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キャリア教育・職業教育特別部会(第30回) 議事録

1.日時

平成22年11月29日(月曜日)13時~15時

2.場所

文部科学省 3F1特別会議室(東館3階)

3.議題

  1. 今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について
    (答申案)について
  2. その他

4.議事録

【田村部会長】

 それでは、定刻でございますので、ただいまからキャリア教育・職業教育特別部会、今日で第30回になります、開催させていただきます。大変ご多忙の中、委員の皆様におかれましては、今日もご出席をいただきまして、ありがとうございます。
 本日は、本特別部会としての答申案について、前回の部会で委員の皆様からいただいたご意見、あるいは部会の後、事務局にお寄せいただいたご意見等を踏まえまして、事務局に整理をしていただきました。まずは事務局から文案についてご説明いただきたいと思っております。その説明を受けまして、委員の皆様からご意見をいただきたいと考えております。よろしくお願いしたいと思います。
 まず、事務局から答申案について、説明をお願いいたします。

【山下生涯学習企画官】

 皆様のお手元に議事次第を配付させていただいておりまして、配付資料として、1番から5番までの資料を配付させていただいております。
 本日は、答申案につきまして、ご審議いただくわけでございますが、まず資料2−1の答申案の見え消し版につきまして、主な修正箇所をご説明申し上げます。
 資料2−1の答申案の見え消し版でございますが、一番下に破線囲みで、3種類、見え消しの色によりまして、意味合いが変わってまいりますが、紫による見え消しは、前回、11月16日の会議での主な修正箇所でございまして、前回、事務局よりご説明させていただいたのですが、今回も改めてご提示させていただいております。
 次に赤字の修正箇所でございますが、若干冗長であるとか、あるいは重複的な表現があるといったご意見もございましたことから、事務局におきまして、構成の見直し、あるいは重複箇所の整理、その他適切な表現に改めさせていただきました。
 青字の箇所は、前回、11月16日の会議におきまして、関係団体よりお寄せいただいたご意見等を踏まえた修正になってございます。
 目次につきましても、少し表現が長いといったところを端的な表現に修正をするとともに、例えば、第2章で発達の段階に応じた体系的なキャリア教育の充実の、4ポツの義務教育の段階を中心としたキャリア教育を実践するための方策を削除してございます。こちらは義務教育を中心としたということでございますが、キャリア教育の充実方策にとって一般的に重要である事柄が書かれてございましたので、この部分の内容は2ポツのキャリア教育の充実方策のところに、例えば(3)を設けるなどして移して、全体的な整理を行っております。
 それから、第4章の高等教育におけるキャリア教育・職業教育の充実方策の3ポツでございますが、高等教育における職業教育の在り方と充実の方向性の(2)各高等教育機関における推進のポイントについては、○1として、各高等教育機関における職業教育の現状ということで、大学・短大、高専、専門学校ごとに現状を書いて、また○2として、充実の方向性ということで、また同様に大学・短大、高専、専門学校と書き分けていたのですが、ここを推進のポイントということで、現状と充実の方向性をまとめて記載するという整理を行ってございます。
 本体の、1ページから2ページにかけまして、「はじめに」については、ペンディングとさせていただいておりましたが、ここにつきまして、これまでの審議の経緯や背景、それから今回の提言のポイント、今後への期待といったことをまとめさせていただいておりますので、ご意見等をいただければと考えております。
 3ページでございますが、序章で、従前は「『学校から社会・職業への移行』を巡る経緯と現状」となってございましたが、今回のもう一つの大きなテーマでございます「若者の『社会的・職業的自立』や」という文言を付記したほうが適切だろうということでございまして、ここでは、その内容も触れておりますので、きちんと記載をしたということでございます。
 18ページでございますが、第1章のキャリア教育・職業教育の課題と基本的方向性の1のところでございますが、ここは冒頭3つの段落を削除しておりますが、この内容は先ほどごらんいただきました「はじめに」のところに記載させていただいておりますので、整理をして削ったということでございます。
 19ページでございますが、最後の○の段落は全体的に削除されてございますが、こちらは同じ19ページの1つ目の○の紫の修正の部分、「また、キャリア教育の実施にあたっては」の文章、それからもう一つ下の○の「しかしながら」以下の追加の部分で、同様の内容を盛り込んでおりますので、それに伴う整理でございます。
 21ページでございますが、(3)キャリア教育と職業教育の内容につきまして、もう少しわかりやすく端的に示したほうがいいだろうということで、箇条書きにまとめさせていただいておるところでございます。
 21ページの一番下から24ページにかけてですが、これは重複的な表現、あるいは不要な表現を整理することでの削除、修正でございます。
 28ページの1つ目の○、2つ目の○を削除してございますが、その1つ前の27ページにそれぞれ文脈上適切であろうというところに移しております。それから28ページの脚注の青い箇所でございますが、こちらは前回の全国連合小学校長会からのご意見で、今回のキャリア教育におけます基礎的・汎用的能力として示されている4つの能力と、国立教育政策研究所により示されてきた「キャリア発達にかかわる諸能力(例)」との関係をどこかに記述をということで、ここの部分に記述をさせていただいています。
 第2章の発達の段階に応じた体系的なキャリア教育のところでございますが、35ページの○2の2つ目の○で文言を補足してございます。39ページの(3)で教職員の意識・指導力向上と実施体制の整備のところにも、大幅に文言の追加がございます。これらは、45ページから46ページにかけまして、義務教育の段階を中心としたキャリア教育を実践するための方策という記述がございましたが、整理の都合上、この内容を35ページ、それから39ページからに移動させていただいております。
 68ページでございます。第3章、後期中等教育におけるキャリア教育・職業教育の6の部分の3つ目の○、青字で加えさせていただいておりますが、こちらは前回の16日の会議でもご報告をさせていただきました、専修学校教育の振興方策等に関する調査研究におけます検討報告の内容を反映させていただいておりまして、そういうことでの文章の追加でございます。
 80ページをごらんいただきたいと思います。第4章の高等教育におけるキャリア教育・職業教育のところの3の高等教育における職業教育の在り方と充実の方向性という章でございますが、80ページから87ページまでにかけて大幅な修正が入ってございますが、ここでは従来、各高等教育機関における職業教育の現状ということで、大学・短大、高専、専門学校ごとに現状が書いてあって、さらに85ページ以下では、その充実の方向性ということで、またそれぞれ学校ごとにその方向性が記載されておりましたが、後ろの充実の方向性を前に持ってきまして、それぞれ現状と充実の方向性という形で1本にまとめ、そして表題も「推進のポイント」とさせていただいたことによる修正でございます。
 さらに88ページ以降でございますが、この新たな枠組みにつきまして、10月27日の会議までのご意見を踏まえた修正をここで施しておるところでございます。
 最後に101ページでございますが、ここは第5章の生涯学習の観点に立ったキャリア形成支援でございまして、4ポツの職業に関する生涯にわたる学習を支える基盤の形成の3つ目の○で、欧州資格枠組みの記述の部分に、「それぞれの段階と学位等の高等教育に関する資格との対応関係が明らかにされており」という文言、これは前回の会議後に委員の方からのご指摘を踏まえた修正でございますが、欧州資格枠組みに関して、8段階に分けて、それぞれの学習の成果を明らかにするとともに、その段階と学位等との関係を対比していることをきちんと書くようにというご意見でございましたので、それを踏まえた修正でございます。
 本文の主な修正箇所は以上でございます。
 それから、もう一つ資料をご説明申し上げたいと思います。資料3でございますが、今回の答申の素案の段階におきまして、パブリックコメントを求めておりましたところの結果の集計状況でございます。意見募集の期間は、11月1日から15日まで約2週間にわたってご意見を頂戴しましたところ、全体で2,922件のご意見をいただいておりまして、その主なものを答申案の項目に沿って整理をさせていただいております。これらのご意見についてはおおむね答申案の方向性に沿ったものであったとお見受けしておりまして、特に今ご説明申し上げました答申案の内容には反映してございませんが、何かお気づきの点等があれば、ご指摘いただければと思っております。
 また新たな枠組みにつきましては、5ページから6ページにかけていただいたご意見等を整理させていただいておりまして、5ページでは主に枠組みは必要であり、検討を進めていくべきであるというご意見、それから6ページは、基本的には賛成だが、一部条件があるといったようなご意見、それから基本的には反対であるといったようなご意見の主なものを列挙させていただいております。
 資料4でございますが、岩波利光委員が本日はご欠席で、文書でこの答申の素案につきまして、ご意見をお送りいただいておりますので、こちらもごらんいただければと思います。
 資料5でございますが、全国都道府県教育委員会連合会より前回の部会には間に合わなかったので、本日、答申素案につきますご意見をお出しいただいておりますので、こちらもご覧いただければということでございます。
 私からの説明は以上でございます。

