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資料1 これまでの議論の整理と今後の論点(座長メモ)

1 はじめに

(1) 教員免許の考え方

  • 教員免許状は二つの側面を有する。
     教員免許を所持している者以外は、教員になることができない。
     国民の安心・安全の確保
  • 教職としての専門性を担保し国民の安全・安心を保証する教員免許の在り方

(2) 戦後教員養成の構造転換

1期 : 昭和20年代~30年代
○ 学芸中心の教員養成:師範学校から大学へ転換、大学卒業に対する信頼

2期 : 昭和40年代~60年代
○ 学芸中心から実践的指導力への転換

  • 学芸大学・学部から教育大学・学部へと名称が変更
  • 3つの教育大学の新設
  • ゼロ免課程の新設

3期 : 平成元年~
○ 実践的指導力の重視

  • 初任者研修の導入
  • 教養審答申(第1次~第3次)
  • 大学と教育委員会との連携

4期 : 平成18年以降
○ 教師が生涯をかけて学び続ける。

  • 大学と教育委員会との連携の確保
  • 教員免許更新制:現職教員が学ぶ体制を確保する重要な政策

(3) 望ましい教員像

  • 子どもたちや保護者はもとより、広く社会から尊敬され、信頼される質の高い教員
  • 自ら学び続け、研究・探求力を有する教員(知識を切り売りする教員像からの脱却)

(4) 教員に求められる資質能力

  • 人格や社会性、他の同僚とチームとして対応する力など(人間力:教員である前に人としての基本に関わる要素)
  • 使命感や責任感、教育的愛情、自主的・自発的に学び続けることなど(研究・探求力:教員に必要な資質に関わる要素)
  • 専門職としての高度な知識・技能(実践力)
    1)教科に関する専門的知識、2)学び続ける力、3)実践的な指導力、4)生徒指導、学級経営、学校経営、5)個別化や創造的・協働的学びを実現する力、6)地域との連携、7)思考力・判断力・表現力を育成できる指導力など

2 平成18年中央教育審議会答申の評価とその後の課題

(1) 教職課程の質的水準の向上(教職課程の組織運営の改善、教職実践演習の新設・必修化)

  • 教員養成に対する理念等を掲げている大学は多く見られたものの、これらを具現化するために全学的・組織的な教職指導体制等の整備を行っている大学は少なく、教員養成に対する理念等を積極的に実践できる組織的な運営体制の構築が求められる。
  • 多くの大学ではまだ実施に至らず、現段階では評価できない。単位の合算による免許状の取得を超えて、教員の資質能力を確認することを可能としたことは評価できる。今後充実する必要がある。

(2) 教職大学院制度の創設

  • 修士レベルの教育内容、方法、さらには指導組織のモデルを提供し、教員養成のパイロット的な役割を果たすことができた。
  • 今後、修士レベル化の議論に併せて、教育委員会との連携の推進や、修了者へのインセンティブの付与、量的拡大、特色化などが課題。

(3) 教員免許更新制の導入

  • 国公私立学校の教員共通に、講習を受講する機会を設ける体制を構築できた。
  • 大学と教育委員会との連携の気運を高めるとともに、連携の具体的取組の方向性を見出すことができた。
  • 多種・多様な更新講習の展開により、現職段階の研修が多種・多様化し、実のあるものとなっている。
  • 受講料等教員個人の負担軽減が課題。

→ 平成18年中央教育審議会答申で提言された上記施策を確実に実施し、面にしていくことが課題。
養成段階 : 学部における教員養成と教職大学院で行われている教員養成をつなげ、全国レベルで一定数の教員を養成するためにどのように制度設計すべきか。
現職段階 : 専門性の高度化を可視化するには、どのようにすべきか。

3 改革の基本的考え方

○ 教員の社会的尊敬と職業としての専門性を確実に前進させる観点から、教職生活の生涯成長の観点から全体を通じて教員の資質能力向上を図ることを支援する制度に改革する。

  • 教員の成長段階を画期し、免許制度を対応させることで資質能力向上を確保する。
  • そのため、教員養成を修士レベル化し、人間力、研究・探求力、実践力をはじめとする、教員としての専門性の基盤となる資質能力を確実に身に付けさせる。
  • 教員免許を教員就業の意志の確実な者のみに授与する仕組みを工夫するとともに、教職以外の職域からの積極的参入が可能となる仕組みを工夫する。
  • 学校種に対応する免許状とする。
  • 入職後は、新たな教員養成の在り方を踏まえ、研修の充実を実現するとともに、その成果を教員免許制度として認定し、教員の資質能力向上を可視化する仕組みを構築する。
  • 教育委員会と大学との連携・協働により教員の資質能力向上を支援する仕組みを構築する。  

