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実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会(第2回) 議事録

1.日時

平成27年6月29日(月曜日) 16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省 第二講堂(旧庁舎6階) (東京都千代田区霞が関3-2-2)

3.議題

  1. 職業教育に関するニーズについて
  2. 既存の学校制度に関する課題について
  3. 意見交換等
  4. その他

4.議事録

【永田部会長】  それでは,委員全員にお集まりいただきましたので,所定の時間の1分ほど前ですが,第2回実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会を開催させていただきます。
皆様,御多忙の中,お集まりいただきまして誠にありがとうございます。前回,いろいろな意見を頂きました。本日は現場側のニーズを理解しようということで,経済同友会,その他各業界からお越しいただいております。ヒアリングという形で御意見をお伺いし,そういうニーズを人材育成にどう生かしていくかについて意見交換を行いたいと思います。
時間の関係もあり,ヒアリングを全てさせていただいた後に御意見を交換していこうと考えております。
それでは,最初に,事務局から本日の配付資料について確認をお願いいたします。
【伊藤高等教育政策室長】  失礼いたします。議事次第にございますとおり,配付資料に関しては資料1から5の5点,そして参考資料の計6点をお配りしております。欠落等がございましたら事務局にお申し付けください。よろしくお願いします。
【永田部会長】  よろしいでしょうか。それでは,最初に,第1回で委員の方々から検証すべき議論が多々出ており,現在の学校制度における職業教育の取組や課題について事務局からまとめたものの説明をお願いいたします。
事務局,お願いいたします。
【伊藤高等教育政策室長】  お手元に配付しております資料1,2,及び参考資料に基づき御説明させていただきたいと思います。
まず,資料1に関してですが,こちらは前回の5月15日の第1回の御意見を事務局でまとめさせていただいたものでございます。簡単に御紹介申し上げます。
まず,一点目,「新たな高等教育機関の意義について」といった観点では,例えば,学生の履修者の視点で見たときに,学んだ先にできる限り学位までつながるような制度とすべきではないかという御意見。また,2番目の丸にありますように,日本の高等教育における職業教育体系をしっかり確立させ,複線型の教育体系が確立されることが必要なのではないか。その際には,相互に行き来できることが重要なのではないかという御意見。また,この項の最後の丸ですが,大学の改革を進めるといった観点でも,新たな機関を作ることで競争環境ができることも重要な点ではないかという御意見も頂いているところです。
また,「既存の大学等の分析について」といった観点では,2番目の丸にありますとおり,検討に当たって既存の学校種が果たしてきた役割と今後果たすべき役割,そして今現在でどうかという現状への評価をしっかりすべきではないかという御意見。また,次の丸の後段にありますが,今後の議論に当たっては具体的なところも委員全員で共有した上で進めるべきではないかという御意見も頂戴しております。
次のページに移らせていただきます。1番目の丸の下から2行目ですが,学校教育と産業界が求めるものとの間にはギャップがあると考えられ,それを見直すことが必要なのではないかという御意見や,3番目の丸にありますとおり,既存の大学,短期大学等々でも様々な職業教育,キャリア教育の取組が実施されている,こういった実例についても改めて確認した上で議論するべきではないかという御意見も頂戴しております。
また,「どのような能力を育む必要があるか」といった観点では,1番目の丸ですが,労働市場が変化していく中で,より汎用的な能力を持つというニーズがあるけれども,その学士力みたいな話ではそこでは落ち着かないことから今回の話が出てきているのではないかという御意見。次の丸のところで,専門職業能力とともに,汎用的能力もバランスを持って必要なのではないかという御意見。また一番下の丸にありますような,あらゆる職業のベースとなる基礎的な意味での能力も必要で,その際に情報はそれに該当するのではないかという御意見も頂戴しているところです。
また,次のページの一番上,「質保証システム(特に評価制度)について」は,2番目の丸にありますとおり,実践的な職業教育が必要であることから,学生が社会に受け入れられ,また認められているかという観点でどういう評価をしていくのか,評価方法についても十分議論すべきであるという御意見。
また,「産業界との連携について」といった点では,1番目の丸で,産業界と共同で教育を作るというプロセスを組み込んだ教育体系が必要なのではないかという御意見も頂いております。
また,一番下の項の「地方創生との関係」ですが,議論に当たっては,地方創生の観点も頭に入れて進めることが必要であることから,県外へ子供が出ていってしまうことがないような観点で地方での学校創設を支援していくことも必要なのではないかという御意見を頂いております。
また,次のページ,「その他」として,1番目の丸にありますとおり,どうしても制度を作る側の議論に終始することになりがちであるが,学ぶ側が本当にその機関できちんと学んでいけるかどうかということをしっかり議論の機軸に置くべきであるという御意見。次の丸にありますような,養成すべき専門性もしっかり念頭に置いて検討すべきではないかという御意見,ほか,様々な御意見を頂いているところです。
そういった御意見の中で,やはり,既存の大学等の取組,そして,実例を踏まえた議論の検討が必要だという御指摘を踏まえて,事務局で,資料2「既存の高等教育機関に関する関連資料」ということで,制度的な観点,また,中央教育審議会におきますこれまで議論や大学等の改善の取組,そしてデータ的なものも簡単に資料として御用意しております。
まず,おめくりいただき,資料2の2ページ目になります。「各学校種における設置基準等の比較」というところで,各機関におけます目的,役割と言い直してもいいかと思いますが,こちらについて簡単に御説明申し上げたいと思います。
まず,目的,役割の部分ですが,2番目の項目にあります大学,これは学術の中心として広く知識を授ける,一般教養に当たる部分です。それとともに深く専門の学芸を教授研究し,知的,道徳的,応用的能力を展開させるということで,学術の中心という観点,そして,一般教養を授けるという役割とともに,専門の学術や技芸を教育するとともに研究していくというところが目的,役割になっているところです。
また,大学の一類型として目的を変えたものとして,その横にあります短期大学につきましては,同じく「専門の学芸を教授研究し」とありますが,もう一つ大きな役割として職業又は実際生活に必要な能力を育成することが目的と役割ということで整理されているところでございます。
こういった大学体系とはまた別に,中学校,15歳卒業時からの5年一貫教育といった観点で高等専門学校が,この専門の学芸を教授,教育して職業に必要な能力を育成することという役割で当機関として位置付けられているところでございます。このほか,学校教育法上の学校以外の教育施設ということで,柔軟な教育制度に基づき教育を行っている機関といたしまして専修学校制度があるわけですが,その専門課程のレベルの目的規定を御紹介しますと,職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し,また,教養の向上を図ることといったことで,この丸1から丸3が規定されているところでございます。
こういった中におきまして,特に大学に設置される機関としてもう一つ大学院がございますが,大学院の中でも特に高度な専門性が求められる職業教育に特化した制度として,この項の一番左側に専門職大学院制度,平成15年から実施しております制度についても併せて付記させていただいております。この制度におきましては,役割として,学術の理論及び応用を教授研究するとともに,この高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識と卓越した能力を培うことが役割となっているところでございます。
そういった観点から,この項目の三つ下を見ていただきますと,学位の点に関しては,専門職の学位ということで学位授与されているとともに,そういった学習成果のアウトプットとしての学位を授与するといった観点から特色あるものといたしまして,その下にあります教育課程を見ていただきますと,他の教育機関のところには記載がありませんが,この専門職大学院のところに関しては,2番目のぽつにありますとおり,事例研究,現地調査又は双方向における討論・質疑等,こういった方法により授業を行うことが必要という形で規定されております。
また,教員資格のところを御紹介しますと,5ページになりますが,教員資格といたしましては,大学,短期大学,高等専門学校,専修学校,それぞれ教員の資格の記載があります。専門職大学院に関しては,この大学の規定に加えて専任教員を配置する際の配置の方針といったことで,高度の教育上の指導能力が認められる専任教員を,以下の一,二,三の項に該当する者を配置することが制度として加えて決められております。
また,その下の項目,6ページの一番上の教員数というところです。それぞれ,大学,短期大学,高等専門学校,専修学校で,規模に応じて配置しなければいけない最低の専任教員数が規定されているわけですが,専門職大学院に関しては,その専任教員の数のうち,おおむね3割以上を,専攻分野におけるおおむね5年以上の実務経験を有し,かつ高度の実務の能力を有する者を配置するといった規定が置かれているところでございます。
評価といった観点では,次の7ページになりますが,その冒頭にあります自己評価・第三者評価というところです。学校教育法における学校におきましては,この自己点検評価に加えて,認証を受けた評価機関による機関別の評価が義務づけられております。また,専門職大学院につきましては,これに加えて分野別の評価を受けることも義務づけられているところでございます。以上が簡単な制度的な違い,特色等です。
次に,中央教育審議会におけますこれまでの議論を簡単に御紹介申し上げたいと思います。8ページですが,まず,平成17年の「我が国の高等教育の将来像」では,新時代における高等教育の全体像ということで,このページの中段にあります,「特に大学は」で始まる,この丸1から丸7の「各種の機能を併有するが」,そして,下線の部分にありますとおり,「各大学は緩やかに機能別に分化していくものと考えられる」といった方針が示されているところでございます。
