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教員の資質能力向上特別部会 基本制度ワーキンググループ(第5回) 議事録

1.日時

平成23年11月16日水曜日 15時~18時

2.場所

フロラシオン青山 1階 ふじ

3.議題

  1. 現職研修等について
  2. 更に検討すべき事項について(各委員提出資料に基づき議論)
  3. その他

4.議事録

【横須賀座長】  定刻になりましたし、ただいまから中央教育審議会 教員の資質能力向上特別部会の基本制度ワーキンググループ、第5回を開催させていただきます。お忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。

 それでは、まず事務局より本日の配付資料の確認をお願いします。

【日向教育制度改革調整官】  それでは、配付資料の確認をさせていただきます。

 資料1-1、現職教員の資質能力の向上について

 資料1-2、現職教員の資質能力の向上について(補足資料)

 資料1-3、初任者研修目標、内容例(小・中学校)

 資料2、さらに検討すべき事項について(委員提出資料)

 資料3、これまでの議論の整理と今後の論点(座長メモ)

 資料4-1、教職生活の前提を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について(審議経過報告)に対する意見について

 資料4-2、教職生活の全体を通じた教育の資質能力の総合的な向上方策について(審議経過報告)に対する各団体の意見

 資料5、中央教育審議会 教員の資質能力向上特別部会 基本制度ワーキンググループの主な意見(4回まで)

 それから、資料番号はございませんが、さらに深めるべき論点(座長メモ)

 以上でございます。

【横須賀座長】  よろしいでしょうか。それでは議事に入りますが、本日は、今見ていただきました資料の中の座長メモ、それから、現職教員の資質能力の向上について(資料1-1)、それから、各委員から、さらに検討すべき事項についてということでご意見を提出していただいています。ありがとうございました。これらをあわせて議論を進めたいと思います。そして、最後に、各団体から出ている意見について紹介をし、議論の中に入れていくということにしたいと思いますので、よろしくお願いします。

 まず、議論を進めるに当たっての今申し上げました配付資料について、事務局より説明をお願いします。

【日向教育制度改革調整官】  それでは、資料1-1についてご説明します。そのほかの資料は参考資料ですので、議論の際に適宜参照しながらと思っております。

 資料1-1の1ページでございますが、これは、現職段階の教員に求められる資質能力について、これまでの議論をもとに整理をしました。一番右下に、中堅教員や管理職など指導的な立場に立つ教員に求められる資質能力ということで、地域や学校における指導的役割を果たし得る教員として、教科指導、生徒指導、学校経営等について高い専門性を有し、標準レベル以上の職務遂行能力を有するとさせていただきました。

 それから、2ページでございます。現職段階の教員の資質能力向上について今後求められるものということで、これまでいろいろなご議論がございましたが、おおむね2つに集約されるかと思います。現職段階の教員が学ぶ手段はさまざまに用意されているが、体系化・可視化が不十分であり、体系化・可視化をする必要がある。また、学習を評価するシステムが不十分であり、評価システムを整備する必要があるということで、教員が教職生活の全体を通じて不断に専門性を高めるため、現職段階においては、学習成果を教員免許制度において評価・認定し、教員の資質能力向上を可視化する仕組みを構築してはどうか。また、それを受けまして、一定の専門性を公的に証明する専門免許状の創設について検討してはどうかと、たたき台としてまとめさせていただきました。

 3ページは、審議経過報告における指摘事項を箇条書きにまとめたものでございます。

 次に4ページでございますが、専門免許状について、議論のためのたたき台ということで用意いたしました。まず位置づけですが、例えばということで、以下の2つが考えられるのではないか。1つ目としましては、専門免許状については、一般免許状を基礎として特定の分野についてより深い学識を積んだことを証明するものとして位置づけるということで、例えば一種免許状と専修免許状との関係に近いもの。それから、2つ目としまして、専門免許状に特定の効果を付与し、一般免許状とは別の免許状として位置づける。例えばでございますが、幼・小・中・高の教諭の免許状と特別支援学校教諭免許状との関係に近いものとするということ。それぞれ図でイメージをつくってみました。論点につきましても、そこにまとめさせていただいたとおりでございます。

 次に、5ページでございますが、専門免許状の区分について、これは審議経過報告において例示されておるところでございますが、学校経営、生徒指導、進路指導、教科指導、特別支援教育、外国人児童生徒教育、情報教育等、学校の校務等に対応したものとしてはどうか、上記の各区分について免許状として位置づけることが可能か、また複数の区分の取得を可能とするか。

 専門免許状の取得効果でございますが、ここに学校教育法ですとか、学校教育法の施行規則でいろいろな職がございますが、こうした職についての登用条件の1つとしたり、職務命令等をする際の参考としてはどうかということで、それぞれの職に対応すると考えられる専門免許状の種類を挙げさせていただきました。また、処遇への反映をどのようにするかですとか、あと、ここに掲げられている以外のいろいろ通知等で定められている職もありますが、こういったものについても、上記のような形で考えられないかということでございます。

 次に6ページでございます。専門免許状の取得要件についてですが、例えば一般免許状取得後、教育経験10年以上としてはどうか。また、教育免許状を有しない者についても取得を可能としてはどうかとか、学位の取得とは分けて考えてはどうか。また、取得する課程でございますが、それぞれ専門職学位課程、修士課程、類する学修プログラムということで、類する学修プログラムとは、例えば、教育委員会と大学との連携・協力により運営するプログラムですとか、教職特別課程の活用ですとか、履修証明プログラムの活用等が考えられます。また、大学院と教育委員会が連携した講習のようなもの、こういったものとしてはどうか。また、これは審議経過報告で触れられておりますが、校内研修や近隣の学校との合同研修会などについても、要件を満たせば取得単位の一部として認定を可能としてはどうか。その他といたしまして、免許状の取得を義務づけるか、努力義務とするか、教育職員検定を経て授与してはどうか、また、勤務実績をどう評価するか、以上で専門免許状についての論点でございます。

 専門免許状と現職教員の資質能力向上に関する諸制度について法律で整備されているもののうち主なものを挙げさせていただきました。7ページでございますが、それぞれ目的、性格、対象者、実施主体、実施時期、期間ということで、それぞれ整理をしております。

 次に8ページでございます。これは審議経過報告における記述でございますので、説明は省略いたします。

 9ページは、初任者研修の今後のあり方ということで、例えば教員養成を修士レベル化することに伴い、初任者研修については法律上の実施義務を廃止することや、類する学修プログラムへの移行も含め、より弾力的な対応ができるようにしてはどうか。論点としては、そこに以下5点ほど挙げております。

 次に、10年経験者研修でございますが、11ページです。10年経験者研修の法律上の実施義務を廃止することも含め、より弾力的な対応ができるにしてはどうかということで、論点は、2点、これ以外にも考えられるかと思いますが、挙げさせていただいております。

 次に、13ページでございます。これは、国や任命権者が行う研修の今後のあり方ということで、それぞれ整理しましたが、国が行う研修につきましては、教育委員会や大学等と連携しつつ、中核的な人材や指導的人材を育成するため、管理職、将来管理職となる中堅教員を対象とした研修、また、ICT、英語コミュニケーション、防災教育等喫緊の課題に対応した研修に厳選し、その実施に努めてはどうか。また、任命権者が行う研修については、所属教員の資質能力向上のため、教職経験に応じた研修、職能に応じた研修、専門的な知識・技能等に関する研修等の実施に努める。また、受講成果を専門免許状取得単位の一部とするよう、大学と連携した研修の実施に努めるとさせていただきました。

 それから、最後に教員免許更新制についてでございますが、15ページになりますが、教員免許更新制の課題ということで、論点ととして2つ挙げさせていただきました。審議経過報告における自発的な学びにつながっているかという指摘についてですが、これは、例えば免許状更新講習の事後評価が高いこととの関係をどうとらえるのか。受講料や手続等教員の負担の問題については、受講料や手続、受講機会の確保など教員の負担を減らすことはできないか。大体受講料は約3万円ほど、また、更新手続は約3,000円ほど平均でかかっております。それから、免許状失効という仕組みについてどう考えるか。

 教員免許更新制の今後のあり方でございますが、総論としては、現行の教員免許制度においては、最新の知識・技能を身につけるため、教育免許更新制が導入されているが、新たな教員免許制度において更新制をどう考えるか。教育免許更新制を維持する場合と維持しない場合。維持する場合では、その目的や理由。すべてに適用するのか、一部に適用するのか。また、諸制度との関係をどう調整するか。維持しない場合については、その理由についてどう考えるか、代替する制度についてどう考えるか。また、諸制度との関係をどう調整するか。専門免許状との関連については、専門免許状により担保される専門性、それから、教員免許更新制により担保される最新の知識・技能との関係についてどのように考えるか。

 以上でございます。その他の資料は適宜ご参照いただければと思います。

【横須賀座長】  どうもありがとうございました。それでは意見交換に入りますが、このように進めたいと思いますので、よろしく念頭に置いていただきたいと思います。まず1つの前提として、ここは部会から委嘱されたワーキンググループでございますから、部会に対して報告をする、そういう義務というか、役割を負っているわけで、そろそろそのまとめに入りたいと。理想的に言えば、年内に部会に対する報告のまとめができればよろしいわけですが、それを1つの目途にしたいと思いますので、ぜひそのことを頭に置いていただきたいと思います。私の感じとして言えば、資料3の、これまでの議論の整理と今後の論点(座長メモ)これに肉づけをしていけば大体まとまるというふうになるわけで、そういう作業にこれ以後入りたいと思います。その場合に、今回提出していただいた、さらに検討すべき事項について(委員提出資料)というこの資料2は、これからいろいろここに出してご議論いただきますけれども、ざっと拝見させていただきますと、有効なご意見が開陳されているというふうに考えますので、この資料3に資料2を肉づけにしていく。あるいは問題によりましては、今、事務局から説明のあった資料1-1のような内容を入れていくと、こういう形でまとめをつけていけるのではないかという見通しでおりますので、そういう作業手順みたいなものを頭に置いて、後で意見交換にご協力いただければと思います。

 また、この後、各委員から10分程度この資料2に基づいて意見を出していただきます。その際、一番最後に番号が入ってない1枚が入っています。さらに深めるべき論点(座長メモ)というふうに書いていますが、皆さんの意見を見ながら、こういうところをもう少し深めるという形で今言いましたまとめに近づいていけるのではないかと、こういうふうに考えて、急遽メモをつくったものです。最初に、これについて私なりに申し上げますので、それに沿って強調点をご披露いただくということでよろしくお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。一応もうまとめる時期に来ていますから、全体についての議論はほぼ共通理解ができてきているということから、さらに深めるべき論点についてご意見をぜひ集中して出していただければと思います。では、そのように進めます。

 それでは、教員免許の三層構造、基礎免許、一般免許、専門免許というこの構造を構築するということについては、もちろんワーキンググループだけではなくて、部会そのものにおいて共通理解ができているわけですから、これをさらに深める、あるいは補うということを考えたとき、この三層構造において、1、学校種の相違にどこまで配慮すべきなのか。一応現在の学校教育制度と教員免許制度の中では、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、それから、特別支援学校、養護教諭等学校種、あるいは学校種だけではなくて職種でもあるわけですが、これがあるわけで、この三層構造をどのように適用するかというのはかなり大事な問題であります。それから、一般免許、これは修士レベルということですが、設定によって学部の教職課程にどのような変化が生じるのか、あるいは変化を求めるのかという点は非常に大事な論点ではないかと思います。修士レベル化が行われても学部の教職課程というのは性格が変わらないのか、もっと違った性格のものになるのかという問題です。

 それから、これは具体的なことですが、現在問題になっている免許状の過剰な発行、乱発というふうに言われますが、あるいはそれに伴う教育実習が公害とまで呼ばれるような状況になっている。今回の答申がこれに関して何らかの歯どめがかけられるようなものにならないと意味がないんじゃないかという感覚は多くの方が持っていると思います。

 それから、4番目は、この三層構造の構築は教員採用にどのような影響を与えるのかという課題、それから、当然、現在の初任者研修が必要なのか。ただいまの1-1の資料にも整理されておりましたが、初任者研修は必要か、続けるとしたらどのような改善が必要なのかという課題があります。

 次に、一般免許状、修士レベルの免許状について、もしこのように一般免許状、修士レベルの免許状が中心的なものになるとすれば、実践的指導力というのはどの段階で重点的に身につけさせるのかということが明確にならないといけないのではないかと思います。仮にそこに教育実習というようななものが設定されたとしたら、学部段階、いわゆる基礎免許の段階で行われる教育実習とどのように違いがあるのか、あるいは基礎免許の段階では教育実習というようなものは行わないという意見もあるわけですが、基礎免許、一般免許の間で教育実習というものに対するどういう変化を及ぼすのかというような課題があると思います。

