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教育制度分科会(第27回) 議事録

1.日時

平成25年7月17日(水曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省「第二講堂」(旧文部省庁舎6階)

3.議題

  1. 教育行政における国、都道府県、市町村の役割分担と各々の関係の在り方について
  2. 学校と教育行政、保護者・地域住民との関係の在り方について
  3. その他

4.議事録

【小川分科会長】  定刻になりましたので、そろそろ開始したいと思います。よろしいでしょうか。
 委員の中で事情で少し遅れるという方がいらっしゃいますけれども、定刻になりましたので、これから第27回目の教育制度分科会を開催させていただきたいと思います。
 本日は、お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 会議を始める前に、文科省の方で人事異動があったということですので、事務局から御紹介をお願いいたします。

【堀野企画官】  それでは、前回の分科会、7月1日の後、事務局に人事異動がございましたので、新たに着任した者について紹介をさせていただきます。
 事務次官の山中でございます。

【山中事務次官】  山中でございます。よろしくお願いいたします。

【堀野企画官】  文部科学審議官の板東でございます。

【板東文部科学審議官】  よろしくお願い申し上げます。

【堀野企画官】  生涯学習政策局長の清木でございます。

【清木生涯学習政策局長】  どうぞよろしくお願いいたします。

【堀野企画官】  総括審議官の大槻でございます。

【大槻総括審議官】  よろしくお願いいたします。

【堀野企画官】  生涯学習総括官の藤野でございます。

【藤野生涯学習総括官】  藤野でございます。よろしくお願いします。

【堀野企画官】  初等中等教育局財務課長の池田でございます。

【池田財務課長】  池田でございます。よろしくお願いいたします。

【堀野企画官】  初等中等教育局参事官の岸本でございます。

【岸本参事官】  よろしくお願いいたします。

【堀野企画官】  なお、初等中等教育局審議官の義本については遅れて参加いたします。
 以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございます。
 また、今日の会議には義家政務官も御出席いただいております。よろしくお願いいたします。
 次に、事務局から、今日の資料について確認をお願いいたします。

【堀野企画官】  配付資料でございますが、議事次第にございますように、配付資料として、資料1から資料6-2まで、それから、参考資料がございます。
 不足等ございましたら、事務局までお申し付けください。

【小川分科会長】  よろしいでしょうか。もし配付資料等の不足がございましたら、事務局までお申し出いただければと思います。
 それでは、今日の議事に入りたいと思います。
 前回までの分科会におきましては、諮問事項1、教育委員会制度の在り方について議論をしていただきました。諮問事項1の教育委員会制度の在り方については、8月半ば頃から具体的な制度改正の議論を始めていきたいと考えておりまして、現在、事務局と相談しながら準備を進めているところです。
 今日からは諮問事項2、諮問事項3の議論をしていきたいと思います。参考資料の論点整理のペーパーを見てほしいのですが、2ページ目に、諮問事項2、諮問事項3の論点を簡単に書いてあります。今日は最初ということもありまして、諮問事項2、諮問事項3に関わる内容について、事務局及び委員の方から御説明と御意見を頂くというような形にさせてください。
 まず、今日の会議の進め方としては、前半と後半に分けさせていただいて、前半で、諮問事項2の国、都道府県、市町村の役割分担とそれぞれの関係の在り方の中でも、特に県費負担教職員の人事権・給与負担の在り方、そして、公教育における国の最終的な責任の果たし方を議論したいと思います。最初に事務局から関係資料を説明していただいた後、皆さんから御意見を伺うということにしたいと思います。
 また、後半については、諮問事項3である学校と教育行政、保護者・地域住民との関係について、これは事務局からの説明と、また、貝ノ瀨委員から御意見をいただいた後、議論していきたいと思います。
 また、諮問事項2の第3と第4の論点、教育現場の士気を高める方策、第三者評価の在り方については、今日は、これも入れると時間的な余裕もありませんので、教育現場の士気を高める方策と第三者評価の在り方については、次回の分科会で取り上げて議論をしていきたいと思います。
 そういう段取りで、前半、後半ということで分けて議論をいただければと思います。よろしいでしょうか。
 では早速、今日の前半部分の諮問事項2について、まず、事務局から御説明をお願いいたします。

【堀野企画官】  それでは、資料1を御覧ください。県費負担教職員の人事権の移譲について、御説明をさせていただきます。
 資料1の1ページにございますように、市町村立小・中学校等の教職員につきましては、市町村の公務員という身分でございますが、その給与については都道府県が負担をするという、県費負担教職員制度をとっております。そして、給与を負担する都道府県が人事についても行うということで、その結果、広く市町村を越えた、広域の人事異動が実現しているということでございます。
 下の図にもありますように、上の都道府県から下に線が2本伸びていますけれども、都道府県が市町村の教職員の任命、それから、給与負担をするという制度でございます。
 2ページ目を御覧ください。どうして市町村の公務員について都道府県が給与負担をすることになったのかということですけれども、歴史の表の一番上が、すみません、明治と書いてありませんけれども、明治33年です。
 大本はさらに遡りまして、明治5年に明治政府が学制を発布して以来、大きな教育行政の目標というのは、全ての子供たちを小学校に通わせるということが明治政府の目標でございました。その中で、やり方としては、市町村に対して、小学校の建物を建設してください。そして、そこに国家公務員の教員を送るので、その給料も市町村で負担してくださいというやり方で、小学校は始まったわけでございます。
 ただ、当時、細かい単位の市町村がたくさんあった中で、教員の給料というのは、財政負担として極めて大きいものであるということでございました。したがいまして、市町村財政だけでは何ともならないので、授業料を取った上で小学校に通わせるということでスタートをいたしました。
 しかしながら、授業料を取っているうちは、なかなか保護者が子供を学校に通わせないという状況でございまして、就学率を上げるためには、何とか授業料をただにしなければいけないということが市町村の大きな目標であったわけです。
 そうした中で、教員の給料に対する国からの補助金というのが徐々に増えてまいりまして、表の最初にある明治33年の段階で、国庫補助は更に拡充をされて、その結果、授業料徴収を廃止するということで、ここで初めて義務教育無償制というのが実現をいたしました。
 その後、大正7年、市町村義務教育費国庫負担法によって、教員の給料の負担に対する国の責務というものが法律で明らかになりました。
 その後、昭和15年の義務教育費国庫負担法の成立によって、市町村は教員の給料について払わなくてよい、国と都道府県で折半するという、現在の仕組みが出来上がったわけでございます。
 この頃、一番右の欄が任命権者ということですけれども、当時、人事については道府県知事が行っていたということでございます。当時の知事というのは官選知事でございまして、国の出先機関という扱いですから、国と道府県で折半したといっても、ほぼ国が全部払っているというような状態でございました。
 それが戦後になりまして、日本国憲法ができまして全体の仕組みが大きく変わりました中で、教育制度についても地方分権ということになりました。その結果、これまでほとんど国がやっていた教育事務というのが、小・中学校については、全て、人事についても、建物についても、教育内容についても市町村が責任を持つという体制に変わりまして、一番右の欄にありますように、市町村で人事をやる。戦後の時点で、教職員の任命権は一旦、市町村ということになったわけでございます。
 しかしながら、給与の負担については、戦前から引き続き、都道府県と国で折半するという体制が続いておりましたので、その結果、国の出先ではなくて、新しく地方自治体となった都道府県からすると、市町村が先生を雇うと、その給料は都道府県が払わなければならないということになり、これはいかにも不合理ではないかという不満が相当に高まりました。
 こういったことから、一番下ですけれども、昭和31年に、現在の地方教育行政の組織及び運営に関する法律が制定された際に、一番右の欄ですけれども、教員の人事についても、給料を払う都道府県が人事も行う。こういう歴史があるわけでございます。
 3ページ目を御覧いただきたいと思います。
 そういった事情でできた制度ですけれども、平成になりまして地方分権が進む中で、平成17年に中教審答申が出ております。この中身につきましては、当面、中核市をはじめとする一定の自治体に人事権を移譲する。その状況を見て、その他の市区町村への人事権移譲について検討することが適当である。また、これに伴って、一定水準の人材が広域で確保されるような仕組みを新たに設けることは不可欠である。こうした答申が出ました。
 当時は、中核市という一定規模の団体につきましては、研修は通常、任命権者の都道府県がやるわけですけれども、地方分権の中で、研修も中核市でやってくださいということになっておりましたので、中核市の中で、研修を行って人材育成をしたのに、都道府県の人事異動で他の市に連れていかれてしまうということでは困るという不満もありまして、中核市及び一定規模の都市からは、人事権を自分たちにおろしてほしいという主張があったわけでございます。
 この17年10月の答申を受けまして、その下にございますように、関係者間の意見交換を行いましたけれども、移譲に賛成の中核市・特別区・指定都市・市といった大きなところに対しまして、移譲に反対の都道府県・町村・へき地関係者という構図で、まとまりませんでした。
 この中身ですけれども、5ページを御覧いただきたいと思いますけれども、現在でも、大きくその関係は変わっておりません。
 これは平成25年度の要望書に示されたものですけれども、移譲に積極的な意見として、中核市教育長会から人事権の早期移譲という要望が出されております。都市教育長協議会、一定規模以上の市の集まりですけれども、ここからも人事権移譲の要望というのが出ております。
 一方で、逆の意見といたしまして、一番下に全国町村教育長会というのがございますけれども、教職員の人事権につきましては、全国一律の義務教育水準の確保という観点から、人事のこうちゃく化、教員の格差が生じないように、現行制度を堅持していただきたいということでございます。基本的に、都市部については、教職員は優秀な方が希望して集まってくれるだろうけれども、都市部だけ人事が独立してしまっては周辺の町村に人材が来てくれなくなるではないかという懸念が、町村の方々にはあるということでございます。
 その上に、都道府県ですけれども、都道府県もそうした町村の事情に配慮して、市町村を越える広域異動を行ってきた県が多いので、最後のところにございますように、今後とも一定の教育水準と教育環境を確保する観点から、適切に検討してくださいと慎重な発言をされております。
 都道府県といっても、各県によって人事異動の状況はまちまちでございまして、特に鹿児島県、長崎県、岩手県のように、へき地が多い、交通の便が余りよくないという地域では、かなり全県的な異動をしなければいけないという県もありますし、一方で、富山県とか大阪、兵庫のように、ほぼ同一市町村内で人事が回っても、ある程度うまくいくといった県もあり、また、その中間の県もあり、都道府県によって事情は様々ということでございます。
 戻っていただきまして、3ページ目ですけれども、先ほどありましたように、19年3月の段階では、意見の隔たりが大きくてまとまりませんということで、その後、20年5月以降も関係者間で協議をしましたけれども、意見の隔たりが大きくてまとまっていないという状況でございます。
 その後、4ページ目ですけれども、大阪府知事からの照会というのがございまして、事務処理特例という、都道府県の事務の一部を市町村に、条例で定めて、任せてよいという制度がありますが、これを使って、大阪府内の豊能地区3市2町で、ここに人事権をおろして、お互いの協力で広域異動もやるという問い合わせがありまして、これについては可能であるという回答をして、現在、実施がされております。これにつきましても、次回の会議で関係者からヒアリングをしたいと考えております。
 その後、地域主権等々閣議決定がございますけれども、今回の教育再生実行会議の提言に至るまで、人事権につきましては、人事権の移譲を検討する。その場合には、広域の人事調整の仕組みが必要である、あるいは、小規模市町村の理解を得た上で、人事権の移譲を検討するということで進められてきております。
 以上が人事権移譲の関係でございます。

