような機関ということで,学力のまだ伴っていない生徒を中心に考えていると,新たな機関が国際的に見たときに余り評価されない機関,社会からも評価されない機関になっていってしまいます。専門高校からの生徒ももちろんそうですが,普通高校に行こうと思っていた生徒が,この大学に行ったら,将来本当に評価されるのだ,ディプロマが厳しいのだというような,そのような側面をむしろもっときちんと出していく方が,この大学の価値が高まっていくのではないかというふうに思います。
以上です。
【永田部会長】  それは先ほど,北山委員からも御意見がございましたけれども,社会が認めるシステムとして並行してやっていかなければいけないということでしょう。大学は頑張る,だけれども,社会がそういうものは一切関係ないとしてしまってはうまくいかないということだと思います。
寺田委員,どうぞ。
【寺田委員】  今の御意見と反対の方かもしれませんけれども,アドミッション・ポリシーを明確にするというより,アドミッションの中身をある程度明確にすべきではないかと思います。ただ,基本的にはアドミッションというのは各機関が自主的にやるものですから,詳細は最終的には学校ごと,大学ごとに決まっていくのだろうと思うのですけれども,ガイドライン的なものがあってもいいのかなというふうに思います。
具体的に言うと,これはやや極論ですが,基本的にペーパーテスト,入学試験というのはなくてもいいのではないかということを申し上げておきたいと思います。
むしろ高等学校までの成績であるとか,それから,その後の社会人としての職務経験であるとかそういうことを評価するべきではないかと思うわけでして,何度も外国の例を出して恐縮ですが,ドイツにしても,アメリカのコミュニティ・カレッジにしても,それから韓国にしても,いわゆる特段厳しいペーパーテストでふるいにかけるというようなことはやっていなくて,経験及び従来の成績と面接で選考する形となっているようです。そういうことも参考にしてみてはどうかと思いました。
ただ,前期課程の場合,今おっしゃったように普通校から来るような生徒がいるので,最低何かのチェックがやはり要るのかとは思います。
それから,これは前回に申し上げるべきことだったのですが,教育課程というより,授業の開講形態に関してなのですけれども,今も何人かの方がおっしゃったように,社会人の学び直しというようなことを考えた場合,夜間ということが想定されるわけですけれども,そういうことがどこにも記載されていなかったかと思いました。
ただ,大学院,社会人の大学院等の教育を経験している関係から言いますと,今,社会人と言いましても,多様な職務形態の方がいらっしゃって,夜間というように一律に限定する必要は全くないのではないかとも思うわけです。むしろこれは教員の負担が大変過剰になるのですが,昼夜開講という発想で,当然その中に夜間も入るということで進めてはどうかと思うのです。職種によっては昼間から勉強したいという社会人もいらっしゃいしますし,そういう弾力的な開講形態というのがあってもいいのではないかと思います。
以上です。
【永田部会長】  それは法人にすごい負担をかけるかもしれないことですので,法人が選ぶことなのでしょう。
【寺田委員】  そうかもしれません。
【永田部会長】  永里委員,追加で何かあれば,どうぞ。
【永里委員】  誤解があってはいけないのですけれども,アドミッション・ポリシーをきちんと書いてもらう,これでいいのですけれども,学び直しの社会人の方は,自分で選ぶわけですから,魅力がなかったら行かないというだけの話です。先ほどの発言はそういう意味の発言です。誤解なさらないよう,お願いします。
【永田部会長】  そういうことなのでしょう。全くそのとおりだと思います。
今の寺田委員の意見について,一つだけ申し上げます。私自身には予想がつかなかったことで,普通高校の生徒を選抜するところに工夫が要るというのは,なかなかユニークだと思いました。私は普通高校の生徒がこの新高等教育機関へどんどん行くようになったらいいと思っていましたので。
そのほかはいかがでしょうか。
