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高大接続特別部会(第18回) 議事録

1.日時

平成26年8月22日(金曜日)15時~17時

2.場所

文部科学省 3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 今後の国立大学の入学者選抜の改革の方向について
  2. 高大接続の改善の方向性について
  3. その他

4.出席者

委員

(委員)安西祐一郎,生重幸恵,吉田晋の各委員
(臨時委員)及川良一,金子元久,近藤倫明,垂水共之,土井真一,濵口道成,濱名篤の各臨時委員

文部科学省

上野文部科学大臣政務官,吉田高等教育局長,小松初等中等教育局長,藤原私学部長,中岡初等中等教育局審議官,伯井初等中等教育局審議官,義本高等教育局審議官,佐野高等教育局審議官,德久総括審議官,藤野生涯学習総括官,浅田総務課長,水田主任視学官,塩見教育課程課長,森高等教育企画課長,里見大学振興課長,永山私学行政課長,大杉教育課程企画室長,田中高等教育政策室長,平野大学入試室長 他

オブザーバー

里見国立大学協会入試員会委員長

5.議事録

(1)今後の国立大学の入学者選抜の改革の方向について、里見国立大学協会入試委員会委員長から資料1に基づき説明があり,その後,意見交換が行われた。

【安西部会長】  本日は上野大臣政務官に御出席いただくことになっております。後ほど到着の予定でありますので,先に始めさせていただきたいと思います。
 前回は7月25日の会議でございましたけれども,答申の取りまとめに向けて検討が必要な事項について共有させていただきまして,各大学が「多面的・総合的に評価する入学者選抜」に転換する,その具体的方策等々について議論をさせていただきました。
 また,答申に向けては,改革の方向性を共有することが必要であるということから,前回の議論も踏まえまして,今般,私の方で改革の方向性をまとめたメモを用意させていただきました。本日は,このメモを中心にさせていただいて,答申に向けた改革の方向性について議論をいただければというふうに考えております。
 また,国立大学協会におかれましては,この高大接続特別部会の以前の議論も踏まえて,国立大学における入学者選抜の在り方について議論を行っておられまして,答申に向けた改革の方向性を議論するここでの場以前に,現時点での検討状況について御説明を頂く,そういう予定でございます。このため,国立大学協会の入試委員会の委員長の里見東北大学総長に,お忙しい中,お越しいただいております。御出席いただきましてありがとうございます。
 それでは,まず資料1,今後の国立大学の入学者選抜の改革の方向について,里見委員長から御説明いただければと思います。よろしくお願いします。
【里見国立大学協会入試委員会委員長】  東北大学の里見です。国立大学協会の入試委員会の委員長をしております。大変物々しい雰囲気なので,私自身がどこかの入試を受けているような,少し緊張しておりますけど。先ほど安西部会長から話がありましたように,国立大学協会として中央教育審議会の情報というものが,新聞報道など,それもたくさんは出てこないものですからなかなか得られない中で,ただ,入試というのは国立大学協会にとりましても非常に大きな問題ですので,国立大学協会としての考え方を少しまとめておいた方がいいかなということでまとめたものがこのペーパーでございますけれども,当然,現時点で我々が知り得た情報を基にしてまとめたものですから,もしかすると若干そごがあって,また,この中央教育審議会の審議がこれから進んでいく中でいろいろ修正を加えていかなければならないといいますか,当然,我々自身のディスカッションももう少し違うものになっていく可能性はあるのだと思いますけれども,少なくとも現時点でまとめたものがこのペーパーでございます。
 我々として最初に,ここでは書いておりませんけど,議論したのは,現在の教育は,大学の教育を含めて本当にものすごく間違っているのだろうかということが議論になりました。我々の考え方としては,そんなに大きく間違ってはないのではないのかなというのが結論でございます。現在の欧米中心の学術的なものなどの仕組みの中で,やはり日本という国はそれなりにノーベル賞などそういうものをたくさん出しておりますし,それから社会に対してイノベーションを起こすような様々なことをたくさん作り出している。これは多分,欧米の諸国以外の部分では非常に日本が特殊といいますか,日本がかなり突出してすぐれている部分ではないかと思っています。
 ただ,だんだんそういうことが,最近,大学の方で教育してみますと,危ないような状況になりつつあるのかなという気がしてきているということが,大学の教員の持っている印象であります。それは,これまで日本を支えてきてくれた方々というのは,高等学校とか中学とか大学も含めて非常に幅広い知識を持った形で大学に入ってきてくれていた。つまり,私たちよりも上の世代という方々は,例えば理科や社会や国語とか数学等において,受験科目以外のものをきちんとそれなりに学んで,幅広く学んで大学に入ってきた。ところが,だんだん受験戦争が厳しくなってくると,受験科目だけをというような流れになっていて,広い教養とかそういうものがなくなっているのではないかと。これはやはり危機的な状況なので,是非高等学校や中学の方には受験科目だけではなくて,幅広くいろいろなものを学んでいくということを大学側からメッセージとして送る必要があるのではないかということを感じております。
 それからもう1点は,これもよく日本では言われたことですけれども,残念ながら国際的に活躍できる人間などそういうものがだんだん少なくなっているのではないかと。それはやはり,これも受験戦争の弊害だと思いますけれども,コミュニケーション能力とか人を説得するとか論理的に考えるとか,そういう力というものがなかなか訓練されていない子たちが大学に入ってきている。しかし,そういうものが大事だということをやはり大学として送り出す必要があるのではないかと,そういうことを考えながらこれをまとめたものであります。
 この1ページ目の「1 国立大学の入学者選抜の現状」では,これまで大学はそれほどいろいろなことをしてこなかったかというと,そうではなくて,国立大学は,その入学者が高等学校において入試科目以外のものもきちんと勉強した者を希望しております。それから,単なる知識だけではなくて,知識を関連付けて最善解を導くような論理的思考力,そういうものを是非学んできてほしいと思っていますし,また,大学で学ぼうという意欲ある生徒,それから社会に貢献しようという意識を持っている,そういう生徒に来てほしいというふうに思っているということであります。これまでの国立大学は,よく誤解されていますけれども,点数だけで入っているというのではなくて,やはりそれぞれの大学のアドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)というのがありますから,それに基づいて,一般入試においては基本的な科目以外にこれらを測るものとして,これまで共通試験,大学入試センターの試験と,それから各大学で行っている個別試験等でまずはきちんとした学力を判定するということをやっております。そして,特に個別試験と言われている大学での試験においては,記述式とか論述式とかというものを,ここでしか取り入れられないだろうということで,それをもってして論理的な思考力や判断力・表現力を問うような学力検査を行いながら,多くの大学では最近徐々に広まってきておりますけれども,幅広くいろいろな能力を問おうということで,面接を行ったり,小論文を行ったり,実技試験等を課したりしております。また,個別試験も,これも国立大学協会の方針として前期・後期に分離分割をしていき,複数の受験機会を与えるとともに,選抜方式の多様化,それから尺度の多元化ということで,推薦入試やAO入試,さらには,社会人や帰国生徒,留学生徒を対象とした特別選抜も行って,機会をたくさん与えると同時に,多彩な人材が大学に入ってこられるような工夫を少しずつ行ってきていると思います。ただ,そうは言いましても,アンケートを取ってみますと,まだまだ大学全体で見るとそういう努力が少し足りないのではないかというのが国立大学協会の皆さんの考え方で,これからはそういう方向性をもう少し強めていこうということが国立大学協会の大半の一致した意見になっております。
 2ページ目に入りますと,「2 今後の改革の方向に関する基本的な考え方」というふうに書いてございます。私たち国立大学協会としましては,この中央教育審議会でだんだん話が進んでおります大学入学者選抜に関して,大学入学志願者の幅広い学力を評価することを前提にして,意欲や適性を含んだ多元的な総合的な評価を実施すべきという,そういう方向性には賛意を表するものであります。
 また,大学入学者選抜というのは,本来,各大学がアドミッション・ポリシーに基づいて大学によって多様性を持ったような人材を入学させるという,その方向で行くべきで,したがって,この改革についても特定の方法だけでやるというのではなくて,各大学に個別性を持たせながら多様性を持たせるというようなことが必要になってくると思っております。
 新たに設定が検討されている「達成度テスト(仮称)」というものは,数十万人の受験生を対象として一律に実施されると聞いております。したがって,多面的・総合的に評価する大学入学者選抜への転換ということは,この発展レベルのテストのみならず,各大学の個別試験や推薦入試,AO入試等を通じて,それぞれのアドミッション・ポリシーに基づいて,面接や小論文を含む様々な選抜方法を取り入れることによって実現していくことが有効で,かつ現実的な道ではないかというふうに考えています。
 そしてまた,これまでも行われてきました一般入試の個別試験における学力試験において,各大学が施行している記述式や論述式の問題というものは,単なる知識を問うだけでなくて,論理的な思考力や判断力・表現力等を評価する上で非常に有効な手段だと思っておりますので,これは引き続き維持していきたいというふうに考えています。
 そして,このようなことを考えている国立大学の方針というものを広く社会に明らかにすることによって,世の中の仕組みといいますか,初等中等・高等教育の在り方というものが少しずつ変化するのではないかということを期待しております。
 「3 国立大学の入学者選抜の改革の基本方針」でございます。国立大学協会としては,これまで1点刻みの学力検査というものが大半のところで行われてきたという事実がありますので,それからの脱却を目指して,また,それぞれの大学のミッションで,個性・特性に応じた入学志願者の学力を前提として,それ以外の意欲・適性を含んだ多面的な総合的な評価を実施するという,そういうことを進めていくということを我々は確認し合ったわけであります。
 そういう中で,一般入試の共通試験・個別試験を通じて,各大学のアドミッション・ポリシーに基づき,学力検査の結果の段階別評価や学力以外の意欲・適性等を評価するための面接,小論文や調査書などを活用して,できるだけ多様な選抜方法というものを工夫しましょうということです。
 それから,個別試験による学力検査においては,これまで実施されました良質の記述的な論述的問題を出題することよって,単なる知識だけではなくて,論理的な思考力や判断力・表現力を適切に評価するようにしたいということです。
 それから,共通試験の活用や大学独自の選抜方法を工夫して,一定の学力を絶対に確保しなければいけないと思いますけれども,それを確保した上で,面接,小論文,調査書,書類審査などを適切に組み合わせた多面的な評価を行って,推薦入試やAO入試などを行う大学入学者の割合を増大させるということです。
 そして,受験機会の複数化については,前期・後期,推薦入試・AO入試を組み合わせて,これよりも更に拡充する方向性を目指したいということでした。
 次,4番目ですけれども,これは個別の問題ですので余りここで触れるべきではないかもしれませんけれども,我々が漏れ伝え聞いておりますこの中の審議で,「達成度テスト(仮称)」,特に発展レベルというものについての在り方が結構審議されているように伺いましたので,少し触れさせていただきますけれども,私たち国立大学,ほかの大学もそうだと思いますけれども,いろいろな改革を行うためには,少なくとも共通試験の基礎的な基本的な学力判定機能というのは保っていてほしいなという気がいたします。それは,大学入試においては,基本的には少なくともある程度学力というものを保証された上でのいろいろな改革だというふうに我々は考えるからであります。したがって,「合教科・科目的」や「総合型」の導入というものは,確かに思考力や判断力を評価する上では有効と考えられますけど,これが本当に有効になるかということに関してはまだ一定の検証というものが必要だと思います。したがって,十分に専門的な検討や試行をしていただきたいということであります。また,これらを導入するとしても,大学において本当に学業というものをきちんと遂行するためには,コア科目に関する適正な能力を有しているかどうかの判断は欠かせないという意味から,是非5教科(7科目)等による基礎的な「教科型」の学力を判定する能力というものは基本的に維持してほしいということであります。これまで大学入試センター試験等を担当といいますか,いろいろ実施してきました。非常に今,複雑化しております。その意味では,ある程度学校と学習指導要領の見直しを併せまして,5教科(7科目)の範囲の中からの出題は維持しつつ,できるだけスリム化するということを考えた方がよろしいのではないかということでございます。
 それから,成績の提示方法についてもいろいろ言及されておりますけれども,各大学がそれぞれの選抜方針に基づいて適切な段階設定を行うことができるように,素点又はそれに近い方法で是非教えていただければということも考えております。
 それから,「達成度テスト(発展レベル)(仮称)」の複数回というものが言われておりますけれども,これは確かに志願者に対して再挑戦の機会を与えるという意味では理解できるものですけれども,果たしてこれを実施する主体がどこであるかということを考え,もしこのまま大学でというふうになりますと,なかなか実施困難ではないかということを考えております。しかし,そういうことを実施するためには,CBT(Computer Based Testing)やIRT(Item Response Theory)などの導入による試験実施体制の整備を図ることを前提としますし,また,試験作成の段階,準備段階を含む実施方法等の抜本的な負担軽減を図っていただきたいと思います。それと同時に,できればこれは,複数回にするにしても,できるだけ最小限にとどめた方が実行可能なものになるのではないかということを現時点では考えております。
 さらに,5番目になりますけれども,この入試というものはミスが許されないことでありますし,また,その結果等に対しては,透明性,公平性,国民に対する説明責任等で非常に厳密な制度管理というのが求められるというふうに考えます。したがって,これらのものを滞りなく行うためには,アドミッション・センターなどの専門的な組織の整備やアドミッション・オフィサーなどの高度専門職の育成確保が極めて重要であります。その意味では,これらのことについて国からの安定的な継続的な支援を強く要請するという,こういう形でまとめさせていただきました。
 少し長くなりました。申し訳ありません。
【安西部会長】  ありがとうございました。ただいまの里見委員長からの御説明につきましては,この後の議論の中でも御意見いただけると思いますけど,特に御質問,御意見のある方いらっしゃいますでしょうか。よろしいですか。後ほどでも結構でございます。

