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教員の資質能力向上 特別部会(第4回) 議事録

1.日時

平成22年8月31日(火曜日) 14時~16時

2.場所

三田共用会議所講堂

3.議題

  1. 教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について(個別課題の整理「教員養成のあり方について」)
  2. その他

4.出席者

委員

田村部会長、安彦副部会長、相川委員、青山委員、小川委員、加藤委員、岸田委員、清原委員、佐藤委員、新藤委員、高岡委員、高桑委員、長南委員、中西委員、布委員、八田委員、日渡委員、藤原委員、堀内委員、松木委員、宮川委員、向山委員、村松委員、村山委員、森田委員、横須賀委員、吉田委員、若月委員

文部科学省

清水事務次官、金森文部科学審議官、前川総括審議官、日向教育改革調整官、板東生涯学習政策局長、磯田高等教育局長、河村私学部長、小松審議官、勝野私学行政課長、渡邉教員養成企画室長、粟井室長補佐、尾﨑審議官、中岡初等中等教育企画課長、山下教職員課長、新田教員免許企画室長、白鳥課長補佐、田中室長補佐

5.議事録

【田村部会長】 
 それでは、まだ先生方は全員お揃いではございませんが、少し遅れているというご連絡もございましたので、定刻になりましたので、ただいまから中央教育審議会教員の資質能力向上特別部会第4回を開催させていただきます。
 本日は大変暑いところ、またご多忙の中、ご出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 まず、事務局内におきまして異動がございましたので、ご紹介をお願いしたいと思います。

【日向教育改革調整官】 
 それでは、事務局内において7月30日付で人事異動がありましたので、ご紹介させていただきます。
 金森文部科学審議官でございます。

【金森文部科学審議官】 
 よろしくお願いいたします。

【日向教育改革調整官】 
 磯田高等教育局長でございます。

【磯田高等教育局長】 
 よろしくお願いいたします。

【日向教育改革調整官】 
 尾﨑大臣官房審議官でございます。

【尾﨑審議官】 
 よろしくお願いいたします。

【日向教育改革調整官】 
 中岡初等中等教育企画課長でございます。

【中岡初等中等教育企画課長】 
 よろしくお願いいたします。

【日向教育改革調整官】 
 勝野私学行政課長でございます。

【勝野私学行政課長】 
 よろしくお願いいたします。

【日向教育改革調整官】 
 新田教員免許企画室長でございます。

【新田教員免許企画室長】 
 よろしくお願いいたします。

【日向教育改革調整官】 
 それから、清水事務次官、山中初等中等教育局長、前川総括審議官は、後ほど遅れて参ります。最後に、教育改革調整官を拝命しました日向と申します。よろしくお願いします。
 以上でございます。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、事務局から本日の配付資料のご確認をお願いします。

【日向教育改革調整官】 
 それでは、議事次第の中に配付資料と書かせていただいておりますそちらをご参照いただきながらと思います。
 まず、資料1といたしまして特別部会の委員の名簿でございます。資料2といたしまして「教員養成のあり方に関する主な論点と意見の概要について」でございます。資料3として「教員養成のあり方に関する参考資料」でございます。資料4といたしまして「各論点に関する主な意見」でございます。それから、参考資料といたしまして、参考資料1「平成23年度概算要求について」、参考資料2として「教育の情報化ビジョン(骨子)」でございます。なお、前回、第3回の会議の議事録案につきましては、委員の先生方の確認前のものであることから、会議の配付資料とはしておりません。別途、委員の先生方の机の上に議事録案を置かせていただきましたので、ご意見がある場合には9月7日火曜日まで、事務局までご連絡をいただければと思います。
 ご欠席の委員の先生方にもご照会した後、部会長に議事録を確定していただきます。確定した議事録は次回の会議の資料とするとともに、文部科学省ホームページに掲載いたします。
 以上でございます。

【田村部会長】 
 ありがとうございます。
 それでは、議事に入らせていただきます。事務局から資料のご説明をお願いしたいと思います。

【日向教育改革調整官】 
 それでは、資料について説明をさせていただきます。まず、資料2についてでございます。
 本日は教員養成のあり方についてご審議をいただきたく、主な論点と意見の概要についてまとめをさせていただきました。1つ目の論点は教職課程の期間について、4年プラスアルファを原則とすることについてでございます。これに対して、これまでの意見の概要でございますが、現行資格で何が不足しているのか、また4年プラスアルファとした場合の大まかな教育内容、また大学院進学段階で人数を絞る、また入職後に大学院で学ぶなど養成と採用の関係、それから養成期間を延ばすことに対する課題、例えば教員志望者の減少、学生の経済的負担等といったような意見をいただきました。
 それから、2つ目の論点でございますが、教職課程のカリキュラムを充実すること、学校現場における実習を抜本的に拡充することでございます。これに対する意見の概要でございますが、実践的指導力を重視すべき、また、教科内容構成といった分野を新設すべき、また、実習の長期化によるよい点や課題、こうしたところについてご意見をいただいたところでございます。
 そのほかの論点といたしましては、1つ目として教職大学院についての位置づけ、また専修免許状の課程認定を受けている大学院における科目構成や教員構成の見直しを含めた検討。それからもう一つ、最後でございますが、課程認定審査の実質化、事後評価システムの厳格化、設置審査の厳格化などにより、教員養成の質の保証を図ることということでございます。ただいまお示しさせていただいた論点について、残りのまだ挙がっていない課題など、ご意見をいただければと考えております。
 続きまして、資料3について説明をごく簡単にさせていただきます。1ページは教員養成の仕組みについてでございます。教員免許状は、学位と文部科学大臣が認定した教職課程において所定の科目を履修することにより授与されるものでございます。幼稚園、小学校は学校種ごとに、また中学校、高等学校はそれに加え教科ごとに授与される仕組みになってございます。
 2ページでございます。所有免許状別の教員構成でございます。現職教員の免許状種別保有者割合でございますが、学校区分が修士レベルである専修免許状の取得割合でございますが、高等学校の4分の1の教員が専修免許状を保有しておりますが、中学校、小学校となるについて保有割合が減っております。また、幼稚園免許状保有者のうち約7割が短大レベルである二種免許状保有者で占められております。公立学校教員の採用者の内訳でございますが、専修免許状保有割合と同様、高等学校から中学校、小学校となるについて大学院修了者の採用割合が減っております。
 次に3ページでございます。3ページは免許状取得者数及び教員採用者数でございます。昭和39年度は免許状取得者数約4万9,000人に対し採用者数が約3万3,000人でしたが、平成17年度では取得者数約12万人に対し採用者数が約4万人となっており、免許所取得者の約3分の1が採用されているという状況でございます。
 4ページでございます。4ページは養成機関別の新規学卒者の免許状取得者数でございます。それぞれの学校種で、大学院で免許状を取得した割合というのが1割以下というような状況でございます。また、学部における国立教員養成系の割合が、小学校では半分を占めておりますが、中学校、高等学校となるにつれて割合が低くなっております。
 次に5ページでございます。5ページは教員養成の現状についてでございます。課程認定大学、短大、大学院数でございますが、それぞれ大学全体の数の7割以上を占めており、多くの大学に教職課程が置かれていることがわかります。また、資料4につきましては、前回出されたご意見につきまして赤字で追記させていただいております。教職大学院の状況につきましては、教員養成企画室長からご説明させていただきます。

【渡邉教員養成企画室長】 
 資料3の6ページをお開きいただければと思います。
 教職大学院制度の概要についてでございますけれども、教職大学院は20年度から設置されておりまして、より実践的な教員養成を目指して設置されたものでございます。その特徴といたしましては、1番にございますとおり、既存の修士課程との違いといたしまして、教職等の実務経験のある、いわゆる実務家教員を必要専任教員の4割以上置くことが法律上規定されております。
 また、2つ目としましては、45単位のうち10単位以上は学校現場での実習を義務化していると。3点目ですが、そのかわりとしまして、教職大学院では既存の修士であるような修士論文といったものの提出は義務づけられておりません。また、4点目といたしましては、認証評価をいわゆる7年ごとの機関別の認証評価とは別に、教職大学院は5年に1度、分野別で認証評価を受けることが義務づけられております。
 その教職大学院の現状について、一番下の3番でございますけれども、本年初めて修了生を出しまして、教員就職率をマル1でまとめております。こちらは暫定値でございますけれども、21年度修了生について、臨時採用や非常勤講師を含む数字ではございますが、90%が教員に就職しているということでございます。また、2点目、入学定員の充足率についてですが、現状で22年度は95.5%で、前年度より5.1%増加いたしております。また、4番の入学者数を見ていただきますと、全体では802人ございますけれども、そのうち現職教員が391人、学部新卒学生が411人ということで、それぞれストレートマスターと現職が半々ほど入学しているということでございます。
 7ページでございますが、教職大学院は現状で国立、私立あわせて25大学ございますが、その一覧をお示しいたしております。
 続いて8ページ目でございますが、教職大学院の質を保証するために認証評価というのを5年に1回行うことが義務づけられております。その認証評価機構としまして、本年3月に教員養成評価機構が認証されまして、本年度から認証評価を開始しているところでございます。その中で教育委員会との連携を含めた各項目について評価を行っておりますが、真ん中の枠にございますとおり、この認証評価に際しては、大学サイドに加えまして学校関係者も参加して行うことといたしております。
 以上でございます。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 この特別部会では、これまで教員の資質能力向上方策に関しまして、幅広い視点から自由討議を重ねてまいりました。もう3回ほどやりましたでしょうか、今回は4回目でございますね。委員の皆様からちょうだいしたご意見の概要は、ただいま事務局からご説明がありましたとおり、資料4という形で配付されております。項目別に分けて記載されておりますので、どうぞ、後ほど確認していただければと思います。
 委員の皆様からは資料にあるようなご意見を一通りちょうだいしたところですので、これからは、ある程度まとまったテーマごとにご議論を進めていただきたいと考えております。前回の会議では資質能力を中心にご論議いただきましたので、今回は教員養成のあり方を中心にご討議をお願いできればと思っております。
 資料4のうち、本日ご議論いただきたい論点とこれまでの意見の概要については、資料2「教員養成のあり方に関する主な論点と意見の概要について」という形でまとめて配付させていただいております。これまでの議論を踏まえながら、資料2に沿って各論点ごとにさらに議論を深めていただくということをお願いできればと思っております。資料2を中心にしてご議論いただきたいということでございますが、いかがでございましょうか。ご意見を開陳されるときには、できたら名札をお立ていただけますと漏れが起きませんので。
 それでは、どうぞ、ご意見をいただければと思います。いかがでございましょうか。
 どうぞ、吉田先生。

【吉田委員】 
 すみません、それでは前提として1つお尋ねしたいんですが、この教員養成のあり方を考える際に、先ほどのご説明でもありましたけれども、大学の7割が教育課程を置いているということですけれども、現状のこの課程について、そこから改めるということもあり得るんでしょうか。それだけご質問させていただきたいんですけれども。

【田村部会長】 
 では、事務局から。日向教育改革調整官。

【日向教育改革調整官】 
 当然、現状についてどういうような課題があるのか、それをどう改善していったらいいのかという観点でのご議論もあるかと思いますが、とりあえず今回につきましては、期間を4年プラスアルファを原則とし、仮にそれを実現するとすればどういったようなことが課題なのか、それともそのあたりについてそもそもどうなのかというところについて今回は重点的にご議論いただければと思いますが、もし、例えば現状においてどうなのかということについてご意見があれば、またそのあたりについてもご意見をいただければと思います。

【田村部会長】 
 今までの議論でもかなり拡散していることが資料4を見ていただくとおわかりになると思いますので、議論の進め方として拡散しちゃうとなかなか意見が深まらないかなという気がしましたので、一応こういう形で話を進めさせていただこうと思ったんですけれども、意見を何でも一応言いたいというお気持ちがおありになるのであれば、どうぞおっしゃっていただいて、後で整理いたしますので、吉田先生、遠慮なさらずに、どうぞお考えをお述べいただければと思います。

【吉田委員】 
 では、申し訳ございません。
 私、なぜそれをお尋ねしたかというと、結局、現状の教員免許状の資格において、やはり不足の部分があるという考え方を前提に置くのか、プラスアルファすることによってより資質を向上させていくのかということだと思うんですが、今のお話を聞くとプラスアルファすることにより資質の向上を目指そうというお考えが基本なのかなと。ただ、そうなった場合に、やはり教員のなり手、我々からすればやはり教員志望者というものが減っていくことの心配、それから、また逆に言えば、先般もお話ししましたけれども、私立学校と公立学校で、やはり教育委員会と学校法人という違いになるかもしれませんけれども、その扱いによって、今新卒で修了してきた人の研修その他についてもそれぞれ違っていると思います。それをすべて一緒にして今度改めていくというのも大変難しい問題が出てくるんじゃないかなと思いましたので、その辺のところも含めて今後の方針を伺っていきたいなと思って、あえて質問させていただきました。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。一応問題点を指摘していただいたということで、では、議論を進めさせていただいてよろしゅうございますか。
 はい、ありがとうございます。
 では、村松先生、どうぞ。

