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高大接続特別部会(第8回) 議事録

1.日時

平成25年11月8日(金曜日)13時~15時

2.場所

文部科学省13階 13F1~3会議室

3.議題

  1. 教育再生実行会議第四次提言を踏まえた検討課題について
  2. その他

4.出席者

委員

(部会長)安西祐一郎
(委員)生重幸恵,浦野光人,吉田晋の各委員
(臨時委員)相川順子,及川良一,勝悦子,小林浩,近藤倫明,垂水共之,濵口道成,濱名篤,山本繁の各臨時委員

文部科学省

藤木文部科学審議官,布村高等教育局長,大槻政策評価審議官,小松私学部長,藤原初等中等教育局審議官,常盤高等教育局審議官,中岡高等教育局審議官,藤原初等中等教育企画課長,浅田高等教育企画課長,里見大学振興課長,望月高等教育改革PTリーダー,小林教育制度改革室長,田中高等教育政策室長,平野大学入試室長 他 

オブザーバー

高橋内閣官房教育再生実行会議担当室長

5.議事録

(1)教育再生実行会議第四次提言について,内閣官房から資料1-1,1-2及び1-3について説明があり,その後,意見交換が行われた。

【安西部会長】  本日は5月以来の開催ということでありますけれども,6月以降に高大接続・大学入試につきまして検討を進めてきた教育再生実行会議が,先般10月31日に第四次提言を取りまとめたところでございます。そこできょうは,教育再生実行会議の議論を踏まえた検討課題のうち,特に「多面的・総合的に評価・判定する大学入学者選抜への転換」について御議論いただくようにしたいと思います。
 6月以降教育再生実行会議のこの検討が始まった当時,私が出席いたしまして,この部会の審議状況を報告しております。その報告をも踏まえた内容が提言されております。
 きょうは教育再生実行会議担当室から,まず第四次提言の内容について説明をしていただいて,その後いろいろ御意見を伺うということにさせていただきます。また,その後こちらの高大接続特別部会としての,提言を受けた検討事項等についても質疑の時間等とれると思いますので,きょうはそういうことで進めさせていただきます。
 よろしくお願いします。

【高橋教育再生実行会議担当室長】  失礼いたします。内閣官房の教育再生実行会議担当室長の高橋でございます。本日はこのような説明の時間を頂きましてありがとうございます。
 私の方から,お手元の資料1-1に基づきまして,今回の提言のポイントを御説明いたしたいと思います。ちなみに資料1-2というのは本体でございまして,提言そのものも10ページ程度の比較的コンパクトなものですので,この後もし質疑応答等で必要があればそちらも御覧いただきたいと思います。資料1-3はこの提言の附属資料でございますが,皆様方が御覧になられたことがあるような図表がたくさん入っていると思います。というのも,かなり今,部会長の御説明にもありましたように,今回の提言の作成に当たりましては,中教審における議論の積み重ねを踏まえて,中教審との連続性を意識したからです。
 少し具体的に申し上げますと,この会議は今年の1月にできまして,第一次提言はいじめ対応,第二次提言は教育委員会改革,第三次提言は大学のグローバル化というのをテーマにして,基本的には委員の自由討議を積み重ねる中で提言を作っていくというスタイルで運営されてきました。一方,第四次提言は安西部会長においでいただきまして,高大接続特別部会の審議の状況,あるいは高等学校教育部会がまとめた審議まとめ,それらのヒアリングをするというところから始まっております。委員の方々も中教審の議論を踏まえた上で更に審議を深めるということはかなり意識をして御議論をしていただいたのではないかと思っております。
 資料1-1でございますが,左側がポイントの大きな流れを骨子としてまとめたもので,右はその中でも提言の中核となる基礎レベル・発展レベル,二つのレベルの達成度テストの概要を分かりやすく表にしたものでございます。
 左側の上の方からでございますが,この丸囲みが三つありますが,これは本文では「はじめに」というところで冒頭に置いた部分でございます。会議では,第三次提言の議論を引き継いでおりましたので,これからのグローバル化の進展に対応する教育の在り方ということが強く意識をされておりました。また,今後50年の間に生産年齢人口が半減する,若年人口に至っては半分以下になってしまうという中で,いかに教育によって人材の質を高めていくか,その重要性ということも極めて強く意識をされました。
 そういう中で,高校や大学においてこれからどういう力を伸ばしていくのか,多くの意見を集約したものがここに書いてあるものですが,社会に貢献し責任を果たす規範意識や使命感,日本人のアイデンティティとそれに裏打ちされた幅広い教養,更に社会に出て生きて働くコミュニケーション能力とか課題発見・解決力,このようなものを特にこれからは重視していく必要があるだろうということです。そして,そういう観点から,今の高校教育や大学教育,更に入試がこのような力を正当に評価して伸ばすようなものになっているかということになると,やはり多くの課題があるだろうということになったわけでございます。
 今回の提言は,マスコミ報道は入試改革,特にセンター試験がどうなるのか,廃止されるのかどうか。そのようなところに集中しておりますが,会議としては必ずしも入試システムをどうするかということに集中して議論をしたわけではありません。むしろ,これからの高校教育はどうあるべきか,大学教育はどうあってほしいのかと,そのようなことをまず議論して,そうなると必然的にそれをつなぐ入試の部分はこうあるだろう,あるいはあらねばならないだろうというようなことで今回提言をまとめました。正直,センター試験だけがクローズアップされているのは,全体の議論を必ずしも正確には反映してないという思いはございますが,しかしそこに一番国民の関心があるというのもまた事実だろうと思います。
 今回,1番目にまず高校教育の質の向上というのを持ってまいりました。子供の数がだんだん減ってきて,今志願者と大学の総定員がほぼイコールになっているというような状況の中で,大学入試がかつてのように高校の質保証に対するインセンティブになりにくい状況があります。そうなると,高校はそれ自体として,自らの責務として卒業する生徒に最低限の身に付けるべきものをしっかりと身に付けさせて送り出すと,そういうことを強く意識してほしいということで,国としては高等学校で共通に身に付ける目標を明確化し,各学校はそのようなものを着実に身に付けさせると,こういうことを改めて確認をいたしました。
 そのための一つの新たな仕組みとして,高校レベルの達成度テスト(基礎レベル)を導入しよう,創設しようというのが今回の一つのポイントでございます。左側の表の方で,基礎レベル・発展レベルを対比させておりますので,その左側の基礎レベルのところを見ていただければと思いますけれども,基本的には高等学校における達成度を把握して,高校の指導改善に生かしていこうというものでございまして,ただ,それを単に学校における指導改善に生かすだけではなくて,各大学が行う推薦・AO入試における基礎学力の判定に際しての活用も期待していこうと,これを促進していこうというのが小中の学力テストとは少し異なる点でございます。これは,一部の大学ではこの推薦・AO入試が本来の趣旨を離れて,いわば定員を確保するためのシステムになってしまっているのではないか。比較的早く合格が決まることもありますので,決まった後の高校生の学びのインセンティブが無く,モチベーションが湧かないという状況もあります。特に,学力テストを課さない推薦・AO入試になると,いわば学力を問わないで大学の入学選抜が行われているという実態がありまして,このような課題,指摘に応えるためにも今回のこの基礎レベルを一つ推薦・AO入試における活用を促していく。なかなか法令で強制するというような性格のものではございませんので,提言上は活用の促進ということになっておりますが,それを一つ打ち出しております。
 そしてこれは,高校在学中に複数回受験できる仕組みとしていただきたい。試験内容は,基礎的・共通的な教科・科目としておりますが,具体的にどの教科,どの科目でということは今後中教審での検討に委ねたいということになっております。知識・技能の活用力,思考力・判断力・表現力も含めた幅広い学力を把握できるものにしていただきたいという提言にもなっております。
 それから,このテストを直ちに高等学校における単位認定や卒業の認定,あるいは大学入学の資格としては使わないということも明記いたしました。ここは高等学校側の御意見も踏まえたもので,卒業というのは校長の権限として3年間のその生徒の教育活動総体を見て校長が判断することになっておりますので,このテストだけをもってその条件にすることはしないということでございます。ただ,今申し上げたような趣旨でございますので,できるだけ多くの生徒が受験できるようにしていただきたい。これにつきましても,全ての高校生に受験を義務付けるべきだといった意見も複数の委員からございましたが,高等学校の多様な実態,全ての高校生が進学をするものではない,就職を含めて多様な進路があるといったことも踏まえて,そうは言ってもせっかく導入する以上できるだけ多くの方にこれを受けていただこうということで,最終的にはこのような表現に提言がまとまった経緯がございます。
 それから,2番目の柱である大学の人材育成の機能の強化。ここは一言で申し上げると入学のときの学力ではなくて,卒業までいかに大学が学生を鍛えて,そして力を付けさせて卒業させるか。そういうことをもっともっと重視してほしい。そういうように大学が変わってほしいと,このようなメッセージでございます。入試だけ,入り口だけ改革しようと思っても,これまで十分実現しておりません。今回は,卒業を厳しくしていく,大学でもっともっと厳しく勉強させる。そのような大学の過程・出口の改革と入試改革をセットにすることで,厳格な成績評価・卒業認定の実施など質保証を徹底するということを本文でも書いております。
 この資料1-1には概要ですので入れておりませんが,このようなことをしていきます。例えば短期的には各大学,留年が増えます。留年が増えれば学生が増えますので,定員を超えるような状況になります。国立大学の運営費交付金や私学助成の観点から,定員を大幅に超過するような場合にはペナルティ的な減額ということもあるのですが,こういうことを求めておきながら制度上減額というのは矛盾しますので,本文ではこのようなことに積極的に取り組む大学が定員管理上の課題が生じても,それによって助成金等で不利益にならないようにするということも明記をいたしまして,ここは是非各大学においてしっかりとやっていただきたい。新聞報道に見られるように,入試改革だけが強調されるというか注目を集めますが,むしろ入ることよりも入ってからの方が大事だと,そういう文化になっていけば入試改革も逆にやりやすくなるのではないかということです。そのようなこともあって,この2番目に大学の人材育成機能の強化ということを掲げております。かなり内容的には第三次提言とかぶる部分があるのですが,あえてここを設けました。
 そして,そういうことを踏まえた上で,3番目に大学入学者選抜の改革があり,ここにつきましては,大きくセンター試験の改革と,各大学における2次試験の改革と,この二つの要素からなっております。
 まず,センター試験の方ですが,これは右側の表の達成度テスト(発展レベル)のところを見ていただければと思いますけれども,その機能としては,大学の求める学力水準の達成度の判定に積極的に活用し,各大学で基礎資格的な利用を促進していく。そして,現在のセンター試験を端的に2点において変えることを提言しております。
 一つは複数回実施ということで,今のセンター試験は1回受験ということになっておりますが,複数回挑戦を可能にすることを検討していただきたい。ただ,本文の方ではセンター試験についての評価についても記述がありますが,よく練られた良問が出されているという評価の一方で,6教科29科目,多様なニーズに応えるために大変試験としては大きな複雑なものになってきております。一度に50万人が同時に受験するという世界でも類を見ない大規模なもので,大学側の負担が相当大きくなっております。このままで複数回となると大学がその負担に耐えられるのかということで,試験の教科・科目数などを勘案して,精選する方向というニュアンスでございますけれども,そのようなこととセットで複数回挑戦の検討というところを一つ提案させていただいております。
 もう一つは,知識偏重の1点刻みの選抜にならないように,試験結果はある程度段階別に表示をしていくということで,これもこの後説明する各大学の多面的・総合的な評価の一環としてこの新しい発展レベルの達成度テストは段階別の評定・評価ということを打ち出しております。そして,基礎レベル・発展レベルという二つのテストを今回提案いたしましたが,これがそれぞればらばらに,勝手な制度設計にならないように,両者を一体的なものとして設計・運営していただきたい。そのときには,大学入試センターがこれまでこのような大規模試験のノウハウを多分に蓄積しております。そのようなものを是非活用していただきたい。
 提言では,実施主体をどうするかということについては触れておりません。これはいろいろな考え方があるだろうと思いますが,いずれにしても,大学入試センターのノウハウについては是非活用いただきたいということでございます。また,複数回といっても,今のセンター試験は1月にやっていますが,それでは1月と何月にやるのかとか,あるいは試験・教科の科目数をどう見直していくのかとか,その細部については,実はこの提言では触れておりません。教育再生実行会議には,それぞれの関係者が幅広く含まれているということではありません。有識者が大所高所から議論するという性格の会議でございますので,このような詳細な制度設計については,高校関係者,大学関係者など関係の方が集う中教審などの場で専門的な立場から詰めていただく方がより好ましいだろうということで,細部について具体の制度設計は中教審に委ねるといった提言になっております。
 それから,この発展レベルの試験に呼応して,各大学においては,左ページの一番下に戻りますけれども,能力・意欲・適性などを多面的・総合的に評価・判定する選抜に転換していただきたい。これからは各大学においてどういう人材を育成するのか,あるいはそのために入り口でどういう人材を求めるのか,そのようなアドミッション・ポリシーも明確化・具体化していただいて,この発展レベルのテストに加えて面接,論文,あるいは受験者の高校時代の活動などをきめ細かく評価するというような多面的な選抜を行っていただきたい。これは,総論的には余り反対される方はいないのですが,やはり多大なコストあるいは人手が掛かります。恐らくそのあたりが今後の課題になると思いますが,提言では,是非そのようなことに率先して取り組む大学には,国がめりはりを付けて財政支援もしていっていただきたいことも提言をさせていただいております。
 ポイントをかいつまんでということで,やや雑ぱくな説明になったかもしれませんが,以上がこの第四次提言の考え方でございます。この後また質疑応答などで補足をさせていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

