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資料2 高大接続特別部会の審議の経過について(素案)

検討の経緯

○ 平成24年8月28日の中央教育審議会答申「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて」において、高校教育の質保証、大学入学者選抜の改善、大学教育の質的転換を、高等学校と大学のそれぞれが責任を持ちつつ、連携しながら同時に進めることが必要であると提言された。

○ これを受けて、文部科学大臣から「大学入学者選抜の改善をはじめとする高等学校教育と大学教育の円滑な接続と連携の強化のための方策について」中央教育審議会に諮問が行われ、総会直属の高大接続特別部会が設置された。
  平成24年9月に第1回会議を開催し、大学入学者選抜の現状・課題等について、有識者から意見を聴取しながら、高大接続の在り方について審議を行ってきた。
   なお、高等学校教育の質の確保・向上については、平成23年9月に設置された高等学校教育部会において審議が行われ、平成25年1月に審議経過報告がとりまとめられ、その後は、審議まとめに向けた審議が行われている。

○ 平成25年6月に教育再生実行会議が高大接続・大学入試の在り方に関する審議を開始するに当たっては、高大接続特別部会の審議状況も踏まえた審議が行われるよう、部会長から高大接続特別部会の審議状況について報告を行った。 

○ 平成25年10月に、教育再生実行会議が第四次提言(「高等学校教育と大学教育との接続・大学入学者選抜の在り方について」)を取りまとめた後は、「達成度テスト(仮称)」の在り方をはじめ第四次提言を踏まえた検討課題について、高等学校教育部会との合同会議の開催も含め精力的に審議を重ねてきた。

○  大学入学者選抜の改善をはじめとする高大接続の在り方については、今後、具体策の実現可能性の検討も含め、関係者の意見を聴きつつ、更に詳細な検討を行う必要があるが、現時点までの議論の方向性は以下のとおりである。

1 高大接続・大学入学者選抜を巡る現状と課題

(大学進学者の多様化)

○ 高等学校への進学率は、戦後一貫して上昇し、昭和49年度には90%を超え、その後も漸増を続けて平成25年度には98.4%に達している。一方、大学・短期大学への進学率は、昭和30年代後半に15%を超えた後急速に上昇し昭和50年度には約38%にまで達し、その後一時的に安定していたが、平成に入ってから再び上昇し、平成17年度に50%を超え、平成25年度は55.1%となっている。

○ その背景には、知識・情報・技術が社会のあらゆる領域での活動の基盤となる「知識基盤社会」の進展に伴い、人材需要が高卒から大卒に急速にシフトし、高等教育へのニーズが高まっていることがあると考えられる。
  大学には、このようなニーズに応え、多くの人材に社会のニーズに合った質の高い大学教育を受ける機会を提供し、様々な分野で高度な知識や技能を有する人材を輩出することが期待されている。

○ 一方、進学率の上昇に伴い、大学に進学する学生の能力・適性、意欲・関心等は多様化している。例えば、学力面で極めて高い学力を有する者がいる一方、高等学校段階での学習内容が十分身に付いていない者も少なからず見られ、高等学校レベルでの教育内容を扱う補習授業を実施している大学の割合が平成13年度の25%から平成23年度は47%に増加している。

(大学入学者選抜の選抜機能の低下)

○ 少子化の進行に伴い、志願者数に対する入学者数の割合(収容力)が9割を超え、全体としては計算上、大学の進学を希望する者は学校を選ばなければいずれかの大学には入学できるという、いわゆる大学全入の状況に近づいている。

○ かつては、大学入学者選抜は、過度の受験競争に伴う様々な課題を伴いながらも、大学進学をめぐる競争が高校生の学習を促し、大学進学者の学力の向上につながるという機能も持っていたという見方がある。しかし、大学全入の状況に近づく中で、大学入学者選抜が有する選抜機能が低下していることが指摘されている。

(高校生・大学生の学習時間の減少や学習意欲の低下)

○ このような状況を背景に、高校生の学力中位層の学校外における学習時間の減少や、我が国の大学生の学修時間(授業、授業関連の学修、卒論)が米国と比べて短い等の調査結果もあり、高校生、大学生の学習への意欲の低下が懸念されている。

