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教員の資質能力向上 特別部会(第5回)・教員の資質能力向上 特別部会(第6回)合同会議 議事録

1.日時

平成22年9月14日火曜日 13時~17時30分

2.場所

文部科学省東館3階講堂

3.議題

  1. 教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について
  2. その他

4.出席者

委員

田村部会長、安西副部会長、青山委員、小原委員、加藤委員、岸田委員、新藤委員、高岡委員、高桑委員、長南委員、中西委員、布委員、八田委員、日渡委員、藤原委員、松木委員、宮川委員、向山委員、村松委員、村山委員、森田委員、横須賀委員、吉田委員

文部科学省

清水事務次官、金森文部科学審議官、土屋官房長、前川総括審議官、日向教育改革調整官、板東生涯学習政策局長、河村私学部長、小松審議官、勝野私学行政課長、藤原振興課長、渡邉教員養成企画室長、山中初等中等教育局長、德久審議官、尾﨑審議官、中岡初等中等教育企画課長、伯井財務課長、山下教職員課長、新田教員免許企画室長、白鳥課長補佐、田中室長補佐 ほか

5.議事録

【田村部会長】 
 まだ一、二、委員の先生がお見えになっていないのですが、少し遅れるというご連絡もありましたので、定刻でございますので、ただいまから第5回目中央教育審議会教員の資質能力向上特別部会を開催させていただきます。
 非常に重要なテーマですので、委員の先生方の出席率も大変よろしゅうございまして、大変ありがたいなと思っています。大分暑い中で頑張ってまいりましたが、今日あたりはちょっと、ほっと一息という感じですが、これから陽気もよくなりますので、審議の進め方について、ご協力をいろいろとお願いしたいと思います。
 それでは、事務局から本日の配付資料の確認をお願いしたいと思います。

【日向教育改革調整官】 
 それでは、議事次第に沿いまして、配付資料の確認をさせていただきます。まず資料1でございますが、教員の資質向上方策の見直し及び教員免許更新制の効果検証に係る調査集計結果【速報】でございます。資料2-1といたしまして、教員免許制度に関する主な論点と意見の概要についてでございます。資料2-2といたしまして、それに関する参考資料でございます。資料3-1ですが、採用と学校現場への多様な人材の登用に関する主な論点と意見の概要についてでございます。資料3-2といたしまして、それに関する参考資料でございます。資料4-1といたしまして、現職研修等に関する主な論点と意見の概要についてでございます。資料4-2といたしまして、それに関連する参考資料でございます。資料5-1といたしまして、教育委員会・大学等の関係機関の連携・協働に関する主な論点と意見の概要についてでございます。資料5-2といたしまして、それに関する参考資料でございます。次に資料6でございますが、各論点に関する主な意見ということで、第4回目までの意見をまとめさせていただいております。第4回のものにつきましては赤字で追記をさせていただいております。資料7といたしまして、新・教職員定数改善計画(案)でございます。
 参考資料についてでございますが、参考資料1といたしまして委員名簿、参考資料2といたしまして、前回宿題としていただいておりました平成18年答申「今後の教員養成・免許制度の在り方について」具体的方策と残された課題でございます。参考資料3といたしまして、平成14年答申「今後の教員免許制度の在り方について」でございます。参考資料4といたしまして、平成22年度公立学校教員採用選考試験の実施状況について(速報値)でございます。
 また、資料名は書いてありませんが、若月委員、藤原委員、日渡委員より配付資料をそれぞれ提出していただいております。
 なお、前回第4回の議事録案についてでございますが、委員の先生方の確認前のものであることから、会議の配付資料とはしておりません。別途、委員の先生方の机上に議事録案を置かせていただいております。議事録案についてご意見がある場合には、9月21日火曜日までに事務局までご連絡をいただければと思います。ご欠席の委員にも照会をした後、部会長に議事録を確定していただきます。確定した議事録は次回の会議資料とするとともに、文部科学省ホームページに掲載をいたします。
 以上でございます。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 若月委員、藤原委員、日渡委員から大変参考になる資料をお出しいただいたわけですが、藤原委員、日渡委員はお見えになりますので、後ほどこれをまた解説していただくということでお願いします。若月委員は今日はどうしても議会の関係で欠席ということで、くれぐれもということで私も話をお伺いしておりますが、まとめてうまくご意見を言っていただいている資料でございますので、後ほどご参考にしていただければと思っております。
 それでは議事に入らせていただきます。事務局から資料説明を最初にお願いしたいと思います。

【日向教育改革調整官】 
 それでは、資料1について説明をさせていただきます。資料1の1ページから4ページまでが、教員に求められる資質能力について、それぞれ教員、学校長、保護者、教育委員会、それから課程認定を有する大学に聞いたものでございます。
 この中で、特に初任段階の学校長の評価についてでございますが、1ページでございます、「教師の仕事に対する使命感や誇り」、「子どもに対する愛情や責任感」、それから「教員全体と同僚として協力していくこと」を除き、資質能力の充足度について「やや不足している」、「とても不足している」とする割合がそれぞれ4割を超えてございます。次の2ページの中堅段階、それからベテラン教員の段階と比べますと、かなりその評価が低い、厳しい評価ということがわかるかと思います。
 また、保護者、教育委員会が必要とされる教員の資質能力の充足度についてどう見ているかというのは3ページにございますが、ここについては全体的に「とても充足している」、「やや充足している」が多うございますが、一方で「やや不足している」、「とても不足している」という割合が1割程度ございます。このあたりも、教員の資質能力の充足度について厳しく見ていらっしゃる方が一定割合いるということがわかる資料でございます。
 次に5ページと6ページでございますが、教員に必要とされる資質能力につきまして、それをどういう制度で確保していったらいいのかを、教員、学校長、教育委員会、教職課程を有する大学に聞いたデータでございます。
 全般的に、すべての資質能力を通じ、任用後の研修制度を挙げる人が多いということでございます。また、先ほど初任者の教員に対して学校長が、資質能力が「やや不足している」、「とても不足している」と回答している割合が高い「子ども理解力」や「学習指導・授業づくりの力」、「教材解釈の力」、「常識と教養」につきましては、大学等における養成カリキュラムで資質を確保すべきという割合もある程度多いということがわかります。これらの資質を育てるカリキュラムを、大学において充実するということが求められていると考えられます。
 それから、教員採用選考で確保すべきというところにつきましては、「教師の仕事に対する使命感や誇り」、「子どもに対する愛情や責任感」、「豊かな人間性や社会性」、「常識と教養」、「対人関係能力、コミュニケーション能力」が比較的多く挙げられております。
 次に7ページでございます。教職課程の認定制度の是非でございます。「認定の基準を厳しくすべき」と回答している教育委員会の割合が2割を超えております。また、同じ7ページの(2)、教職課程の運営に関する事後評価・確認の是非でございます。事後評価・確認を「実施すべきではない」とする意見に比べると、「実施すべきである」という意見が多いということでございまして、上記の(1)を含めまして、教育委員会が教職課程のあり方について課題があるという認識をしていると考えられます。
 また、次に8ページ、教員養成について、ここでは現在の学部段階の教職課程の課題について関係者にアンケートをとったデータでございますが、全般的に課題として「内容・カリキュラムが学校現場に即していない」、「担当する大学教員の学校現場の経験が不十分」を挙げる者が多いということがわかります。
 次に、その下の教育実習の課題として、全般的に「実習期間が短い」、「実習生受け入れ校の負担が大きい」、それから「教員を志望していないにもかかわらず実習しようとする学生が多い」を課題として挙げているものが比較的多いということがわかります。特に、「実習生受け入れ校の負担が大きい」、「教員を志望していないにもかかわらず実習しようとする学生が多い」と回答する割合が学校長と教員に多いということで、実習生について受け入れ側が負担に感じているということが考えられます。
 次に9ページでございます。一定の専門性を公的に証明する資格の創設、教職課程の修士化ということについてでございます。
 特定の分野の資質能力を公証する資格を創設することについてでございますが、全般的に有益と思わないとする意見が過半数を占めております。教員や教育委員会と比べて、大学、学校長で「そう思う」と回答する割合が若干高いということでございます。
 また、資格の創設が有益と考えられる分野でございますが、「生徒・進路指導」、「教科指導」、「特別支援教育」を有益な分野として挙げる者が多いということがわかります。
 次に、資料の10ページでございます。教職課程を修士まで引き上げた場合に期待できる効果ということで、これはどの方につきましても、「教科や生徒指導などの専門性が高まる」を挙げる者が多いということがわかります。
 その下、教職課程を修士まで引き上げた場合の問題点・課題でございますが、全般的に「学生の経済的な負担が大きくなる」を挙げる者が多いということでございます。また、大学や学生の多くは、「教員として就職できない学生や、途中で教職に向かないと判断した学生の就職先が問題」というものも課題として挙げております。
 次に11ページでございます。教員研修についてということで、教員研修において充実すべき内容につきまして、「子どもの心理、発達に関する専門知識」、「各教科の指導力・授業力」を挙げる者が多いということがわかるかと思います。
 次に12ページでございますが、教員研修において充実すべき方法といたしまして、「教育研究団体等による研修会、教育研究会の場の確保」、「校内研修」、「希望する研修の受講機会を一定期間確保」、「研修受講時の代替教員の確保」、「研修関係予算」を挙げる者が多い。教育委員会は特に「校内研修」を多く挙げております。
 次に13ページでございますが、管理職に求められる資質能力の充足度ということでございます。教職員、学校長、保護者、教育委員会、教職課程を有する大学にそれぞれ聞いております。
 教員による評価でございますが、13ページの上でございます、「教職員の意欲を引き出すなどのリーダーシップ力」が「やや不足している」、「不足している」と回答している割合が2割を超えております。
 また、教育委員会による評価、これは14ページの下でございますが、「状況や課題に応じて必要な対応策を創造する力」、「教職員の意欲を引き出すなどのリーダーシップ力」、「総合的なマネジメント力」が「やや不足している」、「不足している」と回答している割合が3割を超えております。
 最後の15ページの上の部分に、教職課程を有する大学による評価で、「状況や課題に応じて必要な対応策を創造する力」、「教職員の意欲を引き出すなどのリーダーシップ力」、「総合的なマネジメント力」が不足していると回答している割合が過半数を超えております。
 また、15ページの下に、資質能力を備えた人材を管理職として登用するための方策ということで、これは全般的に「任命権者による管理職養成研修の充実」、「管理職選考の改善」を挙げる者が多いです。
 次に、教員免許更新制についてでございます。教員免許更新制の効果について、16ページから17ページにかけて、それぞれ、教員、学校長等に聞いておりますが、全般的に「最新の知識技能の習得」を効果として挙げる意見が多いということでございます。ほかに、「児童生徒への質の高い教育の提供」、「大学と学校現場の連携」を効果として挙げる大学が多いということでございます。
 次に18ページでございますが、他の研修などと比較して、免許更新講習をどのように考えるかということについてでございます。
 全般的に複数のメリットが挙げられております。「最新の教育成果を生かした内容を学ぶことができる」、「専門性の高い内容を学ぶことができる」、「新たな視点を持つことができる内容を学ぶことができる」などを挙げている意見が多いということでございます。
 19ページでございますが、教員免許更新制の課題ということで、全般的に「多忙な中で参加しにくい」とするものが最も多い。次に「受講費用が高い」、「講習内容が学校現場のニーズに合っていない」などを課題として挙げる者が多いということでございます。
 最後に20ページでございます。大学が免許状更新講習を実施する意義でございますが、「大学における研究成果等を現職教員の資質向上に生かせる」ことを意義として挙げる意見が多いということでございます。
 また、更新講習の実施主体として困難と感じた点ということで、「講習担当教員や事務担当者の負担が大きい」ということを挙げる意見が多い。
 以上でございます。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 まず、討議に入る前に、ただいま事務局からのご説明がありました委託調査結果について、ご質問、ご意見をお伺いしたいと思います。
 なお、委員の先生方のお手元に「本日の審議について」という表が配られていると思いますが、この時間を参考にしながら、今日はテーマが大変多いものですから、また長時間にわたりますので、議論が拡散する危険がありますので、念のために差し上げさせていただきました。ご参考にしていただきながら進めていただければと思います。
 いかがでございましょうか。例によりまして、名札をお立てになってご質問いただければと思います。
 どうぞ、加藤委員。

【加藤委員】 
 ありがとうございます。今、さっと見ただけですので中身の分析はしにくいのですが、個々の大学側の課題や、それぞれ教育委員会の課題等も当然内包されているわけですが、とりわけ最後の19ページで、教員免許制度というのはいろいろな意味合いがあると思います。とりわけ説明はなかったのですが、資料2-2に配られておりますように、8ページですが、資質能力をどうやって身につけるのだというと、教員の自信と誇り、社会の尊敬と信頼と明確に文章で記載をしているわけです。
 また、6月3日の、教員の資質向上の文部科学省の文書の中に、免許制度のあり方については、2項ですが、資質能力向上策の抜本的な見直しの中で総合的に検討するという項目が入っているわけです。
 こういう文章をずっと今までお聞かせ願って、このアンケートを見ると、そもそも免許制度というのは、教員から見た場合に、やはり従来から指摘された地域性や画一性、また時間的、金銭的、経済的、さまざまな負担があると。そういう意味ではまだ始まったばかりだからという視点と、もう1つは、やってもこういう結果として総合的な課題が内包しているとなれば、内実含めて総合的に「抜本的検討」というのは文部科学省の文章に書いてあるわけですから。
 そういう意味では、このアンケートをどう見るかということを含めて、私たちが今議論していますテーマの主な方向感からすると、従来型の延長でどこかを補充すればいいという視点なのか、この構造的問題を直していると。だったらその中でもう少し認識を深堀りして議論していくと。こういう視点もないと、このアンケートだけが、「こういう状況でした」だけで済むのかなという問題意識を持っております。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 非常に重要なポイントを指摘いただいたのですが、事務局から何か説明はありますか。

【日向教育改革調整官】 
 今回はあくまでも速報値ということでございまして、実はこのほかにも多くの項目を質問させていただいております。それについては現在まとめている途中でございますので、当然、そういうものも見ていただきながら、どうすればより教員の資質能力の向上が図れるかということを総合的な立場からいろいろなご意見を賜って、ぜひ答申にまとめていただければと考えております。

【田村部会長】 
 加藤委員、よろしいでしょうか。これから先、いろいろな調査をまだこれ以外にもしているようですので、それをまとめて報告した上で、まだ議論は続きます。一応、骨組みを今立てるところですので。よろしいでしょうか、そういう話で進めていただいて。
 小原先生、どうぞ。

【小原委員】 
 基本的な質問ですが、これは初等教員を対象ですか。それとも中学校、高等学校ですか。どのレベルがどういう形で答えられているのか、ちょっとこれではわからないのでお知らせください。

【日向教育改革調整官】 
 これは、小・中・高、全部の学校種の教員に聞いております。
 質問の際には、全部の学校種に聞いております。幼・小・中・高、中等教育学校、特別支援学校、それぞれすべての学校に在籍する教員に聞いております。

【小原委員】 
 すると、その答えのパターンというのは、どの段階においても似たような。

【日向教育改革調整官】 
 すみません、この段階ではそこまで分析ができておりませんので、そこは今後、詳細に分析して、それぞれの傾向を出させていただきたいと思います。

【田村部会長】 
 引き続き報告するということでよろしゅうございましょうか。
 では新藤先生。

【新藤委員】 
 基本的なところの質問なのですが、例えば教員、校長、保護者等、いろいろ聞いているわけですが、「子ども理解力」という項目でくくってありますが、この場合、何かこういうことができているのが子供の理解力があることなのだ、みたいな共通の基準みたいなものを示した上で答えてもらっているのか。それとも、もう「子ども理解力」というこの言葉だけで示して、教員とか保護者も含めて同じように聞いているのか。その辺はどうなっていますでしょうか。すべての項目に関することですが。

【日向教育改革調整官】 
 この調査は質問紙による調査でございます。それぞれの項目については、これは中教審の平成18年に出された答申から抜粋をしているものでございまして、この言葉についての説明は特につけておりません。このまま、それぞれについて、「とても充足している」、「やや充足している」ということについて、番号に丸をつけていただくという形で回答をお願いしております。

【田村部会長】 
 よろしゅうございましょうか。まあ、現場の教員はある程度正確に認識できると思います、この質問については。保護者はちょっとどうかなという気もしますが、何となく傾向はわかるという気がします。
 ほかにいかがでございましょうか。どうぞ、森田先生。

【森田委員】 
 これはないものねだりになるのでしょうか、それともデータから推測することになるのでしょうか。この中教審のこの部会で、今、小原委員がご質問されたことと関連するのですが、小学校に対してはこういう資質、あるいはこういう免許更新のあり方という、校種ごとの能力に関するアンケートを何か二次的に補足するような集計のやり方は、何かお考えなのでしょうか。随分、この中から校種ごとにいろいろと、やはり資質能力に求められるものが違うというご意見が出てまいりました。

【日向教育改革調整官】 
 今のご質問につきましては、校種ごとに一応聞いておりますので、校種ごとにそれぞれの求められる資質の充足度について数値を出すということは可能でございます。最終的にはそういう分析もしてまいりたいと思っております。

【田村部会長】 
 ほかにはいかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
 これは分析するといろいろあるだろうという気はしますね。校長先生たち、校長になっておられる現職の先生方の経験した教育実習の期間というのは、今と違いますよね。だから、それで随分見方が違うのではないかなという気もしますよね。
 まあ一応、いろいろなことをあまり考えないで、とにかく調査してみようということで数字を出しているということがありますね。
 何かご質問ございませんでしょうか。よろしいですか。小原先生、どうぞ。

【小原委員】 
 例えばこの8ページの教員養成、大学側にとっては厳しい意見だと思うのですが、担当する大学教員の学校現場の経験が不十分というのですが、その不十分と十分というのは、何をもって判断することになっているんですかね。5年もやっていれば十分とするのか、現場に10年いてもらわないと困るというようなのか、それとも全く学者だから信頼できないという意味で不十分なのか。
 その言葉の定義があいまいなために、大学側として教員を採用するときに、では何を今後やっていけばいいのかという改善の目安が立たないんですよね。ですから、もう少し具体的なレベルでの質問ということは、今後考えているのでしょうか。それとも既にとられているのでしょうか。

【日向教育改革調整官】 
 今の点でございますが、言葉の定義が不十分ではないかというご指摘でございます。
 実は、今まとめているところなのですが、この質問票による調査とともに、グループインタビューというのもあわせて実施をしております。そこでこの質問票で聞いたことを補足する意味で、必ずしも質問紙による調査をした人と一致していない場合もあるのですが、そのあたりは補足的に聞いておりますので、それをこまめに拾っていかないといけないのですが、そういう作業をしていくと、ある程度、今、先生からご指摘いただいたような傾向が見えるかどうかはわかりませんが、その可能性もあるということでございます。

【田村部会長】 
 確かに、一般論として不十分という言い方はされています。大体それはみんな同じような意見だという、その程度なんですね。あと細かなところは、またさらに分析したものを用意させていただいてということですので。
 よろしゅうございますか。村山先生、どうぞ。

【村山委員】 
 先ほど来出ています免許更新制の調査結果ですが、これはこれで一般的ないろいろな見方がよく出ていると思います。特に最後の、問題点は何かということも、まあ想定内と言いますか、経済的負担のこととかいろいろあると思います。
 それはそれで、今後どうするかということは具体的な問題でありますが、私は制度の問題としては、免許更新制というものが、ライセンスについて一定の更新ということで、それをノーにするわけですよね。そのことについて、今の更新制がいいとか悪いということと別に、制度としてはやはりもう少し検討の余地があるのではないか。
 つまり簡単に言いますと、10年ごとに一種スクリーンを入れるわけですが、非常にシンプルに言うと、1つの免許を持って、それから10年後に喪失する、あるいは継続するという場合、単純にその1orゼロだけを結果として出るというのではなくて、代替措置というんですか、免許を更新することによってより上級の免許が取れるとか、あるいは専門的な別な免許にグレードアップできるとか、そういう代償、言葉が適切かどうかわかりませんが、代償措置が見えないままというか、はっきり言えばないまま更新制があると。この問題はスタートしたときから問題であったのだろうと思いますが、やはり今、それこそ考えなければならない。
 だから、これは免許の種類をどうするのか、今日議論されると思うのですが、そういう問題につなげて総合的に考えていく必要があると思います。それについてはまた後ほど議論があると思いますから、また発言したいと思いますが、とりあえず私は、制度の問題としても、今の時点でもう少し検討していく必要はあると。ただ、それは全体的な免許制度、あるいは教職生活全体を通した教員の資質向上という本会の目的に沿って、大きなグランドデザインの中で考える必要があると思います。

【田村部会長】 
 ありがとうございます。先ほど加藤委員がおっしゃったことと通じるのですが、これはこれから議論を進めていきますので。
 横須賀先生、どうぞ。

【横須賀委員】 
 この最初のところに出てくる資質能力の充足度の統計が、学校長のところだけ初任者・中堅・ベテランに分かれていて、保護者、教育委員会、大学についてはその初任者・中堅・ベテランという区別が書いていないわけですね。ここの議論でも随分、初任者についてどうなのかとか、むしろベテランのほうに問題があるのではないかとか、そういう割に3段階ぐらいの違いについての議論がされたと思うのですが、これは今、速報値としてまだ分類ができていないのか、保護者、教育委員会、大学についてはもう1本だけでやったのかという点はいかがですか。

【日向教育改革調整官】 
 今のご質問につきましては、全体の質問量の兼ね合いもございまして、初任・中堅・ベテランというふうに3段階に分けて聞いているのは学校長に対してだけでございます。ほかの方については「教員」ということで回答をいただいております。