(2)高大接続の改善の方向性について,安西部会長から資料2に基づき説明があり,その後,意見交換が行われた。

【安西部会長】 それでは次に,資料2について私の方から説明をさせていただければと思います。
 資料2は,これまでのいろいろな議論があった,今の国立大学協会の御説明もそうでありますけれども,その一方で,これからの,特に2020年以降の教育の在り方ということを考えたときに,これまでの様々な御意見も踏まえた上で,やはりここでもって何かのたたき台,案を出させていただければということを考えておりまして,その私案だというふうにお考えいただければと思います。
 それでは説明をさせていただきますけれども,かなり長いので,後ろの方の右側の下にページが振ってありますけれども,9ページに当たるところですね,9という数字が消えてしまっておりますけれども,右上には付1というふうに書いてあるページをごらんいただければと思います。よろしいでしょうか。図になっておりますけれども,この図で一応の説明をさせていただきます。
 高大接続の問題について,一番上に「新しい高大接続」というふうに書いてございますが,これは前々からここで議論になっておりますように,大学入学者選抜だけのことを考えても,それはもうほとんど意味がない。高等学校教育・大学入学者選抜・大学教育の並行した一体的な改革を考えていかないとこれは意味がないということが第1点であります。また,高等学校教育・大学入学者選抜・大学教育全体を考えたときに,将来の教育の方向としてどういう考え方を持っていくべきかというと,そこに「多様性・主体性・協働性」と書いてありますけれども,これは私の言葉というよりは,以前から中央教育審議会答申等々でもいろいろ出てきている言葉でありますけれども,やはり多様な背景を持つ人たちがそれぞれ主体的に考え,学び,また,協力して暮らしていく,生きていく,そのための力を身に付けるということが基本でありまして,それを高等学校,また大学教育において更に強めていかなければいけないと,そういう意味であります。
 左側の箱に「高校教育」と書いてありますけれども,高等学校教育の目的といいましょうか,大きな目的というのは,やはり今後,多様な生徒が主体的に学び,市民性,社会性を身に付けることのできる,そういう学びの場を創造していくということであって,そのためのやらなければいけないこととして基礎学力の質の確保と向上ということはあるわけであります。そこに※が付いておりますけれども,基礎学力には基礎学力の活用力ももちろん含むということでございます。これも前から言われていることでありますし,高等学校教育部会において既に出ていることでございます。また,多様性を理解し,主体的に活動する力の育成,市民性と社会性の涵養(かんよう)等々,これも高等学校に関連した議論の中で出ていったことであります。
 その下に「高校教育改革」という箱がございまして,その中に「達成度テスト(基礎レベル)(仮称)」と書いてあります。この「達成度テスト(基礎レベル)(仮称)」については,高等学校教育部会において審議まとめ等々も出されているわけでありますけれども,特に基礎学力の質の確保と向上,また,生徒の学習改善に資するものでありたい。そのグレーの箱の中に矢印が描いてありますけれども,これは,この「達成度テスト(基礎レベル)(仮称」)について,かなり広範な難易度のテストを是非設計していただきたいということであります。これは,高等学校の多様化を踏まえて,多様化はもちろんそれぞれの意味があるわけでありますけれども,相当程度の難易度の高い問題からそうでない問題まで,「達成度テスト(基礎レベル)(仮称)」において評価できるようにしていただきたいということであります。高等学校教育改革は「達成度テスト(基礎レベル)(仮称)」だけではもちろんございませんで,高等学校の課題というのは多々あるわけでありますけれども,一応ここには,高大接続に関連した,本部会に関連した問題といたしまして「達成度テスト(仮称)」のことが書いてあるということであります。
 それから,右側の「大学教育」の件でありますけれども,「『多様な学生が主体的に,協働しつつ学ぶことのできる高度な学びの場』の創造」というふうにしてあります。やはりこれからの時代には,よく言われますけれども,学部の学生で2%しか社会人学生がいない。日本の大学の極めて一様な学びの場,これは正直言って国立大学も含むわけでありますけれども,そういう学びの場を変えていかなければならない。また,言われて大学に行く,言われた大学の言われた学部に行くのではなくて,やはり自らの将来の人生のために学ぶ,そういう主体的な学びの姿勢を強めていくことが必要だということでございまして,その下に赤で書いてありますけれども,「主体的に学び,考える力の向上」,「多様性を共有し,他者と協働する力の向上」,それからもちろん「知識・技能の活用力の向上」と,この3つがあるわけであります。
 その下に「大学教育改革」と書いてあって箱になっておりますけど,何も書いてありません。これはやはり大学がそれぞれ行っていただくべきことであって,上に挙げた二つの赤と一つの青で書いてあります事項というのは,各大学は行っているように見えて,世界の動向の中ではまだまだこれからではないかというふうに思うところがございます。
 それから,真ん中に移りまして,その下の方に「大学入学者選抜」としてあります。その上に「達成度テスト(発展レベル)(仮称)」,そこに青で「知識・技能の活用力」。これは色を合わせてありまして,大学教育の中の青と連動しております。先ほどの高等学校教育の中の緑の「基礎学力」の云々(うんぬん)と「達成度テスト(基礎レベル)(仮称)」の緑の色とは関連しております。「達成度テスト(発展レベル)(仮称)」の知識・技能の活用力というのは,「達成度テスト(基礎レベル)(仮称)」と連続した形でもって知識・技能の活用力の,やはり大学で学ぶことのできるレベルの活用力を評価すると。あるいは,これは総合的学習の学習指導要領の下でのいわば総合力を見るようなことも含むかとも思いますけれども,いずれにしても,活用力を評価で中心にしていきたいということであります。
 そうしますと,その基礎レベルと発展レベルの接続・連続を考えますと,これによって,基礎学力からかなり活用力を含んだ学力まで,かなりのことをそこでもって担保するということが肝心であろうと。それが可能になれば,その上の個別大学の入学者選抜において,できる限り「主体的に学び,考える力」と「多様性を共有し,他者と協働する力」,これは面接とか討論とか,あるいは高等学校までのいろいろな経歴,いろいろな活動歴,調査書等々の総合的な判断になるかとも思いますけれど,また,面接等々の方法について,これはやはりこれまでの大学教員が面接のプロであったということはないので,これから面接・討論等の評価の仕方についても,あるいは方法等についても開発をしていく必要があるかというふうに思いますが,個別大学の入学者選抜については,基礎学力あるいは知識・技能の活用力,これをいわゆる標準テストのところで相当部分見ることはできると,そういう前提の下で是非,主体性・多様性あるいは協働性の潜在力を評価するという方向に振っていただきたいと,そういう考え方であります。
 その上に「社会人」,「多様性・主体性・協働性」と書いてありますけれども,社会においては,この多様性・主体性・協働性が必要とされることはほとんど自明のことでございまして,特にこれからのいわゆるグローバル化されていく世界においては当然のことになっていくかというふうに思います。この「社会人」が下の方へずっと「大学入学者選抜」のところに三角がおりておりますのは,これは,社会人においても大学に入り直す,学び直すということが恐らく必要な時代になるだろう,そういう意味でこの三角形が描いてあります。
 また,「個別大学の入学者選抜」と「達成度テスト(発展レベル)(仮称)」の間にも矢印が付けてありまして,そこのところは,是非各大学の入学者選抜と「達成度テスト(発展レベル)(仮称)」の間の意味関係をしっかり国立大学協会等々も含めて今後いろいろ相談をさせていただいて詰めていく必要があるのではないかと,そういう意味であります。
 また,書いてありませんけれども,高等学校を卒業して社会に直接出る,そういう人たちも多いわけでございまして,そういうこともやはり十分考えた上でこの新しい高大接続の在り方ということを,もう一度申し上げますけれども,将来,これから10年後,20年後,30年後に社会で活躍していくべき,そういう子供たち,若い人たちのための教育の場を,そういう子供たちが本当に一人一人幸せになっていけるように,これからの非常に厳しい時代の中で,厳しい世界の中で,幸せに暮らしていくことができる,その底力を身に付けてあげられる,そういう教育の場を高大接続も含めて創っていくことが肝心ではないかというふうに考えているところであります。
 少し長くなって恐縮ですけれども,次の付2,10ページですけれども,そこに多少の細かいことを書いてあります。今までは,こうしたことが,かなり世の中ではここでの議論の結果として取り上げられてきたことが多いと思います。ただ,大事なことは先ほどまでに申し上げてきたことでございまして,先ほどまでに申し上げたことをどうすれば実現できるかということを,この付2に書いたような形が一つのやり方だと思いますけれども,この付2の関連事項については是非そういうふうにお考えいただきたいということであります。
 「知識・技能の活用力の評価」については,合教科・科目型中心だと。これは当然,合教科・科目型ということになれば教科の知識も必要であります。また,総合力にも関係いたします。合教科・科目型の問題をどうやって作問するのか,それをどうやって蓄積するのかということももちろん大事なことでございまして,これは今後の技術的なプロジェクトチーム等をきちんと作って,至急それを技術的に検討すべきではないかというふうに思います。そういうことが全部メモの方へ書いてございますので,後で御覧いただければと思いますが,記述的問題の導入,CBTの導入等々は重要だというふうに思います。
 また,「受検者・受検事情の多様性、受検者の主体的チャレンジを重視」も,これから10年,20年後のことを考えるとやはり設計としてはとても大事でございまして,複数回の実施,また,社会人あるいは大学の在籍者,留学生等々が誰でも受けられるような,そういう発展レベルのテストである必要があるのではないかということであります。
 また,「個別大学の入学者選抜と達成度テスト(発展レベル)(仮称)の連携」が必要で,これについては是非,個別の大学がアドミッション・ポリシーに両者の方法・成績基準等を具体的に記述していただけないかと。今,拝見している限りでは,アドミッション・ポリシーがやや抽象的ではないかと思います。今のアドミッション・ポリシーでは受験生あるいは関係者が,いわゆるステークホルダーが見て,ではどういうふうな基準をクリアすればその大学に入学できるのかということが余りはっきりしておりません。そういう意味で,成績基準等を具体的に記述することが必要ではないかというふうに踏み込んでおります。
 また,「高校多様化・大学多様化への対応」と書いてございますけれども,これは先ほど申し上げたように,広範な難易度を持つ「達成度テスト(基礎レベル)(仮称)」,それから広範な成績評価を行う「達成度テスト(発展レベル)(仮称)」を組み合わせて接続して,基礎学力をきちんと広範囲に担保することが大事だということであります。
 それから,「個別大学の大学教育入学者選抜方法との連携」については,アドミッション・オフィスの充実,それから面接・討論等の評価方法,高等学校の調査書等の評価方法の開発の推進,さらには「達成度テスト(発展レベル)(仮称)」の活用の支援,それから特に入学者選抜に関わる人材の育成です,これも非常に大事だというふうに思われます。
 あとは,「技術的検討,情報セキュリティへの留意」と書いてありますけれども,メモにかなり詳細にわたっていろいろなことが書いてあります。例えば経済界,社会との連携も大事でございまして,特に大学においては,大学卒業生の進路,これについて経済界あるいは社会の方の側かがやはり主体性・多様性・協働性ということを念頭に置いて,採用等々についても,雇用等々についても配慮していく,これからの時代の社会構造まで及ぶ,そういう変化になっていくというふうに考えられます。もう一度申し上げますけれども,一人一人の子供たちが生まれながらにして本当は持っているはずのそういう能力をやはり生かして,自分で磨いて,それを他者に貢献することによって自分も糧を得て人生を幸せに,人に尽くしながら暮らしていくことのできる,そういう構造を何とかして作らなければならない。今までの一斉授業,そして輪切りの教育の仕組みといいましょうか,社会の仕組みをここでやはり変えていくことによって,それぞれの子供たちだけでなく,日本の将来が開かれていくというふうに思っているところでございます。
 以上にさせていただきますけれども,一応,私案という形で出させていただいたものでございます。もう一度申し上げますけれども,私が勝手に何か作ったというよりは,今までの議論,また,これは実は平成11年に中央教育審議会の答申が出ておりまして,この答申というのは,多くはというよりほとんど私が今申し上げたことに近いのです。それが今まで,もう15年たちますけれども,なかなか実際には物になってこなかった面があるというふうに思います。ここへ来て具体的な実現といいましょうか,そういうことをしていく時代に入ったのではないかというふうに考えておりますので,それも付け加えさせていただきます。
 最後に2枚,小・中学校の全国学力・学習状況調査の小6と中3の国語B問題の例を付けてありますけれども,小学校・中学校においては知識・技能の活用力をこういう形でもって磨いていくということは,随分今,始まるようになっておりまして,そういう子供たちを高等学校・大学が受け止めていけるかどうかということが問われているのだということも付け加えさせていただければというふうに思います。
 以上にさせていただきます。ありがとうございました。
 それでは,私の今の説明につきましての御質問,御意見等々も後で意見交換の時間があると思いますので,特に何か御質問,御意見ありますでしょうか。

