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教員の資質能力向上 特別部会(第7回) 議事録

1.日時

平成22年11月30日火曜日 13時~15時

2.場所

三田共用会議所講堂

3.議題

  1. これまでの議論の整理について
  2. その他

4.出席者

委員

田村部会長、安西副部会長、相川委員、小原委員、加藤委員、岸田委員、佐藤委員、新藤委員、高岡委員、長南委員、中西委員、布委員、藤原委員、堀内委員、松木委員、宮川委員、村松委員、村山委員、横須賀委員、吉田委員

文部科学省

金森文部科学審議官、前川総括審議官、日向教育改革調整官、板東生涯学習政策局長、伊藤審議官、磯田高等教育局長、河村私学部長、小松審議官、勝野私学行政課長、藤原大学振興課長、渡邉教員養成企画室長、山中初等中等教育局長、德久審議官、尾﨑審議官、中岡初等中等教育企画課長、千原特別支援教育課長、下間参事官、山下教職員課長、新田教員免許企画室長、白鳥課長補佐

5.議事録

(冒頭非公開の審議)

【田村部会長】
 それでは最初に、事務局から本日の配付資料の確認及び群馬大学教職大学院の視察をしてまいりましたので、その概要報告をお願いしたいと思います。

【日向教育改革調整官】
 それでは、議事次第に沿いまして、資料の確認をさせていただきたいと思います。資料の1、審議経過報告(案)でございます。
 資料の2、教員の資質能力向上特別部会、群馬大学教職大学院視察概要でございます。これについては簡単に触れさせていただきます。
 10月15日に、群馬大学教職大学院を視察いたしました。参加者は4名の委員の方、そのほか事務局の者も同行させていただきました。
 視察の内容でございますが、教職大学院の取り組み状況につきまして、群馬大学の方から説明があり、その後は授業視察ということで、これは実務家教員と研究者教員、ペアになった形の授業を見学させていただきました。その後、大学院生、教育委員会関係者、また、実習校関係者、最後に大学教員と、それぞれ意見交換をさせていただいたところでございます。その際の説明資料でございますが、2枚目以降につけさせていただいております。こちらは後ほどご覧いただければと思います。
 続きまして、資料3-1、中央教育審議会初等中等教育分科会特別支援教育の在り方に関する特別委員会について、資料3-2、特別支援教育の在り方に関する特別委員会の設置について、資料3-3、特別委員会における論点整理案。
 資料4-1、小学校教員資格認定試験応募者及び合格者の職業別推移、資料4-2、小学校教員資格認定試験合格者の教員への採用状況。
 資料5、各論点に関する主な意見。そのほか参考資料といたしまして委員名簿、また、11月11日に報道発表いたしました免許更新制における免許状更新講習の受講等について、9月16日に出した教員免許更新制についての文部科学省メッセージ、以上でございます。

【田村部会長】 
 資料、よろしゅうございましょうか。これらの資料は、今、国会が開かれていまして、議論されているテーマについての資料になりますので、ご参考に、後でぜひお目通しいただければと思っております。
 それでは、議事に入らせていただきます。本特別部会において、皆様方からいただきましたご意見を、私と安西副部会長とご相談しながら、そのほかの方にも個別にご協力をいただいて、整理をする作業をしてまいりました。膨大な内容だったので大変事務局が苦労されたわけですけれども、資料としてお配りしております審議経過報告(案)につきましておまとめいただきましたので、事務局からご説明をいただきたいと思います。

【日向教育改革調整官】 
 それでは、資料1に基づき説明をさせていただきます。昨年6月に諮問されてから、6回にわたりご審議をいただいたところでございます。また、文部科学大臣より、諮問の際、本年中に一定の方向性をまとめていただきたいというご発言があったことなどを踏まえ、今までの議論を整理し、今後の議論につなげていくため、今回、審議経過報告(案)をまとめることとさせていただいたところです。
 まず、「はじめに」のところでございますが、今日の教育現場が置かれている状況を踏まえ、我々が今後取り組むべき課題について整理をさせていただきました。
 2ページは基本的な考え方でございます。今回の改革で留意すべきことについて整理をさせていただきました。特に、今までは養成・採用・研修別ということでございましたが、教職生活全体を通じた取り組みを進めるということに言及をさせていただいております。
 次に、教員養成のあり方についてでございます。ここは四角の箱で囲っているところをご覧いただければと思います。
 最初に、理由がいろいろ書いてございます。暴力行為等、教員が対応すべき課題の急増。それから今後10年間に教員全体の3分の1が退職し、経験の浅い教員が大量に誕生することが予想されること。新人教員について、実践的指導力やコミュニケーション力が十分に身についていないとの指摘があること。また、専門職である教員にも、高度な専門職としての資質が求められていること。こうしたことを背景に、教員養成におきましても、これまで以上に高度な実践的指導力やコミュニケーション力等の育成が求められていると。このことから教員養成は、学部4年に加え、1年から2年程度の修士レベルの課程等での学修を要することについて、今後検討を進めてはどうか。この場合、例えば、当面は学士課程修了者に暫定的な資格を付与し、教員として採用された後に、必要な課程等を修了すれば、修士レベルの資格取得を可能とすることも検討する。
 また、新たな仕組みと、現行の初任者研修制度との関係、採用段階との関係も整理する必要がある。さまざまな段階で、社会人等がその専門性を生かしつつ、教員を志せるようにするため、学士の教職課程を修了していないものを対象とした修士レベルの課程等を設け、修了者には修士レベルの資格取得を可能とすることについて検討する。教員養成を修士レベル化することに伴い、養成の規模、大学の組織体制のあり方、奨学金の活用等による学生の経済的負担の軽減についてもあわせて検討する。
 最後に、学部・大学院等における教員養成にかかる課程認定審査や設置審査をより厳格化するとともに、事後評価システムを強化し、教員養成の質の保証を図る。また、事務体制についても抜本的に強化する。以上が1番でございます。
 次に7ページでございます。2番目の「教員免許制度について」でございます。
 1つ目でございますが、教員免許制度についても、教職生活全体を通じて、教員の資質能力向上を図ることを支援する制度に改革すべきである。教員養成の修士レベル化について、今後検討を進めることとし、その際、例えば、当面は学士課程修了者に暫定的な資格(「基礎免許状(仮称)」)を付与し、教員として採用された後に、必要な課程等を修了すれば修士レベルの資格(「一般免許状(仮称)」)を付与することも検討する。
 また、教員が教職生活を通じて、より高い専門性と社会性を身につけていくことを支援するため、教員免許状により、一定の専門性を公的に証明する「専門免許状(仮称)」を創設することについて検討する。
 これまでの検証も踏まえ、教員免許更新制については、教員が教職生活の全体を通じて、自発的かつ不断に専門性を高めることを支援する新たな制度への移行も視野に入れて検討を進める。その際には、「専門免許状(仮称)」制度と関連づけて検討するとともに、10年経験者研修との関係についても整理していく必要がある。
 最後でございますが、教員免許状の区分については、例えば、小学校教諭免許状と中学校教諭免許状をあわせて、「義務教育免許状」とすることや、中学校教諭免許状と高等学校教諭免許状をあわせて、「中等教育免許状」とすることなど、複数の学校種をまとめた免許状を創設することの是非について、今後検討する。2番目は以上でございます。
 次に3番でございますが、10ページになります。「採用と学校現場への多様な人材の登用について」でございます。
 さまざまな段階で、社会人等がその専門性を生かしつつ、教職を志せるような仕組みについて、新たな教員養成制度及び教員免許制度の中でどのように位置づけるべきかについても検討する。
 全国的に30代・40代の教員が少ない現状を改善するため、この年代で、教職以外の職にある者の中途採用を進めることも必要である。
 新たな免許状体系のもとにおける、臨時的任用教員や非常勤講師の採用・配置のあり方について検討する。
 次に11ページでございます。4番目、「現職研修等について」です。
 教職生活全体を通じて、教員の資質能力向上を図っていくことが今後ますます求められることから、現職研修についても、これを支援するような方向で改革すべきである。また、実施内容・方法については、個別的・協働的な学習をより重視する方向で見直しが必要である。
 初任者研修のあり方については、養成期間と初任者の時期について複合的に考え、初任者研修について発展的に解消することも含め、今後検討を進める。
 任命権者と大学が連携した研修のあり方や、研修の受講成果を「専門免許状(仮称)」の取得単位の一部とすることなどについて、検討する必要がある。
 教員研修は、現在、国と地方が適切な役割分担のもと、国においては、教育政策上、真に必要な分野に限定し研修事業を行っている。こうした仕組みは、研修全体の効果を高める上で大変重要であり、今後とも教育委員会や大学等との連携を図りつつ必要な刷新を図る。
 次に5番でございます。13ページ、「教育委員会・大学等の関係機関の連携・協働について」です。
 教育委員会、大学をはじめとする関係機関や地域社会が一体となって教員を養成し、支援していくことが重要であることから、新たな教員養成・採用・研修の仕組みの中で、大学の教職課程の認定や評価、「専門免許状(仮称)」授与の際の履修履歴の評価、大学と教育委員会とが連携した研修の実施等において、これらの関係者の連携・協働がより広範かつ確実に行われるような仕組みを構築する必要がある。
 最後に6番でございます。14ページでございます。当面取り組むべき課題について。
 管理職の資質能力の向上は、学校を改革する上で極めて重要である。今後はマネジメントカを身につけた管理職を育成するため、教職大学院等での学校経営を中心とした専攻・コースの充実を図るとともに、国や都道府県等の教員研修のためのセンター等において「マネジメント型」管理職の養成を行うことが期待される。修了者には学校経営の「専門免許状(仮称)」を授与することなどについて検討する。
 幼稚園教諭の資質能力の向上については、幼稚園教員養成の現状や、小学校等他校種の教員に今後求めることとしている資格要件の検討などを踏まえ、検討する必要がある。
 特別支援教育に携わる教員の資質能力の向上については、今後の特別支援教育のあり方の検討状況を踏まえ、検討を進めていく必要がある。
 以上でございます。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 ただいま、事務局からご説明のありました審議経過報告(案)につきまして、これから委員の皆様からご質問、ご意見をお伺いしたい思います。
 本日は、お手元にお配りしてございます時間配分で、4つの項目を取り上げまして、各項目ごとにご意見を伺いたいと考えております。
 実は、今日、お忙しいところご出席いただいた委員の先生の中に、どうしてもご都合がつかずに、早目に退席される先生がおられますので、最初にその先生をご指名しますので、ご発言をいただくことをお許しいただきたいと思います。
 では、最初に藤原先生、どうぞ。