【田村部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの事務局からの説明を踏まえまして、答申案についてご意見をいただきたいと思っております。前回の部会での委員の方々のご意見、あるいは答申素案からの修正等を見まして、またパブリックコメントも参りましたので、その答申案については委員の皆様の間でおおむねの共通理解が得られ、議論がまとまりつつあると、なおかつパブリックコメントもその方向で整理されている感じと受けとめております。
 したがいまして、できれば本日の審議において、方向性が大きく変わるようなご意見がない場合には、本日の部会の終了時に答申案については部会長である私にご一任をいただきまして、部会としての議論は本日をもって終えることにしたいと考えております。この件につきましては、本日の最後にもお諮りいたしますが、あらかじめご留意の上、ご審議、ご意見を賜りますとありがたいと思います。30回やってきましたので、議論がかなり煮詰まったという率直な感じなのですが、どうぞひとつ、そのおつもりで今日はご発言をいただければと思います。
 それでは答申案についてのご意見をいただきたいと思っております。ご意見のある委員の先生は、いつものように名札を立てていただきたいと思います。どなたからでもどうぞ、お願い申し上げます。
 では、佐藤委員。

【佐藤(義)委員】

 前回のヒアリングをお聞きしていて、今日の資料3の5ページの(5)、○の中ほどより下で、「単線的な教育体系であるため」というまとめがありまして、全体を通してここが答申全体で十分に強調できていないために、前回の不要論が出てきたのではないかと思われます。これから申し上げますことは、これと同じ論調でありまして、今回の答申全体は、義務教育と後期中等教育と高等教育と分かれていて、それぞれの研究機関ごとの議論はかなりキャリア教育として課題が明らかになって、施策として取り組めるレベルまで来ていると思います。しかし、これはあくまでも箱物の議論であって、現場を預かる校長としては、1人の人間、生徒がどのようにキャリアパスを自分で軌道修正しながらやっていくのかという国としての制度のあり方について、具体的に言えば、接続をどうしていくのかという枠組みについての議論が必要と考えます。その枠組みの中で、高等学校の普通科卒業生を主に前提としている高等教育機関に対して、専門高校やいろいろなところで学んだ方が高等教育へどう自分のキャリアパスを設けていくのかという教育機関について、私は議論がスタートしたと考えています。
 今回を振り返ってみて、職業実践的な教育に特化した高等教育機関というのは、それを根拠として私は出てきているものだと認識をしているわけですが、答申案ではそこがやはり十分強調されていなかったのか、あるいは目立つように書かれていなかったために、教育機関の中での役割を考えることで対応ができるので必要ないというご意見が出たのかなと思います。結論としましては、中から高、高から大、あるいは専門学校への1人の人間のキャリアアップのための接続システムの検討から、特化した高等教育機関が生まれてきているということと、国全体で大急ぎで育成しなければいけない産業人材の対応に特化した教育機関が必要だろうというところがとても重要です。逆に言いますと、国全体として、すべての技術分野、職業分野に特化した高等教育機関を置くということでは議論はなかったわけです。ここを最初のどこかに少し整理をされますと、誤解が解けるのかなと思いました。これが論点の第一点です。
 もう一つは、資料2−1の66ページです。5の専門的な知識・技能の高度化、そして改善の方向性でできている章立てです。この改善の方向性として書いてあって、どういう方向性がここで示されているかという観点で見ますと、(1)については「高等学校・特別支援学校高等部の専攻科の在り方と高等教育機関との接続」と書いていますが、大見出しから言えば、接続の方向性と読む必要があります。したがって、○が幾つかありますが、その方向性が示されている部分というのは、1つ目は「大切である」、2つ目は「必要である」で終わっています。3つ目の○の後ろは「具体的な基準等を法令上明確にすべきである」と一つの方向性が書いてあります。以下、後ろでは、次の○は「課題となっている」、次の○は「存在する」、次の○は「必要である」、次の○も「検討することが必要である」と書いてあります。最後は「勘案することが必要である」とあり、どのように施策をやっていくのか、この書きぶりではよくわかりません。
 (1)の3つ目の○の後ろにあります「具体的な基準等を法令上明確にすべきである」については、方向性の1番目で専攻科の位置づけの方向性をここで書いています。それから67ページの2つ目の○のところでは、専攻科等における学修の単位認定についての方向性を書くべきところですが、「検討することが必要である」とあり、この部会よりも大きいところで検討すると言いますと、あとは中教審本体になるわけですが、できましたら、次のようにご検討いただけないかということでご提案申し上げます。「積極的に検討し、具体的な基準等を明確にし、早期に実施すべきである」のような形で、この方向性を明確化できないかと、つまり学修の単位認定の実施の方向性をここで示すということです。
 次の○のところ、ここも同じ文章ですが、「積極的に検討し、具体的な基準等を明確にし、早期に実施すべきである」。方向性の3で、編入学の実施の方向性について述べているということです。これを合わせましたのが、66ページの一番上の5の改善の方向性というところに、対応した書きぶりになるのかなと思いました。
 以上、意見を申し上げました。以上です。

【田村部会長】

 ありがとうございました。
 枠組みという表現を使っておりますので、ご意見のような話が出てくるのだろうと思いますが、事務局から何かご説明されますか。

【山下生涯学習企画官】

 特にはございませんが、今のご意見を踏まえて修正できるところがあれば、対応していきたいと思っております。

【田村部会長】

 ほかにはいかがでございましょうか。
 どうぞ、吉本委員ですね。

【吉本委員】

 67ページですが、30回の半ばぐらいのときに、専攻科と編入学の問題点が既に合意していたと思って、その後、何ら異論もなくて、さらに検討すべきであると言われるのは、何を議論してきたのかなと思うところがありますので、佐藤委員の意見と同じようにきちんとどう進めるのかという具体を示す、具体の可能性もあると思うのです。その具体の可能性とは何かというと、学位・資格枠組みのはずです。その話を我々大分詰めたと思うので、もう一回書いていただきたい。
 例えば、67ページの先ほど佐藤委員が指摘された(2)の前の2つ、「また」という、「積極的に検討することが必要である」という、「なお」の段落の1つ前の行です。「大学教育の国際通用性にも留意しつつ」とありますが、これは大学ばかりではなくて、広い意味での高等教育の国際的通用性なので、なぜ大学を根拠としてしか議論ができないというのは、それは大学分科会でやるのは結構かもしれませんが、ここでまだそれをやっていたら、やはりまずいので、大学とそれ以外のものを含めた高等教育というものを扱っている、高等教育局が扱ってきたところの境目のようなところのいろいろな部分が、ここで論じているということです。
 高等教育の国際的通用性とか高等教育及び職業教育の国際的通用性も含めて、我々論じたら、そうすると学位・資格枠組みの議論になったということなので、文言をちょっと変えるだけでも。しかし、その意味は重要なポイントがあるので、ほかのところもまた指摘したいと思います。これが1点です。ぜひ、高等教育の国際的通用性にも留意しつつ、学位・資格枠組みなどの構築を通して、学習者が学術的な、職業的な、同じような学修をした場合には同じように社会的に評価される、そういう仕組みをつくっていきましょうと、この宣言がやはり要るのだと思います。
 2つ目の指摘は、先ほどの101から102は、ヨーロッパのことですから、これは単に事実認識かもしれませんが、仮に事実認識とすると、ヨーロッパやオーストラリアまで含めて議論したほうが本当はいいのですが、仮にヨーロッパであるとしても、この文言をもう少し表現を変えて、「職業に関する……、8段階に分けて明らかにするとともに、それぞれの段階と学位等の高等教育に関する資格を含めた統合的な枠組みが構築されつつあり」ということだと思うのです。「現在、各国の学位・資格制度をこれに体系化させる動きが高まっている」が適切かなと、微妙な表現ではありますが、思います。これを踏まえて、その後の102ページの○一つは、結局これは政府の日本版NVQというほうに小さくなっているのです。日本版NQFではないのです。日本版NVQという枠組みが小さくなっているので、NVQも含めて学位資格制度も含めて、それを統合的に、つまり、複線的に学術的なものも職業的なものも対等に評価できるような枠組みの構築が求められるというのは、これは○を1つ入れていただきたいと考えております。この102ページの下から2つ目の○が日本版NVQのことを書いていますので、その次の○として、日本版NQFの検討が、これは検討しかありようがないことですが、学位と職業の資格、両方を体系的に論じる検討が必要であると、こういう○を1つ入れていただきたいということがお願いでございます。

【田村部会長】

 ありがとうございました。吉本委員は前からおっしゃっていたことですが、少し検討して文案を考えてみたいと思います。
 事務局から何かコメントされることありますか。

【山下生涯学習企画官】

 今のご提案を踏まえて、どのように書けるのか。最後のところに、こうした諸外国における取組とか、あるいは我が国におけるNVQにおける取組なども踏まえつつ、学習成果を評価するような仕組みが必要という趣旨は書いてございますが、もう少し具体的に書き込めるのかどうか、検討させていただきたいと思います。

