[2]高等学校におけるキャリア教育の論点と基本的な考え方:文部科学省
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[2]高等学校におけるキャリア教育の論点と基本的な考え方

1.高等学校におけるキャリア教育の重要性

(1)子どもの発達を支援するキャリア教育の必要性

○ 個々人のキャリア(※1)の形成にとって重要なことは、社会への移行に当たり、確固とした勤労観、職業観とともに、自らの責任で社会的・職業的自立に必要な能力・態度を身に付けていくことにある。

○ とりわけ、初等中等教育段階では、キャリアが児童生徒の発達段階における発達課題の達成を通して段階を追って発達していくことから、児童生徒一人一人のキャリア発達を支援していくことが重要となる。

○ キャリア教育は、一人一人が段階を追って発達していくことを踏まえて、児童生徒が学校、家庭、地域で「学ぶこと」や「働くこと」に意欲的に取り組み、「生きること」を実感できるよう、意図的、継続的に学習や活動を展開するところにその特質がある。このため、キャリア教育は、各学校段階を通じて、家庭や地域との連携の下、体系的に推進することが重要である。

(2)高等学校におけるキャリア教育の重要性

○ 高等学校段階は、キャリア発達の段階から見れば、進路の現実的探索を深化させ社会・職業への移行を準備する時期である。この時期の主な発達課題は、自己理解を深め、自己を受容できること、多様な生き方や進路・職業の理解に立って、それらの選択基準ともなるべき勤労観、職業観を発達させること、それらを基に自己の将来を設計し、進路計画を立案すること、そして、その現実的吟味を十分行い、意欲的に試行して、社会的移行の準備を行うことなどをあげることができ、極めて広範かつ多様である。また、高校生の学習意欲の低下(※2)が課題となっている。

○ 今回、今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方を検討するに当たっては、学生・生徒の「学ぶこと」や「働くこと」への意欲や積極的な態度をどのように育てていくか、また、学校から社会・職業への円滑な移行に必要な能力、すなわち社会人・職業人として自立するために必要な能力を身に付けているか否かという点が喫緊の課題である。とりわけ高等学校段階においては、キャリア教育の充実を図ることによって、すべての生徒に、「学ぶこと」や「働くこと」への意欲を高め、社会人・職業人として自立するために必要な能力をはぐくむことが必要であると強く認識された。


※1 ここでいうキャリアとは、「個々人が生涯にわたって遂行する様々な立場や役割の連鎖及びその過程における自己と働くこととの関係付けや価値付けの累積」である。

※2 平成17年度「高等学校教育課程実施状況調査」によると、高等学校第3学年の11月時点において、平日における学校の授業以外の学習時間について「全く,または,ほとんどしない」と回答した者が約39.3%存在している。

(3)キャリア教育の法的な位置付けの明確化と学習指導要領の改訂(※1)

○ 改正教育基本法には、教育の目標の一つとして、「職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと」が新たに規定された。それを踏まえ、改正学校教育法では、高等学校の目的において「心身の発達及び進路に応じて」とされ、この目的を実現するための目標と併せてキャリア教育に関する規定が明確化された。

○ また、高等学校学習指導要領は、共通性と多様性のバランスを重視して改訂された。この中では、総則の「教育課程の編成・実施に当たって配慮すべき事項」において、「地域や学校の実態,生徒の特性,進路等を考慮」すること、「地域や産業界等との連携を図り,産業現場等における長期間の実習を取り入れるなどの就業体験の機会を積極的に設ける」こと、「地域や産業界等の人々の協力を積極的に得るよう配慮する」ことが「キャリア教育を推進するため」であることが新たに明記されるとともに、特別活動における就業体験活動の充実など、キャリア教育の推進が明確に記述された。

(4)高校生の多様化

○ 高等学校は、中学校卒業者の約97%が進学する教育機関(※2)であり、

  1. 高等教育を受ける基礎として必要な教育を求める者、
  2. 就職等に必要な専門教育を希望する者、
  3. 義務教育段階での学習内容の確実な定着を必要とする者

 など、生徒のニーズは多様化している。このような生徒の多様化に応じた教育を行うことができるよう、各学科や課程が設けられ、多様な内容を様々な方法で学ぶことができる仕組み(※3)となっている。この多様な仕組みの中で、キャリア教育を教育活動全体としてどのように進めていくのかが課題である。

○ また、6.(1)で述べている部分でも分かるように、高等学校におけるキャリア教育の取組は必ずしも十分とはいえない現状にある。さらに、教育振興基本計画においては、「特に,(略)普通科高等学校におけるキャリア教育を推進する」とされているように、現在の普通科が抱える課題を踏まえると、特に普通科におけるキャリア教育の充実を優先的に検討していくことが必要である。


