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資料1-2 大学入学者選抜の改善をはじめとする高等学校教育と大学教育の円滑な接続と連携の強化のための方策について

1.高等学校から大学までを通じて育成すべき力と育成するための方策

(1)これからの時代に求められる力

 ○ 生涯を通じ不断に主体的に学び考える力、予想外の事態を自らの力で乗り越えることのできる力、グローバル化に対応し活力ある社会づくりに貢献することのできる力の育成が重要

 

【これからの時代に求められる力】
  ・ 生涯を通じ不断に主体的に学び考える力、予想外の事態を自らの力で乗り越えることのできる力、グローバル化に対応し活力ある社会づくりに貢献することのできる力の育成が重要(※諮問理由)。
  ・ 日本の国力維持のために、日本人として最低限維持していかなければならない学力とは何かをよく考えることが必要。   
【教科との関係】
  ・ 汎用的な能力の育成が重要であり、これを重点的に伸ばす時期など発達段階の観点を取り入れた教育課程の再構築が必要。
  ・ 知の面の汎用的能力として、高等学校で最低限身につけておくべき資質・能力として重要なのは、知識の基盤ともなる緻密な論理構成能力である。その言語的な論理構成能力の育成の中心となるのは国語であり、記号・数量的な論理構成能力の中心は数学である。
  ・ 我が国では5教科7科目の試験で学力が測れるという考え方が基本的発想としてあるが、学力という思想、考え方は国によって異なるという点に向き合うことが、グローバル化を考える上では重要。

(2)その力を育成するための方策と教育の質保証の在り方

 ○ 初等中等教育と高等教育を通じた取組や連携の推進が必要
 ○ 高校段階の学力状況の客観的な把握の仕組みの検討を含めた、高校教育の質保証の取組の充実が必要

【初等中等教育から高等教育までを見通した能力の育成】
  ・ 社会が求める人材という観点から、小学校から大学までのK-16の中で最終的にどういう人材を育成するのかの議論が必要。
  ・ 高大を通じて社会性、自立性、判断力をどう身に付けるかが重要。
  ・ 高大接続を考える上でも、小中学校段階でどのように学んでいるのかを含め、子ども自身の意識の変化や意欲の向上に視点を当てた検討が必要。
  ・ 高校卒業までに養うべき学力は、高等学校の責任できちんとすべきであり、大学入試や就職試験に受かればいいというものではない。
  ・ ジェネリックスキルは、初等中等教育段階で体制整備し、育成していく方が国際競争力は増す。
  ・ 教育をトレーニングとエデュケーションに分けるMITの考え方では、誰しもマスターすべき知識やスキルを身に付けることがトレーニングであり、協調の中で問題を発見したり、問題を解決したりする能力を身に付けさせることがエデュケーションである。    この二つの側面を整理して、例えば高卒認定試験で40点以上を取るためにはトレーニングだけでいいようなら、そのトレーニングをしてもらったうえで、大学教育を受けるためにどのような制度を作っていくのかを考えるべき。
  ・ 学んだものが実践で生かされ、生徒一人ひとりがもっと学びたいという意欲に結びつくような取り組みは、例えばSSHや国際バカロレア認定校などで展開していってほしい。
【高等学校段階における学力把握】
  ・ 小中学校の全国学力・学習状況調査は、結果のフィードバックにより各学校の授業改善、あるいは児童・生徒が自らの得手・不得手にも気付くなど、様々な効果があり、高等学校での実施も考えるべき。
  ・ 高等学校の卒業認定は校長の責任だが、どういった基礎学力をつけたかを判定する全国的なグレード別の複数回受験可能なテストが必要。
  ・ 高等学校に求められているのは、意欲の喚起、幅広い学び、学力状況の把握の3点である。また、高等学校の評定平均値と入試で求められる能力は異なっているという実態がある。さらに、受験対応の早期化につながるおそれもあることから、高校段階の質保証の仕組みと、大学の学修に必要な能力を測る仕組みは区別して議論すべき。
  ・ 共通テストを考える場合は、実施時期・回数、試験結果を大学入試の資料に使うのか否かなどを明らかにし、高校教育の現場が混乱しないよう配慮することが必要。
  ・ 高校進学率が98%に達し生徒間に大きな学力差が生じている現状で、質の保証をするための基準作りは非常に困難ではないか。何度受験しても合格しない生徒が出てくる可能性がある点についてはどうするのか。
  ・ 共通テストの複数回実施や段階評価で高校生の学習意欲が喚起されるのかは十分な議論が必要。