【藤原委員】 
 ありがとうございます。
 私のほうは、この報告書の性格について少し提案があるので、それを述べさせていただきたいなと思って、最初にマイクを握りました。
 この審議経過報告、じっくり読ませていただいて、本当によくまとまっていると思います。事務局と部会長、おそらく膨大な時間をかけられたと思います。ほんとうにご苦労さまでございました。特に、7ページの教員免許制度について、かなり踏み込んだ、基礎免許状、一般免許状、専門免許状という区分を設けて、今までの免許制度を見直そうとする一つの姿勢。それから13ページにありますように、もう、明らかに現在の校長が管理型にとどまっていて、マネジメント型に移行しなければならない。そこをはっきりと指摘しているところ等、非常に具体的な指摘、方策もあって、非常にわかりやすいと思っております。
 ただ、その他の部分について、やはり相変わらず、官僚言葉の作文の部分が多いのではないか、非常にもったいないと思っているんです。
 というのは、なぜかと言いますと、わたしはこの5年で、約500カ所、講演とか勉強会を通じまして、保護者、主に義務教育の保護者ですね、それから先生方、約10万人と触れ合っています。その中で感じますのは、皆さんが、義務教育の地盤沈下、もしくは機能低下について非常に憂いていらっしゃいます。だからこそ、ここにこんなに多くの傍聴の方々も詰めかけてらっしゃるんじゃないかなと思うんです。教員の質というようなことについても、昨今のいろんな事件も含めまして、非常に心を痛めておられるわけです。そういう意味では、ここにありますこの報告書が、いわば希望の書なんです。希望の書だというふうに、はっきり申し上げたいと思うんです。教員や学校の未来に対して、もう一度保護者や先生が再び希望を持てる、これだったらよくなるなと、こういうふうに希望を持てる希望の書であるべきだと思うんです。
 だからこそ、この文書なんですけれども、できましたら中高生が読んでわかる、あるいは小学生の保護者が、変わると確信できるような、そういう言葉遣いに改めたらどうかと。このまとめ、おそらく通常の中教審での答申では、これでほとんど合格という形になってしまうのではないかと思うのですが、一歩進めて、ぜひ、もう少し具体的に記述をお願いしたいと思うんです。
 例えば、固有名詞などを挙げるのは、わからない人がいるからだめだろうと思われるかもしれません。でも、福井や京都や島根や品川でもう実践していることがあるのならば、それを僕は挙げるべきだと思うんです。それでわからない人がいるのであれば、抽象論を避けて、細かい字で脚注をつければよいと思います。それから英語につきましても、これは法案ではないので、日本語化しているものは遠慮なく使うという、そういうことをされたらいいのではないかと。今から、具体的に3点だけ指摘をさせていただきたいと思います。
 「はじめに」の部分、上から3つ目の丸の中盤、「実践的指導力やコミュニケーション力、チームで対応する力などの教員としての基礎的な力が十分に身についていないことなどが指摘されている」と。これ、なぜなのかということを書きませんと、1ページの一番最後、「さらに、優れた教員の養成、研修や確保は、大学や学校の中だけで行うのではなく、広く社会全体の力を結集して取り組んでいくことが必要である」というふうに結びつかないので、私は具体的に、こんなふうに書かれたらいかがなのかというのを、案だけ示します。
 「指摘されている」の次に、「これは、教員養成課程における授業では、チームビルディング手法などのマネジメントや、ブレインストーミング、ディベート、ロールプレイ、プレゼンテーションなどのコミュニケーション技術、並びにデジタル教材を活性剤にしたワークショップ型の学習手法については、指導が不十分なことが多いためで、民間の研修会社のファシリテーターなど、外部の専門家の招聘が欠かせない」というような、そこまで踏み込んだ記述をされたらどうなのかなと、そうすると意味がわかるんです。というのが、私の1つの提案です。

【田村部会長】 
 後で文書をいただけますか。

【藤原委員】 
 わかりました。
 もう一つ、6番目の丸です。また、子どものというようなところですけれども、ここに「一斉、一方向型の学びから」とありますが、「一斉、一方向型、放送型」というふうにしたほうがいいと思うのです。「一斉、一方向型の学びから個別的・協働的な学びを重視する方向へ」というふうに書いてしまっているんですが、「個別的、協働的な学び」ということでは、自習のことなのか、例によってのグループ学習なのか、あるいは先生たちが苦労に苦労を重ねて、結局は投げ出した先生もいる総合の調べ学習のことなのかみたいになってしまいますので、これも、私はできたら具体的に示していただきたいと思うんです。例えばなんですが、「よのなか科のようなワークショップ型の協働的学びや、ICTを用いた、各自の習熟度に合わせた個別学習並びに子供の意見を先生にフィードバックするコミュニケーション型の学び」というふうに定義しないと、今までの総合と何が違うのかというような感じになってしまうのではないかなと。実際には、今私が申し上げた個別的・協働的な学びを指導する力が、現在の教員養成の大学には欠けているところなのではないかなと考えているわけです。もちろん、ここに参集していらっしゃるような大学の関係者、教授、学長の方々は、ほとんどスーパーエリートですので、当然授業も上手な方だと思うのですが、私が聞き及んでいます限りは、教員養成系の大学で、大学生が非常に眠い授業が多いというようなことは実際に聞いておりますので、ここのところを強調したらどうかなということでございます。
 あともう一つだけ、短く指摘させていただきます。1番の教員養成のあり方についてに入ってしまうんですが、5ページです。ここでも、一番上の丸で、「児童生徒や、保護者、地域住民と対応できるようコミュニケーション力を培い、教科や教職等の実践的指導力を身につけることを目指す方向」というのが非常に強調されています。それを受けて、2番目の丸で、一番最後のほうですね、「さらに教員養成の初期の段階において、例えば、学校現場でのボランティア活動等を充実する方向で検討すべきである」と。これだと、何か、ボランティアをやればいいみたいなことなんですね。もっと具体的に、例えばなんですが、「例えば、教育長や校長が許せば、学校現場でのインターンシップや、学校支援地域本部などでのボランティア活動を充実する方向で検討すべきである」という、そういうような具体的な記述にもう一歩推し進めたら、もっとはっきりするのではないかなと思うんです。
 そういう、もっと具体的にする作業を通じて、ぜひ、中高生でも読める、小学生の保護者でも読めて、これが希望の書になるように、文書をより豊かにしていただければ、これが官僚のつくった、いつも中教審の文書を超えて、希望の書になるように、私はお願いしたいと思っています。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。後ほどまた、文書をいただくということで、よろしくお願いします。

【藤原委員】 
 はい。

【田村部会長】 
 それでは、吉田先生どうぞ。

【吉田委員】 
 吉田でございます。申し訳ございません、先に失礼する関係で、意見を言わせていただきます。
 最初に、若干、私立学校のエゴというふうに聞こえるかもしれませんけれども、私ども私立学校の立場から再三申し上げているのは、やはり何と言いましても、高等学校で30%にも満たないシェアですから、そういう意味ではきついのかもしれませんが、我々にとって教員というのは、学校においてはまさに財産であって、そういう中で、やはり教員あっての学校であるということは違いがないと思います。そういう意味で、教員の資質向上ということは大変うれしいことでございますし、今回も実際に、教員が身につけるべき資質能力について、教職生活の段階ごとに分けて考え、専門性や社会性の向上のための基準として、より明確に示すということは、非常にありがたいことだと思っておりますが、やはり、学校に採用してから、その後、どういうふうに先生方が変わっていくか、そういった意味では、私は教員採用までのレベル、つまり資格取得までのレベルということにおいては、公立学校も私立学校もないと思います。しかし、学校という単体で考えたときに、教育委員会に統括されている公立学校と、それぞれの独自性を発揮している私立学校では、やはり扱いが違ってくるのではないか。とりあえず、暫定的な資格といわれている、例えば基礎免許状というような形で示されておりますけれども、そういうような形で教員を採用したとしても、その後の扱いについては、それぞれの学校がそれぞれ研修を加え、そして同じ研修でも、今、この中の内容を見ていますと、どうしても教育委員会と大学という形であって、私立学校という存在がほとんど出てこないのではないか。私立学校は、私立学校として実施する初任研や10年研等も内容が違ってきていると思います。
 ただ、最近の流れとしまして私が非常に危惧しておりますのは、こういった初任研や10年研につきましても、私立学校は地域ごとに、各協会等が主催をして実施をしておりますけれども、それに対する補助金等も、公立学校では教育委員会でそういう研修等をやっているんだから、私学のそういうものは要らないじゃないかという予算削減というような動きが出てきている中で、さらに今回、このような形のものが、私立学校もインクルードされて出されるんだとすると、やはり私学と公立の違いという、学習の違い、学校種の違いというものをはっきり出していただかないと、厳しくなるのではないかと。
 特に、私どもはやはり、基礎免許状として採用した教員たちのグレードアップということについては、各学校がそれぞれ、教職大学院を利用する学校もあるだろうし、各学校の中でそれなりの研修をして、それでしっかり認めていくという方法もあると思います。その許可をするというんですか、その部分において、今、藤原先生のお話にありましたインターンシップを利用するというようなことがございましたけれども、そのように、各学校で、この先生はいいと思っている先生が、外に出ての研修をしないがために、教員として採用されていかないというようなことになってしまうということがあるんだとしたら、これは、私立学校に対しては、大変大きな問題になるのではないか。
 やはり、それぞれの学校種による違いというものをしっかりと出していただいて、ここにおける、公立学校の教員の資質向上という部分なら十分に納得もできるというと言い方は変ですけれども、非常にすばらしいものだと思いますけれども、私立学校というものを一つ、また別の観点から見ていただいたものもつくっていただければと思っております。
 以上でございます。よろしくお願いします。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。これは、案がまとまってきますので、その過程で、またひとつ、今のようなお考えでご意見をいただければ大変ありがたいと思います。
 それでは審議に入らせていただきます。順番で、「はじめに」というところから始めたいのですが、これについてご意見がございましたら、例によって名札を立てていただきますと、漏れが出ませんので、いかがでございましょうか。
 村山先生、どうぞ。