また,次のページですが,中央教育審議会において,平成23年にキャリア教育・職業教育の在り方を全体的に議論した際の答申の部分です。まず,大学・短期大学の現状として指摘されている部分です。3番目の丸にありますとおり,専門分野と職業とのかかわりという部分は,分野によっては結びつきが比較的強い分野もあり,また,特に業務独占資格にかかわるような課程におきましては,指定規則による教育内容も規定されているという状況がある一方,人文科学や社会科学等の分野では,結びつきは必ずしも強くないと指摘されています。また,次の丸では,企業と連携した教育という点では,9割が実施しているというアンケート調査もある一方で,授業として位置付けられているということや,インターンシップを実際に体験している学生の割合といった点は1割以下であるとか,実験等の単位数は2割以下という状況ということです。
今後の改善の方向性ということで指摘されておりますのは,一番上の丸にありますように,養成する人材像・能力を明確化した上で職業教育の質の更なる向上を図ること。また,次の丸にありますとおり,企業等と有機的に連携し,実践的な教育のさらなる展開を期待するという点が指摘されております。
また,高等専門学校に関しては,「(1)現状」の一番下の丸にありますような,地域連携強化の必要性の高まりなど,経済・社会の環境の変化に対応した教育の展開の必要性が指摘されており,次の(2)の最初の丸にありますとおり,こういった地域における産業界との連携による先導的な職業教育の取組や,新分野への展開を進めるということが指摘されているところでございます。
また,次のページをおめくりいただき,専門学校についてです。現状の1番目の丸で,柔軟な制度的特性を生かしつつ多様な職業教育を展開しているということや,2番目の丸にありますように,そういった目的に対応して教員も実務知識・経験を重視した配置になっているという点が現状として指摘されている一方,(2)にありますとおり,1番目の丸で,生徒の観点では,問題解決力,応用力等を求める企業等の声にどのように応えるかが今後の課題ということ。また,4番目の丸にありますような,質の改善・充実といった観点では,この丸の項の最後の行ですが,教育活動の評価への取組を促進するような取組が必要であるという指摘がされているところでございます。
こういった中央教育審議会等の議論を受けて,これまでの取組の点が,以下,御紹介申し上げたい点です。
例えば,12ページ,大学・短期大学に関しては,制度という側面では,平成23年4月より全ての大学におきまして,教育課程内外で社会的・職業的自立に関する指導に取り組むことがされております。また,予算面での後押しもしているところです。
以下,各大学等におきます実践事例を御紹介しておりますか,この13ページにおきましては,例えば,地域連携インターンシップが,年間実習日数200日に及ぶような形で実施されています。また,次の短期大学におきましても,企業との連携ということで実施されております。また,次のページにある大学におきましても,中段に記載がありますが,1から2週間のインターンシップで「預かる」,「預かってもらう」というものではなく,中長期のインターンシップを組み込むことで,企業,大学双方が育てるという概念が,共有・醸成できるスキームが可能になるという観点で,教育課程を企業と連携しながら1年から4年次にわたって編成しているという例。また,次の例に関しても,「学問」から学ぶ,「企業」から学ぶ,「活動」から学ぶといった観点で編成をされています。
また,次の17ページの取組では,地(知)の拠点整備事業といった観点で御支援申し上げている事業では,例えば,この教育の一番左上の具体的な取組例にありますとおり,地域関連科目を増やしたり,また,地域に関する学びの学年共通必修を設定するという取組もされているところです。
また,次のページの高等専門学校におきましても,新分野のコース設定,PBLといったところを推進し,駆け足になって恐縮ですが,19,20ページにありますような実践事例もあるところです。
引き続き,専修学校について21ページですが,2の国の取組といった観点で,成長分野等における中核的専門人材養成といった観点で産学官のコンソーシアムを形成し,モデルカリキュラム等を開発している事業を実施しているところです。
具体的にその分野は,23ページにその分野の記載がありますが,本日御発表を頂きますIT分野,そして,次のページの観光の中のホテル関係の部分につきましても,この事業でも先駆的な,成長分野における中核人材育成ということで関連分野として実施しているところでございます。
また,そのほか,27ページですが,先導的試行として企業と密接な連携により教育課程を編成していく取組といたしまして,昨年26年度より職業実践専門課程が専修学校の質保証といった観点で開始されており,また,28ページにありますとおり,同様な取組を大学,短期大学等におきましても実施できるように,今後,大臣認定の同枠組みを広げていくという方針でおります。
このような取組をこれまで実施してきた上で,最後,データ的なところで,29ページにありますような大学における教育内容といった点では,職業教育よりも更に広範な,勤労観,職業観の育成,醸成も含めたキャリア教育といった観点で,教育課程内で実施している大学は,例えば,29ページの右上を見ていただきますと,増えているということで,直近のデータは,24年93.2%になっております。下のところの具体的内容というところで見ていただきますと,例えば,赤枠で囲っておりますところですが,大学と企業等とで連携して実施する,授業科目PBL等の実施という点では23.8%という状況,また,社会人等に対するリカレントを目的した授業の開設といった点も5.2%という状況でございます。
3 0ページの下ですが,教員の教育面における業績評価・顕彰といった観点では,全ての教員を対象として教員の教育面における業績評価・顕彰を行っているという回答をしているところは2割を切る状況であったり,また,教学マネジメントということで,学外の関係者との連携といった点も3割ぐらいとどまっている状況です。
最後に,次の31ページですが,大学等におけるインターンシップの実施状況ですが,単位認定している大学等の数は上の表の左から2番目の枠ですが,例えば,大学でいきますと,687校,91.5%という状況で,単位認定を行っている授業科目としての数といった点は増えているところですが,一方,学生のインターンシップの参加状況といいますと,下の円グラフにありますような,大学であれば,「経験あり」が1割強という状況,また,実施機関と,参加している学生のうちの参加機関といった点でいきますと,右の表で,例えば,大学で,資格取得に関係があるといったところは,3週間以上は35.3%というところですが,資格に関係なしというところでいきますと1割強の参加という状況でございます。
以下のページに関しましては,前回,第1回でも御紹介申し上げました,各大学,短期大学等におきます実習等の単位における割合といったところでございます。こういった資料を,既存の大学における取組状況等ということで,本日の参考にしていただければと存じます。
以上でございます。
【永田部会長】  ありがとうございました。多分,御意見,御質問等もあるかと思いますが,先にヒアリングに入らせていただき,その後に全体の質疑,意見交換をさせていただこうと思っております。もちろん,不足の場合には次回以降にもそういう時間を設けたいと考えております。
本日は,ヒアリングに関しては3名の経済界の方にお越しいただいております。経済同友会,教育改革委員会委員長でいらっしゃる,デュポン株式会社天羽名誉会長,IT関連会社として,株式会社スマイルブームから徳留取締役,観光の観点からは,ホテル関連として,日本ハイアット株式会社の阿部代表取締役副社長にお越しいただいております。本日は本当にお忙しい中,ありがとうございます。
それでは,早速,経済同友会から天羽さんにレクチャーをお願いしたいと思います。
それでは,よろしくお願いいたします。
【天羽氏】  15分くらいと聞いておりますので,早速始めます。ただいま御紹介いただきましたデュポンの天羽でございます。昨年から同友会の教育改革委員会の委員長を務めております。
1ページ,最初は目次ですが,一つ目は同友会で4月2日に公表した提言の内容の説明,二つ目は私見ですが,経営者の立場で,デュポンという外資系で約10年近く社長をやってきた中で自分が思っていること,問題提起と大学への期待という二部構成になっております。
2ページ,これからの企業・社会が求める人材像に関して,2014年度の経済同友会教育改革委員会で取りまとめた提言に基づいて,キーポイントに絞って説明をさせていただきたいと思います。
3ページ,ここで提言の問題意識を説明したいと思います。これも既に皆さんも御存じなのでサラッと流させていただきます。現在,我が国の競争力を高める上で,資質能力の高い人材育成は非常に重要な課題,急務であって,社会全体で真剣に考えて対処していかなければいけない問題です。しかし,企業が望む資質能力を備えた人材育成は,まだまだ途上かなと考えます。企業が望む人材育成が進まない理由は,ここに三つ書いてあります。一つは,このチャートの中にもありますが,大学での学びと企業・社会での学びが不連続なのではないかということ。二つ目は人材育成に向けた産学官での対話が十分ではないこと。最後に,やはり,企業側から大学に対して,企業・社会が求める人材像,こういう人材が必要です,ということがうまくコミュニケートされていなかったのではないかということです。
これを踏まえて,今後の姿ということで,チャートの右に三つ書いてあります。当然,不連続ではなく連続的に,人材育成に向けては産学官,お互いに歩み寄りながら対話を進めていこうと。企業も,求める人材像というのはどういうものかということを大学や学生にもっともっと明確に伝えていくことが必要であると考えております。
最後に企業と大学の位置付けとありますが,社会の中で大学を問題解決に必要な教養,知識,技術やスキルを育成する中核機関として位置付けて,企業も社会の一員として大学教育の中にもっともっと関与していく責任があるのではないかと考えております。
4ページです。企業が求める人材像と必要な資質能力がここに書いてありますが,四つほどございます。これも詳細な説明は省かせていただきます。第一に,皆さんももう既にディスカッションされていると思いますが,変化が非常に激しい社会の中で課題を見いだし,チームで協力して解決する力,ここに「課題設定・解決力」と書いてあります。2番目には,困難から逃げずに,それに向き合って乗り越える,ここでは「耐力・胆力」という言葉を使っています。常にチャレンジしていくという気持ち,その中で胆力が生まれ,それを何回も克服するうちにどんどん耐力ができてくるのではないか。3番目は,これが非常に重要なのですが,「多様性を尊重し,異文化を受け入れながら組織を高める力」です。今後,もう既にそういう企業さんもたくさんありますが,海外へのビジネス展開が行われています。またそれと並行して,今後,女性,高齢者の社会進出がますます増えてくるでしょう。そういった多様な場では,自分と異なる価値観を持つ相手とともに成長して,組織全体の力を高めていくという人材がますます必要なのではないかと思っております。それは「多様性」と考えております。4番目は,「価値観の異なる相手とも双方向で真摯に学び合う対話力」,これは「コミュニケーション能力」とあります。コミュニケーション能力というのは,企業においてもそうですが,大学でも必要とされる能力です。具体的には,企業内外の公の場で相手の主張を正しく理解して円滑に対応できる力,そして,そこで臆することなく自分の考えを明確に述べて説得していくという力,交渉力も当然入ってくるのですが,真摯に正面から向き合う能力が必要なのだと思っております。