【日向企画官】  続きまして、指定都市に係る県費負担教職員の給与負担等の移管について、御説明をいたします。
 資料2に沿って御説明させていただきますが、それに先立ちまして、資料1の1ページを御覧いただければと思います。
 先ほど、県費負担教職員制度の説明をさせていただきましたが、このうち、都道府県の教育委員会から市町村立学校の教職員に流れている矢印が二つございます。教職員の給与の負担、教職員の任命、これらは都道府県の教育委員会という説明がございましたが、指定都市につきましては、教職員の任命については自ら行っております。これは地教行法の第58条に基づくものでございます。ただ、指定都市は、給与については都道府県が負担しているという状態でございます。
 資料2の1ページを御覧いただければと思います。
 1の背景のところの上から三つ目の丸でございますが、こういう状況でございまして、指定都市に関しては、人事権者と給与負担者が異なるという状態であり、この状態を解消するように要望がなされてきたところでございます。
 2番、最近の動向でございますが、まず、今年3月に閣議決定されました、義務付け・枠付けの第4次見直しでございます。ここで、指定都市に係る県費負担教職員の給与等の負担につきましては、第30次地方制度調査会において行われている大都市制度の見直しの審議状況及び教育行政の在り方についての検討状況を踏まえつつ、関係省庁において、関係者の理解を得て、速やかに結論を出した上で、指定都市へ移譲するとされております。
 また、今年4月に教育再生実行会議の第二次提言が出されましたが、そこにおきましても、指定都市について、税財源措置の方策等に関して関係道府県・指定都市等の理解を得た上で、教職員の人事権者と給与負担者を一致させることを検討するとされております。
 2ページを御覧いただければと思います。
 今年6月に、地方制度調査会の答申が出されたところでございますが、ここにおきましては、税源の配分も含めて財政措置の在り方を検討すべきとされております。その際、地方交付税による財源保障及び財源調整と適切に組み合わせることが不可欠であるとされております。なお、財政措置を講じるに当たっては、指定都市側と関係道府県側の間においても適切な協議の場が設けられ、合意形成が図られるべきであるとされております。
 指定都市への給与負担移管に係る主な論点について、そこに三つほど挙げさせていただいております。一つは財源調整について、二つ目は体制整備について、三つ目は教職員の人事配置についてでございます。
 財源調整につきましては、政令市に移譲する経費の範囲をどう考えるのか、移譲後に政令市に保障すべき財源の水準をどのように考えるか、また、政令市に対する財源保障について、どのような方式で行うかということが論点として考えられます。
 また、体制整備につきましては、事務体制の整備をどのように行うかということ。
 教職員の人事配置につきましては、政令市教育委員会と道府県教育委員会の間で人事交流の仕組みが必要ではないかというのが主な論点でございます。
 これを踏まえまして、どのような取組が行われてきたかということを3ページに書かせていただきました。
 まず、神奈川県及び県内の3政令市における取組でございます。これは平成22年7月から行われているものでございまして、昨年9月、また、今年5月にも実施をされました。これらの各論点について協議が行われております。今年5月の意見交換会の際には、確実な財源保障の方策について、県市それぞれの意見が交わされましたが、現在のところ、具体的な方策について合意には至っていないという状況でございます。
 また、広島県・広島市におきましても、今年7月、意見交換会を行いまして、本件に係る論点について協議を行ったところでございます。今後、両県市の間で論点整理を進めていく予定となっております。
 文部科学省といたしましては、今年3月14日に関係道府県・指定都市に対しまして、財源保障方策や給与・旅費事務の実施体制の整備等に係る検討を促す事務連絡を出させていただいたところでございます。文部科学省といたしましても、資料提供や検討に当たっての助言など、積極的に本検討に参画していく予定でございます。
 また、今後の予定といたしまして、地方制度調査会の答申を踏まえ、具体的な財源方策の在り方につきまして、関係省において、今後、全国知事会、指定都市市長会を交えた協議を行い、具体的な方策についての意見交換を行う予定としております。
 以上でございます。

【堀野企画官】  続きまして、資料3を御覧ください。「教育における国と地方の関係について」という資料の2ページを開いていただきたいと思います。
 平成19年、いわゆる教育3法の改正の中で、地教行法の改正が行われましたが、その4点目、括弧4教育における国の責任の果たし方とございます。
 一つ目の部分は、教育委員会の法令違反や怠りによって、緊急に生徒等の生命・身体を保護する必要が生じ、他の措置によってはその是正を図ることは困難な場合、文部科学大臣は是正・改善の「指示」ができる旨の規定を設けるところでございます。当時、北海道の滝川市、あるいは福岡県筑前町、こういったところのいじめ自殺に対する教育委員会の対応が不適切ではないかということが大きく報道されていた時代でございまして、規定を設けたところでございます。
 二つ目が、同じようなスタートをしていますけれども、生徒等の教育を受ける権利が侵害されていることが明らかである場合、文部科学大臣は、講ずべき措置の内容を示して、「是正の要求」を行うということがありますけれども、これにつきましては当時、高校の世界史の未履修、各学校で世界史を履修させていないということが大きく報道されまして、教育委員会がきちんとチェックをしていないではないかといった議論が高まった中で、このような条文を設けたところでございます。
 3ページを御覧ください。
 今、見ていただきました、「是正の要求」、「指示」というのがございますけれども、その上に、「指導・助言・援助」と書いております。これが、教育行政における国から都道府県、都道府県から市町村への関わり方の中心でございました。
 4ページを御覧いただきたいと思います。
 先ほど、戦前、戦後の話をいたしましたけれども、戦前は、ここにございますように、教育の内容に関わることは、文部大臣が指揮監督する地方長官(府県知事)の下で、教育の内容のこと、あるいは教職員人事、主なことは全て国の出先で決められておりましたので、文部大臣から地方長官へ、地方長官から国家公務員である学校に対して、全て上下関係がありましたので、指揮監督、命令ということができたわけでございます。
 戦後になりまして、都道府県と市町村がそれぞれ独立した地方公共団体となりまして、上下関係ではなくなりましたので、何ができるかといったときに、指導、助言、援助という非権力的な関与しかできないという整理がなされたわけでございます。
 3ページに戻っていただきまして、そういうことなのですけれども、いざ実際に教育委員会で、事件があった。今回も、大津のいじめ事件とか、沖縄において、教科書採択において法令違反の状態があるにもかかわらず正すことができていない、こういったことがございまして、「是正の要求」と「指示」、19年に条文ができたわけでございますけれども、非常に発動要件が厳しいという問題がございます。
 したがいまして、なかなか使うことはできない、伝家の宝刀と言われたこともありますけれども、そういう条文になっておりまして、今でもいろいろ現場で問題が起こる中で、この条文をもう少し実効性のある、使えるものにしてはどうかということで、教育再生実行会議から提言が行われたところでございます。
 説明は以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 これから皆さんから御意見を伺う前に、まず、諮問事項2に関わって、義家政務官も御出席いただいておりますので、政務官の方から一言、御発言いただければと思います。

【義家政務官】  皆様、いつも自由闊達な議論、本当にありがとうございます。関連して、私から一言、お願いさせていただきます。
 まず、地方自治を基本とする教育行政、これは、いわゆる法定受託事務、国の事務ではなくて自治事務、地方の事務とされておりまして、国は地方公共団体に対して指導、助言、援助を行うという、非権力的な関与を行うのが、まず前提としての原則であります。
 一方で、地方公共団体の生徒・児童の権利侵害などがあった場合には、公教育及び教育行政の最終的な責任は国にあるという観点から、平成19年の法改正において、国が、是正・改善の指示等についての規定が設けられたのは、今、説明があったとおりです。
 しかしながら、その後、様々な問題が出てきておりますが、これらの要件というのは非常に厳しく、限定的なものになっておりまして、例えば、この数年間であったことでありましたら、北海道の教職員がストライキを打ったときに、政令市の札幌市と道の処分の対応が全く違うといったようなもの、あるいは、勤務時間中の組合活動等について、あるいは先ほどあったとおり、大津のいじめへの対応について、さらには、沖縄の八重山地区、これは教科書無償措置法に基づいて、竹富町、与那国町、石垣市が共同採択をして、その共同採択を前提として国から教科書が無償措置されるというものですけれども、共同採択の会議の結果をひっくり返して、今、竹富町は別の教科書を使っている。
 結果、子供たちに保障されている、国から無償で教科書を与えられるという制度が、これで2年目になりますが、違法状態に突入しております。現在は、篤志家の寄付という形で子供たちに教科書が渡っておりますが、教科書無償措置法違反であることは明らかなわけです。
 しかし、そういう状況にあっても、地方教育行政法上はなかなか文部科学省としての責任が果たせない。具体的に言えば、49条の是正の要求においてですけれども、教育を受ける権利を侵害されていることが明らかな場合、是正を要求できますが、結果として、無償で子供たちに、篤志家の寄付といえども教科書が渡っているということで、教育を受ける権利が侵害されているのは明らかかといえば、なかなかその点は解釈上、難しい。結果、私も竹富町の教育委員会に直接行って、指導及び助言をしてきましたが、現時点でも、年度を越えても違法状態は継続中であるというところであります。
 さらには、是正の指示についてはもっと高いハードルになっておりまして、まず、法令違反、あるいは管理運営を怠っている場合の前提の下で、生徒・児童の生命・身体の保護のため緊急の必要があって、他の措置によっては是正を図ることが困難である場合というような是正の指示の項目になっております。
 これも野党時代から、大津の問題についても我々議論してきましたが、法律の解釈上は、生徒・児童の生命・身体保護のために緊急の必要がある場合ですから、自殺、命を落としてしまった場合は、この発動要件には当たらない。事後対応の中でも、隠蔽があったり、そういうことがあったとしても、文部科学省は最後まで指導及び助言の範囲内でしかできないというのが現時点であります。
 子供たちに国が無償で教科書を配付できない違法状態でも、指導・助言しかできない。そして、それを改善することができない。これを是非とも委員の皆様方にしっかりと議論していただいて、まず、子供たちを緊急に、国がしっかりと公教育の最終責任を負っていくんだという状況、これを法改正によって是非実現したいと考えております。
 もちろん教育の第一義的責任は地方公共団体にあります。まずは地方公共団体が必要な取組を行うことが前提でありますけれども、十分な対応がされていない場合、生徒・児童を守るために国がしっかりと責任を果たす必要性があると我々は考えておりますので、その権限を明確にするための方策を議論していただきたいと思います。
 ちなみに、他の法律との兼ね合いについて、少しだけお話しさせていただきたいと思いますが、例えば競馬法、農林水産大臣が都道府県知事、市町村長に出すものですけれども、知事についての発動要件はございません。モーターボート競走法、これもございません。農業振興地域の整備に関する法律、これは農林水産大臣が都道府県知事に出す是正の指示ですが、必要があると認められるときというのみであります。
 さらに言えば、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律、この指示の問題ですけれども、地域間の均衡を図るため特に必要があると認められるときという条件、児童福祉法、児童の利益を保護する緊急の必要があると認められるとき、医療法、国民の健康を守るため緊急の必要があると認められるとき等々の発動要件、これは地方教育行政法の第50条に比べたら、かなり広くとっているということが明らかであろうと思います。
 いずれにしましても、子供たちをしっかりと安心して育てることができる、そういう教育行政のガバナンスを確立していくことが急務であると考えておりますので、何とぞきたんなく意見交換をよろしくお願いいたします。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 今日は、諮問事項2、教育行政における国、都道府県、市町村の役割分担とそれぞれの関係の在り方について議論していただくわけですけれども、森委員の方から諮問事項1に関わる資料として、資料5、教育の政治的な中立性に関する資料も御提出いただいております。諮問事項1については、今日、特段、時間をとって議論はしませんけれども、資料5に関係しては森委員の方で、自由討議の発言の中で適宜御説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、事前の説明が長くなりましたが、これから論議をしていきたいと思います。今日は初めてですので、どういうテーマでも、どなたからでも自由に御発言を頂ければと思います。
 では、森委員、どうぞ。