【田村部会長】

 吉本委員、よろしいでしょうか。では、川越委員どうぞ。

【川越委員】

 この答申案全体については、支持していきたいと思っておりますが、68ページの高等課程のことについてですが、新たに青い字で文章が入っているのですが、前段の文章を読みますと、とりわけ専修学校高等課程の教育に対する次のような要請に対しては適切な対応があるの後に、「また」ときているのですが、この青い部分は何となく高等課程の学校が情報を積極的に公開していない、もしくは説明責任を果たしていないかのようなイメージがあるのですが、ここの部分が、どういう経緯で入ったのか教えてください。

【山下生涯学習企画官】

 前回、11月16日の会議におきまして、専修学校教育の振興方策等に関する調査研究が今行われておりまして、そこで取りまとまった報告がお示しされております。その報告の中で、専修学校におけるキャリア教育、職業教育の充実に向けた対応等ということで、専修学校の教育活動に関する適切な情報公開への取組の促進、それから教育活動の評価の仕組みの整備などの内容が記載されてございまして、その趣旨をまとめたのがここの文になっております。

【川越委員】

 よくわかりました。

【田村部会長】

 次に、荒瀬委員、どうぞ。

【荒瀬委員】

 3点申し上げたいことがありまして、1点目ですが、第2章の4義務教育の段階を中心としたキャリア教育を実践するための方策を消して、2の(3)に上げたということで、実際に45ページ、46ページを見ますと、大幅に削除されているのですが、先ほど佐藤委員がおっしゃったことともかかわるのではないかと思うのですが、これまでの議論の中で特に中学生の高校選択の段階で、要は普通科志向が非常に強いということがたびたび言われてきました。ですから、それが、単線化、普通科に行って大学に行ってという道筋を意識する、そういう中学校での進路指導が行われているのではないか。この国を支えていく、社会を支えていく上で、もっと多様な進路選択があっていいのではないかという議論があったかと思います。
 このまとめていただいたというのは、それ自体大変結構かと思うのですが、ただ(3)に移って、それが39ページから40ページに当たるわけですが、ここの中身を拝見してみますと、必ずしも、小中学校でのキャリア教育というのが、そんなに強調されていないのではないかなという気がいたします。41ページから各学校段階とあるのですが、1回目の審議経過報告が出たあたりは、割合、義務教育段階でのキャリア教育に重点が置かれていたといいますか、書き込みが多かったように思うのですが、何か高等学校からのキャリア教育であるのだとならないようにしていかなければ、前提の部分がおかしくなるのではないかなと思います。
 2点目ですが、同じく40ページの○、1つ目から4つ目まで全部新たに書き加えられた部分なのですが、教育委員会あるいは校長のリーダーシップを発揮せよといった励ましの言葉をたくさん書いていただいていまして、それは結構かと思うのですが、ただ、これでは結局変わらないのではないかなということも議論の中では出ていたように思います。それこそ、審議経過報告の段階では、コーディネーターの配置といったことが、具体的に複数の委員からも指摘があって出ていたのですが、表現が変わっていく中で、次第にやはり学校でやりなさいとなっている傾向が出てきているのではないかなと思います。
 特に普通科について、キャリア教育上、問題があるとするならば、現状のままでやっていくということに対して、一方では各学校の努力も求めていかなければならないとは思うのですが、もう一方では、新たな仕掛けも考えていく必要はないのかなと思っています。ですから、そこを教育委員会や学校がいろいろと考える、選択肢を持てるような書き方にしていただければ、大変ありがたいなと思っています。
 3点目は、普通科高校のキャリア教育について、先日、工業高校の校長の会合がありまして、これから普通科が「産業社会と人間」をやっていかなければならなくなるので普通科が大変だという話が出ていたということを聞きました。一律に「産業社会と人間」を普通科の教育課程に導入するということは、これは具体的には一度も出ていないはずですし、またそうしたことが話題になるということ自体、キャリア教育について、この特別部会の動きなどが意識されているという点では大変いいことだとは思うのですが、その誤った情報が流れているというのは大変問題がありまして、普通科が、まずこの答申を受け入れて読んでいこうとする際に、誤った解釈のないような表現をぜひお願いしたいと思います。
 とりわけ、普通科はキャリア教育のみならず、特に総合的な学習の時間が、あまり十分に機能していないのではないかという指摘も多く見られます。ですから、総合的な学習の時間の活用についても、前向きに取組が進むような表現、あるいは「産業社会と人間」を入れてはいけないわけではありませんので、導入するのであれば導入したという形だけでは終わらせないで、実質が伴うような取組が進められるようなことについてもお書きいただいているわけですが、そこが強調されるような形でお願いしたいと思います。以上です。

【田村部会長】

 ありがとうございます。非常に大事な指摘をいただきました。
 事務局から何かコメントされますか。

【山下生涯学習企画官】

 1点目で、45から46を削ったことによって、義務教育段階におけるキャリア教育の取組が少し強調されなくなってしまったのではないかというご指摘だったかと思います。したがいまして、ここの移行先であります35ページ、もしくは39から40ページで、例えば表現上の工夫が少しその部分を強調できればと思いますので、検討させていただきたいと思います。
 それから、もう1点でございますが、コーディネーターは106ページの様々な連携の在り方における、産業界等との連携の部分の記述の2つ目の○でも、学校と企業等との調整を図る人材ということで、コーディネーターの必要性を記載させていただいておりますが、もう少し前にそういう旨を触れたほうがいいということでしょうか。

【荒瀬委員】

 今おっしゃったところは、たしかにお書きいただいているのですが、学校と企業等の調整を図る人材として、例えば中学校や高等学校に担当する教職員を配置することや、という1つは教職員です。あるいは、また教育センターや教育事務所等に専任職員を配置すること、これは専任の職員ですが、教職員を配置するといったことでは、なかなかできないのではないかということが、特に学校にいる立場で申し上げますと思うのです。ですから、新たにそうした職というのは、これは経済産業省が、キャリア教育についていろいろとなさっていたという経過があって、実際に来ていただいてやっていただいたことが一部分あるのですが、大変効果的であったということも経験として持っております。ですから、学校の中でそういう担当者をつくるというのではないような形が、もしも、これは雇用の創出も含めてできればいいなということを思っておりまして、その点についてもう少し強調していただければ、ありがたいということと、106ページにいくまで出てこないというのではなくて、もう少し前の部分で書いていただけると、ありがたいということでございます。

【山下生涯学習企画官】

 106ページでも、ご指摘もいただきましたので、教職員の配置、ほかにも学校外の教育資源の活用ということで、外部の人材を確保してそういう形で活動していくという趣旨のことも書かれてございますので、そういうことも含めて前にも必要であれば改めて記載をすることを検討してみたいと思います。

【田村部会長】

 それでは森脇委員、どうぞ。

【森脇委員】

 30回にわたるものが、このようにまとまってきたということに対しまして、事務局の皆さんにお礼を申し上げたいと思うのです。前回、大学あるいは企業、それから各方面からの意見を頂戴したわけですが、それぞれのところが真剣にこれを読んで、そしてご意見を賜ったところで、この受けとめの真剣さを強く感じました。それからパブリックコメントにつきましても反響が大変大きかったと思います。
 この30回にわたる幼児教育から高等教育までを通した、キャリア教育、職業教育のあり方をまとめたものは、過去にはなかったという、この点に対しては、どこからも大変評価していただいていると受けとめたところです。やはりこれはとても価値のある点だと捉えています。このキャリア教育・職業教育の取組というのは、日本の教育の中でどうあるべきかということに対して、様々なところがそれをしっかり受けとめて、実現に努力しなかったら実効性は期待できないわけです。少し絞りまして、新しい枠組みについても、実践的な職業教育を提唱するのは大事なことだと大方がおっしゃっていただいていたと思いますが、新しい枠組みの制度化に対しては、ご理解が十分いただけてないと私は少なくとも受けとめました。
 このパブリックコメントにつきましても、いろんなご意見が出ております。枠組みに対して詳細な検討に入るほうがいいとおっしゃっているご意見もありますが、こういうところが懸念されるというのもありますし、それから新たな枠組みの制度化は必要ないとおっしゃっているご意見も出ております。日本の教育制度を少なくとも動かしていくということは大変重いことでございますので、これらのご意見というのは相当慎重に扱っていかなければいけないと思います。そこで答申案にも前回から見ると随分ご配慮いただいている部分が多いと思いますが、もう少し、日本全体の高等教育として、職業教育は本当にどうあるべきか、特に実践教育、つまり実学だと思いますが、それはどういう位置づけでやっていったらいいのかというところの、まだご理解が十分でないとか、あるいはそれに対する賛成、反対のご意見があることも、最後のまとめにお書きいただいたほうが、素直に受けとめられるのではないかと思いますのでそれを申し上げたいと思います。
 大学関係、国大協も私大協もあるいは短大も、相当懸念する意見が圧倒的に強かったと思われます。全体の理解があって初めて実現するのではないか思いますので、ご配慮をお願いしたいと思います。また第2のところでございますが、それもまだこれからの検討ではないかと思いますので、その辺の扱いにつきましても慎重を要するのではないか。慎重な表現になっているような気も致しますが、意見だけ述べさせていただいて終わりたいと思います。以上です。