※1 キャリア教育に関する国の動きについては、参考資料28ページ参照。

※2 中学校卒業者の進路状況については、参考資料4ページ参照。

※3 高等学校の目的・目標、制度の概要については、参考資料6ページ参照。

(5)高等学校卒業後の進路の変化

○ 高等学校をめぐるキャリア教育については、次のような卒業後の進路の変化を踏まえて検討することが必要である。

1.高等学校卒業後、就職して社会に出る者は、昭和40年代をピークに大学等に進学する者と比べて圧倒的多数を占めていた。平成10年には大学(学部)からの就職者数が、平成16年には専門学校からの就職者数が、高等学校からの就職者数を上回り、高等学校の置かれている環境は変化しているものの、現在でも約20万人が高等学校卒業後に就職して社会に出ており、高等学校を卒業した後、就職して社会に出る者に対する教育を充実することの重要性は変わっていない(※1)。
 特に、普通科の卒業者のうち就職した者の割合は、近年10%弱で推移している(※2)が、就職者数を見ると、約7万5000人とほかの学科と比べても最も多い人数である。また、普通科の中でも、就職者が一定の割合を占めている学校もあるなど、普通科としてひとくくりにはできないという指摘もある。

2.大学・短期大学への進学率は上昇傾向にある。この傾向は、普通科だけでなく、専門学科でも見られる傾向であり、学科にかかわらず高等教育への進学率が高まっている(※3)。こうした動きに伴い、高等学校の教育と職業準備へのつながりが弱いために、若者が自分の将来の生き方や職業について考えたり選択・決定したりすることを先送りする傾向が強くなり、進学も就職もしようとしない者や、進路意識や目的意識が希薄なまま「とりあえず」進学する者が増加していることが指摘されている。特に、高等教育機関への進学率が高い普通科にこのような傾向が強いという指摘もある。
 また、高等学校においては、これまで大学入試の選抜機能を背景にして、学習意欲を喚起させる指導を行ってきた側面があるという指摘もあるが、いわゆる大学全入時代においては、多くの大学が入試によって入学者の学力水準を担保することが困難な状況になりつつあり、学習意欲の向上や学習習慣の確立という観点から、高等学校における指導の改善・充実を図る必要がある。

3.高等学校卒業後に進学も就職もしない割合は、平成20年3月で約4.9%存在している。学科別に見ると、普通科の卒業生の割合が約5.3%となっており、専門学科・総合学科と比べて高い(※4)。都道府県別に見ると、最大で約16%の差があり、地域によって状況が異なっている。また、専門学科・総合学科よりも普通科の卒業生の方が、正規に雇用されている者の割合が低いといった調査もある(※5)。さらに、就職後においても約5割が3年以内に離職しており(※6)、高等学校において社会的・職業的自立に向けた指導・支援を行うことが十分にできていない状況がうかがわれる。

4.このような中、学校での学習、特に普通教科や科目の学習内容と実生活や社会・職業とのつながりが希薄であるため、学ぶことの意義や目的、あるいは教科・科目やコースを選択することの意味を見いだすことができていない状況がうかがわれる。


※1 学校種別の就職者数の推移については、参考資料49ページ参照。

※2 普通科の卒業者の進路状況の推移については、参考資料15ページ参照。

※3 専門学科の卒業者の進路状況の推移については、参考資料15ページ参照。

※4 高等学校卒業後、進学も就職もしていない者の割合については、参考資料17~18ページ参照。

※5 学歴別の正社員割合については、参考資料51ページ参照。

※6 新規学卒就職者の3年以内の離職率については、参考資料52ページ参照。

(6)高等学校におけるキャリア教育の方向性

○ これまで見てきたような状況を踏まえると、高等学校においては、社会で生活を築き、自立して生きていくために高等学校で何を学ぶべきか、何を学ばなければならないかという視点が必ずしも十分意識されていなかったと考えられる。

○ これからの高等学校教育においては、「学ぶこと」や「働くこと」への意欲や積極的な態度を育てるとともに、卒業後の進路を問わず、高等学校卒業の段階において、社会の中で自らのキャリア形成を計画し、実行できる力を育成しておくことが重要である。このような力を育成するために、高等学校におけるキャリア教育の充実を図るとともに、各学校がキャリア教育に積極的に取り組んでいくことが極めて重要である。

2.推進方策、指導の在り方

(1)組織的・計画的なキャリア教育の実践

○ 高等学校のキャリア教育においては、社会的・職業的自立に向け、生涯にわたり社会の一員として、他者とのかかわりの中で自己実現していくことを前提として、発達段階を踏まえ、高等学校でどういった資質・能力の育成を行うべきかという観点で考えることが大切である。

○ 新たな高等学校学習指導要領においては、関係教科・科目、特別活動、総合的な学習の時間などに、それぞれキャリア教育に関連する指導内容が含まれており、学校のすべての教育活動を通じた3年間の組織的・計画的なキャリア教育を実践することが必要である。