【村松委員】 
 4回目ということで少し具体的な議論を進めるためにということを前提になんですけれども、今のご質問とも関連しますが、これまでの教員養成の4年の中で、もちろん足りないところもまだあっただろうし、それから今の学校をめぐる状況、あるいは社会の状況の変化の中で、もっともっと教員になる前に身につけるべきものが増えてきていて、4年だけでは間に合わなくなってきているのではないかというのが全般的な状況認識です。ここでの議論で教職課程を延ばすかどうか、これは4年プラスアルファを原則とするかどうかということなんですが、これを時間的なスパンとしてどの時点を見据えて議論するかということが大きいのじゃないかと思うんですね。ここでデマンドサイドの話を聞いていると、やはり今教員が足りないのに、今こういうことに着手するとますます人手不足になるというご懸念が根底にあって、この話には反対というようなご意見がかなりあるのではないかと思います。私は、もちろん教員になってからの研修ということも必要ですけれども、基本的には、まず養成段階でもう少し充実した教育をする必要があり、それを、最初の段階を6年制にするのか、それとも4年の中身の充実を実習等のあり方についても含めて議論して、プラスアルファを現場に出てから戻ってくるかというようなことも含めての想定をしておりますけれども、そういう仕組みをいつごろから始めるのかの見当をつけておく必要があると思います。例えば6年かけるような形にするとしたら、新しく大学に入ってくる人をそれから新しい仕組みで養成すると、仮に10年後に始めるとしたら16年後にしかその先生たちは出ていかないわけです。20年後の状況を考えたときに、多分21世紀の社会の中で、学士だけを基礎資格とした教員というのではますます対応していけなくなるのではないかと思います。だから10年後ぐらいに新しい仕組みで教員になっていく人が出てくるぐらいを想定するのか、その辺をほぼ共通理解した上で始めたほうがいいと思うんですね。私も、もう来年から始めましょうとか、再来年から始めましょうというのは到底無理な話ではないかなと思っています。
 そういう意味で、私学の状況も含めて、あるいはプラスアルファというところで教育実習をどうするか、先ほどの数字もありましたけれども、実際には先生にならない膨大な数の人たちに対して例えば1年間の教育実習をするというようなことは、現場としては到底受け入れられないと思います。かといって、では、教員になる意思を明確にした人だけが長期の教育実習をいきなり受ければいいかというと、それも無理があって、前にも申し上げましたけれども、実は3週間とか4週間の教育実習に行ってみて、やっぱり自分は先生になりたいと思う人たちもたくさんいます。あるいはちょっと無理かなと思う人もいます。そういう意味では、やっぱりまず4年の間に多少そういうことをして、絞り込んだ人たちにもう少し教育をつけていくみたいな形があり得るのではないかと個人的には思っております。
 そんなところです。まずその時間の展望をどういうふうに議論するかということによって、かなり議論の展開が違ってくるのではないかなという気がしております。

【田村部会長】 
 ありがとうございます。まさに村松先生がご指摘のように現状が出発点ですから、確かにそのことは間違いないんですけれども、その後どうするかということについていろいろなご意見が分かれると思います。今までの議論の中でも、大学の先生のご意見と教育委員会の先生方のご意見はかなり違いますよね。おそらく現場の学校の意見もかなり違うんだろうと思うんですが、いろいろな意見を言っていただいて、最後はどこかでまとめていくという流れになると思うんですけれども。
 では、若月先生、どうぞ。

【若月委員】 
 どうもありがとうございます。
 まず、今日いただいた資料2ですけれども、大変要点をよくまとめていただきまして、例えば教員養成のあり方に関しても代表的な意見を記述していただきました。大変わかりやすく整理されたなと私は思っています。
 主に2点あるんですけれども、まず1点目は前回、高岡先生それから松木先生でしたでしょうか、それぞれの大学における実践のご報告をいただきました。大変参考になったわけでありますけれども、それと関連して、今日いただいた資料を拝見いたしますと、資料3の2ページに、例えば所有免許状別の教員の構成で、高等学校の場合には専修免許が約4分の1という現状があると。小・中になるとこれがぐっと下がるという現状が1つあるわけですね。こういう現状を見たときに、例えば先生方がご実践されていて、この4プラスアルファでやっていく場合、一律に小・中・高全部の教員を対象にお考えになるのか。あるいはこういった現状を考えたときに、場合によってはこの数字の裏には、小学校においてはそこまでプラスアルファの分は現実に、必要ないというと変なんですけれども、現実の問題として要求されないというようなものも、もしかしたらあるのかもしれない。そうなった場合、さて、先生方が実際におやりになった結果から、これはやはり小・中・高全部の教員を一律に対象にしたほうがいいと今お考えになっているのか、あるいは段階として、今日いただいた資料のデータから、例えば高等学校なら高等学校の教員といったものにまず限定してやっていったほうが現実的なのか、そこら辺は実際の経験に基づいた何かがありましたらば、高岡先生、松木先生から教えていただきたいというのが1点です。
 それから2点目、この教員養成で大学の中での教員養成ということが主になっています。教員養成というのは大学の主な仕事、これは当然だろうと思うんですね。ここら辺はもうコンセンサスはとれていると思うんです。ただ、ここで今度は養成とともにやはり育成というものを考える、そうするとそれは教育委員会の仕事だからというので、そこら辺から意見が分かれるように思うんですけれども、私、皆さん方の今までの議論の中でご意見を伺っていて、例えば教員養成というものにかかわるのを大学だけのミッションとして限定するのではなく、もし必要であるならば、ここに合わせてやはり教育委員会の義務といったらいいでしょうか、責任といったらいいでしょうか、だから大学と教育委員会が一体となった教員養成というような青写真を描いていかないと、なかなか有効な効果的な養成というのができないんじゃないだろうかと思うんですね。したがいまして、もしよければ、私は今、4プラスアルファがすぐ是か非かというようなことはなかなか言えないと思うし、それぞれ考え方がある。ですから、まず段階として対象をどこら辺までに考えるかということで進めることはできないか。それからもう一つは教育委員会もやはり養成ということに対する責任はあるので、その辺の視点をもうちょっとつけ加えて、これからさらに細かい検討をしていったらいいんじゃないかと考えるんですが、以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。学校種の問題や教育委員会の関与の問題とご提言もございましたので、これは議論の中で詰めていくということでよろしゅうございましょうか。
 それでは、小川先生。

【小川委員】 
 最初に吉田委員がお話しされた教員養成のあり方を考えていく際に、やはり現状がどうなっているのかというその辺のところをもう少し実証的なデータを出して、そうしたものをベースに、共有しながらやっぱり議論していってほしいというような意見だったと私は受けとめたんです。私もこの3回までの議論を聞いて、どちらかというと私自身は教員養成に直接かかわってきた人間ではないので、ある意味では教員養成の外部の人間かもしれないんですけれども、なかなか今の大学における教員養成の現状というのが見えてこないんですよ。そういうところはある程度みんなで共有しながら議論していかないと、なかなか具体の問題、対応策を考えていく際、なかなか見えてこないのかなという印象を持っていまして、そのことを含めて、少し今後の作業に向けてそういう共有できるようなデータをいろいろ出していただければなという思いです。
 そのことで1点あります。というのは4年プラスアルファをどうするか、それを肯定するか否定するか、これから具体的に議論を詰めていけばいいと思うんですけれども、やはりその前提に今の学部の教師教育の実情がどうなっているのかということを、もう少しきちんとした実証データでまとめていただきたいし、また関係者からもいろいろな意見を聞きたいなということです。
 具体的にはどういうことかというと、学部の教師教育でこの間いろいろな改革等々があったんですけれども、私の印象からするとやはり1998年、平成10年の免許法改正というのが学部の教師教育のあり方に非常に大きな影響を与えたと思うんですね。これは皆さんご承知のとおり1998年、平成10年の免許法改正というのは従来と比べていわゆる教科専門科目を大幅に減らして、それに対応して教職に関する科目を格段に充実したという特徴がありますよね。それ以降、僕も教育委員会の関係者とか学校関係者といろいろお話しする機会があるんですけれども、やはり98年の免許法改正以降、現場に入ってくる学生に何らかの共通した特徴があるというようなことをおっしゃる方もいるんですね。それは何かというと、はっきり言って教科専門を含めた授業力が数段落ちているということと、特に理数系に強い教員、特に小学校レベルの教員というのが非常に少なくなっているという話を指摘される方がいるんですよ。僕もその辺の実際のことがわからないんですけれども、確かに理屈からいえば、1998年の免許法改正以降、目立った動きの1つとして私立大学で小学校の教員養成課程に参入する数というのがかなり増えていますよね。私立大学といってもその中でも人文系とか家政と保育とか福祉系の大学学部で教員養成、特に小学校の教員養成に参入するというような傾向というのが、1998年の免許法改正以降かなり増えているんですね。そういう1つの大きな流れの中で、やはり理数系に強くない教員の数、特に小学校の教員の数が増えてきているというようなことと、もう一つ、教科専門の単位数が非常に少なくなったということで、基本的な授業力、構成とか展開とか教材づくり等々について非常に弱くなったという指摘は、そういう理屈からいえば、その指摘というのはある意味では適切なのかなという印象もあるわけですね。仮に1998年の免許法改正の結果がそういうふうな学校現場に問題を落としているのであれば、やはりそこで改正の主眼であった教科専門の科目を減らして教職科目を拡充してきた、そういうふうな当初の趣旨というのがやっぱり思わざる結果を学校現場にもたらしているというようなことでもありますので、僕は、ただ教育委員会や学校関係者のいろいろなお話の中でそういうふうなことをある程度伺っているだけで、それがほんとうに正しい今の現状かどうかというのはわかりません。ですから、例えばそういうことも含めて少しこの近年の大学の教師教育の実情、問題というようなことを、そういう免許法改正のいろいろなポイント、ポイントと関係させながら、しっかりした実証データを出していただけないのかなという思いを持っています。やっぱりそういうデータがあれば、今後どういう形で教師教育を改善していくかということはある程度の方向性というのが見えてくるかと思いますので、ぜひそうしたことを含めた議論を今後やっていただければなと思っています。

【田村部会長】 
 ありがとうございます。これは調べていますよね。出てくると思います。あのときはとにかく学校が変わってきちゃって、教職科目を充実しないともう現場で対応できないというような非常に強い要請があって変えていったということを記憶しているんですけれども、これはまた小川先生のご指摘ですので、後ほどテーマとして取り上げていきたいと思います。
 では、堀内先生、どうぞ。