この会議には,大学関係者も企業の方もいらっしゃいますけれども,18歳で本当に人生の職業が決まるかというと,なかなかまた難しい部分があるのかと思います。あるときはあることをぐっと真剣にやっていただければいいのだけれども,しばらくして,こちらも勉強し直したいといって社会人になってまた勉強し始めるという,このようなパターンもいいのだろうと思うのです。ただ,普通高校を出て,全然見ず知らずのこういう職業に就きたいからここへ行って学ぶのだというときには,今,寺田委員が言われたように,何を試験するかというのは難しく,また選考する方も相当見極めないとその学生が途中で嫌になってしまうなどという可能性もありますから,なかなか難しい問題かもしれません。
そういう意味で,このアドミッション・ポリシーの後に,今度はアドミッションの方法そのものが各大学に問われることになるわけです。先ほど,永里委員が言われたように,すごく勉強意欲と学力が高いので,相当レベルの高い内容の授業を用意しないと,来てくれないのではないかという気がする部分もあります。そういうふうに魅力的な内容をしっかりそろえて学生を集めようとする大学はそのようにしていただければ良いと思います。
要するに,このアドミッションに関しては,個々の大学のポリシーと,それに見合った選抜方法というのが重要であり,それはディプロマ・ポリシーも十分考えた上で出す結論だというのが全体的な論調だったというように思います。
後ほど戻っていただいても結構ですけれども,もう少し先に進ませていただきたいと思います。
次は,論点7でございまして,これは質の保証です。
質の保証というのは,ここに述べてあるように,設置認可という観点,それから情報公開,評価という観点なのですが,実は質の保証というのは二つありまして,教える側と,もう一つは学ぶ側ということになっていて,ここで質の保証というのは,特に教える側の方を中心に書いているわけです。ここに書いてあるような論点について御意見を頂きたいと思います。
それでは,早速,小杉委員からお願いします。
【小杉委員】  設置認可について,現行の設置審議会を基本的に使うということはいいと思うのですが,それで高等教育としての質は保証されますが,職業教育としての質がこれで保証できるのかというのは非常に疑問に感じました。
と申しますのも,四角の中でほんの1行,「産業界の関係者等も参画」としか書いていないからです。これできちんと評価できるのかということです。先ほどの御意見の中にもありましたが,結局,大学教諭として実務教員を評価できる人がいるのかということでございます。職業教育としての教育をプログラムとして評価できるのか,その部分についてもう少し厚く書いていただく必要があると思います。つまり,当該職業分野によく精通した人,あるいは,むしろ私としては,産業界とか職能団体とかが組織的にこの設置認可のところから関与する,そういう仕組みにしていく必要があると思っております。また,そうすることで産業界からの認知も広まりますので,早い段階から産業界,職能団体に積極的に関与してもらうような仕組みにするという意味でも,設置審議会段階から変えていった方がいいのではないかと思います。
【永田部会長】  現在でも設置審議会には,産業界の方が結構入ってはいらっしゃいます。
【小杉委員】  確かにぽつぽつとは入っていますが,そういう話ではなくて,その職業分野の教育プログラム,それが専門教育として,職業教育としてきちんとまともなものかどうかというプログラム審査をしなければいけないので,その審査にふさわしい規模のふさわしい人材を入れるべきだということです。今,既存の大学の各学問分野については,専門委員がその学問の領域におけるきちんとしたプログラムかということを設置審議会では審査しているわけですが,それと同じことを職業分野についてやらなければいけないにもかかわらず,産業界の方が単に関与しているというだけでいいのかということです。きちんとプログラム評価をできるような専門委員会を設けてほしいということです。
【永田部会長】  専門委員のパネルを産業界に広めて出していただいて,そこから適正なところに持っていけばいいのかと思います。
【小杉委員】  そういうことになるかと思います。
【永田部会長】  認証評価の方は,苦しんでいる部分もないわけではなく,急に新しい分野ができて,専門職大学の分科会は,実際に評価をやってみると大変で,苦戦しているというのが現状です。それは本当に精通した人を選べるかというと,候補者数に限りがあって,当然ながら増やしていかなければいけないとは思いますけれども,現場的にもなかなか大変なのです。だから,大きいパネルが欲しいと思います。それは産業界と協力して作っていくことができるかと思っております。