【田村部会長】

 ありがとうございました。枠組みの問題は、学校種と一緒になって議論されているのですが、我々は学校種までは、言及してないのです。
ですから、反対されても議論してないので少し困るのですが、私としてはそんな感じを、この反対意見を読んで持ちました。

【森脇委員】

 ほぼ私も同じ感想を持っているのですが、枠組みそのものがまだ十分な理解をしてもらえるだけの議論、もう少し追求が必要であったかなと、私自身も反省するところがございます。

【田村部会長】

 それでは、よろしいですか。次、坂戸委員どうぞ。

【坂戸委員】

 私自身は、この答申の大筋について賛同いたします。ただ、先ほど少しご説明を聞いておりまして、表現だけの問題ですが、ご注意いただきたいと思ったので、発言をさせていただきました。
 この資料2-1の40ページでございますか、2.で、「学校は一般的に“敷居が高い”と思われがちである」という表現がございます。これはよく、この数年、学校関係者から聞くわけでございますが、少し表現が良くない感じがいたしております。敷居が高いというのはどういう意味か、多分、地域、社会から学校に協力したいと考えても、学校は一般的に協力をしづらいとか、あるいは受け入れづらいとかだと思うのです。我々一般の企業人ですから、敷居が高いというのはどういうことなのだという感じがいたすわけです。これは規則とかいろんなことで協力しづらいとか、協力を受け入れづらいというシステムなのだと、一般的には受けとめているのではないだろうかということで、この辺の表現はご注意をなされたほうがよろしいのではないかと思います。
 もう一つは、92ページでございます。職業への円滑な移行を紫で失業者、離職者、転職者が対象となることも考えられると直していただきました。ありがたく存じておりますが、学校の教育の中でも多様な学び方とか、多様な教育とかとよくおっしゃいます。我々の職業においても、働き方はいろいろあるわけです、多様な人生の考え方とか。そういう意味でここに失業者とか、離職者、転職者がと、具体的に規定することをいかがなものかという発言をさせていただいたつもりなのですが、括弧書きにしていただいたので、ありがたいとは思うのです。具体的に一つ一つやって3つで具体化するというのは、いかがなものかと。やはり、ここでは、これを受けとめる人たちが、もっと前広に受けとめられるように「転職者等」とされるほうが妥当ではないだろうかと思いますので、発言させていただきました。ありがとうございました。

【田村部会長】

 ありがとうございました。これはよろしいですよね、そのとおりだと思いますので。訂正させていただきます。中村委員どうぞ。

【中村委員】

 森脇委員のおっしゃることもたしかだと思いますが、30回の議論を経て、やはり職業実践的な教育に特化した枠組みが必要だろうということは、私なりにおおむね理解できたし、そうあるべきだと思います。企業側の人間として、ミスマッチやギャップをどうにか埋めなければならないと感じております。複線型の教育体系をつくるにあたっては、既存の学校に影響を与えられるようなシンボリックな枠組みを目指さなければならないと思います。そのためには、既存の学校との違いを明確にしておかなければなりません。既存の学校と競争するための学校であってはならないし、そういう意味では森脇委員もおっしゃったように、細かい部分を詰めなければならないのですが、早急に新しい枠組みをつくらなければならないということを申し上げます。
 79ページの4で、第4章の中の1項目として、職業実践的な教育に特化した枠組みについて書かれておりますが、ここは今回の1つのまとめとして特化した表現にした方が良いのではないかと感じました。
 最後のページに、関係行政機関との連携とありますが、うまく連携できるでしょうか。横串を刺して行政の力を働かせないと、今回の教育改革はできないのではないかと思います。連携のための委員会等、行政官の組織をつくり上げて取り組んでいかなければ成功もおぼつかないと考えております。
 各種の資格や習得した技術等を1つの単位などにして評価していくことが討論されましたが、企業側としても資格に対して報酬等で還元していく仕組みをつくるなどの責任を負うべきだと思います。技術系に関しては習得した資格や技術が給与にも加算されたりしますが、文科系ではほとんど見られません。どういう形で民間企業が取り上げていくのかという点についてもお互いに取り決めをしておくことが必要だと思います。いろいろなことを学んでもそれが実社会に出た時にプラスにならないようでは意味がありません。最近このような例が散見されますので、報告させていただきます。
 政府は、成長戦略の中でも特に介護で力を入れていくべきです。介護職の人たちの年収は平均300万円です。300万円というのは、低所得者に分類されます。そういう状況を打破すべく、介護職の人たちに1ランク上の技術をつけさせて給与を上げていく仕組みをつくっていくべきです。そうすることによって、全体の給与、報酬が上がり、雇用を確保できるようになると考えます。おそらく、最後は政府の打合せになると思いますが、今回は職業実践的な教育に特化し、自分たちの技術を磨き、あるいは資格を身につけることで、1ランク上の働き方にチャレンジできるのだということを提案していただきたいと考えています。
 最後に、58ページに「総合学科の課題」とありますが、これは大変大きな意味を持っていると思います。私も総合学科に出向いていろいろ話を聞いたときに、こういう職業実践的な新しい教育に取り組んでいる延長線上に総合学科はできたのではなかろうかと感じました。それにしては話題になることが少ないようです。さらに成果を上げていかなければならないと思います。一番感じたのは、担当している先生は熱心に勉強していますが、その周辺の先生の理解がほとんどないということです。保護者に至っては学校を下に見ているようにさえ感じられます。働きながら学んでいる生徒は、一生懸命に自分の将来を考えているのに、周辺の理解がないために総合学科がクローズアップされません。その理由を克明に精査・調査して、これを生かせば今回の新しい枠組みにも大きな参考として取り上げていくことができると考えます。
 答申全体としては、よくまとまっていると思います。

【田村部会長】

 ありがとうございました。1、2のご指摘で訂正がありますが、加えることは加えて、訂正することは訂正したいと思いますが、大変力強いお話をいただきました。では、中込委員。

【中込委員】

 88ページの言葉の使い方でございますが、職業実践的な教育に特化した枠組みについての(1)の3つ目でございますが、前回、「職業教育体系」という言葉をどこかで入れてくださいという話をさせていただいて、入れていただいてありがとうございました。
 ただ、文頭の「いわば」という言葉が少し引っかかってしまうわけでございます。そこで、もしできるようであれば「鮮明かつ強固な職業教育体系を充実し、ひいては」という文章に修正をお願いをしたいと思います。つまり、今、中村委員からもお話ございましたが、職業教育を受けている若者たちにもっと光を当てることがとても大事な時代になってきております。「職業教育体系」という単語よりも適切な表現があるのかもしれませんが、少なくとも「職業教育体系」の道筋があるということが鮮明になれば、職業教育を受けている若者たちの意識が変わる、それから、社会の見方も変わる、そういうことを想像しているわけでございます。したがいまして、文章上の問題ではございますが、「強固な職業教育体系を充実し、ひいては」というような文章に直していただければ、大変ありがたいと思います。全体的に、この答申案につきましては読ませていただいて、よく整理できていると思います。以上でございます。

【田村部会長】

 ありがとうございました。

【山下生涯学習企画官】

 ここで「いわば」と使っておりますのは、新たな枠組みを設けることと、当然その他既存の高等教育機関を中心に職業教育は今でも実践されており、今後も充実をさせていくと。それでそういう既存の学校の取組、それから新たな枠組みにおける取組、それが相まっていわば学校教育の体系の中にそういった職業教育体系的な大きな一本の流れみたいなものができるのではないかという趣旨で使わせていただいておりまして、学校教育体系の中、あるいはその隣りにもう一本何かそういうものをつくるというような意味にも取れるようなところまで、ここで書けるのかどうかということもありますので、その辺はまたご相談をさせていただきながら表現を考えていきたいと思って思います。

【田村部会長】

 よろしいでしょうか。

【中込委員】

 私自身は、とにかく職業教育に光を当ててもらいたいということが頭にございますので、強調できるような部分がありましたら、お願いしたいと思います。以上です。

【田村部会長】

 ありがとうございます。それでは、次は長谷川委員ですね。

【長谷川委員】

 大変よくまとめてくださっているなと思っておりまして、高等教育に関連するところは、ほとんど申し上げるところはないと思っておりますが、1つだけ実は高等教育と関係ないのですが、見え消し版の39ページの一番上にある記述に関連することなのですが、キャリア教育、職業教育で能力をつけていく、そしてずっと育っていく個人の発想からいきますと、この学習ポートフォリオだけではありませんが、職業教育、キャリア教育についてどういう履歴でどういう能力をつけてきたのかをずっと見ることは大変重要だと思うのです。ここに書いてくださっていることは、これは大変いい場所にも書いてくださっているとは思うのですが、この部分を例えば見え消し版の23ページから書いてある、キャリア教育、職業教育の方向性を考える上での視点にも関連の記述があると、よりいいのかなという気がしないでもない。したがって、これはもし可能性があればというふうに考えていただければよろしいかと思うのですが、そんな印象を持ちました。以上です。