【濱名委員】  御説明ありがとうございました。
 総論的に言うと,大きな方向性としては,1点刻みの入試から脱却していくという,一定の幅で選抜をしていくという方向性については,この部会の議論もある程度そういうことを踏まえていたのでよく分かるのですが,もう一つの要素です。問題として暗記型が学力の1点刻みというのはよくないという点については取り上げていただいていると思うのですけれども,もう一つ非常に気になるのは,細やかな選抜とか多面的選抜という部分のところが非常に分かりにくい。暗記型学力の対局に置かれているものが,細やかな入試方法を必要とする,そういうような図式に見えてしようがないのです。ここの部分は,現状として暗記型学力だけにこだわらない入試という意味合いでとってよろしいのでしょうか。というのは,これまでAOや推薦で既に使われている手法が例示されているということなので,それではなかなか大手私立大学はそういうところに参加しにくく,そういう方法はとってこなかったところもあるので,それを多様な方法を用いなさいというだけで効果が上がるのかというところに疑問の部分があるのですけれども,会議の中ではそのあたりについてはどのあたりまで具体的な御議論があったのか,そのニュアンスを教えていただければと思います。

【高橋教育再生実行会議担当室長】  まず,大学入試センターを大臣以下各委員で視察をさせていただいたときに,大学入試センターの方からも,今のマークシート方式も単に知識だけを問うのではなくて思考の過程が分かるようにできるだけ工夫を積み重ねているし,よりそのような方向での研究をしているという御説明を頂きました。ですから,議論としてはペーパーテストが一切よくないということではなかったと思います。ただ,ペーパーテストだけで問おうと思うと,思考力とか表現力というのは限界もありますので,そこは従来型の学力試験の工夫に加えて,面接,意見発表,集団討論とか,あるいは論文試験を課して書かせるとか,高校の推薦書とか多様な活動記録とかそのようなものを多面的に評価する。こういう手法は是非取り入れるべきではないかと,そういう意見はございました。
 一方で,志願者が多い私立大学が一遍にそういう方向に切り替えるというのも現実的ではありませんし,そうなると,提言だけして何も変わらないということにもなりますので,少し議論があったのですが,本文の8ページの1行目から,「多様な方法による入学者選抜を実施し,これらの丁寧な選抜による入学者割合」,これは全面的に転換を図るということではなくて,「大幅な増加を図る」といった表現に最終的にはなりました。全体で見るとこのような入試というのはウエートが小さい。それによって,高校教育に影響を与えるまでにはなっていない。これをいきなり100%というのはもちろん難しいだろうということは会議の中でも認識されていましたが,ここを増やす努力は是非していただきたいし,強く働き掛けていくべきだ。このようなところが増えていく,2割がいいのか3割がいいのかという議論はありませんでしたけれども,一定の割合になることによってそういう認知が高まりますし,高校もそういうことが無視できなくなるだろうといったことで,具体の例示をしたような活動はまずできるところから取り入れてほしいということについては強い意見が多かったと思っております。

【浦野委員】  ありがとうございます。
 この第四次提言につきましては,安西部会長の方から高大接続特別部会の様子も御説明いただいていたということもあって,違和感は本当にないと思っております。
 その上で意見と希望を申し上げたいと思うのですけれども,一つはやはりこの本文の方にも全体的な基調としてあるのは,大学に入る人が目的意識がないといいますか,大学を一つの目標達成のための手段として捉えるということができていないというようなことがあると思います。それは私も一番大きな問題だと思っておりまして,その面から見たときに,全体の基調が教育する側の立場で書かれているのですけれども,やはり学ぶ方の問題と言いますか,学ぶ人の覚悟をやはり問うところがあってもいいと思います。やはり学ぶというのは自らが成長していくことを目指しているわけですから,その人たちの学ぶ覚悟というものが問われなくてはいけない。その意味で,そのことがこういう基礎テストというものと別に,AO入試でも同じかもしれませんが,面接とかそういう学ぶ人の意識をきちんと捉えたものにしていくんだというのは,非常にいい方向だと思っております。
 その上で,もう少し詳しく検討していただきたいと思うのは,専門高校の生徒です。専門高校の生徒は,普通に考えれば普通高校に進学した生徒よりも目的意識というものをきちんと持っていると思っております。そのような生徒は,最近の傾向を見ますと3割ぐらいの方々が専門高校から更に大学を目指すといったようなことがあるわけです。そのような実情を考えたときに,この本文の中でも幾つかジュニアマイスター制度とか職業分野の資格検定試験等を大学入試に生かしていただけるというような表現があるので,そのことは非常にいいと思うのですけれども,この達成度テストの問題で少し触れたいのが,基礎レベルのことは別にしまして,発展レベルの方がもし統一的なものだとすると,専門高校に入った人は,目的意識を持っているだけに選択するということは何かを捨てることです。したがって,普通高校のように全てを勉強しているわけではないので,是非この発展レベルにつきましては,専門高校別のレベルのテストがあるといいと思います。基礎レベルの方は一緒でいいのですけれども,発展レベルの方は是非普通科と専門高校とに分けていただければと思っております。
 その上で,本文の本当に一番最後に書いてあることです。高校卒業後の進路をより柔軟にするために,専門高校の専攻科からの「大学への編入学の戸を開く」という表現がありますけれども,これは相当専門高校の生徒にとってはインセンティブになると思うのです。ですから,是非この辺は高等教育全体の問題ではありますけれども,質の保証を前提にしながら道が開けるように御議論を頂ければと思っております。
 ありがとうございました。

【高橋教育再生実行会議担当室長】  御質問というよりは,今後のこの高大接続特別部会や中教審の審議に向けての御意見と受け止めましたが,おっしゃるようなことは教育再生実行会議の議論の中でもかなり指摘がありまして,例えば報告書本体の7ページ目のところですけれども,7ページは発展レベルについてと,それから各大学の2次試験について書かれたところでございますけれども,例えば7ページ下から二つ目の丸のところに,各大学が求める学力水準の達成度の判定には,この発展レベルを積極的に活用するとともに,TOEFL等の語学検定やジュニアマイスター顕彰制度,職業分野の資格検定等も同等に行われるように大学の取組を促すということで,このようなものはなかなか発展レベルだけでできない部分は2次試験と組み合わせることによって,今のような御指摘を少しずつ実現していくという必要があるというのは,私どもの会議の認識にもございましたし,是非そのような方向で更に制度設計を進めていただければと思っております。