【横須賀委員】 
 ちょっと残念でした。保護者が意外なぐらい、初任者・中堅・ベテランの区別をして評価しているというのをずっと見聞してきたから、そういうふうに分けて聞いておいてくれたらよかったと思います。

【田村部会長】 
 わかりました。推察するよりしようがないですね。ある程度はわかる気もするのですが。ありがとうございます。
 それでは、よろしゅうございましょうか。特にもうご質問はございませんでしょうか。
 今ご指摘いただきました部分で、後ほど、資料の整理でいろいろな数字が今後も出てきますので、それをご参考にしながら、また並行して議論を進めていただくということでいきたいと思います。
 そんなことでよろしゅうございましょうか。特にございませんか。
 それでは、貴重な時間を使って貴重なご意見をいただきましたので、本当によかったということですが、大変問題がいっぱいありますので、では先に進めさせていただこうと思います。
 それでは討議に移りたいと思います。本日も、前回に引き続きまして、ある程度まとまったテーマごとにご議論をいただきたい。これは非常に内容があって、時間も長時間かけますので、議論をうまくやっていかないと収斂していかないものですから、そんなことを最初にお願い申し上げます。
 そして、その意味では、まず最初に教員免許制度についてご議論をいただければと思います。最初に事務局から資料を用意してございますので、ご説明をお願いします。

【日向教育改革調整官】 
 すみません、資料のご説明の前に、本日ご欠席の若月委員の配布資料を簡単にご説明させていただきたいと思います。
 若月委員の資料でのご意見でございますが、まず最初に「これまでの議論」ということでございまして、ここで教員の仕事は高度化・複雑化しており、学部4年の養成では限界があるとの認識はほぼ共有できた。問題は、延長を誰が、どの段階で、どこで実施するかであると。「これまでの議論」の最後のところで、採用前の養成から採用、採用後の研修をスムーズにつないだ、一貫した教員資質向上システムの確立に向けて、大学、中央・地方行政、学校現場、一般社会が連携して取り組むことが、とるべき基本的な姿勢であると思われると。そこで、養成、採用、研修をシームレスにつなぐ資質向上策の私案ということで書いてございます。
 2ページの上でございますが、大学での養成は、現在の学部4年を維持することが最も望ましい。ただ、現に多くの批判がある以上、大学はカリキュラムの見直しと充実に一層力を入れるべきである。必要であれば免許法見直しも検討したい。
 次に、「他の免許制度との比較から浮上する2つの論点」ということで、医師免許、法曹資格と比較したご意見を書かれております。
 3段落目に、その2つの論点の1つ目が出てきます。卒業イコール免許状交付の現行制度が妥当か否かという論点でございます。これは、医師や弁護士は個人開業できるけれど教員は採用試験に合格しないと教壇に立てないということであれば、新たな国家試験創設は必要ないのではないか。もう一方の論点は、資格取得の実践的研究と。そのことについて、具体的に「新任研修の抜本的見直し」ということで書かれております。
 2ページの一番下からでございますが、新規採用者をいきなり学校現場に配属せずに、教育委員会預かりとして一定期間、徹底した研修を行ってから学校に配属する制度に改めてはどうかということでございまして、研修内容については2段目に書かれております。
 3段落目のところでございますが、ここで教育委員会と大学とが一緒になってプログラムを編成すればいいのではないかと。期間についてはその次の段で、1年間ということでございます。
 次の段に、この仕組みの特徴が書いてございます。採用後の研修なので給料は支払う。養成期間が延びても経済負担は増えないということでございます。
 3ページの最後の段に、私学への取り扱いをどうしたらいいのかということもあわせて触れられております。
 4ページは、「中堅・管理職研修」についてでございますが、教職大学院については、スクールリーダーを育成するプロフェッショナルスクールとしたらどうかというふうなことが書いてございます。
 最後に「免許更新制度」でございますが、教員の身分剥奪の当否を大学に丸投げしているというところが課題ではないか。ただ、多くの大学で、教員の資質向上に関与する取り組みが広がったので、こういう点は残していったらいいのではないかというご意見。
 簡単ではございますが以上でございます。
 続けて資料2-1の説明をさせていただきたいと思います。資料2-1ということで、教員免許制度についてでございます。
 まず、教員免許状の性格についてでございます。平成18年答申によると、免許状は教員として最低限必要な資質能力を確実に保証するものというご意見をいただいたり、また、免許状は単なる過去の学歴に過ぎないというご意見もいただいております。
 諮問文では、新たな教職課程との関係を踏まえ、教員免許状の種類・区分についてどのようにするかということも諮問理由に書かれてございますが、ここについてはまだ特段のご意見を今のところいただいておりません。
 教職生活を通じてより高い専門性を自発的に身につけていくことを支援するため、教員免許状により一定の専門性を公的に証明する制度、例えば専門免許状のあり方について、これも諮問文の理由のところに書かれていたものでございますが、今のところまだご意見をいただいておりません。
 次に管理職のマネジメント力の向上でございますが、中学校長の約7割は管理にとどまってマネジメントに至っていない。校長と教員は全く異なる要件が必要で、MSBAのような資格が必要となるかもしれない。また、ユーザー主義に立った管理職のあり方を考えるべき、というご意見をいただいております。
 次に教員免許更新制でございますが、その成果の検証を踏まえ、今後のあり方について一定の方向性を示すという論点についてでございます。
 意見概要といたしまして、失効という仕組みの面では問題があるが、研修という意味で大学が講座を実施する意義は大きい。また、画一性、一律性、義務性というのは効果をあらわさない。単なる更新制という今のやり方は現実的ではないのではないか。大学が教員研修にかかわる素地ができたということで、今後はこうした芽を一気に開花させる機会とすべき。管理職も含めた講習に形を変えたらどうか、というようなご意見をいただいているところでございます。
 次に、資料2-2、教員免許制度に関する参考資料について、ごく簡単にご説明をさせていただきたいと思います。
 まず1ページでございます。基本的に、現在、免許状主義と開放制の原則ということに基づいて、この制度が成り立っているところでございます。
 免許状の種類は、普通免許状と特別免許状、臨時免許状の3種類ございます。普通免許状は専修免許状、一種免許状、二種免許状、それぞれ卒業程度に応じて分かれているところでございます。
 次に2ページでございます。普通免許状についてでございますが、これは大学における養成が基本でございます。学位と教職課程の履修により免許状が出されるという仕組みになっております。また、現職教員の自主的な研鑽を促すため、所要単位を修得した者に上位免許状を授与するシステムもございます。平成20年度の授与件数は約20万件でございます。
 特別免許状でございますが、これは免許状を有しない、すぐれた知識経験を有する社会人を学校現場へ迎え入れるため、教育委員会が教育職員検定の合格により授与する教員の免許状でございます。平成20年度の授与件数は56件ございます。
 あと、臨時免許状というものがございます。これは普通免許状を有する者を採用できない場合に限り、例外的に授与する助教諭の免許状でございます。
 また、免許状主義の例外ということで、特別非常勤講師。これは、免許状を有しない者を教科等の一部領域を担任する非常勤講師に充てることができるということでございまして、例えば米づくり等の農業体験ですとか、和太鼓等の伝統文化、朗読といった形で導入が進められております。
 また、専科担任制度というものもございます。中学校や高等学校の教員の免許状を有する者は、小学校において、小学校の免許状を有しなくても相当する教科の教諭となることができるということでございます。例えば、中学校の理科の教員が小学校の理科授業を行うということでございます。
 次に3ページでございます。普通免許状の種類でございます。それぞれ、中学校と高校は教科別になっております。
 次に4ページでございます。これは、前回も配らせていただきました養成機関別の新規学卒者の免許状取得者数でございます。
 次に5ページでございます。これは近年の教員養成・免許制度の主な改革についてでございます。
 昭和63年の改正によりまして、普通免許状の種類が専修免許状・一種免許状・二種免許状の3種類になりました。社会人の学校教育への活用ということで、特別免許状・特別非常勤講師制度の創設が行われました。平成9年には小・中学校の普通免許状取得希望者に介護等体験の義務づけが行われました。平成10年には、教科または教職に関する科目が新設されました。これは教員養成カリキュラムの柔軟な編成を可能とすることを目的として行われたものでございます。
 次に6ページでございます。高等学校の免許状の教科の新設、それから平成14年でございますが、他校種免許状による専科担任制度の拡充や、隣接校種免許状の取得の推進、以下、平成19年は免許更新制の創設など、というふうになっているところでございます。
 次に7ページでございます。これは専門免許状についてご説明をするために用意した資料でございます。
 教育職員の資質及び能力の向上のための教育職員免許の改革に関する法律案。民主党が提出したものの概要でございますが、この法案では、6年制の養成課程による一般免許状と専門免許状というものを新設するということで、専門免許状は、一般免許状の授与を受け、8年の実務経験を経た後、教職大学院で単位を修得。教科指導、生活・進路指導、学校経営、それぞれの各専門分野ごとに授与をするということで、専門免許状(学校経営)につきましては、管理職登用の条件ということでございます。
 次に8ページでございます。教員免許更新制の概要でございます。
 目的は、定期的に最新の知識技能を身につけるということでございまして、10年の有効期間ということと、あと30時間以上の講習の課程を修了する必要があるということでございまして、これは新しく免許を受けた人にも、現職教員にも同様の制度が適用されるということでございます。
 また、免許状更新講習については、大学を中心にそれらの団体が開設できるということになっておりまして、免許状更新講習の内容は、いわゆる必修領域と言われているもの、12時間以上と、それから教科指導、生徒指導、その他教育の充実に関する事項、選択領域18時間以上ということでございます。
 次に9ページでございます。これは6月3日に文部科学省より各関係の団体または教育委員会等にメッセージを出しましたが、その内容でございます。
 次に10ページでございます。これは教員免許更新制の実施状況でございまして、受講対象者数が毎年大体8万5,000人から8万9,000人の間ということでございます。また、受講者数は、必修領域で7万4,000人、選択領域は重複がございますが、延べ数18万7,000人でございます。
 また11ページは更新講習の開設状況、それから21年度の更新講習の実施状況を挙げさせていただいております。
 次に12ページでございますが、事後評価、これは更新講習の実施に当たっては、講習終了後に受講者による事後評価を行うということが義務づけられているところでございます。
 全体の平均値を算出いたしますと、必修領域で「よい」「大体よい」と回答していただいている方が9割を超えていると。選択領域でも同じような傾向で、選択領域のほうがやや数字が高いという結果が出ているところでございます。
 13ページは、それぞれ項目ごとの内訳になっております。
 14ページでございますが、日本PTA全国協議会が保護者を対象として、教員免許更新制についてどう思いますかということについてアンケートした結果でございます。「必要だと思う」と回答した割合が64%でございます。
 15ページは、何を期待するかということについて細かく聞いているデータでございます。
 簡単ではございますが以上でございます。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 それでは、これまでの議論を踏まえていただきながら、資料2-1に沿って、各論点ごとにさらに議論を深めるべくご意見をお伺いしたいと思います。
 資料2-1はお手元にございますね。ここで出てきている資格が5つございますが、この辺のところを柱にしながらご意見を賜れば大変ありがたいということです。
 いかがでございましょうか。中西先生、どうぞ。

【中西委員】 
 資料2-1の四角で囲んであるところの2つ目、3つ目は、特になしということなのですが、この整理の仕方は若干違和感を覚えるのですが、その下の管理職のマネジメント力の向上についての、校長については云々というところは、いわば専門免許状的なものも前提にした意見ではないかと。たしかMSBAというのは藤原委員がおっしゃっていることだったと思います。
 まず、この整理の仕方に若干違和感を覚えるということが1点と、ちょっともとに戻ってしまうのですが、先ほどのアンケートの9ページで、特定の分野の資質能力を公証する資格を創設することは有益であるという、ここで教員だと18.8%しか「そう思う」という人がいなくて、学校長で27.3%程度という、この数字をどう見るかという点について、事務局や皆さんのご意見はどうなのかなと思います。
 その下の学校経営も、あまり高い数字ではないので。つまり、望んでいる人がそもそも存在しないものでありますから、多くても当たり前なのかもしれませんし、でも、意外とこれだけいるのかなという見方もできるのかもしれないので、その辺をどういうふうに見たらいいのかなというふうに、少し問題提起したいと思います。

【田村部会長】 
 ありがとうございます。
 今の質問について事務局のほうからよろしゅうございますか。

【日向教育改革調整官】 
 まず、中西委員からご指摘いただいた1点目の整理の仕方でございますが、そもそも管理職についてどのぐらいのレベルで論点を設定するのかというのは、当初、そんなに大きく設定していなかったのですが、この特別部会で何名かの委員の方から、やはり管理職は大事だというご意見をいただきましたので、中途半端な形かもしれませんが資料のとおりとしました。
 専門免許状について、ある程度学校経営ということも触れておりますので、そこに引きつけてその下に置かせていただいたということですが、置き場所があまりよろしくないということであれば、ご意見をいただいて、考えていきたいと思っております。
 それから、特定の分野の資質能力を公証する資格を創設することは有益であるか。「そうは思わない」という方が非常に多かったわけでございますが、これは先ほどから委員の何名かからご指摘いただいているところですが、言葉の定義とか説明が若干細かくなかったというところもあったのかもしれません。
 いずれにせよ、別途、例えば15ページなどでは、資質能力を備えた人材を管理職として登用するための方策ということで、やはり養成研修の充実ということは一定挙げているところから、資質の向上ということについては非常に皆さん大事なことだというふうにお考えいただいているのではないかなと思います。
 従って、資質の向上というのをどういう仕組みで担保していくのかというところなのではないかと思います。この数字が低いことについてどうなのかというのは、まだこれは速報値なので、もうちょっと細かくいろいろと詳細なデータを分析させていただかないとわからないかなと思っております。
 それから、免許状の論点に関連いたしまして、参考資料の3をご用意させていただいておりまして、説明が漏れておりました。
 実は、平成14年の答申におきまして、教員免許状の総合化と弾力化ということが提言されているところでございます。そこに、今後どうしていくのかということについての視点みたいなものが、残された課題のところに書いてございましたので、ちょっとそれを紹介させていただきます。
 説明は省略させていただきますが、学習指導要領の構造的な分析を進める必要があるとか、発達段階の整理とか生徒指導に関する部分とか、そういったものを総合的に分析して、免許状の総合化・弾力化というのは考えていくべきではないかという答申を、いただいております。
 以上でございます。

【田村部会長】 
 中西委員、よろしゅうございますか。
 もうちょっとアンケートの分析をしてもらって、今の委員のご質問に的確に答えられるような資料を用意していただくということを、事務局にお願いしてもよろしいですか。質問もちょっとアバウトだったということもあるのですが、わかるということのようですから。

【日向教育改革調整官】 
 全体的に質問の回収の率をいかに上げるかということと、どれだけ細かく聞くかとの兼ね合い等もございまして、ここも詳しく本当はご説明しないといけなかったのですが、少々言葉足らずになってしまいましたので、どこまで掘り下げて分析できるかというのは、今後やらせていただきたいと思います。

【田村部会長】 
 よろしゅうございましょうか。それぞれの委員の先生方のお考えで、ある程度推測しながら、考え方をまとめてご意見をいただければありがたいと思います。
 それでは村松先生、どうぞ。

【村松委員】 
 先ほど資料2-2のほうで、普通免許状の種類についてのご説明をいただきました。幼稚園、小学校、中学校などの学校種別で、中学校以上は教科別になっているという話です。
 で、今の文部科学省のご説明で、ちょっと確認をしたいのですが、たしか民主党政権自体の教員養成制度改革に関しての案の段階で、免許区分の変更というのが入っていたと思うんです。幼稚園と小学校を一緒にする初等教育諸学校とか、中学、高校、中等教育学校を一緒にするなどです。14年度の答申の話などがありましたがその種のことを検討してほしいというご趣旨で、ご説明があったのかどうかということをちょっと確認したいと思います。
 私は、多様な方が先生になっていること自体は非常にいいことだと思っているのですが、先ほどご説明のあった参考資料3でしたか、幼・小・中・高の教員に共通の部分と固有の専門性を有する部分の分析が不可欠である書いてありました。例えば幼稚園と小学校を、今、連続性のことも考えているので一本化したらいいというような議論が一方にあると思うのですが、ずっと今まで幼児教育をやってきた先生方の立場からすると、やはりそこにかなり固有の問題があって、小学校の特に高学年と一緒にするようなことはできないということです。今、教職の課程認定を受けている大学で、小学校の教員免許を出すようになったところのかなりが、多分、これまでは幼児教育をやっていた大学が、少し小学校へも広げてきたという事情もあって、幼小と一緒にしたらいいかどうかという話があるのかなという気がいたします。
 ちょっと話が広がってしまうかもしれませんが、免許状を出すための教職課程の中で、ある種の、特に初等教育に関して規制緩和が行われてきて、必ずしも全教科の内容を勉強していなくても全教科対応の小学校の免許が取れるようになってきたことが、もしかしたら今言われている理科離れなどにも関係しているのではないかと思います。そういう学校に入ってきている学生についてみると、教員と言うとどちらかというと文系の人間が、志望者も多いという傾向はあります。我々などのところでも、理科の先生になりたい、あるいは理科が好きで小学校の先生になりたいという者もきちんと教育するような形をぎりぎりとれている段階ではあるのですが、免許状の縛りはそこまでなくなってきており、緩やかになってきているところがあります。
 ちょっと論点がごちゃごちゃしましたが、やはり免許状できちんとした教員養成の質の保証をすることが必要で、もちろん、今までご指摘いただいたように中身をもっともっと改善しなければいけないというのがあるのは前提ですが、きちんとしていくことが必要だということなので、免許状を単純にくくり直すということにはかなり慎重であってほしいと思うということが一つあります。
 それからもう一つは、免許状の種類に、先ほどもご説明がありましたが、短大卒で得られる二種免許、それから4年制を終えて取る一種免許、それから大学院を出ると、教職課程の基礎免許を持っていれば、例えば物理学の修士課程を出ればそれだけで専修免許になるというような仕組みになっているわけですよね。
 ただ、これが、実際の現場に行ったときにあまり意味を持っていない。処遇などに関しても、二種免許であっても一種免許であっても専修免許であってもあまり関係ないという形になっています。
 そういう意味では、将来的に専門免許状みたいなものをつくるというのは、私は可能性としてはあるのではないかと思っていますが、それを、先ほどもありましたけれど、管理職になるためにするのか、その辺で特定の免許を取っていくことが、教師が学び続けるというための仕組みとしては必要だと思いますが、取ることがどういう意味を持つかというあたりをきちんと議論していかなければいけないのかなというふうに、免許状に関しては思っております。
 ちょっといろいろな意見が入ってしまって申し訳ありませんでしたが、以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 いよいよ核心に入ってきましたので、いろいろなご意見が出てくると思います。
 では高岡先生、どうぞ。

【高岡委員】 
 ありがとうございます。今の村松先生のお話で、大体私も、名札を立てた趣旨は全部お話しになったものですから、どこか隙間はないかなと実はちょっと考えていたのです。
 先ほどいただいた2-2のデータ集の中で、中高の教員の免許取得者数、大体5万と6万6,000という数字が出ているところとか、それから2-1の論点整理の中で、先ほど中西委員さんもお話がありましたが、2番目の箱のところが、特に際立って残すような意見はこの部会で出ていないというお話があって、そこにちょっと気を持っていったわけですが、中高の免許というのはご存じのとおり、教職科目の取得すべき単位数が中学校が多いと。高校は少ない。つまり、免許制度の内実が、例えば高校の先生を目指すのだという認識と、中学校の先生を目指すのだという認識は、実は免許の単位の取り方で、中学校まで取ろうと思うのだけれど高校で終わってしまうというのがかなりあると思うのです。つまり、それは教科の指導法に関する科目が高校だと4単位、中学校だと8単位要るとか、あるいは道徳教育に関する指導法が要るとか要らないとか、そういう仕分けになっているという現実が一つあります。
 それから、もう1つは、国立の場合ですと、島根大学などもまさにそうなのですが、教育学部の独自性というか特異性というのは、実は小学校・中学校、場合によっては高校の免許も含めて、大体3枚持って出ると。つまり、大学教育の中で教育系の大学・学部がこれまでやってきた教育の中で、一般大学、一般学部との差異性は何かというと、専門の深まりということも当然あるのだろうと思うのですが、いや、他人事ではないのでありますが、社会的に見て、それが制度として認知されているときには、免許を何枚か持っているというところに表現されることが結構あるんです。そのことがいいか悪いかという議論も、もう一方であるような気がいたします。
 実は、各課程認定大学に、この部会が始まる前に意見提出の機会があって、そのときに、島根大学からはそういう意見を申し上げたのですが、この際、免許制度全体を再検討する、つまり新しい枠組みに変えるという可能性がもしあるのであれば、例えば小学校・中学校の接続の問題、それから幼稚園と小学校の接続の問題、ここをやはり、免許を学校種にとどめてしまう時代ではないのではないかということを、意見として提案をいたしました。
 それから、中高については、これはいわば、先ほど申し上げたように単位の型によって免許法上は仕分けがされている現状が実際にありますから、やはりこれも中高については一本化ということが必要なのではないか、あるいはできるのではないか。免許制度の枠組みの中で改善が可能だとすれば、それはもう中高の一本化というところは、現在の免許法の中でも整理できる。そういうことを意見として提案させていただきました。あの厚い冊子の中に載っております。
 それと、さらにもう1つは、これまでこの部会での議論にはあまり上ってきていないことなのですが、幼稚園の教諭免許状と、いわゆる小中高、これを全部今まで、本質論の問題としては一緒にして議論してきましたが、幼児教育を担当する幼稚園の教員の免許を、現状では二種免許、いわゆる短期大学が主として担っているという現状、これをどう考えるのかということは、免許制度そのものを検討するときに、やはり一つ取り出して検討する必要があるのではないか。
 その周辺には、実は幼稚園と保育所の保育士の資格、そういう幼保の連携とか一体化というような議論と絡むのかどうかはわかりませんが、保育士資格と幼稚園教諭の資格、ここをどう接続するのか、あるいはしないのか。さらに幼小の接続の問題。
 つまり、新しい学校に入るときに、小学校1年生、中学校1年生、必ずそこに問題があるのというので、接続の問題というのは社会的に非常に注目され、課題視されながら、免許を取って出てくる教員の実質は、中学校の先生は中学校しか知らなくていいようにしか育てていない。ここのところはやはり決定的に問題ではないか。
 そういう意味で、免許制度を考える上で、学校種というベースで事を考えるのであれば、やはり接続で免許状も両方をちゃんと取らせるような制度にすべきだろうし、もし外国の例を少し引用するということであれば、例えばヨーロッパ型の免許というのは、国によると思いますが、子供の年齢段階によってダブらせるところもありながら、免許状が授与されていく。例えば6歳児から第1学年から第4学年までの免許状とか、第3学年から第6学年ですから、これはおそらく、ドイツの話ですが制度が変わっていると思いますので最新はよくわかりませんが、そういう年齢段階別免許状というようなことも視野に置きながら、大胆に免許制度そのものを、学校種別免許でいいかどうかということを、私は考えるべきではないかと思っています。