【田村部会長】

 ありがとうございました。これは少し検討してみてということで、よろしいでしょうか。それでは、小杉委員。

【小杉委員】

 序章とその前の「はじめに」のところで、来春の大卒予定者の就職内定率が57%だった話が全然書いてないというのが、少し気になります。学校から職業へのまさに移行が、今年急激に悪くなって非常に難しくなっている状況を少し踏まえるような文章があったほうがいいのではないか。3年以内の離職よりは最初の就職ができてない、ここを少し踏み込まないといけないのではないかと思います。今回の内容は、在学中に産業界と深い連携のもとに職業教育をしていくことが入っていますので、今の就職の難しさに対しての一つの提言にもなっていると思いますので、その部分をもう少し強く書き込むべきではないかと思います。
 もう一つ、100ページから101ページの中途退学の話で、子ども若者育成支援推進法で少し書いていただいていますが、あくまでも学校が対応すべきことしか書いてないのですが、新しい枠組みの中で積極的に活用して学校外の力を中退支援に入れられないかと期待しています。書くのは無理かもしれませんが、そういうことを期待しているだけ申し上げたいと思います。以上です。

【田村部会長】

 ありがとうございました。今の件はどうでしょう。つまり、中途教育の問題ですよね。

【山下生涯学習企画官】

 冒頭の初めの箇所とそれからご指摘があった100ページの箇所、何か工夫ができるか考えてみたいと思います。

【田村部会長】

 それでは佐藤委員、どうぞ。

【佐藤(弘)委員】

 私も委員と同様、全体のトーンとか職業教育改革の重要性を述べた、しかも幼児教育から各段階にわたってあまねく述べたということについて、大変よくまとめられたと思っています。ただ、ここに来て今日のご議論の中でも、特化した枠組みと学校種との関係が、だんだんわからなくなってきたのが率直な気持ちでございます。先ほど森脇委員のご発言に対しても、部会長は、我々は学校種は言ってないのだとおっしゃいました。大学分科会においても私が類似のコメントを申し上げたときに、同じく学校種のことなんか言ってないと、あくまで枠組みだとおっしゃったのですが、どうもそこがいまいち理解しきれていないのです。例えば93ページの最後の○2です。「なお今後の検討については、新たな学校種の制度を創設するという方策とともに」ということで、まず学校種の創設を検討することが1つ。とともに、既存の高等教育機関においてその趣旨を生かしていく方策も検討すると書いてある。これを素直に読みますとやはり、既存の高等教育機関の中でこの趣旨を生かすだけではなくて、新しい学校種の創設を検討するということを明確に述べているとしか私には読み取れないのです。この答申の最後のくだりでいろいろ述べておりますことは、すべて既存の学校種と並行して別な制度として、別な学校種をつくるのだとしか読み取れない部分が随所にございます。例えば90ページの○3の2つ目の○のところで、これまで発展してきた大学、短期大学、高等専門学校、専門学校の教育と相まって、高等教育全体としてということは、並行して新しいシステムができ上がること、すなわち、学校種をつくることとしか私は読めない。さらに94ページからイメージが書かれております。このイメージについて、どういうことでこのイメージを示すという、そのつなぎの文章がわざとつけてないのかどうかわかんないのですが、こうして目的と特色や、入学資格、修業年限に言及する、あるいは教育課程や卒業要件について触れる、あるいは称号や他の高等教育機関等との接続と、あるいは教員資格や教員組織について論ずる、名称や設置者についても論ずる、すなわち、これは私からすれば新しい学校種そのものとしか受け取れないのです。今さらこういうことに言及することを賛成、反対というつもりはございません。これは確かに、こういうご議論もあったし、そしてパブコメの中でも、あるいは団体の中でも好意的なご意見もあったし、また慎重論もあったことです。ですから、こういうことがテーブルに載ったことを記録されるのはいいのですが、その学校種については触れないのだというような認識では非常にこんがらがってくる、微妙な話なのですが少し教えていただければと思います。

【田村部会長】

 その点に関しましては、大学分科会でも同じ趣旨のことを申し上げたので繰り返しますが、学校種を議論したのです。できれば、短大や大学とかの既存の学校は、その枠組みをうまく生かしていただけると最高にありがたいです。だけど、やってくださらない可能性もかなりある。今までの実績を見ると、はっきりいってちゃんとやってくだされば、学生あるいは生徒が就職するというメンバーというのは、今やほとんどが大学生になったのですね。大学生が就職するという部分で、はっきりうまくいってないというのが現状にありますので、大学、短大は、就職させている機関がその部分をきちんとやってくれないかもしれない。その際は新しい学校種が当然出てくることはあり得るだろうということは予測の範囲内でしているわけです。それを大学分科会でも私は説明しました。最初から学校種をつくるための議論をしたわけではないのです。うまくやってくだされば何もそんなことしないで済むのですが、なかなかその辺が現実にはうまくいかないものですから、その際には学校種をつくらざるを得ないだろうということで、それでは、何も触れないわけにいかないからこういう形で触れていると、こういう考え方なのですが。私はそのようにこれを考えて議論してきたわけです。

【佐藤(弘)委員】

 言葉にこだわって恐縮ですが、学校種に言及していないのでなくて、新しい学校種をもしつくらなくてはならないとしたらこういうイメージだということであるならば、つなぎの文章か何かがあるとその辺が誤解なく受けとめられるのではないかなという気もいたしますが、いかがでしょうか。
 94ページは新しい制度のことをイメージとして述べられておりますので、部会長のお気持ちと、どうしても必要な場合にはこうなのだというようなつなぎの文章があれば、もう少しすんなりと受けとめられるかなと、そんな気持ちもいたします。

【田村部会長】

 わかりました。これは検討してみますが、お任せいただくということでよろしいでしょうか。
 それでは川越委員、どうぞ。

【川越委員】

 今回の30回の議論で、幾つか印象に残っている言葉としては、副部会長がおっしゃったと思いますが、アカデミックキャリアに対するボケーショナルキャリアの置かれている位置みたいな議論ですとか、それから大学における深い学問研究の世界、対峙性の高い教育に対しては職業教育のような即時性の教育という議論もございましたし、また、職業教育が高等教育たりうるのかという本質的な議論もありますが、その議論という点では、自分自身も部会の初めのときにはそれなりの疑問もあったのですが、この議論を通じて職業教育が高等教育として存在し得るのだという強い確信を得られたことは大変ありがたいことだったと思っているわけです。その文脈の中でいいますと、今のご議論というのは、要するに職業実践的な教育に特化した新しい枠組みの整備という中には、当然新しい学校種の創設というアイデアを含むのだと私は理解しておりますので、そのような方向で考えたいと思っています。

【田村部会長】

 ありがとうございました。これは私の意見とそう違わないと受けとめていますが、要は学校というのは、学校種をつくったから学校ができるのではなくて、必要だとできるのです。だから、必要になるかならないかはこの枠組みを生かしていただけるかどうかにかかわっているんではないかと、議論している側では考えているわけです。そのように受けとめいただけるとありがたいなと思うのですが。
 それでは、ほかには何かございますか。 どうぞ、加藤委員。

【加藤委員】

 私の労働界の立場でも、まず専門的なキャリア、職業教育という基本的な働くという立場からすると、ILOが提唱しますディーセントワーク、働きがいがある、人間らしい、すなわち生きがいにも通じる働き方が基本という議論です。当然働くというのは雇用労働だけではなくて、経済的にも社会的にも、また人間対人間とのつながり方についても非常に重要だということでは、労働界では議論しております。その立場からすると、今回職業、または勤労といったところにおける職業教育をやることは、私どもとしては大変期待をしたいということで率直に申し上げておきたいと思っておりますし、今後この答申を踏まえて文科省が、または政府がどういう判断、どういう対応をするのかというのが逆に注目されるわけでございまして、そういう中でも極めて大切なところを大事にお願いしたいことが1つ。
 もう1つは、これはなじむかどうかわかりませんが、前段がいいのか、後ろのほうがいいのかわかりませんが、ICTの活用という文面です。というのは、生涯学習におきましても、物理的、距離的、時間的なものをどう効率化を高めたフォローなり、教育なり、さまざまな研修なりに役立てるかということがきちんとされていないと、ただ単に単純的な集合、教育とか集合訓練だけでは絶対不可能ですし、また子供たちもインターネットに早く馴染んでいる中で、今電子書籍等も顕著になってきている中で、どう教育の中でICTを活用するのかということがきちんとされていないと、ただ単に紙がいいとか文字がいいとかいうのではないところの次元まできていますので、とりわけグローバル人材ということも多く産業界も言われております。そういう意味では、どの文面なのかなというのと馴染むかどうかわかりません。前段なのか、後段のキャリア形成なのか、文面の中に少し見渡したのですが、できれば検討をお願いしたい。そして情報の共有性、課題の共有性、さらには今言った効果性、効率性、そして教育の場の積極的な活用性と広範性など、さまざまな形でICTを積極的に活用していくという視点について検討をお願いしたい。
 以上でございます。