【吉田委員】  提言の内容につきましてはまた後であると思いますので,資料1-1を基に基本的な質問をさせていただきます。
 まず初めに,これによってセンターテストというものは全く否定をされるということ。それから今までいろいろ検討されていました高大接続テストとか到達度テストといったものに関しては,全く今白紙になって新しい達成度テストという感覚で話を進めていくのかどうかという確認をまずしていただいて,その上で,生徒の立場に立って考えたときに御質問をさせていただきたいのですが。これを読んでいますと,例えば基礎レベルにしても推薦・AO入試における基礎学力の判定に際しての活用を促進,それから発展レベルは各大学で基礎資格としての利用を促進という形で,促進するために試験をやるのか。子供たちにとって,これを受けないと願書を出せないのかどうか。そういうことって曖昧にするのではなくて,やはりはっきりとしなければいけないと思うのです。
 それに伴って,この試験の内容とかが変わってくるとなれば,当然ながらカリキュラムも変えなければなりません。それから,これから先,これをいつやるのかによっては,今もう中学校に入っている子供たちから影響があるのですから,そのような教育課程の問題とか,それから教育の内容の問題,例えば今の暗記型から論文形式の思考力を充実させるとかあるのだとしたら,今の教育内容はあくまでもセンターテストに向けた暗記型の勉強になっているわけですから,その辺のことも変えなければならないですし,それからこれは中身に入っていってからになりますけれども,例えばTOEFLとの併用とか云々(うんぬん)とかありますが,それではどこをどう勉強すればいいのか,子供たちが迷子になるのではないかと。
 それからもう一点は,やはり何といっても,基礎レベルの方は高校の単位や卒業認定には使わないけれども,できるだけ多くの生徒が受験,それから発展レベルも複数回挑戦して基礎資格として促進するというのはできるだけ受けろということだと思うのですけれども,とすると,この試験は受けなければいけないものなのか,受けなくていいのか。それから,それとともにこれは複数回とかありますけれども,アメリカの,例えばSATとかイギリスのAレベルとかそういうものというのは,全部の大学がそれによって合否を判定する。ただ,日本の場合はこれをやったらここの大学,こちらの大学はほかの方式というのであれば子供たちはますます混同してしまうのではないでしょうか。そうすると,今回そういうものをやるとした場合に,年に複数回などと言うのだとしたら,余計に何らかの形で統一化するかしていただかないと,学校教育活動がおかしくなってしまうのではないか。子供たちの,例えば部活動の問題とかそういうこともあると思います。そういうことを含めてちょっと御質問をさせていただきました。

【高橋教育再生実行会議担当室長】  むしろ,これから御議論いただくような視点の話も多々あったと思いますので,私から全部十分にお答えできないかもしれませんが,まず,いろいろと制度が複雑になっていって負担が増えるのではないかといった総論的なお話があったと思います。会議の席上でも,これをあえて二つに分けずに一つの形でまとめられないのかといった御意見もございました。ただ,少しずつ目的,役割が違いますので,多様な高校生を一つのレベルで判断しようとすると,例えば基礎レベルによれば選抜性について余り使えないものになるし,大学入試を意識したものになると,今度は多様な生徒に本当にインセンティブを与えられるようなものになるのか。やはりどうしても二つぐらいのレベルのものに分けていくのが現実的ではないかということです。議論としてはそういう経過をたどりまして,一本化というよりは2本立ての,しかし全体としては連携して一体的に行えるようにというところにまとまったという経緯がございます。
 それから,やはり会議としては提案をする以上は是非活用してほしいということで,ただそれを各大学にやはり強制はできないだろうということで,表現としては促進していくとしました。あるいは,全ての高校生に義務付けるかという議論もありましたけれども,義務付けについては逆に弊害もあるだろうということで,できるだけ多くの生徒が受験というような表現にとどまったという経緯がございます。そのあたりは,むしろ少し提言としてはこうだと決めずに,今後議論いただく幅を残してあると,あるいは残さざるを得なかったというところもございますけれども,そういうことで御理解を頂ければと思っております。

【垂水委員】  この達成度テスト(仮称)ですけれども,これについて質問させていただきたいと思います。
 この基礎レベルの方に関しましては,もう何回もここで出ておりますけれども,いわゆる高等学校教育部会からの案がそのままこれに乗ってきたと思っておりますし,発展レベルの方に関しましては,いわゆるこれまでの大学入試センター試験,これを変える新しいものと捉えております。
 その意味で,現在のセンター試験は1月の中旬に大体2日掛けて実施している。これで大学の方はいっぱいいっぱいという形で,これを複数回実施するとなれば,教科・科目を精選するということを含めてという形で今説明がございました。この複数回実施というのが,どの程度教育再生実行会議で強く出されているのか,それをお聞きしたいと思います。複数回実施するとすれば,逆に言うとどう減らさなければいけないか,そういう形になりますし,それが必須なのかどうか。そういう意味で教育再生実行会議の方の雰囲気を聞かせていただければと思います。

【高橋教育再生実行会議担当室長】  この複数回については,正直委員の間で大きく分かれたところでございます。やはり,何人かの委員は,社会に出たら一発勝負の局面が多いのだと言っておられました。大学入試をあえて複数回にしなくても,まさに一発勝負ということを学ぶ場として捉えてもいいのではないかと。むしろ1回でいいという御意見も複数の委員からございました。ただ,より多くの意見はたった1回の試験が全てを左右してしまうというのはいかがなものなのかということです。特に,センター試験の場合は1点刻みでございますので,それだけで入試を判定する大学,それを一次の足切りに使う大学ということになると,その1点の近傍のところに相当の数の学生が集中いたします。正規分布の上の方に来るというのが通例でございますので,もう1回やったら全く違う結果が出ることもあるだろう。そういうことを考えたときに,やはり一発勝負ではない,あるいは1点刻みではない,もう少し多面的な評価ができる入試にするべきではないかという意見もありまして,全体としてそちらの意見の方が強かったということで,最終的には1回でいいのではないかと言っていた意見の方も,このまとめに御賛成いただいたと,そういう経緯でございました。

【濱名委員】  資料1-2の方に出てくる,一つ目の○のところですけれども,発展レベルの記述の中で,知識偏重の1点刻みの選抜から脱却できる利用の仕方を工夫する,そこまではいいのですが,その後,「将来的には」に書いてある部分,CBT方式で実施することというのは,前文を受けているというのは非常によく分かるのですけれども,その後の言語運用能力,数理論理的・分析力,問題解決能力等を測る問題の開発も検討するということは,達成度テストの科目としてこういうことが話題に出ているのか,あるいは,こうした力というのはどちらかというと,コンピテンシーを測っていくためのテスト内容で,従来型の学習指導要領準拠の発展レベルテストとは性格を異にするというか,むしろ先ほどで言えば面接であるとか小論文で測ろうとしているものをテスト化するとこういうテストになると思うのですが,この文脈についてはどういう流れでここに書かれているのかを教えていただきたいです。

【高橋教育再生実行会議担当室長】  諸外国の統一試験などの状況も会議ではヒアリングいたしました。例えばアメリカの場合は,教科対応というよりはこのようなコンピテンシー,能力対応のものになっている。ただ,一方でそれについては,アメリカの場合は連邦全体としての学習指導要領がないからそうならざるを得ない。むしろ,日本のセンター試験はすばらしいではないかという声もあるとか,そういう多様な議論がある中で,このような考え方も一つの方向としてあるのではないだろうかという御意見がございました。ただ,直ちにそういう方向に持っていくということまでには至らずに,当面の改革の提言の方向としては,後ろの方に教科・科目については今後検討と,教科・科目と書いてあるのは,当面はやはり今の教科・科目をベースにした試験で考えていただくのが現実的であろう。
 したがって,ここはそのような議論があったということも含めて将来的な課題として記述をしたということでございます。正直,それ以上の議論ということではございません。

【近藤委員】  少し抽象的な質問になるかと思うのですけれども,資料1-1の左側の括弧の2番目のところ。3番目の○のところになります。義務教育の基礎の上にということで,高校,それから大学の段階で伸ばす力ということの中の2番目,幅広い教養という言葉が入っていると思うのですけれども,これが教育再生実行会議の中でどのように議論されたのかということを聞きたい。
 と申しますのも,大学に入りますと,1年生の段階から専門教育,それから教養教育という形で進めてまいります。その場合,昨今の教養教育の形骸化というものがあった中で,大学はそれぞれ教養をどのように教えていくかということで,教養に対する科目に非常に力を入れているところなのですけれども,併せまして専門という形が一方であります。こういう2本立てで大学教育が成り立っています。教養の部分に関しては,それを強めるために学士課程の4年間で教養をまさに専門とするような,そういう大学もあるということで,この教養に関しての考え方というのはかなり幅が広いと考えています。
 そういう中で,高校教育の段階での教養という,そういう意味合いというものは,各教科・科目の中にはちりばめられていると思いますけれども,大学の場合と接続する場合に少し距離がある。この辺について議論がもしあれば教えていただければと思います。

【高橋教育再生実行会議担当室長】  報告書の2ページ目のところですけれども,1番のタイトルが3行あって,その後に「高等学校教育においては,生涯にわたって学習する基盤が培われるよう,義務教育の基礎の上に,主体的に学ぶ習慣と文系・理系を問わない幅広い教養を身に付けさせ」ということで,議論の中では比較的高校の早い段階で,文理にコース分けしてしまうということについてはいかがなものだろうかといった御意見はございました。やはり高校ぐらいまでは,文系・理系ということを余り分けずに,あるいは文系においても理系の基礎を,理系においても文系の基本的なところはお互い相互に学ぶような形での,幅広い履修が必要ではないかといったような議論がございまして,その辺のところはこのような記述に痕跡を残しております。
 ただ,教養教育を大学と高校でどう役割分担するとか接続するのかというところの議論には,正直余りまだ深入りできておりません。先ほど御説明いたしませんでしたが,この第四次提言の後,教育再生実行会議は,第五次提言のテーマを6・3・3・4制の見直しということにしております。会議ではまだ1回目の自由討議が終わっただけですので方向性が全く見えておりませんが,課題意識としては,義務教育の9年というのが戦後六十数年続いてまいりましたが,6年前の教育基本法の改正でその9年という規定を学校教育法に移しております。当時は,将来義務教育について弾力的な変更が可能なように,教育基本法という理念の根本法から学校教育法というより実務的な法律に規定をおろしたというのが当時の政府の考え方で,6年前に政府として直ちに9年を延ばすとか短くするという考えはございませんでした。今回は一度,そもそも9年という義務教育の期間がどうなのかというところからさかのぼって議論をしようと。これは諸外国の例なども今いろいろとヒアリングをしたりしております。
 そして,そのことと連動して,6・3・3・4という区切りの問題をどうするのかと。多分こういう議論をする中で,先ほど吉田委員からも御発言がありましたけれども,今回,カリキュラムの小中まで下っていったものの中身についての議論は正直それほど深められておりませんが,恐らくその6・3・3・4制を議論するということは,学校体系全体を議論する,その中で,カリキュラム上のことも含めてどういうような接続といったことにも恐らく議論が広がっていく可能性がございますので,今御質問いただいた点はむしろこれからの検討課題になっていくのではないかと事務局としては考えております。