 (3) 思考力、表現力、学びへの意欲などの把握・評価の在り方

 ○ 汎用的能力育成のための目標の設定、教育内容の決定、教授方法の確立、評価手法等、一体化した教育サイクルの構築が必要
 ○ ペーパーテスト以外の、ポートフォリオの活用や形成的評価等の評価方法の開発が必要
 ○ 高等学校の学習成果や評価の入試への反映が必要

 

【思考力、表現力、学びへの意欲など汎用的能力の育成】
  ・ 汎用的能力の育成は、世界的な動向として、教えられたことを「正確に覚えていること」から、「将来、ほかの文脈で、必要に応じて使えること」を目指したものに変わりつつあり、実践、指導面でもそのことを意識した取組が徐々に始まっている。
  ・ 汎用的能力育成の第一歩として、例えば、知っていることの根拠を答えられるような教育が必要だと考えれば、それに応じた目標設定、評価、教えるコンテンツ、教え方、授業デザインを一体化した教育サイクルの構築が必要。これに入試における目標設定と評価が整合的であれば、社会全体として連綿とした評価が可能。
【汎用的能力の把握・評価】
  ・ メタ認知、学習意欲、復元力といったものの評価については、ポートフォリオや形成的評価といった手法が考えられる。
  ・ 協調学習が知識の統合(構造化)を進め、それが学び続ける学習者をつくる可能性が示唆されており、採点・作問の努力で知識統合が評価できる可能性と連動していると考えられる。
  ・ 汎用的能力を評価していくための認知モデルの構築が必要。例えば、知識と意欲は相互排他的ではなく、知識を身につけることが次の疑問を生み出すという関係についてのモデルを早急に構築する。同時に実践や評価について、多くの好事例を収集しながら、どのように実践と緊密に連携した評価を考えるか。現在、若干断片化されている優れた実践と、ルーブリックを中心にするような普遍的な評価をしようとしているグループ、測定の科学を進めようとしているグループが一体となりながら現場に還元できるようなモデルを開発していくことが必要ではないか。
【高大接続における高校段階の評価の活用】
  ・ 汎用的能力の評価については、高等学校における日々の学習の履歴や成果物、卒業課題、作品、論文といったものの活用が一つの方略。
  ・ 高等学校における豊かな学びに対する主観にとどまる評価を高大接続、さらに大学入学者選抜にどう反映していくのかが大きな課題。
  ・ 主体的・積極的に物事に取り組む態度等を育成するための評価方法や試験の在り方、高大接続の仕組みの検討が必要。


2.大学入学者選抜の在り方

 (1) 高校教育と大学教育の接点として大学入学者選抜が果たすべき機能

 ○ 大学入試が担っている、高校段階の学習の達成度の判定や、大学教育に必要な能力・適性等の判定の機能の整理が必要。
 ○ 高等学校・大学それぞれが多様化する中で、選抜機能から、教育・学習支援機能を重視することが必要。

 