 それから、修士課程の目的・性格の相違をどのように一般免許状に反映させるのか、想定されるのは4つの研究科、修士レベルがあるわけで、教育学部に設置されている通常教育学研究科、それから、教職大学院、それから、一般学部に設置されている研究科、例えば理学研究科とか、文学研究科とか、そういう一般学部に設置されている研究科、その他、研究科にも多種できてきておりますが、それに類する課程、こういう違いは一般免許状のあり方にどういう影響を与えるのかという問題が残されていると思います。

 さらに一般免許状は、単なる大学における履修にとどまらず、現職後の研修と関係するということは共通の理解になってきているわけですから、大きな3番目、一般免許状と教員研修の関係、一般免許状修得の時期が採用後になった場合、いわゆるストレート・マスターではなくて、教員採用後、現職についた後、一般免許状を取得するという課題になった場合、教員研修によって代替できるのか、あるいは大学が開催する研修に限定するのかという問題はかなり重要な問題として残っていると思います。現行の10年経験者研修はどうなるのかというのは、先ほどのところにも出てきておりました。それから、基礎免許状を所有しない者に一般免許状を取得させることがいいのかどうか、是とした場合の仕組みはどういうものなのかという課題があると思います。

 それから、大きな4番目、専門免許状と研修制度との関係、これは今の事務局から説明のあった資料1-1のところにかなり整理されておりました専門免許状の取得割合はどの程度に想定するのか、全教員の1割程度なのか、2割程度なのか、3割程度なのか、もっと違うのかと。この点はまだ明確になってないかと思います。それから、専門免許状に専門に関する区分というのは必要なのかどうか。免許状等は職種に対応するという考え方をとれば、専門領域と関係させるということは必要なのかどうか、むしろ校長とか教頭とか指導主事とか、そういう職種にとって必要な免許状とするのか、この辺のところの議論はまだ深まっていない。先ほど資料1-1でかなり突っ込んだ整理がされていました。専門免許状の所有者にどのような特典を付与するのか、こういう問題があります。

 それから、5番目に教員免許更新制度をどのようにするか、これは先ほどの1-1の資料での整理が行われておりました。それから、課程認定のあり方、これもいろいろなところで議論になったところですけれども、このことについてもう少し突っ込んだ意見交換が必要かと思います。その他必要となる仕組みとして、教職大学院を核とする教員研修のコンソーシアム、こういうものの必要性が議論されたかと思います。もう少し突っ込んで議論すべきかと思います。

 このように取り急ぎ、さらに深めるべき論点というものを書いてみましたので、このようなことを頭に置きながら、各委員から強調点をぜひ絞って10分以内にご説明いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 まず、安彦委員が大学での授業の関係で16時までということですから、最初にお願いします。それから、日渡委員は16時からご出席ということですから、後にしたいと思います。それでは、安彦委員からお願いします。

【安彦副部会長】  それでは、お手元の私の要項は御覧いただくことにして、今の座長メモについて主に申し上げたいと思います。

 私の基本的な提言の中身は、今までがどちらかというと、教員養成大学・学部を念頭に置いて議論されていたように思うものですから、一般大学や私学の状況を踏まえますと、中学・高等学校の教員の場合が中心なんですけれども、それでも小学校の先生も4割ほどは一般大学、あるいは私学から出ておりますので、どちらかというと、そういう一般大学、あるいは私学の状況を前提に、学部は「開放制」、大学院は「目的制」というニュアンスで考えてみました。そういう観点から、まず座長メモの1-1ですけれども、学校種の相違に関しては、基本的にはやはり小・中・高という学校種ごとのものを考えていいと思っております。移行措置的なことも念頭に置きますと、やっぱりそのほうがいいかなと思っております。

 それから、一般免許の設定ということで、学部の教職課程は、私は基本的に縮小するということを考えます。そしてそのかなりの部分をむしろ大学院の授業の中に取り込むという方向です。それから、3番目の免許乱発に関しては、これは私はフィンランドが参考になると思うのですけれども、今の教職課程は、私の言葉で言えばオプションになっている。ただ、フリーにオプションとして受けられるというのは、やはり乱発を促していると思いますので、直接は書いてございませんけれども、基本的にフィンランドのように口述試験及び書類試験を課すべきだと思います。そういうことで、まず教職課程を受ける学生を絞ることが必要だと思います。

 教員採用にどういう変化が生じるかにつきましては、全体としては、やはり候補者といいますか、受験者がぐっと絞られてくるようになるのではないか、そういう意味では大学院で三層を前提に考えますと、かなり確実に就職や採用が保障されるようなことでないといけなと思います。

 それから、初任者研修は、これは基礎免許をとった者については、入ってから一般免許を与えるために、初任者研修に手を加えまして、そして一般免許への取得条件として中身を考える。これを不要とするといいますか、一般免許の方には初任者研修は不要かと思っております。

 それから、一般免許のあり方ですけれども、したがって、実践的指導力は基本的に大学院で重点的に身につける。学部はむしろ教科の専門を、基本的に十分に、今の専門の単位すべて一般大学で身につけるべきものとして単位を要求して、教科の専門について重点的にといいますか、力をつけてもらう。実習につきましても、学部段階ではどちらかというと副次的な実習で、主たる実習については大学院段階で行う。大学院段階での実習は、やはりある種研究的なものを加える。学部段階は原則として参与観察でいいと思っております。

 それから、修士課程の目的、性格の相違としては、ここにある、教員養成学部に設置されている教育学研究科は一定の、教養学部にというのは、これは教職を前提にというふうに考えますと、教職研究科とある意味で教職大学院との類似性というものを前提にして拡充整備する。教職のほうを中心にやはり整備する。学部のほうで教科専門をいたしますから、基本的にそういう方向でいいと思っています。一般の専門学部のほうの研究科については、上の2つ以上にもっとこれは教職教養について、それから、実践的指導力に関する部分を強化する。その他の研究科もこの一般大学学部とほぼ同じものと私は考えます。

 それから、3の教員研修との関係は、一般免許取得が採用後になった場合には、当然、これは先ほどの初任者研修のようなものが一般免許取得の条件になりますので、これは必ずやっていただこうということです。全体としては、研修そのものは、やはり自発的なといいますか、自主的な研修にして、行政研修というのは中核的なものを重点的に絞り込んだ研修にしてほしいと思います。10年経験者研修は、研修制度の中ではあったほうがいいと思っておりまして、これは専門免許との絡みをちょっと考えていいかと思っております。それから、基礎免許を所有しない者に一般免許を取得させるということは、これは当然のことだと考えておりまして、その場合には、先ほど申し上げたような基礎免許に対して条件をつけて一定の研修のもとで一般免許の取得を認める。これは大学院で教育委員会との交渉も含めて、協議の上でカリキュラムを履修するということを考えます。

 それから、4番目の専門免許状につきましては、まだ十分に念頭に置きませんけれども、専門免許は全員でということはないと思っておりまして、割合については、特段、この段階で決めなきゃならないかどうかということについても、ちょっとまだはっきりとまとまりません。決めなくてもいいのではないかという気もいたします。あるいは2との関連ですけれども、それぞれの区分ごとに考えてもいいのではないかと思います。

 それから、専門免許所有者に対する特典は、やはり報酬その他で必要だと思いますが、反面、発言権といいますか、学校の内部での発言権については、上下の関係が生まれないようにするといいますか、権限についてはむしろ平等、発言権については平等だというふうに思います。それから、もちろん責任を持った場合には別ですけれども、普通の場合の議論のときには上下の関係がないようにすべきだと思います。

 免許更新につきましては、研修制度をしっかり組み立てたならば更新制度は廃止されていいと思っています。課程認定のあり方は、基本的に今までの私の経験で、基準そのものを厳しくするということも1つあるのですけれども、むしろそれぞれの大学での取り組みについて、その取り組みの条件を視察するほうが、固めていって――今の基準でもある程度できているんですけれども、もう少しポイントを絞り込んで固めていってやる。ということは、逆にいう、評価のほうからというか、認定基準を厳しく見ることになるのかもしれませんが、そういうやり方のほうがいいかなと思っております。

 その他の仕組み、コンソーシアム、その他連携といったようなことは、今後もぜひ進めていただきたいと思います。すぐにこういうことが行われる状況ではないわけで、ある意味では移行措置として、私は、学部開放制と言いましたけど、小学校の免許については、教員養成大学、あるいは学部で主として引き受け、中・高については一般大学、あるいは私学で引き受けるという、そういう意味で、ちょっと現行の目的制と開放制を学部レベルでも併用するという、それも移行措置としてはあり得ると思っていますが、もっと先の話としては、方向として学部は開放制、大学院は目的制というふうに考えました。

 教育実習については、4年間に学部段階で、特に参与観察中心にばらつかせるということをもっとやってもいいんじゃないだろうか。愛媛大や東洋大がやった4年間全体の往還型のというのは、私はそれなりに参考になると思いました。

 以上です。

【横須賀座長】  どうもありがとうございました。大変協力していただきまして、論点に沿ってお考えを出していただきました。ちょっと伺いますけど、このメモの3ページの4の採用についてのところで、大学院修士修了で「正式採用」として、学部学士修了、先ほど縮小した教職課程とおっしゃっていたけど、これは仮採用とするというかなり重要な問題が出されていますが、今、口頭ではおっしゃらなかったけど、その点、ちょっと補っていただけますか。

【安彦副部会長】  仮採用という言葉がいいかどうかも考えながら使ったんですけど、だから、あんまり言いたくなかったんですが、これは今でも暫定的な採用ですよね、1年目というのはある意味で。あの形を念頭に置いていまして、報酬とか何かに関係するものではありません。

【横須賀座長】  わかりました。それでは、続きまして、岸田委員、お願いします。

【岸田委員】  今の安彦委員のように、全部ということにはならないと思うんですけど、私が提出させていただいた資料と絡めながら、さらに座長メモとの関連性のところを特に触れていきたいと思います。資料は5ページです。

 5ページの頭に現行のものを書いていますけれども、最終的には学部段階のカリキュラムをどうするかということになると、この部分をどうするかというところに最終的には行き着くのではないかということで、これを念頭に置きながら、改善すべき点や、考え方としてどのような視点があるかということで考えています。

 1つ目に、修士化を前提とした学部カリキュラムの検討視点としまして、修士化との系統性の中で考えたときに、先ほどの安彦委員と基本的には同じだと思うんですが、教員として必要となる力(デマンドサイドニーズへの網羅的対応)から学部段階でつけたい力、あるいはつけておきたい力の明確化と重点化ということが必要ではないかと思っています。これは、座長メモ1の2に当たるところだと思いますが、学部の教職課程にどのような変化が生じるか、あるいは変化を求めるかという点で、今まではどちらかというと実践的力量が必要だという声が強くてデマンドサイドからの要求にこたえる形で、学部の4年間という短い期間の中にぎゅっと押し込めてきたきらいがあって、それによって未消化の状態を起こしているのではないかと思っています。したがって、この実践的力量の部分を修士化へ持ってくる形で学部の性格を重点化することによって学部の教員養成の性格を明確にしていくということが基本ではないかと考えております。

 細かい説明は読んでいただければわかりますので、6ページを見ていただきまして、その中で、学部段階でつけておきたい力、重点化したい力とは何かということで、アからエまでの4点を挙げさせていただいています。

 1つ目に、教員になろうとする意欲というようにまかせていただきました。ちょっと読ませていただきますと、「自らの子ども時代に、先生に対してのあこがれ、先生はすばらしいという体験を持っている学生が少なかったり、保護者や社会の、学校や教員に対する要求の増大といった声が聞こえたりする中で、教員はしんどいといった印象を持っている学生が多いことから、教員になることの魅力やすばらしさを感じさせる体験をさせたい。」。これを実現させるのが教育実習だと思います。これは、座長メモの2の2、教育実習について学部段階のそれとどのように差別化するかという問題だと思うんですが、学部の中の教育実習というのは、基本的に期間等も現行のままでいいと思っていて、狙いとするところを、教員になるための魅力というか、意欲といいますか、そういうものを喚起するというところに狙いの重心を置いて実施する。一方、長期的実習によって得られた実践力と理論とを融合させながら省察していくというような部分は修士化のところに回せばいいのではないか、このように思っています。