【及川委員】  ありがとうございます。先ほどの濱名委員の質問と関係するかもしれません。資料1-1の対照表ですけれども,基礎レベルと発展レベルの対照表で,試験内容等のところですが,基礎レベルの方は知識・技能の活用力,思考力・判断力・表現力等も含めた幅広い学力という書き方がされています。基本的な知識・技能,それから思考力・判断力・表現力等という学力の把握ということですが,発展レベルの方は大学教育に必要な能力の判定ということですけれども,今申し上げた基本的な知識・技能とかそれから思考力・判断力・表現力等,つまり基礎レベルの方で言われているような,学力と発展レベルの方の大学教育に必要な能力というのは重なるのか重ならないのか。重なっているが故に,基礎と発展というレベルで考えているという捉え方なのか。大学教育に必要な能力の中には,基礎レベルで測ろうとする学力の中身とは違う,それこそ先ほどのキーコンピテンシーといったようなものも含んでいるという理解でよろしいのかどうかをお伺いしたいと思います。

【高橋教育再生実行会議担当室長】  正直,ここの書き分けをそこまでち密に分析した上で書き分けているわけではないのですが,一つこの基礎レベルの試験というのは今回新たに導入するもので,これは一からの制度設計になるだろうと思います。それから発展レベルの方は,やはりある程度センター試験をベースに考えているところがありますので,こちらについては,これ単体でというよりは各大学の2次試験と組み合わされる,あるいは比較的短期間で処理しなければいけないという物理的制約が出てくるだろう。そういう中で,今後どういう制度設計にしていくのかということで,もちろん左側に基礎レベルで書いてある内容のことを全然軽視しているわけではありませんけれども,そこは考え方が若干,組み合わせる要素が違いますので,そこはむしろこれから是非制度設計の中で御議論いただければと考えております。

【安西部会長】  いろいろ貴重な御質問・御意見ありがとうございました。
 今,出ましたいろいろな御意見等々,学力とコンピテンシーといいましょうか,多角的な評価の問題でありますとか,専門高校からの大学進学のことでありますとか,あるいは制度の多様性といいましょうか統一性,多様性の問題とか,教養教育の問題もそうでありますし,6・3・3・4もここではまだですけれども,大体見るところでは,今までの非常にきちんとした一直線といいましょうか,一本線の仕組みからできるだけやはり一人一人の生徒たちが,自分が生き生きとした人生を作っていけるように,そういう仕組みに変えていきたいという柔軟性をある意味で持っていきたいということではないかと,私としては思いますけれども。皆様それぞれに提言のそのような趣旨といいましょうか考え方をそれぞれ見ていっていただけるといいのではないかなと思っております。

(2)教育再生実行会議第四次提言を踏まえた検討事項について,文部科学省から資料2~6について説明があり,その後,意見交換が行われた。

【田中高等教育政策室長】  まず,資料番号2から5に基づきまして,本部会のこれまでの審議状況や教育再生実行会議の第四次提言を踏まえた検討課題について御説明をさせていただきます。
 まず資料の2を御覧ください。資料2は,これまでの本部会の審議状況をまとめた資料でございまして,前回会議の資料を若干更新・修正させていただいたものでございます。まず,おさらいの意味も含めまして,簡単に説明をさせていただきます。
 これまで,本特別部会におきましては,7回会議を開催させていただきまして,2ページから4ページにあるような御意見を頂いたところでございます。それらを基にいたしまして,資料の1ページの下の方に,これまでの議論の方向性というものをまとめてございます。具体的には,各学校段階での教育が相互の連携の下に行われるということが不可欠との認識の下,大学入学者選抜が担っていた高校生の学力の状況の把握などの機能は,高校教育において担っていくことが求められることから,高校教育の質の確保・向上の取組の充実が必要であること,一方,大学入学者選抜はこれからの時代に必要な力を判定・育成していく観点から,志願者の能力・意欲・適性などの多面的・総合的な評価に転換することが必要であり,総合力を見る入試への転換という観点から,センター試験の改善や推薦・AO入試の改善,又は外部試験の活用などが必要との御意見を頂いてきたところでございます。
 そして,教育再生実行会議は6月から大学入試・高大接続について審議を開始したところでございますが,先ほどのような方向性を含めまして,本部会の審議を踏まえた検討が行われるよう,教育再生実行会議の審議のスタートに当たりましては,安西部会長から高大接続特別部会の審議状況を報告いただいたところでございます。
 資料3が,その際の説明資料でございます。ポイントだけ説明させていただきますが,資料3の2ページでございますが,まず基本的な方向性といたしまして,これからの時代に必要な力を育むためには,大学教育の質的転換,大学入学者選抜における多面的・総合的な評価,高校教育の質保証を一体として検討・推進する必要があること。さらに,6ページでございますが,高大接続を考える上で大切な点といたしまして,高校教育,大学入学者選抜,大学教育を一体とした検討の中で,多面的・総合的な評価を推進するための選抜方法や評価手法の充実が大切であることなどの基本的な視点とともに,7ページにございますような具体的な審議の内容を御説明いただいたところでございます。教育再生実行会議では,その後有識者のヒアリングなども行った上で,先ほど説明がございましたように,10月31日に第四次提言を取りまとめたところでございます。
 資料4-1は,本部会の意見に関連いたします第四次提言を抜粋したものでございます。例えば1,「高等学校から大学までを通じて育成すべき力」でございますが,そこにございますような,汎用的能力と言われますようなこれからの時代に必要な力を育成するということを高大接続の目指すべき方向とすべきこと,あるいは2でございますが,高校教育,大学入学者選抜,大学教育について一体的な改革を行うべきといった高大接続に係る基本的な視点は,本部会の議論と同様の整理が行われていると考えられるところでございます。また,3以降の個別の事項の全体的な方向性につきましても,高校段階の学習の達成度の把握の仕組みの構築の検討をはじめとした高校教育の質の確保・向上の取組の充実でございますとか,大学入学者選抜の多面的・総合的な評価への転換と,そのための共通の試験の改善などの方向性は,本部会のこれまでの議論と同様のものと考えられるところでございます。
 なお,資料4-2は,これまでの本部会の主な意見と第四次提言の関係箇所の記述を比較できるよう抜粋したものでございますので,御参照いただければと思います。
 そして,資料5を御覧ください。資料5は教育再生実行会議の第四次提言を踏まえまして,本部会で更に具体的な検討が必要な事項を整理したものでございます。大きく分けて三つに分類しておりますが,まず,多面的・総合的に評価・判定する大学入学者選抜への転換につきましては,これまでも本部会におきまして,推薦・AO入試の改善や語学検定試験,あるいはジュニアマイスター顕彰制度の活用などを含め,入試や評価の工夫改善について審議を頂いているところでございますが,引き続き,資料にございます事項を中心に具体的な改善方策について審議が必要と考えております。
 なお,米印の達成度テスト(発展レベル)の在り方につきましては,これまでも大学入試センター試験への改善という観点から,活用力を問う問題の充実,グレード別の成績提供,複数回実施,実施時期の見直しなどの意見を頂いてきたところでございますが,第四次提言を踏まえまして達成度テストの在り方という観点から,資料にございますような具体的な検討課題について更に審議が必要と考えております。
 なお,達成度テストの基礎レベルの在り方を含めました高等学校教育の質の確保・向上につきましては,高等学校教育部会で審議を行うこととなっておりますことから,これまでも高等学校教育部会の審議状況を報告するなど,両部会の審議の連携を図ってきたところでございますが,今後も審議状況の報告のほか,両部会の合同会議の開催を検討するなど,両部会の審議の連携を図ってまいりたいと考えております。
 さらに,高大接続の改善のためには,入学者選抜のみならず高校教育及び大学教育それぞれの改善が必要であり,高等学校教育の質の確保・向上に加え,2番目の○にございますが,大学の人材育成機能の強化として,大学教育の質的転換や厳格な成績評価などの推進についても検討課題と考えられるところでございます。
 さらに,3番目の○でございますが,高校教育・大学教育のそれぞれの取組を推進するためにも,高等学校教育と大学教育の連携を強化するための具体的な方策についても検討課題と考えられるところでございます。このような中,本日はこの検討課題の中で本部会のこれまでの検討や教育再生実行会議第四次提言における高大接続,あるいは入試改革を考える上での基本的な理念とも考えられます,資料5の一番上の○にございます,「多面的・総合的に評価・判定する大学入学者選抜への転換」について,具体的な審議をお願いしたいと考えております。
 また,そのために次に資料6といたしまして,大学入学者選抜の多面的・総合的な評価の事例等の資料を用意しているところでございます。
 資料2から5までの説明は以上でございます。