【小杉委員】  是非大きな産業団体に,経団連なり何なり,そういうところにもっと積極的に呼び掛けて,そういうパネルを作っていただけるように,そこまで協力を呼び掛けた方がいいのではないかと思います。
【永田部会長】  企業の代表ではないので,その個々の方々の委員の能力に従って選ばれることになります。候補者も探すのはなかなか大変という分野はあります。
北山委員,どうぞ。
【北山委員】  ありがとうございます。
認証評価については,今,大学分科会で抜本的な改定について検討が行われていますので,そちらの議論の動向を待ちたいと思います。
情報公開の部分について意見を申し上げますと,このペーパーには,大学・短期大学と同様の水準の情報公開を義務付けるという案が示されていますが,欧米の大学では情報公開が進んでいますので,それを参考にして,全てとは言いませんがその中から職業教育に関するものをピックアップするなどして,従来の大学ポートレートを超えた,徹底した情報公開ができればと思います。特に,新しい学校種が作られるというのはいいタイミングで,この際,チャンスだと思います。新しい機関で新たな試みを行えば,ほかの大学も影響を受けて,情報公開の充実に向けて動いていくということも考えられますので,是非そうしたことを検討すべきではないかと思います。
以上です。
【永田部会長】  ありがとうございます。同感です。
金子委員,どうぞ。
【金子委員】  全く今の御議論に賛成です。私は,情報公開については,大学についてもっときちんとやるべきだということをずっと言ってきたのですが,これはなかなか徹底されないという事情が今までありました。この際ということでしたけれども,私は,既存の大学は既存の大学独自でやるべきだと思いますし,新しい機関ができるとすれば,そこについても当然やるべきだと思います。
特に大学とか学校のプログラム間の比較ができるということは非常に重要だと思うのですが,それが今は全くできないように作られてしまっています。そういう枠をはめられてしまっていますが,これは是非撤廃すべきだと思います。
【永田部会長】  寺田委員,どうぞ。
【寺田委員】  設置認可と認証評価の関係なのですが,かなり苦心して文章を書いておられると思うのですが,3の評価のところ辺りを見ますと,「分野別質保証への取組を進めていくことが重要」とありますが,やや強い意見を言いますと,先ほどの小杉委員の話に関係するのですが,職業教育プログラムの評価というのは非常に大事で,これは設置認可のときに細かくチェックするのか,あるいは認可後により細かい認証評価をするのかという時間的な関連の問題があります。アメリカのように設置認可の前に認証評価を受けておくという手もあるかと思います。
いずれにしましても,分野別評価,専門団体,学術団体等による分野別評価というのが,この場合,非常に大事なので,もう少し強く打ち出してもよろしいのではないかと思いますし,義務付けるというぐらいあってもいいのではないかと思います。特にこの新機関に関しては,一説によると平成31年年開校と出ておりましたけれども,時間もこれから少しあるようですから,その間に分野別評価の体制を構築していくということではないかと思っております。
設置審議会でそういう非常に細かいところまでやるというのは難しいのではないかという気が私はいたします。
【永田部会長】  前田委員,どうぞ。
【前田委員】  この専門分野別評価のことなのですが,例えば,アメリカが一番盛んにやっていますが,そのバックにはきちんとした関係団体があって,歴史の中で築いてきた自分たち専門職業人として明文化されていなくても一定の合意というものがあるようです。なので,寺田委員がおっしゃったように,一刻も早く分野別評価体制というものを作った方がいいと思うのですけれども,一方で,余り拙速でなく,その分野での合意すべき水準や内容をきちんとその分野で育てていくというのも大事なのではないかとも思っております。それができるのが一番いいことだと思います。
【永田部会長】  ありがとうございます。
最後のコメントは大切なことで,新しい分野を拙速に作るのは本当にいけないことですが,一方で動きながらやらなければいけない部分もあるでしょう。
ちなみに言えば,御存じだと思いますけれども,日本の場合,新制大学ができた昭和22年に,大学側が作ったのが認証評価機構なのです。ですから,大学設置とともに高等教育をやっている側が自分たちで認証評価システムを作っているわけです。新制大学と同じだけの歴史を持っているということです。