(AO入試等の一部における事実上の学力不問入試)

○ 大学入学者選抜の在り方については、これまで、筆記試験の点数のみを過度に重視することによる弊害を是正し、多様な人材を確保する観点から、選抜方法の多様化や評価尺度の多元化を図るための工夫の一環として、推薦入試やAO入試の導入が進んできた。平成25年度大学入学者選抜で、国公私立全体で4割以上の学生が推薦入試・AO入試で入学しているが、一部には、これが事実上学力不問となっているなど、本来の趣旨とは異なる状況になっているのではないかと指摘されている。

(選抜性の高い大学における1点刻みによる学力検査への偏重)

○ 一方、選抜性の高い大学や学部では、依然として教科・科目の知識量を中心とした筆記試験の点数で1点刻みの厳しい競争となっているのではないかとの懸念も示されている。

(大学入試センター試験の肥大化と実施体制の限界)

○ 平成2年から導入された大学入試センター試験は、難問奇問を排した良質な試験問題を提供し、各大学が実施する個別試験との組合せにより、国公私立を通じた入学者選抜の工夫改善に大きな役割を果たしてきたとの評価がある一方で、6教科29科目という多数の出題科目や50万人を超える者が同時に受験することに伴う運営の負担が増大しており、運営体制が限界に達していると言われている。

2 高大接続・大学入学者選抜の改善についての基本的な考え方

(1)高等学校から大学までを通じて育成すべき力

○ 社会の変化が激しく、科学技術の進展がますます加速するであろうこれからの時代においては、変化する状況の中で自ら課題を設定し、あらかじめ決まった正解のない問題に解を見いだし、他者と協調するなどしつつ、実行、実現していくことのできる力や生涯を通じて主体的に学び考える力などが特に重要となる。

○ また、新たな価値を創造するイノベーティブな人材や、多様な変化や価値観を有する人々の中で主体性を持って活躍することができるグローバル人材等が我が国や各地域の成長・発展を支える原動力ともなる。

(2)高等学校教育、大学教育とその接点である大学入学者選抜との一体的改革

○ このようなこれからの時代に必要とされる力を育成するには、高等学校、大学それぞれの教育も新しい時代に合ったものに変わらなくてはならない。各学校段階において責任を持って必要な力を身に付けさせるとともに、その上で、その接点である大学入学者選抜についても、生徒・学生が意欲を持って主体的に学習に取り組むことを後押しするものにすべきである。

○ 特に、少子化等に伴い大学入学者選抜の選抜機能が低下する中で、高校生の学習意欲の喚起、幅広い学びの確保、学力状況の把握、大学の教育水準の確保・向上や学生の学修成果の把握等の機能・役割を、高等学校教育、大学教育それぞれにおいて十分に果たしていくことが必要である。

○ 今や同一年齢の約98%が進学する高等学校の教育は、実社会において必要となる基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着を図るとともに、思考力・判断力・表現力や主体的に学習に取り組む意欲など、生涯にわたって成長し続けるための基盤となる力を培うことが期待されており、そのための教育の質の確保と向上が求められる。

○ 大学教育については、高等学校までの教育の上に、幅広い教養と専門的要素を兼ね備えた創造力、構想力等を持った人材の育成が期待されており、そのための大学教育の質的転換が求められている。

○ 大学入学者選抜は、教科・科目の知識量を問う試験問題の点数への偏重や、一部のAO入試等が事実上学力不問の入試となっていること等の問題を克服し、学力や高校時代の主体的な活動の状況、成果等を多面的・総合的に評価するものに転換する必要がある。

3 高等学校教育の質の確保・向上

(1)達成度テスト(基礎レベル)(仮称)の在り方

(2)幅広い資質能力の多面的な評価

(3)学校から社会・職業への円滑な移行推進

(4)多様な教育活動の推進

4 大学の人材育成機能の強化

○ 大学については、社会で必要とされる知識、技術の高度化に対応するため、質・量両面の充実がますます重要となっている。一方で、進学率の上昇に伴い入学者の多様化も進み、大学教育を通じてどれだけの付加価値を生み出すことができているかという教育の質に関しては社会からの厳しい評価があるのも事実である。