【堀内委員】 
 失礼します。
 今ちょうど小川委員の言われたことと、多分かかわってお話しできるかと思うんです。私ども、今ここで、もちろん民主党のマニフェストから始まっていると思うんですが、理念や実態を踏まえた制度論をやはり論ずるところだろうと思っているんですね。4年プラスアルファあるいは6年という形で、戦後60年間、実は免許法の制度のもとに我が国は養成制度を培ってきたんですけれども、今の98年の免許法の改正、あるいはちょうどのその10年前、いわゆる専修免許を設置した改正がございました。2つのエポックを踏まえて現在に至っているんですけれども、その間に、例えば今言った専修免許というものを正式に続けることができた、あるいは短大についてはずっと戦後一貫してどう扱うかという論議があったんですけれども、さっきの改正で一応10年の限定といいましょうかそういうところへ持ち込むことができた。これは言い方はいろいろあると思うんですけれども、そういう制度改正で来たんですが、今それが6年もしくは4年プラスアルファという年限の抜本的な見直しを論議しようとしている、その背景なり論拠あるいは理由づけって一体何だろうかというところについて、やはりこの中教審での共通認識を持っていただきたいと思うわけです。戦後60年間の総括を一口でするわけにはいきませんけれども、今、小川先生が言っていただいたように、かなり無理をして4年間に押し込んできて、それがある意味では、パンクというのはちょっと言葉がきついかもわかりませんが、限界に来ているという認識を共有していただけないかなと私は思っているわけです。教科内容に関する科目と教職専門に関する科目と、教員一種も含めた教職専門といっていいと思うんですけれども、そういった教職科目を大別したときに、さきの改正におきましては、今小学校のことをおっしゃったんですけれども、よりドラスティックには中・高の免許で38単位もしくは40単位の教科内容があったものを20単位まで落としたわけですね。もちろんグレーゾーンと呼んでいますけれども、10単位については大学の裁量で教科でもいいし、教職でもよろしいという形になっておりますが、例えていいますと、高校で物理学を教える人が、大学で理科の教科内容を20単位しかとらなくても免許は取れるわけですね。なおかつその20単位が物理とは限らないわけです。生物、地学、化学の4領域を含めて20単位をとればいいという形で免許が出ている。多くの教員養成系大学の場合には学生が中・高免許と小学校の免許をあわせて取ることになります。これは大学によって違いますけれども、いわゆる従来はピーク制と呼んでいましたが、特に入学したときに、例えば理科を専門にやる、専攻に入ると。で、中・高の理科の免許を取ります、あわせて小学校の一種免許も取りますという形で養成系大学の場合にはカリキュラムを構成しているのが普通だと思うんですね。そういった人たちが中・高の一種免許を取りました、今言ったように理科を取りました。そして実際には小学校の一種も取りまして小学校に勤務しますと。そういった人が、今まででしたら40単位分の理科の内容を持っていましたので、それをベースに小学校で理科に強い先生といった形で活動できたわけです。それが今小川先生が言われたように、教科内容が、中・高はもとより小学校においてもかなりおざなりになってしまった。なぜこうなったのか、言うまでもなく実践的指導力は大切なんですよという形で、カウンセリング、特別活動等々という形でかなり実践的な教職科目というものが増やされていったわけですね。当たり前にニーズがあったことは理解できますけれども、では、逆に教科内容のほうを薄めてよかったのかどうなのかという問題が、先ほど小川先生が言われたことだと思うんです。なぜそうなったかと言いますと、もう当たり前に教職単位というものが、一種免許については59単位という枠を増やすことができなかったわけです。これは要するに開放性とかかわりますので、これを例えば60単位にする、80単位にするということをした場合には、一般大学ではもう教員養成はできませんという話になってきたわけです。これが多分この60年間の流れの総括だろうと私は思っているわけですね。ここから今、この4年では足らないから6年あるいは4年プラスアルファ、この言い方はいろいろあっていいと思うんですけれども、そういう制度をもう一度再設計しましょうという提起で我々はここに集まっていると私は理解しています。ですから、実態論とまして、いや、いや、小学校の先生は4年でいいのではないか、あるいは短大でも十分じゃないかというご意見があることはわかります。わかりますけれども、60年間の我が国の教員養成制度の歴史の過程というものは、今言ったように1つの限界点にもう達しているという、これが制度論としては確認いただけるんじゃないかと思うわけです。
 過去3回においても私は年限延長の確信犯ですという話もしたと思うんですが、実際に三十数年間教員養成大学で教鞭をとってまいりました。本当に何百人という学生を教壇に送り出してきたんですけれども、文字どおりこの30年間の軌跡を考えたときに、いい教師は何であったか、極めてこれは多様です。一口で言えません。だけども制度の変更によりまして傾向が明らかに出てきているということは、今小川先生が言われたように確認できるのではないかと思うんですね。では、どういった面を補強したならばどういった点でいい教師になるのか、これはいろいろな面があるわけです。その教師あるいは学生一人一人の能力もありますし個性もありますので、A君にとってはこれを補強した方がいい、B君はそうじゃなくてこちらですよというお話は、もう枚挙にいとまがないわけなんです。そういった論ではなくて、最初に言いましたように、制度論として今言った59単位・4年間という形で我々はもう一回中身の見直しを貴重な時間と労力をかけてやるということが果たして意味があるかどうか、大変きつい言い方をしますけれども、私はもうそこは卒業していいんじゃないかと思っています。
 だから共通認識としては、過去2回の免許法の大きな改正がありました、そのことによって一定の実態も生み出されてきている、そしてなおかつ今ここで論議されているようにまだまだ社会的には教員の資質について懐疑、疑問というものが払拭できていないとした場合に、制度論として一体どのような新しい教員養成制度を我々は目指さなければならないのか、そのときに6なり4プラスアルファという1つの枠組みで今回のこの部会が開かれたと私は理解していますので、より生産的にこの6とか4プラスアルファの中身をこれまでの二度の改正を踏まえてどういう形のものをした場合に、今の実態に一番そぐわった、ある意味では実効性の高いものになっていくのかという方向の論議を、ぜひともお願いしたいと考えております。

【田村部会長】 
 堀内先生、ありがとうございました。つまり、期間だけではなしに、その中身を一緒に議論しろというご指摘ですが、どうぞひとつそういうおつもりで期間、4プラスアルファの問題だけに限定しないで、その中身、それからできれば実習についてもご意見を賜ればと考えております。ありがとうございます。
 では、続きまして、中西先生。

【中西委員】 
 ありがとうございます。
 先ほど来、小川先生から、実態をまずというお話がありました。それを考えたときに、教職大学院の実態というのももう少し知りたいなという気がします。つまり、質問にもなるんですけれども、標準2年ということになっていて、今、簡単にこれだけの数の学生がいてというご説明がありましたけれども、現実の問題として、現職の方というのは1年コースというのがあって、そのまま1年で終えている学生さんも結構いるのではないかと思いますし、場合によったら3年コースとかそういうものを設けているような大学院もあるようですし、そういう実態が、4プラスアルファを考えるときに、まずは教職大学院での実際のやりくりといいますか、そういうことが前提になるのではないかという気がするので、もしそういうデータをお持ちであれば教えていただきたいし、もしないのであれば、それはぜひ必要なことではないかと思います。以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございます。中西先生のご指摘のとおりでありまして、実はスケジュールの中で近い将来、実態調査として現場に行こうじゃないかという話が出ています。そのときはぜひご参加いただいて現場を見ていただき、また実態調査もそれに含まれているということで、今の小川先生のご指摘の実態調査については数字は出ていますけれども、現場が必要であれば、どこかの時点でこの部会のメンバーで現場に行くということを1回ならず何回かやらなきゃいけないかなという話が出ていますので、その辺はひとつ今のご意見をちょうだいしたいと思っております。ありがとうございます。
 続いて順番で布先生。

【布委員】 
 日頃から現場の先生と一緒に課題を解決しながらやっている第三者の立場でやってきた視点から、今回の議題とこの膨大な資料をいただきまして、いろいろ自分なりに読んで思索してみました。教職課程の期間について4年プラスアルファを原則とするかどうかということについては、資料2の第1ページ目に、基礎資格で今現在の状況で何が不足しているのかを考える必要があるという意見に共感し考えを整理してみました。
 まず、教員の指導力の問題を、教員養成のあり方で解決し得る問題と、教員養成のあり方では解決できない問題に大きく分けることができます。さらに、教員養成のあり方で解決できる問題を、養成段階で身につける能力についての問題と、採用後に身につける能力についての問題に分けることができます。なかでも、養成段階で身につける能力についての問題の原因は、時間が足りないから起きているのか、それとも指導力が不足しているから起きていることなのか、という二つに分けることができます。もし時間が不足しているのであれば、教養課程、教科課程、教職課程の単位を増やしていく必要があります。そして、指導力がもし不足しているとするならば、指導する側の意識改革と指導力を維持するシステムの改善が必要ですが、現実的にさまざまな壁があり困難であると思います。だとしたら、やはり採用後の実践の中で力をつけるプロセスを重視していくのが一番いいのではないかと考えます。よって、今日の議題の一つである教職課程の期間に関しては、現行の4年で原則いいのではないかと思います。最初に松村先生がおっしゃった、何年後を見据えてやったらいいのかということももちろん大事です。その前に、現行の制度でもいい先生というのはたくさん養成できていると私は実感しています。資質や能力があると思える先生というのは、年齢や経験年数に全く関係なくいらっしゃいます。そのような先生方がチームを組んで、「改善してほしい、努力してほしい、力をつけてほしい」という先生方を、上手にリードしていくと、少し時間がかかりますが変化していく姿に、人の力の可能性に期待がふくらみます。ここでのポイントは、チームで取り組むこと、先生方を孤立させないことです。教職課程で養成する力と採用後の研修で培う力というものをしっかり分けて考えていった上で、教職課程に4年プラスアルファが必要かどうかということを話し合っていきたいと考えます。
 2点目、教職課程のカリキュラムと実習についてです。今のままの教育実習の形は、とても現場に負担をかけることは、ほとんどの先生方からも意見がすでに出ており私も実感しています。これは提案ですが、3年で教養課程、教職課程、教科課程を修了して、昔で言えばセンター試験のような、国家試験とまでいかなくてもある一定のことをちゃんと身につけていることが、認定され、証明されている、仮免のような基礎資格試験をパスした学生が、実習期間に教育実習に行くということであるならば、歓迎されるのではないか。現場の先生方も、ただ単位を積み重ねてきた学生が実習に来るよりも現場の負担は軽くなるのではないかと思います。実習期間も小学校、中学校、高校、いろいろな免許を取りたい学生もおりますので、原則3週間~4週間の期間で実習し、受け入れ先の状況や内容によっては、最大1年とする。採用の際は、基礎資格試験の結果も加味される。その後、採用された後は約2年間担任を持たないで、本当に現場の先生方の中にもすばらしい先生方はたくさんいらっしゃいますので、まずは授業の力をつけるために、生徒指導・学級経営・さらに生徒・保護者・地域の人と信頼関係が築けるようにいろいろな先輩方について現場の中で学んでいくということができる時間が必要だと考えます。
 そして3点目は、採用後の研修において現場の教員だけでなく、管理職、教育委員会の関係者のかたにも、先生たちが受けて学んだ最新の情報を含めて一緒に学んでほしいと思います。それは、若手や中堅の先生方と話しをしたときに、「今までの研修をうけて、なるほどがんばってみようと思っても、現場に長年勤めてらっしゃる先生方や管理職との意見の食い違いや目の前の課題が優先され、いつ学んできたことが生かされるのだろう」と言う意見が出てきます。
 また、年数の浅い先生方にとって、指導的立場にある教育委員会のアドバイスは、大きな存在です。自分の意見がうまく伝えきれないジレンマ、理解してもらっているのかという不安があります。やはり現場のこれからの先生方だけがいろいろな事を学ぶのではなく、必要なことは、今の先生方、教育委員会、さまざまな立場の方が、全員で学んでいく姿勢と情報の共有が大切だと思います。
 以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。吉田先生、小川先生、中西先生、それから布先生と続いて実態調査の話をご指摘になっていますが、これはぜひこれからやっていきたいと思っていますので、よろしくご指導のほど、お願いしたいと思います。
 それでは、佐藤先生、お願いします。

【佐藤委員】 
 ありがとうございます。
 資料2のアジェンダに教職課程のカリキュラムとありますけれども、私は教職課程そのもの、狭義の教職課程よりもその周辺の部分を含めてお話しさせていただきたいと思っております。
 と申しますのは、私は教員養成は教職課程だけでできるものじゃないと思っております。優れた教員の養成は、教職課程を中核としつつも、やはり大学教育の全課程を通して達成されるべきだという観点から2点ほど申し上げたいと思います。いずれも具体的には教職課程の認定基準を考える場合に、あるいはその審査の規定を考える場合にご考慮いただければと思う点でございます。
 まず1点目ですけれども、教科に関する科目の周辺科目の充実度を何とかチェックする手だてはないかと思っております。近年の大学、とりわけ新設の学部・学科には非常に学際的、総合的学部、学科が多ございます。中教審の大学分科会などでもしばしば話題になる、あるいは設置審などでも問題になるところですけれども、学位の表記では学士の後に括弧書きで分野・領域を書くわけですけれども、数え上げると四百数十というふうにほとんど収拾がつかないほど多岐にわたっております。よく言えばそれだけ総合的、学際的ということです。これらの学部・学科が教職課程の認定を申請します。とりわけ中学校、高等学校の免許です。かろうじて認定基準に必要な教科に関する科目、あるいはその読みかえ科目というふうにぎりぎり飛び込んでセーフだとしても、私はそれだけではいい教育課程にはならない。と申しますのは、ほとんどそういう総合的、学際的な学部・学科のカリキュラムは、少なくとも小・中・高等学校の教科とのリンケージは非常に乏しいものばかりでございます。ですから、直接の教科の科目と認定されるもののほかに、特に中・高等学校の当該教科に関連する科目がどれだけ充実しているかどうかをきっちりチェックする方法が必要だと思っております。
 もう一点は、前回もちょっと申し上げましたけれども、やっぱり教師という人間を養うという観点から、教職課程をジュシンする大学の学部・学科において、人間性あるいは社会性を育む教育内容がどれほど充実しているかもチェックできるような手だてがないものだろうかと考えているところです。特に人間理解に関する科目であるとか、あるいは近年若者に欠けていると言われる社会性を育むための努力がどのようになされているかといった点も、認定審査でチェックできるようなことが必要でなかろうかと思っております。
 以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。大事な視点を示していただきました。
 加藤先生、どうぞ。

