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資料4.岩波委員からのご意見

2010年11月26日

中央教育審議会
キャリア教育・職業教育特別部会
部会長  田村哲夫 殿

 11月29日の第30回特別部会に出席することができません。
 答申の最終取りまとめにあたり、下記の通り所感を申し述べさせていただきます。

日本経済団体連合会教育問題委員会
企画部会長 岩波利光
(日本電気株式会社代表取締役副社長)

 記

 1.答申内容の早期具体化を

 2年間にわたる委員各位の熱心な討議によって、キャリア教育・職業教育の必要性とそのための課題は、十分に整理されたと思います。今後大事なことは、就職や職業に悩む若者たちに希望を与え、グローバルな競争の中で人材確保に悩んでいる企業の期待にこたえられるよう、早期に答申の内容を文部科学行政や各学校段階での施策、取り組みとして具体化し、実施することです。
 既に、大学でのキャリア教育・職業教育も、小中学校段階で行われている「出前教育」も、数多くの先進的な取り組みが展開されています。問題は、それらの取り組みが、それぞれの学校や先生、支援企業等の熱意とボランティアに支えられていること、その結果、事例や経験がその学校の中だけにとどまって、地域や教育行政のレベルで十分共有されないことです。
 今後具体策の推進にあたっては、こうした先進事例や経験、知恵やノウハウを共有化し、スピード感のある取り組みとすることが重要です。文部科学省をはじめとする行政当局、各地の教育委員会のリーダーシップに期待します。
 

 2.持続可能な制度の構築を

 キャリア教育・職業教育は、社会総がかりで取り組むべき課題であり、経済界として、引き続き協力して参ります。
 しかし、今はまだ、企業の負担も限定的ですが、全国の学校でこうした取り組みがあまねく行なわれるようになると、企業にとって社会貢献として実施できる限界を超える可能性があります。
 学校と企業をつなぐコーディネータの育成・確保をはじめ、持続可能なキャリア教育体制を構築し、維持、運用していくための具体的な検討が重要です。
 学校、地方自治体、教育委員会、国、企業が、それぞれどういう役割を果たすべきかの議論は、必ずしも十分行われたとは言えず、今後の課題として残っていると思います。
 

 3.「新たな枠組み」については横断的視野に立った検討を

 職業実践的な教育に特化した枠組み(「新たな枠組み」)の具体化について、今後さらに検討を行うことに賛成です。高等教育を複線化し、学生の選択肢を増やすことは大いに意味のあることですが、わが国の18歳人口が減少を続ける中、本テーマは、「新たな枠組み」を作るかどうかのみにとどまらず、大学のあり方など、高等教育全体に関わる問題です。厚生労働省や経済産業省など他省庁が運営している機関や施設、施策との関係にも十分留意し、横断的視野に立った検討が行われるよう期待します。
 

 4.大学等高等教育の継続的改善を

 企業に就職する人材の質の確保は、企業にとって最大の関心事です。わが国の大学進学率が50%を超え、大学卒業生の多くが企業に就職する現状からは、企業としては、まず大学等既存の高等教育機関におけるキャリア・職業教育の充実に期待せざるを得ません。
 大学設置基準にキャリアガイダンスが明示され、各大学がキャリア教育・職業教育の充実に向け取り組んでおられることを高く評価しています。教育内容が、常に時代の要請にあったものとなるよう、教育界は引き続き改善に取り組んでいただきたいと思います。経済界としても、教育内容に経済や産業の現状や課題が反映されるよう、経済界の求める人材像や素質・能力を明らかにし、教育界に伝えるとともに、出前授業やインターンシップなどを含め、従来以上に連携を強化して参ります。

 

 

                                  以上

お問合せ先

生涯学習政策局政策課(内線3458)

-- 登録:平成22年12月 --