【入試の機能・役割】
  ・ 入試は大学教育への適性を判定するものなのか、高等学校における到達度を判定するものなのか、これをどう一致させるのか組み合わせるのか、両者に共通する基礎的な学力があることを想定するのか等の議論が必要。
  ・ 入試においては、高校教育の成果の確認と、大学教育に必要な能力・資質の確認の二つの視点のバランスを取ることが必要。
  ・ 入試は、高校生にとって勉学や自助努力の目標となるような基準を示すものであるべき。
【今後求められる機能】
  ・ 多様化する高等学校と大学の接続に対応するためには、入学者の選抜から有資格者の認定という機能に移行することが必要であり、その認定のための指標を開発する必要がある。
  ・ 進学率が50%を超えたときに、入学者選抜の目的が教育・学習支援に変わってくる。
  ・ 生徒が自分の学力の在り方等を自己理解できるとともに、大学入学後の学修や高等学校の教育にフィードバックできることが必要。

 

 (2) 入試方法の多様化や評価尺度の多元化、受験機会の複数化の現状と課題

 ○ 入試方法の多様化等は必要であるが、大学教育への円滑な接続という観点から、AO入試等における基礎的な学力把握の取組の充実が必要。
 ○ AO入試、推薦入試における学力把握に当たっては、高校教育の質保証の仕組みの活用も含め、それぞれの大学教育の状況に応じた方法で取り組むことが必要。 
 ○ 各大学の入学者選抜実施体制の整備とともに、作問も含めた入試の負担軽減が必要。

 

【入試方法の多様化等への評価】
  ・ 教科・科目の知識量を問う学力検査の偏重ではなく入試方法の多様化を目指すべきなのは、全ての大学に求められることである。
  ・ 研究中心、あるいは選抜性の高い大学においても必要な知識の習得を前提に、一定規模でAO入試などを導入して学生集団の多様性を確保すべき。
  ・ 基礎学力以外の優れた能力を有する者を入学させる目的でAO入試を導入しても数年経過すると試験対策が進み、本来の目的が達成できない状況が生じるため、入試方法の見直しも検討せざるを得なくなる。
【AO入試、推薦入試における学力担保】
  ・ AO・推薦入試で入学した学生の成績は統計的に有意に低く、学習時間についても、AO・推薦入試で入学した学生は、学習時間が少ない。
  ・ AO・推薦入試に合格してしまうと2学期以降の成績が急落する。高等学校では指導を強化するが大学合格後に生徒に勉強させることは非常に難しく、一般入試に向けて頑張っている生徒の士気にも影響を与える状況。
  ・ AO・推薦入試の合格者が合格後に成績が急落するというのは、教育が十分にできない高校教育に問題があり、入試方法の多様化に責任転嫁するのは高校生を教育する者の責任放棄。
  ・ 複数回受験可能な到達度を把握する基礎テストを導入すれば、AO・推薦入試合格後でも生徒は勉強すると思うが、それでは高校生の負担が大きいと高校関係者は反対する。
  ・ 大学及び入学志願者が多様化する中で、要求される学力の水準は各大学により異なるが、それぞれの大学教育の状況に応じ、AO入試でも学力の評価を適切に行うことは当然に必要。
  ・ AO入試が問題となるのは、選抜の段階で基礎学力の確認をしないことであり、入学者選抜で基礎学力をしっかり確認するほか、高校教育の質保証の仕組みを活用することも考えられる。
【大学の入試実施体制等】
  ・ 大学の教員等関係者が入試にかけることができる時間や労力には限界があり、全体のバランスを考えた検討が必要。
  ・ 入試については、各大学の体制整備とともに、負担軽減が必要。 

 (3)1.(1)の力を育成する観点からの大学入学者選抜の在り方

 ○ 高校教育と大学入試を一体的に考えた上での入試機能の検討(高校教育の状況や在り方を踏まえた大学入試の在り方の検討)が必要。
 ○ 大学入学にあたっての進路選択の早期化・細分化を是正するために、大学入試の募集単位の大括り化等が必要。
 ○ 各大学の個別試験では、学習意欲、知識の活用力・応用力等の汎用的能力を判定するための改善に取り組むことが必要。

 