【平野大学入試室長】  引き続きまして,資料6に基づきまして,本日御検討いただくテーマでございます「多面的・総合的に評価・判定する大学入学者選抜の転換」に関する検討用の参考資料を御説明させていただければと思います。
 資料6の1ページでございます。アドミッション・ポリシーを具体化・明確化した上で入学者選抜を進めるべきだというようなことが言われているわけでございますけれども,現状でございますが,下の方の枠囲みでございますように,学校教育法施行規則が平成22年に改正され,平成23年度から入学者に関する受入れ方針,いわゆるアドミッション・ポリシーについて,これを情報公開するということが義務付けられたところでございます。これを受けまして,平成24年度入試では,大学数で見ますと100%の大学がアドミッション・ポリシーを定め公表しているという状況でございます。ただし,右の方を見ていただくと分かりますけれども,求める学生像だけではなくて,高等学校段階で習得しておくべき内容・水準などを具体的に定めていますかということについてお聞きいたしますと,大学数で見ますと42.6%ということで,まだまだそのような具体的内容までは踏み込めていないところが多いというような状況でございます。
 入試における選抜方法の多様化の関連でございますけれども,2ページ目,国公立大学の一般入試の中で小論文,総合問題等々の,いわゆる教科型のペーパーテストとは異なる方法を取り入れている大学がどれぐらいあるかという数字でございます。これにつきましては,例えば小論文,面接といった手法については,7割以上の大学が取り入れておりまして,学部単位で見ますと,それぞれ4割以上が取り入れているという状況でございます。ただし,国公立の場合ですと前期・後期という2回に入試日程を分けてやっているわけでございますが,大半は後期の方でこのような面接ですとか小論文を取り入れているというような実態でございます。
 3ページでございますが,多面的・総合的な評価というようなことでございますと,まさにAO入試がそのような役割を期待されて導入されているわけでございますけれども,このようなAO入試で優秀な人材を集めているというような大学は幾つかございます。そのような事例をここで三つほど出させていただきましたが,例えば東北大学では出願書類,それから小論文試験,面接試験というこの三つを総合的に評価して判定をしており,特に出願書類をかなり重視しているというのが特色かと思います。慶應義塾大学につきましても,面接と書類審査で判断をしているというところでございまして,こちらも志願者に求める必要書類というものをかなり多岐にわたって提出していただいて,それを時間を掛けて評価しているというところでございます。九州大学の21世紀プログラム,これは一度本部会で事例発表していただきましたけれども,こちらにつきましては,書類審査に加えまして,実際に講義を受けていただいてその講義内容に関するレポートを作成し,その上で討論するというようなもの,更に小論文と面接というものを課した上で総合判定しているというような取組でございます。
 この書類による審査というものをいずれもかなり重視しているわけでございますが,実際どういった書類を出させているのかというのが4ページ以降,例示として掲げさせていただいております。東北大学の場合は,志願理由書と,4ページの右側に,これは学校側に作成していただく志願者評価書というものございます。5ページを見ていただきますと,これは出願者に書いていただくものでございますが,これまでの活動報告書ということで,部活動ですとか各種コンテスト,コンクール,競技会等々の取組について五つまで自分でこのような活動をしてきたことをアピールするための文章を調査書に併せて提出してもらって,総合判定しているというものでございます。6ページ目は九州大学の21世紀プログラムの例でございまして,これも活動歴報告書ということでございますけれども,左側,部活動ですとかボランティアなどの学校での勉強以外の各種活動について書いていただくというようなことに併せ,具体的に表彰ですとか資格検定については別の欄を設けましてそれぞれ書いてもらうというような形式を取っております。
 多面的入試ということでございますと,アメリカの例がとりあげられることが多いわけでございますけれども,7ページでアメリカの事例を二つほど御紹介させていただきます。
 ペンシルバニア州立大学とアイビーリーグの8大学のうちの一つのブラウン大学の例です。志願者数がペンシルバニア州立大学の方が4万4,500名程度,合格率が大体50%ぐらいというようなところでございます。出願書類につきましては,SAT又はACTといういわゆる共通テストの成績に加えまして,高校の成績証明書,大学独自の願書です。この願書の中にはエッセイを書くスペースもございまして,そのようなものを併せて出してもらっています。このペンシルバニア州立大学の場合は基本的には高校の成績を3分の2,共通テストであるSAT又はACTのテストを3分の1の比重で点数を出しまして,それでかなり機械的に選抜をやっています。ただし,優等学位プログラムというようなものにエントリーする学生ですとか,医学部の特別進学課程にエントリーするような学生については,エッセイですとか教師の評価書,奉仕活動の経験なども加味した上で総合判定するというような取組も併せて行っているということでございます。
 隣のブラウン大学,私立でございますが,これは出願者がやはり3万人を超えるという状況で,合格率は8.9%という,かなり競争率の高い大学でございます。提出書類につきましてはSAT又はACTの成績に加えまして,高校の成績,高校の内申書,それから教員の評価書,それから大学共通願書,いわゆるコモン・アプリケーションと言われているものでございますけれども,これと大学独自の願書というものを出させた上で総合判定をしています。こちらにつきましては,先ほどのペンシルバニア州立大学と異なりまして,SATの成績ですとか高校の成績ですとか,そのようなものについてそれぞれどういう配点で評価するかというようなことは特に決めていないということでございまして,あくまでも総合的に判定するというやり方をしているということでございます。
 この二つの大学,いずれもこの参考にさせていただいた報告書の中では,アドミッション・オフィサーにインタビューをしているわけでございますが,SATの成績よりは,高校での学習歴,学習の成果というものを非常に重視するということです。それはなぜかということについて申し上げますと,やはりSAT等の成績については,家庭の経済状況がかなり影響するので,1回のペーパーテストの判断よりは高校での日々の学習の状況というものをより重視した選抜を心掛けているというようなことを,アドミッション・オフィサーがそれぞれ同じようなことを話していたというのが非常に印象深いというところでございます。
 8ページ目については,受験生から大学に提供する受験生本人に関する情報の例ということでございまして,これはアメリカの例でございます。日本の場合ですと,調査書という形で学校が書いた書類だけが大学に提供されるというのが通常なわけでございますけれども,アメリカの場合は先ほど申し上げましたSATのような共通試験を実施する際に,ここにございますようなかなり個人情報的なものも含めて多くの情報が大学に提供され,大学が学生とのマッチングを図る上での参考資料になっているということでございます。ここに親の学歴ですとか親の年収というような形で,日本的に言えばこのようなものまで求めるのかという情報も含まれておりますけれども,アメリカの場合はこのような情報を参考に奨学金を支給するのかどうかですとか,あるいは非常に困難な状況にある高校生が頑張ってここまで達したのかどうかというような,総合評価をする際の指標として使っているということでございます。
 それからその下,コモン・アプリケーションによる受験生情報ということでございますけれども,コモン・アプリケーションといいますのは,アメリカの500大学以上が採用しておりますオンラインで出願できる共通のシステム,共通の入学願書といったようなものでございます。ここに必要事項を記載して志願する大学にエントリーするわけでございますけれども,ここでも同じようにかなり詳しい個人情報が登録されて提供されているというところでございます。
 それから9ページにつきましては,面接の活用例ということで,現在医学部では大変面接を重視した入試がなされておりますので,その事例の御紹介でございます。例えば,秋田大学におきましては,全体950点満点のうち面接は200点ということで,大変比重が高い状況になってございます。大分大学につきましても,面接が540点ということで大変比重が高いというような状況でございます。
 10ページ目につきましては,国際バカロレアの活用というものにつきましても第四次提言で言及されておりますので,現状を御紹介させていただきます。国際バカロレアといいますのは,11ページに概要がございますので後ほど参照いただきたいのですが,フランスのバカロレアとは別に国際バカロレア機構というものが実施している国際的な教育プログラムでございます。基本的にはインターナショナルスクールなどの卒業生に対する卒業資格の付与というものを目的にしてできた制度でございまして,このようなところで資格を取った場合,その国際バカロレアの成績だけでもって個別試験を抜きに学生を受け入れるというような取組をしているのが,現在は玉川大学,岡山大学の2大学ございます。
 12ページ以降につきましては,外部試験の活用状況ということで,一度この部会でも御紹介させていただきました資料をもう一度掲げさせていただいたものでございます。語学関係,それから語学関係以外の各種検定などについて実際に活用されているものの側,またその活用状況については13ページに経年変化のグラフを掲げさせていただいております。
 それからジュニアマイスター制度につきましても,一度事例発表していただきまして,14ページに概要がございますけれども,このような工業校長会が中心となった資格検定試験のような取組を活用している大学も多数ございますし,工業だけではなくて商業分野の取組についても15ページに掲げさせていただいておりますけれども,各種検定ということで珠算ですとか簿記,このようなものの検定試験が行われ,実際入試でも活用されているというところでございます。
 16ページは社会人入試の実施状況でございますけれども,社会人向けの特別選抜を実施している大学数というのは年々増えているという状況でございますが,残念ながら入学者数については減少傾向にあるというような現状がございます。
 最後,17ページ。障害を理由とする特別な措置を行った大学入学者選抜の実施状況ということでございます。近年,志願者の数は若干増加傾向にございまして,これからますますこのような対応が求められているということになろうかと思います。説明は以上でございます。

【濱名委員】  説明ありがとうございました。
 枠組みの整理をしたいと思うのですけれども,今回我々議論するものというのは,センター入試が形を変える形で新しいテストに変わっていくという形についてということですね。従来のAOや推薦という枠組みは基礎レベルを活用しながらという形になりますが,そうすると,従来各大学がやっている一般入試というものをこの方策で巻き込めるという想定なのかどうかということです。一般入試について,この提言等の延長線上でやめなさい,むしろこっちの発展レベルをベースにしなさいというトーンであるならば,これはかなりハードルが高い話だと思うので。そのあたりの前提がどうなっているのかを,この教育再生実行会議の御議論の中で確認をしたいと思います。そこまで巻き込んでのフレームワークと考えてよろしいのですか。

【高橋教育再生実行会議担当室長】  教育再生実行会議の議論としては,今のセンター試験に替わるものとしてこの発展レベルの試験を位置付けました。そして,それをベースに各大学の入試をやるということは想定をされていて,その使い方は各大学の判断で,この新たな発展レベルの使い方としては,多様な使い方ができるようにするべきではないかと,大筋そのようなところだったと思います。

【濱名委員】  それを前提に考えますと,新しいテストが各大学にとってオプションとして利用しやすいという状態でなければ移行しないと思うのです。その場合,発展レベルについては分かるのですけれども,従来推薦・AO入試で使われていた手法をベースに,細やかな対応をしなさいというだけは変わらない。今回も入試室から御説明いただいたのは定員規模が20人とか50人とか,もう小規模で行われている手法の紹介でしかないので,将来的にと言われた数理的能力とか言語運用能力を先延ばしにできる状態ではないのではないか。むしろそういうオプションも含めて国自身がやはりこういう形で方向付けをしていこうという場合には,新たなオプションを提示しなければ,従来やっていた,例えば推薦・AO入試批判をしていたのにもかかわらず,AOや推薦で使われている手法を一般入試とくっつけなさいという話だけでは,なかなか多くの私立大学は付いてこないでしょう。その結果どうなるかというと,こうした選抜方法をとらないでより一般入試に傾斜していって,780通りの大学が780通りの筆記試験を作らなければならない。つまり,元々の議論は入試にばかり注力するのではなくて,教育にもっと力を入れようというのが議論の原点だったと思うのですけれども,そういう点から言うとやはり弊害が多く出てくる。そういう点では,将来的にではなくて,センターが今もう試行レベルで開発されているようなテストを早く使えるものにしていくということもオプションに加える必要があるのではないかと思います。