○ その際には、小学校から高等学校までの教育課程の共通性を考えると、まずはこれまで進路指導の中核的な実践の場である特別活動、とりわけ学級活動やホームルーム活動を有効に活用することが重要である。(ただし、これはキャリア教育は特別活動のみで取り組めばよいということを意味するものではないことは当然のことである。)

○ また、今回の学習指導要領の改訂においては、子どもたちの思考力・判断力・表現力等をはぐくむために教科における学習活動の充実が図られている。この思考力・判断力・表現力等は、変化の激しい社会で自立的に生きる上で重要な能力であり、キャリア教育とも密接に関連している。キャリア教育を実践するためには、授業の中で生徒が主体的に取り組める場を提供するなど、教科の中での学習活動の充実が欠かせない。

○ 教科の中でのキャリア教育の実践は、新たな教育内容を追加するものではない。教科の学習内容の中には、学校段階や教科の特質に応じ、既に社会的・職業的自立を促していく指導内容が数多く含まれている。また、内容面では直接かかわりがなくても、例えばグループ活動や意見発表などを効果的に取り入れるなど、指導方法を工夫することによって、キャリア教育が目指している能力育成につながる活動も十分に考えられる。

○ 大切なことは、キャリア教育の視点が、「授業を変える」きっかけを作るということであって、「なぜ学ぶのか」「何を学んでいるのか理解しているか」「学んだことをどのように使っていくのか理解しているか」ということを気づかせるような指導が必要である。そのためには、教員が教科指導に当たって、キャリア教育の視点を取り入れるように努めるとともに、指導の在り方の研究や教材の開発、良い取組事例の収集・情報提供などを充実していくことが望まれる。

○ このようなキャリア教育の実践に取り組んでいくためには、生徒のキャリア発達の多様性に配慮しながら、校長のリーダーシップの下、計画的に取組を推進することが重要である。生徒の発達段階を踏まえた上で、卒業時にどのような力を持った生徒を育成するのか、学校の教育目標等の中に位置付け、それを年間指導計画や各教科等の指導計画の作成に反映することが必要である。その際、生徒が社会・職業へ移行していくための課題は学校によって異なっていることから、学校ごとに生徒の状況や環境を十分に把握し、それを解決できるように計画を立案していくことが重要である。

○ また、都道府県教育委員会等は、地域の産業界において、高等学校卒業者の人材のニーズがどのようなところにあるのかなどを十分に踏まえた上で、どのような生徒を育成していくのかを検討することが必要である。

(2)キャリア教育の中核となる時間の明確化の検討

○ キャリア教育は学校のすべての教育活動を通じて行われるものであるが、学校現場の中には、具体的な活動の相互の関連性が薄く、学習成果の評価があいまいであったり、インターンシップを実施することのみをもってキャリア教育を行ったこととされたりしているなど、誤った理解がされている場合も見られるとの指摘もある。

○ 今後、キャリア教育の充実を一層図るためには、キャリア教育の進め方について、関係者の一層の理解を深めていくことが必要であるが、それとともに、キャリア教育の中核となる時間を教育課程に明確に位置付けることが必要ではないかとの意見が多く出された。

○ 例えば、総合学科において原則履修科目とされている「産業社会と人間」(※1)は、就業体験や企業見学などの体験的な学習、社会人や地域の人々の講話、調査研究、発表、討論などを通して、産業社会の実際について学習し、自らの在り方生き方、将来の進路について、「なぜ、何のために学ぶのか」「そのためにはどの科目を選ぶべきか」などについて生徒に考えさせることを目指した科目である。総合学科では、この科目の履修を通して、生徒の学習に対する姿勢や態度、目的意識や進路意識の向上につなげることを目指している。

○ この「産業社会と人間」又はそれに類するような教科・科目等について、普通科や専門学科においても、キャリア教育の中核となる時間として教育課程に明確に位置付けることについては、

  • 高等学校の場合、小・中学校に比べ、個々の生徒のキャリア形成に対する支援がより必要であること、また、社会の様々な情報により多く触れる時期であることから有効ではないか。
  • このような教科・科目等を設けることが、教員のキャリア教育に関する資質の向上にもつながるのではないか。

    といった肯定的な意見のほか、

  • 「産業社会と人間」については、全国の総合学科における取組に差があり、学校に任せっきりにしてしまうと、うまくいかない可能性が高い。
  • 体系的なキャリア教育の推進という観点から見ると、キャリア教育の中核となる時間が設けられていない小・中学校学習指導要領との整理が必要である。
  • このような教科・科目等には、ある程度教材を用意しないと、全体的な質を高めることができない。

    などの慎重な意見もあり、更に検討が必要である。

○ また、検討の際には、「産業社会と人間」の成果と課題について検証するとともに、「産業社会と人間」の内容のどの部分が総合学科以外でも効果的であるのか、さらには、ほかの学科で実施する場合の指導内容にどのような内容が考えられるのかなどについても検討が必要である。