一応,そこの会長なので言いますが,今そちらでやろうとしていることで,大変大切なことは,国際的な互換性をアクレディテーションに持たせようとしていることです。ですから,例えば,ある国でこれは認証評価された大学として認めます,あるいは短期大学として認めますというのは,国を超えてそのまま互換性を持った状態にならなければなりません。それがないものは一切学生の行き来はしない,できないという状態に国際的にはなろうとしているのです。
今回は,学生の学習成果を定量的に出さないといけないということがポイントになっております。国際的な認証評価の基準に合わないと学生が行き来できない,つまり,もう先には進めないという状態になるということを御留意の上,論点1から9までをやはり考えないといけないだろうということを申し上げておきます。
そのほかはいかがでしょうか。
前田委員,どうぞ。
【前田委員】  もう1点申し上げたいのですけれども,大学・短期大学は,小規模であっても,この自己点検評価や,認証評価のために事務局の人材を割くことができるのです。しかし,先ほどの議論や事務局の示しているたたき台によると,新機関には小規模のものも認めようということでしたので,非常に規模の小さいところが新しい教育機関になっていこうとするときには,こういう質を維持するということは,自大学だけでは,プログラムや手法を作り上げていくのはなかなか難しいかもしれないと思うのです。特に,内容よりもやり方の連携というのが必要になってくるのではないかと思われますし,自己点検評価はやはりきちんとやるべきことはやらなければいけないので,ある程度簡素であってもきちんとした中身のものを作るという方法を編み出していかないといけないのかと思います。
【永田部会長】  ありがとうございます。
川越委員,どうぞ。
【川越委員】  認証評価のタイミングについてお尋ねしたいのですけれども,例えば設置認可申請をする前に評価を受けてもいいのではないかというお話もありましたが,設置認可を申請して,それをクリアして学校をスタートして,まだ完成年度も来ないうちに,また二次評価を受けなくてはならないという話なのか,飽くまでも完成年度が終わった後に認証評価を受けるという話なのか,それが分からなかったのですが,どういうことなのでしょうか。
【永田部会長】  それは先ほど,北山委員からも出ましたように,認証評価の現在のシステムは,設置してサイクルが終わって,もう1年たったところぐらいに行われているのが現状でしょうか。7年たって,やることになっているのです。そこには問題もやはりあって,1回目と2回目のサイクルで同じような評価をやっていて,そうすると,今言われたように,一定の毎回同じ書類が出る,2回目以降の認証評価の実施の方法について大学分科会の方で検討しているところです。1回目は主に基本的なことを調べるけれども,2回目は機能的なものを調べる,こういう改革を今やっている最中ですから,御意見はそちらにお伝えをしておくということにさせていただきます。
そのほかいかがでしょうか。
ここに書かれていること,また何度も何度もこの論点1から9に戻りながらお話を今後も続けていくと思いますので,また何かあったら,そのときにどうぞ御意見をください。
そこで,次に,論点8なのですが,これはもう時間が余りないので,今日は本当に簡単に御意見を頂くということになります。内田委員には,申し訳ありませんが,論点9は次回になってしまいそうです。
【内田委員】  はい,結構です。
【永田部会長】  それでは,論点8について,できる限りの御意見を賜りたいと思いますが,これは新たな高等教育機関に関するそのほかの制度設計,今まで我々が議論してきたポイントの中で抜けていたものについて,しかし,結構重要なことが入っているので,これについてはいろいろと御意見を賜りたいと思います。
まずは,先ほど,岡本委員からも冒頭に若干ありました研究機能の位置付けについてです。岡本先生がおっしゃっていたのは研究内容でしたが,研究機能の位置付けというものについて,この新しい高等教育機関はどういうふうに考えたらいいかということです。
それから2番目に,対象分野がありました。これは麻生委員からも学位名というような形で一部意見が出ていたと思いますが,どういう分野を対象とするのかということであります。細かく分け過ぎると困るだろうし,細かく分けないとできないのが専門教育だったりするわけです。この分野の設定というのは,もちろん大学側が立ててくるわけです。この大きく分けて2点については,制度設計上,重要だと思われるポイントですが,いかがでしょうか。