【浅田高等教育企画課長】  高等教育企画課の浅田です。
 今の点に関連して,資料5をまとめた考え方を補足させていただきたい。
 教育再生実行会議の議論もそうですが,入学者選抜に関する議論は,どうしてもセンター試験をどうするとか新たな試験をどうするとかいうことに目が向きがちです。しかし本当は,この高大接続特別部会で最初から共通理解を持っていただいているとおり,また教育再生実行会議での議論を始めるに当たって安西部会長から同会議に御説明いただいた資料にもあるように,高大接続は大学入学者選抜だけの問題ではなく,大学入学者選抜はペーパーテストだけの問題ではないということです。要は,10代から20代にかけての大事な成長の時期を,子供たちにどのように過ごさせるべきなのか,そのために高校教育,大学教育はどうあるべきか,そしてそのつなぎ目をどのようにするのが教育上一番よいのか。そういう大きな全体像がまずあって,その中で大学入学者選抜の在り方,そしてその重要なパーツの一つとしてこの達成度テストというようなものが考えられていると私は理解しています。したがって,この資料5のとおり,これからの本部会での検討に当たっては,まず多面的・総合的に評価・判定する大学入学者選抜への転換というところから大きく見て御議論いただくのが適切であろうと考えています。
 教育再生実行会議でも実際にはいろいろな議論がありました。先ほど濱名委員からお話のあった発展レベルについても,6ページの下に各大学の判断で利用可能とするという記述がございます。7ページには,各大学が求める学力水準達成度の判定には,各大学のアドミッション・ポリシーに基づき,達成度テスト(発展レベル)(仮称)の積極的な活用が図られるようにするなど,教育再生実行会議としてのお考えを示されています。ご指摘の,将来的にはとある箇所では,言語運用能力等のほかにCBT方式についても言及されています。そのような可能性も含め,より望ましい形はどうなのかということをこの部会でお考えいただく必要があると思っているところです。

【安西部会長】  よろしいでしょうか。端的に言うと,この資料5の一番上の丸にありますように,多面的・総合的に評価・判定する大学入学者選抜の方法について,ここでできるだけ具体的に提言,提案をするということだと理解しております。その中で,達成度テスト(発展レベル)(仮称)は,これは一つのある意味重要な位置は占めるけれども,それ以外に濱名委員がおっしゃるようないろいろな,コンピテンシー等も含めた入学者選抜の在り方というのを,我々はきちんと全体として捉えるべきだと捉えております。
 よろしいでしょうか。

【濱名委員】  はい,結構です。

【相川委員】  ありがとうございます。
 今の議論の確認というところもあるのですが,本当にここの部会は高大接続ということで話を進めていく。それが達成度テストの発展レベルのところが話し合われるということなのでしょうけれども,私は米印の発展レベルの在り方のところで,達成度テストの在り方をも含めた高等学校教育の質の確保というところでは,本当に高等学校教育部会の方でも先日も話をしましたけれども,それがあってそこが,全ての生徒はそこの基礎レベルをしっかり押さえた上での発展レベルということでなければならないのではないかと思っております。そしてまた,今後のスケジュール的なことはこれから具体的に詰めていかれると思うのですけれども,このスケジュール的なものと,先ほどどなたかがおっしゃったように,報道では五,六年後の導入というような話が一人歩きしているのかどうかあれですが,それだといわゆるこの制度のシステムの話とそれを実際にゴーサインでやるときに,そのときの学年の子供たちがそのレベルに,その学習指導要領がそれに達しているのかどうか,カリキュラムの問題。そこのことも併せて議論していかないと,システムのことだけがどんどん進んでいっても,さあ始めますよといったときにそこの対象になる子供たちが混乱するということをやはり避けていくためには,そちらの方も併せた議論をしていかなければならないのと思っておりますので,そこのところもどこか違う部会でやられていると思うのですけれども,縦割りでこの問題はこの部会,この問題は別の部会というのではなくて,少し横で連携して整理した議論をしていきたいという希望でございます。

【浅田高等教育企画課長】  二つのお話があったと思います。おっしゃるとおり,この第四次提言に関連することは,この部会のほかに高等学校教育部会でも議論がなされます。それぞれでやるテーマもありますが,その両者がばらばらであってはいけないと考えています。したがって今後,両部会の連絡,連携は必要だと思いますし,場合によっては一緒に開催することも考えていきたいと思っています。
もう一つはスケジュールについてです。下村文部科学大臣もこのテーマについては,高校生・中学生などの子供たち,保護者・関係者に与える影響が非常に大きいことから,拙速にならないよう,丁寧に議論をする必要があるということを繰り返しおっしゃっています。したがって,これから専門的に詳細な御検討を頂くわけですが,その内容によって高校生・中学生,あるいはもっと下の子供たちや関係者にどういう影響が出るのか,そのようなことも当然併せて考えながら制度設計を考えていく必要があります。そのことは大臣も深く御理解いただいていると思っています。

【安西部会長】  私もこの大学入学者選抜の仕組みだけを議論してもそれはうまくいかないわけで,高等学校教育の在り方,それから大学教育の在り方とこの大学入学者選抜の問題を三つやはり一緒に連携して進めないと全てがうまくいかないということは前から申し上げているとおりでありますので,そこは文部科学省側で是非頭に置き続けていただければ有り難いと思います。
 それからスケジュールについて私の聞き及ぶところでは,高等学校教育部会に出ていましたので,そこでは来年の3月までに結論を出すというように多少聞いた覚えがあるのでありますけれども,そういうことと今浅田課長が言われたこととどういう関係にあるのか,この辺,クリアにしておいていていただいた方がいいと思います。

【小林教育制度改革室長】  初等中等教育局の高等学校教育部会を担当しております教育制度改革室,小林と申します。
 基本的には今浅田課長の方から御説明申し上げたとおりに連携をとって検討してまいりたいと思っておりまして,高等学校教育部会の方ではほかの議題,課題も少しございますので,それとも併せてこの第四次提言で言われておりますことについて何も目標を設けずに議論していくのも難しいので,一つ年度内までに一定の方向性を,既に今年の1月に審議のまとめ,一つの方向性を御検討いただいておりましたので,その前の段階の議論も併せて踏まえて,この第四次提言を踏まえた基礎レベルのテストの在り方や評価の在り方,教育の在り方について議論していただきたいと思っています。ただ,非常に難しい課題で,先日も部会でもしかするとその数回で,この年度内でなかなか難しい部分も出てくるかもしれないという御指摘も頂いておりますので,少し審議の状況も見ながら,一つの目標として年度内に大きな枠組みについて検討させていただきたいと思っています。ただ,どれぐらい詳しい内容について本部会で年度内に方向性を出せるか,技術的な検討についてはまた別の場を設けて行う必要もあるかもしれませんので,その点も少し審議の状況を見ながら検討させていただきたいと思っております。

【浅田高等教育企画課長】  教育再生実行会議の提言を受けてこれからまた本格的に再開ということですので,その様子によると思います。ただ,もともとこの高大接続特別部会が去年の秋に発足した時点では,当初の目標として1年ぐらいでということでございました。これからの話ではありますが,何らかの目標のようなものがあった方がよいとは思います。

【小林教育制度改革室長】  一つ申し上げるのが足りなかったのですけれども,高等学校教育部会の方でも議論いたしましたものをこちらの高大接続特別部会の方にもまたお返しするようなこともございますので,そういう意味で高等学校教育部会の方で全部完結するということではございませんので,ちょっと一言足りませんでした。申し訳ございません。

【安西部会長】  委員の皆様におかれましては,やはりいつ頃までにどういう議論をすればいいのかということは気になるところだと思いますのでそれでお聞きしております。大半がこれは重要な議論でいろいろ影響もあると思う反面,方向性等々についてはやはりスピード感を持って議論をしていかないと,逆に世の中の方が不安に思うということもあると思います。そういうことを勘案していただいて,文部科学省側でそこのところはある程度の日程的な見通しをまた教えていただけると有り難いと思います。

【浅田高等教育企画課長】  現時点では一つのめどとして,年度内ということを念頭に置いて御議論いただけばと思います。

【安西部会長】  では,年度内に何らかの方向性をお示しできるような段階を踏むということを目標にさせていただくということでよろしいでしょうか。

【浅田高等教育企画課長】  はい。

【安西部会長】  一方で,もう一度申し上げますけれども,ある程度やはりしっかりしたスピード感を持って議論をさせていただかないと,議論ばかりがこう堂々めぐりしていく可能性もありますので,委員の皆様には大変お忙しい中恐縮ですけれども,やはりこれは本当に大事な問題ですので,できるだけ凝縮した議論にしていただければ有り難いと思います。よろしくお願いいたします。

【濵口委員】  多少濱名委員の意見をなぞるような形になりますが,忘れてならないのは,この対象者は毎年55万を超えてくる人口を対象にする変更であるということです。先ほどからずっと後半の資料を見させていただいていても,やはり資料6のいろいろな試みというのは,濱名委員も言われるとおり,本当に20人,30人を対象にしたようなもので,これは55万人を対象に普遍化できないと思います。
 もう一点,この本文のところで,7ページにあります,先ほども指摘がありましたCBTとか言語運用能力,数理論理力・分析力,問題解決能力に関してであります。従来,ここら辺のところはセンター試験でかなり課題としても指摘されていた問題だと思うのですが,ここが解決しないと達成度テストも,結局中身としては名称を変えたセンター試験と各大学の試験のコンビネーションをそのままもう一回なぞることになりかねないと思います。この問題開発の現状,進捗状況というのをもう少し詳しくお聞きさせていただけないでしょうか。実際これが適用できるものかどうかということです。

【平野大学入試室長】  失礼いたします。
 まずCBT方式につきましては,入試センターを中心に調査・研究は進めていただいております。ただ,やはりCBT方式で実施する場合は,問題を大体この手の大規模なテストでやるとなりますと,5万から10万ぐらいのストックを用意した上で実施するというようなことが必須になりますし,それを実施するためのインフラの整備というようなところも一つ大きな課題となってくるというところでございまして,まさに今研究開発段階ではあるのですけれども,実現には少し時間が掛かるだろうというような見通しを立てているところでございます。それから,言語運用能力ですとか数理論理力・分析力,問題解決能力等を測る問題の開発というものにつきましては,一度大学入試センターの荒井試験・研究統括官に本部会にも来ていただいた際に御紹介いただいたと思いますが,今研究開発を実施しているところでございまして,幾つかの高校・大学に御協力いただいて,モニタリング調査的なものをやらせていただいています。それが先ほど濱名委員からも御紹介ございましたけれども,濱名委員の大学の学生にも御協力を頂いて,今実地の試行的な調査に取り組んでいるという段階でございまして,これを更に内容を詰めていきながら実用段階に耐え得るものなのかどうかというようなところを今鋭意検討を進めているという段階でございます。