【田村部会長】 
 ありがとうございます。非常に大事なところでございますので。仕組みとしては養成側の意見というのは明確に出すべきだと思うのですが、同時にユーザー側の意見も聞かないと、制度として有効化しなくなるということで、加藤委員からおそらくそういうご意見があると思います。

【加藤委員】 
 ここに書いてある意見概要にももう触れているので、あまり重なってもいけないのですが、やはり議論をずっとこの間聞いてきまして、教職生活全体を通じた教員の質向上というのがメインなわけですよね。そうすると、大学の役割充実という側面性と教員の問題、または校長のマネジメントの問題、さらには免許という資格の問題と、重なって一緒に入っているわけですよね。
 私はやはり、先ほどのアンケート等も含めてですが、研修の重要性というのはますますここは不可欠だと思っております。大学の役割も僕は大変重要だと思っている。そこで考えれば、今の小中高でもありませんが、どうなのでしょう、物理的、地理的、経済的、時間的、さまざまな制約は、どう考えても画一的にやれば、ある程度は固定的にしようがない部分というのは残ると思うのです。
 そうしますと、都道府県の教育委員会と学校が協議して、そこに裁量権というんですか、権限とかそういったものを少し増やして、その中である程度の柔軟性というか、またはそういう先生方の自主性ですとかを加味した、そういった方向感というか、そんな議論もしていくというのがこの場ではないかと思います。その中身、あまり内実的なカリキュラムとか、またそれは別な専門性の中で議論があるかと思うのですが、総合的な見つめ方というか、検討の方向感というのも、できればあわせていただきたいのが1つ。
 もう1つは、「先生」と言ったときの、ずっと過去の議論があって、昔のいい先生と今の先生の何が違うんだという話ではないのですが、やはり社会的地位だと思うんです。社会的地位、またはそれに裏づけされた処遇と環境が整備されているか。本当に自分が自覚を持って、社会の尊敬、信頼に値する、そういった責任性というもので言えば、学問のレベルとスキルアップも当然ですが、もう1つはモラルもあるわけですよね。
 ですから、そういう底辺構造的なものも含めて考えますと、やはり社会的な地位向上と処遇といった点もあわせて重ねていかないと、単なる更新制でやるということだけでどうかというのは思っておりますし、ちょっと別な課題で大変恐縮ですが、10年経験研修がありますよね。これは10年だから10年なのでしょうが、研修研修で何だと。こういう、何と言うか煩雑性の中で、今やっていること、一定の時間軸が見えるわけですから。全くやっていることが見えないで新しいものを積み上げているわけではないので、そういったことも少し、切り口としてはあってもいいかなと思います。

【田村部会長】 
 ありがとうございます。いろいろな面を示していただきました。
 では順番に、村山先生。

【村山委員】 
 ちょっと制度的な面からですが、免許制度を今この場で、この部会の場で、今の時点で検討するということの意味なのですが、やはりそれは先ほど、今もお話があった、それからその前提としては開放性と免許状主義は、これはもう前提に据えると。その上で何を議論するのかということを、改めて少し考えたほうがいいような気がするんです。
 それで、私が思うには、要するに教師の仕事が非常に複雑になって、高度化しなければならないと。そういうときに、今の免許は、それぞれ完結しているんです。一種、二種、普通免許状というのは3種類あるのですが、それぞれを免許を取りましたら先生になりますと、それぞれ完結しているんです。もちろん、それは普通・上級というのはあるのですが、そこの間に連続性というか、必然性はないわけです。
 私は、非常に単純に言いますと、そこに更新制がプラスされているからなかなかわかりづらくなっているのですが、私は、これからの随分変化が激しい時代の中で、免許状というものが、その一つ一つの免許状で単一的に完結する制度でいいのかと。先ほどから出ている、教職生活全体を通して、30年40年とライセンスそのものについても自己吟味して、社会的にも見直していくという制度をとるのかとらないのかということだろうと思います。
 そういうことで言いますと、これはいろいろな資料を見ていてわからないのだけれど、いろいろ専門免許状ということを言われておりますが、その趣旨が単に生徒指導など。免許状の種類をいろいろとさらに増やすと。私は、それだけやっても意味がないと思います。
 いわば、状況によってステップアップ型の免許状制度にする。つまり、ある段階で一種を取ったけれども、それはどこかで一歩グレードアップ、ステップアップしなければちゃんとした免許になっていかない。しかし、それはステップアップすれば、それなりの社会的なメリットも伴うと。そこは難しいですけれど、そういうステップアップ型の免許状制度に、やはりもうそろそろ変えてもいいかもしれない。
 それでなければ、これだけ、38年間にわたって、教師が一生教師の仕事をしていく上で、1回取ったライセンスでいいのかという問題は、やはり社会的にはあると思います。
 そういう意味で、今回そこを踏み込むかどうかという、そこから議論をすべきではないかなと思います。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。とにかく、では縦にも横にも広げたほうがいいというご意見です。非常に貴重なご意見です。
 では横須賀先生、どうぞ。

【横須賀委員】 
 今の村山委員と、ほぼ同じような意見で、このところずっと大学における教員養成で改革に努力してきた人間では、ほぼそういうところが共通の認識になってきているということなのですが。
 教員免許が、これは私も言いましたが、国民の安全安心を保障する、免許制度一般はそうですが、教員免許がそうなっていると本当に思っている人というのは、まずほとんどいないのではないか。
 例えば医師についてだったら、医師免許を持っていない人間に医療の面倒を見てもらおうという人間は、例外的にはいてもほとんどいない。しかし教員について言えば、例えば塾の教師で免許なんか持っていない人、あるいは家庭教師にしろ、そちらのほうがよっぽどいいと思っている親というのは相当いるわけです。
 そういう意味では、教員免許というのは本当に教員としての最低限の資質能力というものを保証しているものになっているのかどうかということについては、ほとんどの人がそれは信用していないというか、疑っているものだと。かろうじて成り立っているのは、採用試験というものがあって、どうもこれは教育委員会がちゃんとやっているようだから、学校の先生はそれなりにやっているのではないかと思っているだけだと思うんです。
 この辺は非常にはっきりしている。だけど、なぜこういうことが起こるかということは大変大きな問題ですが、1つは、なぜ医師の資格がある種の信用を得ているかというのは、やはり臨床医学というものが非常に発達していて、医学部と附属病院との間に橋がかかっていて、そこでちゃんとした医師教育が行われているということが保障している。ところが教員養成の場合には、臨床教育学というものがほとんど発達していない。展開されていない。附属学校というものも、今は全くそういう役割をやっていないという現状の中では、相当の年数がたたないと、大学における、発行される教員免許ということがほんとうに社会の安心安全を保障するものになるということはないと思います。
 もう1つの理由は、教員の場合は医師と違って、非常に人間性に依拠しているところが大きいわけで、それはやはり単位の積み上げによって構成されている教員免許状というものが、とてもじゃないけれど人間性を保証しているとは、ほとんどの人が思わない。こういう仕組みになっているわけです。
 それで、大体10年ぐらい前までは、免許に基づく教職課程そのものも相当いい加減だったんです、いろいろな意味で。これは相当程度改善されてきている。こういうものも必要だ、こういうものも必要だ、実践的にこういうものも必要だという、そういうものがどんどん単位として入ってきたし、教育実習も、今まで母校実習が中心で、一体本当に実習していたのか、母校に帰ってこんにちは、で終わっていたのかというものも相当程度克服されてきた。
 そして、18年答申によって、教職実践演習というものがつくられることになって、まだこれは学生が最後のところまでは達していないから成果はわからないけれども、一種の単位積み上げ方式を本当に学生が自分の教職資質をつくったかどうかを点検しようというところまでは来た。
 そういう意味では、この10年間に免許制度に基づく教職課程というものは相当程度改善された。あと、まだこれで、免許に基づく教職課程の中身について、まだ足りないからこういうのをしていこう、まだ足りないからこういうのをしていこうということなのか、これはもう、学歴に過ぎないというよりは、学習歴なんですね。大学における学習歴で、あるいは教職というものについてもいいという意思確認のような性格を持っているものだというふうに考えた上で、本当の資質能力を保証するためにはどういうふうにしていくかというふうに考えるかという、今、分かれ道にもうこの時期に来ている。
 この10年間ぐらいは、やはりこれが足りないのではないか、もっと実践的な科目を入れなければいけないのではないかというふうにやってきたり、実習をちゃんとやろうではないかというふうにやってきた。もうそれは、限界というのは言い過ぎかもしれませんが、論点としてはほぼ終わってきているのではないかと、私は思う。これは教員養成を本気にやってきた人間がある程度実感として持っている。
 ですから、そういう議論をさらに延長していったほうがいいのか、今、村山委員はステップアップ型という言い方をしていますが、免許というものを教職課程のところだけで終わってしまうものでない考え方をしていくと、もっと免許制度とか教員の資質能力というものが違って見えてくるはずだと。そういう議論のほうに移行すべき時期に来ているのではないかというのが、教員養成を大学でやってきた人間の、かなり共通の認識かと思います。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 非常に厳しいご意見をちょうだいしましたが、少し元気が出るために、教職をやった者をあえて採用するという会社もあるんですよね。だから、それは、そういう意味では非常に役には立っている面があるということなのですが、教員ということで限定すると、また今、横須賀先生のようなご意見が出てくることは確かだと思います。
 それでは順番に、長南委員、どうぞ。

【長南委員】 
 教員免許講習について発言をしたいと思います。この夏休みに3回目の免許更新講習を実施いたしました。担当分野は教育の最新事情ですが、昨年の受講者と比べて変わった点というのが、答案用紙の最後の欄に、講習を受けての感想を書いた方が非常に多かったということを、今年感じました。ちょっと紹介したいと思います。
 「今日は、今取り組んでいることに意味があるのかとさまざまな面で問いかけていただき、自分の考えを引き出すきっかけをいただきました。きょうの講義は私が最近考えていたこと、悩みと同じであり、明日から自信を持って子供たちに対処できるような気がしました。今日指導いただいたことを、2学期からではなく、今からやりたいと思います。本日はご指導ありがとうございました。講義は理論だけでなく、実践したことや具体例が多く、うなずきながら聞くことができました。毎日、「疲れたー」と言って過ごす日々ですが、他人からのマネジメントを優先し、自己マネジメントができていないことに気づかされました。周囲に流されず、自分が大切と思うことに信念を持って、自己マネジメント、24時間自己選択、自己決定、省察などなど、もう一度自分の中でかみ締めたい言葉ばかりでした。これまた当たり前のようにやってきたことを見直すことから始めたいと思います。ありがとうございました。」
 こういった感想を書いてくれた教職員が多いと、講義をする側にとっても非常に元気の出る免許更新になったというふうに思っています。やはりこういうことを見ていくと、節目での研修というのは非常に意義があって、必要性もあるのではないかと思っています。
 ただ、一方ではやはり、第2回でも発言しましたが、受講料が3万円とか、相変わらず自分の受けたい会場で受講できないこととか、講習内容についても、例えば30代、40代、50代と一緒の講義なわけですが、講習内容が同じである。1回目はこれでもいいかもしれません。先ほどの調査結果にも出ていました講習を行う教員とか担当者の負担、こういったことなどなどを考えた場合には、この後をどうするのかということは、例えば次のようなことも考慮に入れながら。
 1つは10年研とか、研修というのは他律的ではなくて自律的なものである、免許と直結させるのかどうかとか、研修に対する国・地方・学校の役割、教職大学院とのかかわりとか、現在ある研修に対しては絞り込みをする必要があるのではないかというようなことも思っております。
 こういったさまざまな観点から、今後の免許更新のあり方を考える際には総合的に検討して、急いで結論を出すのではなくて、じっくり検討して方向を決めたほうがいいのではないかということを、今年の免許更新講習を実施して感じました。
 以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 それでは、続きまして高桑先生、新藤先生、森田先生という順番なのですが、あと藤原先生、松木先生ですね。その順番ですので、どうぞよろしくお願いします。

【高桑委員】  
 今日は来ておられませんが、若月委員のご提案について、私も基本的に全面的に賛成するという感じです。
 教員の実習をどのように学校で受けていけるのかということについては大変いろいろな問題もありますが、1つの形としてこういう形で学生、大学、研修を受けられる学校というものの三者が成り立つような関係をつくっていっていただくということが必要かと思いますし、何らかの、やって学生もよかった、学校もよかったというふうな形にしていただきたいと思っています。
 また、研修教員という形で、仮の免許のようですが入っていくということについて、免許状自体にステップアップということもありましたし、段階的に教員になっていくということについても必要かなと思っています。
 これまでの免許状についても、段階的、階層的な免許体制になっているのかと思いますが、なかなか上位の免許状にという力が働きにくいというか、必ずしも教員の取り組みと教員の資格というものがパラレルに並行していっていないなという感じは持っていますので、上位の免許状を取得することによって、社会的評価、処遇も含めて、高くなるということの関連性はもっとあってもいいのではないかと感じます。いろいろな処遇面で、上位の免許状を目指して段階的な進化型の免許制度にしていただくということが大事なのではないかと思っています。
 そのときに、誰が判定するのかということについて、免許自体は単位認定とすれば大学がご判断いただくほうが、何もかも教育行政で関与するということについていろいろなご意見があろうかと思いますが、基本的には大学の単位認定を受けて、ということでいいのかなと思いますが、その中に、できれば任命権者としての取り組みの実績を評価したものも、免許状の資格の中に入るようなことができないのかなと。
 まさに、大学と教育委員会とが、養成・採用にわたって、より進んだ形での免許制度を目指していくという上で、これまでの形をさらに一歩進めるといいますか深めるといいますか、そのような形も考えていただければなと思っています。
 以上です。

【田村部会長】
 ありがとうございました。
 では続きまして新藤先生、どうぞ。

【新藤委員】 
 ありがとうございます。中学校の校長をしているのですが、先ほどの免許のことでちょっと考えてみたいと思うのですが。実は私が、教育委員会のある指導室長をしていたときに、ちょっと今、自分の学校のことを言うといろいろと語弊がありますのでちょっとさかのぼりたいのですが、幼稚園の担当をしているときに、実は、幼稚園でも学級崩壊を起こす先生がいました。それは、ある有名大学の大学院を出てきて、今で言う専修免許を持っている人でした。片や、同じ園の中で、非常にすぐれた実践をしている新任がおりました。彼女は短大卒でした。
 ですから、専修免許、一種、二種という免許は、教員採用のところではある程度意味があるかもしれませんが、実践の場に来たら、実は、これは先ほど横須賀先生もおっしゃっていましたが、人間性の問題だとかそういうものもありますし、それからさまざまな能力が総合的にかかってくるものなので、何の免許を持っているかということがそのまま実践のところには評価されてこない。
 結局は、中学校などですと1年間初任者研修があって、その間はほとんど学級担任はあり得ません。2年目から学級担任をしていくわけですが、そういった経験を積んでいく中で、安心して学級担任をまず任せられるという実力がついてくる。次に、ある一定程度来れば、今度は学年を束ねて、学年主任として学年を把握して、1年2年3年と育てて卒業させていくというようなところが見えてくるわけです。
 ところが、保護者会などでありますと、最近は減りましたが、一時期流行ったのが、保護者のほうから、「私も教員免許を持っているんですよね」と言って、学校の先生にぱぱっと言うのですが、実は、免許を持っていらっしゃるということと、経験を積んできて、今、目の前にいる子供の教育的ニーズをはっきりと把握して、今この子にとってはこういう教育が必要なんですということを言っていることとの間には大きな違いがあるわけで、私自身思うのは、現状の免許取得の状況でいくならば、確かにいろいろなことを経験してくる必要が望ましいだろうとは思うのですが、実際の校長として、今預かって、さまざまな学級担任なり分掌等をさせている形でいけば、採用の段階と、学校に入って実際に経験を積みながらさまざまな実力をつけていく中での免許の意味合いが違うのではないか。そのことが、実は今、免許状には全く反映されていない。そういったところに、やはり私は若干矛盾を感じているんです。
 先ほどご意見がありましたように、場合によってはステップアップしていく免許のあり方や、あるいは専門的な免許のあり方、いろいろこれから議論はあるのだと思うのですが、そういう形で、やはり経験、つけた実力、実践によって、教員はやはり実践的指導力が最も重要だと思いますので、実践経験によってつけた実力がさらに、例えば大学院に戻ってみたり、そういうところで勉強したことによって、さらにさまざまな力を発揮して、指導的な立場に入っていくというようなことからいくと、それが免許の上にも反映され、またそれが処遇にもきちっとした形で反映されていくということが、やはり教員のやる気だとか、持っている力を十分に引き出すということになるのではないかと、私自身は考えています。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 それでは森田先生。

【森田委員】 
 私も基本的には先ほどの村山委員、それから横須賀委員の現状認識といいますか、これに賛成でございまして、大学そのもの、あるいは大学院の専修そのものに対しての期待はさほど、今までの議論の中でもう限界といいますか、議論は尽くされているのではないか。
 今、新藤委員がおっしゃったように、免許を与える側と、採用されてからの免許の性質といいますか、こういうものはやはり違うのではないか。その段階で、先ほど村山委員がおっしゃったように、やはりステップアップと言われるものと、それから処遇というものとの対応関係をとって、そしてより専門性を高めていくということが必要だろうと思っております。
 その際に、やはりこれはもう少し見方を変えますと、学校現場、あるいは教育委員会でもそうでございますが、それぞれの学校を1つの組織として見たときに、その組織の中にそれぞれの分掌なり仕事、役割があるわけです。いきなり教員になって、そして教壇に立つ、同時に担任をするということとの間にも距離がございます。
 ある意味では、いきなり1年時に初任者研修で、いろいろと多忙で実際には研修ができないとか、いろいろな矛盾を抱えてしまっているのですが、本来は教壇に立って教える基礎的な力、最低限の力、これを持って入ってくる。そしてさらに担任を持つ。あるいは先ほど新藤委員がおっしゃったように学年を束ねてやっていく。あるいは教科を束ねる教科主任。あるいは、生徒指導ならば生徒指導で、生徒指導主事、あるいは主幹教諭と言われるようなもの。つまり職位というものと、仕事の分掌と言われるものによって、1つの学校組織というものは成り立っているわけです。
 それをやるに際して、今、現状の現場で見ておりますと、例えば生徒指導なら、今まではとにかく教員の中である人を指名しまして「お願いします」と、これで終わりなんです。
 現在、実際には、今ここでいろいろと出ておりますように、資格の創設が非常に有効だと言われているような、生活生徒指導だとか教科指導だとか特別支援教育、まあ特別支援教育は教諭の免許の資格がございますが、そのほかいろいろな問題がございますが、そこのところへ結局、例えば生徒指導専門の免許状のようなものを活用して、それをもって改めて資格につく、分掌につくというような仕組みで、免許の資格と仕事の内容とを一体化した形で組織というのは運用していかないと、実際には実は上がってこないだろうし、これは保護者あるいは市民からの信頼性も得ることはできないだろう。
 そのときに、例えば今現在ございますような上進制度のようなものをうまく活用しながら、これは上進制というのは単に免許区分の変更だけなのですが、その専門を、例えば主幹なら主幹、あるいは準主幹というような役割を設けてもよろしゅうございますが、それ以外に、教科でもそうですがステップアップ型の仕組みをその中へ潜り込ませながら、それと同時に研修あるいは本人の教育に対する意欲というものを更新していくといいますか、そういう仕組みとしてやっていかなければいけないのだろう。
 現状の組織の中で、改めてこの免許というものと、それに伴う資質能力とを組み合わせた形で、職場組織というのは運用していけるような免許制度といいますか、そういうものに少し変更していく必要があるのではなかろうかと思っております。
 以上でございます。