【森委員】  すみません、前回、欠席して、せっかく今の政務官のお話の後に、違ったことを申し上げますけれども、最初に言った方がいいと思いまして、話の腰を折ってはいけないと思いましたので。
 前回提出した資料は、第26回の資料5としてございまして、今回提出したものと関連がありますので、もう一度、ごく簡単に説明させていただきます。教育制度に関する意見でございますが、私どもは基本的には、教育委員会の設置については選択制をとるべきだという立場をとっております。ですから、諮問事項1に関する首長、教育長を責任者とするという場合において、首長による教育長の任命・罷免権とは別に、指揮監督権が一体として認められるべきだという立場をとっております。
 それは観念論ではなくて、前回の資料を見ていただくと分かっていただけると思うんですが、長岡市の教育事務を全て羅列いたしました。前回の資料5の中途にございますけれども、例えば教育課程、学習指導に関する学校への指導に関することとか、学校保健に関することとか学校給食に関すること、スクールバスの運行とか介助員等の採用・配置に関することとか、いろいろな業務があります。長岡市は子育てまで、今、教育委員会に含めているのでございます。
 それを一つ一つ見ていったときに、観念論で政治的中立性とよく言うんですけれども、これらの具体的業務の中で、首長が関与しないでできる業務はほとんどないということを、まず申し上げたいわけです。
 例えば、長岡市は教育政策として、「熱中!感動!夢づくり教育」ということに大きな予算を掛けておりますけれども、予算権というのを首長が握っている限りは、こうした教育方針を立てるときに、首長と教育委員会との連携プレーといったものがないと、絵に描いた餅になってしまうということを主張しているわけでございます。
 この資料とちょっと別なことを申し上げますけれども、例えば近年、努力義務ですけれども、各自治体でも教育振興基本計画を定めるという法律改正がなされましたね、四、五年前でしょうか。このときの教育振興基本計画の策定主体は、教育委員会ではなくて地方公共団体と規定されております。
 これは、例えば教育振興基本計画というものが、大きな予算を伴うものであるので、首長との調整どころか、首長の合意なくしてできないという前提があるからだと思いますし、全体の流れとしては、首長の関与は基本的に大切だという認識になっていると私は思います。特に今回の自由民主党のJ-ファイル、これもはっきりと首長の関与が非常に重要になってきているということを前提として、教育長の任命その他については、教育委員会の存続を前提にした書き方になっていると思います。
 いずれにしても、首長の関与ということを基本に置いて、今、政策が組み立てられているということを申し上げたいと思います。
 そして、最も私が申し上げたいのは、先ほど義家政務官からも御指摘がありましたが、いじめ問題で、大津市は結局、教育委員会の外に、市長部局に第三者委員会を作っているわけですね。ですから、現実に大津市のいじめ問題というのは、市長が全部仕切ったわけですね。そのことを現実として見たときに、首長の指導監督権限というものはもう否定できないものであるということが、現実問題として、あるのではないかと思います。
 大津市長は文部科学大臣に意見書を提出しておりますけれども、権限と責任の一致を最優先にしてほしいということを言っています。それはどういうことかというと、大津市が訴訟の対象になったことで、訴訟を受けるのは教育委員会ではないです。自治体の長としての首長が訴訟を受けるということで、第三者委員会を市長部局の中に設けたという現実があるわけで、私は、先ほど言いました長岡市における教育の政策の一つ一つ、それから、「熱中!感動!夢づくり教育」という大きな教育方針を市長と教育委員会が協働して立てて、推進している内容、その辺をしっかりと見据えるとともに、大津市のような現実の対応をした、現場の声をもっとよく聞いていただきたいと申し上げます。
 今の雰囲気の中で、なかなかしゃべる勇気がないものですから、この辺にしておきますが、今日資料5でお出ししたのは、その補足資料でございまして、まず、政治的中立性って、私らは観念論で申し上げますけれども、恐らく、教育基本法第14条第2項と義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する臨時措置法第3条の具体的な見識というのは、これしかないんじゃないかと私は思いますけれども、後ほど、文科省さんが何かあれば、教えていただきたい。
 先ほどの長岡市における教育の内容も、これと照らし合わせて見たときに、一体、政治的中立性が要求される事務というのは本当にあるのかというところがございます。先ほど義家政務官のお話しになったものも、別に政治的中立性と大きく関係するかどうかということは、また別の問題だと思います。それが一つです。
 それからもう一つ、首長が関与せずして教育行政が成り立たないということを、簡潔に次のページでまとめましたけれども、予算編成における関与、これは絶対なんですね。教育委員会には権限がないわけですから、先ほど言いました教育振興基本計画のように予算を伴う計画は、教育委員会ではなくて地方公共団体が定めるというふうに、近年の法律で決めたのもこのことです。予算を伴う教育政策は、予算編成権を持つ首長の同意がなければできないわけであります。
 次に、条例制定とか規則の制定。規則の制定権は教育委員会にございますが、条例等は首長が議会に提案をするということであります。これも非常に大きなことです。
 それから、訴訟。これが大津の第三者委員会の直接の動機になったわけですが、訴訟の追行における関与は、教育委員会の所管事項であっても、民事訴訟等が提起された場合は首長が受けざるを得ない。最終責任者は首長だということです。
 それから、部局間の総合調整における関与は、教育行政の複雑化に伴い、福祉、環境、防災等の首長部局との連携・協力等が絶対に必要であります。
 先ほど申し上げました長岡市における「熱中!感動!夢づくり教育」は、いろいろなメニューを付けております。感動体験とか様々なメニューを付けておりますが、これは教育委員会単独では絶対できない内容であるということを、一つ一つ説明しますと時間が掛かりますから、この辺にしておきますけれども、そんなことでございますので、私は、最後に意見を申し上げますと、権限と責任が一致しないのが一番まずいという認識でおります。責任がないのに権限を持つというのは大変問題があります。責任があるから一生懸命権限を行使するわけです。
 逆に、権限がないのに責任だけ持たされるのはたまったものじゃないという意見もありますけれども、権限と責任の一致を大津市長さんが強く主張されているということを、私は申し上げたいと思います。
 以上、いろいろ申し上げましたけれども、現実の教育政策を一つ一つ見ていって、現場での状況をよく把握した上で、現実に即した解決策を諮問1でお願いしたいということを申し上げたいと思います。
 最後に言いますけれども、少なくとも、橋本知事のペーパーにもございましたけれども、独任制の教育長ということだけは、私は強く反対をしたいと思います。
 以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。諮問事項1に関わる議論は、今日は時間の関係で行いません。

【森委員】  これでやめます。

【小川分科会長】  諮問事項1に関わっては、8月中旬から具体的な制度の改革案について時間をとってじっくり意見交換しますので、今日の御発言の内容はまた改めて、その場で頂ければと思います。よろしくお願いします。
 それでは、諮問事項2に関わって。では、露木委員、どうぞお願いします。

【露木委員】  それでは、県費負担教職員の人事権の問題について、現場の立場で意見を述べさせていただきたいと思います。
 先ほど文科省の方から御説明がありましたとおりで、中核市とか政令指定都市、政令指定都市はもう既になっているわけですけれども、中核市等への人事権の移譲をしてほしいという意見に対して、町村教育長会等からは、人事権の移譲については現状ではまだ反対であるよという議論が続いているわけですね。
 現場から考えたときには、教員の異動というのは、教員にとって一番いい研修の機会であるというような考え方がありまして、一つの学校を経験したら、またちょっと違う環境の中で学ぶということは、教員にとって、資質向上させる大きな力になるのではないかなと思っているところです。
 そういう意味で、人事権の移譲といったときに、必ず広域での人事調整の仕組みにも配慮してとか、それを担保してという文言が付くわけですけれども、一体、どの程度の規模で人事異動を考えていれば広域での人事調整になるのか、どういうふうに考えていったらいいのか。結局、広域でと言っている以上は、人事権の移譲が、ある一定規模の学校数なんでしょうか、人口なんでしょうか、よく分かりませんけれども、そういう中で人事権の移譲、あるいは、人事異動、実際を考えていこうとするわけですね。
 どの程度の規模であれば、人事異動が教員の一定水準を確保するとか、教員の格差が生じないようにという、町村教育長会がおっしゃっているようなものが担保できるような人事異動に関わる一部事務組合みたいなものができるのか、どの程度の規模のものを想定しながら人事異動というものを考えていくのか、人事権の移譲というのか。
 そうすると、政令指定都市はともかく、中核市でも、可能な中核市とそうじゃない中核市があったり、幾つぐらい集めたらという議論もしていかないといけないでしょうし、それでは結局、それを調整する広域の一部事務組合みたいなものが必要だったら、何も人事権を移譲ということにはならないんじゃないのと。言葉だけで移譲と考えるんじゃなくて、結局、広域人事異動のための一部事務組合教育委員会みたいなものが必要になってしまうのでは、人事権の移譲にならないんじゃないかなという思いがあったりします。
 意見のような、質問のような、よく分からない意見でございますけれども、教員の資質が、どこにあっても一定程度確保できて、教員の格差が生じないような方向でしていかなければいけないだろうなということを強く感じているところです。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。大変に重要な視点というか、課題の指摘を頂きました。では、白石委員、どうぞお願いします。