(3)高等学校教育,大学教育,大学入学者選抜の一体的な改革について、文部科学省から資料3に基づき説明があり,その後,意見交換が行われた。

【安西部会長】 それでは,高等学校教育,大学教育,大学入学者選抜の一体的な改革につきまして,資料3が用意されております。この資料3について事務局から説明を頂きまして,今の私が説明いたしました資料2も含めまして議論をしていただければと思います。
 それでは,事務局,お願いします。
【田中高等教育政策室長】  それでは,失礼いたします。資料3をごらんください。前回の7月25日の会議では,この資料3の3枚目,4枚目にございます一体改革の全体像,基本的な考え方の資料に基づき御議論いただいたところでございます。この資料3につきましては,前回会議の意見を踏まえ,修正あるいは新しい資料を作成いたしまして更新をさせていただいたものでございます。先ほどの資料2の部会長メモと併せまして,この後,改革の方向性を御議論いただく際に参考にしていただきたいというものでございます。
 それでは,資料3の1ページをごらんください。この1枚目は,次の2ページから4ページの資料を要約したものでございます。
 まず「1.これからの時代に求められる人材」ということにつきまして,これまでの本部会の御議論あるいは過去の中央教育審議会答申等々を踏まえて整理をしてございます。我が国の社会の構造的変化に伴い,個人にとっても,社会にとっても,将来の予測が困難な時代が到来している中で,赤字のところでございますが,変化の中で自ら課題を設定し,他者と協働しつつ,答えのない問題に挑戦して解を見いだし,新たな価値を創造できる人材が求められていると考えられます。さらに,様々な能力や得意分野,異なるバックグラウンドを持った多様な人材が必要とされているというふうに整理をしてございます。
 その上で,今後重視すべき資質・能力といたしまして,そこにございますような八つの点を整理してございます。そして,このような資質・能力を持ったこれからの時代に求められる人材を育成するためには,知識・技能の習得のみを中心とするのではなく,主体的に学び,考える力をはじめとした多様な資質・能力を総合的に育成することが必要であり,義務教育段階に比べ取組が不十分な高等学校教育,大学教育,大学入学者選抜の一体的な改革が必要ということを一体的な改革の必要性の背景と整理しているところでございます。
 その上で,「2.高等学校教育,大学教育,大学入学者選抜の一体的な改革」でございますが,こちらは前回御議論いただきました資料の3ページ,4ページをベースにしてございまして,要点といたしましては,高等学校教育,大学教育,大学入学者選抜の3者が,知識・技能のみならず多様な資質・能力の育成など同じ方向性を持って,教育内容の改革,学習・指導方法の改革,評価方法の改善に取り組むことが一体的改革の中身であるということを整理しているところでございます。
 続きまして2ページ,2枚目をおめくりください。2ページ目の資料は,先ほど説明させていただきました「これからの時代に求められる人材」について必要な背景等も含めまして整理をしたものでございます。特に右下の緑色のところでございますが,東京大学,京都大学の28年度入試,推薦入試あるいは特色入試の導入などに見られますように,各大学がこれからの時代に求められる人材を見いだすために,入学者選抜の工夫・改善等を進める中で,高等学校教育,大学教育,大学入学者選抜を一体的に改革していくということを進めることが必要であるということでございます。
 その上で,資料の3ページ,4ページでございますが,こちらは前回御議論いただいた資料を前回の意見を踏まえて修正したものでございまして,主な修正点のみ説明をさせていただきます。4ページをごらんください。
 4ページの資料,こちらは教育内容,学習・指導方法,評価方法の改革の具体策のイメージを記述しているものでございますが,そのうちの一番右,評価方法の改革のところで,大学教育の箇所につきましては,前回,厳格な成績評価の推進ということを記載いたしておりました。それに対しまして,今の評価で厳格化しても意味がないという意見を頂きました。厳格化の前に評価そのものの在り方の見直しが必要という御意見を頂きまして,その御意見を踏まえまして,「学生の学修成果の把握・評価の推進」といたしまして,「アセスメント・ポリシーや測定・評価方法の開発・実践」,「学修成果や内部質保証を重視した大学評価への改善」という形で記述を変えてございます。
 また,大学教育のみならず,各大学の個別入試の改善のためにも評価の在り方の見直しが必要という御意見を踏まえまして,その下,「多様性・主体性を重視した選抜への転換」という青いタイトルの下の四つ目のひし形の黒でございますが,「新たな評価手法の開発,専門人材の育成」という記載を新たにさせていただいているところでございます。
 次に,資料の5ページをごらんください。資料の5ページは,これまでの議論も踏まえまして,各大学の個別入試と「達成度テスト(仮称)」の在り方について一覧にした資料でございます。目指すべき姿,課題,スケジュール・取組という観点から整理をしてございます。
 個別入試につきましては,目指すべき姿にございますように,多面的・総合的に評価する総合型選抜を目指して,一番下のスケジュール・取組のところでございますが,答申あるいは改革プラン等の周知徹底により,一体改革の下での入学者選抜の改革の考え方・方向性を共有し,重点支援や大学評価を通じ,各大学の改革を促進するということを答申後速やかに実施していきたいと考えているところでございます。
 また,その下,二つのぽつでございますが,アドミッション・ポリシーの策定事例集あるいはガイドラインの策定,あるいは入学者選抜全体を多面的・総合的に評価する総合型選抜と位置付けた上で,実施時期あるいは実施方法などについて新たなルールを構築するということについて,平成26年度中に具体案を取りまとめたいと考えているところでございます。
 また,その右,「達成度テスト(仮称)」でございますが,基礎レベル・発展レベルにつきましては目指すべき姿にございますような趣旨・目的があるところでございますが,実現のための課題にございますように,課題としては共通する部分も多いということを踏まえまして,その下のスケジュール・取組にございますように,基礎レベルと発展レベルの在り方について一体的に検討を行う体制を整備した上で,大学入試センターなどの関係機関あるいはテスト理論の専門家などによる検討組織を立ち上げ,具体的な検討を行い,その下でございますが,プレステストあるいはアイテムバンクの構築などの準備をした上で,基礎レベルについては平成31年度,発展レベルについては平成32年度に導入を目指し,CBT方式の全面導入については平成36年度を目指してはどうかという資料でございます。
 次に,6ページの資料を御覧ください。この資料につきましては,前回会議におきまして,「達成度テスト(仮称)」のみならず,高等学校教育・大学入試,大学教育,3者について一体的な改革の工程表というものを作ることが必要ではないかということの御意見を踏まえて,高等学校教育・大学入試・大学教育の中で重立ったものについてスケジュールを一覧としたものでございます。答申の取りまとめに当たりましては,このような工程表あるいはスケジュールというものも取りまとめた上で周知徹底を図っていきたいと考えているところでございます。
 資料3の説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
【安西部会長】  ありがとうございました。
 それでは,答申に向けた改革の方向性について御意見のある方は御自由に御発言いただければと思います。大体17時前まで時間が取れると思いますので,よろしくお願いいたします。
【土井委員】  資料等の趣旨をまず確認させていただきたいと思います。
 最初に,この資料2,部会長の方でお出しいただいているメモの方なのですが,これの4ページの4に「各大学の入学者選抜」というところがございます。それの最初のaの趣旨についての確認でございます。ここでは,「達成度テスト(基礎レベル)(仮称)」が基礎学力を評価するものと位置付けられていて,発展レベルは知識・技能の活用力を評価するとされた上で,個別の大学で行う入試はこれと異なるとされています。個別入試の方は,「主体的に学び,考える力」,「多様性を共有し,他者と協働する力」を多面的に評価するものとされていて,その方法としては,bの(2)のところに具体的な方法が書かれており,例示ではありますが,面接,討論,論文等の実施・評価方法が挙げられています。ここに書かれていること,文字面だけを追いますと,個別入試では教科に関する学力検査を行わないとも読めるような感じがいたします。もし個別教科の学力を確認することなく入学者を選抜することは適切でないという従来の考え方を前提にしますと,個別入試でそれを行わないということになると,全ての大学は入学者選抜において「達成度テスト(仮称)」を基本的には利用しなければならないと読むことになります。ただ,この理解は,必ずしも従来の我々の行ってきた議論とは違うのかなという印象を受けますので,この箇所についてどういう御趣旨なのか,少し確認をさせていただきたいというのが1点目でございます。
【安西部会長】  私の出させていただいたメモの4ページの4のa等々のところでありますけれども,各大学の入学者選抜においては,いわゆる総合力といいましょうか,多面的な評価をやっていただく。それはそれぞれの大学のミッションあるいはアドミッション・ポリシーに従ってやっていただくと。一方で,学力についてはいわゆる標準テストといいましょうか,基礎レベルと発展レベルのテストによって行うと,そういうふうにかなりはっきりした形で一応書いてあります。そのことがどのぐらい現実的にできるのかどうかということは,これは議論の余地がもちろんあるというふうに思います。そういう意味の書き方であります。ただ,私の考え方としては,できる限り各大学が学力のいわゆる基礎学力というのでしょうか,ペーパーテストで見ている従来の基礎学力の知識量を測る,それを脱却していただきたいと,そういう意味で書いてあるということであります。
【土井委員】  先ほどの国立大学協会からの御説明にもありましたように,各大学は個別に教科に関する学力試験をしていて,決してそれは知識の習得だけを確認してきているわけではなくて,当然,論理的な判断力,思考力等も見ているわけですし,その試験を通じて既に御紹介があったように合教科型の試験をされておられるところもあるわけで,それを前提にしてなお,教科に関する試験を個別学力試験という形で行わない方向にするということを明確にここで出していくという,そういう理解なのでしょうか。
【安西部会長】  ここでの考え方は,今おっしゃるそういう考え方であります。
【土井委員】  個人的には少し唐突感があるというふうに思います。というのは,配布資料がそれぞれあってよく分からないのですけれど,本日は,このメモがあり,それから資料3があり,参考資料2があります。けれど,以前から見ているのは参考資料2の図で,ここには個別学力検査が明示をされていて,知識・技能の部分は少し入っているだけですが,基本的には知識・技能を活用する力の方を重視する形で,発展レベルの試験と調整をしながら実施をするという図になっています。これまでの議論では,これを基本に考えてきたものですから,この図と資料3と今回のメモはどのような関係にあると理解をさせていただければいいのでしょうか。
【安西部会長】  これは議論の余地はもちろんあると思いますけれども,論理的な思考力をペーパーテストによって各大学が評価・測定をしているということを超えた思考力あるいは主体的な思考力といいましょうか,それを各大学でもって応募者に問うていただくということが大事だと,そういう考え方に立っているということであります。これはもちろん議論の余地があるので,是非そういう意味での議論をしていただければというふうに思いますが,今までの学力テストは,これは思考力も試しているのだということ,そういうことを言われる方は多いのでありますけれども,それが本当に10年後,20年後に社会で活躍していくべき若い人たちにとっての思考力の評価になっているのかということをやはり是非お考えいただければということであります。
【土井委員】  思考力を重視する,それから判断力等を重視したり表現力を重視する,いわゆる活用力を重視するという方向性について異論があるわけではございません。多様性や主体性あるいは協働していく力を今後身に付けさせていくということにも異論はございません。ただ,問題なのは,「達成度テスト(発展レベル)(仮称)」という,これから開発される,しかも,前回,金子委員からもありましたように,様々に技術的に今後解決しなければいけない問題も抱えている段階で,個別学力検査の改善は望めないとして,「達成度テスト(仮称)」に完全にかじを切るのだという決定をするというのはかなり重い決定です。従来ここは詰めてこなかったところですので,私自身はもう少し慎重に議論した方がいいと思うのです。ほかの委員がどうおっしゃるかは分かりませんけど,個人的な意見としては以上です。