【田村部会長】 
 ありがとうございます。
 続きまして藤原先生ですね。

【藤原委員】 
 毎度なのですが、横須賀先生の意見に胸のすく思いでございます。私も、教員免許って、申し訳ないのですが、アマチュア無線とか英検準2級ぐらいの感じではないかなと思うのです。おっしゃられた学習歴、あるいは意思の確認というのはよくおっしゃられたなと思うのですが、そういうことで私はいいのではないかなと思っているんです。
 それを何か充実させて、もっと敷居を高くして、国家が保証するべきものにするというのは非常に無理がありまして、例えば東大卒を何で大手企業がとるかというようなことにも共通するんです。あれは結局、たった1日の試験に何千人という中から受かった運と勘とを買っているわけですよね。その大学で何を学んだかなんて、ほとんど関係ないんです。あの入試に通った入試通過修了証みたいな、そういうものを買っているわけですので、それをでは入試を直そうということをやりますと、ものすごく膨大な手間とコストがかかりまして、その割にはそれほどリターンがない。こういうのをビジネス界ではレバレッジの効果がないという言い方をするんです。要するに、てこの効果がないから、そこはあまり膨大な手間をかけるべきではないという話です。
 ですから、私は教員免許制には今もって大大疑問大会で、大体自治体が人事考課をして、この先生はだめだというふうにわかっているものを大学のほうに伝えて、その大学のほうが免許の更新をさせないということをしないわけですよね。そこが通じていない。国民の大半が、それは通じていると思っているんです、実は。ところが全然通じていない。つまり、どんな指導力のない人でも、30時間の研修をちゃんと素直に受けていれば更新してしまうという。そういう膨大な、おそらく金にすれば何十億円か何百億円の膨大な時間を使って免許というものをいじるよりは、もっとやり方があるのではないかと思います。
 私の少ない経験で、こんなことを思うんです。免許を取って自治体の試験に受かりますと、だれでも教員にはなれます。そして、学校に赴任しますと先生と呼ばれますよね。でも、その人が教師になれるかどうかというのは児童・生徒が決めるんです。児童・生徒が育てていって、5年とか10年で、この人は教師だなと思ってくれた人だけが教師になれるわけで、免許の話ではないのだと思います。あるいは研修を何時間受けた、何単位どうだという話ではない。
 それはおそらく、横須賀先生が先ほどおっしゃった、やはり半分ぐらい人間的要素がどうしても、これは実は校長でさえもだと思うのですが、そういうところが大きいという特性があるのではないかなと思います。
 もう一度言いますが、試験に受かって赴任しても、教員にはなれるけれど教師にはなれない。教師になれるかどうかは児童・生徒が、子供たちが決めるという、この特性をきっちり踏まえないと、この議論が非常に膨大なむだになっていくという感じがします。
 最後に、私が思うのは、だとすれば、10年以上たって、児童・生徒が、この人は教師と言ってもいいと。保護者はもちろんですが、そういう10年以上たった人から、2つのコースに分けて、40代から、マスターティーチャーコース、要するにプロ教師となる道と、それからマネジメントになる道、マスターティーチャーコースか、それともプロのマネジメントになるマネジメントコース、この2つを選んで、そうではなくてそのままの教員で残る人もいるかもしれませんが、この2つの道に入れるような、そういう資格制度なのか、もし免許だとすれば国家的に認めた免許をやるとすれば、国家的にその資質をきっちり保証するということをやるとすれば、このマスターティーチャー段階かマネジメント段階でいいのではないかと思います。
 これを大学院とするのか、それとも専門学校という形でいいのか、そこは議論の余地があるのではないかなと思うわけです。
 以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。明快なご意見で、本当に参考になりました。先生、資料のご説明はよろしいですか。

【藤原委員】 
 後でいいです。

【田村部会長】 
 では見ていていただくということで。
 では松木先生ですね。

【松木委員】 
 藤原委員さんの意見に全く反対のような形で、結果的に同じことになってしまうのかなという気はしているのですが。
 教員の資質能力の向上ということで考えれば当たり前のことかもしれませんが、免許を考えるときに、一番学校から遠い大学のところから積み上げていくような発想では、おそらくだめなのだろうなと思うんです。
 一番、教師として鍛えられる、例えば40代なり30代なり、そこでどういう免許が必要なのか。そのために、例えば18年の段階で、答申でもうひっくり返っているわけですよね。コペルニクス的な転換と言ったらいいのかコロンブスの卵と言ったらいいのか、外から積み上げていくのではなくて、現場の中で、学校の中で最も必要とされる力を養うための免許、あるいはそのための教職大学院ができたのだろうと思うのですが、そこでまずきちんとした免許を提案していく。
 そういうところから、むしろ逆に、初任者レベルの免許としてはどういうものが必要なのか、あるいは大学でやる教員養成としてはどういうことが必要なのか。一番離れている大学から積み上げていく、先ほどステップアップという村山先生のお話がありましたが、そのステップアップではなくてステップダウンになるのかなと。学校そのものの中で必要とされるものからスタートして、少しずつ初任の段階では、あるいは大学の段階ではというふうにおろして考えていくべきではないか。積み上げていくとそういう話になってしまう。積み上げていくのではなくて、今求められているところから、免許のあり方を、そして生涯にわたって支えていくことのできる免許のあり方を考え直していくという発想に切りかえるというか、もう切りかわってしまっているのではないかなと思うのですが、いかがでしょうか。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 ステップアップではなくてステップダウンだというのは、現場の意見をもうちょっと入れろというお考えだと思います。
 では青山先生、どうぞ。

【青山委員】 
 ありがとうございます。今、免許更新制が第1グループの2年目、それで第2グループの1年目というものが重なって今、進行しているところですので、学校の現場でどういった状況なのかということを少しお話をさせていただきたいと思うのですが。
 第2グループの該当の教員の皆さんは、第1グループのワンクール終わった流れが見えていますので、かなり余裕を持って対応しているということが言えると思います。
 今の状況としては、私の周囲での動きとしては、第1グループの2年目ということですので、既に30単位を取得して、この更新手続が済んでいる人と、今年度、第2年次で30単位に満ちて手続を終了する段階の人と、まだ更新の講座を探しているという人と、やはり差が出てきている、ばらつきが出ているということがあります。
 教育委員会としては、最後、統括して最終的な確認をするという部署になりますので、教育委員会と学校との間で、その確認作業が今、繰り返し繰り返し行われていて、データの集積、学校からは回答ということが行われている段階です。
 私が思いますには、要するに最悪の場合にこの更新手続が済まないことで免許を失効するというところにつながるということを、教育委員会も非常に危惧している。できるならばそういうことにならないで、免許更新が確実に完了するようにということで、教育委員会は学校を支援しているという状況だと思っています。
 そういうことから考えた場合に、この免許更新、該当する55歳の方、それから45歳、35歳とゾーンが決まっているわけですが、免許更新というものが失効につながっていってしまうという説得性というのでしょうか、それを更新に向かう講座の内容であるとか、講座から自分がつかみ取っていくものの中で、果たして受講する人たちが説得力を持って受講しているかということを考えた場合に、ちょっとそのあたりは、まだ厳しい部分があるのではないかという考えを持っています。
 それで、これはこの後の研修でありますとか、さまざまな残りの課題のところにつながっていくと思うのですが、先ほどから各委員の皆様からもお話が出ているように、私も、この教員免許というのは、やはり教育の世界に入っていく、教育でジョブを得るための基礎資格であるという考え方でいますので、入ってから、さまざま自己研修もありますし、それが処遇に反映されていくということもあると思うのですが、採用後のプロセスの中で、どういうふうに免許に肉づけをしていくか。それによって経験というものが積み重ねられて、幅が広くなっていって、対応力が高まって、課題に対する解決力も高まっていく。それから意欲も高まっていき、責任感や自負心なども高まっていくということにつながっていくのではないかと考えています。
 そうなったときに、各県で行っている研修、教育委員会が行っている研修というのは、必ず修了認定というものがついてくるわけですから、そういうものをトータルに組み込むことによって、例えば結果として更新というところにつながっていく、そういうシステムを形成していくことが必要なのではないかと考えます。
 今、問題点といいますか課題といいますと、現職の教員が更新制で更新をしていくときに、どうしても期間が限定されてしまう。おそらく長期休業期間を使って、2年かけて計画的に30単位というものをクリアしていくということになってくると思いますので、それが言ってみるならば拘束感や多忙感というものにつながっていくのだろうと思っています。
 それから、講座を申請していくという一連の手続に対しての不慣れ、それから負担感ということもあって二の足を踏む、どうしても出遅れてしまうという教員が出てくることもあると思います。
 ですから、手続の面で、先ほど申し上げた、教育委員会が行っている研修などとも組み合わせながら、できれば簡素化、つまり、例えばコンピューターで登録ができていくとか、そういった形で履修結果が反映されていくというような形がとれていけばいいのではないかと思っています。
 効果としては、私はやはり一番印象的だったのは、この部会の最初のところで大学側からご意見をいただいたと思うのですが、ようやく大学が重い腰を上げたのだと。大学も非常に積極的な姿勢に向かう機会というものを、この更新制が保証したのだというご意見をいただきました。私はこれに対して非常に印象的に思いました。
 これはやはり、高校の現職教員がある意味求めるところでもあったと思いますし、やはりこの更新制というのは、ある意味1つの一番新しい情報提供の場であるだろうと。教員がそれを受けて、それを活用して、教育の場でさらに自分の力というものを発揮していくという、1つのきっかけになるものだろうというふうにも考えています。
 ですので、そういった課題、効果というところで、まだまだあるわけですが、これらを私は一つ重要な手がかりとして、更新制というものが、できるならばもっと簡素に、しかも効果的に運用されていくということになればいいと考えている次第でございます。
 以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 それでは、最後になりましたが岸田先生、どうぞ。

【岸田委員】 
 今の話と関連しまして、教員免許更新制に深く関わってきましたので、今考えていることを少しまとめてお話ししたいと思います。
 もう皆さん方から出ていることですが、制度としては、これは機能しない。機能しないというのは、教壇に立てないことがあり得るという制度は閉塞感を生みますが、実質的に教壇に立てないことが起こるということが機能するという形にはならないと思っています。
 現実的に、私も教えましたが、講習結果をもって教壇に立てるか立てないかという判断はおそらくできないだろうと思います。
 だから、講習そのものの閉塞性を、むしろその制度が生んでいるというふうに思っています。それが基本です。
 ただ、大学をフィールドとした教員免許更新制というのは、現職教員の研修の核として位置づけられるのではないかというふうには思っています。
 今回の講習、大学の教員が講義をするときに、随分プレッシャーがあったんです。なぜプレッシャーがあったかというと、やはり現職のベテランの教員が聞きに来ているということでプレッシャーがあった。
 そのときに私がお願いしたのは、学校現場であるとか、あるいは学習指導要領との関連性を少しでもつけてくださいということでした。そういうお願いの中で、おそらく今まで意識していなかった先生方も、ある種、今言った学校現場の状況であるとか学習指導要領との関連性を不可避的に意識せざるを得ない状況がここに生まれたのではないか。それは先程おっしゃっていただいたことなのだろうと思います。
 それから、もう1点は、教員養成学部というのは、教員採用の状況に極めて敏感に反応せざるを得ない状況を持っています。平成元年当たりのゼロ免課程の時もそうですし、平成10年前後の5,000人削減との絡みの中であった在り方懇でもそうですよね。その中で教員採用の大幅減の影響を受けて随分右往左往してきたというところが現実的にあったのではないかなと思うんです。
 そういう中で、この教員免許更新講習というのは、現職教員の研修を大学が担うという新しい役割として、これは継続的な役割として位置づけられるのではないか。つまり、採用の影響を受けないような形での教員養成学部の役割という意味での一定の核となっていくのではないかと思っています。
 一方、私どもがやっている行政研修のあり方も、こちらの大学での講習を核とすれば、このあり方も少し変化させていくことができるのではないかと思っています。これは後の議論の、10年研修等の議論になってくると思うのですが、その変化の方向性として、今、学校現場の中で、1つは同僚性の問題、ベテラン教員のすぐれた実践が若い方々に伝わっていかないという問題が1つあります。それから、昔はあった自主研修的なそういう組織が、なかなか底辺的な広がりをみせないというか、かつてあったものがだんだんなくなっているということがあります。
 そういう中で、行政研修が現場の課題とかニーズに即した、いわば移動型の研修サポートのような形。研修センターに集まってきた人に教えるよということではなくて、教育現場に入っていって研修をサポートするという、そういうところに少し移行していく必要があるのではないかと思っているのです。それが、先ほど申しましたように、教員免許更新制のよいところを生かした、大学での何年かに1度のいわゆるリニューアルの研修と、そういう少し形を変えていく行政研修の、現場に入っていくという研修のあり方と、それらがうまく一体化していって1つの形ができていくのではないかと思っているところです。
 以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 一応、これで時間なのですが、なお高岡先生、村山先生のご意見があるのですが、今のお話では、できれば更新制の議論はもういろいろいただきましたので、できれば、要するに、小中とか幼稚園・小学校とか、中高一貫とかいう免許状の問題についての発言が全然ないんですよね。それについてのご意見がいただけるとありがたい。
 それぐらいで、あと、もし同じようなご意見であれば、これで休みに入らせていただこうと思うのですが。高岡先生、いかがですか。

【高岡委員】 
 後にさせていただきます。

【田村部会長】 
 よろしゅうございますか。村山先生もよろしゅうございますか。
 どうぞ、今のテーマで。

【宮川委員】 
 私自身がよくわかっていないということでご質問に1つ。今回の更新制では、今回失効するものが出てくる可能性があるわけですよね。この部分はそのまま据え置くのか、あるいはこの問題をどういうふうに措置するのかという議論は必要ないのかどうかということを、今、私の中で釈然としていないんです。
 一方で考えていることは、指導力不足と言われる教員の解決策には、それぞれの都道府県教育委員会がしっかりと今、やり始めているわけですので、更新講習でもってそれを期待するのではなくて、失効という法制度については、これはちょっと今置いておいて、先送りにでもしておいて、失効については今とどめ置くと。ただし、今後の更新制の仕組みの再構築によって、例えば、学士の方は修士の資格まで単位をちゃんと積み上げていって取れるような、そういう仕組みにしていくとか、何かもっといい方策があるように思えてならないんです。
 というのも、ちょっとここは話が飛んでしまうというか、関連が薄くなるかもしれませんが、例えば、大学に入られた実務家教員の方の指導ぶりを拝見している中で、この方がどうして教壇に立っているのだろうなと思う方も、実はいらっしゃるんです。
 ですから、実務家教員として採用する際には、やはりそういう優秀な、学士しか取得していない方でも、ちゃんとそういう免許更新制のさらなる改善によって単位を取得して、修士のような学位を得て、そういう人の中から優秀な人を実務家教員として大学で採用するといった、そういう仕組みを考えられないのかなというふうに、私は考えています。
 ですから、今申し上げたかったことは、失効ということについて、このままこの会議で議論せずに置いておいていいのかなとちょっと思ったものですから。このあたりは事務局もどうお考えなのか、ちょっと心配して申し上げさせていただきました。
 以上です。

【田村部会長】 
 何かお答えになりますか。これはちょっと範囲を超えているんですね。

【日向教育改革調整官】 
 更新制につきましては、本日、委託調査の結果も出させていただきました。また、資料として更新制の概要、また更新制の実施状況の資料をつけさせていただきました。
 この資料をご覧いただきながら、また各委員の方に、これまでいろいろご経験されてきたことを踏まえながら、幅広くご意見をいただければと思っております。

【田村部会長】 
 ありがとうございます。
 宮川先生、つまり、今の段階で確定したお返事をするということは、当然はっきりできないわけですので、先生のご意見をおっしゃっていただく場としてこの場は設定されているとお考えいただければよろしいのではないかと思います。
 時間になりましたので、誠に申しわけございません、これからまだもう1回戦ありますので、あまり時間を延ばしてしまうと疲れてしまうのではないかと思いますので、大変申し訳ないのですが、ここで15分、休みをとらせていただきます。お休みになりながら、また次、何を発言されるかお考えいただいて。
 テーマは一応、お示しさせていただいているテーマを中心に議論を展開していただけると大変ありがたいと思います。お話ししていただいたものは全部記録してありますので、ちゃんとそれがいろいろな形で反映されるように考えていますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 何か事務局からありますか。

【日向教育改革調整官】 
 委員の皆様方、ありがとうございました。今、3時5分でございますので、3時20分ぐらいに再開できればと思っております。
 以上でございます。

【田村部会長】 
 では、3時20分だそうですので、どうぞお休みいただきたいと思います。ありがとうございました。

 

【田村部会長】 
 お疲れさまでございます。第2回戦みたいなものですが、これから始めさせていただきます。第6回になるのでしょうか。
 会を始めるに先立ちまして、実は公用で安西副部会長が途中でお出にならなければいけないものですから、きょうお見えになった以上は発言してもらって帰ってもらおうというつもりでおりましたので、ちょっとお願いしてございます。
 どうぞよろしくお願いしたいと思います。

【安西副部会長】 
 わがまま申し上げて申し訳ございませんが、それでは、少しだけ申し上げさせていただければと思います。既にいろいろなご意見が出て、それと重なるところはあるかと思いますがお許しください。
 私、以前に、免許更新制と教職大学院の議論があって、それがつくられた当時の教員養成部会のメンバーでございました。そのときに、両方とも反対したんです。
 その理由は、つくることということではなくて、やはり外形だけつくっても、その中の教育の方法の問題を議論せずしてどうなのかということが大変心配でございました。以前のことですが、自分のことで申し訳ございませんが、やはり免許更新制にいたしましても、一律に免許を更新するという制度さえ入れれば、それで教員の資質が向上するのだという、そういう考え方はその当時から成り立たないというふうに思っておりましたが、やはり今でもそういうふうに考えております。
 一言というか二言申し上げさせていただきたいのは、やはり世界の移り変わりの中で、大変大きな言葉で申し訳ございませんが、長年の間、ある意味で大量生産、ローコストでもって経済力をつけてやってきた国から、どうしても国としてはアジア、新興国の台頭等々の中でもって、やはりイノベーションといいましょうか、一人一人の子供たちが本当に自分の力を発揮できるような、そういう国に変えていかないといけないのではないかと。それはもう、総論としてはそういう時代の流れだというふうに思います。
 教育の現場は、なかなか、すぐ、明日からこうしてくださいというわけにはいかないということは、よく理解しているつもりでございますが、これから何年かかけて、この時代の大きな流れの中で、日本が大量生産、メイドインジャパンという国ではもうないと。もう今はメイドインチャイナ、あるいはメイドインベトナム、メイドインバングラデシュという時代になっておりまして、一体日本はこれからどういう人たちを育成していけばいいのかというと、やはり一人一人、生まれながらにしていろいろな能力を多彩に持っている子供たちの、その能力が一人一人発揮できるような、そういう教育が施される国にしていかなければいけないのではないかと思っております。ちょっと大所高所で申し訳ございませんが。
 そういう中で考えますと、教育の方法自体、徐々にではありますが、やはりコラボレーションとかプロジェクト、そういうことをベースにして、あるいはクラスを越えた、あるいは学年を越えた、あるいは学校を越えた連携をとった子供たち同士の学習の場等々が増えていくのではないかと思われる。違った環境で育った子供たちが一緒に学ぶということが出てくるのではないか。これは、出てくるべきだというよりは、もう時代の流れとしてそういうふうになっていくのではないか。
 そういう中で学ぶ子供たちが、一人一人、自分の考え、自分の行動というものを責任を持って発揮していくことができるような、そういう場が増えていくのではないかというふうに思っております。
 それから、長くなりますが、もう1つは、これからは、今、大学の学部は、日本だけが学部の学生で社会人学生のパーセンテージが約2%弱しかありません。OECD加盟国の平均が約20%であります。つまり、大学で学ぶ学生というのは、別に18歳ぐらいから二十何歳ぐらいまでに限っているというわけでは、世界的にはありません。日本の次に上の国というのは韓国、アイルランドあたりでしょうが、約10%近いんです。日本だけが2%であります。
 日本もおそらくこれからは生涯教育、生涯学習の時代になっていくと思いますが、小中高問わず、おそらくこれからは学習を継続していく力を身につけさせるということがとても大事な時代になっていくのではないか。自分一人でも新しいことを勉強していくことができる力をどうやって身につけられるかということが、随分大きな、その子にとっての一生の力になっていくのではないか。いわゆる学習継続力と申しますが、そういうふうに考えられるかと思います。
 もう1つ、最後に申し上げておくと、教室の中だけで勉強するという時代は、おそらくだんだん変わっていくのではないか。これは別にデジタルがどうしたとか情報がどうしたとか、そういうことだけではなくて、子供たちというのは今、いろいろなコミュニティでもって、いろいろな人たちとコミュニケーションをとる機会が増えてきております。
 そうなると、学校の先生だけから教えてもらうという、そういう教育のされ方ではない、そういう時代になってくるのではないかと思われる。
 今申し上げたことは、学校をないがしろにするということではありません。逆に、学校というのは非常に社会性を身につけること、知識を身につけること、いろいろなことでもって非常に逆に大事になっていくと思うんです。
 ただし、教育の方法自体は、これはやはり今までのあり方の延長線上ではない、そういう教育のあり方、方法ですね、それが出てくると考えられます。
 それに対して、先生方のほうでは、特に最後に申し上げた例で言うと、いろいろな場でもって子供たちはいろいろな知識を身につけるようになりますから、これももうご意見が出たかとも思いますが、先生のほうが教養を持つことが非常に大事になるだろう。
 特に、どういう情報が正しくてどういう情報が間違っているか、子供がインターネットで情報を得たときに、それが本当に合っているのかどうか、正しいのかどうかということを、学校の先生が教えてあげられるかどうか。これは1つの例ですが、そういうことが非常に大事になっていくと思われます。
 もろもろございますが、改めて一言で申し上げますと、今までの教育の方法の延長線上ではない、そういう方法、あるいは教育の場と学習の場、学びの場というのが必ず出てくると思いますので、これから何年かかけて教員の資質向上ということであれば、資質ということの中には、今までの教育の仕方についての資質だけではなくて、これからの時代の教育の方法についての資質ということを、ぜひお考えいただきたいというふうに思っております。
 一応、以上にさせていただきます。ありがとうございました。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 方向性についてのお考えをいただきまして、確かにそうだろうなと。日常的に、生徒、子供たちと接していると、いろいろなことを考えさせられますので、今のお話、身にしみました。これからの議論の中で、どういう形でそれが出てくるか、またお考えいただければありがたいと思います。
 それでは会議に戻りまして、第6回になりますが、会議を出発させていただきます。
 「採用と学校現場への多様な人材の登用」というテーマになります。これにつきまして、最初に事務局から資料のご説明をお願いします。