※1 「産業社会と人間」の概要・取組例については、参考資料35~38ページ参照。なお、「産業社会と人間」は、総合学科以外の学科では学校設定教科に関する科目として設けることができ、その開設状況(平成19年度)は、普通科では約0.8%、専門学科では約0.7%である。(文部科学省「平成19年度 公立高等学校における教育課程の編成・実施状況調査」より)

(3)キャリア教育に関する活動の検証の実施

○ 学校がキャリア教育に関する目標を設定し、その目標を達成するための計画及び実践を行い、更に検証を行ってより効果的な実践に発展させていくためには、適切な学校評価を行うことが重要である。

○ キャリア教育は、教科・科目の学習や、総合的な学習の時間、特別活動など、学校の様々な場面で行われているが、自らの学校が目指す生徒像と、その生徒像に向けて各教科・科目等を通じて具体的にどのような資質や能力を育成しようとし、それぞれの教育活動を組み合わせていくのかを明確にした上で、評価を行うことが必要である。その際、評価の視点としては、生徒の発達段階に応じて、「なぜ学ぶのか」「何を学んでいるのか理解しているか」「学んだことをどのように使っていくか理解しているか」という学習の観点から確認していくことが望ましい。

○ また、それぞれの活動が目標の達成に向けて連続性を持っているかどうかなどといった観点から学校評価を行うことが必要である。

(4)キャリア教育に関する学習活動の過程や成果に関する情報の集積と活用

○ 組織的・計画的なキャリア教育を推進するためには、生徒が各学校段階でどのような学習を行い、何を身に付けてきたか、学習活動の過程や成果に関する情報を集積していくことが必要である。

○ また、生徒のキャリア教育に関する活動を次の学校に引き継いでいく仕組みが十分にできておらず、それぞれの学習活動が「点」であって、    「線」でつなぐことができていないのではないかという指摘がある。このような情報の集積と引継ぎは、生徒が自らの振り返りの材料とするように教員が適切に指導するとともに、その情報を学校の指導の参考とするようにしていくことが重要である。

○ このような学習活動の過程・成果に関する情報を集積・活用する仕組みとして、学習ポートフォリオを作成し、次の学校へ引き継いでいくことについては、

  • キャリア教育は振り返りであり、生徒の振り返りや学校の指導に活用する仕組みは重要である。

との意見があったほか、

  • 集積した情報を効果的に活用する教育プログラムを同時に開発することが必要である。
  • 中学校から高等学校、高等学校から大学へと引き継いでいくためには、それぞれのポートフォリオを評価する仕組みも必要である。
  • 入学者選抜で活用されるための方策についても検討が必要である。

などの意見があったところであり、更に検討が必要である。

3.推進体制の整備

(1)キャリア教育に関する知見を有する教員の養成・研修

○ 社会的・職業的自立の具体化が迫られる高等学校において生徒のキャリア発達を支援するためには、すべての教員がキャリア教育の重要性について理解を深めるとともに、一人一人に対するきめ細かな指導・援助を行うキャリア・カウンセリングの充実が重要である。キャリア・カウンセリングには、専門的な知識や技能などが求められることから、こうした専門性を身に付けた教員を確保していく必要があるが、基本的なキャリア・カウンセリングについては、すべての教員が行うことができるようになることが望まれる。

○ このため、独立行政法人教員研修センターなどにおいて、キャリア教育に関する基本的な研修や、キャリア・カウンセリング等の専門性を身に付けた教職員を確保していくための研修、体系的なキャリア教育を実践するためのカリキュラム・マネジメントの研修等の充実を図っていくことが必要である。国は、それらの研修を都道府県におけるキャリア教育に関する研修指導者の養成として位置付け、また、各都道府県教育委員会等においては、国の研修を受講した者を講師として活用するなど、すべての教職員を対象にしたキャリア教育に関する研修を一層積極的に取り入れていくべきである。さらに、研修については、生徒の多様なニーズに配慮した学校独自のカリキュラム開発の要素を取り入れていくべきである。

○ また、キャリア教育は学校のすべての教育活動にかかわるものであり、校長のリーダーシップは欠かせない。校長・副校長・教頭等が、キャリア教育の理解の促進を図ることが望ましいことから、管理職養成研修などにキャリア教育に関する講座等を取り入れることが必要である。

○ 上記に加え、教員がキャリア教育に関する資質・能力を確実に身に付けることができるよう、教職課程や免許状更新講習において、キャリア教育に関する教材を大学に提供するなど積極的に支援していくことが必要である。

○ また、キャリア・カウンセリングの専門人材の学校への配置も考えられる。

(2)校内体制の整備

○ キャリア教育を円滑に実施するためには、校長のリーダーシップの下、教科指導、生徒指導、進路指導などや学年主任といった各分掌との関連を考え、例えば、    キャリア教育に関する目標や計画をまとめ、計画に沿った教育活動を実施していくこと、あるいは、教員がキャリア教育を進めるに当たって、教材開発などへの具体的な支援を行うなど、校内の活動全体の調整や校外の関係者との窓口となるような教員やその他の人材を位置付けていくことが必要である。また、この教員等が中心となって、例えば教務主任を含めた複数の教員でキャリア教育を担当するチームを設置するなど、学校の教育目標や各生徒の学習状況を全体で共有し、組織的にキャリア教育を推進するための校内体制を整備していくことが必要である。