 それから、イは、教科専門と各教科の力ということです。若手教員の実態を見ていますと、実践的指導力以前の教科的知識の欠如といった課題を抱えている状況がやはり現場からは聞こえてきます。こうした課題を解決するためには、やはり学部段階で自らの専門教科についてじっくりと学ぶ機会を持つ必要があるのではないかということです。したがって、現行の教科・科目については強化する方向で検討する必要があると思っています。

 それから、ウですが、教職に関する基本的な知識というのは、これは今も行われていますが、こうした教員になるための基礎的な知識、学部段階としての最低限の知識は身につけさせる必要であろうと思います。それにプラス、現代的教育課題、キャリア教育とか、防災教育、特別支援教育、こうしたことについて基礎的な知識を身につけさせる必要があるだろうということです。

 それから、エは観念的なことですが、大事なことだと思っていまして、教員生活全般を通して自主的・主体的に学び続けることのできる基礎的な力、いわゆる人間力にかかわってくるようなものですが、これを学部段階でどう具現化するかという問題です。それは、3段落目に書かせていただきましたけれども、それらは知識として教えることは、当然できないわけでありまして、深まりのある学問的研究を通して身につける省察力、あるいは学びに対する妥協を許さない徹底的な指導により定着された学習力、あるいは学校現場での体験的な学習の振り返りといった、教員としての自覚を促す厳しさを伴った学びの質によって担保されるべきものだろうと思います。つまり、学部段階で厳しい指導をしていただいて、その中で学び続ける資質の基礎をつくっていただく必要があるのではないか。これは何かを教えるということではなくて、学ぶ過程の中で身につけさせる必要があるのではないかと思っています。

 7ページです。大きな3番として、実践的指導力をつけるためのカリキュラムの多くを修士化の方に回していいだろうと思います。第2回のワーキンググループで国立教育政策研究所のプロジェクトの中身をお聞きましたけれども、体系的な教員養成プログラムの実施に当たっての論点ということで、プログラム全体の体系性確保のための「架橋」概念の導入であるとか、あるいは子どもの実態及び子どもの学びについての理解とそれに基づく実践力、あるいは、自らの実践を自ら振り返り改善できる省察力、こういった、まさに現場実習によって身に付けていくべき中身については修士化、これは教育実習の先ほどの差別化ということとも関連してくるだろうと思っています。

 それから、座長メモの教育実習の乱発と言われる問題ですけれども、それは、7ページの丸5のところに、少しその考え方ことを書かせていただきました。学部段階の教育実習そのものは、現行のまま、あるいはスリム化をして、そのかわりに学校現場体験を組み入れていくといいのではないかということです。下に図のようなものを書かせていただきましたが、教育実習と、一定期間(半期程度)、週1回程度の学校現場体験、チューター等として学校現場に定期的に入る。これがなぜ乱発との絡みがあるかというと、イのところの1行目の「また」以降ですが、「多くの大学で行われている母校実習と最終的に教員を希望しない学生の教育実施の受け入れが、教育実施の狙いとその成果という点で阻害要因になっていることは否定できないため、これらを改修するための学校現場体験の組み入れが適当と思われる」というように書かせていただきました。意味するところは、一定期間の学校現場体験を組み入れると、かなり意欲を持った教育志望の強い学生でないと、継続してやるということにならないのではないかということが1点と、それから、このチューター等で学校現場に入っていくことについては、学校現場での希望が一定あるとも聞いていますので、いわゆる母校実施でなくても、大学の近隣の学校でそうした希望する学校があるとすれば、場高でない学校に入ることも可能になってくるのではないかと、そういう意味でこのような形がいいのではないかと考えているところであります。

 それから、8ページです。教育委員会との連携ですけれども、この中で特に私が指摘しておきたいことは、丸1の、教育委員会の中でもとりわけ教員研修センターとの連携強化という視点が大事なのではないかと思っています。それは、研修そのものを担当するのは教員研修センターですので、大学での教員養成と現職教員への研修との役割分担と系統性を両者が意識するというような意味合いも含めて、その連携強化が大事なのではないかと思います。イにありますように、この両者の間で協議会のようなものを設置して、初任研や10年研、あるいは教育実習や学校現場体験の確保、あるいは免許更新講習のあり方等について検討することが適当なのではないかと思っています。あとは、書かせていただいたとおりでありますので、以上にしておきたいと思います。

【横須賀座長】  どうもありがとうございます。一般免許、修士レベル化の設定に伴って学部の教職課程はどのように変化させていくのかという課題について、かなりはっきりしたご意見を出していただけたかなと思っています。

 次に、一般免許状、基礎免許状について学部段階の養成と修士課程段階の養成について論じていただけた村山委員と松木委員お願いします。

【松木委員】  村山委員と二人、いただいた課題が同じだったということもありまして、じっくり議論をしてきました。それで、座長メモに沿ってお話をしたいと思うのですが、課題が一般免許状と基礎免許状についてということですので、それ以外のところにつきましては個人的な意見になってしまいます。引き続いて村山委員から補足の説明をお願いしたいと思います。

 それでは、座長メモに沿って報告をしたいと思います。まず、学校種の相違にどこまで配慮すべきかということに関しましては、一般免許状ということを目標にしておりましたので、現在の学校種別の免許状にほとんど近い形で考えてきました。それから、一般免許状の設定に伴って学部の教職課程がどう変化するかということなんですが、一般免許状、いわゆる自立して教師として活動できる教師像ということを考えてきましたので、それに至る学部段階の免許状はベースになる部分というふうな位置づけで、全体につながった形で考えてまいりました。

 それから、免許状の乱発と教育実習のことにつきましては、教育実習にかわって基礎免許のところで教育実践プロジェクトと言われるようなことを提案しています。その部分は何を指しているかというと、今までの教育実習がある意味、先生方にお荷物になっている部分、特に授業に特化している部分というようなことを改善し、むしろ学校ボランティアのような方も積極的に受け入れながら、学校の一翼を担ってもらえるような、そして、そのことを通して学校全体のよさをわかっていただくような期間を少し長くとろうというように、ですから、先生方にとってお荷物ではなくて、むしろ手助けになるような活動を長くしていただくということがいいのではないかと考えています。教員採用に関しては、ほとんど変化は生じないのではないかと思っています。初任研修に関しましては、一般免許状のところで仮に幾分免除に近い、あるいは一部免除にするならば、教職課程の中に初任研修の一部を入れていく必要があるなというように考えております。それでは、具体的に一般免許状のところから報告書に沿った形でお話をしたいと思います。21ページを開いてください。

 まず、一般免許状がある1つのゴールというように考えてきました。最初に、なぜ教職の高度化が求められるのか、そのことがどうして必要なのかということについて、社会的な背景、あるいは学校の様子等についてまとめをいたしました。(2)のところで、一般免許状が求める教師像、いわゆる高度専門職業人としての教師像としてどういう力を一般免許状で培ったらいいのかというようなことについて箇条書きをいたしました。この中で重要だと思ってるのは、公教育を担う高度な専門職性を持った教師として、社会から尊敬され信頼される教師であるということ、そのためのカリキュラムをきちんとしてつくっていくということ、あるいは先ほどちょっとお話ししましたが、自立的に状況を分析し判断し実行できる教師であるというようなことが一般免許状として重要ではないかというような結論に達しました。一般免許状の概要ということにつきましては、その点を要約して書いております。

 それから、取得要件としましては、教職修士等の学位を有することを前提にしたいと思っております。ただし、一定の間、基礎免許状を有し採用された者で、大学と教育委員会が共同して開催する修士レベルの教職課程に準ずる学習プログラムを修了した者に対しては授与することもできるとして、移行等の措置を考えていきたいと思っております。この点については、また後で触れたいと思います。

 教育課程の中心は何かといいますと、教育実習と区別するために「学校実習」という名前を使っています。学校実習を核として、実践と理論の架橋を実現していくためのケーススタディを中心としたカリキュラムに編成すべきではないかなと思っております。この点については、教職大学院が示した成果に一致するのではないかなと思っています。このところで重要だと思っているのは、OJTに近い形のものを導入しつつも、教師としてのトレーニングが必要ということでもなく、一方で、従来のアカデミックが必要だという、そのどちらが必要かというような話ではなくて、実践をしたことをしっかり振り返りながら理論づけしていく新たなアカデミックと言ったらいいでしょうか、学校と大学の部分を架橋していくような新たな学問体制をつくり上げていくということが必要ではないかと思っております。

 それから、課程認定等も絡んでくるんですが、組織のところで、課程認定を受けた大学院では、FDや教職課程については委員会を設けて、他大学と総合評価をしていくような、コンソーシアムにも近づいてきますが、そういったものを設けていくべきではないかと考えております。

 続いて、基礎免許状ですが、基礎免許状に関しましては、生涯にわたって学び続ける資質・能力ということを一般免許状に先立ってやはりきちんと身につけてもらいたい。それから、一番大きな部分は課題探求する資質・能力といいますか、課題探求能力ということが重要ではないかと考えています。これはどういうことかというと、例えば小学校の教員ですと、全部の教科、2科目ぐらいを9教科学んだところで、ばらばらでほとんど予定調和的に学生に期待し、任せているというような現状があります。そういうような知のあり方ではなくて、生涯にわたって学び続けていくというのは、やはり課題探求していける力がついていくということが横の広がりというよりも、深く進んでいく知のあり方を身につけていくということが重要ではないかと考えているところが基礎免許状の特徴です。

 そして、基礎免許状は、常に高度の専門職業人として自立的に教育的行為を遂行できるよう成長していくことが求められているということで、その資質・能力を磨くことで教師として、また社会的に尊敬される人になっていくということを前提にしておりますので、基礎免許状を有して教職についた者につきましては、基礎免許状の有効期限を設ける。一般免許状の取得を義務づけていくということを明確にしたほうがいいのではないかと考えております。

 教育課程に関しましては、先ほど言いましたようなことが中心ですが、最終的なゴールとして「教職実践演習」をきちんと位置づけていくということを中心に据えているということや、学校ボランティア等を含めた実習のあり方、それから、課題探求的な学びを中心に据えていくという特徴を取り上げております。

 それから、修士課程の目的・性格の違いについてということで、ここでは専門職学位課程と、いわゆる教育学研究科の教育学修士、それから、その他の修士課程、それから、学習プログラムの4つに分けて整理をしました。

 専門職学位課程につきましては、やはり先駆的な役割を今後とも期待していきたいと思いますので、各地域ごとにつくっていただきたいということや、また後の論議にも重なるかもしれませんが、教職大学院等が未設置の大学等にも支援をしながら、コンソーシアムに近いようなものを実現していく必要があるのではないかということを述べています。

 それから、通常の教育学の修士課程に関しましては、インターンシップ、先ほど言いました学校実習を位置づけていく。それは、その他の修士課程に関しても同じで、それは義務づけていく、長期にわたる学校実習を位置づけていくということについては共通しているというふうに考えております。

 学習プログラムに関しましては、基礎免許状を有し採用された者に関して、1年の課程で当分の間、取得できるようなことを考えたらどうかと思っております。

 以上です。

【横須賀座長】  ありがとうございます。これから村山委員に補足をお願いしますが、ちょっとその前に、22ページの(4)の取得要件というところの「教職修士等の学位を有し、教職~」というのは、教職大学院を指しているように読めますが、違いますか。

【村山委員】  「等」がついているんです。「教職修士等」ということです。

【横須賀座長】  わかりました。では、どうぞ。

【村山委員】  私、簡単に2点。1つは、私どもで議論してまとめたんですが、主眼点は基礎免許段階と一般免許段階、これを基本的に専門職のステージとして少しクリアにしようということを念頭に置きました。その上で、これはもう共通の理解があると思いますが、修士レベルで理論と実践をつないだ教育方法を実行する、それを一般免許状の基本にすると、おそらくそれが望まれている実践的指導力のポイントになると。ここは、先ほど座長がおっしゃったとおりで、ここのところは、もう既に教職大学院なんかの実践によってほぼ明らかになったんじゃないかと。つまり、これからの教師は基礎免許状の上に一般免許状、そこで実践的指導力を徹底的に強化すると。それは学校を基礎にした理論と実践の結合であるということは明確になっていると思います。

 1つ論点は、その場合に、どの段階で修士化をやるかということにも関係しますが、教育事務局から出された、現職の研修との絡みが出てきます。そういう実践力のきちんとした教科獲得をもたらす修士化、一般免許状というものが、採用後、どの段階でやるかによりますが、場合によっては初任者研修にかわるものになり得るかどうか、ここが、今後詰めなければならないところだろうと思います。私どもの考えでは、教職大学にもいろいろありまして、必ずしも学校をベースにした理論と実践の結合まで徹底してないところもまだあります。それでは、なかなか初任者研修にかわるというわけにはいかない。ここのところを、現在の教職大学のあり方も含めてもう少し突っ込んで今後のあり方を考えて、方向としてはやはり初任者研修がこれにとってかえられると、そのことが社会的にもいろいろな面からいいことだと思われるような修士化にしなければならないなと思っております。これが1点目です。