【日向教育改革調整官】 
 それでは、資料3-1と資料3-2を使って説明をさせていただきます。採用と学校現場への多様な人材の登用に関する主な論点と意見の概要についてでございます。
 多様な人材の確保ということで、学校現場に多様かつ適性のある優秀な人材を確保するため、採用のあり方についての検討ということでございます。
 意見の概要でございますが、大学院生も非常に重要な人材プールであるとか、教員の確保と資質向上については、高い倍率の中から優秀な者を選抜するという形で維持されてきたことに留意すべきであるということ。また、教員免許状の資格は、最低限の資格は今までのとおりでいいのではないか。試用期間を3年間に延ばし、ある程度責任を持って仕事をしてもらう中で、教員としての資質を育ててもらい、正式な教員になるというのも1つの道ではないか。
 もう1点は、社会人の活用ということでございます。こちらは特別免許状の活用ですとか、多様な人生経験や企業での経験が生かせるような、複線化した採用路線も考えていただきたい。
 以上でございます。
 資料3-2の参考資料でございますが、こちらの1ページは、前回もお示しをさせていただきましたが、免許状取得者数と教員採用数の関係についてでございます。
 それから2ページでございますが、公立の小・中学校の年齢別の教員数でございます。50代の教員が大変多いという状況がおわかりになるかと思います。
 また3ページでございますが、これは各県市別の受験者数、採用者数、競争率でございます。競争率の高いところから順番に並べてございます。全国でいきますと、小学校が4.4倍、中学校が8.7倍、高等学校が8.1倍という状況でございます。
 次に4ページでございますが、教員採用における多様な人材を活用するための取り組みということでございます。
 まず1点目、受験年齢制限でございますが、そこにそれぞれ「制限なし」「41歳以上50歳以下」、それぞれ県市数を挙げさせていただいております。また、教職経験者に対する年齢制限の緩和、民間企業経験や資格を有する者に対する受験年齢制限の緩和を設けている県市が、それぞれそこに挙げさせていただいているとおりでございます。
 また、特定の資格や経歴等を持つことによる一部試験免除・特別選考の状況でございます。それぞれ、英語の資格、スポーツ・芸術、国際貢献、社会人経験、教職経験、それぞれそこに挙げさせていただいている状況でございます。
 また5ページは、その例でございます。特定の資格や経歴等を持つことによる一部試験免除の例ということで、中学校と高校の英語、TOEFLやTOEICの一定点数以上の者を対象としたものでございます。第1次試験の専門教科を免除ということでございます。
 また、全校種ということで、これはスポーツや芸術の分野で秀でた実績を持った人を対象とした一部試験免除の例でございます。
 また、特定の資格や経歴等を持つことによる特別選考の例ということで、民間企業等経験者を対象とした選考。それから社会人特別選考ということで、理学、農学、工学における博士の学位を有する者を対象とした選考の例でございます。
 次に6ページでございますが、これは採用者数における新卒者・民間企業経験者の数及び比率についてでございます。一番右側が内数で、民間企業等の勤務経験者数の数値とパーセントでございます。
 7ページでございます。採用以外に、免許状制度等で多様な人材を登用するための取り組みということで、先ほども免許のところでご説明をいたしましたが、特別免許状制度ということで、青字でそれぞれ授与件数とその内訳を挙げさせていただいております。
 また、特別非常勤講師、これも先ほどご説明させていただきましたが、20年度は約2万件、届出の件数がございます。
 次に、教員資格認定試験ということで、これは通常は大学で教職課程を取得した際に免許状を授与するわけでございますが、これは試験を実施し、その合格者に普通免許状を授与するという制度でございます。実施している分野につきましては、そこに挙げさせていただいている3分野で、21年度の合格者数は青字で書かせていただいております。
 簡単ではございますが、以上で説明を終わらせていただきます。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 それでは、これまでの議論を踏まえていただきながら、資料3-1に沿って、各論点ごとにさらに議論を深めるべくご意見をお伺いしたいと思います。
 例えば、今、安西先生のご指摘にもありましたが、教師の教養というのは大きな問題になるのですが、統計によると一番本を読まない職種は教員だそうですから。
 例えば、私のところで言うと、新聞記者のOBの方で論説委員などをやった方を採用しているのですが、するとすごく刺激を受けるんです、先生方が。生徒より、むしろ先生によかったなという感じがありました。今でもそういうふうにやっていますが、そういうような、いろいろな方法を現場で工夫するよりしようがないというふうに思うのですが。
 では、ご意見を賜ります。すみません、村山先生、向山先生、加藤先生の順ですね。どうぞ。

【村山委員】 
 今の座長さんのご指摘にちょっとずれるかもしれませんが、この個別課題の整理の、採用のところについてお話ししたいと思います。
 前から議論になっておりますのが、やはり新人教員がなかなか自信を持って子供に向かい合えないという。そういうところで、もっと学部段階でも教職課程でも実習を増やすべきかとか、いろいろな議論があるのですが、そこはさておいて、前回も発言しましたが、やはり今の学生たちが4年で卒業して、すぐ担任を持たなくても授業を持って、保護者とも対応するというのはなかなか難しい面がある。これを、採用の後の、特に新任研修、これのあり方として、この機会に大いに検討してみる必要があるのではないかと思っています。
 今日、拝見しましたら、若月委員がそのことも触れておりまして、先ほど紹介されましたが、かなり踏み込んだ提案をしております。私はなかなか有意義だなと思っています。
 これは、要するに授業を持たせないで、教育委員会に所属させて、1年ぐらい大学と協力して訓練すると。その上で教師にさせるということだと思います。簡単に言うと。
 私もこれに類したことは必要だろうと思います。ただ、1年は長過ぎる。4年大学で勉強して、実習後にちょっとやって、さてまた1年訓練させられるというのは、なかなかきついだろうと。私は長くて半年ぐらいでいいのではないかなと思います。
 それから、そのときに、それはあくまでもまだ教師の卵といいますか、正規の教師とするかどうか、身分的な位置づけの問題はなかなか難しい問題がありますが、少なくとも集中的な実習期間であると。訓練期間であるということを明確にしてやる必要があるのではないか。それが1つです。
 それから、その際に、若月委員も指摘していますが、今の新入教員との研修との関係もありますが、大学の教育機能とつなげる必要があるという指摘、これは全く賛成です。教育委員会だけではなく、あるいは今、退職教員、校長などをアドバイザーとして活用されているようですが、やはりそれだけでは不十分だろうと。教育機能として。
 教育委員会と大学とが本当に手を結んでプログラムをつくると。そして、私は3カ月ぐらいでもいいかなと思っていますが、集中的に実習を補う。その上で教師に送り出すというようなことが、一つ考えられないか。まあ、身分的な問題はあります。
 それから3番目に、これは具体的な問題で今後ですが、制度論の問題として言えばなかなかこれは難しいところがあって、先ほどから出ていましたのが、やはり免許更新制というものに踏み込んだわけですよね。それは要するに、免許を失うかもしれないという前提なわけです。これは大変な難しい、厳しい課題を教師に出したわけです。
 その場合に、新任の教員をどういうふうに位置づけるかという問題が、また別個に出てくると思います。そういうところの関係で、ちょっと飛躍しますが、先ほど言った、私はどこかで、教育委員会の教員研修の仕組みではなくて、大学と教育委員会が協力した一種の教育機関のステップとして新任教員の研修を位置づけると。
 つまり、簡単に言うと、それはパスしなければだめですよと。試験をやると。3カ月、あるいは、これはちょっときついのですが半年でもですね。そういうためにも、更新制との関係もちょっと検討しながら、大学機関の一種の教育機能としても位置づけるというようなことが必要になってくるのではないかと感じております。
 ちなみに、昨日、私は札幌市内で国語教育の名人と言われる人の授業を2つ3つ、小学校で拝見しました。改めて、やはり教師の力というのは現場の中でなければなかなか育てられない。あの見事な授業を大学で全部賄うというのは到底難しい面があるなという感じをして帰ってきました。
 それを、教職大学院などの成果を踏まえて、新しい形で大学と教育委員会が協力して、資質向上全体、教職生活全般にわたってやるという制度設計を考えていく必要があるのではないかなと思います。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 続きまして、向山先生。

【向山委員】 
 採用について3点申し上げます。1点目は、採用の倍率の地域格差があるので、それをどう是正していくかということを議論したいということなんです。
 今、先ほどの参考資料3-2の3ページをご覧いただきたいのですが、これは小学校のほうの倍率で、高い県から採用倍率の低い県まであるのですが、簡単に言うと太平洋ベルト、千葉から東京、神奈川からずっと行って、和歌山なども含めますが、北九州市までが5倍未満なんです。ずっと低いんです。
 今、大体、この6、7年、小学校は年間1,000人ずつ採用を増やしていって、大体今2万人になっています。全国に小学校が2万1,000ですから、大体1校1名の初任者なんです、今。だから5年間で1校5名の初任者が入ると。
 全国で2万人いるのですが、たくさんとる県とそうでない県がある。それから倍率が太平洋ベルトのところでずっと低くなっているというところなんです。
 この太平洋ベルトが、低いのだけれど、実はいろいろな根源的な問題は太平洋ベルトのところにあらわれてくるわけです。これは例えば日本語が話せない子供さんがいたり、家庭崩壊の問題があったり、学校へのクレームもそうであります。それから通学率も高い。情報化社会でのいろいろな問題行動も大変先鋭的に出てきている太平洋ベルトの地域の中で、これだけ採用倍率が低い。
 一方で、大変採用の倍率が高い県がやはりあるわけです。一部の県や都は、バーターでそういった県とやりながら倍率を高める努力をしているところもあるわけですが、国の制度設計として、もう少しそれがうまくいくような仕組みが考えられないかどうか。全体として倍率を上げていけないかということをぜひ検討したい。これが1点目です。
 2点目は、小学校教育の特質のその1であります。これは、小学校というのは学級経営が大変求められる。つまり全科教員なわけであります。
 おそらく、中学校でも高等学校でも即戦力は求められるとは思いますが、小学校の場合は、ともかくほとんど1人の先生ですから、初任者であっても1人の先生として認められなければなりませんから、そこでうまくならないと、保護者対応などで大変いろいろな問題が出てきてしまう。場合によってはやめていく教員も多いわけなんです。
 東京都で数年前に、1学期中に相当の数の初任者がやめてしまったことがありました。ほとんど全員が小学校の全科教員でした。そのとき、中学、高校の教員もいなかったし、専科教員もいなかった。
 つまり、それだけ今は、親対応などが大変難しくなっている。それが小学校の特質のその1なんです。ですから、これ以上倍率を下げると大変なことになるということなんです。
 3点目ですが、小学校教育の特質のその2になります。これは、幼稚園は除きますが、やはり女子教員の割合が大変高いということになるわけなんです。
 この間、平成18年に、超過勤務の調査をしましたら、ひと月平均34時間やっています。前に調査した昭和41年のときは、月平均8時間でした。
 ですから、昭和41年のときは、月に25日来て、1日に20分超過勤務をやっていればよかったんです。今は平均して1日に100分、超過勤務をやっているんです。
 これは、女子教員の大変多い職場の中で、今の100分というものをこれ以上は増やしてはいけなくなってしまうという状況があります。
 そういう中で、これ以上の、あまりこれ言うとなかなか難しいのですが、女子教員の割合がこれ以上高くなっていいかどうかというのは、非常に現場の校長たちは思っています。
 女子教員が高くなれば、数年後にそれは産休・育休をとっていくんです。その産休・育休、あるいは体育の軽減の講師を見つけるのが、都市部は非常に難しくなっているんです。東京あたりは1人見つけるのに80名から100名、電話をしなければいけないんです。
 それも、周辺にいろいろな先生たち、講師たちが多ければ声をかける人たちもいるのですが、採用倍率が低くなると、そういう人もみんなどんどん先生になりますから、産休代替とか講師を見つけることができなくなってしまう。それが小学校の特質のその2なんです。そういう点からも、採用倍率をこれ以上下げないような方策を検討していくべきだと。
 以上3点です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。現場の苦しみが示されました。
 加藤先生、どうぞ。

【加藤委員】 
 ありがとうございます。若干角度が違うかもしれませんが、私のほうでは人材の活用という視点で、先ほど受験年齢制限の、制限なしから30代のところまで、4ページの分布がございました。
 前にも若干、私、意見提起したのですが、日本の中でほとんどの企業が国の要請もあって65までは働き続ける構造改革へと。場合によっては70までもと踏み込んだ政府の指摘がございます。
 要するに、人材の活用ということと、もう一方では社会保障制度ということとも重なるわけですが、とりわけ今回の教員といったところでいきますと、やはり今でも60歳超えでは再任制度があって、または時期的な、補助的なところは、現在どれぐらい運用されているのかちょっとわかりませんが、現実的に60という1つのものを、全部これから先もそういう年齢でいくという1つの基本的なベースの考え方と、もう1つはやはり人材活用という問題で、1つの節をつくって、もっと勉強したい、スキル向上を求めたい方もいれば、マネジメント能力がある方もいらっしゃれば、それぞれ専門スキルをお持ちの方もいらっしゃいます。一定の選択性をつくって、その方を活用していくというような、それが1つのものを、当然、処遇の問題や対応の問題も出てくるかもしれませんが、そういう全体の中での人材の活用性という視点も、この中に、文部科学省の検討の中に入るのかどうか。
 そういう認識は、私は日本の社会構造や、本当に得がたい方がたくさんいらっしゃいます。ノウハウをお持ちの方はたくさんいらっしゃいます。教員だけではございませんが、教員の方についても当然そういうことだと思いますし、そういう活用性の道といったものの検討についてお聞きしたい。

【田村部会長】 
 年齢制限の撤廃というのは私も大賛成なのですが、まあ個人的な意見は言わないほうがいいですね。
 では、あと、布委員と村松委員と新藤委員ということでよろしいでしょうか。ではどうぞ。

【布委員】 
 ありがとうございます。いつも本当に、ここに来させていただいて、たくさんの先生のお話を伺って、勉強させていただいております。
 前回も提案させていただいた話の流れにも続くのですが、先ほど、松木先生のお話で、大学が現場から離れている、遠い視点から今議論されているというご意見があったかと思います。私自身が関わる現場でその点が少しずつ近づいていると思うことをお話します。
 教職大学院の方が教育実習に来とき、現場ではとても歓迎される。しかし学生が教育実習で来ると、現場ではなかなか歓迎されない負担感があることは、今までのお話から出ています。なぜ教職大学院の実習は歓迎されるのだろう。それは、免許状があることが仕事を任せられて、現場の先生方にとって、時間のゆとりが出て、目の前の課題に集中して取り組むことができる。
 ほかにも、現場の中での気づきを大学に持ち帰って大学で研究する。その結果をまた現場にフィードバックしていただく。現場の先生方もそこからを学んで、課題解決に生かしていく。そういう循環ができていれば大学は、現場に近くなると実感します。
 大学は研究機関でもあり、たくさんの知が詰まったところです。その力を上手に現場に生かしてつないでいく、そういう機能がもっと強くなれば、大学の持つ力は、先生の養成に発揮されると。
 学生が教育実習に入るときの課題はいろいろありますが、以前にもお話させていただいたように、学生ボランティアとしての段階から、関わる中で気づいたことを大学に持ち帰って相談する。そしてどうしたら課題を解決できるのかという意識で実習に来る学生は、現場にその気持ちが伝わるので歓迎される。そのような教育・循環が重なっていくことが大切と思います。
 もう一点、前回提案させていただいた、基礎資格試験というものを経た上で教育実習を受けて採用されるという流れがあったらいいと思ってお話しさせていただきましたが、後で考え直し少し現実的ではなかったかなと思っております。それは、どんなに優秀に単位を積み重ね、教育実習も無事に終わり、論文で自分の考えを述べて採用試験を突破してきたとしても、やはり現場でやってみなければわからない。本当に教員に合うのかどうなのかということを、採用後の研修期間において、検証していくことが大切なのだと。
 その点において、先ほど若月先生の提案でありました、採用後の1年間、担任を持たないで、教育委員会に預けていろいろ研修を積むというのは、現場にとっては役立つ方法なのかなと。
 ただ、私は教育委員会にもし預けるのであれば、その1つの学校だけではなく、その機会を利用して、小中、学校種を越えていろいろな経験ができるようにしていく。そのような意識がある、自覚がある、現場も任せられる一定の資格を持ったと保証される人に対して、研修を積んでいく。その上で、正式に採用していけるといいと思っております。
 さらに現場が抱える課題は、養成段階で解決できる問題と、養成後に解決できる問題があるかと思います。そのときに、大学の単位が足りなければ時間を積み上げていけばいいと申しました。あとは、先生方の指導力がもしも足りないとしたら、いろいろ変えていかなければいけないと話したかと思います。
 先ほどのアンケートの中でも、大学の先生が現場の感覚を知らないのではないかというのがありましたが、私は、それはある意味半分正解ではないかと思っております。なぜならば、大学というのは研究機関でありますから当然だと思っております。ですから多様な連携をやっていくにしたがって、大学の先生方が現場の感覚を知っていただければいいと思います。
 すみません、話が支離滅裂になって。何を言いたいかと申しますと、教員を目指す学生は今本当に、減ってきている。教育実習に来る学生に聞いても、不安で、甘えがあって、自分が教員に向いているのかどうかわからないけれども、教育免許を取っていくためにはこの教育実習を越えなければいけないと思っている。その甘えが現場に負担感を与え、不安にさせているとするならば、それはただ制度だけを変えるのではなくて、養成段階においても、学生たちは受験を突破して大学に入ってきた。いきなり大学という学び方について勉強していくにはまだまだ不十分で、学び方を教える教え方を先生方に意識していってもらいたい。学生をはぐくんでいこう、学生に学び方を教えていかなくてはいけないんだという意識に、先生方に立っていただかないと、大学の養成というのはうまくいかないのではないかなと思っております。
 以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 それでは、あと村松先生、それから新藤先生、よろしくお願いします。

【村松委員】 
 2点申し上げたいと思います。一つは先ほど向山委員から出された、倍率の地域差を小さくするにはどうするかという話と、いみじくもおっしゃっていただきました、小学校の教員が今、6割からもう少しが女性だということの関係です。学校の教員って非常に女性が多いのですが、私はそういう意味で一度言おうと思っていたのですが、この特別部会のメンバーに女性が3人しかいないというのは、国の方針としてもちょっと違うかなと日ごろ思っておりました。ついでにちょっと言わせていただきました。
 倍率の地域差の問題、おっしゃっていただいたような問題があるわけですが、なぜそうなるかという需要側の問題と供給側の問題として、東京にある東京学芸大学の学生数は男女比ほぼ半々ですが、全国の教員養成系大学のそれ以外では、多分6割強が女性というところがあります。
 なぜかと言うと、教員が自治体採用だからなんです。家族も含めて、一生涯を考えたときに、地元で就職してほしいという志向が、ジェンダーだと思いますが、女性に対しては強く働いていて、東京あるいはほかのところに出したくないというのがあります。
 今、東京都はいろいろ工夫されていて、足りないので地方の幾つかのところと組んで、地方で採用して何年かしたら地元に帰っていいという仕組みをつくっているのは非常にいいやり方ではないかなと思っていますが、そういう意味では、ほかの道府県が東京の教員採用は、こんなに人を探しているのだから受けなさいと言っても受けてくれないというのは、地元を離れたくない、地元志向が非常に強いからです。
 それは、採用の仕組みそのものを考えていかないと、もう少し流動性のあるような形にしないと、それは解決しないのではないかなと思っているのが1つです。
 もう1つ、全然違うのですが、先ほどお示しいただきました資料3-2の7ページ、最後の最後にある、教員資格認定試験についてちょっと申し上げたいと思っています。
 これ、皆さん、どの程度ご存じでしょうか。ここに書いてあるとおり、大学等で教職課程をとらなかった者が教育者としてふさわしい資質を身につけ、試験を受けて、学科試験と面接とで、1次試験が1日ないし2日、小学校は2日がかりです。そして2次試験で面接や指導案などをやるんですかね。で、3次で教育実習を1日、学芸大学でやっている場合は1日やります。それで採用するんです。
 これにかけるエネルギーというのは、問題作成から始めて非常に膨大なものがあります。本学は幼稚園の教員資格認定試験の事務局をやっているのですが、幼保一元化のことがあって、始めるときには全国で2万人ぐらい受けるんだというので大騒ぎして、専任の職員を割り当てたりしていたのですが、ふたをあけたらそんなことはありませんでした。ただ、問題をつくるのは、今は全国共通の問題にしていますが、1万人受けようが100人受けようが同じだけの労力をかけています。今年から仕組みが変わって、多分、文部科学省のほうに出題者を集めてつくるというような、大学入試センターと同じようなやり方をしています。
 これは本学でも、今年小学校は1,000人弱の受験者で、少し減ってきていますが、それを1日ないし2日かけて試験をやるために、大学の先生ももちろん試験監督等々をやっています。
 私は基本的には多様な人が学校の先生になることには賛成で、この仕組みもそういう仕組みであるとは思っています。去年、事業仕分けの中でも、これは簡単に通ってしまったのも、多分そういう趣旨だと思います。
 ただ、実態は、これだけ教職課程の認定を受けている大学が増えている中で、実は、小学校の免許を大学では取れないからこれを受けるという現役の学生たちがかなりいます。
 私たちは自分のところで受けに来る人しかわからないので、正確なところがわからないのですが、その辺、これについてもろに反対ということではありませんが、どういう実態になっているのか、教職課程のある大学に行く代替になっていないのか。それともう1つは、認定試験の合格者についてです。まさに資格が取れたということなのですが、それだけでも倍率は高いのですが、この人たちの教採の合格者がどうなのかというのは私たちは把握できていないので、その辺、もし可能だったら、今日とは言いませんが、本省のほうから何か少し情報を提供していただけたらありがたいなと思っております。効率だけを考えたのではいけないとは思っておりますが、これの有効性、本当に有効なのかに合理的根拠があるのかというあたりについて、知りたいと思います。
 以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 今、宿題をお出しになりましたが、私の自分の学校のことを言うとおかしいのですが、秘書が中学校の免許しか持っていないので、高校免許を取るというのでこれを受けています。ただ、すごく大変ですね、これ。実際、今、一生懸命やっていますけれど。だから、これは間違いなく現場のレベルアップにはつながる制度なんですね。だからいろいろ工夫していただきたいなと。勉強することはいいことですからね。
 余計なことを言いました。では、あと新藤先生、小原先生、森田先生という。これで時間になりますので終わらせていただきます。どうぞ。

