参考資料2 教育制度分科会(第18回)・初等中等教育分科会(第48回)概要(速報版)

※ この議事概要は、事務局の責任においてとりまとめたものであり、今後変更の可能性があります。

1.日時

 平成19年2月16日(金曜日)19時~21時

2.場所

 フロラシオン青山「ふじ」

3.議題

(1)学校教育法の改正について
(2)教育職員免許法等の改正について
(3)地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正について
(4)その他

4.資料

  • 資料1 教育制度分科会及び初等中等教育分科会の当面の運営について
  • 資料2-1 学校教育法改正に関する主な検討事項
  • 資料2-2 学校教育法改正に関する参考資料
  • 資料3-1 教育職員免許法等改正に関する主な検討事項
  • 資料3-2 教育職員免許法における関係規定
  • 資料3-3 教育公務員特例法等における研修・分限処分・転任関係規定
  • 資料4-1 地教行法改正に関する主な検討事項
  • 資料4-2 地方教育行政の組織及び運営に関する法律における関係規定
  • 資料5 学校教育法の改正に関する意見(無藤委員提出資料)
  • 資料6 今後の開催予定

5.議事

学校教育法の改正について

  • 幼稚園の目的については、幼稚園教育と義務教育との円滑な接続という観点を明確にする必要。またこれに関連して、教育の順序性という観点から、幼稚園の規定順についての見直しが必要。
  • 幼稚園の目的に規定する「保育」の語は、幼児に必要となる一定の養護と一体的に、幼児の生活を通じて行うという、幼児期の教育の特性を踏まえた言葉として定着。「保育」の用語については様々な意見があるが、見直しに当たっては現場にもう少し議論の時間が必要。現時点では、幼稚園が教育の場であることを明確にしつつ、保育の語は残す方向で検討すべき。
  • 幼稚園の目標については、幼稚園教育要領に置かれている目標は、時代に合わせて解釈し直しているので、これを参考にして見直す(例えば、人への信頼感、道徳心の芽生え、自然への興味・関心、豊かな感性の芽生えを養うことなど)ことが重要。
  • 学校教育法の目標規定は指導の方向性を規定するものであることが前提としても、中央教育審議会で別途議論がなされている義務教育の到達目標の明確化に当たっては、到達目標に達していない子どもにどう対応するのか十分に検討する必要がある。
  • 義務教育期間の延長は、学校教育制度全体に関わる非常に大きな課題であり財政負担も必要となるので、今後長期的な視点で検討すべき。当面は9年を維持すべき。
  • 6、3、3制の区切りについては様々な意見があるが、学制改革は国民への影響も大きく、拙速な議論は避けるべき。現在の様々な教育課題の解消のために、学制改革が必要不可欠なのか、それともその他の効果的な方策があるのかといった視点にも留意すべき。
  • 現行学校教育法に規定する高等学校の目標規定は、現在でも通用。高校の目的は、1.義務教育の成果を発展させて個性に応じた教育を行うこと、2.生徒に自らの在り方生き方を深く考えさせて、自分の個性を確立させること、3社会人として自立していくために、社会を理解し、進路を決定して、それに応じて専門的な知識や技能を身につけさせること。高校教育の多様なあり方を学校教育法で具体的に示すのは困難であり、現行の規定を前提に包括的な規定とすべき。
  • 学校経営の円滑化の観点から、副校長を制度上明確に位置付ける必要がある。また、指導教諭については、優秀で指導力のある教員に対する処遇が自治体で区々に行われている状況を改め、全国的な制度のなかである程度統一すべき。
  • 学校教育法における目的・目標は、教育基本法と学習指導要領をつなぐ大綱的な基準であり、指導の方向性や学校の努力目標と捉えるべき。
  • 中学校段階の目標については、現在明示されていない外国語の習得などを規定する必要がある。
  • 教育基本法で明確になった教育理念(例えば、規律や学習習慣、国語力、伝統と文化等)については、目的や目標の見直しにあたって考慮すべき。
  • 高等学校が多様化している中、学校教育法に高校の目標を一律に明記することは不可能。自らの目標を達成するのための各高校の努力を支えられるような形で規定すべき。その上で、学習指導要領の見直しの中で、高校の必履修科目の在り方や高校水準の維持・向上のために具体的な方途をさらに検討すべき。
  • 多様な学校経営に対応した柔軟な制度とするために、特に副校長については全国一律に必置とするのではなく、「置くことができる」と規定すべき。
  • 多様化が進む高校はまず自己点検・評価が基本。自らが立てた目標に対する達成度を自己評価することが重要。

教育職員免許法等の改正について

  • 教員免許の更新制は真に意味あるものにすべき。ただ講習を受講すればいいというものではなく、試験実施など、講習の修了認定を厳格にすべき。
  • 校長の指導力不足教員申請に当たって、あまり苦労しないシステムを検討すべき。
  • 教員については、1.養成段階からの品質管理(大学における単位付与の在り方など)、2.コネや政治ではなく、公正な評価による教員採用の在り方についても検討が必要。
  • 教員免許更新講習について、すべての教員が一律にするのではなく、優秀教員については軽減をはかるべき。
  • 「指導力不足教員認定の際、保護者の意見を聞く」ことを必須化するのは無理。どこかの時点で「聞く」くらいにしてほしい。
  • 指導力不足教員の研修は年限を区切ってほしい。
  • 教員が病気の場合もあるので、指導力不足教員判定の際、医師等の専門家も加えて判断する必要がある。
  • また、研修後の措置としては、分限処分は当然だが、他の職への転任もできるような工夫を検討してほしい。
  • 初任者研修を活用し、指導力不足教員については厳格な運用が必要。
  • 指導力不足教員への研修は、必要以上の長期間の研修とならないよう、2年ぐらいの合理的な範囲内に制限すべき。