【村山委員】
 藤原委員の希望の書というのは、私も大体賛成ですが、全体的に大変力作で、そういうことを言うことも、表向きの話になったらまずいので、率直に言いますが、私は、全体を通して大変いいなと思ったのは、これは免許更新制のところにありまして、それ以外にも同じ考え方がベースにあると思いますが、7ページの下に、「教員が教職生活の全体を通じて自発的かつ不断に専門性を高めることを支援する新たな制度」という、こういう、先生方が自発的に、生涯にわたって研修を積んで、資質を上げると。それを、国としても大いに応援するぞと、この姿勢は、今回、一本筋が貫かれているということで、大変賛成であります。
 それからもう一つは、これから10年間の教員の需給関係を見て、若手、中堅、管理職と、この学校を構成する層の中で、特に一般的な教師の資質向上だけではなくて、管理職、マネジメントの面での強調というものを最初から打ち出している。これもこの会議で大分議論になりましたけれども、それを踏まえているということで、この2点について、私は大変賛成であります。
 しかしと、話の順序として続くわけでして、全体的に、今の2点などの、大変クリアで共感できる面と同時に、もう一つ、今回の答申案、まだ途中経過ですが、それが、今まで出ていた平成18年の答申との関係で、どういう特徴、意義があるのかというあたり、基本的なところが、つまり初めに動機、モチーフですかね、それが必ずしも十分には、「はじめに」のところには書かれていないというふうな感想を持ちます。結果的に18年答申は、教職課程で、教員としての資質を確かにつくれるとか、そういうこと、それからそれを具体的に、さらには免許更新制とか、教職大学院というのを打ち出したんですが、それに対して、今回の答申案が、何をポイントにしているのか。私は、端的に言うと、これは個々の教師の努力による資質向上だけではなくて、制度として、しかも、ある程度長期的なスパンで、教師の資質を、社会構造の変化にあわせて本格的に高度化するということだと思うんです。それで結果的には、その中身を見ますと、修士化というのが非常に鮮明に打ち出されている。それがなぜなのか、なぜ必要でという、そこのところの説明が、やはりもう一つ、わかりやすく、初めのところに必要なのではないだろうかという印象を持ちます。
 例えば、世代の今後の10年間の変化についても、確かにそういうことでまとまらないという、あるいは若手教員が多くなって、資質が不十分な者が出てくるという状況がありますが、そういうことに対して、それをネガティブにとらえるのではなくて、だから学校が困難になりますというのではなくて、そういう状況の中で高度化、修士化ということも含めて、教師の資質を本格的に、長期間に渡って強化するぞと。しかもそれを支援するぞという、そのコンセプトのポイントになる部分が、これは難しいのかもしれませんが、やはり最初に、もう一つほしいと。従来の、今までの、18年の、ああいう個々の教師の資質を厳しく求めるというのに対して、もっと積極的に、社会制度として、教師の資質の高度化をこうやって図っていくんだぞと、それはこういう意義があるんだというような趣旨を、もう少し鮮明に、わかりやすく打ち出していただけないかなと思っております。
 それからもう一つ、簡単に言います。先ほど藤原先生から、個々の文書についていろいろご意見が出ましたが、私も事前に、昨日全体を読みましたが、文書について、非常によく書かれていると思いますが、一つ一つの文書について、ここで意見を出していきましたら、時間が無限にあっても足りないと。これは、最終的に、お願いなんですが、もし可能であれば、今日の会議後、個々の委員が文書で、希望するものが、この部分についてはこういうふうなこともあるよというのを提出させていただけないだろうかということを、あらかじめお願いしておきたいと思います。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。日向調整官、よろしいですよね。ぜひ文書でお出しいただきたいと思います。藤原先生にはお願いしましたけども、それ以外にも、何かご意見ございましたら、ぜひひとつ、お願いしたいと思います。
 それでは長南先生、どうぞ。

【長南委員】 
 よろしくお願いいたします。
 「はじめに」のところの4つ目の丸のところです。今後、大量の新人教員と少数の中堅教員からなる教員集団をまとめていくために、2つのことが併記されているわけですけれども、1つは校長のリーダーシップ、マネジメント力をこれ以上に高めなければならないと。もう一つは外部人材を含め、マネジメントにたけた管理職を各界から幅広く登用することが必要であるということですが、私は、教員集団をまとめていくためには、まず、何といっても一番大事なことというのは校長のリーダーシップと、マネジメント力を高めることだと思います。ですので、マネジメント能力を高める研修の機会を充実ではなくて、もっと強化するとか、第一義的に校長のリーダーシップ、マネジメント能力を高めるということ。その次に、外部人材を含めて、各界から……、あまりこれは、むしろ積極的に登用することには賛成はしていません。
 というのは、実際に私も面接をしまして、実際の様子を拝見しております。その人にもよると思うんですけれども、あまり積極的に進める必要はないのではないか、そういうことよりも、もっと、校長先生の力量を高めることに力をかけていったほうがいいのではないかと思います。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 おっしゃることはよくわかるのですけれども、国会などではそういうことが非常に大きなテーマで議論されていますので、全く触れないわけにはいかないと思いますが、ありがとうございます。
 それでは高岡先生ですか、一応これで、「はじめに」のところは終わらせていただきたいと思います。高岡先生、どうぞ。

【高岡委員】 
 すいません、最後になって立ててしまいました。
 私も昨日メールでいただきましたときに、大変よくまとまった文章だと一読して思いました。もう一つは、かなり踏み込んだ内容になっているなともう一方で思いました。
 この、「はじめに」のところで、先ほど村山先生がおっしゃったことと同じ感想なのですけども、何か足りないなということを、今まで自分自身が発言してきたことと、引き比べて考えてみたのですが、私が最初の部会で申し上げたこと、いつもそこへ戻ってしまうのですけれども、「4プラスアルファ」という話や「6年制」という話が養成の問題で起こるというときに、今、それができるかどうかということについては、あまり自信がないところもあって、そしてそれが国の制度としてそうなることで、どんな問題が起こるかということも、あまりよくわかっていないところがあります。
 ただ、10年後、20年後に、なおかつ教員が学士課程を基礎資格とするということが、それでいいかというふうに考えると、やはり少し違和感がある。そういう意味で、そのことを、私自身がそれほど深刻に考えたわけではないのですが、ただ、教職生活の全体を通じた教員の資質の向上という論点の、その入り口のところの養成段階が、いわば社会の変化、つまり学校内的問題というよりは、むしろ社会の変化の側から、どういうふうに位置づけられていくのか。別の言い方をすると、社会全体がこれだけ高学歴化する、大学のユニバーサル化ということも言われる、そういう時代の中で、教員養成が、あるいは教職課程が輩出する、「教員」という極めて専門性が高いと考えられる人材の基礎学歴、これをどう考えるかという問題は、やはり、「はじめに」のところで含まれている必要があるのではないかなということを考えました。
 つまり、教職の専門性を今後主張し続け、あるいはその主張に基づいて、学校の教員が、みずからの職業にある種の自信と確信を持ってそこに当たっていくことが可能になるためには、社会全体の高学歴化という様相との関係で、養成期間の延長という問題、それが主になる話ではもちろんありませんけれども、やはり、少し触れておく必要があるのではないか。「はじめに」のところについては、何となくそういう印象を持ったところです。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。ちょっとこれは工夫してみたいと思います。
 それでは時間でございますので、次の項目に移らせていただきます。「教員養成の在り方」でございます。いかがでございましょうか。
 横須賀先生、どうぞ。

【横須賀委員】 
 大学における教員養成教育について、随分議論がされて、この間、もしかしたら時間的には一番時間をとったかなと思いますが、その議論をすくってまとめてくれて、大変ありがたいと思っています。
 ただ、1つ注文いたしますと、大学における教員養成教育について、かなり批判が展開されました。私ももちろん、自己批判を含めてそういう意見を述べましたけれども、ここ数年の、大学、特に教員養成教育の場での変化、いい方向での変化というのも起きてきています。新しい工夫、それから、私なんかは世代交代の対象ですけれども、若い人の中には、やはり今までと違う動きも出てきています。ですから、大学における教員養成教育の場をもっと発展させてでないと、修士レベル化ということについての充実も得られないのではないかという気がしています。
 この文書に則して言いますと、2ページから3ページにかけて、最初の囲みの中の丸で、今後の教員に求められる資質について論じられた上で、次の丸のところで、「このため」と、いきなりこの課題が次の修士レベル化のところに出向けちゃっているんです。こういう課題は、修士レベル化で対応していかなければいけない課題であることについては否定しませんけれども、今の学部課程あるいは大学院課程において行われている教員養成教育の充実がさらに行われていかないと、この部分の質も確保されないのではないか。
 特に私が今一番注目しているのは、これは村山委員の出した問題ともつながるんだけれども、平成18年答申で出した教職実践演習なんですが、これは学生には適用されているけれども、卒業時に開かれるものだから、実際に演習そのものはまだ開かれていない。でも、かなりの大学が、1年生に入ったときから、教職課程を希望する学生には、4年間こういうことをチェックしていくんだよというプロファイルというんでしょうか、チェックリストを作成し始めている。実地視察に回ってみると、かなり小さい短期大学なんかでも用意を始めているということがある。やはり、大学における教員養成で一番大きな欠点は、一つ一つの授業や演習が単位制になっていて、それがブロック積み上げになっていて、それが教員を志望する学生一人一人の力になっているかどうかが、十分見られないまま資格が与えられてきたというところにあったわけで、この教職実践演習というのは、すべてではないけれども、1つの試みとして、私はもっと期待していいのではないか。
 そういう意味では、ここの2つ目の丸の間に、「このため」といきなりつなぐのではなくて、教員養成教育の可能性、それから特に18年答申で述べた教職実践演習の今後の実践に期待をかけるということを加えていただきたいなと思っています。
 こういう答申が出ると、だれが一番読むかといったら大学の教員です。教育委員会の人ではありません。マスコミの人は別として、大学の教員です。やはり大学の若い教員が、教員養成に熱心に取り組めるような呼びかけも、ぜひ必要だなと思っています。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。ちょっと検討させていただきます。
 あと、小原先生、布先生、堀内先生、松木先生、加藤先生、佐藤先生、岸田先生と、7人いらっしゃいますので、申し訳ありません、適宜時間をお考えいただきながら。後ほど文書でお寄せいただくとして、できるだけ皆さんにご発言いただきたいので、ご協力のほどよろしくお願いします。
 小原先生から、どうぞ。

【小原委員】 
 それでは2点。こういう報告書を読むのは、教員養成を担当している大学ですので、その立場から2点ほど指摘させていただきます。
 教員養成の期間を長くするということはわかるのですけれども、それとあわせて、現在、初等の二種を出している短大のあり方にも、ある程度触れたほうがいいのではないかなと思います。これを読む限りでは、短大での教員養成はなしというようにとられるのではないかなと思います。
 もう一つ。教員養成の課程認定、設置基準をより厳格にするということは必要だと思います。私自身もいろいろな私学のお話を聞きますと、ついでに免許状ということで、教員養成をメインにするよりも、学生募集のために免許を出しているところも否めません。しかし、片方を厳しくして、社会人のほうの免許取得で教員身分の担保がなされていないのではないかなという気がします。社会人の中だって問題の人が大勢いるわけですから、やはり社会人から学校現場に登用するといったときに、資格のあり方も、同じように厳しくすべきではないかなと思います。
 もう一つ、そういう社会人を、専門性を生かして現場に、それは初等なのか、中等教育なのか、これは段階によって違うと思いますので、この違いもはっきりさせておいていただければと思います。