【新藤委員】 
 すみません、時間のない中で。中学校の立場でぜひ言わせていただきたいのですが、私は多様な人材の登用のところで、子供の立場というものが必要ではないかと思っています。
 現在の中学生、なかなか学ぶ意義ですとか、社会に出て、大人になって就職するとか職につくというようなことに対する意義が十分把握できないというか、見つけられないところがあって、苦しんでいる子供たちが非常に多い。そういった中で、学ぶことへの意欲等がなかなか生まれてこないというような実態があります。
 そういったときに、現在の教員たち、いいのですが、特に若い人たちなどを見ていると、非常によく勉強しているというか、大学地帯とかいうのはあるのですが、一方で、例えば早々と理数系を捨ててきてしまったというようなことが多かったりして、一番身近にいる職業人である教師だけを見ていたのでは、ますます将来に対して自分の夢や希望が十分描けない子供たちが多いという実態があると思います。
 そういったときに、やはり多様な人材が、社会経験やさまざまな経験をした人たちが教員として入ってくることによって、子供たちの世の中を見る目、大人を見る目が確実に変わる。そういったことは、例えば職場体験などが有効だというところからも、私は見えてきていると思います。
 ただし条件があって、中学校も結局、学級数に応じて、それから教科の週持ち時数に応じて教員が配置されていますので、その定員のところに、免許がないとか、それから、例えば教科指導の指導力がまだ十分でない教員が入ってくることになれば、それは現場にとってものすごく大きな負担になります。
 そういったときに、もう少し教員の枠を多くつくっていただいて、そういった社会人等も安心して入ってこられるような、そしてその経験を積む中で、思いに応じて、例えば社会科なら社会科の教員として自立していきたいというような意識がある人は、徐々に徐々に研究していけばいい。そういった生き方、多様な生き方をしている人たちを子供たちが目にして、身近に感じるということが、やはり私は、先ほど安西先生もおっしゃいましたが、これからの社会に生きていくにおいて、絶対に必要な体験だなと思っています。
 そういう意味では、多様な人材の登用、免許にあまりとらわれないようなことも、私は非常に重要なことだと考えています。

【田村部会長】 
 ありがとうございます。
 小原先生、どうぞ。

【小原委員】 
 学校現場に多様な人材を登用するというのは、非常にこれからの学校教育に必要だと思うのですが、我々が議論するときに、やはり学校種ですね。小学校に多様な人材というものが果たして適切なのかどうかということも考えなければいけない。
 例えば小学校の教員として登用する場合に、何を担保に教員として採用するのか。校長の裁量といっても、その校長先生が退職なさった後、その免許のない人をだれがどう支援するのかという問題も出てくると思いますし、また、父母も、教員免許がないのに教えているの、という不安もあるのではないかと思うんです。
 また、社会人だからということで登用するのであれば、では一体全体大学での教員養成は何なんだということにも、突き詰めていくと振り返ってくるわけですよね。
 ですから、小学校での場合と高等学校の場合とは、社会人の意味も違ってくると思うので、私たちが多様な人材を登用するというときに、やはり学校種、レベルで判断すべきではないかなと思います。
 例えば、高等学校の場合ですと、一部の私立ではやっていると聞いているのですが、高等学校3年生が大学に行って、大学の授業を受けると。これはもう、父母からすれば何ら不安も感じないと思うんです。ただ、そこへ銀行から来た人が来て話をしたら、じゃあ金もうけのために教えているのかと。そういう銀行が教えるというのは何なんだと。あの大騒ぎを起こした人に金融を教わって、いずれこういうことが再生産されるのではないかという不安は、父母の間に生じると思うんです。
 ですから、社会人登用といった場合に、我々は何を担保に教員とするのかということまで突き詰めてこの話を進めていくべきではないかなと思います。

【田村部会長】 
 ありがとうございます。
 それでは最後で、森田先生、どうぞ。

【森田委員】 
 ありがとうございます。次の現職研修にもかかわるのですが、実はこれ、今皆さん方、お伺いしていますと、国公立小学校、中学校、高等学校の話でございまして、私学に関して、私立の小中高に関してどうするかという問題がございます。
 もちろん、採用に関しましてはそれぞれの学校経営体、あるいは採用後の4年プラスアルファの部分ですが、そのプラスアルファに関して、先ほどからご意見が出ていますように、例えば村山委員からは半年でいいのではないか、あるいは布委員からは1年ぐらい、あるいは若月委員からは1年ぐらいというぐあいに、プラスアルファの期間が話題になっております。
 ただ、これに関して、私学が全く活用できないという状況は、非常に困る状況でございまして、私立学校、もちろん独自におやりになっているところもございますが、これは規模がかかわっておりまして、大規模の教員数を抱えているところはそれなりに自前で何とかやっていけるところもございますが、大部分の小中高附属でございますが、そういうところは非常に苦しい教員研修というところになっております。
 しかし、いずれにしましても、国公私立かかわらず、これからの日本の将来の人材を育成していかなければいけない。そのための教員の資質の向上ということは大変重要なことでございまして、もちろん、例えば村山委員のご提案のように半年間、1つのフィルターをかけるというのは、これは私も大賛成でございますが、そのフィルターをかけるにしても、その期間は私学が、若月委員の提案のように給与を支払う。もちろん研修に関しての費用も当然出てまいります。その費用負担は当然、我々私学のほうが負担するということはやぶさかではございませんが、ただ、今のところは、会計法上といいますか財務上、会計が非常に難しいところも、私学のほうではございませんよ、教育委員会側のほうの費用の徴収に関して難しい問題があるとか、いろいろと厄介な問題がございます。
 そのために、希望する私学に関しては、やはりその門戸を開いていただいて、活用する機会を設けていただきたい。さらには、現職研修に関しても同じことでございますが、やはりそれでないと、私学にとってもマンパワーの質の向上というのは、経営にももろにかかわってくるところでございます。それをどう確保していくかというところは、やはり教育委員会がそれぞれおやりになっている研修というのはどんどん、一私学が単独でやるよりも、知恵の集積もございます、技術の集積もございますから、質的にも内容的にもどんどん進んでいくわけであります。
 そうすると、私学のほうの教員の研修というのがどんどん立ち遅れていくといいますか、先ほど地域格差の問題も出ておりましたが、そういう公私の質のギャップといいますか、そういうところもあらわれないわけではないというぐあいに危惧しております。
 そういう面で、制度的にもそれを可能にするような仕組みを一つ工夫していただきたいというのがお願いでございます。

【田村部会長】 
 ありがとうございます。
 これは私学の大学の先生方、出ておられますが、これはよろしいですね。一応、そういうことができるようにするという道を開くというお話でございましたから。八田先生のほうもよろしいですね。特に。
 では、時間になりましたので、ご発言ありがとうございました。
 続きまして、現職研修につきましてのお話に移らせていただきます。では、まず資料に基づきまして、ご説明をお願いいたします。

【日向教育改革調整官】 
 では、資料4-1と資料4-2を使わせていただきます。資料4-1、現職研修等に関する主な論点と意見の概要についてでございます。
 論点は2点でございます。1点目は、養成段階における教育現場での実習を充実する場合には、初任者研修のあり方についてもあわせて見直す必要があるということでございます。
 意見の概要でございますが、1年目で担任を持つと初任者研修は過重な負担となっている。また、初任者に対して過重な負担をかけておきながら、2年目以降の研修がない。3年から5年ぐらいかけて、もう少しなだらかな形で研修をすべき。初任者は大学5年目であると同時に教員1年目である。教職大学院の持っているノウハウも織り交ぜながら、教育実習をどうするのかという課題も含め、この1年間を複合的に考えるべき。
 以上が意見の概要でございます。
 次に、10年経験者研修等の法定研修をはじめ、国及び地方公共団体等が行うさまざまな研修等のあり方については、教員免許制度との関係や、国と地方の役割分担も考慮しつつ検討が必要ということでございます。
 意見の概要でございますが、教員は現場で育てられるべき。先輩、同僚との出会い、校内・校外研修、さまざまなポストの経験などを通じ、資質能力は向上する。これらの要素をOJTに組み込むべき。研修の成果が給料に多少なりとも反映されるようにすべき。教員は大変忙しいため、研修時間の確保が困難である状況を踏まえ、教員の数の問題、研修のあり方についても考えるべき。
 以上が論点と意見の概要でございます。
 続きまして参考資料でございます。1ページが、教員研修の実施体系ということでお示しをしております。
 1点、修正がございます。国レベルの研修の1つ目の黒丸の、各地域で学校教育において云々というところの、海外派遣研修というのがございますが、これは2カ月ということでございます。「3カ月以内、6カ月以内」は、21年度まででございます。訂正をお願いいたします。
 国レベルの研修がございまして、一方、都道府県教育委員会等が実施する研修がございます。
 赤い丸印は法律で定められている研修でございます。
 そのほかの黄色の研修につきましては、任命権者がそれぞれの状況に応じ実施をしているものでございますが、大まかに挙げますとこのような形になります。
 次に2ページでございます。初任者研修の概要でございます。初任者研修につきましては、目的、対象者、実施者、根拠法令、研修内容等、そこに掲げられているとおりでございます。
 どのように行われているかということでございますが、校内研修と校外研修に分かれます。校内研修は週10時間で年間300時間程度。講師は拠点校の指導教員や校内指導教員。実施上の留意点はそこに書かれているとおりでございます。
 また、校外研修は、年間25日程度でございます。研修場所と内容は、教育センターにおける専門的な指導、企業・福祉施設等での体験研修、社会奉仕体験活動研修及び自然体験活動研修、宿泊研修となっております。
 次に3ページでございます。10年経験者研修の概要でございます。目的、対象者等、そこに掲げられているとおりでございます。
 文部科学省が教育委員会に示した内容例でございます。評価・研修計画書を作成してくださいということ。また、研修の実施、研修実施後の評価ということでございます。
 研修の実施につきましては、長期休業期間中は20日間程度。場所は教育センター等で、ベテラン教員、指導主事等が講師となりまして、模擬授業、教材研究、ケーススタディ等が行われております。
 課業期間中については20日間程度で、校長、教頭、教務主任等から助言を受け、研究授業、教材研究を行っております。
 なお、その右下に細かい文字で書かれておりますが、10年経験者研修と免許状更新講習の整合性の確保ということで、10年経験者研修につきましては、校外研修は20日間でございますが、これを5日間程度短縮することも考えられるということで通知を出させていただいております。
 次に4ページでございます。独立行政法人教員研修センターの概要でございます。
 国におきましては、自治体の行う研修の指導者や地域の中核的指導者を養成しております。この実施をしておりますのが教員研修センターでございまして、喫緊課題の指導者養成、またその地域の中核指導者の養成を行っております。
 設立年月日、所在地、予算、役職員等、そこに掲げているとおりでございます。
 また、具体的にどのような研修をやっているかというのを5ページに挙げさせていただいております。これらの研修を教員研修センターにおいて行っているところでございます。
 6ページでございます。この独立行政法人教員研修センターについてでございますが、昨年度行われました事業仕分けの結果、自治体・民間へ移管という評価結果が出ました。
 そこで、対応といたしましては、教員免許制度の抜本的な見直しや研修の充実など、教員の質の向上を目的とする改革の中で、このセンターの役割の見直しを検討してまいりますということでございまして、今回、資料として提出をさせていただいた次第でございます。
 次に、指導改善研修でございます。
 これは指導の不適切な教員の指導の改善を図るということでございまして、任命権者が実施をしているものでございます。原則1年以内ということで、指導改善研修後の措置としては、指導の改善が研修後も不十分で適切に行うことができない場合には、免職その他の必要な措置を講ずるということになっております。
 8ページでございます。統計的なデータの状況でございます。すべての教育委員会において、この人事管理システムが整備をされております。
 平成20年度におきまして職場復帰78名、退職等をした者50名を含め、これまでの取り組みで職場復帰が757名、退職等をした者695名という状況でございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 この件に関しましては、既にいろいろなご意見をちょうだいしているわけですが、もう1回、今までの議論、資料4-1をご覧いただきながら、ご発言をいただければ大変ありがたいと思います。
 あと、国のやっている教員研修センターの問題ですが、仕分けの意見は意見として、私は個人的にはこういうのはちゃんとないとまずいという感じを持っていますので、これについても何かご意見があったらぜひいただきたいと思います。
 それでは横須賀先生が最初です。それから岸田先生、新藤先生。どうぞ。

【横須賀委員】 
 先ほどの休憩前の議論で、教員の資質向上に非常に大きな役割を果たす、現段階としては養成段階よりも現職になってからの研修のほうがはるかに重要な意味を持つというのが共通の認識になっていると思うのですが、この現職研修そのものについては、やはり相当、現段階まで来て検討すべき事柄がまた多くなってきているのではないかという気が私はしています。
 初任者研修が始まってから、昭和と平成の境目ぐらいからですから、20年以上たっている。それからその後、10年研とか、研修の体系化ということが進んできた。このことは非常に優れたことだし、いいことだと思うのですが。
 それで、そこのところの細かいことについていろいろ批判することは養成のほうを弁護してしまうことになるから、私はあまりそのことについては発言しないで来ましたが、ここまで来ると、二十数年たってくると、やはりこれについての検討は相当必要なのではないか。特に資質向上、それから生涯にわたる教職の生活の中でということが明確になっている以上、今回は相当議論をすべきではないかと私は思います。
 先ほどの休憩前に出た資料で、免許更新制度そのものにはものすごく疑問があると。これには失効とか費用負担とかいろいろなことがあるのだと思いますが、その一方で、大学の免許更新講習を受けたらどうだったかというのには、八、九割、「よかった」とか「まあよかった」という意見が出ている。この落差は何なのかということを、研修を担当する教育委員会の方々は、一度よく考えていただきたい。そういう時期に来ているのではないかという気がするんです。
 やはり、平成に入ってからの現職研修、特に教育委員会が担当する研修というのは、それまでの教育現場における行政と教員団体との確執の中で、実務研修というのか、あるいは教育委員会側に引き込むというか、統制していくとか、そういう主眼が非常に強かったと思うのです。
 私はそのことを否定するわけではないけれども、本当にそれが教員に魅力のあるものだったかということは、ここまで来たら考えてもいいのではないかという気が、とてもしています。一人一人の教員の授業力とか教育教養とか、こういうものの向上に本当になっているのか。それを担当する指導主事が、ほんとうにそういう実力を持っているのか。
 私は今まで大学の側にいて、大学の側の問題のほうがはるかに大きいと思うから、このことは初めて発言するのですが、この段階に来たら議論したほうがいいのではないかと思うのが1点。
 それから、初任者研修にしても、始まってからもう二十数年。この間に、教育現場における新任教員の状態はものすごく変わっている。
 私は沖縄県とか神奈川県の横浜市でないところとか、こういうところの学校に随分入って授業研究を一緒にやっていますが、そこで見ている初任者というのは相当の経験者。年数的に相当経験を経ている人間。これに全く前と変わらない初任研が行われているという現状を見ていると、非常に疑問を感じる。どうして改善しよう、改革しようという気が起きないのか、不思議に思っています。2点目。
 それから3点目は、私は免許更新講習制度を取り入れた18年度の答申にもかかわっていますが、そのときに、これとあわせてさまざまな研修を再検討すべきだと。特に10年研との重なりは絶対にやってもらわないと、免許更新制度の講習の支持は得られないはずだとかなり強く申し上げましたが、これができないまま来てしまった。どうしてだろうかと今も疑問に思っています。
 4点目。やはり研修を保証するのは、研修を受けて成果を挙げた人間に対する処遇であり、インセンティブです。それをちゃんとやらなかったら失効するぞという、そういうマイナス面ではなくて、しっかりやったのならばそれにふさわしい処遇をするぞと、そういう制度でなければ研修はほんとうには充実しないだろうと思います。
 これは金銭的な処遇ということもあるでしょうし、前半で議論した免許の中に、それにふさわしい免許を創設する。今の専修免許というものはかなり空文に近いものなわけで、こういうものをちゃんとやるという点をしっかり議論しないと、生涯にわたるとか、研修こそ大事だということも議論倒れに終わってしまうのではないかと思います。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 現職研修について、横須賀先生から総体的なご意見をいただきまして、非常に参考になりました。
 これからご意見をいただく先生方が、今の予定ではあと8人いらっしゃるわけです。時間は、予定は30分なんです。それを超しますと、まだ議論していただくテーマがありますので、お一方ずつのご発言の時間をできるだけ少なくしていただくことをお願いを申し上げます。
 それでは岸田先生、どうぞ。

【岸田委員】 
 今の横須賀先生のお話と重なるところも随分あるのですが、現職教員の研修をこれから真剣に考えていかないといけないというのは同感です。私たちの自責の念も含めてですね。しかし、その方向性というのは、先ほど私が少し申し上げましたので、ここではそれだけを指摘しておきたいと思います。
 それから、10年研修も同感です。これは14年度答申の、いわば着地点として出発したものですから、これについてはもう今回の議論で、必ず、このあり方については、総合的な考え方の中でどうするかということを示さないといけないだろうと。これが2点目です。
 それから、今日の資料にいただいた4ページからの、この話が出ていませんので。いわゆる教員研修センター、国のやっている研修についての考えを述べたいと思います。
 幾つか申し上げますが、1つは、日本の教育、教員の均質性を保つという視点です。
 地方の教育を支える大きな役割を果たすのが、管理職とか中堅教員のレベルアップだと思っています。そういう意味で、やはり我々がやっている現職教員研修、いわゆる地方がやっている研修と、国のやっているものとは差があって、幾つかの視点を申し上げますが、1つは高いレベルの講師の招聘ということがなかなか地方レベルではできないということです。
 それから、2つ目は、意識の高い集団での学びということです。同質の意識を持った人たちがここへ集まってきて、そこで学ぶ。そういう場というものが与える教育力というものは大変大きいものがあるだろうということを思っています。
 それから、広範性、あるいは普遍性を持つ講義というものがここでは展開されているということで、そういう講習を受けてきた管理職なり、あるいは中堅教員が、現実的に私どもの教育行政を進めていく上でリーダー的な役割を果たして、あるいは実践をしていくことを牽引してということがありますから、その有効性が確認できるだろうと思っています。
 それから、大学と教育委員会との連携ということでは、今までにも申しましたように、それから今日の議論でも随分出ていますが、いわゆる初任研の扱いの1年間の中で、大学が担う部分と教育委員会が行う教育とが連携していかないといけないということがあって、そこで1つの連携の形が確保できるだろうと。
 それから、私が先ほど申しましたように、教員免許更新制の講習を継続していくということであれば、その中にも教育委員会と大学との連携ということも生まれてくるだろうと思っています。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 大変適切なご意見をちょうだいした感じがしています。私も実はつくばに実際に行っていますので、あれはなくなると困るのではないかなと本当に思いますので、一つ頑張ってほしいと思います。
 では、続いて新藤先生、どうぞ。

【新藤委員】 
 急いで2点。1点は初任者研修です。私はやはり、初任者研修というのは非常に重要であり、中身の充実というのはますます必要になってくるなと思っています。それは、教員に求められる質、能力、実践的な指導力が、ますます高いものがある以上、やはり初任者研修を外すわけにはいかない。
 ただし、問題は、現在、教員の試験任用期間というのでしょうか、これが1年に限られていて、例えば中学校は担任をさせないということが原則になっています。そうすると、この先生は担任がきちっとできるかどうかを試すこともできないまま、12月末、場合によっては1月ごろには、この人は教員として適切であるかそうでないか、採用していいかどうかを決定しなければならないということになります。
 そうすると、その決定をするために、その教員の力を見るための適切な資料が整わないままする。結果として採用が決定してしまった、担任を持たせてみた、やはりだめだった、というようなことが、現実には起こっています。
 そういう面では、教員にもかわいそうな部分がありますので、やはり初任者研修の期間を2年とか3年間、ゆったりとさせるという、そして自分の適性をきちっと見極める。また、校長もそういった中で、校長だけではなくて周りの教育委員会も含めて、適切にその人の育成ポイント等を時間をかけて見抜いて、資質能力の向上を図っていくという、そういう初任者研修制度が、私は確立される必要があるのではないかと思っています。
 2点目です。これは岸田先生や田村委員長と同じなのですが、やはり教員研修センターの重要性です。
 私は、この教員研修センターの前の国立教育会館で中央研修を受けましたが、当時、指導主事でした。校長、教頭、指導主事が参加しました。東京は一番進んでいるし、一番正しいことを行っていると思って臨みました。違いました。東京にはいろいろな課題があることがよくわかりました。
 そして何よりも、今、校長になって思うことは、特に人事に関するマネジメントというものの力を身につける場が、現職教員時代はないんです。指導主事をやっていてもなかなかないんです。
 要は、人事に関しては、こういう中央研修のような場面で、他県の実態等も含めて、実はこれがそのときの、すみません、ちょっと赤茶けてしまっていますが、出された演習問題です。
 このときに3週間勉強したことが非常に重要ですし、その後も実は、一緒に来た、秋田県から宮崎県までいた仲間が、同じグループになっていた16人が、その後も年に1回ずつ集まって情報交換をしてきました。教育長になった者もいます。全員、校長になりました。教育委員になった者もいます、大学の先生になった者もいます。
 そういった中で、毎年1回集まって実態を交換し合う。決して集まってサティアンを懐かしむとかそういうことではなくて、筑波おろしを懐かしむのではなくて、やはり現職として、今あるべきことの課題を一緒に情報交換できている、あの仲間というのは非常に重要であったなと私は思っています。
 その面では、この中央研修のようなシステムは絶対になくしていただきたくないなと思っています。
 以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 では、続いて高岡先生。