○ 大学が真に社会の期待に応えていくためには、学生の主体的な学びを重視した大学教育の質的転換と厳格な成績評価、また、大学入学後の進路変更の柔軟化を進めることが不可欠である。

(1)大学教育の質的転換

○ 生涯を通じ不断に主体的に学び考える力や予想外の事態を自らの力で乗り越えることのできる力など、これからの時代に求められる力を育成するには、大学教育もまた、学生が主体的に問題を発見し解を見いだしていく能動的学修(アクティブ・ラーニング)や双方向の講義・演習・実験等の授業を中心とした教育へと質的転換を図ることが必要である。

○ そのための具体的な取組としては、既に平成24年8月の中央教育審議会答申(「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて」)において、アクティブ・ラーニングの推進、ディプロマ・ポリシーやカリキュラム・ポリシーの策定とそれらに基づく教育課程の体系化、学修ポートフォリオやアセスメント・テストの活用等による学生の学修成果の把握・分析、教員の教育力の向上、学修支援環境の整備等が提言されている。今後、大学教育の現場においてこれらの取組が着実に実行、推進されることが肝要である。
  また、学事暦の多様化等により生み出される期間を活用し、インターンシップやサービス・ラーニング、留学体験といった教室外学修プログラム等を充実することも期待される。
  こうした大学教育の質的転換を推進するため、優れた取組を行う大学を国が重点的に支援することが求められる。

○ 各大学の取組を促進する上では、学修成果や内部質保証(各大学における成果把握と改善の取組)を重視した大学評価への改善や、日本学術会議が各専門分野の学修における知識の習得や能力の育成の指針として策定に取り組んでいる「分野別の教育課程編成上の参照基準」の各大学における活用等も進めていく必要がある。

(2)大学入学後の進路変更の柔軟化

○ 現在の大学入学者選抜が、受験生に余りに細分化した進路選択を求めるものとなっているのではないかとの指摘もあり、このことが大学入学者選抜が受験生にとって過度の重圧となっている一因とも考えられる。このため、大学入学後の学修を通じた関心等の広がりや変化に対応できるよう、大学の側も柔軟なシステムであることが望ましい。

(募集単位の大くくり化)

○ このため、大学入学前の段階で入学後の専攻分野を細かく求めるのではなく、入学後に幅広い学問分野に触れて自らの適性等を考えながら専攻分野を決められることもできるようにすべきである。

○ 多くの大学では、学科やコースといった細分化した募集単位を設定し、それぞれの募集単位ごとに入学者選抜を実施しているが、募集単位をより大くくり化し、例えば学科ではなく学部単位で募集したり、学部を超えた募集単位を設定することなども期待される。
   その上で入学後も、アカデミック・サポートセンター等の学修支援・進路相談体制を充実するなど、学生が適切に専攻分野を選択できる環境を整えることが重要である。

(学部・学科を超えた履修機会の拡大)

○ また、学生がより幅広い視野と柔軟な思考力、判断力を身に付けられるよう、所属学部における学修(主専攻)とは別に、複数分野で体系的に学ぶことのできる副専攻制度などの学部・学科を超えた履修機会の拡大も有効である。

(編入学や単位互換等の推進)

○ 大学へのルートについても、高校卒業後に入学する道だけでなく、編入学や社会人入学など多様な道が開かれていることが望ましい。

○ また、自大学以外での学修についても積極的に評価されるよう、大学間の単位互換も推進すべきである。編入学や単位互換の推進は、各大学にとっても、教育活動の活性化等につながる可能性が期待できるものである。

(3)厳格な成績評価の推進

○ これからの大学で特に重要なのが、厳格な成績評価や卒業認定により大学教育の質に対する社会からの評価、信頼を高めることである。

○ 我が国の高等教育機関の修了率(2011年)は91%と、OECD平均の70%と比べて高く、大学入学者のほとんどの者が卒業している状況にある。このこと自体は積極的に評価すべき面もあるが、成績評価等が必ずしも厳格に行われていない可能性も指摘される。