○ とりわけ、卒業時における適切な進路決定を導く進路指導と、子どもの発達を重視したキャリア教育における活動が全体として一貫した教育活動になることが望ましいことから、実際の運営では、校長が全体を統括しながら、教頭や進路指導主事、教務主任が中心となるか、あるいは中心となる教員等との緊密な連携体制を整備することが望ましい。

(3)学校外との協力体制の整備

○ キャリア教育を効果的に進めるためには、地域・関係機関や家庭との連携・協力は欠かすことができない。このため、学校内の体制との有機的な連携を図りつつ、例えば、学校外で、

  1. 就業体験活動の受入れや職場の見学、あるいは教員への研修等について協力していただける企業等や地域社会との調整
  2. オープンキャンパスや「出前講座」などの活動に関する大学・専門学校等との連携・協力
  3. ほかの学校における事例の把握や小学校・中学校との連携・協力
  4. 保護者のキャリア教育に対する理解を促進するとともに、保護者の支援が必要な活動についての調整

などを行う者(調整役)などを確保して、学校外との協力体制を整備していくことが必要であるとの意見が出された。

○ このような者の確保については、高等学校ごとに行っていく場合もあるが、地元企業の負担などを考慮すると、一定の地域の学校がまとまりをもって調整していくといった効率的な方法も検討されるべきである。

○ また、このような者としてどのような人材が望ましいかについては、学校のことをよく知っていることが必要という意見と、地域の産業界などのことをよく知っていることが必要という意見が出されたが、学校教育と社会・職業をつなぐという機能を踏まえると、どちらの情報も重要であるという観点で考えるべきであり、場合によっては、複数の人数で担当することも考えられる。なお、地域によっては、このような活動を既に行っている個人やNPOなども存在しており、このような団体などとの連携も積極的に検討されるべきである。

○ さらに、都道府県の教育センターや教育事務所単位などに、学校と外部との連携や校内の体制整備等について指導や助言を行う者    を置き、外部機関との連携や、外部人材の学校への派遣、卒業生の事後指導など、高等学校におけるキャリア教育を総合的に支援していくことも必要である。高等学校やキャリア教育に関する知見を十分に有する者が、地元企業や労働関係部局等と連携を図りながら、教頭や進路指導主事等を中心とする高等学校のキャリア教育の推進体制についても指導や助言を行い、学校の内外における協力体制の潤滑油としての機能を果たすことは、キャリア教育の推進に当たって非常に効果的であると考えられる。

○ このように、学校外との連携に当たっては、それぞれの地域において、校内、校外それぞれに必要な機能を明確にした上で、その機能に応じて必要な人材を適切に配置していくことが必要であり、今後、配置の在り方や職務内容などについて、更に検討していくことが必要である。

4.中学校と高等学校間、高等学校間、高等学校と大学・専修学校間の連携・協力

(1)中学校と高等学校の連携・協力

○ 組織的・計画的なキャリア教育を行うためには、学校段階の円滑な接続を図ることが求められる。このため、各学校段階を通じて一貫したキャリア教育の推進体制を構築することが必要である。

○ その際、2.(4)で述べているように、生徒のキャリア教育に関する学習の過程や成果の情報を集積すること    により、中学校における職場体験活動等の学習活動の履歴を高等学校に引き継いでいくとともに、授業公開を互いに行うなど、中学校と高等学校の教員の連携・協力を積極的に進めていくことが必要である。

○ また、高等学校においては、生徒の発達課題に関する情報を中学校と共有するなど、入学段階における生徒のキャリア発達について十分理解した上で、キャリア教育に取り組むことなどが考えられる。

○ さらに、都道府県教育委員会等においては、キャリア教育の推進の観点から、中学校と高等学校の教員の人事交流を進めることも有効であると考える。

(2)(高等学校におけるキャリア教育の充実という観点からの)中学校までのキャリア教育の充実

○ キャリア教育は、各学校段階を通じて一貫して行うことが必要であり、高等学校における組織的・計画的なキャリア教育の推進に当たっては、中学校までにおけるキャリア教育の充実が必要である。

○ 中学校においても、高等学校同様に、校内体制の整備、学校内外の協力体制の整備などとともに、研修の充実等による教員の質の向上が必要である。

○ なお、中学校におけるキャリア教育の充実に当たっても、3.(3)に述べられた都道府県の教育センターや教育事務所単位などに置かれる学校と外部との連携や校内の体制整備等について指導や助言を行う者が、中学校におけるキャリア教育に関して指導や助言を行うことも効果的であると考えられる。