【加藤委員】 
 ありがとうございます。
 この部会の直接ではありませんけれども、資料の中にございます概算要求で、文科省が質の高い教育の厚い人材層ということで、いわゆる教職員定数改善計画の新聞報道がございました。今日、資料を見させていただきました。やはり質と量を両方議論、この部会のテーマではございませんが、どうしてもリンクするわけですね。人材、時間、その他学校現場の状況等からすれば避けられない課題ですし、文科省については、ぜひともこういった予算の実効性をこれから高めていただきたいということをまず申し上げたいと思います。
 1つ目の課題でございますけれども、4年プラスアルファ、やはりどうなんでしょう、プラスアルファというのは普通プラスアルファですから、4年というのはやっぱり原則ベースという押さえ方をしないと、何か4年プラスアルファが、5年がベースなのか、6年がベースなのかと、まず全然とらえようがないわけですよね。4年はやっぱり原則として、では、プラスアルファということを含めてどうするかという議論だと思うんですね。私のほうはやはり現場との、学校の現場は今大変だと思うんで、少し時間をかけて、私も7月にアンケートをやったと思うんで、現場を見るのもいいんですけれども、全国的な状況をきちっと文科省のほうで教えていただいて、そして現場の実態をそういうアンケートの中からまず見させていただきたい。その上でやはりプラスアルファといえば、大学とまたは研究機関と学校現場がどう連携するのかにもかかわってくるのが1つと、やはり先生になる以上はOJT、現場を知らないで先生になるというのはいかがなものかと。どんな会社だってOJTを工夫して、ある程度いろいろな期間を設けているわけですよ。したがって、現場とつなぐという意味ではアルファというのは僕は現場だと思っていますし、そういう意味では4年を原則にしてアルファをどうするか、それは現場を中心に大学と連携をどうするのかということと、今言った人材、今言った教職員の増とか、あと予算といったものを学校にきちっと手当してあげないと、ただやれと言ったって無理だと思いますので、そういうことについても少し幅広い検討と議論をぜひともお願いしたいというのが1点目でございます。
 2点目のところのカリキュラムで、自分の経験だけで申し訳ないんですが、私の組織では二十数年前から小学生の子供たちだけ、広島にピース学習会というのを春休みの期間に連れていっているんですけれども、この間20年目で20歳以上の方を集めて懇談会をしたんですけれども、要するに平和という認識、例えば児童労働が諸外国、アジアで今問題になっていますけれども人権という認識。そして四、五年前に私どもとしてアフガンと練馬の体育館で、子供たち同士がどういう生活や教育をしているのかについてインターネットで意見交換したんですね。全く違うんですね、そういう文化とか。僕が言いたいのは、教職員の質のレベルを上げることも必要ですが、僕は重要視したいのは社会性です。子供たちと向き合う先生方を含めて社会性をどうきちっとするか、社会の構造的なものに対応できない子供たち、または対応できない先生たちでは、ただ単に与えられた教材を教えるというだけではとても対応できないわけでして、そういう意味では平和という意味、環境問題も今そうですね、児童労働も含めた人権といったものを含めたそういうものについての、ぜひともカリキュラム等についても検討していただければなと思います。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。確かにご指摘のように、これからどんどんいろいろなテーマがありますから、どう資質の中に入れていくかというのも大きな問題になってくると思います。
 それでは、次に向山先生。

【向山委員】 
 先ほど部会長から、もしよかったら学校現場へ行きたいということでありましたが、よかったら私の学校は文科省から一番近いので、いつでもいいですからぜひ来ていただければと思いますが、4点お話しさせていただきます。
 1点目は先ほどの小川委員の発言とかかわってということです。教科の専門性が少し弱っているのではないかというご指摘でした。私たち全連小、全国の校長会では全国の校長たちにいろいろなアンケートをとっています。教員の養成にかかわっているアンケートで、初任者研修で一番期待するのは何かという質問に、全国の校長で一番多いのは教科等の目標を踏まえた指導力、つまり教科の指導力が一番なんですね。ついでに紹介すると、10年目の研修では一番何が必要かというと、豊かな教養を基礎とした指導の工夫と、これが35歳、45の教員免許の更新制のころになると一番は何ですかというと、使命感というのが1位になって、指導の技術などはもっと下へ行くんですね。このことから類推すると、やっぱり全国の校長たちは、若い教員の教科専門性というのはかなり懸念を持っているというように私たちも思っています。ですから先ほどの小川委員と私も同感であります。
 2点目ですけれども、近年の初等教育の変化ということは何かというと、教師と子供の情報量の格差がものすごく少なくなっちゃったんです。小学校教育というのは、もともと先生の持っている知識と子供の持っている知識がものすごく差があったわけです。それを前提にして、だから教師の権威もあった。それが30年前からどんどん縮まってきて、この10年でインターネットの普及によって決定的にその違いがなくなってきてしまっているんです。そういうような状況にあって初等教育の教師はどんなような教養を持っているか、これは相当幅広い教養を持っていなければ、情報量が非常に縮こまった中では対応できないと、そういう教員養成の視点が必要だろうと思っています。
 3点目ですけれども、今度40年ぶりに教育内容を増やしたわけです。教科書が平均して25%厚くなった、理科、算数なんかは三十数%厚くなります。これはもちろん選択的に扱って教えていいんですけれども、選択的に扱うということは、幅広い教養と教科力量を持っていないと、これを選ぶということはできないんですね。幅広い教養があるから難しいことをわかりやすく教えるわけです。難しいことを難しく教える教育は簡単なんです。小学校教育の難しさは、難しいことを易しく概念を置きかえる大変さなんです。テレビの池上彰さんがあれだけわかりやすくできるのは、大変な読書量に裏打ちされているからわかりやすくできるんです。ですから、私はこれからの初等教育というのはもっと幅広い教養が必要だと思っています。
 それから最後、4点目ですけれども、この間読んだ本に東京大学の本田由紀さんという人の『教育の職業的意義』というちくま新書があったんですが、あなたは学校へ行って、大学の授業はどれだけ役立ったかという質問で、粗く言って日本の学生は役立ったというのは30%なんですね。イギリスが70%、アメリカが60%、これは教員養成だけじゃなくていろいろな法学部も工学部も入っていますけれども、簡単に言えばあまり役立っていないというのがアメリカやイギリスと比べて多いんですよ。この実態から、これはおそらく教員養成学部の学生も、やっぱりもっと大学の役に立つというものが、期待感とか成果感が低いのではないか、そういう点では大学のカリキュラムのあり方というのも、やっぱり学生たちから見ても改革していく必要があるんだろうと思います。
 以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。かなり具体的にご指摘いただきました。
 では、清原委員、どうぞ。

【清原委員】 
 ありがとうございます。三鷹市長の清原です。
 本日、本当にわかりやすく資料をまとめていただきまして、ありがとうございました。いただいた資料3の3ページ目を改めて拝見いたしまして、これは免許状取得者数及び教員採用者数の現状経過を把握するのに有効な資料だと思いますが、欄外の参考のところに教員免許状取得者数と採用者数を学校種別ごとに書いてくださっています。これは年度が違いますけれども、改めまして小学校免許状取得者数は、相対的には少ないのに採用者数は多いということがわかります。また後ほどご説明があるかもしれませんが、平成23年度文部科学省概算要求要望のポイント、参考資料1に小学校1、2年生における35人学級の実現と示されております。教員数がさらに小学校で必要となるということが想定されるわけですが、先ほど冒頭に若月委員がご指摘になりましたように、教職課程を考えるにおいても、学校種別によって現状を踏まえて、やはり丁寧な検討が必要ではないかという1つの資料ではないかなと受けとめました。
 2点目に申し上げたいのは、参考資料2を拝見いたしまして、これは「教育の情報化ビジョン(骨子)」ということで今年の8月26日に公表されたものでございますが、このことも、私は教職課程の今後を考えていく上で重要なビジョンであると思います。これまでもインターネットあるいはパソコン、昔はマイコンと呼ばれていた時代から、文部科学省は学校現場でいかに新しい情報通信技術を導入し、それを教材として生かしていくかという研究をされてきましたが、このたび改めまして、特に第2章で「情報活用能力の育成」ということが示されていますと同時に、「デジタル教材」についても、今後実態的な検証をしながら、その導入について前向きに検討していくというこが示されております。すなわち、近未来において今までの情報通信技術、メディアを生かした教育の実践の現場がさらに小学校、中学校に広がっていくということが想定されるわけで、そうであるならば、教職課程におけるカリキュラムにおきましても、改めて教師が子どもの情報活用能力を育成するに足るだけの能力、技術というものを身につけなければならないということになってくると思います。実際社会ではかなりインターネット、携帯電話が普及し、さらに職業を持つであろう子どもたちはまさにそうした現場で働く人になっていくわけですから、したがいまして、教職課程においてカリキュラムの中で豊かな人間性と教養、確かな実践的指導力を培うとともに、基礎的な情報活用能力の部分を拡充しなければ、学校現場で教員が適切な指導ができないのではないかなと思います。
 次に1点つけ加えさせていただきます。村松委員が時間軸の大切さということをご指摘されました。これはこの制度を考えていくときに、どの時点を想定して制度改革していくかという趣旨もあると思いますが、あわせて各委員がおっしゃったご指摘から確認したいことですが、教員として初任者採用時の時点の時間軸と、先ほど向山先生がおっしゃいました10年次と、それからまた主幹教諭であるとか、あるいは副校長であるとか、校長であるとか、そうした教育者としての、教員としての経験を積むその時間軸に応じた研修のあり方などについて、教職大学院あるいはその他の研修機関でのカリキュラムというものも、やはりこれまでの実態を含めて整理して有効性を高めていかなければならないと思います。特に私が感じておりますのは、実際にボランティアあるいはインターンシップとして公立の小学校、中学校に教職課程の学生などが入ってきた場合に、それを面倒くさいとか、こういう人は不要だとかそういうふうに受けとめられる声がないわけではないということは承知しておりますが、逆に若い研修中、勉強中の学生であるからこそ、あるいは準備期間であるからこそ、ベテランの教員では気づかない様々な点を現場に吹き込むということもありますので、その相互作用ということを尊重しつつ、また教職大学院等で専修された教員がしっかりと指導するというような教員同士の相互の研修あるいは指導という現場が、まさに学校になるのではないかなとも考えております。
 以上、現状を踏まえつつも、文部科学省が打ち出されている今日お示しの参考資料などにあらわれている近未来の課題を先取りした制度を提案していくことも求められているのではないかなと感じました。どうぞよろしくお願いいたします。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。確かに日本から英米に留学した生徒からは、日本のIT教育がほとんど行われていないということを言われますので、確かにやっぱり大きな課題だろうと思いますね。ありがとうございます。
 それでは、高岡先生。