【白石委員】  今、委員のおっしゃったこと、私も長の立場からいうと、非常によく分かるんですね。かなり前は、郡がしっかり各地域にありまして、私のところは松山市の隣ですけれども、もともと伊予郡という郡がありました。伊予郡には幾つかの町村があって、全県的な異動をしているようで、実際には大体、郡単位ぐらいで異動をしていたんですね。
 ただ、それに町村長がどこまで関与したかということは別として、異動の規模として、確かに一つの町とか村で、幾ら人事権をもらったからといって、私の町なんかも三つの小学校と中学校ですけれども、その三つをぐるぐる回すしかないわけですね。
 そうなると、規模からいえば、郡単位ぐらいであれば、かなり広範な異動ができますし、かなりのつながりがありますので、できますけれども、そういう意味では、町村合併が進んで今のような市町の体系になると、おっしゃったように一部事務組合でも作れば別ですけれども、なかなか1町、1村ではやりにくい部分がありますね。
 どの広域圏を作るかというのは、これはまたいろいろ問題があるわけです。ただ、大きな市、松山市が50万以上ですけれども、その隣にある町の立場からいうと、松山市と同じ立場で人事交流ができるかというと、なかなかそうはいかない部分があるんですね。ですから、考え方を新しくして、一つの広域圏的なものを作るという前提に立つなら、ある程度の人事権をその地域に渡すことは可能じゃないかなという感じはいたします。
 もう一つは、これは文科省の方にお伺いしたいんですけれども、基本的に身分が市町村の職員で、人事権を都道府県が持つ、こういった公務員というのは、先生以外に何かありますか。これが町長の立場だと非常に分かりにくいんですね。先生は町の職員ですよと言われても、実際に私が採用したわけでもなければ、私が異動させるわけじゃないですから、こういう非常に特例的な、採用とか人事権は都道府県が持ちながら、身分を市町村の職員とするという例が、教員以外で何かありますか。

【小川分科会長】  質問が出ましたので、事務局の方でいいですか。

【堀野企画官】  市町村の公務員について県が給与を払っているという例は、私どもの方では、教員以外には、こういう特殊な歴史があったということで、その他は把握しておりません。警察の場合には、またちょっと違って、都道府県警察の一定階級以上の方は国家公務員であるということはありますけれども、特にその他は把握しておりません。

【白石委員】  町長の立場からいうと、非常にここは分かりにくいんですね。県の職員にするのがいいかとなると、これは大変な数になりますので、なかなか県の公務員というわけにはいかないだろうということは分かるんですけれども、流れからいうとその方が、人事交流からいうと非常に分かりやすい。
 ただし、学校は町が作るわけですね。ですから、建物は町が作り、身分は町の職員で、給料とか人事権は全て都道府県という、この構造が非常に分かりにくいんです。なかなか難しい問題があると思うんですが、それについても、何かいい考え方があるのであれば、是非こういう会議で示していただきたい。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 他にいかがでしょうか。他のテーマの政令市への負担移管とか国、地方関係含めて。
 森委員、どうぞ。

【森委員】  先ほど私は諮問1について申し上げましたけれども、責任と権限の一致というのは基本的に重要なことだと思います。責任がないのに権限を持つというのは本当に危険なことだと思います。逆に、権限がないのに責任をとらされるというのも大変問題があるんだろうと思います。そういうことからすると、今の採用人事が県で、不祥事が起きたときの責任が市町村教委というのは、やっぱりおかしい仕組みだろうと私は思います。
 圏域の話とかいろいろな制度の仕組みというのは、いろいろな解決策があるんじゃないかと思うんですね。複数の市町村で事務組合を作るとかそういう手法もあるわけだし、それから、恐らく広域性という話は、離島とか条件不利なところをどうするかという話だとすると、それも、知恵を発揮すれば解決策はあると私は思います。
 具体的な事例、観念論じゃなくて事例だけで申し上げますと、新潟県の場合は、非常に広域な人事をやりますので、女性校長が極端に少ないのです。遠方に行けないんのですよね、女性は、子育てがあって。そういう問題は先生方からも指摘されております。ですから、広域人事というのも、ある圏域というのが必要ではないかと思います。これは地方の問題でしょうね。
 二つ目は、私は中越地震を経験しておりますが、災害のときに校長先生や先生方がそばにいないというのは、本当に問題です。特に先生方が非常に残念な思いをされるようです。大事なときに、例えば長岡は今、山古志小学校は長岡市ですけれども、広域人事で動いていて、先生がすぐに駆け付けられないというのは、先生自身が非常に強いストレスを感じるようですね。そういうことも、やはり広域の人事が必要だという、その広域の程度というのが私はすごく大事だと思いますけれども、私の経験からいうと、そういう問題があると申し上げて、ですから、中核市程度の大きな圏域になれば、やはり移譲するというのが筋ではないか。
 それから、松山の隣にある松前町さんは、松山と一緒になればいい。合併じゃないですよ。そういう解決策があるんじゃないかと思います。それから、広域調整の仕組みを県に残すという方法もあると思います。
 以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 では、二見委員、どうぞ。

【二見委員】  それでは、人事権移譲の問題に関連ということで、町の立場で、教育委員会として発言させていただきます。
 広島県の場合も、政令市、広島市が地理的にも真ん中に位置している。その周辺は、10万とか、あるいは1万を切るような町等が取り巻いているわけですけれども、広島市との人事交流は極めて数件しかありません。したがって、広島市を越えて向こう側の地域との人事交流でないとできないという状況、それから、かつてはそれぞれの地域エリアで人事を完結させるような取組をしていました。いわゆる6か所の教育事務所管内で人事を完結できるように。
 ところが、中山間地域においては、人材が不足してくるために、管理職登用、教頭の登用年齢が、人材確保していこうとすると非常に下がってきて、小学校では教頭が36歳まで下がってきた。60歳定年なのに36歳で教頭になり、24年間、管理職をやるというような状況が生まれました。中学校でも39歳です。小さいエリアでやるとそういう問題が出てきて、一方で、中核市等では、50歳を過ぎても教頭になれないという人材があふれているわけです。しかし、市内から出ない。
 こういう中から、広島県は、約15年ぐらい前から全県の広域人事に切り替えて、やってまいりました。しかし、今度は一方で、県の東西、端っこから端っこまで異動させると、さっき長岡の市長さんがおっしゃったように、単身赴任等で教員や管理職が大変動きづらい。そうすると、これ以上、中核市等に権限移譲されると、より小さな市町、町村は全く人事をやっていくことができないというのは、またもとに戻しまして、さらにひどくなってくると思います。
 ですから、中核市とその周辺であるとか政令市とその周辺というものを、やっぱり一体的な人事のエリアとして考えていかないと、中山間地域、島嶼部は本当に人材が確保できない。これは大変大きな問題だと思っております。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 では、今田委員、お願いします。

【今田委員】  それぞれの立場によって、物事が見えるのと見えないのと、いろいろあるようで、私の方は、指定市という立場でいけば、やはり人事権と給与負担が異なる状態、ここはやはり、私も10年、教育委員をやっていますけれども、少し矛盾があるな、つらいなと。
 いろいろな意味で、教育委員会として物事を決めて、取り掛かっていくときに、これは県費負担ですから、給与のめり張りを付けるにしても、やっぱり県の意向、それから、定数の配置基準は県の方が握っていますから、それは我々独自ではいけません。県全体から見ればいろいろな見方があるんでしょうけれども、都市の成熟度みたいなものを踏まえた捉まえ方というものをしていかないと、いろいろなプランニングをしても、そこで腰が折れちゃう。
 これは、長い歴史の沿革があるにしても、せっかくここまで来た時点では、是非、政令市が給与も負担をする、税源移譲を含めてすることにして、成熟度が反映されたものにしていくことが大切じゃないかなと。そのことがまた組織として、学校の先生も組織の一員であるんですけれども、給与が別のところから出ているということで、ある意味での一体感というものがなかなか深まっていかないというのは、現実の問題としてあります。
 そういう意味でいけば、2番目の柱の中では、政令市の立場でいけば、是非、人事権と給与負担とが一致するような形で、主体性がより発揮できるような教育行政が進められる取組にしていただきたいと思います。

【小川分科会長】  では、橋本委員。

【橋本委員】  今のお話を聞いておりまして、人事異動は本当に大変だと思います。いいところだけ、大きいところだけ抜けてしまう。先ほどお話があったように、町村だけではやれませんし、それから多分、採用が大変になってくると思います。採用をどうするのだろうかと。人事異動の話ばっかり今、出ていますけれども、採用するときに、大きいところは採用しやすいけれども、小さいところは果たして採用できるだろうか。広域事務組合みたいなものを作るかどうかとか、いろいろな問題がまた出てくると思いますので、その辺も含めて考えていく必要があるのかなと思います。
 それから、今のお話の人事権者と給与負担者が異なるということ、資料2にも書いてありますけれども、給与負担を国が3分の1持っていますから、これは全然異なっているわけです。ですから、異なっているのは幾らでも例はあるわけでして、どういうふうに考えるかというのは、これから政令指定都市制度をどのように充実させていくかという観点から別途考えるべきで、給与負担者と人事権者が異なるということは、今までもずっとやってきているわけですので、その辺については少し論点が違ってくるのかなという感じがしています。私は指定都市の充実は賛成です。賛成ですけれども、これだけでいくのはおかしいかなという感じもしております。
 もう一つの、先ほど政務官の方から話がありました、是正の要求、指示ですけれども、これについては、今年3月1日から違法確認訴訟制度ができているんです。こういったものも活用していくことによって、いろいろやり方はあるのかなと思っておりますし、今、地方分権という形で、地方にできるだけ権限を渡そうという時代に、国の力を強めるということはちょっと方向が違うのかなという感じがいたしますし、八重山の例は確かに法律違反です。ただ、法律違反ではありますけれども、教科書無償措置法などによって、一括採択という制度を無理やり導入してしまった。
 私は、それですから、きちんと竹富町はこの法律に従った形でやって、一括採択ということについて、私立はそれぞれの学校が個別でやっているわけですから、町村だって個別の町村でやっていいはずですので、これを何で一括採択しなくてはいけないのか。そういったことについて、この法律はおかしいのではないかという議論を起こせばいいのではないかなと思っておりまして、いずれにしても、国がこれからもっといろいろな面で関与を強めるということについては、知事会としては多分、全員が反対だと思いますので、申し上げておきます。