【高岡委員】 
 私は、今のテーマと、その次の連携の問題も含む話だと思うのですが、先ほど時間がなかったときに実は考えていたことの、私自身の中では蒸し返しになるのですが。
 論点は2つです。1つは、大学という観点から養成という問題を縷々考えてきたときに、いろいろなこともやってみたのですが、この先にあるのは何だろうかというふうに、例えば私は田舎の学部で一緒に仕事をしながらみんなと考える。
 それはおそらく、次は研修の段階に大学はどうかかわっていくかということだろうというふうに位置づけたんです。
 つまり、教員養成と言うと、まさに基礎面の資格のところをどうやって大学で育てるか。まさに大学生を教員の卵に。卵は使えないですが、卵を少なくとも孵化させて現場に出してやるという、これが仕事だと。
 その先に、この部会でももうさまざま議論がありますが、要は本当に教員になっていくためには、養成ではなくてやはりOJTなんだと。研修のほうが大事なんだと。それはどちらが重いという話ではないにしても、そちらのほうをもっと強化する。
 つまり、養成の段階はもう4年でいいとか、あるいはまあこれ以上増やさなくてもいいのではないかという議論が一方であります。
 私はそれを、この部会に諮問された表題のことを最初の会のときに申し上げて、教職生活の全体を通じたという、この表現がやはり大事で、まさに教員養成という問題は、この言葉が皆さんに通じるかどうかわかりませんが、教師教育という概念に広がっていくのだろうと。養成から研修も含めた教員の生活全体、生涯を通じた職の成長というところに大学はどうかんでいけるか。次の段階はここにいかに貢献できるかということが、例えば国立の教育学部の大きな使命だろうと思っています。
 それに対応するやり方として、18年答申の中では、1つは学部段階でのレベルをもっと上げろという、その基準点を超えて何ができるかということを、やはり課程認定大学は考えるべきで、例えばXYZ軸の3軸で言えば、免許を取るということは実はその中心点のゼロ地点に立たせるだけであって、学部段階の養成ではそれを少なくとも1か2までは力をつけて出したいと考えるのが、課程認定を受けた大学の責務ではないか。私はそういうつもりで、その学部で養成改革というものを考えてきたつもりでいます。
 その先に、次は免許更新制があり研修があるというふうにとらえると、1つの方向はやはり教職大学院だと思いますし、教育学研究科というものはもっと改善しなければいけないと思いますが、大学院レベルでの教育。これが、ストレートマスターを中心に、もっと大事なこととしてちゃんとあるだろうと思います。
 それと、現状では大半の教員が既に現場に出て、その現場の中でOJTとして研修を進めていく、その課程を大学はどうフォローアップしていけるか。ここが次の大学の課題だろうと思っています。
 ですから、1点目は養成と研修の融合ということで、もうちょっと制度論を踏み込んで言えば、現状の初任研と大学行政のかかわり方。この構造を変えるということがやはり大事なのではないか。
 極端に言えば、初任研をやりながら大学院生でいるというような仕組みができれば、ある意味で2足のわらじになるわけですが、大学が初任者に対する一定の資質向上に、さらに1年なり2年なりの期間をかけて貢献することができる。これを1つ思います。
 もう1つは、更新制の実施で学んだことなのですが、今、大学は、やはり学校現場というところに目を向けて、それにふさわしい免許更新制の講義内容をつくろうという努力をしています。それのさらに延長上には、例えば一定期間、1カ月とか2カ月とかの期間を、現職の先生が大学へ来て、改めてそこで研修を受ける。大学には履修証明制度という新しい制度を導入することも可能ですから、一定の修了証を県と一緒になって認定していくことで、1カ月とか2カ月というプログラムをつくって、実質的な教員の研修に貢献できる大学をつくることは可能ではないか。
 さらにその先に、私は、例えば大学院、専門大学院でもいいですし専門免許状でもいいですが、1年間なり2年間なりの長期にわたる研修の機会というものがあって、実は研修制度そのものが初任者のところでの研修と、それから中堅クラスになったときの中期的な期間、数カ月の期間、大学にもう一度戻る。さらに1年、2年の大学院という仕組みの中で研修を行う。
 そのことに、教育委員会、行政が大学を信頼してもらって、初めて今の話が通じるわけで、大学が勝手にそういうふうに思ったからといって、行政がそんなものは要らんと言われれば、もうそれだけのことなわけですから、そこに行政と大学が協議をするテーブルが、今絶対に必要ではないか。そして、そういうものをつくれる基盤を地域的に持つべきで、さらに言えば、そのプログラム開発だとか大学が担うべき研修の内容、それから行政がやるべき研修の内容というのを仕分けするような、研修システムを研究開発するようなナショナルセンターというものも必要なのだろうと思うのです。
 ですから、それは現在の教員研修センターであるかどうかは私は定かに存じ上げませんが、そういうナショナルセンターはやはり要るだろうと。教員養成と研修を合体させるような、教師教育という概念でもう1回くくり直すような仕組みづくり。これが国全体として必要な時期に来ているのではないか。そんなふうに考えています。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 高岡先生からは、現職研修にとどまらず、次のテーマになるのですが、教育委員会とか大学の関連機関の連携・協働に関することについてもご言及いただきました。非常に参考になったと思います。
 では、続いて青山委員、どうぞ。

【青山委員】 
 3点お話し申し上げます。まず第1点は、先ほどの5回目のところでの免許更新制のことで一言言い忘れたことがありましたのでお話をさせていただきたいのですが。
 ある意味で、講座を開いていただいている大学も、アンケートから評価していただいているのは、教員が実際に受講して、その受講のプロセスの中で変容していく。で、その講座の内容について新しい面を発見して、大変よかったという評価をして、それを持ち帰るということがあると思うのです。
 私は、教員はニーズが多いものですから、大学で実施されているようなサバティカルというシステムはなかなか導入できないと思うのですが、非常に小規模ではありますが、この更新講習というのが、ある意味一つの、教員に与えられた、非常に短時間ではあるけれどもサバティカルではないだろうか。その限られた短い時間の中で新たな自分を発見するという機会を、今回、この更新講習で持っているということを、教員が自分で受け止めるということが必要なのではないだろうかということを感じています。
 第2点は、初任研、10年経験者研修でございますが、これも年を経るごとに、該当する初任者といっても、年齢が非常に多岐にわたって幅が広がってきているということがあります。
 それから、先ほど委員からもご発言がありましたが、10年経験者研修といっても、例えば22歳で採用されて32歳で10年研を受ける人と、40歳で採用されて50歳で10年研を受ける人と、やはり幅が広いということで、そのそれぞれの人に応じた研修内容というものをどう組み立てていくかということが、今求められていることであるだろうと思います。
 そうなったときに、私も今回資料の中に入れていただいている、教員研修センターの存在意義というものについて、やはり積極的に考えていかなければいけないだろうと思っています。
 私自身は、不幸にもこの教員研修センターでの研修を受けることはできませんでしたが、私の同僚で受けた人たちは、やはり教育委員会の中でも学校の中でも枢要部を経験されて、そしてそれだけの力を発揮されているということは評価しておりますので、この教員研修センターが主催されている管理職研修や、研修にかかわるそのノウハウ、研修資料の研究、そしてまた各県の教職員センターとの連携、研修センター同士の情報交換というのは、できそうでなかなかできないというところがありますので、その核となるところにこの教員研修センターがあって、ウェブを構成してお互いに情報交換をする。そして研修の内容を深めていくということができると思っています。
 そういう点から、国の責任において、リーディングファカルティの機能を持つ機関、部門として、やはりこの教員研修センターが必須であると考えておりますし、教育は国のありようを示す鏡ということから、国が責任を持って指導する枠組みがやはり必要であろうと考えております。
 ただ、今日の資料の6ページのところに、300件の国民からの意見が寄せられたうち、3割が否定的な意見ということ。そして7割が肯定的というのですが、私はこの7割というのは、やはり間接的にも直接的にも、この教員研修センターの研修にかかわった方たちが中心ではないかなと思っておりますので、ぜひ、この3割の皆さんに対して、教員研修センターの姿というものを一層説明、PRしていただいて、存在意義を啓蒙し、するという自助努力をしていただく必要があると考えています。
 以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 続いて中西先生、どうぞ。

【中西委員】 
 初任研ですが、かなりダブるのですが、私も発言させてください。
 かなり初任者が大都市部を中心に多くなっているということがあると思うのですが、先ほど横須賀先生がおっしゃったように、初任者と言っても多様であると。経験者もいるということもあって、やはり個別対応というか、そういうことがかなり意識しなければいけないのであろうなと。
 東京都などの話を聞きますと、実際1年では対応し切れないというようなことをおっしゃる方もいらっしゃるぐらいですので、1年間という期限というのは、ある意味ではもう無理なのではないかと私も思っております。
 なおかつ、こういうご時世ですので、その点をどうするかというのはかなり喫緊の課題ではないかなと思っております。
 以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。内容改善ということですね。
 それでは宮川先生。

【宮川委員】 
 まず、資料の4-2をちょっと参考にしながら、お話をおおよそ3点ばかり。
 まず1点目は、初任者研修でありますが、現行、文部科学省がやっている拠点校指導教職員というものは、私は優れた仕組みだと思っております。と申しますのも、この拠点校指導教職員というのは幾つかの学校を指導に歩くわけですので、それぞれの学校の経営者の経営能力を見ることもできるほどの仕組みだと思っています。
 ですから、中堅と言うのでしょうか、その後の管理職等を育成する上でも、この指導教職員が有効に働くような仕組みになっていると思います。
 ただ、1点申し上げたいことは、先ほど来お話がありますように、この研修制度については抜本的に見直す時期だと思っています。
 東京都では、実質はこの4月から、校内研修は年間180ということでやらせていただいています。校外研修は16日間ということであります。
 このことについて検討していただきたいことは、東京都は地方交付税の不交付団体であるから、ある意味でできたと言ってもいいのではないかと思います。
 ただ、このカリキュラムをつくるときには相当悩みました。こういうところで、後ほど申し上げますが、このカリキュラムづくりについて、大学あるいは教職員研修センター等と相当に仕組みづくりができればよろしいのかなと思います。そういう意味で、高岡先生がおっしゃられたカリキュラムセンターとしての機能というのは、やはり求められるのではないかと思っています。そのことは後ほど申し上げたいと思います。
 実際に東京都のカリキュラムについては、十分検討した上で、実際に180時間の内容は、例えば社会人の採用された方は、その経験によって幾つかのプログラムを選択的に研修を受けられるような仕組みになっています。もちろん、ICTを活用したプログラム化されたものになっていますので、そのカリキュラムを組むのも容易です。
 また、これまで事務量が相当あったわけですが、実際に研修の実績などもすべてコンピューター上で処理されていくようになっております。そういった仕組みづくりというのは一つ必要だと思っています。
 初任者研修については、内容の改善とそういった仕組みづくりによって学校の負担を軽減することによって、より機能の高い研修の仕組みにできるのではないかということが1点です。
 2点目は、お話にも出ておりますが、5ページにございます教職員研修センターの役割でありますが、例えば、私が知っている限りでは、この喫緊の課題に関する研修等の指導者養成などで振り返ってみますと、例えば中ごろに人権教育指導者養成研修とありますが、これは国連の、95年から始まった人権10年の中で、国との施策として人権教育をいかにするかということで、これまで日本の教育については、どうも個別課題について偏った教育がなされていたものを、普遍的な課題を一つ踏まえながら個別課題をきちんと扱っていくような人権教育にしていくという、国のありようとしての人権教育について、この指導者研修でもって、各都道府県の研修というものは大分改善されてきたものだと考えております。
 こういった点から、国としての教育施策を全国的に進めていく上では、私は必要な組織だと考えております。
 この研修センターの今後のあり方について、6ページに幾つか示されていますが、例えば、事業仕分けでどう対応するかということで、抜本的な見直しをということでありますが、実はこの研修センターでのさまざまな研修の中で、さまざまな成果物があるはずです。そういう成果物をセンターのホームページでダウンロードして活用できる、あるいは参考にできるような仕組みというものをもっと講じていただければ、もっと各都道府県なり学校なりがさまざま工夫できるような仕組みになっていくのではないかと思っております。
 そういうことで、教員研修センターの存続について、十分に検討し、必要な存在として十分に機能強化していただきたいと考えています。
 最後に1点、東京都の宣伝をするつもりはないのですが、これまで教員研修についてはライフステージに応じた研修ということで、ずっとおおむねやってきましたが、東京都では、今、幾つかの、例えば教諭、主任教諭、主幹教諭、副校長、校長、統括校長というふうな職が明確にされてきていますので、実は昨年度から、職に応じた研修というカリキュラムを改善して展開してきているのが現状です。
 そしてもう1つは、こういった研修と、一人一人が自分でいかに研鑽に励むかということと、それから校内におけるOJTをいかに進めるか、そういう仕組みづくりに入ってきています。
 ということで、これからの教員研修については、そうした職にとって必要なものは何なのか。しばらくこの会でも、管理職にとって必要な研修が十分でなかったのではないか、その能力が問われているのではないかということも随分言われてきておりますが、そういった観点からしても、ライフステージというキーワードで進めるのも、特に指摘するほどではないのかと思いますが、私はその中で、もう少し職に応じた、職に必要な研修というものをもっと明確にして展開していくべきではないかなと考えております。
 以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 それでは向山先生、お待たせしました。

【向山委員】 
 簡単に3点。1点目は、現職研修についてはもっとスリム化を図るべきだと思っています。ご案内のとおり、改正労働基準法が施行されて、勤務時間が8時間労働から1日7時間45分になったわけです。1日15分短縮した。1週間で1時間15分短縮なんです。年間でいきますと50時間の勤務時間を縮減しなければいけない。その観点で、国も行政も校長会もやっていかなければいけないと思います。
 50時間勤務時間を減らすということは、例えば2時間の研修だと、25こまも減らさなければいけないわけです。そういう時短の観点で研修制度を見直していく。そのためにはもっと効率的でスリムなものにしていく必要がある。これが1点目です。
 2点目は、さらにそういう中で現職研修の充実を図るなら、やはり業務量の負担軽減ということとセットにしなければいけないと思います。
 今月号のある雑誌で、国立教育政策研究所の、ここにいらっしゃるのかな、総括研究官がイギリスの事例を紹介しています。イギリスでは2003年に教育技能省と関係の教員団体11団体で業務量を減らすというのを国民的合意で行ったわけです。ですから、日本でいけば文部科学省と我々校長会が、組合もあるでしょう、いろいろなところで業務量を減らして、そういう中でさらに図っていくという。そういう観点がない中で研修制度の充実というのは行かないと思っています。
 最後に3点目というのは、研修というのは研究と修養なんですね。どうも修養の部分が、これまで議論として少なかったという感じがします。と同時に、研修というのは、やはり現職の場合は水辺の馬を参考にしなければいけないんです。
 水辺の馬というのは、馬は池のそばに連れて行っても、自分が振り向かなければ水を飲まないわけです。教員というのは、そばまでは連れて行くことができます。馬と同じように、水辺のところに。しかし、その水を飲ませるかどうか、そこまで内容の質的な充実を図る必要があると私は思います。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 一応、時間になりましたのでこれで終わりたいのですが、どうしても発言していただきたい方がお二方いらっしゃいます。
 まず吉田先生から。次に日渡先生。

【吉田委員】 
 すみません、遅参いたしまして申し訳ございませんでした。
 今までのお話を伺っていて、私ども、やはり先ほど森田先生がおっしゃってくださったのですが、私立学校と公立学校の教員の違いというものも一つ考慮していただかなければいけないかなと。
 今、たまたま向山先生からも出ましたが、実は、公立学校の先生方は教育公務員という扱いになっておりますが、私立学校の教員はあくまでも一般労働者と同じ形で、就業その他について、超過勤務手当云々、いろいろ問題が出てきます。
 そういう中で、この研修というものを、いつ、どこでやるのかというのも、また非常に難しい問題がある。それはなぜかと言えば、裏を返すとやはり我々、生きた子供たち、そのときその場だけが勝負である人が相手なわけです。
 ということは、例えば企業であれば、今日は忙しいから明日に回して、明日残業して、というようなこともできるかもしれませんが、やはりその場その場で解決していってあげなければいけない部分もある。
 それから、人が人を育てるわけですから、ある意味研修云々に行った場合でも、それぞれの学校、それぞれのケース、それぞれの場合によって正解が異なると言うと言い方が変ですが、やはり違ってくる部分がある。そうすると、ただ一律に同じ解答だけ求めてやれるものとは違うのではないかなと。
 そこで、我々が今何をしなければいけないかといったときに、やはり研修とかそういうことは大事なことは絶対理解できることですが、そこに余裕というものもなければ無理なのではないか。その余裕を生み出す方法として、先ほどの、青山先生もおっしゃったのですが、私もサバティカル、大学の教授の先生方がやっていらっしゃるサバティカルとかああいう制度は非常にうらやましいです。
 ただ、私立学校も公立学校も、今の教員配置、それから今の資金的な部分で考えた場合には、とてもそれができる余裕はないと思いますし、それからまた教員が子供にかかわらなければいけない部分というのは最近富に増えているのではないか。10年前20年前と比較しても、例えば今、放課後に、校庭で遊んでいた生徒がけがをしたら、それを教員が見ていなかっただけで裁判になる時代ですし、責任が学校にかかる、先生にかかるという時代。そういう意味では、しっかりと子供に先生が関わってあげなければいけなくなる。そうするとまさに、忙しさというか時間がどんどんなくなってくる。
 これは外国の例で言えば、外国だともう本当に簡単な契約主義みたいな感じで、学校は何時から何時までは責任を持つけれど何時以降は知りません。先生方のほうも、夜、自分たちが、例えば大学で単位を増やさないと給料が上がらないということで、何曜日の何時からはもう研修に出ます、と言えばそれで済んでしまう。そういう社会と日本の社会が違うという部分を考えたときに、そういう余裕とかを生むだけの何かバックグラウンドがなければきついのではないかなと。
 それと、教員研修センターにつきましては、私も大変すばらしいものだと思っていますが、これは私立の場合と、またちょっと違ってきてしまう。
 私学では、私ども高中小におきましては、日本私学教育研究所を持ちまして、そこで教員研修、それからこの前の免許状更新講習も認可をいただいてやらせていただきました。
 そういうところでそれぞれの私学に合った教育をやるような形をとっていますが、ここ1つとっても、やはり公立と私学の違い。そういう意味では、講師の違い、それから学校種の違い、それから年齢構成の違いとか、いろいろな違いがあると思いますが、やはり何と言っても、人が人を育てるわけですし、その学校独自での研修とかがいかにできるように、そういうバックグラウンドを整えられるか。
 それから、1年目で逆に担任を持ったほうが成長する先生もいるし、持たないで2年3年じっくり見て成長する先生もいる。そういう見極めをできる余裕をいただきたい。先ほど新藤先生でしたか、1年では無理だとおっしゃっていましたが、そういう意味でも私は3年とかそういう期間をいただけることも、各学校にとってはありがたいのかなと。
 それと、私学というか教員の場合に一つ難しいのは、例えばお役所であれば、国だったら公務員試験を受けて入られて、そして次に上に上がっていくというときに、やはり初任の方と上司の方は大きな違いがあります。ただ、子供にとって先生というのは、新任の先生もベテランの先生もあくまでも先生。親も先生。そうなりますと、そこで非常に難しい問題もありますし、逆に言えば勘違いしてしまう若い人もいる。それから、そのまま普通にやっていればそのまま行けるのだから、何も無理して研修を受けて幹部になる必要もないと思う人も出てくるかもしれない。それがでもしか先生のあれになってしまうのかもしれませんが。
 そういういろいろなバックグラウンドを考えると、それぞれの学校にいかにそういう裁量権と言うと変ですが、やはり僕は公立学校といえども、校長先生のそういう権限がしっかりと伝わるような、そういう組織にしていかなければ難しいだろうと思うし、我々私学にとっては、人を育てることがそのまま学校の財産であるというふうに考えているので、ちょっとその辺の違いが生じるかなという気がしております。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 私立の立場でいろいろなお考えをお示しいただきました。ありがとうございました。いずれにせよ、校内研修が非常に重要だということは、これは公私ともに指摘されているところです。
 それでは最後に日渡先生、どうぞ。