【高岡委員】 
 すみません、ありがとうございます。
 今、清原委員からのお話が、最後のところは近未来というお言葉が出ましたので、うわ、次へ回ってくるとまずいなと実は思ったんですが、やっぱり回ってきました。実は過去の話を少しというつもりでおりました。過去といってもほんの数年前の話なんですが、私、前回、長々とうちで何をやっているという話をさせていただいたときに、基本的には実は国立の教員養成学部は平成16年に在り方懇というのがポンと出て、そこで相当いろいろ言われて、ちゃんとしろという話になった。それから、次に18年7月の中教審答申が出まして、この2つがやっぱり学部を変えていくときの大きな枠組みとして、うちの内部でも議論したということをさわりでちょっとお話しします。そのことに実はちょっとこだわっているんですが、今回のこの部会の設置の経過の中でも、まず18年答申というのが1つありました。昨年政権交代が起こって、さあ、そのときに、今の政権与党がマニフェストあるいはインデックスの中で6年制に移行ということや、あるいは更新制については全面見直しというようなこともあったわけですが、そのことを前提にこういう中教審の中に諮問がなされ、議論が始まったということだと思うんですけれども、私自身は最初のこの部会でも1人一言というふうに振っていただいたときに、諮問の表題がいいということを申し上げました。つまり、教職生活の全体を通じてまさに生涯職能成長という考え方を、中教審が教員養成という問題から研修も含めてトータルに初めて議論しているんじゃないかという趣旨でそういうことを申し上げたんですが、逆に考えますと、では、この部会に諮問された中身というものは、これは当然のことだと思うんですけれども、政策的には18年答申というものも前提に置きながら、しかし18年答申の先にまさに6年制の問題であるとか免許更新制をどうするかという議論が1つ、教員養成というフィールドあるいは現職研修というフィールドを見ると、そこにポツンポツンと点のように置かれたテーマだったと思うんです。その点をどうやってつないでいくかということが、どういう議論として論理的にこれをつなぐかということがこの部会の作業だろうと、実は私は思っておりました。
 そうすると、18年答申の中で果たしてうまくやれている部分とそうではない部分、あるいは18年答申自身が表明している内容とさわっていない部分がまだあるんだと思うんですね。ですから、例えば学士課程の教職課程の問題でいえば、4年制ということを前提にして免許法をいじって、なお教職実践演習という科目を新設すると、もちろんその代替は総合演習の選択化である、あるいは廃止であるということ。それから、全学的ないわゆる教職課程を持っている大学としてのカリキュラム委員会をきちんと整備しないさいということが書いてある。それから3つ目に教育実習を抜本的やっぱり変えないとだめだと。つまりその時点では4年制ということを前提にしながら、なお改善の余地ありというのが18年答申の内容で、それが少しずつ法制度として、免許制度として埋め込まれていったと。そっちはそっちで点と点をつなぐ仕組みができながら、もう一歩マニフェストにある6年制問題とか、あるいは4プラスアルファという話題とか、さらには免許更新制をどうするかという問題がもう一つかぶってきたときにどう考えたらいいかということなんですが、私は18年答申の中身をもう一度精査すれば、おのずと新しいフィールドに埋め込まれた、例えば更新制の問題あるいは期間延長の問題という露出している部分、点を、何か地下できちんとつなぐものがあるんじゃない、ちょっと抽象的ですけれどもそんなふうに思っています。
 もう一つは制度論と養成の実態ということ。議論がやはりどうしても錯綜するのは、私自身の頭の中で考えているときもまさにそうなんですけれども、制度の問題というのはいわば免許法の問題で、そこにどんな最低基準が書かれていて、大学はそれをどうこなしているかという、課程認定制度も含めて制度論ですね。そのことと実態、養成の現場で実際に起こっていることとの間に、やはり大きな開きがあるんだと思うんです。それは開放性という原則のもとで教員養成をやり、単位を一定程度集めればその人には免許を基本的には出しますよという制度で運用されている以上、制度の枠組みと養成の実際というのはどうしても乖離していく。その意味で、果たして先ほどから出ていますように4年では足りないからもっと期間延長が必要なんだと考えるか、いや、4年でやるべき今の制度をきちんと運用していくことで大学がもうちょっと教員養成ということに、まさに18年答申で述べられたような意味でやっていけば、きちんとした資質を持った教員も養成できると考えるのか、何かそのあたりのことが、どちらかの立場に私どもが立っているという、あるいは私自身が立っているというよりは、こっちの立場でいえばこう言えると、逆の立場でいえばこうも考えられると、そういうところのはざまで動いているような感触を、感じを私は持ちます。決して期間延長が不要だと申し上げているわけではなくて、そういう観点からいえば、期間延長をするのであれば、今の免許法とさらに養成の実態の中で何が足りないのか、どういう領域を増やすことが、今やっていることが飽和状態で、そこをもうちょっとゆっくりやりたいというようなこともあるかもしれませんが、しかし制度をいじって期間を延長するということは、今養成段階で何が欠けているかということをやっぱり明確に示さないと、1年延ばすとか2年延ばすとかっていう議論はできないんじゃないかと思います。

【田村部会長】 
 ありがとうございます。そのとおりだと思います。あとは中身の問題ですからこれから議論していくということなんですが。
 では、八田先生、お願いします。

【八田委員】 
 私はそういう意味では教員養成系の大学ではございません。一般大学というようなところで、その代表者でもございませんけれども、そういう立場から少し悩みという形でお話をさせていただけたらと思います。
 先ほどの資料を見ていただいたらわかりますように、一般大学、いわゆる教員養成系でないようなところが、中学校、高校では過半数以上は私どものほうで出しているという形。多分こういう4年制プラスアルファのアルファの部分が、今のところそれを4年の後連続するのか、少し飛んであと1年になるのか2年になるのかもまだこれからのお話かもわかりませんけれども、もし連続して4年プラスアルファになれば、多分それは内容にもよると思いますけれども、例えば大学院レベルでのお話ということになれば、一般大学はしかも数が非常に多いわけですから、これに対応できるかどうかとすると、果たして可能なのかということがございます。うちの大学でも、文学部英文科で350人の入学定員で多分半分ぐらいは英語の教職免許を取って出ていくんだと思いますけれども、全額であわせれば何百人でしょうか、これが例えば6年になった、まあ、5年もあり得ますが、6年になって、それではもし大学院ということになれば、果たして今でも大学院1学年は200人ぐらいしかいないのに600人にもなる、私立大学の教員だけで、もしそれぞれの大学がこのプラスアルファを受け持つとしたら可能なのか。だからといってやめろとは私は言っておりません、教育問題における教員の質の重要性というのは本当に認識しておりますけれども、果たしてできるのかというようなところが問題。それと大学院の1つの大きな機能はやはり研究というところがあるんですけれども、これともしそれぞれの大学がこのプラスアルファで対応するとしたら研究との兼ね合いをどうするのか、それと大学院レベルで出た学生がもし教職につけないような場合、学部レベルですとまだ就職がありますけれども、大学院を出たらもう就職はなくなってしまうとなれば、資料2にありますように本当にそういう大学院レベルあるいはプラスアルファに来る学生、教職を志望する学生が、特に一般大学では少なくなるだろうということは、私は多分予想できると思います。開放性の原則ということを堅持していくということになれば、一般大学がこれにどれほど対応できるのかということで、悩みがあるというのはそういうことと、もう一つ、あと1年か2年、来た学生が果たして経済的な負担に耐えられるだろうかということもあります。ご存じのように私立ですと大学院の学費は1年間で120万円、理科系ですと大体160万円、あとプラス2年ですと理科系ですと300万円強、文科系ですと240、50万円、これが就職がどうなるかわからないプラス2年で来るかどうかというようなところがある。となれば、また先ほどの最初の話に戻って、果たして4年プラスアルファはどうしても必要だ、あるいはあと1年か2年必要となったら、果たして連続して6年か5年かということを考え直してもいいのではかという感じがするわけで、もし4年で卒業して、あとそれを帰ってくる、そして1年、まあ2年は長いのかもわかりませんが、それとその負担をだれがするのか、私は教育をするということは本当に国全体の使命、義務であると考えれば、本当にそういう面では、個々人の教員の負担でそのような1年、2年帰ってくるよりも、どこかの公的な負担で1年、2年帰ってきて、そして資質を向上させる、で、また現場に帰っていくのが普通なのではないかというような感じがしております。これはそのプラスアルファの2年の内容がどうなるかにもかかってくると思います。多分、教員養成系の大学院だったら、すべて学生の人数的にも対応されると思いますし、教員もそろっておられますから大丈夫だと思います。一般大学では、もしそれがすべて任せられるとなるとどれだけできるのか。あるいは今ある教職大学院はそれほど数も多くございませんし、同志社大学も京都教育大学の連合という形で加わらせていただいておりますけれども、なかなか人員的にもそこには割けないというようなところがあります。これは別に私はやめておけという意味ではありません。大事だからこそ制度設計、特に開放性という前提のもとには、それとうまいこと兼ね合い、バランスをとりながらいくにはどうしたらいいのかということで考えていただきたいという、悩みと考えていただいたら結構でございます。
 以上でございます。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。プラスアルファについての非常に重い課題をお伺いさせていただきました。これから議論して進めていかなきゃいけないなと思います。
 では村山先生、どうぞ。

【村山委員】 
 今の八田先生のお話は本当に大事な視点だと思います。
 それで、私は最初のほうで、今までの教員養成が教科が免許法改正で足りなくなったんじゃないかとか、つまり教科か教職かとかいろいろな議論はありますが、今そこがポイントではないような気がいたします。この何年か教員養成に私もかかわってきて、結局見えてきたのは、これは皆さん、ある程度共通の理解が得られると思うんですが、結局教師の資質は、トータルでいえば現場で実践的に身につけるということが極めて大事であると。そういう点では大学での教員養成というものに一定の限界があると。それは大変努力しているわけです。高岡先生のところや教職大学院も努力しているんですが、しかし、幾ら教科か教職かという議論をしても、前回もそういう議論がありましたが、免許法、開放性で大学における教員養成という大原則に立つ限りは、免許法に立ってもう限界ですね、これ以上単位を増やすとか減らすとかという議論は成り立たないと思います。そういう前提の上で、さて、それでは、今の4年の教員養成で本当にまず教師の資質が得られるのかと、大丈夫なのかというのがまず1つ出発点だと思うんですね。それで、ただ、そこに私は2つの、先ほどから出ている議論でタイミング、時期の問題が混同されているといいますか、そこを整理しておかなきゃならない。私も教職大学院にいろいろ実地調査にも行ったんですが、なぜ4年からそのままストレートで来るのかというと、やっぱり4年で実習に5週間行っても、すぐ教壇に立って、担任になって自信を持って子供と接することができるかという、端的にそこの問題なんですね。つまり、今の免許法のシステムのもとでは、やっぱりこれは限界がある。これだけ現場の課題が多様になっていろいろな変化が激しい中では、4年で幾ら内容的に教員養成教育の4年間の中身を充実しても、さて、ポンと現場に出してやれといっても、そこに非常に難しい問題がある。しかし、その問題と、それはある意味じゃ初任者研修の問題なんですね。ただ、それは教員の資質向上という点ではそれだけではないと。前からこの特別委員会の最大のテーマになっている教職生活全体を通した資質の向上という点で、修士的なレベルでの向上というものが価値があるのかどうか、それをいつやったらいいのかと、どういう形でやったらいいのかと、この問題と今の大学4年を出たばかりでなかなか自信を持って教師ができない、あるいは任せられない、この2つの問題は若干レベルが違うというふうにまず押さえておく必要があるんじゃないか、できればそれをつなげる工夫が、今後制度的にも行われればいいかなと思います。それが1点目です。
 2点目は、そういう中で実践、現場の中でやっぱり教師の資質は磨かれるし、向上するというのは大原則だと思うんですが、そういう点で先ほど中西委員からも質問がありましたが、私、教職大学院に携わっていまして、やっぱりこれは画期的な制度になったと。いわば今後の教員養成の、つまり例えば勤めてから10年後、その上でかなり高度な資質を磨く上でも大変有効であると、あるいは初任者にも有効であると。何が有効かと、とにかく現場と理論とを行ったり来たりして、実際具体的なケーススタディをするんですね。しかもそこに大学教員だけじゃなくて実務、現場をよく知っている教員と共同でやるチーム、この仕組みは大変意義がある。かつ、私もいろいろな大学の調査をしたんですが、この教職大学院の仕組みというのは、エッセンスがそうだとしたら応用はいろいろに可能である。実際に今は30近くあるんですが、先ほども話がありましたが、東京の場合1年で終わらせるコースというのもあります。2年間実習をさせるのもあります。それから福井のように現場の学校自体を大学院とみなして、大学の研究者がそこへ出かけてそこを教育の場にするという仕組みもあります。いろいろな多様な形が考えられる。これをどう応用するかということが、私は今後の課題、教職の生活全体を通した資質の高度化、向上という点ではかなりキーポイントになるんじゃないかと。
 3番目に、その場合、さっき初任者研修、1年目どうするかという問題は残るんですが、これは若月委員が前から言っている、教育委員会が任命権を持っているんだから、しかも大学が38年間の教師生活を全部かかわるのかと、それは無理な話だというご意見がありまして、私はそれはそのとおりであると。これも教職大学院の経験で私は痛切に感じたんですが、日本の教員養成の仕組みの中で、教育委員会と大学の協働というのが初めてできた、できつつある。そういう意味では、大学における教員養成、開放性という原則を生かしながら、初任者研修を含めて、研修制度全体を含めてもう少しクリエイティブに教育委員会と大学が手を結んで、いろいろな教師の実践的な指導料力を現場で高める知恵を新しい制度も含めて工夫できないのかと。例えば一般大学は難しいと、全員修士、連続してプラス2というのは無理だと、そのとおりだと思います。例えば半年間でもいいと思うんですね、4年。教職大学院的な理論と実践を融合させて、教育委員会と大学が協力して教職センター的なものをつくると。それを将来の修士の1つのステップにすると、こんなことも、これは十分練られた考えじゃありませんがそういうことも考えられます。いずれにせよ、現場で実践的指導力、資質はつくられる、これは第1の共通の前提である。それから、やはり教職大学院は応用が様々に可能であり、大いに多様に活用したらいいと。それから3番目は、その際の制度的な保証として、教育委員会と大学が本当に制度として新しい仕組みをつくったほうがいいと。そうでなければ、この大学における教員養成、開放性を制度の枠組みにした教員の資質向上というものの道はなかなか難しいだろうと考えます。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。先ほど中西委員からもご指摘がありましたが、これはぜひひとつ教職大学院や現場を見にいかなきゃいけないというような感じが強くしてきますが、それでは、藤原先生どうぞ。