(3)普通科と専門学科・総合学科間の連携・協力

○ 生徒の興味・関心及び進路希望等に適切に対応するためには、普通科と専門学科・総合学科それぞれの教育力をいかした協力や、各学校独自で行われている先進的な取組を学校間で共有・交流していくことが必要である。そのため、学校間連携を一層充実させるような方策や 、都道府県教育委員会等が、そのような取組を学校間で共有できるような仕組みを構築することについて、検討が必要である。

(4)高等学校と大学等の連携・協力

○ 高等学校と大学等の連携については、教育内容や方法等も含めた全体の接続が図られていくことが重要である。これまでも、オープンキャンパス、高校生の大学等の授業への参加や単位認定、大学等から高等学校への「出前講座」など、高大連携の取組は様々なものが行われているものの、単なる授業紹介にとどまる場合もあるなど、必ずしもキャリア教育の視点から取り組まれているとはいえず、また、いまだ散発的な状態にとどまっているのではないかという指摘もある。

○ 今後は、「大学等の向こうにある社会」を生徒に意識させたキャリア教育の視点から、連携・協力のための方策を工夫することが必要である。

○ 例えば、高等学校においては、在学中のキャリア教育に関する学習歴を残し、生徒が面接等の場面において活用することなどを行い、大学においては、入学段階における生徒のキャリア発達について十分理解した上で、生徒の発達課題を高等学校に伝えることによって高大連携事業に取り組むことなどが考えられる。

○ また、こうした連携事業を推進することで、高等学校卒業後、さらには、「大学等の向こうにある社会」における自立を意識した主体的な進路選択を、生徒自身が実施できることにつながると考えられる。

○ なお、この点については、大学等のキャリア教育・職業教育の在り方とも関連することから、どのような連携・協力が考えられるか、更に検討を深めることが必要である。

(5)高等学校と専修学校の連携・協力

○ 専修学校においては、高校生に対し、専門技術の実習等といった実技を体験する機会を提供しているほか、職業に就くために必要な知識・技能・資格等の事例を紹介する取組等が行われている。このような取組が、高校生の職業に対する理解を深め、将来の職業を見据えた進路について考える機会を与えることともなっている。高校生が職業意識を持って主体的な進路選択を行うことができるよう、専修学校、とりわけ専門学校と連携した職業教育の取組が、各地で一層行われることが必要である。

5.産業界や地域社会の人材の活用

○ 産業界や地域社会の様々な立場の方々には、職業人・社会人としての生き方、職業や職種、仕事の内容、仕事への思い、将来働く際に求められる能力などについて、知識や経験の豊富な方が数多くいる。このような方々を学校教育の中でいかしていく方法としては、2つの方法が考えられる。            

○ 一つは、就業体験活動の受入れや職場の見学、社会人講師としての講話など、生徒に直接伝える活動である。もう一つは、学んだことを将来どのように使うのか、地域の人材ニーズはどのようなものであるのか、といった意見を基にした教員向けのアドバイスや研修等の活動が考えられる。

○ また、企業の中には、時間や場所の問題で、職場での生徒の受入れには協力できなくても、そのほかの場面で協力していただける可能性もある。例えば、企業等や地域社会との調整役等が、学校教育への様々な支援方法があることを提示しつつ、協力を仰いでいくことなどが望まれる。

○ なお、外部人材による指導・支援を効果的なものにするためには、特に生徒に直接かかわる活動において、自らの学校のキャリア教育の目標や、当該活動の位置付け、生徒の状況について事前の共有を図ることが必要である。また、生徒に対しては、当該学習の意味や目的について、事前に考える機会を持つなど、計画的な指導計画を立てることが重要である。

6.就業体験活動等の体験活動の推進

(1)高等学校における就業体験活動の現状と課題

○ 高等学校では、キャリア教育推進のための方策の一つとして、就業体験活動(インターンシップ)が実施されている。平成19年度に国立教育政策研究所が行った調査(※1)によると、公立高等学校では約65%が何らかの形で実施をしている。

○ 詳細に見ると、公立高等学校(全日制・定時制)の普通科における就業体験活動の実施率は50%を超えているものの、卒業までに1回でも体験した普通科の生徒は約14.4%にとどまっており、ほかの学科と比べると相対的に少なく、また体験日数も短くなっている。

○ また、就業体験活動を実施している学校が、教育課程に位置付けているかどうかを見ると、夏休みにおける実施など教育課程外で実施している割合が半数近くになっており、学校教育として体系的なキャリア教育の実施が普及しているとは言い難い状況にある(※2)。


※1 公立高等学校におけるインターンシップの実施状況については、参考資料40~41ページ参照。

※2 平成16年度のデータであるが、国立教育政策研究所が行った「インターンシップ現状把握調査」によると、就業体験活動を実施した学校のうち、キャリア教育の視点を特に重視・意識した割合が約19.2%にすぎなかった。その後、キャリア教育の推進・充実が図られ、各学校のキャリア教育に対する理解が深まっていると思われるが、留意すべき参考指標の1つである。