【小川分科会長】  いかがでしょうか、他に。
 では、貝ノ瀨委員、そして辻委員ということになります。他にいかがでしょうか。
 では、貝ノ瀨委員から。

【貝ノ瀨委員】  人事権と給与負担の一致ということですけれども、私はそうあるべきだと思います。
 先ほど、中核都市の人事権の要求の中で、例えば自分のところで育てた教員が他の自治体に取られてしまうというような事務局の説明がありましたけれども、それは現実に毎回、今でもあるわけでありまして、中核都市じゃなくても、東京都教育委員会と区市町村の教育委員会との間ではそういう問題が起きているわけです。
 どこでも、自分のところに預かった教員はしっかりと育てて、子供たちのために頑張ってもらうというふうにしたいわけでありますが、一定程度育つと、地域によっては、課題があるところについて、どうしても必要だということで、これは後で聞かされるわけですけれども、そこに抜かれてしまう。
 確かに課題は地域ごとにあるわけでありますが、しかし、そういうことが常態化しますと、自分のところでしっかりと頑張らなくても、東京都教育委員会があてがってくれるというようなことにならなければいいかなと思うわけですよ。ですから、当事者意識を持って教員を育てるというような意識が薄らいでいくということにならなければいいがというふうに思いますので、そのあたりも十分考えなければいけないということ。
 それから、毎回、人事の季節になりますと、定例の教育委員会で教育委員さんたちに、東京都から内々に示された人事カードをお諮りするわけです。教育委員さんたちは、自分の地域のところの教員でもないし、管理職でもないので、それはまさに、全く知らない人を内申しなければいけない、そういうことになるわけですね。
 ですから、僕、他の自治体の事務局にいたときに、ある教育委員さんが、これ、否決していいですかと言われたことがあるんですよ。それはちょっと困る。もしそういうことになれば、東京都はもっと悪い教員を持ってくるかもしれませんよなんて、実際にはそんなことはないでしょうけれども、そんなふうにして教育委員に認めてもらってから東京都教育委員会に内申をするというようなことを、ずっと何十年としてきているわけですね。ですから、そのようなことが常態化するというのは、やっぱり問題ではないかと思います。
 しかし、今日はたまたま東京都の教育長さんがいらっしゃらないので、名誉のために言いますけれども、東京都の教育委員会はいい加減なことをしているかといったら、そんなことはないんです。今の制度の中で最大限、公平公正にはやっているんです。ですから、そういう意味では、誠心誠意、今の制度の中では一生懸命やってくれています。ですから、いい教員が来れば、課題のある教員も抱き合わせで必ず来ます。そんなふうにして、それを満遍なく全都的にやってくれているわけです。だから、偏りがないといえば偏りがないんです。
 そういう意味ではしっかりやってくれていると思いますが、あと、教員が一定程度、自分のところの自治体に配属されたとしても、やはり愛着がない。辞令1本で来ていますから、中には愛着を持てない教員がいまして、3年とか何年かしたら、すぐ異動して他へ行きたがるというようなこともあったりします。課題があったりするとなおさらそうです。ですから、その課題に立ち向かって、何とか自分で解決しようというふうになってくれればいいんだけれども、むしろそこを避けてしまうというような気持ちにもなりやすい。つまり、愛着が持てないというような意味でも、やっぱり課題があると思います。
 それから、広域人事行政ですから、東京都は、他の府県よりもそんなに大きくはないかもしれませんが、しかし、江戸川区の方から檜原村の方へ行くと、交通の便は比較的いいと思いますけれども、しかし、例えば管理職の校長、副校長の異動は通勤時間片道2時間までオーケーということになっているんですよ。ですから、もちろん本人のある程度の意向は聞いたとしても、希望は聞きませんから、その中で、カード1本で2時間のところに行くということは、ですから往復4時間ですよ、これはね。そういうことは、ちょっとした旅行ですよね、これは毎日ね。
 そのようなことも起こり得るわけで、それは広域人事でやむを得ないといえばやむを得ないんでしょうけれども、そういったことで、もう少し通勤時間を短縮して、職務に専念できる時間を充実させるということも考えたときに、ある程度の小さい単位でもって人事行政が行われるようにした方がいいということは明らかだと思います。
 先ほど来、同じところだけというふうに考えてしまうから問題なので、さっき森委員がおっしゃったように、工夫というのがあり得ると思いますね。私もかつて東京都に提案したことがあるんですが、例えば区のところ二つぐらいと市の方が二つ、あと島嶼部ですね。島嶼部は人が集まらない土地なので、島のところと組んで人事のグループを作って、そこでもって人事異動をやっていく。他のところについては人事交流をする。そのときには東京都教育委員会がその仲介をしたりということも考えられると思います。
 ですから、必ずしも単独で町なら町、小さい町が一つで、そこでもって全部人事異動を行うとか採用を行うということになると、これはむしろ問題が大きくなると思いますけれども、幾つかグループを作ってやるということで工夫ができるだろうと思いますね。ですから、とにかく基本的には人事権の移譲ということがなされるべきだと思います。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 辻委員、お願いします。

【辻委員】  県費負担教職員の制度については、確かに私も一般的に分かりづらい制度だと思います。私の両親は公立の中学校の教員でしたが、小さい頃、「親父は何公務員なんだ」と聞いたら、道職員と市職員のハーフだと言っていました。当時は、何のことを言っているのか、分からなかったんですけれども、なるほど、それで県費負担教職員であることを説明したかったのだと思います。また、そのとき併せて、国家公務員みたいなところもあると説明していまして、それはある程度、国に保障されてやっているという気持ちもあったのかと、今にしてみれば思います。
 こうした状況の中で、なるべく簡素で分かりやすい制度にしていくということは常に心掛けなければならないことです。また、行政学の鉄則で言うと、なるべく現場に近いところで人事管理をしていく、それから、給与負担もしていくということを第一原則に考えていくべきだと思います。
 しかし、その一方で、アメリカの学校区を見ても、人口が増えている中で、学校区はどんどん減ってきています。それは、ある程度の人口規模がなければ学校区がうまくいかないということだと思います。同じ学校の中にずっと長くいる先生よりも、人事ローテーションを前提に、いろいろな小学校、中学校を経験していく。それによって初めて教員のスキルが養われるということを考えますと、これは、戦後日本の経験でもありますが、ある程度の人口規模のところで、なるべく現場に近いところで、人事権者と給与負担者を一体化させていくということを考えていくしかないと思います。
 これは、冒頭、事務局から説明もありましたが、各都道府県の中で、今までずっと努力をされてきていることですが、県費負担教職員で採用した後、全県で異動させているところもありますが、ブロックごとに異動させているところもありますし、ブロック間での広域調整の仕方についても、ほとんどしていないところとある程度しているところ、両方あります。
 したがって、私は、現行の県のブロック採用で、なおかつ、今でも広域異動をしていないところに、まず人事権を移譲させていく。特にそれが中核市や特例市ですぽっとはまるところであれば、そこについては希望に応じて選択的に人事権を移譲していく。これが実質的にこの問題を、弊害を起こさず、ブレークスルーする方法だと思います。
 それから、指定都市に関しては、先ほど問題提起にありましたとおり、給与負担と人事権が離れているわけですけれども、人事評価を的確に入れていくということその他を考えていくと、やっぱりこれは一致させていくべきで、都道府県と指定都市の間も、なるべく一致させるというところは、私はおよそ一致していると思います。
 神奈川県だって、移譲することは多分、賛成です。けれども、その財源措置をどうするかというのが課題となっています。交付税で措置するのか、都道府県税を移譲するのか。この税財源措置の話になると、都道府県職員の半分は教員ですから、膨大な金が動きますので、各団体間でなかなか合意形成できないという状況があります。
 しかし、方向としては、給与負担者と人事権者については一致させることを前提に、おそらく地方税の移譲措置を基本に、地方交付税措置も併せて行うという方向で、事務的に検討して行うしかないのではないでしょうか。財源措置する水準をどこに置くかということについても、現行の道府県と市の中で、どこかに解決点はあると思います。
 それから、地方公共団体に対する関与に関する件ですが、なかなか自治体がやりたがらないものについて、関与を強くして対処するというのには限界があります。今回の資料の中の3ページにも出ていますけれども、25年3月1日から違法確認訴訟の制度が施行されています。違法なものについてはこれを活用するのが一番で、いたずらに関与を強くしても実効性がないと思います。違法確認訴訟でしっかり行い、国としても責務を果たしていくということを心掛けることが重要だと思います。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 では、早川委員、お願いします。

【早川委員】  人事権の移譲につきましては、中核市と町村教育長会のそれぞれのお立場というのはよく理解できるわけですが、そうすると、広域での人事異動をどう仕組みを作り上げるかということだと思うのです。しかし、これは口で言うほど簡単ではないと思うのです。自分のところにはよい先生を残したいという気持ちもあるし、それを調整しているのが教育事務所であったり、県の教育委員会であったりということが一つ。
 もう一つは、任命権者が替わるという事務手続の煩雑さは軽視できないものだと思うんですよ。これがもっとスムーズに、例えば岐阜市教育委員会から隣の大垣市教育委員会に替わるときの手続というのは、本当に煩雑なものがありますから、それがスムーズにできるような仕組みというのを併せて作っておかないと、形だけではなかなかうまくいかないと思います。
 もう一つは、私どもから言うならば、県でやっていただいた方がいいことと自分のところでやりたいことというのはそれぞれありまして、もし全面的に権限移譲ということがなされた場合は、かなりのマンパワーが新たに教育委員会の中に生じる可能性はあって、給与計算とか人事システムの構築ということで、恐らく20人ぐらいは余分に必要となると思うんです。だから、やりたい市町村はおやりいただければいいんですが、そうでないところはそうでないようなオプションがどうにかできないかなということは、私は個人的に思います。
 それから、国の関与の仕方についての問題ですが、地方教育行政を預かる者としては、国から是正措置を受けるような事態を招かないように、適正な教育行政を行うというのは当然であるわけですけれども、公教育に関する国の関与ということを考えたときに、明らかに、非常事態における救済措置を担保するという視点からは、一定の意義があると私は思っています。
 それは国の教育行政に対する一つの責任だと思いますが、学校では、実際には非常に大きな権限を教師が持っているわけで、教師と保護者の間にいろいろないさかいも起きることがあって、そのことが時として保護者や子供の権利や意思を抑圧したり、否定したりということがないとは限らないと思うんです。
 それに、もちろん教育委員会が先頭に立って対応すべきことなんですが、保護者の権利や意思を尊重、反映するためにも、国の関与、介入という立場はある程度とっていく必要があるのではないかということはあるわけですが、同時に、その関与、介入が適切なものでなければならないわけでして、国の介入が過多になるという心配はあるわけなので、そこは非常に自重的に、最小限の必要性に応じてやっていただくことになると思うんです。教師、学校、教育委員会は設置者の立場であって、サプライサイドの論議になりがちで、地方自治の利益が子供の利益にならない場合が、残念ながら、あるということもあるわけでして、それを是正するのは国であるとするならば、国はサプライサイドと思われがちですけれども、教育行政においては、デマンドサイドで対応できる可能性が高いと思うわけです。
 そのことは、児童生徒にとって困ることではないし、めったにない事態であったとしても、救済的な立場を国がとれるということは残しておいた方がいいのではないかと思います。

【橋本委員】  一言だけ、今のところで。先ほど、人事権者と給与負担者という話で、分かれていてもいいじゃないかという話をしたんですけれども、これは、先ほど辻さんが言ったような形で、一体の方がいいのは決まっている。
 そういうことで、都道府県というのは、実は三位一体改革のときに、負担金を全部、税源付きでこちらへよこせと。それが国庫負担3分の1と地方負担3分の2になって、中途半端な形になってしまっているので、我々の立場としては、全部よこしてもらいたい。それは一体的に、県も一体化する。政令指定都市だけ一体化するのではなくて、全部一体化すればいいのではないかという趣旨も含めて申し上げていますので、そういう事情があるということを一言だけお伝えしたいと思います。
 以上です。