 2点目は、それによって学部の許容性はどう変わるのかということで、今、岸田委員からもお話しされましたように、基本的な専門教科の力を強めるということには全く依存はないんですが、先ほどちょっとお話がありましたが、小学校と中学校では若干違う。ここのところの問題、これは細かくやると切りがないので省略しますが、私たちが提起したのは、単に知識として専門教科を深めるというだけではなくて、この間、座長から提起された探求型の教師、この辺がやっぱりちょっと今、弱くなってきているんじゃないか。しかも、そのときには専門的な学識といいますか、これがベースになきゃだめなんですが、大事なことは、個々ばらばらに物理学、生物学、経済学を学ぶということではなくて、それを踏まえながらも1つのテーマについて教職志望の学生みずからが探求していくと。ああ、なるほどこういう問題がこの分野にはあって、これを例えば子どもに教えるときはこういう問題が出てくるんだなという、そういう探求的な構えを学部段階で何が何でもつくらなきゃだめじゃないかと。そうでなければ、実践力を修士レベルでと言っても、ベースとして学部段階で探求的な構えができてないと教師として伸びていかないと、この辺のことをかなりいろいろ考えているということで、基本的には岸田委員の方向性と違ってはいないんですが、少しそこを探求ということをキーワードに、あるいは学び続けるということをキーワードに基礎免許の段階、学部段階を考えてみたと、こういうことです。

 以上です。

【横須賀座長】  どうもありがとうございました。これで安彦委員、岸田委員、それから、松木、村山委員ということで、基礎免許と一般免許の付与の問題と言ったらいいのか、学部における養成と修士レベルにおける養成の違いという問題がかなり掘れたような気がしますので、次に教育委員会の役割とか、あるいは在職研修の役割とか、この問題についての意見を出していただいているところに入っていきたいと思います。高桑委員、それから、日渡委員、そして高岡委員という、この順番でお願いしますが、よろしいでしょうか。今の基礎免と一般免の問題、あるいは学部と修士の問題、こういうことにも関係する限り、どうぞ発言していただいていいと思います。

 それでは、高桑委員、どうぞ。

【高桑委員】  教員が社会から尊敬され、信用されるというためには、前提に立ち返るという意味ではありませんけれども、やはり優秀で多様な人材を教育界に、どうすれば魅力ある教育界をつくれるかということが1つですし、もう一つは、この間議論になってきました教員免許状について、その信頼度を高めるといいますか、確立させるといいますか、その点が大変大事だと思いますし、そのためには教職免許状について高度化、大学院の修士課程に持っていくということは論を待たないところだと思っています。

 それから、もう一つ課題になってきました実践的指導力、これは学校現場で培われる力ではないかということについても、私はそうだと思いますし、まさに教員は学校現場で生まれ、学校現場で育つんだということについて確認できると思います。そのためには、いわゆる教育実習的活動をさらに充実させなければならないということだと思っております。そのためには、そこのところに書かせていただきました3点、1つは、さらに一層の大学と教育委員会とが一緒になって、養成段階から採用・研修までまさに重なり合って取り組んでいく一体的なシステムをつくる。これは、京都市の場合、3ページ目につけさせていただいておりますけれども、現状においても、いろいろな形で教育委員会と大学とが一緒になって取り組める条件があると思っておりますし、さらにこのことを進めていくということでございます。

 2つ目に、どのような形で教員が入り口に立って入ってくるかというときに、1つの単線的な形ではなしに、できるだけ複線化させた多様な採用形態を担保したい。これは、優秀な1つのコースだけで来るということではなしに、社会人の教職参加も含めて、いろいろな人材が教育界に入ってくるということが学校教育にとっては大変必要なことだと思いますので、免許制度と採用とがさらに緊密に結びつくということになろうかと思いますけれども、できるだけ柔軟な採用形態を残していただくということが大事ではないかと思っております。

 それから、3点目に免許法の改革問題でありますけれども、しかし、この免許が変わっていく中で、これまでの学校経営が担任中心、また教科中心で取り組まれてきた学校教育のあり方を個人の力量に任すところから脱却して、学校全体、チームで教育に当たっていく。それは一人ひとりの教員が均一だという形で組まれてきた学校経営について、私はやはり初任者、また中堅、それの中堅的なリーダーが相まって学校教育に取り組んでいくという学校運営のイメージを変えていくということがなければだめなのではないかということを感じております。このような3点を踏まえた上でどのような免許にしていくのか。

 まず、養成段階で京都市の取り組みついて申し上げましたけれども、現在、京都市では学生ボランティアが2,000名、既に学校で活躍をしてくれています。そういう意味で、免許申請の件数にもかかわる話でありますけれども、教育実習を実際にインターンシップ、またはボランティア活動で実際に学校に入った上で、かつ教職を志すという意思を持った学生を教育実習に受け入れるということをはっきりとさせたほうがいいのではないか。京都市の場合、このような取り組みを進める上で、教育実習についてもこの10年間で倍増しましたけれども、窓口を1つにして直接学校に受け付けをさせるのではなしに、教育委員会を通してそれぞれの学校に教育実習を受け渡していく、なおかつ有料で教育実習についての事務を行っています。そういう意味で何がしかの苦労といいますか、努力を学生に求めていった上で教育実習の充実を図っていくことが必要ではないか。そのためには、拠点校ないしは受け入れ校の人的加配、このことは絶対条件かなと思っております。そういう意味でこのような制度について人的な側面での支援もお願いをしたいと思います。

 そのためには、今の大学の学部課程で基本的には基礎免許状を取得できるという形は残るのかと思いますけれども、しかし、大学でさらに教師としての基礎基本に徹底した、どちらかといえば人間的な幅を持った学生をつくり出すという形での大学側の努力、また、大学相互に協力し合って学生を育てていくんだという視点での大学の改革も同時にお願いをしたいと思っております。

 次に、採用段階に当たって考えているところでございますけれども、現在でも京都市の場合、採用に当たって大学推薦枠ということで、1次試験を免除するような形で大学の推薦を受けさせていただいております。その率だけで見ますと、やはり大学推薦を受けた学生のほうが合格率は高うございます。そのような形での取り組みをいたしております。

 また、私が思いますのは、正規採用の前後、大学院で一般免許状を取得するための教育実習的学校での活動、ないしは正規採用後、一般免許状を取得するために取り組まれる学部卒の基礎免許状によって取り組まれている学生の取り組み、これが数年の間重なり合うといいますか、採用前後数年のうちに一般免許状をいずれにしてもとってもらうという意味では、教員免許状の修士レベル化というのは、その段階で目標が修士レベルの認定ということになれば、私はこれで修士レベル化はできたのではないかと感じています。

 さらにあわせて大学院の学生が学校現場で取り組む取り組み、また正規採用であれば当たり前ですけれども、基本的には職務として教育実習をさせる。はっきり言えばお金を払って教育実習をしてもらうという形のことをはっきりとさせたほうがいいのではないか。そのほうが学生にとっても一層の励みになるというふうに思いますし、そういう意味では教育実習が前段階、学部段階の教育実習はお金を払ってでもやる実習ですけれども、一般免許状に向けた教育実習は、まさに職務として取り組むべき教育実習としてはっきりさせてもいいのではないかと感じております。さらに採用に当たっては、正規採用にかかわって、今現在行われています講師採用、臨時免許状に基づく講師採用についても、地公法22条6項の問題でございますけれども、臨時的任用職員についても、後の柔軟な対応も含めたかなり大幅な、多様な採用制度を考えていければと思っております。

 それから、教員研修についても、これも端的に申し上げますと、初任研、10年目研修、それから、免許更新制も含めて、これらについては大学と任命権者であります教育委員会とがともに取り組むという中で、基本的には融合させて新しい研修システムを構築するという方向かなと。とりわけこの間の現職教員の研修については、私どもも今、鋭意進めておりますけれども、自己評価も含めた教員評価を密接に関係させる。さらには処遇にも結びつける研修制度のあり方を追求したいと思っておりますので、これにつきましても、研修内容については大学の力もお借りしながら、その認定に当たっては大学の認定と任命権者の意見を踏まえた上での認定をしていくという形になればということで、修士課程の一般免許状よりもさらに上位の資格だということについてははっきりさせて、そのことの効果がどの程度に及ぶかについては、まだ議論する必要があろうかと思いますけれども、より高い目標を掲げて、教職員に一層の奮起をお願いするという形を考えればと思っております。

 以上でございます。

【横須賀座長】  ありがとうございました。これまでの基礎免許と一般免許に対する教育委員会とのかかわりで、かなり内容がはっきりしてきたと思います。

 それでは、日渡委員、お願いします。

【日渡委員】  これまで意見を何回か言ってきたんですけれども、どうも私個人的にですね、、何か自分の言っていることがいつも角度が違うなというふうに思ってきたんですが、大体その雰囲気、自分自身で最近わかってきたんですけれども、私は、大学とはついていますけれども、どうも思考そのものには大学的な思考がありませんで、行政的思考で考えてしまうんですが、話を整理すると、教員の資質や能力の向上を目指すということで、ターゲットは教員、教員と言っているんですけれども、そのときの教員というのは何を指すのかなというのを、まだ今でも私、どこを指すのだろうと思っているんです。

 教員のカテゴリーというものが明確になってくる、漠然とはあるんですけれども、そのことに対して養成、大学での養成、それと採用後の教育委員会の問題と2つの点から絞ろうとしたわけです。そして、大学での養成については、これまでも主にここを中心にしていろいろなご意見が出て、きょうまで資料が随分厚くなってきました。しかし、この部分をカリキュラムだけに限らず、あり方までずっと議論が出てきました。いわゆる自らの変容というものを大学のほうから出してきたんですけれども、どうも教育委員会の方については、自らの変容ではなくて、今のままということを前提にしてどうも話は進んでいるような気がしています。大学側は、内容も変えますよ、人も変えますよという話が出るんですが、教育委員会の方は、教員の資質向上に対して、今までのままでどうしようかということで、この教育委員会そのものを変える部分がないと、今回の答申の覚悟というものは見えないのかなという気がしています。

 教育委員会というものが全般的にかかわるわけなんですが、教育委員会というあの建物の中だけの話ではなくて、やっぱり教員ですので、それは現場で60万なり70万人が資質向上を目指しているということを考えると、やっぱり現場のリーダーである校長の役割が大きいんだということがこの教員の資質向上と一般的な大学の問題かと見られたことが、教育委員会の問題、いや、管理職の問題と流れてきているんですけれども、やはり校長とか教育委員会という部分を、私は、こういう視点からやはりずっと見ないといけないという気がしております。

 そこで、例えば採用という問題も、大学を出た人材を教育委員会側がどのようにして評価するかということを言っているんだけれども、やっぱり評価する基準とか、評価する能力ということに気をつけないと、大学側は、カリキュラム、人のあり方まで考えたのに教育委員会は考えてないことになりますので、やっぱりこの部分を書かないといけない。これはどういうことかといいますと、47都道府県に十幾つの政令市があって、それぞれ採用しているんですが、本当に話をしていくと、全部同じ方向を見てないような気がします。というか、確立されてないような気がします。どのような教師というものが必要かということが確立されてない。もしそれを言葉で言えたとしても、じゃ、その能力をどのように見ればそのことが明らかになるのかということがわかっていませんので、私は今回、この採用ということについては、教師に対してどのような能力が必要かということをまずはっきりとさせること、これを行政側が、私たちはこういうつもりで育ててきた、採用側が、私たちはこういった視点で採用するんだと、この不一致はもうやめたほうがいいと。

 だから、時間をかけてでも、いろいろな投資をしてでも、今回を契機にやっぱり教員としての資質・能力というのがちゃんとしたわかりやすい言葉で言語化することがまず第一。そして、言語化されたものが、それが目標となるなら、その目標に向かって大学側はどう育てればいいかというカリキュラムの準備をすればいいし、任命権者側はその能力を見抜く力、見抜く能力というものを開発していく必要があるという気がしています。議論でいくと振り出しに戻すようなことを言ってしまいますが、まずこれが、教育委員会としてはスタートの問題ではないかなと思っております。