対象分野の方が分かりやすいでしょうか。対象分野は一体何なのかということなのですけれども,御意見はございますか。
そこにありますように,制度として職業分野の限定を行わないというふうに一応アイデアとしてはあって,設置形態等はそこに書いたとおりであります。これは比較的分かりやすいと思いますが,いかがでしょうか。研究機能の方でも結構です。
長塚委員,どうぞ。
【長塚委員】  既存の大学でも,我々,高校側から見ると,職業的というよりは実践的な大学というのがあります。例えば,体育系とか芸術系。まさにそういう分野は実践性があって,特殊な能力を生かすという意味での職業ということを目指しています。そこで教えている方は,例えばオリンピックに出た選手が教授になるとか,そういった実践性のある方がそこで教えているわけです。しかし,ここで今考えているのは,そういう特殊な分野ではなくて,広く産業界とつながっていくことを指導できるような人材なのかと思っております。今日の最初の論点である教員の話のところで,私はよく分からなかったのですが,どういう人が新機関の教員になったらいいのかということは,ここでいう研究機関とか,最後にある大学院設置が求められるようなことにつながるのではないでしょうか。やはり修士・博士課程,次の時代の実践教育をする人,そういう指導者を作るという観点から非常に重要だと思います。そのためにも,どの分野というふうには決められないものだろうというふうに思います。
【永田部会長】  ありがとうございます。おっしゃるとおりで,なかなか決めにくいところではあります。
そのほか,いかがでしょうか。
設置形態のところで,今,大学院というのが出ましたが,一応ここに書いたのは,学士というのを出すのですから,学士相当の学位が取れる,その上には今度は研究機能に主体を置いた,あるいは今の専門職大学院のようなものをここでは置くことができると書いているわけで,必ず置くものだと言っているわけではありません。こういうものがここにたたき台としては書いておりますけれども,いかがでしょうか。
金子委員,どうぞ。
【金子委員】  これは,文部科学省に伺いたいのですが,設置者については,国,地方公共団体,学校法人に限定すると書いてありますが,確か今も,構造改革特区で株式会社立も一応,可能としていたと思います。私は内閣府の教育関係の委員会に出ているのですけれども,現在のところ,株式会社立はまだ成果を十分に把握できない,評価できないという段階でとまっているわけで,決してあれはもう駄目ということにはなっておりません。ここの場で設置者を限定することは,そういう意味で可能なのでしょうか。
【森田高等教育企画課長】  今日の論点の資料としては,基本的というか,原則的なところということで,国,地方公共団体,学校法人と書かせていただいておりますが,今,金子委員から御指摘いただいたとおり,構造改革特区において,株式会社立は現在でもございますし,これからも設置可能でございますので,今後,詳細に詰める段階では,そこも入ってき得る部分だというふうに思っています。
【金子委員】  ただ,ここにこういうふうに書いてもいいものなのですか。この段階で,原則としてというようなことを言ってもいいのかどうかということです。少なくとも改革特区の議論では,そういった原則も外す可能性はあるのだということが前提になって議論されていると思いますけれども,その点どうなのでしょうか。
【永田部会長】  たたき台ですから,今の御意見を入れて改変バージョンを作ることにしていくものと思います。
【森田高等教育企画課長】  失礼しました。構造改革特区における株式会社立学校について,つまり,全国展開するかどうかということについては,数年前に議論があって,その時点で困難だということになっておりますので,それを全国展開するということにはなっておりませんけれども,構造改革特区であれば設置は可能でございますので,現状の制度をベースにこの新たな機関が制度化されたときにどういう制度にするかという点は,決める必要があるというふうに思っております。
【金子委員】  私がなぜそれにこだわるかといいますと,私はこの構想されているものはかなり地域に密接したものを想定されていると思うので,全国展開を必ずしもしなくても,改革特区の中の特例としてやるということも十分可能で,参入の可能性というものが相当あるのではないかと思っているからです。