【小川分科会長】  分かりました。
 では、二見委員。

【二見委員】  国、県、市町村の関与の関係について、49条というのが平成19年に創設されたと先ほど説明がございましたけれども、その以前の問題として、実は私も広島県の教育委員会にいた時代がございますけれども、広島県の教育委員会と県内の市町村教育委員会が、当時の文部省から是正の指導を受けるということがございました。指導を受けた期間というのは3年間です。
 しかし、問題が発覚してから指導を受けるまでに、10か月ぐらい掛かっているんですね。それは、まだ条文が整備されていない状況もあったと思いますけれども、当時、広島県内の小学校、中学校、高等学校において、主に学習指導要領から逸脱するような教育がされているという中で、例えば標準授業時数の時間確保が8割に満たない学校がたくさんあった。これは、まさに子供の教育における機会を奪っている、侵害しているという状況であると県民が大変な不信感を抱いた。
 しかし、当時の県の教育委員会や市町教育委員会は、問題があると分かっていても、なかなかみずからの力で是正できないという状況が長年続いてきた中で、約10か月の問題整理の中から、平成10年5月に文部省から是正指導を受ける。3年間の取組の中で、私は今、随分変わったと思っています。決して国の関与が強くなって、県の教育委員会や市町教育委員会の自主性が損なわれることがあってはならないと思いますけれども、しかし、自分たちの力でできないエリアもあるはずなんですね。
 正に、さっき政務官もいろいろな課題を提起されましたけれども、その中で、国と県、国と県教育委員会との関係がスムーズにいき、早く課題がキャッチされ、県の教育委員会が早く取り組めるようにするためにも、国のアドバイスがもらえる。そのことによって、子供たちの身体・生命を脅かす状況に早く対応できる。それから、課題に早く対応できるための措置として、私は、国の関与というものはやっぱり必要だと思っております。
 以上です。

【小川分科会長】  残された時間も余りありませんが、ご発言を予定されている方はあと何人でしょうか。
 では、手短にお願いします。森委員、村上委員、そして竹原委員ということで、よろしくお願いします。

【森委員】  国の関与が必要だとか、あるいは、義家さんのすごい熱意のこもった演説を否定しているわけではなくて、辻先生のおっしゃったのは、先生なので分かりにくいところがありましたので、私、補足しますと、自治法の改正がございまして、要するに、違法確認訴訟の提起ができる制度が別にできたということなんですよ。ですから、ただ指示したり、命令したって、従わなければそのままで、それっきりですよね。竹富町なんかそういうことでしょう。だから、強制権というか何というか、後続手段が創設されて、この3月に施行されたばかりなんです。
 ですから、教育再生実行会議の議論のときは、それは私は分からないんだけれども、現に文部科学省さんも使えるわけですよ、この自治法の改正の条項は。使える手段があるのに、それに屋上屋を重ねる必要があるかというのが、辻先生の御意見ですよね。そういうことなんです。ですから、二見さんとかがおっしゃっていることを否定しているんじゃなくて、そういうことなんです。
 はっきり言うと、違法訴訟が提起できて、訴訟の場に持ち込むという後続手段が担保されているということは非常に大きいわけで、それと同じものを作っても仕方がないわけですよ。ましてそれよりも弱いものを作っても仕方がないわけです。ですから、もっと強いものという提案があればまた別ですけれども、これは難しいんじゃないかと思いますが、そういうことだということで、お気持ちを否定しているわけではないということ。
 それから、もう一つ申し上げますと、人事権のことで、長岡市の実例で申し上げますと、長岡市は、「熱中!感動!夢づくり教育」で教員サポート錬成塾というものを作りまして、要するに、熟練したOB教諭を6名お願いして、新人の先生と中堅の先生の希望者だけなんだけれども、1年間マン・ツー・マンで授業を見て、具体的に授業の魅力アップとかスキルアップをすることを始めました。10年間で617人が受けているんです。これは強制じゃなくて、希望だけなんですよ。先生方が手を挙げてくださって617人が、ベテランの先生が実際に授業を見て、本当に手とり足とり教えるんです。非常に先生方に人気があります。
 この問題は、制度を作るときに、私は、「長岡市の予算でそういうことをやって、県が人事権を持っていって、せっかく育った先生がいなくなったらどうするんだ」ということを申し上げた。今となっては、僕はけちなことを申し上げたと思うんだ。だけど、やろうじゃないかと言って始めたんですが、実は、長岡市の予算で617人を養成したんだけれども、そのうち6割が市外に出ているわけですよ。
 だから、これはどういうことかというと、責任と権限が一致していれば、市長も一生懸命になりますよ。自分で採用して、自分で育てる責任があるとすれば、市長は一生懸命やりますよ。そこが問題なので、責任と権限が一致していないんですよ。何か不祥事のときだけ長岡市の市教委が出ていって謝って、県の教育委員会が謝ったことはないんじゃないかな。そういう仕組みになっていることが、私は問題だと申し上げているんですね。
 橋本知事とはちょっと意見が違うかもしれないけれども。

【橋本委員】  いやいや、違わない……。

【森委員】  私は何度も申し上げるけれども、人間は、やっぱり責任を持ったら一生懸命やりますよ。責任と権限を一致させるというのが全ての制度の原則だということだけは強く申し上げたいと思います。
 以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 済みません、村上委員、竹原委員の2人で、諮問事項2の議論は終わらせていただきたいと思います。
 では、よろしくお願いします。

【村上委員】  二点申し上げます。
 一点は、国の関与のことでして、先ほど、違法確認訴訟が新たに創設されたのでということで、私自身は、違法確認訴訟がなかった頃は、地方自治法の関与の規定はなかなか使いづらい一方で義務教育国の責任というのは明らかに憲法、教育基本法でも書いてあるわけなので、国の責任は当然あるが、地方自治法の関与は使いづらいということで、地教行法に書くということに一定の合理性があると思います。
 違法確認訴訟ができたのでということなんですが、確かにこれも使える手の一つなんですが、一方で、時間が掛かるということがあって、資料3の3ページの下に書いてあるんですけれども、地方自治法251条の7に、国等が是正の要求等をした場合に、地方公共団体がこれに応じた措置を講じず、かつ、国地方係争処理委員会等への審査の申出もしないときに、初めて訴訟を起こせる。つまり、是正の要求をして、措置をまず講じないで、係争処理委員会にも申し出ないという期間が一定期間あって、その後で初めて訴訟を起こして、そこからようやくスタートということになるわけですね。
 この間に、例えば児童・生徒の生命が失われるような事態が起こったとか、あるいは、それを待てないような緊急事態が生じたときに、違法確認訴訟制度が果たして対応可能なのかということを考えると、例えば弱い手段であったとしても、地教行法の中に、何か緊急性を要するような場合の国の責任の在り方とかを一定程度書き込むというのは、他にも個別法の関与というのは競馬法とかいろいろな法律であるわけですので、違法確認訴訟というのは一つの方法ではあると思うんですけれども、緊急性を要するようなケース、これは裁判なので年単位の時間が掛かるということはあり得ますので、それだけでよいのだろうかということは個人的に思うところであります。それが一点目です。
 つまり、国の責任というのは、緊急事態に備えた責任も含めて考えるべきであって、訴訟で事が済むという話でもない。その間に生命が失われるような事態もあり得るということを、制度上、考えておく必要があるということです。
 二点目は、権限と責任の一致というのは、確かにこれは、人事権、給与権の一致も含めて、もちろんできれば非常にいいと思いますし、できるところはあると思うんですけれども、日本は融合型の地方自治といって、国と地方の仕事をあえてはっきり分けていないようなところがありまして、例えば外国の中にある分離型の地方自治で、国と地方の仕事をはっきり分けてというふうになれば、権限と責任というのは国、地方の間ではっきりできるんですけれども、日本は、国と地方の仕事をあえて融合的にしている。特に教育行政はそういうところがあるんですけれども。なので、権限と責任の一致というのは、現行の地方自治制度では、あるいは中央・地方関係の中ではなかなか難しいところがあって、一つの選択肢として、分離型にして、地方と国の仕事をはっきり分けるという考え方はあり得ると思うんですけれども、そうすると、地方の仕事は書いてあることだけに限定されて、それ以外のことをやると違法になってしまうということは制度上考えられるわけです。融合型にもメリットがあって、国がやっていないことを地方が先取りできるというメリットもあるわけですね。
 なので、権限と責任の一致というのは、もちろん、できるところはそうするのが望ましい面もあると思うんですけれども、なかなか現行の制度の中で、地方自治制度の中で、あるいは中央・地方関係の制度の中では、今の日本ではなかなかそれが難しいので、あとはどこまで折り合いをつけるかという問題になると思います。
 以上です。

【小川分科会長】  では、最後ということで、竹原委員、お願いします。

【竹原委員】  学校運営協議会と学校支援地域本部両方に関わる者として、教育委員会、学校長、そして、教職員の共通理解の不足が課題だと思っております。
また、学校教育と生涯学習や社会教育の部門が縦につながっていないこともあり、地域で活動しているものとしては戸惑うこともあります。ある県ではプロジェクトチームを作って一体化しているというのも聞いておりますので、今後の課題だと思っています。
 実際に地域の人が学校支援地域本部の様々なサポート活動の中で関わったときに、学校や子どもへの理解が深まって「応援団」にもなるし、さらに学校評価などにも関わる「辛口の友人」としての役回りも、そこでようやく果たせるということがありますので、この事業二つはとても大事です。
 さらに学校と地域をむすぶコーディネーターの養成と資質の向上、コーディネーター同士のネットワーク化が求められていることをお伝えしたいと思います。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 諮問事項2の方に大分時間が割かれてしまいました。これまでの議論の中で、重要な視点も出され、また、論点もよりクリアになったと思います。それについては、次回、引き続き関係機関、関係団体からの意見表明というか、ヒアリングをしながら、今日出された幾つかの論点については、さらに深めた議論を進めていきたいと思いますので、諮問事項2についてはこの辺で終わらせていただきたいと思います。
 あと、諮問事項3の学校、教育行政、保護者・地域住民との関係については、残りが25分ぐらいしかありませんが、今日は、一応、イントロダクションというような意味も込めて、諮問事項3に関わる関係資料に基づいて、まず事務局の方から説明いただいた後に、実際にコミュニティ・スクールの先進的な取組を進めてきた三鷹市の例を含めて、貝ノ瀨委員の方から御意見をいただくということにさせて下さい。
 では、事務局の方から説明をお願いいたします。