 あとは箇条書きで書いているわけですけれども、今のままでは、やっぱり能力そのものの表し方がどうもうまくいっていませんので、もともと備わっている能力なのか、後で備わる能力、例えば研修で備わる能力なのか、そのあたりが混在化したまま採用を続けていったりするというミスマッチが起こっていること、そして、教員の年齢の偏りというものは、それは社会動向上、仕方がないのかもわかりませんけれども、採用という技術の面で、若干そういうところがあれば緩和ができたのではないかということです。

 それから、臨時的教員が非常に増えているんですけれども、これがさらに増えることを見越すと、臨時的任用職員のあり方についても、定数問題を含めて見直す必要があるということ、そして、一般免許、基礎免許というものが混在するとなると、これは、免許とか資質ではなくて、給与制度そのものを抜本的に見直さないとだめではないかという気がしますし、給与制度を見直さないと、どちらかに任命権者としては流れていくだろうということで、一定の割合を示すとか、それと人事権の問題、人事権の委譲という問題が地方分権の中で横たわっていますので、これは横目ではなくて正面から受けとめて考えないといけないという気がします。

 次に、人事異動ということで17ページにまとめてみたんですけれども、採用というものは、教員を見るときによくわかります。ただ、この人事というのは私は非常に重要だと思っております。教員全体の資質・能力をアップさせる、または引き出すためには、人事異動とか人事というのは任命権者の持っている最大の手段だと思っているわけですけれども、この人事異動とか人事のあり方そのものもどうも解明されていないような気がするわけです。教員の社会における人事のあり方とかいうことは耳にしたこともありませんので、やっぱりこういうことを契機に、人事のあり方、ミスマッチを防ぐ、マッチングをさせるということは考えるべきだと思っております。

 あと、任用、登用という言葉で、これは任用、登用の定義というものは曖昧かもわかりませんが、例えば校長任用ということになると、校長は、今までの校長観というものではなくて、教員の資質・能力に深くかかわる現場でのリーダーだという面からも校長の能力の大きな部分を変更する必要があるのではないかと考えております。また、副校長や教頭についても、どうも従来求められている職ではない方向に職の運用というか、職の内容が進んでいるような気がしますので、校長をもともとの校長に戻すためにはどうあればいいかということ、現実問題としては、前の学校教育法の改正の中で私は個人的には余りにも職種が複雑になり過ぎているような気がします。副校長とか、主幹教諭とか、指導教諭とか出てきましたので、ちょっと複雑で、学校としてはそれぞれの職のイメージというものが持てないまま今まで来ているような気がしております。

 それと、指導主事等の育成及び教育行政職への登用・育成ということで、指導主事というのが大きな役割を占めますが、今の地方の現実問題として、都道府県教育委員会の場合は、教育庁の職員というものは、基本的に教育行政職員と本庁部局の職員で構成されるんですけれども、ここまで大きな分野であると、日本全国に教育行政という大きなグループというか、大きな固まりがあってもいいのではないかという気がするわけです。教育行政を担うという全国で数万の規模のグループがあってもいいんじゃないかという気がしております。それを指導主事にさせているということで、このミスマッチが起こっているので、指導主事の内容についてもさらなる整理が必要なのかと。あわせて指導主事と教育行政職員の育成というものを考えてみました。

 あと、資質を目指すときに、私たちは、教師の資質や能力でこういうものがすばらしい資質や能力であろうというときに、そういうものを目指すときに、どこかにいるはずなんですけれども、いないことを言っているような気がします。いるはずですので、いるのであれば、そのことをちゃんと、いるんだということを言ってやる。または、いなければ、いるような職として見つけてやらないといけないような気がするわけですね。60万とか70万人とか教員がいて、この人が本当の資質としてはすごいんだとか、能力としてはすごいんだということをしっかりと実物で示す必要がありますので、そのためにはやっぱり新たな職、これは前の中教審で指導教諭という議論があったときに、実際はこういう議論で出たと思うんですけれども、最終的には主幹教諭と指導教諭という名前の中でおさまってしまったために、校長、教頭への階段の途上で指導教諭や主幹教諭があるように見えてしまったんですけれども、主幹教諭とか、教頭とか、副校長はいいと思います、管理職への階段の中で。ただ、指導教諭だけは別立てで、これぞ教員の資質そのものだというようなものが職としてあってもいいのではないかなという気がしております。

 次に研修ですけれども、研修について初任者研修、10年経験者研修、任命権者の研修、市町村教育委員会、学校の研究や自主研修と書いてあるんですが、イメージしていることは一本です。国の責任で全体像をまず示して、そしてそのプログラムをそれぞれの場所で使えばいいのではないかと、そういうことでそのスタートに当たっては、つくばの教員研修センターなどで、このプログラムについては、時間をかけてでも研修の全体像というものを見つけないと、それぞれの地域、それぞれの個人でブリキのハンダごてみたいにして研修という部分が肥大化していますので、まず真ん中の部分を一回つくっていただきたいという気がします。研修については、全体の中での単位化や、教員免許や免許更新への読み替えなどが進められればいいと思います。

 それぞれの段階、採用や任用、研修、それぞれの段階で大学の部分と教育委員会が協力し合って同じ方向を見つめるようなシステムが必要だということで、連携は多段階、すべての段階で必要だと考えています。

 以上です。

【横須賀座長】  どうもありがとうございました。かなり重要な問題がリアルに提起されていると思います。特に教育委員会自身の、変わる、変えるという言い方があったけれども、再検討の課題とか、それから、やっぱり教育行政を担う職員の養成、あるいは研修というのはすごく大事です。いわゆる知事部局とか市長部局の職員の交代的な動きじゃなくて。今の指導主事というのはほとんどそういう仕事をやっているという現実があるわけだから。それから、18ページの(5)に出ている40代、50代の教育実践に自分の生涯をかけている教員の処遇とか、名誉とか、こういう問題はぜひ書き込めたらいいなと思っています。ありがとうございました。

 それでは、高岡委員よろしくお願いします。

【高岡委員】  前回、1枚ペーパーを出させていただいて、そのときに、社会の尊敬を取り戻すと。そのために学び続ける教師像という観点からこれまでの議論を私なりに整理をするとという、自分自身のメモを少し絵にしてみたというのを提出させていただきました。今回は、私にいただいたテーマは、教員の資質向上を支える国の役割という論点でしたので、ペーパーは表裏2枚で横置きの資料でございますが、基本的には国の政策、あるいは行政、あるいは制度管理・運用といいますか、そういうところを中心に、これまでの議論を踏まえて私なりに整理をしてみたつもりであります。

 それで、今日出されました座長メモとの関係という観点で、少し資料を補足的に説明させていただきながら、表裏を簡単にお話ししたいと思います。これまでの委員方々のさまざまなご意見を拝聴させていただいて、具体的な中身、あるいはかなり深掘りした議論を、どなたのご意見も、私自身もごもっともだというふうに伺っておりましたので、若干屋上さらに何かをくっつけるような話に重なってしまうかもしれませんけれども、一応、整理をさせていただきます。

 まず、基礎免許、一般免許、専門免許という、その構造をどのようにこれから整理していくかということですけれども、少し具体的になり過ぎるかもしれませんが、私がずっと前から思っていたことを少し申し上げます。まず、幼稚園免許というのは、これはやっぱり別途検討する必要があるんじゃないかなということを1つ感じます。それから、特別支援教育と養護教諭については、やっぱり一般免許化するほどの専門性、高度化の要求というか、学校現場の課題というのはやはりあると思います。そういうところを感じます。それから、中学・高校の教科ごとの免許は今、非常にくっついた形で出されているんですけれども、これはもう少し整理してみる必要があというようなこと、このあたりは極めて具体的な話ですが、そういうことも考えてみました。それが、資料で言いますとローマ数字の1-1の(2)のところの、丸1とか丸2というあたりの整理の仕方です。

 一般免許ができることによって基礎免許はどうなるかという議論、やはりそれは大事なことだと思うので、あんまりこれまで整理されてこなかったと思っていましたので、考えてみましたけれども、これは、ほかの委員とほぼ同様なんですが、学士課程のレベルではスリム化が可能ではないか、あるいは免許制度として大綱化、いわゆる単位制度、この単位は絶対必要だというように言っている必修の部分を大綱化するということは可能ではないかと思います。したがって、まさに基礎資格としての教員になる一里塚という位置づけにすれば、学部段階ではもう少し、いわゆるコアカリキュラム的なものとか、モデルカリキュラム的なものが提供されて、それに基づいて大学がきちんと教職課程を管理していくということは、より一層できやすくなる。そういう制度に変えていくべきで、逆に言えば、一般免許のところで実践的指導力というものをきちんと育てていく。免許種ごとの、あるいは学士課程と大学院の役割分担ということは明確にしたほうがいいような気がいたしました。

 そのこととの関係で、教育実習についても、実は我々大学にいるときには、実習というのは観察段階、参加段階、そして本実習があると、大体そういうふうに3段階で見る。したがって、大学院レベルになると、おそらく教職大学院なんかのプログラムはそうなっていると思いますけれども、あるいは研究的関与とか、あるいは研究的実習、あるいは事例研究というようなものも含んだ実習にレベルアップしていくんだということだと思いますが、まさにそういう中で、今、採用試験でよく使われる模擬授業をやらせるという試験の区分がございます。あれは、もともとは教育工学系の方々が学生の訓練装置として、マイクロティーチングシステムというのをアメリカから導入して日本に広めていったということで、したがって、導入当初は、大学レベルでの実習の事前指導的な内容が使われていた。それが今、採用試験で使われるから、逆に採用試験の準備のために模擬授業を大学で訓練しておくという、ちょっと逆転した現象が起こっている。そのあたりをもう少し活用する手があって、あるいはボランティア活動等の幅広い教育的経験、体験、これを学部段階での実習の必修単位の中に含ませることができるのではないか。大学院ではもう少しきちんと教育実習を、しかも何単位というのではなくて、やはり年間を通して実習校とのつなぎをきちんとつくるであるとか、あるいは勤務時間で何百時間というような、そういう評価基準といいますか、単位の考え方を少し変えて、実際の実践的指導力というものがつけられるようなプログラムに変えていくべきじゃないかなと思います。

 それから、初任研修の問題は、これは免許とは少し違うと思いますけれども、基礎免許取得で教員になるというルートを残すのであれば、やはり初任研修は必要ではないか。その初任研修を経た後、例えば今、議論になっている基礎免許は一定の期限つき免許にして、一定期間のうちに一般免許へ上進させるという制度設計でいくんだとすれば、初任者研修の1年を生かしながら、例えば一般免許への上進は1年コースも可能というような、そういうダブルスタンダードになりますけれども、むしろそういう制度設計も可能じゃないかというふうに思います。

 というような、座長メモのそれぞれの論点について、何となくイメージをそのように持ちながら、1-1の(2)は書いたつもりであります。それ以外、2から6までは、もう項目だけ申し上げますが、課程認定の管理の問題として、やはりよく議論に出ています自己評価システムというものをきちんと構築する。そのための認証機関というものをどうするのかということもきちんと議論をしておく必要があるのではないか。出口管理というのは、今や大学の設置についてある意味で常識化されていると思いますが、そのことは、何となく課程の認定という意味ではなし崩し的にそうなっているところがあるので、やはり学部の基礎免許段階については、この際、ちょっと暴言かもわかりませんけれども、一定のスタンダードを提示することによって、あとは届け出でもいいですよと、あとは大学の努力に任せますというようなやり方があってもいいような気がします。しかし、そのかわり事後評価はしっかりやるという考え方に立てないだろうか。

 それから、4番目に飛びますが、やはり要になるのは、教員養成系の大学や学部のあり方、これはいわゆる組織の問題、いわゆる省令定員という言い方があったり、設置基準という言い方がありますけれども、これを抜本的に見直すということは国の課題ではないかと思います。現在も組織のあり方について抜本的に見直しをして、新しい仕組みをそこにつくってもらうような政策的な指導というのは必要だろうと思います。各団体の意見の中に、国大協さんも教大協さんもそのことについては実は触れておられないようですので、今のままでいいと思っているのか、そうじゃないと考えているのかは定かではありませんけれども、やはり教員養成系大学の学部のあり方の検討は必要だろう。それを踏まえた上で、あるいはそれを促進するというような意味で一般大学の教職課程も含めて、やはり公募型の開発プログラム、これは昔行われた教員養成GPのようなものと思っているわけですけれども、そういうものをつくっていただくこと。さらには大学関連系ということをもっと促進する。そして地域の中で――地域というのは、ある意味で全国を8とか10とか、それぐらいの区分に分けてという認識ですけれども、教員養成の大学コンソーシアム、これは国公私立を問わず一定の地域間連携というものを構築する、そのための支援ということも国がやはり率先してやっていただきたいということを思います。