【田村部会長】 
 ありがとうございます。文書でも、ぜひいただければと思います。
 続いて、布先生、どうぞ。

【布委員】 
 今回このようにおまとめていただきまして、ありがとうございました。
 この会議がない1ヶ月半、秋の深まりとともに、私は今回の中間まとめのことを念頭に置きながら、学校支援コーディネーターとしてさまざまな学校外の力を取り入れて、学芸会の教員研修であるとか、道徳コミュニケーション講座、職場体験の事前事後、いろいろな取り組みにかかわってまいりました。
 今回おまとめたいたいたものを、昨日いただきまして、目を通させていただいたときに、改めて、ここで書かれてあることを本当に実現するためには、大学と大学にいる教員の先生方、教職大学院の持つ力と大学院の先生方が、実は大きなかぎを握っていらっしゃるのではないか、教員を養成する先生方がどういう力をお持ちかということが、とても大切だと感じました。もし修士レベル化について実現するのであれば、もっと改善をしていかなければいけない、本当に教員の資質能力を上げていきたいと考えていらっしゃる教員が、どの大学に何人ぐらいいらっしゃるのであろうか、そういうことがとても大事なポイントであると考えます。私のほうからは、今回、教員養成を修士レベル化することについて、時間が限られてますので3点話させてください。
 1点目、教員に不足しているとされる資質を身につけるのに、修士レベルの大学院教育が一番最適な手段なのかどうかという点について検討が必要に思います。民間では社員教育や人材育成に他業種の企業やNPOのプログラムを取り入れて工夫をして研修を実施しています。また現場で補助教員をしながら学ぶ。あるいは院へ普通に進む。などの複数の選択肢があるなかで、それでも資質を身につけるに当たって、大学院教育が本当に最適な手段なのかということです。例えば、そうだとして、修士レベル化に予算をつけていくことと、同じ予算を各学校や教育委員会が、地域の課題や実情に応じて、ある程度使える教員の資質能力向上の予算といった枠が設定されたとする効果は、どう違うのか。学校現場の先生方と一緒に汗して取り組んできた経験から地域の実情・課題に応じた予算枠の設置のほうが、少なくとも短期的には効果が高いようにも感じられます。
 もちろん、わたしは大学院にいって学ぶことを否定しているつもりは全くありませんけれども、必ず義務化されていく、修士レベル化されていくということについて、本当にそれでいいのか、納得させていただけるだけの根拠というか、アピールというものをしていただきたいと期待しています。
 2点目に、仮に修士レベル化するとすれば、受け入れる大学の教育の質をどう確保するのか。免許更新制や、修士取得が義務化されることによって、最初はとても工夫され力が入った内容になると思うのですが、時間とともにとりあえず受け入れればいいとか、とりあえず提供していけばいいという姿勢にならないよう、どう工夫していくのかという点。その点、学校というのは、保護者という立場の利害関係者に評価される機会がありますけれども、大学または大学院を評価するのは第三者機関であったりします。市民感覚からすれば、業界内で評価基準を作っているような、密室的感覚というようなイメージを抱かれかねないので、大学もしくは大学院が、教員の資質向上に効果的な役割を果たしていること、さらに、他の主体よりも優れているということについて、広く地域社会、市民が納得できるような、明確な説明責任が必要ではないかと思います。
 あともう1点。大学または大学院の教員の先生方は、どのかたも本当によく研究していらっしゃいますが、教員養成や現場研修などに、どの程度真剣に取り組んでいらっしゃる方がいてくださるのか。先ほども申し上げましたが、大学教員は、研究成果で評価されている中で、教員養成や現場研修などの地道な人材育成の取り組みに真剣に取り組んでいらっしゃる先生がどれだけ確保できるか、できる仕組みになるのか、このことを明確にお示しいただくことが、ここに、今回のまとめていただいたことを実現していくためには必要なのではないかと思います。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。教員の専門性の問題ですね、大事なことです。
 堀内先生、どうぞ。

【堀内委員】 
 失礼します。
 まず、1番目の「教員養成の在り方」についてのことなのですが、多分この話は、後の免許制度、あるいはこの報告全体にかかわると思うんですけれども、具体的に言いますと、5ページで養成カリキュラムについて触れられていますし、それから6ページで質的な保証について触れられています。前後しましたけれども、今回の報告、大変よくまとめていただいているだろうと思っています。ただ、少し総花的になったところを、どのように濃淡をつけて具体的な制度設計に持っていくのか、これはこれからの課題だと思っていますので、そういった観点から、この部分では2つご指摘させていただきたいと思います。
 今言いました5ページ、6ページにかかわってなんですが、どうしても、どこに的を絞ってこの論議を進めていったらいいのか、少し見えにくくなっているかと思うんです。前の審議の中でも少しご提案したつもりなんですが、やはり一番の問題は、現在に至るまで、我が国は教職に関します専門職基準という考え方をとってこなかったことにかかわってくるだろうと、こう思っています。大変大きな仕事になりますので、別途の枠組みであってもいいとは思っていますが、ここまで煮詰まった論議をしていただく以上、どうしてもやはり、言葉だけでも専門職基準というものに向かって、この教員養成というものを収斂させていくんだというような、何か含みを入れていただけないかなと思っています。多くの先進国が、当たり前に免許制度、あるいはさまざまな資格制度をつくるときに、基盤としての教職の専門職基準というものを設定されています。課程認定等々につきましても、どうしても、認定をする、あるいはその後の事後評価をするときに、専門職基準がありませんと、流動的な要素というのを残してしまうわけです。専門職基準そのものは、もちろん時代とともに変化していいと思うのですけれども、それを見直す作業を恒常的にやっていく中で、大学の養成課程等々の客観的な評価というものが要になってくると、私はこう思っております。1点目は、専門職基準ということを、何らかの形で触れていただきたいということです。
 2つ目は、これも4ページから5ページにかけまして、大学院での教育のあり方について触れていただいています。6年制というイメージがかなり明確に打ち出していただいていること、私はそう解釈しますので、これについては大変ありがたく思っておりますが、その上で、これから具体をするときに、私ども教職大学院にかかわっておりますけれども、再三再四言われていますように、まず、量的な問題をどうクリアするのか。当然、今の教職大学院だけでの対応では見通しが不十分であると。では、一般の専修免許を出しております一般の修士課程の大学院をどう活用するのか、そこまでの論議もあったと思うんです。4ページから5ページはそのことに触れられているんですが、やはりここも、ちょっと焦点が定まり切れていないのではないか。もう一歩踏み込んだ話が必要ではなかろうかと思います。具体的に言いますと、既存の大学院、これは教員養成系大学の教育学研究科、今、定数が3,300人ぐらいあるわけですけれども、これ以外に、一般の私学等々の文学研究科と理学研究科等々も含めてだろうと思うんですけれども、これを、ある意味では教職大学院化していく道筋というものが必要ではないかと思います。
 要するに、教職大学院と既存の修士課程と、どういう形でブリッジをかけたらいいのか、どこの部分を共通のカリキュラムとして押さえたらいいのか、こういったような視点、具体はこれからだと思いますけれども、視点だけでも入れていただくと見通しがよくなるのではないかと、こんなふうに読まさせていただきました。
 以上、この2点について、さらにご検討をしていただければありがたいと思っています。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。実はまだ、ご発言いただきたい先生いっぱいいらっしゃいますので、ご発言されるときには、先ほどもお願い申し上げましたが、ポイントを絞ってご発言をいただきまして、必要なことは文書にして、事務局に出していただくということで対応させていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、今のお話も大変大事な話ですので、十分対応したいと思います。では、松木先生。

【松木委員】 
 「はじめに」のところにも引っかかってきてしまう話なのですが、今回の文書を見させていただくと、すごい画期的なことが幾つか起きているのではないかなと思っています。それはというとこのまとめ(案)では、教員養成と教員免許状にかかわってパラダイムの転換がおきているということです。
 1点目は、免許の性質なんですが、今までは通過資格というか、1つを通過してしまえば、後は免許持っているんだからという発想だったものが、教員のライフコースそのものを支えていくような免許制度に転換しようとしているのではないか、その兆しが見れるなというところが、今までの内容と根本的に違うかなと、一つ思えました。
 2つ目のパラダイムの転換として、これは18年度答申から、横須賀先生もおっしゃっていることでもありますが、更新制や教職大学院ができたということに関係してなんですが、大学でいっぱい授業を積み上げて、最終的にいい先生になるという教員養成の発想ではなくて、現職のところをしっかりサポートするような教員免許状のシステムに転換したことです。ですから現職研修から逆に戻って、繰り下がって、大学で何ができるかというところを考える。つまり、養成・採用・研修ということの一体化ということです。大学から積み上げていくのではなくて、今、教師として求められているところから組み立てていく教師の教育のあり方、研修のあり方ということに切りかわっているんじゃないかなというのが、2つ目のパラダイムの転換として起きているのではないかなと思いました。
 3つ目は学力のことなのですが、子供に学習指導要領を改訂して思考力、判断力、表現力を培うと言いながら、それを育てる教師の学力といったら変ですが、子どもの学力に関連する教師の資質のところに踏み込んだ話はこれまでなかった。今回、一斉、一方向型の学びから、個別的・協働的な学びへ、教師自身の学びの在り方についてかなり踏み込んできているなというところが、ちょっと違うかなという感じがいたしました。
 4つ目として、先ほど私学の問題が出されておりましたが、私は私学のことに関しても、今回、かなり画期的な部分があるなと思っています。それは何かというと、校内研修だとか、民間教育団体の研究会だとか自発的な研修、そういったものについても免許状に反映していくようなことを考えていこうということについてです。これは、ある意味の開放制、新しい段階の開放制ということを表現してることにもつながってくるのではないか、そんな意味でのパラダイムの転換が起きつつあるなと思いました。
 改めて、今回のものを読ませていただきまして、特徴的なものが、今までの教員養成のあり方を超えていく発想が盛り込まれているのではないかなと感じられます。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。大変勇気づけられました。
 では、加藤先生どうぞ。

【加藤委員】 
 ありがとうございます。
 簡潔に申し上げますが、参考資料3を見て、やはり、日本の人口分布より5歳ぐらい山が違うんですかね、大変ショックです。今、質の問題も言ってますけれども、量と質、両方ですね、これはトータルで議論になっていかざるを得ないと。そうしませんと、門戸を開放をしていくという、人材の育成・確保・活用というところまで行かないといけないわけですから、そういう意味では、量と質かなというふうに改めて思っております。
 その上で、「はじめに」の項に触れるかもしれませんけれども、日本全体としてはそうなんでしょうけれども、地域性というのでしょうか、都市部と地方部の、質の問題ではなくて、特に量の問題でしょうね。この辺の、特徴的なものがあるのであれば教えていただきたい。さらに、北海道から沖縄まで、全部一律制で見るのか、都市部と地方部という、そういう地域性というのも見るのか、それも、コメントがあったら1つ。
 2つ目で、教職員生活となりますと、ある意味、いろいろ書いてあって、課題が急増している、大変だ大変だということがいっぱい書いてありますが、特に部活に象徴されますように、今、24時間はほとんど平等ではなくなってきた世の中ですけれども、24時間をどう拘束されて、どう使うのか。それは社会的な課題も含めてだと思うんです。生徒指導、さらには、さまざまなこともあるでしょう、そういったことをトータルとして考えて、ゆとりといった部分、または教職生活のとらえ方、この認識が最初に合わないと、これからの議論になるでしょうが、いわゆる処遇、準公務員的な業種、または、さっき言った、これから議論します修士の資格と処遇というところまで、これから先へ踏み込んでいった場合に、やはり全体の時間の拘束性、社会の、そういったものの、極めて、さまざまな人間性などを含めたときに、どういう幅のとらえ方で今後議論していくかという、やはりスタートラインですので、そういう幅のとらえ方等を含めて、認識があればお願いしたいというのが2つ目。
 最後ですが、「4プラスアルファ」はこれからの議論だと思いますので、今後にしますけれども、いずれにしても、4年で、どういう資格であれ現場に行って、そしてまた、学んで修士を目指すという、全員同じモデルか、画一性か。いや、そうではなくて、まず現場に行って、そこでもう一つ修士を目指すとか、いろいろなバリエーションというのか、幅の持ち方も当然不可欠だと思っています。これは今後の議論でしょうから、幅広い議論をお願いしたい。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。これは参考に書き方を工夫してみます。
 では、佐藤先生。

