教育委員会制度の在り方について

平成25年6月13日
三鷹市教育委員会
貝ノ瀬 滋

◇現行制度
  政治的に中立である必要から、首長から独立した行政委員会として設置。
  継続性・安定性の確保、地域住民の意向反映が求められる。

1.教育委員会の現状(三鷹市の場合)
 丸1 教育委員会の役割と仕組み
 丸2 教育委員会の主な活動
   教育委員会会議(月1回+臨時)、教育委員の活動、事務局の取組等

◆課題
  丸1 地方の教育行政の責任の所在が曖昧
   ・教育委員は非常勤であり、日常的な情報共有に努めても、教育長との情報量の差は埋めがたく、教育委員会が教育長を指揮・監督するには限界がある。
   ・教育行政の予算執行は首長の権限。また、小中学校の設置者・運営者(市区町村)と教職員人事権を持つ主体(都道府県)との間に「ねじれ」がある。市区町村教育委員会だけでは責任が果たせない。

  丸2 地域住民の意向反映の仕組み
   ・自治体の教育についての最高意思決定機関である教育委員会が形骸化。教育委員に本業がある中、会議回数の増加は困難。月1・2回の会議では、会議自体が形骸化しがちで、地域住民の意向反映は困難。
   ・三鷹市では、週1回の首脳部会議(市長、副市長、教育長)と、コミュニティ・スクールにより、二元的に地域住民の意向を反映。

2. 課題に対する現在の対応(三鷹市の場合)
 丸1 委員長と教育長との関係
  基本方針の審議・決定を委員長がマネジメント。施策実行等は教育長。
  教育長経験のある委員長であり「顔の見える教育委員会」を体現。
 丸2 市長と教育委員会との関係(市長と教育委員との懇談)
 丸3 東京都教育委員会との関係(コミュニティ・スクールの意向は尊重?)
 丸4 地域住民の意向反映
   コミュニティ・スクールを基盤として、学校運営に地域住民が参画。
 丸5 会議の活性化(メール等を活用して情報も共有 その上で議論)
 丸6 機動性(迅速な対応が必要なものは、教育委員に報告し、教育長が判断) 

3.改革案(全国どこでも責任ある教育行政を築く。)

 丸1 教育行政の責任体制を明確にするため、首長が議会の同意を得て任命する教育長が、首長から独立して教育事務を行う。

 丸2 政治的中立性・安定性を確保するため、教育長は首長のラインとはせず、所定の事項(教育行政の基本方針や教育内容等)は教育委員会が審議。首長との関係において、予算や事務局職員の交流人事について、教育長の意見を十分に尊重。

 丸3 地域と共にある教育行政とするため、地方教育行政法47条の5に基づくコミュニティ・スクールや学校支援地域本部等の設置に努める。学校運営協議会の委員や学校支援地域本部等の関係者、保護者などを教育委員とし、首長の意向とともに地域の民意を反映(二次元的な民意反映)。

 丸4 教育長の資質・能力が極めて重要であり、現職教育長・教育長候補者の研修など、「学び続ける教育長」の育成に国が関与。首長による教育長の選任に際しては、議会で候補者に直接問い、その資質・能力をチェック。

 丸5 義務教育については、原則として、設置者である市区町村に人事権と責任を持たせる。一市区町村では人材確保が困難な場合は、一定規模の区域で一部事務組合を設けることなどにより、人事の調整を行う。併せて教師力向上を積極的に行う。

 丸6 義務教育についての市区町村の権限と責任体制を確立することに伴い、地方の教育水準を保証するための国の機関による外部評価・監査システムの導入を検討する。

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初等中等教育局初等中等教育企画課

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