次,5ページ目です。ここで人材育成に向けて企業がなすべきことを2点,申し上げています。1点目は,企業のトップに言えることですが,企業はどういう人材を求めるかを明確にして大学や学生に対して発信しなければいけない。その前提として,経営者は自社をどのような企業にしていくかという明確なビジョン設定をし,自ら社内外にそれを発信して実行することが求められます。そういった中で優れた人材を獲得して組織を作り上げていくことが必要なのだと思います。もう1点,企業は経営者のビジョンを実現するために必要な人材の能力について,語学力や資格,成績水準,スキル等,できるだけ具体的に明示することが必要なのではないかということです。
こういう企業,学生間の相互理解がないものですから,大学を卒業して3年以内,25歳未満の離職率は,実に30%です。これは非常に由々(ゆゆ)しき問題であると私は思っています。化学系企業の離職率は平均15%ぐらいということですが,それにしても,この30%というのは大変驚きました。やはり経営者は,うちはこういう人材が欲しいということをしっかり発信していく努力が必要だと思っております。
次に,企業は採用選考において学業成績を積極的に活用することが求められると思います。後でデータが出てきますが,私ども経済同友会のアンケートによると少しびっくりするような結果が出てきます。企業の採用選考においては,サークルや体育会系の活動,アルバイトの経験が重視される。一方,学業成績には余り重きを置かれていないということです。これは,質問の仕方にも問題があったのですが,少なくとも,このような傾向があります。企業は,こういうことを改めるべきではないでしょうか。採用選考では,やはり学業成績を重視する。そのためには採用基準となる成績や知識の内容・水準を明示していくべきではないかと思っております。
次,6ページです。人材育成に向けて企業と大学が協力すべきことについてお話ししたいと思います。まずは,先ほど伊藤室長から話がありましたが,インターンシップです。インターンシップの強化・充実というのは非常に重要と考えますが,数字を見るとまだまだ十分ではありません。企業・社会が求める人材育成をする上でインターンシップというのは非常に有効な手段で,大学や企業での関心は高まっていますが,現状では課題があるのです。
ここに,インターンシップの強化充実と課題,望ましい枠組みをチャートにしてあります。課題は,もう既に皆さんもお気づきだと思いますが,期間が短い,単位にならない,就活にしか使われない,報酬の支給がないなど,非常に限られています。こういうことを,チャートの右の方に望ましい枠組みということで示しています。長期化していくべきである,もっと大学が関与する形でのプログラム開発をして,これを実際に単位にしていくとあります。そしてそれが大学の3年生や大学院の1年生対象の,何となく就活にリンクしているみたいなものではなく,もっと若いとき,学部の1年,2年のときから参加できるようなものにする必要があるのではないか。学生に対してもっと早くから気づきを与えていく。また,そういった形の中で,当然,報酬があってもいいのではないかと思います。
こういったプログラムの開発には大学ばかりではなく,企業が一緒になって積極的に関与していく。そういう流れで,学生参加型の産学連携研究の拡充,実務家教員の受入れ,企業人,社会人による教育の推進,社会ニーズを踏まえた教育の推進などなどが必要だと思います。これらのことはもう既にやっていらっしゃる大学もあると思います。しかし,今以上に,もっと加速度的にプログラムを進めていく必要があるのではないかということがここのポイントです。
次に,大学への期待についてです。これは四つあります。ここに書いてありますものを全部は読みませんが,3番目に書いてある,教職員の資質能力の向上が重要だと思います。その中で,教育に重点を置いた教員の評価システムがもっと適用されてもいいのではないかと思っております。
それから,もう一つ重要なのは職員の方です。学校運営に関して,職員というのは重要な役割を担っていて,しっかり力を発揮する必要性がありますが,まだまだそういう状態になっていないのではないでしょうか。職員も資質能力を測って,専門性を高めて,教員との役割分担によって業務の効率化や高度化を目指していくことを期待しております。
4番目には,卒業の際の資質能力の保証とあります。ここにはGPAの問題,教育内容・レベル,学生の到達度の明確化と学業成績への反映,卒業資格の厳格化など,いろいろ書いてありますが,ここは時間の関係で省略させていただきます。恐らくここにいらっしゃる皆さんにも御同意いただけると思っています。
次は学生への期待です。経済同友会調査のグラフが8ページに載っております。製造業では当然,理系の学生に対しては専門知識,研究内容の重視という結果はあるのですが, ここで面白いのは,製造業でも非製造業でも論理的な思考力,課題発見・解決力は専門知識以上に重視されているという事実です。こういった力を養うために,学生時代に異文化に触れ,多様性に気づきを得ることは,その後の成長に必ずプラスになると思います。ですから,学生には海外旅行も含めて,積極的にいろいろなことにチャレンジしていただきたい。そして早い段階からインターンシップ,またボランティア等の多様な経験に触れて職業観を養成してもらいたいと思います。
あとは,これは私見ですが,大学での学びというのは,誰のためでもなく自分自身のためであるということを学生に自覚してほしいと思っています。これからのグローバル化社会の中で,競争相手になっていくのは,日本人だけではなくいろいろな人種の人がいると思うのです。そういう意味でも,もっといろいろなことを経験していくことで,企業で必要される能力がつき,即戦力ともなりうる人材になっていくのではないかと思っています。
かなり速く話しているつもりですが,15分でやるのはなかなか難しいもので,あと2,3分御容赦ください。
9ページ,ここからは私見になります。次ページにありますように,実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の構築に当たっては,まず,実践的な職業教育を通じて養成すべき人材像と人材育成方法についてもう少し明確にすべきではないかと思います。私が考える養成すべき人材像というのは,ビジネスマインドと実践力を持って,企業や地域社会の発展に向けて,「自律的に」という言葉を使っていますが,自律的に活躍できる人間です。
例えば,私が仕事柄,最近お会いした,日本各地の農業法人の方々を挙げたいと思います。鹿児島,千葉,北海道などなど,各地の農業法人のリーダーたち,若手,35,6歳で,小さい農業ですが,それらを経営しているリーダーたちの中には今,改めてMBAを取りに大学に通ったりしている方々がいます。こういう人たちがもっともっと地元の大学に行くことができるといいなと思っています。
企業や地域社会の発展に向けて自律的に活躍できる職業人を養成するには,その受け手となる企業や地域社会の協力・関与が非常に重要です。カリキュラム作りの段階から企業や地域のメンバーが関与していくこと,また,大学が全学的な取組として,企業・社会と連携した実践的な教育を行うことが重要だと思っています。具体的な教育内容に関しては,ここに幾つかアイデアを示しておりますが,ここは省略させていただきます。
六つほどありますが,特に重要なのは,産業の生態系は今後どんどん変わっていくことを踏まえたものでしょう。その10年・15年後を見据えた実践的なビジネス教育ということです。そして,これは語弊があるかもしれませんが,アカデミックなキャリアを積んだ先生方に比しても重要なのは,企業・社会の経験がある実務家教員という方々です。特に,現役の30歳,40歳という企業の中でもバリバリで活躍している,そういう若手の社会人が大学の中に出向いて教えることは大きな意義があると思っています。
2番目の問題提起です。実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関をどう位置付けるのかという点です。私は,既存の大学や高等専門学校と,新たな教育機関とは差別化が必要だと思います。現在,理系分野での高等専門学校の意義は,社会的にも一定の評価を得ていると思います。ですから,新たな高等教育機関のイメージは,高等専門学校と似ている印象を受けますけれども,それとは異なる位置付けにすべきではないか。個人的には,文系,理系に共通する実践的なビジネス知識の養成を目的とした教育機関として位置付けるのがよいのではないかと思います。
ここにありますデータを見ていくと,新卒採用の面接段階で重要視される上位3項目がチャートの右の方にありますが,企業は,理系大学生に比べて文系大学生に対して学生時代に学んだ専門知識,研究内容をほとんど期待していない。その代わりに,新しい職業,地域などなど,様々なニーズに対して,文系の大学生にも社会,企業が求めていくような専門知識,これは当然,ディスカッションしていく必要性がありますが,そういったことを養成していく必要があるのではないかと思います。
最後の3番目ですが,新たな高等教育機関での教育の質の保証をどう担保するかという点です。新たな教育機関という区分ができることで,既存の大学や高等専門学校の教育の質とどうリンクしていくか,これを契機に,各機関の強み,役割の見極め,大学を中心とした教育機関の機能分化が進むことを期待しています。その際には,当然,スクラップ&ビルドという議論があってしかるべきではないかと思います。
時間をかなりオーバーしましたが,以上,幾つかの点は私見として参考にしていただければと思います。よろしくお願いいたします。御清聴どうもありがとうございました。
【永田部会長】  天羽さん,どうもありがとうございました。まとまりがよくて,幾つの観点にも触れられていました。また後ほど,意見交換になったときに御意見等をお伺いしたいと思います。
それでは,2番目ですが,株式会社スマイルブームから徳留取締役に御説明をお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
【徳留氏】  早速ですが,天羽様のお話がほぼ全体的であると思いますので,私の方は,自分が所属しますゲーム・CG業界の分野から,かなり絞った形でお話しさせていただきたいと思います。
まず,私自身は,鹿児島県の桜島がくっついているところの大隅というところの出身です。各ソフトウェア会社に所属して,1994年にマイクロソフトに入社し,翌年がWindows95という,OS業界としては一番大きなイベントを経験させていただいたところから,2011年末までマイクロソフトでいろいろな職種を経験させていただき,社会人歴25年のうちの約半数はゲームを作る職種に殉じている形になります。
本日,私の方から説明いたしますのは,1ページ目になりますが,ゲーム・CG分野の現状,業界動向と,実際にどういう人が求められるかという部分のお話と,人材育成の現場を実際に見てみて,私ども業界からどういうふうに見えているかというお話,最後に,人材育成の提言という部分をお話し差し上げられればと思います。