【藤原委員】 
 では、私からは、4回目ですので非常に具体的な提案をしたいと思うんです。どう批判されても結構でございますので。その際に、議論の出発点は、最初に出ました全体として授業力が落ちているのかどうか、落ちていると思います。落ちているんですが、その原因を教員養成課程の時間の問題にしないでほしいと思います。もう一度繰り返しますが、教員養成課程で教えてらっしゃる教授がもっと余計に教えることで教員の質が上がるとは絶対考えられません。この考え方はやめてほしいです。なぜ落ちているか、私は端的に3点申し上げます。4点目に今まで全く議論されなかった非常に大事なポイントを指摘したいと思うんです。
 最初に1番大きな原因は、先ほど向山先生がご指摘されたことです。先ほど先生はインターネットによって子供たちが先に知ってしまうとおっしゃいましたけれども、むしろテレビのほうが大きいかもしれません。「週刊こどもニュース」を見ている子供は社会科の先生の言うことを聞かないですよ、わかりやすいんですから。ここにいらっしゃる先生方の中で、あるいは今日傍聴されている方も全部あわせて、ちょっと手を挙げていただけますか。「週刊こどもニュース」を見たことある人?はい。そうでしょう、もう国民的な番組ですよね。それから、例えば「どうぶつ奇想天外!」を見ちゃった子は、下手な生物の授業を聞きませんよ、そっちのほうがおもしろいんですから。そのことが非常に大きいんですね。要するに教員と児童生徒との情報の落差がほとんどなくなってしまったということが最大の原因だと僕は思います。もちろんその対処法としては教養を深めなきゃならないということはあるにしても、これが非常に大事なこと。
 2番目には、最初の日に私が指摘したことなんですが、先生たちの事務処理が増え過ぎていることです。簡単に言ってしまって、例えば先生がやるべきことは授業、生活指導、それから事務を含めた経営の仕事ですね。そうですよね、マネジリアルな仕事ですよね。この3つが、理想的にはおそらく授業、生活指導、経営あるいは事務で、6対3対1ぐらいが理想だと思うんですよ。あるいは7対2対1ぐらいが理想だと思います。それがそうなっていないわけです。今はどれぐらいかというと、おそらく都市部の普通の学校だと3対4対3ぐらいになっているか、あるいは生活指導が困難校だともう2対5対3みたいになっているか、そういうことで事務処理が非常に増えています。これを何とかしないと教員の指導力は戻ってこない、このことは非常に大きいです。
 3番目です。校長です、もう何度も言います。三鷹市長が言うまでもなく何度も言いますが、校長のマネジメントが効いていないんですよ。校長のマネジメントが効いているとどうなるかというのを具体的に例を挙げます。まず教育長のマネジメントが効いていた場合、日渡教育長が何をやっているかというと、中学校、小学校、学年をほとんど解体してしまって、ある時間に教科を指導するのにクラスがガラガラ変わるわけですね。その時間、時間でクラスがガラガラ変わって、この授業では、例えば算数ではもう1対1で学ぶ子がいたり、3対3で学ぶ子がいたりとか、全体で学ぶ子がいたり、ある時間に15人の教員が入っていることもあるというシフトを、日渡教育長のところではそのリーダーシップでやっています。それによって学力がこの3年ぐらい連続して上がってくるという現実があるわけですね。あるいは和田中で何をやったか、50分の授業を45分にして、週3コマの英語や数学の時間を4コマにしました。このことでどれぐらい学力が上がったか、5年連続和田中では学力が上がっています。英語についても、16位ぐらいからほとんど杉並区内でトップになりました。そういうことができるんですよ。そういうことによってもっと教員に授業というものを、真剣に授業に追い込んでいくということができるんですね。それをやりもしないでなぜ大学の教育課程のせいにするのか、私はこれはおかしいと思います。こっちが先だろうということですね。
 この3つ、今、申し上げました。最後、全然議論にならなかったことです。先ほどちょっと清原市長が触れたことにもつながるんですが、これまでの10年ぐらいで、それ以前の教員とこの10年ぐらいの教員で何が違うかというと、先輩からまともに学べなくなったんです。OJTがとてもできにくくなりました。すごく忙しいですね。50代の教員と、都市部では、例えば東京と大阪なんかでは20代と50代の教員しかいないというようなゆがんだ感じになっていますから、その間の30代、40代がいるとすっとノウハウが共有されるわけですけれども、そこが非常にできにくくなっています。多分これは皆さんご存じの現実だと思うんですが、これは10年すると都市部でどうなるかというと、この50代の教員はほとんどいなくなりますよね。これは現実の衝撃ですよね。このときどうするのかという話。指導法が変わるはずですね。だからこそ電子教材なんですよ。違いますか。電子教材というのは、要するにパソコンがおしゃれだからとか、iPadが出たから必要だというんじゃなくて、要するに20代、30代の教員で教え切らなければならない場合、子供にもっと学習力を高めてもらわないと無理ではないでしょうか。ということで、私はもう10年したら教授法、指導法が変わってしまうと思うんですね。電子教材をどう使うかです。簡単に言いますと、例えば英語の自動化授業というのが出てきていいと思います。発音の下手な先生に教えられるよりは、電子的に電子ボードがしゃべってくれる。でも、そのかわり、学校の先生がやるべきことというのがもっともっとはっきりします。例えばオリエンテーションですね、最初の動機づけ、それから賞賛ですね。それから個別にどこを次までにやっていきなさいという指示だと思うんです。つまり、人間がやらなければならないことが、電子教材が入ることで変わってくるという認識が非常に必要なんじゃないかなと思うんですね。とにかくきめ細かな板書をやったり、きめ細かな生活指導をやったり、きめ細かく学習指導できるベテランというのがごそっと抜けて、10年たったら20代、30代の先生だけで教えなきゃならない、この現実にどのように対処するかということがこの部会できっちり押さえられていなければ、おかしな話になっちゃうんじゃないかと思います。
 さっきちょっと英語の自動化の話をしましたが、あとは効果があることが非常にわかっていますのは算数の反復、漢字の反復、英単語の反復ですね。今でもDSでそれを教えますと、非常に先生方が助かります。こういう反復学習については電子教材をもっと入れるべきなんですね。それによって先生方の時間をもっとセーブして、先生方が授業研究に使えるようにすればいいんですよ。なぜそれが広がらないんでしょうか。あるいはNHKのアーカイブスがもっともっと利用可能になったら、私は社会科、理科の授業で、それがiPadであろうとその進化した機種であろうと、富士通がつくろうと日電がつくろうといいので、それは絶対利用したいものだと思います。
 ですので、そういうことを総合して考えますと、最後に私の結論になりますけれども、とにかく今教えている中身をもっと教えることで時間を引き延ばすのは絶対やめてほしいです。これは記録に残していただきたいですね。私はこれ、もしそういうことをやるんだったら裁判で闘ってもいいぐらい怒ります。もし延ばすのであれば、それが1年、2年であるならば2つやってほしいこと、1つは校長へのマネジメント教育ですね。マネジメントを教育するということは1年かけてやってもいいんじゃないかと思います。実例を徹底的にケーススタディさせて、それをビジネススクールのようにやる。だからマネジメントの勉強、MBAではなくてMSBAということですね、Master of School Business Analysisというようなことで資格を与えてもいいぐらいじゃないかと、それに1年かけてもいい。もしもう1年やるんであれば、これは後先になりますけれども、最初にやるべき1年がこっちのほうかもしれませんが電子化ですよ。電子教材をどうやって使いこなして授業を立体的に組み立ているのか。これはおそらく一方向的な放送授業には多分なりませんよ。多分ワークショップのような形で、私がやっている「よのなか科」のような、対話型のディベートとかロールプレーとかシミュレーションを多用する授業技術になると思います。そういう電子ツールを100%使って人間が教えるとしたら、果たして何を授業技術として使うべきなのかということを、1年かけて徹底的にやるべきだと思います。つまり延ばすなら、電子化を前提とした授業技術とマネジメントの技術の2つしかないだろうと私は思います。
 以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。非常に具体的なご提案をいただきました。これは議論するととても長くなると思いますので、まずご提案をいただいたというところで、今のところ。
 日渡先生、どうぞ。

【日渡委員】 
 村山委員の意見にかなり賛成なんですけれども、何回も言いますけれども、教師が育つというのは養成4年ではないんですね。採用後の38年で育つわけなんですけれども、そうなってくると養成というのは教師としての基礎をつくることが重要なんだと思うわけなんですね。今日の議論の中でも、何か採用と同時にパーフェクトな教師がいるとかそういう話が出ているんですけれども、採用と同時に優れた教師なんていうのは、もともとそういう適性があったのではないかという気がするわけなんですね、採用している立場としては。ということは、その前提となる基礎となるものは何か、そしてそれをどうカリキュラムに生かすということをカリキュラム議論としてはしていくべきだと思うんですけれども、その何かというものをもっと顕在化するような議論が出ていけばいいなという感じはします。
 それと、養成と採用後の育成、この連携というものを、今まではここまでが養成、採用後はどうぞという形で完全に切れていたんですけれども、養成と採用の連携といいますかその連続というものをもう少し着目する必要があるのではないかと思います。議論の中で、増えると人材が足らないのではないかとか、実習というのが負担になるのではないかという話が出たんですけれども、それはあくまでも大学側の考えであって、責任を持っている教育委員会側に、もっと責任を持たせるような制度を持っていけば、人材を出せとか、実習はちゃんとあなたたちの責任ですよと仕組みの中に入れ込むことで、それは解決できるのではないかなという気がします。ただ、一番考えるべきは養成ではなくて行政なんですけれども、ただ初任者研修とか10年経験者修とか制度に組み込まれても、現在の教育委員会は残念ながらその全体を俯瞰する能力がないため、やっぱり負担に耐えられずに初任者研修だけを考えるとか10年経験者研修だけ考えて、全体の育成でという俯瞰する能力が教育委員会とか任命権者側にもないので、こちら側の手当というのも必要なのかなという気がします。
 それと大学といいますか養成側に言いたいのは、養成のことでいろいろな課題が出たときに、任せてくださいと、こんなことをしました、こんなことをしますと言うのはいいんですけれども、それだけではなくて、どうすればいいんですかとか、どこにその問題があるんですかということを問いかけていただきたいと。一人だけで抱えていることなく、38年持っているほうにもう一回問いかけていただければいいのかなという気がします。
 それと、途中で今の養成に何が足らないのかと、それをプラスアルファで継ぎ足していこうじゃないかという議論があったんですが、その議論の中で重要なのは、だれが足らないと認識しているのかということが、先ほどの流れとしてやっぱり一緒だと思うんですね。大学側が足らないと考えているのか、それとも38年受け持っている側がこういうことが足らないので養成してほしいというふうにカリキュラムの中に入れていくのかという、やっぱり養成と採用とか育成側の連携というのを、もう一回全部突き合わせていく必要があるのかなという気はしました。