【安西部会長】  ありがとうございました。
【金子委員】  私も今の御意見とかなり同じ点ですが,個別大学の入学者選抜がどのようなものであるべきかということについては,安西委員のおっしゃったように,学力とは少し違ったディメンジョン,例えば「主体的に学び,考える力」あるいはもう少し人格に関わったようなものによる選抜を重視すべきだという御意見は分かりますけれども,ただ,これ,図式的に理解してしまいますと,個別大学の入試では教科に直接結び付いた選考はやるべきではないという議論に聞こえてしまうわけですが,それはやはり,今お話にありましたように,これまでの議論では余りそういうところまで突っ込んだお話をしていたわけではありませんし,技術的にも相当大きな問題が生じるだろうと思います。そこで,私はここのところは,もう少しそういう方向を強く,そういう要素を入れるということは賛成ですけれども,教科と全く切り離すということは必要であるというふうにここで強く言ってしまうということについては疑問があるということです。
【安西部会長】  私が書いておりますのは,ある意味,極端に聞こえるかとも思います。ただ,学校教育法における学力というのは,いわゆる学力の3要素で意欲まで含んだものを学力と言っておりますけれども,やはり従来の教育の場においては,ペーパーテストの成績によって測れるものを,私のところでは学力というだけの言葉は使わずに「基礎学力」というふうに書いておりますけれども,そこを重点的に測ってきたのではないかというふうに思われます。これはこれで非常に大事なので,私はそれを否定しているわけではないので,それは知識・技能の活用力というときには当然各教科の基礎知識は含んでいるわけで,そこは非常に大事なのですけれども,今までの,平成11年の中央教育審議会答申というのは「初等中等教育と高等教育の接続」と全く同じなのです。全く同じ表題の答申なのですけれども,その答申においてもやはり論理的思考力がこれからは大事だというふうに書いてありながら,今,全く同じ議論をしているわけです。そこのところを脱却するにはどうしたらいいのかということになりますと,各大学において本当に主体性とか,あるいは多様性とか,そういうことを重視した評価の仕方を是非お考えいただきたいということであって,学力をやはり見なければということでもって来たのが今までの15年だったのではないかというふうに思うということであります。
 技術的に大変だということは,それは理解できますので,その技術的なことが本当にクリアできるのかどうかということについては,今後やはり詰めて検討する必要があるというふうに,これは前から高大接続部会で何度も申し上げていることであります。
【濱口委員】  私も今のお二人の議論に基本的に同じ考え方なのですけど,「多様性を共有し」と部会長はお書きになっておられるんですけど,この多様性という問題を,国立大学の中では今,機能分化あるいは機能強化という形ですね,大学が一律に同じことを同じようにやることから脱却しようとしております。それぞれの地域の文化だとか要求される社会人の形とか,それを生かしながら大学独自の判断で人材育成をもう少し行おうと。この点で考えますと,一律に共通試験的なもので多様性は担保できないと思うのです。やはりそれぞれの大学独自のミッションに応じた試験の在り方がありますし,その中で我々特に国立大学としては,重要な能力として論理的な思考力とか判断力,これをいかに試験の中に具体化していくかというところが大きな課題だと思っています。現時点では,学力検査の中ではやはり論述的な問題というのは一番測りやすい,明快に理解できる。それから,数学にしても,記述式の数学であったら,解答が一つでなくても,途中の思考方法を我々はしっかり評価しますので,結果が間違っていても,計算が間違っていても,思考方法が正しければ点数を出すのですね。それを多様な解析方法・解答方法というのを評価しながら点数化していくということを行っておりますので,是非これは我々自身のミッションに合わせた,アドミッション・ポリシーに合わせた記述式・論述式の問題は維持していただきたいと。これは国立大学のかなり共通した認識であると思いますので,御理解いただきたいと思います。
【安西部会長】  それは発展レベルのテストにおいてという意味ですか。
【濱口委員】  発展レベルのテストでは一律になってしまうと思います。大学それぞれの個性を出した論述的な問題を出したいのですね。
【安西部会長】  それは当然のことだと思います。
【濱口委員】  はい。ですから,この個別学力検査というのを是非維持させていただきたいというのが,現時点での国立大学の学長のかなりの共通した意見となっております。
【安西部会長】  これは私が一人で抵抗するような話ではないと思いますけれども,私自身もなぜこう一人で対応させていただいているのかというと,個別学力検査というふうに言った途端に,高等学校現場等々がやはりある意味輪切りでもって,例えば名古屋大学を目指す,東北大学を目指すと,そういうことになりがちだということであります。論述式あるいは記述式のいわゆる評価の仕方です,それを入れるというのは当然のことだというふうに思いますけれども,学力検査という言葉の中身です。少し細かいことになりますけれども,個別大学がそれぞれに工夫をされて入学者選抜をやられるというのは当然のことではないかというふうに思います。
【濱口委員】  それから,私ども,入試の多様性というのはできる限り担保しようということで,こちらの国立大学協会のペーパーの3ページ目の(3)にもございますように,推薦入試・AO入試というのをかなり拡充してきております。例えば私の大学では推薦入試が今15%おります。ですから,かなりのボリュームで,分野によっては半分近く推薦で入れる分野もあります。そういう多様性は実はかなり今進みつつあるということも御理解いただきたいと思います。東北大学の場合はAO入試4種類やっておられますね。いろいろな形で学力検査以外のところも,かなり今,評価し始めています。
【安西部会長】  もちろん,それぞれ,特に国立大学の御努力は理解しているのですけれど,例えば20年後を考えたときに,多様性というのはやはり年齢とか文化とかいろいろな意味での多様性。また,それこそ職業高等学校とかいろいろなルートがあるわけです。そういう人たちが国立大学のキャンパスにおいて多様に刺激し合えるような,そういう環境を想像するのですけれども,それが本当に,10年後,20年後のことではありますけれども,そこへ向かっていけるのかどうかという,そういうことを危惧しているということであって,AO入試を入れたから多様だとかということになると,これは例えば年齢においても,あるいは文化の背景においてもそれほど異なるとは思えませんので,多様性というときにかなりやはり踏み込んだ多様性ということを考える必要が出てくるのではないだろうかということであります。
【濱口委員】  よろしいですか。もちろんそのことは大変危惧しておりまして,私ども,今行っておりますのは,例えば私どもの大学にしても,東北大学にしても,京都大学にしてもそうですが,定員の2割は外国人留学生を,しかも学部生から入れていくという作業をここ数年行ってきまして,随分増えております。その次,重要なことは女性の活用であると思います。留学生と女性をどれだけエンカレッジして高学歴にして社会的に活躍できるような場を創るかということが,今,国立大学にとっては一番問われている課題であります。それに敗北したときに,部会長がおっしゃっておられるようなことが起きてくるのだろうと。
【安西部会長】  今,濱口委員が言われた方向へ進んでいただければ。私の見方に行けばいいというものではないかもしれませんけれども,私としては非常に大事な方向だというふうにもちろん思います。
【吉田委員】  ありがとうございます。私は基本的にまた違うことになってしまうのかもしれないのですけど,今回,この「達成度テスト(仮称)」というのが出てきた一つの原因には,やはり旧来型の暗記型の学習では駄目だと。それで,思考力を広げるためには変えていかなければいけないと。ただ,実際にそれを変えていくためには,大学入試というものを接点にして,大学での教育,そして高等学校での教育というものを一体化して変えていくのだという流れの中から,今回のこういう問題が出てきたと思うのです。そこで,私も実を言うともともとなぜ「達成度テスト(仮称)」にしなければいけなのかという疑問を持っていた一人なのです。ただ,実際にこういう流れの中で来て,本日,里見委員長から国立大学協会の御説明を頂いて,ここの国立大学協会の4番の「達成度テスト(発展レベル)(仮称)の在り方」というのを見ると,「各国立大学が,このような改革を行うためには,共通試験の基礎的・基本的な学力判定機能が維持されることが重要である」と。これはつまりは,今現在の大学入試センターテスト的な要素のものをやはり維持すべきであると。それを基にしてアドミッション・ポリシーがあるのだけれど,合教科・科目型や総合型の導入というのは,総合的な思考力・判断力を評価する上で有効と考えられるが,多数の受験者に対し一律に実施される共通試験での評価には困難が予想されるため,ある意味,無理であると。そして,それまでには,これらを導入するとしても,各学部における学士課程教育の遂行に当たってはコア科目に関するうんぬんということで,要は,現在の大学入試センター試験を若干スリム化したような形の試験を行って,そしてそれを今度,各学校の個別入試でこういう多様性,その他を判断する試験に結び付けていこうと。
 ところが,安西先生のメモの方の10ページの附属2の「達成度テスト(仮称)」の関連事項で見ると,全くこの国立大学協会でおっしゃっていることとは違う方向性の「達成度テスト(発展レベル)(仮称)」ということになるわけですね。そうすると,今,子供たちにとってどちらを行えばいいのかと。実際に国立大学協会の御意見としてはこれかもしれませんけれど,では私立大学は今度,「達成度テスト(発展レベル)(仮称)」を使うのか,そこがはっきりしなかったら,この話,幾ら行っていても何か無駄なような気もしないでもない。そういう意味で何か方向性が分からなくなってきた気がするのですけれど,その辺を整理していただければと思います。
【安西部会長】  私としてはかなり10年後,20年後,30年後のことを想定して,着地点はやはりこうあるべきだということを書いているのです。もちろん,教育の現場というのは明日変わるからこうなるというわけではありませんので,やはり工程表を立てて,そちらの方向へ向かってみんなが努力していく必要があると思うのです。そういう構造だということを共有していただければ非常に有り難いです。国立大学協会もいろいろ努力をされて行ってきておられることはよく存じ上げております。ただ,将来にわたって,今,吉田委員が言われたようなそこのポイントはあるのですけれども,ある意味,やはりここは無理と言ったらあれですけど,こういうふうにずっとこれからもこうだと言われると,やはり私としてはなかなか,それでは日本の高等教育の将来というのは危惧されるところがあるというふうに正直思います。少しずつ私が申し上げている方向へ,きちんといつまでにどうするということを踏まえながら変えていっていただくということが大事なのではないかと。そういうスタンスだと。
【吉田委員】  それは分かるのですけれど,今の現場の現実を考えたときに,今,この発展レベル一つとってもこうやって全然意見が違うわけですよね。それと,これに本当に持っていくのだということになるのだったら,それは全部変わってくると思うのですよ。特に今,国立大学協会の意見は出ていますけれど,じゃあ私立大学協会はこっちを使うのだとか,こっちはこう使うのだとかいったら,それこそ子供たちにとっては大変なことになってしまうので,その辺でやはり方向付けというのはどっちに持っていこうとしていくのか。確かに現状でもすごく変わってきていますよね,入試。特に個別の大学の選抜方法とか随分変わってきて,かなりその方向として変わってきているのは実際あると思うのですけれど,そうすると,今の大学入試センター試験で基礎学力をチェックするのに何も29科目もあるんじゃなくて,これをもっとスリム化して,それをやるだけでいいのではないかという結論になるのなら,またそれも分かるのですけれど,何か何通りにもなってしまうのは変じゃないかということなのです,私としては。