【日渡委員】 
 遅れてきて申し訳ありません。本日の採用と研修についてということなのですが、採用と研修に携わった者として、また反省の意味を込めて、どうしても言っておかなければならないと思いましてやってきました。
 本日、資料をお配りしたのですが、これは私が書いたものではなくて、柳下公一さんという人の書いた本から抜粋したものなのですが、その資料の冒頭に数字が小さく並んでいるわけですが、この読み方というのは、管理職、リーダーに必要な求められる能力というものが下のほうにずっと書いてありますが、その一番上の数字は、その管理職を採用するに当たって、質問者が質問したときにどのような率で本物を見分けられるかという数字だそうです。
 例えば、達成指向性という質問をすると、1,000人聞いたときに0.2人ぐらいの間違いで採用してしまう。見抜かないということです。ずっと下を見ていきますと、顧客指向性とか自己貫徹力、組織感覚力になりますと、1,000人聞いたときに50人から60人は間違った人たちが、能力があるだろうと思って採用してしまったという数字だそうです。
 これはどういうことかと言いますと、もちろん、すべて管理職には必要な能力なのですが、あったに越したことはないのですが、より採用の間違いを少なくするためには、判断の間違う率を少なくするためには、こういった能力を見分けるプログラムというものが管理職や教員の世界にも必要ではないかということを言いたいために持ってきました。
 この資料にはありませんが、例えば必要な能力で、後天的に身につけることがどうしても難しい能力というものも、この人の話の中にはあるわけですが、私たちはそれをすべて能力を並べて、後天的に身につけることができないと思うけれども、やはり研修でやってむだな時間を過ごしているというようなことがあるわけです。
 これは民間の能力ですので、そのままこの内容が教師や校長、教頭に適用することはできませんが、民間では既にこのような研究がなされているということを言いたかったわけです。
 翻って教員の採用とか研修ということを考えますと、必要な能力が果たして、しゃべられているのですが、果たしてそれが適正なものなのかどうか、本当に研究として裏づけられた結果なのかどうかということを、担当していた時代に、非常に忸怩たる思いでやっておりました。必要な能力を備えているかどうかを質問する能力、そもそもが、宮崎だけかもわかりませんが、私たちにはなかったということです。
 言いたいことは、このようなものがないために経験則で、教師に必要な能力は、管理職に必要な能力は、という話をして、最終的には主観的に判断して、その結果、教師道とか校長道というものが横行している世界をつくってしまったということです。
 研究開発されたとしても、そのことにがんじがらめにとらわれる必要はかえって危険な面もありますが、せめて能力や研修というものが説明できるような研究というものがなされてしかるべきではないかということを言いたいということです。
 そして、話題になっている研修センターの問題ですが、現在、研修センター等を中核市以上の教育委員会が持っているわけですが、内容はやはり前例にならうことが多く、基本的に従来からの研修の形というものは、カテゴリーの中では全然変わらないということです。
 例えば、つくばの教員研修センター等は、教員の幹部研修とかそういうのもやっているみたいなのですが、ちょっと立場を変えて、地方のすべての研修センターの中核的センターとして、研修者を研修するとかプログラムを開発するように位置づけを変えていけば、国内の中核市以上の研修センターの力というものはぐっと変わるというような気がします。何かみんな同じところで研修をやっているのですが、1回本腰を入れて、全力を挙げて、こういうプログラムというものも自治体としては開発すべきだと。もちろん国も合わせてですが、そういうことを考えております。
 以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 大変貴重なご意見を多くちょうだいいたしまして、本当にお疲れだと思うのですが、最後のテーマが残っておりまして、教育委員会・大学等の関係機関の連携・協働ということで用意した資料がございますので、ご説明をお聞きいただいて、あと二、三十分議論をさせていただいてと思っているのですが、よろしくお願いしたいと思います。

【日向教育改革調整官】 
 それでは、教育委員会・大学等の関係機関の連携・協働に関する主な論点と意見の概要について、資料5-1と資料5-2を使わせていただきます。
 論点は1点でございます。教育委員会から大学への実務家教員の派遣、大学教員の現職研修への参画などの連携・協働が、より広範かつ確実に行われるような仕組みを構築する必要がある。
 意見の概要でございますが、教員の資質向上について、大学と行政がどうかかわるか、システムの構築が必要。教育委員会・大学をはじめとする関係機関や地域社会との組織的・継続的な連携・協働の仕組みづくりが重要。教員養成だけではなく、大学を現職研修に使うことが非常に重要。大学教員にも教員の資質能力の向上に寄与したいという声がある、ということでございます。
 次に資料5-2でございます。1枚おめくりいただきますと、教員養成段階における連携ということで、教職実践演習。これはこれから始まるものでございます。それから教育実習、あと人事交流等における連携。教職大学院においては実務家教員を必要専任教員の4割以上置くことを法令上規定してございます。また、教職大学院では45単位のうち10単位以上を、学校等での実習を行うよう義務化をしております。教育委員会から現職教員が教職大学院に学生として派遣をされております。認証評価に学校関係者が参加しております。評価項目として、教育委員会及び学校等の連携を設けております。
 それから、研修段階における連携でございます。初任者研修、10年経験者研修、それぞれ掲げられているような状況でございます。
 また、その他として、更新講習の開設、また免許法認定講習における大学からの講師派遣等で連携が行われております。
 1枚おめくりいただきまして、連携の具体的な例を挙げさせていただいております。実習・ボランティア・体験活動での連携や、理科教育での連携、特別支援教育の分野での連携、それから外国人児童・生徒の支援、学力問題、不登校問題等々、さまざまな形で大学と教育委員会等の連携が進められております。
 以上でございます。

【田村部会長】 
  ありがとうございました。
 既にしてかなり進んでいるということでございますが、この件につきましては、まず、まだご発言いただいておりませんので、八田先生からどうぞ最初に。

【八田委員】 
 こういう大学と教育委員会との連携ということで、少し私の考えを述べさせていただきたいと思います。
 この場合の大学というのは何をあらわしているかというと、一般には多分、教育大学とか学芸大学とか教育学部をあらわしているかもわかりません。ただ、私としては、大学は本当に、養成系の大学以外の大学は、免許を出して、後はもう知らないということで、やはり社会的な責任としてはおかしいと考えております。
 やはり大学で免許を出して送り出した以上は、その後、アフターケアもある程度はするべきであろうし、しかも規模の小さな大学でも、それぞれのある特定の分野の教育の専門家、あるいは心理学の専門家がおられるわけですから、こういう方々をまた利用すべきだとも考えております。
 ただ、個々の大学がどれだけ教育委員会と連携できるかというと、なかなかできないことが現実にあるわけです。大規模な大学ですと、いろいろな種類の先生、いろいろな分野の先生をお持ちですから、いろいろと教育委員会と連携できる。
 そこで1つ参考になるのが、今、いわゆるコンソーシアムというものが各地域にあります。京都でも大学コンソーシアム京都という、国公私立すべての大学、短期大学が加盟して、過日、公益財団法人になりましたが、私もその運営に携わっております。これを利用していただくのが、私は1つではないかと思います。
 もちろん、教員養成系の大学と教育委員会との連携は、当然今までやっておられるかもわかりませんが、こういうコンソーシアムをつくっておられるような地域と教育委員会が積極的に連携をして協定を結ぶ。そして、個々の大学ではなかなか賄い切れないようなすべてを、コンソーシアムだったらできるということがあります。大阪にもコンソーシアムはありますし、石川県にもあります、広島にもでき上がっております。あるいは山形にもありますし、東京では多摩とか、いろいろなところでコンソーシアムをつくって、ある程度大学が集まっていろいろと、単位互換から始まるのが普通なのですが、いろいろな分野の先生方を、コンソーシアムが1つとして考えれば提供できるということがありますから、今後、こういう仕組みを考えていただくときには、それぞれのコンソーシアムを最大限利用していただく。そして、教育委員会と連携を。それでまた大学あるいはコンソーシアムとしての地域貢献とか社会貢献にもつながるし、あるいは、先ほど申しましたように、教職課程で免許を持った学生の出しっぱなしというような状態に対して、アフターケアもしているというようなことで社会貢献にもつながるということで、コンソーシアムの活用をぜひともお願いしたいと考えております。

【田村部会長】 
 非常に重要な指摘をしていただきました。ありがとうございました。これはぜひ、答申の中でコメントしておく必要があるなという感じでございます。
 現実に、開放性という形での教員養成というのが実態でございますから、当然そういうことも考えておく必要があると思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、村山先生。

【村山委員】 
 今の八田先生のご意見、非常に賛成です。開放性のもとで、国公私全体、大学について考えなければならないし、そこに教育行政というものがどう関わるかという視点が大事だと思います。
 ただ、その際1つ、ぜひこれからも検討する必要があると思いますのは、今、教育委員会がやっているような法定研修など、これはシンプルにしていく必要があると思いますが、非常に熱心に日本はやっていると思います。そういう研修のシステムの中で、大学がそれに関わるというのはどういう意味を制度的に持っているか。
 今までも連携連携とかけ声は言ってきたのですが、やはり、私は何度も言っていますが、制度的な仕組みをつくらなければならない。その際には、大学卒業後の教師に関して、大学が教育機関としてかかわることはどういう意味を持っているのかということだと思うのです。
 例えば、アメリカなどは、管理職コースというのが大学にありまして、校長登用などはもうそのコースを出なければ校長になれないと。つまり、任命権を教育委員会は持っているのだ、大学が何を言えるんだというご意見がありますが、そこは違うんですね、アメリカの場合は。教育機関が、一種、人事システムに関与している。間接的にかかわっているわけです。本来的にはそういう制度につながっていく問題だと思います。
 私はやはり、高等教育機関が教員のいろいろな仕組みに、制度的に多様にかかわっていくと。これを今回、何とか工夫する必要があるだろうと。
 そういう意味で、コンソーシアムというのは非常に有効ですし、もう一歩進めれば、それは教職大学院を多様化して、地域ごとの包括的に教職についてかかわる教職センターみたいなもの。それがしかも教育機関として成り立つような教職センター。こういうものも考えられるのではないかなと思っています。
 いずれにせよ、私は教育委員会が教師の育成だけではなくて研修に全責任を持つという思考は非常に大事だと思いますが、そこに教育機関も教育機関としてかかわる、関与するということも非常に意味があると思っています。その辺の今後の検討をぜひお願いしたい。

【田村部会長】 
 ありがとうございます。非常にいいお話をちょうだいしました。
 若月先生も、養成、研修はやはり大学がやるのが筋だということははっきり言っておられましたから。どう教育委員会がそこにかかわるかという問題だろうと思います。ですから、前向きに積極的に制度設計をして提案していくということで、少しずつ進んでいくということでよろしいのではないかという気がいたします。
 もう大分、この件については今までのご意見の中でかなり発言していただいていますので、もうお疲れでしょうし、そろそろ最終的にここでまとめるという形で進めてよろしいでしょうか。
 これだけは言っておきたいというようなことはございますでしょうか。よろしゅうございますか。どうぞ。

【松木委員】 
 教育委員会と大学の連携ということなのですが、今の段階の連携を見ていると、お互いにパーツの利用の仕方と、お互いが持っているパーツをただ勝手にお互いの文脈の中で利用しているようにも見えるんです。ここの段階をやはり抜けていかなければいけないような気がしています。
 例えば、福井の例で挙げますと、更新講習のときに、必修を担当した大学の教員は十数名でした。ですが、それとはほかに50名から60名の教頭先生や校長先生に講師として参加していただきました。結果、赤字になって、大学の理事から非常におしかりを受けているのですが。
 その50名や60名の教頭、校長先生に何をしていただいたかというと、まず大学が提供する最新の教育事情等について、一緒に研修に参加していただきました。ですから、更新を受ける先生方と一緒に話を聞いていただいた。
 その後、講習を受けた先生方は、自分の10年間を振りかえってまとめる仕事をしていただきました。まとめたものを、今度は数人のグループに分けて、数人のグループの先生方の話を、教頭先生、校長先生として参加していただいた先生方にしっかり聞き取っていただくというような計画でずっと進めてきました。
 何が言いたいかというと、研修などの場合でも、それぞれのライフステージだけの研修ではなくて、それをどうやってつないでいくかということを支えていくような部分が非常に重要だなというふうに感じているところでもあります。
 それは単に、今、1つの研修の例だけで言いましたが、大学の中のあり方、それから教育委員会等のあり方についても、パーツの利用から、むしろ生涯にわたっての教員の資質を向上させていくという全体像の中での連携のあり方ということについて、かなり詰めて中をしていく、そういう段階に来ているのではないかなと思っております。

【田村部会長】 
 ありがとうございます。
 確かに、大学がやるべき仕事だという感じがますます強くなってきました。
 それでは、これでどうやら議論は終えられるのですが、最初から非常に熱心に、諮問された責任者でしたから当然と言えば当然なのですが、次官がずっとおられましたので、一言何か感想を言っていただいて締めたいと思うのですが、どうでしょう。

【清水事務次官】 
 そういえば前回も田村先生からのご指名で、合宿集中審議はいかがですかというようなことを提案したような覚えがあります。
 今日は変形バージョンで、皆様方、本当にお忙しい中、大変長時間にわたりありがとうございました。いよいよ話は佳境になってきたのかなというふうに思っております。
 今日のテーマ、免許制度、それから採用と多様な人材の登用、研修、そして連携・協働、いずれもそれぞれに微妙に重なり合いながら、システムとして考える場合には、おそらく、例えばそれを通じたものとして設計することは多分可能なのだろうなというふうな印象を持ちながら伺っていたわけであります。
 たとえて言えば、例えば冒頭、第2回目で言えば、専門職基準みたいなものをどう考えるのかというご提起がございました。今日は直接関係ありませんが、例えばそれは専門的な分化と職能的な分化、両方の方向に応じておそらくあり得る。ではそれを、今度は免許状制度との関係で考えてみたらどうなのだろうというのが、おそらく専門免許状の問題でありまして、それは処遇の問題、インセンティブの問題、現職研修の問題等々、おそらく重なっていくはずであります。
 そういう意味で、従来の研修のあり方も含めて、もう一遍、全体として見直す契機ということでは、非常に重要な局面を迎えているのかなと思っております。
 ただ、おそらくそこのところで言えば、養成の段階にいわゆるユーザー側が養成のプログラム、あるいはアウトカム、例えばそれは課程認定という形で制度的には翻訳されるわけですが、そこにどう関与していくかという問題でもありましょうし、今までの連携の中では教員組織の中に、あるいはカリキュラムのいわゆる1つのモデル的なものの開発の中に、ということであるのかもしれません。
 あとは、研修の部分で言えば、まさにそれは研修というものの体系、あるいはそれをインセンティブという部分で、大学がどこまで本当に尽力、貢献できるのかという問題でありましょうし、それは同時に、制度的に翻訳すれば、都道府県が今、免許状の授与権者でありますが、免許状の授与に当たってどんなシステム的な乗り入れが可能であるか。つまり、免許状の授与にそういうカリキュラム、あるいはそういうプログラムを提供する側、あるいはそういうものを求めているユーザー側という意見を同時に組み込んだ形の認定システムというものも、あるいは可能なのかもしれない。
 もう1つ、今日抜けていた議論は採用の部分であります。いわゆる採用の部分で、いろいろ全国的にというご議論もございましたが、ただ、一般的に言えば、選考と言いながら一般教養から始まって専門、そして法規的な部分も含めて「採用試験問題」という部分で、ある意味洗練されていない状況があるのではないだろうか。せいぜいセンター試験並びの問題が、一般教養、専門での試験のスケールとなっているという問題。そういう採用試験がどれだけの意味を持っているのかという部分が、これからあるいは議論になっていくのかもしれません。
 そういう中で、採用とか研修、あるいは免許状の中で、多様な方々がまさに教育の世界に入ってこられるシステムという感じで考えれば、いろいろなことが議論になるのかなということをつらつら考えながら聞かせていただきました。ありがとうございました。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 我々も、残された議論という意味で、今のお話はなるほどというところでございます。
 いろいろなご意見をちょうだいしまして、この今の時点では、ほぼテーマについては議論していただいたという感じもございますが、今のお話も踏まえながら、中間まとめに向けて準備するということでございましょうか。本当に、ご協力いただきましてありがとうございました。
 これで終わりたいのですが、まだ報告がありますので、そちらのほうに移らせていただきます。
 それでは、新・教職員定数改善計画につきまして、事務局より資料のご説明をお願いしたいと思います。非常に大きなテーマでございます。

【伯井財務課長】 
 財務課長の伯井でございます。教職員の質と数の充実の部分のうち、数のほうでございますが、新・教職員定数改善計画について簡単にご説明をさせていただきます。
 学級編制・定数のあり方につきましては、今年初めから議論をスタートいたしまして、中教審の初等中等教育分科会でご審議いただきまして、去る7月26日に、学級編制の標準の引き下げ、あるいは定数改善を国の責任で計画的に行うべきとする提言をいただきました。資料7でございます。
 その提言に基づきまして、また本年6月の閣議決定、新成長戦略を踏まえまして、新・定数改善計画(案)を策定したものでございます。
 具体的な中身は、1ページめくっていただきまして、新・公立義務教育諸学校教職員定数改善計画(案)ですが、小・中学校の少人数学級、35人・30人学級の推進を、平成23年度から30年度までの8ヵ年計画で行うというものであります。
 まずは小・中学校全学年で、資料にありますように段階的に35人学級にし、その後、小学校1・2年生で30人学級を実現していこうという内容であります。
 このため、来年度の概算要求におきましては、小学校1・2年生の35人学級を実現するために、8,300人の定数改善増を盛り込んだというものでございます。
 この実現には、約5万1,000人の定数増が要るわけでございますが、今後8年間に、児童・生徒数の減少に伴う教職員の自然減や、あるいは教職員の平均年齢低下による給与減が一定程度見込まれますので、そうしたものを活用することによりまして、可能な限り追加財政負担を伴わないよう努力していこうという計画でございます。
 その次のページは、それにプラスした教職員配置の改善といたしまして、平成26年度から30年度までの5カ年計画で、生徒指導や特別支援教育など、個別の教育課題に対応するために、総数約4万人の教職員定数の改善を盛り込んでいるところでございます。
 これにつきましても、国費ベースで約900億円の増額が必要となるわけでございますが、恒久的な財源確保を講じた上で実施すべきであると考えておりまして、そのため広く国民の理解を得るということを前提に、改善内容のメニューをお示ししたものでございます。
 それから、次のページ、高等学校につきましては、学級編制の基準の引き下げは行いませんが、習熟度別少人数指導の充実やキャリア教育、特別支援教育の充実など、多様な高校教育の展開に対応した教職員配置の改善ということで、総数2,600人、5か年計画の改善を盛り込んでいるものでございます。
 計画的な学級編制と教職員定数の改善というのは、質の高い教育、きめ細かい指導を行うために重要でございますので、来年度概算要求では小学校1年生の35人学級実現に要する経費を特別枠で要望しているものでございますが、実現に向けて全力で対応していきたいと考えているものでございます。よろしくお願いいたします。
 以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。頑張ってください。予算が通らないといけないんですね、これは。よろしくどうぞ。
 それでは、ご質問、ご意見がございましたら、四、五分だったら時間をいただけるということですから。いかがでしょうか。特にご質問ございませんか。
 どうぞ、小原先生。

【小原委員】 
 これ、私学はどういう扱いになるんですか。その場合の財政的な支援というのはいただけるんですか。それとも従来どおり、自分たちの中で、授業料でやれということ。
 それと、最終的な目的というのは何かはっきりしていないのですが、欧米並みに頭数をそろえるというだけなのか、それとも最終的には子供の学力を上げろということなのか。この辺がはっきりしていないのですが。
 私学と言っても小学校の場合は私学は少ないですから、ほぼ無視できる数と言えば数なのですが、中高に上がってくると少しずつ数が上がってきますよね。そうしたとき、従来のように私学は全くなしという意味で、公立学校の改善というだけに終わってしまうのか。そのあたり、ちょっとはっきりさせていただければと思います。

【伯井財務課長】 
 法律で学級編制の標準を定めて、それを基礎にして義務教育費国庫負担金という形で国が負担するという仕組みが公立にございますので、今回は公立の学校について段階的に計画的に引き下げていこうというものでございます。
 その目的は、国際水準並みということもさることながら、資料7の1枚目にありますような、学校が抱えるさまざまな課題に対応するために、教員の配置を改善して、教員が子供と向き合う時間の確保をしていこうという趣旨のものでございます。

【田村部会長】 
 よろしゅうございますか。経験則によりますと、公立がよくなると私立もよくなるんですよね。補助金単価が少し上がるんです。それは経験則ですが、今回もそういうことなのかなと思っていますが。

【吉田委員】 
 少しだけ。

【田村部会長】 
 少しだけどね。でも上がるんです。事前にはわからないのですが、とにかく教育全体がよくなることを目指さないといけないというのが基本の姿勢ですね。
 そんなところでよろしゅうございましょうか。
 それでは、貴重なご意見を本当にありがとうございました。最後にこれだけは申し上げておかないといけないので、ちょっとお耳を拝借します。
 各論点につきまして、一通り先生方のご意見をちょうだいいたしました。ここで、私と安彦副部会長、安西副部会長と相談しながら、そしてその他の先生方にも個別にご協力をいただきながら、中間的なまとめに向けて議論の整理をする作業に入りたいと思っております。
 議論の整理が終わりましたら、特別部会の場、つまりこの場で先生方にお見せしてご意見をいただいて、必要な文章として完成していくというふうに考えております。
 何かそのことにつきましてご意見等ございましたら、事務局のほうにお寄せいただくということで、ご指示をくださればと思います。
 中間まとめに何とかこぎつけたという感じなのですが、最終的にはこの文案については、また特別部会を開いてもむということですね。それでまとめていきたいと思っております。
 今、最後に、清水事務次官からもいいお話をいただきましたので、参考になりますね。それ以外にも、山中初等中等教育局長もご意見がおありになるでしょうし、いろいろと聞いていただいて、まとめに入っていただけると大変ありがたいと思います。
 非常に重要なことなので、委員の先生方も大変関心が高くて、欠席がほとんどありませんでした。とてもいい会議ができたのではないかと思いますので、一応、部会長としては御礼を申し上げて、関係の先生方のご協力を感謝申し上げます。本当にどうもありがとうございました。今日は長い時間、御苦労さまでございました。終わらせていただきます。

 

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-- 登録:平成22年11月 --