【永田部会長】  それで次回のリバイスのバージョンには,「原則として」と入れるか,あるいは,「ほか」とかとなるのでしょう。
そのほかいかがでしょうか。
益戸委員,どうぞ。
【益戸委員】  資料の10ページに「職業分野の限定は行わない」とありますが,この部分での質問です。私は地方で生活していますが,地方には上場企業が少なく,オーナー企業中心の中小・零細の地元企業がほとんどです。したがって地方創生のリード役は,首都圏と違い企業ではなく,アイデアも含め行政がリード役です。
したがって,今まで以上にレベルの高い公務員が必要です。この新たな高等教育機関で,公務員は対象と考えられる分野でしょうか。
【永田部会長】  それは想定外だったので,びっくりしました。川越委員,どうぞ。
【川越委員】  今回の職業実践専門課程には,たしか公務員科はまだ1個も認定されていなかったのではないでしょうか。
【永田部会長】  事務局,調べてから回答してください。
【川越委員】  確か,私,公務員科をやっていて,認定を受けようかと思ったのですけれども,公務員を通すだけの学校が職業実践専門課程になり得るものなのかと思ったことがありました。
【益戸委員】  この新たな高等教育機関は,公務員試験の高い合格率を目的とするのではなく,より質の高い行政マンの輩出です。今まで以上のレベルアップは,県庁だけでなく市町村においても重要だと思いますので,質問いたしました。
【永田部会長】  現状を調べられましたか。あったらすぐお答えいただいても結構です。
事務局,どうぞ。
【岸本生涯学習推進課長】  すぐに調べられないので,また後ほど回答いたします。
【永田部会長】  私もそれは念頭になかったのですが,趣旨はよく分かって,教職共同と言いながら,職員ですね,そちらも上がっていくのは当然で,大学で言えば,公務員もあり得るかどうか,調べなければ。
そのほかはいかがでしょうか。
【麻生委員】  今,学位の名称の問題も出ましたので,これは専門分野等にも関わります。今,現行の大学・短期大学における括弧書きの数が多過ぎるということを言われておりまして,本当に数が分からないぐらいたくさんあるというのが現状です。設置を行う際,当然,分野別にそれぞれ,言ってみれば,例えば文学関係とか,教育学関係とか,法学関係とか,そういった分野がある程度分かれて認可に至っているわけです。そういうことを考えますと,大きく分けると,分野の数は余り多くないのです。今ある相当数の括弧書きの分野というものよりも,単純化した分野にある程度限定するような方向が望ましいのではないかと私は考えております。
【永田部会長】  ここに書いてあるのはそういうことです。具体的に,どんなものでもこの新しい高等教育機関として可能でしょうが,それをある程度くくりながら審査や評価はしますというようなことなのです。
実は私の方から火をつけていいかどうか分かりませんが,麻生委員が先ほど述べられていた,短期大学でこういうことをやっているという分野についても,それも排除をしないというのがここに書いてある「制度として,職業分野の限定は行わない」という意味です。本当にそれでいいかどうか,設置は大変なことです。それから,設置をしようとしたときに,今言ったようなものとの競争もあるし,あるいは助け合いもあるかもしれません。その部分の御意見は,先ほど,重々議論してほしいというのが最初の麻生委員の提出資料にあったことかと思います。いかがでしょうか。全体として分野の限定を行わないという意味については,今,三つ,その方がいいのではないかという御意見を頂いています。ただ,その分野の中の細かいものについては何でも自由だということですから,先ほどの公務員のようなものもあるのかという御質問がでてきたのだと思います。その件は調べます。ただ,やはり麻生委員から頂いた御意見については,委員の方々から御意見を頂けるといいかと思います。
実は論点9まで進もうかと思ったのですが,今日はもう進めなさそうなので,それならば,最初に述べていただいた麻生委員の御意見等に対して,皆さんの御意見を頂くのがいいかと思うのですが,いかがでしょうか。
川越委員,どうぞ。