【安西部会長】  それはここでそれこそ方向性の議論をしているので,これは私の案でございますので,私としては,やはり将来の子供たちのためには今出させていただいた方向に是非振っていただきたいといいましょうか,そういうことで申し上げているということであります。
【生重委員】  難しい問題なのだということは重々承知で,大学教育の素人である私がこの委員会に入っている意義というのは,親や受験をする子供たちが実際にどうなのかというところなのではないかなと思っております。とにかくひたすら思いますのは,今,無業である若者が35万人もいるこの実態をどう捉えるかということです。高等学校中退者,大学中退者の人数をどう捉えるかということなんだと思います。それと,複雑になればなるほど,受験をさせる親は何度も何度も1回受験にお幾ら掛かると言って,私も3人子供がおりまして,もう卒業して大分たつのですが,先日,3人分の受験料を考えてみたら,ああ,60万ぐらいは使ったなという。頭がね,レベル的な問題もあるのですが,でも,こう言って和ませなければいけないぐらい何か議論がもとの振出しに戻っているような気がしてならない。変えなければいけないのは何か。この日本の国の未来を支える子供たち,若者が生きていける社会を創ろうねっていうところから大学受験を見直そうと。今,小学校,中学校は様々なところで子供たちのやりがいや学びがいを追求するようなアクティブ・ラーニングが入ってきていて,かなりそういうところではそれぞれの学校が努力してきている。でも,全てが成績で入った高等学校で夢や希望を失ってしまったり,自分の居場所を失ってしまった多くの子が高等学校をドロップアウトしていき,なおかつ,自分の成績で夢を持たないまま大学に行った子たちがたくさん辞めていく。でも,高等学校の学びが変わったら,もしかしたら希望が持てるのかもしれないと私自身はすごく期待をしていたんです。で,基礎レベルのところで何度もチャレンジする,学校が大変だからではなく,何度もチャレンジして,自分のいろんな活動の中からここだと見つけたものにチャレンジできる力を学びの中に見いだせる高校生が再度何回でもチャレンジできる基礎学力編があり,なおかつ,そういうところから気づいて,もっと大学に入って,先ほど私が感銘を受けた言葉の中に,地域の特性を生かし,地域に役立つ人材,必要な人材を地方の国立大学が育成していくのだと。まさしくそこのところが今問われていて,基礎レベルのところは,何度もチャレンジしてくることの中で自信を持って,この幅の中で僕は今C,次Bというふうに目指しながら,発展と言われているものの中で今まで体験したことも踏まえての学力を生かした合教科,総合ということになる。その中でも半分はそれ以上の基礎学力を査定するというふうに検討のときから位置付けられているわけですから,発展編の中にも基礎学力を見ていないわけではない。
 これが,私立大学ではこうです,国立大学ではこうです,大学入試センター試験を受けなくてもいいのだわ,じゃあ何とかだわと,今,いろいろな選び方があるのですけれども,それと同じような状態でまた次の変革と呼べないものになっていくのであれば,ここで改めてまたこの議論をこの年月,回数を掛けて行ってきた意味は何だったのだろうかと。もしかしたら,最初の理解を得るまでは,受験する子供たちも,それを送り出す親も,すごく混乱するかもしれません。でも,私も部会長の言うように,日本に生きていて幸せだと思える若者を創らない限り明日はないと思っていて,それをするための改革の協議だった,それに向けて動いていくべきだと変わらず思っているのです。
 国立大学協会さんのおっしゃっていることと,それから大筋でずっと詰めてきたことで,求められる力についてはそんなに差がない。こういう人材を求めていますよというところに対しての大きくずれはない。であるならば,今,現状の教育の中でどんどん落ちていく子供たちを変えていくためには,小・中・高と変わらなければいけない。今までと少ししか差がないよといったら,高等学校は,ああ,よかった,よかった,何がキャリア教育だ,何が体験だと。今までどおりお尻たたいて勉強させておけばいいのだと。高等学校を出た後に,高等学校を辞めた後に,教員にはその子に対してずっと一生面倒見る義務も責任もないわけですから,それは自分の目の前にいて学んでくれている子に対してだけ学びが展開されるわけですから,そういう在りようではなくて,みんなが辞めなくて済むような,社会総掛かりで何かを変えていかなければいけないと言ってこの議論が始まったように思うのですが,そこのところももう一度お考えいただきたいなというふうに思います。
【安西部会長】  ありがとうございました。私個人的には,今の生重委員の考え方を踏まえている,それでこれを出させていただいているというふうに思います。
【濱名委員】  国立大学協会の意見書を拝見して,今,生重委員が言われたように,最終的な方向性についてはコンセンサスの方向にあるのかなと思うのですが,ただ,本日の議論の中で何が一番錯綜(さくそう)しているかというか,見解の違いをもたらしているかというと,多分ロードマップの設定の水準についてであると思います。申し訳ないのですが,やはり国立大学協会には様々な国立大学がおありになるのだなということがかいま見られる内容になっているだろうと感じます。そのロードマップについて,非常にリアリスティックに現在目の前にある入試を考えたときに非常に手堅い表現というか,指摘をされていると思うのですね。私は大きく3点,多分,部会長のメモと大きく観点が違うところがあると思うのですが,一つは,教科型学力判定に対する,教科をベースにしてやっていくかというのと,総合,合科型で,特に会長がお書きになっているメモの中で問題領域なる形で新しい分野設定をするのだという話をするか,教科をベースにして,いわば最終的に到達する力が育成できるかという,そのアプローチが決定的に違うような気がするのですね。
 あと,国立大学協会のレポートでは,1点刻みから脱却するのに素点に近い点数を提供せよと書かれています。この点は恐らく組織内での足並みの乱れがあることを象徴しているのではないかと思います。逆に言うと,2次テストが,教科型というか,学力をきちんと身につけることに成功して,それが機能していると言われるのだったら,どうして新テストのスコアが1点刻みで必要なのかというふうに個人的には思います。ですから,その両方を1点刻みで残せと言われたら,今までのやり方に戻れと各論で言われているような印象を国立大学協会レポートは与えると思います。ですから,その点について国立大学協会のお考えを伺いたい。国立大学協会レポートの2ページ目の3の1行目,いわゆる1点刻みの学力検査選抜から脱却を目指しておられるのに,3ページ目になってくると,素点又はそれに近い方法を含めきめ細かく柔軟にという,科目得点の提供方法については矛盾した指摘が併存していると思います。
 今回のレポートの中で我々が考えなければいけないのは,ロードマップの中でそのような問題領域というものが容易に作れるかどうかということについて,そこまでワンステップで上がれるかというところ,これは私自身もまだちゅうちょするところがあります。というのは,評価人材が十分確保できているのか,これから育成するということなのか。レポートを見ていると,育成を国がやるのか,個別大学がやるのか,ちょっと微妙な書き方です。ポンチ絵では国がやるような位置のところに描いてあって,部会長メモの中では個別大学の中で人材を育成するようにも読めますので,人材が十分育ってない段階で,教科型から一挙に領域型に進められるか懸念されます。一つ気になるのは,初等中等教育は,教科型ベースでも,PISAの2012で教科型ベースの中での問題解決能力のスコアも共に点数が上がっていることを考えると,教科型学力の育成方法の中でもある程度育成する可能性がデータとして出てきています。その問題領域のような形に独立させることを必ずこの段階で何年に行うというところまでやらなくてもいいかもしれません。むしろ,ロードマップの中で物足りないと思っているのは,大学入試センター試験の中で合科型,総合型の要素を少しずつでも,ステップ・バイ・ステップで志向していくというような要素がこのロードマップの中には読めなかったですね。問題解決のアプローチとしてはロードマップにあるのですけれども,現在ある大学入試センター試験の中で総合的な要素とか合科的な要素を志向したものが盛り込まれていて,それを数年行い成果が上がってきた,あるいは実現可能だという段階で,問題領域というものにより科目数を減らすこと,統合がしやすくなるという点については,私も基本的な方向性としては部会長のお考えに近いのです。しかし,フィージビリティーとすれば,人材がいない段階で今から何年までに問題領域を作って,そこで段階方式でというと,国立大学協会のレポートの中には入試で間違いは許されないからと疑問を呈されることは理解できます。公平性・公正性に対する社会的指弾を受けるのは国立大学協会だというお考えもかいま見られるのです。それにはある程度理解できるところがありますので,そういう点では,プロセスの設定を少し考えて,検証しながらやっていくという形で考えてはどうかと思うのです。
 特に今まで前半指摘があったように,個別学力入試をどうするのかというようなときに,やはり各大学が自信のないのは,今から五,六年の間に,例えば様々な手法が出てまいりますよね。この参考資料2の中でも線でいろいろ結んでいただいて,個別大学入試が測定することを求められている能力というのは資格試験から下の四つぐらいだと思うのですけれども,いずれも評価方法として安定してないといけない。部会長が御指摘のように面接のプロではないと,おっしゃったような不安定な評価方法を中心に個別大学の選考が行われるようになるとすると,どうしてももとへ戻る,戻すという圧力が出てきやすいので,フェーズの切り方を少し工夫してみてはどうかと思います。
【安西部会長】  ありがとうございました。
【里見国立大学協会入試委員会委員長】  私も発言してよろしいでしょうか。委員でないので発言も何もできないのかもしれませんけど,よろしいでしょうか。
【安西部会長】  はい。
【里見国立大学協会入試委員会委員長】  先ほどの合教科型・科目型,総合型の導入というのは,これは全然否定するつもりは全くないのです。ただ,どういうものが今言われている合科目型とか総合型になるかということが全然提示がされてないので,我々としては入試には責任があるものですから,是非十分に検討してくださいと。検討した上での導入を図ってくださいということでの論説は入っていると思います。
 それと,やはり国立大学協会で考えるのは,少なくとも大学に入ってきてくれる子供たちにはある程度の学力というのをきちんと持っていてもらわないと,せっかく入ったのに辞めてしまうとかということが逆に起こるような状況を作ることはよくないと。ある意味ではだから,一定水準以上の学力というのはきちんと担保された上で入ってきてほしいと,そういう思いで今まで言っているつもりであります。
 それと,やはり中学・高等学校に対してメッセージを出すとすれば,これまでの教育の中で少なくとも国立大学協会がもし点数刻みでやってきたというのなら,そういう反省に立つのであれば,当然そういうもの以外に総合的に,人を説得したりするとか,統率したりとか,論理的に展開するとか,そういう能力というものを身に付けてきてくださいという,そういう評価をしますということをメッセージを出したいと。そのときの評価として,例えば社会貢献でどういうことをやってきたとか,それからクラブ活動でこういうことをやってきたと,そういうようなことも全部含めて,情操教育では体育をどうやってきた,音楽をどうやってきたと,そういうこともみんな含めて総合評価の中に組み込んでいきますよというメッセージはこれから出していきたいという,そういう思いで言っています。しかし,最低限学力だけは担保してほしいと,その思いで,この学力試験は大事にしてほしいと。それが総合的な形や合科目型に変わるというのだったら,それで担保できるというのであれば別に否定はしません。ただ,本当にそれでできるのですかということがまだ十分に検証されていないときに,それでやりますと言われたら,ちょっと十分に検討してくださいねという思いで言っているというふうに考えてください。
【安西部会長】  濱口委員,それから土井委員,それから垂水委員,金子委員の順番でお願いします。