【入試の基本的な方向性】
 ・ 入試方法の検討は、基本的には、それぞれの大学教育を踏まえ、各大学が責任をもって取り組むことが必要。
 ・ テストの世代交代ではなく、ビジョンの交代が求められていると考える。Low Stakesテストの活用や他の学習成果情報の組み合わせへの移行が、一つのHigh Stakesテストによる弊害の調整と多様化への対応への有効な手段ではないか。
 ・ 一般入試の学力試験では入学できない受験生でも、豊かな発想と高校教育で培ったものがあり、そういう者を評価する入試方法が必要である。いわゆる学力では測れないものを持っている者を教育し、伸ばしていくことも大学の役割である。
【高大接続の観点からの入試の在り方】
 ・ 入試が悪いという発想ではなく、高校教育と大学入試を一体的に考えて高大接続の課題解決に取り組むべきであり、大学入学者選抜の在り方としては、次の三つのケースが考えられる。
  ○1 高等学校までの教育がうまくいっていれば、大学が個別試験で、概念の本質を問うような試験により、その試験にパスできる力がついているかどうか判別する。
  ○2 または、高等学校でこういう授業をやって、こういう評価をしているという評価基準とデータを併せて大学に渡し、形成的な評価を組み合わせていく。
  ○3 高等学校までの教育がうまくいかなかったときは、大学進学希望者の論理的能力を測定することを目的に研究中の試験を活用し、高校教育を補う。ただし、抽象的な論理力が大学入試で問われるということを示してしまうと、高等学校では三段論法さえ理解させればよいという教育に傾斜しかねないため、うまくシステムをデザインしていくことが必要。その際、アクティブラーニングの要素を入試に取り込んで、大学に入学すればこんなおもしろい学びができそうだという実感を味わわせつつ、入学志願者の資質・能力もその中で見るような革新的な評価が始まれば、現状の入試の在り方が変わるのではないか。
 ・ 高等学校の責任で学力を測る共通テストを実施した上で、それを前提として大学入試で意欲や知識の活用力等を測定するのがすっきりとした方向性。
【進路選択の早期化・細分化】
  ・ 高等学校の学習指導については、大学入試に意識が集中し、その教科・科目で育成すべき本質的な能力を育てる視点で科目選択・学習指導がなされていないなどの傾向が否めない。
 ・ 言語的な論理構成能力としての国語と記号・数量的な論理構成能力としての数学は、相互に関連するものだが、高等学校では、2年生進級時に文理選択により現実的にはどちらかの科目に偏った学習進路が決まってしまうことから、汎用的能力の育成の面で課題がある。
 ・ 高校段階で大学の専門性の適性を判断するのは難しく、教育上の観点から入試の選抜区分の大括り化が望ましい。
【入試の具体的方法】
  ・ 基本的な5教科のコアを押さえる試験を設計することが必要。
  ・ 大学への入学時に何をもって最低基準の汎用力を判断しているのかが不透明であり、共通の基準を使った何らかのテストが必要。
  ・ 汎用的な資質・能力を考えたときに、抽象化していくと、言葉の使い方におけるロジック、それから数学的な記号におけるロジックで絞られ、高等学校の教科では国語と数学にフィットしている。大学で学ぶ基礎能力を国語と数学を中心とした汎用的能力であるとすれば、そういう大学入試をするというサイクルになっていくのではないか。
  ・ 実験重視の教育など高校側の新しい取組を入試において評価していく仕組みが必要。
  ・ 特にリーダー養成を目指す大学においては、入試においてコミュニケーション能力を判定する仕組みを取り入れるべき。
  ・ グローバル人材の育成の観点からは、入試におけるTOEFLの活用、英語での面接などが必要。
  ・ 暗記は知能ではないため、暗記力を問うのではない、辞書の持ち込みができるような入試が考えられないか。
  ・ 大学入試の出題は、解答者の論理的思考力を採点者が追跡できるようなものにすべき。
  ・ 課題解決能力や意欲などを判定するために、口答試問、心理テスト、論文、面接などの導入を推進すべき。
  ・ 各大学の入試では、学習意欲や活用能力をみるような試験を実施すべき。
  ・ センター試験は、 1点刻みで実施する必要性があるかどうかは別問題として、高等学校で学ぶ5教科の基礎学力は測れている。ただし、センター試験の成績よりも意欲などが入学後の成績と相関しており、それを大学入試でどう測るかが重要。
  ・ 学習意欲や努力は重要であるが、大学入学者選抜は誰からも納得できる制度である必要があり、採点者間に相当なばらつきのある論文や論述試験では、客観性の担保に疑問があるため、十分にデータを用いて判断することが必要。
  ・ 大学教育についていけない学生を受け入れている大学もある現状では、高校卒業までに最低限身に付けるべきものが試される試験と国際バカロレアのように一定水準に達すれば自ら大学に行って学びたいことが選択できるような仕組みが必要。
  ・ 各大学で、学部・学科ごとに入試方法とGPAや中退率、就職率等の関係を分析し、入学後の教育への効果や大学教育との関連性を踏まえた入試方法の改善を検討することが必要。 