 6番目は、行きつくところは資格試験ではないか、特に基礎免許については、スタンダードができて、そこで教育内容がある程度明確になってくれば、この試験という制度もとり得るという程度の今の段階では認識です。

 裏面になりますが、次に研修の段階ですが、免許更新制の問題は、私は、一般免許を前提にして、なお制度としては存続すべきではないかと思っています。もちろん内容はいろいろ変更が必要だと思いますが、一般免許がなぜ必要かというのは、これは社会の変化、あるいは学校の変化に対応する教員の専門性の高度化が必要だからだと思います。したがって、学び続ける教師像というものを可視化する仕組みとしての免許更新制というのは、教員になる入り口のところでの免許の高度化、期間延長が実現したとしても、なおその課題はなくなってはいないと思います。ただし、専門免許状を取得した人について免除するということはあってもいいだろう。つまり、一般的に100万人の先生がいるとすれば、5割から6割、あるいは7割ぐらいは免許更新制によって知識・技能のリニューアルを果たしていく、その中で2割から3割の教員が専門免許状を取得していくという、そういう仕組みになっていかないだろうかと思います。これは、学校の中に階層制を持ち込む、あるいは教員の中に身分制を持ち込むことになるという批判が当然出てくると思いますけれども、そこは専門職制の高度化という観点できちんと立論をする必要があるのではないかと思います。

 専門免許状制度をつくるというときに、国の役割は、認定制度をどうするのか、認証機関をどうするのか、それから、行政のときと同じように、これ、教員用研修大学というと何か研修の大学が新しくできるように見えますが、違います。教員研修のための大学コンソーシアムという意味ですが、ここでもやはり構築に対して、大学間連携の組織化に対して国の支援が必要ではないか。3番目も同じことです。

 さらに大学と行政の連携という、これまであまりやってこなかったことを地域の中でやってくださいということをいう、そのために、文部科学行政の中でも大学担当の部門と教育行政、あるいは教職関係の担当組織というものの連携は、当然これは欠かせないと思います。そういう中で、教員研修センターはどうすべきか、何をなすべきかと、私の今の職場でございますので、そう考えてみていますが、3つあります。1つは、各都道府県や大学が現職研修にこれまで以上に体系化、組織化を前提にしながらかかわっていくんだということにするとすれば、それぞれの地域の研修センターや大学との連携をナショナルセンターとしてきちんと踏まえてやっていく、機能を拡充していくということが教員研修センターの役割としてますます重視されてくるだろうと思います。

 それから、2番目は、今はこの機能はほとんどありませんが、現職研修というテーマ、このことを研究していく組織というものをきちんと確立すること、これが重要ではないか。さらに受講者間のネットワークというものを充実させるということを1つ今、やりたいと思っているんですけれども、まさにマネジメント研修プログラムの中の充実ということと、研修にやってくる先生方に全国でさらに活躍してもらうための組織的な取り組み、これが我々の役割ではないか。あるいは、さらに専門免許状という制度ができれば、教員研修センターのプログラムというものを専門免許状取得の1つの要件にすることも可能ではないか、そういうことを考えました。

【横須賀座長】  ありがとうございました。新しい課題について、かなり論じていただいています。長南委員は御欠席ですが、15ページに御意見が出ております。教員の資質向上を支える国の役割について、財政支援、それから、高岡委員から議論があった教員研修センター。それから、国家資格化について検討すべきであると、こういうご意見を出していただいています。

 最後に私のものが載っていますが、教員の資質についてのところは、もう皆さんがご議論いただいたところで、2つ目のところに、教職課程を担当する教員の質確保について、本気に考えるべきときが来ているんではないかということです。私、課程認定の審査に立ち会う機会がかなりあるわけですが、そこで見ていますと、やはり研究職出身の大学教員の場合、論文はあるけれども、実践的指導力養成に一体どういう寄与をするのかが明確でないという、そういうタイプの教職課程担当教員はかなりの数あるということ、一方、逆に、いわゆる実務家教員、学校現場や教育委員会に勤務してきたような現職教員、または退職した教員を教職課程担当者に迎えるという傾向は非常に強くなっている。そのこと自身は大変いいことだと思いますが、その当該教員が全く教育研究業績を有さないというのは、いわゆる大学の研究者教員と同じものである必要はないにしても、自身の実践を言語化することすらしていない、そういう実務家教員というものが教職課程を担当する資格があるのかという疑問を私は持たざるを得ないわけですが、この背景には、教職課程の担当者を安易に考える大学というものがあるということですけれども、大学における教育学教育、これは広い意味において、教員養成に従事する者の養成という課題が自覚されていないということがかなり大きい問題だと思い、個人的には言い続けていますが、あまり支持されることがないまま今日に至っているわけで、今回のこういう課題の中ではぜひ提起していきたいと思っているということです。

 以上で、さらに検討すべき事項、深掘りのところについて意見を出していただき、かなりイメージがはっきりしてきたと思います。ご協力いただきありがとうございました。

 部会長から、今まで聞いていたところでもよろしいしので、自由に意見を少しいただこうと思います。

【田村部会長】  自由に言わせていただきますと、個人的にはモデルのカリキュラムを提示するということについては非常に抵抗感があります。これは、日本の場合は何かやろうとすると基本的にすぐそういうことになります。まず形をつくって、それに当てはめさせて、そうすれば、その後はあんまり気にしないでいいという、こういうようなところへつながっていくわけです。基本的にその運用をどうするかということは本当に考えないと、教員養成の根幹にかかわるような気がして仕方がないんです。つまり、要は科目を履修した人が教員になるというんではなくて、もっと熱心に何かを伝えることについて意欲を持って、それに取り組んでいこうというようなことができるような人をできるだけ育てるという、こういう仕組みを考えた場合に、モデルカリキュラムを提示して、それができるのかなという気がして仕方がないんです。ですから、そこのところは本当、慎重に、高岡委員のご提言に反対しているという意味ではないんですけれども、よっぽど慎重にやっていただかないと、現場がすごく沈滞してしまうというか、それだけやっておけばいいんだということになりかねないなという気がして仕方がないんです。

 ですから、できるだけ多くの人材が教職という場に来るような魅力的な仕組みを考えていただくということが基本だろうと思っています。前回だったか、前々回だったかに申し上げましたが、実は消防学校で講演を頼まれて、何で講演するんだと言ったら、要するに東京都だけで毎年100人、10年間採用しないといけないんだそうです。つまり、団塊の世代の交代に入っているんです。これは日本中のあらゆる分野でこれから先起きてくるわけですから、競争相手がいっぱいあるわけです。ですから、魅力的ないい人材を、とにかく教育に関心を持っている人を引っ張り込むということを最大のテーマとして考えていく。しかし、尊敬されるような存在にしなきゃいけないわけですから、大変難しいんですけれども、そこのところをどう考えていくかということについて、この部会でいい知恵が出ればいいんじゃないかと思っている次第でございます。

【横須賀座長】  ありがとうございます。さらに検討すべき事項について、私のさらに深めるべき論点に沿いながらご意見をいただき、かなり見えてきた。先ほど申し上げたように年内にできれば部会に上げるまとめ、これは、最初に言いましたように、資料3のこれまでの議論の整理と今後の論点、この座長メモを肉づける形で、私の思惑では、今日の資料2の皆さん方から出されたものを相当ここに取り入れていけば1つのまとめができるというふうな思惑なんですが、そういう方向で進めていきたいと思います。それを頭に置いて、今出された意見について、あるいは私が書きました、さらに深めるべき論点の落ちているようなところについて、ご意見をあとしばらくいただいて、その後、教育関係団体から意見募集していたその結果について事務局からの報告を聞くと。そしてそれもまた含めてまとめに仕上げていくと、こういうことじゃないかなと思うんですが、少しご発言を続けてください。

 高岡委員から先に手が挙がりましたので、どうぞ。

【高岡委員】  今日かなり明確になった議論として、基礎免許と一般免許の関係ということがあると思うんですね。それで、私もそういうふうに申し上げましたけれども、学士課程の基礎資格については、今、免許法というのは実は非常に細かく2単位ずつで縛ってあって、これとこれとこれを全部履修しなさいというようになっているわけです。例えば教育の基礎的な理解、教育の基礎理論とか、子どもの心身の発達、そのあたりをもうちょっと広げてみると、教育学基礎論と教育心理学基礎論あたりがベースかなと。かつてで言えば原理・心理と言われた領域が細かくなってきているわけです。それを戻すというように見られてしまうと後退となるかもしれませんけれども、学部段階での教職課程は運用の問題、つまり、課程の認定というレベルで、先ほど私は、ちょっと暴論かもしれないがと申し上げましたが、届け出制ぐらいでもいいと。ただ、その届け出制にするためには、やっぱり教員免許の基礎資格を取得するためには、こういうスタンダードは絶対必要ですよということの提示は要ると思うんですよ。実はさっき安彦委員がおっしゃった、ある私立大学で国際シンポジウムというのに寄せていただいて、ああ、なるほどなと思ったんですが、日本は教員の資格を免許制度で縛っている。免許制度というのは、これだけの単位を取れという免許法という縛りで縛っている。アメリカやイギリスもちょっとそういう傾向は強かったんですが、大学が教員を養成するためには、こういうスタンダードでこういう養成をやるんですということを提案し、そのことを社会的認知のもとで免許というものが取得される。もちろんそこには行政や国家の管理というのは入ってくるんだろうと思うんです。そこの免許法ありきと、それから、大学における養成という問題も、国にいただいた制度を維持しようとするから、ぎりぎりの単位数で免許が出せるんだというふうに勘違いをするのであって、そのところをもう少し発想を転換していく必要があるんじゃないか。その意味では、基礎免許の段階ではスリム化と大綱化は間違いなくできるんじゃないか。その分、実践的指導力という今大きな問題になっている力量形成という点では、やはり大学院に上げていく、この論点は、皆さん、ほぼ同意されているんじゃないかと思いますから、あと派生的な問題、座長メモでいうとローマ数字の1のところについては、そういう方向性で整理ができるんじゃないと思います。

【横須賀座長】  これは、逆という意見があってもおかしくないような気がするんだけど、つまり、修士レベルなのだから、そこはもう実践的指導力ではなくて、学問的深化だという意見は社会的にあり得る。ここではない。割に教員養成や教育行政の専門家の我々の中では、現実に即していうと、今、高岡委員が言ったようにスリム化、大綱化、そして、実践的指導力という言葉がいいのかどうかわからないけれども、教師の専門職にかかわる養成は修士レベルでと、こういう議論ですよね。私もそうですけれども、これは、世の中に通じますか。

【村山委員】  ちょっと別のことをちょっとお話ししたいんですが、今の点に関しては、最初、安彦委員も、基礎免許は開放制で、大学院の修士は目的制と。それから、基礎免許のスリム化、大綱化というのは何に関していうのかということをきちんと整理しておかなければ勘違いされると思うんです。縛りとか、無理なこと、関与をただ並べてというのは必ずしもよくないというのは私も同じ意見なんです。ただ、やはり教師を志望する学生たちの動機といいますか、教師への意欲、自覚、そしてそのための基礎的な知識、こういう点はむしろ強化しなければならないと。そこは、やはり私は下げてはだめだと思います。というのは、それは6年移管でそれしか現場で採用しないというのならば別です。今のところ、基礎免許でとにかく何らかの形で採用ということもあるという前提でいく場合、その自覚、そういう点というものはむしろ強めなければならない。ただ、そこで得られる資質の具体的な中身については、我々が説明したように、もう少し盛り込んだ方向があり得るだろうと、このように思っています。

 それから、2点目、田村部会長がおっしゃったように、いずれにせよ我々の課題は、できるだけ幅広く優秀な若い人たちを教師にするという点、これは欠かせない課題で、その点で今日提起されましたが、松木委員と私のテーマには入れなかったんですが、基礎免許なしでも、一般免許でかなり広くリクルートすると。これはぜひ今後とも強調して含んで、門戸を開いておくというふうに考えたほうがいいんじゃないか。ただし、学部の教員養成についてはさっき言ったような方向で。というのは、その問題に戻りますが、この問題はどうしても、横須賀座長が強調されているペーパードライバー、それから、教育実習公害の問題に関係するんですね。単純にスリム化してやれば、免許取得者はますます増えます。そこのところを、それは副次的なことですが、私は、教師志望の学生たちに、早い段階から教師への目的意識をきちんと持たせるということは矛盾しないというふうに思っています。

