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資料1.キャリア教育・職業教育特別部会(第29回)概要(案)

【日時】 平成22年11月16日(火曜日)10時00分~12時00分

【場所】 文部科学省 3F1特別会議室(東館3階)

 

○日本私立大学団体連合会、日本私立短期大学協会、全国専修学校各種学校総連合会、日本教職員組合より、それぞれ意見発表の後、質疑応答が行われた。その後、事務局から、答申素案修正案と専修学校の検討状況に関する資料説明が行われた。概要は以下のとおり。

(寺田委員)

○現在の枠組みの中でも私立大学は幅広く職業教育を行っているとのことだが、この職業教育はどのような性質のものを指しているか。

(日本私立大学団体連合会)

○一つは資格につながる部分がある。また、現在の製造業をみてもラインで働くような人は少ないため、従来の高校卒業者が就いていた職業訓練的な意味ではないのではないか。また、大学で一般教養から行う、研究者になるための教育とは、明確に違うと考える。
○ある職業の作業者としてではなく、その中でいろいろ展開していくような人は日本で望まれているのではないか。
○匠の教育は理解できるが、そのような人は何万人もいらないため少しピントが外れているのではないか。

(川越委員)

○大学が機能別分化し、多様な幅広い教育を行っているが、本来大学は学問研究の府であり、専門学校のような即時性の教育ではなく、対峙性の教育が大学の本質という話もあった。対峙性の高い学問研究をする大学で、専門学校のような即時性の高い教育を行うことは矛盾があるのではないか。
○新しい高等教育機関ができれば、大学からの移行の選択肢もあり、概念的な整理もできるのではないか。

(日本私立大学団体連合会)

○新しい枠組みの目指す内容の必要性は高いと思うが、それをどこが行うかは問題。現在の大学の中で併存して行う可能性も考えられる。つまり、設置基準の問題の方が大きい。
○対峙性と即時性の問題はそのとおり。高等教育が全体として果たすべき役割やどの部門でどれくらいのことを行わなければならないかについて、これまでは大学がそれぞれ孤立していたこともあり、共通して行うことが薄かったが、全体で共通認識を持ち、協力して進めていくことが必要。ここで指摘されているような教育へ大学から移るところは、当然出てくるのではないか。

(吉本委員)

○資料2の3ページ5の2について、ポリテクニクはそのとおりだが、2000年以降の学位資格枠組みの展開は違っていて、二元的なものを大学などの機関ではなく、プログラムとしていろんなタイプの機関が提供できるものを認定し、アカデミックと職業的なものの二元的なものを統一していこうという動き。

(日本私立大学団体連合会)

○必ずしも日本が一元化しないといけないといっているわけではない。どういうやり方をするかは日本の歴史的な状況と現実を踏まえ検討してほしいということ。

(川越委員)

○短期大学の教育は、教養教育、職業教育のバランスが重要ということだが、専門学校の場合、職業教育の柱が中心であり、その過程として社会人として必要な人間教育を加味している。短期大学の場合、教養教育と職業教育のバランスはどのようにお考えか。

(日本私立短期大学協会)

○大学における教養教育は二面あり、一面は学生を良き市民としての素質を身に付けさせ社会化していくこと。もう一面は、脱社会化の側面であり、本質的に現状を放置して良いかという視点で自分たちの存在全体を見返していく教育が必要。
○具体的に職業に就くこととそういう教養教育は離れた対概念になるわけだが、それを一つにまとめて学生の社会人としての資質をつくるところに大学・短期大学の使命がある。

(板東局長)

○資料2の8ページ(4)で、高等教育機関とすることは不適切とあるがこの理由と、(5)編入学等の接続において極めて重要な問題が発生するとあるが、重要な問題の発生の具体的な部分をご説明いただきたい。

(日本私立短期大学協会)

○今後の検討の中でどれだけ明確にされるかにかかっているのではないか。十分な検討が進み、様々な危惧の面を払うことができればと考えている。今の段階では、時期尚早であり、高等教育機関における現在の学校教育体系の中での役割を十分に果たすことが必要。

(板東局長)

○特に(4)で、「実践的・創造的な職業人」の養成をもって、高等教育機関とすることは不適切とあるが、短大、大学で行うことも不適切ととらえる可能性があるのではないか。

(日本私立短期大学協会)

○学位授与権を与える高等教育機関としては不適切と考えている。称号や、学校種としてかプログラムとしてかという部分と重なってくると考える。

(佐藤義雄委員)

○専門高校には、職業について興味関心を持ちさらに学びたいという生徒が多くいるとともに、卒業生にも学び直しを希望する者もいる。職業人として求められる仕事のレベルが高度化しており、学び直し等の生徒への対応を考えた場合、8ページの(5)新たな枠組みの制度上の位置づけや、(6)教育課程編成と修業年限のご意見について、このような生徒への対応として、どのような枠組みや入学の仕方を含めてお考えか。

(日本私立短期大学協会)

○答申素案の高等教育部分では、「高校生が職業に就くための能力について、大学・短期大学で学習したいと希望しているにも係わらず、大学・短期大学がそれに応えていないのではないか」という方向での検討がされており、我々の努力の足りないところがあるのではないかと考える。
○大学・短期大学は専門高校や総合系高校の学習者を受け入れる努力を大きく進めているところ。
○高等学校教育が、戦後様々な屈折点を経て、今日の状況になっており、人生や働くことについてなど、キャリア形成の根幹に係わる話をすることが少なくなっているが、専門教育を進める高等学校のレポートを読むと、丁寧に工夫をして演習・実習を行う教育実践の例も多く、大学・短期大学において更に、豊かな実を結んでいただくことが大切と考えている。