3ページ目です。いきなりお金の話かなというところですが,これは,ウェブサイトにあります市場規模のマップになります。現時点ですので,2015年から換算しますと,2014年に出ている白書などから抽出してウェブのサービスで出ているものになります。やはり,日本で大きなパーセンテージに占めるのは,自動車,及び自動車の附属製品,こういった製造業が大きいというのはよく分かるのですが,次の3ページ目を見ていただいて,その62.6兆円の規模がある,多分,これは2013年度だと思いますが,車業界に比較して,ゲーム・CG業界というのは多分野にわたります。ここに書いてあるだけでも,ゲームソフトをショップ,小売店に置いて,それを作って販売してというだけではなく,アミューズメント施設であったり,実際には,CGの分野等も含めてしまいますと,アニメーション,テレビで出しているもの,映画や,オンラインのゲーム等,多種多様な部分にまたがっており,それの総額というわけにはいきませんが,それだけで約8兆円の規模になる市場を有している形になります。ですから,ゲーム・CGという形で一つの市場があるという形で皆さんの方でも認識していただければと思います。ただ,この後に阿部様がお話しされる旅行は,単体でもう6兆円の市場があるということで,逆に言うと,もうそれだけでも強いということは思います。
次に,業界動向としては,皆さんもイメージで持たれているゲームをコントローラーでテレビにつけてやるという部分,及びCGも,アニメーションをやったり,CDのメディアで販売したりという部分から,2015年の傾向が分かるのは来年度になるかと思いますが,はっきり言うと,現状はほとんどスマートフォンです。こちらの中で動いているものの収益で,ほぼゲーム業界は成り立っております。もう9割方と言っても過言ではないと思います。この市場を取るという形を,我々,ゲーム・CG分野の中では大きな生活の糧としております。
ただ,多分こちらの中にもいらっしゃると思いますが,先端技術というものがございます。HMD(ヘッド・マウント・ディスプレイ)や,IOTと言われている部分,データ分析・アナリシス・集約とか,そういった分野は,実はゲームでも応用しております。逆に言うと,ゲームの方が先行してお客様のニーズに出せるところまで持っていける。あと,体験型,「ナラティブ」という言い方をしますが,シナリオベースのエンターテイメントの提供という部分の市場形成をしていくことになっていきます。
お金の話をして,技術的というか,未来型のお話までしていくのですが,なぜその話をしていくかというのが次になっていきます。4ページ目ですが,先ほど言いましたとおり,はっきり申し上げて,今の特にゲームの部分に関して言いますと,スマートフォンビジネスという部分が主体となっております。ただ,より作り込みをしたものに関しては,日本のコンテンツだからということではなく,海外の市場で日本のコンテンツの方は勝負を懸ける形が非常に強くなっております。ただ,非常に難しいもので,技術だけあればいいとか,物が作れればいいという時代が終わりまして,トータルのビジネスに対してもシナリオを用意しなければいけないという非常に難しい部分まで現在,業界としては課題として持ちつつ,これらをクリアしながら商売とさせていただいている形になります。
5ページ目になります。実際に我々のゲーム・CG分野の業界としてはこんな人が求められます。右の絵を見て,分かる人は分かると思いますが,レオナルド・ダ・ヴィンチとラスプーチン,要するに,想像心と現在の錬金術師,この二つがなければ駄目です。クリエイティビティと言いますけれど,無から有を生み出す,その無があるわけではなくて,そこは学習なのです。ある程度の知見という部分があるかと思いますが,そういったものをいかに具現化するかという部分が必要になってきます。
実を言うと,ゲーム・CG分野というのは,何かお手本がある,今まで見たことがある。ドラゴンなんて,皆さん,見たことがありますか,ないですよね。そういったものを実際に自分で想像して,それを絵にして落とさなければいけないのです。そんなことができる職種が逆にどれくらいあるのかということです。ひょっとしたら,おいしいラーメンを作ろうと思えば,それを想像して味に落としていくという形で,これも具現化の一つだと思います。そういった形で非常にクリエイティビティな部分が求められる人材になります。もちろん,それを作るための技術というものは,コンピューター,ITを駆使しなければならないという形ですが,それは飽くまでもツールですので,基になるのは,自分がどういった世界をお客様に出したいかという部分を具現化できる人材が求められます。これを実際に学生に求めてしまいますので,非常にハードルが高くなっていきます。
6ページ目が,昔は単純でよかったのですということを示しています。ただ,現段階,2014年,昨年の話になりますが,もう既にパソコン並みのものがテレビの横にプツっとくっついてお子さまが遊ぶものになっている。若しくは,手元に持っているもの,これは1970年代に,もしスマートフォンがあったら,これは大型コンピューターと同じ処理ができるのです。その分,熱も持ちます。そのような形で非常に歩みが速い。
それから,IT業界も同じではないかという形のお話があるかもしれませんが,例えば,ウェブでお買物をしましょうというときに,このレスポンスタイムが何秒ぐらい掛かるかということがありますが,ゲームというのは,自分が右に向けとやったら,画面上,キャラクターは右を向くのに2秒,3秒掛かると人はイライラしてしまうのです。それぐらいで,ここで0.001秒という書き方をしておりますが,このインタクラクティビティ性を持っているエンターテイメントのコンテンツというのは,実はゲームだけなのです。それをまた描画させてなければいけないという能力を持っている,これもCGの能力が必要になるという形で,非常にタイトな世界での技術を駆使して行わなければならない。それらが作れる人という形になります。
7ページ目に,それらの人を現代の職種といいますか,大まかな役割で申し上げますと,クリエイターであり,実際にはツールが使いこなせるエンジニアであり,これらがゲーム・CG業界両方に必要とされているということです。なおかつ,ITの駆使するデータベースエンジンももちろん使うのですが,それだけではなくて,今はスマートフォンにも対応した知見が必要になってくる。CGに関しては,絵を描く能力,空間把握能力があればいいというのが前世代までの認識だったのですが,現在は,いかにして人間が見ておかしいと思わない,挙動がおかしくないかというものをCGのデザイナーが考えなければいけない時代になっております。逆に言うと,ゲームをクリエイトするプログラマーであった職種と比較すると,CGデザイナーの方が求められる要素というのは非常に高いレベルを求められているような形になります。
8ページ目,前職になるのですが,実際に2006年から,各大学,各専門学校を見てまいりました。もちろん,仕事ですのでいろいろな布教活動をやりながら,接しながら見てきた形になります。
9ページ目,その場で見て,もちろん,現場の方々は非常によく頑張っているという部分はよく分かっているのですが,現時点でできないことが多いのかなと思います。要は,ここがクリアされない限り企業として欲しい人材にならないのかなというのは,伊藤室長から資料2のところでお話があったのですが,小樽商科大学のところで,実際の御当地の販売等をされていますよね。それと同じように,ゲーム・CGの分野も,実際に販売しなければいけないのです。ユーザーの手に取ってもらうところまでいかないといけない。要は,商用のライセンスを持って,きちんとそれを作るツールも仕組みも持った形で学校として本気で市場と向き合わなければいけない。これがない形はナンセンスなのではないかと思います。
それから,大学自体には,ここは文部科学省なので多分,御存じの方の方が多いと思いますが,ゲーム学科なるものは存在しません。聞いたことがありません。マルチメディア何とかというのがひょっとしたらあるのかもしれませんが,実際にゲーム制作に特化した形の教育というのは大学でやっていないはずです。もちろん,取り組んでいる私の知人もいっぱいいますので,実際にゲームをカリキュラムの中でやっていたり,講師の方が教えていたりすることはもちろんあるのですが,実際には,それを特化した形になっていないというところがあります。
それから,非常に大きな問題,これはどこも一緒だと思いますが,現場の生のゲーム制作,CG制作を知っている人間が教壇に立っていない,教えることができるのかという大きな問題がありますが,現在進行形の知識をそのまま学生に渡すという形ができていないのです。これではニーズに合った人材をそのまま出していくことは,やはり無理だという形になります。
10ページ目になります。では,企業としては人材育成はどうしているのか,学校にだけいろいろ言うのですが,企業も,仕事優先ですので,そんなに手厚くできていない。もちろん教育というか,仕事を通しながら育成はしていくのですが,教育の観点から見た場合のきちんとした仕組みは,ゲーム・CG分野という技術の部分が,対外的に誰かに教えてもらうということが非常に難しかったり,ボランティアベースの勉強会等を行っている,これはIT業界という共通ですが,そういう形が多くて,正規なものというよりは,タッチ&トライ的部分が非常に多くて,正直に言うと,伸びる子だけは伸びるというところがあります。
それから,皆さんにも共通なのですが,「面白いって何?」とか,「売れるって何?」ということを日中夜,寝ないで考えなければいけないのです。これを誰かに教えてもらうのは非常に難しいという形がございます。
難しい,難しいとは言っていられなくて,11ページ目ですが,我々,コンソーシアムの方で,実際にゲームを作るためにはどれぐらいの分野があり,それをマスターしていくところで実際の職種としてどういうものまでに就けるのかという部分をマッピング化していったものになります。
非常に細かくなっていくのですが,レベルが非常に多くなっていく部分に合わせて,その職種に合わせたゲーム・CG分野の中での適正な職種におのずとスケールとして入っていけるという形になっております。飽くまでも理想像ですが,これを,例えば,専門学校とした場合にどこまで行えるのかと考えたり,大学が非常に変わっていただいて,ここにも3年生,4年生という形で書いてありますが,これぐらいまでのカリキュラムといいますか,カテゴライズされたものを学んでいかなければいけない。今の学生に対しては非常に酷になるとは思っています。
次に,12ページ目です。最後になるかと思います。天羽様の方で産学連携の部分はお話しされていたので,どういう業種であっても同じようなことが言えるという部分があると思います。こちらでは,下から2番目の「海外と同様に」というところです。私,前職でワールドワイドの学生向けのコンテストを行いました。カテゴライズは,飽くまでも学生です。ただし,日本人は生真面目に規定を守って20歳,21歳の学生が応募してくるのです,よく頑張っています。ただし,海外は,南米や東欧は35歳の学生が出てくるのです。当たり前じゃないですか。向こうの学生は学び直しでもう1回大学に戻ったり,専門学校と同じようなカテゴライズの学校に戻って自分の職種を高めるために学んでいるのです。そこでコンテストに応募してきて,なおかつ自分はステューデントであると言うのです。そこと闘うのです。それは,経験値も違えば,向こうは,ついきのうまでプロとしてやっていた人たちなのです。そこと同じような結果が出るかというと非常に難しかったということがございます。