【岸本参事官】  それでは、資料4に基づいて御説明させていただきます。
 資料4を1枚おめくりいただきまして、右下に1ページと書いてございます。コミュニティ・スクールの概要ということでございますが、これにつきましては、平成16年のいわゆる地教行法の改正によりまして、保護者や地域住民の意見を学校運営に反映するというための制度として、学校運営協議会という制度が設けられております。この学校運営協議会が置かれる学校を、通称コミュニティ・スクールと呼んでございます。
 その下、2番のところに、その主な役割が書いてございます。法律上、三つが大きく書かれておりまして、一つが、学校運営の基本方針を承認するという機能、二つ目が、学校運営について、教育委員会あるいは校長に意見を出すという機能、三つ目が、教職員の任用に関して、教育委員会に意見を述べることができること、併せて、教育委員会は、意見が出された場合、それを尊重するということ、この三つが大きな権限として規定されております。
 もう一枚おめくりいただきまして、2ページでございます。コミュニティ・スクールの指定状況でございますけれども、本年度頭の4月の状態で1,570校、全国にございます。
 その分布を、下の日本地図の中に示しておりますが、20%以上の学校が、既にコミュニティ・スクールという形で指定されている県が、西日本を中心に4県ある。その一方で、全くないという県が北陸及び東日本に5県あるということで、全国的には、その取組の状況はまちまちというところでございますけれども、その下にございますとおり、ここ数年、年間数百校の割合で増えているという状況にございます。
 現在、私どもは教育振興基本計画第2次の計画の中で、これをこの四、五年の間に、全国の1割、3,000校程度に増やすという形で目標を掲げて、取組を進めているところでございます。
 もう一枚おめくりいただきまして、3ページでございます。これは、コミュニティ・スクールを導入した結果、どのようなメリットがあったかということにつきまして、導入をされたコミュニティ・スクールの校長先生にお聞きした結果でございます。
 回答の結果、多かった順から上に並べておりますけれども、上の方には、地域との連携ということで、コミュニティ・スクールの直接的な話が出ておりますが、半ばのところから、例えば、児童生徒の学習意欲が高まった、保護者等からの苦情が減った、生徒指導の問題が解決した、あるいは、児童生徒の学力が向上したという形で、そのメリットは出ているところでございます。
 例えば生徒指導、あるいは学力のところにつきまして、40%程度という数字を高いと考えるか、低いと考えるか、いろいろな考え方もございますけれども、その下の表を見ていただきますとお分かりいただけますように、16プラス17年度ということで、二つまとめておりますが、古い年度に、既に以前から指摘されて取組を進めている学校になるほど、その率は高まっているということで、コミュニティ・スクールの取組が進む中で、この課題が少しずつ出てきているという状況にあるのではないかと考えております。
 次の4ページでございますけれども、三鷹市の例と福岡県春日市の例、二つ載せさせていただいております。これは数値的な形で、取組の状況、メリットを示されている例ということで挙げさせていただいておりますが、この後、貝ノ瀨委員の発表がございますので、割愛させていただきます。
 続きまして、少しページを飛びまして、11ページをお開きいただければと思います。この後、学校支援地域本部について、詳しく御説明をさせていただきますが、先に、先ほど御説明させていただきましたコミュニティ・スクールと学校支援地域本部との連携について簡単に御説明させていただきます。
 現在、コミュニティ・スクールに指定されている学校1,570校のうち、小・中学校は1,491校ございます。その中で、学校支援地域本部という、学校を支援するための取組がございますが、この事業にも取り組んでいる学校は、うち4割に達成しているところでございます。
 この両者の連携のイメージを、その下の図で示しておりますけれども、コミュニティ・スクールのうち、学校運営協議会という制度は、学校の運営に関わる制度でございますので、PDCAサイクルのうち、基本方針の承認という形でPの部分、あるいは、学校評価等々も組み合わせまして、学校運営等について評価をし、あるいは意見を出すCの部分、そして、それを改善につなげるAの部分、この部分をコミュニティ・スクールが担っている。また、実際に事業の実施、Doの部分でございますけれども、そこを支援するものとしての学校支援地域本部というものがあるということで、この二つが密接に組み合わさることによって、学校というものがよりよくなっていくというものと考えております。
 なお、これは制度上の整理の例でございますので、実際の取組においては、更にいろいろな形で組み合わさっている例が多々ございます。
 次の12ページでございますけれども、コミュニティ・スクールと学校支援地域本部の連携事例ということで、二つ挙げさせていただいております。
 一つは杉並区の井草中学校の例でございますけれども、これはPTAのOBが中心となって、学校を支援する機能としての学校支援本部“○(えん)”というものが発足した後、当該学校がコミュニティ・スクールという形になりましたときに、学校運営協議会と従来からある学校支援本部を連携して、例えば定例会を同日に開催するという形で、お互いの有機的な連携を図るような取組を行っているという例でございます。
 その下は、横浜市の東山田中学校の例でございますが、こちらは開校と同時にコミュニティ・スクールに指定されておりまして、その下にコミュニティハウスというものが設置され、その場が整備されて、取組が進んできたところでございますが、そこにおけます様々な支援活動を基盤として、その後、学校支援地域本部が形成されていったという形で、連携がとられている例でございます。
 簡単でございますが、コミュニティ・スクールに関しては以上でございます。

【高木社会教育課地域・学校支援推進室長】  続きまして、学校支援地域本部の御説明をさせていただきます。6ページにお戻りください。
 コミュニティ・スクールの方は法律に基づく事業でございますけれども、学校支援地域本部の方は予算事業で進めているところでございます。地域のコーディネーターさんが学校と地域との間に入っていただきまして、様々な学校の活動に対して、学校支援ボランティアさんがいろいろな支援をしていただく。例えば授業の補助とか部活動支援、環境整備等々をしていただくといった事業でございます。
 7ページでございますけれども、平成25年度の申請段階でございまして、3,527本部、小・中学校で約8,600校ほど、現在あるところでございます。大体、率にしますと小学校区、中学校区とも約25%の学校に学校支援地域本部を設置しているところでございます。第2期教育振興基本計画におきましては、全ての学校区におきまして学校支援地域本部などの学校と地域が組織的に連携・協働する体制を構築するといったものが、5年間の目標として設定されているところでございます。
 7ページの下段でございますけれども、24年度段階で、都道府県、政令市の実施状況といった形でございます。例えば新潟市さんは、全部の小・中学校で学校支援地域本部を設置していただいているところでございますけれども、24年度段階では、まだ一つも本部を設置されていない自治体さんもあるような状況でございまして、ばらつきがあるところでございます。
 8ページでございます。学校支援地域本部に関わるボランティアさんの状況でございますけれども、学校と地域との間に入って、いろいろな連絡・調整をしていただきますコーディネーターさんが8,000人ということで、大体、1本部に2人ぐらい、一つの学校に1人ぐらいの配置状況でございます。実際、子供たちに関わっていただいています教育活動推進員さんとか教育活動サポーターさんが、3万人なり、2万6,000人なりの数があるところでございまして、その他の無償ボランティアさんが約106万人といった状況でございます。
 学校支援地域本部に関わる活動内容でございますけれども、授業そのものの補助をしていただくといったものが73%ほど実施していたり、学校行事の参加・補助などをしていただいているところが61%といったところでございます。その一方、学校の花壇の整備とか登下校の安全指導といったところが、70%なり59%といった状況でございます。
 9ページをご覧いただきますと、宮城県の小・中学校の校長先生40名にアンケートをしたものでございます。学校というのは、震災があった際に避難所になるんですけれども、最初、学校の先生方が運営に関わっているんですけれども、そのうち、学校そのものの運営に関わらなければいけないために、地域の方々に避難所の運営をだんだん移管していくといったところでございますけれども、学校支援地域本部を設置していた20校は、地域の方々に運営を移管するに際して順調だったというのが95%に対しまして、学校支援地域本部を設置していなかった20校のところですと、地域への移管が順調だったとお答えいただいたところが35%に対しまして、混乱が見られたところが40%といった状況でございます。
 9ページの下段でございますけれども、今後の学校支援地域本部を推進するに向けての課題といたしましては、学校、保護者、地域住民の互いの日々の活動に対する理解促進、そもそも学校がどういった活動をしているのかを保護者、地域住民が理解していただくことが必要ではないかとか、先ほど県別、指定都市別の設置状況を見ていただきましたけれども、地域差が非常に大きい状況でございますので、地域の実情に応じた設置促進が必要ではないかとか、活動状況が異なっておりますので、コーディネーターさん同士の情報共有とかコーディネーターさんの質の向上を図る必要があるのではないかとか、あと、学校支援活動などを行うボランティアさんの充実が必要ではないかと考えているところでございます。
 10ページでございます。我々もいろいろな仕組みを作っているところでございますけれども、地域に開かれた学校づくりを進めるためには、どういうふうに進めていければという形で、示させていただいたのがこの一例といった図でございます。
 まずは、PTAさんとか自治会などと連携しまして、学校の中身を知っていただく。いろいろなことをやっているということを知っていただこうと。学校公開週間とか、各自治体さんごと名称が異なっておりますけれども、例えば横浜市さんだと、「学校をひらく!」週間といったことで進めておりますけれども、まずは地域の保護者の方に、学校、子供たちの活動を知ってもらう。
 その上で、主に放課後とか土曜日の子供たちの活動を支援いただく放課後子ども教室の設置に向かっていただきまして、授業そのものを支援していただく学校支援地域本部、その上で、学校運営そのものを判断していただく学校運営協議会、コミュニティ・スクールといった段取りで進めていくということが、一つとしてあり得るのかなと考えているところでございます。
 以上でございます。