【山本委員】  二つ感想をお話しさせてください。
 一つは,選抜なのでそれが大学後の成績と相関関係がないと使えないものだと思うのです。つまり,縦軸に例えば今であればセンターテストのスコア,横軸に大学に入学後のGPAをとったときに正の相関関係がないと選抜機能を果たしているとは言えないわけです。個々の大学でカリキュラムが違います。今全国の国立大学は脱ミニ東大化と言ったら少し語弊があるかもしれませんが個性化を進めている最中ですので,個々の大学のカリキュラムが個性的になればなるほど,これは使えないシステムになっていく可能性がございます。実際に,ある難関私立大学が数年前にセンター試験に参入をしましたが最近撤退をしております。それは,入学後のラーニングパフォーマンスを測定した結果,センター試験のスコアと入学後のGPAに正の相関関係が見られなかったからです。私立大学にとってもどんな学生に入学していただくかは大変重要な問題なので,今の大学改革が順調に進んでいくと現状の大学の入試戦略というかマッチングという観点でそぐわないのではないのかという感想を持ちました。
 二つ目は,頂いた資料6の8ページ目にございますSATにおける受験生情報の提供ですとかコモン・アプリケーションにおける受験生情報というものが主な記入欄にいろいろと情報がありますが,アメリカの大学の場合,このような情報を使って入学後の予想GPA,退学可能性,就職可能性などを入試段階でアセスメントしているはずです。つまり,実際は小論文や面接だけでその学生がこの大学・学部にふさわしいと判断しているわけではなくて,このような多様なデータを用いて過去の入学者の行動をきちんと分析した上で入学を許可しているわけです。ですから,こういうことをやるのであれば,SATやコモン・アプリケーションのように,ここまでの情報をきちんととって大学側に提供して,過去の入学者がどうなっていたかということを分析して進めていく必要があるのではないかと思います。これは選抜というよりも,むしろ高校生の未来を考えたマッチングを最適化していくという考え方なのではないかと思います。その方向性については私は基本的に賛成いたします。以上です。

【安西部会長】  ありがとうございました。そのとおりだと思います。

【生重委員】  私も山本委員がおっしゃったような方向が望ましいと思います。今度の教育再生実行会議で6・3・3・4制の見直しというのもテーマに上がってくる。今我々が審議している全てのものは,日本の教育の大きな転換期を迎えていて,学校教育の根本のところが問われているのではないかと思っております。今の小学校の学び方で本当にこれから始まる新しい大学の求める人材になり得るのか,今の中学校の,今の高校の学びで,本来そのようになり得るのかということが一つ一つ問われていると私は総体的に感想を持っているのですが,学びの意識の変革を持つのにどうしてもやはり心配なのは,メディアにセンター試験廃止と躍ったとたんにいろいろな方からメールの問合せが,たまたまこの委員をやっているのは調べれば分かるから問合せが来ていて,教育制度改革もそうなのですが,AかBかと出るとAなのかBなのかと聞いてきます。AでもないBでもない,それをそうではなくてどうなったらもっとよりよい教育が行われる態勢がとれるのかということを審議しているのであって,拙速なことなどは一つもこの中では行われていないと常に回答するようにしています。
 そういう意味で,もちろんスピード感は大切ですし,何らかの方向性というのは必要なのですが,では大きくグランドデザインした中で日本の教育がどう変換していくかということに加え,どんな人材像を我々は望んで求めて,それは子供たちを育てている地域も保護者も同意するという,一人一人が生き生きと生きていける社会を作るための人育てであるし教育であるというのが,まず全ての部会を通して横串を刺して示されていって,だからこそこのように教育委員会は変わるし,大学の入試制度は変わるし,高校の教育も変わっていくと。それにはもちろん中学校も小学校も,もしかしたら幼保の一元化も含めてどのように学んでいけばそういう人材になっていくのか,優秀な人材を輩出しない限り少子化になっていくこの日本の国の中で,どうやって私たちの国が方向を定めていくのかということをもっと理解できるような上手な発信の仕方がというのができないかと思っている。全体に対する感想でございます。

【安西部会長】  本当にそのとおりだと思っております。ありがとうございました。

【小林委員】  最初に高橋室長から御説明があったとおり,まさに社会環境が大きく変化しているということで,これは入試の問題ではなくて日本で求められている,社会で求められている人材が変化しているということで,まさに入学の国から卒業の国に移っていく過程の大きなプロセスじゃないかと思っております。そうした観点で言いますと,これは入試だけの問題ではなくて,ここにありました大学の人材育成機能の強化というところで,きちんと大学がコミットメントをしていく。各大学がどのような人材をどのように育成して何ができるようになったかというのをきちんとアドミッション・ポリシーだけではなくて,ディプロマ・ポリシーとして,出口のところのコミットメントをきちんとしていかないとマッチングということはできないと思いますので,この点をきちんと共有しながら進めていければというのが1点です。
 もう一点が,先ほど発展レベルだけのお話ということもありましたが,私たちのミッションとしてはそうかもしれないんですけれども,全国の大学生の75%は私立大学に行っておりまして,私立大学の4割は定員割れということになっております。この第四次提言の中にもありましたとおり,本来の趣旨と異なる事実上学力不問の選抜になっている一部の推薦・AO入試ということがありましたが,実はこれは意図してやっているわけではなくて,大学の経営上仕方なくそうなっている部分があります。ですので,AO入試も導入したときはこれは志高く導入したと思います。しかし今こうなっている現状を省みて,このようなことにならないようにと言っては言い方はよくないかもしれませんけれども,これをきちんと見据えた上でこの基礎レベルの運用等含めて一体化して我々のところでも検討していく必要があるのではないかと考えております。

【安西部会長】  ありがとうございました。大学の問題は,これをやはり突破しなければいけないと強く思っているところであります。他のこともそのとおりだと思います。ありがとうございます。

【吉田委員】  今回,私一つ分からないのですけれども,教育再生実行会議から流れてくるもの,第一次提言はいじめ問題でした。第二次提言は教育委員会の問題。これは直接今の子供たちの教育に影響はもちろんありますけれども,実際問題としては,子供が何かやらなければいけないとかそういうことではないですから,それはスピード感を持ってやらなければいけないことがあると思うし,特にいじめなどはそうですからもうできましたけれども,第三次提言の大学の改革も,ある意味これは大学サイドで受け入れた側としてのことをやれば済むと思います。
 今回の第四次提言のこのテストの問題ですけれども,今3月までにとおっしゃいますけれども,本当にそんなに早く方向を付けていいのか,それから失礼ですけれども,教育再生実行会議が言ってきたことって全面的に従わなければいけないのでしょうか。これが本当に正しいって誰が決めたのか,私は分からないのです。この次の第五次提言も,一つ怖いのは今4・4・4制とかいう話が学制改革で出てきています。これも,例えば6・3・3・4がなぜいけないかということの実証がどこにあるのか。それから,例えば4・4・4がいいみたいなことを言っていますけれども,では実験校である国立大学の附属とかでその実証をして結果が出ていることなのか。今東京都で実は新しい小中高一貫校をやるという話で出ている中で,この4・4・4の理由は何かといったら何と脳科学者が4・4・4がいいと言って,その人の意見を取り入れたということです。それから理数系に秀でた人を採るということです。では,入試でない,試験でない小学校でどうやって理数系に優秀な子を選べるのかと思います。そのような生徒を選べるのであれば我々中高でも教えてほしいと思うぐらいですけれども,そういう何か机上の空論的な発想でいっていく可能性があるのではないでしょうか。
 やはりこの第四次提言と第五次提言というのは,やはりかなりじっくり考えて子供たちのことを考えなければいけないのではないかと思います。そこの部分が一つ不安で,教育再生実行会議が言えば何でもすぐやらなければいけないのか,実際に今まで高大接続テストも何年も掛かり,到達度テストも何年も掛かり全部実行できていない。それを考えたときにどうなのか。そういう部分も含めて,もう一回真剣に考えなければいけないと思います。
 それと同時に,今喫緊の問題として,我々がやらなければいけないのは,いじめの問題と同様に,今の中学生・高校生,それこそ小学生もそうでしょうけれども,今学校で預かっている子供たちの教育を,今の現場でどうやってよくするかということは,これはすぐにやっていかなければいけないことだと思います。教育再生実行会議もそうやって提言するのはいいのですけれども,それよりも今こういうことをやってくださいということを,やはり中教審としてもそういうのを受けてやっていかなければいけないのではないかと思うので,一言御意見申し上げました。

【安西部会長】  ありがとうございました。
 今の御意見,教育再生実行会議の言うことを全部聞かなければいけないのかとか,そういう問題ではないと思っております。一緒に車の両輪としてこれからの時代の日本の教育をどう作っていくかということが,それが課題なのでないかと考えております。
 それから,スピード感と先ほど申し上げたのは,ここがというよりも全体としてこれからの時代の教育の在り方を早く作っていくことがこれからの子供たちにとっての幸せだと思うということでありまして,そういうタイムスパンの中で,ここが一体いつまでに何をやらなければいけないのかということにつきましては,改めて文部科学省の方でもお考えいただければと思いますし,来年の3月までに何かの方向性を,方向性と言ってもいろいろなレベルがございますので,そういうことも全部含めてのことだと理解しております。
 また,大学入学者選抜だけを取り上げても,それは本当の日本のこれからの教育が変わるというわけではございませんで,やはりこれは大学,それから高等学校等々のやはり現場に関係しておられる方々にも,これからの時代の教育に向けてやはり御尽力を頂かなければならないということもあると思います。みんなで一緒にやらなければいけないということだと思いますので,是非御協力のほどよろしくお願い申し上げます。