 (4) 大学入試センター試験の課題と今後の在り方

 ○ 出題教科・科目の在り方、グレード別成績提供、年複数回の実施、実施時期等、センター試験の在り方について検討が必要。
 ○ センター試験の変更は、高校教育に大きな影響を及ぼすことに十分留意することが必要。

 

【センター試験の内容等】
  ・ センター試験の入試科目をもう少し大括り化すべき。特に理科、社会系については見直しが必要。
  ・ 日本の共通試験は一斉実施と同時に、内容がかなり複雑であるという意味では、特殊な試験だと思うが、このまま継続することは実施面で不安がある。もう少し単純化して、現在の指導要領に基づく教科ベースの試験と適性型の試験の中間程度の試験を考えることはできないのか。
  ・ 本来大学の個別試験で課すべき物化生地の2の領域が、国立大学の工学部においてもこの領域から2科目課す大学は3割台に落ちてきており、それをカバーする点からも、センター試験の出題範囲を広げていかざるを得ない状況が生じている。
  ・ 高等学校の教科科目主義を廃止出来れば、センター試験の出題科目を科目レベルから教科レベルまで単純化する可能性も出てくる。
  ・ 高校教育の質の保証という点では、大学入試センター試験の大学入学資格化も検討すべき。
  ・ グレード別で成績提供することはすぐにでもできるのではないか。
【センター試験の複数回実施】
  ・ センター試験も含めた大学入試は、何度もやり直しができ、学習に意欲が持てるようなものにすべき。
  ・ 複数回実施については、アメリカで複数回実施しているACTやSATのように、受験者の得点がそれほど変動しない資質的な部分を測る試験であれば可能かもしれないが、センター試験は達成度試験のため、年2回、例えば3か月の間を置いて実施すれば、成績は後半の試験の方がよくなる可能性が高くなり困難ではないか。一方で、イギリスのGCEのように複数科目を資格試験としてクリアしていくというやり方、科目単位で資格試験的扱いにすれば、複数回実施の可能性はある。
【センター試験の実施時期】
  ・ センター試験の実施時期を早め、受験産業に頼らずとも大学の個別の学力検査に出願する前に正確なセンター試験の結果が分かるようにすべき。
  ・ 大学入試センターが現在研究中の数学基礎能力試験や適性試験型の試験は、大学が選択できる科目の一つとして利用することが基本だが、推薦入試やAO入試でも利用しやすくなるよう、実施時期をずらせるかどうかは、今後の検討課題。
【高等学校への影響】
  ・ センター試験の変更は、高等学校の教育課程編成に大きな影響を与えることに十分留意することが必要。