【佐藤委員】 
 ありがとうございます。
 多くの先生同様、養成から教職生活全体を通しての長いスパンでの教員の資質能力向上という今回の視点は、大変共鳴するところであります。わずか6回の議論、うち3回程度は自由に意見を発表したに過ぎないとは思いますけれども、にもかかわらずこの全体に触れて、とりあえず審議経過報告を出そうという意欲にも敬意を表します。
 ただ、それだけに各フェーズについては大変荒っぽい記述にならざるを得ない。とりわけ私が今心配しておりますのは、教員養成の在り方のところで、私は大学の立場でここに出ております。このまま出されると、大学には相当な衝撃が走る。それは早速、「4プラスアルファ」の方針が出てくるわけですけれども、その前段としてなぜ学士課程では不十分なのか、どういう点がいけないとされているのかという検証といいましょうか、説明が十分になされているとは思えません。
 言ってみれば、このことは大学も短大もノーを突きつけられるわけですから、その辺のところは少し丁寧に説明する必要があるのではないかと思っております。教育問題はさまざまありますけれども、何がその原因なのか、養成に問題があるのか、研修に問題があるのか、いや、本人の努力不足なのか、あるいは社会の側の問題だってある。それら全部に触れることは難しいにしても、少なくとも現行の養成を根本的に変えるならば、それなりの丁寧な説明が欲しいなと思います。これが1点。
 それに関連して、幼、小、中、高と各段階、学校種によって状況は微妙に違うはずです。教員に求められる資質能力だって違うはずです。今、ここで「4+1」にしなくてはならないというのは、一体どういう学校種についてとりわけ言われる話なのか。この辺のところも多少におわせていくように、あるいは議論をしていかないままにこれを出されますと、大学も、短期大学も相当な衝撃が走るということを懸念いたします。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。これは佐藤先生、また文章でお出しいただけますでしょうか。それを受けて工夫してみたいと思います。
 では、岸田先生、どうぞ。

【岸田委員】 
 それでは、簡単に3点ばかり。
 1つは教育実習についてです。これは当初1年間の実習を課すというような話もあって、学校現場の声としてなかなかそこまでするのは難しいというような反応もありましたので、これについてもう少し踏み込んだ記述があってもいいのかなと感じています。とりわけ新たな修士レベルということを念頭に置いた実習と、それから学士レベルでの実習ということですね。その辺りも整理しながら、もう少し気を遣って書き込んでいいのかなということが1点。
 それから2つ目は、今の佐藤委員と同じですけれども、校種間の違いですね。実は、基本的な考え方の中に、「学校種毎の丁寧な検討」という言葉があるんです。その言葉があるのですが、現実的に個々の記載事項の中に、校種間のことを念頭に入れたと思われるふしがあまり見られないように感じました。例えばコアカリキュラムの記述が中に出てきますが、このコアカリキュラムにしても、校種間で違ってくるということがあるのではないか。
 それから3点目は、これは堀内委員のご指摘と似通ったところがあるのですが、いわゆる既存の教育研究としての大学院と、教職大学院と、新しい概念として出てきた、ここでいう修士レベルのものですね。これがまだ混然とした状態にあるので、この辺りの整理も一定すべきではないかと思っています。
 以上でございます。

【田村委員】 
 ありがとうございました。お気づきの点がございましたら、ぜひひとつ文章でまたお寄せいただければ、大変ありがたいと思います。
 それでは、テーマがあと2と3が残っているんですけれども、これからは「2.教員免許制度について」というのと、「3.採用と学校現場への多様な人材の登用について」ということと、「今後のスケジュールについて」、これは報告になると思いますが、その2点ともにテーマとされて、ご発言をいただければと思います。
 何回も申し上げて恐縮ですが、要点のご発言をお願いして、あと必要なことはぜひ文章でお寄せいただければありがたいということです。
 高岡先生、加藤先生の順でいいですか。どうぞ。

【高岡委員】 
 ありがとうございます。
 免許制度の問題についてですが、免許制度の根幹はこの部会でもかなり早い時期に大学における養成ということと、開放性の原則、これを2つは堅持するというところから議論が始まっています。それはそうなんだと思うのですが、その課程認定をもうちょっと厳格にする、実質化するという側面、私はこの論点はよくわかるのですが、もう一つは、それに対応する大学に求めることということが、もちろんこの免許制度のところの切り取りという点ではここではないのかもしれませんけれども、それが少し弱いような気がいたします。
 つまり私自身は、4年でできることがまだもっとあるのではないかという認識がいつもあるものですから、そういう意味で免許制度をいじることによって、プラスアルファをくっつけて、そこに大学が対応するというときの対応の方向性というか、足腰を強化するという側面がもう一方で担保されている必要が絶対にあると思うんです。そういう意味で、例えば個別の大学1つ1つにそのことを求めるということなのか、それとも大学自身が動いて、例えばこれも議論に出ていたと思うんですけれども、地域コンソーシアムのようなものを、この養成にかかわって大学が共同で何かをやっていくような仕組み、そういうものであるとか、あるいはナショナルセンター的な養成プログラムや、さらに現職研修も含めた「専門免許状」というような言い方で出される免許についても、やはりその中身について何か担保できる組織。そのことを背景に持ちながら、この免許制度というものを議論していく必要があるというような書きぶりというのが何かあるような気がしたのですが、以上でございます。

【田村部会長】 
 ありがとうございます。これはまたいろいろな問題が絡んできますけれども、ご指摘の意味はよくわかります。
 それでは、加藤先生、どうぞ。

【加藤委員】 
 簡単に申し上げます。1点だけ。
 免許制度そのものはこれから議論すると思いますが、10年経験者研修との関係、さらには当然ながら初任者研修の関係についても、踏み込んで書いてありますけれども、今日の認識としては、10年ごとの免許更新制そのものについても、今回免許制度の根本を変えるわけですから、そのことも含めて議論になるという認識でよろしいかという、認識です。これからの議論ですから。要するにこれだけの、免許の種類も含めてメニューはかなり出てきてしまっていますので、そうしますと根本的な考え方をもう一度見直していきたいという趣旨でございますので、認識だけお願いしたいと思います。

【田村部会長】 
 今のよろしいですか。

【日向教育改革調整官】 
 そうしたことで結構でございます。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。それでは、村松先生。

【村松委員】 
 免許制度のところで3点申し上げたいと思います。
 既に養成制度のところでもあったことですけれども、基本的にはこのステップアップ型の免許制度にするという、さっき松木委員のお話もありましたし、さんざん議論してきたのがこういう形になったことを大変評価したいと思っておりますが、そこの表現の仕方で、「学士課程修了者に暫定的な資格(「基礎免許状」)」となっていて、「暫定的な」という言葉がこの文章の中で使われることがいいかどうかというのは懸念を持ちます。
 例えば、次の第1段階のものとして「基礎免許状」、あるいは最初から「基礎免許状」ということを出して、その次の段階に進むんだというようなことにしたほうが。「暫定的な」という言葉の持つニュアンスが、ちょっと微妙かなというところで、もう少し検討したほうがいいかなというのが第1点です。
 第2点は、免許状の区分に関して、7ページの一番下にありますが、後半の中学と高校を1つにして「中等教育免許状」というほうが、教科という共通の枠がありますので、しやすいかもしれませんけれども、「義務教育免許状」についてのイメージがもうひとつわからなくて、全教科対応の小学校と中学校の免許、今は課程認定の中では、初等と中等の課程認定を厳しくする話を一方でしているときに、これとはどういう関係なのか。これは相当煮詰めなければいけないので、慎重な議論が必要だと思っております。
 3点目は、先ほども校種の話が出まして、これは最後のほうにありますけれども、幼稚園と特別支援についてはほかでも議論をしているので、一応ここではまた別扱いみたいになっていることはやむを得ない部分もあるのですが、やはり今、免許、あるいは教員養成の高度化、教師の資質能力の向上ということを言っているときに、幼稚園というのは違っていいんだよみたいな形になるのはまずいのかなと。ただ、もちろん今の二種免許の多さや私学のことを考えると、大変難しい問題だと思いますけれども、基本的には同じ枠組みの中で考えた上で、校種別を考えていくべきだと思います。
 以上3点、申し上げました。

【田村部会長】 
 非常に重要な点、何かおっしゃいますか。とても大事なことだけれども、まだ決まっていないんだね。

【日向教育改革調整官】 
 最後の幼稚園の部分とか、特別支援教育の部分は別途の検討も行われていることもあって別に書かせていただきました。後ほど特別支援教育の状況についてはご説明をさせていただきますので、そういうことで別で書かせていただいております。

【田村部会長】 
 すみません。決まっていないこともあるものですから、なかなか書きにくいんですね。今のご発言は非常に重要ですので、今後の参考にさせていただきたいと思います。
 では、村山先生、堀内先生、どうぞ。

【村山委員】 
 私も3点、具体的な中身ですが、今の1点目にお話がありました「暫定的」というのは私も引っかかります。仮免なのかどうかというところがいろいろ、質のいい教師をこれからがっちり確保するという点では、不安定な要素が見えるような書きぶりはちょっとどうかなと。ですから「暫定的」と言わなくて、一定期間後、一般免許の取得が必須となる基礎免許状というのでいいのではないかと思います。これが1点目。
 2点目、個別的な問題になりますが、免許法の関係です。6ページでありますが、教職教科に加えて、教科構成内容、教科内容科目ですか、これを検討するという意見があるということなので、今の段階ではいいのですが、私は今までの議論でも免許法を部分的に手直しするのはあまり効果的でないと、それはもう限界に来ているという議論が多かったと思うんです。そういう点では、この加えてというのは、今の免許法上ではもう現実的にほとんど無理です。ですから、ここの表現もまたさらに増えるのかということの懸念を排したほうがいい、表現上工夫したほうがいいと思います。
 それから3番目ですが、教職課程を厳格化するというのは非常に大事です。でも、先程から出ていますように、これは国立、私学、両方合わせて慎重にやっていかなければならないと。ようやく始まったばかりですね。それで、その際に事務体制が非常に大変だということを書いてありますが、私はこの際、いろいろな制度的なことはわかりませんが、思い切って任命権者である地方の教育委員会も、まさに教職課程が実際にどのように進んでいるかというのにある程度関与していただく。大学、あるいは国、そして地方、この三者が共通に何らかの形で、地域ごとに特色もあるでしょうし、教職課程の厳格化に歩調を合わせるというような制度的な仕組みを考えたほうがいいのではないかなと思います。
 もう一つだけ。今回の答申案で、非常に注目されるのは、パラダイム転換という先ほどお話がありましたが、1つの制度的には学位と研修とをつなげる方向なんですね。私は、これは非常に柔軟に運用すればいいという、具体化はこれからでありますが、だから例えば先程もお話にありましたが、免許更新制も、40歳の人はそこで一定のコースを取れば「専門免許状」でいくということになるわけですね。「専門免許状」を取ることで、更新によって失効するというようなことを避けられる。そういう意味で重要だと思うし、非常に貴重だと思うのですが、最初の10年目の「一般免許状」のところと初任者研修との間のかかわりについては、必ずしもまだ説明が十分ではない。それでは、どこかの新聞では担任を持たせないという話もありましたが、それは書いていないんですけれども、仮にもしそんなことをやるとしたら、また莫大な人員が必要になってきますよね。それから、小規模校ではそういうことは到底無理です。
 そういう点で言いますと、話が広がりますが、私は今回の答申案で非常に大事なのは、実際に希望の書を書くことはそう難しくないと思いますけれども、それが実際にどうやったら実現できるかという具体的な条件の検討をあわせてやらなければ、またいろいろ新しい話が出てきたかということで、非常にネガティブに受けとめられる。そういう点では、客観条件、財政的なものも含めて、そのシミュレーションをきちんとやるということを、ぜひ今後の課題にしていただきたいと思います。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。それでは、堀内先生。