【田村部会長】

 ありがとうございます。これは非常に重要なところなので、何か工夫して入れたいと思います。

【山下生涯学習企画官】

 職業教育、キャリア教育を実施していく際の方法としてICTをどのようにということですので、どこか適切な場所があれば言及できないか考えたいと思います。

【田村部会長】

 ありがとうございました。それでは、高橋委員ですね。

【高橋委員】

 始まって30回、非常にすごい数をやられたなという気がしています。初めはキャリア教育という話があって、どの辺からスタートするのかなという話で聞いていたのですが、幼児教育から義務教育、後期中等教育、そして高等教育と、いろんな皆さん方の意見を聞いて、もっともだな、保護者としてもしっかりこれは留意しなきゃならないということで随分勉強させられました。
 私どもは今年の夏まで、約1年半前からキャリアに対して、保護者として、子供に対してどういったキャリア教育をすべきなのかということは話しながらやってきたのですが、その中で、この会で幾つか聞いたいろんな話を全国の会長会の会長さんたちにお話しさせていただきました。今こういったキャリア教育の中教審の話があると。これに対してどうあるべきなのかということで、私どもは保護者としての立場で子供にどう接していくかという話をしました。
 その中で、総体的に今回のこの答申案に関しては、特に異議はございません。文章一つ一つは先生方が先ほど言われた、それぞれの立場でいろんな意見があると思うし、保護者から言うと、一番後ろに家庭が載っているのですが、もう少ししっかり表現してほしかったなと思いますが、これは全体から見れば保護者は当然学校に協力してやっていくものだと思っています。
 ただ、1つずっと気になっているのは、保護者は子供に不幸になってほしいとか、働かなくていいなんて1つも思っていないのです。ただ、1つ言えることは、中学が3年間、高校も3年間しかないということです。ここでいろんな、不登校だとか、そういった問題が以前出まして、そういった人たちの再チャレンジという意味でいろんな話が出て、通信制や独立制単位制高校とかいうのも、私どもの県でも県に対して約10年間ずっと要請ばかりして、大分県だけが独立制単位制高校がなかったのです。そして、2、3年ほど前ですか、つくるという話になって、やっと完成しました。15年かかりました。ですから、たった1つの再チャレンジの学校をつくるのに15年かかってしまう。その間にどれだけの生徒が出ていって、どれだけの生徒が社会でうろうろしなければならないかということがあります。
 ですから、今回のキャリア教育、本当にすばらしいいろんな意見が出て、小中高、大学、特に大学でもしっかり対応するという意見も出て、こうすべきだという意見もいっぱいこの中に書き込まれています。できましたら、やはり国の教育のトップである文部科学省が一になって、もう少し教育委員会等に強力に指導していただきたい。今まで中教審だとか、いろんな資料は出てきます。それをしっかり受けとめる教育委員会もあるのでしょうが、受けとめない教育委員会が非常に多い。地方に行けば行くほど、「国から来ました」、「あ、そうですか」、「こういった本が来ました。あ、だれが参加しているかな」、そして本棚にぽん、と。もうそれで1つの物事は終わっている。これだけすばらしいいろんな意見が出たのが、やはり即対応して、できるだけ早くやっていかないと、これから先、若者がどう日本を背負っていくのかという大きな問題ですから、今まで以上に文部科学省が指導力を持っていただいて、場合によっては各教育委員会の専門の人たちを集めて、この冊子の説明を1から10まで、こういった意見が出て、こういうのがあったのだと。ですから具体的に、できるところから、こういったところから特化して、ぜひ1日でも早くキャリア教育に対応できるように、幼小中高、大学まで対応できるように、そういった強烈な指導力をお願いしたい。
 今政治がああなっていますが、それはそれ、これはこれで、教育は待ったなしですので、とにかく子供たちは、何度も言いますが、中学の3年間の中で高校の進路を決めます。高校3年間で大学に行くか、社会に行くかを決めます。ということは3年ないのです。1年少し、今みたいに大学生の就活とかいう話になってくると、3年の段階から就活なんていったら、ほとんど授業できないのと一緒で、高校で2年目から就活とかを始めたら、1年少ししかできない。どこで教育するのだという話がこの場でも出たと思うのですが、そういったことも含めまして、やはり国を挙げて、特に文部科学省が中心になって、キャリアに関しては率先して変えていくのだという強い姿勢をぜひお願いしたいと思います。
 私どももまた、今度2月に全国の会長会がありますが、そのころには答申等も、皆さんに少しでも伝えられる間があれば、こういったことを今、国は考えてやってくれていると。それに対して、では、保護者は学校に対してどういった協力をすればいいか、また、保護者は企業人も結構いますので、企業としてどう対応していけばいいか、そういったことも含めていろんな検討をやっていきたいと思いますので、とにかく終わって、冊子ができて配って終わりとかいうことだけにはならないように、今まで以上の強い指導力をぜひお願いしたいと思います。

【田村部会長】

 ありがとうございました。それでは、安彦委員、どうぞ。

【安彦委員】

 全体として、このような形での答申でよろしいのかなと思います。個人的にはいろいろと意見もありますが、それぞれの委員の方と同じレベルで考えれば、それは仕方がないことだと思っております。それで、今の高橋委員とは少し逆に、申しわけないですが、先ほど進路選択のことで高校の普通科の問題がありましたが、私は以前から学校にばかり何もかも要求するなという態度で物を言ってきましたが、保護者の方に直接にもっと呼びかける文言があってもいいのかなと思います。
 先ほどの進路選択の場合には、普通科に子供を入れたいというのが多くの保護者の意識でして、そういう意識そのものを変えていかなければ到底よくはならないわけであります。学校が幾らしゃかりきになっても、なかなか保護者の方の発想・意識は変わらない。企業の方が何か言っても、相変わらず保護者は変わらない。改めて、私は国が何か言ってもなかなか保護者は変わらないだろうなと思いますので、正直言って高橋委員のような良心的な保護者の方もおられますが、本当にそういう今の保護者の方たちの意識をどうやって変えたらいいのかについて真剣に考えていただきたい。ただ、その点を訴える方向で文科省がいろんなことを言われることは結構ですが、奇妙な形で、また上から規制をかけるようなことにはならないように気をつけていただきたい。
 全体としてこれまで、地方の教育委員会その他にいろんな裁量を認める方向でやってきているわけですが、そういう意味では、今日の新聞にもそういう論説がありましたが、地方自治体、あるいは地方教育委員会がもっとしっかりしろと言われておりまして、そういう流れの中ではもう少し、それこそ保護者に近いところの市民レベルのいろんな動きがもっと出てこないといけない。そういう呼びかけをどこかに入れてほしい。特に終わりのところの保護者との連携というあたりは、もう少し強く保護者の意識変革を求める言葉が入ってもいいかなと思います。それが一つ目です。
 それから、二つ目としては、今度は産業界に申しわけないのですが、専門教育関係の、あるいは高等教育関係のこともそうですが、そもそも改めて、例えば職業実践的な教育に特化した新しい枠組みが欲しいという声が出てくる場合に、既に議論がありましたように、私はもし本当にそれが欲しいのであれば、まずは関係する分野の産業人が、私立でもいいですから、そういう枠組みみたいなものをつくって、そして部分的にせよ、モデルを示して、そして、それが産業界に受け入れられているところまで示していただかないと、国はそう簡単には乗り出せないと思います。
 改めてそういう意味で、方向は全く賛成なのですが、私が慎重論だというのは、国はなかなか今の状態の中でそう簡単には動けない。いろんな理由、財政面もありますが、やはりもう少し自分で何かやるという、保護者に対しても同じなのですが、例えば自力でこういう分野にこういうのが必要だからやってみたい、やらせてみてくれ、やってみた上でこれだけの需要や背景があるから、さらにこういうものを一般化して、制度として仕組んでいけないかという提案であれば、私はもろ手を挙げて賛成するわけです。そういう意味で、そういう文言がどこかに入らないだろうか。どこかでそういう試みを促すような、産業界、あるいは専門教育関係の方々のところで、そういう動きがあらわれる方向に向けて何か文言が入らないかなというのが2点目です。
 それから、学校関係で言えば、私は基本的に、「自立」という言葉が今回タイトルにも入りましたが、これは以前から大事な教育の課題だと思っておるのですが、トータルに見た場合に、義務教育と後期中等教育と並べて見た場合には、義務教育は普通教育科目しかありませんので、ここは「自立への基礎」をつくっているのです。「自立への基礎づくり」を普通教科でやっている。たとえ技術・家庭科があっても、それは職業教科ではありません。ところが、高校、後期中等教育になりますと、専門教育という言葉が入って来まして、そこに職業科目が入ってまいります。これは正直、ストレートに、ある意味で「自立への準備」をし始めた段階であります。そういう意味でははっきりと、自立について一貫した視点を持った上で、「基礎づくり」と「準備に入る」、準備教育をする、という一貫した流れを、はっきり筋として通していただきたい。言葉はどうでもいいですが、基本的な、そういう視点をしっかり入れていただくと、新しいタイトルにもふさわしいかと思います。