 最後に、これはちょっと別な論点なんですが、今日の議論の中で、事務局で最初に提起した、専門免許の位置づけが私なりにクリアになりました。1つは、ポイントを今までも何回か議論されてはっきりしなかったんですけれども、学位との関係は、これはやめるというふうにはっきりさせたほうがいいと思います。一般免許状は学位が必須ですよね、修士化コース。それをさらに専門免許段階で学位をいいますと、これはドクターみたいになっちゃうわけで、二重になります。ここのところを今日は、免許状の問題でも一種免許状と特別支援の免許状との関係と同じだという案2ですか、その考え方で私は整理できると思います。そういう点では、むしろここではある程度ベテランになりつつある先生方が多様な研修を経て専門免許をとるというような形で制度設計が可能なんじゃないだろうかと。その際、免許更新制との関係は高岡委員がおっしゃったとおりで、私は、専門免許をとる人は、更新講習は免除という形でつなげていくと。ただ、この専門免許の中身については、分野はあんまり細かくしないほうがいいだろうと思います。それは混乱をすると思います。

 最後ですが、ポイントは一般免許状をそこで修士化するということが今回の答申の、あるいは我々の諮問の最大の宿題だと思うんです。そこで、今日少しずつ明確になってきたのは、一般免許状は修士であると、基本は。その場合は学位なわけです。だけれども、それをどの段階でやるかということになると、研修との絡みが出てこざるを得ない。ところが学校現場にとって困らないOJT、これをのみ強調すると学位的な課程ではなくなる。だけど、それじゃ、若干、現場を離れているときも含めてということで、修士、学位ということを強調すると、それじゃ、例えば初任段階でそういう人はちゃんと給料を出していいのかと、どういう意味での採用になるんだという問題が社会的にも出てこざるを得ないんです。私は、ある意味では自己矛盾なんですが、ここのところをどうブレイクするかということをとことん考えなきゃならない。私の考えは、基本方向としての学位でありながら、学校における研修と両立できると、それでブレイクできるというのが私の考えで、あとはそれをいつの段階でやるかとか何とかということは後の問題、基本は学位でありながら、学校現場での、まさに生きた、学校や教育委員会にとって本当に大事な、必要な――先ほどだれか言いましたが、やっぱり教師というのは現場の中でなきゃ育たないと、資質は上げられないと、これが基本だと思います。そういう意味で学位と研修とを両立させる、そういう方向を追求していく必要があるんじゃないかと、こんなふうに思います。

【横須賀座長】  両立するというのはどういうことなのかということが大事なんですよね。免許法の建前から言えば、教員免許の授与権は大学に置かれるわけで、これについては全然変えちゃうんだという議論は出てないわけでしょう。そうすると大学に置かれる以上、研修で学位というのはないわけでしょう。そうすると、一般免許状は学位と連動していると。専門免許状は違うというふうに考えるけど、一般免許状は学位と連動していれば、教員研修、あるいは教育委員会による研修ではだめなわけでしょう。そこのところの両立というのはどういうことになるんですか。

【村山委員】  これは、実際には学位課程を、きょう、松木委員から一部紹介されましたが、学校における実習、学位課程の修士レベルのですね。それが事実上研修の役割を果たすというような発想でやれるんじゃないかと。実際に教職大学というのは事実上そういう方向でやっているところは幾つか出てきております。問題は、一般免許状を出しているのは都道府県です。学位は大学が出すと。この構造を直ちにいじる必要はないと思うんです。問題は自主的に大学院へ、仮にです、採用された途端に大学院生になりますと。学校にも仮に所属したとして、実際は大学院生ですと。それで大学院生としての学習をしているということで、制度として成り立ち得るかなというところは十分考えなきゃならない。それで、私は、それはある意味では初任者研修に、あるいは若手教員研修という、二、三年のことも例として挙げられていますが、それらをいわば兼ねる、あるいはそれにかわるプロセスとして考える道があるんじゃないかということであります。

【横須賀座長】  我々が、さっき言った一般免許状、つまり、修士レベルのところで実践的指導力とか、教師としての専門性を身につけるようにするというのは、いわば大学制度の中の学部と修士課程の関係で、もちろんすべてそうだというわけではないけど、逆の発想をしていることになるわけですね、考えようによってはという限定つきで言うと。これ、何でこういうふうに我々が問題提起し、割にそこのところに落ちついていられるかというのは、教職大学院の経験を持っているからだと思うんです。だから、18年以前の教職大学院がない段階だったら、おそらくこういう発想をしなかったんじゃないかという気がするわけです。そうするとその経験を生かした形の両立ということの意味をそういうふうに考えていかないとだめになると思うんですね。

【松木委員】  それに関連するんですが、ちょっと視点を変えてもう一度考え直してみますと、先ほど座長が最後のところで、教員養成の専門家が養成させてないという点に関してですが、高度専門職業人である教師を養成する専門家が今はいない。いるのは実務経験が豊かな人と、各専門分野の研究者がいると。その2人が一緒にやれば養成ができるかというと、それもまた違うんじゃないかと思います。まだ県段階では十分じゃない部分があるような気がしています。実践を絶えず理論化し、明日の実践に向かって開いていくということを専門にするような領域が求められていて、それを養成する専門家は必要だろうなと思いますし、その中間にちょうど新たな専門の領域が生まれてきつつある。そのことをきちんと位置づけていくということがまた必要になってくるんじゃないかなと思うんです。

【横須賀座長】  そうですね。だから、教職大学院というのは、いわば学位課程であると同時に実践的指導力養成、あるいは教員としての専門性を身につけさせる課程になっている。そこで、教育委員会との連携がない形の教職大学院というのはないわけだから、両立というのは、そこのところで結節点を考えざるを得ないというのが我々の経験の範囲だろうと思います。

【高岡委員】  その先の議論だということになると、なかなか難しいんだと思いますが、ただ、教職大学院の制度が、今議論になっている一般免許の取得の基礎制度としてこれで十分だということは、今言えないわけですよね、定員の問題なんかも含めて。それから、免許更新制という制度は、私は、大学にとっては相当大きな経験値になったというように思いますが、だからといってそれが専門免許につながるものではないと思います。だから、種はあるんだけれども、きちんとした制度にその種をまいて、どう育ててというところの育て方という問題がやっぱりどうしても残ってくる。そうすると一般免許状という制度をつくりますという、刈り取りの用意を先にしますという話になるわけですけれども、免許制度というものと教職大学院ベースの一般免許状や、あるいは免許更新制ベースの専門免許状というものを、どう本当の制度として運用できるほどに育てるかという課題がやっぱり大きいということです。

 そうだとすると、実は手つかずで残っているのは、また物議を醸すのかもしれませんが、各県に1大学必ずある教員養成系の大学・学部というところが、教職大学院化するような仕組みってどうやっていったらできるのか、あるいは、都会は違いますがそこがほぼ担ってきた。都会は私学もすごくたくさんやっている。そこでやってきた免許更新制という経験は、専門免許状にどう展開できるのか、そこに研修と大学の単位認定というすき間が埋まるヒントがあると思います。ですから、そういう意味で国の役割に大きな期待がますます高まっていると最初のところに2行書いたのは実はそういう意味で、かなり主導的にやらないと、待っていてはだめだという気がします。

【横須賀座長】  田村部会長、どうぞ。

【田村部会長】  先生方のご意見に反対しているというふうにとられると困るんですが、現実に子どもたちが喜ぶような優秀な先生を現場に引っ張ってくるということで考えると、非常に客観情勢が厳しくなってきているということは、これは認めざるを得ません。数が減ってきている。それから、教員になるということに対する魅力がどんどん減ってきているということが現実にあるわけです。それで、例えば現在を見た場合、非常に優秀なポスドクがどこにも行けないんですよ。なぜか。教職の免許状を取ってないからなんです。だけど、そういう人たちを教職に引っ張ってこれたら、これはポスドクでなくても民間でもいいんです。それを考えて中に入れておかないと、議論しても非常に先細りになってしまう危険があるわけですね。

 ですから、今のお話をどんどん突き詰めていくと、教員になる資格がどんどん厳しくなっていって、モデルケースもカリキュラムで学んだ人で、最初から教職になるというように目標を決めて、最初から研究者になるつもりでいた人がポスドクになっちゃった。でも、それはポストがないから、結局、ポスドクそのものも今、減ってきているんです。これは日本の研究レベルからいうと非常に危険なんです。それはなぜかというと、もしだめだったら教員になれるという道が開かれてないということが私は1つの原因じゃないかというので非常に心配しているんです。沢山ポスドクが余るのは、日本の国としてはいいことだと思うんです。だけど、それはどんどん減ってきているという事実は認めざるを得ない。そこで、民間人も含め、ポスドクも含め教員にならせるという道を議論するとなると、今のような、きちっと制度を整備して、これをやっていなきゃなれないという議論になってしまうと、ますますその道は狭くなってしまう。

 だから、かなりアバウトでやっていただきたいというように最初から考えていたんですけれども、結局、ご専門の非常によくご存じの研究者が議論されると、そういう方向へ行ってしまいます。ですが、現実にはそういう現状があるということを認めて議論していかないと、実りのある議論の結論にならないんじゃないかという気がします。少し余計なことを申し上げてすみません。

【横須賀座長】  私の考えを言うと、田村部会長が言うアバウトというのが、野放図なアバウトというのではなくて、ある種モデルというか、そういうものがあって、そしてアバウトというのか、自由化されている部分があるということじゃないかと思っています。教職大学院というものの全国展開がしっかりできている中で、多様な人材、学部段階で教師になろうなんて考えもしなかった人たちに、免許状が取れる仕組みというのは、つくれば、教職大学院との関係もきっとできてくるんじゃないかと思います。だから、3の3の基礎免許状を所有しない者に一般免許状を取得させることがいいかと私は聞いているわけで、これをやっぱりいいと。どういう仕組みにするかはともかくとして、是としようじゃないかというと、田村部会長がおっしゃる1つの、アバウトというんじゃなくて、多様なルートが確保されてくると思います。

【高岡委員】  少し議論をきちんとしておくといいかなと思いまして、実は今、田村部会長のおっしゃった意見というのは、一定の程度で専門職養成ということをずっと論理で詰めていって枠組みをつくると、必ず社会的な観点というのは出てくることだと思います。だから、先生というのは、やっぱり社会常識というものをきちんとまず持っておいてもらわないと、何だか大学の隅っこのほう、あるいは実習へ行ったって、マスターの2年間で大学と学校を行ったり来たりして、学校のことしか知らないというのではやっぱり困る、そういうベースがまず1つあります。それと、今おっしゃったことは、なるほどそうだというふうに私も拝聴したんですが、大事な大事な人材が、まだ教員になってもいい人が日本にはいっぱいいると。これをどう導入してくるか。そこのところは、メーンストリームかどうかというような議論ではなくて、やっぱり風穴はあけておく必要があると思います。そうすると、例えばポスドクの人材は、高校の先生としてもドクターを持っているというだけで十分じゃないかと。ただ、その人が、実はやっぱり先生なんかやる向きの人間ではなかったということはあり得るかもしれないけれども、学識とか、高校の教員として求められる資質のかなりの部分を占めている学問の楽しさを高校生に教えてやれるというような意味では、それだけで十分な資格ありというようにも思います。そういう意味で、先ほど幼稚園と特別支援という話だけしましたけれども、高等学校の免許というのは、今は中学校にくっついていますよね。だから、そこはきちんと切り離して、極論をすれば、今、具体的な例だけ出されたんだと思いますけれども、私は、高校の教員になるための資格として、全然別ルートで、ドクターを持っていれば自動的に免許が与えられるというぐらいの大胆な施策は打ってもいいと思うんです。いかがでしょうか。

【横須賀座長】  私は、高校教員には免許は要らないというのをどこかで書いて、怒られたりしているんですけど。村山委員どうぞ。

【村山委員】  田村部会長のお考え、本当に共感できます。そういう幅広い教育の世界に当該社会の優秀な若者たちが喜んで入ってこれるような仕組みでなきゃ意味がないと思います。それはそうなんですが、その際、今日も先ほど発言したんですが、基礎免許なしにも一般免許状を取れるという、これはいいんじゃないかと。