【川越委員】  適正配置みたいな話が,福岡のどこかの予備校の裁判でありましたが,福岡県が負けました。今,私学の認可というのは,専門学校の場合ですけれども,認可要件を満たす設置申請書を出せば認可になるわけです。そうすると,今起こっていることは,大きい学校グループが全国の地方に簡単に進出できるという状況が起こっております。ですから,むしろ私は,裁判でも何でも何回もやればいいではないか,負けてでも適正配置にこだわるべきだということを,地元では言っているのですが,今,麻生委員がおっしゃった意味で言うと,例えば,県単位で幼稚園教諭の養成,供給が間に合っているのであれば,それなりの制限をかければいいと思いますけれども,分野の制限というのは,私はかけるべきではないのではないかと思っています。
【永田部会長】  ほかはいかがでしょうか。
寺田委員,どうぞ。
【寺田委員】  二つ言いますが,分野の制限に関して,獣医師養成等というところでとまっているのですが,この「等」が実は問題で,課程認定,他省庁や文部科学省から課程認定を受けてやっているものが結構あります。福祉関係だとか,たくさん出てきますので,余り制約をかけない方がいいのではないかという気がいたします。
それから,設置者のところで,国が入ったということが私は非常にいいと思っておりまして,改組や新設もあり得るのですが,やはり国のモデルというのは一つ欲しいと思います。文部科学省モデルというものを一つ作っていただきたいと思います。厚生労働省は厚生労働省の学校を既に16校作っておりますので,16とかそんなことは言いませんけれども,これが一つのモデルだというものが一つ欲しいというふうに思っております。
ここの文章の中に書ける話ではないと思いますが,希望として申し上げます。
【永田部会長】  ありがとうございます。
今,私の方から本当に火をつけていいかどうかはわかりませんが,麻生委員のペーパーの最後のところに,「短期大学の職業教育の基盤には「深く専門の学芸を教授研究」することで培われる豊かな教養教育が置かれている」とあり,多分この文章なのだと思います。幼稚園とか保育所とか,今,川越委員が言われたように,いろいろなものが,足りている,足りていないとか,地方がどうのこうのではなくて,短期大学の本当の設置の意味がこの文章にあるのだと思うのです。こういうものの上で幼稚園教諭や保育士や栄養士,看護師,介護士を育てていけるのだということを多分おっしゃりたいのだと思います。それは私の深読みかもしれませんが,そこの部分を十分尊重して認可されるべきであると控えめに書かれているのかと拝察いたしました。
こういう背景を一定程度読み取った設置基準を作っていかないといけないだろうということだと思います。
何か御意見があれば御発言ください。
それでは,内田委員,どうぞ。
【内田委員】  今,部会長がまとめられたことで入ると思うのですが,例えば,工学系などですと,工業とか技術とか,ほとんどそういった分野限定はないわけです。したがって,特殊なことがあればまたそれは別なのでしょうが,その辺りは,また必要があれば議論していけばいいのではないかと思います。
【永田部会長】  今の内田委員が言われた工業,これはなりわいを念頭に学問として高等専門学校ではやっていらっしゃるのです。この場合は,実践的な高度な職業人という意味では,ある意味,なりわいに結び付かなければいけないという意味では,今後,この分野のくくり方とか,それから,そのほかについても,実は議論を深め直さないといけないという部分はあると思います。
ここで論点8を伸ばして議論をしてもいいし,論点9に入ってもいいのですけれども,中途半端になってしまうので,本日はここまでとさせていただこうかと思います。
岡本委員から最初に,ほぼ全員がうなずけるであろう教員の人格にまで踏み込むようなコメントがあり,その後,このたたき台を作り直すのに大変役に立つ御意見を頂いて,大変ありがとうございました。
それでは,時間も参りましたが,残念ながら論点9を積み残しにいたしましたけれども,今回はここまでとさせていただきます。
それでは,事務局から,次回以降の予定等についての御案内をさせていただきます。
【塩原主任大学改革官】  熱心な御審議ありがとうございました。次回の会議の御案内でございますが,次回,第8回会議は12月7日の金曜日,15時から17時まで,場所は本日と同じ文部科学省3階の第一講堂を予定いたしております。どうぞよろしくお願いいたします。
【永田部会長】  それでは,また次回ということで,本日はありがとうございました。

―― 了 ――

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-- 登録:平成28年05月 --