【堀内委員】 
 今回のこの報告で、マスコミを含めまして一番注目されているのが、免許状の種別がどう変わっていくのかということだろうと思います。今朝の新聞等にもそのようなニュアンスの書きぶりがあったと思います。それで、今までの二種、一種、専修という、いわば学歴に準じたバーティカルな免許の種別というものを、今回言葉で言いますと、基礎、一般、専門と、それはややもすると誤解される部分が出てくるのではないかなと危惧しているわけです。
 今、ご論議がありましたように、基礎免許は今の一種免許、学部卒、バチェラーをベースとしたものである。基礎だけれども、ここにもありますように、ある意味では有限性を持たせる、パーマネントはありませんというところは明確に位置づける必要があるだろうと。一般が5年か6年かわかりませんが、いわゆる修士号を伴うもので、文字どおりベーシックな一般であるというところの見方というものが必要だろうと思うんです。
 以前の鈴木副大臣のお話といいましょうか、ホームページなどからちょっとあいまいだなと私は思っていたんですけれども、この専門免許というのはどのように位置づけるのかと。今言った、多分バーティカルな流れではなくて、むしろホライゾンタルな問題ではなかろうかと、このように考えているわけです。今言った学歴構造で言うと、これはマスターであって、その上にドクターを取った者が専門ということはどなたも言ってないし、どなたも考えていない。すなわち一般免許である修士課程の横に、さらに学校経営はこれに触れられてありがたいんですけれども、特別支援であったり、学校経営であったりという、より専門性の深いものが、プラスアルファとして専門性を持つ専門免許と位置づけると。多分、この原案をおつくりになったのはそういうことだろうと、まずは確認ですけれども、それでよろしいでしょうかということなんです。
 その辺、ややもしますと間違って伝えられる可能性が、ちょっと読んだだけではあったのかなと危惧しております。そうなった場合に、あくまでも一般免許、これが修士課程を基本として出されるものであって、基礎免許はそれに対する準備的なものであって、テンタティブであるのか、あるいはアドホックなのかわかりませんが、有限的なものである、限定的なものであるという認識は共有していただきたいなと思うんです。
 このことがずっとこの間、いろいろなところで論議されましたように、この高度化を図ったときに、では、今、20万件の免許が出ているんですけれども、それを前提として果たして実現していくことができるのか。あるいはインセンティブというものが、果たして保障できるかどうかというような論議を呼んできたと思うんです。当たり前にこれをシミュレーションしていけば、一般免許、すなわち修士課程を原則としたときに、言い方は悪いんですけれども、今の850―これは短大も含めてですが―の認定課程というものは淘汰されざるを得ないと思うんです。淘汰という言葉がいいかどうかわかりませんが、開放性を前提としながら、本当に看板だけの大学はお店じまいしていただいてもしようがないだろうと。そうなると、20万件という免許発行件数はぐっと縮まってくるだろうと思うんです。
 ですから、実習も実数で言いますと、今は20万件近いものをやっていると思うんですけれども、これがうんと圧縮される。実際の教員の実就職者数であります3万とか、4万とか、ここまで収れんしていくということが、ある意味では普通に考えられるのではないかと思います。この案では、いわゆる社会学的な部分というのは一切触れられていませんけれども、そういったことをできるだけ具体の制度の設計に至る中で、認識としては共有していく必要があるだろうと考えています。これが1点です。
 2点目が、免許更新にかかわってのことで、実は専門免許のところで、さまざまな研修の活用ということがあるんですけれども、実は私は免許更新こそ、今の教員研修の活用ということに触れていいのではないかなと思っています。言うまでもなく、日本は世界で最大の研修大国だろうと思っています。本当に先生方は熱心だし、その効果も大変高く上がっています。ところが、これを一切、資格だとか、あるいは待遇等々に絡めていない。ましてや今回、今の制度ですけれども、免許更新という形で動き始めたわけですから、ここに行政研修に限らず、大学でいろいろなものに参加していただくのも含めて、ポイント制―これは外国でよくやっていることですけれども―を導入しまして、例えば5年とか10年でこれだけのポイントを研修として受けた方については、可能にしていくというようなことがあっていいだろうと思っております。
 もう一つのほうは、具体で申しますと、今の免許制度とかかわってくると思うんですけれども、免許更新をどういう形でこれから、いろいろ政治的な問題がありますので難しいと思っていますが、今、現にやっているものの、ある意味では修正という形でも展望していく。具体で言いますと、政治的な問題がありますので、今の野党の方々にもご理解いただけるようなところを持って行って、より合理的に、今の教員がどのような形で実際の教師生活を送っているか。それに基づいて、この免許更新というものを意味があるものに転換していくのかというような視点があっていいのではなかろうかと思います。書きぶり等々については、ここでお話しすることではないと思いますけれども、もう具体で、今、立ち止まっているわけですから、それについて何か打開策になるようなものを含んでいただきたいと思います。
 ついでで恐縮ですけれども、最初に言いましたように、学校経営について大変多く触れられていて本当にありがたく思っています。これは文科省の事務の方にお願いですけれども、今、都道府県や政令市で、学校経営に関する、すなわち管理職に対する研修をどの程度やっているのか、実態をぜひとも調査していただきたいと思います。調査結果をいただきたいのではなくて、実はそういう調査をやることによって、各教育委員会にこれをやる必要があるんだというスタンスを明確に示していただきたいと思っています。
 実態は大変お寒い状況にありますので、ここに書かれているように、大変すばらしい方向づけというものを、教育委員会のほうでぜひとも受けとめていただきたいという契機にしていただきたいと思っております。最後は余分な話で恐縮です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。それでは、横須賀先生、どうぞ。

【横須賀委員】 
 免許制度で、ここに書かれていないことで一番大きな問題は、免許資格を得ても教員にならない人間が非常に多いということ。例外的にあるというのではなくて、そっちのほうがずっと多いというのが、免許の社会的信用度を下げているということはもう誰でも知っているわけです。だから、ここに踏み込まないと、やはり教員の資質を支える免許制度という議論が建前だけになってしまう。
 それで、ぜひここは触れるべきだと思っているのですが、免許更新制度というのが実は意外におもしろい問題を出してしまったと思うのは、免許更新制度の中では教員になっていない人の免許状というのは、失効してしまうわけではないんですよね。あれは潜在しているという、わりに応用力のある問題なのではないかと、これは意図してそうしたのか、結果そうなったのかよくわからないんだけれども、応用が効くのではないか。だから、ここの「暫定的」と書いた気持ちにはかなりそういうことが入っているのではないかと、私は読み過ぎかもしれないけれども、「暫定的」という表現がいいとは思いませんが、やはりここのことはもう言わないといけないのではないでしょうか。
 つまり教員にならない人間がたくさん、同じように免許を持っているという状態、これについて免許制度としていいのか悪いのか、こういうことなら解決できるのではないかという提案をしていかないといけない時期に来ているのではないか。
 それから、もう一つ、この「義務教育免許状」と「中等教育免許状」という、今まであまりここで議論されたかどうかはわからないけれども、非常に踏み込んだ定義があって、これも重要だと思うのですが、教員の資質を生涯にわたって支えていくというところに免許制度のことを持ち込んでくるのだったとすれば、本当に今の幼稚園についての免許状、高等学校についての免許状、これは同じ枠組みの免許状として扱っていいのかどうか、これも踏み込むべきではないか。やはり幼稚園の場合はもう、今度は保育との一元化の話のほうがずっと重要になってきているのではないかと私なんかは思いますから、この学校教員の資質を支える免許状制度の中に入れてくるのか、別枠で考えるべきか、免許制度から外してしまうのか、そのくらいの議論が必要になる。
 同じようにあちこち実地視察なんかに行って議論すると、高等学校に本当に教員免許が必要なのかということは多くの人がおっしゃる。でも、戦後の長い間で踏み込んだ議論というのがされないままに来て、どれほど高等学校の教員免許というものが、実は教員免許制度の実施を妨げてきているのか、薄めてしまっているか。幼稚園と高等学校については、もしこのような答申案のように免許制度というものを考えるのだったら、思い切って基本的に考え直すべき時期に来ているというように思います。
 時間がちょっと残ったようなので、発言させていただきました。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。これは事務局のほうで何かご発言はありますか。あまり大きな問題過ぎてしまって、すぐには答えられないですね。

【日向教育改革調整官】 
 幼稚園段階の話は何度も触れさせていただきましたが、今、別の検討が行われておりますので、その状況を見ながら、こちらでもまた議論を深めていただければなと思っております。