【横須賀座長】  いいんですね。

【村山委員】  ええ。ただ、それはきついわけですよ。ドクターを持っている人が一般免許状を取るといったら、1年間、2年間というのはなかなかきついんですね。というのは、実は教職大学院も免許を持ってない学生も入れるんですよ。そして免許がとれるんです。ところが、それはやっぱりかなり厳しい。授業料もありますし、カリキュラムもきついし、実際に入ってくるのはごくわずかなんです。やっぱりそういうものじゃだめだと思うんです。この点で、要するにそれを一般免許状のあり方の1つのバリエーションといいますか、中身なんですが、私は先ほど言いましたように、例えばドイツやイギリスは、一般学部や経済学部を出て、その卒後、職業訓練コースに入るんですね。これは学位コースじゃないんです。そこで1年ないし2年教師の訓練をして教師になる。ドイツの場合は、非常にレベルが高くて、ギムナジウムなんかはそういう形で、ドクターを持った人なんかは入っているわけです。

 そういうことでいうと、その辺をにらんだ形を一般免許状ということでどうするかということを考えなきゃならない。その際に、つまり、一般免許状というのは実質的な指導力を自立した教師としてきちんと持たせるという大目標がありますが、それだけじゃなくて、先ほど私が言いましたように、学校現場で一定の訓練を経て、一定の研修によって力を獲得するという側面を、つまり、研修的な側面を職能開発的な、職業訓練的な側面をきちんと置いておくということだと思うんですね。これが、先ほど言いました学位課程ということばっかり強調しますと、こうこうこうでなければならないというようになります。それを、一般免許状というものは、自立した教師として一定の実践的な力量があって、専門職としての職業的な条件を備えていれば、それは認めるという、その辺の幅広の考え方は具体的に可能だと。もう少し具体的に言いますと、ドクターを持った人でもいいし、経済学の修士を持った人でもいいんですが、私は、せいぜい半年ぐらい学校実習、こういうものを重ねて、それが一般免許状に認められるということは十分あり得るという、そのぐらい柔軟化しておかなければならないというように考えます。ただ、それは一般免許状を、どういう制度上の性質のものにするか、学位との関係をどのように整理しておくかという問題につながっていく、このように思います。

【横須賀座長】  わかりました。それで、部会長から提起された問題の方向性はみんな同意できるということですから、これは仕組みをどうするかの話ですから、これはまとめの中に書いたところで議論を深めるということにしていただいて、最後に、これが意外に同意されているようで同意されてないのが専門免許状の4ページのところで、案1と案2の違いがわかりますでしょうか。これは同意されているようで同意されていないので、もう一度、事務局から、ここのところを簡単に説明してください。

【日向教育制度改革調整官】  案の1につきましては、これは、一種免許状と専修免許状との関係に近いものということで、専門免許状というものを一般免許状を基礎として特定の分野について、より深い、突っ込んだ学びをしたということを証明するものとして位置づけるという考え方です。それから、案の2につきましては、これは特別支援学校の教諭の免許状がこの考え方をとっているんですけれども、小・中・高の教諭の免許、プラス、特別支援教育に関する専門的な学びをした人に特別支援学校教諭免許状というのを現在出しているわけです。つまり、専門免許状に特定の効果を付与して、一般免許状とは別の免許状として位置づけるということで、これはあくまでも現行の免許法上の考え方を踏まえて整理したもので、全く別な考え方というのが当然あり得るんですけれども、議論を深めるためにあえてこの2つの案をお示しさせていただきまして、専門免許状の位置づけについてご議論を深めていただければということでご用意したものでございます。

【横須賀座長】  ただ、この図だと、案2のほうにこの専門免許状はこういう形なら校長等だと、こう書いてあるんだけど、こっちのほうには、教科や教職の専門領域でしか書いてないですよね。こういう形では校長、管理職は扱えないという考え方になってしまっている。それはちょっと違うんじゃないかと思いますが。

【日向教育制度改革調整官】  そこは、案の1でも位置づける方向で検討すべきというお考えであれば、そのように整理しますが、現行免許法上はこういう考え方をとっていますということでここはご紹介をしています。あくまでも現行制度上をベースに整理をさせていただいたものでございます。

【横須賀座長】  ただ、免許状というのは、やっぱり職種に対応させるという考え方はとれないということですか。

【日向教育制度改革調整官】  わかりづらくて申し訳ありません。専修免許状というのは、あくまでも、それぞれの校種の教諭としての免許状でありますので、一種免許状と専修免許状との関係を踏まえて考えますと、一般免許状と専門免許状というのが、現行の免許法上をベースに考えると、同じ職種を指導できる免許状ということで整理できるのではないか。そういう整理ではなくて、もっとこういう考え方があるんじゃないかとか、いろいろなお知恵をお出しいただければということでご用意したしたものでございます。

【横須賀座長】  ここについて意見がありましたら。これも書いてみて議論するという方がどうもいいようですので、これは、あくまでも専修免許状モデルで整理しているということで、免許状というのはもともとこういうことしかないというものではないということですね。

【日向教育制度改革調整官】  あくまでも今の考え方をベースにつくっているので、もっと違う考え方があるというお考えもあると思います。今のものをベースに、この2つをお示ししているだけでございます。

【山下教職員課長】  私から補足したいので、発言させていただいてよろしいでしょうか。実は少しここが具体的に法制度として検討する際に、私どもが一番悩んでいるところでございまして、あえてこういう形で論点設定させていただいています。というのは免許状というのは何なのかという話から始まるんですけれども、今の免許法というのは、それを持っていないと教壇に立てないという法的効果があります。逆にいうと免許状を持ってない人は先生になれないということで、まさにそこは表裏一体の関係になっています。

 そういう意味で、今の専修免許状というのは、そういう法的効果を持っている免許状の中の1つの種類のものであるという位置づけになっていまして、いわゆる上進をしてとっていくというのが現職教員の場合、典型的なケースとしてありますが、逆に言えば、それを上進してとったからと言って法的効果は変わらないということにななります。その右側の案の2のタイプのものは、特別支援学校免許状のようなものだというふうに日向から申し上げましたけれども、特別支援学校の場合は、特別支援学校教諭の免許状を持っているだけではだめで、小学校、中学校、高等学校の各相当の免許状を持っている、それに加えて特別支援学校免許状を持っていなければいけないということが法律上義務づけられていまして、同様に、それを持っていないと特別支援学校での教育はできないという法的効果が与えられています。それは、まさにそれを持っていることで法的効果が新たに付与されるという側面があるものですから、専門免許状をどちらのタイプで設計するかによって全く違ってまいります。職とのリンクということで申し上げますと、今の専修免許状も実は高等学校の校長の資格要件の1つとして法令上位置づけられておりますので、ただ、それを持ってないと高校の校長になれないというわけではないんですけれども、高校の校長の資格要件が幾つか並んでいる中の1つという形で規定されております。そのような形でリンクさせることは、左側のタイプでも可能だと思いますけれども、そこのところの違いがあるということでございます。右側の案の2のような設計をする場合には、まさに校長の要件として免許状を設定するということであれば、それを持ってない人は校長になれないという法的構成をすることになりますので、かなりそこのところは大きな話になってまいります。それでちょっと気にしているということでございます。

【横須賀座長】  そうですね。ここは議論し始めるとまた大変です。冒頭に言いましたように部会へ上げる報告書を年内にはまとめようということでお諮りしてきたわけで、ただ、本日2時間半やってみて、まとまるなという確信は出てこないけれども、まとめを書いた上で議論したほうが有効かなというぐらいの気持ちにはなっていますが、ご同意いただけるでしょうか。もしそうであれば、私と事務局、また何人かの方にお手伝いいただきながら、次回には部会に上げる原案になるまとめをつくって、そしてそれを議論してみるという形にしてみたいと思いますが、よろしいでしょうか。

【村山委員】  ただ、年内といいますが、そのスタートはいいんじゃないかと思いますが。

【日渡委員】  かなり深掘りされたという雰囲気は感じます。ただ、再三話をしているんですけれども、今回のテーマは採用から退職、養成も含めて、私は教育委員会とか採用の部分については深掘りはされてないというように感じます。きょうも後半はほとんど大学のほうの話だけで、極めて専門性の高い話だったんですけれども、同じように教育行政というか、そちらも専門性の高い話をやっぱり1回は議論しないと、そちらの方は、まあ、どうぞという感じに私にはどうも聞こえるんですけれども、やっぱりここも1回はクリアしないといけないのかなという気はします。

【高桑委員】  大学の改革だけで教育委員会自体の改革がどう進んでいくのかということについて、私も先ほどからずっと考えておったんですけれども、単に教育委員会としての改革は不必要だということではなしに、この間の議論の中で、大学と教育委員会が一緒になって、養成、採用、研修に取り組んでいくという中で、教育委員会自体も変わらざるを得ないと思います。これまで先見的な人事異動や採用を教育委員会の閉じた中でやってきた議論が、大学との関係においても公開性を高めていく、透明性を高めていくということには必ずつながっていく議論にならざるを得ないと思っておりますし、どういう先生が欲しいんだというふうなことを大学とまさに平場の中でお話をさせていただくことが、これまでの教育行政のより一層の公開性を進めていくというふうに思っております。そういう意味では、この議論の中も含めて教育行政のあり方にも大きな影響を与えることになるのではないかというように感じていますので、そのことだけ申し上げておきます。

【横須賀座長】  年内にまとめにかけるということと、年内には部会に報告するということは必ずしも同じじゃないと思いますので、まとめについて議論を始めると。そして、今、日渡委員から出たような意見やほかの人の意見もまだ熟してないということがあれば、部会に報告するというわけにはいかない。その大きな課題があるということはよくわかりましたので、そこは十分考慮した上でまとめにかかってみるということで次回を設定したいと思いますが、その点はどうぞご理解いただきたいと思います。

 それでは、残された時間が短くなってしまって大変申しわけないんですけれども、各団体の意見について紹介をしていただくことにします。では、お願いします。

【日向教育改革調整官】  それでは、長時間恐縮でございますが、資料4-1と4-2が使用する資料ですが、主に資料4-1を使ってご説明をさせていただきます。

 ことしの1月に取りまとめられました審議経過報告、これに対するご意見を関係機関に対して募集を行わせていただきました。募集の期間は6月から7月にかけてでございますが、震災等のご対応もございましたので、この日以降ご提出があった団体もございました。

 意見の照会先は、計66団体に照会をしたところでございますが、提出の団体は44団体でございます。44団体の一覧は資料4-2の1枚目の裏面に書かれてございます。逐一ご紹介はしませんが、ご参照いただければと思います。

 意見の概要でございますが、教員養成のあり方につきましては、教員養成の修士レベル化ついて、教員に高度な専門性を求める観点から必要であるという意見のほか、経済的な負担による教員志望者の減少、また、既存の大学院の量的な懸念、そのほかさまざまなご意見がございました。また、大学・大学院における養成カリキュラムに対するご意見ですとか、教員養成課程の質の保証についてのご意見がございました。

 教員免許制度についてですが、審議経過報告で一般免許状、それから、基礎免許状、専門免許状について示されたわけですが、その位置づけについてのいろいろなご意見ですとか、幼稚園教諭の扱いについてのご意見がございました。教員免許更新制につきましては、その存続を前提として10年経験者研修などさまざまな研修制度の活用により教育の負担の軽減を求める意見、また、学校現場の不安や不信を払拭するため、早期に廃止すべきとのご意見がございました。

 教員研修につきましては、初任者研修をはじめとするさまざまな研修の機会を確保するため、定数改善など研修が受けやすい環境の整備を求めるご意見ですとか、また、免許状更新講習や一般免許状取得のための単位へ換算するなどのご意見がございました。また、大学等と教育委員会が連携して行う研修などについてのご意見がございました。

 資料4-1の1ページ以降に、項目ごとに、それぞれの団体の主な意見を整理させていただいております。逐一ご紹介はいたしませんが、後ほどお目通しをいただければと思います。

 また、資料4-2のほうでございますが、こちらはそれぞれの団体からご提出いただいた意見を基本的にそのまま掲載をさせていただいております。後ほどお目通しをいただければと思います。

 簡単ではございますが、以上で説明を終わらせていただきます。

【横須賀座長】  よろしいでしょうか。この4-2は、ほとんど出たものに手を加えてないということですか。

【日向教育改革調整官】  はい。出していただいたものをそのまま掲載をさせていただきました。事前に各団体からご了解いただいております。

【横須賀座長】  なかなか読むのは大変ですけど、それはやっぱりやらないといけないことなので、読み込んで次に反映したいと思います。できるだけ今度はまとめの案を事前に皆さんにお配りして、読んできていただいて会議を開くという努力をしたいと思います。

 よろしければ、きょうはこれで終わりにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 ありがとうございました。

 

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初等中等教育局教職員課企画係

電話番号:03-5253-4111(内線2033・2456)

(初等中等教育局教職員課企画係)