4 目指すべき方向性

1. 教員免許制度

1-1 教員免許状の種類
 普通免許状(一般免許状、基礎免許状(有効期限を付すか)、専門免許状)、特別免許状、臨時免許状

1-2 普通免許状について
(1) 基礎免許状(学士)(有効期限を付すか)
【概要】
 教育職員としての基礎的な資質及び能力を有する者に対して授与
【取得要件】
 学士の学位を有し、教職課程において必要な単位を修得した者に授与
* 一般免許状を所持しないまま正規教員となった者については、採用後一定期間内に修士レベルの課程において必要な単位を修得し、一般免許状取得を義務づけ(更新を認めるか否かについては要整理)。
→ 教育実習については、教員(非常勤を含む)として勤務する意志を示した者にのみ課すことはできないか。⇒実習形態の多様化へ

(2) 一般免許状(標準 修士レベル相当)
【概要】
 教育職員として一般に必要とされる資質及び能力を有する者に対して授与
【取得要件】
 基礎免許状を有し、修士レベルの課程〔1)専門職学位課程、2)修士課程、3)これらの内容に類する学修プログラム〕において必要な単位を修得した者に授与
→ 一般大学の修士課程修了者は一定期間内に講習の受講を義務づけることにより一般免許状を授与することとするか。
→ 一般免許状の取得に当たり、一定期間内の講習受講により取得することも認めるか。

(3) 専門免許状(学校経営、生徒指導、進路指導、教科指導、特別支援教育、外国人児童生徒教育、情報教育の各分野、一般免許状所持者)
【概要】
 一般免許状を有し、教員経験をある程度有する者のうち、上記各分野において、更に研究と修養を積み、資質及び能力を向上させた者に対し、各分野ごとに授与
【取得要件】
 一般免許状を有し、認定を受けた修士レベルの課程等〔1)専門職学位課程、2)修士課程、3)これらの内容に類する学修プログラム、4)文部科学大臣等が認定する大学院と教育委員会が連携した講習〕で必要な単位を修得した者に授与
→ 一般免許状を有する者については、専門免許状取得の努力義務を課すこととするか。   

1-3 教員免許状の学校種別
(案の1)
 幼稚園教諭免許状、小中学校免許状(一般免許状取得を義務化)、高等学校免許状(基礎免許状なし)、中高等学校免許状

(案の2)
 幼稚園教諭免許状、小学校教諭免許状、中学校教諭免許状、高等学校教諭免許状、特別支援学校教諭免許状
(免許状の大括り化は将来の課題とする。隣接学校種の免許状を取得する際には、必要単位数や実習の軽減、学校種間の連携に関する事項を扱うことを位置付け)
→ 免許状の大括り化についてどのように考えるか。義務教育については、取得単位数が多くなり、教員志望者に負担がかかる。中等教育については、中高の併有率も高いことから現実的か。

2. 教員養成
2-1 カリキュラム
○ 学士レベル…教職や教科の基礎・基本の修得。教職実践演習については引き続き重視。
○ 修士レベル…

  • 学校現場での実習をしながら、一定期間毎に、実習での取組を振り返り、実践力を磨くとともに、児童生徒や保護者、地域住民と対応できるようコミュニケーション力を培い、教科や教職等の実践的指導力を身に付ける。
  • 学校現場での実習だけでなく、ICTや特別支援教育、生徒指導に関する一定の知識・技能など近年の学校現場を取り巻く状況を踏まえた高度な専門性と社会性も併せて身に付ける。
  • その際には、授業研究とケーススタディを核とする実践力育成プログラムを提供することとしてはどうか。また、カウンセリング、相談技法も修得することとしてはどうか。

※ 上記を基本として、単位修得が必要な科目・単位数を見直し、各科目で扱うべき内容の大枠について規定の見直し。
○ カリキュラムについて各大学の参考となる指針の作成