○ 大学教育の質保証の観点から、各大学には、これまで以上に厳格な成績評価が求められる。近時、各大学においては、授業科目の成績評価基準をシラバスで明示する取組が広がるとともに、米国等で一般的に行われている成績評価・管理の手法であるGPA制度の導入も進み、平成23年度現在、学部段階では453大学(61%)が導入している。しかし、具体的な運用方法について見ると、約8割の大学で「奨学金や授業料免除対象者の選考基準」や「個別の学修指導」に活用されている一方、「進級判定の基準」「卒業・修了の判定基準」「退学勧告の基準」「各教員間又は各授業科目間の成績評価基準の平準化」への活用はそれぞれ1割前後にとどまっている。

○ このため、今後は、GPA等の成績評価・管理システムを進級判定や卒業認定、各授業科目間の成績評価基準の平準化等への活用や、成績評価の厳格化のために学内で例えば上位の評価(「優」以上)を付けることのできる学生の割合を一定割合(3割等)以下とするなどの基準を大学の実情に応じて定めること等の組織的な取組が進められることが期待される。
  このような取組は、大学間の単位互換や転学等の学生の進路変更の柔軟化を進める上でも有効であり、留学生交流や外国大学との連携を積極的に進めるためにも不可欠である。

○ 厳格な成績評価を推進するに当たっては、大学全体としての共通の評価に関する考え方や尺度(アセスメント・ポリシー)の確立、具体的な評価手法の開発と明確化、学生の学修履歴の記録や自己評価のためのシステムの開発等、客観的な評価システムを活用するための条件整備を進めることも重要であり、こうした取組に対し国が支援していくことも求められる。

○  なお、学生へのケアとして、アドバイザー制の導入等により、学生からの履修上の相談に対応できる体制を適切に整えることも必要である。

○ 成績評価の厳格化に関しては、留年に対する日本社会の意識を変え、理解を得ていく努力も必要となる。この点について、国や大学からの社会に対する説明、情報発信も重要である。

(定員管理の弾力化)

○ 厳格な成績評価の結果、留年等が増加する可能性がある。現在、国立大学法人運営費交付金や私立大学等経常費補助金においては、一定以上の定員超過に対してはペナルティ措置が設けられているが、厳格な成績評価による留年者の増加については、国において一定の条件の下に留年者を定員超過のカウントから除外するなど、定員管理の弾力化を行うべきである。

5 大学入学者選抜の改善

(1)多面的・総合的に評価する大学入学者選抜への転換

○ 2(1)で延べたような、これからの評価に求められる能力を、高等学校、大学を通じて育成していくためには、高等学校教育、大学教育の在り方の見直しと合わせて両者の接点である大学入学者選抜も、新たなものに変えていく必要がある。

○ 大学入学者選抜においては、高等学校教育及び大学教育の変化を踏まえ、これからの時代の大学教育を受けるために必要な「主体的に学び考える力」などをはじめ、能力・意欲・適性を多面的・総合的に評価するものへと転換していくことが求められる。

(アドミッション・ポリシーの明確化)

○ 各大学は、養成しようとする人材像を明確化するとともに、そのために必要な教育課程を再構築することが必要である。入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)についても、求める人材像や資質・能力に加え、入学までに何をどの程度学んでおくべきか等、可能な限り具体的に示していくことが望まれる。
  その際、教育課程と入学者選抜で評価・判定するものとの関係性や、入学志願者に求める能力とその評価の方法についても明確化することが望ましい。

○ 国においても、各大学の参考となるようなアドミッション・ポリシーの策定事例を収集、情報提供することや、各大学がアドミッション・ポリシーを見直すに当たっての留意点等をガイドラインとして示すことなどの支援を検討すべきである。

(大学入学志願者に関する多面的な情報の提供、収集)

○ 大学入学志願者の能力・意欲・適性を多面的に評価するためには、高等学校在学中の成績だけでなく、生徒会活動、部活動、インターンシップ、ボランティア、海外留学、文化芸術活動、スポーツ活動、大学や地域と連携した活動等の様々な主体的活動の記録や、大学入学後の学修計画案、自己推薦書などの多様な情報をもとに総合的に評価することが重要である。高等学校や入学志願者から各大学に対してこのような情報が円滑に伝達されるよう、調査書の様式の見直しや出願時提出資料の共通様式の策定などについても関係者において検討すべきである。