(2)普通科における就業体験活動の推進

○ 就業体験活動は、その前後の活動と併せて考えると、職業や仕事の世界についての具体的・現実的理解の促進、勤労観・職業観の育成、自己の可能性や適性の理解、自己有用感等の獲得、学ぶことの意義の理解と学習意欲の向上等、様々な教育効果が期待されている。

○ 普通科では進学希望者が多くいるが、進学希望であっても、学校生活や社会生活の中では、高校生として、あるいは、年齢や立場によって、様々な役割があり、それらの役割を通じて、働くことの意義や意識を考えさせることが重要である。また、「大学等の向こうにある社会」を生徒に意識させ、就業体験活動等により体験させることにより、自己の将来について考えさせることが重要である。普通科では、職業に関する教科・科目をほとんど学ばない生徒もいることから、特定の職業に関する能力の向上を目的とするのではなく、将来の進路選択の幅を広げる観点から、就業体験活動など多様な体験の機会を与えることが重要である。

○ 今回の学習指導要領の改訂においては、教育内容の改善事項の一つとして、体験活動の充実が図られた。特に、自分と他者や社会との関係について考えを深める高等学校の時期においては、人に尽くしたり社会に役立つことのやりがいを感じたりすることで、自分の将来展望や社会における自分の役割について考えを深めることが期待できる奉仕体験活動や就業体験活動を重点的に推進するよう改訂された。

○ 具体的には、「総合的な学習の時間」において体験活動を積極的に取り入れること、「特別活動」における学校行事について、就業体験などの勤労にかかわる体験活動の機会をできるだけ取り入れることなどとされているが、高等学校において、こうした体験活動を実施するに当たっては、事前・事後の指導を充実し、年間指導計画や各教科・科目等の指導計画に明確に位置付けることにより、入学から卒業まで一貫した教育課程による実施が必要である。

○ また、就業体験活動の実施には、受入先の確保と協力が不可欠である。しかしながら、受け入れる企業等にとっては、協力するメリットはあるものの、一定の負担がかかることも事実である。今後、継続的に受入先を確保していくためには、企業等や地域社会との調整役等を活用して、学校・企業等のどちらにとっても、長期間継続することができるような工夫の検討が必要である。

7.キャリア教育の重要性の啓発・普及

○ キャリア教育を推進するためには、キャリア教育に対する教員・保護者・地域の理解・支援が必要であり、さらなる啓発・普及のための工夫が必要である。

○ 具体的には、教員に対しては、校内における教員研修等により、すべての教員がキャリア教育に関する理解を深めることを通じて、学校全体としての充実したキャリア教育の実施が可能となる。

○ また、保護者に対しては、学校におけるキャリア教育の充実により、保護者のキャリア教育に関する理解が進むことが期待されるとともに、PTA等と連携し、学校として、生徒のキャリア発達に向けて、保護者に期待される役割を伝えるなどし、さらには、地域と一体となった体験活動の取組の事例発表等により、広く学校の内外に発信していくことで、地域の理解・支援も一層進むものと考えられる。

8.中途退学対策としてのキャリア教育の在り方及び中途退学者に対する教育支援

○ 高等学校の中途退学対策としてのキャリア教育の在り方については、義務教育段階から一貫したキャリア教育の推進・充実により、学校生活への適応の支援に努めることが必要である。また、高等学校入学後の早い段階からキャリア教育を行うことにより、生徒が将来の社会参加を視野に、高等学校で学ぶ意義や目的を見いだし、学習や諸活動に積極的に取り組めるようにすることが重要である。

○ また、高等学校の中途退学者は、年間約7万3千人(平成19年度)にのぼる(※1)など、高等学校教育を十分に受けることができていない者も多数存在し、このような者が、早期離職者、若年無業者、フリーターになっている場合が多いという指摘もある。一方で、高等学校卒業程度認定試験の平成20年度の出願状況をみると、出願者の約半数に当たる1万7590人が高等学校の中途退学者である(※2)ことからも、中途退学した者に対する教育支援は、社会的・職業的自立を促していく上で極めて重要である。

○ そのような観点からも、高等学校においては、キャリア教育・進路指導に関する校内体制の整備の充実が必要である。その上で、生徒が適切な進路選択を行うことができるよう、進路指導主事や担任を中心にしつつ、学校として組織的・計画的に、生徒の視点に立った進路指導・カウンセリングを継続的に行っていくことが重要である。さらには、中途退学者の実態について、学校としてもその実態を把握し、何が課題となっているかを把握するとともに、中途退学者の必要性に応じ、中途退学後の生徒のキャリア形成に関し、適切な進路等のカウンセリングを行っていくことが望まれる。