【濱口委員】  先ほどの生重委員のお話にも少し関連しているのですけど,フィージビリティーに関してちょっと述べたいのですけど,それからその前に,18歳人口で大学に入る子の国立大学が受け入れる枠はただの15%なのです。80%は私立大学へ行きます。やはりここは,国立大学は一応意見を出させていただく機会を頂きましたけれども,吉田委員が言っておられるように,ほかのところからの御意見も何らかの形で取っていただく。私立大学,公立大学協会,こちらの御意見も頂くというチャンスを作っていただけないと,何か私たちの意見だけが突出しています。たかだか15%なんですよ,影響は。ですから,そこから少し見ていただきたいということと,それから,今回,安西先生のお話で,私,大変いいなと思ったのは,少し視点を変えて,「達成度テスト(基礎レベル)(仮称)」のところで難易度を変えて導入されるということを具体的にお考えになっていて,これは私どももというか私は大賛成でございまして,やはり余りにも一律に測り過ぎる。それが私たちは個別学力を残してくださいよという思いの中にもあるわけですね。それぞれのいろんな能力の多彩な人材をいかに測っていくかというところで,この難易度をいろいろ設けていただくということ,これはとてもいいことだと思いますし,是非お願いを。まず基礎学力を測る,基礎レベルのところでフィージビリティースタディーをしっかり行っていただいて,例えばCBTもここで一遍行ってみて使えるかどうか,IRT,本当に信頼できるかどうかと,エビデンスを重ねるという作業をいろいろな難易度で行っていただく,トライアルを行っていただくところから次の着地点はおのずと見えてくるような気がしますので,是非ここを積極的に御推進いただけないかというのが私の今の意見でございます。
【安西部会長】  ありがとうございました。文部科学省においても是非,基礎レベルテストをやるのであれば難易度を広く取っていただければ有り難いなと思います。
 それと,国立大学は15%とはいえ,やはり国立大学の個別の大学入学者選抜の在り方というのは高等学校教育に非常に大きな影響を与えるので,やはりここは将来を見据えて,なかなか現実を考えると難しいと言われるのはもちろん分かるのですけれども,特に国立大学協会,国立大学のリーダーの方々が,本当に将来のために国立大学の入試といいましょうか,入学者選抜の在り方を本当に人を見るという方にやはり変えていっていただきたいと。それによって初めて高等学校の現場が大きく変わっていくのではないかというふうに心から思うところがあります。
 この里見先生の本日のお話というのは,頂いている資料は暫定的なものだというふうに理解しておりますので,今後,もちろん国立大学協会だけではありませんけれども,いろいろ詰めて,コミュニケーションを取りながらやはり一番いい形に,いい着地点というのでしょうか,そういうことを目掛けていくことはとても大事だというふうに思います。
 それでは,垂水委員。
【垂水委員】  今,濱口先生は国立大学15%と言われましたけど,現在の大学入試センター試験の受験者が大体50万人,そのうちの約30万人が国立大学を何らかの形で志望,受けるという形で,大学入試センター試験の受験者の中で6割が国立大学に関係しているという形になります。そういう意味で,国立大学が利用しない共通試験というのは考えることができないのではないかと私は思っていますし,決して国立大学への影響は小さくないと思っています。
 本日の安西部会長の新しいメモですが,私からは特に5ページ辺りの基礎レベルと発展レベルの有機的連携の辺りをちょっとお聞きしたいと思います。基礎レベルに関しては,これまでは,学力レベルが結構低い方を考えておりましたが,今回の安西先生のメモでは,そのレベルの範囲を広く取ろうという御意見かと思います。CBTを考えれば,範囲を広く取るということも可能ですし,そうなれば最初に考えていたレベル,低いレベルから現在の大学入試センター試験ぐらいのレベルまでそういう範囲を考えるということも可能かという形になります。
 それから,特に高等学校教育部会で出てきた基礎レベルでは,これまで教科・科目型中心でやってきた,考えてこられたと聞いております。そういう意味で,今の国立大学協会からも要望があった教科・科目型に関しては,この基礎レベルのレベルを幅広く取れば,そこで可能になるかもしれないという形になります。そういう意味で,この基礎レベルと発展レベルをどういうふうに融合させていくかというのはこれから非常に大きな問題になるかと思います。これまでの大学入試センター試験で測ってきたような教科型の学力というのが,基礎レベルの方で低い方から高い方まで幅広く測定できるのであれば,我々が今考えている発展レベルで主体性,多様性,その辺を考えた思考力,判断力,それを含めてという形ですが,合教科・合科目型で測ることを発展レベルで独自に設計できるのではないかと思っています。そういう意味で,基礎レベルと発展レベルをどう融合化していくか,これを是非これから強く考えていかなければならないかと思っております。
 安西先生のメモの5ページの方の6番,「達成度テスト(発展レベル)(仮称)」の「e,記述式の設問を導入」,「f,CBT」,それからhですが,記述式の設問というのはなかなかまだすぐには難しいと思っています。将来的には記述式,それを共通試験でやることができればそれにこしたことはないかと思っておりますが,この辺の見通しをお聞きしたい。それと,最後の「h,上記を可能とするため,国・民間・学校等が協力して『問題領域』別の『検定型テスト』を開発し,国が認定・評価等を行う」というメモですが,こういう新しい試験を行っていく上で,現在の大学入試センターとかそういう組織だけでできるとは決して思っておりません。民間等の活力,それから高等学校の能力,そういうものをお借りしないと新しい試験というのはできないかと思っておりますが,この検定型テストというのをどういうふうにお考えなのか,安西先生,是非説明していただけたらと思います。お願いします。
【安西部会長】  まず,基礎レベルと発展レベルの融合というのはおっしゃるとおりで,そこが肝心なところであります。これによって,基礎学力,それからその活用力のかなり広範囲の部分を見ることができるようにしたいという考え方が入れてあります。これについてはさきほども合教科・科目型の問題をどのように作るのかということがありましたけど,そういうこと全体を含めて,作問の仕方,蓄積の仕方等々について,至急やはり文部科学省の方で,もちろん大学入試センター等も関わると思いますけれども,是非あるチームでもって検討を始めていただけないかと。私自身もいろいろな考え方は持っておりますけれども,特に初等中等教育局,それから高等教育局等もみんなやはり一緒になって是非至急検討していただきたいと。きっとできないだろうから止めたということより,やはり検討していただいて,それで,できるところまでできるだけのことを本当にやるというのが将来のためではないかということであります。
 それから,検定型テストというのは,少し言葉遣いがよくないかもしれませんけれども,一つ一つのテストに命を懸けるというのでしょうか,1回のテストに命を懸けるという意味ではないと,そういうことを言いたいだけでございまして,何度も受けられると。これは反対も随分ありまして,課外活動ができなくなるとか,あるいは生徒がその勉強ばかりするようになるとか,いろいろことが言われるのでありますけれども,さきほど生重委員が言われたように,やはり私は,それぞれの教科・科目を切り離しても,英語検定だけではなく国語検定,数学検定といいましょうか,そういうことでそれぞれの自分の得意な教科・科目についてチャレンジできるような,そういうことを一応想定しております。ただ,それができるのかと言われたときには,これもやはり技術的な検討をしなければならない。CBT,それから蓄積の仕方,作問の仕方等々が相当に変わるということは,それは十分理解しているところであります。
 【土井委員】  ありがとうございます。この種の制度を改革するときには,改革を通じて何ができて,何ができないか,期待に応えられるか,期待に応えられないかを,やはり明確にしていく必要があると思います。先ほど生重委員が受験料の話をされて,私も3人の子供がいて次々に受験を迎えていますので,大変だというのはよく分かります。ただ,この改革を行えばそれが改善できるかというと,多分無理だと思います。これだけ丁寧な入試を求めるということになると,費用,コストが掛かります。しかも学力試験だけではありませんから,一斉に出願してAO入試を繰り返すということになると,それじゃ,より多くの大学に出願をしないときちんと合格が決まらないという事態になるおそれがあります。決してこの制度改革が受験料負担の軽減に直接対処できるものではありません。一体この改革が何を目的にして,何を改善することができるのかということをはっきりしておく必要があるだろうと思います。
 その上でもう一つ,私が気にしていますのは,資料3で,先ほど文部科学省の方から説明がありました5ページの個別入試のスケジュール・取組等と書いてある部分の一番下のぽつでございます。「大学入学者選抜を抜本的に見直し,一般入試,推薦入試,AO入試の区分を廃止」するという記載になっています。先ほど来,例えば,できるだけ素点に近いような点数も出すようにしてほしいという意見が出ているのは,必ずしもそれで全部合否を決めるという話ではなくて,このようにいろんな枠・区分を作れば,素点に近いようなものがなければきちんと判定できない枠もあるし,別の枠で合否を決めるなら学力の判定についてもっとおおらかな採り方もできるでしょう。それを組み合わせることによって多様性を確保するやり方があるわけです。そうしたやり方を否定して,全部を学力試験と面接,グループディスカッションなどをまとめて一括してやるのだと,そのように統一をしろ,こうしたやり方だけが唯一の正解だと言われると,私はそうではないと思います。
 なぜ先ほど来個別入試にこだわっているかと申し上げますと,結局,誰かが,論理的思考,判断力,推論力,そういうものを判定する問題を作らないといけないのです。恐らくそうした問題を作る人的リソースは限られています。その人たちが「達成度テスト(仮称)」を作成する場合には,そのような問題が作れて,個別入試では作れないというわけでは決してありません。もし個別入試で一生懸命頑張ってもその種の問題が作れなければ,恐らく「達成度テスト(仮称)」で試みても作れない。もしあるとすれば,真剣になる動機付けをどうするのかということで,それは部会長が気にされているとおりで,安易な方法を認めてしまうと真剣に取り組まないのではないかという,その御懸念は分かります。しかし,真剣に取り組めと言われたときに,真剣に取り組まないといけないという認識は国立大学においても出てきています。また,学力もいろんな見方をすることが重要で,各国に比べて,特に欧米諸国に比べて,ここまで受験産業が発達している国はそれほどございません。その中で学力を統一試験だけで測ることになったときに何が起こるのかを十分に考えておく必要もあります。それから,現にいろんな高校生がいますから,自らの幸福の実現に向けて大学に進学していく以上,それに応えないといけないということも確かだと思います。しかしながら,私自身は大学では落第生の部類ですけれど,しかし,多くの国立大学はやはり我が国の学問研究,科学技術の発展に責任を負っているわけです。それを担う次世代を創らなければならないという責任も負っています。それを果たせなくなるということは,大学としての責任を果たせないということになるわけで,そこのところで各大学が自らの学問研究あるいは科学技術の発展のために必要な学力を見る部分は十分に残していただく必要がある。この考え方自体は安西部会長のペーパーと矛盾するわけではないと私は思いますけれど,ここの点については,例えば個別試験をどうするのか,あるいはこの種の枠ですね,様々なAO枠だとかというのをどうするのかというのは,もう少し御議論させていただきたいというふうに思います。
 以上です。
【安西部会長】  ありがとうございました。最初の受験料云々(うんぬん)のことは,私のメモの6ページのkのところに必ず書くように,必ず申し上げるようにしております。そこは非常に大事なポイントなので,これはやはり国がかなり注意をしてサポートしていただかないと,所得格差がいわゆる点数格差を生むというような,そういうことになるというふうに思います。
 それから,今の土井委員,少し私が個人的に答えるとあれですけれども,それまでの小・中・高等学校時代というのは大学受験のために全てを捧(ささ)げる時間ではないので,それが少し今のお話では気になるところはあります。是非,国立大学においても,受験勉強の成果だけではなくて,やはり高校生がそれぞれ医学でも,あるいは理学でも何でも,一体どういう活動を今まで自分で主体的にしてきたのかということをもっと積極的に見ていただくようになっていただけないかということがあるわけで,これは先ほどのレポートにもある程度入っているとは思うのですけれども,そういうふうに思います。