(様々な学習成果、活動歴を評価する枠組みの整備)

○ 大学入学志願者の能力・意欲・適性を多面的・総合的に評価するための方策として、外国語検定をはじめとする各種の資格・検定試験の成績や、各種の大会、コンテストにおける成績、顕彰歴を積極的に活用することが考えられる。各大学でこれらの活用が促進されるよう、その質の保証や、これらがどのような能力を証明するものであるかを明確化するための取組が進むことが期待されており、国においてこのような取組を支援することも考えられる。

○ 高等学校段階での主体的な活動の一つとして、「総合的な学習の時間」等における課題探究型学習の成果物を入学者選抜で活用することも望ましいことである。これについては、評価の仕方が難しいことから、国においてもこれらの成果物を評価、活用するための手法の開発を進めるべきである。    また、小論文や面接、意見発表や集団討論等の様々な評価手法についても、それぞれの手法において測定することが可能な能力や評価の際の着目点等について、各大学に参考となる情報や指針等を提供していくことが期待される。

○ 国際バカロレアの一部科目を英語のみならず日本語でも実施可能とする「日本語DP」の開発・導入が進められており、今後、我が国の高等学校における国際バカロレアの普及・拡大が見込まれる。国際バカロレアは、基礎・基本的な知識・技能に加え、「主体的に学び考える力」を育成する上で有益なプログラムとして国際的に評価されており、大学入学者選抜において、国際バカロレア資格やその成績を活用する取組も推進すべきである。

(多様な能力等を評価・判定するための手法の開発・普及)

○ 各大学においても、能力・意欲・適性を多面的・総合的に評価するために様々な努力が重ねられているが、選抜実施上の負担、客観性・公平性の確保等の観点からの課題も指摘されている。このため、国においても、例えば教科ごとの知識とは異なる言語運用力、数理分析力等を測る総合型問題の開発など新たな評価手法の研究、開発を進めるとともに、評価やテスト理論に関する専門人材の育成を推進していくことが必要である。

(2)推薦入試・AO入試の改善

○ 推薦入試・AO入試については、学力のみでなく多面的な評価による時間をかけた丁寧な選抜という観点から意義のあるものであるが、一部には十分な学力把握が行われないなど本来の趣旨と異なる結果となっているとの指摘もある。このため、本来のあるべき姿で実施されるよう改善を図ることが求められる。

○ 具体的には、推薦入試・AO入試においても、これからの大学教育を受けるために必要な能力を評価した上で連携を行う必要があり、新たに実施される達成度テスト(基礎レベル、発展レベル)(仮称)や各種の資格・検定試験の活用等により、何らかの方法で学力把握を行うことが不可欠であり、国において一定のルールを策定することが望まれる。
  また、余りに早期の合格者の決定は、高等学校教育に好ましくない影響を与えることも指摘されており、合格発表期日についても一定のルールを設けることが必要である。

○ 今後は、学力試験を中心とするいわゆる一般入試においても、教科型の学力試験の結果のみを信頼することなく志願者の能力・意欲・適性を多面的・総合的に評価する入学者選抜に転換することが必要であるが、この場合、推薦入試やAO入試と一般入試と区分する必要性はなくなると考えられる。

(3)各大学の取組を促進するための方策

(各大学における入学者選抜実施体制の整備)

○ 丁寧な入学者選抜を行うためには、各大学における入学者選抜に係る業務の効率化が不可欠となる。このため、大学教員を中心とした入学者選抜の実施体制から一部の大学で既に実施されているように、アドミッション・オフィスの整備などを通じた事務職員等の活用、複数学部や複数大学による業務の一部の共同実施などの取組も推進すべきである。

(各大学の取組に対する支援等)

○ 入学志願者の能力・意欲・適性を多面的・総合的に評価する丁寧な入学者選抜を行う大学にあっては、時間や労力の面で負担増加が見込まれるため、入学者選抜の改善に積極的に取り組む大学に対しては、国として積極的に財政支援等を行っていくことが必要である。