(田村部会長)

○(4)の考え方だが、不適切ではないという前提で議論をしてきた。匠という言葉の意味が様々あると思うが、例えばドイツのバウハウスの実験など世界中で様々な取り組みが行われており、「実践的・創造的な職業人」を養成することは、高等教育機関で行うのは当然という大前提で議論をしており、不適切であれば変化する時代に対応できないと考えている。

(日本私立短期大学協会)

○バウハウスは一つのモデルとして大事な要素。バウハウスのような体系と、日本における短期大学・大学のような「大学」としての学校種とは、体系が本質的に異なっており、行われるトレーニングも別様のものがあると考える。

(中込委員)

○(4)の「実践的・創造的な職業人」は、どのような人材をイメージしているか。学位が授与できないと高等教育機関ではないという話だが、「実践的・創造的な職業人」は高等教育機関では育成しないということか。
○(7)では、配分されるお金の問題が書かれているが、教育者は学校のための学校運営ではなく、学生のための学校運営の重さを認識していくことが必要。

(日本私立短期大学協会)

○学位授与権を持っていなければ、高等教育機関でないかといえば、そのようには考えていない。新しい枠組みの学校種が、大学という既存の教育体系と肩を並べる形で平行関係としてとらえているとすれば慎重な検討が必要。
○国際通用性の部分では、プログラムを次々と生み出すことで、高等教育としての役割がさらに進められていることもあり、高等教育は学位授与権を持つか持たないかで判断することにはならないと考える。

(川越委員)

○新たな枠組みについて、疑問を持たれているが、専門学校は学校ではなく、また、専門学校の学生は学校ではないという状況でいいというお考えか。

(日本教職員組合)

○専修学校の中には、現行の一条校ではできない独自のカリキュラムを取り組んでいるところもあり敬意を表している。これらを学校ではないとして議論はしておらず、新しい枠組みにしていくことの疑問点を表しているところ。

(荒瀬委員) 

○「小学校等の年齢の低い段階から、キャリア教育の形ではなく、多様な体験を」というお話があったが、多様な体験そのものが、キャリア教育の視点で、子どもが成長していく中で社会とどうかかわって生きていくのか考えていくことが一番大切なところ。
○職場体験等のみをやることがキャリア教育という誤解もあるが、新しいものを入れることがキャリア教育ではなく、全体として多様な体験そのものがキャリア教育につながる方向性を持っていくべきと考える。

(日本教職員組合)

○日常の学力の形成や学びの出会い、体験など骨太の教育を義務教育段階での基礎的汎用力として形作っていくことが大事であり、矛盾したことを言っているのではなく、重なる部分もあると考える。

(荒瀬委員)

○学校の中に、○○教育と呼ばれるものが入ってきて、学校現場が困っている部分はある。今回の学習指導要領の柱になっているキャリア教育の意味合いを組織的にも広げていっていただきたい。

(寺田委員)

○高校普通科は、高卒就職の最大の学科であり約4割と高い。一方、早期離職も一番高く、三重県のデータでも45%ほどで、専門高校は28%ほど。他方、専門高校も、求人が数分の一に減少しており、就職も困難で、就職しても早期離職など、将来のキャリア形成の点で大卒に押されていることが様々な研究で明らかとなっている。
○今回、キャリア教育の指摘はあるが、職業教育の観点が少ない。専門高校の校長会などは、専門大学の構想を打ち出しているが、高等教育段階の職業教育については、どのような展望をお持ちか。

(日本教職員組合)

○キャリア教育は、連続する一生を通じてのデザインという議論だが、職業教育は、職業技術教育を含めた対応と認識している。普通高校にこそ、幅広い職業に関する教養が必要と考えている。
○高等教育についても職業教育だけでいいのかは疑問。幅広い人文学的な、文学、哲学などとも相まって人格の完成がなされるべきではないか。

(吉本委員)

○普通高校の中での職業教育として「産業社会と人間」を必須にすることは、高校の現場でどのように考えているか。

(日本教職員組合)

○進学校では、受験勉強が中心であり、就職は先でまずは難関大学にという状況があるが、そうではなく、いつかは職に就くという観点から普通高校で「産業社会と人間」を1年生から何単位か共通に学ぶことは必要。

(荒瀬委員)

○「産業社会と人間」を教えることを学校が十分理解していないと「産業社会と人間」を使った教育が進むのかも考えないといけない。
○いわゆる進学校はどこにもなく、いわゆる生徒がどこにもいないのと同様で、それぞれの学校がそれぞれの課題に取り組んでおり、大学にたくさん入るからそのような教育が行われているという誤解に基づく指導が、工業高校は普通科高校と比べてレベルが低いという思いにつながる。既成の固定化された評価から離れていくことが、キャリア教育・職業教育を考えて行く上では重要。

(日本教職員組合)

○「産業社会と人間」を機械的に設置すればいいという議論とは考えていない。総合学習など様々なものを使っていくことを考えている。

(田村部会長)

○特別部会の議論の大事なポイントとしては、学ぶ立場を重要視している。学ぶ立場で、キャリア教育・職業教育を考えると、最終的に高等教育にも「新たな枠組み」という形があることを考えないと、学ぶ側が行き詰まりうまくいかないという考え方が基本にある。
○「高等教育機関で職業教育あるいはキャリア教育を統一的にやるのはいかがか」というご指摘の趣旨は分かるが、学ぶ人間からすると高等教育も行っていることで大事と感じ取ることができる。何かいい道はないかということで、新たな枠組みを提案しており、学ぶ側からすると大事なことではないかと考えている。 

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生涯学習政策局政策課(内線3458)

-- 登録:平成22年12月 --