 【金子委員】  ありがとうございます。先ほどから少し議論が空転しているのではないかという御指摘がありましたが,ただ,私,安西部会長のメモを見まして,かなりまとまってきているところはまとまってきているように思います。それは基本的には,そのミゾは別として,基礎レベルのテストで,これは非常に基礎的な言語能力とか数字的能力とかそういうものを測ると。これは難易度の幅も広げるというのは多分本当に基礎的な能力も試すという意味だと思いますけれども,そういうことを一つ作るようにすると。発展レベルでは,必ずしも教科と全く切り離さないわけではない。しかし,教科そのものをそのまま,指導要領の教科そのままの知識の内容ではないというような試験を行うと。ここまでについてはかなり私は了解はできていると思いますし,これは高校生に対するメッセージもかなり明確なのではないかと思います。それはやはり,高等学校では単に授業に座っているだけではなくて,ある程度具体的な到達目標に向かって一定の学習をするということは必要である,個々の教科の授業に座っているだけが高等学校教育の目的ではないというメッセージは伝えるものになると思います。
 本日冒頭から問題になっておりますのは,その次の段階で,個別大学の入学者選抜にどの程度のメッセージを出すのか,この部会としてどの程度のことを言うのかという問題です。安西部会長のおっしゃるように,これが余り中途半端な議論に終わってしまわずに,非常に長期的な将来を考えて,今までの教科にほとんど区切られてしまったような知識の在り方ではないものを試すというメッセージはかなり強力に出すべきであるという,その御主張は分かるわけですけれども,しかし,この部会の結論として,それをかなり断定的に個別の大学に対して「教科に関わる試験はやるべきではない,それは発展レベルでやるのだからやるべきではない」という取られるメッセージを出すべきかどうかというところは,最大の問題だと思うのです。国立大学協会からの御意見もありましたけれども,国立大学協会は今までの大学内部で,中で行っている教育との関係等々からいって,教科を,それから,その教科を全く離れて大学入学者選抜することは難しいというのは御指摘だと思いますけれども,ただ,国立大学協会は,先ほど15%というお話がありましたが,むしろ技術的に非常に大きな問題だと思いますのは,技術にというか,実質的に大きな問題になると思いますのは,私立大学のかなりマスの部分ですね,大体四,五割のところは2教科ぐらいで学力試験をやっているわけですね。こういうところは,大きいところは1学部で1万人近い人たちを受けて,その5倍くらい試験を受けていますから,1学部で5万人くらいの人たちを相手に試験をしているわけで,これは,それが非常に片々たる教科の知識・技能のための試験になっている原因ではありますけれども,しかし,そういうところで主体的に学ぶ能力であるとか多様性を生かす,あるいは他者との協働を生かすというような形の大学入学者選抜ができるかどうかという非常に現実的な問題がやはりあるわけで,もう一方で,今,推薦をやっている大学に関しては,もしこういう基礎レベルないし発展レベルの試験が行われて,それを重視する方向であれば,むしろそこのところでは学力の側面を選考に入れることはできるわけでありますけれども,しかし,もう一方で,主体的に学ぶと,かなり高度の判断を必要とされるところを具体的に実施するというのは,かなり検討を要しますし,あるいは,多分,正解といいますか,一般的な正解はなくて,個別の大学が判断する,そういう問題だと思うのですね。これを今の段階でそういう形で結論を個別大学が強化に関わる試験をやるべきではないというふうに言い切ってしまうのは,やはり私は時期尚早ではないかと思います。
 以上です。
【安西部会長】  ありがとうございました。特に大規模私立大学の現状の入試をどうするのかというのは非常に大きな現実的な課題であることは事実で,ただ,私は,これは金子委員が前から言われておられるように,やはり私大の場合には入試の回数が非常に多くて,そういうことをいわゆる標準テストの方で引き受けながら,大規模私大の方での入学者選抜の方法についてはやはり知恵を絞っていく。また,アドミッション・オフィスをただ単に入試の選抜のオフィスということではなくて,やはり年間にわたって入学者選抜を考えていく,そういうセンターにしていくということが必要なのではないかというふうに思っておりますが,それにはアドミッション・オフィス等々の充実についてはやはり国のサポートが国・公・私に関わらず必要だというふうに思います。
【近藤委員】  先ほどから国立大学協会の方から入試の改革についてのお話がありました。私は公立大学におりますので,その立場から発言します。公立大学は公立大学協会に加盟し,大学自体は86大学あります。国立大学と数は同じなのですけれども,残念ながら公大協でまとめた形での入試に関する回答の方向性みたいな議論はまだできておりません。それで個人的な私の委員としての発言になるということなのですけれども,本日,国立大学協会の方向性と,それから部会長のメモを頂いて,非常に対比というか,コントラストというか,非常に問題がクリアになってきたのではないかと思っています。そこで,資料の3の,先ほど土井委員の方から指摘のあった個別入試についてのところが5ページ目にありますけれども,その個別入試を目指すべき姿としてこの部会がどういうふうにスタートしたかということがそこに書かれております。その中では,これまでの入試の形を見直すと。見直すというのは廃止ということにつながるかどうかは別にして,そういうことと,それから,重要なことは抜本的な改革を行っていこうと。非常に長い時間を掛けながら入試改革については部会長がおっしゃったようにこれまで行ってこられました。ただ,ある意味では全然進んでない部分が非常に大きいという,そういうところです。その中で抜本的に改革というところに非常に大きな温度差をまず今感じております。
 今,部会長の方から出された問題というのは,これはある意味では非常に思い切った方向性だと私は評価をしています。それはなぜかといいますと,これまでできなかったことに対してやはりチャレンジしていくというところですね。実にリードしていかないとこの国の在りようというのは正に変わらないのではないかというふうな気がするからです。ですから,正にこの部会自体が答えのない課題に対して皆さん方の知恵を寄せ集めながら改善策というものを探していっている,そういう段階ではないかと。
 その中で,本日,国立大学協会の方から,里見先生の方から御発言のあったところは,これは発展レベルに関する不安だというふうな形で私は思っています。なぜこの不安があるかといえば,先ほどから問題になっています発展レベルの中身がよく分からないからと。ここできちんとした形で学力等を担保するような形が出されれば,それは新しい方向性として皆さんが同じ方向を向けるのではないかと。ですから,これからのといいますか,スケジュールは非常に難しいかもしれませんけれども,その中でどういうものを作っていくかという,そういうテクニカルな部分での,この国の知識を寄せ集めた形で新しいものを開発する。ある意味では,これまで大学において,公立大学ではそうなのですけど,小規模の大学が多いので,教員から入試に関しての労力というものを少し解放してあげたいというふうに学長職にていて思います。非常に多様な入試が行われますし,いろいろな形で時間も労力も取られるわけですね。そういう形のところは,ある意味で,新たなテストがこのような形ででき上がるのであれば,そこの部分に関しては協力しようという形はあり得るのではないかと思います。ですから,先ほどから今回の方向性についての国立大学協会から出されたものに対しては,信用とか信頼とかそういう言葉を使うべきではないかもしれないけれども,これに対しての少し不安というものがあるので,不安をどういうふうに払拭する在り方としての発展レベルの具体的な検査方法,評価方法が提示できるか,そこに懸かっているかなと思います。
【及川委員】  ありがとうございます。本日の議論の最初のところで出てきたことですけれども,参考資料にある図で,大学が行う個別学力検査の件,先ほどから議論になりましたけれども,この部会での議論は,基本的にこの参考資料2にありますように,個別学力検査の部分は行われるということを前提にして,「達成度テスト(発展レベル)(仮称)」の仕組みをどうするかという議論がなされてきたというふうに思います。その中で,この「達成度テスト(仮称)」というのをかなり強い縛りを持って各大学に参加させることが可能なのかどうかと,そういう質問も出たかと思います。基本的には,大学が個別学力検査を行うということを前提にし,なおかつ,「達成度テスト(発展レベル)(仮称)」を大学にとって活用できる,そういうテストにしていくことが望ましいというふうな議論がされてきたのではないかと思います。つまり,「達成度テスト(仮称)」を各大学が活用しなかったら全く意味がないということだというふうに受け止めています。
 それともう1点は,本日最初の方,遅刻してきたものですから説明を伺うことができなくて,事前に資料を見てきた上での発言なので,間違った解釈かもしれませんけど,国立大学協会の方で出されている受験機会の複数化については,前期・後期日程及び推薦入試・AO入試と組み合わせて一層拡充していくと,そういうことが書かれていますけれども,その部分の受験機会の複数化ということと「」達成度テスト(仮称)」の複数回受験というのは意味合いは全く違うことだと思うんですけれども,その点で,毎回申し上げるのですけど,「達成度テスト(仮称)」を複数回実施するというのは,やはりそれにふさわしい「達成度テスト(仮称)」であるということがあって複数回受験ということがあると思いますので,一番何を危惧するかといいますと,先ほど出ているような工程表でいいますと,平成36年度にCBTを導入ということが出ていますけれども,その段階で,だから複数回受験がという説明になるかと思うのですけれども,それ以前に段階的に実施していくときに,やはり複数回受験というのはあり得ないことだろうと。完成段階になったときに,なるほど,だから複数回受験の意味があるのだということであって,その段階に至る前の段階で複数回受験というのは,これはやはり学校現場としては納得できない,理解できないというふうに申し上げたいと思います。
 以上です。
【濱名委員】  非常に気になっていますのは,個別学力入試を残す,それが大学の個性・考え方を尊重することになるということです。その件については議論が出ていて,分からなくはないのですけれど,私は基本的には,安西部会長が作っていただいたメモの方向が大きな方向性として本当によくまとめていただいていると思うのですけれども,個別学力入試についてはやはりこの部会の中でもまだかなり足並みの乱れというか,見解を統一していかなければいけないのかなと思います。つまり,多様性を追求してもらうのは結構なのですけれども,労力過多にならないように入試をできるだけすっきりさせようということと,個別学力入試というものをどう考えていくかということと,ほかのリソースをもう少し活用できないか,要するに各個別大学が思考力とか知識の活用力を使うテストを作りたい,それはそれであっていいと思うのですけれども,全ての大学がそういう形で行っていくということが可能なのかということも含めて考える必要がある。一つ気になっていますのは,検定の話がいろいろ出るのですが,TOEFL,TOEIC辺りは出ました。商業系の検定の話も出たのですが,ほかの検定についてもう少し文部科学省の方から説明をしてもらう必要があると思うのですね。新しい検定を作る話が出てくるのですけれども,私も学生がレポートに書いたことに触発されて調べると,理科検定も,数学検定も,社会科検定も,歴史能力検定も,既にそういう検定はあるのです。それはもう小学校から高等学校までつないだ形での検定を行っているものがあって,ではそういう検定は利用可能な検定としてみなすのかどうか。つまり,暗記型学力に偏っているというような見方でそういう検定は使えないと見るのか,そういうものも含めて活用することができるのか。例えば数学検定で言えば,6級から11級が算数で,1級から5級が数学の範囲になっていて,フィリピンとかカンボジアとかインドネシアで受検しているのだそうです。だから,それらは使え得るものかどうか。使える方法論はあるのか。本部会の議論途中まで,言語運用能力とか数理的能力とかの話が出ていました。その話は今のポンチ絵には出てこないですが,利用可能な多大学が共有できるようなリソースというものについては,もう一度整理をして再評価しておく必要があるのではないかと思います。濱口委員が言われるように,逆に自分の分野であるとか大学のふさわしい能力を測るための個別入試があるんだということを両方示さないと,出題能力が落ちている中小の私立大学にとって,そういう問題を作らないと個別入試ができないというのも困るのではないかと思います。