このように,もちろん,今の学生の方々,高校生や中学生の方々からのエスカレーション先としての新しい学校体系を作るのも必要なのですが,もう少し人材の流動性を高めて,一回社会に出て,その業界で働いていても学び直しというか,自分のスキルアップができるような仕組みが出せるようになっていくと,非常に強い人材育成ができるのではないかという形で最後の提言とさせていただきたいと思います。
駆け足でしたが,ゲーム・CG業界で求めるニーズに関しましてはこのような形になります。御清聴ありがとうございます。
【永田部会長】  どうもありがとうございました。ものすごく具体的な例まで示していただき,後での議論に役に立つと思います。
最後のお一方,日本ハイアット株式会社阿部さんからレクチャーをお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
【阿部氏】  日本ハイアットの阿部でございます。よろしくお願いします。
15分ということですので,最初に結論だけ申し上げたいと思います。今,ホテル業界というのは大きな変化,私がこの業界に入って経験したことのない変化に見舞われております。端的に言えば国際化です。その国際化の中で最も重要なのは,この国際化に対応できるリーダー,経営者を作ることです。いい意味で,エリートをきちっと作っていくこと,これをしないことにはこの国際化が逆にマイナスになってしまうというのが,今,ホテル業界の人材のニーズ,状況かと思います。そういった意味では,チャンスというより,正直,危機感を持っております。
結論ではないのですが,いわゆるホテル経営学部・ホテル経営学科,これはアメリカ,ヨーロッパ,アジアにありますが,日本でも,もちろんそういう学校はあるかと思います。ただ,そういうホテル経営学科をきちっと作ることが一つの大きな解決策になるのではないかと思っております。
それでは,最初に2ページ目,「急激に進むホテル業界の国際化」です。今更国際化というと,ホテル業界が何を言っているのだと言われそうですが,国内の宿泊者に占める外国人の割合は,つい2,3年前までは5%ぐらいで,20人に一人が外国人でした。それが昨年9.5%,10人に一人,飽くまでこれは私の試算ですが,オリンピックのときには,恐らく2割近くが外国人になっていく。全ての宿泊のお客様の2割が外国人になっていくという状況です。
これは何を意味するかというと,我々ホテル業界が今まで全く経験していない状況が生まれてきている。5人に一人外国人というのは,例えば,大都市で言えば,国際的な観光都市,東京,大阪,名古屋等で言えば,変な話,二人に一人,その他の地方の都市でも外国人が,例えば,お客様の3割や4割を占める。そのときに,2割だからまあ適当にやっておけばいいという状況では済まされないです。一つは英語の問題で,語学のコミュニケーションが絶対に必要です。それ以外に,食事の問題,アレルギーの問題,コミュニケーション,マーケティングの問題,施設の問題,コンプライアンスの問題も含めて全てです。外国人が2割,3割という状況は,今までホテル業界が対応している状況とは全く変わってくるというのが,私の見方です。
私の試算というのは,2020年に3,000万人の訪日客で,今現在,官公庁は2020年に2,000万人,2030年に3,000万人という見方で,少し前につくった数字かとは思いますが,現在のトレンドというのは,これをはるかに上回っている状況です。2020年に3,000万人,昨年が1,300万人ちょっとですから,その約2倍になるというのが現実的な状況として見えてきているかと思います。ちなみに,今年は1月から4月,若しくは5月のデータで,対前年で訪日客が4割増えているという状況です。過去3年,若干出っ張り引っ込みがありますが3割を超えている状況ということで,とどまるところを知らないという状況です。これはもちろん,私どもホテル業界にとっては大変うれしい,有り難いお話で,今現在,東京,大阪等では,ホテルの予約が取れないという状況が生まれています。それは有り難い状況なのですが,このまま放置しておくと,それはいろいろな意味で逆に問題が出てきてしまう,ネガティブな状況になってきてしまうという状況です。それが今現在の需要サイドです。
では,その供給サイドです。供給サイドといいますのは,ホテル業界で言えば,ホテルないし旅館がどういう状況になっているか,3ページ目です。訪日客の急増に伴ってホテル業界の国際化が急務になっている。端的に言えば,英語でのコミュニケーションがまず何よりも,一にも,二にも,三にも英語力,英語でのコミュニケーションです。それ以外に今現在進んでいる状況としては,外資系ホテルチェーンは,地方都市,リゾート地への進出,またビジネスセグメントへの展開を図っています。従来,外資系というのは,何かというとなかなか難しいところがありますが,例えば,マリオット,スターウッド,ヒルトン,インターコンチネンタル,若しくはハイアット,私どももそのようなカテゴリーに入ると思います。一方で,外資が持っているホテル,所有しているホテルがいろいろなブランドで展開しているところもあります。例えば,ソラーレホテルズというところです。その他,チェーンではないですが,単体で,例えば,ペニンシュラとかマンダリン等のホテルも,ある意味,そういうセグメントに入るかと思います。外資系ホテルチェーンが,従来はビジネスホテルセグメント,若しくは地方都市に展開していなかったのですが,今はそういう外資系のホテルチェーンが,そういうところに関心を持って取り組んでいます。一方で,特に近年,アジアの投資家が日本のホテルを購入しているという状況が続いております。
それから,日本のホテルチェーンでも,例えば,日航ホテルとかホテルオークラとか,そういう,海外にもホテルを持っているチェーンというのは,そういった意味での外国人対応にかなり積極的,若しくはノウハウがあるというところがあります。一方で,特に今まで国内客がほとんどを占めているところでは,これからその辺の対応を迫られるという状況かと思います。従来,例えば,本当にビジネスホテルというセグメントの中で日本人客が大変だったところも,最近,本当にここ1,2年,外国人がワッと泊まっている状況です。例えば,立川など,従来は都心での観光やビジネスで外国人が泊まっていないところにも今,泊まっているような状況があります。
その下に簡単に書きましたのが,日本全体で約150万室あるうち,83万がホテル,73万が旅館です。その83万室のうちチェーンホテルの110社で約48%,半分を占め,その半分のうちの約11%を,そういう意味では外資系と言われるホテルが占めているという客室の割合です。これは何を意味するかというと,今現在,確かに外資系,若しくはチェーンホテルという部分の比率は必ずしも高くないところはあるのですが,今後の国際化の中で,チェーンとしても,外資系というところも働いているのは日本人ですから,同じような国際化対応というのがどんどん必要になってくるというところです。
4ページ目です。では,どういう人材が必要なのか。1番目として,英語コミュニケーション能力も含めた国際的なビジネス経験,ノウハウのある人材が,ホテル企業幹部,ホテルプロフェッショナル,総支配人等々,ホテル幹部に今現在,極端に少ない。
2番目として,英語コミュニケーションができるサービス人材,これはフロントやレストランです。特に調理人材に非常に少ないというのが今の状況です。
なぜそういう国際的なビジネスプロフェッショナルが日本には少ないのかというところです。もともと英語教育,英語だけが全てではないというのは当たり前なのですが,これからの状況だと,もうそれが必須なのですが,それができる人材が,まだまだ極端にこの業界は少ないというのがあります。ディベート力です。英語は下手でも話をして説得しようとする,話を理解する力もない。
それから,ホテルチェーンの幹部プログラムというのがいろいろな大手のチェーンというのはあるのですが,そこに入ってくる日本人も少ない。それから,ホテル業界というのは,世界各地を転々としながら実力を付けて,最終的には総支配人,若しくはその上を目指すというのが一般的なのですが,そこに入る日本人も少ない。最近は,ホテル経営学部,これは海外のホテル経営学部に行く日本人も非常に少なくなっている。私が20年ほど前に行ったときには,その当時,コーネル大学のホテルスクールの大学院で1クラス40名のところ,日本人が7,8名いたのです。それが今や,ここ数年は0とか1とか,そういう世界になっている。一方で,中国,インド,韓国は逆に増やしていると,そういう状況があります。
例えば,私の会社の中でいろいろな会議をする中で,中国人の英語力というのは,もう目を見張るようにうまくなっています。それは彼らがどんどん海外に留学をしているからです。もちろん,香港,シンガポール,それから台湾もホテル業界では,語学力,ビジネススキルも含めて強いです。そういった中で,正直,日本人が見劣りをしている,もちろん,そういうところを何とか引き上げるということが私の仕事ですが,なかなか厳しいところがあるという状況です。
5ページ目に移らせていただきますが,そういう中でどうしたらいいのか。私の母校のああいう教育機関があれば,それは日本のホテル業界も人を採っていくだろうということです。一つは,英語でのコミュニケーション能力,ディベート力を若いうちから身に付ける。それから,社会学ではなくて,ホテルの経営者,プロフェッショナルを目指すという明確な目的があるプログラムを作る。
よく,観光学部とホテル経営学部が一緒というところが多いと思いますが,全く違います。ホテル経営学部というのは,実際にはホテル特有のアカウンティング,不動産投資,レベニュー・マネジメント,ホテルに特化したそれなりのスキルが必要で,ざっくりとした観光,ツーリズムというところと,正直,全く違う世界です。そういうものに特化したものをする,ということは,逆に言えば,そこに入ってくる学生はそこに関心がある,インセンティブがあるというところなので,そういうところを明確にした学部が必要なのではないかと思います。もちろん,社会学としての観光学を否定するわけでは全くなくて,それはそれで大変大きな意味があるかと思います。
そういうホテル経営学部の特徴としては,ホテルに特化したビジネススキル,ビジネススクールとしての面,それからオペレーションを,例えば,料飲,レストラン,ワイン等を学ぶところもありますし,あとはフィールドスタディ,インターンシップ,若しくはグループスタディ,そのようなチームワーク,若しくはディベート力を磨くことが教育のプログラムとしては非常に大きい。それはビジネススクールと比較しても大きいと思います。
社会人を教員にというところは,私も一つの手かなとは思いますが,実際にはそれぞれの分野はかなり深いのです。ですから,逆に言えば,きちっとした教員のプロが必要ではないか,必要に応じて海外から持ってくることが必要なのではないかと思います。