【小川分科会長】  急がせまして、すみませんでした。
 では、貝ノ瀨委員、よろしくお願いします。

【貝ノ瀨委員】  では、コミュニティ・スクールの三鷹市の取組を、具体的な面から報告をさせていただきます。
 カラー刷りの「三鷹発 地域とともにある、新しい義務教育学校」のペーパーを御覧いただきながら、お聞きいただきたいと思います。たくさん盛り込んでありますので、見にくいんですけれども、順次、御説明申し上げます。
 本市は人口18万で、学校は小学校15校、中学校が7校で、22校ですが、中核都市までいかない規模でございますけれども、現市長の、10年ぐらい前ですけれども、最初に選挙にお出になるときにマニフェストとして、市民との協働のまちづくりということがございまして、その一環として、小・中一貫教育の推進というのがございました。それを打ち出して当選をして、実際に動き出しましたけれども、しかし、当初、率直に申し上げて、うまくいかなかった。
 そういう中で、当時、私は市内の校長をしておりましたけれども、私自身は、教育ボランティア制度とか、開かれた学校づくりとか、地域を巻き込んだ教育実践をしておりましたが、その中で市長さんに、地域を巻き込んで、教育も地域協働の教育ということがあるべきではないかというようなことで、特に、特色ある教育活動を進めていく場合には、学校単独で事を進めるというのはうまくいかない。
 じゃあ、あなたがやってくださいということで、教育長になりまして、現在のような基盤を作ってきたわけでありますが、コミュニティ・スクールだけやってきたわけではございませんで、コンセプトとしましては、タイトルにございますように、コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育ということでございます。ですから、コミュニティ・スクールを土台として小・中一貫教育を推進しているということでございまして、そういう意味では、三鷹市自治基本条例を市長の方で作ってもらいまして、その中に、地域との協働で教育を進めていくという内容を第33条に盛り込んでもらった。
 教育委員会の方は、三鷹市教育ビジョンというものを作りまして、そこできちんとコミュニティ・スクール、そして小・中一貫教育を明確に位置付けたということで、タイアップしながら教育改革を進めてきたというのが現状でございます。
 開いていただきまして、その内容でございますけれども、先ほど参事官の方からもお話がありましたけれども、コミュニティ・スクールは大きく言いますと、学校運営への参画、つまり学校改善のための話合い活動というのが一つの機能としてありまして、もう一つは、学校支援、教育活動への参画という、大きく言うと二つの機能があるわけですが、この機能をバランスよく進めていくということの中で、学校運営協議会が司令塔になって進めていくわけであります。
 学校運営協議会は、委員さんというのは20人程度でございますけれども、地域の方々、校長先生が教育委員会に推薦をして、教育委員会が任命する。非常勤特別職ということで、これはさっきお話もありましたように、地教行法の改正によって制度的に位置付けられたということのコミュニティ・スクールでございますけれども、法律的にはコミュニティ・スクールと書いてありませんので、学校運営協議会が設置できるということができておりますので、これはどのような片仮名文字で言ってもいいんだと思いますが、コミュニティ・スクールと言い慣らされておりますので、コミュニティ・スクールということで申し上げております。
 特に学校支援ということで、様々な地域の方々が教育ボランティアなどを通しまして、学校評価も含めて、学校の改善に、そして学校を応援するという取組をしているわけでありますが、これは先ほど高木さんの方からも話がありましたように、学校支援地域本部事業も三鷹市は受けおりますし、地域子ども教室もやっております。これは二つとも事業でございまして、制度としてきちんと法律に位置付けられているのが学校運営協議会、コミュニティ・スクールでございますので、そういう意味では、コミュニティ・スクール委員会が司令塔になって、学校支援地域本部事業と地域子ども教室事業を、これも活動がかぶっておりますので、そういう意味では、学校運営協議会が司令塔になって、事実上、一体的に運営しているというのが三鷹市の実情でございます。
 小・中一貫教育、ついでに申し上げておきますと、これは現行の法制度の下で行っておりまして、9年間の小・中一貫のカリキュラムを作りまして、15歳のときにどういう子供を育てるかということをしっかり明確に教育ビジョンに位置付けまして、教員は小・中兼務発令をし、相互乗り入れ事業などもしながら、子供たちをきめ細かく、教員も相互に学び合いながら、自分の資質を高めてもらう。
 そういうことの結果、右側の方にグラフ化されておりますように、教員の授業力の向上、学力の向上、これは三鷹市の場合は、市でも民間の業者とタイアップして経年変化を見ておりますし、また、都の学力調査にも参加しておりますし、国の調査にも参加しておりますが、特に市の方で見ますと、右肩上がりに学力が向上している。これは当然のことながら、学校支援という形で、きめ細かく地域の方々が応援してくださっていることとか、地域の方々が学校に様々な形で関わるということで、教員たちが一定の緊張感を持って教材研究をし、授業改善に努めているということも、授業力向上になり、結局のところは、確かな学力の定着に結び付いているのではないかと考えております。
 また、健全育成の面でも、特に不登校でございますが、中1ギャップと言われるものが、9年間のスムーズな一貫教育によって、不登校が非常に減ってきているということでございます。
 次のページに、最後になりますけれども、様々な小・中学校の交流がございますが、かつては小学校文化とか中学校文化と言われておりましたが、それが壁が低くなって、様々な交流が行われ、子供たちの豊かな育ちにつながっていると言えると思います。
 ただ、いいこと尽くしではございませんで、課題もございます。これは先ほど来の議論ともつながりますけれども、教員が一定の期間たちますと転勤をしていくという中で、また新しい方たちに、この取組について理解をしていただいて頑張ってもらうわけですが、温度差が、継承という意味でなかなか難しい面があるということ、それから、地域の方々はずっといらっしゃるわけでありますが、地域の方々も、年齢とともに若い人にバトンタッチしていく上での継承という面でも、なかなか難しいところがございますが、これは市民の皆さん方が自主的に、自分たちで研修会を組織して、自分たちの人材育成に取り組んでいただいておりますけれども、そんなことで問題解決を図ろうとしております。
 また、もう一つの資料は、昨年度、文科省の委託調査で行いまして、これは、三鷹市の教育・子育て研究所というのがあるんですが、そこに中心にして有識者15人ぐらいの方々と一緒に、1年間にわたりまして調査研究したものでございますが、これはほんの一部の概要でございますが、時間がございませんので、後でお読みいただきたいと思っておりますけれども、本体は電話帳ぐらいの厚さになっておりますが、もし御必要な方がありますれば御提供したいと思っておりますが、そのような取組を報告させていただきました。
 以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 予定の時間はほとんどないので、実質的な審議は今回できません。次回の会議で引き続き議論していきたいと思いますけれども、何か御質問があれば、一、二受けたいと思うんですけれども。
 では、竹原委員。

【竹原委員】  質問じゃないんですけれども、手短にいいですか。学校運営協議会と学校支援地域本部、両方に関わる者として、資料4の12ページにある東山田中学校に関わっているものです。
 今、皆さんにお伝えしておきたいこととして、先ほど貝ノ瀨先生もおっしゃいましたけれども、教育委員会が考えていること、学校長が分かっていること、そして、教職員がどれだけ理解しているかというところで、共通理解の不足というのが課題にあるということをお知らせしたいと思います。
 それからもう一つ、行政内部では、学校教育と生涯学習や社会教育の部門が縦につながっていなくて、そこで、市民とか地域はつながっていますが、全体としての改革の軸が二つあって、うまくいっていないというのが現状のところもあります。一つの県ではプロジェクトチームを作って一体化しているというのも聞いておりますので、今後の課題だと思っています。
 それから、地域そのものでは、学校と地域の住民が、実際に地域の方が学校支援地域本部の様々なサポート活動の中で関わったときに、理解が深まって応援団にもなるし、それから、学校評価をするような辛口の友人としての役回りも、そこでようやく果たせるということがありますので、この事業二つはとても大事なものであると思っています。
 コーディネーターの養成とか資質の向上、それからコーディネーター同士のネットワーク化によるボトムアップというのがとても大事なので、そこは今後の仕組みを作るときにも加味していただきたいと思っております。
 概要としては、私が今現在、申し上げたいのはそういうところです。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 では、予定の時間が来てしまいましたので、諮問事項3については、今日は実質的な論議はできませんでしたけれども、次回の会議で引き続き議論をさせていただければと思います。
 最後に、義家政務官の方から一言、御意見なり御感想を頂ければと思います。お願いします。

【義家政務官】  非常に自由闊達な御意見、丸2時間、途切れることなく、核心をついた御意見、本当にありがとうございました。
 コミュニティ・スクール、今日は話し合いの俎上(そじょう)では、議論にまでは至りませんでしたけれども、学校を核とした地域の再生、逆に、地域の力をかりた学校の再生、まさに今後、しっかりと進めていく施策であると認識しております。今後の議論、是非深めていただきたいと思います。
 その上で、冒頭の挨拶と関わりのあるところですから、幾つかお話ししておきたいと思いますが、まず、橋本委員の方から、共同採択というもの自身がおかしいんじゃないかというお話がありましたが、これは、例えば竹富町においては、各教科の先生、数人しかいないんですね。数人で膨大な教科書を読み込んで、研究して、傾向を持って採択するということができないという中で、一定の共同採択、人事異動の問題とかとも絡むところなんですが、一定の規模で行うという制度が昭和30年代から始まり、そして無償措置している。
 もう一つが、ほぼ同じ地域の高校に進学を今度はしていきますから、中学時代、ばらばらな教科書でそれぞれの小さな単位で学んでいたら、基礎学力、共通知識にも問題がある等々の配慮も含めて、共同採択地区というのが行って、いずれにしても、法律で決まっているものですから、それが問題であるならば、教科書無償措置法を改正するための議論というものを、別途していかなければならない議論だろうと思います。
 それから、違法確認訴訟について、いろいろ出てきましたが、これは地方教育行政法49条の是正の要求をして初めて俎上(そじょう)に上がるものなんですね。49条は二つのハードルがあるわけです。法令に違反している、事務の管理執行を怠っている、これを前提にして、怠っているプラス教育を受ける権利を侵害されていることが明らかな場合、この2項を満たさないと是正の要求が出せない。つまり違法確認訴訟にもいかないんですね。
 八重山のケースでいけば、一つ目の法令の規定に違反していることは該当するわけですが、とりあえず無償で措置されているので、子供たちは寄付によって措置されている。つまり有償で買ったわけじゃないので、彼らの教育を受ける権利は侵害されていることが明らかかどうかとは言えないという判断の中で、49条の要求さえ難しいんですね、今。
 だから、もしここで具体的に違法確認訴訟について議論させていただくならば、この二つのセット条件を1個にして、法令に違反する場合、管理執行を怠ってる場合は是正の要求ができると。その上で、言うことを聞かないならば違法確認訴訟ですよというのは分かりますけれども、ハードルが高過ぎて、結局、要求さえ出ないので、違法確認訴訟まで行かないというのが現在であります。
 さらには、是正の指示、これは義務を伴うものでありますが、これも三つのハードルを満たさなければ、どっちみち出ないわけですね。つまり、生徒等の身体の保護のため、これは冒頭で言いましたが、命がなくなってしまったら、この条項は当てはまらなくなるわけですよ。つまり是正の指示は、どんなおかしな対応をその後、行っていたとしても、永遠にできないわけですね。
 ですからこれも、法律に違反している場合、そして、セットじゃなくて分けて、適正な教育行政を緊急に担保する必要がある場合等々に限定して、しっかりと法改正をしていきたいというふうに、考えております。
 いずれにしましても、これが、違法確認訴訟の話を出すならば、そこに、つまり違法な条件であれば、しっかりと文部科学省が是正の要求をスムーズに出せるという状況になることが望ましいと考えておりますので、是非、委員の先生方のお知恵もかしていただいて、今後とも議論を深めて、法改正に進んでまいりたいと思っております。
 いずれにしましても、熱心な御議論、非常に勉強になること、参考になることも多々ございました。本当にありがとうございました。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 では、最後、私の方から次回の予定を御連絡させていただきたいと思います。
 次回は早速、来週ですけれども、23日火曜日、午後2時から午後4時まで、今日行った諮問事項2と3の議論を引き続き行いたいと思います。特に県費負担教職員制度の中の人事権の移譲については、次回、中核市の教育長会、町村教育長会、そして大阪府から、条例による事務処理特例を活用して人事権移譲をしている事例がありますけれども、そのヒアリングを予定しております。よろしくお願いいたします。
 詳細については、また事務局の方から御連絡が行くと思いますので、よろしくお願いします。
 では、これで今日の分科会を終わりたいと思います。ありがとうございました。

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