地方教育行政法の改正について

  • 今回は、現在の教育委員会を手直しするにはどうすればよいかという点に絞って審議したい。
  • レイマンコントロール、政治的中立、地方分権という教育委員会の3つの基本的な性格を維持することを前提に審議したい。
  • 教育委員会を置くかどうかは選択制にして、市町村長が教育行政を担う場合もあってよい。
  • 教育委員会の内部的評価の議論のみならず、教育委員会全体のパフォーマンスを考える必要がある。
  • 広域化するかどうかは自治体の判断に委ねるべき。
  • 教育委員が研修を受けることに違和感。
  • 国の関与の在り方は、地方分権一括法、地教行法第48条(文部科学大臣又は都道府県教育委員会の指導、助言及び援助)で既に整理済み。
  • 教育委員会が教育長等の事務執行状況の監視・評価を行うというような意見がどうして出てくるのか、疑問。
  • 教育委員の人数の弾力化はよい。人数は自治体に応じてでよい。
  • 文化・スポーツに関する事務は、地方公共団体の首長が担当するかどうかは、首長と教育長が話し合って決めればよい。
  • 教職員の人事権を都道府県から市町村に移譲する問題については、財源と一緒に議論すべき。
  • 問題が起きた時の責任の問題と国の関与の問題は無関係。
  • 法律違反や著しく適正を欠く場合に、例えば国に説明を求められた場合に応じなければならないなど、一定の国の権限を認めてもよい。
  • 教育委員会の選択的設置は教育の現場に混乱を招いてしまう。首長と議会の包括的関与の下で教育委員会制度が有効に機能するようにすればよい。
  • 世界的に見ても例外的に強い首長の権限を抑制し、政治的中立性を確保するため、教育委員会制度は必要。
  • 首長が教育長を選ぶとき、責任分担を明確化し、何らかの意見具申、関与があってよい。
  • 教育委員の数は弾力化し、その人数の上限は法律に書くべきではない。
  • 教育委員会と首長は、もっと連携協力が必要。
  • 教育委員会への批判は、いい人を選んだ首長に対する批判。
  • 教育委員会は旧態依然のところがあり、もっと独自色を出していくべき。
  • 問題ある親の対応のため、学校教育と社会教育の連携を考えていくべき。
  • 教育委員会を必置とすることについては、中教審でこれまでも審議し、必置を維持するということで、決着がついているため、この議論をするのは効率的ではない。
  • 教育委員のための教育行政に関する基礎基本的な研修は今後も必要。
  • 教育委員会は、もともと教育行政の執行状況について、監視・評価する機能を持っている。これに教育委員会以外の第三者評価の仕組みを設けることは、屋上屋を重ねること。むしろ、外部の意見を参考にして自己評価し、議会や地域に公表するのが適切。
  • 国は統一的基準を示し、各自治体は、責任感を自覚し、創意工夫、主体性もって取り組むことが、地方分権型の教育行政。中教審でもこれまでそういう議論していたはず。
  • 法律違反があったときには、国が何らかの措置をとれるようすべきというが、そのような場合には、地方自治法第245条の5で文相が是正を要求できるという規定が既に地方自治法にある。
  • 今後の議論の前提として、いくつかの資料(1地方分権推進委員会による平成8年の第一次勧告、2同委員会による平成9年の第二次勧告、3平成10年の中教審答申、4同答申を踏まえて行われた法律改正の新旧対照表等、5平成19年2月15日付けの規制改革会議の見解)を参考にしたいので用意してほしい。
  • 情報を共有し、現行法の地教行法第48条の指導や地方自治法の規定もある中で、これ以上何が必要なのかを議論すべき。
  • 地方分権は、一部の失敗を認める考え方。この先、教育、義務教育についてどう考えるかがポイント。
  • 地方分権は、議会がそのチェック機能を果たすことが必要。しかし、現状では課題も多い。
  • 教育委員会の広域合併の強要はいけない。義務教育について、逆権限委譲として、過疎化の進む地域は市町村の代わりに県が行えるようにすることも考えてはどうか。
  • 現行でも予算編成等の際、首長が教育委員会に対し、意見を聞くこととされているが、実際に聞いているのかチェックする必要がある。
  • 教育の問題が起きた場合、責任を問われるのは首長であり、それに見合う権限が必要。
  • 首長にも当たり外れがあるというが、選挙により短期間で是正がきく。
  • 中央と地方という対立の構図で考えるのはやめるべき。教育基本法も国と地方の協力関係の思想である。
  • 国か地方かではなく、教育の高度の専門家集団を活用するということを考えるべき。
  • 分権も大切であるが、問題が生じた時にすぐに動かなければ国民の期待に応えられない。何かあった時に国レベルの専門家集団をつくるなどの仕組みはできないか。
  • 首長と私学との関係は色々歴史的経緯があり、一度に解決するのではなく、例えば、私学担当部局の求めに応じて教育委員会が助言や援助できるようにするなど、私学に関する行政についても検討すべき。
  • 教育の専門家集団を活用するアイディアには賛成。
  • マネジメントの確立のため、リーダー養成を国をあげておこなうべき。

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初等中等教育局初等中等教育課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育課教育制度改革室)