次,6ページ目です。実際にアジアの,例えば,シンガポールや中国などは,コーネル大学と実際にプログラム提携をしている,実際には,プログラム提携というよりは教員の派遣から何からするというところも増えています。一方で,我々,ホテルスクールの卒業生が150名いて,非常にいい形で,今現在,新しく入ってくる学生,卒業する生徒のインターンシップ,就職のサポート等をしている状況がございます。
7ページ目です。では,そういうホテル経営学科の受入れはどうかということです。受入れ側がないことにはホテル経営学部も成り立たないというところがありますが,私は,今は,受入れの企業側にも非常に大きな変化が起きている,若しくは起こらざるを得ないと思っています。まずは,先ほど言ったホテルのプロ,それはコミュニケーション能力も含めたプロが,今後,国際化するホテル業界の中でますます必要になってくる。外資系ホテルのみならず,国内のホテルも全く同様である。それから,企業内訓練というのは,ホテルは,大きなチェーンでない限り難しいところはあります。それは終身雇用ではなくて流動性の高い業界ですから,長期にわたっての投資がなかなか難しいところがあります。一方で,ここ数年,かなり業績がよくなってきている中で,人に対する投資,それから,今はなかなか人が採れない,採用難ですから,そういった意味での企業側の余裕もできてきている,若しくはモチベーションもできてきていると思います。
企業側,若しくは業界側の課題としては,この業界のイメージアップが必要である。宿泊業,レストラン業というと,ある意味で,昔で言えば水商売というイメージ,長時間労働等,そういうイメージがあるかと思います。製造業が非常に強かった日本に対して,サービス業というのは,何か亜流みたいなところがあったかと思いますが,そこは業界としてイメージアップ,処遇の改善,優秀な学生を更に伸ばすというところをやっていく必要があると思っています。それから,英語教育というのも,当然,企業側としての責任であります。
最後のページですが,ざっくりとした話で,そういう人材を育成できるケースと,できないケースというのは,私は非常に大きなインパクトがあると思っています。人材育成を図ることができるケースに関しては,日本が真の国際観光立国になっていく。フランスがそういうビジネス観光客が8,500万人,アメリカが7,000万人,ずっとおりてきてイギリスが3,100万人,ドイツが3,100万人という状況です。3,000万人というのは決して多過ぎる数字では全くなくて,きちっとした人材養成を図って,きちっとした経営者を作って対応していけば,3,000万人,4,000万人,5,000万人という数字になっていくと思っておりますし,逆にそれをしなかった場合には,非常にネガティブな影響,来てもらったはいいけれども,きちっと対応できない,おもてなしは,実際にそれが言葉,若しくは商品で対応できないと,それは十分ではないというのが私が感じるところであります。
以上でホテル業についての御説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。
【永田部会長】  阿部さん,どうもありがとうございました。以上,3名の方々から具体的な例も含めていろいろとレクチャーを頂きました。これから,先ほどの前半部分の文部科学省からの御説明も含めて御意見,御質問等がある方は発言をお願いいたします。なるべく対話型の方がいいと思いますが,委員の方々は,佐藤委員のように名札を立てていただければ,こちらの方で順番を見ています。
それでは,まず佐藤委員,どうぞ。
【佐藤委員】  本日はいろいろ御説明いただきありがとうございます。大学をあずかっている者として大変参考になる御意見があったと思います。
要点は三つで,一つ目は,つぶやきというか,ぼやきなのです。それは,高大接続のところの委員会もそうなのだけれども,ここで議論したことが最終決定をしたように新聞に書かれる。多分この議論も,今どうすべきか,ということを議論しているので,ここで発言があることは最終決定ではないというふうに私は思っていますので,その点について,やはり十分な理解を,公開をしている中で受け止めていただきたいというぼやきが一つ。
もう一つは,自分のところも含めて考えた場合,本日は準備された関連資料の中の8ページに,平成17年の将来像答申でまとめた分野別機能分化ということを答申して,それに従って大学はいろいろ整備をしてきたのだというふうに理解しております。私は桜美林大学ですが,うちの大学でも多分15年ぐらいに,やはり機能によって大学を分けていかなければいけないのではないかと思ったものですから,筑波大学が学群という制度でクラスターはそれぞれのカレッジとして完結して,その機能を集めていくということがあったので,私のところもそういうふうにしてきました。したがって,17年の中教審の答申があったときは,これでよかったのだと思ったのです。
そのときに,私のところは,いわゆる基礎学術というか,人文社会,自然の,従来大学の中心となっていた教育を「リベラルアーツ」と呼んで,それ以外の職業教育も含めて「プロフェッショナルアーツ」というカテゴライズをして整理してきました。プロフェッショナルアーツの方は,資格に結びつくところ,あるいは芸術教育,ビジネス教育ということはそこでまとめていく。その上で職業人育成のための大学院を全体の傘を掛けるような形で整備してきました。そういう面から言うと,社会にすぐにリンクして,社会に出すためにどういう人材を育てなければならないかということは,大学の中でももう既にやってきたことであると私は感じています。
ちなみに,申し上げますと,私も現在,大学設置・学校法人審議会,大学分科会をあずかっておりますが,そこに出てきている申請も,従来とは全く違うカテゴリーの教育が大学教育の中にもう既に入ってきて,これを本当に大学として認めていいのかどうかという議論もありますし,それから,その後,アフターケアでもっていろいろな意見がつくというような状況があります。したがって,二点目は,これは,大学は大学なりに変化しようと思ってやってきたことで,本日お話を伺っていて,これは大学の中でも受け止められることではないかという気が私はいたしました。それが一つです。
それから,もう一つは,実は,将来像答申のときだったか,その後だったか,一度大学で育てた者を社会に出すときに,職業と結び付けたときにどういうふうに考えるべきか,ということを言ったとき,これは12年の資料ですが,企業ベースで見て,385万2,000を超す企業の数はあるのですが,その中で99.7%はスモールビジネス,中小企業であって,大企業の占める率は,数だけで言えば0.3%である。そうすると,当時は,就職は非常に難しいという議論をしていたのだけれども,実は有効求人倍率を見ると,ビッグビジネスは非常に高いのだけれども,スモールビジネスのところは結構,有効求人倍率で言うと2点幾つということがあった。
三点目は,実践的な職業教育を行う新たな教育機関を制度化するに当たって,それぞれの地域,地域で特性もあるし,どういう学校を作って整備していくかということについては,是非,スモールビジネス,中小のところが,少なくとも80%以上の受皿,雇用を持っているわけですから,そこのことも検討しながら議論をしていただけないかというのが私のお願いです。長くなりましたが,以上です。
【永田部会長】  ありがとうございました。現状を御説明いただきました。次の方にも御発言していただき,また何か出てくれば意見交換いたします。永里委員,よろしくお願いいたします。
【永里委員】  ありがとうございます。質問したいことがございます。それは徳留さんに質問したいのですが,昨今の新聞をにぎわしている一つの例として,理化学研究所松本紘理事長が,幅広い教養教育とか,リベラルアーツが幹であって,そこから花開いてイノベーションが出てくるとか,あるいは,成長産業がここから出てくるのではなかろうかと言っております。滋賀大学佐和隆光学長も,大学の世界ランキングの中ではリベラルアーツをきちんとやっているところが結構高い評価を得ているということを新聞で言っております。徳留さんの資料では,非常にクリエイティブさを要求されているのですが,極めて専門的で,カリキュラムも具体的に書いてありますが,こういうカリキュラムが必要だとすると,リベラルアーツというのは必要ないのか,あるいは,これがあってクリエイティブさが出てくるのか,その辺について徳留さんの御意見を聞きたいと思います。
【徳留氏】  はい。私自身としては,業界の中にいるものですから,ここに挙げているような,資料の後半の11ページ目の資料かと思いますが,実際にもうこれを職種としている人間が,日本人でも,特に海外,アメリカでもハリウッドの方にもいるというのが事実だったりするのです。イコール,これで成り立っている状況ですので,今から学ぶ人たちというのは,ここをマストとして超えていかなければいけない,業界に入っていかなければいけないという部分があります。
ただ,個人的な見解ということでいいのであれば,そうは言っても人間ですので,人としての素養という部分は大きく寄与するというふうに個人的には考えております。ですから,リベラルアーツという形でくくっていいのかどうかということではありますが,飽くまでもこれは,その業界に行くためのステップぐらいまでに捉えていただいた上で,ただ,人間性という部分では,個々にクリエイティビティさを持つには,その素養が必要であるという逆説的な部分が出てくると考えています。うまくまとめた回答ができなくて申し訳ありません。
【永里委員】  面白さとか何とかということが書いてあるでしょう。それは非常に難しいですよね。
【徳留氏】  難しいのですが,これも20年商売にしているので,弊社の代表は20年ずっと,国会審議にかけられるころからずっとゲームを作っていて,いかにして人に対して遡及(そきゅう)するか,面白さを遡及(そきゅう),楽しく思っていただくかを仕事としてやっているのです。それが学問として成り立ってはいる。もう既に大学で面白さを教えている大学もありますので,きちんとした教え方というのはあるのかなと思います。
ゲーム業界ではよく,人の一つ先を見た形の,ナラティブという言い方をしましたが,人がどう考えるかの先,次の行動をどうするか,もう予見も入れています。多分,IBMの研究等でも出ていたかと思いますが,そういったことはもう全てゲームに取り込んで事業としてやっている部分がございますので,決して面白さを国民性とか文化だけでくくるのではなく,きちんとした,もちろんそれを我々は職業としていますので,それを分析した上で実装も行える,もちろんこれは学ぶことも可能なのではないか。ただ,人としてクリエイティビティという部分では,それは絶対に必要になると思います。何も知見がないところでそういったものを生み出すことは,もちろんできないというふうに考えます。
【永田部会長】  本当は今のような議論がしたいので,質問はなるべく簡潔に,端的な質問をぶつけられるのがよろしいかと思います。
それでは,益戸委員の方から御質問をお願いいたします。
【益戸委員】  益戸です。伊藤室長,経済界の皆様のお話を聞いて,現在の地方在住の立場から幾つかお話をさせていただきます。
第一に,地方創生には,中堅・中間層のレベルアップ,底上げはとても大切だということです。この部会では,地方においても経済社会活動の基幹を成す中堅人材を育成するためにはどうしたらいいのかという視点からも御議論いただければと思います。