【田村部会長】 
 横須賀先生、よろしゅうございますか。幼保一体化の議論が今展開していますので、そちらでの議論が進んでいるところですので。

【横須賀委員】 
 むしろそっちを進めるために、こっちから出すというのも一つの議論の仕方ではないかということです。

【田村部会長】 
 どっちのほうに行くか、まだわからないんですよね。それで、非常に困っているところがあるわけです。

【横須賀委員】 
 はい。

【田村部会長】 
 それでは、安西先生、どうぞお願いいたします。

【安西副部会長】 
 大学での課程の議論が多いので、一言申し上げておけばと思います。私は中教審の中で、大学分科会のまとめ役をやっておりますので、そちらの面から多少のことを申し上げておければと思います。
 日本の大学はご存じのとおりで、4年制大学だけで700余り、短大を含めて1,000以上の大学があるわけで、今、そういう大学全部一緒にして考えたほうがいいのか、それともいろいろな機能を分化して考えていったほうがいいのかということがずっと議論されてきております。教員養成系の大学、学部等々におきましても、そういう中での見方というのが出てくるわけで、その中で機能分化につきましては、おそらく流れとしてそういう方向に行くだろう。
 一方で大学の自治というのがありますので、大学側はこういうことだけの機能というのは、総合大学の場合には特にそういうことだけに特化するというのはなかなか踏み込まないんですけれども、今、大学が置かれている状況はもっと広く言いますと、社会、特に経済界からは大学卒業生は一体社会で本当に役に立つのか、こういう意見が相当あります。一方で、専門学校、専修学校からは、同様に大学に行く必要があるのか、専修学校、専門学校でいいのではないか、これは教職課程とは別ですけれども、そういう声もある。そういう中での大学のあり方というのは、広く申しまして機能を分化させていくべきだという方向に来ているわけであります。
 そういう中で、教員養成系の大学・学部等々のことを考えてみたときに、やはりそれぞれの学部等々、さっきから言いますけれども、学部において一体どういう教員養成の仕方をするのか。さらにプラスアルファでいくのであれば、そのプラスアルファのところでどういう教育をするのであるかということが、こういう専門家の皆様のお集まりだけではなくて、外で問われることになると思います。
 そうしますと、いい先生というのはどういう先生なのか。今までの先生がいい先生であるならば、それプラスアルファを考える必要はないのではないか。では、プラスアルファというのは一体、いい先生というのは違うイメージになるのか。そういうことについて、具体論になるかもしれませんけれども、やはりある程度考えていただく必要があるのではないか。そういう中での免許状の制度ということになっていくのではないか。免許制度だけを外形で議論されますと、もっと広いところへ出していただくと、なかなか一体中はどうなっているのかということになるのではないかと思います。
 非常に大事な議論をしていただいていますので、ぜひそこのところは踏み込んで検討していただければと思いますし、ここに出ておりますこの審議のまとめの文章の中には、いろいろそういうことも書かれておりまして、そういうことについてある程度踏み込んだ議論をしていただく必要があるのではないかと思います。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。確かに議論が深まれば深まるほど、今の安西先生のご指摘のことが出てくるんですね。これからもいろいろな場で出てきます。まとめに向けて、またいろいろなご意見があることはよくわかっていますけれども、どこかで触れなければならないだろうと思います。
 では、松木先生、どうぞ。

【松木委員】 
 教育委員会と大学との連携について、特に課程認定のことについてなのですが、もう課程認定の数があまりにも多過ぎて、文科省としても実際上は機能していないのではないかなと思うんですけれども、それについて先ほど村山先生から、関係者の中で、例えば教育委員会と大学との関係の中で、そのようなことも含めて検討していくようなことがいいのではないだろうかというお話がありました。
 私も認可していくというやり方ではなくて、もう少し当事者同士の間で検討してくことが可能になるといいなと思うのと同時に、さらにそれを入り口の段階で課程認定するかどうかということ以上に、むしろFDに当たる部分、どうやって教育の中身を検討していくのかということについて、大学教員が明確に位置づけてやっていくようなところにも、課程認定の認可よりも、そちらの実際の教育の中身のほうに少しずつウエイトを置いていくべきではないかなというような気持ちでいます。

【田村部会長】 
 ありがとうございます。今のお話をぜひひとつ文章でいただけるとありがたいですね。松木先生、よろしいですか。

【松木委員】 
 はい。

【田村部会長】 
 それから、中西先生、どうぞお願いします。

【中西委員】 
 すみません、1点だけ。先ほどの暫定的云々のお話ですけれども、横須賀先生がおっしゃったように、多分これはかなり意識して入れられた言葉ではないかと思いますし、「暫定的」という言葉を取ればいいという話ではないような気がします。その後に一定期間のうちに次を義務づけるのであれば、「暫定的」という言葉を取っても同じことですから、義務づけるのであれば暫定的な免許であるわけですから、安易に「暫定的」という言葉だけを取る修正だけはしないでいただきたいと思います。

【田村部会長】 
 それはもうそのとおりだと思いますので、内容の問題になりますから、どのように考えていくか、よく検討してみたいと思います。
 それでは、大体議論は出尽くしたと考えさせていただいてよろしいでしょうか。一応予定の時間なんですけれども、奇跡的に何とかまとまりそうです。これはいつになるかわからないと思っていたんですけれども、ご協力いただきまして何とかご議論をいただいたと。まあ、ご発言されていない先生がいらっしゃいますね。相川先生、新藤先生、宮川先生、どうぞ。

【相川委員】 
 この内容は非常によくまとまっているとは思います。私は保護者の立場ですけれども、教師の質はどういうことを指すかということ。まず個人的にはその人自身の教師としての自信と、物事の判断をする判断力と、後は周りとの信頼関係。これは実践で得るものであって、なかなか学校で学べるものではない。そういうものを考えたときに、社会の人を入れていただいたということは非常に画期的なことだと。
 それともう一つ、学校経営、校長先生、マネージメントの問題ですけれども、私はこれは大学では難しいと思います。これは一般社会のものを活用するということを、もうちょっと下の段階、行政、各地域で取り入れていただけたら、もうちょっと活用されていくのではないかなと考えました。
 以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。コミュニティーの問題ですね。確かにおっしゃるとおりです。
 では、新藤先生。どうぞ。

【新藤委員】 
 ありがとうございます。
 教員免許制度については、前回にでも私の考え方として、先ほど横須賀先生の話にもありましたが、実際に教員免許は持っているんだけれども、教員を目指していなくてそのまま持っている人と、実際に10年、20年と教員をやっている人間が持っているものが、基本的に言うと保護者の側にも言葉があるわけですけれども、保護者会などの折に、「私だって免許持っているんですよ、先生」という言い方をする保護者がいるわけです。そういう面でいくと、10年なり、20年なりで、実際に実践的に培ってきた実力というんですか、能力といったものが、免許に何も反映していかないというのでいいのかなと。そして、その免許更新制度で30単位取得すれば更新ができるという、それだけでいいのかなというのもありまして、専門免許制度ということについては、真剣に考える必要があるのかなと私自身は思っています。
 それから、もう一つは校長のマネジメントの問題ですけれども、これだけ本当に多様な課題が学校にどんどん山積してきて、そして教員の世界でいけば、大量退職、大量採用の時代を迎えて、この間ほんとうに10年も20年にもわたって、新規採用教員がほとんど入ってこなかったということから、先輩教員から若い教員につないでいくという学校の文化みたいなのが本当に途絶えてしまった学校がほとんどというようなところで、そういう面では校長のリーダーシップ、マネジメントというのはものすごく問われるなと思うんです。
 ただ、今のような校長の状況で言いますと、教員をやって、教員の中から、例えば東京の場合ですと、若いと三十三、四歳ぐらいから、いわゆる教頭、副校長試験を受けて、何年か研修を受けて、30代の途中で副校長になって、3年たったら校長選考が受けられて、校長選考に合格すると校長になるという形になっているわけです。そういう教員としてのライフステージの中で、校長に必要なマネジメント能力が本当に身につけられる場というのは、正直言って自分自身の経験から言っても少ないわけです。
 私の場合は、指導主事ということで、学校を離れて教育委員会に身を置き、さまざまな経験をしたことによって、果たしてどの程度のマネジメント能力が自分自身についているのかというのは自分自身では評価できないんですけれども、そういう機会はあったわけですが、ほとんどの人がそういう機会はない。そうすると、どこでどうやって培ったらいいのかということ、これは本当に真剣に考えていかないと、何か問題が起こるとすぐ校長が悪い、学校が悪いと言うだけでは物事は解決しないわけですので、学校にそれだけ頼っていただいているというか、子どもの教育について信頼をしていただいているならば、それに見合うだけのそこを管理できる校長の質・能力を高めていく。そうした意味での専門免許制度みたいなことは考えていく必要があるのかなということを思っています。

【田村部会長】 
 ありがとうございます。専門性を大事にするということですね。本当にその通りだと思います。
 それでは、宮川先生ですか、どうぞ。

【宮川委員】 
 発言を控えておりました。
 私が今ここの1点目と2点目を絡めて、これまでこの会議に参加して、1つ確認をしたかったというか、できるようになればいいなと思っていることは、松木先生がレポートして出されている部分で、私は解決していくのかなと思っています。というのは、例えばこれまでもこの文章の中に共同的な学びだとか、組織的マネジメント力、あるいはそういった言葉が並んでいますが、これは学校の教員によく求めています。しかし、大学の教授レベルの様子を見たときに、果たして大学はそのような現状になっているのかということを私は疑問に思っています。
 それにチャレンジしたのが高岡先生の島根大学であろうし、松木先生の大学にこの間お邪魔したときに、時間を相当にとってFDをやっていらっしゃるんです。そういう中から大学の先生方同士が、本当に小中学校の教員、高等学校の教員に求める、例えば指導方法なり、指導形態なり、あるいは先ほど藤原委員がおっしゃっていましたけれども、民間でなさっているさまざまな手法を大学の教員養成のレベルでやっているのか。それにおこたえいただけるのであれば、私は大半の学校は変わるでしょうし、教員の資質・能力も大きく変わってくるんだろうと思っております。
 そういうことで、松木先生がFDに当たる部分についてということを先ほどお話しいただいて、レポートであるということが確認されましたので、ぜひそこで明確に大学としてやっていただくことと、それから教育委員会、あるいは教育委員会と大学が連携してやることというあたりの整理はもうできてきていると思いますので、そこだけもう少し明確に進められればなと思った次第です。
 ありがとうございました。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。とても重要なことを指摘していただきまして、ぜひ一つは、これは文章のどこかで表現したいと思います。
 とはいっても大学に頼らざるを得ないんですよね。だから、大学にしっかりしてもらうよりしようがないんだけれども、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、時間になりましたので、貴重な時間をいただきまして本当にありがとうございました。一応これで審議をしていただいたということになりますので、なお、ご意見等はぜひ文章でお寄せいただきたいと思います。
 続いて、残った時間を使わせていただきまして、特別支援教育について、現在の審議状況をご報告いただきます。よろしくお願いします。