【生重委員】  乗り越えなければいけない問題というものはものすごくあるのだと,また改めて思いました。でも,今ずっとこの年月掛けてきたこの話合いを,もう一度,私がやはりお願いしておきたいのは,今のままだと保護者の側も子供の側も意識が変わらない。ここで最初から問い掛けているのは,最初の頃に話し合った,家庭学習が少なくなってきているよねとか,社会参画をしないまま,何の体験もしないまま大人になっていくのだねとか,様々ないろいろな課題があったかと思うのですね。そこのところを,勉強することは大事だよというところに意識を持っていくためには体験が大事だねと。それが,小学校,中学校,高等学校とずっと自分たちの発達レベルに合わせてそういう社会参画をしていくことで,自分なりに居場所を見付け,学ぶことの重要性を認識し,確認し,実感して,自分が更に意欲を持って学んでいくのだと。それで何をして,どう人のために生きていくのかという,そういうことを考えられるような大学受験になっていかなくてはいけないよね,そういう学び方をして大学を卒業して自立してほしいよねということが根底にあるのだとしたならば,今のままということではなく,どうかうまい方法――いろいろな課題,私も思います。2教科で入れて,全然学校に行けないまま,大学に行って辞めてしまった子,何人も知っています。数学だけ天才的にできるとか,そういう子がいるのです。だから,合教科の示すところは,細かくいろんな科目を選択して,これとこれしかやらないじゃなくて,合教科であれば総合的に様々な能力が見えてくるのではないかとか,そうでなければ行った子も不幸になるので。だから,義務教育段階も高等学校段階も学び方をきちんとそれぞれに突き詰めていかなくてはいけないけれども,最終的には大学に行って,さっき言ったような形でモチベーション上げて,社会に出ていく子の学びの場とするためには,やはり変革は必要なのだと。その中で真の学びに気づいて,大学の教育が絶対に自分の中で必要で,受けたいものだ,受けて卒業したいものだというふうになっていかなくてはいけないのではないかなと。
 ですから,これから乗り越えていくためには,なるべく早めに有識者の専門会議が開かれることが望まれすし,なるべく早い段階でこのロードマップと言われているものがもっと具体的に様々な方たちに理解できるものになって示されていくことは必要だなというふうに思います。
【安西部会長】  ありがとうございました。いろいろ御意見を頂きましてありがとうございました。課題もいろいろ出て,絞られてきているように感じますので,大変貴重な時間だったというふうに思います。
 もう時間が切れているところで恐縮でございますけれども,上野大臣政務官にお話しいただいて,それから文部科学省の方で今後の取組についてお話しいただくようにしたいと思います。よろしくお願いします。
【上野文部科学大臣政務官】  大臣政務官という立場で1年近く皆様方とできる限りお会いして,高大接続特別部会に参加させていただいたことを,ここで一言お礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
 今やらなければならないのは大学改革だけではなく,全ての年齢における教育改革であることは皆様と同様に私も存じております。そして,日本の中高生が目標としていることがほかの海外と違う根本的なものは,日本の中高生が大学入試のために学校に行って勉強していると,皆さんそれぞれ思い込んでいる学生が多いということ。そして,海外の学生を見ると,海外の学生は,将来,何がしたいかを目的として自分で大学を選び,その大学を選ぶ中のほとんどの学生は,そこの大学のここの学部に行きたいからという目標をしっかりと持っているということだと思います。ですから,これから高校生・中学生に更に目的意識,自分は何が好きで,何をしたいか,どういう仕事に就きたいか,また,将来どのように社会貢献をしていきたいかという,はっきりとしたものを持たせていくことがこれから課題になってくるのではないかと思います。
 さらには,安西部会長が独自に思い切った改革提案の資料を出してくださいましたが,この資料を見せていただきながら私が考えたことは,ここからはちょっと個人的な考えなのですが,実際うちの子供たちは,日本の大学でなく海外を3人とも出ております。様々なユニークな試験を受けさせていただいています。イギリスなので,Aレベルは大学入試の試験ですが,日本と違って5教科だけではなくて100教科ぐらいのところから自分の目的意識に合った教科を選ぶという,そこは絶対的に違うので,そこだけでは考えられないのですが,その後に各大学を決めた後,イギリスはほとんど国立大学しかないですから,3校しか選べないという,私の子供が行っているときは規定がありました。希望する3校を選んで,その3校の中から成績でこの学校を受けていいよという権利を頂くと,その学校に行って,安西部会長に書いていただいたような試験があります。独自の試験。その試験というのはどのようなものが出るかということが一切分かりません。それこそ本当に総合力を見る試験になると思います。
 もちろん,面接で面接官の人数の方が生徒より多いのは当たり前のことですが,その中で,前にも話したことあると思います。特にうちの一番下の子は自然科学を目指したかった,微生物とか生態系とかの勉強をしたかったという思いがあったので,そちらの方でたまたまケンブリッジ大学を受けました。Aレベルでは自信があったので,面接は大したことないという思いで受けたのだと思いますが,面接に行って部屋に入った途端にもう冷や汗だったそうです。多くの試験官の前に置いてあるのは試験用紙ではなくて顕微鏡でした。その顕微鏡をまず5分間じっと見せられて,今見たものについて何でもいいから話せという,それが入試だったそうです。もう上がってしまって何も言えずに,もちろんそこに映っていたのがどんな微生物かなんていうのは分からなかったと思いますが,それでも10分から15分はきちんと自分の意見を話さなければならない。そういう試験に対してうちの子は焦ってしまってほとんどしゃべれずに出てきました。同じように同じ学校から受けた子は,大変に生物に興味があって,自らボランティア活動もしてあちこちに行っていたそうです。そして,その顕微鏡を見てこれは面白いということで,中身が何であるか分からなくても,本人はこういう勉強をしたいのだということをしっかりと話してきて,見事にケンブリッジに受かりました。このようなこともありますが,これこそ正にそれぞれの個性を見いだして,また総合力を見る試験になるのではないかと思います。
 あくまでも参考の受験体制ですが,こういうこともありますので,日本としても,日本の学生はすばらしい能力はありますが,先ほど国立大学協会の先生もおっしゃったように,教養としてはもしかしたら昔の学生よりは劣っているかもしれない。学んだことを全てそれを自分で考えて反映させるという,その能力がまだまだ身に付いてないと思いますので,是非ともそこのところは小・中・高全て必要だと思いますが,総合力としてどういうことをこれから子供たちは身に付ければいいかということをそれぞれの学校で考えていかなければならないと思います。でも,私たちが忘れてはいけないのは,各学校の主役は生徒です。子供たちです。そこの視点を忘れて,大人が勝手に入試を決めていくという形にはしないで,今,子供たちは何を望んでいるか,どういう子供たちが多いかというのを常日頃から私たちは把握しながら決めていかなければいけないと思います。
 本当にこの1年間,大変私も勉強になりました。これからもいろんな形で日本の教育をよくするために関わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
【安西部会長】  どうもありがとうございました。大変心にしみるお話を頂きました。感謝を申し上げたいと思います。本当にそうだと思います。
 それでは,今後,答申を取りまとめる方向でもって実現に向けて取り組んでいくということになっていくかと思いますけれども,もちろん,本日絞られてきた課題は当然ありますので,そのことについてまた議論が必要だと思いますけれども,いずれにしましても,今後の取組に対して是非文部科学省のお考えについて御発言いただければと思います。よろしくお願いします。
【吉田高等教育局長】  本日も御熱心な御討議ありがとうございました。また,安西部会長におかれましては,私案を御提示いただきましてありがとうございました。これまでの議論を踏まえた上で大胆な提案であるかと,こういうふうに思います。
 まだこの議論,もうしばらく時間を掛けなくてはいけないのかと思いますけれども,本日,議論の中にもいろいろと御注文のありました,例えば基礎レベルの中で幅広い難易度を設定するとしたときの技術的な可能性ですとか,そういうものについてこれまでも何度かこの場でもお披露目(ひろめ)させていただいている部分もありますけれども,改めて事務局としても整理をしたいと思いますし,また,発展レベルと基礎レベルと一体的に制度設計をしていくということになりますと,これは今,この事務局,私は高等教育局でございますが,これは初等中等局の方ときちんと連携をしなくてはなりませんし,そういう意味では局をまたがって横断的に一体的に検討するような,そういう事務局体制の強化も図っていきたいというふうに思っております。
 また,当然,これをある程度基本的な方向を出していただきますと,今度,専門的な技術的な見地から検討していただく組織というものが必要でございますので,その点については大学入試センターを中心としながら,あるいは国立教育政策研究所,それから大学や高等学校の専門家の方々にもご参加いただいたような検討組織を早急に立ち上げて,そこで具体的な制度設計に入ってまいりたいというふうに思っております。
 また,それまで,やはり丁寧な入試をこれから行っていこうということになりますと,アドミッション・オフィスあるいはアドミッション・オフィサーといった,入試に関連する業務について大学の中で調査・研究し,実際に運用していくといった体制の整備も併せて必要になると思います。文部科学省の方で大学教育再生加速プログラム,APプログラムというふうに言っていますけれども,その中でもやはり入試改革についての一定の支援をしておりますけれども,これを多くの大学に広げていくということになりますと,そういう支援方策についても更に充実を図っていく必要があろうかと思いますので,その点の方策についても,これは予算とまた絡んでまいりますけれども,検討をしていきたいというふうに思っております。
 また,これ,今後の議論にも関わってまいりますが,工程表,ロードマップの話がございました。それは技術的にどこまでできるのかということとも密接に関連をしてくるわけでございますけれども,将来的に何を目指すのかということ,これは正にこれから議論していただくわけですが,そういうものをある意味でさかのぼっていきながら,どの段階で何ができて,あるいはどの段階までに何をするかということ,そういうことを改めてロードマップに落としていくという,こういう作業が重要になってくるだろうと思います。その辺りは,この場での御議論で最終的にということにならないかもしれません。専門家による検討会議の中で固まっていく部分もあるかと思いますけれども,少なくとも大きな流れとしてはこの場である程度お示しいただけるように,その関係の資料もまた改めて再度見直しをしてみたいというふうに思います。
 また,先ほど何度か出てまいりましたけれども,これ,丁寧な入試をしていくということになりますと,そのために受験料ですとかそういう経済的な負担の問題というのが必ず出てまいりますので,これは部会長のこのメモの中にもその点の御指摘はございましたので,その点についてもどういう方策があり得るのかということ,これは事務局としてまた検討してまいりたいと思います。
 いずれにしても,私どもとしても今回のこの御議論を踏まえながらできることはどんどんと行っていきますので,またどうぞ今後よろしくお願いしたいと思います。
【安西部会長】  ありがとうございました。文部科学省におかれても覚悟を決めて行っていただくということだと思いますので,是非よろしくお願い申し上げます。
 それでは,本日の審議はここまでにさせていただきます。
 上野大臣政務官,御多忙のところ誠にありがとうございました。
 皆様にも大変貴重な御意見を頂きまして,ありがとうございました。
 里見先生もありがとうございました。
 それでは,ここまでにさせていただきます。ありがとうございました。

 

── 了 ──

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-- 登録:平成27年02月 --