次は,この新たな高等教育機関は,今ある大学などの高等教育機関の限界を超えるものであってほしい。そのためには,新たな高等教育機関の制度化が必要だということです。
本日,経済界からの御意見を聞いていると今の教育の現状から抜け出るには,ポンと一つ上に飛ばないとなかなか達成できないのではないかと感じました。意欲のない学生が多いと言われる中堅・中間層を捨て置くことは簡単ですが,ここをこのままにしていては,何の解決にもなりません。そのためにはどうしたら良いか。この議論は制度設計につながると思います。
三番目に,やはり,実践的な職業教育を行うのであれば,社会の第一線で活躍する実務家に教壇に立ってほしいと思うのです。ある高等教育関係の委員会で「新規教員採用は,論文の数や博士号にこだわらず若い実務家を採用してはどうか」と提案をしたことがあります。しかし,残念ながら大学内の慣習的な人事採用ルールで,なかなかそこには行き着きません。
本日文部科学省から配布された資料を見ると,実務家を採用できますが,多分,私が手を挙げても教員としては採用されないでしょう。多くの大学教員評価基準はやはり研究実績が第一であり,教育は第一ではないようです。社会人の優秀な実務家は,博士号を持っていたり論文を幾つも書いた経験はありませんが,職業上,求められる高度な専門知識を持っています。こういう人たちが教員として参入できるようにしたらどうかと思います。
分野別の人材ニーズの中で観光人材の話が出ました。観光学を学んだからといって全員が観光業界に行く必然性は全くありません。全国の地方行政サイドで観光がわかる人材が不足しています。国内外からの観光客の増加に伴い,行政がリーダーシップを発揮しないといけない。受入れ側のグローバル化やバリアフリーなどの整備,さらにその先の町作りなどにも,こう言った勉強をしてきた人は十分役に立つのではないでしょうか。
そして,最後は,産業界・経済界・行政との連携です。産官学の連携で重要なことの一つに,お互い意見を言うだけでなく,どこがリードするかということが問題になります。
中央の議論では,文部科学省や経済産業省が中心でしょうが,地方であれば,県庁や市町村の方が積極的に入らないといけません。また,経済界でも経団連,経済同友会,商工会議所などにつながる連携が重要だと思います。
【永田部会長】  ありがとうございます。分かりやすい御意見だと思います。その反証というか,先ほど徳留さんがおっしゃっていたことを考えてみると,あるいは,永里委員の意見をお聞きして,こういう例を考えてみると面白いと思います。先ほどのカリキュラムを見て,大変だなと思うのです。あれを勉強しなければいけない,あれはマストで,この上に何が必要であるかと考えてみると,ほとんど他の学問分野と同じだと思います。どの分野でも,あのぐらい学ぶのがマストであり,その上に,新しい研究などをやらなければいけない。
ですから,徳留さんがお示しになった概要を実行するのは本当に大変だと思います。具体的にはこんなにやらなければいけないと初めて知りました。本当に大変有り難いことです。マストはやるのだけれども,本当にマストが経済活動を牽引(けんいん)するような人材をそれだけで作れるかという問題はあるのではないか。それは今,益戸委員がおっしゃったことの中で,違う業種に行ってもきっと頑張れる,そういう人が育たなければいけないというようなことです。そういう意味合いで,今の御意見は大変面白いと思います。それこそ,私たちが本気で話さなければいけないことだと思います。その上で,今の研究者を育てるような大学のシステムには欠けているものを制度化して作らなければいけないという議論になっていくのだと思います。
鈴木委員の方からどうぞ。
【鈴木委員】  産業界の方からお話を伺えてよかったと思います。勉強することが多かったです。私は今,大学と短期大学の学長をしております。大学で教育しているに当たり,就職率というのが今,非常に重要で,一喜一憂しているところがあるのですが,学生のことを考えますと,向こう40年間の職業生活,さらに100歳までの人生ということを考えて教育していかなければいけないと思います。
それぞれの方に一つずつお伺いしたいと思います。天羽様には,10年から15年後の産業変化を見据えた実践的なビジネス教育というお話が出まして,そのとおりだと思うのですが,産業界の中で10年から15年先の変化というのを見据えているのがどのぐらいあるのかということを一つ,お伺いしたいと思います。
もう一つは,徳留様に是非,伺いたいのは,非常に分かりやすいお話だったのですが,現在,徳留様のかかわっている業界で,例えば,このような教育を受けたときに何人ぐらいの受皿があるのかということを伺いたい。それが向こう40年,一つの企業とは言いませんが,業界の中でそれを養っていくことができるのかという見通しみたいなことを教えていただきたいと思います。私自身は日本の高等教育の中で,非常に高度な専門的な人材に対しては,医師を除いては量的規制がなされていないというのが非常に大きな問題だろうと思っています。今の受皿みたいなところを教えていただければと思います。
もう一つ,阿部様に是非,伺いたいのは,コーネル大学の例を出していただいて大変有り難いと思ったのですが,ホテル経営学科みたいなところが日本でもあってもいいのではないかということですが,これは現在の日本の大学とか大学院の中にできても,それは十分機能し得るのかどうかあたりのところを教えていただきたいと思います。以上三点です。
【天羽氏】  どうもありがとうございます。10年から15年先の変化について,例えば,スマートフォンを見てもわかることがあります。今,ほとんどの人がスマートフォンを持っています。でも,15年前はみんなガラパゴス携帯でした。私は今もガラパゴス携帯しか使っていないのですが,あと2年もすると,このガラパゴス携帯はなくなるのです。15年前には革新的だったスマートフォンが今は汎用品となりました。15年後の産業界にはどんなことが起こるだろうと考えるとき,それは,恐らく我々が15年前に思っていたことと現在を比べると分かると思います。
今後,私が産業界でどんどん伸びるだろうと見ているのは,幹細胞の問題,再生医療の問題,ロボット関連,あと先ほど申し上げたようなスマートフォンのアプリケーションディベロッパー,農業も一部あると思います。サイバーセキュリティもそうでしょう。非常にたくさんの産業が今,生まれつつあります。ですから,当然,まだそれぞれの分野の専門家はマーケットや会社の中では少ないのです。しかし,15年先の変化を見据えて,それらをどう学んでいくか,教えていくかということを考えなければいけないわけです。その際に,これからは大学の中だけではなく,企業のいろいろな人から知識をもらって,カリキュラムをどういうふうにしようかと考えることが重要だと思います。
次に,今,企業では将来を見据えてどういうことをやっているのか。例えば私どもの会社は創立212年余りですが,今,私どもの戦略は,100年後に生きる残るためにどういうことをやらなければいけないか,それをイノベーションと位置付けて動いています。イノベーションとは,当然,研究室の中で進めるものではなくて,社会貢献をする,新しいものを世に出す,それは100年後にはどんなものなるのだろうということを考えています。
これは欧米の企業だけではなく,日本企業でもいろいろやっていらっしゃるとは思います。やはり,企業というのは,先ほど言ったように,マーケットの中で先を見越し,社会貢献をしながら競争力を持って勝っていく,そのためには,現状を見るのではなくて,20年,30年後を見据えて動く,その中でイノベイティブなものを産み出していくことが大事なのではないかと,そのように思っております。次に回します。
【徳留氏】  企業の受皿という形で,ゲーム・CG分野の方での回答としましては,100%あります。なぜそう言い切れるかといいますと,今,ここの人材が足りていないのです。喉から手が出るほど欲しいのですが,今から学んで,2年後,3年後,4年後,実際にこれらを取得したエンジニア,クリエイターになっていただいたとすれば,企業としては非常に欲しいです。大中小,いろいろな計測値がありますが,CG・ゲームで4,500から5,200企業あります。そういった会社の中で,このポジショニングの人々は,実際に現場でものづくりをされる方々に直結される方々なのです。そういう方々が今,不足しているので,その人たちを企業でも育てようとしている内容もここに含まれているというふうに考えていただいた方がいいのかもしれないです。
こういう場で言っていいのかどうか分かりませんが,スマートフォンビジネスが今,ゲーム・CG分野でメインになっていると言いましたが,昔,ファミコンとかを作っていたエンジニアを全部,CM等で流されている,スマートフォンでいけている企業さんが総ざらいでみんなヘッドハンティングされていったのです。要は,作りたくても,今,そういうシニアの知識を持っている人たちが,いい企業に行かれてしまって,本来のゲームを作る方々で残っている方々というのは非常に少なくなってきています。ですから,企業としては,いつでも欲しいのです。これを一つでもマスターされている方がいらっしゃれば,企業としてはすぐ採りたいと思います。うちは30人くらいの小さい会社ですが,プログラミングのところでいけば,専門家は,2年やられた方であれば非常にいい待遇で採りたいと言えるかと思います。
【阿部氏】  既存の大学や大学院の中で考えられることができるかという御質問だと思います。私はそう思います。今の大学・大学院の中で作るのが,私にとってみれば自然だと思います。理由は幾つかあります。一つは,学生さんが,例えば,阿部ホテル経営学校みたいなものを作って,一体それは何だという感じで,まず学生にとっては新しい学校で,なおかつホテル専門と言われると,果たしてそれがどんな大学,どんな学校かという不安感もありますし,それは学生にとっては,まず,ブランドが必要だと思います。
2番目としては,教員の問題と,勉強する場がきちっと必要だと思います。端的なイメージとしては,ビジネススクールみたいなものを持っている大学,かつ英語での教育がしっかりしているような大学だと思います。といいますのは,このホテル経営学科の実際の科目というのは,経理,ファイナンス,マーケティング,人材開発,経営戦略,統計等,レベニュー・マネジメントというのは統計ですから,それぞれの既存の大学のビジネススクールの科目がメインなのです。そことの融和性というか,そのシナジーが一番高い。
もう一つは,英語での授業を基本にするというのが不可欠だと思います。ですから,そういった意味での教員のアベイラビリティからすると,既存の大学,大学院というのが一番いいと思います。
【永田部会長】  どうもありがとうございます。ただいま手が挙がっている方がまだたくさんいらっしゃいます。川越委員,小杉委員,寺田委員,安部委員,生重委員から手が挙がっているのですが,全部回るかどうかちょっと分かりません。それで,今,申し上げた委員の方々で,自分の御意見は少し抑えて,是非とも聞いてみたいことをお持ちの方から行きたいと思います。皆さんそうですか,皆さんがそうならその順番で行くしかありませんが,御意見はまた述べるチャンスを次回以降,用意しています。