【田村部会長】

 ありがとうございました。保護者、産業界、あるいは学校に大変適切なご指摘をいただいたんですが、ぜひひとつ生かしたいと思いますので、お預かりしてということでよろしいでしょうか。
 では、郷委員、どうぞ。

【郷委員】

 キャリア教育、職業教育のあり方について、この議論が始まる最初のころは、いろんな方がいろんな観点からご意見をいただいたと思うのですが、その一番もとにあるものは、今回まとめていただいた詳細な方面からのご議論とは少し別のところがあったのではないかと思います。
 つまり生きる力というか、一人一人が自分の人生をどうやって生きていくか、そういう力をやはりつけていくということが基本にあって、それから職業教育があるのだと思うのですが、あまりそういうことを抽象的に申し上げても切りがないと思いますが、例えば2ページの真ん中ごろに「学校教育と職業や人材育成との連関は、我が国において、時代の変遷の中で繰り返し議論されてきたように、非常に重要でありながらも、容易に方策を見出し得ない課題である」という書き出しがありますが、特に今の職業、キャリアを考えるときに大事なことは、グローバル化の社会、今の世界の中でどうやって生きていくかということが、先ほどICTの必要性をご指摘になりましたが、具体的にはICTがそれに当たるわけですが、もう日本国内だけで自分の一生を終えていくというような枠組みの中では、多分これからは自分の職業、キャリアというのは閉じていかないだろうと。
 具体的には産業界も、去年、今年あたりは日本人より外国人をたくさん採っていらっしゃるところもあり、しかもこれからは、日本人はあまり採らない、でも国外には工場やらいろいろお持ちですから、そういうところに行ってやるという日本人がいれば、それは採用するとおっしゃっているところもあり、やはり私たちが今まで考えてきたようなこととは大きくこれから変わっていくのではないかと思います。
 それで、具体的にどこにどういうことを書いていただくかというのは難しいのですが、文言の中にグローバル化とか、今の状況を国際的な競争という形で、だから職業教育をきちんとして、世の中に出していかなければいけないという脈絡なのですが、競争というよりは、世界を見据えた中で自分の職業、キャリアを確立していくという、最初から、義務教育の間にはなかなか難しいと思いますが、少なくとも後期中等教育、高等教育は、例えばコミュニケーション能力にしても、ただ人前で堂々と発表できるではなくて、これから英語はもちろん、中国語や2カ国語ぐらいはしゃべれないといけないという時代がもう来ているわけです。現在、実際に大学生は英語よりも中国語を勉強したいという人が履修届は多いという、教員が間に合わないという状況ですから、このあたりはそういうニュアンスのことを前文か、あるいはコミュニケーション能力のところに、何も英語をやれということではないのですが、少し広い視野からの視点の記述を加えていただければと思います。

【田村部会長】

 郷先生のご意見も大事なところなので、何とか生かしてどこかで指摘をさせていただこうと思っております。お任せいただくということでよろしいでしょうか。それでは、荻上委員、どうぞ。

【荻上委員】

 社会的、職業的に自立していく力をつけるために何をなすべきかということに関して、非常に深い議論が行われて、すばらしい答申案がまとめられたと思います。ただ、1点私が気になりますのは、何人かの委員からご指摘がありました新しい枠組みという部分でございまして、これはまだ中身がはっきりしていませんので、何か具体的なことを申し上げるわけにはいきませんが、おそらく何らかの制度改革を必要とすることになるだろうと思われます。もちろん現行の制度の中で対応できることかもしれませんが、多分制度改革を伴うことになるだろうという前提で申し上げます。
 過去においていろいろな制度改革が行われてきました。ここ10年ぐらいの間を見ても、規制緩和の流れの中で、学校に関して言えば、つくりたいものを自由につくれるようにすべきであるというようなことで、いろいろな新しいものができてきた経緯がありまして、そういったものの中には必ずしも学生、生徒のためにならないものもあったと私は受けとめております。つくるほうの側、あるいはつくりたいほうの側の論理で制度改革が行われて、それが学生、生徒のためにならなかったというようなことも我々は経験しておりますので、ぜひこの新しい枠組みが何らかの制度改革を伴って進展していく場合には、まず学生、生徒のためになる制度改革ということを第一にというか、専らそれを前提にして、この先の議論を進めていただければと思っております。よろしくお願いいたします。

【田村部会長】

 ありがとうございました。これはどういうふうに表現したらいいか、少し検討させていただきます。
 では、黒田委員、どうぞ。

【黒田委員】

 この答申案は、大変よく後半の議論をまとめていただいていると私は思っております。前半の議論がこの中にほとんど出てきていないのです。というのは、日本の幼児教育から初等中等教育の中でのキャリア形成をどうするという議論が相当続いていたわけです。それが第1次報告、第2次報告の前半あたりに出てきているわけですが、そのこととこれとの関連性といいますか、それが少し希薄になってしまっている。
 したがって、私としては第1次報告とこれがセットになると非常にいいのだろうと思うのです。日本の戦後の教育の中で一番抜けていたのが、個人の自立の教育が抜けていたということです。個人として自立する力を教育してこなかったと。それが最大の日本の戦後の教育の欠陥だろうと思います。だから学校教育の中で、社会的・職業的自立という新しい言葉が出てきたわけですが、このことをやるためにはどういうことをやったらいいかというのが1次報告の中でそれぞれの段階において書かれていて、いろんな統計資料も出てきていたと思うのです。だから、そういうことを踏まえますと、新しいキャリア教育、職業教育の枠組みの問題がつながってくると思うのです。したがって、ぜひ1次報告はこれにセットでお示しをいただいたらいいのではないかと私は思っていますので、少しつけ加えました。

【田村部会長】

 大変重要な指摘をいただきました。これは検討してみたいと思うのですが、お任せいただくということでよろしいですか。

【山下生涯学習企画官】

 今のご趣旨を踏まえて、何か書き加えられるようなことがあればと思っています。ただ、ご案内のとおりで、1次報告、2次報告をベースにしまして今回答申でまとめてきておりますので、そこで書かれていた趣旨はおおよそどこかには入っているのではないかと。いずれにしても、表現を精査させていただければと思います。

【田村部会長】

 佐藤委員、どうぞ。

【佐藤(義)委員】

 答申全体を見て、やはり印象的に思いますのは、全体的に閉塞感があって、無気力、無関心な若者の存在、それから、なかなかそれに対して教育がうまくいっていないのではないかというような制度の改善方策の議論があったわけですが、総合学科について議論が不十分だということもありましたが、総合学科はいろんな意味で貢献しています。
 例えば64ページの2.、最初の○で、自分の進路について学び、じっくり考えることができると考えている者が76%です。そういうことを考えますと、専門高校を含めて、高校に入ってからさらに志を持って、地域のため、人々の幸せのため、いろんなことに気がついて学ぶ生徒がかなり出てきています。これは総合学科を含めて、教育の成果だと私は考えています。
 そういうことを考えますと、今回の全体のトーンの中で、さらに学びたい生徒や学生、社会人についてもキャリアパスを十分議論したということを最初の段階で書き加えるとか、あるいは見え消し本文の2ページの一番下に、この答申をもとに、若者がもっと未来に夢を持ってキャリアパスが形成され、明るい我が国になっていくことを望むとか、こんなことをきちんと書いていただいて、答申全体が若者に対して、それからいろんな方々に夢を与えるような心配りが入っている答申だということを、メッセージとしてつけ加えたらいかがと思いましたので、発言しました。

【田村部会長】

 いや、大変ありがたい。私はこの議論が始まるところでそのことを申し上げた記憶がありますので、本当にその点は、確かにどこかできちんと書いていきたいなと思っておりますので、お任せいただくということでよろしいでしょうか。
 それでは、実質的な審議はこれまでにしたいと思うのですが、最後に板東局長にお話しいただいて、30回、本当にご苦労さまでございました。ありがとうございました。では、よろしくお願いします。