【田村部会長】 
 ありがとうございます。とても大事なことを言っていただきました。
 続いて松木先生。

【松木委員】 
 4プラスアルファの期間の問題が今中心になっているんですが、このままいくとその他のところまで行かないなという気がしまして、思わず手を挙げてしまいました。教職大学院のことを通して今のことも含めて考えみたいと思うんですが、4プラスアルファが近未来、5年から10年ぐらいの間にガチッとしたものを何か考えていくということにするならばなおさらのことなんですが、今動いている教職大学院が、その成果をきちんと評価も含めて取り上げてみる必要がやはりあるんじゃないかなと思います。
 教職大学院のことにかかわって3点ほど、1つは教職大学院の効果ということと、2つ目は教職大学院における教科専門の取扱いということについて、それから3つ目は4割を占める実務家教員の先生方のことについて、この3点について提案したいと思います。
 教職大学院がかなり背水の陣でやっておりますので、かなりいろいろ成果を私たちは出していると思います。ただ、それをさらに効果的にしていくためには、先ほど村山委員や日渡委員からも出ていましたけれども、教育委員会と大学の連携ということが、その連携の中でどういう教育実習を、インターンシップを実現していくかということがかなり重要ではないかなと思っています。今の教育実習のやり方は、学校から見れば確かにお荷物です。ところが教職大学院で始めている実習を見ますと、むしろ来てほしい、学校としても実習生がいることが学校全体を活気づけていくというような意味合いを持ってきているなと思います。これができるかできないかも、教育委員会との連携の問題がかなり大きいんじゃないかなと思います。そこの段階で養成と初任者研修とをかなり一体化していく方向での改善ができると、もっと効果的な教職大学院になり得ていくんじゃないかなと思います。
 もうひとつ効果を示し得ないのはスケールメリットの問題じゃないかなと思っています。年間800人、ストレートでいうと400人ぐらいの卒業生しか出せていない、これでは教職大学院の効果を大きく示せと言われてもなかなか示せない。例えば教職大学院を各大学の中で大きくしたくても、現在の大学院の設置基準の問題があって、両方を両立させていくというのは極めて難しい状態になっているような気がします。併設している既設の大学院と教職大学院を持っているような大学に関しましては、この間がもっと柔軟に連携強化していけるような制度設計をしていただけると、つまり教職大学院の数をもう少し押し出せていける教員の数を増やせますと、そのスケールメリットをきちんと表現していけるんじゃないかなと思います。ぜひその設置基準も含めて、併設している大学の間での柔軟な連携が可能になるような仕組みを考えていただけないだろうかということです。
 2つ目は実務家教員の問題についてです。いい言い方じゃないんですが、5年とかというような形で賞味期限があるとかないとかというようなことが話題になりますが、実務家の先生方も2種類の先生方がいらっしゃる。大学で採用されている実務家の方と、それから県等の連携の中でローテーションでお見えになる先生方がいらっしゃるように思います。県からのローテーションでおいでになる先生方等のことを考えますと、今はローテーションではなくて、実際上はリタイアした先生方を採用しているケースが非常に多いんじゃないかなと思うんですね。でも、これでは効果がないような気がします。むしろ教職大学院で教員として籍を置きながら、そこで一緒に活動したその先生が学校に戻り、校長先生あるいは教頭先生として活躍し、そこでまた連携を深めていくというような相互に行き来をしていただけるような仕組みになっていかないと、賞味期限という言い方は変ですけれども、それでしたらリタイアした方は期限切れの方を採用していくというような状況になってしまいますよね。そうじゃなくて、むしろこれからまた学校に戻られて大学と連携も含めて頑張っていける先生方がおいでいただけるような仕組みにしていただけないだろうか。そのためにも、先ほど校長先生のマネジメントの話もありましたが、管理職の先生方あるいは実務家の先生方がEdDを取っていけるような、博士課程レベルで支えていく制度というのも必要になっていくんじゃないかと思っています。そういうことを考えてみますと、先ほど藤原委員から出てきた電子化という話がありましたが、電子化もすごく必要じゃないかなと思いますが、結構大学も役に立つと思います。学校に出かけていって学校と一緒に取り組むと、大学はそれはそれなりの役をきちんと果たせるんじゃないかなと思いますので、ぜひ大学を使っていただけたらありがたいなというような気がします。
 3つ目は教科専門についてです。学部段階の免許でも教科専門の力が落ちてきているというような話がありました。そういうことを考えますと、教科内容についても教職大学院の中で取り上げていけるようになればいいなと思っています。ただし、単純な揺り戻しでは意味がない。大学にいる教科の専門の先生方にしてみれば、教職大学院はそのうち揺り戻しになって、教科のほうにまた戻ってくるよというような高みの見物をしてらっしゃるかもしれない。そうじゃなくて、揺り戻しということじゃなくて、もう少し教科の中身、本当に教科としての内容を持つようなものをやっていけないだろうか、例えば中・高をメインにしていくような教職大学院では各教科の最新事情をきちんと講義できるような内容にしていただきたいと思いますし、小・中の教員を養成していくのをメインにしていきたい教職大学院にしてみると、例えば小学校、中学校の教科書、教科の内容をきちんと踏まえたような教科専門をきちんとやっていける、あるいは教職担当者と教科専門の先生方が合同で計画していけるような内容といったものを含めた教科専門のあり方というのを、ぜひ検討していただきたいなと思っています。
 以上、4プラスアルファがある時間軸の中で話を進めなければいけないとするならば、その間教職大学院はある意味実験をしているようなものです。そこでの成果をきちんと効果的に示せるような状況がつくり出していけるといいなと思います。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 実は時間があと10分しかなくて、まだ発言されておられない先生方が5人いらっしゃいますので、そういう状況をお踏まえいただきまして、順番にご発言を賜ると大変ありがたいと思います。
 では高桑先生、どうぞ。

【高桑委員】 
 簡単に申し上げます。
 任命権者として、教員養成の問題は、はっきり言えば教員免許状の信用度の問題だと思っております。教員になりたい人がどの程度の力をつけて勉強してくれば教員になれるのかと、教員免許状を取りたいとか、どうすれば教員に優秀な人を確保するのかというのはちょっと次元が違うのかなと思いますし、なりたい方が教員を目指してくると、そのときに免許状を持っておられる方を採れば間違いがないんだというところまで高めていただければ、私どもとすれば教員養成に期待するということは尽きるのかなと。しかし現状の免許状が教員採用を十分担保し得ないという中で、私どもとすれば今の大学の養成課程に教育委員会としても何がしかの力を発揮して一緒に取組みをさせていただきたい、その形が、正直申し上げて、やっぱり学校現場での実施研修しかないのなかと感じておりますし、そこで教員の適性も含めて見切っていける、また力をつけていっていただけるということになるのかどうか。それが学生にとって大変負荷をかけることになるのではないかというのはそのとおりだと思いますけれども、ここはちょっと簡単に申し上げますのであれですけれども、臨時免許状とか非常勤講師の制度を弾力的に活用してでも学生に学校現場で実際的な働きをしていただけるような工夫ができないのかなと。いわば報酬をもらいながら教員に向かって努力していく姿勢を改めて確認していただきながら、力も高めていただくと。そういう意味で、大学が基本的には単位認定していただいていいかと思いますけれども、教育委員会も力を出させていただきたいと感じています。
 しかし、これまで積み上げてきた養成、採用、研修というものがそれなりに独自性を持って独立して一定の役割を果たしてきた中で、養成と採用とが結びつき過ぎると果たしていいのかなと。といいますのは、その大きな負担を学校現場にかける場合に、採用するかどうかわからないけれどもという形で果たしてやれるのかなと。そうなってきますと、採用問題そのものに一定の制約を加えることになりますし、実施してもらうときに、何がしかのことを考えた上で働いていただきたいということも含めて考えるなんていうことになると問題が出るのかなと。しかし、実際に各学校で力を発揮していただいてやっていただくことが教員になる場合にとって大変大きな力になると私は思いますし、そういうような形で進んでいけたらなと思います。
 それと、直接、養成や採用とは関係ない話かもわかりませんが、やっぱり教員が、即戦力も大事ですし、明日からでもすぐに役立つ力を持ってきてくれるのは大変うれしいんですけれども、私どもが期待するのはどうしてもやはり今役立つだけの知識ではなしに、これから先伸びしろを持って頑張れる教員でなければ、時代が変化する中で本当に対応できるのかなと、今日使える力は明日使えないということでは困るということも含めて感じていますので、そういう意味では即戦力だけではなしに、やはり生涯学習としての基礎、基本、応用力というものをきちんと身につけた教員であってほしいなと思っております。
 以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 それでは、宮川先生。

【宮川委員】 
 恐れ入ります。
 資料2の教職課程の期間についての意見の概要の6点目と11点目について、関連した意見を述べさせていただきます。
 まず6点目の養成の年数を増やすだけの問題でない、その中身を変える必要があると、そういうふうにこの後段のくだりの中身を変えるというよりは中身を改善というんでしょうか、こういうことをまずすることと、それが実際にできているかということの検証というんでしょうか、もっと言及すれば、課程認定とその取り消しをきちんとやるような仕組みというのはできないものかと私は考えています。なぜならば、様々な大学の授業を見させていただいて、暗たんたる思いを私は過去にしております。例えば優れた実践をしてらっしゃる教授の皆さんもいらっしゃいますが、一方で教職大学院は結果を出しているということももちろん認めますけれども、実際に大学院の授業を見させていただいて、授業後の協議会の中で、私は思わず「これが大学院のレベルですか?」って発言してしまった大学がございます。ですから、事ほどさように大学の教育の内容についてはみずから改善・充実するということが、またそれがちゃんとできているかどうかということについてまとめてしまえば、文部科学省が行っている実地調査というものの仕組みをさらに制度をしっかりとして、十分な教育成果を上げていない大学については認定の取消なり、改善のための指摘を明確にして、その実効がどれだけあらわれたかをさらに確認していくような仕組みが必要なのではないかなと思っております。
 いずれにしても講義内容が教員任せになっていないか。ですから私は、高岡委員のなさっている島根大学でのプロファイルの仕組みや1000時間体験といったものが本当にできるのであって、そこで養成された学生は教員として1年目から力を発揮しているという姿があるわけですので、例えば東京都においては教師養成塾なるものがあって、おおよそ現在150名の大学生を養成しておりますが、大学の4年生を預かって、島根大学のような1000時間には遠く及びませんけれども、おおよそその3分の1程度の体験とかはやっているわけです。できるわけです。私はそこのところをやることによって、もちろん藤原委員がおっしゃったように時間を増やすことではないと思って見させていただいています。
 2つ目の教員が学校現場で一定期間ということでありますが、やはり今の免許更新制が始まったばかりでありますけれども、これをいかに修正していくかということはやはり課題ではないかと思っております。大学の教育の質が変わらずに更新制で大学がやっていることに、いささかの矛盾はないのかと思っています。つまり、十分な成果を上げている更新制の講習をやっている大学ももちろんありますし、一方では都道府県や市町村教育委員会がやっている研修と同じレベルの更新の内容の取組みをやっているところもあるわけですね。ですから、こういうところをいかに整理していくかということを考えたときに、そして教職大学院との今後の発展を期待するならば、このインタラクティブな仕組みということの中で、特に若手もあわせてマネジメントについて学ぶような仕組みというのがやはり必要なのではないかなと思っております。
 3点目にこの教職課程の期間についてというところで、冒頭若月委員がおっしゃった大学と教育委員会との連携ということをさらに精度アップしなくちゃならないのではないかと思っています。例えば既に香川県などは、もう数年以上前になるんでしょうけれども、人事交流をして成果を上げているように聞いています。単に大学者と教育委員会の関係者、学校関係者との人事交流の中で、教員の研修なり研究なりの質を上げていくというシステムにつながるような連携ということを、私は考えていく必要があると考えています。
 最後になりますが、私は20年以上ぶりに学校の現場に戻って痛く感じているのは、やっぱり授業の質が落ちていると言わざるを得ないなと思っています。それはやはりこの部会でも教員の多忙感ということが大分出されましたが、私は文部科学省、もちろんここに文部科学大臣、副大臣等がいらっしゃればちょうどよかったわけですが、学級定数を下げるということはもちろんいいアイデアかもしれませんが、それ以上に学校によっては教員の持ち時数に相当の開きがあります。例えばオール1学級の中学校でいくと、英語の教員は週4時間であったときに12時間です。しかし、これが学級数が多くなれば18時間なり持っている教員もいるわけです。そうすると、この6時間の差というのは、実際は校内での組織的な様々なか課題検討だとか、あるいは問題解決のためのワークショップだとか、あるいは校内の組織運営だとか、もちろん授業のための準備などができるわけです。そういうことからしてお願い申し上げたいのは、この教員の持ち時数について学校規模によってさまざまな状況が考えられますので、教員の負担感というよりは本当に学校の中でOJTなり、あるいは研修、研究が十分できるような学校組織にできるように配慮していただければ大変ありがたいと思っております。こういったことをやっていけば日本の教育というのはこれまで以上に、また諸外国から比べて見劣りしないものが多くあると思いますので、こういうところを堅持していくこともこういった配慮によってできるのではないかと思っております。
 以上、3点を申し述べさせていただきました。以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 お待たせしました、横須賀先生、どうぞ。