【生重委員】  お三方に伺いたいのですが,私は,本業は違いますが,この説明資料の中の25ページの大分の「おんせん県おおいた」プロジェクトをプロデュースしてかかわっている者です。そのほかにも沖縄とか,いろいろ地域の産業とかかわるようなところにどう就職させるのかということも大学,高校を絡めて様々,悪戦苦闘しております。地方に行って特に感ずるのは,専門的な学びというものを今後,進化していった場合にでも,まだ今,経済団体も行政が様々なところに受け入れるという受入れ側の方に壁があるように感じているのです。それを乗り越えていくために何か,今の段階で一番,これをやっていけばいいということ,産業界側もそういうことをもっと広く理解していかなければいけないと思うのですが,大きな経済団体さんを含め,様々が,どういう普及啓発とか理解をしているか,広めるためのことをやっているかということを,是非教えていただきたいと思います。
【天羽氏】  非常にいい例があります。私は徳島県出身ですが,徳島県に阿南高等専門学校というのがあります。阿南高等専門学校には,昔は電気と土木と機械という学科がありましたが,つい最近,創造技術工学科,化学コースを新設しました。その理由はなぜか,あそこには日亜化学があるからです。LEDです。徳島大学,阿南高等専門学校の人をたくさん雇うのです。つまり,阿南高等専門学校は,地元の企業さんと話をし,どういう人をたくさん採用してくれるのかということを確認し,それに沿った新しいコースを作ったわけです。これこそまさに求めている姿です。高等専門学校,地方の国立大学も,今,地域に求められるものは何なのかということをしっかり把握した上で,それに合致した教育をしていくというのは,非常にいい例ではないかと思っています。
【徳留氏】  自分も鹿児島出身で,今は北海道の札幌で働いているので,地方において学生が就職先に対して難を感じるというところで,企業として,団体として何か行動しているかということであれば,私は,最初のスライドのところで,CEDECと呼ぶのですが,呉越同舟で業界団体,ゲーム業界もCG業界の団体に所属しており,毎年,8月の夏休みの期間にカンファレンスを行っています。多分,アジア圏でも最大だと思います。実際に,一企業が各地方で直接何かするといっても限度があると思います。であれば,逆に提案していきたいのは,そこに行きたい子がいるのであれば,たとえ地方であったとしても,そういったメインになるところ,主になるところが集まっているところにアプローチしていただくという形が非常に大事なのではないかと思います。
実際問題,そういう手法を使われて,要は,こういう人材がいるのだよというアピールしていただいただけで,そこに就職というか,企業が認知するわけです。そこの学校にいい子がいると。素朴です,言われたことはきちんとやります,みんないい子たちですというのは分かっているのです。ただ,みんな知らないだけなのです。それは,そういう形で,いるのですよということを,少なくとも,そういう業界の集まりのところではアピールしていただいた方がいいのかなというふうに,私は逆の提案として思います。企業側が差し伸べる手というのは非常に地方に行き届かないと思っています。
ただ,ゲーム・CG業界で言えば,沖縄,福岡,大阪,名古屋もちょっと薄いですが,東京,東北を飛んで札幌,こういった五つの拠点のところには,そうは言っても,中国地方とか四国とか,東北等,手薄なところはありますが,少なくとも,代表的な企業様が複数社,存在しますので,アプローチしていただく手法はあると思いますし,各企業はコミュニティを作ってそういう催物をよくやっています。学生だから参加できないということはないです。非常にたもとを大きく広げて待っていますので,そういったところに参加していただいた方が,ゲーム・CG分野に関しては有利かなと思います。
【阿部氏】  地方の経済にとって今後のホテル,宿泊企業というのはかなり大きな発展する機会です。というのは,先ほど申し上げたように,北海道のスキーリゾートから,ちょうど今週,那覇に1件,ホテルを開業するのですが,地方に今までなかったような訪日客,例えば,九州から,もちろん金沢もそうですが,とにかく多いです。そういった意味では,そういうところにホテルの計画ができました。そのときにホテルは,既存のホテルも,そういう意味では雇用を増やし,新しいホテルも開業していくような状況になります。基本的には,そこについて私は,若干楽観はしております。
ただ,一つできますのは,例えば,企業にインターンシップの学生さんを政府として受け入れるサポートをする。先ほど申し上げたように,チェーンホテルの会社というのは,日本でたかだか110社ですから,その110社が地方の各地にホテルのオープンをしている。それがホテルの半分を占める。その110社に対して,そういうホテル経営学科の学生さんをインターンシップとして受け入れなさいと。受け入れる側も,今の状況であれば余裕ができてくるとは思いますが,1か月間受け入れなさい,もし,受け入れた場合には,その分については補助金を出しますというような形でのインセンティブ制度というのはあるかなとは思います。
【永田部会長】  あと小杉委員,お願いします。短めにどうぞ。
【小杉委員】  すみません,簡単な質問です。御社,それぞれの会社では,35歳から40歳で,これまでこの業界の経験が全くなかった人たちが,こういう学校で学んで,子供が一人いるぐらいの人が応募されたら,ほかの学生と同様の目線で,幹部候補生なり何なりで採用されますか。35歳から40歳の人たちに対してどう思われますか。
【天羽氏】  私はイエスです。うちの会社は別に年齢別で人は採りませんから,必要なポジションがあれば,それは必要な形で,適材適所で人は採っていきます。
【徳留氏】  もう一度確認したいのですが,条件としては,35歳から40歳で業界未経験で。
【小杉委員】  それまでは何の経験もない人たちが,こういう学校で学んで卒業した,ただし,年齢がほかの人たちよりもかなり上である場合です。
【徳留氏】  弊社も年齢は関係ないですね。基本的に,私よりも年上の社員もいるような状態で働いておりますので,要は,能力で判断をいたします。ただ,年齢だからということで幹部候補生かというのはイコールにはならないとは思います。飽くまでもクリエイター,若しくは,実際に現場での作業をされる方という形にまずは見るかなというふうになります。
【阿部氏】  35歳から40歳,ホテル業界は決して,その年齢が高いということは全くないと思います。今,逆に言えば,定年後の社員も採っていきたいという状況ぐらい,ある意味での人手不足な状況ですから,35歳,40歳が上だということもないですし,十分,可能性があると思います。可能性があるといいますのは,ちょっとしつこいですけれども,例えば,何か強みを持っている,一番は英語力です。英語力があれば,それはもうそれだけで即戦力になります。それから,例えば,前段でホテルの仕事をしていなかったとしても,何かマーケティング的な仕事をしていたとか,若しくは会計をしていたとか,若しくは人事の仕事をしていたかとか,何らかの仕事をされていて,それプラス,先ほどの経営学部で全般的な知識を付けているということであれば,マーケティングに配属しましょう,人事部に配属しましょう,若しくは,英語ができればフロントにしましょうとか,いろいろな形での発展性は十分あると思います。
【永田部会長】  時間を超過してしまいましたが,本日はここまでとさせていただきます。お手が挙がっていた委員から御意見をお聞きできませんでしたが,次回にということにさせていただきます。
最初に,本日は天羽さん,徳留さん,阿部さん,本当にありがとうございました。これからの議論に役に立つと思っております。
それから,次回以降ですが,これは,業種を呼べば呼ぶほどこれは大変になっていくというのは分かりますが,先ほどの徳留さんに御提出いただいた表を見ると,建設業,つまりインフラにかかわるところは大きな問題があると思うので,インフラ業界からはヒアリングを予定しています。また,そのほかの業界からも必要があればヒアリングをしていこうと思っております。適当なところでヒアリングの必要があればという形でこれからもしていきたいと思います。
今後の開催日程を先に事務局から御説明していただき,私の方から委員の方々に最後にお願いを申し上げたいと思います。
それでは,事務局,お願いします。
【伊藤高等教育政策室長】  本日はどうもありがとうございました。次回の日程は,7月17日月曜日,15時から17時まで,同じ第二講堂で開催を予定しております。正式には,また御案内を申し上げたいと思います。
それから,資料に関して,資料1に一部,欠落があるというお申出がありまして大変失礼いたしました。会議が終わりましたら,出口のところで資料1に関して漏れがあった部分はお渡しできるよう御用意しておりますので,お受け取りいただければと思います。大変失礼いたしました。
【永田部会長】  以上なのですが,宿題というか,次回に向けて皆さんに頭の中を動かしてもらうために少し申し上げたいと思います。
先ほど申し上げたように,違う業者からもヒアリングを1,2回,行わせていただきます。とりわけて,この委員の中に,大学,短期大学,高等専門学校,あるいは専門学校等の関係者がたくさんいらっしゃいますので,その方々におかれましては,もし自分があそこに立って何かおっしゃるとしたらどういう形になるかということを少しお考えいただいて,次回の議論に参加していただきたいと思っております。
私自身,本日いろいろ聞かせていただいてメモもとりましたが,面白いヒントはたくさんあったと思います。例えば,社会人の問題,社会人を入学させてもう1回教育するのがどれだけ役に立つかという話もありましたし,実は,理系と文系でちょっと違うかもしれないというお話もありました。それから,既存の大学や大学院でもやれるかもしれないという話もありました。そういう観点から考えたときに,今の高等教育に携わっている各組織が,どう考えてやっていて,今後,このような要求に対してどういうふうに考えているのかというのは,一度,意見を伺ってみたいと思っています。
最後ですが,事務局から最初に言われた各種の学校における設置基準の目的を先ほどからずっと考えていました。この新しい制度の学校の目的を2行か3行で書くということを考えていました。大変だと思いますが,これを制度化していかないと新しい教育体制は生まれませんし,新しい人材育成もできません。各委員の方々と考えなければならないのは,本当に2,3行でこの目的を書くということです。それは佐藤委員が最初におっしゃったことにも関連しているかもしれません。
次回以降,特にこの委員会でいろいろな先生方には,御自分がレクチャーをされる立場になったという観点からも,いろいろ御意見を用意していただければと思います。
本日,重ねてレクチャーいただいた3名の方々にお礼を申し上げて,これで今回は閉会とさせていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

―― 了 ――

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生涯学習政策局参事官(連携推進・地域政策担当)付

高等教育局高等教育企画課

(生涯学習政策局参事官(連携推進・地域政策担当)付、高等教育局高等教育企画課)

-- 登録:平成28年01月 --