【板東生涯学習政策局長】

 30回のご議論、大変ありがとうございました。本当に幅広い分野にわたりますご議論を、熱心、丁寧に積み重ねていただきまして、答申はまだ総会にかけてご議論いただいてという過程はございますが、その原案になるものをおつくりいただいて、またご修正の部分は、ご意見を踏まえてできる限りやりたいと思っておりますが、ここまで来ましたことに大変感謝申し上げたいと思います。
 今までのご議論に関連しまして、二、三お話し申し上げたい点がございます。一つは、先ほどからご議論がありました高等教育段階の新たな学校種というのを、ここではどういう位置づけなのかというお話でございましたが、新しい枠組みという議論の中で、やはり新しい学校種という議論が中心に議論されたのは事実であろうかと思います。そういったことで、例えば、考えられるのであれば、こういうような形ではないかという提案が盛り込まれているということであるかと思います。
 ただ、この学校種を含めた新しい枠組みのあり方というのは、それからさらに、様々な角度から議論をしていくべき事柄はありますし、様々な関係者の理解が非常に重要だと思いますので、これからやるべきことはたくさんあるのだろうと思います。
 ただ、新しい学校種の議論がなぜ出てきているかというところを改めて少し申し上げたいと思いますが、これは大学分科会でも、私もお話し申し上げたのですが、少し次元は違うのですが、何年か前に、私自身も高等教育局で担当課長をしておりましたときに、専門職大学院という制度を新しくつくるということを当時の大学分科会でご議論いただいたわけですが、あのときも既存の修士課程、博士課程の中で、高度専門職業人養成というのはできないことはないだろうと。ただし、やはり教員の資格とか、あるいは教育課程のあり方、教育方法、を全体的に考えていきますと、既存の大学院、特にそれまでの大学院というのは研究者養成のところにかなり力点が置かれていて、研究指導にかなり重点があり、教員の資格も、そういったことができる教員がいるかどうかというところに当然ポイントがあったのは事実でございましたので、高度専門職業人養成を大学院レベルで考えたときに、どういう制度がふさわしいのかという議論の中で、修士課程、博士課程というものと別途に、専門職大学院という制度を構想したことがあったわけでございますが、あのときも、大学関係の団体でご説明をしたり、様々な関係の審議会でもご説明をさせていただいたりしましたが、必ずしも賛成のご意見ばかりではなかったと。大学院というのはこういうものではないのだというご意見も含めまして、様々あったのは事実でございます。専門職大学院という制度は、まだまだ発展の途中だと思いますし、様々な課題もあるかと思いますが、そのような制度、仕組みをつくって、真正面から職業人養成ということを考えていったことによりまして、既存のほかの修士課程や博士課程に与えている影響もあるのではないかなと思っているところでございます。
 今回の議論も、少しそれに似たようなところがあるのではないかと。大学や短大などの既存の制度の中でも、当然こうしたねらいを持った教育を展開していくことはできるのではないかというのは、今までご指摘いただいたとおりであろうかと思いますが、しかし、一方では前回も短大協会からもご意見ございましたように、学位を授与する機関、高等教育機関ということで、アカデミックなディグリーを授与する機関を考えていったときに、実践的な職業教育に特化した教育を展開するのは、なかなかその中では馴染みにくいのではないかというご意見もありましたように、やはり先ほどの専門職大学院の議論のように、真正面から職業人養成とか、実践的、実務的なものをベースにした教育の展開ということを考えていったときに、教員の資格や、教員組織全体のあり方、教育方法、評価のあり方、カリキュラムの構成の仕方といったところで、真正面からそれにふさわしいものを考えていこうという枠組みも十分にあり得るのではないか。また、それが既存の学校種、教育課程の中にもプラスの影響を与えたり、あるいは既存のものにもそういったものを、ある意味では構築していくということの流れをつくっていくことにもなり得るのではないかと。こういったご議論のベースには、やはりそういった点があるのではないかと思っているところでございます。
 これ自体について、様々なご意見があるかと思いますので、また、さらに具体的にどういうことがあり得るのかということを、具体的なメリットやデメリットも含めまして、さらに議論を詰めていきながらご理解をいただくなり、ご提案をいただくべき部分だと思っております。
 既存の大学、短大でできるのではないかというだけではなく、例えば専門学校などでもこういう教育ができるのではないかというご意見もあるかと思うのですが、これも、私もある専門学校の話を聞きましたときに少し感じたところを申し上げたいと思いますが、自動車デザインについての4年制の専門学校のお話をお聞きしておりますが、その企業は大変グローバルに活躍していくようなデザイナーの養成ということで、我が国で唯一とも言えるような専門学校なのですが、大学、短大の卒業生もかなり来ておられるような機関、あるいは留学生も来るようなところなのですが、実を申しますと、高度専門士ということでは十分に称号の位置づけを与えられているわけですが、実際に処遇の点でどうなっているかといいますと、やはり4年制大学並みの処遇を得るのは、現状においてなかなか難しいと。例えば大学を卒業して、その専門学校に入った方が、企業に入ったときに処遇をされるところについては、大学の卒業生というところがまずベースになって処遇される企業も多いというお話をお聞きいたしまして、その中で一つ一つ苦労しながら道を開いているというお話でございました。
 そういうところで、例えば企業からも、実際のデザインにかかわっている人たちに出向してもらったり、経験者に来ていただいたりして、実際の教育を展開しているということで、これは大学や短大などでできない教育ではないかと思いますが、もう少し違う枠組みを使うことにより、やりやすく展開をしていくこともできるような種類の教育ではないかと感じたわけです。
 少し具体例のお話が詳しくなりましたが、いろいろ強みを見出し得る分野なり、人材養成のあり方というのが幾つかの分野でも考えていくことができるのではないだろうかということを、関係者からも様々なお話をお聞きするにつれ、企業や職業分野の様々な状況から考えるにつれ、非常に感じるところが強くあるというのは事実でございまして、今の日本の状況、それからグローバルに産業や雇用が変わっていく状況の中で、本当にこれから子供たちのためにどういった機会を提供していくことがふさわしいのか、それを遅れることなく真剣に考えていかなければいけない時期になっているのではないかと。その重要な点としては、キャリア教育で自立に向けての教育というのは当然ございますし、職業教育でいいますと、やはり職業教育がもっと社会的にも、あるいは教育体系の中においても評価をされるということと、様々なものとつながっていくことができるということ、先ほどから接続というお話がございましたが、そういった点で十分なのかどうかということを、改めて全体の中で点検をし、構築をしていくことは重要であるかと思っておりまして、長々とお話を申し上げまして恐縮でございますが、今回の、まさにこの答申の案は、そういうものを十分に盛り込んだ形で、全体についてご議論いただいた成果をおまとめいただいたと思っておりますので、これからどういう形で進めていくべきか、先ほどからも、もっともっと文部科学省、頑張って動けというお話もございましたので、我々としても、様々な検討なりアクションなりというものが進みますように、具体的な努力をしたいと思っております。皆様のこれまでのご議論を最大限に生かす形でやっていきたいと思いますので、今日は本当に熱心なご議論をいただきまして、どうもありがとうございました。30回分のお礼を申し上げたいと思います。

【田村部会長】

 ありがとうございました。最後に本当にいいまとめをお話しいただいたような気がしますが、いろいろとありましたが、若者がこの国で育って、職業について、生き生きと生きるために我々は議論したような気がします。結果は、この国に生まれてよかったなと思ってもらえるような若者がたくさん出るように、キャリアパスを手がかりにしていろんな改善をすることを中心に議論していただいたと思います。大変お忙しいところ、その議論に参加していただきまして、このような答申としてまとめられたことを、とてもうれしく感じております。これが本当に、日本の社会が明るくなって、未来に向けて動いていくきっかけになれば、先ほど佐藤委員がおっしゃっていましたが、それを大いに期待しているところでございます。
 最後でございますが、ご意見を今日もいただきましたが、答申案については委員の皆様の間で、方向性についておおむねの共通理解が得られたのではないかと。細かなこと、あるいは、もっと大事なこともありましたが、少し修正するところもありますが、その修正はした上で、これをまた答申案としてまとめて、総会に提出したいと思います。修正につきましては、大変重要なことは別ですが、基本的に部会長でございます私にご一任いただければと思って、一々確認してきたのですが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、そういう方向で進めさせていただきます。これまでお忙しいところ時間を割いていただいて、ご協力いただいたことを、本当に心から御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 最後に事務局からご連絡等ございますので、よろしくお願いします。

【山下生涯学習企画官】

 最後まで大変熱心なご審議をいただきまして、まことにありがとうございました。本日いただきましたご意見を踏まえ、部会長とご相談の上、最終的な答申案として整理し、12月24日に開催を予定しております総会でご議論いただきたいと考えております。
 以上でございます。

【田村部会長】

 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。本当にありがとうございました。

—— 了 ——

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