【千原特別支援教育課長】 
 特別支援教育課の千原でございます。
 お手元の資料3-1を使って、簡単に背景等を紹介させていただきたいと思っております。現在、第1パラグラフにありますように、平成18年に国連総会で採択されました障害者の権利に関する条約、障害者権利条約につきまして、日本は既に署名はしてございますけれども、まだ批准をしていないということで、現在、政府ではできるだけ早く締結するということを目指して、必要な国内法令の整備等について、今、議論をしているところでございます。
 これにつきましては、第2パラグラフでございますけれども、総理大臣を本部長、また全大臣がメンバーとなっております「障がい者制度改革推進本部」が設置されております。その下に「障がい者制度改革推進会議」という有識者の会議が設置されて、批准に向けた議論がなされているという状況にございます。この議論は、福祉とか雇用とか、あるいは交通、住宅、差別禁止等と多岐にわたっておりまして、その中に教育も含まれてございます。
 第3パラグラフでございますけれども、インクルーシブ教育システムの構築という障害者権利条約の理念を踏まえて、どう制度改革をするかという基本的な方向を今ご議論されているという状況にございます。推進会議は設置後、それぞれたくさんの議論について、20回以上会議を開催して議論を進めておりますけれども、6月7日に「第一次意見」というのを取りまとめてございます。この「第一次意見」における教育についての問題認識というのが、障害の有無にかかわらず、すべての子どもは地域の小・中学校に就学する、かつ通常の学級に在籍するということを原則として、希望があれば特別支援学級、あるいは特別支援学校に在籍することができる制度に改めるというのが、「第一次意見」のエッセンスでございます。
 これを踏まえて、6月29日には閣議決定がなされまして、下の囲み1.の中段ぐらいでございますけれども、条約の理念を踏まえて、体制面、財政面を含めた教育制度の在り方について、平成22年度内に基本的方向性について結論を得るべく検討を行うという閣議決定がなされてございます。これに基づきまして、中教審初等中等教育分科会の下に、特別支援教育の在り方に関する特別委員会が設置されて、議論をしていただいているという状況でございます。
 裏面と資料3-2は時間の関係で省略させていただきまして、恐縮ですが、資料3-3をお手元にご用意いただければと思います。これが現在、7月の設置から7回にわたりまして、特別委員会を開催いただいておりまして、年内の中間まとめといいますか、論点整理ということで、今、議論が詰まってきてございます。これが今の最新の論点整理(案)でございます。
 資料をおめくりいただきますと、例えば2ページに1.総論というのがございまして、四角の中がポイントとなってございます。簡単にご紹介させていただきますと、最初の白丸、インクルーシブ教育システムの理念、それに向かって方向性は基本的に賛成だと。ただ、2つ目でございますが、重要なことは特別な教育的ニーズのある児童・生徒に対して、最も的確にこたえる指導を提供できる多様で柔軟な場の仕組みの整備が大事だということをうたっていらっしゃいます。
 また、少し飛ばせていただきまして、次の2.就学相談・就学先決定の在り方ということでは、6ページでございますけれども、就学相談、あるいは教育相談というのは、乳幼児期を含め、早期から行うことが必要であるという点。
 また、次の7ページにいかせていただきまして、就学基準に該当する障害のある子どもは、特別支援学校に原則就学するという従来の就学先決定の仕組みを改めて、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人・保護者の意見、専門家のご意見等を踏まえて、総合的な観点から就学先を決定する仕組みとすることが適当だという整理になっています。その際、本人、保護者の意見を最大限尊重して、本人、保護者、教育委員会、学校等が教育的ニーズと必要な支援について合意形成を図りながら、最終的には市町村教育委員会が決定するという方向が出されておるところでございます。
 また、本部会との関係では、飛ばしていただいて大変恐縮ですが、15ページをご覧いただけますでしょうか。4.で教職員の確保及び専門性向上のための方策ということもご議論されております。このインクルーシブ教育システム構築のため、教職員の確保、専門性の向上に図るための具体的方策として、大学での教員養成の在り方、あるいは現職教職員の研修体系、あるいは採用・配置について、今後検討していくことが必要ということで、半年弱の議論でございますので、こちらもまだ引き続き検討を進めていかれることとなっております。
 ここだけ若干細かくなりますが、16ページをご覧いただけますでしょうか。(2)の丸1でございますけれども、すべての教員が特別支援教育についての専門性を持っていることが望ましいといったご指摘。また、通常の学級の担任、特別支援学級担当教員について何らかの専門性向上のための方策を検討していく必要がある。例えばということで、通常の学級の教員については、大学で特別支援教育関係の単位を修得することが望ましい。あるいは小・中学校において、特別支援教育を担当する教員のための免許状の創設なども考えられるというようなご意見が出てございます。こちらについては、その後にありますように、本部会で免許制度全般についてご検討をされておりますので、こういった中でも検討していただく必要があるというようなまとめになっております。
 また、その次の丸2は研修について、都道府県、市町村での特別支援教育に関する研修をすべての教職員に必要なものとして実施するか検討が必要である、等々のご意見が出ているところでございます。
 駆け足で恐縮でございますが、以上でございます。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 今、非常に大きな問題進行しております。中教審でそういった部会を立ち上げて議論していただいているわけですが、時間があまりありませんけれども、何かご質問等がございましたら、ちょうどいい機会ですから、いかがでございましょうか。特によろしゅうございましょうか。横須賀先生、よろしいですか。

【横須賀委員】 
 大変ご苦労さまですけれども、免許のこと、今の免許制度とどういう議論になっているのか、もうちょっと教えていただけると。

【千原特別支援教育課長】 
 恐れ入ります。今、特別支援学校の先生方は、通常の免許に加えて、特別支援学校免許状というものをお取りいただくというようなことになっておりますが、例えば今、発達障害の可能性のあるお子様が通常の学級にも存在しているということで、文科省の平成14年の統計では6.3%ぐらいいらっしゃるのではないか。そうすると、1クラスに1人、2人ぐらいいらっしゃるという状況において、特別支援学校の免許状でいいのかどうか。普通の先生方も、特別支援教育について何か免許が要るのではないかというようなご指摘があった次第でございます。

【田村部会長】 
 よろしいですか。では、どうぞ。

【松木委員】 
 インクルーシブな教育のほうに進めていくときに、特別支援学校の存在そのものの問題が当然出てくるかなと思うんです。それがあるということは、ある意味、インクルージョンではないということでもありますよね。そういう意味で、逆に特別支援学校の役割が、日本型の特別支援教育を進めていくときに極めて重要な役割を持っているのではないかなと思うのですが、そのときに例えばセンター的な機能の推進ということで、各学校への支援ということを、小・中学校義務制やら、高校への支援ということをしておりますよね。
 そういった能力について、特別支援学校の教員に求められる資質として加えていくようなことは考えていらっしゃるのでしょうか。あるいは通常学校の中における、全員が取るということだけではなくて、特別支援学級の先生方に対する免許のあり方だとかいうことについては、どのような議論になっていらっしゃるのでしょうか。

【千原特別支援教育課長】 
 今のご指摘の点につきましては、お手元の資料3-3の14ページに、先生ご指摘の「特別支援学校のセンター的機能の活用」というところがございます。例えば14ページ下のほう、丸1でございますけれども、ここに書かせていただいているようないろいろな機能がある。ただ、それについては、さらに下のほうですが、センター的機能の一層の充実を図る、またはその専門性の向上についても取り組む必要があるというようなご指摘がございます。また、推進会議の一意見では、原則通常の学級に進むということになっておりますが、先方も特別支援学校の存在そのものについて否定するものではないというようなご意見を聞いておるところでございます。

【田村部会長】 
 よろしゅうございましょうか。

【松木委員】 
 はい。

【田村部会長】 
 ほかにもご意見があるかもしれませんが、貴重なご意見をちょうだいしました。時間になりましたので、一応これで切り上げさせていただきたいと思います。
 なお、ご質問がありましたら、別途文章で出してもらえばいいですね。
 それでは、最後に小学校教員の資格認定試験について、事務局からご説明をお願いしたいと思います。

【山下教職員課長】 
 失礼いたします。教職員課でございます。
 資料4-1と4-2です。これは前回の会議におきまして、村松先生からのご質問で、小学校の教員資格認定試験の状況はどうなっているのか。特にこの試験の趣旨は社会人登用ですけれども、現役の大学生が多く受験しているのではないかと。それから、合格した人がどれぐらい教員に採用されているのか知りたいというご質問がございましたので、お出ししたものです。
 資料4-1は、上半分がこの試験の応募者の職業別比率、下半分が合格者の職業別比率ということでして、年によって若干ぶれがございますけれども、教員は約20%から30%、それから現役の大学等在学者は30%から40%ぐらい、社会人が同じぐらい、30%から40%ぐらい、こんな感じで推移をしているところです。
 それから資料4-2は、合格者の方々がどれぐらい教員になっているかと。これは過去5年間の合格者にアンケート調査を実施した結果ですけれども、円グラフをごらんいただきますと、小学校の正規教員になっている者が41%、その他の校種が9.5%、それから非常勤講師8.8%、これを合わせますと大体6割ぐらいの人が、合格後に教壇に立っているという結果でごす。
 ということで、一定程度は社会人登用システムとしての役割は果たしているというふうに言えるのではないかと思いますが、実はこの小学校教員資格認定試験ですけれども、中教審の教員養成部会におきましては、昨年春の段階で、一旦この試験をお休みしてはどうかという議論を行った経緯がございます。これは実は国立大学の協力で実施している試験でして、その負担も非常に大きいということでございます。
 しかしながら、その後パブリックコメントを実施したところ、休止には反対であるというご意見が多数ありました。また一方、政権交代後の行政刷新会議の事業仕分けの場では、実はこの試験は必要であるという判定をいただいたところです。その関係で、本年度も予算を計上して実施しているということでございます。現在、問題作成を7つの国立大学にお願いしております。具体的には上越教育、兵庫教育、鳴門教育、それから茨城、群馬、信州、鹿児島大学、それから試験実施会場として東京学芸大学を含む6つの国立大学にご協力をいただいています。
 大変な負担であるということは、非常に認識はしているのですけれども、今しばらくこれは実施せざるを得ないということでございます。今、この特別部会でも大きな制度改革の方向性をご議論いただいておりますので、それを見定めた上で、この教員資格認定試験の在り方について、改めて検討してまいりたいと思っております。それまで関係大学におかれましては、今しばらくご協力をいただければということを、この場をかりてお願いする次第でございます。
 なお、この試験の実施については、国から若干委嘱の予算ということでお金も出るわけです。もし実施したいというご希望がございましたら、国公私立の別は問いませんので、ぜひお問い合わせをいただければと思っております。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。よろしゅうございましょうか。
 では、時間になりましたので、本日の部会はこれまでにしたいと思います。本日の議事に関することでお気づきの点、あるいはご意見、お考えがございましたら、後ほどで結構ですので、事務局までご連絡くだされば、繰り返しご説明をしておりますけれども、よろしくお願いしたいと思います。これは期日は決めていますか。

【日向教育改革調整官】 
 次回は12月中旬ぐらいを予定しておりますので、大体1週間ぐらいをめどにさせていただければと思っております。

【田村部会長】 
 ありがとうございます。それでは、1週間、10日のうちぐらいにいただきたいということで、ご意見を賜ればと思います。
 なお、次回会議は12月中旬をめどに開催します。12月中には結論を出したいんですけれども、1回でできるか、2回でできるかわかりません。とにかくじっくりとご審議いただき、お考えをちょうだいしてまとめたいと思いますので、よろしくご指導をいただきたいと思います。
 それでは、本日はこれで閉会としたいと思いますが、何かありますか。

【日向教育改革調整官】 
 今日は精力的にご審議いただきまして、どうもありがとうございました。また、ご意見の提出方法等は別途部会長とご相談して、事務局よりご連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。

【田村部会長】 
 以上でございます。本当にありがとうございました。

 

お問合せ先

初等中等教育局教職員課

-- 登録:平成23年01月 --