【勝委員】  ありがとうございます。
 今回,このような形で提言が出て,高大連携というところが非常に重要で,その中でもこの達成度テストに注目が集まり過ぎるという話がありました。ただ,やはり入り口の部分が変わると,これは高校の教育に及ぼす影響というものも非常に大きくて,それがあるが故に非常に大きく注目されているのだと思います。この提言,基本的には理想というか,こうあるべきということでは賛同するものが非常に多いわけですが,例えば先ほどもお話がありましたけれども,大学の人材育成機能の強化について,例えば,成績の厳格化が必要であるなど従来より指摘されていますが,このようなものは大学だけで単体でできるものではなくて,やはり企業との連携というのが非常に重要となります。例えばグローバル人材の育成といった場合でも,やはり就職活動で,企業がその学生をどう評価するか,大学の成績をどう評価するかということが,学生の勉学への規律付けという意味で非常に重要であると思います。そうすると,高大連携もそうですけれども,やはりシステムとして,考えていかなくてはならないのではないか,というのが第1点です。
 それからもう一つ,今回の第四次提言のポイントで,発展レベル・基礎レベルの達成度テストというのがあるわけですが,例えばこの提言にあるような,7ページにありますけれども,例えば多様な活動やインターンシップだとかボランティアであるとか,様々な部分を評価すると。ただ,既にこの部分は多くの大学で実施している部分でもあり,また国立大学も例えば後期の入試であるとか,先ほどもデータが出ましたけれども,目新しいものではなく,これを全ての受験生に適応させるのかどうか,というのが多分関心がある部分であるかと思います。先ほど濵口委員が言われたように,50万人以上の受験者がいて,それが全ての学生に対してそういうことができるのか,というとなかなか難しいところがあります。そうすると,この発展レベルの達成度テストは恐らくセンター試験と似たようなものになって,センター試験がモディファイされたものになるのではないかというのが私の想像です。
 むしろ問題はこの基礎レベルの方で,せっかく室長がいらっしゃるので御質問させていただきたいのですが,このボリューム感というか,恐らく発展レベルは50万人以上が受けることになりますが,この基礎レベルの方はどの程度の学生が受けるような形で考えていらっしゃるのか。あるいは,先ほどもお話がありましたけれども,私立大学は非常に経営が難しいところがあって大学生の学力がないところで入ってきてしまう学生が多いという意味からいうと,この基礎レベルの達成度テストの役割は大きく,この導入は大きな改革になると思うのですけれども,この辺のボリューム感であるとかあるいはレベル感であるとか,この辺をお伺いできればと思います。

【高橋教育再生実行会議担当室長】  明確な数字的なボリューム感を議論したわけではありませんが,当初,希望利用というような形で,それをもう少し発展させてできるだけ多くの生徒が参加できるようにしようということでした。高校生が1学年100万人いるとすれば,できる限り多くといったときには少なくとも1学年の半分は超えるのではないでしょうか。そうなると数十万といったオーダーになるのは委員の皆様方に数字で確認したわけではないですけれども,大体そういう共通理解があったのではないかと思います。ただ,全員に義務付けはしないということですから,当然そこから少し下がったオーダーになると思われます。

【勝委員】  そうしますと,一人の学生が二つは受けられなくて,やはりそこにはすみ分けがおのずと出てくるという理解でよろしいのでしょうか。

【高橋教育再生実行会議担当室長】  実際はこの二つのレベルテストの制度設計によると思いますけれども,基礎はあえて受ける必要がないから発展だけという生徒がいるのかもしれません。あるいは両方受けるという生徒がいるかもしれませんし,大学進学をしない生徒は両方受けないということがあるのかもしれませんが,そこは制度設計によると思います。そこまで教育再生実行会議で明確なシミュレーションをしているわけではございません。

【勝委員】  そうしますと,個人が選べるということでしょうか。それとも学校単位で。

【高橋教育再生実行会議担当室長】  そこも制度の作り方によってくると思います。だから,学校単位でということもあるでしょうし,個人が選ぶということもあるでしょうし。浪人した生徒に対してどういう手当てをするかといった面の配慮も必要になってくると思います。そのあたりはむしろ中教審の両部会において是非いい制度に作っていただければということでございます。

【安西部会長】  よろしいでしょうか。
 まだ中教審で検討すべきことは本当にたくさんあるということでございます。

【濱名委員】  勝委員がおっしゃったことと重なるところもあるのですけれども,まず我々がやっているこのテストはすぐに変化するわけではありません。例えばセンター入試の例をとれば,3年前予告で方針を決めて,問題を作り始め,そこから実施まで2年ぐらいは掛かっているので,やはり今からやったとしても新しいテストは5年か6年後に使えるようになったら御の字だと考えます。つまり2020年の18歳人口の次の減少期直前にならないとこの新制度が完成できない。制度設計は今の状態よりも,各大学が参加してきやすいようなものにしないといけないと思うのです。その場合の大きな一番のポイントは,評価観の断絶が,産業界と大学,大学と高校の間にも両方あることです。今の状態で新しい発展テストの内容をこれから議論するわけですけれども,面接であるとかインターンシップの結果だけで,産業界が大学卒業者を採用しているかというとやはり採用はしていないのではないでしょうかす。
 そこのところを考えていくと,答えのない問題を見付けて,そういうコンピテンシー型でソフトな力を伸ばすための大学,それは社会が求めるものであり,大学はそういう人間を育てようとするのであり,また,その適性を求めるのであるのならば,やはりそのためのテストも作っていかないと,面接とかボランティア記録をそのまま持っていくだけではその証明にならないということです。そういう点では,アウトカム志向で考え,我々が高校教育のアウトカムを信頼して受け取れるようなものにしていかなければいけないのではないでしょうか。要するに暗記型学力では直接的には伸びない,しかしながら経験が生かされるものとするならば,先延ばしにする予定として書かれているテストの開発は急ぐしかないのではないかと思います。

【安西部会長】  私もそのように思っております。

【垂水委員】  先ほど事務局の説明で,米国の大学の入学者選抜の例がございましたが,そこでSATよりもいわゆる高校の成績を重視するという話がございました。
 我々日本の大学の関係者も高校の成績を多分利用したいと思っているのではないかと思います。私はそう思っています。ただ,高校間の格差とか,内申書がどこまで信じられるかというのが大学関係者にとっては疑問符で,積極的に使えていないという形になります。ですから,高校の内申書が大学で十分使える,そこまでレベルを上げていただければ,大学は十分それを判定に使うという形になっていくと思っています。
 別な説明で,国際バカロレア入試というものがございましたが,岡山大学は私がいるときにそれを導入したという形になります。逆に言いますと,国際バカロレアの得点は信頼でき,入試に使えるという判断をしたという形になります。その意味で,いわゆる多様な入試という形で言いますと,まずは高校の内申書が使い物になるような信頼性を高校は是非与えてほしい。それを我々は願っている。それが信頼できれば大学は多分使うだろうと思っております。以上です。

【安西部会長】  ありがとうございました。それもそうだと思われます。

【浦野委員】  今,濱名委員から産業界とのこと出ましたので。
 確かに産業界も大学でのアウトカムを重視して今までは採用してこなかった。それは事実です。ただ,今後もそうかというと,やはりそうではないと思います。日本の産業構造そのものが20年前と大きく変わってきているわけです。そういう意味で,今日本が新しい姿を求めていこうとすると,従来型ではないということははっきりしているのですけれども,産業界としてはなかなか,ではどういう方法があるのかということで悩んでいるということです。
 その中で,昔も今も変わってないことが一つだけあるのは,確実に企業というのが,その会社で何をしたいのかということは間違いなく求めます。それは面接でです。それはやはり聞けば分かるわけですから,どこの会社でもいいから一流企業と言いたいところに入りたいというのは,このような学生は採りません。例えば食品企業を受けてきているのに,一方で金融も受けている。このような学生は絶対に採りません。
 ですから,そういう意味で各大学も一律ではなくてそれぞれの大学の個性の中で,例えば私は名古屋大学にどうしても入学して勉強したいという人に対する入学試験には,数の問題はあるけれども,どこかでそういう面接なりあるいは山本委員がおっしゃったような面倒な手続がやはりいると思います。企業は,いまこういうインターネットの時代になったから,例えば5,000人とか1万人とか志望者が来ますけれども,現実のところ,もうばっと足切りします。そういう中で,企業は間違いなく面接を最低でも4回,5回やって採っているわけですから,是非各大学でもそういう手間暇という部分では,何らかいい方法を考えていただければなと思っております。

【安西部会長】  ありがとうございました。
 大学分科会でかなり大学の教育の質的転換の議論はしてきておりまして,だんだんそれが少しずつですけれども,大学が少しずつ動くと,そういう状況にはあるように思いました。

【及川委員】  先ほど言っていた基礎レベルの方について,できるだけ多くの生徒が受験ということに絡んでですけれども,高等学校教育部会で出ていた高等学校学習到達度テスト(仮称)がこれの基礎レベルに当たると思いますけれども,希望参加型であったという性格は,この基礎レベルでもできるだけ多くの生徒が受験という文言にはなりましたけれども,その精神は同じだと思いますが,そのためには,推薦・AO入試における基礎学力の判定として,大学が活用することを促進するということですから,できるだけ多くの生徒が受験していくためには,この制度,基礎レベルの達成度テストを推薦・AO入試でどれだけの大学が活用するか。それに掛かっていることだと思います。
 それは発展レベルでもこれを活用していくということが意味があるということに思いますので,是非どちらも参加する大学が活用しやすいものにしていただきたいと思います。

【安西部会長】  ありがとうございました。
 今及川委員の言われたことも実際問題として非常に大事だと思います。
 大変貴重な御意見を頂いてまいりまして,再々ですけれども,やはり一人一人の子供,生徒,学生が本当に生き生きと,また堂々と人生を歩んでいけるようにしていきたい。そのための柔軟なシステムを作っていきたいということが大方の全体的な方向だと認識しておりますけれども,そういうことに向けての仕組み作りについて,特にこの高大接続特別部会はちょうど真ん中の要でございますので,先ほど申し上げたように拙速はいけないともちろん思いますけれども,一方で委員の皆様の凝縮した議論を重ねていただければと思います。是非よろしくお願い申し上げます。貴重な御意見を頂きまして,ありがとうございました。

(3)次回以降の日程等について,事務局から発言があった。

【田中高等教育政策室長】  資料の説明の際にも言及させていただきましたが,高等学校教育の質の確保・向上の議論との連携という観点から,今後高等学校教育部会の審議状況を本部会に報告する機会の設定でございますとか,両部会の合同会議の開催等も考えておりますのでよろしくお願いいたします。

【安西部会長】  それでは,これで本日は終わらせていただきます。お忙しいところ,ありがとうございました。

―― 了 ――

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-- 登録:平成26年01月 --