2-2 修士レベル化
○ 教員養成について、学部4年に加え、学部卒業後又は教員への就職後に1年から2年程度の修士レベルの課程等での学修を要することとする。(修士レベル化)   
○ 修士レベルの教員養成は、教職大学院とともに既存の大学院教育学研究科等も活用することが考えられないか。
○ 例外的に要件を満たせばこれらに類する学修プログラム(大学、教育センターや学校等が連携して実施するなど)も可としてはどうか。
○ 教員免許を取得していない社会人からの教員志望者に対応するため、すべての学校種を対象に教員免許を取得できる課程の見直し・充実と、採用後の研修等の充実を図ってはどうか。 

2-3 組織体制、教員
○ 教職大学院や既存の大学院の組織体制・要件の見直し
○ 実習中心のカリキュラムに対応するための方策(実習校の受け入れ体制の整備、指導者の確保等)
○ 養成の規模の検討
○ 大学教員の資質能力の向上のためのFDの実施や実務家教員の要件の見直し
○ 教職課程を担う教員の養成の在り方

2-4 教育実習等
○ 基礎免許状 : 4週間程度
 子どもと教育に関する幅広い教育体験を重視。学校ボランティアもその中に含む。
○ 一般免許状 : 期間については要検討(教職大学院は10週間)
 理論と実践の往還を重視。探求的実践演習として実施。
※ 以上について、免許状の区分等に分類して検討する必要が出るのではないか。 

2-5 教職課程の質の保証
○ 認定体制の強化
・ 課程認定委員会を拡充・強化、実地視察体制の強化等。
○ 認定の厳格化
・ 学科等の目的と免許状との相当関係、担当教員の資格(実務経験を有する教員の割合)等課程認定基準を整備。
○ 事後評価の厳格化
・ 課程認定大学等に対し、定期的事後評価を義務づけ。        

3. 採用
○ 教職以外の職にある、30代、40代の人たちを積極的に中途採用する方策を更に進め、教員の年齢制限の改善を促す。
○ 免許制度の見直しに伴う、臨時的任用教員や非常勤講師の確保策 

4. 研修
(1) 基本的考え方
○ 教員の職能成長を支えるしくみづくり。大学と教育委員会との連携の重要性。 

(2) 初任者研修
○ 初任者研修については、教員養成の修士レベル化に伴い、教育公務員特例法による義務づけを廃止できないか。ただし、基礎免許状取得者については、基礎免許状取得後一定期間内に修士レベルの課程〔1)専門職学位課程、2)修士課程、3)これらの内容に類する学修プログラム(教育委員会も大学との連携により開設可能)〕を修了し、一般免許状を取得することを義務づける。

(3) 10年経験者研修
○ 専門免許状制度創設に伴い、教育公務員特例法による義務づけを廃止できないか。 

(4) 国や任命権者が行う研修の在り方
○ 大学と教育委員会との連携による研修を促進し、受講成果を専門免許状の取得単位の一部とする。
○ 独立行政法人教員研修センターの役割    

(5) 校内研修や自主研修の活性化
○ 校内研修等についても要件を満たせば専門免許状の取得単位の一部とする。
○ 教育センター等における教員の研修支援機能の充実 

5. 教育委員会・大学等の関係機関の連携協働
(1) 課程認定大学の役割と任務
○ 教員の資質確保への努力義務
○ 課程認定大学(大学院)の地域連携(教育委員会)の推進
○ 現職教員のための講習開設について努力義務化 

(2) 都道府県・指定都市教育委員会の役割と任務
○ 教員採用選考の多様化
○ 採用時に採用予定者の教職履修歴の評価
○ 大学が開催する現職教員を対象とした講習への協力義務化 

(3) 教育委員会・大学をはじめとする関係機関や地域社会の連携・協働がより広範かつ確実に行われるような仕組みの構築
 役割として、教職課程の認定の際の意見提出や評価、専門免許状の授与の際の履修履歴の評価、大学と教育委員会とが連携した研修の実施等が考えられないか。 

6. 管理職等
○ 管理職等に求められる資質能力の整理
○ 先進事例の例示とともに、管理職等養成の目指すべき方向性を提示
○ 教職大学院等の学校経営を中心とした専攻・コースの充実
○ 国や都道府県等の教員研修のためのセンター等における管理職等養成の充実 

7. その他
○ 教員免許の国家資格化(国家試験による)の検討

5 今後取り組むべき課題

目指すべき方向の実現に向け、実現可能なものから段階的に取組を推進。

お問合せ先

初等中等教育局教職員課

-- 登録:平成23年10月 --