【横須賀委員】 
 現実に対する特定の意見じゃなくて、教職課程のあり方や、特に期間を考えた上では踏まえるべき議論があって、それは教職の専門性とはどういうものなのか、あるいはどこに根拠があるのかということの議論を踏まえる必要があると思います。
 私、教育学を専門にしていますが、教育学の世界でいうと30年前ぐらいからこれについての議論が非常に盛んに行われて、今はかなり下火になっていると。この教職の専門性を強く主張して、教職を専門職として確立すべきだという意見は、1つは医師の仕事、医師の持っている専門職をモデルにして考える考え方が非常に有力であると。医師の場合には人間の体という物質に対する研究というものが基礎になって医療の内容やなんかが出てきて、技術的体系性が非常に高くなってくるというところがあるわけで、教職の場合もそれに比較してぜひそういうものにしていくべきだという議論がありました。一方では教職というのは専門性がないんじゃないかと。これは教職にカジがないというんじゃなくて、本来子供を教育するというのは親のやる仕事だと。だけど親は社会的にいろいろな仕事があって、自分ではできないから教師がそれにかわってやっているだけだと。だから教職は専門性じゃなくて教職の倫理性だという議論、これは両極端ありました。しかし結局どちらも有力な議論にはならないで、その真ん中ぐらい、与える知識における高度性、あるいは社会において特に知られていないことを教えているわけじゃない、だれでも知っていることを教えているんだけれども、やっぱり子供というものの持っている特殊性、児童生徒の持っている心理過程とか生理過程の持っている特殊性というものと知識、技術というものを結びつけていく上では、かなり重要な技術性あるいは精神性を持っているんじゃないかというあたりでようやく落ち着いてきて、だから技術的体系性が高いという議論は非常に下火になっているというのが現実。そうすると結局、教師の成長というものはやはり相当経験によって裏づけられると、経験を経て獲得されていくということが落ち着くところに落ち着いてきているというのが現実。そういうふうに考えると、4年プラスアルファのところも、そこにやっぱり教職の実際の経験、実務経験というものが入ってこないと、プラスアルファのところの意味もそんなには膨らまない、中身が出てこないというところじゃないかなと思います。
 時間がありませんので、次に課程認定についていろいろな意見が出ています。これについては詳しい話は別の機会にできるかなと思いますが、今、私は課程認定の実務をかなり重要なところで担当しているものですが、これには改善の余地が相当あります。各大学とも免許基準は最高だと思って、ここをクリアすればそれでいいと思っている。ここは最低だから、そこはクリアしたら、後はしっかり自分たちの教職課程をつくろうという考えのところは非常に少ない。ですから課程認定を、そこさえクリアすればいいですよという課程認定から、質を見ていく、質を保証する課程認定に変わっていく必要があって、その余地は私は十分あると思っています。
 どうもありがとうございました。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。確かに課程認定基準は最低なんですよね。だからもっと高めるという努力は常にしていなきゃいけないと思います。
 じゃあ、すみません、お待たせしました。若月先生どうぞ。

【若月委員】 
 本来こんなことを私が申し上げることじゃないと思うんですけれども、皆さん方からそれぞれのお立場でそれぞれの意見が出て、私は聞いていてそれぞれもっともだなということを非常に強く感じるんです。ただ、私たちに今与えられた時間というのはそうそうないなということも、一方でここ最近頭をかすめるわけです。先ほど高岡先生がおっしゃったことは、私は大変参考になりました。例えば議論の中で制度論と養成論といったものをあまりクロスさせないできちんと整理していったほうがいいだろう、そのためには、例えば18年答申を例に出されましたけれども、あの18年答申を下敷きにして検証して、制度論と養成論といったようなものをきちんと峻別しながら議論していったらどうだろうというお話がありました。これは本当に私が申し上げることでもないんでしょうけれども、これから先、この部会として限られた時間の中で、いろいろなご意見が出ましたけれども、先ほど高岡先生がおっしゃってくださったああいった観点で、やはり具体的にこうしましょうという結論は出ないかもしれませんけれども、何をもう一回具体的に精査し、確認し、検証していくのかというようなことをやはり整理していく、これはまず第1段階として私は非常に大事だろうと思いますし、我々に今与えられた時間というのは、それぞれのご意見をいろいろおっしゃるのはいいんですけれども、それをどういうふうにこの部会として世間の方に提言していくかということを考えたときに、そろそろそうした視点での作業といいましょうか、意見交換といったらいいでしょうか、そういうことが必要な時期じゃないかなと。そういう意味では、高岡先生のご提案いただいた視点は私は非常に参考になると思いましたので、その点をひとつよろしくお願いいたします。
 以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。18年答申から出発ということは現実ですから、それはそういうことだと思っていますけれども。
 それじゃ、岸田先生。

【岸田委員】 
 すみません。学部4年の教育課程について、法改正の後、教職に関する科目が増えたと、そして、教科指導の力が落ちたというような指摘が小川先生からもありましたが、増やした教職に関する科目の実効性についてもまだ懐疑的であると思っています。一方、多様な専門的知識をそれにまだ付加していかないといけないとすると、それを4年間の中に押し込めているということは、今まで以上に学部4年の教育が消化不良を起こすことになりはしないかと。そうするとプラスアルファの要素というのは必要だろうという理解を、私はしています。そういう中で、2回目の会議で言ったと思うんですが、やっぱりそのポイントになってくるのは、私は5年目の初任者研修の扱い。この初任者研修の扱いに教職大学院の要素と、それから県教育委員会がやっている研修の要素と、それから教育実習の要素と三つどもえの中で、何か工夫ができないかというニュアンスのことを言ったんですが、今日はそういった議論になっていますので、再度それだけ申しておきたいと思います。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。具体的なお話をいただきました。
 では、青山先生、どうぞ。

【青山委員】 
 すみません、お疲れのところ恐縮でございます。
 冒頭に若月委員から、大学院の修士の資格を持って教職についている、あるいは教職免許を持っている人たちがどのぐらいいるのかということで、この資料3についてのお話がありました。くしくも高等学校が4分の1、25%、修士の資格を持っている人が教員になっているというデータが出たわけですけれども、これはやはり私は限られた需要と、それから大規模な供給のバランスで校種別にこのような実態ということで出てきているんだろうと理解したわけです。この構図というのは今後どういうふうに変わっていくのかわからないのですけれども、私もやっぱり今の実態、つまり実際に職につく、職を得るという教員を志望する人たちのいわゆる現実感に基づいてこういう数値というのが出てきていると思いますので、これはひとつ大切にしなければならないことではないかと思いました。
 それから、教職課程の4年間というのは、もちろん一般の自分の専門の単位と、それから教職の専門の単位をとっていくわけですけれども、大学4年間で学士のところで必履修の科目を例えば繰り上げて圧縮していくとすれば、かなり後半は時間が空いてくるという実態は、昔と今とそれほど変わっていないのではないかという認識です。ですから、必履修科目プラス、何を言いたいかと言いますと、今、実際に実施していただいている講座で必ずこれはクリアしていかなければいけないものと、それから先ほど藤原先生からお話がありましたけれども、やはり10年前とそれから今と同じ講座の名前・名称であっても、取扱う内容というのは当然変わってきているのではないでしょうか。前回、大学でのプログラムをどんどん改善していくという実践発表をいただきましたけれども、私はそれがやはり1つのプロジェクトになって、切り開いていくパイオニアというものになって広がっていくことが効果的なのではないかなと考えています。できないというふうに初めから考えてしまうのではなくて、どうやってそれを活かしていくかという形で取り組んでいく必要があるのではないかと思いました。
 それからもう一点でありますけれども、教員に採用されて、ストレートで大学の学士を終わってすぐに採用される教員、あるいは非常勤講師の時期を経て採用される教員が30代、40代、50代というふうに年齢を重ねていく過程で、10年次研修、現職の研修とのかかわりも出てくるわけですけれども、やはり私は基本的には大学の教員養成課程にあまり負担をかけることはできないだろうと思います。今も工夫していただいているわけですので、その工夫改善をさらに進めていただいて、その中でまずベースになる共通する教員の資質の部分を養成していただくと、あとは採用以降のことになると思います。採用以降の研修の中で、特に私は30代で教科指導にしましても文書実務にしましても、実際的な力をここでつけてもらう。その後、先ほど出てきた使命感というお話もありましたけれども、使命感や自尊感、自負心・プライドといったものを高めて、そして40代の主任、主幹につないでいくという流れが大事なのではないかと思います。その間に教員というのは、例えば大学院に出ていく、大学院に派遣される、あるいは休業制度を使って大学院で自分の専門を勉強する、あるいは長期研修に出る、それから行政に入ってみる、限られてはいますけれども幾つかのコースがあります。それでその期間に学校を離れて自分の視点というもの、あるいは経験というものを膨らませる、視野を広げていくということになるわけですし、高等学校の場合には昔に比べますと学校自体が多様な形になっていますから、そこで経験を積んでいくということができますので、それらを通じて資質というものをさらに磨いて高めていくということができると思っています。
 最後に、このことに直接かかわるかどうかわからないんですが、私が今1つ非常に興味を持っているのは、今回日本学術会議が回答を文部科学省にご提出になりましたけれども、私がこれまで思っていたのは、大学の4年まで十分に勉強ができずに、大学3年で就職活動に入らなければいけないというのは非常に理不尽だということです。大学をめぐる社会情勢ということもあると思うんですけれども、それを日本学術会議の回答ではやはり4年に戻しましょう、そしてそこから先のケアをしましょうという形でモデルをお示しになったと思います。私はあの回答には大変賛成しています。あの回答が今後いろいろな局面で反映されていくことを私は期待しているところです。
 以上です。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。
 一応今日はこれで時間になりましたので、本日の部会はこれまでとしたいと思います。
 本日の議事に関することでお気づきの点がございましたら、なお議論が尽くされていないというお考えでございましたら、ぜひひとつ事務局までご連絡くださるようにお願いしたいと思います。
 なお、今後の日程については、9月中旬をめどに開催し、残りの論点について討議をいただきたいという予定になっております。これは事務局との相談なんですが、どこかの時点でリアル熟議みたいなことをやって、いろいろな意見を聞いてみたいというような試みができたらなと思っております。
 それからもう1つは、大学院の視察が具体的に出てきましたけれども、現場を見るという話も、ぜひできたら実現したいなと思います。これは全体の流れがありますから、できるかどうかは別としまして、できなければ報告いただくという形になると思います。そんなようなことで進めさせていただこうと思います。
 時間がオーバーして本当に申しわけありません。清水事務次官が最後までおられましたの。一言いかがでしょうか。

【清水事務次官】 
 7月30日付で事務次官を拝命いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
 そろそろ議論も佳境になってきましたので、諮問のときに、先ほど高岡先生ですか、18年答申で何が議論されなかったかということを、私なりの個人的な認識を、ちょっと一、二分いただけたらと思っています。
 第一に18年の答申のところでは、教職員の生涯にわたる教職生活という概念は出されているけれども、結局システムとしては必ずしも明確に提示し得ていなかったのではないかと私は思っております。それはすなわち免許は入職前のものとして、そこにとどまり、そして採用それから研修の部分は教育委員会と分断され、専門免許状のように研修と免許が結びつきが一体となるシステムについての問題意識が欠けていたのではないか、十分ではないのではないかということです。
 それから2点目は免許状ですけれども、免許状は一体何を示しているのであるかということについて、1つの前提の中にとどまっているのではないかという問題意識です。つまり免許状が何を公証するのか、単なる履修なのか、履修プラス何らかのアウトカムをやっているのを公証しているのかということでもありますし、また免許状を与える教科の範囲、免許状の種類というのは、中・高でいえば今の教科免許状にとどまるべきものなのか、あるいは小・中連携とか中・高、中等教育学校とかさまざまな連携のシステム、あるいは学制改革を考えた場合に、学校種別ごとに分断されている免許システムで本当にいいのだろうか、ここは議論されていなかったと、2点目としては思っております。
 3点目としては大学と教育委員会、それぞれの連携は言われていますが、連携を具体化するシステムが十分議論されていなかったのではないかというふうに、例えば、免許授与権者は一方で教育委員会であり大学での履修そのもので免許状を授与するという形でいいのかどうか。あるいは課程認定についても、教育委員会あるいは様々な関係者を含めて課程認定のプロセスの中に組み込むようなシステムというのは考えられるのか、例えばこんな意識があったということでございます。
 いずれにいたしましても、今日、そろそろ議論は佳境に入ってまいりましたし、私ども、諮問に当たって検討、さまざまな議論をしたとき、何がいわゆるこれまでの議論、論議の中でまだ十分尽くされていないかという議論をいろいろな形で整理いたしました。ご参考までに私の認識を申し上げさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

【田村部会長】 
 ありがとうございました。大変参考になりました。何となくそんな感じは我々持って議論を始めたんじゃないかという気はしていますけれども、今整理されて示していただきましたので非常に参考になったと思います。先ほど若月先生がおっしゃったようにこれからあまり時間がありませんので、要領よくまとめていい結果が出せるようにしたいと思いますので、どうぞよろしく今後もお願い申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。ありがとうございました。

 

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-- 登録:平成22年10月 --