○ また、認証評価においても、各大学の入学者選抜の改善への取組状況を適切に評価することが重要である。

6 達成度テスト(発展レベル)(仮称)の在り方

(1)大学入試センター試験の現状と課題

○ 大学入学志願者の高等学校段階における基礎的な学習の達成の程度を判定することを主たる目的に、大学が共同して実施する試験として平成2年から導入された現行の大学入試センター試験は、現在、国公私立大学の9割以上が参加し、大学入学志願者の7割以上が受験する大規模なものとなっている。

○ 前述のとおり、難問奇問を排した良質な試験問題を提供し、各大学が実施する個別試験との組合せによる大学入学者選抜の個性化・多様化を促すものとして評価されている一方で、知識の量を重視したものとなっているのではないか等の課題も指摘されている。6教科29科目という多数の出題科目、50万人を超える受験生が同時に受験するための運営上の負担は大きく、今後もこのような形で継続していくことについては、既に運営体制が限界に近づいているとも言われている。

(2)達成度テスト(発展レベル)(仮称)の在り方

7 高等学校教育と大学教育の連携強化

○ 現在、高等学校における教育と大学における教育とが、個々の生徒・学生から見て円滑につながっているとは言えない。これからの高等学校と大学との関係は、高校、大学それぞれの教育の在り方の接続を前提に、入学者選抜を挟んでこれからの時代に求められる力を着実に育んでいくものとしていく必要がある。

(大学の積極的な情報提供)

○ 高校生の進路選択を支援し、大学への円滑な移行を図るためには、大学が求める学生像や教育内容等の情報を積極的に提供、発信していくことが重要である。各大学においては、ホームページやパンフレット、学校説明会、学校公開等を充実するとともに、大学の教育情報の公表のための共通の仕組みとして平成26年度中に稼働予定の「大学ポートレート」等も活用し、進学希望者に対する積極的な情報提供に努めることが期待されている。

○ 高等学校の進路指導について、生徒それぞれの能力・適性や将来の進路を見据えた大学での学修が提供されるという視点から、各大学の教育の改善等への取組状況を踏まえて行うことが重要である。

(大学レベルの教育に触れる機会等の充実)

○ 高大連携に関する取組としては、オープンキャンパスや体験授業等の行事的なものが多いが、公開講座や出前授業などのように、高校生に大学での学修を経験する機会を提供することにより、高等学校から大学への学びの円滑な移行を支援する継続的・恒常的な取組の充実も必要である。
  例えば、科目等履修生制度等を活用し、高校生に大学レベルの教育に触れる機会を提供し、その成果を大学が単位認定し、進学後に既修得単位として認定する取組も有効と考えられる。その際、大学がスーパーサイエンスハイスクールやスーパーグローバルハイスクールなどの高等学校と積極的に連携することも考えられる。
  米国では、大学レベルの授業を高等学校で行い大学進学後に大学の単位として認定するアドバンストプレイスメントの取組が広く行われているが、このような取組も参考にしつつ、高大連携の取組の充実を図っていくべきである。
  また、このような取組も含め、高等学校と大学との適切な連携に向けた優れた取組を国が重点的に支援することも期待される。

(大学入学前の準備教育等)

○ 大学進学者の多様化が進む中で、高等学校と大学が連携し、大学入学前の高校生の大学進学への目的意識を高めるための取組や、早い時期に合格が決まった者に対して、大学入学後の大学への円滑な移行のために入学前に取り組むべき課題を提示したり、準備教育を行うなどの取組も重要となる。
  その上で、大学には、大学進学者が高等学校と大学での学び方の違いを理解した上で大学教育に円滑に入っていくことができるよう、入学者の状況に応じ大学教育に必要な学修方法の習得等を目的とした「初年次教育」の充実を図ることが期待される。
  また、自らの判断で受け入れた学生に対し、必要な場合には、教育課程外の活動として高等学校段階での学習内容の復習的なものを含む補充教育などの取組を行うことも重要である。 

お問合せ先

高等教育局高等教育企画課高等教育政策室

-- 登録:平成26年03月 --