3.高校教育と大学教育の接続・連携の在り方

 (1) 高校教育の質保証、大学入学者選抜の改善、大学教育の質的転換の一体的推進

 ○ 高校教育及び大学教育それぞれが多様化していることを踏まえて、接続の在り方について検討することが必要。
 ○ 教育システムが多様化・複雑化する中で、生徒の視点に立って、高等学校教育・大学教育を通じた汎用的能力の育成や接続の改善が必要。

 

【高等学校及び大学の多様化等】
  ・ 高校教育及び大学教育それぞれの多様化を踏まえ、それぞれの役割、機能について類型化を行い、それぞれに応じた高大接続のあり方についての議論が必要。
    ・ 高等学校の基礎学力の問題や大学の養成しようとするモデルについて、短絡的に1点に絞り込むべきではない。全てがグローバル化する必要はなく、ダイバーシティを担保しつつ、コアとなるものが必要。 
  ・ 今後の18歳人口の減少の影響を考慮した上で、高大接続の設計をしていくべき。
  ・ 教育の質を上げるための財源投入等も考えることが必要。
【高校教育と大学教育との関係】
  ・ 高等学校の途中段階で生徒の学力を測定・把握した上で、不足しているものをカバーして、学力を向上させ、大学につなげていく仕組みを考えるべき。
  ・ 高等学校と大学では、カリキュラムの対応の面でのギャップと教養に対する考え方におけるギャップがあり、これが、大学のアドミッションポリシーが抽象的になっている一因。高等学校から大学へ教育をどう繋げていくかは大きな課題。
  ・ 大学教育の質的転換も踏まえ、高等学校の教育課程も双方向教育に変えていくことが必要。
  ・ 大学教育と高校教育双方において、アクティブラーニングを推進することは必要であるが、その際、高等学校までの教育目標と大学の教育目標は連続的な接続ではないことに留意すべき。
  ・ 学習意欲や社会人基礎力の育成は、大学でも力を入れて取り組んでおり、大学進学へのプロセスとして高校段階から汎用的能力育成に取り組むことは考えられる。
  ・ 高等学校の指導要録を大学の指導において活用することが効果的と考えられる。
【高校教員の在り方】
  ・ 進学を主としている高等学校は大学入試ばかりに意識が集中している傾向があり、中程度の子供たちの学習モチベーションをどう上げるかという課題については、教員にも課題があるのではないか。
  ・ 生徒が本来身につけるべき資質・能力とは何かということを、教員の資質・能力の向上とともに捉えていくことが必要。
 ・ 高等学校は学習活動の到達点に大学入試があることを望んでおり、大学入試の今後の方向性として、汎用的能力を重視することが打ち出されることになれば、それに対応した教員の指導力の向上に取り組んでいかなければならない。 

 (2) 高校教育と大学教育との円滑な接続、それぞれの質の向上を図るための連携方策

 ○ 大学進学が決定した者の学習意欲を維持するための取組が必要
 ○ 大学からの高校関係者への情報発信や相互理解の充実が必要

 

入試と入学後の教育との関係】
  ・ 大学に合格して終わりではなく、継続して学んでいくためにどうすればよいかを考えることが必要。
  ・ 学習習慣をつけさせていくために、入試方法ごとに、入学後の履修指導を適切にするなどの取り組みにより、入学時の学力の差は縮まっていく。
  ・ 適性型試験では学習に対するインセンティブを引き出すことは難しいため、学力低位層のレベル測定に適性型試験を使う場合は、大学入学後の能力開発に結びつくようなカリキュラムなどの設計と併せて検討すべき。
  ・ 学生の中退防止の観点からも、高大の接続の在り方が重要。
【大学教育の状況等の高等学校への情報提供】
  ・ 高等学校の取組についてPDCAサイクルを回すためには、どういう学生が大学入学後に伸び、社会人として伸びているのかという情報を高校側にフィードバックすることが必要。
 

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高等教育局高等教育企画課高等教育政策室

-- 登録:平成25年01月 --