○ また、生徒への適切なカウンセリングを行うためにも、大学や企業等、卒業後の進路決定に関する情報だけでなく、地域のほかの高等学校や専修学校高等課程等についての情報を十分収集することも必要である。さらに、そうした情報を十分有した上で、生徒の適切な進路選択を支援するため、労働関係部局などの若者の社会的・職業的自立を支援する機関等と連携を図り、学校教育から社会的・職業的な自立への一貫した支援を推進すべきである。

○ なお、中途退学の問題は、高等学校だけではなく、高等教育機関においても同様に課題であり、今後、キャリア教育・職業教育の観点から、どのような支援が考えられるのか、引き続き検討していくことが必要である。


※1 文部科学省「平成19年度 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」より

※2 文部科学省調べ

9.進路指導の充実方策

(1)進路指導の重要性

○ 中学校学習指導要領、高等学校学習指導要領では、  進路指導について、「生徒が自らの(在り方)生き方を考え」と、その理念を示すとともに、「主体的に進路を選択することができるよう」と、それが目指すところを示している。つまり、進路指導は、本来、生徒が人間としてどうあるべきか生きるべきかの考察に基づいて、将来に対する目的意識を持ち、自らの意志と責任で卒業後の進路を適切に選択・決定する能力・態度を養う教育活動であり、社会的・職業的自立を目指していく上で重要な役割を果たしている。高等学校の進路指導については、このような観点から、改善・充実を図ることが必要である。

○ なお、このように進路指導とキャリア教育は密接に関連しているが、これらの関係について具体的に検討するに当たっては、それぞれが示す内容や活動を明らかにした上で考えていくことが必要であることから、今後、それぞれの言葉の定義と併せて更に検討していくことが必要である。

(2)中学校の進路指導の充実方策

○ 高等学校のキャリア教育を充実させるためには、高等学校への進路選択・決定を行うことになる中学校における進路指導の充実が不可欠である。

○ 中学校の進路指導においては、生徒に対し、自らが人間としてどうあるべきか生きるべきかを考えさせ、将来に対する目的意識を持ち、自らの意志と責任で卒業後の進路を適切に選択・決定させるように指導しなければならない。しかしながら、現状では、中学校の教員が高等学校の現状や教育内容等についての知識や理解が不十分なまま、高等学校卒業後の進路を安易にとらえ、高等教育機関への進学希望者は普通科へ、就職希望者は専門学科へという指導を行っている傾向があるという意見や、教員や保護者が自分自身の経験した進路指導に強く制約されてしまっているのではないかという意見もあった。

○ 今後、進路指導を行う中学校の教員については、生徒が将来社会に出て就くであろう様々な職業に対する知識や理解を持つことを前提として、卒業後の高等学校等への進路先の正確な知識や理解の下、適切な指導を行うことが重要である。

○ 特に、現在の専門高校については、卒業者の高等教育機関への進学率が約4割まで高まっており、進学ニーズへの対応を充実していることを踏まえると、専門高校に対する中学校の教員の意識を改めていかなければならない。中学校卒業段階において、生徒が高等教育機関への進学を希望していたとしても、自らの将来に対する目的意識を持ち、その段階で専門としたい分野が決まっている場合などは、高等学校段階からその分野の職業教育を受け、より専門性を深めることで、高等教育機関への進学につながっていくことも十分に考えられる。

○ このような中学校における進路指導を充実するためには、高等学校が中学校との交流を促進し、中学校の教員が高等学校における教育に対する知識や理解を深めるとともに、都道府県教育委員会や高等学校が積極的に広報を行うことにより、中学生や保護者を含めた社会全体の高等学校(特に専門高校や職業教育)に対する知識や理解を深めることが必要である。

10.普通科における職業に関する教科・科目の充実

○ 普通科においては職業に関する教科・科目を選択できる学校もあるが、多くの生徒は、職業や働くことに関する教科を学ばずに卒業しているのが実態であり、普通科における職業教育を充実させていく方策の検討が必要である。

○ 普通科における職業に関する教科・科目の充実については、

  • 職業教科・科目を開設することは、学校がどのような生徒を育てていくのかが明確な場合、その方策の一つとして有効なものとなりうる。
  • 学習指導要領において、「普通科においては,地域や学校の実態,生徒の特性,進路等を考慮し,必要に応じて,適切な職業に関する各教科・科目の履修の機会の確保について配慮するものとする。」としていることを踏まえれば、取り入れた方が良い普通科もある。

  といった肯定的な意見がある一方で、

  • 普通科で数単位分の職業教育を行うことの効果について検証が必要ではないか。
  • キャリア教育を充実し、一人一人の生徒への対応を丁寧にすることで十分である。
  • 普通科の問題は教員の意識の問題であり、形だけ整えるのではなく、教員の意識改善やカウンセリング能力の向上が必要。

などの慎重な意見もあるが、普通科の中にも様々な生徒が在学しており、学校間の多様性も大きいことから、普通科の実態の分析に即した検討が更に必要である。

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